『台湾を侵攻すれば中国は東方拡大を続ける、二つの地政学から見る中国とロシア 拡張政策をとるプーチンと習近平に世界はどう対処すべきか』(4/27JBプレス 関 瑶子)について

4/26The Gateway Pundit<REPORT: Deep-Staters at the Pentagon Are Celebrating the Departure of Tucker Carlson From FOX News=報道:国防総省のディープ・ステートはFOXニュースからのタッカー・カールソンの出発を祝っている>

ブライトバート ニュースは次のように報じています。

ディープステートは、匿名のリークでフォックスからのタッカー・カールソンの出発を祝います

ポリティコによると、匿名を条件に話したジョー・バイデン大統領の国防総省の高官は、タッカー・カールソン氏がフォックス・ニュースを去ったことに「喜びと完全な歓喜」に満ちていたと伝えられている.

Tucker Carlson Tonight での Carlson のセグメントでは、米軍の上層部が「目が覚めた」と頻繁に批判されました。

「目が覚めた脳のウイルスが、この国に最後に残っている能力主義、つまり私たちの安全と自由を保証する基盤に感染し始めたらどうなるでしょうか? それが米軍です。もしそれが起こったら、それは正当な災害になるだろう」とカールソンはある番組で語った.

軍の上層部が民主党に近すぎるのが問題。政治から離れるべき。

https://www.thegatewaypundit.com/2023/04/report-deep-staters-at-the-pentagon-are-celebrating-the-departure-of-tucker-carlson-from-fox-news/

4/27阿波羅新聞網<习近平与泽连斯基通话 学者分析习目的和对俄乌战争影响=習近平とゼレンスキーが電話会談、学者は習近平の目的とロシア・ウクライナ戦争への影響を分析>NYのシンクタンク、ユーラシア・グループ財団の米国外交政策の研究者であるリンツキーは、習近平とゼレンスキーの間の電話は、ロシア・ウクライナ戦争に大きな変化をもたらさないだろうと考えている。中共外交部のプレスリリースから判断すると、中国はロシアの戦争についてあまり話さなかった。ロシア・ウクライナ戦争に意味のある変化をもたらすために、中国はロシアとの関係を犠牲にすることを望んでいないようである。…今回の電話はより外交的意味合いがあり、中国はウクライナに多くの利益を持っており、2000年から2020年まで, 中国はウクライナから70億米ドルを借り、中国はウクライナの最大の貿易相手国でもある。ウクライナは一帯一路に沿った国でもあるので、中国はウクライナをよく管理したいと考えており、ウクライナとの関係を破壊しないようにする。

米国の政治評論家である王剣もリンツキーと同様の見解を持っている。 「この電話には3つの意味があると思う:第一に、先週の金曜日、駐仏中国大使の盧沙野が、欧州への中国の現在の政策に大きな影響を与え、習近平の電話は、盧沙野の影響を是正するためのものである。第二に、ウクライナが来週、大規模な反攻を開始する可能性が高いということである。習近平の今回の電話は、政治的な観点から見て、 「和平プロセスはロシアを助け、プーチン政権の崩壊を回避している」。第三に、フランスのマクロン大統領が中国を訪問し、彼は中国の政治的方向性に沿ったアピールをした。米国から距離を置き、独立した政治的ビジョンを持つため、台湾問題に関与しないと。習近平の電話は、マクロンの政治的要求にも呼応した形である。

https://www.aboluowang.com/2023/0427/1894668.html

4/27阿波羅新聞網<拜登否了普京 赞成泽连斯基与习近平通话=バイデンはプーチンを拒否し、習近平とのゼレンスキーの電話に賛成>WHは本日、ウクライナのゼレンスキー大統領と中国の習近平国家主席との電話会談を支持することを明らかにした。 ロシアのプーチン大統領とは対照的で、バイデンはゼレンスキーの中国との対話を支持している。 ゼレンスキーは習近平との会談をずっと求めてきた。 WHは、中国の平和への約束と調停の役割について慎重な姿勢を示し、ロシアとウクライナの間の和平協定につながるかどうかを判断するには時期尚早だと述べた。

https://www.aboluowang.com/2023/0427/1894551.html

4/27阿波羅新聞網<泽连斯基与习近平通电话 普京火大=ゼレンスキーと習近平が電話で話し、プーチンは怒った>ウクライナのゼレンスキー大統領が、紛争が始まって以降、クレムリンの同盟国である中国の習近平国家主席と初めて電話会談を行った後、ロシアは本日、ウクライナがモスクワとの対話を拒否したことで「和平イニシアチブを損なった」と非難した。

https://www.aboluowang.com/2023/0427/1894550.html

4/26阿波羅新聞網<预言台北101遭空袭?共和党PO影片轰拜登 竟是“纯AI生成”= 台北101は空襲に遭う? 共和党の PO フィルムは、バイデンを攻撃したが、実際には「純粋な AI によって生成された」>米民主党のジョー・バイデン大統領は25日、2024年の大統領選挙への参加を正式に表明し、再選に向けて努力する3分間の動画を正式に公開した。 敵対的な共和党陣営は、バイデンを非難する 30 秒間の広告をリリースした。 共和党がバイデンを糾弾することは珍しくないが、この広告画面が「純粋にAIで生成されたもの」であるため、代わりに話題になった。AIを使って生成する大型政治団体の最初のケースになる可能性がある。 中でも台北101ビルが空襲を受けるという架空のシーンは非常に目を引く。

https://www.aboluowang.com/2023/0426/1894536.html

4/26阿波羅新聞網<川普开呛拜登“史上最烂总统”:社会主义支出灾难 非移垃圾场 暴力罪犯被释放=トランプ、バイデンを「史上最も腐敗した大統領」と批判:社会主義者は財政破綻を起こす 不法移民のゴミ捨て場、暴力犯罪者の釈放>トランプは、バイデンが世界の舞台で米国を辱め、自分がまだ職にあれば、ロシアがウクライナに侵攻することはなかったと主張し、「ジョー・バイデンは我々を第三次世界大戦の危機に瀕させた」と述べた。

トランプの考え:「このような災難ともいえるほどの失敗を犯した大統領が、再選を望んでいるとは想像できない」。トランプは、バイデンの在任中に「社会主義者の支出の惨事」が発生し、それが米国経済のインフレにつながったと考えている。 さらに、米国の都市は不法移民の「ゴミ捨て場」になり、暴力犯罪者は「法執行機関が法を遵守する保守派や共和党員に対して武装している間、大々的に刑務所から釈放されている」。 トランプは「我々の子供たちは、左翼フリークや狂信者によって教化され、傷つけられている」と。

https://twitter.com/i/status/1650885605985771520

https://www.aboluowang.com/2023/0426/1894532.html

何清漣 @HeQinglian  5h

このニュースは、ブルームバーグが 4 / 19に匿名の情報源を引用したことの真実を証明している:フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、彼の外交顧問であるベルンに、中共中央外事弁公室主任である王毅と、ロシアとウクライナの間の将来の交渉の枠組みについて交渉することを授権した。フランスは、この夏がロシアとウクライナの交渉につながる可能性があると考えている。

https://bloomberg.com/news/articles/2023-04-19/macron-s-diplomatic-push-on-ukraine-threatens-unity-allies-warn

今回、米国は「部外者」と見なされている。 バイデンは 2024 年の選挙に向けて準備を進めており、それ以外はすべて休眠状態である。

引用ツイート

何清漣 @HeQinglian  12h

中国が今年2月に12項目の和平案を提出してから、西側諸国、特に米国は、中国は資格がないと考えて、多くのことを叱った。 意外なことに、ゼレンスキーは中国は資格があると考えており、やっと習近平との会談をやり遂げ、中国を仲介者として受け入れるのは「見え隠れするが姿を全部見せていない」と。

米国は本当に政治的衰退の時期に入っている。 twitter.com/VOAChinese/sta…

何清漣 @HeQinglian  12h

中国が今年2月に12項目の和平案を提出してから、西側諸国、特に米国は、中国は資格がないと考えて、多くのことを叱った。 意外なことに、ゼレンスキーは中国は資格があると考えており、やっと習近平との会談をやり遂げ、中国を仲介者として受け入れるのは「見え隠れするが姿を全部見せていない」と。

米国は本当に政治的衰退の時期に入っている。

引用ツイート

VOA中国語ネット @VOAChinese 13h

#速報 習近平はウクライナのゼレンスキー大統領と電話で会談した。 ゼレンスキーはツイッターで、習近平と「有意義な長い電話」をしたと述べ、「この電話と駐中国ウクライナ大使の任命は、両国関係の発展に強いインセンテイブを与えると信じている」と述べた。中国メデイアによると、中国はウクライナやその他の国に特使を派遣し、ウクライナ危機の政治的解決についてすべての当事者と連絡を取る予定である。多くのメデイアは注視している。https://voachinese.com

何清漣 @HeQinglian  1h

興味があるのは、ゼレンスキーは中国を通じてロシアにメッセージを届けるために、数か月間懸命に働いたのか? 中国を通じなければならないこれらの私的な秘密の話は何か?

もうすぐ夏だし、大反攻は5、6、7月の3ヶ月になるはずだが、その時はこの人にまた番組に出てもらって彼の分析をレビューできるか分からない?

引用ツイート

VOA中国語ネット @VOAChinese 3h

習近平とゼレンスキーの電話会談は、ウクライナに平和の夜明けをもたらすだろうか? 米国のセントトーマス大学で国際問題を研究する葉耀元博士は、平和の曙光と北京の調停能力について楽観的ではないと述べた。 習近平の電話は、主に盧沙野が起こした外交事件を消火するためのものである。 ウクライナは、反攻の前に習近平に意思疎通し、中国を通じてロシアにメッセージを送った。 #時事について話す完璧版:https://bit.ly/3Ng1gOU

何清漣 @HeQinglian  3h

興味のある人は、この人に、戦争で資金や各種「エネルギー」を必要としないのがあるのかを探すのを助け、教えてほしい。

引用ツイート

起きたら飛ぶ @KMA_Xu  3h

返信先:@HeQinglian

旧同窓生、侵略戦争にはエネルギー資金が必要だが、防衛戦争には必要ない。八路軍の抗日は、お金がなくても戦ったではないか?

何清漣 @HeQinglian  1h

共和党フロリダ州知事のロン・デサンティスは来月中旬に、2024年のWH選挙運動を開始するためにさらなる措置を講じる予定である。

コメント:支持率の差が大きくなって一方が撤退しない限り、指名競争は来年の共和党大会まで続く。

引用ツイート

フォックスニュース @FoxNews 1h

速報:ロン・デサンティスが 2024 年大統領予備戦委員会を来月発足:レポート https://fxn.ws/3Lxqtmr

何清漣 @HeQinglian 1h

4/26に習近平とゼレンスキーが電話で会談した後、双方は即座に行動を起こした:

「星島日報」の報道によると、中国はすぐに、欧亜問題に関する中国政府の特別代表をウクライナや他の国を訪問するために派遣すると発表した。 現在の欧亜問題に関する中国の特別代表は李輝で、10年間駐ロシア中国大使を務め、有名な「知ロシア派」である。 … もっと見る。

関氏の記事では、ロシアの考え方は16世紀を基にした侵略・植民地主義だとしても、ロシアは国連加盟していて、常任理事国になっている。ならば国連憲章や国際法を守る義務が生じるのでは。守れないのであれば、国連を脱退すべき。台湾侵攻を狙う中共も同じである。

記事

拡張政策をとるロシアと中国(写真:ロイター/アフロ)

 ロシアによるウクライナ侵攻が始まって以降、空前の地政学ブームである。地政学とは、地理的条件を起点に国際政治を考察する視点だ。

 この地政学について、「地政学は大きく分けて二種類ある。そして、二種類の地政学の違いこそが近代の戦争の大きな要因の一つである」と語るのは、『戦争の地政学』(講談社現代新書)を上梓した篠田英朗氏(東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授)である。

 二つの地政学とは何か、なぜ地政学の違いが戦争を生むのか、地政学とロシアの関係とはどのようなものか、篠田英朗氏に聞いた。(聞き手:関瑶子、ライター・ビデオクリエイター)

──本書には、二種類の地政学が登場します。

篠田英朗氏(以下、篠田):地政学は大きく二種類に分類されます。英米系地政学と大陸系地政学です。

英米系地政学を提唱したのは、現代地政学の祖と呼ばれているハルフォード・マッキンダーです。

20世紀前半、マッキンダーは地理学者として、ユーラシア大陸とその周辺の海洋国家の国際関係について研究をしていました。その中で、彼自身の祖国であるイギリスが海洋国家であることから、特に海洋国家(シー・パワー)と大陸国家(ランド・パワー)の違いに着目しました。

マッキンダーによれば、ユーラシア大陸の中央部には巨大な勢力を有するランド・パワー(ハートランド)が存在します。当時のロシア帝国です。ハートランドは南下政策をとり、やがてはシー・パワーを脅かす。そこで、シー・パワーはシー・パワー同志で連合体をつくり、ハートランドの拡張政策を封じ込めなければならない。

マッキンダーは、このような彼自身の理論に対し、地政学という言葉は一切使用しませんでした。英米系地政学という名称も後世になってつけられたものです。

地政学という言葉を最初に提唱し、一つの学問であるかのように打ち立てようとしたのは、ドイツの軍人兼地理学者のカール・ハウスホーファーです。彼もまた20世紀前半に活躍しました。英米系地政学に対し、彼の提唱した理論は大陸系地政学と呼ばれています。

ハウスホーファーが提唱した理論は、圏域思想と呼ぶべきものです。圏域思想によると、それぞれの地域に強大な力を有する覇権国家の影響力が及ぶ「生存圏」なるものが存在する。そして、それぞれの地域で覇権国家が自身の生存圏を拡大していくことは自然の摂理である、としています。つまり、覇権国家が他国へ侵攻することを、正当な行為であると考えているのです。

ロシアによるウクライナ侵攻は、英米系地政学と大陸系地政学の根源的な世界観の違いのぶつかり合いです。

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結果的に正しかったNATOの東方拡大

篠田:現在の国連憲章や国際法の諸原則は、第二次世界大戦後、米国が中心となって作成されました。そのため、伝統的なシー・パワーの世界観、英米系地政学的な観点が組み込まれています。日本も含め、米国を中心とする同盟国は、ロシアの侵略行為は国際法違反で国際秩序を脅かすものであると考えています。

ロシア人にとって、旧ソ連は大陸系地形学の拡張政策を典型的に表現した帝国です。プーチン大統領は旧ソ連崩壊を「20世紀最大の地政学上の悲劇」、その悲劇につけ込むように、米国が北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大を続けていることを「地政学ゲーム」と呼んでいます。

さらに、プーチンは「ウクライナは現在のウクライナ東部の『地政学的現実』を直視せよ」などという発言もしています。彼の頭の中には独特の圏域思想があるのです。

──米国はどのような根拠のもと、NATOの東方拡大を行っているのでしょうか。

篠田:NATOの東方拡大が始まったのは、1990年代の後半です。これには、米国のニクソン政権やフォード政権期で国務長官等を務めたキッシンジャーや、クリントン政権期の国務長官、オルブライトが大きく貢献しています。

ロシアはいずれ力を回復させ、再び勢力拡大を開始する。旧共産圏から自立していった諸国にロシアは攻め込み、その混乱に米国は必ず巻き込まれる。大混乱を防止する手立ては、力の空白に置かれた東欧諸国をNATOの安全保障の傘に招き入れることである──。キッシンジャーやオルブライトは、そう確信していました。

2023年4月現在、ロシアは依然としてウクライナ侵攻を続けています。しかし、NATO同盟国には一切手出しできません。キッシンジャーとオルブライトの判断は正しかったのです。

──ロシア・ウクライナ戦争の原因の一つとして、NATOとロシアが緩衝地帯の管理に失敗したことが挙げられていました。誰が、何を、どうしていれば、緩衝地帯の管理に「成功」していたのでしょうか。

ロシアの不信感を煽ったコソボ紛争やイラク戦争

篠田:緩衝地帯とは、大国に挟まれた国家や領域を意味します。緩衝地帯は、大国間の衝突を和らげる役割を果たす一方、大国間の衝突に巻き込まれやすいという特性を有しています。ウクライナは、まさにロシアとNATOの緩衝地帯だったと言えます。

緩衝地帯の管理は、どちらにしても難しいものです。ロシアとウクライナの例では、両国に加えてNATO加盟国も当事者です。もちろん、彼らも何もやってこなかったわけではありませんが、いろいろな事件や力関係の変化に伴い、誤解や不信感が生まれ戦争にまで発展してしまいました。

再興を果たしたロシアは、自身のもともとの勢力圏を取り戻したいと考える。一方、ウクライナは再びロシアの傘下に入ることは望まない。

東方拡大を一段落させたNATOは、ロシアとの戦争は何としてでも避けたいが、国際法の原則を逸脱するような行為を認めるわけにはいかない。NATOはそんなジレンマを抱えていました。

本来であれば、緩衝地帯管理のための新しい安全保障の仕組みを考える必要がありました、でも、どのような仕組みであればウクライナ侵攻を防げたのかという具体的な案は、正直なところ私にもわかりません。

ただ、将来を少しでも良くしていくためには、現実を直視してアクションを起こすべきである、という反省は常にしていかなければなりません。

たとえば、バルカン半島で起こったコソボ紛争の処理やイラク戦争。これらはロシアの不信感を煽るようなものでした。また、NATO構成諸国の中でも、ドイツやフランスは米国の政策に対して不信感を抱くようになった。様々な紛争や戦争への介入の過程で、不信感の増幅現象が起こってしまったのです。

国家間の不信感が高まるほど、国際情勢は不安定になる。国は常に他国に対して不信感を与えないよう、細心の注意を払って行動する必要があります。

──ドイツ帝国、大日本帝国、ソビエト連邦など、拡張政策を選択した国家が過去にいくつも存在しています。これらの国家は必ずと言っていいほど、終焉を迎えています。なぜロシアは、いまだに拡張政策に固執しているのでしょうか。

16世紀を起点に物事を捉えるロシア

篠田:いまだかつて地表のすべてを征服した国は存在しません。そのような意味で、拡張政策を完全に成功させることはできない、ということは歴史法則です。プーチンも、ウクライナの次に世界を征服すると考えているわけではありません。

英米系地政学の観点では、旧ソ連は拡張しすぎたために崩壊したという見方ができます。他方、多くのロシア人は、16世紀頃からの拡張主義を基盤として勢力を拡大した旧ソ連が崩壊しても、まだ広い領土を有するロシア連邦が残っていると考えています。400~500年間の歴史の中で、ロシアの拡張主義の政策は成功し続けており、今なお進行中であるという見方です。

領土の拡張や縮小は、どこを起点にして考えるかによって変わります。領土の拡大縮小の問題は、歴史の中では相対的な意味しか持ちえません。

シー・パワー連合は、20世紀になって確立した国際法の原則を構築し、今ある主権国家の境界線は守るべきという姿勢をとっています。それに対し、ロシアは16世紀頃を起点に物事を捉えている。この喰い違いが、世界観の違いを生み出しているのです。

──「中国は、ユーラシア大陸の深奥の不毛な土地から不凍港や肥沃な土地を求めて本能的に領土の拡大を求めるロシアとは全く異なる発想方法を持つ」と書かれています。異なる発想方法、とはどのようなものなのでしょうか。

篠田:英米系地政学によると、ロシアはハートランドです。ハートランドは、ただ大陸にある国というだけではなく、特別な性格を有しています。

ハートランドの決定的な特別性として、後背地に北極がある、という点が挙げられます。北極には人が住んでいません。つまり、北側から攻め込まれる心配がない。これが、ハートランドの強みです。

ハートランドの弱点は、海を持っていない、という点です。そのため、海軍力の強化が難しい。しかし、シー・パワーが大陸外周部分で封じ込め政策をとっている状況を、手をこまねいて見ているだけというわけにはいきません。不凍港を求め、南方への拡張政策をとるのです。

こうして苦労を重ねた末にロシアが獲得した港が、クリミア半島のセバストポリ、太平洋側のウラジオストクです。

ランド・パワーとシー・パワーを併せ持つ中国

篠田:中国はロシアとは全く異なる地理的環境に置かれています。万里の長城が象徴するように、北側は常に征服民族が侵攻してくる危険にさらされています。しかし、海側には広大な沿岸部分を有しています。

中国は、典型的なハートランドのランド・パワーではありません。しかし、島国でもないため、シー・パワーでもない。中国は、ランド・パワーとシー・パワー、両者の性格を持ち合わせた両生類国家と言えます。

ただし、地政学は欧米で生まれたものです。他方、中国は中華思想のような独自の帝国理論を持っています。大国となりつつある中国は、英米系地政学でも大陸系地政学でもないものとして、自身の立ち位置を打ち出したいという願望を持っています。それが「一帯一路」という概念です。

一帯一路は、中国を中心に、アジアとヨーロッパを結ぶ陸路と海路の物流経路を整備し、貿易を活性化させるという壮大な計画です。放射線状に、大陸の中心から海と陸を求めて広がっていく。ロシアの拡張主義とは全く異なる考え方です。

──一帯一路の概念のもと、成長を続ける中国に、対して世界各国はどのような対処をすべきでしょうか?

篠田:中国の拡張主義はロシアのそれとは全く異なりますが、中国の台頭に関してヨーロッパには既視感を感じる人がいるようです。これは、19世紀終わりにドイツ帝国が成立したことに起因します。当時のヨーロッパ人にとって、ドイツ帝国の台頭は「The German Problem(ドイツ問題)」という言葉ができるほどの大問題でした。

これは、同等の力を有する国々が複数分散しているヨーロッパで、伝統的なバランス・オブ・パワー、勢力均衡政策が成立していたためです。ヨーロッパ大陸の中心に、一つの強国が生まれてしまっては、今までのバランスが崩れてしまう。これが「The German Problem」です。

中国と同様、ドイツ帝国は沿岸部分を含む広大な領土を支配していました。ドイツ帝国もまた、両生類国家だったのです。ドイツ帝国を封じ込めるため、米国とヨーロッパ諸国は二回の世界大戦をする羽目になりました。

二回の世界大戦の末、ドイツの封じ込め作戦はようやく成功しました。しかし、二回も世界大戦をしたということは、「The German Problem」に対する政策の失敗とも言えます。

台湾侵攻を止めなければ中国は東に拡張していく

篠田:シー・パワー連合は、両生類国家である中国を封じ込め対象とみなしていますが、ロシアに対する封じ込め作戦と同様の方法は、ハートランドではない中国には有効ではありません。また、二回の世界大戦という大失態を犯した「The German Problem」も参考にはできません。再び世界大戦を引き起こす可能性があるためです。

世界各国、特にシー・パワー連合は、中国の政策を継続的に監視し、ロシアやドイツに対して行った手法とは全く異なる対策を講じる必要があるのです。

──近い将来、中国が台湾侵攻に踏み出すと言われています。台湾侵攻を食い止めるために、世界各国は何をするべきでしょうか?

篠田:台湾問題に対しては、法的な捉え方と地政学的な捉え方、二つの考え方をする必要があります。

まずは法的な観点から見てみましょう。

中国がいくら「一つの中国」という政策を主張しても、国家性のある実態が台湾に存在していることは事実です。従って、世界各国は武力行使の禁止という国連憲章二条四項の原則を守りながら紛争解決を図っていく必要があります。

次に、地政学的な観点です。

先に述べたような国連憲章のロジックを、習近平は全く認めないでしょう。世界観の違いがあるためです。

中国には、「九段線」という考え方があります。九段線は、過去に中華帝国の影響が及んでいた海域の権利を主張するために地図上に描いた線です。国際法上、全く認められない考え方です。台湾侵攻を認めた場合、中国は必ず九段線はすべての中国のものだと激しく主張し、太平洋の東へと拡張していくと予測されます。

中国の台湾侵攻を想定した市民訓練の様子(写真:ロイター/アフロ)

そこで我々は、中国政府に対して、暗に二つのお願いをしています。

一つ目は、法的なお願いです。現在ある国境線と現在ある実行政府の統治を認め、その政府に対する武力行使を禁止するという国際原則を守ってほしいということ。

二つ目は、地政学的なお願いです。一つ目に説明した国際原則を認められないとして軍事交戦を仕掛けてきた場合、こちらも軍事的に受けて立つ。このことをしっかりと受け止めて、ぜひ抑止してほしいということ。

台湾侵攻は、中国の拡張政策の初めの一歩の試金石です。ここで絶対に止めなければ、中国は太平洋の東へとどんどん拡張を続けていくでしょう。

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