『米国で日本叩き運動を先導、中国のスパイだった 米国に工作員を投入する中国当局、その実態が明らかに』(8/19JBプレス 古森義久)について

8/16 facebook 投稿

變態辣椒

RFA自由亞洲電臺專欄——新作上線!近期日內瓦聯合國消除種族歧視委員會審議中國執行相關報告時,指責中國在新疆設立再教育營,關押100多萬維吾爾人,而中國外交部發言人對此回應表示否認。我覺得他們的否認大概同時有“我不知道”和“老子不在乎你説啥” 的意思吧。

 変態唐辛子

RFA自由アジアTV・・・新作がアップ。先日、ジュネーブの人種差別撤廃に関する国連委員会は、中国関係の報告をしたときに、 新疆での再教育キャンプについて中国を非難し、100万人以上のウイグル人を拘留していると。しかし、中国外務省スポークスマンは、これにつき否定した。私は、彼らが否認したのは、「私は知らない」のと同時に「老子は何を言われようと気にしない」の思いがあると思う。

https://www.facebook.com/btlajiao/photos/a.623231967785989/1721921654583676/?type=3&theater

8/20阿波羅新聞網<怕选举遭干涉 美国家安全顾问波顿点名中共=選挙干渉を恐れる ボルトン補佐官は中共を名指し>ABC報道によると、ボルトンは19日インタビューを受けて警告した。ロシア以外に中共、イラン、北朝鮮の3国も中間選挙に干渉する可能性がある。米国が最も関心があるのはこの4ケ国だ。現在防御措置を採っている。但し、原因についての詳細な説明はなかった。

ボルトンのインタビューの前日、トランプはツイッターで、「ロシアにだけ目を向けている愚かな人達は、中国にも目を向けるべき。しかし、我々が賢く、強く、良く準備すれば、最後には誰ともうまくやれるだろう」と発信。

http://www.aboluowang.com/2018/0820/1160690.html

8/19阿波羅新聞網<中美贸易战 北京痛失美国奧援 诈术连德国都看穿了=米中貿易戦 北京は米国の後ろ盾を失う 詐術はドイツにさえも見抜かれる>トランプは大統領府会議で、北京により良い条件を出すように促した。「我々は今北京と交渉している。彼らがそう望んでいるから。ただ、こちらが受け入れられない案を出すだけ且つ米国が公平に扱われる前では、我々は何ら決めることはできない」と。

ドイツのメルカトル研究所の欧中政策研究員のジャン・ウイーデンフェルドは「もし中国が譲歩したとしたら、一般的に言って、それは表面だけのこと。中国政府の目的は、外国企業に中国が許可したVPNだけを使わせ、総ての企業に党支部を作り、企業人事に介入するケースを増やすことである。これらを考慮すれば、近いうちに中国が西側に向けて開放することは期待できない」と。

http://www.aboluowang.com/2018/0819/1160577.html

石平、豊田有恒著『なぜ中国・韓国は近代化できないのか 自信のありすぎる中国、あるふりをする韓国』の中に“吃大户”(P.157~158)というのが出てきますので紹介します。

喫大戸」―金持ちをとりつぶして富む国家

石平:同じことです。だからさっきの話で、お店が繁盛すると、官僚たちがみんなただで食べに来るからつぶれるのです。おいしい店ならこれでつぶれるのですが、まずい店もやはりつぶれます。だから長持ちすることはないのです。

中国では国家財政が悪くなれば、あるいは地方財政が悪くなれば、昔ながらの対処法があります。地方の金持ちを何人かやっつけて財産を没収すれば、財政はまた何年間やっていけるのです。そういう場合、口実をつけて、金持ちに冤罪をかぶらせたら良いのです。しかしそういうことが繰り返されると、資本の蓄積ができなくなり、伝統を守る商家もなくなるのです。

豊田:韓流歴史ドラマを観ていると、同じようなケースが出てきます。

石平:そうでしょう。

豊田:やっぱり、誰か一人を狙って、全部財産を没収して。理屈はなんとでもつきますから。

石平:中国ではそれは「喫大戸」と言います。

豊田:ああ、食べちゃうわけですね。

石平:食べてしまうのです。この伝統を受け継いだのが今の中国共産党です。共産党のやり方もそうなんです。共産党は政権を取るために農村革命をやるでしょう。そのやり方は簡単です。 あちこちの村へ行って、村一番の金持ちの地主の家に乱入し、人を殺して、財産を全部奪うのです。奪った地主の土地は農民に分配するが、金、銀などそれ以外の財産が全部共産党と紅軍の懐に入る。土地は全部農民に分配するので、農民からは感謝されるのです。それと引き替えに、農民の子弟を紅軍に入れます。地主を一人ずつ殺して財産を奪えば、革命はそれで成功するのです。それを「一村一殺」というのです。

豊田:「一村一殺」か。面白いな。

石平:ロシア革命も、そういうふうにやったのでしよう。資本家の財産を全部没収しました。」

P.161~163には現代の「喫大戸」

石平:清朝の有名な話ですが、乾隆帝の1番側近の大臣の和坤という人ですが、この人は約四 十年間、実質上の首相を勤めました。乾隆帝は地方官僚の任命権などの人事権を全部この人に 任せていたから、天下の賄賂は全部彼に吸い上げられていました。一説によると、賄賂を取ることで国家予算十年分の財産を貯め込んでいたそうです。 乾隆帝が亡くなって、息子が即位しました。嘉慶帝です。嘉慶帝がこの和坤を捕まえて財産を没収したら、これで清王朝の国家財政が十年間はいっさいの心配はない、税金を取らなくてもいいというほどだったのです。

—そうなると、誰も安心して暮らせないですよね。

石平:そうです。官僚も安心して暮らせないのです。いつ捕まるかわからないからです。商人たちも戰々恐々として、いつ「喫大戸」されるかわからないからです。

豊田:それだから、清朝の時代と変わらずに、今もずっと続いているんですね。

石平:今もです。中国は永遠に変わらないのです。

—今、中国には巨大な産業がありますが:アリババとか、微博とか。ああいうのも・・・。

石平:最近、そういう傾向が出ていますね。中国では昔から産業が発展しない理由の一つは、要するに資本の蓄積ができないからです。商人たちがある程度の資本を貯め込むと、必ず官僚や政権によって「喫大戸」されるからです。アリパパなどは将来どうなるかはわかりません。

豊田:アリババなどには、国家も手を着けられないんじゃないですか。ここまで大きくなったら・・・。

石平:そうでもないのです。中国の歴史からすれば。国家ができないことは何もありません。

豊田:民間で、微博とかアリババとか、家電では美的とか海爾とか、世界企業になりつつある。われわれから見るとすごく意欲的な企業が起こっているように見えます。それに対して、国営の今のゾンビ企業みたいなものが、たくさんありますよね。国家がそのために弱くなったりしないんですか。

石平:いや、今の習近平政椎の政策では、国家権力を強めるためには、逆に合併などのやり方 で国有企業を巨大化させるのです。民間企業のアリババなどに対しては、以前は彼らによる資 産の蓄積や、海外投資による資産の分散を容認していました。しかし今、中国政府はアリババなどの大企業の海外投資を制限し始めたのです。要するにお金を外に出してはいけない、ということです。まずこれが第一歩です。次はやはり「喫大戸」をやるのでしよう。もちろんそれは、彼らの産業を全部つぶしてしまうという意味ではありません。技らの産業の何割かを国有化することはできるのです。もちろんそういうときに、例えば按らに名誉職も与えて、表向き、自分達は喜んでいるというふうにしなければならないのです。財産を奪われても、彼らは共産党政府に感謝しなければならないのです」(以上)

書かれていることは、掠奪社会主義と言われる所以です。ですから権貴達は富を蓄積しても海外に持ち出ししようとするのです。でも海外に一旦持ち出せば、米国のSWIFTコードで送金者の素性が分かるでしょうから、米国は暴露と言う武器を持つことになります。

古森氏の記事は、既に8/11の本ブログで紹介しました。8/6CNN<「中国のスパイ」を雇用か、報道めぐりトランプ氏と民主党議員が応酬>という報道です。本ブログで何度も説明しましたように、「南京」と「慰安婦」は中共のでっち上げです、中共の狙いは①日米分断②日本を道徳的に劣った民族と烙印を押し、日中戦争になっても味方する国が現れないようにすることです。ファインスタイン議員は裏で中国から金を貰っているかもしれません。米・民主党はビル&ヒラリー同様腐っているのが多いです。FBIがおかしいのはコミーがヒラリーを不起訴にしたことでわかるように、ファインスタイン議員も民主党に不都合な真実が出て来るから調べないのかも知れません。米国内でスパイは死刑にできるかどうか分かりませんが、できるとすればそれに相当するのでは?

http://dwellerinkashiwa.net/?p=9630

記事

米国のベテラン女性議員の側近が長年にわたってスパイ活動を行い中国に情報を流していた(写真はイメージ)

日本の慰安婦問題がまた国際的な関心を集めるようになった。韓国の文在寅大統領が公式の場で改めて提起したことなどがきっかけである。

ちょうどこの時期、米国で慰安婦問題に関して注目すべき出来事があった。司法当局から中国政府のスパイだと断じられた中国系米国人が、米国における慰安婦問題追及の枢要な役割を果たしてきたことが判明したのだ。

この人物は長年米国上院議員の補佐官を務め、現在は慰安婦問題で日本を糾弾する在米民間組織の中心的人物となっている。慰安婦問題への中国政府の陰の関与を示す動きとして注目される。

中国のスパイがベテラン女性議員の補佐官に

8月5日、連邦議会上院のダイアン・ファインスタイン議員(民主党・カリフォルニア州選出)が突然次のような声明を発表した。

ダイアン・ファインスタイン議員(出所:公式ホームページ)

「5年前、FBI(連邦捜査局)から私の補佐官の1人が中国諜報機関にひそかに情報を提供し、中国の対米秘密工作に協力していると通告を受けた。独自調査も行った結果、すぐに解雇した。機密漏れの実害はなかった」

ファインスタイン議員といえば、全米で最も知名度の高い女性政治家の1人である。サンフランシスコ市長を務め、連邦議会上院議員の経歴は25年になる。この間、上院では情報委員会の委員長のほか外交委員会の枢要メンバーなども務めてきた。民主党リベラル派としてトランプ政権とは対決姿勢をとり、とくにトランプ陣営とロシア政府機関とのつながりをめぐる「ロシア疑惑」でも活発な大統領批判を展開している。

そんな有力議員がなぜ今になって5年前の不祥事を認めたのか。

その直接的な契機は、7月下旬の米国のネット政治新聞「ポリティコ」による報道だった。ポリティコは、「上院で情報委員会委員長として国家機密を扱ってきたファインスタイン議員に20年も仕えた補佐官が、実は中国の対外諜報機関の国家安全部に協力する工作員だった」と報じた。FBIによる通告はそれを裏付ける形となった。

ロシアの大統領選介入疑惑が問題になっている米国では、外国政府機関による米国内政への干渉には、官民ともにきわめて敏感である。また、中国諜報機関の対米工作の激化も、大きな問題となってきている。そんな状況のなかで明らかになった、ファインスタイン議員の側近に20年もの間、中国のスパイがいたという事実は全米に強い衝撃を与えた。

トランプ大統領はこの報道を受けて、8月4日の遊説でファインスタイン議員の名を挙げながら「自分が中国のスパイを雇っておきながら、ロシア疑惑を糾弾するのは偽善だ」と語った。同議員はこの大統領の批判に応える形で前記の声明を発表し、非を認めたのである。

スパイはラッセル・ロウという人物

さらに8月6日、ワシントンを拠点とするネット政治雑誌「デイリー・コーラー」が、「ファインスタイン議員の補佐官でスパイを行っていたのは、中国系米国人のラッセル・ロウという人物だ」と断定する報道を流した。ロウ氏は長年、ファインスタイン議員のカリフォルニア事務所の所長を務めていたという。

デイリー・コーラー誌は、ロウ氏が中国政府の国家安全部にいつどのように徴募されたかを報じた。ロウ氏は、サンフランシスコの中国総領事館を通じて、長年にわたって同安全部に情報を流していたという。

ファインスタイン事務所もFBIもこの報道を否定せず、一般のメディアも「ロウ氏こそが中国諜報部の協力者、あるいはスパイだ」と一斉に報じた。主要新聞なども司法当局の確認をとりながら、ロウ氏のスパイ活動を詳しく報道した。

ただしロウ氏は逮捕も起訴もされていない。その理由は「中国への協力が政治情報の提供だけだと訴追が難しい」からだと説明されている。

中国のスパイが日本糾弾活動を展開

米国の各メディアの報道を総合すると、ロウ氏はファインスタイン議員事務所で、地元カリフォルニアのアジア系、とくに中国系有権者との連携を任され、中国当局との秘密の連絡を定期的に保ってきた。

米国内での慰安婦問題を調査してきた米国人ジャーナリストのマイケル・ヨン氏によると、ロウ氏は、歴史問題で日本糾弾を続ける中国系反日組織「世界抗日戦争史実維護連合会」や韓国系政治団体「韓国系米人フォーラム」と議会を結びつける役割も果たしてきた。また、2007年に米国下院で慰安婦問題で日本を非難する決議を推進したマイク・ホンダ議員(民主党・カリフォルニア州選出=2016年の選挙で落選)とも長年緊密な協力関係を保ち、米国議会での慰安婦問題糾弾のキャンペーンを続けてきたという。

ファインスタイン議員事務所を解雇されたロウ氏は、現在はサンフランシスコに本部を置く「社会正義教育財団」の事務局長として活動していることが米国メディアにより伝えられている。

数年前に設立された同財団は「学校教育の改善」という標語を掲げている。だが、実際には慰安婦問題に関する日本糾弾が活動の主目標であることがウェブサイトにも明記されている。同サイトは「日本は軍の命令でアジア各国の女性約20万人を組織的に強制連行し、性奴隷とした」という事実無根の主張も掲げている。

ロウ氏は2017年10月に社会正義教育財団を代表してマイク・ホンダ前下院議員とともに韓国を訪問した。ソウルでの記者会見などでは、「日本は慰安婦問題に関して反省も謝罪もせず、安倍政権はウソをついている」という日本非難の言明を繰り返した。

米国に工作員を投入する中国当局

今回、米国において慰安婦問題で日本を糾弾する人物が、実は中国のスパイだったことが明らかになった。つまり、中国当局が米国に工作員を投入して政治操作を続けている実態があるということだ。

前述のヨン記者は「米国内で慰安婦問題を糾弾する反日活動は、一見すると韓国系勢力が主体のようにみえ、そのように認識する人は多い。だが、主役はあくまで中国共産党なのだ。長年、米国議会の意向を反映するような形で慰安婦問題を追及してきたロウ氏が実は中国政府のスパイだったという事実は、この中国の役割を証明したといえる」と解説していた。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『陸上自衛隊は「縮小」ではなく「活用」が日本のため 海外で活動する米国と国内防衛の日本では役割が全く違う』(8/17JBプレス 渡部悦和)について

8/18看中国<日经:大陆优势不再 贸易冲突加快台资撤离(组图)=日経:中国大陸が有利になる事はない 貿易戦争で台湾資本は大陸を離れることを早める>

台湾の中国に進出している大企業、鴻海、台達、和碩、広達も含めて、今生産工場を大陸から移そうとしている。写真は鴻海のFoxconn深圳工場の正門。

日経だけでなく、ブルームバーグも同じ内容で報じた。EMS工場だけでなく、紡績工場までも。コストが上昇したことと、投資環境が読めない(当然の法外な賄賂の要求も含まれていると思う)ため。トランプが就任以前から、東南アジアに拠点を移してきた。潜在的な大市場であり、北京VSワシントン関係の影響を受けずに済む。トランプの対中関税政策で科学技術や電子工業の企業は一層大陸離れを早めた。

日経によれば、米国は比較的コスト高になるにも拘らず、鴻海はウイスコンシン州に100億$をパネル板の為に投資し、6月には動き出した。7月には郭台銘会長がカリフォルニア州に生産効率を上げる研究開発と人工知能の研究部門を立ち上げると発表した。

鴻海のウイスコンシン州の工場着工式にトランプも参加

トランプが“アメリカファースト”政策を掲げてから、米国内の産業は再度奮い立ち、台湾企業も多くの利益を受けた。台湾機械工業同業会会長は8/15に「米中貿易戦が始まってから、機械類について米国の対中関税は30%になった。台湾の機械とこれでほぼ同じ価格になり、台湾との取引を促している」と述べた。

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/08/18/868111.html

8/17希望之声<传“川习会”11月登场 专家:是否有正式会晤仍存疑=トランプ・習会談が11月設定と言われている 専門家は正式会議があるかどうかは疑わしいと>8/22~23、米中はワシントンで副長官クラスの第4回貿易協議をする。8/17WSJは情報通より、「今回の格下の会談は、11月に行われるAPECとG20に合わせてトランプ・習会談を開く露払いのようなもの。トップ会談でにらみ合いを解決しようとしている」とのコメント。しかし、ある分析家は「この情報は米国の真の考えに基づいたものではない。トップ会談があるかどうかは依然として未知数である」と述べた。

中国は、北戴河会議以前はおとなしくしていたが、最近は米国を攻撃するようになった。中共は「中国製造2025」の旗を降ろすつもりはない。中共は原則がなく、絶えず変化するが、トランプの原則ははっきりしている。「中共はやり方を変えるべき。米国は関税で中国を懲罰しようとしているのでなく不公平なやり方や原則を守らないやり方を変えさせようとしているだけ。根本的に制度を変える必要がある。関税障壁、輸出補助金、知財の盗用、技術移転等。中国が継続して貿易したいなら公平な自由貿易にしないと駄目。原則なしの貿易では米国が損するだけである」と。中国は米国の制裁の意味を理解していない。中国が米国の要求を飲めば中共は政権を下りざるを得ない。中共が考えることは如何に米国を騙せるかだけ。しかし騙しおおせるかどうかは米国側による。これではトップ会談を開いても結果は出ないのでは。

https://www.soundofhope.org/gb/2018/08/17/n2082030.html

渡部氏の記事では、北村淳氏の論考を批判的に論じています。素人ではありますが①内地で戦争するより外地で戦争した方が国民の犠牲は少ない。米軍の思考と同じです。ただ、世界覇権を握るつもりもないし、純然たる「後の先」の意味です。これには憲法9条を改正し、外征できるようにしませんと。また米軍とニュークリアシエアリングも必要でしょう。②北村氏は陸自の失対事業として「災害救援隊」を考えているようですが、後ろ向きでしょう。そもそもで言えば、自衛隊の任務は国防(=外敵との交戦)にあり、災害救助ではありません。勿論、現実的には一番装備が充実していますし、国を守るのは国民を守ることにも繋がりますので、否定する訳ではありません。ただ、渡部氏の言うように、陸自内で職域拡大して、国防の為の新しいミッションに就かせることの方が遙かに本人達のやる気を向上させるのでは。

問題は中共辺りに裏から指示を受けていると思われる左翼政党と左翼メデイアです。自衛隊員を「人殺し」呼ばわりする政党もあります。それでは聞きたい、「あなたは家族が殺されようとしている時に闘わないのですか」と。闘えば相手を殺す可能性もあります。こういう人たちは家族を見殺しにするのでしょう。究極の自己中心な人達です。災害に遭っても自衛隊に助けは乞わないで戴きたい。ピースボ-トがアデン湾を通った時、海自に護衛をお願いするなんて、左翼は本当に恥知らずです。こういう人たちが跋扈している限り、日本は良くなりません。国民はもっと目を開きませんと。

記事

防衛省統合幕僚監部(Joint Staff)が公開した、広島県広島市の豪雨による土砂崩れ現場で生存者の捜索活動を行う自衛隊員らの様子(2014年8月20日撮影)。(c)AFP/JOINT STAFF〔AFPBB News

北村淳氏が8月16日付のJBpressに、「米戦略家たちの常識は『陸自は縮小が必要』」(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53821)という論考を発表しています。

北村氏は、JBpressに毎週のように投稿していて相当の影響力がある方であり、私も同氏の米海軍関係の論考の愛読者の一人です。

しかし、今回の論考はあまりにも杜撰で問題が多く、陸上自衛隊出身の私としては黙って見過ごすわけにはいきません。

現在、我が国における安全保障論議の中で「陸自縮小論」は影を潜め、「陸自活用論」が主流になっていますが、その観点で自らの意見を述べたいと思います。

北村論文に対する素朴な疑問の数々

・北村氏は、「生かされていない教訓『陸戦は避けよ』」と記述し、「“陸上での防衛戦”を前提としてはならない」と主張していますが、不適切です。

これは、自衛隊の任務と米軍の任務の違いを無視した議論です。

米軍と自衛隊は、その置かれた環境の違いのために、全く違った性格をもった組織です。米軍は、典型的な外征軍であり、米国領域外で作戦することが基本であり、米国本土が戦場になることを徹底的に避けます。

そのために、米軍においては「外敵の軍事的脅威は海洋で打ち払わなければいけない」というわけです。

しかし、自衛隊は米軍とは全く違う組織であり、遠征軍ではありませんし、領土・領海・領空を防衛することを主とする極めて防勢的な組織です。

その背景は、厳然として存在する憲法第9条とそれに基づく「専守防衛」等の消極的な政策ですから、憲法第9条を改正しない限り、自衛隊の性格を大きく変えることはできません。

米軍に当てはまる、「“陸上での防衛戦”を前提としてはならない」という主張を自衛隊に適用するのは間違いです。

特に陸上自衛隊は、主として陸上を基盤として戦う組織であり、陸上での防衛戦を前提とするのは常識です。これを否定することは、日本の防衛体制を否定することです。

陸上自衛隊の縮小を主張したいがために、このような乱暴な議論をするのだと解釈せざるを得ません。

・自らの論考の権威づけとして「米戦略家」という言葉を多用していますが、その「米戦略家」とは具体的に誰のことでしょうか?

その戦略家と称する人たちの階級と役職は何でしょうか?

私は、陸自において36年間勤務をし、数多くの日米共同訓練を企画し、参加してきましたが、米戦略家と称する米軍人に会ったことはありません。

特に下士官、尉官、佐官レベルで戦略家と称する自他ともに認める人たちはまずいないでしょう。

・北村氏は、「陸自の妥当な規模は最大で5万~6万名」と主張しますが、その積算根拠は何でしょうか?

ただ単に「日本にとって妥当と思われる防衛戦略」とか「純粋に軍事戦略的視点」が根拠だと言っても、それは全く根拠になりません。

・北村氏は、常設の「災害救援隊」を提唱し、陸上自衛隊を離れることになる5万~7万名前後の人々を中心とした組織で、非軍事で、石破茂氏が主張する「防災省」のような組織が直轄すると書いています。そして、災害救援活動に特化した装備を身につけると書いています。

この案は、共産党など反自衛隊の団体が主張してきた、自衛隊を解体して作ると主張している災害救援組織とどこが違いますか?

この種の案は、極めて非効率的で、非現実的で、実際には自衛隊の災害派遣能力と格段の差がある劣った組織としか思えません。

「災害救援隊」は問題が多すぎる

陸上自衛隊を縮小し、それを財源とする災害救援隊のアイデアは現実的ではありません。その理由を以下、箇条書きにします。

(1)5万~7万人前後の災害救援隊をどこに配置しますか?

5万~7万人前後の災害救援隊を収容するためには広大な土地、建物が必要ですが、どこに配置しますか?

狭い日本で、この広大な土地を、しかも全国の災害発生予測に基づく最適な場所に複数配置しなければいけません。その複数の土地を見つけることは至難のことです。

何年かけてその適地を確保しますか。現役時代に防衛力整備に携わった者として言いますが、10年以内に適地を取得できるとはとても思えません。

まさか、新設の災害救援隊は、現在ある陸自の駐屯地を活用するなどと言わないでしょうね。もしも、そうであれば、陸自から5万~7万人前後を離職させる必要は全くありません。陸自を災害派遣で活用すればよいのです。

(2)「災害救援活動に特化した装備を身につける」と主張していますが、災害救援隊の装備を人が身につける物だけで足りると思っていませんか?

輸送力は絶対に必要です。自衛隊の災害派遣において、陸・海・空自衛隊が密接に協力しながら行う統合作戦は不可欠です。

陸自のヘリコプターや車両による輸送力だけでは足りない場合、空自の航空輸送力や海自の海上輸送力と密接に調整して作戦を行います。

もしも、自衛隊の組織ではない災害救援隊を作った場合、輸送力をどうするのですか?

まさか、陸・海・空自衛隊が持っている輸送力に頼ると言うのではないでしょうね。

さらに、災害救援において兵站組織は不可欠です。食料・水・燃料などの補給、炊事車や給水車の確保やそれらの整備、衛生の医者や看護師の確保などをどうしますか。

まさか自衛隊のものを貸してもらうなんて言わないでしょうね。

以上の機能は自衛隊が災害派遣に必要な機能の一部にしかすぎませんが、不可欠な機能です。災害救援隊はそれを自前で持てますか?

自衛隊の優れた点は、武力攻撃事態をはじめとする各種事態に対応できる装備品を災害派遣でも使える点です。

(3)今後、予想される首都直下地震や南海トラフ大震災は、いつ発生してもおかしくない喫緊の課題ですが、災害救援隊を何年後に編成つもりですか?

10年後ですか。それで、現実の大震災に間に合いますか?

結論として私が言いたいのは、陸自を5万~7万人縮小し災害救援隊を組織するぐらいであれば、陸自を縮小しないでそのまま活用する方がベストであるし、現実的だということです。

陸自縮小論ではなく陸自の活用を議論しよう

現在、防衛計画大綱の見直しや2019年度防衛予算に関する作業が進行中で暑い夏になっていますが、政治家、国家安全保障局(NSS:National Security Secretariat)、防衛省などで陸上自衛隊縮小論を声高に主張する人たちはほとんどいません。

長年にわたり海空重視・陸軽視が叫ばれてきましたが、今昔の感があります。

現在の議論は明らかに「今現在機能している陸自を活用する方がずっと現実的で効率的である。陸自をいかに活用するか」に焦点が当たっています。つまり、陸自活用論です。
なぜ、陸自活用論が叫ばれるようになったか、その背景の一つを説明したいと思います。

「領域横断作戦(CDO: Cross Domain Operation)」この理解が陸自活用論の背景の一つ

自衛隊に期待される任務が増加する一方で、限られたヒト・モノ・カネの環境下で、複数の任務を遂行できる陸自を活用する方がより現実的だからです。多くの人々が、陸自に複数の任務を期待するようになっています。

この認識を後押ししたのが、領域横断作戦(CDO)の進展です。領域横断作戦(CDO)は、今後頻繁に使われるキーワードですから簡単に説明します。

領域横断作戦は、作戦領域(陸、海、空、宇宙、サイバー空間、電磁スペクトラム)を横断した作戦です。例えば、イージス・アショアが典型的です。

私が書いた8月13日付の「中国やロシアも恐れるイージス・アショア」を参照ください。陸自がイージス・アショアを装備し、ミサイル防衛を担当することになります。

陸自がついに、陸の領域(作戦領域)から宇宙や空の領域に向けた作戦つまり領域横断作戦を担当するようになるのです。

陸自のイージス・アショアは、空自が担当するBMD統合任務部隊指揮官(航空総隊司令官)の指揮下に入り、海自のイージス艦のミサイル「SM-3」や空自のミサイル「PAC-3」と連携してミサイル防衛の統合作戦に参加することになります。

イージス・アショアの加入は、海自のイージス艦の運用を柔軟にし、容易にすることにもなります。陸・海・空の垣根がない統合作戦が常態化するのです。

また、サイバー空間での作戦(サイバー戦)特にサイバー攻撃への対処において、防衛省の体制が強化されることになりますが、陸自が人員の増勢分の大半を担当することになることでしょう。

サイバー戦は、陸自、海自、空自が単独で担当するのではなく、統合として対処すべきですが、人的な供給源は主として陸自になります。陸自にとっては、陸の領域からサイバー空間の領域に対する領域横断作戦です。

また、南西諸島の防衛では、陸自が装備する地対艦ミサイルの射撃(陸の領域から海の領域への作戦)や地対空ミサイルの射撃(陸の領域から空の領域への作戦)が海自や空自の作戦と連携した領域横断作戦になります。

領域横断作戦は、世界的な趨勢で、従来のような陸・海・空自の縄張り争いなどが意味をなさなくなります。

陸自は陸の領域だけで作戦しません。その作戦領域は他のすべての領域(海、空、宇宙、サイバー空間、電磁スペクトラム)に及びます。

「陸自の人員が多すぎるから削減しろ」という議論は近視眼的で古い考えです。陸自は貴重な組織です、縮小を考えるよりも活用することを考えるべきです。その方が、より現実的で効率的です。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします

『メディアが報じない、日米通商協議の真相を読む 米国にとっては優先度低く双方とも「仕切り」を重視』(8/17日経ビジネスオンライン 細川昌彦)について

8/18阿波羅新聞網<川普动作快 习近平无可奈何 美媒:高层全乱 反对派胆壮了=トランプの動きは早い 習近平は為す術なし 米メデイア:上層部は乱れている 反対派は大胆になった>NYTは、「中共は財政刺激か貨幣刺激かを選択して決定しなければならない」と。WSJは「国務院の分担で人民銀行は劉鶴が、財政部は副総理の韓正が担当している。お互い罵り合い、内部の不協和音を晒している」と報道。

中共は「経済で元に戻る余地を探し、できるだけ引き延ばし、出方を見ながら」と言うが、何もできないことを表している。ただ中共は自分の独占的な経済地位を失いたくないと思っている。貿易戦以来、株式は連続して下がり、人民元も4月中旬から9%も下がった。ネット監視員はこの種の批判記事を削除するのに忙しい。

同時に外国企業は生産ラインを中国から移転しようとしている。NYTは「ここ数日、商務部や警察、その他の役人は輸出業者を召喚し、将来の計画について査問した。その中には、解雇があるか生産ラインを他の国に移すか等も含まれている」と報道した。

北京・ロンドン研究コンサルティング会社のパートナーのトレイ・マッカーバーは「経済が下降し、米国と摩擦に及んだのは民衆に反対の機会を与えた」と述べた。

香港中文大学で中国政治を長期に亘り研究して来た林和立は「習は最終仲裁者として振る舞うことはできない。從って、信頼している顧問達の意見の相違も取り除くことはできない」と述べた。

http://www.aboluowang.com/2018/0818/1159870.html

8/17阿波羅新聞網<中美大战不止贸易战 川普刚推翻奥巴马机密令!=米中戦争は貿易戦に止まらず トランプはオバマの秘密命令を覆す>米中の経済分野での絶えざる緊張以外に、米国政府は他の分野でも中共を抑止し始めた。16日のWSJは「トランプはオバマ時代の秘密命令を覆した。これは米国政府がネットを利用して相手を攻撃することを定めた大統領令である」と報道。台湾の経済財政専門家の謝金河は「米国のトルコ制裁は、実は中国との貿易戦の一部であり、標的は中国である」と述べた。

トランプが大統領令を変えたのは、行動するための規制を緩和したこと。これは部門間の複雑な手順を踏む必要があり、ネットで攻撃するときにはこの手順を遵守しなければならなかった。政府内の情報通は「これは具体的に攻撃できるようになった第一歩である。この決定は軍事行動に役立つし、外国勢力の選挙への影響を抑えられる。これにより脅威に対応できるようになった。知財の窃盗行為も防止できる」と述べた。

謝金河は「$は見た所、独り勝ちである。今の勢いは変わらない。もし、$がずっと強ければ、新興市場にある資金は逃避する圧力が大きくなる。トルコは世界6位の鉄鋼生産国である。トランプがトルコに高関税を賦課したのは、米国経済を強くする意味もあるが、影響を受けるのは中国である。このところ中国経済は明らかに悪化している。テンセント、バイド等大型企業の株は暴落した。米中貿易戦は続くと見ている」と述べた。

http://www.aboluowang.com/2018/0817/1159655.html

8/18阿波羅新聞網<贸易战北戴河中南海对策 任正非泄密!内部文件曝光 ——华为任正非就贸易战表态曝光=貿易戦に関し北戴河会議で採った中南海の対策を任正非が洩らす 内部文書が明らかに フアウエイの任正非が貿易戦について暴露>16日、経済界で有名な曹山石は「フアウエイ総裁の任正非は内部文書を明らかにし、米中貿易戦争について3点触れている。これは貿易戦争への対策である」と明らかにした。

内容について阿波羅網のコメンテーター王篤が分析。①「“我々が今直面している米国との貿易戦は緊張の第一段階で準備を良くすることだ。投降は活路にはならない”=これはWTO加盟時から今に至るまで約束を果たさないできた態度と一緒、北戴河会議後でも変化はない。②「“緊張の第一段階”=トランプは長くて後2年、再任はないの意味。オバマの昔の様に戻れば緊張の第一段階は終わりを迎える。③“投降は活路にはならない。亡国の輩は国民を踏みにじるものである。我々は彼らの言う通りにはならない”=中国人の今は亡国の輩ばかり。1949年共産党が政権を取って以降、我々は漢族ではなく、マルクス主義者の本に占領されているではないか。

自由主義法学者の袁紅冰は2016年年初に「中国は既に亡国の輩となった。中国憲法は “マルクス主義は13億人の中国人が守らなければならない指導思想”と明記してある。これは国の誠実さを必要としていることを表す。また武器と血を持って全中国人に外来思想に跪くことを迫るものでもある。中国はマルクス主義の政治植民地であり、精神植民地でもある」と述べた。

http://www.aboluowang.com/2018/0818/1159836.html

細川氏の記事で、日本のメデイアの報道を鵜呑みにすれば誤判断してしまうという事です。いつからメデイアは劣化したのか。筒井清忠氏の『戦前日本のポピュリズム』を読みますと、新聞は反体制で自由民権論者の集会を支援し、日比谷焼き打ち事件では日露戦争継続を煽りましたから。それでも昭和40年~50年代にかけて、左に偏った論調は少なかったです。NHKの放送終了時には君が代と日本国旗又は富士山の映像が流れていましたから。国旗掲揚や国歌斉唱が少なくなってきている現在は座標軸が大きく左にずれてしまった感があります。精神的頽廃以外の何物でもありません。地球市民を標榜する人はまず中国に行き、内モンゴル、ウイグル、チベットの人を救う活動を是非して戴きたい。善意を通じさせてみて下さい。

日本は民主主義国家なので国民一人ひとりが強くならないと、独裁者が統治する専制政治に屈することになります。彼らは血を流すことを何とも思いませんので。情報弱者は罪になると思います。国内のいろんな場面で外国勢力が裏から動かしていることも想像できませんと。子々孫々が危うくなります。

記事

8月9日から2日間、米ワシントンで日米通商協議(FFR)が開催された。「全面対立は回避」「環太平洋経済連携協定(TPP)と2国間貿易交渉の板挟み」といった報道が多かったが、こうした見方は必ずしも正しくない。多くの企業に影響が及びかねないFFRの初会合を、どう読むべきか。メディアがほとんど報じていない舞台裏を解説する。

8月9日から米ワシントンで開催された日米通商協議(写真:AP/アフロ)

8月9~10日(米国現地時間)の2日間、日米の新通商協議(FFR)の初会合が米ワシントンで開かれた。

日本のメディアは大挙してワシントンへの同行取材を実施したようだ。ただ、その報道ぶりには首を傾げたくなる面もあった。正しく状況を理解するために、敢えて報道のあり方にも触れてみたい。

「木を見て森を見ず」の報道

まず、FFRの初会合後、メディアには次のような見出しが躍った。

「自動車、農業は折り合わず、先送り」

「全面対立は回避」

昔から日本の報道は日米交渉になると、「対立」「圧力」という言葉が躍って、こうした捉え方をしがちだ。

日米関係も長年、凪状態だったので、激しい貿易交渉を経験しているメディア関係者もほとんどいない。そうすると、こうした貿易交渉のプロセスに関する相場観も持てずにいるようだ。さらに、この会合にしか目が行かず、「木を見て森を見ず」になってしまう。

結論を言えば、FFRはまずは順調な滑り出しだった。

これはあくまでも協議の初会合だ。交渉の定石として、まずは時間軸と議論のスコープのすり合わせを行うものだ。当面のターゲットは9月後半に予定されている日米首脳会談である。そこでどういう目に見えた成果を出すかということに、恐らく共通認識を持ったのだろう。

今回は、日米双方が土俵に上がって1回目の「仕切り」をしただけだ。「仕切り」は、双方が優先したいこと、要求の意図を相手方に伝え切ることから始まるものである。今回の初会合で、最初からなんらかの合意をしたり、具体的な成果が出たりすると考える方がおかしい。何回かの仕切りを繰り返して、「立ち会い本番」である9月後半の日米首脳会談の直前が交渉のヤマ場になるだろう。

「協調ムードを演出」は当たり前

また、「協調ムードを演出」といった解説も多かった。

これも当たり前だ。最初から交渉にけんか腰で臨むわけがない。信頼できる交渉相手に見せるのは、交渉者として当然の振る舞いだろう。茂木敏充経済再生担当大臣もライトハイザー米通商代表部(USTR)代表も交渉の基本を忠実に守っているに過ぎない。仕切りを重ねて次第に顔が紅潮していくように、首脳会談という「立ち会い」直前に激しくぶつかり合うのだ。

7月末の米欧首脳会談もまさにそうであった。首脳会談直前にライトハイザー代表はマルムストローム欧州委員(通商担当)に対して激しい要求を繰り返すばかりだった。

ただ日本政府としてはどうしても押さえておきたいことがあった。

EUは米欧首脳会談での合意で、「今後、交渉中は自動車関税の引き上げを行わない」という確約を米国側から引き出せなくても、そう解釈できる文言を合意文書の中に入れることに成功した。日本も少なくともEUと同じ状況にしておきたい。それが、日本が米国に持ち込んだ「信頼関係に基づき協議を続けていく」との文言だ。

協議中は自動車関税の引き上げなど信頼に背くことはしない、ということを暗に意味している。最終的に自動車関税もトランプ氏の判断次第でどうなるかは分からないものの、当面の安心材料を得たいということだろう。

米国は当初、「協議は2時間だけ」と提案

米国から見る視点も必要だ。

交渉は相手方から見る目も必要だ。日本からだけ見ると、日米交渉は日本の今後を大きく左右する一大イベントだ。しかし米国から見ると当然のことながらそうでない。

ちょうど日米協議が行われていた頃、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉がヤマ場を迎え、ライトハイザー代表はワシントンを訪れているメキシコの経済大臣と激しい交渉をしていた。まさに協議の掛け持ちをしていたのだ。しかもトランプ政権にとっては、NAFTAの再交渉の成果の方が中間選挙対策としても優先度が高い。物事を相対化して見ることも必要だ。

7月末には米欧首脳会談があり、それを受けてEUとの交渉も今月予定されている。米欧、NAFTAの交渉を抱えて、USTRもマンパワー不足でパンク状態だ。日米協議の事前準備もほとんどできず、当初7月に予定されていた初会合がずれ込み、日本の要望で今回、やっと開催にこぎつけた。

本来、閣僚レベルの協議を行う時には、事前に事務レベルで議題、内容についてすり合わせをしているものだ。しかし今回はそれもなく、ぶっつけ本番で、米国の出方も事前に掴めず、日本も出たとこ勝負だった。

今回、茂木大臣とライトハイザー代表がまず2人だけで話す場を持ったのもそういう事情からだ。

ライトハイザー代表もNAFTA交渉があることから、当初日米協議は「初日の2時間だけ」と言ってきて、日本政府関係者は唖然とした。

何とか2日目を行うことで、双方の主張内容をきちっと伝え、今後の段取りの共通認識を作るといった初回としての最低ラインは何とか確保したようだ。

にもかかわらず、日本のメディアの中には、「9日の協議は決裂を避け、ひとまず10日に延期したが、米国がさらに強硬な要求をしてくるリスクはある」と、米国側の事情も理解せずにこうした報道をするところもあった。

「TPP」か「2国間交渉」かの二者択一ではない

また、「環太平洋経済連携協定(TPP)と2国間貿易交渉の板挟み」「TPP vs 2国間」といった構図で報道するメディアも多かった。こうした報道にも注意が必要だ。TPPと2国間が二者択一であるかのように思い込んでいるようだ。

忘れてはならないのは、昨年2月の最初の日米首脳会談だ。TPP離脱を表明したトランプ政権と議論になったのが、TPPと日米2国間への向き合い方だった。その際の共同声明を振り返ってほしい。

「日米2国間の枠組み」と「日本は引き続きTPPを推進すること」の両方を併記している。これを噛み砕いて言えば、日本が(将来の米国のTPP復帰を期待して)TPPを進めることは米国としては邪魔はしないが、同時に日本は米国との2国間協定にも取り組むことが合意されているのだ。「枠組み」という言葉は「協定」とはっきり言いたくない時の常套文句だ。

その結果、TPPを進めるうえで支障にならないように、タイミングを計りながら日米2国間にも取り組むことになる。

その2国間の枠組みも、まず中身が大事で、例えば、農業、自動車など双方の関心事項を詰めることから始まる。トランプ大統領も関心は「実利」であって「協定という形」ではない。アピールしたい支持者たちは、牛肉がどうなるかに関心があるが、それが自由貿易協定(FTA)かどうかには関心はまるでない。

「2国間協定とは言ったがFTAの言及はなかった」という報道もあった。これは事実であるものの、当然のことだ。米国が日本に対して今、交渉の「入り口」段階でFTAと敢えて言う実益は全くない。欲しいのは牛肉の関税引き下げであって、FTAではない。FTAは牛肉の関税引き下げを具体化するための単なる「手段」「形式」に過ぎないからだ。

そして交渉の「出口」ではFTAになっているというのが米国の理解だろう。

ライトハイザー代表が約2週間前に「日米はFTAをすべきだ」と公言したばかりなので、日本のメディアもFTAという言葉を言ったかどうかにばかり注意が行くのだろう。しかしそれは本質的な問題ではない。

政治日程を睨んだ首脳会談の“仕立て方”

米国は自動車問題を交渉カードとして言ってきていること、米国の本丸は牛肉などの農業であること、そのためにFTAという形式が必要であること、などについては前稿(「米欧休戦」から読む、日米貿易協議の行方)で述べたので、ここでは繰り返すことはしない。

9月の自民党総裁選、その後に予定されている日米首脳会談、そして11月の米国中間選挙という日米の政治日程を考えると、安倍総理も総裁選が終わってから、日米首脳会談で「農業カードをどうするか」の決断をするのは自然だろう。

日本の政府内も様々意見があるが、仮に前稿で述べたような「TPPをベースにした日米2国間の経済連携協定(EPA)案」を目指すにしても、TPPが発効するまでは他のTPP参加国が疑心暗鬼になることは避けたいところだ。

そこで、それを来年に向けての目標としながらも、その“手付金”として「牛肉関税のTPPレベルまでの引き下げ」を当面の成果に“仕立てる”ことも考えられる。その際には、米国に“いいとこ取り”されないよう、当然、TPPで合意した米国の自動車関税の撤廃もパッケージにする必要がある。

ここで、どのように“仕立てる”かの知恵が大事になる。

先般の米欧首脳会談から得られる教訓は、いかにトランプ氏の成果に仕立て上げることができるかがポイントだということだ。大豆と液化天然ガス(LNG)についても輸入拡大を約束したかのように報道されているが、共同声明をよくよく読めば、「大豆の輸入拡大に両国は取り組む」としか言っていない。トランプ大統領が選挙民に向けて「EUに約束させた」と成果を誇示しているだけだ。

いずれにしても9月の首脳会談までに、こうした綱引きが激しく繰り広げられることになる。

自動車の管理貿易はあり得ない!

なお、自動車については、最近ハガティ駐日大使が日本の対米輸出の数量規制を日本の関係者に持ちかけているとの話も飛び交っているので、付け加えたい。

関税引き上げを脅しにして、「対米輸出の数量規制」に持ち込む。これは鉄鋼の輸入制限に関して米韓FTAの見直し交渉で行った米国の手だ。安易にこうした管理貿易に手を染めた結果、韓国は今、悲惨な状況に追い込まれて悲鳴を上げている。ここでは詳述しないが、韓国からは「これでは関税引き上げを飲んだ方がマシだった」との後悔の声も聞こえて来る。

かつて80年代に日本も半導体で数量規制に一歩踏み込んだ途端に、米国は傘にかかって攻めてきた苦い経験もしている。

日本の通商経験者には「管理貿易の怖さ」が骨の髄まで染み込んでいて、それを飲むことはおよそあり得ない。米国の大使にはその深刻さへの理解を求めたい。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『中国、10兆円以上の北朝鮮支援を約束 習近平氏、中朝首脳会談で「米朝関係を改善してもかまわない」とお墨付き』(8/16日経ビジネスオンライン 重村智計)について

8/16阿波羅新聞網<习近平被迫挥泪斩刘鹤?北京谈判代表为何反降级?——四中全会习近平挥泪斩马谡? 北京重回谈判桌 中方代表团8月下旬访美=習近平は泣いて劉鶴を斬るか?北京は貿易交渉団を何故下のクラスにしたのか 四中全会で習は泣いて馬謖を斬るか? 北京は再度交渉のテーブルに着く 中方の代表団は8月下旬に訪米昨日の本ブログで斬られるのは王滬寧ではと予想しましたが劉鶴かもしれません。8月下旬に商務部副部長(副大臣クラス)の王受文を団長として派遣するようです。米国のカウンターパートは財務副長官のマルパス。

情報を聞いた人によると「中国はトランプ政権に関税賦課を止めるのを公開で宣言しろと要求したがそれは無理。ロス商務長官が訪中した三回目の打合せ時、ワシントンは北京に経済構造を変えるよう要求したが、これも中共が受け入れることができない」と。

MITスローン校の教授は「もし、経済構造を変えるとすれば、中共政権に影響を与えるのは避けられない。米中貿易戦が行き詰まるのは当然」と述べた。

これでは誰がやっても纏まらない。劉鶴が行っても相手に包囲されるだけ。それで格下を送り込むこととした。無駄と知りながら最後の努力をしている。

http://www.aboluowang.com/2018/0816/1159345.html

8/16阿波羅新聞網<高官高善文演讲火爆热传 习中央愤怒 刘鹤痛批护主?=高官の高善文の講演は人気となり広く伝わる 習政権は怒り 劉鶴は高の上司を痛切に批判>中米貿易戦が継続して熱くなっている時に、中国共産党国務院発展研究センター金融研究所・総合研究室副主任且つ安信証券首席アナリストの高善文博士は、中国経済政策と中米貿易戦について講演したが、その内容はネットで瞬く間に広がった。講演の中で、鄧小平を大きく取り上げ、彼が当時のカーター大統領を騙して信頼を受け、中国経済を発展させたことを称賛した。同時に名は上げなかったが、明らかに米中関係を壊したとして現政権を非難した。利益を得ることができないと。但し高善文はネットで流れた原稿を自分のものとは認めていない。

講演の内容は

“鄧小平はベトナムを叩くという重大な決意をアメリカに「男の誓い」として送り、これがアメリカを非常に感動させ、しかも中国を固く支持させた。この見方は、私個人がでたらめを言っているのではなくて、当時鄧小平と一緒に訪米した要人から教わったものである。その中には専門的に中米関係を研究した専門家も含まれる。私がずっとこのように考えて来たので、社会科学研究院の中米関係の専門家に教えを乞うた訳である。彼はワシントン大使館の参事官だったし、今は別の上級研究員である。鄧小平が訪米時に一緒に行った李慎之と冀朝鋳にも教わる機会があった。”

“鄧小平とカーターの会談(1978年12月)が終わってから、1979年に訪米したが、公式会議終了後、鄧小平、カーターと二人の通訳以外は全員外に出し、中国側の通訳は冀朝鋳が担当した。鄧小平はカーターに「我々はベトナムを懲らしめる準備をしている」と言ったところ、カーターは驚いて、何も言うことができず、緊張して筆と紙を取り出して、リストを書き始めた。これはアメリカがすぐに中国に提供できる武器のリストであった。対米専門家が教えてくれたのは、「アメリカが当時、中国に軍事援助したのは同盟国を超えた水準にあった。それらの多くの武器はイギリスにさえ売らなかったもの。軍事同盟国をはるかに超えるレベルで、中国には売ってくれた。その後アメリカはすぐ中国関係を「友好的非同盟国」に昇格させ、同盟国と同じと看做され、同盟国以上の特恵待遇を受けた。”

しかし、高善文の録音の中には、習近平政権のやり方を鼻であしらった部分があった。

経済学者の何清漣はツイッターで、「高善文はネットで流れた演説原稿を否定したし、これは高善文に確認を受けた報告ではない。ただ内容は全て中共独裁体制内で広く心配されている問題である。情報量と向けられた矛先を見れば、絶対根拠がある」と。

米国メディアの阿波羅ネットのコメンテーター王篤は、「これは中国共産党独裁体制内のエリートの心の声である。共産党を支持する役人たちの心の声でもある。彼らは習が共産党の立場を引落すことを恐れている。金儲けができず、彼らの利益を保護できず、彼らは貿易戦は望んでいなかった。」と述べた。

http://www.aboluowang.com/2018/0816/1159336.html

カーターはやはり馬鹿だったというか、米国人全体が手もなく中国人に騙されたのでしょう。中国人の本質が見抜けなかったのですから。第二次大戦だって、FDRが英国を助ける以外に、中国人に騙されて日本を叩こうとした部分はあったはずです。高善文が得意げに鄧小平の騙しのテクニックを語っているのを米国人はどう聞くでしょうか?何時も言っていますように中国人の価値観は「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」と言うもの。鄧小平は賢く、カーターは馬鹿だったし、習近平も騙しおおせなかったので賢くないと言いたいのでしょう。

8/17宮崎正弘氏メルマガ<社債もP2Pも債務不履行へ。中国金融界の断末魔 地方債務は520兆円=日本のGDPに匹敵する巨額>「ドイツ銀行の試算では、地方政府系金融機関の融資残高は520兆円に達している。債務残高は日本のGDPに匹敵する巨額である。社会擾乱はかならず起こる。突如、閉鎖されたP2P企業のオフィスに被害者が押しかけても、経営トップは雲隠れ、無人のオフィスに寝袋持参で待機する人々。多くの被害者は庶民であり、虎の子の箪笥預金を、高金利のジャックに騙されて投資した結果である。この風景が、次は不動産市場を襲うだろう。不動産に投資して、ある日、無価値となっても保証はない。庶民は政府の補填を求めて立ち上がる。暴動が多発し、社会擾乱があちこちに発生するだろう。監視カメラも携帯電話の盗聴も、大量の国民が同時に抗議に立ち上がられるとシステムは機能不全となり、社会混乱は収拾がつかなくなる。となると、習近平政権がせっかく作り上げたデジタル社会の人民管理体制は、一夜にして瓦解する可能性もあるのではないか。」とあります。早く中共は潰れてほしい。

http://melma.com/backnumber_45206_6722089/

重村氏の記事の感想は、やはり早く中国経済を崩壊させないと悪が蔓延るだけということです。また北も米国との約束を破るのなら、米国の攻撃にあっても仕方がないでしょう。習と金という独裁者同士の会話に真実味はありません。民族的に言って、狐と狸の騙し合いです。習も「朝鮮は、何度も中国に裏切られた歴史を忘れないだろう」と言っているではないですか。而もトランプの再選はないと両者一致したとの話。未だ先が長くて予想もつかないのに希望的観測で判断するのは危険でしょう。両方とも独裁者なので、部下は都合の悪い情報は上げないようにしていると思います。ヘタすりゃ命まで奪われるのですから。習が貿易交渉をダラダラ続けるのもトランプは長くないと誤断しているからでしょう。

記事

3度目の首脳会談に臨んだ金正恩委員長(中央)と習近平国家主席(右)(提供:KNS/KCNA/AFP/アフロ)

非核化をめぐる米朝交渉の潮目が変わった。明らかに、北朝鮮は「遅延作戦」を取っている。その背景にあるのは習近平国家主席の発言だ。平壌とワシントン、それぞれの中枢事情を知る複数の関係者が、習近平国家主席が「完全非核化は10年前後のちでいい」と、北朝鮮の金正恩委員長に述べたと明らかにした。

また、中国は今後10年間にわたって総額10兆円もの支援をすると北朝鮮に約束した。

北朝鮮の非核化について、習国家主席は「中朝首脳は何度も非核化で合意した。非核化は必ず実行してほしい」と求め、「10年前後の時間をかけてもいい」と伝えた。その理由として、非核化を短期間で実行しようとすれば、北朝鮮の軍部が反発し金委員長の指導力が不安定になることを指摘した。それゆえ、経済開発が成功し国内が安定した後でいいとしたわけだ。この中国の意向が、米朝の核交渉遅延につながっているようだ。

習国家主席は9月9日の北朝鮮建国記念日に訪朝し、4回目の首脳会談を行うという。中朝首脳が、米朝の「完全非核化交渉」を遅らせ、日朝首脳会談の見通しを不透明にしている。

習国家主席は、9月9日に行われる北朝鮮の建国70周年記念式典に出席し、中朝の関係回復を世界に示すという。習国家主席が訪朝するのは初めてで、緊密な中朝関係を国際社会に誇示すると同時に、北朝鮮国内の反体制勢力を抑えるため、金委員長への全面支持を印象付ける。

マイク・ポンペオ米国務長官と河野太郎外相は8月4日、シンガポールで行われた東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラムで、北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相との会談を求めたが、短時間の立ち話で終わった。北朝鮮はこれを「会談」と認めなかった。金委員長が、李外相が日米外相と会談するのを認めなかったからだ。北朝鮮では、金委員長の許可なしに、政府高官同士が会談することはできない。

北朝鮮の労働新聞(電子版)は8月6日、完全な非核化を実現するまで制裁を緩和しないという米政府と同議会の姿勢を激しく批判する論評を報じた。ただし、ドナルド・トランプ米大統領を批判するのは避けた。これは、米朝首脳会談の否定、さらには金委員長批判につながるからだ。北朝鮮は、指導者無謬説を前提にしているので、その業績は誰も否定できない。

日本からの経済協力を急ぐ必要はない

北朝鮮が非核化への姿勢を変化させ、米政府を非難し始めたことについて、関係者は「中朝首脳会談が北朝鮮を変えた。ホワイトハウスは、首脳会談の内容を入手している」と明らかにした。中朝首脳会談で、習国家主席が「10年間で1000億ドル(約11兆円)の支援」を約束。必要なら、支援期間を20年間まで延ばすという。

毎年1兆円以上に上るこの支援は、単なる資金援助にとどまらず、鉱山開発や企業による投資などを含むとみられる。中国は世界各地で展開する地下資源確保戦略を、北朝鮮でも展開する。

だが、国連制裁決議が存続する限り、中国が全面的かつ大規模な支援を行うのは不可能だ。順調に支援が実行されるとは思えない。このため、石油の海上「瀬取り」など制裁の「抜け穴」を狙った支援が実行されている。中朝首脳会談後に活発化した「瀬取り」への追加制裁に中国が反対しているのはこのためだ。瀬取りの活発化は明らかに、中国政府の意向を反映した「石油支援」なのだ。

北朝鮮は、この巨額支援があれば、日本から経済協力資金を引き出す交渉を急ぐ必要はない、と考えるだろう。すでに韓国との南北関係の動きも停滞している。習国家主席の約束が、日朝と南北関係に影響を及ぼしているわけだ。金委員長は、昨年の春頃までは拉致問題や日朝関係改善に取り組む姿勢を見せていたが、その思いは消失したようだ。

「トランプ再選はない」で一致

習国家主席は、米中貿易戦争に関連して「トランプ大統領が2期目を務めるのは難しいだろう」との見通しで、金委員長と意見が一致したという。中朝首脳は、トランプ大統領の再選を助けないことで合意した模様だ。米中貿易戦争で、北朝鮮は中国に全面協力し、トランプ大統領を困らせる外交を進める。

習国家主席はまた、9月の国連総会で演説し、国連制裁を解除するよう訴えるべきだと金委員長にアドバイスした。そうすれば、制裁緩和の雰囲気が生まれ、中国も支援を推進しやすくなると伝えた。だが、国連総会に出席すれば2回目の米朝首脳会談に応じざるをえなくなる。金委員長はなお検討している模様だ。

拉致問題の進展は期待薄

日本の拉致問題について、習国家主席は金委員長に「拉致は日朝2国間の懸案で、米朝会談の議題ではない」と忠告した。このため北朝鮮は、米朝首脳会談の議題を調整したポンペオ国務長官に「拉致問題は議題にしない」との立場を示し、譲らなかったという。このため、米朝首脳会談で「拉致問題は話し合わなかった」というのが北朝鮮の公式の立場だ。

こうした平壌の空気と金委員長の意向を受け、北朝鮮の高官は誰も「拉致問題解決」「日朝首脳会談」を進言できない状態にある。金委員長に直言できるのは、妹の与正(ヨジョン)氏と秘書室長の金昌善氏だけという。北朝鮮の高官は、秘書室を通してしか金委員長に報告・進言できず、面会もかなわないという。平壌のシステムも、金正日時代とは様変わりし、秘書室が全権を掌握している。

習氏「朝鮮は、何度も中国に裏切られた歴史を忘れないだろう」

首脳会談での中朝首脳の発言は、にわかには信じがたい驚愕の内容だ。しかし、最近の北朝鮮の外交姿勢をみると、変化に至った背景と米中朝外交の「流れの変化」を十分に理解できる。

トランプ大統領は、中朝が最初の首脳会談を行った直後に「中朝首脳会談後に、北朝鮮は姿勢を変えた」「完全な非核化に期限は設けない」「習近平国家主席は世界的なポーカーの名手」と発言した。また、ポンペオ国務長官も「交渉は長期化する」と、見通しを変えた。米国首脳陣による一連の発言は、中朝首脳会談の議事内容をホワイトハウスが入手した事実を、強く示唆している。あるいは、中国側が意図的にリークしたのかもしれない。

習国家主席は、巨額の経済支援を約束した上で、「北朝鮮は中国の属国になることを心配するだろうが、そうしたことはしない。中朝の歴史関係を十分に理解している」と語ったという。「北朝鮮が中国に反発するのも理解している。北朝鮮は、何度も中国に裏切られた歴史を忘れないだろう」とも述べたという。

そのうえで、「米朝の関係を改善してもかまわない。中国に隷属することなく独立を維持するために米朝関係を重要視する、という朝鮮の戦略を十分に理解している」との認識を示した。習国家主席が示したこの理解に、金委員長と幹部たちは心を動かされたという。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『米中貿易戦争の影響で中国の中央と地方の摩擦が表面化する!?』(8/14ダイヤモンドオンライン 加藤嘉一)について

8/15日経<「通商」の衣着た覇権争い  本社コメンテーター 秋田浩之

米国と中国の貿易戦争が現実味を帯びてきた。トランプ米大統領の言動は、もはや脅しの域を越えている。本当に「開戦」するつもりだろう。

 中国製品に課される米制裁関税は、8月23日から500億ドル分(約5兆5千億円)に広がる。さらに中国からの輸入の半分に、対象を拡大することも検討中だ。

 いったい、トランプ氏は何をめざし、どこまで突き進むつもりなのか。

 彼は11月上旬の米中間選挙に向け、人気取りのために中国をたたいている。貿易赤字減らしの成果を得られれば、満足し、ひとまず休戦するだろう――。

 こんな見方が少なくない。トランプ氏がやっていることは、「政治パフォーマンス」にすぎず、早晩、中国との手打ちに向かうというわけだ。

 私にはそうは思えない。彼の政策に、選挙目当ての要素があるのは事実だ。しかし、この対立はただの通商摩擦ではなく、大国の興隆をかけた覇権戦争の様相を呈していると感じるからだ。

 米国がねらうのは、中国のデジタル覇権の阻止だ。具体的にはハイテク超大国をめざした産業政策「中国製造2025」を後退させ、彼らが米国に追いつくのを阻むつもりだろう。

 言い換えれば、デジタル帝国である米国が、その座を奪おうとする中国に仕掛けた覇権戦争といえる。安全保障の争いなのだ。

 実際、500億ドルの主な制裁根拠になっているのは対中赤字ではなく、中国によるハイテクなどの知的財産権侵害である。

 米政権は制裁の理由として、(1)中国がサイバースパイなどにより、ハイテク技術を盗んでいる(2)外国企業に技術移転を強いる事例がある(3)自国のハイテク企業に多額の補助金を注いでいる――ことなどをあげている。

 通商政策にかかわる米政府高官によると、こうした「不公正」な行動を中国が改めないかぎり、対中赤字が減ったとしても、米国は制裁を緩めないという。

 この路線を主導しているのは国防総省と商務省であり、米議会も趣旨に賛同している。トランプ氏個人ではなく、「オール・アメリカ」による貿易戦争なのだ。

 米国が危惧するのは、人工知能(AI)などのデジタル覇権を奪われ、産業だけでなく、軍事の優位までひっくり返されてしまう展開だ。

 昨年6月、米国防総省をあっといわせるできごとが起きた。119個の無人機を飛ばし、自由に操る実験に、中国が成功したのだ。米国をしのぐ技術力である。

 AIを積んだ無人機や無人潜水艦を中国軍が大量に配備したら、米空母などがアジアで自由に行動できなくなり、米中の軍事バランスが変わってしまう――。国防総省ブレーンは、省内でこんな警戒感が高まっていると話す。

 おそらく中国も、制裁に走る米側の真意が、ただの赤字減らしではないことに気づいている。

 米中関係筋によると、習近平(シー・ジンピン)国家主席は昨年来、少なくとも3回にわたり、米製品の爆買い計画を打診し、制裁発動をひそかに止めようとした。米閣僚からは前向きな反応もあったが、ことごとくトランプ氏に拒まれたという。

 対米貿易戦争を収束させられない習氏に対し、中国の共産党長老たちからは批判の声がくすぶっているらしい。

 とはいえ、「中国製造2025」は習氏が掲げた国家戦略であり、米国の圧力に屈し、後ずさりできるわけがない。米中貿易戦争は始まったばかりで、「トランプ後」も続くとみるべきだろう。

 この現実に、アジアや欧州はどう向き合えばよいのか。中国による技術スパイやハイテクの移転強制は世界に共通の懸念であり、本来、日米欧が連携して対応すべき問題だ。

 ところが、トランプ氏は鉄鋼・アルミニウム輸入への制裁を日欧に放ち、自動車関税というピストルまで突きつけている。このままでは、対中問題で日米欧が協力する機運は生まれてこない。

 それでも、米中覇権争いが激しくなるにつれ、日欧は新たな対応を迫られるだろう。

 ひとつは、中国へのハイテク移転規制の引き締めだ。米政府は、同盟国に供与したハイテクや軍事技術・情報が中国に流れないよう、より厳しい管理を日欧に求めるにちがいない。すでに英国やドイツは、中国によるハイテク投資への規制を強めており、日本も検討する余地がある。

 問題はその先だ。米政府や議会は情報漏れを防ぐため、中国政府とつながりが深い中国通信機器メーカーを事実上、米国から締め出そうとしている。米政府は4月下旬、中国の華為技術(ファーウェイ)の機器を米企業が購入しづらくする規制を導入した。

 米上院では、米政府機関や米政府と取引のある企業が、華為技術や中興通訊(ZTE)などの製品を使うことを禁じる法案も可決された。

 日欧はどこまで同調するのか。この問いを突きつめれば、中国のハイテク覇権をどこまで許容するのかという命題にいきつく。

 中国が国際ルールを順守して覇権を握るのであれば、受け入れるのか。安全保障上の懸念から、それも拒むか――。

 おそらく、米国の本音は後者だ。いずれ、日欧にも同じ問いがのしかかる。>(以上)

秋田浩之氏は日経の中で真面に論説できる数少ない記者の一人でしょう。いろいろ情報を取り、自分の頭で考えれば、米中貿易戦はすぐに世界覇権を巡る争いと気が付くはずですから。下の中国語の記事にありますように、習は貿易戦争は中間選挙までと思っているようですが、全く違います。米国は覇権を中国に渡さないと決意したわけですから、短期間で済む訳はありません。後は如何に中国包囲網を敷くかです。日本は間違っても、共産中国側に付くことのないように。第二次大戦でドイツに付いて酷い目に遭ったではないですか。

8/15 facebook 中国观察 屈子清投稿

地點:匪區

古有鲁提辖三拳打死镇关西

今有城管队一拳摧死弱女子

場所: 山賊の住むエリア

古くは魯提轄が3回殴って鎮関西を殺した(水滸伝より)

今や都市管理官が一発でか弱い女性を殺す

https://www.facebook.com/100014428728477/videos/425922627898691/

8/14ブログぼやきくっくり<8/13虎ノ門ニュース 青山繁晴氏>「(6)中国 プーさん映画 習主席ソックリと検閲か」に「中国共産党内部で、すぐにはないけれども習近平国家主席を失脚させようって動きは現にありますから、西側のインテリジェンスも含めて全部確認してるから」とあります。

http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid2209.html#sequel

8/16阿波羅新聞網<北戴河会议后党媒定调 美高官:贸易战不算啥 更大的在后面—— 中国经济陷3重困境=北戴河会議終了後、党のメデイアの報道は元に戻る 米高官:貿易戦は大したことがない、大きなものが後ろに控えている 中国経済は3つの困難に陥っている>ペニー・プリッカー前商務長官は1年前に汪洋に米中衝突の原因を教えていた。中共はWTO規則を上手く使い利益を奪ってきた。米国人の不満を引き起こし、トランプが米国人の心の声を代表している。台湾メデイアの中央社は「プリッカーは“今よりもっと緊張が強まることを心配している。今の貿易戦は大したことはない”と直言した」と指摘した。2016年11月末に汪洋はワシントンを訪れ、政権交代で去るプリッカーとの会議を持ち、彼女はバージニア州での謝恩の夕餉に招待した。席上、汪洋は彼女に小さい声で「何故トランプが勝ったのか」を聞いた。明らかに米国人と同じく意外と思っていた様子。彼女は米国人に答えるのとは別に、「この結果は中国が貢献大である」と答えた。汪洋はそれを聞いて驚いた。説明は「トランプは対中強硬派で米国人の潜在意識に合っている。彼は米国人が日増しに不満をため込んでいることを理解している。実際トランプに関係なく、米中関係は岐路に立たされている。もし、米国の過去70年に亘る世界経済の秩序についての安定と保証がなければ、北京は発展できなかったろう。特にこの20年は、中共は米国の経済に対する支持を利用することで大いに潤ったが、このモデルは必ずや変えられる」と言った。

中共は貿易戦の煽りを受けて、投資、生産、消費の3つが下降している。トランプは10月にも中国を為替操作国と認定するのではと言われている。

http://www.aboluowang.com/2018/0815/1158757.html

8/16看中国<贸易战成中南海黑锅 习近平四中全会挥泪斩马谡?(图)=貿易戦は中南海の誰かに濡れ衣を 習は四中全会で泣いて馬謖を斬るか(王滬寧のこと?)?>8/16香港の“アップルデイリー”の中で、李平は「中共の権力闘争は内政・外交とも変化を齎したが、北戴河会議以降中共は高級幹部の人事異動を未だ発表していない。これは習が政敵を公平に扱ったことを意味するのではなく、また内政外交が調整されなかったことを意味するのでもない。米中貿易戦は高級幹部の権力闘争を引き起こし、宣伝部が“凄いぞ、我が国”の責任を取らされてから、北戴河は依然として習の貿易戦の既定路線を守って来た。6穏(就職、金融、貿易、外資、投資、相場の安定化)である。これは習政権が当面様子見していることを表す。米国の11月中間選挙後、トランプは国内の圧力を受けて、貿易戦で中国に打撃を与えるのを軽減することを信じている。中間選挙の結果まで習の意思決定を遅らせたことが有効であったかどうか。中共の権力闘争の結果、習は今秋の四中全会で泣いて馬謖を斬るかどうか。四中全会は中間選挙の前後で政争の焦点の一つになる。中間選挙は11/6でトランプが大統領になって初めての選挙で、2020年の大統領選を占うものと看做されている。

“人民日報”は1ケ月以上前には「夜郎自大」の姿勢を糾し、貿易戦争の責任を中国人の意識に帰し、戦略上“自信過剰と高飛車”であったと厳しく批判した。“科学技術日報”の主筆・劉亜東は「夜郎自大」を反省するが、“凄いぞ、我が国”の論理を掬い上げ、自信を失えば、衰退の元になると断言した。ひと月も経つと反省も低調となり、メデイアの風向きも再度強気で自信に満ち、7月政争は大変動を引き起こすのではと思われていた。

ボイスオブアメリカは“北京の春”の主筆・胡平の文を引用し、「“人民日報”の2つの文章は観点が違う。同じ中共のメデイアで違った見方になるのは、奇妙である。而も同じ人が短時間の内にである。例えばシンガポール国立大学の東アジア所長の鄭永年は5/22の北京での新刊発表会で、貿易戦に触れ、「宣伝担当の中国メデイアは悪い先例を作った。「中国製造2025」は中国だけの発展計画でない。同じようなものは他の国にもある。ただ、中国メデイアが米国を追い越すと強調し過ぎた。実際習が言ったのは、「中国は輸出・輸入に関係なく、一帯一路を提議しただけ」と。不幸だったのは、総ての中国メデイアは中国が世界を率いると言ったものだから、貿易戦争を招き入れた」と述べた。

しかし、8/10に鄭永年はフェニックスTVに出て、「米国は何故中国と冷戦しようとしているのか。中国の改革開放、AIIB、人類運命共同体等、中国が新しい国際秩序を作ろうとしていると米国を恐れさせている。今の中国の能力は米国に匹敵する。歴史上、大国の地位は他国から与えられるものでなく、闘争を通じて得たものである」と発言した。

胡平は、「同じ人物がこんなにも早く、立場を反対に変えるのを目にすることができた。中共は成り立ちから言って、右より左を好む。今やメデイアは浮かれて宣伝し、米国は中国が強大になるのを恐れて抑止しようとしているという。“凄いぞ、我が国”にまで及び、この方向は間違っていないとも。もし、他人の士気を上げることにより自分の威厳を損ねると思っているなら、それは間違っている。これに反して、胡鞍鋼の出した結論は明らかに間違っていたとしても、正しいと思われる。何故ならそれは中共に迎合するものだから。“人民日報”は未だ完全に中国の状況を表してはいない。劉亜東の話を支持する人は党内に多い。矛盾は解決できない。中共は、暫くはやり過ごせるが、分岐点に差し掛かる。分岐点が消えてなくなることはない」と述べた。

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/08/16/867915.html

加藤氏の記事はいつも中共の言いなりになっている感じがして面白くもなんともありません。取材源を大事にするとそうなるのでしょうけど。富坂聰と同じ匂いです。貿易戦で中央と地方の考えが分かれたとしても所詮、権力者という同じ穴の狢、中共を打倒することなぞ考えもしないでしょう。

記事

米中貿易戦争は激化しつつある(写真はイメージです)Photo:PIXTA

米中貿易戦争は激化 中国側に勝算はあるのか

「米国との貿易戦争が激化してきています。中国側は一歩も引く気はなく、徹底抗戦する姿勢のようですが、勝算はあるのですか?中国にそれだけの体力があるのですか?」

 6月下旬、北京の一角で実施された内部会議において、筆者は国家発展改革委員会の幹部にこう疑問を投げかけた。

 テーマは主に米中貿易戦争であった。

 先方は「中国には十分な体力がある。勝算はある。だから戦うのだ」と結論を主張した上で、次のように説明を加えた。

「経済成長率も大事であるが、中国の経済体は実際にすでにアメリカを上回っている。雇用や消費を含め、統計に反映されない経済活動がいたるところにある。中国経済はすでに米国経済よりも強く大きいというのが実情である。米国との貿易摩擦で中国が受ける影響は当然あるし軽視できない。外交的懸念もある。しかし、経済体として耐えられるか否かといえば答えはイエスだ」

 この幹部、および筆者が商務部、国家統計局、国務院発展研究センターの関係者らと議論をした限りにおいては、中国当局は現在、米中貿易戦争が持続的に激化していく場合、中国経済の成長率を0.3〜0.4%押し下げると見積もっているようだ。

 今年上半期の中国の経済成長率は6.8%増、今年の全国人民代表大会で李克強首相が全国・全世界に向かって宣言した今年の目標は「6.5%前後」。仮に0.3〜0.4押し下げられたとしても、6.4〜6.5%、十分目標の範囲内に収まる見込みということなのだろうか。

前回コラム『「台湾問題」が米中貿易戦争のカードになった場合の3つのシナリオ』でも検証したように、米中貿易戦争が本格的に勃発したのは、7月6日であるというのが大方の解釈である。

 つまり主に米中間で貿易戦争を避けるための協議(2月から6月まで計4回)に時間や労力を費やしてきた上半期、中国経済は理論的、直接的には対米貿易戦争の損害を受けていないといえる。下半期がスタートして間もなく勃発した貿易戦争が、上半期、全年、そして特に今年7月から来年6月までの成長率をどこまで押し下げるのか。見ものである。

米中貿易戦争は長期化し持久戦となる

 筆者は現在北京で本稿を執筆している。

 ここ数日、清華大学、外交部、中国中央電視台(CCTV)で対米関係を担当・分析している関係者と議論したが、「米中貿易戦争が短期的に収束に向かう」と主張する人間は1人もいなかった。

「米国との貿易戦争は長期化する。なぜなら、米国の真の標的は“中国製造2025”であり、中国を戦略的に封じ込めるという最大の動機が背後にあるからだ。中国はそのための準備をし、米国債を含めた手持ちのカードを増やしていかなければならない」(清華大学経済学教授)

「米中貿易戦争が長期化する」、「持久戦になる」という見方に筆者も賛同する。8月8日、中国政府は米国からの160億ドル相当の商品に対して追加課税する決定を発表している。

 7月31日、中央政治局が会議を開き、習近平総書記が司会を務めた。テーマは経済。上半期の情勢を振り返り、昨今の情勢を分析し、下半期に向けて対策を練ることを目的としていた。

 会議は上半期の経済情勢を「総体平穏、穏中向好」の態勢を保持してきたとして評価した。特に後半の4文字に注目したいが、「安定の中でも良好な方向へと進んでいる」という意味である。

 根拠としては、(1)主なマクロ指標が合理的な区間に収まっていること、(2)経済構造が持続的に改善されていること、(3)金融リスクの予防と緩和が初歩的な効果を得ていること、(4)生態環境が改善されていること、(5)人民の納得感、幸福感、安心感が向上していることの5つを挙げた。

ちなみに、(3)、(4)、(5)は近年中国共産党指導部が「三大功堅戦」、すなわち主要課題として掲げている3つの分野(金融リスク、環境汚染、貧困問題)に呼応するものであり、当局としても成果を宣伝したいということなのだろう。

昨今の経済情勢は「安定の中にも変化がある」

 一方で、昨今の経済情勢に対して、会議は次のように現状を描写している。

「昨今の経済運営は穏中有変であり、新たな問題、新たな挑戦に直面している。外部環境には明らかな変化が生じている。主な矛盾を照準性の強い措置を通じて解決していかなければならない」

“穏中有変”――。

「安定の中にも変化がある」という意味である。

 上半期を修飾した“穏中向好”とは明らかに異なるトーンに変わっている。この“変”が米中貿易戦争を指していることはもはや疑いのない事実のように思われる。会議は「照準性の強い措置」として、「積極的な財政政策」、「財政政策の内需拡大と構造改革における重要性」、「合理的で十分な流動性の保持」などを掲げた上で、就業、金融、貿易、外資、投資、経済予測の安定性を保たなければならないと指示を出した。

 今回の会議から、共産党指導部が米国との貿易戦争が昨今の中国経済をめぐる最大リスクの1つと化しており(筆者注:会議では不動産バブル崩壊を大いに懸念する議論の記述も見られた)、財政出動を通じたインフラ投資、通貨供給量の増加などを通じて経済成長をなんとか合理的な区域(6.5%前後)に留めたいと懸念を抱いているのだと筆者は解釈した。

経済情勢への影響を懸念する議論が目立つ

 北京から眺める限り、世論や市場でも米中貿易戦争が経済情勢に及ぼしうる影響を懸念する議論が目立ってきていると感じる。

貿易戦争勃発から3日が過ぎた7月9日、商務部の高峰報道官がこの点に関して比較的“照準性の強い”措置を発表している。少し長くなるが重要な声明文だと考えるため引用したい。(下記、引用文)

 ◇

  米国が7月6日に実施した関税措置に対して、中国側としては必要な報復措置を取らざるを得ない。中国側は米国の商品に対して課税措置を取るリストを作成する過程で輸入製品の代替品、および貿易投資への全体的影響を十分に考慮した次第である。我々は以下の措置をとるべく検討している。

(1)各種企業が受ける影響を持続的に見積もること。
(2)報復措置を取る過程で増加した税収を主に企業および従業員が受ける影響を緩和するために使用すること。
(3)関連企業に対して輸入構造の調整を奨励し、他の国家や地域から大豆、大豆粕などの農産品、水産品、自動車などの輸入を増加させることを勧めること。
(4)国務院が6月15日に発布した積極的かつ有効に外資を利用し、経済の高質量発展を推進するという『意見』の実施を加速させ、企業の合法的権益の保護、より良い投資環境の創造を強化すること。

  我々が組み合わせている政策はいまだ改善の段階にある。社会の各界の意見や提案を歓迎する。米国との貿易摩擦から深刻な影響を受ける企業があれば、現地政府の関連部門に状況を反映させることを提案する次第である。

 ◇

 筆者が知る限り、地方自治体、および大・中小、国営・民間を問わず各企業はそれぞれ米中貿易戦争が地元や自社に対して及ぼす影響を懸念するだけでなく、影響を具体的に見積もり、対策を練り始めている。

例えば、某沿岸都市政府から筆者が意見を求められた『米中貿易戦争が我が市の産業構造に及ぼす影響』に関しては、同市政府内で特別チームが設けられている。

 このチームに入っている1人の経済官僚の一言が印象的であった。

多くの地方官僚・企業の本音とは

「中央政府は自らの外交戦略に従って米国と戦っているのだろうが、米国をはじめ、外国政府・企業と良好な関係を構築しながらビジネスをしていきたい我々からすれば甚だ迷惑な話だ。国家のメンツのために地方の繁栄を犠牲にしないでいただきたいものだ」

 おそらく多くの地方官僚・企業の本音であろう。

 真実や実情に関して“何も知らない”人民はそのナショナリズムや愛国心から党中央・政府が米国に断固として妥協せず徹底抗戦する姿を眩しく感じ応援しているのだろうが、この経済官僚が主張するように、地方の政府や企業からすればまさに「甚だ迷惑」な話なのかもしれない。

 今後、米中貿易戦争がヒートアップしていく過程で中国の実体経済がどのような影響を受けるのか、その過程で中央と地方の摩擦や矛盾がどう表面化していくのか。一つの切実なリスク要因として認識・注視すべきであろう。

(国際コラムニスト 加藤嘉一)

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『中国で流れた「習近平が吊るし上げられる」という噂 貿易戦争で右往左往、習近平政権が置かれている厳しい状況』(8/13JBプレス 川島博之)について

8/14日経<中央アジアに一帯一路リスク 中国巨額融資、重い代償 資源権益 譲渡も

【モスクワ=古川英治】中央アジアのトルクメニスタンが経済危機に陥っている。国家収入の大半を占める天然ガスの輸出で中国依存を深める一方、同国への借金が膨らみ、資金繰りが悪化した。タジキスタンも中国から巨額の融資を受ける見返りとして資源開発権を同国企業に譲渡した。アジアと欧州を結ぶ「一帯一路」の要衝と位置づけられる中央アジアでも中国頼みの「ワナ」が浮き彫りになってきた。

親中路線の危うさも浮き彫りになっている(2017年8月、北京で会談するタジキスタンのラフモン大統領(左)と習近平国家主席)=AP

「食料品店に毎日長蛇の列」「小麦粉の購入は1カ月前の予約制」「主婦らが食料を求めて道路を封鎖」――。厳しい情報統制を敷くトルクメニスタンからこんなニュースがもれ伝わっている。

現地からの情報によると、通貨マナトの対ドルレートは公式相場の1ドル=3.5マナトに対し、闇市場では一時同18~19マナトに急落した。小麦粉や砂糖、食用油など必需品が不足しているほか、政府はガスや水道の料金の大幅値上げを強行しており、物価上昇率は300%との試算もある。「ソ連崩壊直後の混乱期を超える危機」との見方も出ている。

国家収入の7割を天然ガス輸出に頼るトルクメニスタンは2009年にウズベキスタンとカザフスタンを経由して中国と結ぶパイプラインを開通させ、中国シフトを強めた。同時にガス田開発やインフラ建設の資金を中国からの借金に頼った。ロシアの独立国家共同体(CIS)研究所によると総額は80億ドル(約8800億円)規模に上り、ガス輸出代金の一部は返済に取られている。

ロシア経由のガス輸出が停止し、契約がこじれたイラン向けも止まっていることもあり、17年のガス輸出収入は15年と比べて半減したとの報道がある。空港などインフラ建設による放漫財政と汚職が財政悪化に拍車を掛けた。借金返済のためガス田を中国に譲り渡さざるをえなくなるとの観測も浮上している。

中央アジア各国は中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席が掲げる「一帯一路」構想の恩恵を受けようと中国との関係強化に動いた。各国から直接投資を集めるカザフスタンや出遅れたウズベキスタンを除き中国からの借り入れを膨らませた。

タジキスタンは4月、発電事業への3億ドルの融資の見返りに中国企業に金鉱山の開発権を譲り渡した。キルギスでは首都ビシケクの発電所事業を巡る政府と中国国有銀行の融資契約の中で「(中国側は)債務不履行の場合、あらゆる資産を要求できる」とする条項が含まれていると報じられた。鉄道建設の交渉でも中国側は融資の見返りに資源権益を求めていると見られている。

スリランカが借金のかたに南部のハンバントタ港を99年にわたり運営する権利を中国国有企業に譲り渡したことで、「一帯一路」に潜む中国依存のリスクが世界的に認識された。CIS研究所のアンドレイ・グロジン中央アジア部長は「中央アジアでの中国の狙いは独占的な地位を固め、資源を買いたたくことにある」と指摘している。>(以上)

8/14日経<中国、ウクライナも狙う ロシアと欧米対立の隙突く

【モスクワ=古川英治】中国はウクライナなど欧州への統合を目指す旧ソ連の親欧米国にも攻勢をかけている。中央アジアと黒海を経由して欧州と結ぶ「一帯一路」の拠点と位置づけ、インフラや農業分野への投資を計画。軍事技術にも目を付ける。ロシアと欧米の対立の隙を突き、東欧で影響力を増しつつある。

中国は2017年末に中国・ウクライナ政府間委員会を4年ぶりに再開し、同国に対して70億ドル規模の共同事業を展開する方針を示した。首都キエフの交通インフラ整備や高速道路、穀物輸出基地の建設計画が進む。ロシアと事実上の戦争状態が続き、欧米の対ウクライナ投資が伸び悩むなかで、「親中派が静かに台頭している」とウクライナ政府高官は指摘する。

中国はソ連時代からウクライナが強みを持つ軍事技術も狙う。中国企業が軍事輸送機やヘリコプターのエンジンを製造するモトール・シーチ社の株式41%を取得し、後にウクライナの裁判所が差し止め命令を出したこともあった。17年には中国によるとみられる軍事機密に絡むスパイ事件も発覚している。

ウクライナと共に欧州連合(EU)と連合協定を結んだジョージアとは17年に自由貿易協定(FTA)を締結、港湾・運輸への投資を進める。同国はアゼルバイジャンからトルコまでを結ぶ鉄道を開通させ、ロシアを迂回して中国、中央アジア、中東を結ぶ「一帯一路」の動脈になると目されている。中国は同じく親欧米のモルドバともFTA交渉に入った。

ロシアは勢力圏と位置づける各国での中国の勢力拡大を容認しているとの観測もある。ロシアが警戒するのは欧米が後押しする透明性や法の支配を強調した民主・経済改革が浸透することで「欧州よりも中国の方がマシ」と考えているとの見方だ。中国マネーの存在感が増せば、改革に向けた欧米のテコが各国で利かなくなるとの懸念も出ている。>(以上)

「ロシアは勢力圏と位置づける各国での中国の勢力拡大を容認している」とは思えません。自分の裏庭を荒らす者を喜んで迎える者はいません。ロシアのGDPは中国の1/10しかないので、金をばら撒かれたら何も言えないというのが実情でしょう。不快に思っていることは間違いありません。一昨日の本ブログで紹介しました宮崎正弘氏の見方が合っていると思います。でも日経が中国の「債務の罠」を報道し出した意味は大きいです。何せ今でも日本企業の中国進出を煽っている愚かな新聞ですので。中国の人権弾圧をキチンと報道しろと言いたい。

8/13facebook Jason Gaoシエア投稿

强国的五星级《厕所》強国の5星クラスのトイレ

記錄中國  記録中国

去茅廁解手都得被提醒「富強 民主 文明 和諧 」 😂 😂 😂 😂 😂 😂 😂 😂 😂 😂 😂 😂
努力排便 國家富強
習總 給你一個五星級的茅廁

トイレに行って用を足すときに「富強 民主 文明 調和」を思い出させてくれる(電光掲示板に表示) 😂 😂 😂 😂 😂 😂 😂 😂 😂 😂 😂 😂
頑張って排便すれば、国は富み強くなる

習主席はあなたに5星クラスのトイレをプレゼントしてくれた

https://www.facebook.com/jiluzg.3.0/videos/299306364166730/

8/14阿波羅新聞網<北戴河会议结束 高层内部讲话热传 习近平赶鸭子上架 ——神秘会议中宣部被批带偏舆论 中共宣传重大转向?=北戴河会議は終わる 高級幹部の講話を熱く伝える 習近平は身動きが取れないので その密室会議で宣伝部は世論に阿ったと批判を受ける 中共宣伝部は転向するか?>8/11新華社内で秘密会議が開催される。主催者は習の意を受けた政治局委員以上の誰か。名前は明かさず。CCTVを例に挙げて、犯罪人がTVで涙を流して自分の罪を悔いるのは「TVで罪を認め」、「法廷での裁きの前にTVで裁かれる」のと同じである。これは習の言う依法治国に反する。新華社、CCTV、人民日報、環球時報等、全部トップの考えを理解していない。「習近平新聞思想講義」を読んで、もっと勉強せよと。宣伝は機械同様、受け売りすれば良いだけになる。「言論の自由」は幻影である。

http://www.aboluowang.com/2018/0814/1158161.html

8/14阿波羅新聞網<美媒:中美贸易战急转 中南海计划持久战 德媒:双方还有场更可怕战争=米国メデイア:米中貿易戦争は急転回 中南海は持久戦 ドイツメデイア:両国とも貸付戦争になる場がある>トランプが仕掛けた貿易戦争で、中共は大きく譲歩し改革に進むか、一党独裁の改革を拒否し応戦するかの選択があった。中共は後者を選び、強硬な立場を採る必要があった。

8/13「ドイツの声」に、「今の米中関税戦争は世界経済を危険に晒す。その背後にあるもう一つの重要な戦争は、鉄鋼・大豆・自動車の戦争でなく、世界での重要な商品を巡る通貨の争い、イコール貸付の問題である」との文章が出た。

ワシントングローバル発展センターは23カ国の例を挙げ、パキスタン、タジキスタン、モンテネグロ、ラオスがその中でも債務が大きいと。しかし、米政府は、IMFがパキスタンを支援するのを拒絶している。これは中国がパキスタンに貸付けたローンを助けることになるから。専門家は、米中貿易戦争は中国の海外投資や貸付能力を大いに失わせしむるだろうと分析している。

http://www.aboluowang.com/2018/0814/1158294.html

8/14阿波羅新聞網<不仅川普有绝招 内幕消息:中南海屡屡失算到如今 —— 川普重磅撒手锏 随时令中共低头 北京仍在误判川普=トランプは奥の手があるだけではない 内幕の情報:中南海はしばしば計算違いをして今に至る トランプには切り札がある いつでも中共に頭を垂れ指すことができる 北京はまだトランプを誤解している>香港メデイアは先日「米国政府は中共の権貴と各界のエリート達の米国の中にある隠し資産の証拠を持っている。これはトランプの「手持ちの切り札」であると報じた。一旦これが公表されれば中共の合法性はグダグダになる。

8/9マイケル・ピルズベリーはハドソン研究所でFOXニュースのインタビューを受け、「中国は米国をならず者呼ばわりして非難」という番組にして放送された。彼は先週中共の役人と接触し、秘密会談した。番組で明らかにしたのは次の通り。

①中共は大物ぶっているが実力はない。自分達は自由貿易の世界を断固守ると言っている。これにより貿易戦争で犠牲が出るのは仕方がない②中共の考えは古く、トランプが貿易戦で強勢を張れるのは中間選挙までで、11月の中間選挙の結果で、必ずや態度を緩めるだろうと思っている③中共は「今日成功したのは我々の努力の賜物」と吹聴している。

ハーバード研究所のハンソン教授は「農民は最も良く政治を理解している。人口の2%しか数はいないが、大きな選挙で決定的な影響力を発揮する」と「希望の声」TVのインタビューで答えた。

香港の「アップルデイリー」は「米国に権貴と各界のエリート達が持っている隠し資産を切り札として持っている。歴史上、エリート達が、競争相手の国に、自分の妻や子供名義で資産を移す国というのは見たことがない」と報道。

http://www.aboluowang.com/2018/0814/1158113.html

川島氏の記事のように、米中貿易戦争が中共崩壊の始まりであることを願っています。共産主義は三権分立していないため、為政者に対する国民の監視が効かず、為政者は簡単に人権弾圧、自国民の大虐殺をします。こういうシステムが世界を覆うことになれば、人類は生きる価値がありません。その前に押し留めませんと。中共包囲網を敷き、経済で自壊するようにしましょう。

記事

北戴河会議は毛沢東時代から始まったとされる(資料写真)

8月の初旬、中国では恒例の北戴河会議なるものが開催される。これは中国共産党の現役幹部と共産党OBが行う秘密の会合である。いつ開催され、いつ閉会したか、またどんなことが話し合われたかなどについて、一切の公式発表はない。

北戴河は渤海湾を望む海辺の避暑地。水泳が好きだった毛沢東がよく滞在した。その際に北京から幹部を呼びつけて、非公式な話し合いが行われたことが起源とされる。

中国共産党の多くの公式会議は秋に開催されるが、北戴河会議ではその事前相談が行われる。特に、長幼の序を重要視する中国では、執行部が人事案の内諾をOBから得る場とされる。

今年は北戴河会議を前にして「習近平がOBから吊るし上げに遭う」という噂が広まった。共産党の規約に反して個人崇拝を推し進め、かつ対外強硬路線を押し進めたために、米国と抜き差しならない貿易戦争に陥ってしまった。その責任が追及されるというのである。個人崇拝を推し進めた王滬寧政治局常務委員が会議に姿を見せず、失脚したなどのニュースも流れた。

今回は、この一連の報道について考えてみたい。筆者は、これらの一連の報道は「木を見て森を見ない」ものであり、一部の事象をあまりに針小棒大に取り上げているように思う。

なぜ「吊し上げ」報道が生まれたのか

そもそもなぜこのような報道がなされるかと言えば、中国共産党が徹底的な秘密主義を貫いているためだ。内部における意見の対立が公式に発表されることはない。その結果、メディアは共産党の有力者(本当に有力者であるかどうか不明)から極秘に聞いた話に、各種の色付けを行ってニュースを作っている。また、インターネットが発達した現在、海外に逃亡した中国人が発信する情報がニュースソースになっているケースも多い。

逃亡した中国人は経済的な犯罪を行った者が多い。もちろん純粋に政治的な理由で逃亡した人もいるが、その多くは米国に逃亡した郭文貴のように、汚職の追及を受けた者たちだ。彼らは共産党に恨みを抱いている。そして、有力者であったために、中国に多くの知己を持っている。彼らが何らかの伝手を使って得た情報が、海外からインターネットなどを使って発信されている。郭文貴も共産党内の腐敗を暴露し、習近平の盟友である王岐山の汚職を告発した。

秘密主義の中国共産党の内部を知るには、このようなニュースソースは不可欠である。ただ、それに振り回される必要はない。中国という巨大な存在は、個々のニュースから考えるより、もっとマクロな視点から見つめるべきである。

変容した北戴河会議

筆者はもはや北戴河会議は形骸化していると思う。第1の理由はOBが弱くなっていることにある。OBが強い力を有していたのは、鄧小平の時代までである。鄧小平自身が現役を引退しても隠然とした力を有していたことはよく知られているが、その時代には鄧小平と同様に革命戦争を生き抜いたOBが多数存命していた。

退いてからも尊敬されるには白刃の下で戦ったという伝説が必要である。サラリーマンOBが尊敬されないことは、日本人でもよく分かるだろう。

鄧小平といえども、革命の元勲を無視することはできなかった。彼らが、鄧小平が登用した胡耀邦や趙紫陽を解任した。そんな歴史があるために、中国共産党ではOBが人事に対して大きな力を持っているという神話が作られてしまった。

だが、現在、北戴河会議に集まるOBは白刃の下で革命戦争を戦った元勲ではない。そのほぼ全ては官僚OBである。そんなサラリーマンOBの中で、習近平を吊し上げることができるのは、総書記や首相を経験した江沢民、朱鎔基、李鵬、胡錦濤、温家宝の5人ぐらいだろう。

しかし、江沢民はほとんどいわゆる“ボケ老人”であり、現時点では、北戴河に行ったかどうかも不明。李鵬も朱鎔基もこの秋に90歳になる。習近平を吊し上げる元気があるかどうか分からない。

そして、この5人には共通点がある。それは、海外に逃亡した人々から一族の汚職を追及されていることである。彼らは現執行部である習近平の庇護がなくなれば、妻や息子や娘が逮捕されかねない状況にある。他の小物OBの状況も似たようなものである。多くは海外のネットで一族の汚職が話題なっている。そんな状況でOBが習近平を吊し上げることができるのだろうか。

現在の北戴河会議は、OBが現役を叱りつける場ではなく、OBが自身と一族の身の安全を現執行部にお願いする場に変わっているとみてよいだろう。だから、この数年、習近平への権力の集中が進んだのだ。

習近平が追い込まれているのは事実

ただ、火のないところに煙は立たない。多くの人々が、習近平の推し進める路線に不安を感じ始めたことは事実だろう。

その不安の震源地は経済である。中国バブルは崩壊が言われながらいつまでも崩壊しなかったが、ここに来て多くの人が今度は本当に崩壊するのではないかと思うようになった。

その最大要因は米国との貿易戦争である。だから、対外強硬論を推し進めた習近平に責任があると考えたのだ。しかし、尖閣諸島や南シナ海を挙げるまでもなく、対外膨張主義を始めたのは習近平ではない。21世紀に入った頃からの共産党の一貫した方針である。

それを支えたのは、どの国でも同じであるが、「中国は偉大な国だ」と思いたがる一般民衆である。戦前の日本の軍部と同様に、共産党は民衆の夜郎自大的な思いを煽ったのだ。いったん民衆が自国を「すごい国」と思い始めると、それをなだめるのは容易ではない。もし、習近平がトランプに頭を下げて南シナ海から撤退したら、民衆は習近平を弱腰と強くなじるだろう。それこそ失脚の原因になるかも知れない。

そして、貿易戦争はもっと始末が悪い。トランプが言うように、米国への輸出を減らせば、それは国内に出回る資金の減少を意味し、バブル崩壊の引き金になりかねない。また、1970年代から1990年代にかけて日本の自動車産業が行ったように、工場を米国に移せば、中国で失業が大量に発生する。

南アフリカ・ヨハネスブルクで講演する習近平国家主席。世界的な貿易戦争で「勝者は出ない」と述べ、米国のトランプ政権を牽制した(2018年7月25日撮影)。(c)AFP PHOTO / GIANLUIGI GUERCIA〔AFPBB News

習近平は追い込まれてしまった。そして、それは中国共産党支配が追い込まれてしまったことに他ならない。習近平の危機と共産党の危機は同義語である。

北戴河に集まったOBや現役幹部はバカではない。数年前からこのような事態を想定していた。だからこそ、その困難を乗り越えるために習近平への権力集中を容認し、習近平もそれに乗ったのだ。しかし、トランプから想定していた以上に強い癖球を投げつけられてしまった。現在、その対応に苦慮している。その右往左往が、「北戴河会議で習近平がOBに吊し上げられる」という話を作り上げてしまったのだろう。

紙幅がないために詳細を述べることはできないが、この一連の動きは、中国共産党の支配が終わり始めたことを示している。

経済の繁栄をレゾンデートルとした共産党支配は行き詰まった。共産党支配崩壊の1ページ目が開いたと言える。だが、それはまだ1ページ目に過ぎない。強力で巨大な中国共産党の支配が終焉するには、これから長い時間と多くの悲劇が必要になる。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『中国やロシアも恐れるイージス・アショア 日本に配備される最高性能装備は高いか安いか』(8/13JBプレス 渡部悦和)について

8/13阿波羅新聞網<中美贸易战走向露全貌?中南海反省出4点认识?=米中貿易戦争は全貌が明らかになるように進む 中南海が反省すべき4点を知っていますか?>①中共は貿易戦スタート時には楽観的だった。中間選挙に向けて、トランプの支持層の農業票に向けて関税を賦課すれば、トランプが妥協すると思ったのは誤り②米国の懲罰によるZTE、華為の問題は大きな損失で中国人のプライドも損なわれた。中共が民衆の気持ちを取り直させれば、今度は夜郎自大になり、簡単に貿易戦に勝てると誤導した③北京は米国の各方面、特にビジネス界を説得してトランプに影響を与えようとし、劉鶴は何度もビジネス界と打ち合わせた。しかしトランプは自分の考えを持っており、外交の場でビジネスマンの意見は聞かない④北京は経済政策でナバロのようなタカ派は主流にならないと思った。しかし今や長く主導権を握っている。

中共はWTO加入時の約束を守っていないし、未だ技術を盗み続け、米国の利益を侵そうとしている。トランプは絶対に許さない。米中衝突のキーポイントは価値観の衝突である。中共は侵略こそがその本質であり、放棄できない。それに対しトランプは、神、米国、民衆に責任を負い、退却できない。

http://www.aboluowang.com/2018/0813/1157683.html

8/12阿波羅新聞網<川普贸易战终极目的显现 中共面临重大危机=トランプの貿易戦争の最終目的が明らかに 中共は重大な危機に>トランプの最終目的は日米欧で中共包囲網を形成することである。これにNAFTAが加われば世界貿易の70%を占める。利益を受けて来たWTOでの中国の地位は危ういものに。

WHが1月に発表した「国家安全戦略」の中で、トランプは明確に述べている。「過去数十年、米国は中国が台頭するのを支持し、戦後の国際秩序に組み入れ、自由化を実現させようとしたが、結果は希望に反するものとなった。中共は他国の主権を踏みにじり、自分の力を拡張して来た。中共は戦略的競合である。掠奪経済は隣国を恐れさせている」と。この前にトランプは何度も共産主義の専制思想を非難していた。

南カロライナ大学の謝田教授は「中共は既に意識している。中共が貿易戦を降りれば、すぐに経済が崩壊する。降りなければ、ゆっくりと崩壊は進む。中共は政権が脅威に晒されていると思っている。中共は全中国人民を中共の葬送に引きずり込むのを厭わない」と述べた。

http://www.aboluowang.com/2018/0812/1157348.html

8/12阿波羅新聞網<蔡英文周日过境洛杉矶“红蓝联手”发动突袭抗议=蔡英文総統がこの日曜(8/12)ロスに立ち寄るのに合わせ、国共合作で抗議デモを発動8/12共産党と一緒になって国民党が、ロスに立ち寄る蔡英文総統の宿泊ホテル前で抗議デモをするというのは、正体見たりですね。500人集める予定とのこと。国民党は台湾人民の国民党ではなく、中国人民の国民党です。成り立ちから言っても呼称から言ってもです。自国の総統と思っていないからです。台湾国民は怒って次の選挙で国民党の政治家を落とさないと。この主催者は小型ジェットを借りて、“只有一个中国,台湾是中国的一部分,Only One China. Taiwan is part of China”と書いた幕を翻して、4時間ロス上空を飛ぶそうな。中国人のやることは総じて大人げない。義和団の乱、不買運動、反日デモやら皆政府主導です。米国の世界抗日戦争史実維護連合会が南京虐殺や慰安婦を捏造してきた民族です。228事件を起こした末裔だけのことはあります。

http://www.aboluowang.com/2018/0812/1157313.html

8/13Taiwan News<US shows unprecedented courtesy to Taiwan President in LA    President Tsai visits U.S. for first time since Taiwan Travel Act enacted by President Donald Trump>ロスで蔡総統はジェームズ・モリアーテイ全米在台湾協会理事長と面会。記者団による全米での報道も今度の台湾旅行法のお蔭でできるようになった。

蔡総統の左が陳菊、右がジェームズ・モリアーテイ。

https://www.taiwannews.com.tw/en/news/3505398

渡部氏の記事で、配備反対論者が陸上イージスは高いというのであれば、日本も核兵器を持てばよいでしょう。北ですら持てるくらいですからずっと安くなるのでは。憲法違反でもないし。防御兵器だけでは抑止力になりません。報復可能で初めて敵は攻撃を思い止まります。防御だけですと飽和攻撃には耐えられません。武道でも守りだけしかできないというのであれば簡単に攻められます。ちょっと我が身に置き変えれば分かる話です。相変わらず朝日新聞は敵のプロパガンダの役割を果たしています。日本の自衛力の弱体化を喜ぶのは、共産中国ではないですか。似非平和主義者で日本を共産国家且つ中共に隷属させようという意思が働いています。こんな中共が裏で蠢いて慰安婦事件をでっち上げたフェイク新聞を読んでいて、まだ洗脳されている人がいるのですから、嘆かわしい。

記事

ルーマニア・デベセルの軍基地で行われたイージス・アショアの配備式典に出席する米軍兵士ら(2016年5月12日撮影、資料写真)。(c)AFP PHOTO / DANIEL MIHAILESCU〔AFPBB News

陸上配備型イージス・システム(本稿では陸上イージスと呼称する)2基の導入については、2017年12月末の閣議において決定された。

閣議決定後の重要な手順が陸上イージスに搭載するレーダーの機種選定であったが、防衛省は7月30日、レーダーの機種選定結果を発表し、米国のロッキード・マーチン社が提案したLMSSR(Lockheed Martin Solid State Radar)に決定したと発表した。

この決定により陸上イージスの能力や価格が明らかになってきた。

陸上イージスの価格が公表されると、それを待っていたかのように大手メディアをはじめとする陸上イージス反対派が反対キャンペーンを開始した。

主な反対理由は、高価である、米朝首脳会談などによる緊張緩和に逆行する、北朝鮮・中国・ロシアが反対しているなどである。

しかし、陸上イージスは、従来のイージス艦と「PAC-3」による2層の弾道ミサイル防衛体制を大幅に強化する優れた装備品だ。

例えば、北朝鮮の弾道ミサイルのみならず、中国の中距離弾道ミサイルにも対応可能で、北朝鮮の弾道ミサイル(例えば「火星14」)のロフテッド機動*1の射撃にも対応可能である。

異種弾道ミサイルの多数同時射撃にも状況により100%ではないが対応可能であり、我が国の防衛体制の強化や日米同盟の強化に寄与できる非常に優れた装備品である。

我が国の周辺国が反対したとしても、我が国が自らの安全保障に関する決定を行うことは当然のことである。

陸上イージスは、2019年度予算の審議及び決定の過程において間違いなく議論の焦点になるであろうし、秋から始まる臨時国会でも大いに議論されるであろう。

本稿においては、メディアなどで批判されている陸上イージスが、我が国の防衛に大きな貢献をする必要不可欠な装備品であるという観点で議論を進めていきたいと思う。

*1=弾道ミサイルの打ち上げ要領の一つで、通常よりも角度を上げて高く打ち上げる方法で、落下速度が速くなり、これへの対処は難しくなる。

陸上イージスについて

そもそも陸上イージスとは何かについて、簡単に紹介したいと思う。

  • イージス・システムとは

陸上イージスを説明するためには、イージス艦に搭載され、陸上イージスにも搭載されるイージス・システムついて説明しなければいけない。

イージス・システムは、遠距離を飛行する敵機やミサイルを正確に探知できる索敵能力、迅速に状況を判断し対応できる情報処理能力、一度に多くの目標と交戦できる対空射撃能力を備えた画期的な装備品だ。

イージス・システムは当初、空母や揚陸艦などを対艦ミサイル攻撃から防護する目的で開発された。

特に重視された機能は、同時多目標交戦能力だ。

飛来する多数のミサイルを同時に認識・追尾するとともに、脅威度に応じて優先順位をつけ、優先度が高い目標から順番に、艦対空ミサイルを発射して交戦することができる。

イージス・システムでは同時に10発以上の敵ミサイルに対応できるといわれている。

その監視能力と処理能力の高さが注目されて、のちに弾道ミサイル防衛(BMD : Ballistic Missile Defense)の機能が付加され、イージスBMDが登場した。

  • 我が国が導入する陸上イージス

BMDの機能を備えたイージス・システムを海上ではなく、陸上で実現したのが陸上イージスということになる。

つまり、イージス・システムを構成するコンピュータ―、今回機種選定された最新レーダー「LMSSR」、「Mk.41」ミサイル発射器などの機材一式を、陸上に設置する建物に収納し、出来上がるのが陸上イージスだ。

陸上イージスの優れた点

  • 我が国が導入する陸上イージスは世界最高水準の能力を有する

我が国が導入する陸上イージスで注目すべきは、最新レーダーであるLMSSRと日米が共同開発しているミサイル「SM3ブロックIIA」を採用することで生じる相乗効果だ。

・最新レーダーLMSSRの探知距離は1000キロ以上で、イージス艦に搭載されている「SPY1」レーダーの探知距離(約500キロ)の2倍以上だと報道されている。

陸上イージスの取得価格がある程度高くなるのは、SPY1レーダーの代わりに高い能力を有するLMSSRを導入することを考慮すると致し方ない面がある。

・ミサイルについては、現行の「SM3ブロックⅠA」の射程が1200キロであるのに対して、SM3ブロックIIAの射程は2000キロだ。

そして、到達高度(射高)は、ブロックⅠAの600キロに対して、ブロックIIA では1000キロを超えている。この能力差は圧倒的な差で、我が国のBMDに非常に大きな影響を与えることになる。

・この能力の高いLMSSRとSM3ブロックIIAが合体することにより、高度1000キロ程度における弾道ミサイルの迎撃が可能になる。この意味するところは大きい。

まず、中国人民解放軍の弾道ミサイルへの対処能力が大幅に向上する。

特に、日本国内の重要インフラや米軍基地をターゲットとする準中距離弾道ミサイル「DF-21」、中距離弾道ミサイル「DF-26C」などに対する対処能力が大幅に向上する。

次いで、ロフテッド軌道で発射された北朝鮮の弾道ミサイル(例えば火星14)に対する対処能力が大幅に向上する。

ブロックⅠAではロフテッド軌道のムスダンへの対処は非常に困難であったが、ブロックIIAは高度1000キロ付近でロフテッド軌道で飛翔する弾道ミサイルを迎撃可能になる。

さらに、陸上イージス(LMSSRとSM3ブロックIIA)、イージス艦、PAC-3の組み合わせで、異種弾道ミサイルの多数同時発射への対応が、状況により100%ではないが可能となる。

異種弾道ミサイルとは、例えばDF-21と火星14の組み合わせだ。

現在、異種弾道ミサイルの多数同時飛来する弾道ミサイルへの対処はある程度可能であるが、陸上イージスの導入により、より確実に対応する可能性が出てくる。

  • 陸上イージスは現在の弾道ミサイル防衛態勢を更に強化する

現在の弾道ミサイル防衛は、イージス艦のミサイルSM3とPAC-3ミサイルによる2層の防衛体制であり、改善すべき問題はあった。

例えば、PAC-3は限定された地域をカバーする拠点防衛の装備品であり、狭い範囲の防衛はできるが広域の防衛はできないという欠点を有している。

また、イージス艦は、1日24時間365日、BMD対処のためにのみ日本海に張りつけていくわけにはいかない。

東シナ海など中国海軍への対処などの任務にも就かなければいけないし、何よりも乗員の訓練、休息、艦艇の定期的な保守・整備が欠かせない。

2017年を振り返ると、北朝鮮は多数の弾道ミサイルの発射を行ったが、海自のイージス艦はそれへの対処のために長期間、日本海に張りつけになっていた。そのため、乗組員は休息が不十分で疲労は激しかったと聞いている。

陸上イージスが導入されると、海上自衛隊のイージス艦の負担を軽減し、運用を柔軟にすることが期待される。

日米で共同開発を進めている弾道弾迎撃ミサイルであるSM-3ブロックIIAは広いカバー領域を有し、日本国内の東西2カ所に配備すれば日本全土をカバーできる。この2カ所に配備された陸上イージスはBMDの堅固な土台を構築することになる。

陸上イージスが導入されると、これが1日24時間、1年365日のBMD対処にあたることになる。

イージス艦の負担が格段に軽減され、イージス艦は、BMDだけではなく、本来の艦隊防空(航空機や対艦ミサイルを迎撃する任務)等の任務に従事することができるようになる。

また、訓練の時間を確保でき、乗員の休息、艦艇の保守・整備も可能となる。つまり、我が国防衛態勢に大きな良き影響を与えることになる。

また、米軍と互換性のある装備品を導入することで日米同盟が強化されることも重要な点だ。

  • イージス艦に比し陸上イージスは少人数で運用可能

海上自衛隊のイージス護衛艦1隻当たりの乗組員は通常300~310人必要だという。陸上イージスの場合、艦艇を動かすための乗組員を必要としない。

武器システムを操作するための戦闘情報センター(CIC : Combat Information Center)で勤務する要員がいれば用が足りる。

1日12人の3交替で合計36人程度の要員でBMD対処が可能となる*2

もちろん、システムを操作する要員だけでなく、基地施設の警備・防衛を担当する要員や、食事の用意をはじめとする後方支援業務も必要になる。

しかし、既存の基地や駐屯地に配備すれば、インフラを新たに用意する負担はかなり抑えられるであろう。

*2=井上孝司、陸上型イージスの長所は「12人で動かせること」、日経ビジネスオンライン

陸上イージスに対する主要な反対論に対する反論

  • 米朝首脳会談などで芽生えた「緊張緩和の流れ」に逆行する?

朝日新聞は、8月1日付の社説「陸上イージス 導入ありきは許されない」で、「ようやく芽生えた緊張緩和の流れに逆行する」と記述しているが、この認識は甘い。

なぜならば、6月12日の米朝首脳会談から約2カ月が経過するが、北朝鮮による非核化に向けた具体的な行動は何もない。

反対に、核兵器開発と弾道ミサイルの開発を継続しているという有力な情報さえ出てきている。結局、北朝鮮に非核化の意思がないことが明らかになってきた。

当然ながら弾道ミサイルも化学兵器や生物兵器も廃棄されない公算が大きくなってきた。

北朝鮮の核兵器は残るし、弾道ミサイルも残る。日本に直接の脅威となる短距離及び中距離弾道ミサイルの保有数に全く変化はなく、日本に対する脅威は厳然として存在する。

つまり、陸上イージスに対する反対論者が主張する緊張緩和や朝鮮半島の平和には実体がない。幻想の緊張緩和を根拠として陸上イージスに対する反対論を唱えているのだ。

我が国周辺の安全保障環境の中でミサイル防衛は中核的要素だ。

自衛隊の装備品がすべてそうであるように、陸上イージスは我が国に向けて発射されるすべてのミサイルに対処するものだ。

北朝鮮の弾道ミサイルのみが対象ではない。中国とロシアの弾道ミサイルも対処の対象となる。

特に中国人民解放軍の弾道ミサイルは多種多様であり、陸上イージスの導入により人民解放軍の弾道ミサイルに対する対処能力が格段につくことになる。

  • 陸上イージスは高価すぎる?

陸上イージス反対論者は、「陸上イージスは高価すぎる」と批判するが、事実はどうなのかを検証してみたい。

・陸上イージス2基と最新イージス艦「まや」型2隻の比較

陸上イージス2基と最新イージス艦「まや」型2隻の費用を比較すると陸上イージスの方が安価であるという計算結果になる。以下、説明する。

防衛省のHPで公開している「陸上配備型イージス・システム(イージス・アショア)の構成品選定結果について」によると、以下のような経費になる。

(1)陸上イージス1基の取得経費(*1)約1340億円 2基の取得経費2679億円

(*1:レーダーを含む陸上イージス構成品購入費に加え、運用開始までに必要な初度費、補用品費、技術支援費)

(2)教育訓練に係る経費(*2) 約31億円

(*2:初度要員養成費に限る)

(3)30年間の維持運用経費(*3) 約1954億円

(*3:陸上イージスの導入後、30年間の維持・運用に必要な経費)

結論として、2基の30年間のライフサイクルコスト(開発・取得・維持・運営に係る経費の合計)=(1)+(2)+(3)=約4664億円になる。

この30年間のライフサイクルコスト4664億円を公表したために、「非常に高価」だという批判を浴びたのだと思う。

一方、イージス艦「まや」型2隻の経費であるが、

(1)イージス艦「まや」型1隻の取得経費 約1680億円 2隻の取得経費3360億円

(2)2隻の30年間の総経費(ライフサイクルコスト) 7000億円

下図は防衛省装備施設本部が公表している「平成26年度ライフサイクルコスト管理年次報告書」に記載されている「27年度型護衛艦」2隻のライフサイクルコストを示している。

平成26年から平成56年までの30年間のLCCは約7000億円となる。

結論として30年間の総経費で比較した場合、陸上イージス2基で4664億円、イージス艦「まや」型2隻で約7000億円となり、陸上イージス2基の方が安価であるという結論になる。

なお、上記のLCCの中にはミサイルの取得経費は入っていない。ミサイル1発の経費は数十億円(40億円という報道もある)であり、それに取得数をかけたものがミサイルの取得経費である。

今後の課題

防衛省は今後、なぜ陸上イージスを導入するのかについて、その必要性、利点、問題点とその対策などについて、国民に分かりやすく説明する必要がある。

特に陸上イージス配備の候補地となっている青森県と山口県には十分な説明を行い、協力を得なければいけない。

また、陸上イージスは、米国のFMS(対外有償軍事援助)の枠組みで調達をすることになるが、価格の高騰を心配する者が多いのも事実だ。

防衛省は、米軍と十分に調整して、FMSの問題点の是正に十分な対処をし、努めて安価に陸上イージスの取得を実現してもらいたい。

最後に、我が国を取り巻く安全保障環境は世界の中で類を見ない厳しい環境である。

我が国周辺には、「日本を火の海にする」「日本を沈没させる」と脅迫してきた北朝鮮、2050年までに世界一の強国になると宣言する中国、大国復興を目指すロシアが存在する。

米朝首脳会談以降に一時的に緊張緩和ムードが漂ったが、北朝鮮は非核化のそぶりを一切見せていない。

幻想の緊張緩和ムードに流されることなく、安全保障の鉄則である「最悪の事態に備える」という態度が日本には求められる。

この観点で、陸上イージスは、我が国の防衛体制を強化し、日米同盟を強化する非常に有効な手段であり、装備化が遅滞なく実現することを願ってやまない。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『中国とロシアの危険な連携 習近平とプーチンの蜜月、西側が冷戦時代と反対の過ちを犯す恐れ』(8/13JBプレス 8/10Financial Times)、『年金改革への反発恐れるプーチン氏 あいまいな態度で思わぬ墓穴も』(8/10日経ビジネスオンライン 池田元博)について

8/12 facebook 中国观察 Keeny Wong 投稿

《黃石公園》把中國人演活了,自私的人總以為別人為私利,人家救他們卻好心沒好報。中國人聽不懂道理。中國人唯一能聽懂的就是槍,哈哈

ドラマ“イエローストーン公園”は中国人を良く活かして演じさせている。利己的な人々は総じて他人も利己的と思っているし、善を為して救っても報われないと思っている。中国人は道理が分らない。唯一理解できるのは銃だけ(笑)

6/29から始まったケビン・コスナー主演のTVドラマ“イエローストーン”から、中国人が他人の土地に勝手に入り込み銃で脅されて初めて出て行くという場面です。コスナーが「不法侵入」と言っても聞かない中国人に、「ここはアメリカだ。誰にもこの土地は渡さない」と言っています。日本も中国人には注意しませんと。

https://www.facebook.com/KeenyWong1531/videos/1071484279695461/

8/12 facebook 中国观察 Zhe Nan Jin投稿

据说是今天,四川成都某公园,一老人的老伴与别人跳舞,老人失去理性拿刀连续捅死了四人,周围的人们依旧打牌,唱歌娱乐,哎现在的人们都已经麻木了

今日, 四川省の成都にある公園で、妻が他の男と踊るのを見た老人、理性を失い、ナイフで4人を刺殺した。周りの人は何事もないように、トランプをしたり、 歌を歌ったり。今の人はすでに感覚が麻痺しています.

https://www.facebook.com/100010281516512/videos/691385467880831/

8/12阿波罗新闻网<北京又捣乱!三胖翻脸 朝如射美洲际导弹 美说不拦截=北京はまたもや米国に騒動を起こす 金三豚は態度を変える もし、朝鮮が米国にICBMを撃てば米国は阻止せず>北は8/11~9/5までホテル改修の為、インバウンドを受け入れない通知を出した。稼ぎ時なのに。意味するところは要人(習近平?)が訪問するからと言われている。9/9は北の党政70周年記念閲兵式で習か他の高官が参列するかもしれない。8/7AP通信は「トランプは、中共が北の非核化を先延ばしさせている。中共が騒ぎを起こしていると述べた」と報道した。

ブルームバーグによれば「米軍統合参謀本部副本部長のポール・セルヴァはワシントンの空軍協会の朝食会で、“北のICBMは最後の2つの鍵となる技術を手に入れていないので未完成と評価している。一つは大気圏再突入技術と、もう一つは発射と信管の爆発のコントロール技術である。もし北が米国に向け一発のICBMを撃ったなら、我々は撃ち落とすことをしないだろう。我々はどういうシステム且つ軌道であるかを良く知っているので。ICBMはどこにも当たらないだろう”と報道した。

米国の非核化のスケジュールは次の通り。北は6~8ケ月以内に核弾頭の60~70%を米国か他の国に移すことにより、核廃棄への道を確信させることができる。このスケジュールは前に聞いたものより早くなっている。WHの安全保障担当のボルトンは「今年の4/27金正恩は板門店で文在寅と会った時に非核化を1年以内に実現すると述べたし、6/12シンガポールでの米朝首脳会談でも米国は早ければ年内、遅くても来年の2月までの非核化の一部が終わることを要求した」と述べた。

しかし、朝日新聞によれば、北は非核化より先に「終戦宣言」をしろと要求していて、核が何発あるかも明らかにせずとのこと。

米国メデイアは「北が言葉による攻撃をするなら、それは米国の北攻撃への良い兆しだ。金が分かっている事実がある。核問題を引き延ばそうと思っても、時間は多くは残っていないということだ」と。ボイスオブアメリカによれば、「朝鮮と密接な関係にある、中露は10日米国が国連に提出した要求を阻止した。朝鮮を助けている企業の資産凍結である。その中にロシアの銀行や中国に登記している企業や朝鮮企業も含まれており、朝鮮貿易銀行のモスクワ駐在の副代表の名前も入っている。ロシアと中国は国連安保理で、この要求に異議を唱え、北への制裁を緩めるよう呼びかけた」と報じた。

http://www.aboluowang.com/2018/0812/1157321.html

8/13宮崎正弘氏メルマガ<中国の知識人(孫文広、許章潤ら)がBRI(一帯一路)を厳しく批判 習近平政権、あわてて口封じに動いたが、世界の人々は真実を知った>ここにもロシアの中国に対する不快の念が書かれています。ロシアの影響圏に土足で踏み込む真似をしているからです。Financial Timesの記事にあるように、プーチン・習に真の友情があるとは思えませんが。

http://melma.com/backnumber_45206_6720629/

池田氏の記事では、プーチンの支持率にも陰りが見え、また年金受給年齢の引き上げ問題の対応を過てば急落する可能性もあります。でも平均寿命が延びていれば避けては通れない問題で、誰が為政者でも引き上げるでしょう。ロシアに定年制度があるかどうかは知りませんが、働ける期間を法律で延ばして、年金受給に繋げる方法しかないのでは。

もし、プーチンが下りたなら、次は誰がなるのでしょうか?ナタリヤ・ポクロンスカヤ?ロシアには女帝エカテリーナ二世もいましたから。腐敗したメドよりはいいかも。

Financial Times記事

中国東部・山東省青島で開幕した上海協力機構の首脳会議の中で行われた署名式を終えて握手する中国の習近平国家主席(右)とロシアのウラジーミル・プーチン大統領(左、2018年6月10日撮影)。(c)AFP PHOTO / WANG ZHAO〔AFPBB News

西側諸国の諜報機関が犯した過去の大失敗の中でとりわけ際立つのは、冷戦の真っただ中に中国と旧ソビエト連邦の不和を認識できなかったことだ。

米中央情報局(CIA)では異端だった一部職員が、そうした証拠が増えていることを1950年代の終わり頃から指摘していたにもかかわらず、ワシントンなどの歴代政権は共産圏の二大国が実は憎み合っているという話を信じようとはしなかった。

懐疑派がようやく決裂を認めたのは、1969年、シベリアと満州の国境で両国が戦火を交えたときのことだ。

今日、西側は、モスクワと北京の間で形成されつつある反西側・反米の同盟関係を退けることで、正反対の間違いを犯す恐れがある。

米国のジェームズ・マティス国防長官は6月、シンガポールで開かれた会議に出席し、ロシアと中国の「国益の自然な非収斂」について語り、中ロ両国はお互いよりも米国との共通点の方が多いとの見方を披露した。

ロシアと中国は真の友人には決してなれないというこの考え方は、旧共産圏を揺らぐことのない一枚岩だと見なした冷戦時代のドグマと同じくらい間違っているし、危険でもある。

中ロ関係が急速に発展していることを西側の多くの人が一蹴したり無視したりしているなか、ウラジーミル・プーチン大統領と習近平国家主席はあらゆる手段を用いてお互いを褒め称え、男同士の友情を芽生えさせている。

プーチン氏によれば、習氏は自分の誕生日を一緒に――ウォッカのグラスを片手にソーセージをつまみながら――祝ってくれた唯一の外国首脳だ。

習氏は習氏で先日、プーチン氏を「一番の、最も親密な友人」と呼び、中国初の友好勲章を授与している。

どれもこれもうわべだけの芝居にすぎないと切り捨てるのは簡単だ。しかし、独裁者の間で交わされるこうしたジェスチャーは、それぞれの国のシステムにとって恐ろしく重要だ。

習氏が中国の最高指導者として初めてモスクワを訪れた2013年以降、両者は少なくとも26回会っている。

立場が明らかに逆転し、「兄貴分」のソ連から「弟分」のロシアになったことで、ロシアの自尊心が傷ついたのは事実だ。

だが、中国はロシア政府のプライドに気を遣い、両国は対等だと語ったり、プーチン氏の自尊心をくすぐるようなことをしたり、同氏の腹心の友やアドバイザーたちの多くに魅力的な取引や契約を与えたりしている。

大きさにかなりの差があるものの――ロシア経済の規模は中国の約10分の1にすぎない――両国間の経済関係は双方にとって極めて重要だ。

中国は世界最大の原油輸入国であり、昨年にはロシアが中国への最大の原油供給国になっていた。また中国は、原油と天然ガスの供給を今後も確保するために、何百億ドルもの資金をロシアに貸しつけている。

中国の観点からすると、決定的に重要なのは、ロシアから原油を輸入すれば戦略的な難所を船で通過する必要がなくなることだ。

マレー半島とスマトラ島の間にあるマラッカ海峡や、アラビア半島の南に広がるアデン湾など、米軍が容易に封鎖できる海域を通らずに済むのだ。

しかし、両国の経済的な結びつきよりも重要なのは、隣国としての軍事的な関係だ。

中国の魏鳳和国防相は今年4月、就任後初の外遊に臨み、非常に直接的なメッセージを携えてモスクワを訪れた。

「中国側は、中国軍とロシア軍の間の緊密な関係を米国人に見せつけるためにやって来た」。魏鳳和国防相はロシア国防相にこう語りかけ、「我々は貴国を支援しに来た」と述べた。

繰り返すが、これは単なる社交辞令ではない。中国海軍の艦船はつい最近まで、中国の沿岸を離れることがなかった。そうした状況が数百年続いていた。

ところが今日では、日本海から地中海に至るまで、あちこちの海で中国海軍がロシアとの合同演習を定期的に行っている。

またロシアは数十年間にわたり、最先端の軍事装備器を中国に売却するのを拒んでいたが、今ではこの方針を撤回している。

中国は今年5月、民主的で自治が行われている台湾に対する武力誇示で、ロシア製の最新の戦闘機を飛ばしてみせた。

中国とロシアを結びつける最も重要な要因はイデオロギーだ。

習氏とプーチン氏はともに独裁者であり、代議制の政府を嫌い、米国が後ろ盾になった「カラー革命」によっていつか政府から放り出されるのではないかと強く恐れている。

両国の接近には、共通の国益の急拡大と同じくらい、米国と米国中心の国際秩序に対する嫌悪感が関係しているのだ。

この状況は、同盟が分かちがたいものになる前に米国が中ロの間にくさびを打ち込むチャンスとなるはずだ。

1960年代初めに中国とソ連の仲たがいという現実を受け入れられなかったために、ワシントンではいわゆる「ドミノ理論」が正統派になってしまった。

共産主義の拡散を防ぐためには、あらゆる場所で対決しなければならないという考え方だ。

もし米国がリチャード・ニクソン大統領の下で実現させたよりも10年早く中国との和解を試みていたら、ひょっとしたら、ベトナム戦争や中国の文化大革命といった悲惨な出来事を避けることができたかもしれない。

継続的な台頭と、米国に取って代わろうとする露骨な野心のために、中国は米国にとってロシアよりもはるかに大きい長期的な困難となっている。

報じられるところによれば、ほかでもない、1972年の中国との和解の立役者であるヘンリー・キッシンジャー氏その人がドナルド・トランプ大統領に対し、モスクワと親しくなって中国を孤立させる「逆ニクソン中国戦略」を遂行するよう助言したという。

ロシアと共謀した可能性について捜査が行われている現状では、トランプ大統領がそのような戦略を実行して成功させるのはほとんど不可能だ。

しかし米国の政府機関とトランプ氏の後を継ぐ大統領は、中国とロシアの間に芽吹いた同盟が米国の国益にとって――そして現在の世界秩序にとって――いかに深刻な脅威であるかを認識しなければならない。

By Jamil Anderlini

© The Financial Times Limited 2017. All Rights Reserved. Please do not cut and

paste FT articles and redistribute by email or post to the web.

池田記事

ロシアで絶大な国民人気を誇るプーチン大統領にも死角がある。先月も小欄で紹介したが、通算4期目になってようやく着手した年金制度改革に国民の批判が集中。かじ取りを誤れば、政権の足元をすくわれかねない情勢となっているからだ。

年金受給開始年齢の引き上げに抗議 ロシアでデモ(写真:AP/アフロ)

「年金を受け取るまで生きていたい」「年金の受給開始年齢の引き上げは墓場への道だ」「年金で生活をしたい。職場で死にたくはない」「年金ジェノサイド(大虐殺)に反対」――。デモの参加者たちは、こんなプラカードを掲げて街中を練り歩いた。

7月最後の週末となった28日(土)と29日(日)。首都モスクワや第2の都市サンクトペテルブルクなどロシア各地で、連邦政府が進める年金制度改革に反対するデモや集会が開かれた。

前回も指摘したが、政府が年金制度を抜本改革する方針を表明したのは6月14日で、偶然か意図的かは別にして、世界的なスポーツイベントであるサッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会の開幕式の日だった。大会期間中は警備上の理由などからデモや集会が厳しく制限されていたので、W杯閉幕後では実質的に初めての全国規模の抗議行動となった。

ロシアでは現在、年金の受給開始年齢が男性は原則60歳、女性は55歳となっている。政府の改革案はこれを段階的に引き上げ、最終的に男性は65歳、女性は63歳とするものだ。

長寿化に対応して受給開始年齢を欧米の先進国とほぼ同様の水準まで引き上げ、財政破綻の危機を回避するのが狙いだ。財政を健全化するうえで待ったなしの施策といえるが、国民に痛みを強いる改革となるだけに、プーチン政権も長らく二の足を踏んできた経緯がある。それにようやく着手したわけだ。

政府は2019年から施行する方針で、制度改革の概要を発表するとともに、年金制度の改革法案を直ちに議会に送付。下院は7月19日に同法案の第1読会を開いて基本承認したばかりだ。7月末に全国で開かれた抗議デモや集会は、こうした議会の動きに反発した面もある。

とはいえ7月末のデモの参加者は首都モスクワでもそれぞれ1万人を超える程度で、もちろん大規模な抗議行動とはいえない。ただ、年金の受給開始年齢の引き上げは、国民の生活を直撃する。当然、市民の関心も極めて高い。

それだけに法案審議が本格化し、受給開始年齢の引き上げが現実味を帯びるにつれて市民の抗議行動も拡大し、ひいては社会を揺るがす深刻な懸案に発展するのではないかと危惧されている。

それを予兆させるのが、議会の対応だ。ロシア下院(定数450議席)は政権与党「統一ロシア」が4分の3以上の議席を占める。加えてロシア共産党、ロシア自由民主党、「公正ロシア」といった野党勢力も実質的にプーチン政権を支える「隠れ与党」とみなされている。従って通常は、政府が提出した法案の処理で苦慮することはほとんどない。

法案に反対したのは「美しすぎる検事総長」

ところが年金改革法案をめぐっては、様相がかなり異なる。7月19日の第1読会では、ロシア共産党、ロシア自由民主党、「公正ロシア」の野党勢力がこぞって反対に回った。政権与党の「統一ロシア」が賛成し、法案は基本承認されたものの、同党も所属議員1人が公然と反対票を投じ、8人が採決を欠席した。

ちなみに法案に反対した「統一ロシア」の所属議員はナタリヤ・ポクロンスカヤ氏。かつてロシアによるウクライナ領クリミア半島の併合時にクリミア共和国の検事総長を務め、「美しすぎる検事総長」として話題になった知名度抜群の人物だ。

ポクロンスカヤ氏は2016年9月の下院選で初当選した。これまでロシア最後の皇帝ニコライ2世とバレリーナの恋愛を描いた映画「マチルダ」が皇帝やロシア正教を冒瀆(ぼうとく)しているとして、上映禁止運動の先頭に立つなどしてきたが、こんどは政府の年金制度改革案に公然と反旗を翻すことで存在感を示したわけだ。

「統一ロシア」は夏季休暇明けの9月にもポクロンスカヤ議員に何らかの処分を下す予定だが、市民の間からは同氏の「勇気ある行動」を支持する声が殺到しているという。

ロシアでも当然ながら、市民生活に打撃を与えたり国民にさらなる負担を強要したりする政策は不評で、それに反旗を翻す政治家の人気は高まる。

ポクロンスカヤ議員はともかく、下院の野党勢力が年金制度改革という敏感な問題でこぞって反対に回ったのは自然な流れともいえる。ただし、それにとどまらない。ロシア共産党を始めとする野党勢力は、政府の年金制度改革に反対する街頭デモや抗議行動の主催者にもなっているのだ。

年金制度改革をめぐっては、反政権派ブロガーとして知られるアレクセイ・ナワリヌイ氏を筆頭に、国内の民主派勢力も受給開始年齢の引き上げに反対するデモや集会を呼びかけている。こちらはプーチン政権の追い落としが主眼ともいえるが、今後、様々な勢力が相乗りしながら、政府に対する抗議行動が全国レベルで広がっていく恐れがある。

プーチン大統領がついに口を開いた

そんななか、これまで年金制度改革に関する発言を極力控え、メドベージェフ首相ら政府幹部に委ねてきたプーチン大統領がついに重い口を開いた。7月20日、最西端のカリーニングラードにあるサッカー競技場を視察し、先のサッカーW杯でボランティアを務めた市民たちと歓談したときだ。

「スポーツ以外の質問もして良いですか。下院は昨日、年金法制の修正について初めて審議をしました。あなたは当然、政府提案を熟知しているでしょうが、我々にとって、あなたの個人的な意見を知ることが非常に重要なのです」

市民の1人からこんな質問を受けると、プーチン大統領はまず「これは多くの国民にとって非常に敏感な問題だ」と指摘。その上で、年金制度改革は大なり小なり長年にわたって検討されてきたが、「様々な案のうちどれが気に入っているかと聞かれれば、私はこう答える。どれもだめだ。(受給開始)年齢の引き上げを伴ういかなる案も私は気に入らない」と公言したのだ。

もちろん、大統領の発言はそれだけではない。「専門家は感情論ではなく、経済の現状や予測、社会保障分野の現実的な状況に基づいて評価しなければならないと主張している」と言明。平均寿命が今は73.5歳、来年は74.3歳へと延び、政府が掲げる年金の受給開始年齢の引き上げ(男性65歳、女性63歳)が完了した時点では、男性の平均寿命は75歳以上、女性は85歳以上になっているなどと予測数字を列挙。仮に受給開始年齢を引き上げても、長期間にわたって年金を受け取れる可能性があることを強調した。

さらに、年金生活者に対する勤労者の比率が減少している現状なども紹介し、このままでは年金システムや連邦財政が破綻しかねないと警告した。つまり政府が進める年金制度改革の必要性も延々と説明したのだが、その一方で「最終的な決定はまだしていない」と改めて断言した。

結局、大統領は今回も自己の責任を回避するような、どっちつかずの発言に終始したといえるだろう。多くの国内メディアも「大統領はどの案も気に入らない」「最終決定はしていない」と、どちらかといえば年金制度改革に否定的な発言部分を引用していた。

興味深い世論調査がある。議会で年金制度改革法案が採択された場合のプーチン大統領の「現実の対応」と、「回答者が希望する大統領の対応」の両方を聞いたもので、民間世論調査会社のレバダ・センターが7月末に実施した。現実には法案に「署名し施行する」との予測が最も高いが、注目されるのは、プーチン大統領が最終的に拒否権を発動して「廃案」にするシナリオを期待・希望する声が7割以上に上ったことだ。「救世主」のイメージはなお根強いようだ。

年金法案採択時にプーチン大統領はどう対応するか

出所:レバダ・センター

同センターの調査では、かつて8割を超えていたプーチン大統領の支持率は直近ですでに67%にまで低下している。年金制度改革をめぐる先の大統領のあいまいな発言をみる限り、国民の不満や反発が自らにふりかかり、さらなる求心力の低下を招く事態を恐れているのは明らかだろう。

ただし、自らの責任を回避しようと、このままあいまいな態度を続け、議会が法案を採択した際にそのまま署名して施行させるようだと、「救世主」神話が一気に崩れ、逆に国民の不満や怒りが倍加しかねないともいえる。

「そろそろ政権交代の時期だ」「ロシアの政権は退陣を」――。7月末のデモや集会では政権そのものを批判するプラカードも散見された。年金制度改革をめぐるプーチン大統領の今後の対応次第では、自ら墓穴を掘るシナリオも否定できなくなりつつある。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『弟子の尼僧が中国仏教協会会長をセクハラ告発 その背後に習近平の影響?』(8/10日経ビジネスオンライン 北村豊)について

8/11阿波羅新聞網<突发!北戴河会期 北京大安山崩!今晚天象至 唐山已地震=突発 北戴河会議開催中に 北京の大安では山崩れが 今日の夜の天文現象は唐山地震に至った>中共の北戴河会議期間中、大陸では異常現象が起きている。8/11には北京市房山区の大安山で大規模な山崩れが起き、ネット民が撮影した。土砂や岩が転げ落ち、道路を埋め尽くす場面は恐ろしい。今日の夜は不吉な証である日食が現れた。今年に入り、既に3回目である。この他に8/5には唐山で地震が起き、北戴河からわずか86Kmである。去年の北戴河会議のときには四川省の九寨溝と新疆で連続して地震が起きた。

漢の武帝時代、董仲舒は「天命は取り戻せるか」と聞かれ、「前の時代を見るに、天と人との間に互いに畏敬の念があれば良い。国が天に背くことをすれば、天はまず災害を起こして人間を責めて、戒めする。もし、人間が気付かなければ、天は怪異現象を起こして警告する。それでも改められないときには大きな災禍がやってくる」と答えた。

地震は、「大臣の謀反、国にはクーデターが起き、政権がとってかわる」ことを予言している。歴史上、周の幽王、随の煬帝は皆クーデターで殺された。

http://www.aboluowang.com/2018/0811/1156892.html

8/11阿波羅新聞網<中美贸易战 北京连发重磅 却惨遭最亲密盟国挺=米中貿易戦争 北京は重大事件が起きる 最も親密な国の信頼を失う>自由アジアTVは「中ロ関係について、ロシアの軍事評論家のコンスタンテイン・ドシャヌオフは次のようにコメント。“中露両国のトップは相互に信頼して良い関係にあるが、両国にはそれぞれ自国の利益がある。関係は変わりうる。いつも利益の衝突がある。これが中露間で同盟が結べない原因である”と」報道した。

米国とEU等西側諸国は、中共から技術を盗まれないようにするだけでなく、プーチンはトランプと会見後、ロシアは一帯一路を批判するだけでなく、ロシアの軍事技術を中共は盗みつくしたと指摘した。

今年の7/23に74歳になるロシアのロケット専門家のビクトール・クドリャフツエフはNATOにロシア製の超音速武器の機密データを明らかにして、起訴された。しかし、NATOが得た機密は中共が盗んで来た宇宙技術とを比べれば、大したことはない。北京は一歩一歩宇宙技術をソ連とロシアから盗み、極く短い間に手に入れた。ゼロから米ロに追いついた。

60年代には米ロの宇宙への技術を見て、北京も““曙光”と言う名で開発を始めた。70年代に入り、第一世代の宇宙航空士を育て出した。だが成功せず、停止した。80年代に再びスタートさせが、失敗して再度停止した。1992年、ソ連が解体し、中国はすぐに“921プロジェクト”を発足させ、速く発展させることができ、2003年には有人ロケット“神州”を実現させた。

中国人は、“神州”はロシアの“ソユーズ”の“パクリ”と認識している。90年代に中国はロシアの“ソユーズ”の設計図を手に入れ、ウクライナから設備を買い入れた。

90年代末、ロシアの役人が言うには、「中国はロシアとソ連から有人ロケットの技術を全部手に入れたが、公式に獲得したものではない。ソユーズの生産工場から地球に戻ってくるキーパーツを手に入れ、ロシアの専門家を招き入れて、技術指導して貰った。ロシアのロケット基地は中国の多くの航空士の育成の場となり、相応しい技術と技能を伝授した。

自由アジアTVは9日匿名の学者の言説を引いて「今年の米中貿易戦争はマクロ経済が最重要で、既に戦えないくらい打撃を受けた。今やミンスキーモーメントの到来時期を引き延ばすだけである。31日の政治局会議に出された6穏の内、大事なのは経済の安定と金融の安定である。私には意見がある。米国との貿易戦争を止める。それには中国は譲歩せねば。私の意見は大多数を占める」と報道した。

http://www.aboluowang.com/2018/0811/1156786.html

8/11阿波羅新聞網<飞南海连收中共6通警告 美军2句话打发…=南シナ海を米軍機が飛び、中共から6通も警告を受けたが、米軍は二言返事>CNNによれば、「8/10P8哨戒機が沖縄から南シナ海の偵察飛行をしたときに、中共から6通の警告を受けた。“既に中国領土に入っているのですぐに立ち去れ。でないと誤解による事件が起きるかもしれない”と。米軍は、答え方は決まっていて“こちら米国海軍機、他国の領空から離れた合法的な軍事活動をしている。これは国際法で認められた権利で、我々はあらゆる国の権利と義務を尊重した行動を採っている”と。

米軍は「南シナ海を航行して既に50数年経つ。これは米国が国際海域を航行する権利を持っていることを示している。米国が変えたのではなく、中国が変えようとしている」と。

http://www.aboluowang.com/2018/0811/1156840.html

8/12日経<中国 第5の日中文書検討 友好条約40年、賛否両論

【北京=永井央紀】日中平和友好条約が12日、締結から40年を迎えた。これに合わせ中国の習近平(シー・ジンピン)指導部が、新たな日中関係を定める「第5の政治文書」について内部で検討を始めたことがわかった。日中関係を安定させ中国主導の国際秩序へ日本を引き込む狙いだが、賛否両論がある。当面は水面下で議論を重ねて日本側の出方を探る構えだ。

複数の中国共産党関係者が明らかにした。日中両国は国交正常化を確認した日中共同声明、日中平和友好条約など4つの文書を交わしており、新文書が実現すれば5つ目となる。平和条約締結40年にあたる18年に検討を進め、条件が整えば19年の習氏の訪日時に合意する日程を想定する。

関係者によると、党内の議論は今年6月ごろに始まった。習指導部は対米関係の緊張を受け、日本を含む周辺国との関係改善に乗り出している。新文書の検討も、この流れで決まったもようだ。

推進派は中国が主導する経済圏構想「一帯一路」や習氏が掲げる外交思想「人類運命共同体」などの概念を新文書に書き込み、日中協力の新たな方向性を示すと主張。慎重派は12年以降に対立が激化した沖縄県尖閣諸島をめぐる問題の扱いが困難とし、無理に作成する必要は無いとの立場だ。関係者は「結論は出ておらず、最終的に見送る可能性もある」と語る。

日本側も第5の政治文書について検討している。東シナ海で中国が一方的に進める資源開発の問題などを解決し、関係を安定させたい思惑がある。米中関係の緊張で中国が日本との関係に前向きになっている現状は交渉に有利な環境とみる。

中国は習氏が「1強」体制を固めており、日本も9月の自民党総裁選に安倍晋三首相が再選すれば両国の内政は当面の安定が見込める。「新文書を作るなら今が好機」(日本政府関係者)という声は少なくない。

一方で、中国が求める「一帯一路」など中国が主導する新秩序に日本が組み込まれるような内容には賛同しにくい。外務省幹部は「中国側に押し込まれるなら作らない方がよい」と語る。

日中関係はこの10年で大きく変質し、従来のように「友好」や「互恵」といった概念だけでは収まらなくなりつつある。日中双方が難しさを認識しながらも新文書作成を探るゆえんだ。>(以上)

中国は分かり易く動きます。米国との貿易戦争で困ったから日本に擦り寄ってきているのでしょう。でも中国人はいつでも騙すし、裏切ることを忘れてはなりません。西原借款を日本に返したか、天安門事件で日本が苦境を救ってやった見返りが反日運動強化です。日本は騙されてはいけません。メデイアの言うことを信じると痛い目に遭うというのは筒井清忠氏の『戦前日本のポピュリズム 日米戦争への道』を読めば明らかです。メデイアが戦争を煽り、国民はそれに引き摺られたという事です。親中派政治家を良く監視しておかないと。今や米中で世界覇権を巡って争っている時に、同盟国を裏切るようなマネをすれば国家の安全は危殆に瀕します。今回は珍しく外務省が正論を吐いています。相手にしないのが正解です。第二次世界大戦の時には組む相手を間違えました。今回はそう言うことのないように。

中共が崩壊すれば、チベット・ウイグル・内モンゴルの独立は勿論のこと、台湾の国連加盟と歴史の見直しもすべきです。汪兆銘の果たした役割と「南京虐殺」、「慰安婦」も見直すべきです。

北村氏の記事で、中国の仏教信者が1億人もいるというのは驚きです。中国人は拝金教に凝り固まっているので、現世利益を追求する集団に堕していると思われますが。

ネットと言う手段が少しずつ共産党独裁の壁を突き破っている気がします。中国の権力者はどの部門に於いても権力をかさに着てやりたい放題のことをします。金も色もです。それが宗教界であってもです。中国人には倫理道徳、高潔という言葉が無いと思った方が良いでしょう。こういう隣人とは敬して遠ざけるのが一番です。

記事

セクハラで告発された中国仏教界の最高指導者・学誠(前から2列目中、写真:ロイター/アフロ)

8月1日、中国国民を仰天させる実名告発がネット上に流出した。それは北京市“海淀区”にある951年創建の古刹、“龍泉寺”の住職である“釈学誠”が、多数の“尼姑(尼僧)”に性的暴行を加えたばかりか、巨額の使途不明金があり、寺内の建築物の多くが違法建築であるという内容の告発であった。ネット上に流出した告発文は、A4用紙で95ページもの分量で、理路整然と証拠を揃えていて学術論文と言って良い程の物だった。その告発文の表紙には“重大状況滙報(重大状況報告)”(以下「報告」)と表題が書かれ、以下の内容が記載されていた。

尊敬する“領導(指導者)”:
こんにちは。北京・龍泉寺の“都監(監察事務の責任者)”である“釈賢佳”と“釈賢啓”の2人は、ここに謹んで貴方と政府関係部門に対して、北京・龍泉寺の住職である釈学誠の不法行為に関する詳細を報告致します。釈学誠の不法行為の背後には巨大な社会危機が隠れていることを我々は発見しました。

釈賢佳、俗名:“劉新佳”、身分証明書番号:11010819751207899X、携帯電話番号:18910337253。2003年に“清華大学”工学博士号を取得、2004年に北京・龍泉寺で得度して出家。2018年1月まで釈学誠の“侍者(秘書)”、北京・龍泉寺の都監などを歴任し、龍泉寺内の“戒律”作法事務の責任を負っていた。

釈賢啓、俗名:“杜啓新”、身分証明書番号:11022519701224242417、携帯電話番号:13960275035。2000年に清華大学工学博士号を取得、2006年に北京・龍泉寺で得度して出家。2018年1月まで北京・龍泉寺の執事、“監院(事務長)”、都監などの役職を歴任。現在は福建省“泉州市水春県”にある“普済寺”の住職。

上記からも分かるように釈学誠に対する告発は、2人の尼僧が自分の実名を明かし、逃げも隠れもしない形で行ったものだった。但し、釈賢啓がメディアに語ったところによれば、報告の表紙に「尊敬する指導者」宛てと書いてあるように、報告は仏教界で尊敬を集める一部の“大徳(高僧)”宛てに提出したもので、まだ社会へ公開するつもりはなかったという。従い、報告が一体どこからネット上に流出したのか分からないと、釈賢啓は首を傾げている。とは言え、この実名告発はネットを通じて公開され、中国社会の注目を集めているおり、釈学誠の悪行に対する追及の「賽は投げられた」のである。

とんとん拍子に出世

問題の釈学誠は、1966年10月3日に福建省“仙游県頼店鎮羅峰村”で生まれ、本名は“傅瑞林”、現在51歳である。祖母が仏教に帰依して出家、母親も敬虔な仏教徒であったことから、傅瑞林は12歳からお経を唱えるようになった。傅瑞林は1982年に15歳で出家して釈学誠となり、“福建仏教学院”から北京の“中国仏学院”へ進み、1988年に本科を卒業すると研究生になった。1991年に修士号を取得した後に、25歳で福建仏教学院の副院長に就任し、1995年に福建仏教学院院長となり、1998年に福建仏教協会会長になった。

その後はとんとん拍子の出世を遂げ、2002年に“中国仏教協会副会長”兼秘書長、2003年に第10期“全国政治協商会議委員”となり、2005年に北京・龍泉寺の“住持(住職)”になった。2008年には第11期全国政治協商会議常務委員会委員に当選し、2013年に第12期、2018年の第13期も同委員に当選している。そればかりか、2015年4月に開催された中国仏教協会第9期全国代表大会において、釈学誠は49歳の若さで中国仏教協会会長に当選し、中国仏教界最高の地位に就いたのだった。

釈学誠の2018年8月時点における肩書は、北京・龍泉寺住職、中国仏教界会長、中国仏教学院院長、第13期全国政治協商会議常務委員会委員、第13期“中国政治協商会議全国委員会民族和宗教委員会”副主任、“中国宗教界和平委員会”常務副主席、福建省仏教協会会長、福建仏教学院院長、福建省“莆田市”所在の“広化寺”住職、陝西省“扶風県”所在の“法門寺”住職、などとなっている。要するに、現在51歳の釈学誠は中国仏教界における“最高領導人(最高指導者)”であると同時に、押しも押されもしない高僧なのである。

高僧とは、仏教の教理に精通し、徳の高い僧を意味する。釈賢佳と釈賢啓の2人は、中国仏教界を代表する最高指導者であり、高僧である釈学誠に反旗を翻し、色欲と物欲にまみれた釈学誠の実像を実名で告発したのだった。権力者が絶大な力を持つ中国で、仏教界の最高指導者である釈学誠を実名で告発することがいかに危険なことかは言わずもがなの話である。たとえそれが本来は一部の高僧に宛てたものであったとしても、釈賢佳と釈賢啓の2人にとってそれは、命を懸けて大勝負にでたものと言えよう。

それでは、95ページからなる告発文である報告には何が書かれていたのか。報告には上述した表紙の次ページに目録があり、そこには釈学誠に関わる問題点が5章立てで詳細に書かれていたが、告発内容の要点は次ページの通り。

セクハラ告発文の要点

【1】釈学誠は彼の弟子である多くの尼僧たちに携帯電話でショートメッセージを送っていたが、その多くにはきわどい性的な内容が含まれ、彼が多数の尼僧たちにセクハラを行っていたことは明白である。釈学誠が尼僧へ送ったショートメッセージには、「お前の乳房をなでたいが、良いか」、「私と性交したくないか」、「服を脱いで私に見せたくないか」といった露骨な言葉が頻出していた。また、或る尼僧には「800字で性愛のプロセスを示せ」と要求していた。

【2】釈学誠は各種の手段を用いて弟子である尼僧の精神を支配し、“男女双修(男女が共に修行すること)”の名目で多数の尼僧に対して性的暴行を加えた。釈学誠は、ショートメッセージに性的な内容を加えることで、尼僧たちの性的欲望を誘発し、彼女たちに彼を頼らずには生きて行けないと思わせて、女色を貪(むさぼ)った。最初に性的なショートメッセージを受け取った尼僧たちは、仏教の高僧として汚れのない釈学誠がこのような性的メッセージを送ってくるのは“男女双修”の一環だと考え、修行不足で汚れている自分たちを試していると思い込むが、それが釈学誠の思うツボだったのである。釈学誠のショートメッセージは段階を踏んで、徐々に尼僧たちの心を蕩(とろ)かし、彼女たちの心底にある防御線を突破し、最後には彼女たちを永久的かつ全面的に支配するようになるのだ。

【3】6月25日、“釈賢丙”(仮名)は釈賢佳を含む5人の執事に対して、自分が釈学誠に性的暴行を受けたと告発し、自分と同時に他の尼僧も釈学誠から性的暴行を受けたと暴露した。その4日後の6月29日、釈賢丙は北京市の“海淀区派出所”へ釈学誠から性的暴行を受けたことを通報した。

【4】財務関係では、2015年に龍泉寺が信徒から集めた1200万元(約2億円)の資金が行方不明である一方で、1000万元(約1億6500万円)が釈学誠の個人口座へ振り込まれている事実を、その証拠を示して指摘した。さらに、2005年に龍泉寺が新たに対外開放され、釈学誠が住職となってから今日までに龍泉寺で建設された全ての建物が違法建築であることを証拠を示して指摘した。

ネット上に釈学誠による破廉恥な性的暴行を告発する報告が掲載されると、驚いたのは中国国民だった。中国には約1億人の仏教徒がいるが、その仏教徒を束ねる中国仏教界の最高指導者であり、中国政治協商会議常務委員会委員でもある釈学誠がその弟子の尼僧からセクハラで告発されたのである。当然ながら、この事実は中国社会の注目を浴び、世論は中国仏教界の最高権威が告発されたセクハラ行為の真偽を巡って大いに沸騰した。

北京・龍泉寺の反論

この告発に対して北京・龍泉寺は8月1日当日に次のような声明を出して反論を行った。

《厳正な声明》
最近、元龍泉寺の釈賢啓(俗名:杜啓新)と釈賢佳(俗名:劉新佳)が情報を収集、ねつ造し、事実を歪曲して、事実ではない告発情報を拡散しているが、これは仏教を不当におとしめ、大衆を間違った方向へ導く行為である。

これに対し、北京・龍泉寺は以下の通り厳正な声明を出す:
偽造の証拠と悪意に基づき“学誠法師”<注1>をおとしめる不法目的で告発することは、すでに犯罪容疑を構成している。従い、学誠法師本人と北京・龍泉寺に対する名誉毀損が成立するので、龍泉寺は関係責任者に対し法的責任を追及する権利を保留する。本件の背景は複雑で、組織的な行動であり、魂胆が腹黒いので、北京・龍泉寺は上級政府の関係部門に調査チームを編成して本件の調査を⾏うよう要請し、それによって誤りを正そうと考える。

北京・龍泉寺 2018年8月1日

<注1>“法師”は有徳の高僧に対する尊称。

告発文である報告がネット上で拡散しても、中国政府は不作為で見て見ぬ振りを決め込んだだけでなく、ネット上に拡散した報告とネットユーザーが書き込んだコメントを一斉に削除した。一方、当事者である釈学誠と北京・龍泉寺は大慌てで上述の厳正声明を出したのだった。これに対し、翌8月2日には“匿名挙報者(匿名の告発者)”と名乗る人物による以下のような反論がネット上に掲載された。

本日、学誠法師と龍泉寺の告発文に対する声明を見て、私の心には怒りと恐怖が充満しています。1人の真相を知る人間として、私は学誠法師にこちらから尋ねたい。告発者は2018年2月から中国共産党の“中央紀律委員会”などの関係部門へ何度も告発を行ったのに、どうして関係部門は調査をしないばかりか、関係者に対して脅迫、迫害を行ったのか。龍泉寺側は告発による秘密の暴露を見ていながら、どうして関係部門へ調査を要請し、関係部門はそれに応えて調査を開始するのか。調査の結果は龍泉寺側と関係部門でとっくに打合せが出来ているのではないのか。学誠法師の携帯電話によるショートメッセージの記録は全て印刷できています。貴方(学誠法師)は告発文の中に証拠として存在しているショートメッセージの電話番号が貴方の使っている携帯番号ではないと否定できますか。

ここに私は学誠法師と龍泉寺に申し上げたい。告発者はまだ実名の動画と電話録音を持ち、まだ公開していない内情を多数握っています。“頭上三尺有神明(頭上三尺に神あり=神は何事も見ている)”と言うから、学誠法師は逃げ隠れせず、この問題をきちんと処理しなければならない。

匿名の告発者 2018年8月2日

国家宗教事務局の声明

8月2日、中国共産党“中央統一戦線工作部”傘下の“国家宗教事務局”は本件に関し以下の声明を出した。

中国仏教協会会長の学誠を告発した件に関する返事

我が局は、インターネット上で中国仏教協会会長の学誠を告発した問題の反映を非常に注目し、高度に重視している。我が局はすでに告発資料を受領済で、すでに事実確認の調査を開始している。

国家宗教事務局 2018年8月2日

この告発問題がどのように決着するかは分からない。但し、情報筋によれば、釈学誠が頼みとするのは“国家領導人(国家指導者)”であり、それは国家主席の“習近平”だという。習近平の一家は仏教信者で、釈学誠とは習近平の福建省時代(1985~2002年)に知り合い、釈学誠は習家の全員と非常に良い関係にあったので、釈学誠は習近平という後ろ盾があるので何者をも恐れない。釈学誠は政府の役職をいくつも持ち、非常に多くの部門が彼の後ろ盾が誰かを知っているので、告発者が圧力を受けていることは意外ではないのだという。

釈学誠が習近平の家族やその他高官の信頼を得ているのは、その“仏性(御仏の心)”によるが、今回の告発によって、彼が“假和尚(似非坊主)”であり、弟子や高官とその家族を騙していたことが白日の下になった。匿名の告発者が述べているように、2018年2月に告発者が中央紀律委員会などの関係部門へ釈学誠を告発した時点で、国家宗教事務局は事態を認識していたにもかかわらず、半年後に告発文がネット上で拡散されたのを見て、慌てて調査に着手したのだった。すでに中国仏教界の最高責任者がセクハラ問題で告発されたことは世界中に報道されており、習近平という後ろ盾があろうとも問題の解決を迫られたのである。この告発によって釈学誠は習近平という後ろ盾を失うことは十分考えられる。

さて、今回の釈学誠と同様に、中国仏教界で“偽和尚”あるいは“花和尚(生臭坊主)”と呼ばれて久しい人物に、中国仏教協会副会長で、あの少林寺拳法で名高い少林寺の住職である“釈永信”<注2>がいる。釈永信も“花和尚”と批判を浴びながらも、依然として中国仏教協会副会長と少林寺住職の地位を維持しているから、釈学誠に対する告発もうやむやにされる可能性は高い。しかし、中国仏教協会の会長と副会長の2人がそろって“花和尚”というのでは、中国の仏教界は壊滅状態にあるのではないだろうか。仏教指導者が敬虔な信者を騙してお布施で私腹を肥やし、尼僧を騙して女色を貪るようでは、世も末である。

<注2>釈永信については、2015年8月7日付の本リポート『ネットで告発「少林寺住職は生臭坊主」』を参照願いたい。

“釈迦牟尼(お釈迦様)”は2500年前に「自分が亡くなった後、1000年は正法(しょうほう)の時代<教えや修行が正しく伝わって残っている時代>、次の1000年は像法(ぞうほう)の時代<教えや修行が像(かたち)だけ残って本質が乱れて行く時代>、次の1万年は末法(まっぽう)の時代<ただ教えだけが残っている時代>になる」と予言した<注3>。今の中国仏教界を見ると、末法の時代が始まったように思える。

<注3>正法、像法、末法については、飛不動尊のサイトにある「やさしい仏教入門」を参考にした。

中国寺院の多くは“揺銭樹(カネのなる木)”に変わり、“偽和尚(似非坊主)”が人を騙し、女色に溺れ、“胡作非為(勝手気ままに悪事を働く)”の地になってしまっている。これでは仏教の教えすら残らず、お釈迦様も末法の時代よりも悪いと嘆いていることだろう。

西方極楽浄土における最高の仏は“阿弥陀佛(あみだ様)”であり、その中国語の発音は“emituofu”だが、ネット上には釈学誠のセクハラをもじって“阿MeToo佛”(発音:emetoofu)という文字が躍っている。米国で始まった#MeToo運動は、遂に中国の仏教界にも浸透したのである。

#MeToo運動は中国仏教界にも波及した

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『トランプと一蓮托生、米中間選挙で苦戦確実な共和党「危うい賭け」』(8/9ダイヤモンドオンライン 安井明彦)について

8/9大紀元<末期症状の中国共産党 米学者「崩壊に備えよう」>貿易戦争が引き金になって、中共の中国支配が終わることになりそうです。

http://www.epochtimes.jp/2018/08/35291.html

8/10NHKニュース<トランプ政権 宇宙軍 創設目指す「宇宙空間を支配」>NHKは情報操作しています。マテイス長官は6月の段階では宇宙軍創設について反対でしたが、今回はペンス副大統領と共に演説して賛意を示しています。しかも「宇宙空間を支配」とは。「中露の脅威に対抗」という表現が正確でしょう。これはレーガンのSDIを彷彿させます。軍拡競争でソ連は膨れ上がる軍事費に耐え切れず、自壊しました。これで中共も軍拡競争及び貿易戦争で自壊の道を歩むのかと思うと嬉しくなります。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180810/k10011571611000.html

https://www.sankeibiz.jp/macro/news/180811/mcb1808110608003-n1.htm

8/10yahooニュース<米下院「北の石炭に関与なら韓国企業もセカンダリー制裁」>韓国は中国同様騙す民族ですが、中国と比べるとセコイです。ドンドン2次制裁をして$を使えなくして、貿易できなくすれば良いです。制裁を課さなければ、すぐに抜け駆けする民族です。

http://japanese.joins.com/article/898/243898.html

8/11阿波羅新聞網<何清涟:美国印太战略VS中国“一带一路”=何清漣:米国のインド太平洋戦略VS中国の一帯一路>米国のインド太平洋戦略は始まったばかりだが、中国の一帯一路は既に敗色濃厚である。中国は傲慢にも金で相手国を引き寄せているが、持続可能ではない。米中両国の戦略の良否を決めるのに、使う金だけでなく、参加国が米中どちらに政治的な信頼を寄せ得るかである。中国式の国際友誼を金で買うやり方は難しいのは明らかで、国と国との間の信頼は金では買えないという事である。

WSJによると16人の上院議員はトランプに書簡を送り、「IMFの最大出資国として、米国はどのようにして影響力を発揮するのか。中国の今までの一帯一路のローンを変えさせるのができないのか、或は新しい一帯一路の項目に対して影響力を及ぼせないか。立法措置で、IMFはある国が一帯一路の償還の為にIMFから融資を受けることを禁じること」を要求している。

http://www.aboluowang.com/2018/0811/1156785.html

8/11阿波羅新聞網<北戴河传重磅消息:讨论重回计划经济 死保中共体制=北戴河会議の重大情報 計画経済に回帰することを検討 死んでも中共体制を守る>北戴河会議の重点課題は貿易戦争ではなく、計画経済に戻すことである。貿易戦争で人民の利益を失おうが知ったことなく、手にした権力は国民を羽交い絞めにし、且つ犠牲にして、中共の統治を継続させようとしている。

南カロライナ大学の謝田教授は「北京の今のリーダーが思っているポイントは、一つは中共を解体、政治機構、経済機構、貿易機構を変えて貿易戦を避けるか、もう一つは継続して戦うかである。ただ、戦い続ければ、中国経済は終わる。トランプは経済手段で、全世界に邪悪な共産主義とテロが蔓延るのを防ごうとしている。これが貿易戦争の裏にある本質である」と述べた。

何清漣は「貿易戦が続けば、中国の外資は逃げ、人民元は下落し、株式市場も大幅下落し、中国経済は重大な不況に陥る。これに金融危機が加われば、いろんな面で問題が起きる。不動産市場や債券市場にも」と。

クドローは「我が国は2000億$も中国製品に関税賦課するのに、中国は米国製品に600億$しか賦課しないのは弱いのでは。中共がこのトラブルの渦中にあって、経済状況は悪化し、投資家は逃げ出し、人民元は下落している。外資は中国に金を置いておこうと思っていない。日本の株式市場は既に中国のそれを追い抜いた。中共は貿易戦争のリスクに気付いているが依然として受身で応戦している。それはトランプ政権の強力な圧力を前にして引くに引けなくなっているからでは」と述べた。

メリーランド情報戦略研究所所長の李恒青は「貿易戦争の影響を受けて、人民元の下落は大衆をパニックに陥れている。大衆は皆$に換えたいと思っていても、中共は外貨に自由に換えることを許さない。それは$とリンクしなくなったら、人民元は一夜にして紙屑になるから。その時には中共政権が終わることを意味する」と思っている。

http://www.aboluowang.com/2018/0811/1156518.html

安井氏の記事では、選挙の予想は難しいと思います。何せ2016大統領選ではヒラリー圧勝の報道ばかりでしたから。今度も外す可能性があります。中間選挙は11月6日ですので、まだ間があり、何か事件でも起きると大きく変わる可能性もありますので。当日のお楽しみにしておきましょう。

記事

トランプ外交が世界を翻弄している。その背景には、20世紀初頭の共和党への先祖返りと支持者の変質が見える Photo by Keiko Hitomi

2018年11月6日に投開票が行われる米国の議会中間選挙まで、いよいよ3ヵ月を切った。8月7日にオハイオ州で行われた下院補選で苦戦を強いられるなど、上下両院で多数党の座にある共和党は、下院で多数党陥落の危機に瀕するほどにまで追いこまれている。劣勢の一因はドナルド・トランプ大統領への批判の強さだが、そのトランプ大統領自らが、共和党議員の支援に積極的に乗り出し始めた。トランプ大統領のコアな支持者に依存した戦略だが、共和党にとっては危うい賭けになりそうだ。(みずほ総合研究所欧米調査部長 安井明彦)

トランプ大統領が本腰 中間選挙で劣勢確実な共和党

「(投開票日の)60日前になったら、週に6~7日は(遊説に)出向く」

7月26日、このようにトランプ大統領は発言し、来る中間選挙に向けて、共和党の候補者を精力的に支援する意欲を明らかにした。大統領は「厳しい戦いとなっている全ての候補者を支援し、勝敗ラインの上に押し上げる」として、自ら激戦区にテコ入れする考えを示している。

投開票日まで3ヵ月を切った米国の議会中間選挙では、上下両院で多数党を占める共和党が苦戦している。2018年8月7日にオハイオ州で行われた予備選挙では、トランプ大統領が2016年の大統領選挙で大差の勝利を収めた選挙区で、現有議席を守ろうとした共和党が、投開票日当日には勝者が確定しないほどの大接戦を強いられた。

特に下院では、共和党の多数党からの陥落を予想する声が増えている。米国のバージニア大学政治センターは7月24日のレポートで、民主党が下院の多数党を獲得する確率が、「(選挙戦が始まってから)初めて50%を超えた」と指摘した。

選挙分析に定評があるクック・ポリティカル・レポートも、7月27日のレポートで、「下院で民主党が多数党となる可能性は極めて高い」と分析している。オンライン賭け市場の「PredictIt」では、下院での多数党交代を予測する割合が、6月初めから60%を上回り続けている。

もっとも、トランプ大統領直々の選挙戦へのテコ入れは、一見すると奇異な戦略である。共和党が劣勢を知られている一因は、トランプ大統領への反発の強さだからである。

そもそも米国では、大統領が所属する政党は中間選挙で苦戦する傾向にある。第二次世界大戦後に行われた18回の中間選挙では、大統領が所属する政党は、平均すると下院で26議席を失っており、議席を増やした選挙は2回しかない。

オハイオ補選の結果にもよるが、今回の中間選挙の場合、共和党は下院で23議席を失うと、多数党の座から陥落する。歴史的な観点では、共和党の多数党維持は、もとより危うい環境にある。

追い打ちをかけるのが、トランプ大統領の支持率の低さである。過去の中間選挙の経験では、大統領の支持率が低いほど下院で失う議席も多くなる傾向にある。第二次世界大戦後に各大統領が最初に迎えた中間選挙を振り返ると、大統領の支持率が50%を割り込んでいた場合には、大統領が所属する政党は下院で40議席以上を失ってきた。トランプ大統領の支持率は、おおむね40%台前半で推移している。安定しているとは言え、共和党にとっては懸念すべき水準である。

「反トランプ」で異例の盛り上がりを見せる民主党

見逃せないのは、トランプ大統領への反感が、民主党に異例とも言うべき盛り上がりをもたらしていることだ。

今回の議会中間選挙では、共和党支持者よりも民主党支持者の方が、選挙への期待を表明する割合が高い。ピュー・リサーチセンターの世論調査では、民主党の候補を支持する回答者の55%が、「例年よりも選挙に期待している」と答えている。その一方で、共和党の候補を支持する回答者では、同様の回答は50%に止まっている。

1994年の調査以来、同様の質問で民主党支持者が共和党支持者を上回ったのは、共和党のジョージ・W・ブッシュ政権下で行われた2006年の中間選挙しか前例がない。この年の中間選挙では共和党が30議席を失い、多数党の座を民主党に奪われている。

同じくピュー・リサーチセンターの世論調査では、今回の中間選挙では「(トランプ)大統領に反対するために投票する」とする割合が34%に達している。このように現職大統領への批判を投票理由に挙げる割合も、2006年以来の高水準である。

「反トランプ」の風に弱気続出の共和党

支持者の盛り上がりは、民主党の選挙運動への強い追い風となっている。選挙資金の集まり方では、民主党が共和党を凌駕している。2018年第2四半期の実績では、再選を目指す共和党の現職下院議員のうち56人が、対抗馬となる民主党の候補に資金集めで遅れをとった。民主党が下院で60議席以上を失って大敗した2010年の中間選挙ですら、対抗馬に資金集めで後塵を拝した民主党の現職議員は44人しかいなかった。

民主党の盛り上がりを示す数字は、枚挙に暇がない。中間選挙に出馬する党の候補を選ぶ民主党の予備選挙の投票率は、前回2014年の実績を大きく上回っている。民主党の予備選挙に出馬した候補の人数も、2014年の約1.5倍に急増し、共和党を2割以上上回った。予備選挙の候補者数で民主党が共和党を上回るのは、これも2006年の中間選挙以来である。

民主党の勢いに押されるように、共和党の議員には弱気な姿勢が垣間見える。再選を目指さずに、引退を表明する共和党議員が相次いでいるのだ。そのなかには、ポール・ライアン下院議長などの有力議員が含まれる。結果的に共和党は、現職議員が不在となる現有議席を、40議席以上守らなければならない。

1974年まで遡っても、大統領が所属する政党としては、例のない多さである。米国の選挙は、現職有利の傾向が強い。共和党にとっては、悩ましい展開だ。

頼みの綱はコアなトランプ支持者 支持率は過去の大統領に負けていない

トランプ大統領への反感が劣勢の一因であるにもかかわらず、なぜ大統領は選挙運動に前のめりになるのか。背景には、トランプ大統領のコアな支持者への期待がある。

米国の中間選挙では、浮動票に期待するというよりも、どこまで各党のコアな支持者を動員できるかが、勝敗を分けるケースが少なくない。全国的な盛り上がりとなる大統領選挙と比較して、議会のみの選挙となる中間選挙は、投票率が低くなりがちだからである。

トランプ大統領の支持基盤の強さは、共和党が頼ることができる数少ない武器になり得る。自らの党の支持者に限れば、トランプ大統領の支持率は、過去の大統領に負けていない。共和党支持者によるトランプ大統領の支持率は、2018年7月初めの時点で90%に近い水準にある。

過去の大統領が最初に迎えた中間選挙の時点で比較すると、自らの党の支持者からの支持率としては、当時は対テロ戦争で人気があった2002年のブッシュ大統領に続き、第二次世界大戦後で二番目に高い支持率である。

党内基盤の強さから、共和党の候補者を選ぶ予備選挙では、トランプ大統領は絶対的な強さを見せつけている。州知事選挙などを含め、トランプ大統領が支持した候補者は、共和党の予備選挙で好成績を収めてきた。劣勢が伝えられていた候補者が、トランプ大統領の支持表明をきっかけに、一気に形勢を逆転した例は少なくない。

実際に、共和党の支持者に限れば、トランプ大統領への底堅い支持は、共和党への追い風になっているようだ。ピュー・リサーチセンターの調査によれば、共和党支持者の5割強が、「中間選挙での投票は、(トランプ)大統領への支持の表明である」と答えている。ブッシュ政権下で共和党が大敗した2006年の中間選挙では、同様の回答は3割強に過ぎなかった。

激戦区はトランプ大統領に不利 上院と下院では随分様子が違う

もっとも、トランプ大統領と一蓮托生の戦略は、盤石とは言い難い。共和党が苦戦を強いられている選挙区は、必ずしもトランプ大統領のコアな支持者が多い地域とは一致しないからだ。

実は今回の下院の選挙は、トランプ大統領に不利な地合いでスタートしている。435の議席のうち25議席は、2016年の大統領選挙でトランプ大統領が民主党のヒラリー・クリントン候補に敗れた選挙区である。言い換えれば、トランプ支持が弱い選挙区を全て獲得すれば、民主党は多数党を奪回できる立場にある。

これは、同日に行われる上院の選挙とは好対照だ。100議席のうち3分の1が改選となる上院では、そもそも民主党の改選議席が26議席と、共和党の9議席を大きく上回っている。さらに民主党の改選議席のうち9議席は、2016年の大統領選挙でトランプ大統領が勝った選挙区にある。

一方の共和党の改選議席では、クリントン候補が勝った選挙区は1つしかない。このように改選議席が圧倒的に共和党に有利であるがゆえに、共和党が2議席失えば多数党が交代するにもかかわらず、上院での多数党交代は極めて難易度が高い。

一方の下院では、トランプ大統領の地盤が弱い選挙区で、共和党の候補が苦戦を強いられている。クック・ポリティカル・レポートが、共和党が議席を失うリスクが高いと分類している34の議席を平均すると、2016年の大統領選挙におけるトランプ大統領の得票率は、クリントン候補を下回っているのみならず、2012年の大統領選挙で共和党のミット・ロムニー候補が獲得した得票率よりも低い。また、34議席のうち19議席は、2016年の大統領選挙でトランプ大統領が負けた選挙区である。

トランプ大統領の地盤が弱い選挙区では、いくらトランプ大統領が乗り出しても、共和党の候補には逆効果となるリスクがある。むしろトランプ大統領への反感が高まり、民主党支持者の投票率が上がってしまう可能性があるからだ。

トランプ大統領が選挙戦で強調すると思われるメッセージも、問題含みである。本来であれば共和党にとって、中間選挙での最大の強みは好調な経済であるはずだ。失業率の低さなどは、大統領が所属する政党への追い風になるのが経験則である。共和党とすれば、昨年実現させた税制改革の成果として、好調な経済を売り込みたいのが本音だろう。

「トランプ節」は逆効果リスクも 共和党にとっては危うい賭け

しかしトランプ大統領は、必ずしも好調な経済を切り札にしているわけではない。むしろ遊説先で強調するのは、メディア批判やロシア疑惑への捜査に対する不満、そして不法移民への厳しい姿勢である。いずれもコアな支持者が好む論点だが、民主党支持者の反発も呼びやすい。

特に不法移民問題は、民主党支持者が多いヒスパニック層の逆鱗に触れる可能性がある。実は、現時点での世論調査からは、ヒスパニック層の選挙に対する盛り上がりが欠けている様子がうかがえる。民主党にとっては懸念材料であり、トランプ大統領が不法移民問題を強調することが、民主党にとっての神風となる可能性がある。

トランプ大統領のコアな支持者に頼る戦略に、勝ち目がないわけでない。共和党は失う議席を22議席までにとどめれば、たとえ民主党から一議席も奪えなかったとしても、多数党を死守できる。前述の敗北のリスクが高い34の選挙区でも、15の選挙区では2016年の大統領選挙でトランプ大統領が勝っている。

また7つの選挙区では、トランプ大統領の得票率がロムニー候補を上回っていた。これらの選挙区を死守すれば、多数党陥落を回避する道筋が見えてくる。

もちろん、その道は極めて狭い。オハイオ補選の結果にもあるように、2016年の大統領選挙でトランプ大統領が強かった選挙区ですら、民主党の追い上げは急だ。トランプ大統領のコアな支持者に頼る戦略は、これまで以上に民主党との対立を深め、米国の分断を深める結果にもなるだろう。共和党にとっては、危うい賭けである。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。