『【オピニオン】トランプ氏は統治者にふさわしくない?』(5/7ダイヤモンドオンライン WSJ)、『[FT]新興国債務 向き合う中国』(5/8日経 ジリアン・テット)について

5/7希望之声<川普突然上调对华关税 中共宣传外交乱套?惊现“鬼打墙”= トランプは突然中国の関税を引き上げる 中共のプロパガンダ外交は混乱? 堂々巡り>トランプ大統領は突然、今週の金曜日(5/10)に米国への中国の輸出品に対する関税を引き上げると発表した。 中共の公式メディアは一時的に集団失語症に陥り、SNSは当局の検閲の下、厳しくブロックされ、株式市場はパニックを起こし急落した。 10時間以上の沈黙の後、人民日報は緊急に声を上げたが、関税戦争については言及しなかった。 一方、大陸のメディアで関税戦争に関する唯一の情報は、中共外交部が記者の質問に答えたものだけで、報道官の対応は「常軌を逸している」と言われている。

耿爽報道官は記者の質問に答えて、「米国が中国製品に関税を課して脅すことは、これまで何度も起こった」と。

彼は、メディア記者の米中貿易交渉における次のステップへの詳細についての追加質問に対し、論点をずらすか答えないかして、ずっと正面からの回答をしなかった。

ある記者はさらに追加質問した。「あなたは我々に関係部署に聞けと言ったが、関係部署に米中貿易協議が予定通りにされるかどうか尋ねるためにファックスを送ったが返事がない。一体全体どの部門に聞けば良いのか」と。

回答:「関係部署はもちろん関係部署である。関係なければ、関係部署と呼ぶことはできない。また尋ねることを提案する」と。

中共政権が茫然自失に陥っているのが窺えます。反習派が蠢き出すかも。

中国外交部報道官・耿爽

https://www.soundofhope.org/gb/2019/05/07/n2865171.html

5/7阿波羅新聞網<川普促北京变局 历史从此转折?贸易战升级 专家:北京担心四件事=トランプは北京の変化を促す 歴史の折り返し点はここ?貿易戦争は拡大 専門家:北京は4つのことを心配している>米中貿易交渉は劇的に変化した。 専門家は、「米中貿易戦争の拡大は中国経済に4つの大きな影響を与えるだろう」と指摘した。 仏メディアのRFIの分析によると、「中共は一息入れるために、一時的な遷延策を取り、まず米国の条件を受け入れただけ。 今後、米国は北京の不透明さを透明にしようとし、歴史の転換点がここで恐らく生じるだろう」と。 米中経済安全保障調査委員会(USCC)は6日、中共が6つの方法でアメリカの技術を盗んでいることを指摘した研究報告を発表した。 さらに、米海軍は英国メディアに、中共が占領している南シナ海の島礁から12海里以内に2隻の米軍艦を航行させたことを明らかにした。

中国経済アナリストのジュリアン・プリチャードは中国経済について「①中国の経済はさらに減速する可能性がある②北京は追加の経済刺激策を採ることを余儀なくされるだろう③人民元が打撃を受ける可能性がある④中国の株式市場は弱気相場になる可能性がある」と指摘した。

世界平和の為には中国経済を崩壊させませんと。中国人の本性はさておいて、民主化を進めさせることが共産主義打倒には良いかと。

https://www.aboluowang.com/2019/0507/1285991.html

5/7阿波羅新聞網<习近平两难 北京手忙脚乱 气氛骤变谈判急转直下 中国经济经得起贸易战升级?=習近平は2つの難題に直面(政治上の立場の動揺と失権) 北京は慌てふためく 交渉の雰囲気は急転直下に変化 中国経済は貿易戦争の拡大に耐えることができるか?>米中貿易交渉は急激に変わった。 トランプが今週の金曜日(5/10)に中国の2000億ドルの輸入品に増加関税にする前に、米中がどのように話し合うかが注目の的となった。 北京当局の反応は慌てふためいており、何をしてよいかわからないようだ。 中共の当局者は、「交渉の雰囲気が急激に変った」と述べた。 政治評論家の章家敦は、「トランプの2つのツイートが、中共の党首である習近平を不安定な立場にした」と。元下院議長のギングリッチは「米国と中国の対立は文明と野蛮の間の争いと考える人が増えている」と。

食人文化と賄賂文化を持つ中国が文明国であるはずがありません。更に人権弾圧する中共統治は21世紀に相応しくありません。潰すべきです。

https://www.aboluowang.com/2019/0507/1285988.html

5/7阿波羅新聞網<中共封杀川普贸易战禁令曝光 国际投行:谈判破裂A股跌这么多 郭台铭:美建立自己供应链=中共はトランプの貿易戦争について禁令を出し封殺したのが明らかに 国際投資銀行:交渉は決裂。A株がこんなにも下落。 郭台銘:米国は独自のサプライチェーンを確立する>先日、トランプは関税戦争再開のツイッターを発し、中国の株式市場と外国為替市場は急落し、市場は絶望に覆われた。 欧米の報道と比較すると、中共の報道機関は依然として声を出せず、SNSで関税戦に関するニュースは完全にブロックされている。 国際投資銀行のUBSは5/6、米中協議に関する予測を発表した。 UBSは、米中交渉が破局すれば、大陸のA株は20%下落すると予測している。 香港の株式評論家は、関税増となれば株式市場の大幅下落は避けられないとコメントした。 同日、鴻海会長の郭台銘は記者会見で、米中貿易戦で、米国は独自のサプライチェーンを確立しようとするだろうと述べた。

郭台銘は「貿易戦争が先行き終結したとしても、両国間の紛争は今後も続くであろう。中国市場は驚天動地の開放をし、米国は独自のサプライチェーンを確立しようとするだろう。米国と中国の激しい競争の下で、台湾は重要な役割を果たすことができる。台湾は3者にとって好都合な状況、すなわち“台湾の利益、米国の目標達成、中国の転身”となる機会をつかむ必要がある。米中貿易戦争は2〜3ヶ月で終わる」と予想した。

郭台銘は自分の都合に合わせて事態を解釈していますが、こういう展開にはならないでしょう。

総ての人に 貿易戦に関する文章は書くな。書いたとしてもどんな観点であれ全部削除される。

申し訳ない。関連法律と法規により、中米貿易戦は暫く検索できない。

https://www.aboluowang.com/2019/0507/1285969.html

5/8日経ビジネスオンライン 宮家 邦彦<中国のメンツを潰しかねないトランプ「25%発言」>嘘つき中国人の面子を立てることを考えることは劣位戦の場で戦うようなもの。彼らは「面子」を取引材料の一つとして使っていると思うべし。そもそもで言えば、宮家氏は米中の争いは世界覇権をかけた争いと言うのが分かっていないのでは。覇権国はあらゆる資源・手段を使って新興勢力を潰そうとするでしょう。貿易戦争の関税賦課なんてかわいいもの。やがて禁輸や金融制裁まで進むでしょう。

https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00023/050700041/?

WSJの記事は民主党もいい加減政争に明け暮れるは止めにしたらとの提言です。日本のモリカケと同じで、悪魔の証明をずっとトランプに課してきて、なおかつモラー報告でも無罪か推定無罪かに該当するので、不毛な議論は時間と金の無駄としか思えません。

民主主義国では被統治者の国民が、被統治者の中から選挙により統治者を選ぶ仕組みです。衆愚に陥る可能性はありますが、独裁政権より遙かにマシです。米国民が選んだリーダーを政治信条が違うからと言って野党が敬意を払わないのは如何なものか。次の大統領選の為に党利党略で動くのはどうかと。左翼・リベラルは金持ちの偽善者が多いと書かれていますが、その通りに思います。

FTの記事でIMFのラガルドは中国の人民元のSDR入りを支持した人物です。中共が推し進める少数民族浄化や、宗教弾圧には見て見ないふりをして来たとしか思えません。そんな人間が中共のBRIを支援しようとするのは当り前のことかも知れません。取材したFTもリベラルな姿勢で有名ですから。

しかし、中国はずっと嘘をついてきたことをどう考えているのかです。WTO加盟時の約束は反故、南シナ海の人工島を軍事基地化しないという約束の反故、約束を守った試しがない人物を信頼できるというのは、どこかがおかしいのでは。IMFの専務理事も米国から出せばよい。

WSJ記事

Photo:AP/AFLO

――筆者のダニエル・ヘニンガーはWSJ論説室の副委員長

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ロバート・モラー特別検察官の捜査報告書が公表されて以降、民主党とメディアは、米政治史上最大の巧妙な手品を披露してきた。

2年近くに及んだモラー氏の捜査を通じて、米国の有権者の前に固定されたように示され続けた一つの疑問は、ドナルド・トランプ氏は2016年大統領選挙の勝利をかすめ取るためにロシアと共謀したのかというものだった。

そして突然、魔法のように、新たな際限のない「物語」がわれわれの前に提示された。それは、ドナルド・トランプ氏は「統治にふさわしくない」人物であり、司法妨害で弾劾されるべきだというものだ。

彼らの行動について言い表すものとして、米サスペンス映画「ユージュアル・サスペクツ」から引用した以下の言葉ほど適切なものはないだろう。「悪魔が人をだますのに使ったトリックの中で最高のものは、彼が存在しなかったと世界を納得させたことだ…そして、彼はパッと姿を消した」。そして今、「ロシアとの共謀の物語」もパッと姿を消した。

筆者が記憶を失っていないことを確かめ、記録に残すためモラー報告書の内容から、共謀に関する適切な章を抜き出してみよう。「第四章、ロシア政府のトランプ陣営選挙キャンペーンとの関わりと接触」。

その後に続く「2015年9月〜2016年11月8日の選挙運動期間」の中では、捜査の標的に関する報告が詳述されている。これらの標的はそれぞれ、メディア報道やケーブルテレビの解説で際限なく取り上げられ、そのすべてが共謀を強く示唆していた。その中には、モスクワにトランプタワーを建設しようというプロジェクト、ジョージ・パパドプロス氏、カーター・ページ氏、保守系シンクタンク「センター・フォー・ナショナル・インタレスト」のディミトリ・サイムズ氏、2016年6月のトランプタワーでの会合、共和党の党大会でのさまざまな出来事、党大会後のセルゲイ・キスリャク駐米ロシア大使との接触、ポール・マナフォート氏などが含まれる。

メディアは朝昼晩と、こうした内容を米国民の意識の中に刻み込んだ。これらすべての事例について、トランプ氏の選挙陣営とロシアの間での犯罪行為に当たる共謀に関するモラー報告の結論は次のようなものだ。共謀なし、なし、なし、なし、すべてなし。

しかし今、彼らはそれら全てを記憶の墓場に捨て去り、モラー報告書の後半部分の、トランプ氏が大統領に「ふさわしくない」ことが証明されたというストーリーに置き換えている。彼は激怒した。彼はうそをついた。彼は仲間にうそをつくよう命じた。つまり、彼はあまりにも不快なため、大統領にはなれないというのだ。

そうかもしれない。もしくは、大半の有権者が大統領選で票を投じる際に使う決定木(ディシジョンツリー)は、トランプ氏に反対する人々が同氏の性格に際限なくとらわれていることよりも、複雑なのかもしれない。

トランプ氏は、ベトナム戦争で捕虜になって虐待を受けた故ジョン・マケイン元上院議員が英雄ではないと言った際、大統領にふさわしくないと言われていなかっただろうか。あれは、あまりにもひどい言いようだった。「アクセス・ハリウッド」の映像が出てきたときもそうだった。にもかかわらず、トランプ氏は「ふさわしい」とされた16人の共和党の予備選候補を打ち破った。そして、同氏はヒラリー・クリントン元国務長官との、ふさわしさコンテストに勝った。クリントン氏は現在、皮肉だとは全く思わずに、トランプ氏が司法妨害で訴追されるに値したと述べている。

性格は確かに重要だが、有権者が大統領に選んだ人物で清廉だったのは、ジミー・カーター氏が最後だ。同氏は、高いインフレ率によって停滞する経済のてこ入れとイランで捕らわれた米国人の人質の方が大統領の清廉さより重要だと有権者が考えたため、1期限りで大統領の職を追われた。近頃の失業率はこの50年近くで最低の水準にある。

こういう話になるなら、カマラ・ハリス、エリザベス・ウォーレン、バーニー・サンダース、ベト・オルークやピート・ブーティジェッジ各氏について、米国を統治するのにどれほど「ふさわしい」かを問いたい人もいるだろう。

これらの大統領選候補者は、メディケア・フォー・オール(国民皆保険)、グリーン・ニューディール、学生ローンの返済免除、公立大学の無償化などを提案ないし支持している。これらには何兆ドルという空想的かつ全くもって無責任なコストがかかる。これと比較すると、ドナルド・トランプ氏の56億ドル(約6300億円)の「壁」は、緊縮財政のように見える。それでも、ふさわしさの枠から外れているのはトランプ氏の方だということになるのだ。

オルーク氏やブーティジェッジ氏は、恐らく、その大半を人柄に依存している。彼らの場合、争点となるのは有権者が候補者の経験よりも知名度を評価基準にするかどうかだ。そうなれば米国の統治者としてふさわしいかどうかは意味をなさない。

しかし統治力は重要である。国や州、あるいは市を運営するという統治における成功が、政治家としてふさわしいかどうかの評価基準であるべきだ。もしそうであれば、でこぼこ道の多いニューヨーク、殺人事件の目立つシカゴ、公園での麻薬取引が多いサンフランシスコ、そして過去5年間で警察署長が5人交代したボルチモアは、統治する適性を欠いているように思われる。

これらの都市はいずれも民主党による統治の下での「保護領」で、ドナルド・トランプ氏について、倫理面から国を統治するのは不適当な人物だと確信している高所得層の進歩派たち―ー彼らは、自分たちの町で歩道に横たわって放置状態となっているメンタル面で問題のあるホームレスたちをよけて脇を歩いたり、またいだりする人々だ―ーで満ちている。

倫理をめぐる問題はもう一つ存在する。われわれがこれまでにも執筆してきたように、過剰に政治化した現在の米国の文化と、多くの有権者がどんな問題があってもトランプ氏に投票した事実の間には、直接的な関係が存在することである。つまり、左寄りの人々が文化に対して行ってきたことのために、トランプ氏の人格が国民にとってほとんど関係のないものになってしまったのだ。

だからといってトランプ氏が大統領再選へ向けて順調に進んでいるわけではない。2020年の大統領選はどちらに転ぶか分からない。2018年の米中間選挙で、郊外の女性有権者がトランプ氏に不快感を持ったことから共和党が大敗を喫したことは事実である。トランプ氏はロシアの革命家、レーニンの著書「一歩前進、二歩後退」を体現する人物だ。

誰が大統領であれ、欠点や失敗はつきものだ。しかし、ロシアによる大統領選介入に関する共謀疑惑が最終的に集結した現在、どうか「統治にふさわしくない」という政治劇の続編のために2年間を費やさないでもらいたい。

(The Wall Street Journal/Daniel Henninger)

FT記事

国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は4月末、米シンクタンク・ミルケン研究所主催の会議にゲストスピーカーとして登壇した。セッションには「変遷の時期」という題名が付いていた。

タジキスタンのラフモン大統領と握手する中国の習近平主席。タジキスタンは返済の代わりに土地と鉱物資源を中国に提供したとされる=AP

同氏が講演で取り上げた最も目を引くテーマの一つは、IMFやその経済予測とは関係がなかった。注目の場面が訪れたのは、多くの論争を巻き起こしている中国の広域経済圏構想「一帯一路」について質問されたときだ。ラガルド氏はここで意外にも少し安心できる材料を提供した。

■一帯一路の債務に対する態度に変化

会議に集まった4000人の投資家を前に、IMFは中国側と「何週間にもわたって協力し合い、(中略)債務の持続可能性がいかに重要かを説明してきた」と述べた。さらに、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席が4月下旬に主催した一帯一路フォーラムで、同構想のプロジェクトに融資した数千億ドルの債務を、財政・環境の双方について、より「持続可能」なものにする新たな枠組みの創設を約束したことも指摘した。

「彼らが今(枠組みの創設を)発表したという事実は励みになる」とラガルド氏は熱弁した。ある国際機関の別の幹部もこれに同意し、内々に「中国側の立場は最近変わった。ようやく、(一帯一路の)債務について我々と真剣に話すようになった」と語った。

これに対し、あきれた顔をしてみせる投資家もいるかもしれない。中国政府はグローバル化についてごもっともな公約を掲げることは得意だし、ここ10年の中国政府の振る舞いを考えると、債務の「持続可能性」を持ち出した習氏の言葉は空虚に思えるからだ。

中国は多くの発展途上国に(大抵の場合は)自分たちだけが得をするインフラ整備計画に何十億ドルもの資金を投じ、一部のプロジェクトは環境問題や社会問題を生み出してきた。

■8カ国が事実上のデフォルトも

だが、本当に注目しなければいけないのは、一帯一路関連の膨大な債務がすさまじく混沌としており、不透明であることだ。融資を実行したのが、互いに競合しあう中国政府機関や国有企業だったためだ。これにより、一連の融資の規模と条件、そして財政的に脆弱な国が本当はどれだけ債務負担を抱えているかを追跡するのが難しくなっている。

ここ10年で新興国の債務が膨れ上がった速さを考えると、その多くを負担したであろう中国の動向が注目されるのは当然だろう。ある国際機関の幹部は語る。「問題は、IMFと世界銀行が中国の債務規模を把握できていないことだけではない。中国自身も自分たちの債務がどれだけあるのか分かっていないのだ」

貨物鉄道が開通したケニアをはじめ、一帯一路向け融資で各国のインフラが整備されている=Ap

はっきりしているのは、負担がとてつもなく重いことだ。欧米のアナリストらは、二十数カ国がこの債務の返済に苦労しており、うち8カ国(モンゴル、モンテネグロ、パキスタン、ラオス、モルディブ、ジブチ、キルギス、タジキスタン)がデフォルト(債務不履行)に近い状態か事実上のデフォルトに陥っていると推定している。

タジキスタン(筆者が住んだことのある国)を例に取ろう。この国はかつて、世銀とIMFと欧州復興開発銀行(EBRD)の融資に依存していた。だが、この10年間は、中国からの融資が対外債務の増加分の8割を占めたとされる。地元ではタジキスタンが債務を返済できると思っている人は少なく、国は返済の代わりに土地と鉱物資源を中国に提供したと報じられている。だが、状況があまりに不透明なために、IMFと世銀は介入をためらっている。

驚くまでもなく、この泥沼は、ラガルド氏や米国の後押しを受けた世銀のマルパス新総裁からの非難を招いた。こうした状況にあるからこそ、ラガルド氏の先日の発言は注目に値するのだ。

■負担規模の算定、欧米との協調に期待

債務の重圧が高まるにつれ、中国はマレーシアをはじめとした国々からの公然たる批判(およびメンツをつぶされる場面)に直面するようになった。損失にも見舞われている。米コンサルティング会社ロジウム・グループが4月末に公表したリポートは、一帯一路向け融資のうち少なくとも38件、金額にして約500億ドル(約5兆5000億円)相当の債務が近年再編されたことを示している。このうち14件が債務の帳消しで、11件は繰り延べを伴う再編だった。

これまでは、こうしたプロセスは場当たり的で、2国間で秘密裏に進められてきた。しかし、欧米出身の国際機関の幹部らは筆者に、中国がエチオピアでの鉄道建設融資を再編した時やザンビアとの協議については非公式に相談されたと話してくれた。

これを機に一帯一路の債務の計測について協調する道が開けるのではないかとの期待が高まっている。関係者らは、環境基準について協力することや、一帯一路向け融資のガバナンス(統治)改善のためにアジアインフラ投資銀行(AIIB)をひな型として使う可能性についても話し合っている。

この流れで近々、真の透明性が確保されると考えるのは甘いだろう。また、これを受けて中国が、責任ある債権国から成る「パリクラブ(主要債権国会議)」に参加することもないだろう。もっと言えば、ホワイトハウスやマルパス氏がどう反応するかも定かでない。

だが、中国と欧米諸国の関係があらゆる形で悪化している時期だけに、世界全体はこうした変化の兆しに喝采を送り、力強く後押しすべきだ。結局のところ、債務問題に対処する最初の一歩は、痛みの度合いを測ることだ。世界的な信用サイクルが転換点を迎える前に計測が済むことを祈ろう。

By Gillian Tett

(2019年5月3日付 英フィナンシャル・タイムズ紙 https://www.ft.com/)

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