1/10日経『中国消費者物価5年ぶり低水準 緩和期待で株価急騰 実体経済に資金回らず』記事等について

下記の2つの記事から、中国の金利引き下げは実体経済にプラスにはなっておらず、お金が不動産でなく株に向かっているというもの。でもグラフを見ると卸売物価が下がっているので、消費者物価もいずれ下がるとなると、インフレを起こして、債務を軽減する政策とは合わなくなります。経済主体合計で21兆も債務があるのでインフレ策しか打てません。

しかし、中国国内、海外の競争が激しいので企業は価格を下げてライバル潰しを図ります。これが卸売物価下落の要因です。今に始まったわけではありませんが。売れないと苦しいし、技術に差がないために価格に頼ります。不動産も企業間で転売し、価格を吊り上げようとしても理財商品のデフォルトを考えると購入できません。それで株式に回っているとしても海外からの資金が入ってきて市場を攪乱しているのかどうか。上海市場が小さいため、少し資金を入れると敏感に反応するのかは門外漢で分かりませんが。どちらにしろ、中国への投資は避けた方が良いし、既に投資した分は早く回収するようにした方が良いと思います。

記事

【北京=大越匡洋】中国の2014年通年の消費者物価指数(CPI)の上昇率は2.0%で、5年ぶりの低水準になった。景気の減速を映し、経済の「体温」である物価の伸びは鈍い。金融緩和で景気を下支えする余地は広がったが、追加緩和への期待から株価が急上昇する投機的な動きは根強い。実体経済に資金がなかなか行き渡らないひずみも目立つ。

住宅市況の冷え込みが景気減速の起点に(北京の開発現場)=ロイター

中国国家統計局によると、CPIは14年9月以降、4カ月連続で1%台半ばの低空飛行が続いた。14年通年ではリーマン・ショック直後の09年(0.7%下落)以来の低い伸びとなり、13年と比べても上昇率は0.6ポイント鈍った。中国政府が14年の抑制目標として想定していた「3.5%」を大きく下回っている。

デフレ状態ともいえるのが企業間の取引だ。卸売物価指数は14年12月に前年同月比3.3%下落し、前年比マイナスが3年近く続く。14年の深刻さは、前月比でみるとさらにはっきりする。13年までは前月より卸売物価が上昇する月もあったが、14年は一貫して前月の水準を下回り続けた。

深圳が地盤の不動産開発会社、佳兆業集団は14年12月末が期限だった銀行融資を返済できなかった。ほかの借入金や債券についても債務不履行(デフォルト)の可能性がある。住宅市況の冷え込みをきっかけに景気の減速感が強まり、企業の資金繰りに波及した格好だ。

経営状態の悪い企業の淘汰は、中国がより効率的な産業構造をめざすうえで必要な痛みだ。だが、連鎖倒産を招けば、景気全体が腰折れしかねない。中国人民銀行(中央銀行)は14年11月、ほぼ2年4カ月ぶりに利下げし、同年末には銀行の預金と融資の比率に関する規制も緩和した。中小企業や民営企業の資金調達難を和らげる狙いだ。

ところが、人民銀の思惑通りの効果が出ているとは言いがたい。企業業績が低迷しているにもかかわらず、上海株式市場の上海総合指数は人民銀の利下げ後に上昇ペースを急激に速め、最終的に14年の通年の上昇幅は50%を超えた。年明け以降も3300前後と約5年ぶりの高値圏を維持している。

長引く住宅価格の下落で行き場を失った投機資金が、追加の金融緩和など政策への期待から株価を押し上げた形だ。一方で、重慶市の中小企業経営者は「銀行融資の金利はなかなか下がらない。逆に理財商品の運用利回りが低下し、手元資金は苦しくなった」と話す。

市場では「3月までに預金準備率の引き下げがある」(ANZ銀行)と追加の金融緩和を予想する声は多い。増えたマネーが実体経済にうまく回るかどうかが中国景気の安定を左右しそうだ。

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1/8産経ニュース 石平氏『不動産バブル、破裂するかも』記事

国家直属シンクタンクが公言 中国実体 経済は確実に、大幅に沈没する

2015年、中国という国は一体どうなるのか。本欄はこれから2回連続で、経済と政治における「中国の2015年」を概観的に予測していくこととする。

今回はまず経済の予測に当ててみよう。

年明けの1日、重要な意味をもつ数字が手に入った。中国指数研究院は、またもや「昨年12月の全国100都市の不動産平均価格が前月より下がった」と発表したのである。これで昨年5月から連続8カ月の下落であり、本欄が数年前から予測している「不動産バブルの崩壊」は確実に進んでいるように見える。

実は昨夏あたりから、中央政府と地方政府は「救市(不動産市場を救うこと)」と称して、久しぶりの利下げを断行したり、不動産購買への規制をことごとく撤廃したりして必死の努力をしていたのだが、不動産市場の低迷と価格下落を食い止めることはできなかった。

「政府はいつでも不動産価格をコントロールできるからバブルの崩壊はない」という中国式の神話は今や破れつつある。

問題は、今年はどうなるのかである。昨年末に発表された中国社会科学院の「住宅白書」は、14年の住宅市場に関して「投資ブームの退潮、市場の萎縮、在庫の増加」などの問題点を指摘した上で、「15年の住宅市場は全体的に衰退するだろう」との予測を行った。

そして昨年12月29日、国務院発展研究センターの李偉主任は人民日報に寄稿し、15年の経済情勢について「長年蓄積してきた不動産バブルが 需要の萎縮によって破裂するかもしれない」と語った。

国家直属のシンクタンクの責任者が「不動産バブル破裂」の可能性を公然と認めたのは初めてのことだ。前述の社会科学院白書と照らし合わせてみると、どうやら中国最高の頭脳たちの間では、不動産バブルがそろそろ崩壊してしまう、と いう共通認識が既に定着しているようである。

今の趨勢(すうせい)から見ると、本格的なバブル崩壊がまさにこの15年に起きる可能性が大である。それが現実に起きれば、中国経済全体は一体どうなるのか。

これまで不動産業は中国経済の支柱産業だと呼ばれていた。09年1年間、土地譲渡や住宅販売などによって生み出された不動産関連の経済価値総額が7・6兆元(約150兆円)に上ったという試算がある。それは同年の中国GDP(33・5兆元)の実に2割以上を占めている。

09年以降もずっと不動産投資の伸び率は経済全体の伸び率の「倍以上」を維持しているから、GDPに占める不動産業の比率は今もそう変わっていない。

しかし今後、バブルの崩壊に伴って不動産業が「全体的に衰退する」となれば、中国経済の受ける打撃は「成長率の1、2%低減」という程度のものでは収まらない。

さらに問題は、中国政府が表した昨年の「7%台の経済成長率」が実に疑わしい、という点である。

一国の生産活動の盛衰を見る重要指標の一つが電力の消費量であることはよく知られる。13年、政府公表の成長率は7・8%であったのに対し、この年の国内の電力消費量の伸び率も同じ7%台の7・5%であった。

しかし、14年、国内の電力消費量の伸び率は急速に落ち、13年の半分程度の4%程度となっているから、昨年の成長率が依然7%台であるはずはない。既に数%台に落ちていた可能性が十分にある。

だとすれば、支柱産業の不動産業が「全面的衰退」を迎えるこの15年、中国経済の高度成長は完全に止まってしまい、場合によっては「マイナス成長」の悪夢が襲ってくることもありうる。

結論からいえば、15年の中国の実体経済は確実に沈没してゆくこととなるのである