『北戴河会議、長老たちの「習近平おろし」失速か 問われる対米戦略における習近平路線の是非』(8/8 日経ビジネスオンライン 福島香織)について

8/7facebook 中国观察 ‎尹波‎ 投稿

中國五大連池,一位老人出於正義勸大家不要上當,被兩個外地騙子毆打,旁觀的人無一上前阻止,最後老人被活活打死!這就是中國,一個喪失了正義和良知的國度。這就是所謂中華民族,一個貪婪,無恥,狡詐,兇殘,膽怯,奴性集於一身的垃圾民族!

中国の黒竜江省黒河市五大連池で、 一人の老人が正義感を持って皆に、騙されないよう勧めたが、二人の外地の詐欺師に殴られ、 傍観者は一人として止めず, 老人は最後には殴り殺された。これが中国、正義と良心を失った国である。これがいわゆる中華民族であり、貪欲で恥知らず、狡猾、残忍、臆病で奴隷のようなゴミ民族である。

https://www.facebook.com/100023936110401/videos/279653122842556/

8/7阿波羅新聞網<北戴河正开会 江绵恒白手套突被抓 习近平敲打反对派=北戴河会議は正に開かれている 江綿恒(江沢民の子)の白手袋(非合法をロンダリング)の呉建融・上海空港集団会長が中共規律委員に逮捕される 習は反対派に打撃を与える>江綿恒は上海空港集団の取締役。

http://www.aboluowang.com/2018/0807/1154939.html

8/8阿波羅新聞網<北京消息人士:北戴河会议重点不是贸易战 而是…——党媒罕见狠辣批川普=北京の情報通:北戴河会議の重点は貿易戦ではなく・・・ 党のメデイアは珍しく辛辣にトランプを批判>8/6中共の喉と舌である人民日報は署名入り記事を掲載してトランプを攻撃、中共に対する高関税賦課は「ストリートファイター」ゲームと同じ「強請り」である。感情を逆撫でするのに十分である。米国在住の学者・謝選駿は「トランプは実の所、中国に良くしている。中共が為替操作しても、ずっと為替操作国とは認定して来なかった」と。米国学者・謝田は「北戴河会議の重点は計画経済に戻るかどうかの議論で、米中貿易戦争は最終的には2つの選択肢となる。

一つは、4割の可能性。米国が徐々に圧力を強め、中共が参ったと思うほどに譲歩する。稼げないよりは少しでも儲けた方が良いと。但し、それは「中共が人民の前で面子を失うこと」であり、「大国のイメージを破滅的に失うこと」である。最終的に中国人民は中共を見捨てることに繋がる。

第二の可能性は6割ある。中共と米国がお互い非難し合い、米国と貿易断絶すれば、13億人をトラブルに巻き込み、滅亡へと鎖国の道に走り出す」と。

http://www.aboluowang.com/2018/0808/1155293.html

北戴河会議の重点が貿易戦争ではないというのは嘘くさいですが。でも主戦論者でも、戦えば負けるというのが分かっているでしょう。相手は米国だけでなく米国に連なる国全部です。ABCD包囲網を食らった日本のようなものです。部品も農産品も中国と取引した国と企業に米国が金融制裁かければ、相手は中国と取引しなくなるでしょう。勿論、自由主義国と取引のない国・企業や人民元だけで取引している国・企業であれば良いでしょうけど。でも中国を救うだけの規模には満たないと思います。

謝田が言うように中共が滅ぶか、鎖国して世界平和に貢献するかどうか。当然国連は台湾を国と認め、尖閣は日本の領土と認め、九段線も撤回することです。モンゴル、新疆ウイグル、チベットも独立させたい。

福島氏の記事のように、譬え習が今年の北戴河会議をうまく乗り切ったとしても、アンチ習派の動きは底流に流れていて、事態が一変するかも知れないという事です。でも共産党が延命するような人事ではなく、どうせなら共産党を粉砕するような出来事が起こってほしい。

記事

習近平はアラブ・アフリカ歴訪から帰国後、北京での会議を経て北戴河入りしたとみられる(写真:ロイター/アフロ)

河北省の保養地・北戴河で毎年開かれる党の長老および現役幹部らが一同に会する北戴河会議が始まったようだ。秘密会議なので、会議が始まったことは発表されないのだが、習近平を含む政治局常務委員7人の動静が途絶えた瞬間が、会議の開始とみられている。8月以降、政治局常務委員の動静は途絶えており、多くのメディアが8月3日に習近平が北戴河入りして、会議が始まったと推測している。

さて、北戴河会議の中身は、終わってからしばらくして徐々に漏れ伝わってくるものなので、今の段階でどのような議題があがり、どのような攻防が展開されているかは不明である。ただ8月4日に北戴河会議と並行して、中国社会科学院・工程院院士62人を招いた座談会が開かれていることが、会議の中身と何らかの関係があるやもしれない。

科学院、工程院はともに中国の科学技術系エンジニアの母体であり、中国製造2025戦略の具体案を支える提言機関でもある。そしてその議長を人事・組織担当機関である組織部長の陳希が行ったことの意味はいろいろ想像を掻き立てるものがある。

今年の北戴河会議の見どころ、テーマについて整理しておこう。

まず7月に流れた北戴河会議で国家指導者としての責任問題が追及され、“習近平おろし”が画策されるという噂は、ここにきて急にトーンダウンとなった。

在米華字ネットメディア・博訊によれば、習近平がアラブ・アフリカ歴訪から帰国後、すぐに北京で中央政治局会議と集団学習会(31日)を開いた。その参加者である政治局員を引きつれる形で北戴河入りしたと、中南海筋情報をもとに報じている。

これは習近平の大番頭役である丁薛祥が、習近平政権二期目に入っての初の北戴河会議を効果的に演出するために、事前に周到に関連部門に指示を出して準備をしていたとか。この動きを受けて、それまで流れていた習近平が北戴河で長老や党中央幹部たちから米中貿易戦争における対応や、行き過ぎた個人崇拝問題で批判を受ける、ひょっとすると辞任を迫られるのではないか、というのはデマであった、という見方が流れるようになった。

8月3日の人民日報は、改めて「習近平の核心的地位の堅持」を声高に呼びかけている。さらに今回の北戴河会議では、党・軍・政府の高官だけでなく、いわゆる座談会に参加した知識人にも習近平に対する忠誠を表明させるのではないか、といわれている。つまり、習核心および習近平への忠誠は党、軍、政府だけでなく知識人にも徹底される、という。

例年に比べて長老の集まりはよい。だが、この長老たちは習近平を追いつめるのではなく、アンチ習近平派をなだめて党内和諧ムードを醸成するための役割を果たした、という。

話はちょっとずれるが、胡錦濤の息子である胡海峰は浙江省麗水市の書記に取り立てられ、すでに習近平派の一員である。しかも7月30日の浙江衛星テレビで、習近平の今年4月の長江経済ベルト発展座談会上の発言を引用して、習近平の指導精神を学べと礼賛していた。胡海峰は胡錦濤の出来の悪い息子であり、政治家としてもビジネスマンとしても成功できず、最終的に習近平のコネで浙江清華長江デルタ研究院の党書記職に就いた。以降は習近平に忠実なコマとなっている。胡錦濤自身は習近平のやり方に思うところはあるようだが、わが子の可愛さもあって、習近平とはガチでの対立を避けているともいわれている。

また李鵬の息子の李小鵬は、やはり習近平に取り込まれており交通運輸部長職に就いているが、8月7日から習近平の特使としてコロンビア大統領就任式に出席している。李小鵬は李鵬の跡を継いで、電力利権にからんでおり、腐敗の噂の絶えない人物であり、政治家としても例えば山西省省長就任1カ月の間に深刻な安全生産事件を5件も起こしても、十分な対応策がとれずに実務能力の低さを露呈している。

体制内アンチ習近平派の存在

つまり一部長老たちの弱点である出来の悪い子供たちをうまく取り込んで、長老たちの団結をくずし“習近平おろし”の流れを封じ込めたのではないか、ということだ。もし博訊の報道を信じるなら、31日の政治局会議で、習近平が一部長老たちの間にあった不満の声をうまく抑え込むことに成功した、と想像できる。ひょっとすると習近平サイドから、長老たちをなだめるための妥協案がだされたかもしれない。

長老、太子党、党中央、メディア、軍部、知識人層にアンチ習近平派が存在するのは間違いない。清華大学法学院教授の許章潤が7月24日、天則経済研究所のサイト上に「我々が目下抱いている恐懼と期待」というコラムを発表したが、この中ではっきりと習近平の現政策を「逆行」と批判し、天安門事件の再評価、国家主席任期の復活、個人崇拝の制止、公務員財産開示法の施行などを訴えている。個人崇拝は知的レベルの低い行為、といい、まるで習近平の知的レベルが低いといわんばかりだ。

また国務院発展研究センター金融研究所総合研究室副主任の高善文が7月28日、地方の証券会社の講演で、習近平が鄧小平の韜光養晦戦略を放棄したことが米中関係の破壊の原因だ、と指摘したと伝えられている。

いわゆる体制内知識人がここまではっきり習近平批判できるのは、それだけ党内、体制内にアンチ習近平派が多いということだ。長老たちによる“習近平おろし”計画はひとまず封じ込められたかもしれないが、こうしたアンチ習近平の党内世論を完全に無視できるほど習近平の基盤が強固かというと、そうも思えないので、習近平サイドも何かしらの妥協案やスケープゴートを差し出すのではないか。

スケープゴートは王滬寧?

そのスケープゴートが王滬寧である可能性はいまだ否定されていない。31日の政治局会議には王滬寧も出席していたが、テレビでちらりと映ったその様子は、ろくに顔を上げず、元気がなさそうであった。中央宣伝部副部長の蒋建国が7月25日付けで突然国務院新聞弁公室主任を解任されたのは、対外宣伝を派手にやりすぎたことが、米国の警戒心を高め、貿易戦争を引き起こさせたとの責任を問われた、とみられている。具体的にはドキュメンタリー番組「すごいぞ、中国」などで、中国のハイテク分野の成長を実際以上に誇張して宣伝したことなどだ。

だが、こうした民族情緒に訴えて“対米開戦”ムードを盛り上げる宣伝のやり方は、王滬寧の指導の下に行われたといわれている。現役の政治局常務委員が降格されたり解任されたりするようなことは、普通ならありえないので、蒋建国が王滬寧の身代わりに処分されたのだという見方もできるが、王滬寧が今後、習近平の信頼を得続けることは難しくなる。そうすれば、タイミングを見計らって、病気など健康上のやむをえない理由で政治局常務委員の職を離れることは絶対にありえないとはいえまい。

8月4日の専門家慰問・座談会(社会科学院および工程院の学者・エンジニアたち62人が参加)も、従来なら知識人対応の会議・慰問は宣伝・イデオロギー担当の政治局常務委員が行うのに、今回は陳希(中央組織部長)が議長を務めた。このことは、座談会の性質が違う可能性、たとえば単に知識人をねぎらうための座談会ではなく、人事や組織改革に踏み込んだ座談会であるから、組織部長が議長を務めたという見方もできるが宣伝・イデオロギー担当の政治局常務委員である王滬寧が単に排除されている、と言う見方もできる。産経新聞などによれば、王滬寧は北戴河会議にも姿を見せていないらしい。

ちなみにこの座談会には、副首相の胡春華が参加したことも報じられている。胡春華は、第19回党大会で政治局常務委員になり損ねた後、あまり表で話題になることはなかったが、地味ながらかなりの職責をもたされており、ここにきて米中貿易戦争の対応に、習近平の不興を被った劉鶴の代わりに駆り出される、という見方もある。米国の貿易戦争の狙いが習近平政権の経済戦略の柱の一つである「中国製造2025」潰しであるとすれば、こうしたシンクタンクの科学者、知識人の率直な意見を集約して戦略を立てなおす役割を胡春華が背負わされる可能性もあるかもしれない。

秋の四中全会で、ひょっとすると政治局常務委員のポストが王滬寧から胡春華に入れ替えられるのではないか、というのは、アンチ習近平派の期待をこめただけの噂にすぎない。だが、党内アンチ習派の不満を抑えるために、後継者として胡春華を政治局常務委員に迎え入れ、個人崇拝・独裁化の印象をやや薄めようというのは、習近平の立場に立ってみれば決して無理な妥協案ではないとも考えられる。

北戴河会議の行方は直前の政治局会議の内容とも関わりがあるかもしれない。CCTVによれば、政治局会議では共産党規律処分条例の審議や経済問題のほか、習近平による六つの安定(就職、金融、対外貿易、外資、投資、相場)の指示があったという。習近平のこういった安定指示は珍しく、それだけ危機感を感じ、追いつめられているということかもしれない。

くすぶる対米戦略の是非

もっとも、習近平がいくら口で安定を指示したところで、この六つのテーマは米中貿易戦争はじめ国際環境の影響を強く受けているのだから、対米外交の方向性を変えなければ問題解決の糸口がみえてこない。

だが、習近平に対米政策上の妥協が許されるのかどうか。そもそも、王滬寧や蒋建国が打ち出した好戦的な対外宣伝戦略も、中国の偉大っぷりを誇張して宣伝するやり方も、習近平が鄧小平から続いていた韜光養晦戦術を捨て、中華民族の偉大なる復興をスローガンに今世紀半ばまでに米国に肩を並べると豪語したことを受けてのことだ。

対外的に強い指導者を演出し、妥協せずに徹底抗戦をひるまないスタイルであったから、一部の強い者好きの中国非知識層の支持をえて、国内の無茶なまでの反腐敗キャンペーンを建前にした粛清も可能にした。もし、対米外交において大幅な妥協を飲めば、習近平が党内における恐怖政治による求心力はくずれ、人民の支持は離れるかもしれない。貿易戦争による現在の苦境を招いた責任について、習近平がまったく責められないで北戴河会議を乗り越えられるかも、まだ判断材料がない。

そもそも、中国はどこまで妥協すれば、米国との関係を安定的なものにできるのか。米中対立の本質は経済問題ではなく、南シナ海や台湾をめぐる対立も含めた安全保障上の問題だととらえられている。米国の最終目的が、“中華民族の偉大なる復興”を阻止することにあるとすれば、それは習近平体制の変更、解体につながるということになる。

北戴河のテーマの一つは、貿易戦争も含めた対米戦略だろうが、その話し合いは、突き詰めていけば、やはり習近平路線の是非を問うことになるかもしれない。習近平が北戴河会議を無事に乗り越えたとしても、このテーマは党内でくすぶり続けるにちがいない。

対米戦略は北戴河会議の重要テーマの一つだ

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『もはや自衛隊に装甲車は不要な理由 偵察・攻撃用と海外派遣用以外は全廃してかまわない』(8/7JBプレス 部谷 直亮)について

8/7阿波羅新聞網<北戴河 江泽民胡锦涛去向不明 习惹怒中国精英 陷危机?=北戴河に江沢民と胡錦濤が行ったかどうかは不明 習はエリート達の怒りを買う 危機に陥るか?>北戴河会議の重要性は確実に減ってきていた。習が大権を握ってから、反腐敗に突き進んだが、経済を弱くした。エリート達は独裁を批判。今までの北戴河会議と違い今年は国際情勢の変化、米中関係の変化があり、幹部と長老とで理論的な議論が行われ、大方針を定めることを期待したい。

香港経済日報は7/29付で「今年の北戴河会議の議題は3つ。①世界構造の急激な変化、米中貿易戦争が新冷戦となるか②和戦のいずれにせよ、戦うならどのように、総てに対応策が必要③未来の中国の政治形態はどうなっているのかを決める」と。許章潤清華大学教授は「習の施政は中国を昔に戻している。40年前の毛沢東時代だ。4条の許容できる最低線(習の4条の許容できる最低線を真似て)の一つは何年でも続く運動(=主席任期制撤廃)を止めること。何清漣は「習の執政期間で何年でも続く運動と言うのは、反腐敗運動が永遠に続くことを意味する」と。国際政治学者の資中筠は6月に「米中貿易戦がもし始まれば、その咎は習にあり、経済改革は失敗に終わるだろう」と。

http://www.aboluowang.com/2018/0807/1154878.html

8/8日経<中国ネット金融 破綻急増 330社 債務不履行4900億円 個人投資家に打撃

【上海=張勇祥、北京=高橋哲史】中国でスマートフォンなどを通じ個人の資金を融通するインターネット金融の破綻が相次いでいる。2018年に入り約330社に達し、債務不履行額は少なくとも300億元(約4900億円)にのぼる。個人投資家による抗議活動も広がっている。習近平(シー・ジンピン)指導部による債務の削減方針が背景にあるが、多発する不履行は個人の投資意欲を失わせ、株価低迷の一因にもなっている。

大規模な陳情活動が計画された政府機関の周辺で、警察官に取り囲まれる女性(6日、北京)=共同

北京の天安門広場から西に約3キロメートル離れた金融街は7日午前、物々しい警備が敷かれていた。金融監督当局が集まるブロックには警察車両が取り囲むように配置され、大型バスの中には多数の警察官が待機していた。

6日にはネット金融を通じて融資していた被害者が集まり、陳情やデモ行進を計画していたもよう。不測の事態に備え、7日も厳しい警備態勢を維持したとみられる。

各地で抗議活動

外資系の投資銀行に勤める20代男性は6日の様子について「多くの警察車両が道路をふさいで大きな騒ぎになった。静かな金融街でこのような状況はみたことがない」と話した。浙江省杭州市でも7月に金融被害者が体育館に集まるなど、抗議運動は中国各地で散発的に起きている。

ネット金融は「ピア・ツー・ピア(P2P)金融」とも呼ばれ、ネットで取引が完結する利便性と、高利回りが受け急拡大していた。しかし、7月末までに破綻したネット金融大手20社の不履行額を集計したところ230億元に達した。規模の小さい事業者では被害額が数千万元にとどまる例もあるが、330社の合計額は少なく見積もっても300億元を超える。

「3年に分けて投資家に返済する」などと釈明する事業者は集計から除いている。ただ、これらの事業者が説明通り資金を投資家に返済できるかは不透明で、損害額は膨らむ公算が大きい。

主に富裕層が投資する「信託商品」や「資産管理計画」でも元利払いの遅延が続出、既に不履行額は120億元ほどにのぼっている。17年の不履行額は10億~20億元規模にとどまっていたとみられるが、18年通年では前年比の10倍近くまで膨らむ可能性がある。

ネット金融と異なり、信託商品などは少数の開発プロジェクトや社債、企業向け融資を投資先とするケースが多い。3億元が滞るある信託商品は、安徽省系の国有企業が元利払いを保証していた。政府が背後にいるから安全と説明を受けた個人投資家は、はしごを外された格好だ。

株価の重荷に

国有企業が絡む投資商品すら債務不履行に陥っているのは、習指導部が掲げる過剰債務の圧縮(デレバレッジ)がなお進行中であることを示唆する。共産党が7月末に開いた政治局会議では積極財政で景気を下支えする方針を決めた。だが、金融当局は銀行に対し融資先を精査するよう指導しており、中小・零細や地方政府系企業の一部は資金繰りに苦しむ。

ネット金融の苦境も過剰債務や金融リスクの抑制策のあおりを受けたものだ。事業者の8割は投資家の資金と自社の運転資金を分別管理していないとされる。銀行が資金調達の蛇口を絞れば、体力の弱い事業者の経営が行き詰まるのは目に見えていた。

当局はネット金融が経営の悪化した中小、零細企業の延命につながっていると判断。詐欺もまん延しているとみており、残高が1兆元を超えていた市場規模の圧縮にかじを切った。健全な営業を続けるネット金融の事業者数は1700を割り込み、2年前に比べ半減した。年内には1000を下回るとの予想もあり、今後も破綻や廃業が加速する見込みだ。

早急な債務削減策の副作用も目立ち始めた。7月末までの社債の債務不履行は340億元を超え、過去最高だった16年の約400億元を上回る可能性がある。社債と信託商品、ネット金融の不履行額を合計すると800億元近くに膨らむ。

債務不履行の多発は損失を被った機関投資家や個人の投資意欲をそぐだけではない。市場全体が信用リスクに敏感になり、株式に資金が回りにくくなる悪影響もある。

主要株価指数の上海総合指数は年初来高値から2割ほど低い水準で推移する。16年1月につけた中国株バブル後の安値(2655)も視野に入る。米国との貿易摩擦だけでなく、国内の信用状況の悪化も株価の重荷になっている。>(以上)

8/2本ブログで紹介しましたように、本当に中共政府はP2Pだけコントロールできるかどうか。他の巨額債務に影響が出ないかどうかです。まあ、被害者が騒いでも鎮圧するだけでしょうけど。株価低迷はP2Pだけが理由でなく、米中貿易戦争で将来を読めば株に投資する人はいないからと思われます。

http://dwellerinkashiwa.net/?p=9574

8/8facebook 中国観察 8/7邓月平 投稿

据说这是城管在单位分脏的视频,他们在大街上卖命的打砸抢老百姓,结果竟是拉回去后分脏,这还算是执法吗?

これは都市管理の役人が奪ったものを分配しているビデオで、彼らは街で物売りしている庶民を殴って売り物を奪い、その後事務所に帰って皆と分け合っている。これで法執行機関と言えるのか。

https://www.facebook.com/100017393326509/videos/269820683607707/

日本の敵は中国並びに左翼です。8/8TBSニュースで<「慰安婦問題」討論会、中国政府が中止に 日本側に配慮か>とありましたが、中共のマッチポンプでしょう。言論の自由が無い国で大学がシンポを開くに当たっては共産党の了解を取らねばならず、それを止めさせて日本に恩を売るというパターンです。そもそもで言えば「慰安婦問題」は中共と朝日新聞による合作でしょう。まだ朝日新聞を取っている人は利敵行為をしていることに気付きませんと。

http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3441553.htm

部谷氏の記事で、疑問を感じましたのは自衛隊が装甲車を発注するときに、車高の範囲を指定しなかったのかどうかです。民間企業が外注するときにはしっかりコンセプトを伝えて時間と金の無駄をなくそうとします。自衛隊はコマツから途中報告受けていなかったのでしょうか?不適と分かった瞬間に軌道修正させなければそれこそ金と時間の無駄になります。

また、装甲車が本当に必要かどうかも吟味してみる必要があります。ドローンでマドウロ大統領が暗殺されそうになったこともあり、ドローンの活用とそれに対する防御の方が大事かと。技術の進歩に合わせた戦術の運用と装備の配備をしないと敵に負けるでしょう。

記事

大連夏季ダボスフォーラムで展示された巨大ドローン。ドローンなどの新技術の台頭によって、国防に必要な装備も大きく変化している(2017年6月28日撮影、資料写真)。(c)CNS/于海洋〔AFPBB News

7月27日、防衛省は陸上自衛隊の次期「装輪装甲車」の開発中止を発表した。

本稿では、まず陸自が断念を発表した背景を説明し、その上でそもそもこの種の装備自体が日本の戦略と戦略・作戦環境からして無用の長物であり、税金の無駄でしかないことを指摘したい。

新型装輪装甲車が“欠陥品”扱いされた理由

陸自が次期装輪装甲車の開発を中止した理由は、開発を請け負った小松製作所(以下「コマツ」)が脆弱な防弾装甲しか作れなかったというのが公式の説明である(参考:コマツのプレスリリース「防衛省開発事業 装輪装甲車(改)試作研究事業中止に関するお知らせ」)。

開発が中止になった次期装輪装甲車(出所:Wikipedia

実は、かねてより陸自内部ではこの装輪装甲車はポンコツ扱いされ、率直に言えば悪評ふんぷんであった。

その理由の第1は、そもそも開発費が安すぎたことである。コマツは20億円という圧倒的な低価格で開発プロジェクトを応札したが、これがいけなかった。とても新型装輪装甲車の開発と試作車両の複数生産ができる価格ではなかったため、いろいろな無理が出てしまったのである。

第2は車高が高すぎたことである。例えば、米軍が採用しているストライカー装輪装甲車は2.64メートル、独軍のボクサー装輪装甲車は2.37メートル、中国軍の08式装輪装甲車は2.1メートルである。しかし、次期装輪装甲車は2.9メートルである。しかもRWS(遠隔操作式砲塔)を載せれば3メートルを優に超す“高身長”になってしまう。

高身長の理由の1つは、中東で猛威を振るった路肩爆弾(砲弾等を地面に埋め込み強力な地雷とする)対策だという。つまり爆風を逃がすよう底をV字型にしたため、と言われている。だが、ストライカーは底をW字にすることで車高を低くしているのだから、何の言い逃れにもならない。

では車高が高いと具体的に何が問題なのだろうか。1つは野戦であれ市街戦であれ、車高が高いと暴露率を上げるからである。ある幹部は「あれでは敵に見つかりやすく危険すぎる」と指摘したが、確かにそうだろう。単純な例としては、中国軍の08式装輪装甲車と次期装輪装甲車が接近すれば、先に後者が発見され撃破されてしまうということだ。

もう1つは輸送のリスクである。陸橋の車高制限に引っかかったり、輸送機で空輸できない場面が出てくるのだ。例えば自衛隊が主力として使用しているC-130輸送機は貨物室が2.74メートルなので、次期装輪装甲車は入らない。いまだ8機しかないC-2輸送機でしか空輸ができないのである。

そもそも日本に装甲車は必要か?

このようにコマツが開発を請け負った次期装輪装甲車は問題だらけであった。防衛省は開発をやり直すか、海外からの購入を検討するとしている。

だが、そもそも日本に、この種の兵員輸送用の装甲車が「大量」に必要なのだろうか。

ここで、日本が置かれた戦略・作戦環境を考えてみよう。まずは海外派遣の場合だが、こうした任務では、現地のゲリラ勢力からの攻撃を考えれば装甲の分厚い兵員輸送車両は確かに必須に思える。特に路肩爆弾やドローン対策は必須だろう。しかし、そもそも南スーダンPKOの日報問題のトラウマ後も、陸上自衛隊が大規模に海外に展開することがあるのだろうか。PKFの本体業務のような武器使用を実施する任務を行うことはあるのだろうか。少なくとも近い将来にはないし、そのような戦闘状況に自衛隊を多数送ることは考えにくい。であれば、路肩爆弾対策に特化したオーストラリア製ブッシュマスターを引き続き運用・調達するか、もしくは米軍が大量に保有しているMRAPの中古を少数調達すればよい。

では、日本への攻撃、いわゆる武力攻撃事態時はどうか。その場合も出番はない。中国と日本もしくは日米が開戦ともなれば、石垣・宮古島は海峡突破のために攻勢を受けるだろうし、本土の有力な自衛隊の拠点は弾道・巡航ミサイルやサイバーによる攻撃のみならず特殊部隊によるゲリコマの攻撃を受けるだろう。しかし、冷戦時代のように敵の機甲部隊が本土に上陸する蓋然性は低い。そうであれば、歩兵部隊を砲火の下でも機甲部隊に追随させるための兵員輸送用の装甲車は不要であろう。本土での兵員輸送は、トラックや高機動車だけで十分である。また、米軍がストライカー旅団構想で前提としたような、“重装甲部隊と軽歩兵の中間的な存在”を機動的に派遣する必要もない。

石垣や宮古などの離島ではどうか。これらの地域では動き回る地形の余裕もないので、あまりに役に立たず、兵員輸送用の装甲車など無用の長物でしかないだろう。敵戦力の上陸後の逆襲で使用するというのもナンセンスだ。

地形以外の面からみても、兵員輸送用の装甲車の必要性は低下している。日本を除く諸外国では偵察・攻撃用ドローンの調達が進み、歩兵から装甲車まで装備が進んでいる。ドローンに即座に発見・攻撃されてしまうため、装輪装甲車が誇る機動性も今や無意味となっているのだ。実際、北部方面隊がドローン「スカイレンジャー」を試験目的で一時的に採用したところ、火力誘導における観測能力が大幅に向上するなど大きな効果が認められたという。

また、対戦車ミサイルの性能は威力・命中率ともに大きく向上しており、対戦車ミサイルを装甲で防ぐのは困難になりつつある。それを考えれば、装甲にこだわることは費用対効果に優れない選択といえよう。

日本に必要な装甲車とは?

もちろん一部の部隊には装甲車も必要だろう。それは、偵察(センサー)用と攻撃(シューター)用である。要するに、ドローンを積載し、偵察や攻撃を最前線の最前線で行う車両のみ、ある程度の装甲をまとった車両を少数用意すべきなのである。その他はトラックや高機動車で十分である。

現在、ドローンの性能は飛躍的に向上している。6月に実施された「湘南UAVデモンストレーション」にて、日本初のデモ飛行を披露したイスラエル製偵察ドローン「G2」は、「雨天でも飛行可能」「2時間近く飛行可能」「赤外線センサー(6倍)・高性能カメラ(40倍)積載」という機能を誇り、たった600万円である。また、ポーランド軍は自爆ドローンを100セット(合計20万ドル)購入し、歩兵や装甲車に積載するとしている。このドローンは1セットに10機搭載され、12キロメートルを偵察飛行可能な上、最終的に1.4キログラム弾頭を相手にぶつけられるという。

中国軍も同様のCH-901自爆ドローンを開発し、装甲戦闘車に8発積載する等している。このドローンは最大時速150km、航続時間2時間の性能を誇り、偵察も自爆攻撃も可能である。しかもこの装甲戦闘車は車体後部に偵察大型ドローンを3機も積載している。この中国軍の装甲戦闘車は陸自の次期装輪装甲車よりも小型で装甲も薄いが、どちらが戦場で強力かは言うまでもないだろう。

要するに、自爆型を含む高性能ドローンの登場は、装甲車の装甲及び機動性を安価かつ効果的に無意味化させるのである。

陸自は旧時代的発想を捨てよ

以上の理由から、陸自は兵員輸送用の装甲車の開発に何十億円、調達に何千億円もの巨費を投じる必要はない。むしろ10式戦車のネットワーク性を活かして、機甲科は自爆・偵察ドローンの運搬役に特化すべきである。

しかも、陸上自衛隊のドローンの装備の遅れが深刻なことを思えば、なおさらそうすべきである。例えば、複数の防衛省・自衛隊の幹部によれば、浜岡原発と首都防衛を預かる東部方面隊は、ただの1機もドローンを装備していないという。これでは、災害対応もままならないし、複雑な市街戦をドローンなしで戦わざるを得ない。しかも、相手がドローンを使ってきても対策が分からない。何せ普段から見たことも触ったことも勉強したこともないのだから。

筆者のような見解は、陸自内部でも一定の勢力を持っている。とはいえ大多数は装甲車両の絶対数を確保すべきという発想のままである。中には、「普通科魂」「機甲科魂」を叫び、旧陸軍のような精神論を根拠として上記の主張に反対する主張する向きもあるという。複数の陸上自衛官が、「このままでは旧軍の失敗を繰り返す」と危惧する所以である。

しかし、時代の変化に対応できない軍隊が勝利できるはずもない。今回の次期装輪装甲車の開発断念を契機に、陸上自衛隊は兵員輸送用の装甲車の必要性を見直すべきである。「普通科魂」「機甲科魂」といった旧時代的な言葉を振りかざすのではなく、新しい時代の戦略・作戦環境や日本の政策に見合った戦いを模索し、そのために必要な精神性を考えるべきだろう。

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『前大統領報道官が明かす「ホワイトハウスの6か月」 トランプ大統領の「優秀な一兵卒」になれなかった男』(8/6JBプレス 高濱賛)、『ドル高で米国の覇権が復活する! トランプノミクスでも景気後退は起こらない』(8/6日経ビジネスオンライン 森永輔)について

8/6 facebook 中国观察 6/23 Qianrong Lv 投稿

这是退伍老兵王益宏维权被打后,全国老兵赶往镇江市声援的行动,6月22日进入第四天,已有全国多个省市的上千名老兵突破种种拦阻,抵达了镇江市政府南门外现场。

江苏全省的各县市的民政局长也已经抵达镇江,并逐一在市政府南门广场亮相,并自我介绍向老兵做游说工作,希望其辖区的老兵跟随他们回家。

これは, 退役兵の王益宏が権利主張時に殴られてから、全国の退役兵は鎮江市に行き声援の行動を取った。6月22日には4日目に入り、全国各地から数千人の退役兵があらゆる妨害を撥ね退け、市政府の南門に押し寄せた。
江蘇省の全ての各県・市クラスの民政局長も既に鎮江市に到着し、市政府の南門広場に現れ、自己紹介しながら退役兵に管轄地区の自分の家に帰るよう説得に乗り出た。

https://www.facebook.com/zhongguolvqianrong/videos/2070581233199415/

8/6  facebook 中国观察 8/5  Guangcheng Chen 投稿

中国安徽阜阳城管殴打卖西瓜的,动作娴熟手段恶劣!

中国安徽省阜陽市の都市管理の役人はスイカ販売の男を殴る。動きは手慣れたものでやり方は悪辣である。

https://www.facebook.com/ChenGuangchengHumanRights/videos/1007635386072559/

中国の弱い者虐めは止まるところを知りません。これらを見れば、共産主義が決して貧乏人の味方でなく、ノーメンクラトゥーラの特権維持主義と言うのが分かる筈です。それでも左翼にシンパシーを感じることができるとしたら精神が病んでいるとしか思えません。

高濱氏は民主党寄りなので、トランプに対して厳しいのは当然ですか?ロシアゲートのステイール文書の存在と目的について知らないのか、知っても知らない振りをしているのか。メデイアは日米とも知的誠実さに欠けるのでは。左翼は、報道は真実追求ではなく、プロパガンダの手段と思っているので度し難いです。国民はメデイアが真実報道しているという呪縛から解き放たれませんと。

森氏の記事では武者氏の強気ぶりは相変わらずです。株屋が弱気になったのでは商売になりません。武者氏も、今の米中貿易戦争を、世界覇権を巡る争いと見ています。普通に考えればその結論に落ち着くはずなのに、余りそういった発言をする人は多くありません。規制しているのか愚昧なのか。武者氏の解説は分かり易く、且つ米国の勝利を予言しています。頼もしい限りです。

8/7日経<新興国債券 償還ラッシュ 年100兆円、返済に懸念 米利上げで負担増大

新興国の国や企業が発行している債券が2018年から大量に償還を迎える。今後3年間は毎年、過去最高となる100兆円規模の債券の償還(総合2面きょうのことば)が発生する。3年前と比べほぼ2倍だ。超低金利を背景に活発に債券を発行してきたが、米国など世界の中央銀行は大規模緩和の出口に向かう。金利の上昇で今後は借り換えのコストが重くなる見込みで、新興国経済の新たなリスクとなりそうだ。

2008年のリーマン・ショック以降、世界の中央銀行は大規模な資金供給で景気を下支えしてきた。世界的に超低金利が続くと新興国の政府や企業は低い金利で債券を発行し資金を調達してきた。低金利で運用難となった投資家はギリシャやアルゼンチンといった信用力の低い国の債券でも購入してきた。

調査会社ディールロジックによると今後3年で満期を迎え償還が必要になる債券は3兆2297億ドル(約359兆円)にのぼる。内訳は国債が1割、社債が9割で、合計した償還額は18年に8919億ドル、19年に1.1兆ドル、20年に1.2兆ドルと毎年増えて過去最高の更新を続ける。

償還額の多くを占めるのが中国だ。リーマン後に景気を下支えしようと4兆元(当時のレートで約57兆円)の財政出動に踏み切った。企業と政府部門とも資金調達が活発になり、今後3年間の償還額は1兆7531億ドル(195兆円)と新興国全体の54%になる。

ほかに償還額の多い国はロシアが3年間で1330億ドル、ブラジルが同1360億ドル、メキシコが同881億ドルとなる。

債券は償還期限が来ると投資家に資金を返済しなければならない。通常は新たに債券を発行し資金を手当てするが、投資家層の薄い新興国では国内投資家からの資金調達だけでは間に合わず、ドル建ての債券で海外の投資家からも資金を集めている。国際金融協会(IIF)によると企業と政府をあわせた新興国の債務は、6月末時点で57兆ドルと世界全体の債務額の3割を占める。

米国は利上げを進めており、新興国通貨に対するドル高が進む。金利が上昇すると利払いの負担が重くなり、ドル高により新興国通貨で計算した債務の返済額も増える。信用力の低い国や企業が有利な条件で債券を発行できた時代は終わろうとしている。

中国では企業が抱える過剰債務を解消しようと当局が金融の引き締めを進めた結果、資金の再調達が難しくなった企業が相次いだ。18年に入り石油・ガス供給会社の「中国国儲能源化工集団(CERC)」や香港上場の不動産開発会社「新昌集団」のドル建て社債などが相次ぎ債務不履行(デフォルト)に陥った。

米Tロウ・プライスで新興国債券に投資するマイケル・コーネリアス氏は「実力よりも低すぎる金利で資金調達してきた国では揺り戻しの可能性がある」と警戒する。

米国が利上げを進めると米国債の利回りが上昇する。米国が94年から利上げに踏み切った際は投資マネーが米国に還流した。新興国の株価や通貨が下落し97年のアジア通貨危機の起点となった。

ただ、新興国は資金流出への備えを進めてきた。先進国も含めた世界の外貨準備高は11兆6000億ドルと10年と比べ4割増えた。中国は3兆1121億ドルと1割増え、メキシコは1780億ドルと7割の増加だ。東南アジアでもインドネシアもが1198億ドルと6割増となるなど備えは厚くなっており、かつてのような通貨危機が起きるとの見方は少ない。>(以上)

日経は中国の外貨準備高が3兆1121億ドルと書いていますが、宮崎正弘氏によれば、中国の外貨準備はマイナスとの見方です。今年から20年までの債券償還がうまくいくかどうか?

http://dwellerinkashiwa.net/?p=9253

高濱記事

米ホワイトハウスで記者会見するショーン・スパイサー米大統領報道官(2017年7月17日撮影)。(c)AFP/Olivier Douliery〔AFPBB News

「炎と怒り」の向こうを張った内幕物と期待されたが・・・

ドナルド・トランプ米大統領のホワイトハウスの内幕を書いた本でベストセラーになったのは、マイケル・ウルフの「Fire and Fury」(「炎と怒り」)だ。日本でも翻訳されて飛ぶように売れた。

この本のお陰で大統領の側近中の側近だったスティーブ・バノン首席戦略官兼大統領顧問の首がすっ飛んだ。

この本の主要なニュース源はバノン氏と言われている。

大統領の逆鱗に触れたのはバノン氏が大統領選挙中に大統領の長男、ドナルド・ジュニアがロシア人弁護士らと会っていた事実を知ったバノン氏が「この売国奴が」と激高したという箇所だったとされる。

さすがに自分の息子を「売国奴」と言われたのでは大統領も我慢できなかったからだ。

しかしこの本、確かに話題になったが、本に書かれていることがどこまで本当のことなのか、今もって疑問視されている。

理由は2つあって、一つは著者がメディア業界では「取材力よりも想像力が豊かだ」という評判。

いま一つはバノン氏以外、ニュース源があいまいなことだ。実はいないのではないか、という声すら聞こえてくる。「想像力のたまもの」というわけだ。

「気に入らないことがあると即座に首を切るトランプ大統領の下で働くスタッフがウルフなんかにホワイトハウスの内実をしゃべるわけがない」(ホワイトハウス詰め記者)

確かにありそうな話の満載だが、事実関係の確認のしようがない。

「無知さが書かせた『がらくた本』」との酷評も

The Briefing: Politics, The Press, and The President by Sean Spicer Regency Publishing, 2018

そんな中、今度は「トランプのホワイトハウス」を一番よく知っているはずの元大物高官が本を書いた。

トランプ氏が大統領に就任と同時に報道官に抜擢されたショーン・スパイサー氏(46)の回顧録だ。

タイトルは、「The Briefing: Politics, The Press, and The President」(ブリーフィング:政治、プレス、そして大統領)。

いったい、なぜこの時期にこうした本を出版したのか。トランプ大統領は許可したのか――。

ホワイトハウスを去った後、噂はいろいろあったものの、今持って定職には就いていない。

自分の生い立ちに始まり、大学を出て、海軍に入り、そして共和党本部に勤務。広報一筋に地道に歩き、最後に天下の大統領スポークスマンになった半生を綴っている。

しかし読者はスパイサー氏の半生などには興味はない。唯一関心があるのは、「いったい、今ホワイトハウス内部はどうなっているのか、トランプ大統領はロシアゲート疑惑について何を考え、囁いていたのか」だった。

ところが278ページの本を拾い読みしても新事実などはどこにもない。「羊頭狗肉」とはこのことだ。

評者の一人は、「嘘つき大統領について嘘つきが書いた『がらくたのような本』(A Dismal Book)」(ワシントン・ポストのコラムニスト、リチャード・コーヘン氏)と手厳しい。

主要紙は異口同音に本書をけなしている。

トランプ大統領との間に繰り広げられる「ニューヨーク・タイムズ」、CNNといった主要メディアとの「戦争」のすざましさが伝わってくる。スパイサー氏はつい最近までその渦中にいた人間だからだ。

https://www.realclearpolitics.com/articles/2018/07/31/spicers_dismal_book_tells_tale_of_working_for_a_liar_137666.html

本書に流れているトーンは、辞めた後も保たれている大統領への気遣いだ。悪口も批判がましいことも一切出てこない。

報道官を辞任したのは、トランプ大統領がスパイサー氏の上司である広報部長にニューヨーク金融界のヘッジファンド創業者アンソニー・スカラムッチ氏を任命したことに怒ったのが理由とされている。

スカラムッチ氏は大統領選中には物心両面からトランプ候補を支援した功労者、大統領の長女イバンカ氏や夫君のジャレッド・クシュナー上級顧問、ウィルバー・ロス商務長官が推薦したとされている(スカラムッチ氏は2週間足らずで辞任している)。

さらにスパイサー氏には以前から大統領に不満を抱いていたとの話もあった。

2017年5月末に大統領が訪欧の際にローマ法王に謁見する予定があり、カトリック教徒のスパイサー氏は同行して法王に会えることを楽しみにしていたという。

ところが大統領はこの訪欧にスパイサー報道官を同行させなかったのだ。スパイサー氏はその不満を同僚にぶちまけていたという。もっとも本書にはこの点には触れていない。

そんな経緯もあり、スパイサー氏の辞任はむしろ、大統領の人事に逆らったことに大統領が激怒した事実上の解任だともみられていた。

就任式に集まった群衆は「オバマの時よりも多かった」のか

ワシントン政界でスパイサーと言えば、今も物笑いになったエピソードがある。

トランプ大統領就任式の当日の出来事だ。スパイサー氏にとっては大統領スポークスマンとしての初仕事だった。

スパイサー報道官は、「就任式には過去最も多い人々が集まった」との声明を出した。

ところがその日の模様を報じたテレビの映像では広場の一部は集まった人の数はまばら。テレビ記者たちは「上空からの写真を見ると、オバマ大統領の就任式に比べて参加者の少なさが目立った」と一斉に報じた。

確かにオバマ前大統領の時の映像と比較すると、会場の議事堂からワシントン記念塔まで広がるモールに集まった群衆は誰の目にも少なかった。

オバマ大統領の就任式には31万7000人の群衆がワシントンを埋め尽くした。これはワシントン特別区公園管理局の発表である。

翌日午前4時半、トランプ大統領はツィートした。

「テレビの視聴率が今出た。3100万人が就任式の模様を見た。この数字はオバマ大統領の時よりも1100万人多かった」

その日午前の記者会見でスパイサー報道官は、記者団にこう釈明した。

「昨日、過去最も多い人が集まった、と声明に書いたのは、集まった群衆だけではなく、就任式の模様を中継したテレビやインターネットの視聴者を含めた数字だ」

記者団はこの論理のすり替えに、獲物に狙いを定めたハゲタカのようにスパイサー報道官に襲いかかった。

就任式当日の「この事件」は、スペンサー氏が報道官を辞める日まで記者団との間ではしこりとして残った。

米3大ネットの一つ、NBCが毎週土曜深夜に放映している超人気長寿番組「サタデーナイト・ショー」(SNL)ではスパイサー氏は毎回のように皮肉られる存在だった。

https://www.youtube.com/watch?v=INYQtYi2pKo

本書には「この事件」についてのくだりが出てくる。

「大統領の主張(3100万人が就任式を見たという)を裏づける事実がどうしても必要だった。だが、インターネットの視聴者数がいったいどのくらいだったかを立証するようなデータは見つからなかった。そんなデータは存在しないのだ」

「前もって大統領が何を望んでいるか、知るべきだった」

自分の見たことしか信用しない。側近はもとより知人の言うことは聞かない。独善的で自信家で、言ったことは絶対に訂正しないワンマン。そんな大統領に側近はどう使えたらいいのか。

「私が大統領に呼ばれた時には常に『グッド・ソールジャー』(有能な一兵卒)であらねばならないと自分に言い聞かせてきた」

「『ミスター・プレジデント、それについては目下取り組んでいる最中です』と常に言うべきだと考えてきた」

「だが、私は事前にもっと大統領と話し合うべきだし、大統領の思っていること、私に何をしてほしいのかを理解しておくべきなのだ」

スパイサー氏の自戒は、おそらく古今東西、省庁でも企業でもトランプ大統領のような「唯我独尊のワンマン」に仕える者にとっては「要諦」かもしれない。

元々、スパイサー氏は「トランプ一家」の身内の人間ではない。共和党保守本流の広報畑を地道に歩き、広報部長にまでなった生え抜きの「党官僚」。

ちなみに2016年の大統領選の際にはトランプ候補を批判していた。

報道官に抜擢されたのは、当選するまで共和党保守本流とは疎遠だったトランプ氏が党幹部とのパイプ役に使おうとしたためだ。

その点では就任当初、大統領首席補佐官に指名されたラインス・プリーバス党全国委員長と同じだった(プリーバス首席補佐官も六か月後にホワイトハウスを去っている)。

スパイサー氏の場合は、2006年から2009年まで共和党保守本流のジョージ・W・ブッシュ第43代大統領の下でメディア・広報担当通商代表補佐官までやっていた人物だ。

ブッシュ一家は大統領選予備選段階でトランプ候補を激しく批判していた。そのブッシュ元大統領(息子)の「子分」だった人物がトランプ大統領の対メディア向けの要、スポークスマンをやっていたこと自体、不自然と言えるだろう。

本書の末尾には多くの人たちへの感謝の辞が延べられている。

トランプ大統領はもとより現閣僚やホワイトハウス高官、さらにはジョージ・W・ブッシュ元大統領はじめ共和党保守本流の面々にいたるまでなんと5ページにわたってその名前が列挙されている。

まさに八方美人と言うべきか、敵を作らぬ懸命の努力と言うべきか。本書に皆が知りたい「トランプ・ホワイトハウス」の内情が出てこない理由が分かるような気がする。

森記事

2月初旬を底にドル高が進行している。エコノミストの武者陵司氏はこのドル高が米国に覇権の復活をもたらすと指摘する。果たしてドルはどこまで高くなるのか、そして、ドル高はいつまで続くのか。

(聞き手 森 永輔)

トランプノミクスの政策はレーガン大統領の経済・財政政策と同じ(写真:Fujifotos/アフロ)

—武者さんが1年前に予想していた通り、ドル高が定着してきました。ドル指数は2月初旬を境にして、上がり続けています。8月1日時点の実効為替レートは94.35。

武者:そうですね。ドナルド・トランプ米大統領が就任して以降、ドルは下がる傾向にありました。しかし、私はこれをテクニカルな調整局面だと思い、長く続くことはないと考えていました。

武者陵司(むしゃ・りょうじ)
武者リサーチ代表。ドイツ証券とドイツ銀行でアドバイザーを務める。 1949年生まれ。1973年、横浜国立大学経済学部を卒業し、大和証券に入社。大和総研を経て、1997年にドイツ証券に入社。2005年に副会長に就任。2009年、武者リサーチを設立。(写真:菊池くらげ 以下同)

ドル安基調に入ると主張する人たちは大きく二つのグループがあります。第1は景気循環を重視するグループ。これまでのドルの実質実効為替レートの動きをみると、10年のドル安、6年のドル高というサイクルを繰り返してきました。このグループの人たちは、2011年以降ドル高が続いている点に目を向け、「そろそろリセッションが近づいてきた。ドル安に向かう」と考えたのです。しかし、米経済のファンダメンタルズをみれば、米景気はさらに強くなっています。

—7月27日の発表では、米国の4~6月期のGDP(国内総生産)成長率は年率換算で4.1%を記録しました。これは2014年7~9月期以来の高い数字です。

ドル高はトランプノミクスがもたらす必然

武者:そうですね。もう一つのグループはトランプ政権の政策から米経済をみるグループです。彼らは、トランプ政権は貿易赤字を減らすため、輸出に有利なドル安を指向するとみていました。

しかし現実には米企業は海外市場で価格競争をしていません。なので、輸出振興のためにドル安を誘導する必要はないのです。

2月以降にドル高が進んでいるのは、米国経済の腰が実は強いこと、トランプ政権の政策が実はドル高を促すものであることに市場が気付いたからでしょう。

米経済が好調であればドル高につながります。経常収支の赤字が縮小し、国際金融市場に供給されるドルが減るからです。

トランプ政権は財政の拡大を指向しています。その一方でFRB(米連邦準備制度理事会)は金利を引き締めている。よって、金利は必然的に上昇します。そして、諸外国との金利差の拡大がドル高を誘発する。同様のポリシーミックスを取ったレーガン政権時代にもドル高が進みました。

さらに、トランプ政権は貿易戦争を本気で始めました。これに勝つためにはドル高が有利です。“敵”を追い詰めるためにはドル決済の道を断ち、ドルを供給しないのが最も有効ですから。これまでのイランへの制裁を振り返れば明らかでしょう。ドルは「有事のドル」どころか「真の決済通貨」なのです。 対中貿易戦争が展開する中で、米国がドル供給を断つと示唆すれば、中国のお金持ちはみなドル買いに走るでしょう。金よりも円よりもユーロよりも、やはりドルです。

ドル高でも米国から買うしかない

—武者さんは、ドル高をてこに米国が帝国としての覇権を強めていくと主張されています。ドル高と米国の覇権にどういうつながりがあるのですか。

武者:私は、トランプ大統領を帝国主義者とみています。孤立主義者、保護主義者、差別主義者――はどれも当たりません。「Make America Great Again」が意味するのは、覇権国である米国をこれまで以上に強くするということです。軍事力の拡張を宣言し世界のヘゲモニーを握ろうとしているのは明らか。

そして、中国が力をつけ続け、米国と並ぶ覇権国になること決して許しません。「中国をいかに封じ込めるか」を最優先課題にしています。それは、今まさに進んでいる貿易戦争と中国製造2025潰しをみれば明らかでしょう。

米国が中国の台頭を抑え、世界の警察官として国際秩序を再構築するためには、それを支える財政基盤と経済基盤が欠かせません。これを支えるのがドル高なのです。ドル高になれば、海外の産品を安く買うことができます。米国は必要な産品の80~90%を輸入で賄っているので、これは重要です。進んだ技術を持つ企業をM&Aすることも容易になります。これにより、さらに産業競争力を高めることができる。

—ドル高は輸出にマイナスになるので、米国の力を削ぐという見方もあります。

武者:確かにそうです。しかし、今の米国には当てはまりません。輸出に当たってほとんど価格競争をしていないからです。例えば航空機は米ボーイングと欧州エアバスの独壇場です。アップルのiPhoneが持つブランド力にとって代わる存在もありません。軍事装備品も同様です。ドル高になり、それぞれの現地通貨建ての価格が上昇しても、米国から買うしかない。

したがって、ドル高は米国の覇権、それを支える経済基盤を強化するのにプラスの面が多く、マイナス面はほとんどないのです。

ドル高はこれから20年続く

—トランプ政権はドル高を誘導する政策を進めているものの、肝心のトランプ大統領が7月20日、ドル高への不満をツイッターに投稿しました。「中国、欧州や他の国々は通貨を操作し、金利を低くしている。その間、米国は金利を上げ、ドルは日に日に強くなり、我々の偉大な競争力を奪う」と。この矛盾をどう見ていますか。

武者:トランプ大統領には為替に対する定見がないのでしょう。ドル高とドル安のどちらが適切なのか、専門家に聞いて回っているとの話が漏れ伝わっています。

その一方で、トランプ政権の経済政策を支えるスタッフはドル高を指向しています。ピーター・ナバロ大統領補佐官は中国との覇権争いに注目しており、これに勝つためにはドル高が必要であると主張しています。ドルが強くなれば、世界経済における米国のプレゼンスが高まります。世界のGDPに占める米国の割合が大きくなる。中国との交易条件も米国に有利に変わります。

—ドル高はいつでも続くとみていますか。

武者:これから20年は続くでしょう。

—え、20年ですか。

武者:長期的にみると米国は、40年にわたってドル安を容認してきました。ニクソンショックによって金との兌換を停止して以来です。これは覇権国であることを自己否定する行い。世界経済におけるプレゼンスは低下するし、米軍の世界展開にかかる軍事費を賄うのにもマイナスの影響をもたらします。これと同じだけの期間、ドル高が続いてもおかしくありません。


武者:対円ではそれほど高くはならないでしょう。1ドル=130~140円くらいでしょうか。日本企業も海外事業をさらに広げ、経常黒字を拡大させるからです。

一方、元に対しては1ドル=10元くらいまでいくのではないでしょうか。

—今は1ドル=6.8元ですから5割近いドル高ですね。

武者:ええ、人民元は劇的に弱くなります。

理由は二つ。一つは、貿易黒字が強い勢いで減っているからです。2015年をピークに年率で20%程度ずつ減少しています。その理由の一つは人件費の上昇。今では中国はアジア新興国で最も賃金の高い国になっています。これが輸出競争力を押し下げている。

製造2025はいずれ破綻する

もう一つは、輸入の増大です。国内経済を引っ張るドライバーが変わってきました。数年前までは国内投資――インフラと住宅、不動産――でした。いずれも鉄とセメントと人件費の塊です。国内景気を刺激する要素ですね。しかし、これらの投資はいずれも過剰状態になってしまった。

そこで中国が始めたのが産業構造をハイテクにシフトさせるための投資です。これを実現するためには、必要な機械や素材を輸入しなければなりません。

武者:そしてハイテクにシフトさせるための投資の波及効果は中国国内に還流せず、海外に流出してしまうのです。中国国内では作れないですから。

こうした背景から、貿易収支の悪化は避けられません。貿易黒字はあと数年でほぼゼロに至るでしょう。

加えて中国は多額のサービス赤字を抱えています。貿易黒字が減少すれば、経常赤字に転落するのは避けられません。あと3年といったところでしょうか。

—サービス赤字の根源は何ですか。

武者:いま、中国人が猛烈な勢いで海外旅行に出ていますよね。

—なるほど。だとすると、中国が進める「製造2025」はもろ刃の剣になりますね。輸入を拡大させる根源ですから。

武者:私は、この政策がいずれ破局を迎えると考えています。

経常赤字が続けば外貨準備高が減少し、人民元への懸念が再び浮上します。これが元安を生み、元流出の圧力が高まる。

中国政府はこれに対応すべく、資本規制を発動するとともに、金融引き締めに舵を切る。すると、今度はそれが不動産バブルの崩壊を促すのです。これを回避するためには、金融を引き締めつつ財政政策をぼんぼん打たざるを得ない。このような政策はいずれ破綻します。

国内的には問題を鎮圧できるかもしれません。統制国家ですから、元を無尽蔵に刷り増し、企業の会計情報も改ざんして、問題が表ざたになるのを防ぐ。しかし、海外に対してそうした措置は通用しません。問題があきらかになれば、海外企業は資金を回収する動きに出るでしょう。中国経済は海外からの投資によって成長してきました。このドライバーを失うことになるのです。

米国企業が生み出すイノベーション


武者:米国にその能力があるのか、ということですね。私はあると考えています。インターネットの時代に入り、米国企業が世界最大のイノベーションを生み出しているからです。プラットフォーマーは、中国を除けば、米国企業が独占しています。グーグルしかり、フェイスブックしかり、です。

米国の経常収支をみると、サービスと一時所得収支の黒字が2000年代半ばから拡大しています。これは、まさしく、インターネットプラットフォーマーが海外における事業を拡大したこと、知的財産権の販売を拡大したことを示しています。米国企業が海外で稼いだ約3兆ドルの資金を米国に還流させることなく積み上げているのはこの証左です。

40年にわたるドル安は、企業競争力の低下と、それに伴う経常収支の赤字、それが導くドル供給の増大が原因でした。米国の経常赤字は拡大を続け、2006年には8000憶ドル、GDP比5.7%に達しました。この流れが今は逆転しています。

新たな産業革命がトランプノミクスを支える

—トランプノミクスが米国経済を弱らせるとの見方があります。トランプ政権が進める積極財政と減税が国債の発行を増やし、金利を上昇させる。これが、企業活動の負担となり、米国の景気を冷やす、というシナリオです。そうなれば、ドル高と米国の覇権の復活は遠のく。この見方に対してはどう考えますか。

武者:通常の場合ならば、確かにそうでしょう。しかし、今は通常の時ではありません。

景気が良いのに物価が上がらない。失業率は低下しているのに賃金は上がらない。金利も上がらない。2005年にFRBのグリーンスパン議長が「コナンドラム(謎)」と呼んだのと同じ現象が起きているのです。

これは、新たな産業革命が起きているからです。インターネットの時代になり、供給力に天井がなくなりました。大きな投資をしなくても、企業は供給力を拡大することができるようになった。なので、インフレが起こる前に供給力を上げることができるのです。

—IT(情報通信)の世界が分かりやすいですね。音楽レーベルは楽曲のファイルをコピーするだけで新たな製品を製造することができます。製造コストはほぼゼロ。スマートフォン用のアプリを開発しているメーカーもほぼコストゼロで新たなソフトをコピーし、ダウンロードに供することができます。

武者:そうです。言い換えれば、サービスを投入するにあたって、投入する資源がほとんど必要なくなったのです。だから物価も金利も上がらない。この状況にある限り、トランプ政権が進めるドル高政策が米国経済を傷つけることはないと考えます。

—武者さんが指摘される新たな産業革命の担い手は、グーグルやアップルをはじめとするIT大手ですね。いま、これらの企業に対する圧力が高まっています。フェイクニュースへの対応をめぐってフェイスブックは逆風にさらされている。グーグルも7月、OS「Android」の支配的地位を乱用しているとしてEU(欧州連合)から43億超ユーロの制裁金を科されました。こうした逆風がさらに強くなり、新たな産業革命がとん挫、ドル高をてこにした米国の覇権強化の足を引っ張ることはありませんか。

武者:そこは読めないところです。ただし、いくらペナルティーを科しても、例えばグーグルに代わるプレーヤーがほかにあるでしょうか。とって代わるのは難しい気がします。そうだとすると、サイバー世界における支配力を米国企業が高めこそすれ、低下させることはないのではないでしょうか。

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『防衛力を弱体化させる韓国の愚、ほくそ笑む北朝鮮 トランプ・文大統領の政治ショーで失ったものはあまりに深刻だ』(8/3JBプレス 渡邉悦和)について

8/5阿波羅新聞網<人民币贬势一发不可收拾 中共阻贬 市场预期终将破7=人民元の下落の勢いは一旦起きれば止められず 中共は阻止しようとしているが市場予測は7.0を突破するだろうと>2008年から中国では7.0を突破したことはない。WSJは、人民元下落は中国の輸出に有利に働き、高関税賦課を打ち消すが、資本の海外逃避を招き、更なる下落を引き起こすと。人民元の下落は4月中旬から起こり、今週には14ケ月ぶりの記録的な下落となった。7を守れるかどうかがキーポイント。ドイツ銀行は本年末には6.95まで行くと。

ハイパーインフレになるように米国は持って行った方が良いでしょう。中国国民も食糧輸入品が値上がりして、怒るのでは。打倒中共になるように誘導した方が良い。

http://www.aboluowang.com/2018/0805/1153916.html

8/5希望之声<政治传言不休假!港媒:元老们到了 但不会逼习下台=政治に対する流言は休みを知らず 香港メデイア:元老は到着 但し習を下ろすことはできない>情報通は香港メデイアの博聞社に「北戴河会議以前は流言が飛びかい、非難されるのではと言われていたが、全く逆で、就任以来一番声援が多かった」と。北戴河会議は依然として注目を集めている。今年は中国の国内外で情勢が複雑になっていることが関係しているだけではない。北戴河会議前後には毎年流言が飛び交う時期である。これは中共がお互い潰し合うのと関係しているし、密室政治で外に漏らさないことから来るものである。

政治について流言飛語が飛び交うし、情報発信者はいろいろな思惑で発言するので、何が正確な情報かは今の所分からないと言ったところでしょう。

https://www.soundofhope.org/gb/2018/08/05/n2041275.html

8/6看中国<朝鲜欺骗行径被揭穿 联合国报告指证历历(图)=朝鮮の欺瞞は明らかにされる 国連報告書は証拠を上げて指摘>国連の独立グループの報告では北朝鮮は40隻、130会社と瀬どりして給油を受けたり、石炭の売買をしていると。また、海産物の売買もしているのは国連決議違反。リビア、イエメン、スーダンには軽火器や軍事設備を売り、中国、インド、タイ、トルコ、スリランカ、メキシコに紡績品を売り1億$稼いだ。また鉄鋼を中国とインドに売り、100万$を金正恩は得た。149頁からなる報告書は国連安保理に提出された。ワシントンポスが報道した。8/3ポンペオはASEAN会議で記者に「北朝鮮は依然として武器を開発、リーダーの非核化の約束に違背している」と述べた。8/4にポンペオは中国、ロシア、その他の国に対北への制裁に違反しないよう、北への外交と経済圧力が重要と警告した。ただ、制裁は既に緩んできている。

渡邉氏の述べている通り、今の所トランプは金正恩にしてやられた感があります。北と取引する企業と国に金融制裁をかけて、自由主義諸国と貿易できなくしませんと。

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/08/06/866788.html

8/5の本ブログでお伝えしましたように、青山繁晴氏によれば米軍は北朝鮮へ攻撃の準備をしているようですが、トランプがどう考えているかです。北より先に中国をやっつければ北も米国に靡くと思っているのかどうか。金正恩がトランプにあてた書簡の内容が気になります。トランプはそれに返事したとのことですが。内容は分かりません。

8/4ライブドアニュース<トランプ大統領が金正恩氏からの書簡に返信 ツイッターで表明>

http://news.livedoor.com/article/detail/15113188/

米朝間では表面には出て来ない何かがあるのかもしれません。それを期待したいと思っています。しかし、韓国の劣化は止まるところを知りません。日本も笑ってばかりはいられません。中国の沖縄侵攻への備えが十分ではないと思っていますので。沖縄の政治をまともにするためには、琉球新報と沖縄タイムズ(各15万部)に替わって八重山日報(9000部)が主流にならないと。財界も応援したらよいと思いますが。

記事

韓国、軍事境界線から兵員の一部撤収を検討「信頼醸成措置」で。写真は 南北を隔てる非武装地帯(DMZ)内にある板門店で、韓国兵らを監視する北朝鮮兵ら(2017年11月27日、資料写真)。(c)AFP PHOTO / KOREA POOL〔AFPBB News

6月12日に行われた米朝首脳会談は歴史的な会談だと当初喧伝されたが、それが幻想であったことが明らかになってきた。

本稿においては、米朝首脳会談を契機として、自国の防衛力を弱体化させても北朝鮮宥和路線をひた走る文在寅政権の危うさを明らかにするとともに、我が国にとっての教訓について記述する。

北朝鮮が得たもの

6月12日に実施された米朝首脳会談は、世界の多くの人たちに朝鮮半島の未来に対する希望を抱かせた。

我が国においても、普段は北朝鮮に厳しい発言をしている保守的な人たちでさえ、「北朝鮮に何か歴史的な変化が起こるのではないか」と期待する者がいた。

しかし、これらの楽観的希望は幻想だった。

私は、米朝首脳会談の開催前から、「この首脳会談は政治的なショーにしか過ぎない。過去20年以上にわたり北朝鮮に騙されてきたが、同じことが繰り返されるだろう」と主張してきた。

中身のない首脳会談の合意文書を読み、ドナルド・トランプ大統領の記者会見を聞くにつけ、私の考えは確信に変わった。

結局、米朝首脳会談は北朝鮮にとっての大きな勝利となり、北朝鮮が得たものは以下の諸点だと思う。

(1)会談前に米国が最も重要だと主張していた「完全で、検証可能で、不可逆的な非核化」(CVID: Complete Verifiable Irreversible Denuclearization)という語句を合意文書に記述させなかった。

そのため、検証可能性と密接不可分な核兵器の申告などで北朝鮮の反論の余地を残してしまった。実際に、3回目の訪朝をしたマイク・ポンペイオ国務長官に対して、北朝鮮は「申告だとか検証だとか強盗のような要求ばかりした」と批判したのだ。

(2)北朝鮮は安全の保証を得た。これは、米国の先制攻撃の可能性が極めて低くなったことを意味し、金正恩委員長は枕を高くして寝ることができることになった。

(3)「北朝鮮の完全な非核化」ではなく、「朝鮮半島の完全な非核化」が盛り込まれた。この朝鮮半島の完全な非核化に関する北朝鮮の解釈は、北朝鮮の非核化のみならず、在韓米軍の撤退と米国の核の傘をなくすことを意味する。

(4)南北首脳会談の実施により、融和的ムードが広がり、国連の経済制裁を骨抜きにするチャンスを得た。

核兵器を放棄しようとしない北朝鮮

6月12日から50日が経過したが、結果は私が予想したとおりになってしまった。北朝鮮は、非核化に関する具体的な行動を何もとっていないばかりか、核兵器の開発と弾道ミサイルの開発を継続しているという情報さえ出てきている。

例えば、7月30日付のロイターによると、「北朝鮮が最初の大陸間弾道ミサイルを製造した平壌郊外の山陰洞(サンウムドン)にある大規模な研究施設で活動を再開している」という。

北朝鮮は核兵器を放棄しないし、弾道ミサイルを放棄することもない。それらを放棄することは自らの死を意味することだと思っているからだ。

トランプ大統領は、あまりにも拙速に歴史的な成果を求めすぎた。

北朝鮮と長年交渉してきた外交のプロの多くが一様に主張するように、「北朝鮮と交渉する時、解釈の余地がある文書に署名した瞬間、ゲームは事実上終わる」のだ。

あまりにも拙速に首脳会談を開催したこともあり、米朝の合意文書は「解釈の余地があまりにもありすぎる文書」となり、その当然の結果として、北朝鮮はその合意文書を根拠として、首脳会談後の交渉を長引かせている。

首脳会談前に米国側があれほど強調していたCVIDは、合意文書に全く盛り込まれなかったばかりか、いまやCVIDという用語さえ使うなという指示がトランプ大統領から出ていると噂されている。

最近では、ポンペイオ国務長官などは、CVIDの代わりに「最終的で十分に検証された非核化」(FFVD:Final, Fully Verified Denuclearization)という語句を使っている。「完全で、不可逆的」を削除したFFVDはCVIDから明らかに後退している。

米国が当初目指した、短期の非核化はほぼ絶望的な状況だ。

米韓は合同軍事演習を中止したが、北朝鮮は不必要になった核実験場の入り口を爆破しただけで、時間稼ぎをしている。非核化実務協議のためのワーキング・グループを作るという米国との基本的合意さえ守っていない。

協議が長引くほど、北朝鮮の核保有国としての地位が確定していく。我が国にとって脅威となる核兵器や短・中距離弾道ミサイルは温存される。

結局、トランプ大統領が首脳会談の記者会見で大見得を切った「北朝鮮の核脅威は存在しない」という発言はフェイクだったのだ。

以上のような状況にもかかわらず、いまだに「米朝首脳会談により北朝鮮の非核化が実現する」などという幻想を信じている者に対しては、「幻想は捨てて、現実を直視しなさい」と言うしかない。

「幻想を捨てて、現実を直視すべき」という言葉が最も当てはまるのは韓国の文在寅大統領かもしれない。

文大統領は、米朝首脳会談以降の偽りの緊張緩和を利用して、矢継ぎ早に韓国の防衛態勢を弱体化させる決定を行っている。その実態を以下に記述する。

韓国の「国防改革2.0」の諸問題

韓国の国防部は、今後の国防態勢に関する「国防改革2.0」の基本方向を文大統領に報告し、確定したと発表した。

問題はその内容であり、報道されている内容をみると、「国防改革」ではなく、希望的観測に基づく「国防改悪」ではないかとさえ思えてくる。

「攻勢的新作戦概念」の廃棄

今回の「国防改革2.0」の注目点の一つは「攻勢的新作戦概念」が削除されたことだ。「攻勢的新作戦概念」とは、「韓国軍が北朝鮮との全面的な戦争に陥った場合、韓国軍が平壌を2週間以内に占領して、短期間で戦争に勝利する」という作戦概念だ。

この作戦概念は、宋永武(ソン・ヨンム)国防長官の代表的な作戦構想であり、「有事の際、『最短期間、最小の犠牲』で戦争を終結させることができ、平時には北朝鮮の挑発を抑止する効果がある」と説明してきた。

国防部が当初大統領府に提出した「国防改革2.0」には、「攻勢的新作戦概念」が盛り込まれていたが、大統領府が反対をし、最終的に「攻勢的新作戦概念」は削除されたという 。

北朝鮮との友好関係を重視する大統領府が、「韓国軍が2週間以内に平壌を占領して、短期間で戦争に勝利する」という北朝鮮が嫌う韓国軍の攻勢的な作戦構想を廃棄したのであろう。

韓国軍の兵力削減と兵役期間の短縮

「国防改革2.0」には韓国軍の大規模な兵力削減計画が盛り込まれている。

韓国軍の総兵力を現在の61万8000人から、11万8000人を削減して2022年までに50万人へ縮小するという。この11万8000人の削減は全て陸軍の削減(約24%削減)であり、陸軍は約50万人から約38万人に削減される。

この削減は、文在寅政権の陸軍に対する厳しい姿勢の表れである。

なお、将官定員も76人を削減(陸軍66人、海軍および空軍はそれぞれ5人の削減)し、436人から360人に約17%削減されることになる。

陸軍の削減に連動して、5年後には最前線を守る師団数も11個師団から9個師団に減少し、各師団が担当する正面幅は現在のおよそ2倍である約40キロにまで拡大する。5年後の劇的な変化に対応ができるか否かが問われている。

韓国は徴兵制を採用しているが、その兵役期間についても短縮され、陸軍・海兵隊で21か月から18か月へ、海軍で23か月から20か月へ、空軍で24か月から22か月へ、それぞれ短縮される。

ただでさえ少子化で兵力は減っていくので、兵役期間を延長して兵力を維持しなければならないところだが、逆に兵役期間を短縮するという。

一方、北朝鮮は7~10年もの長期勤務する128万人の兵力を保有している。

この兵力が一挙に攻撃してきた場合、18カ月兵役の50万人の韓国軍は本当に防ぐことができるのかと、韓国の保守的メディア(朝鮮日報など)は批判している。南北間の兵力などの比較については、下図を参照してもらいたい。

図「南北間の兵力と兵役期間の比較」

(出典:Chosun Online)

以上のような韓国の一方的な兵力削減と兵役期間の短縮は、韓国の国防力の低下を意味し、北朝鮮に対する抑止力の低下につながるであろう。

本来任務を忘れた韓国の情報機関

批判される国家情報院

韓国には国家情報院という情報機関が存在するが、かつて韓国中央情報部(KCIA)と呼ばれていたので日本人にもなじみの深い組織だ。

国家情報院は、北朝鮮の脅威から韓国を守るために存在する第一線の情報機関で、その任務は「北朝鮮の脅威に関する動向の探知、スパイの摘発・逮捕」だ。

いかなる政治的状況であろうと、北朝鮮がいかなる意図を保有し、いかなる作戦を計画しているのかを分析・評価するのが国家情報院の役割だ。

ところが、最近の国家情報院は北朝鮮の脅威把握をほとんど放棄してしまっているという。

たとえ大統領が「北朝鮮は変わった」と強く主張しても、国家情報院は最後まで北朝鮮が隠している安全保障リスクを探知し、警告を発しなければならないが、その役割を果たしていないという。

国家情報院長は、4月27日の南北首脳会談に同席し、その場で感激して涙を流したという。情報機関トップというよりも、南北対話のためにポストに就いているようだと批判されている。

さらに、私には信じられないが、国家情報院は、スパイ捜査権を警察に移管することを目指しているという。

これは、自らの最も重要な任務を放棄するに等しい。韓国の防諜能力は確実に低下し、金正恩委員長を喜ばせるであろう。

非武装地帯の警戒監視体制の縮小計画

さらに問題だと思われるのが、国境付近の非武装地帯における警戒監視体制を縮小する計画だ。

非武装地帯に設けている監視所から兵士や兵器の撤収を行う計画があるという。これは韓国国防部が7月24日に国防委員会に提出した資料で明らかになった。

この計画は、4月に実施された南北首脳会談で発表された板門店宣言の項目である「DMZ(非武装地帯)の平和地帯化」に沿った措置だ。

監視所からの撤収を試験的に実施し、その後に全面的な撤収や共同警備区域(JSA)の警備要員の縮小などの非武装化を行う計画だという。北朝鮮にとっては願ってもない状況で、手薄な国境地帯から韓国への浸透が容易になるだろう。

韓国政府による国連経済制裁骨抜きの動き

国連で中露と共に北朝鮮に対する制裁の緩和を画策する韓国政府

韓国外交部の康京和(カン・ギョンファ)長官が20日、国連安全保障理事会のブリーフィングで、「南北朝鮮間には対北朝鮮制裁の例外が必要だ」と言及したという。
康長官は、公式には「北朝鮮の非核化まで制裁は維持されなければならない」と言っているが、安保理では「韓国が北朝鮮との対話・協力を引き出すために、例外を認めてもらいたい」と文在寅政権の本音を代弁している。

一方、中国とロシアは、同日の安保理で対北朝鮮制裁の一部解除を要求したが、米国の抵抗にあい断念した。韓国は、中ロと共に対北朝鮮制裁を骨抜きにしようとしている。

経済制裁破りを黙認する韓国政府

韓国政府は、北朝鮮産石炭の国内搬入を知りながらも処罰せず、国連制裁を破った船の入港・通過をその後も許可していた。実例を示す。

北朝鮮の元山で石炭を積みロシアに向け出港し、ロシアのホルムスク港で石炭を下し、その石炭を第三国船籍の船に乗せて韓国に搬入するという例だ。これは明らかに安保理決議違反だ。

また頻繁に行われている瀬取り(北朝鮮の船に他の船を横づけすることにより石油などの船荷を移し替えること)についても韓国政府は黙認している。

北朝鮮の非核化のためには、北朝鮮に対する経済制裁は不可欠であるが、韓国政府が安保理決議違反を見逃している状況は大問題である。

そして、国際社会全体から経済制裁を受けている北朝鮮に対し、やみくもな経済協力を提案することも大問題だ。

最悪の事態に備えるのが安全保障の鉄則

韓国の国家防衛上の自殺行為を我が国の教訓とせよ

以上みてきたように、北朝鮮の非核化に関する具体的な成果が何もない状況において、北朝鮮の善意を前提として大幅な兵力削減を計画し、兵役期間を短縮し、38度線の警戒監視体制を緩めようとしている。

韓国の一方的な軍事力の弱体化の動きは自殺行為と言わざるを得ない。

相手の善意や「まさか攻撃するはずはない」という思い込みに基づいて、自らの国防政策を決定することは愚かである。国家の指導者や安全保障に携わる者は、「最悪の事態を想定して、それに万全の態勢で備えること」が鉄則だ。

北朝鮮は、今なお韓国の生存を脅かす最大の危険要因であり、「偽りの平和」に酔いしれるのは危険である。

日本の自助努力が重要

トランプ大統領は、北朝鮮の非核化が進捗していないという批判に対して、「北朝鮮は9か月間ロケットを発射していないし、核実験もしていない。日本はハッピーだし、アジア全体がハッピーだ」とツイートしたが、極めて不適切である。

なぜならば、北朝鮮の核兵器は変化なく存在し、短・中距離弾道ミサイルも廃棄されていない。我が国にとって北朝鮮は依然として脅威である。

日本にとってハッピーな状況ではなく、最悪の状況だ。

トランプ大統領にとっては短・中距離弾道ミサイルは脅威ではないし、北朝鮮が喧伝するICBMでさえ完成された兵器ではなく、米国にとって脅威ではないと思っているのだ。

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『中国を揺るがした欠陥ワクチン事件の全貌 言論統制と放置される被害者たち』(8/3日経ビジネスオンライン 北村豊)について

8/4阿波羅新聞網<传习近平做检讨 威望受损 和王沪宁同成靶子 李小鹏获任特使=習は自己批判したと伝えられる 権威は損なう 王滬寧と一緒に標的になる 李小鵬は特使に選任>李鵬元総理の子である李小鵬・交通運輸大臣は特使として8/7コロンビア大統領の交代式に出席予定。これは習に対する忠誠への報奨であると言われている。習の地位は自己批判したとしても安泰との見方である。反腐敗運動は成果を上げたので停止し、今は范冰冰に代表される芸能界の脱税問題に目が移っている。

人権組織代表の楊建利は「見通しとは何か?将来の形勢を見積もることである。それと実現可能性もある。例えば3月には皆習が大権を握り、政権は安定、敢えて動こうとはしなかった。反旗を翻すことは考えられなかったが、女性が習の肖像に墨を投げてから、皆の見通しに変化が生じた。経済も政治にも影響を与えている。解決すべき6つの問題、就職、金融、貿易、外資、投資、仕事の見通しについてソフトランデイングできるようにすべき。重要なのはソフトで習政権もソフトにならねば。

海外メデイアの中国語版「世界日報」は8/3に「習近平の権威は脆弱になっていると北京の情報通は証拠を上げて説明。中共内部の状況は以下の通り。①多くの元老が、習が早まったのは阿諛追従の輩の言う通りにしたからと批判②中米貿易問題の対応はマズイ。中国の経済発展上の困難を増幅させる③各方面は一致して習に「功を焦り、向こう見ずに進んだ」ことの反省を求め、「小人を遠ざけ、賢臣を近くに置く」よう頼んた④伝えられるところによると、習は既に謙虚に諫言を受入、軍政も調整に入った⑤習の地位は当面は安泰、今は外には貿易戦争があり、内には知識分子や世論の圧力があって、この時期に王様を替える、または内輪もめするのは中共にとって自殺行為に等しい⑥習近平の権威は大きく削がれた」と報道。

今北戴河会議が開かれていますが、習は元老から攻め立てられて、恭順の意を示したと言う所でしょう。それが世界日報の情報なのでは。でも貿易戦争を継続させ、中国の経済をガタガタにして、バブル崩壊のトリガーになるよう願っています。中国の世界制覇の野心があからさまになっていますので、ここで中国が米国に頭を下げても追及の手を緩めることには反対です。「遅れて来た帝国主義者」宜しく他国の領土・領海を侵略しようとしていますので。

http://www.aboluowang.com/2018/0804/1153519.html

8/5看中国<疫苗丑闻大爆发 乙肝、麻腮风、卡介苗亦沦陷(组图) 陕西多例儿童被接种过期疫苗=ワクチンの醜聞は大爆発 B型肝炎、三種混合、BCGも劣化 陝西省は多くの児童にワクチンを接種>長春長生、武漢生物の偽ワクチン事件に続き、陝西商洛の期限切れワクチンの問題が発生した。2017年7月14日に期限が切れる三種ワクチンを2018年3月1日に接種した。これだけではなく、調べれば期限切れが多く接種されていた。父母は子供の健康を考え、中国製のワクチンに不安を覚え、民間医療機関にも不信感を持ち、製薬会社の腐敗にも不満を持っている。ただ医者は政府が提供しているただのワクチン以外は、自己注射用のワクチンを売っているだけ。10数年前にもワクチン問題は起きていた。大衆の怒りが爆発、時を置かず、別な醜聞が流れたら、大変なことが起きても仕方がない。

偽ワクチン事件は「役人が我が国を害している」からである。

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/08/05/866749.html

中国は嘘で成り立っている「不信社会」です。騙される方が悪いという社会です。最も悪いのは中共政府で、暴力団の親玉と一緒です。国民がいくら犠牲になっても、自分達の懐が潤えば良いと思っている訳ですから。今度のワクチン事件もその氷山の一角でしょう。やはり「元から断たねばダメ」で、中共政府を倒さない限り、中国国民に幸せは訪れないでしょう。

北村氏の記事も、中国が如何に腐っているかが分かる記事です。賄賂があらゆる場面で顔を出し、社会的な伝統となっていますので、法で取り締まるのにも限界があります。贈収賄は民族的特質となっています。それによって人生が狂わされる人は多くいるでしょう。本記事に出て来る人達のように。“没办法=仕方がない”“吃个哑巴亏=泣き寝入りする”だけでは、住んでいる世界は変わりません。国民自ら中共打倒に動くことを期待したいです。

記事

21.5万人もの児童が欠陥ワクチンを接種されたことに世論は怒りで沸騰した。

事件の発端は、7月15日に“国家薬品監督管理局”が出した通告だった。それには次のように書かれていた。すなわち、吉林省“長春市”を本拠とするワクチンメーカー“長春長生生物科技有限責任公司”(以下「長春長生」)は、フリーズドライの“人用狂犬病疫苗(人用狂犬病ワクチン)”生産過程に記録改ざんなどの“薬品生産質量管理規範(薬品生産品質管理基準)”に対する厳重な違反行為が存在し、長春生物に対して狂犬病ワクチンの生産停止を命じた。

翌7月16日、親会社の“長生生物科技股份有限公司”(以下「長生生物」)は、子会社の長春長生は市場にある有効期限内の人用狂犬病ワクチンを全て回収したと発表した。また、7月17日には、指摘を受けた人用狂犬病ワクチンは市場へ出荷していないし、市場にある人用狂犬病ワクチンは国家基準に適合していると声明を出した。

7月19日、長生生物は声明を発表して、子会社の長春長生が“百白破疫苗(三種混合ワクチン)”<注1>の生産・販売に関して、“吉林省食品薬品監督管理局”により86万元(約1420万円)の違法所得を没収されると同時に、違法⽣産薬品価額の3倍の罰金、258万元(約4260万円)を科せられ、その総額は344万元(約5680万円)に達したと表明した。

<注1>“百白破疫苗”とは、“百日咳、白喉(ジフテリア)、破傷風”の混合ワクチンを意味し、日本では「三種混合ワクチン」と呼ばれる。

7⽉20⽇、吉林省⾷品薬品監督管理局は上述の罰金を含む⾏政処罰を公⽰したが、そこには以下の記述が含まれていた。

(1)長春長生が生産した三種混合ワクチンは“中国食品薬品検定研究院”によって検定された結果、薬効項目が基準に符合せず、品質不良の“劣薬”と判定された。
(2)検査を経て、長春長生の生産ロットNo.201605014-01のワクチン合計25万2600本が全て山東省“疾病予防控制中心(疾病予防コントロールセンター)”(以下「疾病予防センター」)へ販売され、山東省の“済南市”を始めとする8市へ流入し、21万5184人の児童に接種されたことが判明した。

過去の事実関係を隠蔽した行政処罰

ところが、上述した行政処罰の内容は過去の事実関係を隠蔽したものであることが判明したのである。それは以下の事実だった。

2017年11月3日、中国政府“国家食品薬品監督管理局(現:国家市場監督管理総局)”は公告を発表し、ワクチンメーカー“長春長生生物科技公司”(以下「長春長生」)における製品の抜き取り検査を行ったところ、25万本の三種混合ワクチンが基準不適合であることを発見したと報じた。そればかりか、長春長生では生ワクチン生産記録の改ざんなどの『“薬品生産質量管理規範(薬品生産品質管理基準)”』に対する違反行為が発見されたとも伝えた。

要するに、長春長生はこれら基準不適合とされた25万本の欠陥ワクチンを廃棄処分とするよう命じられたにもかかわらず、密かに山東省政府傘下の疾病予防センターへ販売し、同センターが省内8市の医院や診療所へ正規品として流通させ、21万5184人の児童が欠陥ワクチンの接種を受けたということである。

欠陥ワクチンが山東省政府傘下の疾病予防センターを通じて流通し、21.5万人もの児童に接種されたことに、子供を持つ親たち、特に山東省の親たちは激しいショックを受けた。さらに、子供たちの生死にかかわる問題を引き起こした長春長生に対して吉林省食品薬品監督管理局が科したのが、わずか344万元(約5680万円)の罰金であったことは人々を驚かせ、中国の世論は沸騰し、その矛先は吉林省食品薬品監督管理局に止まらず、中国政府の監督管理能力へも向けられた。

2008年8月に開催された北京オリンピックが閉幕した直後の9月に、中国では化学物質の“三聚氰胺(メラミン)”が混入した粉ミルクを飲んだ乳児約4万人が腎臓結⽯を発症した、「2008年中国奶粉汚染事件(中国粉ミルク汚染事件)”」が発生した。国民の不満は中国共産党と中国政府へ向かい、党と政府は事態の収拾に全力を投じ、国民の信頼回復に腐心した。今回の欠陥ワクチン事件は接種児童の数が21.5万人で、万一にも多数の児童に欠陥ワクチンによる影響が出たら一大事である。党と政府内部には緊張が走った。

習近平が管理体制の強化を指示

7月23日、アフリカのルワンダを訪問中の中国国家主席“習近平”は、中国国内で欠陥ワクチン事件が発生したとの報告を受けて、「“悪劣, 令人蝕目驚心(悪らつで、目をそむけたくさせる事件だ)”」と述べ、「“猛薬去疴、刮骨療毒(劇薬で病を治し、骨を削って毒を治療する)”決意で、ワクチン管理体制を完璧なものとし、安全の最低ラインを断固死守せよ」と強調した。

一方、“国務院”総理の“李克強”は、欠陥ワクチン事件の発生を知ると即座に指示を出し、国務院は直ちに調査チームを派遣し、ワクチン生産・販売などの業界全体の徹底調査を行い、早急に実態を明らかにするよう命令すると同時に、「“不論渉及到哪些企業、哪些人都堅決厳懲不貸、絶不姑息(たとえどのような企業、どのような人に関係しようとも、容赦することなく厳罰に処し、絶対に目こぼしするな)”」と発破を掛けた。

長春長生の3種混合ワクチンに問題があるなら、その代用品として考えられるのは中国政府直属の“中央企業”であり、湖北省“武漢市”を本拠とする“武漢生物製品研究有限責任公司”(以下「武漢生物」)の3種混合ワクチンである。

ところが、湖北省食品薬品監督管理局が7月27日にネット上で公表したところによれば、上述した2017年11月3日付で発表された国家食品薬品監督管理局の公告には、武漢生物が2016年に生産した3種混合ワクチン(ロットNo.201607050-2)約40万本は薬効が不合格であることが判明したという旨の記載もあったのだという。

当然ながら、これら欠陥ワクチン約40万本は廃棄処分を命じられたはずだが、武漢生物は欠陥ワクチンを平然と重慶市疾病予防センターと河北省疾病予防センターへそれぞれ19万本、21万本を販売したのだという。この違法行為に対して、武漢市食品薬品監督管理局は、2018年5月29日付で違法所得の没収と罰金を科したと報じられているが、罰金の金額は非公開であり、その内容を明記しているはずの行政処罰決定書も公表されていないという。

なお、7月27日、湖北省食品薬品監督管理局は、武漢生物が生産した3種混合ワクチン(ロットNo.201607050-2)が不合格となった原因は、ワクチンを小分けする設備が短時間故障したことにより、混合液が不均一なものとなったためと公表した。

上述した長春長生製の3種混合ワクチン25万本と武漢生物製の3種混合ワクチン40万本について、長春長生と武漢生物の両社は人体に対する安全性に問題はないと言明している。だが、果たして両社が言うように人体には何も影響がないものなのか。あるいは、国家と結託して、たとえ多少影響が出たとしても、別の病気によるものとして処理するつもりなのか。ワクチンを接種した児童の多数に共通した症状が出ない限り、その原因が欠陥ワクチンによるものだと提起することは困難である。

さて、2016年12月23日、湖北省“恩施市”に住む“鄧紅華(とうこうか)”は1歳になったばかりの息子“覃梓衿(たんしきん)”に、隣接する“宜昌市長陽県”にある“枝柘坪衛生院(診療所)”で、“水痘疫苗(水疱瘡ワクチン)”の接種を受けさせた。ワクチンの注射を受けた後に覃梓衿は発熱したが、医師は正常な反応だと言い、鄧紅華も医師の判断を信じたが、3日目になっても高熱は下がらなかった。心配になった鄧紅華は覃梓衿を診療所へ連れて行き、医師に診察を求めたところ、医者は感冒だと診断して、解熱剤を処方した。しかし、4日目に覃梓衿の病状は急激に悪化し、手足は氷のように冷たくなり、ひきつけを起こすようになった。慌てた鄧紅華は車で覃梓衿を医院へ運んで入院させたが、入院後間もなくして覃梓衿は薬石効なく亡くなったのだった。

生前の覃梓衿は利口で元気な、滅多に病気をしない健康な子供だった。それが水疱瘡ワクチンを接種した後に突然発熱し、わずか4日後には急逝した。その原因は水疱瘡ワクチンの接種以外には考えられない。こう考えた鄧紅華は当局に検死を要求し、死因の徹底追究を要望した。検死報告書には次のように書かれていた。すなわち、覃梓衿の死因は、肺炎と腸炎の併発による急性の呼吸・循環機能不全であり、ワクチン接種とは関係ない。ワクチン接種を受けた時が何かの病気の潜伏期に当たっていたため、ワクチン接種後にその病気が発症したものであり、たまたまワクチン接種と病気発症の時期が重なったに過ぎない。

検死報告書の内容に納得できなかった鄧紅華は、検死結果の再検討を要請すると表明した。鄧紅華が調べたところによれば、息子の覃梓衿が接種を受けた水疱瘡ワクチンは、渦中の長春長生が生産した製品(ロットNo.201701004)であった。ところが、当局は証拠となるべきロットNo.が同一のワクチンを隠滅して、証拠隠しと考えられる行動に出たのである。さらに、上述したように7月20日過ぎに欠陥ワクチン問題が発生した後には、公安局派出所の警官、医院関係者や政府の役人などが次々と鄧紅華の住居を訪れた。彼らの来訪は慰めの言葉を掛けるとか賠償について協議するのではなく、問題の解決は地元で行うからと、彼女に“上訪(上部機関へ陳情すること)”を禁止する旨の通告を行うためだった。

相次ぐワクチン接種に関わる悲劇

ワクチン接種に関わる悲劇は枚挙にいとまがないが、典型的な例を2件紹介する。

《その1》
2014年6月4日に陝西省“宝鶏市鳳県”で生まれた女児の“雷鑫睿(らいしんえい)”は、生後11カ月の時に武漢生物製のA群流行性脳脊髄膜炎のワクチン接種を受け、発病して“西安市児童医院”に救急搬送されたが、4年が経過した現在では四肢が麻痺し、意識を失い、咀嚼能力を喪失している。嚥下が困難なため、少量の流動食で生命を維持しているが、目も見えない状態にある。母親の“雷霄(らいしょう)”は、陝西省や宝鶏市の衛生局、“鳳県”の疾病コントロールセンターなどに陳情を続けているが、どこも相手にしてくれていない。3年間で治療費に50万元(約825万円)以上費やしたが、もう借金する場所もない。

雷霄とその夫の“雷玉良”は2016年に祖母と共に娘を連れて北京市へ行き、娘に治療を受させたが、その間に彼ら夫婦は中国政府「国家衛生・計画生育委員会(現:国家衛生健康委員会)」に陳情を行った。ところが、突然に鳳県政府と公安職員が夫婦を無理やり車に乗せて鳳県へ連れ戻し、雷霄は1カ月以上拘置所に入れられ、その後は住居監視に処せられた。夫の雷玉良と祖母は“尋釁滋事罪(騒動挑発罪)”で拘留された後、保釈となった。

保釈されて出て来た時には娘は息絶え絶えの状態であった。今では彼らが北京市で娘の治療を受けようとすると阻止されるのである。

《その2》
山東省“日照市”に住む“厲常栄(れいじょうえい)”の娘“萱萱(けんけん)”は、生後8カ月と20日で「パパ、ママ」と話し、1歳の時には上手に歩き、1歳7カ月の時には自分で食事をするほどで、何でもできる賢い娘だった。2015年11月12日、萱萱は“麻顋風疫苗(MMRワクチン)”<注2>と3種混合ワクチンを接種したが、その日の夜から発熱し、3日目にはひきつけが始まった。その後、萱萱は医院のICUに入院して半月の間けいれんを続け、重傷ウイルス性脳炎と診断された。有名な専門医に診てもらった結果はワクチンの異常反応というものだった。地元の医師では手に負えないということで、大きな医院で2年7カ月治療を受けた結果、座ることと這(は)うことはどうにかできるようになったが、歩くことができないばかりか、咀嚼することもできず、ずっと流動食の生活を続けている。

<注2>MMRワクチンとは、麻疹(Measles)、おたふくかぜ(Mumps)、風疹(Rubella)のワクチンを混合したもので、日本では「新3種混合ワクチン」と呼ばれている。

“残疾(身体障害)”の1級1等に対する国家賠償基準は当時108万元(約1780万円)だったが、交渉の結果ようやく受領した108万元は治療費に消え、萱萱の治療費を捻出する方法はないのが実情である。こうした状況であることをメディアに訴えようとしても、こうしたワクチン事件に対する中国政府の言論統制は厳しさを増しており、記者の多くが報道を尻込みしているのが実態である。

欠陥ワクチン問題で中国世論が沸騰しているのを尻目に、中国のメディアを主管する“中国共産党中央宣伝部”(略称:“中宣部”)は、7月下旬に国内メディアに対して「ワクチン関連報道停止」の通達を出した。このため、ネット上に掲載されていたワクチン関連のニュースは軒並み削除されたし、国内メディアの大部分はワクチン関連ニュースの報道を差し控えている。敢えてこの禁を犯してワクチン関連のニュースを報じれば、その影響は当該記者だけに止まることなく、記者の家族にまで累が及ぶ可能性があるという。

国家主席の習近平と国務院総理の李克強が、欠陥ワクチン事件の徹底究明を命じたにもかかわらず、最終的にはメディアに対する報道規制を強化することで、事件の実情およびその原因を隠蔽するのは、中国の常套手段である。その結果として国民の中国共産党と中国政府に対する信頼度はますます低下することになるが、為政者にとっては国民に知られたくない真相が白日の下にさらけ出されるよりも、その被るダメージは軽減されるということなのだろう。

欠陥ワクチンの接種を受けた児童60万人以上の肉体に悪影響が出ないことを祈る次第だが、こうした事件が発生する度に言論統制により事実の隠蔽を行い、被害者とその家族に重い負担を背負わせ続けるなら、そのツケはいつの日にか大きな反動となって中国全体を揺るがすことになるのではないだろうか。「天網恢恢疎にして漏らさず(悪事を行えば必ず報いがある)」は『老子』の言葉である。

ワクチン事件に対する中国政府の言論統制は厳しさを増している。

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『韓国経済失速、裏目に出た文政権の低所得者層優先政策』(8/1ダイヤモンドオンライン 武藤正敏)について

7/31ブログぼやきくっくり<7/30虎ノ門ニュース 青山繁晴氏>「(13)米兵遺骨返還 朝鮮戦争休戦から65年

ようやく朝鮮戦争で亡くなった米兵の骨がやっと帰ってきた。 ミサイル発射基地の実験基地の一部を破壊しつつある。 それでトランプさんはよかったよかったとおっしゃった。 これまたCNNがトランプさんを傲慢でけしからんと。 それはひとつにはあるが、でもひとつは、戦争の準備をもう一度してるから。 それ見せないためにそうしてるんであって。 北朝鮮はアメリカをなめきって、200体返すと言ったのに、55しか返さないのも含めて、アメリカの怒りは溜まってるので危機は深まってます。」

メデイア報道とは大分違います。青山氏はWHでなく、軍からの情報を取っているのだと思います。軍はいつでも出動可能なようにしているという事でしょう。嘘つき民族を信じてはいけません。

http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid2205.html

8/3産経ニュース<金正恩氏から書簡 トランプ氏「約束守り感謝」>トランプも騙された振りをしているのでしたら良いのですが。

https://www.sankei.com/world/news/180803/wor1808030006-n1.html

8/3時事<北朝鮮船が「瀬取り」疑い=政府公表>「政府は3日、北朝鮮船籍のタンカーが7月31日深夜に東シナ海の公海上で船籍不明の船舶に横付けし、ホースを接続しているのを確認したと発表した。「瀬取り」と呼ばれる洋上密輸の疑いが強いとみて国連に通報。また、船籍不明船が中国国旗とみられる旗を掲げていたことから、中国側に「関心表明」を行った。」まあ、中国も朝鮮半島も平気で嘘がつける民族で、約束は反故にするのは当り前です。嘘が常態の国です。勿論、「南京」も「慰安婦」も嘘に決まっています。こういう連中をのさばらすのは世の為になりません。どこかで鉄槌を下さねば。

武藤氏の記事を読みますと文在寅大統領は究極のポピュリストであり、共産主義シンパと言うのが分かります。日本の三井三池で労農派が考えたこと(昭和三十五年四月五日衆院本会議での大坪保雄議員の質問の中で「マルキシズムの洗礼を受けて、革命的闘争至上主義の組合にまで育てられ、会社がつぶれても山は残るとか、会社がつぶれれば、それだけ社会主義革命が早く実現するという考え方に意識統一をなされ、高賃金、低能率を合言葉にして闘争を積み重ね、他の会社に例のないほどの好条件の労働協約を獲得し、賃金は最高、しこうして出炭能率は最低の経営状態にあるありさまであります。世界的にいわゆるエネルギー革命といわれる炭界不況の情勢下に、低能率の山をかかえて、会社は企業整備を余儀なくされた。向坂教室の永年の薫陶に筋金の入った組合幹部は、炭労、総評の応援を得て、企業整備反対の闘争を推し進める。会社が生き残るか、組合管理の山ができるか、両者の戦いは深刻なるまま、いつ果てるという見通しも立たぬありさまであります」と述べた)と同じことを大統領権限でやろうとしているのでは。今の韓国民も三井三池炭坑夫と同じく成熟してないと思います。企業を潰しても組合が残る、国が面倒を見ると言ったって、投資家や経営者が逃げだし、BSやPLも読めない人間が経営できるとは思えませんし、市場の概念を理解していない人間に経営は無理でしょう。中国のようにやたらと借金を重ねるだけで自爆するだけでは。反日国家が衰亡して行くのは喜ぶべきことです。世界に日本を貶めるため嘘を撒き散らしている民族ですので。日本は絶対に韓国を助けないし、朝鮮半島には関わらないことです。米国も見捨てようとしているのですから、日本も同じように見捨てれば良いだけです。親中派・親韓派・左翼代議士は選挙で落としませんと。

8/3阿波羅新聞網<习面临挑战舆情诡异 江系高官表效忠 王岐山反否认担责=習はおかしいと思っている世論との戦いに直面 江沢民派の楊潔篪は習に忠誠を誓い 王岐山は米中戦争担当を否認せず、だがそれは習の命令があればである>中共内の学者は講演で「中米関係は歴史的に変遷してきたが、関係悪化は中国に悪い悲観的な結果を齎す。鄧小平の遺訓“韬光养晦,绝不当头=脳ある鷹は爪を隠し、決してトップにはならない”と、国家主席任期制の撤廃が大きく関係している。清華大学の許章潤教授は7/24ネットで「中国は再び鎖国はできない。政治的後退は国内の広い範囲で国民が恐れ慌てている。国家主席任期制は復活させ、天安門事件の見直しをして結論を改め、情報の自由化を進めて、官員の資産を公開し、個人崇拝は止める」と公表した。

習が王岐山に貿易戦争解決を依頼しないのは、王が失敗した時に自分も連座するのを恐れてと言われていますが、それだけではないでしょう。うまく解決できれば習より王の方が能力が上とハッキリ分かってしまうからです。ただ、王を以てしても解決はできないと思います。王の人脈はトランプには効かないでしょうし、世界覇権を巡る争いと米国が認識している以上、中途半端な妥協はあり得ないと思っています。中国が詫びを入れても、米国は許さないのでは。何せ中国の嘘に騙され続けてきた訳ですから。楊潔篪の習への忠誠は褒め殺しでしょう。貿易戦争敗北の責任を習から押し付けられないよう「外交大権は党の核心である習が持つ」と発言しています。やはり習は一人ぼっちなのかも。

http://www.aboluowang.com/2018/0803/1152908.html

記事

高所得者層には増税と規制強化 低所得者層には賃金引き上げと雇用増大

韓国の文在寅大統領は、朴槿恵前大統領がスキャンダルに巻き込まれて失脚した後、市民の生活向上や所得分配の公平化を訴えて大統領に当選した。

そんな文大統領は昨年、高額所得者と大企業を対象とした増税と、投機目的の不動産取引を阻止する規制強化策を相次いで発表した。こうした「金持ち」にターゲットを絞った政策には、2017年7月下旬時点の世論調査で85%の国民が「賛成」と答えている。他方、低所得者層向けの対策としては、最低賃金の引き上げと正規雇用の増大策を実施。これらによって、貧富の格差を解消する政策を推進してきた。

こうした政策は、金東兗(キム・ドンヨン)副首相兼企画財政部長官が唱える、韓国独特の経済成長論をベースにしており、一般国民の所得を高めれば、消費が増大し、経済も活性化するという「所得主導成長政策」の考え方だ。過去の輸出主導型の経済成長では、貧富の格差が増大し、経済の2極化が拡大してしまうとの認識が背景にある。

確かに、文政権成立後の韓国経済は比較的好調に推移してきた。しかし、今年1~3月期の実績では、高所得者層の所得だけが増え、低所得者層の所得はむしろ急減している。

ソン・テユン延世大学経済学部教授は、「最低賃金の引き上げなど労働コストを高める政策が、意図とは違って低所得層にマイナスに作用したようだ」と分析している。最低賃金の引き上げによって、雇用が失われてしまったことが原因だというわけだ。

こうした結果を受けて、低所得者層の所得の引き上げや、経済を活性化させるといった政策の失敗が取り沙汰されるようになった。例えば、経済の好況は必ずしも所得主導政策の効果ではなく、むしろ世界経済の好調によって半導体輸出が好調だったのではないかといった批判が出ている。つまり、昨年、経済が好調だったのは、「運が良かった」と言われているのだ。

さらに4~6月期の経済成長率が、対前期比で0.7%増(前期は1.0%増)と落ち込んだことから、韓国経済の先行きに対する警戒感が急速に広がっている。しかもその内容は数字以上に悪い。設備投資がマイナス6.6%と大幅に下落しているほか、建設投資もマイナス1.3%とマイナスに転じている。

詳しくは後述するが、いわゆる「米中貿易戦争」によって、韓国経済が不利益を被っている状況で、反企業的政策を一挙に展開したため、投資家心理が冷え込んでしまったことも大きい。企業は、未来に投資する代わりに、配当と自社株消却で外国人株主の心をつかむことに力を注いでいるのが現状だ。

こうした結果、民間消費は0.3%増と2016年10~12月期以降の最低値であった。輸出も0.8%増にとどまり、1~3月期(4.4%増)と比べ大幅に失速した。

経済減速が文政権の支持率低下に反映し始めた

こうした中、文大統領の支持率は、6週連続で下落した。韓国ギャラップが7月27日に発表した大統領支持率は、先週より5ポイント低い62%で、これは先月第2週と比べ17ポイントも低く、これまでの最低値だ。

支持しない理由は、「経済政策、庶民政策での問題」が37%と最も高く、続いて「最低賃金引き上げ」が12%となっており、まさに文大統領が公約として掲げた分野が支持されていない形だ。逆に支持する理由としては、「外交・安全保障政策」が13%、「北朝鮮との対話再開」が12%となっている。

経済界は、文政権が次々に打ち出す政策が、企業経営にとって大きな重しとなっていると考えている。とはいえ、大統領に面と向かって歯向かうことはなかった。というのも、大統領の支持率が高い間に大統領批判を行えば、報復されることが過去にもままあったからだ。

ただ、これまでのケースでいえば、支持率が低くなれば、企業と大統領の関係にも変化が見えてくる。代々の大統領は、その末路、スキャンダルに見舞われてきた。不幸な結末を迎えてきたのは、大統領の権力がいかに絶大であるかということと、それを失ったときの“反作用”が非常に大きいことを示しているといえる。

文大統領の支持率は、落ちたとはいえ依然として高い。しかし、支持率の低下傾向は懸念材料だ。文大統領は今、まさに経済成長と所得分配の効率化を実現し、国民の支持率を維持していけるかどうかの正念場に差し掛かっている。

国民の支持を失えば、大統領と経済界の関係に変化が芽生え、文大統領の低所得者層向け政策の行方も困難なものとする。そればかりでなく、文大統領が進めようとする北朝鮮との融和政策にも大きな影響を及ぼしかねない。

文大統領は、この困難を乗り切れるのであろうか。

文政権の経済政策に逆風 悲観的な見方が広がる

そうした中、文大統領の経済政策に逆風が吹き始めている。

これまでの韓国経済は、年3%前後の成長を見せてきた。これは内需が2.5%、輸出が0.5%ほど寄与してきた。しかし、18年4~6月期は、消費と投資が同時に冷え込む“内需不振”に見舞われた。中でも民間消費は、昨年、四半期ごとに0.5~1.0%前後の増加傾向を維持したが、18年4~6月期は増加率が0.3%に落ち込んだ。

内需不振の危機は、青年層、高齢者の双方で進んでいる。

青年層の就職難は深刻で、5月の青年失業率は10.5%に達した。工場の作業員や配達といった単純労働に従事する青年の割合が、統計作成以来、過去最高となっているのに対し、製造業などの「質のいい雇用」は減少している。その上、急激な最低賃金の引き上げによってサービス業などの雇用が減ったことも、単純労働に従事する青年の数を増やしている。

従業員300人未満の中小企業は、勤労者全体の87%に相当する1300万人を雇用しており、雇用創出の“主役”だ。しかし、中小企業の置かれた企業環境はますます悪化しており、雇用環境の改善は見込まれない。韓国政府でさえ、今年の就業者増加数見通しを、これまでの32万人から18万人に大きく引き下げている。これでは、青年層の雇用増大や所得向上は見込めない。

高齢者の事情はさらに深刻だ。所得下位20%の世帯主の平均年齢は62.6歳だ。韓国の場合、60歳以上の高齢者の人口構成比が20年前と比べて倍増し、60歳以上の消費は大幅に減少、消費を減らす時期も60代から50代へと10年早まった。家計の負債の対GDP比は昨年段階で94.4%と、日本の84%より10ポイントも高く、その資産も不動産が中心で現金保有高は少ない。

韓国銀行が25日に発表した7月の消費者心理指数は101.0で、前月より4.5ポイントも下落した。あらゆる側面から見て、韓国の消費拡大路線は八方ふさがりなのだ。

こうした消費の冷え込み以上に深刻なのが、前述した設備投資や建設投資の落ち込みだ。背景として考えられるのは、米中の貿易戦争と、文政権の所得分配を重視した政策だ。

米中貿易戦争の影響を当事者より受ける韓国

米中貿易戦争は、1300余りの品目を対象とするだけに、両国ともに致命傷が避けられない。だが、問題は両国だけにとどまらない。年間1兆ドルに上るなど、貿易依存度が高い韓国の経済的被害も甚大だ。

特に韓国は、最大の輸出市場である中国に対する中間財輸出比率が79%に上る。米国への輸出のために、中国に素材・部品生産工場を置いている企業も多い。OECDの分析によると、中国の輸入が10%減少すれば、韓国の成長率は1.6%低下するといわれる。

米国のウォールストリートジャーナルは、「全世界貿易紛争で最大の被害者は『ビッグプレーヤー』ではなく、韓国など間に挟まれた小規模開放経済国家になるだろう」と報じている。

にもかかわらず、韓国の受け止め方は依然深刻さを欠いている。韓国政府は、米中貿易戦争に備えて点検会議を開いたが、「短期的に韓国の輸出に及ぼす影響は限定的だろう」(産業通商資源部)、「貿易対立が深化・拡散すれば不安要因になり得るだろうが、まだ韓国の輸出は良好な流れだ」(企画財政部)との見通しを示しているほどだ。

確かに、政府として悲観的な見通しを示せば、投資家心理を冷やしかねないという警戒感もあったのだろう。だが、韓国政府が依然として好調だとする輸出の鈍化も予想以上に速い。4~6月期の輸出0.8%増という数字は、1~3月期の4.4%増と比べて大幅な減少だ。さらに輸入も鈍化しており、それだけ国内生産や投資活動が鈍化していることの表れともいえる。

低所得者層向け政策が企業の足を引っ張る

最低賃金の急激な上昇や労働時間の短縮は、ただでさえ不景気に苦しむ中小企業の負担を増大させている。深夜の産業用電気料金も値上げされるという。

過去1年間に海外に工場を建設したり、設備拡張を行ったりした韓国企業は1884社で、5年前より約700社増え、海外投資額も3倍に膨らんでいる。一方で、その間、韓国の国内投資は3分の1以上減少した。これは、世界市場戦略に基づくというよりも、人件費の負担と企業にとって困難な環境を避けるため、海外に活路を見出して脱出しているのだ。

企業現場では、中小製造業の国内大脱出が来年から始まるとの見方が多い。中小企業の反対にもかかわらず、政府が来年も引き続き最低賃金を2桁台で引き上げるとしているからだ。中小企業は、こうした政策を「韓国から出ていけというサインだ」と受け止めている。ちなみに韓国の最低賃金は、実質ですでに日本以上だという。

こうした状況下で、韓国企業は苦しい経営を余儀なくされており、倒産が増加している。今年6月までに全国の裁判所に寄せられた倒産申請件数は836件で、過去最多を記録した。専門家らは、企業倒産件数が増えた理由として「不況のドミノ」を挙げる。自動車、鉄鋼、造船などの大企業が揺らぎ、売り上げの大部分をこれらの企業に依存する協力会社まで経営難に陥っているという分析だ。

現代自動車が7月26日に発表した1~6月期の連結決算によると、世界の販売台数は224万台で4.5%増加したものの、ウォン高や工場稼働率の低下が響き、本業のもうけを示す営業利益は1兆6321億ウォン(約1600億円)で、前年同期比37.1%減少した。これに呼応するように、現代・起亜の1次、2次下請けなどが倒産に追い込まれている。

文政権は政策変更に取り組むのか

文政権は、規制緩和を加速して、企業業績の底上げにも目を配る政策を打ち出した。7月19日、文大統領はソウル郊外の大学病院を訪問して、「医療機器を未来の新産業に育成する」と宣言、「規制の壁を大幅に低め、市場参入への手続きにかかる期間を画期的に短縮させる」と述べた。

さらに、事業会社は銀行株を10%以上持てないという規制を、ネット銀行に限り緩和することも検討している。こうした規制緩和の動きは、基本的には前進である。しかし、その一方で来年も最低賃金を2桁引き上げる。それでは中小企業の悪化した経営環境は改善できない。

韓国経済研究院によると、昨年末、韓国の13大輸出主力業種の限界企業数(危険水域にある企業)は464社で前年比65社増えた。これは、前年の増加数の2倍であり、これら企業のうち、相当数が倒産危機群に分類されるそうだ。

専門家は、この傾向が続けば下半期も成長率が0%台にとどまり、今年の目標だった2.9%には届かないのではないかと見られている。来年はさらに、韓国企業の海外逃避が見込まれており、さらに低下する可能性も高い。

文大統領は5月末に「マクロ指標を見ると、国内の経済は良くなっている」と述べているが、現代経済研究院は、「景気下方リスクの拡大」という報告書の中で、「現在の国内経済状況は、景気後退から沈滞局面に突入する過程にあると判断される」と指摘する。

文政権は、こうした経済の実態を無視し、北朝鮮との融和や低所得者向け分配の拡大に奔走してきた。このままでは韓国経済が沈滞化し、頼りにしてきた国民からも見放される危険がある。

文大統領は、政治姿勢を抜本的に見直すことが必要な時期にきているのではないか。

(元・在韓国特命全権大使 武藤正敏)

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『路線転換に追い込まれるトランプ大統領 貿易戦争、強硬姿勢の行方』(8/3日経ビジネスオンライン 門司総一郎)、『「米欧休戦」から読む、日米貿易協議の行方 TPPベースの「日米EPA」を目指せ』(7/31日経ビジネスオンライン 細川昌彦)について

8/2阿波羅新聞網<贸易战 川普打出闪电战 习近平到了此时才会妥协?=貿易戦でトランプは電光石火 習近平はこの時期に妥協できるか?>米中貿易戦は再度レベルを上げ、8/1トランプは2000億$の中国からの輸入品に10%でなく25%の関税を賦課することを決めた。米国の学者は「中国の国民経済が高関税を賦課されて二進にも三進にも行かなくなって初めて、習は妥協できる。米中貿易戦争は中国経済と一帯一路プロジェクトに致命的な打撃を与える以外に、WTOの命運にも深刻な影響を与える」と述べた。

セントトーマス大学の葉輝元助教は「WHがこんなにも速く勝ちに乗るため追撃して来たのは、中国にとって意外であった。これは、米国政府が中国経済の衰退を加速したいと言う思いの表れであり、今が正しくそのチャンスである」、「最近の経済指標を見れば、米国の就業率と経済成長率は暦年で一番高い。タカ派の角度から見て、米国が負けるのはコストの一点のみ。譬え高関税にして自国経済にどんな影響を与えても、今の市場は活発で発展しており、影響が激烈になることはない」、「この貿易戦争は冷戦時代の米ソの螺旋式軍備競争(spiraling arms race)を思い起こさせる。両方とも自己防衛のための行動に移したが、交代して反撃に及ぶことは内部の圧力に直面することとなった」と述べた。

米国にいる中国経済学者の程暁農博士は「世界経済がグローバル化するのが有利な国がある。米国を仮想敵としている国で、一つしかない。それは中国で、国力を増し、米国から多大の利益を取り、米国を敵として阻止しようとするのは、まさか中国が当然すべきことと思っているのではないだろうね?もし中国が米国を仮想敵と看做さず、米国から儲けを得ようとしなくても、米国が自衛するのを認めないとしたら道理は通らない」と述べた。

トランプは中国が白旗を上げて来ても攻撃は止めない方が良いでしょう。北朝鮮と同じで時間稼ぎに使われるだけです。また白旗の後ろから打つこともありうると思っておかないと。何せ南シナ海の人工島を軍事目的で使わないと言っておきながら基地化する国ですから。やはり「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」と思っている民族ですので。中国経済が崩壊するまで手を緩めないことです。

http://www.aboluowang.com/2018/0802/1152417.html

8/3阿波羅新聞網<习近平破惯例和部队博弈 动了高层的心肝?=習近平は慣例を破り部隊とゲーム 軍高級幹部の心を動かしたか?>8月1日は建軍91周年記念日であった。習は慣例を破り、上将に昇格させることはなかった。軍権(人事権)を握っていて、誰も逆らえないからである。党のメデイアが最近報道したのは、習は6000もある軍のビジネスを全面的に停止するよう命じたと。この中には、法輪功信者の臓器摘出ビジネスも入っているかどうかは分からない。今の所、習と軍との関係は悪く、お互い力を見せ合っている段階。ただ、今年昇進させなかった点はどちらが優勢か物語っている。しかし、米中貿易戦争の行方によって、中国経済に問題が起きたなら反対勢力が結集することは排除できない。

相変わらず習は軍の嫌がることをしようとしています。鄧小平が改革開放で認めた軍のビジネスを否定するのですから。そこには当然賄賂や兵器の横流しも含まれます。軍のビジネス禁止は正しい方向と思います。特に臓器摘出・売却ビジネスは。でも習はこれで寝首を掻かれる確率が高くなったでしょう。中国では裏切りが当り前ですから、内部で謀って病死扱いで殺されるかもしれません。

http://www.aboluowang.com/2018/0803/1152807.html

門司氏の記事は、今まで本ブログで述べて来たものとは内容が大分異なります。どちらが正しいかは分かりませんが、関税がそんなに簡単に撤廃されるとは思えません。

細川氏の記事では、報道だけでは分からない部分を解説していて役に立ちました。WTOは中国にいいように利用されるだけでプラスにならないので廃止でいいのでは。個別orグループでの貿易協議に置き換えれば良いでしょう。中国が米国に不買運動を仕掛ければ面白い。米国民は益々中国に怒ることになり、通商禁止まで行くのでは。Facebookもgoogleも中国市場を狙っていくのは先が見通せてないという事です。米中の世界覇権を巡る争いの最中なのに、「国は関係ない」と思っているとしたら経営センスがないという事です。米企業がどこでもビジネスできるのは世界最強の軍隊があるからです。中国進出は軍に対する利敵行為と言うのが分かっていません。日本企業も中国と関係を深めるのは危ないです。米国とビジネスできなくなる可能性もありますので。

門司記事

「戦うトランプ」のイメージ発信がどこまで続くか(写真=ロイター/アフロ)

3月にトランプ米大統領が鉄鋼・アルミニウム製品輸入への追加関税を発動させることによりいわゆる「貿易戦争」が始まりました。状況が混沌とする中で、米国の劣勢も見えてきました。今回の「政治と市場の正しい見方」は貿易戦争を取り上げ、これまでの経緯を振り返ってみます。

貿易戦争を始めるにあたってのトランプ氏の戦略は、鉄鋼・アルミニウム関税に関するもの(以下、鉄・アルミ戦線)と、対中国の制裁関税に関するもの(以下、中国戦線)の2正面作戦でした。ただどちらの戦線においても基本的な方針は関税を人質に相手から譲歩を引き出すという安易なもので、実態として戦略といえるようなものはなかったと思われます。

まず鉄・アルミ戦線について見てみます。鉄・アルミ戦線の狙いには、トランプ氏のコア支持層である鉄鋼・アルミニウム産業の保護もあったでしょうが、それ以上に重要なのは前述のように関税を人質に貿易相手国に譲歩を迫ることでした。この場合の譲歩は、米国に有利な形での通商条約の締結や改定ということになりますが、中でもトランプ氏が重視したのは、政権発足以来続いている北米自由貿易協定(NAFTA)の見直し交渉で成果を上げることです。

農業関係者から悲鳴

しかし、世の中それほど甘くありません。米国の鉄鋼・アルミニウム関税に対し、中国、カナダ、メキシコ、欧州連合(EU)、ロシア、インド、トルコなどが順次報復関税の発動を表明しました。報復関税の標的となった農業関係者からは悲鳴が上がり、ハーレーダビッドソンは欧州向け製品の製造拠点を米国外に移す方針を打ち出しました。

8月1日に米ブルームバーグは、一時中断され、その後再開されていたNAFTA見直し交渉のうち、米国・メキシコ間の自動車分野が合意に近づいていると報じました。両国による自動車交渉はNAFTA見直しでもっとも難航していたテーマの1つであるため、もし合意がなされれば、見直し交渉全体が大きく前進することになります。詳細は不明ですが、もし米国の妥協により交渉が進展したのであれば、トランプ氏の思い通りには、事が進んでいないと言えるでしょう。

中国戦線は好調な滑り出し

次に中国戦線を見てみます。こちらの狙いは条約の締結や改定ではなく、中国に対し米国が対中貿易赤字を削減するための直接的な協力を求めるものでした。当初中国戦線は米国有利に進みます。知的財産権侵害を理由とした制裁関税に加え、中国の大手通信機器メーカー中興通訊(ZTE)の制裁問題もカードとして機能し、中国を追い詰めたように見えました。6月21日付ウォール・ストリート・ジャーナル(日本版)は「中国はトランプ政権が関税の発動を回避すれば、米国の農産品や工業・エネルギー製品を(年間)700億ドル近く購入する案を示した」など、中国が米国に譲歩した様子を報じています。

結果的には、ここがトランプ氏にとって、矛を収める唯一のチャンスでした。元々米国は中国に対して3年で2000億ドルの対米貿易黒字削減を要求していたといわれており、先ほどの中国の提案はそれを満たすものだったからです。しかし、トランプ氏はこの提案を拒否、更に米国の制裁関税に対して中国が報復措置をとった場合2000億ドル(後に最大5000億ドル)相当の輸入に対し、追加の制裁関税を課すことを表明するなど、圧力を一段と強めました。

いったん譲歩の姿勢を見せた中国はトランプ氏のこの対応を見て態度を硬化、徹底抗戦に転じます。7月6日に米国が制裁関税を一部発動した際には中国もすぐさま報復関税で応じました。こうして中国戦線も膠着状態となり、貿易戦争はトランプ氏にとって特段の成果がないまま、長期化することになりました。トランプ政権は、追加の対中関税について、関税率を当初案よりも引き上げることを検討をしているようですが、中国に対してどこまで効果が上がるか不透明です。元々安易な発想で貿易戦争を始めただけに、トランプ氏には有効な打開の手段がないと思われます。

「まだトランプ氏には自動車の輸入関税や、最大5000億ドル規模といわれる対中制裁関税がある」という見方もありますが、実際にこの2つを発動することは困難です。発動すれば他国に大きな被害が出ることが予想されますが、悪影響は米国の景気や雇用、インフレにも及びます。両刃の剣であるため、そう簡単には発動することはできないでしょう。実際トランプ氏は対中制裁関税を一部発動させていますが、その規模はまだ340億ドルです。トランプ氏も制裁関税を発動することの困難は理解しているものと思われます

路線転換がはらむ支持率低下のリスク

手詰まりになったトランプ氏が選んだのは、予想外の路線転換です。7月25日のトランプ氏とEUのユンケル欧州委員長の共同声明によれば米国とEUは自動車を除く工業製品の関税撤廃や米国産の大豆、液化天然ガス(LNG)の対EU輸出拡大などに向けた交渉を始めることで合意したとされています。これはトランプ氏にとって、これまでの高圧路線から融和路線への大きな転換となります。ここまで実績らしい実績はほとんどありませんが、手詰まりになっており、やむを得ないということだと思います。合意の中にEU向けの大豆輸出拡大が含まれているところを見ると農業関係者からの不満を抑えきれなくなったのかもしれません。

貿易戦争でトランプ氏に実績らしい実績はありませんが、それでも貿易戦争開始後、支持率はじりじりと上昇してきました。この点については「俺たちのために戦うトランプ」を支持者に上手く印象付けたことが、支持率上昇につながったとの指摘があります。もしそうなら、この融和路線への転換には支持率低下を招くリスクが考えられます。特に問題になりそうなのが、前述の合意の中の「自動車を除く工業製品の関税撤廃」です。素直に読めば、トランプ氏のコア支持層である鉄鋼・アルミニウム産業が恩恵を享受している関税も撤廃の対象になります。11月に中間選挙を控えたこの時期に自分のコア支持層の利益に反する政策を打ち出さざるを得ないということは、それだけトランプ氏が追い詰められていたということでしょうが、下手すれば支持率が急降下のリスクもあると見ています。

支持率低下の兆しは既に現れています。米調査会社ギャラップによればトランプ氏の直近(7月23-29日調査)の支持率は40%、前週比2%低下し、5月21-27日以来の低水準となりました。この支持率低下については路線変更が影響した可能性があります。このまま支持率が低下するかどうか、今後の世論調査結果が注目されるところです。

関税などの貿易障壁は撤廃に向かう見通し

既にここまで貿易戦争における米国の劣勢は明らかだったと思いますが、先日のEUとの合意はトランプ氏自身がそれを認めた証と解釈しています。すぐにとはいかないでしょうが。今後徐々に関税などの貿易障壁は撤廃され、貿易戦争は終結を迎えると予想しています。最後に金融市場への影響ですが、貿易戦争は投資家の不安要因となっているため、今後終結に向かうとの見方が広まれば、リスク・オンの動きを促すことになりそうです。株式市場では米国の自動車関税が重石になっている、自動車株などが見直される可能性があるでしょう。

なお、当コラムの意見は筆者個人のものであり、筆者が所属する組織のそれとは無関係であることをお断りしておきます。

細川記事

7月25日に開催された米欧首脳会談に挑む、ユンケル欧州委員長(左)とトランプ米大統領(写真:AP/アフロ)

米欧間の貿易摩擦は、首脳会談で当面の摩擦拡大を回避した。メディアは、「ひとまず『休戦』を演出」と言う。しかし、そこには報道だけでは見えてこない本質が潜んでいる。それは、これから始まる日米の新貿易協議(FFR)への示唆だ。

合意にない「自動車と農産物」にこそ本質がある

まず米欧首脳会談の合意では、「自動車を除く工業製品の関税、非関税障壁、補助金の撤廃に取り組む」という。これをどう読むべきか。

むしろ、この対象外である「自動車と農産物」こそが、米欧間の貿易摩擦の本丸だ。

自動車の関税撤廃は米国が難色を示して除外された。これは欧州連合(EU)の高等戦術の結果だ。トランプ大統領はEUが課す10%の自動車関税を批判して、EUが譲歩しなければ、20%の追加関税を課すと脅している。これに対して、EUは米欧双方で自動車の関税を撤廃することを提案した。これは米国を逆に揺さぶることになる(参考:「メガFTA」が対米、対中戦略を左右する)。

米国のアキレス腱は「ライトトラック」

実は米国は自動車分野にアキレス腱を抱えている。それは米国で言うところの「ライトトラック」だ。

米国は乗用車の関税は2.5%だが、ビッグスリーの儲け頭であるピックアップトラック、SUV(スポーツ用多目的車)などを「ライトトラック」として25%の関税をかけている。米国はこれを死守したいのだ。乗用車では収益を上げられないビッグスリーにとって死活問題だ。米国は50年以上も前からこの高関税を譲らない長い歴史がある。

米国の「ライトトラック」へのこだわりは尋常ではない。

かつてTPP(環太平洋経済連携協定)交渉でも、29年間25%を維持して、30年後に撤廃することで合意した。信じられないぐらい先だ。先般の米韓自由貿易協定(FTA)の再交渉でも、韓国に対して鉄鋼の追加関税の脅しを武器に圧力をかけて、「2021年までに撤廃する」とされていたものを、20年先延ばしして2041年までにした。EV(電気自動車)などの台頭で激動の自動車産業は30年後には様変わりで、そんな先の関税撤廃を約束してもほとんど無意味だ。

自動車は単なる「交渉カード」であることが露呈

さらに言えば、トランプ大統領は自動車関税を単なる「交渉カード」として使っているに過ぎないとも見ることができる。「自動車関税の相互撤廃」というEUの揺さぶりで、それが露呈しただけだ。「今回EUから譲歩を得られたのも、自動車関税での脅しが効いたからだ」とロス商務長官は正直に吐露している。まだこの脅しのカードを米国は手放したくないのだ。EUは「交渉が続く限りは自動車への追加関税はない」と説明するが、これを裏返して米国から言えば、「脅しのカードを持ち続けて交渉する」というものだ。

他方、EUの守りたい本丸は農産物だ。農業国フランスの抵抗もあって、大豆の輸入以外、農産物については今回の合意には全く触れられていない。「貿易障壁の撤廃を話し合う対象から農産品は除外された」とする報道は、EUサイドからの都合のいい説明を鵜呑みにしたものだ。

米欧の本丸である自動車、農産物はまだこれからの交渉なのだ。合意文にも、「これは対話のスタートであって、多くの他の産品、問題に今後取り組む」とされている。従って「自動車は棚上げ」「農産物は交渉の対象外」という報道は表面的過ぎるだろう。

日米交渉での自動車問題をどう見るべきか

これは日本にとっても参考になる。

自動車分野は米国の自動車関税が攻められる立場にあるにもかかわらず、「相手国の自動車市場を攻めることによって、これを回避する」というのは米国の常套手段だ。攻撃は最大の防御なのだ。昔から日本市場に対して非関税障壁の閉鎖性といって難癖をつけ続ける理由はそこにある。そもそもビッグスリーは日本市場から撤退しつつある。こうした難癖には右往左往せず、米国のアキレス腱を堂々と突くのが正解だ。

かつて1995年に締結された日米自動車協定が2000年に期限を迎えた。そこで米国は再延長を強く求めてきたが、当時交渉担当だった私はこれを拒否した。その際、やはりこのアキレス腱を突くのが効果的だった。

日本のメディアは米国の主張をそのまま伝えて、日本の自動車市場が議論の焦点であるかのような報道をするが、これでは米国の思うつぼだ。8月から始まる日米のFFRを巡っても、そういう自虐的な報道には注意したい。米国は自動車の脅しを単に「交渉カード」として使っているのだ。

日米新貿易協議での米国の本音は何か

日米のFFRは7月中にも開催と報道されていた。日本のメディアも今か今かと待ち構えていたが、なかなか日程が決まらずヤキモキしていたようだ。

北米自由貿易協定(NAFTA)の見直し交渉についてメキシコの新大統領が予想に反して柔軟姿勢を見せたことから、米国もNAFTA交渉を優先することにしたようだ。

また、現在行われている自動車の追加関税引き上げのための商務省調査の大統領報告を公表して、「脅し」に現実味と迫力を持たせてから交渉に臨んだ方が効果的との計算も働いたようだ。

日本に対してもEU同様、自動車の追加関税は「脅しの道具」だ。

しかし、自動車分野で日本がやれることは限られる。日本の自動車メーカーによる対米投資を増やすことで、米国での雇用に貢献することをアピールすることぐらいだ。ただし、これは今までの日米首脳会談でも切ってきたカードで、限界もある。

他方、米国の要求の本丸は農産物市場だ。中間選挙を控えて、米国抜きTPP (TPP11)によって相対的に不利になる米国畜産業界などの不満解消が急務だからだ。日本としては米国に対して「TPPレベルまでの関税引き下げ」というカードを切るかどうかがポイントになる。

ライトハイザー米通商代表は7月26日、議会の公聴会での証言で、「日米FTAを交渉すべきだ」として改めて意欲を示した。多くのメディアは、米国の狙いは日米FTAだと報道したが、この発言の意味するところを正確に理解する必要がある。

ライトハイザー米通商代表がこう発言するのは、二国間で農産物の関税引き下げは、FTAという道具立てがないと世界貿易機関(WTO)の制度上できないからだ。FTA自体が目的ではなく、あくまでも米国が欲しいのは「農産物の市場開放」という果実だ。FTAはそのための手段に過ぎない。

TPPを内容とする「日米EPA」を

ここが日本の考えどころだ。

FTAにするためには、農産物だけでは成り立ち得ない。TPP交渉で農産物とパッケージで合意した自動車も当然含めて、大部分の製品をカバーしたものでなければWTOの制度上FTAとならないからだ。従って、米国にはTPP交渉で獲得した、米国の自動車関税の25年での撤廃を当然要求すべきだ。そして仮に米国が農産物でTPP以上の要求をしてきたら、もちろん拒否すべきだが、日本も米国の自動車関税の撤廃を25年よりも前倒しして要求すべきだ。

この協議の名称「FFR=Free, Fair and Reciprocal」通り、日米が相互的(reciprocal)である必要があり、こうした要求は当然だ。

さらに言えば、先進国間のFTAとしては、関税だけでなく、TPPで合意したような電子商取引や知的財産権などのルールも含めることによって、日欧と同様に経済連携協定(EPA)にすることが肝要だ。これも広義のFTAだ。しかし本来そういう交渉は日欧EPAのように何年もの歳月を要する。米国は決してそれを望まず、短期的成果を求めよう。本格的議論をする余裕もないだろう。

しからば、既に交渉結果として合意した経緯のあるTPPの内容をほぼそのまま「日米EPA」とすればよい。

米国のTPP撤退を受けて、TPP11では参加各国が米国に対して譲歩した知的財産権などの項目が凍結されている。これらも日米間では解凍して、日米EPAに含めることにするのだ。その中には、中国を念頭に置いたルールも含まれているので、これらを含めることはTPPのルールをグローバル・スタンダードにするうえで大きな意味がある。また日本にとっても、TPP11とその拡大、日欧EPAを合わせて、グローバルにルール重視の通商戦略を展開することになる。

問題はそれによって将来、米国がTPPに復帰する誘因を減殺しないかどうかだ。まだTPP11は日本の国会承認は終わったものの、未だ発効していない段階では、他のTPP11参加国が反発しないかも気になるところだ。これらを慎重に見極めたうえで判断することが必要だ。

なお、こうした対応は米国の自動車の追加関税を逃れるためではないが、少なくともこの交渉をしている間は、米国が日本に対して発動しないのはEUと同じだ。

大豆とLNGの輸入増は本当か?

私は、「EUが米国から大豆と液化天然ガス(LNG)の輸入を増やす」という譲歩のカードを切ったという報道を聞いて、最初、耳を疑った。EUは中国と違って市場経済だ。中国のような、国家が国有企業に買い付けさせられるような国家資本主義の国なら買い付けの約束もできようが、どうやってコミットするのか。

しかし、よくよく合意内容を読めば、合点がいった。実はEUが買い付けを増やすとコミットしたものではなかったのだ。ユンカー欧州委員会委員長にはそんな権限はない。

大豆は「貿易障壁を減らして貿易を増やすために米欧双方は取り組む」というものだ。それをトランプ大統領は選挙民に対して「EUに買わせた」と、誇らしげにぶち上げているだけだ。LNGもEUが調達先を多様化するために要望し、「米国が欧州の購入を容易にする」というものだ。

全然ニュアンスが違う。中国の「いくら購入する」とコミットする、いわゆる管理貿易と同列に受け止めてはいけない。もう少し正確に報道してもらいたいものだ。

同じく市場経済の日本も、政府がコミットできるのは防衛装備品の調達ぐらいだ。

メディアが見過ごす、今後の国際秩序への布石

重要であるにもかかわらず、日本のメディアが注目していないことがある。WTO改革と、知的財産権の侵害など不公正な貿易慣行などの「中国問題」にも、米欧が連携して対処することを表明したことだ。

いずれもトランプ大統領自身の関心事項ではないのは皮肉なことだが、それにもかかわらずEUが盛り込ませたことは重要だ。

WTO脱退にもしばしば言及するトランプ氏を念頭に置いて、日本と欧州が米国をWTO秩序につなぎ止めなければならない。そのためにはWTOの改革は急務だ。

さらに中国を念頭に置いて、知的財産権の侵害、補助金、国有企業による歪み、過剰生産問題を米欧が日本など他の有志国と一緒になって共同歩調で取り組むことを明記したことも重要だ。これは5月末の日米欧三極貿易大臣会合で合意した内容である。しかしトランプ大統領がその意味を理解しているようには思えない。そこで今回トランプ大統領に認識させたことに意味がある。

今後、日本にとっても重要な意味を持ってくる。日本はEUと連携して米国に働きかけており、これらはFFRでも当然重要なテーマになる。日本のメディアももっとこの点に関心を持つべきだろう。

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『「台湾問題」が米中貿易戦争のカードになった場合の3つのシナリオ 』(7/31ダイヤモンドオンライン 加藤嘉一)について

8/1宮崎正弘氏メルマガ<蔡英文・台湾総統が南米訪問時、アメリカに立ち寄り 嘗てなかったトランプ政権高官との会談が実現か?>蔡総統も中国に気兼ねすることなく、ドンドン高官と会えば良いでしょう。本当はトランプが会うのが一番良いのですが。貿易戦争をしているのですからその位をして報復しませんと。でもボルトン、ポンペオ辺りだけになるかもしれませんが。

蔡総統は国民党の資産没収問題、公務員の年金(18%の利子が付く、外省人の利益に結びつく)問題の解決が遅れている(た)のが痛いです。外省人=中国人は台湾を内部から崩す間諜です。

http://melma.com/backnumber_45206_6715527/

7/2フォーカス台湾<年金改革施行 蔡総統、国民の理解に感謝/台湾>

http://japan.cna.com.tw/news/apol/201807020001.aspx

8/1看中国<2020总统大选 新台湾国策智库民调出炉了(图)=2020年の総統選 新台湾国策シンクタンクの世論調査発表蔡総統の支持率が低く、2020総統選ではこのシンクタンクの調査に依れば頼清徳行政院長の支持率が高く、彼が出るかも知れません。年末の台北市長選では柯文哲氏が再選されるのでは。柯文哲氏が総統選に出ても不支持率が高いので、今の段階では出ないと思います。

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/08/01/866348.html

8/2日経<トランプ氏、対中関税率上げ指示 2千億ドル分は25%に>ドンドン米国が中国を追い込んでいきます。中国は民主主義国が作ったルールを利用して大きくなり、民主主義国に刃を向けようとしているのですから当然の報いです。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO33700270S8A800C1000000/?nf=1

8/2東京新聞<EUが米産大豆“爆買い” 3・8倍、約束実現強調  >米国・EUの合作の結果です。中国は焦っているでしょう。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018080201000697.html

8/1希望之声<大陆多次发生退伍老兵集体维权事件 网络图片 八一前夕老兵上访不断 当局出招降温无效=大陸では多く退役兵のデモ事件が起きる 写真はネットから 8・1(建軍記念日)前夜に老兵が北京に集まり直訴 当局は宥めようとしたが無駄>退役軍人は就業、遺族補償、傷病補償、生活保障、年金、医療問題等を北京に直訴しようとしている。公安はそれを邪魔しようとして駅に切符を売らないように指示したり、逮捕したり、酷い場合は直訴の帰りに、車に轢かれて2人亡くなったと言うもの。偶然ではないと疑っている。4/17から直訴に来たのは2万人。

中国は内憂外患と言う所でしょう。軍人では民間で使いにくいのもあるのでしょう。人民解放軍も賄賂づけになっていますから、下級兵士ではスキルも磨けなかったのでは。共産社会の矛盾が此処にも出ています。

大陆多次发生退伍老兵集体维权事件 网络图片

https://www.soundofhope.org/gb/2018/08/01/n2028495.html

加藤氏の記事は嘘つき中国からだけの取材で、米側の取材をしていません。とても信ずるに足りません。「米国が2回も合意破棄した」と言っていますが、中国はWTOの約束をどれだけ破って来たか。また自由貿易体制を擁護すると言いながら、自国有利になるような経済運営をしているではないですか。8/2日経<中国独禁法、外資泣かせ 施行10年、国際M&Aの壁に

【北京=多部田俊輔】中国の独占禁止法が施行されて8月1日で10年となった。これまで不承認の判断を下したM&A(合併・買収)は外国企業の案件に限られ、中国企業の競争力向上を優先する姿勢が目立つ。カルテルの摘発でも外国企業に多額の制裁を科す傾向があり、公正な競争を促すはずの独禁法が中国ビジネスのリスクになっている。7月に稼働した新体制で裁量体質を脱却できるのか。>(一部抜粋)

技術移転の問題もそうですし、自己中の政策を自らとっているくせに、自分の思い通りにならないと自己防衛のための美辞麗句で他人を非難するのは中華民族の伝統的なやり方です。そもそもで言えば「下部構造が上部構造を規定する」というのが共産主義者の考えで、自由貿易を擁護する方がおかしいのでは。

加藤氏の言う台湾を貿易戦争のカードにと言うことはあり得ないと思います。世界覇権を巡る争いなのに、貿易戦争に矮小化して見ているからそうなるのです。世界を自由・民主主義が押さえるか独裁・共産主義が押えるかの闘いの最中です。自由・民主主義国の台湾を見捨てることになれば、何の為に中国と戦っているのかが分からなくなります。

記事

米中貿易戦争の行く末は? Photo:PIXTA

米中間の通商摩擦はもはや「言葉遊び」の段階を過ぎている

「一部の人間が中米関係を撹乱させたがっているのは不幸なことである。彼らは中米経済貿易関係の真実を捻じ曲げ、台湾や他の中国の主権や領土保全に関わる問題にまで火種を拡散させようとしている。これはとても危険なことであり、我々はそのような動きに対して高度な警戒心を保持しなければならない」

7月25日、米国ワシントンにあるシンクタンク、カーネギー国際平和基金で開催された米中関係のイベントで、崔天凱駐米中国大使がこう指摘した。米中間で貿易戦争をめぐる駆け引きや攻防が不透明に激化している現状の下、中国外務高官による発言であるだけに、筆者は真剣に受け止めた。

前段落で“貿易戦争”という具合に「“ ”」を付けなかったのには明確な理由がある。

それは、米中間ですでに貿易戦争が勃発した、米中間の通商摩擦はもはや言葉遊びをしていられる段階を過ぎているという背景を元にしている。もちろん、何をもって「貿易戦争」というのか、その定義とは何なのかをめぐっては唯一無二の解釈など存在しないだろうし、さまざまな時代、人々、業界、地域、局面によって異なる議論が展開されるべきだと考える。

昨今の情勢・文脈において、いつ、どのようにして米中間で貿易戦争が勃発したのかという問題に向き合うために、まずは中国政府の担当当局である商務部の高峰報道官が7月19日の定例記者会見にて発表した次のコメントをご覧いただきたい。少し長くなるが状況整理・現状理解という意味で重要だと判断するため、翻訳・引用する。

「最近、米国側で複数の官僚が、対外的に中米交渉が亀裂した責任は中国側にあると宣伝しているがそれは事実ではない。実際、今年の2月以来中米間では前後4回に及び協議を行ってきた。中国側は終始最大限の誠意、協力とウィンウィンの態度を持って問題解決を推進してきた。特に5月19日には双方は重要な合意に達し、共同声明まで発表した。しかし、5月29日米国側が一方的に声明を発表し合意を破棄してしまった。6月初旬、双方はエネルギーと農業の分野で具体的な協力に関する合意に達したが、6月15日に米国側は再び合意を破棄し、7月6日には米国側は公然と貿易戦争を仕掛けてきた。7月11日、それはさらにエスカレートした。我々はこれらの状況に深い遺憾の意を表明すると同時に、このような単独行動主義と貿易覇凌(筆者注:「いじめ」の意)主義は受け入れられない。全体的過程を通じた実際の状況から見て、米国側で繰り返される信用の破棄こそが双方間の交渉の門が閉ざされてしまった原因である」

7月6日に米国側が「貿易戦争を仕掛け」、中国側が報復措置を取った

「2月以来4回に及ぶ協議」とは、(1)2月末から3月頭にかけての劉鶴・国務院副総理一行の訪米、(2)5月初旬、スティーブン・ムニューシン財務長官一行の訪中、(3)5月中旬、劉鶴国務院副総理一行の訪米、(4)6月初旬、ウィルバー・ロス商務長官一行の訪中を指している。

7月6日の「貿易戦争を仕掛けてきた」というのは、米国側が知的財産権の侵害などを理由に中国からのハイテク製品や電子部品など818品目、総額340億ドル相当の商品に対して25%の関税措置をかけるという決定を、7月11日の「さらにエスカレート」とは米国側が中国からの2000億ドル相当の輸入品に対して10%の追加課税を行う用意があることを発表したのを指している。

高峰報道官は、中国側が「米国が実際に340億ドル相当の中国商品に25%の関税をかける決定事項を発表したこと」を貿易戦争の勃発と認識する立場を明確に示唆した。

“この日”に備えて念入りな準備をしてきた中国は即日、大豆、綿花、食肉、自動車といった米国産品に同規模の関税をかけることを発表している。

報復措置を取った=貿易戦争を受けて立った、と筆者は理解したが、念のため、本稿を執筆するに当たり、北京の中国外交部で対米交渉を担当する幹部とワシントンの駐米中国大使館に勤務する外交官の2人に「中国政府は7月6日を米中貿易戦争勃発日、言い換えれば“初日”と認識しているという理解で間違いないですか?」と確認してみると、2人も「そういう理解で間違いない」と返答してきた。

中国側の理解と立場は、米中間で大小2回の合意に達したにもかかわらず米国側に裏切られ、揚げ句の果てに貿易戦争が勃発したということであるが、筆者は続けてこの2人に同じ質問をしてみた。

「この期に及んで、米国を信用した上で前向きに協議を続けますか?」

2人は興奮するわけでもなく、冷酷に「いいえ」と返答してきた。上記の高峰報道官によるコメントの最終部分「双方間の交渉の門が閉ざされてしまった」とも合致する。

要するに、7月6日以降の“現状”はそれまでの「貿易戦争を避けるという目標と大義が横たわる前提で互いに牽制・警告・批判し合っていた」段階から、「貿易戦争が勃発してしまったという結果と事実が立ちふさがる前提で互いにXX・YY・ZZし合っていく」段階に突入しているのである。

7月6日の前後で、米中経済貿易関係をめぐる様相や空気感自体はそれほど変わっていないのかもしれない。

しかし、それをめぐる段階と構造は180度変わってしまったと言っても過言ではない。私たちはそういう前提で米中貿易戦争の行方、そしてそれが及ぼす影響を観察していく必要があるということである。

中国は経済貿易問題に限れば米国との貿易戦争に“徹底抗戦”する?

XX・YY・ZZがどのようなものになるのかについては、今後の展開を注視していかなければならないと考えるが、参考までに7月26日に行われた商務部定例記者会見にて高峰報道官が「トランプ大統領が近日5000億ドル相当の中国からの輸入品に関税をかける準備ができていると主張しているが、商務部としてはこれにどうコメントするか」という記者からの質問に次のように答えている。

「これまで何度も強調してきたが、中国側として貿易戦争は戦いたくない。ただ貿易戦争を戦うことを恐れもしない。国家の核心的利益と中国人民の利益を断固として死守していく次第である。と同時に、我々は世界各国の貿易パートナーとの経済貿易協力を強化し、自由貿易の原則と多国間貿易体制を共同で守り、世界経済の健康的・安定的な運行を推し進めていきたいと考えている」

筆者が推察するに、中国は少なくとも経済貿易問題に限って言えば、もはや米国を信用もしなければ前向きに協議を推し進めるつもりもない。ただ米国側から投げられたボールに対しては、それを無視するのではなく、一つひとつ、繰り返し中国側の立場と意思を表明していくものと思われる。

その立場とは米国との貿易戦争に“徹底抗戦”するというものであり、意思とはトランプ政権が自由貿易システムや多国間主義を踏みにじるかのような“内向き”の言動や政策を取り続ける状況下で、途上国や新興国だけでなく、日本や欧州、特に米国の同盟国に接近し、経済貿易から関係を強化し協定を締結していく過程で、あるいはその結果として米国を“孤立”させ、自らの国際的影響力と発言権を向上させるという国家戦略である。

そして、そんな戦略を支えるのが習近平国家主席の対外的野心とそれを“応援”する中国国内のナショナリズムというのが筆者の理解である。

米中関係はどこへ向かっていくのだろうか。

「中米は依然として同じ船の上にいる」と主張する崔天凱駐米大使は、冒頭で記したイベントで「両国が直面している共通の挑戦は、中米関係が不確定性と未知の水域を乗り越えて、より良い形で両国と世界に貢献していくかである」と指摘している。

筆者もそう思う。

崔大使が言及した「不確実性」、そして「未知の水域」というのは、対米貿易戦争が今後どういう展開を見せていくのかに対する中国側の懸念と無関係ではないだろう。「この貿易戦争がどこに落ち着くのか、我々にも全く読めない」(前出の中国駐米外交官)

貿易戦争の過程で台湾問題が取引のカードと化す!?

日本の安定と繁栄に関わるより深刻な事態という意味で、筆者が注視し懸念する今後の展開として、貿易戦争が台湾問題と直接的にリンケージする、換言すれば、貿易戦争が展開される、あるいは解決される過程で台湾問題が取引のカードと化すことである。

現段階でもそれはすでに潜在的なカードであり、米国側はそれを選択肢として練り、中国側はシナリオとして考えていることと察する。

仮に、米国側が中国側に対して「すべての報復措置を取りやめてほしい。さもなければ、これまでもトランプ政権として構想にあったように、近いうちにジョン・ボルトン国家安全保障問題担当大統領補佐官を台湾へ派遣する。ただ我々も中国側が固執する“一つの中国”政策を理解している。故に派遣には慎重になるつもりでいる。そのためにもぜひ報復措置の取りやめを検討してほしい」と迫ってきた場合、中国側はどう反応・対応するだろうか。

このシナリオをめぐって、現在筆者は中国の党・政府・軍・学術関係者らと議論を重ねている。今後機会があれば議論の中身も何らかの形で紹介したいと考えているが、ここでは中国側の反応・対応として考えられる3つの可能性を簡潔に書き下し、本稿の結びとしたい。

どの可能性が高いか、最も現実味を持つかに関しては読者の皆様一人ひとりのご想像にお任せする。筆者自身は今現在も観察・思考・議論の最中であり、少なくとも確定的な回答は持ち合わせていない。

(1)米国側の要望を受け入れ、報復措置を取り止める。中国は“一つの中国”という核心的利益を死守する代わりに貿易戦争で妥協したことになる。

(2)米国側の要望を拒否し、ボルトン補佐官の台湾訪問が現実化する。中国は米国によって核心的利益が脅かされるのを容認したことになる。

(3)(2)を受けて、米国によって核心的利益が踏みにじられたという“被害者”としての立場を国内外に訴えつつ、これを機に、中国共産党としての念願である“祖国統一”“台湾奪回”を実現するための行動を取る。

(国際コラムニスト 加藤嘉一)

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『習近平は1人ぼっち? 外遊に党中央の動静を探る アラブ・アフリカ歴訪に「ブレーン」二人の随行無く』(8/1日経ビジネスオンライン 福島香織)について

7/31阿波羅新聞網<北戴河会议在即 胡海峰高调挺习 白宫三次施压习近平=北戴河会議はもうすぐ 胡海峰(胡錦濤の子・浙江省麗水市書記)は声を大にして習を支持 WHは3度も習に圧力をかける>中南海では静かに深く権力闘争が起きていたが、今は水面に浮上し、荒れ狂っている。しかし、軍権は習が握っている。腐敗した反対派は習を下ろしたいが、自分で前面には出ない。習を怒らすと、自分の悪事が暴露されるから。クドローは7/29WSJの中で「米国とEUの貿易協議で、進展は速い。米国産の大豆や牛肉、LNGをEUは買う。中国は困った立場に置かれる」と。7/25Foxには「米国とEUは貿易同盟を結んだ。世界の貿易ルールを守らない中国に共同で対処することとした」と。7/18には「米中貿易戦争の責任は習にある」と名指しで非難し、「中国が米国を満足させる案を出せば、関税をかけるのを止める」とも。

http://www.aboluowang.com/2018/0731/1151306.html

7/31阿波羅新聞網<北戴河会前 汪洋活跃 成习潜在接班人 大反转!=北戴河会議の前に汪洋は動きが活発 習の後を継げるか 大逆転>香港の明報によれば「汪洋は政協主席で常務員の地位が4位であるが、動きが活発。7月は稼働日が20日の所、10回も会議に参加。CCTVにも顔を出す。3位の栗戦書より多いくらい。胡錦濤も絶賛」と。但し、米国の阿波羅網特約コメンテーターは「習の後を汪洋が襲うことはないだろう。習は65歳、汪は63歳で年が近い。政変が起きれば汪にも可能性が出て来るが。汪が後を継ぐ話には根拠はない。早くて20大、4年後に後継の話が出るかどうか」と。

http://www.aboluowang.com/2018/0731/1151281.html

7/31阿波羅新聞網<何清涟:2018 中共拆弹不如天算 完全被川普打乱了——何清涟:中国金融系统拆弹与金融难民的产生=何清漣:2018中共の爆弾はずしは天の考えに及ばず トランプに完全にしてやられる 金融システムにおける爆弾はずしと金融難民を産む>中国には150のP2Pのノンバンクがあるが、元本や金利を払えず、営業停止や清算、夜逃げ、失踪、破産の問題が起きている。7/18に営業を停止したのはその内、23企業で、最大資産の企業は270億元(1元=16.45円とすると4442億円)。損した人を「金融難民」と呼ぶ。

銀行監督委員会主席は6月中旬の会議で「12字で総括。金融拆弹,定向爆破,压力测试。=金融の爆弾を取り除き、どこかで爆破させ、影響を試すと。最も注意すべき警告は、理財商品の収益率は10%を超えているので、元本全部が損になる準備をするように」と述べた。彼は中国の金融のシステミックリスクに触れた。「銀行は巨額の不良債権(不動産と国営企業向けが最大のリスク)があり、巨額の地方債務(22兆元の地方債、違約金支払いがブーム?払えないのでは。)があり、シャドーバンクもある。爆弾が多すぎて、少しずつ解決するしかない」と。P2Pが槍玉にあがったのは①P2Pの資産規模1.3兆元は銀行の252兆元と比べ少ない。大勢に影響を与えることがないので先に潰す②「金融難民」は100万から1000万人程度。且つ大多数の投資額は1~5万元程度。怒りは時間が経つにつれ薄くなり恨みに変わるだろうとの読み。

しかし、「金融難民」は政府に肩代わりを求めるだろう。ただ、政府の関心は今年満期になる22兆元の違約金の問題である。米国では「個人の自己責任」とされるのに中国では何故政府に救済を求めるのか?中共政府は政治・経済・文化の三大権力を握っているから。何でもラストリゾートとなる。だが、政策が不味く、臭いものに蓋の態度を取って来た。この30年来の通貨膨張は凄いものがある。M2で見ると90年と17年を比べれば123倍となっている。2018年の中共当局の重点目標は地方債務の解決であるが、人知は天には及ばず、米中貿易戦が起きてしまった。爆弾はずしの困難と中国経済の不確実性は高まった。

http://www.aboluowang.com/2018/0731/1151152.html

7/31ダイヤモンドオンライン ロイター<米政権、「アラブ版NATO」構想でイランに対抗へ>昨日の本ブログでイラン問題を取り上げました。戦争となれば、米・イラン間では起きず代理戦争になるだろうと。このアラブ版NATOはイランだけでなく中国をも視野にいれている気がします。いざとなれば中国への原油輸出を止めれるように。ABCD包囲網と同じです。

https://diamond.jp/articles/-/176155?utm_source=daily&utm_medium=email&utm_campaign=doleditor

パキスタンの新政権は中国の債務の罠に気付いたのか、IMFに支援を求めているようですが、米国はこれに反対です。8/1日経によれば融資が債務返済に回る可能性を懸念してとありましたが、心はまず債務削減交渉をしろ、債務削減交渉では最大債権者の中国の負担を大きくしなければの思いでしょう。中国も反対していますが、融資契約の内容が可視化してしまうのを恐れてのようです。選挙に不正との話もあり、再選挙になるのかも。どうなるにせよ、IMFの支援には反対です。パキスタンが債務の罠に落ちようとも。

福島氏の記事の通り、習を助ける人もなく、一人ぼっちだとすると独裁者は何を考えるのかです。血に飢えた行動を取るのかどうか。国民向けか外国向けか?外国ですと、台湾か日本か?習近平は世界に中国の世界制覇の野心を余すところなく見せてくれましたので、下りても良いとは思いますが、どうせならバブルを弾けさせ、中国経済をガタガタにしてからにしてほしいです。でも、独裁者の常で自ら辞めることはないでしょうけど。世界は中国が「遅れて来た帝国主義者」というのを忘れずにいましょう。

記事

南アフリカで開催されたBRICS首脳会議に出席する習近平(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

習近平政権は7月下旬、今年になって初めての外遊に出た。行先はアラブ首長国連邦、セネガル、ルワンダ、南アフリカ、モーリシャス。自らが大戦略として掲げる一帯一路(シルクロード経済圏戦略)についてアラブおよび、アフリカ諸国から協力と支持を取り付けることが主な目的だろう。だが、この10日におよぶ初外遊に、王滬寧も劉鶴も随行していない。この二人は、習近平が政策ブレーンとしても最も信頼を寄せているといわれていた。また習近平の片腕として、「米中貿易戦争」の交渉の中心に立つと予想されていた王岐山の影も薄い。間もなく河北省の保養地で開催されるとみられる北戴河会議前に、習近平政権のキーマンたちの動静について整理しておこう。

まず、今回の習近平のアラブ・アフリカ歴訪について簡単に報告しよう。19日から29日まで10日間におよぶ外遊では、9月に北京で開催予定の中国・アフリカ協力フォーラムの成功に向けた地ならしを行い、とくに中国の“植民地化戦略”として国際社会で警戒心を呼び始めている「一帯一路」戦略について、アフリカ諸国の賛同をしっかりと取り付けることが大目的だ。このために習近平は外遊出発前に、アラブ首長国連邦に200億ドルの借款、将来5年にわたって8兆ドル以上の輸入、7500億ドルの投資を約束。またシリア、イエメン、ヨルダン、レバノンに対しても6億人民元の支援、10億元のプロジェクト実施を公言している。

また南アフリカとは147億ドルの投資に合意。ルワンダに対しては1.26億ドルの借款で、道路を2本作ることを約束。セネガルとは西アフリカとして初めて「一帯一路」協力文書に調印した。セネガルに対しては2017年だけで1億ドル以上をかけて、首都と第二都市を結ぶ高速道路や工業団地建設を支援した。また、南アのヨハネスブルグで開催されたBRICS首脳会議で、反保護貿易主義の結束を呼びかけ、米国を牽制する勢力をBRICSからアフリカ諸国、トルコにまで拡大していこうとしている。

トランプ政権がアフリカにはあまり興味を示していない今のうちに、中国の借款による中国企業の請負でアフリカ諸国の基礎インフラ建設を進め、一帯一路戦略の要衝地として取り込みたい考えだ。中国からの巨額債務を返済できない場合は、こうしたインフラは事実上、中国に接収される可能性が強いが、そのことに危機感を持てるほど、アフリカ諸国の政治は成熟していない。

この「一帯一路戦略」にとってきわめて重要な外遊に、王滬寧と劉鶴が同行していないことが、いろいろな憶測を呼んだ。「一帯一路戦略」は王滬寧と劉鶴が立案者。「一帯一路」という命名は王滬寧が考え出したものといわれている。また、王滬寧は習近平が各国指導者との会談における受け答えの振り付けも行う習近平のブレーンとして知られており、重要な外遊に同行することが多かった。

なのに、習近平政権二期目に入っての初外遊であり、一帯一路戦略を大きく推進するための重要な会談、署名があるこの外遊に、二人とも同行していないのはどういうわけなのか。主な同行者は丁薛祥(中央弁公庁主任)、楊潔篪(外事委弁公室主任)、王毅(外相)、何立峰(発展改革委主任)だ。

王滬寧についていえば、このアラブ・アフリカ外遊に同行していないだけでなく、この1カ月の間、ほとんど動静が伝わっていないので、失脚説が流れはじめた。王滬寧が公式報道でその動静が確認されているのは6月28日の新華社報道が最後だ。7月4日の中央組織工作会議、6日の中央全面深化改革委員会第三回会議には出席したようだが、報道はされていない。一部では、4日の会議以前と以後で、王滬寧の党中央における立場が激変した、という噂がある。

党中央で何らかの異変?

7月4日は、すでにこのコラムでも触れた習近平ポスター墨汁がけ事件が起きた日でもあり、7月3日は海南航空集団会長が転落死した日である。7月6日は米中貿易戦争の開戦日。この直後に、習近平のポスター撤去命令や習近平個人崇拝キャンペーンの一環としてたきつけられた“梁家河学”(習近平の下放時代の研究プロジェクト)の停止命令などが相次ぎ、新華社が「華国鋒は罪を認めた」という古いコラムを思い出したようにネットに上げるなど、中央メディアで不可解な現象が起きた。なので、7月4~6日に党中央でなんらかの異変が起きたのではないか、それと王滬寧の動静が不明になったことと関係があるのではないか、と疑う声が出てきたわけだ。

王滬寧は中央宣伝部を指導し、メディアとイデオロギー政策を主管する政治局常務委員であるから、習近平の個人崇拝キャンペーンである習核心キャンペーンの在り方について、党内で何等かの対立、議論があったならば、その責任を負わされる立場にある。とすれば、その後の党中央宣伝部および新華社など中央メディアの奇妙な動きとつじつまがあう。7月12日の党の政治建設会議にも王滬寧は出席せず、王滬寧の代わりに丁薛祥が習近平の指示で出席している。

習核心キャンペーンが失敗であった、政治的錯誤があったと長老たちや太子党の有力者や党中央幹部たちから突き上げがあったならば、習近平はその責任を宣伝・イデオロギー担当の最高責任者である王滬寧に押し付けたのかもしれない。第19回党大会で党規約は改正され、「習近平新時代の中国の特色ある社会主義思想」という言葉が前文に入るなど、習近平独裁色が色濃く打ち出されたが、「いかなる個人崇拝も禁止する」という規定は変わっていないので、習近平核心キャンペーンによる個人崇拝化、神格化は明らかに党規約違反なのだ。だが、習核心キャンペーンが完全に否定されたかというと、そうでもない。

やはり序列三位の政治局常務委員である習近平の側近、栗戦書(全人代常務委員長)が16日、全人代常務委員会党組織会議を招集し、そこで「習近平同志を核心とした党中央は“一錘定音、定于一尊”(絶対に動かせない唯一の)の権威として維持しなければならない」と発言。これは18日付けの人民日報でも報じられた。

習近平核心キャンペーンを長老や党中央幹部らが批判し、これに対し栗戦書ら習近平側近グループが巻き返しを図ろうとしている、という風に見える。党中央で習核心キャンペーンをめぐって、意見が対立し、その責任を王滬寧が負う形になったが、栗戦書が巻き返そうとしているところ、ということだろうか。

「定于一尊」という言葉の含み

だが、そう単純でもなさそうなのは、この「定于一尊」という言葉の含みである。この言葉は史記・秦始皇本紀の「今皇帝并有天下,別黒白而定一尊」(始皇帝が天下を統一すれば、物事の白黒は、唯一皇帝によって決定される)からの引用だ。

この言葉は習近平が近年よく使っているが、たいてい否定の文脈で使われる。たとえば、第19回党大会の報告でも「政治制度は定于一尊(絶対的唯一のもの)でありえない。…外交の政治制度モデルをそのまま持ってくることなどできない」というふうに使われた。栗戦書の“定于一尊”発言のその翌日、山西日報は、第19回党大会の習近平報告で使われた“定于一尊”発言を引用しながら、専制統治が定于一尊であったことが秦王朝の滅亡を加速させた、と書いている。

習近平が否定的に使っていた定于一尊という言葉を、栗戦書が習近平に対して使い、その翌日に山西日報が、王朝の滅亡に絡めて引用する。中国は言論が自由ではなく、ストレートに指導者の批判や不満を語ることができないので、こうしたひっかかりを覚える表現には、背後に何か含むところがあるのではないか、と疑ってかかる必要がある。

香港の老ジャーナリスト李怡の蘋果日報のコラムでは、独裁者の秦の始皇帝の故事から生まれたこの四字熟語の背景を語るとともに、現代人にとってはこの四字熟語にポジティブな意味はまったく含まれていない、と指摘している。それが習核心について使われるときだけ肯定的に使われることに、中国人だけが感じ取る含意があるやもしれない。

そう考えると、栗戦書も本当に習核心支持者なのだろうか、と疑ってしまう。

王滬寧の立場が悪くなったのではと考えられるもう一つの理由は、米中貿易戦争で中国が事実上敗北に追い込まれている責任を問われているのではないか、というものである。習近平がトランプと会談したとき、必ず王滬寧が同席してアドバイザーとなったのだが、そのアドバイスに従ったせいで、今の米中貿易戦争の苦境がある、と習近平が考えて責任を転嫁したのではないか、という説だ。

だが、米中の通商協議の中国側チームの代表は劉鶴である。劉鶴は責任を問われていないのだろうか。劉鶴は失脚の噂などは今のところないのだが、習近平との信頼関係にひびが入っているのではないか、という憶測が流れている。米中通商協議筋によれば、習近平と劉鶴の間で、貿易戦争への対応方針に乖離があるようだ。5月中旬に行われた米中通商協議において、劉鶴は習近平を満足させる成果を持ち帰れなかったが、米国サイドは、習近平はもっと劉鶴の意見を聞くべきであったと見ているという。

習近平は劉鶴に不満をもってしまい、代わりに何立峰に期待を寄せているという話がでている。また、共青団派の秘蔵っ子・胡春華に米中貿易戦争の対応をさせてはどうか、と一部党中央幹部が推しているという話もある。元広東省の書記であった政治局常務委員・汪洋とその弟分の胡春華が組んで、劉鶴の米中通商協議の失策を利用して、経済の操縦桿を奪う画策をしているのではないか、という想像からくる噂だ。

劉鶴は国有企業改革指導小組組長に正式に就任し、26日に初会議を招集。6つの経済要職を兼任しているという点では、依然、習近平の経済ブレーンとして重い責任を負っているということになるが、はた目からみればオーバワークの上、習近平の信頼を失いずいぶん疲労しているようにも見える。

米中通商協議で薄かった王岐山の存在感

対米交渉の秘密兵器として期待され、党中央の要職をすべて定年退職しても、慣例を破って習近平に請われて国家副主席となった王岐山がその存在感を発揮していないのも気になる。王岐山は米財界、金融界人脈も太く、米中通商協議においてはキーマンになるはずだった。だが、そうならなかったのはなぜか。

二つ説があり、王岐山は習近平から直接の指示を受けて動く立場であり、王岐山の失敗は即、習近平の失敗になってしまい、迂闊に動けないという事情がある、という見方が一つ。王岐山は海南航空集団に絡む利権問題、スキャンダルの噂があり、米国サイドにそうしたスキャンダルの証拠が握られていれば、王岐山は大幅な妥協を強いられることになる。王岐山の妥協は習近平の妥協であり、そうなれば反腐敗キャンペーンなど強面でやってきた習近平政権の求心力は一気に下がってしまう。

もう一つは、米中貿易戦争の解決策や着地点について、王岐山と習近平の間でもともと意見が乖離している可能性だ。現実派の王岐山はすでに、中国が大幅な妥協をせずして解決はあり得ない、と見切っているかもしれない。だが、習近平としては絶対に妥協・譲歩はできない。習近平の方針は、EUや他国を巻き込んだ反米保護主義勢力の国際世論を武器に、米国の妥協を引き出すことだろうが、すでにEUやASEANには中国の一帯一路戦略に対する不信感が広がっている。一帯一路戦略を棚上げするか、軌道修正しないかぎり中国が国際社会をまとめて米国と対峙するのも難しい。

そもそも習近平と王岐山が本当に深い信頼関係を維持しているかについても、異論を唱える人は多い。

とすると、習近平は、かつてブレーン、片腕とよばれた王滬寧も劉鶴も王岐山も、習近平とも距離を置いていることになる。現役の政治局常務委員や政治局員が完全失脚する可能性は極めて低いが、習近平との関係に完全に亀裂が入った可能性はあるだろう。

習近平が10日の外遊から帰京して、北戴河会議に臨んだら、政治局に誰ひとり友達がいなくなっていた、なんて事態はあるやもしれない。

習近平の「お友達内閣」に異変が起こっているのか。

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『トランプの暴走は「中東大戦争・世界経済危機」を起こしかねない』(7/31ダイヤモンドオンライン 北野幸伯)について

7/31日経<トランプ氏、イラン大統領との対話「用意ある」>北朝鮮と同じで対話する可能性はありますが、人質事件もあったことだし、国交回復には至らないのでは。厳格な宗教国家ですし。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO33599210R30C18A7000000/

7/31日経<米圧力 イラン経済難 通貨が最安値/食品高止まり 強硬派、台頭の恐れ

【テヘラン=岐部秀光】イランとの核合意から離脱し、同国への包囲網を強める米国への対応にイランが苦しんでいる。通貨の安定を取り戻そうとした為替制度の効果は乏しく、通貨の下落が加速。為替や貿易の新制度はかえって混乱をもたらしている。穏健派とされるロウハニ大統領への批判が強まれば、保守強硬派に近いとみられる最高指導者ハメネイ師のもとで、イランの孤立がさらに深まるおそれがある。

「この国には一体、いくつ為替レートがあるのか」。首都テヘランで暮らす市民は、経済混乱の元凶である為替の制度について冗談まじりの不満を口にする。

通貨リアルの対ドル公定レートは、もともと実勢と大きな開きがあった。これを解消しようと1ドル=4万2000リアルの「統一レート」を導入すると当局が発表したのが4月。しかし、その後もリアル安は止まらず闇市場の実勢は29日に1ドル=11万2000リアルと最安値の更新を続けている。

ビジネスや海外の親族への送金に必要とする企業、市民らがドルの確保を急いだため、下落に拍車がかかったようだ。

政府は7月になると「第2外国為替市場」をつくると発表した。輸出業者と輸入業者が交渉してレートを決める市場で、石油をのぞく輸出業者の2割が参加。第2市場のレートは実勢に近いが、両替商は参加できない。

こうした為替の混乱で企業は投資をひかえざるをえなくなっている。商人は外国から商品や原料を仕入れられない。先行きが読めない小売店は先回りして値上げし、必需品の鶏肉や卵も価格が高止まりする。「3カ月で物価は6割上がったが、賃金は15%しか増えていない」と公務員のアッバスさん(42)は言う。

市内の両替商は事実上、外貨を買い取るだけとなりつつあり、一般の市民がリアルをドルに替えるのはむずかしくなってきた。人々は高額の外国製品を買ったり、手持ちのリアルを金に替えたりして財産を守ろうとしている。一部の市民はビットコインなどの仮想通貨の購入に走った。

政府は対策に躍起だ。人々が金を買う際に新たに税の支払いを求めることを検討。仮想通貨への資金流出を防ぐため、ネットのサービスプロバイダーへの規制で、オンライン取引業者へのアクセスを阻止している。

6月下旬には自動車など1339品目について輸入を禁止すると発表した。さらにコーヒーメーカーやパソコンなど、ぜいたく品や、必需品以外の輸入関税を引き上げたという。ただ、食糧も対象品目に含まれており、国民に必要以上の打撃をあたえるおそれがある。

イラン当局が最も警戒しているのは、米の圧力で石油の買い手がいなくなることだ。米政権は石油を巡る制裁の適用から除外するのはきわめて例外的なケースに限ると表明した。日本や韓国、欧州連合(EU)などは、適用除外を巡る米との交渉に期待する一方で、他の国から石油を調達する準備を進めている。

石油の取引には米ドルが用いられるのが慣例だ。イランの中央銀行を標的とし、国際決済システムも使わせないことをめざす金融面の制裁が最も大きな効果を上げる。中国は人民元を使ったり、石油と物品を交換するバーター取引をつかったりして石油の輸入を続けるとみられるが、取引量には限度がある。

国内では経済運営を担う経済閣僚や中央銀行当局者への批判が強まっており、ロウハニ師は25日、新たな中央銀行総裁を指名した。ロウハニ師への批判が強まれば、ハメネイ師の発言力が強まる可能性が大きい。

ハメネイ師が提唱する「抵抗経済」は米国の圧力に屈しない、自立した経済をつくろうという長期の発展モデルだ。輸出産業を育て、石油だけに頼らない仕組みにするのが理想。だが、実際は既得権をにぎる保守強硬派が外国企業を締め出す口実につかってきた。めまぐるしく変わる行政に振り回され、経済の混乱と孤立が深まりつつある。>(以上)

$が使えないことが経済に大きく響くという事です。中国にも$を使わせないようにすれば良い。

7/31日経<米、インド太平洋ファンド まず125億円、中国に対抗

【ワシントン=永沢毅】ポンペオ米国務長官は30日、ワシントンで演説し、インド太平洋地域のインフラ整備などを支援するファンドを設立すると表明した。トランプ政権が提唱する「自由で開かれたインド太平洋戦略」の柱の一つと位置づけ、広域経済圏構想「一帯一路」などを通じて影響力を強める中国に対抗する。

ポンペオ氏は全米商工会議所が主催するビジネスフォーラムで演説。「インド太平洋地域への関与が米国の国益だ」と述べ、関与を継続する方針を改めて強調した。

経済分野での関与拡大を訴えるなかで、米国からの民間投資を促進する施策としてファンド設立を提案した。投資分野はインフラやエネルギー、デジタル経済を想定。まず1億1300万ドル(約125億円)を拠出し、順次増額する。

ポンペオ氏は中国を念頭に「私たちは決してこの地域の支配を目指さないし、他国がそうすることにも反対する」と力説。「政治的影響力を目的に投資をしない」とも語った。中国は一帯一路の沿線国に返済不能な多額の資金を貸し付け、返済の代わりに重要インフラの運営権を得ていると批判されており、米国がこうした手法と一線を画すことを明確にした。

演説に先立ち、米国務省のフック政策企画局長は記者団に「政府の役割はできるだけ控えめにし、民間の活力を引き出すことに重点を置く」と説明。透明性や持続可能な開発を重んじる方針を示していた。

ポンペオ氏は1日からシンガポールで始まる東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の外相会議にあわせ同国とインドネシア、マレーシアを歴訪。インド太平洋戦略への協力を各国に呼びかける>(以上)

125億円くらいでは発展途上国は魅力を感じないのでは。中国の毒牙にかかる国は未だ出そうです。やはり、元から断たないと駄目で、中国経済を崩壊させませんと。

7/31阿波羅網<白宫经济顾问:美欧再走近令北京被孤立=WH経済顧問(クドロー):欧米は再び近づき北京を孤立させる>米国とEUは貿易戦の休戦協議に達し、対中で手を握ったと看做しても良い。WHのクドロー経済顧問は7/29に「欧米が近づくに従い、中共は困った立場に置かれ、北京は既に孤立したと思っている。国際貿易体制が壊れたのは、中共のせいである。大部分の自由貿易論者は中共が規則を守らないできたことに同意する。中共は欧米の貿易協議が合意にならないことを願っていたが、そうはならなかった」と述べた。

http://www.aboluowang.com/2018/0731/1151136.html

北野氏の記事と上記の阿波羅新聞網の記事及び本ブログで今まで伝えて来ました中国語のニュースではニュアンスが違います。それは日本のメデイアは欧米の左翼・リベラル系の報道を翻訳しているからだと思われます。どちらが正しいかは分かりませんが、トランプのやっていることを信じたいと思います。レーガンがソ連共産主義を打倒し、トランプが中華共産主義を打倒すれば、米国の建国の理念である自由を守ったことになります。トランプは偉大な大統領として歴史に名を留めるでしょう。

米国とイランの戦争の可能性はゼロではありませんが、サウジorイスラエルVSイランの代理戦争になるよう米国が仕向けるのでは。ホルムズ海峡を封鎖されて一番困るのは日本です。代替エネルギー(原発、再生可能エネルギー、メタンハイドレート、核融合)の取り組みもしっかり進めておかなければ。以前の石油ショックのようなことが起きないとは限りません。企業による原材料の買い占めや、便乗値上げは社会の監視が厳しくなっているのでできないと思いますが。

記事

日本人は、欧州と米国を「いつも一緒」「ほとんど同じ」という意味で、「欧米」とまとめた言葉を使う。しかし、「アメリカファースト」を掲げるトランプが、米国と欧州の関係をボロボロにしている。そして、トランプに嫌気がさした欧州は、米国のライバル・中国に急接近している。(国際関係アナリスト 北野幸伯)

トランプが欧州を激しく批判!嵐のNATO首脳会議

トランプの「アメリカファースト」のゴリ押しは欧州と中国を接近させ、中東大戦争と世界経済危機の危険性を高めている Photo:AP/AFLO

ベルギーの首都ブリュッセルで7月11日、NATO首脳会議が開催された。ここでトランプは、2つの問題で欧州を激しく批判した。

まずは、米国以外のNATO加盟国の防衛費負担が少なすぎること。毎日新聞7月11日付から(太線筆者、以下同じ)。

<NATOは2014年、対ロシア関係の緊張高まりを受け、24年までにすべての加盟国が国防費をGDP比で2%以上に引き上げる目標を設定した。
しかし18年中に達成が見込まれるのは、加盟29ヵ国のうち米英やロシアに近い東欧中心の計8ヵ国のみだ。
これに対し、米国はNATO全加盟国の国防支出の7割近くを占める。

NATOは、29ヵ国からなる「反ロシア軍事ブロック」である。加盟国の中には、GDP世界4位のドイツ、5位のイギリス、7位のフランス、9位のイタリア、そして10位のカナダなど、経済大国もある。トランプは、「欧州をロシアの脅威から守っているのに、なぜ米国が7割も負担しなくてはならないのだ」と憤っているのだ。

彼は、米国と欧州の間に対立があることを隠さない。それどころか、世界に向けて情報を発信している。

<こうした点に不満を持つトランプ氏は首脳会議前日の10日、「NATO加盟国はもっと多く、米国はより少なく払うべきだ。とても不公平だ」と主張するなど、通商問題も絡めながら欧州の加盟国を批判するツイートを繰り返した。>(同上)

彼は、問題をツイートすることで、米国民に「公約を守っている。国のために働いている」とアピールしたいのだろう。米国民、特にトランプに投票した人々は、喜んでいるに違いない。

EUの盟主・ドイツがトランプのターゲットに

欧州の中で、トランプが特にターゲットにしているのは、ドイツだ。

<とりわけトランプ氏が標的とするのは欧州最大の経済大国ドイツだ。ドイツの国防費はGDP比約1.2%で、24年までの引き上げ目標も1.5%にとどまる。>(同前)

欧州最大の経済大国ドイツ。既述のように同国のGDPは、世界4位である。しかも、EUにおけるドイツのパワーは圧倒的で、「EU=ドイツ帝国」と主張する人もいる。名実共に「EUの盟主」と言える存在だ。

フランスの人類学者エマニュエル・トッドは、「ソ連崩壊」「米国発金融危機」「アラブの春」などを予言したことで知られている。そんな彼も、「EU=ドイツ帝国」という意見の持ち主で、『「ドイツ帝国』が世界を破滅させる」(文春新書)という本まで出版している。

「EU=ドイツ帝国」という視点で見ると、そのGDPは世界の22%にもなり、「米国と並ぶ大国」ということになる(EUのGDPには、英国も含む)。こんな強大な国が、「安保にタダ乗りしている」と、トランプは不満なのだ。

トランプが欧州を批判するもう1つの理由は、ロシアとドイツを結ぶガスパイプラインプロジェクトだ。

<トランプ大統領は、ロシアからドイツに天然ガスを供給するパイプライン計画「ノルド・ストリーム2(Nord Stream II)」に言及し、「ドイツはロシアによる捕らわれの身となっている。膨大なエネルギーをロシアから得ているからだ」と発言。
続けて「世界中の誰もが、このことについて話している。われわれがドイツを守るために数十億ドルも払っているというのに、ドイツは数十億ドルをロシアに支払っていると」「ドイツはロシアに完全に支配されている」と語った。>
(AFP=時事 7月11日)

ドイツとロシアが天然ガスを巡って接近



「ドイツはロシアに完全に支配されている」という、過激な発言が飛び出した。

欧州がロシアのガスに依存していることは、よく知られた事実である(総輸入量の約4割、総消費量の約3割)。ところで、ロシアのガスは、どうやって欧州まで届くのだろうか?

これまで、主なルートはウクライナ経由のパイプラインだった。その後、ロシアとウクライナは、しばしばガス料金問題で対立。「ロシアがウクライナへのガス供給を止めた」というニュースを覚えている方も多いだろう。

ロシアは、「反ロのウクライナを迂回して、直接欧州にガスを届ける方法」を模索しはじめた。そしてできたのが、ロシアとドイツを直接結ぶ海底パイプライン「ノルド・ストリーム」だ(2011年稼働)。

その後、ロシア―ウクライナ関係は、さらに複雑になっていく。2014年2月、ウクライナで再び革命が起こり、親ロシアのヤヌコビッチ大統領が失脚(親ロ・ヤヌコビッチは、2010年の大統領選で、親欧米派の候補に勝利していた)。

同年3月、ロシアは、クリミアを併合。同4月、ウクライナ親欧米新政権と、東部親ロシア派ドネツク、ルガンスク州の間で内戦が勃発した。そして現在に至るまで、ロシア―ウクライナ関係は最悪な状態が続いている。

当然ロシアは、「ウクライナを経由しないルート構築」をますます望むようになり、「ガスの安定供給」を願う西欧と利害が一致した。そして現在、進められているのが「ノルド・ストリーム2」プロジェクトだ。(2019年稼働予定)

EUと中国が事実上の「反米声明」を発表

トランプは、これに反対しているのだ。彼は「ドイツはロシアに完全に支配されている」と批判する。「欧州のロシア依存度が高すぎるのは、安保面で問題」というのだ。これは、その通りかもしれないが、米国には「ノルド・ストリーム2」計画に反対する理由がほかにも2つある。

1つは、親米のウクライナ・ポロシェンコ政権を守ること。「ノルド・ストリーム2」が完成すれば、ウクライナは自国領を通過するガスパイプラインの「トランジット料」を得ることができなくなり、経済的に困窮する。

もう1つの理由は、米国自身が欧州に液化天然ガスを売りたいから。米国は、シェール革命の恩恵で、世界一の石油・ガス大国に浮上した。それで、石油・ガスの売り込み先を探している。米国は、欧州への輸出を狙っていて、ロシアを排除したいのだ。

トランプは、「欧州のロシア依存が高くなりすぎるのは危険」というが、要は「米国のガスを買いなさい」ということなのだ。

トランプはNATO首脳会議を終えた7月16日、フィンランドの首都ヘルシンキで、プーチンと会談した。「軍縮」「ウクライナ問題」「シリア問題」「イラン問題」など、さまざまなテーマが話し合われたが、具体的合意はなかった。それでも、トランプとプーチンは、最悪になっている米ロ関係を改善させる意志を示した。

同日、EUと中国の首脳会談が北京で行われている。そして、なんとEUと中国が、事実上「反米の共同声明」を出した。

<<中国EU首脳会議>共同声明に「反保護主義」明記
毎日新聞 7/16(月) 23:43配信
【北京・河津啓介】中国と欧州連合(EU)は16日、北京で首脳会議を開いた。
会議後に発表した共同声明には「反保護主義」が明記された。
共に米国との通商問題を抱える中国と欧州が連携強化を確認した形だ。>

<会議には中国の李克強首相とEUのトゥスク欧州理事会常任議長(EU大統領)、ユンケル欧州委員長が出席。会議後の共同会見で、トゥスク氏は同じ日に米露首脳会談も開かれることに言及し、欧州と米露中が
「国際秩序の破壊や貿易戦争の開始を避ける義務がある」
と訴えた。>(同上)

「トランプ外交」が中東大戦争を引き起こす可能性

トゥスクは、「欧州と米露中が」という表現を使った。しかし、「貿易戦争」を開始したのは、米国である。そして、国際秩序を破壊している件についても、「クリミアを併合した」ロシアというよりは、「パリ協定」「イラン核合意」から離脱した米国のことを指しているのだろう。

「孫子の国」中国は、米国と欧州の亀裂を巧みに利用する。

<中国は米中関係の悪化を見据え、欧州との関係を重視している。>(同前)

<李首相は今月ドイツを公式訪問して経済連携の強化で一致。10日には、ノーベル平和賞を受賞した民主活動家で昨年7月に事実上の獄中死をした劉暁波氏の妻、劉霞さん(57)を解放し、人権問題に関心の高い欧州諸国に配慮を示していた。>(同前)

劉暁波氏の妻、劉霞さんも、中国にとっては「政治の道具」に過ぎない(それでも、ドイツに脱出できてよかったが)。

「アメリカファースト」を掲げるトランプは、これまで「有言実行」を貫いてきた。「公約を守ること」は、もちろん美徳だろう。しかし、その「公約」自体に問題があれば、約束を守ることで危機が起こることもある。

「トランプ外交」の結果、起こる可能性のある「大きな災い」が2つある。

1つは中東戦争だ。トランプ米国は、「イラン核合意」から離脱した。ところが、この合意に参加した他の国々、具体的には、イギリス、フランス、ドイツ、ロシア、中国、イランは「合意維持」を求めている。しかも、国際原子力機関(IAEA)は「イランは、合意を守っている」と宣言しているのだ。

この件に関しては、「米国が正しい」と考える国は、イランと敵対するイスラエル、サウジアラビアくらいしかない。にもかかわらず、トランプは世界中の国々に「イランからの原油輸入をやめろ」「やめなければ制裁を科す」と脅している。

これに反発したイランのロウハニ大統領は7月22日、「イランとの戦争が究極の戦争になることを(米国は)理解しなくてはならない!」と、米国を威嚇した。

トランプが仕掛ける貿易戦争が世界経済危機を招く恐れも

トランプも早速反撃。「イランのロウハニ大統領へ。米国を二度と脅すな。さもなければ、これまでの歴史でほとんど誰も被ったことのないような結末に見舞われるだろう。米国はもはやイランが発する暴力と死の狂気の言葉を我慢する国ではない。気を付けろ!」とツイートした。

これを読んで、トランプと金正恩のやり取りを思い出したのは、筆者だけではないだろう。

しかし、北朝鮮とイランには決定的な違いがある。そう、北朝鮮には核兵器があるが、イランにはないのだ。つまり、トランプにとってイランは、「北朝鮮よりは戦争しやすい相手」ということになる(もちろん、人口8000万人の大国イランと戦争することは、容易ではないが)。

もう1つの「大きな災い」は、貿易戦争だ。米国は、中国、欧州と貿易戦争を開始したが、エスカレートすれば、世界GDPの6割を占める国々の貿易量が減ることになる(2017年の世界GDPに占める割合は米国24%、欧州22%、中国15%だった)。

当然、米欧中の企業は生産を減らす。売り上げと利益が減ることで投資、消費も減少。その結果さらに生産が減るという、「縮小スパイラル」に突入していく。この貿易戦争が、容易に「世界的危機」に転化し得ることは、多くの専門家が指摘している。

例えば、ノーベル賞を受賞した経済学者のポール・クルーグマン氏は、以下のようなツイートをした。

<「トランプ大統領が貿易戦争に向かって行進する中、私は市場の慢心に驚いている」と、クルーグマン教授はツイッターに投稿。
「トランプ氏が行くところまで行って、世界経済を壊すのかは分からない。しかし、相当な可能性があるのは確かだ。50%?30%?」と続けた。>
(ブルームバーグ 6月20日)

そうでなくても、日本経済には、2つの「危機要因」が存在している。

1つは、来年10月の「消費税再引き上げ」だ。これで、消費は落ち込むだろう。もう1つは、「東京五輪バブルの終焉」。すでに、銀行は不動産への融資を渋るようになり、価格が下がり始めている。日本経済には現在、「暗雲」が漂いはじめている。これに、トランプの貿易戦争が追い討ちをかけるような事態になれば最悪だ。

当事者たちもさすがにマズいと思ったのか、7月25日、トランプと欧州委員会のユンケル委員長がホワイトハウスで会談。貿易戦争を回避するための協議を開始することで合意した。協議が進展し、世界に不幸をもたらす米欧貿易戦争が回避されることを願う。

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