1/12産経ニュース【阿比留瑠比の視線】 「米国の傲慢な歴史修正 戦勝国は全てを正当化、敗戦国は我慢…もつわけがない」記事について

日本人が戦後アメリカから刷り込まれた侵略主義について、如何にいい加減だか分かる記事です。文芸春秋の堤堯だったと思いますが、「アメリカの3大原罪としてインデイアンの虐殺、黒人奴隷、原爆投下(1/12にローマ法王は「1945年8月6日、われわれは人類史上、最も恐ろしい惨事の一つを目撃した」と言っております)」と言っていた気がします。スペインとポルトガルによる世界2分割を目指した「トルデシャリス条約」、イギリス等による重商主義、ヨーロッパ諸国による殖民地争奪となった帝国主義等、日本を侵略者として非難するのであればまず「自らを顧みよ」と言いたい。サキ報道官が「河野談話や村山談話を引き継ぐように」なんて話すのは内政干渉も甚だしい。後で訂正しても遅すぎです。結局アメリカは過去自分たちがやってきたことを事実に基づき冷静に見られないということでしょう。歴史の見直しをしようとするとすぐ「歴史修正主義者」の烙印を押し、言論を封殺しようとします。国益が絡むからと思っているのかも知れませんが、アメリカの弁護士と同じく「勝てば官軍、正義の実現よりはどんな手段を使ってでも」という発想に近い。野心に忠実なのがアメリカ人なので。岡倉天心の『日本の覚醒』の中の『白禍』を取り上げていますのは、彼らの欺瞞を暴こうと思っているからです。しかし、日本はルメイに航空自衛隊創設のお礼として勲章まで与えるのですから何をか況やですが。戦後日本人が如何に誇りを失ったかの典型です。

記事

戦後70周年を迎える平成27年は、歴史認識をめぐる「歴史戦」の年になる。米紙ニューヨーク・タイムズなどは早速、日本の保守勢力に「歴史修正主義」のレッテルを貼ってきたが、戦勝国の立場にあぐらをかき、歴史を修正してきたのはどちらか-。

 そんなことをぼんやり思いながら昨年末の休暇中、高校書道部を舞台にした漫画「とめはねっ!」(河合克敏著)を読んでいて、思わず息をのんだ。

 作中、見開きで大きく紹介されていた昭和20年3月10日の東京大空襲を題材にした元教師の書家、井上有一氏の書「噫(ああ)横川国民学校」(群馬県立近代美術館所蔵)があまりに衝撃的だったからだ。

 「アメリカB29夜間東京空襲 闇黒東都忽化火海 江東一帯焦熱地獄」「親は愛児を庇(かば)い子は親に縋(すが)る」「全員一千折り重なり 教室校庭に焼き殺さる」「噫呼何の故あってか無辜(むこ)を殺戮(さつりく)するのか」「倉庫内にて聞きし親子断末魔の声 終生忘るなし」

 書幅いっぱいに埋め尽くすように書かれた文字は、積み重なり、苦しみながら焼き殺された人々に見える。自身は一命を取り留めたものの教え子を失った井上氏が、血涙で書いたかのような印象を受けた。

約10万人が死亡した東京大空襲は、非戦闘員の殺傷を目的としており、もとより国際法違反である。米田建三・元内閣府副大臣の調査によると、東京大空襲の「作戦任務」(同年3月9日付)の目標は、軍事施設ではなく「東京市街地」と明記されている。最初から一般住民を標的にしていたことは明らかなのだ。

 また、東京大空襲・戦災資料センターが東京都から寄贈された被害者の名簿3万人分のうち、年齢が分かる人について調べた結果がこの空襲の性質を表している。

 それによると、被害者の年齢層で最も多いのは0~9歳の20%で、次いで10~19歳の18%だった。実に4割近くが未成年だったのである。これは通常の戦争遂行行為ではなく、米軍による子供の大量虐殺(ジェノサイド)にほかならない。

 しかも米国は戦後、こうした自らの罪を日本人の目から隠そうとした。明星大戦後教育史研究センターの勝岡寛次氏の著書「抹殺された大東亜戦争 米軍占領下の検閲が歪(ゆが)めたもの」(明成社)によると、連合国軍総司令部(GHQ)は検閲で、例えば米軍の東京大空襲での国際法違反行為を指摘したこんな文章を削除した。

 「無辜の一般市民に対して行へる無差別的爆撃、都市村邑(そんゆう)の病院、学校、その他文化的保護建物の無斟酌(しんしゃく)の破壊、病院船に対する砲爆撃等、計(かぞ)へ来らば例を挙ぐるの煩に堪へぬほど多々あつた」(信夫淳平氏「我国に於(お)ける国際法の前途」)

「米国は原子爆弾と中小都市焼爆で日本全土を荒廃し数百万人の非戦闘員を殺傷せしめた」(石原莞爾氏・宋徳和氏対談「満州事変の真相」)

 米国は、自分に都合の悪い歴史は堂々と修正し、歴史から抹殺しようとしてきたのである。当時、日本に対する空襲について「史上最も冷酷、野蛮な非戦闘員殺戮の一つ」(ボナー・フェラーズ准将)と自覚していたのは間違いない。

 焼夷(しょうい)弾を使用した夜間無差別爆撃に踏み切ったカーチス・ルメイ少将の下で、作戦計画作成に当たったロバート・マクナマラ元国防長官は記録映画「フォッグ・オブ・ウォー」(2003年公開)の中でこう赤裸々に証言している。

 「ルメイも私も戦争犯罪を行ったのだ。もし、負けていればだ」

 だが、戦勝国は全部を正当化し、敗戦国はすべてを我慢するなどという状態が70年以上ももつわけがない。米国は傲慢になりすぎない方がいい。(政治部編集委員・あびる るい)