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『米軍が債権者に敗れる日 成長策、覇権維持を左右 編集委員 梶原誠』(1/23日経朝刊)、『世界鳥瞰 米孤立主義が招いた戦争の教訓』(1/23日経ビジネス)、『トランプの反中は「本物」、異常なプーチン愛は「戦略」だ』(1/23ダヤモンドオンライン 北野幸伯)について

麻生副総理兼財務大臣が安倍首相と一緒に訪米するのは、ペンス副大統領との会談だけでなく、トランプ政権が中国との本格的な対決に備え、中国の米国債売却の脅しがあれば、日本が引き受けるという事を打ち合わせるのでは。下の写真によると1兆$くらいですから、問題なく引き受けられるでしょう。中国は人民元暴落を防ぐため、$売り・人民元買いをしていますから、真水の外貨準備を減らして、貿易面で締め付けるのに手段として使われると思います。

また、小坪しんや氏のブログでは「今年安倍首相とトランプ大統領とが一緒にアーリントン墓地に献花、その後靖国に一緒に参拝する」予想を語っています。中国、北・南朝鮮が日本に仕掛けて来ている歴史戦を粉々に粉砕してくれるでしょう。

https://samurai20.jp/2017/01/donald-john-trump-4/

日経ビジネスの記事では、筆者の見方は固定観念に基づいて論理展開しています。「米国が孤立主義を取ったことで、ドイツのナチスと帝国主義に走った日本が侵略行為を激化させ、全世界を危機にさらした点だ。」なんて植民地を持って搾取していた米国を棚に上げて良く言うよと思います。少なくとも日本は欧米の「植民地主義」ではなく、「統合」(搾取するのでなく、できるだけ日本と同じ扱いか、投資についてはそれ以上)の位置づけだったという事実すら知りません。まあ、戦後の日本人の大部分も洗脳されて、そういう事実を知らないのですから、外国人がそう思い込んでいても仕方のない面もありますが。国際社会では主張しなければ相手の言い分を認めたことになりますので。

ルービニ氏はアメリカの保護主義に力点を置いて説明していますが、軍人を置く登用していることから分かる通り、オバマが弱体化させた軍の強化をするつもりです。そのための財源として同盟国にも応分の負担を求めるという事でしょう。AIIBの加入を勧めたウールジー元CIA長官が政権から遠ざけられたのも、むべなるかなです。中国はAIIBが昨年一年間融資したのが9件で単独融資が3件とプアな実績しかなくて、困っていろんなルートを使って日米に加入を勧める論調作りをしています。そういう議論を展開しているのは中国から金を貰っている手先と看做して間違いありません。

英国のメイ首相はEUの単一市場からの撤退を明言したのは、トランプ大統領と良く打ち合わせた結果なのでは。中国と強く結びついているEUの盟主のドイツに打撃を与えるためとも思われます。真田幸光氏によれば『世界の富の99%を動かす英国王室、その金庫番のユダヤ資本』としての力が働いたのでは。ユダヤ人のジョージソロスは中国ベッタリのヒラリーを応援して負け組に入りましたが、同じくユダヤ人のクシュナーが今後采配を振るって、中国に対峙していくのでは。中国は英国との一帯一路で中国の貨物が英国に着いたと喜んでいますが。

1/23宮崎正弘氏のブログによれば、習近平は軍の上層部を身内で固めたとのこと。権力基盤の安定の為だけでなく、米国との決戦に臨むために急いだ部分もあったのでは。キナ臭くなってきています。ただ実力的には横綱と幕下力士くらいの差があります。どこまで頑張れるか。

http://melma.com/backnumber_45206_6477567/

日経記事

20日、米大統領に就任したトランプ氏は昨年11月の当選以降、ロッキード・マーチンをはじめとする米軍需関連企業の株価を振り回してきた。

国防強化を掲げる同氏が選挙を制した後、株価は急騰を重ねた。だが12月、同氏が大統領専用機エアフォースワンや、最新鋭ステルス戦闘機F35の価格を「高すぎる」と批判したのをきっかけに急落に転じ、方向感を失った。

ウォール街には今、不安が渦巻いている。「財政的な制約で、国防費が増やせないのでは」と。

トランプ氏は選挙戦を通じ、米軍の駐留費の肩代わりを駐留先の日本、ドイツ、韓国に求めた。外国の紛争への関与を「米国は世界の警官ではない」と避ける姿勢も示している。

米国の台所事情は確かに厳しい。米議会予算局(CBO)によると、社会保障費などの増大で債務が2016年からの10年間で64%増え、年間の利払いは2.9倍に膨れる。国防費の24%増をはるかに上回るペースだ。

歳入に占める利払いと国防費の割合、つまり両者による予算の「奪い合い」をグラフ化すると、ウォール街の不安は真実味を増す。利払いが増える分、国防費への配分率が削られ、26年には肩を並べる。

象徴的なのが、翌27年にも予想される事態だ。利払いが国防費を上回る。大統領や議会にしてみれば、債権者の方が軍隊より支出先として大きな存在になる。

利払いと異なり、国防費は政府や議会が動かすことができる「裁量的支出」だ。債権者が「利払いのために、国防費を削減すべきだ」とワシントンに迫れば、軍事力を背景にした米国の覇権は揺らぐ。

米軍が債権者に敗れる日。こんな悪夢を7年前、米軍の最高幹部が警告していた。

「我が国の安全保障上、唯一最大の脅威は債務だ」。10年、当時の統合参謀本部議長、マイケル・マレン氏は語っている。巨額の利払いが続けば、肝心の北朝鮮にもテロにも対処できないからだ。

「状況は悪化している」。同氏は今も危機感を強めている。債務は昨年までの6年間で5割以上も増えたもようだ。「このまま債務が制御できなければ、インフラにも教育にも安全保障にも十分にお金が使えない。米国はいずれ、別の国になってしまう」

米国防費は年間約6000億ドルと、2位の中国以下10カ国の合計に匹敵する。紛争を押さえつけてきた強大な力が揺らげば世界は不安定になる。

「これまでの経験上、大きな産油国で有事となれば、原油価格が1バレル120ドルぐらいには簡単に上昇する」。日本エネルギー経済研究所の豊田正和理事長は、中東における米国の「力の空白」を前提に、油価が現在の2倍以上になるリスクシナリオを描いている。

原油の値動きは、ファンドなどの値ざやを狙う投機家が増幅してきた。主要な石油施設がテロなどに襲われるだけで価格は急騰し、日本やインドなど純輸入国の経済を傷つけるだろう。

米国にとってやっかいなのは、影響力を増す債権者の上位に中国が名を連ねることだ。米国債の約40%は外国人が保有するが、このうち40%近くを日本と中国が分け合っている。中国は日本と異なり米国の同盟国ではない。

09年、当時のクリントン国務長官が対中外交について「銀行を相手に強く出られるか?」と嘆いた――こんな逸話が翌年報じられて話題をさらった。

実際、台湾や通商などを巡って米中の緊張が高まるたびに、中国による米国債の売却が取り沙汰されてきた。米国債の価格が急落すれば、米長期金利が急騰して米経済は傷つく。

米中央情報局(CIA)は5年ほど前、米国債が中国に握られている問題を分析している。大きな脅威にはならないというのが結論だったという。

当時のCIA長官で、トランプ政権の国務長官候補にもなったデビッド・ペトレアス氏は今も自信を見せる。「中国が米国債を売却しても、大勢の国家や機関投資家が喜んで買ってくれるはずだ」

だがもっと注目すべきなのは、買ってくれる条件だ。「米経済が世界で最も強固である限り」。同氏はこうクギを刺す。

だからこそトランプ政権の成長策は、米国が超大国としての地位を保つために重い意味を持つ。税収を増やし、財政が健全であると市場に信じてもらう必要がある。そうすれば米国債が売られても新たな買い手が吸収する。金利も抑制され、利払いも軽くなり、マレン氏が危惧する様々な投資も可能になる。

「Gゼロ」という言葉が流行したように、長期的には米国1強の時代も終わるだろう。トランプ政権が、中国をはじめ今後大国の仲間入りする国々と平和的な外交関係を築けるかは、世界の安定を左右する。

だが、市場は軟着陸を許さないかもしれない。投資家が米国の成長を見限れば、米国債の買い手はいなくなり金利が跳ね上がる。利払いは一段と膨らんで国防費を侵食し、債権者が米軍を倒す日も早まる。

新政権の成長策、「トランプノミクス」がいよいよ動き出した。それは、世界の地政学リスクの変数でもある。

日経ビジネス記事

1920、30年代に米国が孤立主義を取ったことが日独の暴走を招き、第2次世界大戦をもたらした。トランプ新米大統領が再び孤立主義の方針を取れば、米国が戦後築いてきた世界秩序は崩れ去るだろう。現在の野心的新興国の台頭を許せば、世界は今以上に深刻な紛争に向かう。歴史はそれを証明している。

ノリエリ・ルービニ氏

ニューヨーク大学スターンビジネススクール教授兼、経済分析を手がけるRGEモニターの会長。米住宅バブル崩壊や金融危機到来を数年前から予測したことで知られる。   米大統領選挙でのドナルド・トランプ氏の勝利は、グローバル化へのポピュリズム的反発が高まっているという証しだけではない。「パクスアメリカーナ」の終焉の予兆とも言えるかもしれない。

パクスアメリカーナとは、第2次世界大戦後に米国が同盟諸国と築いた、自由な貿易と相互安全保障を基本とする国際体制だ。これにより戦後70年間、繁栄が維持されてきた。

具体的には、貿易の自由化や資本移動の拡大、適切な社会福祉政策など市場を重視する原則の上に成り立ち、米国が北大西洋条約機構(NATO)など様々な同盟を通じて、欧州や中東、アジアにおける安全保障を確保することで裏付けられてきた。

ところが、トランプ新大統領が進めようとしているグローバル化を敵視した、保護主義的でポピュリズム的な政策は、貿易を妨げ、労働や資本の移動を制限する可能性がある。

トランプ氏はさらに、米国の同盟国に対し、自国を防衛するための費用負担を増やすよう求めていくとしており、米国が築いてきた安全保障体制の在り方にも疑問を投げかけている。

彼が本気で「アメリカファースト(米国第一主義)」を貫く方針なら、米国は地政学的な戦略を転換させることになり、孤立主義や一国主義に傾き、米国の国益のみを推進していくことになる。

米孤立主義が独日暴走招く

米国は1920~30年代に同様の政策を展開し、結果的に第2次大戦の種をまくことになってしまった。保護主義的な政策が、貿易上の報復措置や通貨戦争を招き、大恐慌をさらに悪化させた。その始まりが、何千という品目の輸入品に高い関税をかけたスムート・ホーリー法だった。

さらに重要なのは、米国が孤立主義を取ったことで、ドイツのナチスと帝国主義に走った日本が侵略行為を激化させ、全世界を危機にさらした点だ。

米国のかつての孤立主義が真珠湾攻撃を招いた(写真=AP/アフロ)

そうした孤立主義を正当化させたのは、米国は太平洋と大西洋によって守られているという誤った考え方だった。1941年12月の日本海軍による真珠湾攻撃で、米国はようやく現実に目を向けざるを得なくなったのだ。

今回、米国が再び孤立主義に陥り、自分たちの国益のみ追求するようになれば、いずれ世界規模の争いが起きてもおかしくはない。

しかも、米国が欧州から身を引くまでもなく、既に欧州連合(EU)とユーロ圏は空中分解しつつあるようだ。英国の2016年6月のEU離脱を決めた国民投票や、イタリアの憲法改正を否決した同12月の国民投票はその表れだ。

加えて今年はフランスやイタリア、その他の欧州諸国で、極左または極右の反EU政党が政権を握る可能性がある。

米国が欧州での存在感を縮小すれば、ソ連時代の勢力の復活を狙うロシアが動き出すだろう。ロシアは既にウクライナやシリア、バルト諸国、バルカン半島諸国で、米国やEUを挑発している。

今後、EU崩壊の可能性の拡大につけ込んで旧ソ連圏諸国での影響力を拡大したり、欧州内の親ロシア勢力を支援したりするかもしれない。欧州が米国の「安全保障の傘」を次第に失うことで、誰よりも得をするのはロシアのウラジーミル・プーチン大統領である。

イスラム過激派の思うつぼに

トランプ氏の政策は、中東情勢も悪化させる可能性がある。同氏は米国をエネルギー面で完全に自給自足させると公言している。このことは中東における米国の権益を放棄し、温暖化ガスの排出を伴う米国産の化石燃料への依存を高めることになる。

しかも、トランプ氏は、好戦的なイスラム過激派だけではなく、イスラム教そのものが危険だと言い続けている。安全保障担当の大統領補佐官に指名されたマイケル・フリン氏も同じ考えだ。これでは、イスラム過激派が描く「文明の衝突」のシナリオにまんまと乗せられてしまうだろう。

一方、トランプ政権の「米国第一主義」は、サウジアラビアとイランの代理戦争となっているスンニ派とシーア派の長期にわたる戦いも激化させるだろう。米国がスンニ派の同盟国への支援を保障しなくなったら、イランやサウジ、トルコ、エジプトなど中東で力を持つ国は、自衛には核武装するしかないと考えるかもしれない。そうなれば、紛争や対立はさらに悲惨なものになる。

アジアでは、米国の経済力と軍事力のおかげで数十年間、安定が維持されてきた。だが、台頭する中国が現状を変えようとしている。バラク・オバマ前大統領の「アジア回帰」戦略は、12カ国が参加するTPP(環太平洋経済連携協定)の成立に重きを置いていたが、トランプ氏は即時離脱を確約している。

中国はアジアや太平洋地域、南米で経済関係を急速に強化しており、それを実現すべく広域経済圏構想としての「一帯一路(新シルクロード)」、アジアインフラ投資銀行(AIIB)や新開発銀行(通称BRICS銀行)の設立、そしてTPPに対抗する中国独自の域内自由貿易協定の成立を目指している。

フィリピンや韓国、台湾などアジアにおける同盟国・地域を米国が見捨てたら、そうした国々は中国にひれ伏すしかない。日本やインドなどその他の同盟国は、軍事力を増強し、公然と中国に対抗することを余儀なくされるかもしれない。つまり、アジアから米国が撤退すれば、いずれ軍事衝突が起きる可能性は高くなるということだ。

世界に組み込まれている米国

1930年代、米国の保護主義的かつ孤立主義的な政策が世界の経済成長や貿易を妨げ、その結果として、侵略的な新興勢力が世界戦争を勃発させる舞台を準備してしまった。今、同じような政策を進めれば、新たな大国が米国主導の国際秩序に対抗しようと、その弱体化をもくろむことになりかねない。

孤立主義の方針を取るトランプ政権は、ロシアや中国、イランなど覇権を拡大しようとしている国々は自分たちへの直接の脅威にはならないと考えているかもしれない。東西に横たわる大海を見渡せば、自分たちは安全であるかに思えるだろう。だが、米国は今も互いに深く結びついた世界における経済大国であり、金融大国である。

これらの国々は、歯止めが利かなくなれば、米国の国内外における権益や安全保障を根幹から揺るがすことになるかもしれない。特に、核兵器やサイバー攻撃の能力を高めれば、その脅威はさらに大きくなる。保護主義や孤立主義、米国第一主義は、経済的および軍事的な惨事を招くということだ。歴史がはっきりとそう示している。

ダイヤモンドオンライン記事

ドナルド・トランプが1月20日、米国大統領に就任した。全世界が、「彼はどんな政策を行うのだろう?」と注目している。特に、他国に影響を及ぼす「外交政策」は重要だ。今回は、トランプ新大統領がどんな外交をし、世界のパワーバランスがどう変わるのかを考えてみよう。(国際関係アナリスト 北野幸伯)

米中37年間の慣習をぶち壊した!トランプは「本物の反中」

大統領選に勝利してからのトランプの言動を見て、はっきりわかる重大事がある。トランプは、「反中」である。

彼が反中であることは、選挙戦中から知られていた。しかし当時、トランプの中国批判は、為替操作など「経済面」に限定されていた。トランプは、「ビジネスで中国と関係が深い」と言われ、「反中はフリだけ」という意見も多かった。

新政権人事を丁寧に見て行くと、トランプの反中は「フリではなく本物」、そして「プーチン愛」も異様に強いことが良くわかる。その裏には、どんな事情があるのだろうか? Photo:REX FEATURES/AFLO

ところが、大統領選で勝利した後の言動は、彼が「本物の反中」であることを示している。

トランプは昨年12月2日、台湾の蔡英文総統と電話会談し、大問題になった。なぜか? いうまでもなく、中国は台湾を主権国家と認めていない。「台湾は中国の一部である」としている。そして、米国にも「一つの中国」原則を守るよう要求し、歴代大統領は、律儀にそれを守りつづけてきた。

米国大統領と台湾総統が電話で話すのは、1979年以降、一度もなかった。つまりトランプは、米国と中国の間の37年間の慣習、合意事項を、あっさりぶち壊したのだ。

中国政府は衝撃を受け、厳重抗議した。これに対するトランプの反応はどうだったのか?彼は12月4日、ツイッターに、こう投稿した。(太線筆者、以下同じ)

「中国は彼らの通貨を切り下げること(つまり米企業の競争を困難にすること)、中国向けの米製品に重税を課すこと(米国は中国製品に課税していないのに)、南シナ海のど真ん中に巨大軍事施設を建設することなどに関して、われわれに了承を求めたか?そうは思わない!」

歴代の米大統領は、異常なほど中国に気をつかってきた。共産党の一党独裁国家・中国が、あたかも「道徳的権威」であるかのごとく。しかし、トランプは、「おまえたちにあれこれ言われる筋合いはない!」と、きっぱり態度で示したのだ。

そして、重要なポイントは、トランプが「南シナ海の巨大軍事施設建設」に言及したこと。彼の「反中」は「経済面だけではない」ことがはっきりした瞬間だった。

トランプがつくったのは「中国と対決するための政権」

人事を見ても、トランプは、「対中強硬派」に重要なポストを与えている。たとえば、新設される「国家通商会議」のトップは、超の付く反中の人物だ。

<トランプ氏、新設の「国家通商会議」トップに対中強硬派を指名   
AFP=時事 12/22(木) 20:38配信 
 【AFP=時事】ドナルド・トランプ(Donald Trump)次期米大統領は21日、中国批判の急先鋒(せんぽう)として知られるピーター・ナバロ(Peter Navarro)氏を、貿易・産業政策を担う新たな組織「国家通商会議(White House National Trade Council)」のトップに指名すると発表した。>

カリフォルニア大学教授のピーター・ナヴァロには、「米中もし戦わば」という著書があり、現在日本でもベストセラーになっている。またトランプは、通商代表部(USTR)のトップに、これも反中のロバート・ライトハイザーを指名した。

この人事に、中国は慌て、共産党系メディアはトランプに「警告」した。

<中国共産党系メディア、トランプ氏に警告-次期USTR代表人事で   
Bloomberg 1/5(木) 18:39配信 中国共産党系の新聞、環球時報は5日の論説で、トランプ次期米大統領が貿易戦争を起こそうとしたり米中関係の緊張を一段と高めようとした場合、トランプ氏は「大棒」に遭遇するだろうと警告した。 中国語の大棒は太いこん棒、力や脅しを意味する。 トランプ氏が米通商代表部(USTR)の次期代表に対中強硬派のロバート・ライトハイザー氏を起用すると発表したことを受け、同紙は「中国商務省の門の周りには花が飾られているが、扉の内側には大棒も隠されていて、その両方が米国民を待っている」との文章を掲載した。>

また、新国防相に指名されたジェームス・マティスは「狂犬」と呼ばれる人物。15年1月27日、米議会で中国について、こう語っている。

「中国が南シナ海やそのほかで、いじめのような強硬路線を拡大していくなら、現在のわれわれの取り組みと並行して、中国に対抗するための政策を構築して行く必要がある」

このようにトランプは、「中国と対決するための政権をつくった」といえる。

「異常なプーチン愛」を示すトランプの目的とは?

一方、外国から見ると、まったく理解できないのが、トランプの異常なまでの「プーチン愛」だ。

彼は選挙戦中から一貫して、「プーチンとの和解、協力」を主張してきた。ヒラリー陣営は、これを利用した。彼女は、「トランプは、プーチンの傀儡だ」と主張した。

オバマ政権や、ヒラリーを支持するメディアは、1.プーチンは悪魔のような男 2.トランプは、悪魔(プーチン)の傀儡 3.だからヒラリーに投票するべきーーという論法で選挙戦を戦ってきた。それでも、トランプの言動は、変わることがなかった。

最近では、「ロシアがサイバー攻撃で米大統領選に介入した」ことが、大問題になっている。トランプは、「介入」を認めた上で、驚くべき発言をした。それでも「反ロシア派」は「バカ」だというのだ。

<【米政権交代】トランプ氏、反ロシア派は「馬鹿」 選挙介入認めるも
   BBC News 1/9(月) 13:54配信   米大統領選で共和党のドナルド・トランプ氏を有利にしようとロシア政府が民主党本部をハッキングするなど、選挙に介入しようとしたという米政府の報告書公表を受けて、トランプ氏は7日、それまでの主張を翻して介入があったことは認めたものの、ロシアとの良好な関係維持に反対するのは「馬鹿」で「愚か者」だと連続ツイートした。>

なぜトランプは、「親プーチン」「親ロシア」なのか?彼の論理は、「対ISでロシアと協力できるから」である。

トランプは、オバマのシリア政策を軽蔑している。オバマには、シリアに「アサド」「IS」という2つの敵がいた。オバマは、「ISをせん滅する!」といったが、それができない事情があった。

しばしばテロを起こすISは、一方で米国と同じく「反アサド」なのだ。つまり、オバマとISは、「反アサド」で利害が一致していた。そのため、米国と有志連合の空爆は「手抜き」で、ISは弱まることがなかった。

トランプは、オバマの優柔不断を「馬鹿げている」と考えている。では、トランプの「アサド、IS観」はどのようなものなのか?彼は、「アサドは悪だが、ISはもっと悪い」と語っている。なぜなら、「アサドが政権にとどまっていても、米国に実質被害はない。しかしISはテロを起こすので、米国の実質的脅威である」と。

極めて合理的である。この「アサド政権を容認し、ISをせん滅する」というのは、プーチンと同じ立場である。だからトランプは、プーチンと和解したいというのだ。

「プーチンの親友」が米国の国務長官に!

トランプの「親ロシア」ぶりは、人事にもあらわれている。マイケル・フリン大統領安全保障担当補佐官は、退役中将。12年~14年、オバマ政権下で国防情報局長官を務めたが、「ロシア寄り」の姿勢が問題視され、辞任に追い込まれた人物である。

そして、トランプ「親ロシアの象徴」は、国務長官に指名されたレックス・ティラーソンだろう。ティラーソンは、石油大手エクソン・モービルの前CEOである。その近年の言動を振り返ってみよう。

2006年 エクソン・モービルCEOに就任。  2012年 ロシアの国営石油会社ロスネフチと、北極海・黒海における共同開発で合意した。  2013年 ロシアから「友好勲章」を授与された。  2014年 欧米による「対ロシア制裁」に反対した。

「プーチンの親友」ともいわれる人物が、米国の国務長官を務めるのだ。これは「驚愕の事態」といえる。ちなみにトランプは、ウォール・ストリート・ジャーナル1月13日付のインタビューで、「対ロシア制裁解除の可能性」と「『一つの中国』の原則を見直す可能性」について言及した。

これらすべての事実からわかることは、トランプ政権は、「反中国、親ロシア」であるということだ。トランプ外交の基軸は、「ロシアと和解し、中国を叩く」になるだろう。

以前から予想された「米中対立」「米ロ和解」

実をいうと、新政権が「反中親ロ政権」になることは、以前から予想されていた。いつ予想できたかというと、「AIIB事件」が起こった15年3月からである。「AIIB事件」とは、英国、ドイツ、フランス、イタリア、オーストラリア、イスラエル、韓国などの親米諸国群が、米国の制止を完全に無視して、中国主導「AIIB」への参加を決めたことを指す。 「親米諸国、同盟諸国群が、米国ではなく中国の言うことを聞く!」

この衝撃は大きかった。米国支配層は、中国が既に「覇権一歩手前」まできていることを自覚した。この事件で、親中反ロだったオバマすら変わった。筆者は、15年4月28日付の記事で、「米国は中国に逆襲する」「ロシアと和解する」と書いた。  予想通り、米国政府は中国の「南シナ海埋め立て問題」を大騒ぎするようになっていった。そして、オバマは15年9月、訪米した習近平を露骨に冷遇し、世界に「米中関係悪化」が知れわたった。

一方、オバマは、ロシアとの和解に乗り出した。ケリー国務長官は15年5月、「クリミア併合」後はじめて訪ロし、「制裁解除の可能性」について言及している。米ロ関係が改善されたことで、ウクライナ問題は沈静化した。

同年7月、米国とロシアは協力し、歴史的「イラン核合意」を成立させた。さらに16年2月、米ロの努力で、シリア内戦の停戦が実現している(しかし、後に崩壊したが)。このようにオバマは、短期間でロシアと和解し、ウクライナ問題、イラン核問題を解決。シリア問題もロシアとの協力で、解決にむかっていた。

しかし、大統領選が近づくにつれ、オバマは再び「反ロシア」になっていった。既述のように、これは「ヒラリーを勝たせるため」だろう。

このように、「AIIB事件」以降、米国にとって最大の敵は中国と認識されるようになった。もしヒラリーが勝っても、米国が反中路線を歩むことは避けられなかっただろう。ただ、ヒラリーは、「中国との黒い関係」があるため、トランプほど反中にはなれなかったかもしれない。(「黒い関係」の詳細は、こちらの記事を参照)

そして、中国の脅威に立ち向かうために、米国がロシアと和解するのも、また必然的な流れである。

米国はかつて、ナチスドイツ、日本に勝つために、「資本主義打倒!」「米英打倒!」を国是とするソ連と組んだ。そして、第二次大戦で勝利すると、今度は敵だった日本、ドイツ(西ドイツ)と同盟関係になり、ソ連と対峙した。それでもソ連に対して劣勢だった1970年代初頭、米国はなんと中国と和解している。

「最大の敵に勝つために、その他の敵と和解する」

これが常に米国の戦略の根底にある。だから、米国が「中国に勝つために、ロシアと和解する」のは必然なのだ。

「米中冷戦」時代における日本のポジション

トランプは、「米中冷戦」「米中覇権争奪戦」を始める。すると、日本はどうなるのだろうか?

日米関係は、「米ソ冷戦時代」のごとく、良好になっていくことが予想される。米国にとって、「GDP世界3位の軍事同盟国」の存在は大きい。しかし、米ソ冷戦時と違い、今の米国は弱体化が著しい。トランプが以前から主張しているように、日本の負担増が求められるだろう。  日本は、米国の要求に従って、軍備を増強するべきだ。「外圧」を使って、「軍事的自立」に近づいていくのだ。

そして、トランプ時代の4年、あるいは8年は、日本にとって正念場になりそうだ。中国は、もはや高度成長時代には戻らない。「中国は、共産党の一党独裁だから世界一の経済成長を達成できる」という、中国国民を酔わせてきた「正統性」「神話」は、すでに崩壊しつつある。

それで、習近平は、新たな「正統性」を探さなければならない。もっとも「ありがち」なパターンは「外国の強敵」を設定し、「共産党だけが、敵から国民を守れる」とプロパガンダし、「正統性」を確保することだ。

そして、韓国同様、中国国民を一体化させるもっと簡単な方法は、「反日」なのだ。日本は、米国、インド、欧州、ロシア、オーストラリア、フィリピン、ベトナムなどとの関係をますます強化し、中国が尖閣侵略に動けない状態をつくりあげていく必要がある。

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『李克強が落胆「ボールペン球珠輸入問題」の波紋 1年後に国産化成功も、市場なく「過剰生産」に?』(1/20 日経ビジネスオンライン 北村豊)について

ボールペンを中国語で「圆珠笔」と言いますが、“球珠(ボール)”を今まで中国で生産できず、やっと生産できたと思ったら、これを輸出の武器として考えることしかできない所に中共支配の限界が見えるのでは。中国の経済的豊かさは砂上の楼閣と言えます。技術の蓄積がなく、パクリや盗みで利益を得て来たからです。「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」、賄賂社会で本来淘汰される企業が生き残り、「悪貨が良貨を駆逐する」繰り返しが中国の歴史です。

本記事を読んでソ連を思い出しました。ソ連の商品は共産主義圏でしか流通しないし、計画経済で競争がないため、全然消費者の利便を考えないものが作られました。重さで評価されるとなると、運ぶのに重い机や燃費の悪い車が大量生産されます。東独の車の「トラバント」がそうです。軍事大国のソ連が民生用商品ではサッパリだったですが、中国も日米の支援を受けて経済も大きくなったにも拘わらず、ソ連と同じく民生用の技術が蓄積されず、アセンブリーな製品だけに止まっています。アセンブリーでしたら、別に中国である必要はなく、もっと人件費の安い国に生産を移管すれば良いでしょう。

ただ、中国は日本以上に厳しい市場競争があります。相手が潰れるまで価格競争をしますので。でも、公正な競争ではありません。賄賂と有力者の庇護がある方が勝つことになっています。それが本記事の内容です。

米国は、トランプの国内投資、雇用拡大、賃金上昇が上手く回っていくかですが、米国人労働者の学力レベルが相応しいものになっているかどうか疑わしいという議論があり、教育の問題がボトルネックになっているとすれば、トランプが8年在任していたとしてもそれでは成果を上げるのには間に合わないでしょう。どう解決していくのか。やはり海外生産は認めざるを得なくなるのでは。但し、儲けた金を米国内に還流させ、株主に分配するだけではなく、米国内労働者に分配するようにするのが良いのでは。これは日本も同じですが。米国の投資はニューデイールではありませんがインフラ投資に注力すべきです。

記事

中国政府“国務院”総理の“李克強”は2016年の仕事始めである1月4日に、山西省の省都“太原市”で自身が主宰する「鉄鋼、石炭業界の生産過剰を解消し、困難を脱して発展するための座談会」を招集した。

過剰生産解消に檄

座談会の参加者は以下の通りだが、この陣容はめったにない構成で、生産過剰の解消がいかに重要な課題であるかを示していた。

【1】国務院副総理の“馬凱”、“国務委員”の“楊晶”を筆頭に、“発展改革委員会”、“財政部”、“商務部”、「工業・情報化部」、“国土資源部”、「人力資源・社会保障部」、「住宅・都市農村建設部」、“国有資産監督管理委員会”、“国家安全生産監督管理総局”、“国家能源局(国家エネルギー局)”、“国家税務総局”、“海関総署(税関総署)”、“国家質量監督検験検疫総局(国家品質監督検査検疫総局)”、“中国人民銀行”、“中国銀行業監督管理委員会”など15の部・委員会の責任者。 【2】生産過剰が著しい4つの一級行政区(山西省、河北省、内モンゴル自治区、山東省)の責任者。 【3】全国の鉄鋼および石炭業界大手24社の責任者。

座談会の席上、李克強総理は次のように述べた。すなわち、過剰生産を解消するには、“壮士断腕(躊躇せず即断即決)”の精神で改革を深化させ、企業を再編し、合理化による結合を行うことが必要である。それには、必ず改革の観念を強く堅持し、中央と地方双方の積極性を発揮し、企業の主体的精神を発揮しなければならないし、市場化の運用方法に十分注意して生産過剰の解消を図らねばならない。また、生産過剰の解消と同時に、既存の生産能力の合理化も必要である。昨年、我々は鉄鋼生産量が深刻に過剰な状況下にありながら、一部の特殊な高品質の鋼材は依然として輸入に頼っている。その一例を挙げれば、我々はまだ“圓珠筆(ボールペン)”の“筆頭(チップ)”に使われる“球珠(ボール)”を含む金型用鋼材を生産する能力を備えておらず、目下は依然として輸入しなければならない。これらは全て構造調整が必要である。

かつての中国で筆記用具といえば“鋼筆(万年筆)”が主流で、国産ブランドの“英雄(Hero)”は多くの人々に愛用されていた。しかし、時代が進むにつれて、“圓珠筆(ボールペン)”の便利さが知られて普及するようになり、いつの間にかボールペンが万年筆に取って代わった。確か1995年頃までだったと思うが、商談で中国へ出張する時には廉価な日本製ボールペンを持参して中国の顧客へ手土産として贈ると、非常に喜ばれたものだった。しかし、1996年以降はボールペンが中国国内で普及したため、ボールペンは手土産には不適切なものとなり、安価なボールペンを贈ると、「馬鹿にしているのか」と反感を買う代物になり果てた。

最先端を走っているはずが…

それにしても、中国は2003年10月に宇宙飛行士の“楊利偉”を搭乗させた宇宙船「神舟5号」で有人宇宙飛行を成功させたのを皮切りに、2016年10月に打ち上げた「神舟11号」までに6回も有人宇宙船の打ち上げに成功し、宇宙滞在経験を持つ宇宙飛行士は延べ14人に達している。また、2016年6月にドイツのフランクフルトで開催された「スーパーコンピューティングに関する国際会議(ISC)」で発表されたスーパーコンピュータの処理能力ランキング「TOP500」で第1位に輝いたのは、100%中国製の「“神威・太湖之光”」であり、その計算速度は1秒間に9京3000兆回であった。このように今や科学技術分野で最先端を走っている中国が、李克強が言うように、ボールペンのチップに組み込まれるボールすらも国産できず、輸入に頼っていたとは驚き以外の何物でもない。

香港誌「動向」が伝えたところによれば、2015年3月に李克強が中国の機械設備輸出に関わる書類に目を通していた時に、港湾のガントリークレーン、クレーンのワイヤロープ、自動車エンジンの主軸、飛行機の胴体フレーム用アルミ合金などの非常に多くの製品が依然として輸入を必要としていることを知って驚愕した。この時、李克強は書類の該当部分に3本の赤線を引き、5分ほどの間その部分を呆然と見詰めていたという。これが上述した座談会における李克強のボールペンの「ボール」発言につながったものと思われる。

さて、中国には3000社を超える筆記具製造企業があり、その就業人口は20万人に及んでいる。中国国内におけるボールペンの年産量は400億本以上で、中国はすでにその名に恥じないボールペン製造大国であるが、この誇るに値する数字の背後には、核心の技術と材料を輸入に頼っているだけでなく、品質の悪い偽物が氾濫するという厄介な状況が存在しており、ましてやボールペンのチップに組み込まれる“球珠(ボール)”を大量に輸入せざるを得ないのが実情である。

核心の技術が欠けている

2016年1月初旬に“中国製筆協会(中国筆記具製造協会)”名誉副会長の“陳三元”がメディアに語ったところでは、中国の筆記具製造産業は非常に早い時期に形成されたが、2011年に核心材料と設備の国産化計画が開始されるまでは、快削鋼(free cutting steel)の線材やインクなどから加工設備までの全てを輸入に依存していたという。“筆頭(チップ)”とインクはボールペンの中核で、そのうちチップは“球珠(ボール)”と“球座(ボール受座)”で構成される。目下、“球珠”は炭化タングステンを加工したタングステンボールが国内外で最も広く使われているが、“球珠”、“球座”の生産は、設備も原材料も長期にわたってスイスや日本などの国々の掌中に握られていて、中国はそれらを輸入せざるを得ないのが実情である。

“球珠”を例に挙げると、中国は需要の90%近くを輸入しており、そのために毎年2億米ドルの外貨を費やしている。統計によれば、1本のボールペンはスイス製の“筆頭(チップ)”とドイツ製のインクが生産コストの50%以上を占めており、国内メーカーが1本のボールペンを生産することによる“毛利(粗利益)”はわずか0.012元(約0.2円)に過ぎない。上記の陳三元によれば、ボールペンの“筆頭(チップ)”は20以上の工程を経て作られているが、中国で生産されるステンレス鋼の線材は適用できないばかりか、これに組み合わせるインクもドイツや日本などから輸入しなければならないのだという。

この問題について中国国営通信社の「新華通訊社」は次のように述べている。すなわち、表面的にはボールペンという非常に小さな問題に見えるが、その実は多岐にわたる領域の中国製造業が普遍的に直面している問題なのである。“万宝龍(モンブラン)”や“派克(パーカー)”といった著名な国際ブランドの筆記具製造企業は全て中国にOEM(Original Equipment Manufacturing)生産工場を持っているが、それは中国国内にある一部の有名企業が技術水準では国際ブランド企業と大差なく、国内企業に欠けているのは核心の技術だけであることを証明している。この点について先述の陳三元は、「中国はすでに快削鋼の線材やインクなどの技術では新たな進展を実現しているが、企業が必要としているのはさらなる向上を目指す匠の精神を育成することである。これは中国が一つの筆記具製造大国から筆記具製造強国になるためには欠かすことのできない条件である」と述べている。

2016年1月4日に李克強がボールペンの“球珠(ボール)すらも輸入に頼っている中国の情けない現状に苦言を呈してから1年後の2017年1月9日、上海市に本拠を置くニュースサイト「界面新聞(jiemian.com)」は「世界最大のボールペン生産国の中国が遂にボールペンのチップを生産可能に」と題する記事を掲載した。その概要は以下の通り。

待望の国産化成功

【1】1月9日、“太原鋼鉄(集団)有限公司”(以下「太鋼集団」の公式サイトは、山西衛星テレビの報道を引用する形で、「最早ボールペンのチップ市場が国外勢によって独占されることはない。大綱集団傘下の鉄鋼を主体とする子会社“山西太鋼不銹鋼(ステンレス)股份有限公司”(以下「大綱ステンレス」)は国産化による生産を実現した。

【2】この技術は実際には第12次5か年計画(2011~2015年)期間中に開発されていたが、大量生産ができていなかった。その後、技術改造と工程改良を経て製品性能の安定性を高め、昨年9月に社内検査をパスして正式に販売を開始した。太綱ステンレスの会長秘書室によれば、同社はボールペンのチップ用鋼材を生産可能にしただけでなく、線材を引き延ばして鋼線に加工できるので、筆記具製造工場で最終加工を行えば良いという。

【3】チップ用スチールの市場規模はさほど大きくなく、世界中で1000トン前後に過ぎず、中国市場はそのうちの約80%を占めている。「太鋼ステンレスは今まで数百トンを販売していた」と会長秘書室は述べたが、具体的な数字は表明しなかった。しかし、今や太綱ステンレスが新製品として市場へ参入したことにより、市場価格は下落を始めている。また、太綱ステンレスは国産のチップ用スチールを海外へ輸出することを検討している。

【4】山西衛星テレビの報道によれば、中国が海外から輸入するチップ用スチールの価格はトン当たり12万元(約200万円)だが、中国国内の価格はすでにトン当たり8万~9万元(約130万~150万円)まで下がっており、海外製品の独占を打ち破ったことで、輸入価格も引き下げを余儀なくされている。

太鋼集団が“球珠(ボール)”を生産するための“筆尖鋼(チップ用スチール)”の国産化に成功したことは、中国メディアによって大きく報じられ、李克強が提起したボールペン問題は解決を見たと、中国社会は喜びに沸き返った。ところが、中国人民放送局のウエブサイト「“央広網(ネット)”」は1月15日付の「チップ用スチール開発成功に大手筆記具製造企業は冷水を浴びせる」と題する記事を掲載したのだった。その概要は以下の通り。

川下企業は?市場は?

(1)中国最大の筆記具製造企業である“貝発集団(Beifa Group)のトップである“邱智銘”は、チップ用スチールが国産化されたことは結構なことだが、川下の企業がそれについて行けなければ、せっかくの研究開発も宝の持ち腐れになると、中国国内の現状を喝破した。

(2)貝発集団の“筆頭(チップ)”生産工場の中では、設備が高速で運転され、切断、研磨、鑽孔など18の工程を経て、直径3mm以下のステンレス製ボールが生産されている。チップの品質を決定するのは、生産設備のみならず、最も重要なのは材料である。同集団の材料切断は2~3万回転の高速設備で行われるので、材料が硬くてもダメでし、軟らかければ変形する。従い、国産のチップ用スチールを川下企業が的確に使いこなせるかどうかが課題である。

(3)邱智銘は感慨深げに次のように述べた。「以前我々が世界各企業のODM(Original Design Manufacturing)生産工場であった時は、委託者からチップはスイス、インクはドイツ、あれは日本と指定を受けて10数年を過ごした。今はそれと全く異なり、自分のブランドで勝負し、それが中国の良い筆記具の基準となっている。我々は外国企業を引き込み、外国企業を研究して、最後に外国企業を超越した」

(4)しかし、長年にわたって中国筆記具製造協会の副理事長でもある邱智銘は、次のように述べてチップ用スチール開発の喜びに沸く国内業界に冷水を浴びせることを忘れなかった。すなわち、国内国外を問わず、“中国製造(Made in China)”は非常に長い期間“廉価”、“低品質”の烙印を押されて来た。たとえ材料が良くても、市場が無ければ始まらない。大綱集団の溶鉱炉が5000トンから1万トンのチップ用スチールを生産することができ、我々筆記具製造企業がそれを使ってボールペンを生産したとしても、市場はそれほど大きいだろうか、また、企業は採算が取れるだろうか。

太鋼集団がチップ用スチールの国産化に成功したことは事実だろうが、果たして川下の企業がそれについて行けるのか、また、同スチールの品質が各企業の設備に十分対応するものなのか。李克強のボールペン問題の懸案事項は表面上解決できたことになるが、それが一朝一夕に“球珠(ボール)”の輸入阻止につながるとは思えない。

ところで、中国が生産できない、あるいは生産できても品質不良の製品は極めて多い。このため、多くの中国人は海外旅行の機会をとらえて、国外でブランドバッグ、化粧品、衣類、家電などを購入する。日本では中国人観光客が、電気釜、温水洗浄便座、紙おしめ、医薬品、サプリメント、日用品などを大量に買い漁ったことから、旺盛な購買を意味する「爆買い」が2015年の新語・流行語大賞を受賞した。しかし、2016年4月に中国税関が海外で購入した商品に対する関税率を突然引き上げたことから、中国人観光客の購買意欲は沈静化し、爆買いは失速して今日に至っている。

上述したように爆買いの主因は、中国国内で生産不能、あるいは国産品の品質不良である。一般的に中国の製造業が低品質の製品を主体に生産しているのに対して、輸入品はコストが高いことにより高価格で庶民には手が出ない。その間隙を縫って出現したのが正規品を模造した“山寨品(偽物商品)”で、中国国内に氾濫しただけでなく、遠く海外にまで輸出された。この結果は火を見るよりも明らかで、ただでさえも低級品とされていた中国製造(Made in China)の名誉をさらにおとしめた。こうした中国製造に対する評価は中国国内に跳ね返り、中国国民の外国製品に対する信仰を高める結果となったのだった。

李克強が提起したボールペン問題から見えてくるのは、闇雲に国産品を開発して輸入依存の製品を抑制するのは意味がないということである。それよりも、中国企業が自社製品の品質向上に努力し、目先の利益だけを考えることなく、「匠の精神」を持つ技術者を養成し、国民に信用される高品質で耐久性のある製品を製造することが先決ということではないだろうか。但し、「悪貨は良貨を駆逐する」のことわざ通り、それが極めて困難であることは中国が一番良く知っているはずである。

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『South Korea Illegally Held Prostitutes Who Catered to G.I.s Decades Ago, Court Says』(1/20 NYT)、『韓国裁判所「米軍基地村『慰安婦』に国家が賠償すべき」』(1/21ハンギョレ新聞)について

1/22のTV「報道2001」でいろんな人がいろいろと言っていましたが、石平氏が一番的確と思って聞いていました。特にキッシンジャーとトランプの関係について「習・キッシンジャー会談の時に、トランプ・蔡電話会談をしたのは明らかにキッシンジャーの面子を潰すため」と話したのは、多分その通りでしょう。中国に「俺はキッシンジャーの言う通りにはならない」と言うのを見せつけたのでしょう。またキッシンジャーはヒラリーと同じく中国から多額の金を受け取っているというのも知っているのかも知れません。トランプがやろうとしているのは「変革者」の役割で、既存の仕組みを壊さないと「強いアメリカ」の復活はできないという事です。だからグローバリズムを推進してきて甘い汁を吸ってきた国際金融資本やメデイアが反発して米国民を煽動してデモに走らせているのではと思っています。

本記事を読みますと、米国は韓国を見捨てたというのが分かります。而も書いたのがNYTで、韓国人か韓国系米国人でしょう。「南京虐殺」のアパ事件と言い、今回の「朝鮮戦争後の60・70年代に、韓国政府が外貨獲得の為もあり、米国の命令により、慰安婦を集めて、逃げないよう監禁していた」記事(「南京虐殺」・「従軍慰安婦」の捏造と言うのは、日本では既に発表されていましたが、大事なのは英語で且つ日本人以外の人に書いて戴くのが良い)を日本政府と民間組織は最大限に活用してほしい。「韓国がやってきたことだから、当然日本もやって来ただろう」というのは中国の「南京虐殺」と同じ構図で、自分達の犯してきた罪を潔白な日本に押し付けようとする意図があります。目良浩一教授のGAHT USA CORP“The global alliance for historical truth ”も今回の報道や韓国の判決を利用できるのであれば利用してほしいと思います。今、GAHTは米国連邦最高裁で米国にある韓国の慰安婦像の撤去を求めて裁判を起こしていますので、「自分を棚に上げて、日本を糾弾するとは何事」と言う裁判官の心理になるのではと思われます。

https://gahtjp.org/

Henry Scott Stokesの“Fallacies in the Allied Nations’ Historical Perception As Observed by a British Journalist”も活用していったらどうか。戦勝国、特にアメリカは嫌がるかもしれませんが。APAホテルはこの本も置けば良いのに。他のホテルもスコットの本を置けば良いのです。間違った歴史認識を持った外国人は素直な頭を持てば理解してくれるでしょう。また、中国政府の言いなりになる人の魔除けともなります。中国人は中共政府を信じているとは思えませんので、英語本だけでなく中国語版も誰か翻訳して出してほしい。反日教の信者たる韓国民を除けば、普通の理性を持っていれば理解できるはずです。その前に大部分の日本人に読んで貰い、「南京虐殺」も「従軍慰安婦」も中国のプロパガンダと言うのを理解してほしいです。日本語版が2013年に出版されていますので。『英国人記者が見た連合国戦勝史観の虚妄(祥伝社新書)』です。英語版(2016年出版)より日本語版の方が先に出た形です。

米国に居るガリガリ左翼のダデン教授にもNYTの記事を送りつけたい気がします。彼女の主張は現在の価値観で過去を断罪するもの。それであれば米国のインデイアン虐殺、黒人奴隷、植民地獲得、原爆投下を米国政府に謝罪させねばおかしな話。韓国の金に転んだとしか思えません。まあ、この裁判も北が裏で策動していて、保守派の朴正煕のイメージダウンを図り、娘の朴槿恵を追い落とし、保守派の一掃を狙い、北主導での統一を図るのが透けて見えますが。

朝日新聞は自分に都合が悪い主張は、中国同様、右翼や修正主義者のレッテルを貼ったりしてきました。今こそその欺瞞を打破するときです。トランプが大統領になり、世界が変わろうとするときこそ、日本も変わりうるチャンスだという事です。戦後70数年の敗戦国としての桎梏を解放するときです。幸い昨年末には真珠湾にて日米同盟の絆を確認できました。まず、ニュークリアシエアリングで核に慣れることから始めましょう。

なお、NYT記事について、今回は翻訳している時間がありませんでしたので、一部の訳のみです。

NYT記事

By CHOE SANG-HUNJAN. 20, 2017

A woman named Bae, seen in a photograph from 2008, once worked as a prostitute near an American military base in South Korea. Former prostitutes say that few of their fellow citizens knew how involved their government once was in the sex trade. CreditJean Chung for The International Herald Tribune

SEOUL, South Korea — In a landmark ruling, a South Korean court said on Friday that the government had broken the law during the 1960s and ’70s by detaining prostitutes who catered to American soldiers, and by forcing them to undergo treatment for venereal diseases.

Dozens of former prostitutes brought a lawsuit to press the government to admit that it had played a hand in creating and managing a vast network of prostitution in camp towns, called gijichon, where poor Korean women worked in bars and brothels frequented by American troops.

In the ruling by a three-judge panel of the Central District Court in Seoul, the women did not win that admission or the apology they sought.

Yet the ruling was still a victory: For the first time, the court said the government had illegally detained gijichon prostitutes for forced treatment for sexually transmitted disease, and ordered it to pay 57 plaintiffs the equivalent of $4,240 each in compensation for physical and psychological damage.

“This was a serious human rights violation that should never have happened and should never be repeated,” Judge Jeon Ji-won, speaking for the panel, said of the detention and forced treatment.

Judge Jeon said the prostitutes had been “comfort women for the United States military,” touching on one of the country’s most delicate historical issues by using the same euphemism for prostitutes the Japanese have applied to Korean and other women who were forced into sexual servitude by its soldiers during World War II.(これは正確な表現ではない。日本軍は性病管理はしたが、韓国のように女性を強制的に集め、監禁して強制的に売春させたことはない)

The plaintiffs had encouraged that comparison, arguing that it was hypocritical for South Korea to condemn Japan for its historical wrongdoings while not acknowledging its own role in ensuring that foreign soldiers had access to Korean prostitutes.

“They say we walked into gijichon on our own, but we were cheated by job-placement agencies and were held in debt to pimps,”(これは戦時中もこの通り遣られたのです。韓国人女衒に騙されたり、親が売ったのです) Park Young-ja, 62, one of the plaintiffs, said after the ruling on Friday. “I was only a teenager and I had to receive at least five G.I.s every day with no day off. When I ran away, they caught and beat me, raising my debt.”

She added, “There was no one speaking for us, and we were abandoned by the state.”(「我々は国に見捨てられた」と言ってますがその通りでしょう。)

The Justice Ministry, which represented the government in the lawsuit, did not immediately react to the ruling on Friday.

In the destitute years after the Korean War of 1950-53, the dollars that prostitutes in the camp towns earned were a valued source of hard currency in South Korea. Former prostitutes have testified that government officials had urged them to earn more, calling them “patriots.”

At the same time, the women said, the health authorities cracked down on prostitutes who tested positive for sexually transmitted diseases, less out of concern for the women than to protect American soldiers. Newspaper accounts and parliamentary documents from the time referred to the prostitutes as “comfort women.” The court said on Friday that some of the women had been sold into the camps through human trafficking, while others appeared to have chosen prostitution to make a living.

Scholars who have studied the issue have said that the South Korean government was motivated in part by fear that the American military, stationed in the country to provide a defense against North Korea, would leave.

The American military became involved in attempts to regulate the sex trade to minimize the spread of disease among soldiers, those scholars said. The United States military command in Seoul has said that it did not condone or support prostitution or human trafficking.

The South Korean government has never formally acknowledged involvement in the camp towns or taken responsibility for abuses there. The women kept quiet for decades, partly because the military governments that ruled South Korea until the late 1980s enforced silence about issues that could be seen as detrimental to the alliance with the United States.

In addition, South Korean society has an extremely negative view of prostitutes, especially ones who had been paid by foreign soldiers. Prostitution is and has always been illegal in South Korea.

In 2014, however, more than 120 former prostitutes filed a lawsuit demanding compensation and a government apology for their detention and forced treatment. Only 57 of the plaintiffs were awarded compensation on Friday, because the court said there was not enough evidence that the others had been detained illegally.

Kim Jin, a lawyer for the women, said the verdict on Friday was significant because it was the first official acknowledgment that women in the camp towns had been subjected to illegal treatment. But Ms. Kim said the women would appeal the ruling, seeking an official apology, greater compensation and a finding that the government was responsible for creating and running the camp towns.

“We are not doing this for a mere 5 million won,” a woman who declined to give her name shouted outside the courtroom, referring to the compensation in South Korean currency each woman would receive. “They told us to earn as many dollars as possible, and now they want us to keep our mouths shut.”

Shin Young-sook, an advocate for the women, welcomed the court’s use of the term “comfort women” to refer to the former prostitutes.

For decades, bars and brothels have lined the streets of neighborhoods around American bases in the country. But the former prostitutes involved in the lawsuit said that few of their fellow citizens knew how deeply their government had been involved in the sex trade in the camp towns in the past.

They say the government not only sponsored classes for them to learn basic English and etiquette, meant to help them sell themselves more effectively, but that the American military police and South Korean officials also regularly raided clubs looking for women who were thought to be spreading diseases.

They added that the police would then detain those women, locking them up in so-called monkey houses with barred windows. There, they said, the women were forced to take medications until they were well.

They never sent us doctors even when we were so sick we almost died, except they treated us for venereal diseases,” Ms. Park said. “It’s clear that they treated our venereal diseases not for us but for the American soldiers.”

ハンギョレ記事

根拠のない性病感染者の強制収容は「違法行為」と判断  「被害者57人に49万円ずつ賠償」判決  「基地村の設置・管理が違法」との主張は認めず

 
朝鮮戦争は、韓国の女性たちにも癒えることのない傷を残した。米軍基地村女性122人は国に対し被害賠償請求訴訟を起こすことにした。2014年7月25日、ソウル大方洞のソウル女性プラザビル4階で開かれた訴訟記者会見の様子=カン・ジェフン先任記者//ハンギョレ新聞社

国が米軍基地村「慰安婦」被害者に対して損害賠償をすべきとする裁判所の判断が出た。裁判所は国家が性病の管理のため、彼女らを隔離施設に強制収容したのは違法だと判決した。

ソウル中央地裁民事22部(裁判長チョン・ジウォン)は20日、L氏など基地村「慰安婦」被害者120人が国に対して起こした損害賠償請求訴訟で、「国が被害者57人に対して500万ウォン(約49万円)を賠償せよ」とする原告一部勝訴判決を下した。

裁判所はまず、国が法的根拠もなく、性病に感染したり、感染者と疑われた被害者たちを「落検者収容所」に強制隔離収容して治療したのは、違法だと判示した。裁判所は「収容された慰安婦」たちは完治したと判定されるまで、収容所外に出られず、収容所から脱出を試みて負傷した場合もあったとみられる」と指摘した。また、「(治療の過程で)ペニシリンショックによる副作用に悩まされたり、死亡した被害者もいた」と述べた。

裁判所はまた、5年の消滅時効が完了したという国の主張も認めなかった。消滅時効は、一定期間権利を行使しなければその行使を制限する制度で、国は米軍「慰安婦」の国家賠償の消滅時効が終了したと主張してきた。しかし、裁判所は「権威主義統治時代と当時米軍慰安婦などに対して閉鎖的だった国民感情、男性中心的で家父長的に形成された社会文化などを考慮すれば、(被害者たちが)権利を放置したとは評価できない」と述べた。また、「国家権力機関の国民に対する不法収容など、過酷行為は決してあってはならない違法行為」だと判断した。隔離収容の対象となる伝染病を明示した施行規則が制定された1977年8月以前に隔離し収容された「慰安婦」被害者57人に対する国家の賠償責任が認められたのだ。

ただし裁判所は、「国が売買春が容易に行われるよう基地村を作ったのは違法」という被害者たちの主張は受け入れなかった。裁判所は「被害者たちが基地村内での売春を強いられたり、やめられないほどの状態にあったと見ることはできない」として、このように判断した。また、「政府が『浄化運動』などを展開して基地村の売買春を管理したのは違法行為」という主張に対しても、「このような指針は売買春関係者に対する性病検診・治療などの公益的目的を達成するためのものとみられる」との見解を示した。

ヒョン・ソウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

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『トランプへの期待は禁物、米軍は尖閣にやって来ない 「次期国務長官が尖閣防衛を確約」は手前勝手な解釈だ』(1/19JBプレス 北村淳)について

1/20(米国現地時間)、米国でトランプ大統領が誕生しました。メデイアは反対派のデモや店舗のウィンドウを蹴破る様子を映し出していましたし、TV「ウエークアップ!ぷらす 」では宮家が出て来て、相変わらず腐れ外務省的発想でグダグダ言っていましたし、村田も好意的評価ではなかったです。レーガンだって最初は米国内で散々な評価でした。でも最後にはソビエト共産主義を打倒した戦後一番の偉大な大統領との評価を獲得しました。(2007年2月9日~11日、1006人の成人を対象にしたギャラップ世論調査)

  1. エイブラハム・リンカーン (18%)
  2. ロナルド・レーガン (16%)
  3. ジョン・F・ケネディ (14%)
  4. ビル・クリントン (13%)
  5. フランクリン・ルーズベルト (9%)
  6. その他、該当無し、意見なし (8%)
  7. ジョージ・ワシントン (7%)
  8. ハリー・S・トルーマン (3%)
  9. ジョージ・W・ブッシュ (2%)
  10. セオドア・ルーズベルト (2%)
  11. ドワイト・D・アイゼンハワー (2%)
  12. トーマス・ジェファーソン (2%)
  13. ジミー・カーター (2%)
  14. ジェラルド・フォード (1%)
  15. ジョージ・H・W・ブッシュ (1%)
  16. リチャード・ニクソン (0%)

トランプも中国共産主義を打倒すれば、名大統領としての歴史的評価が定まります。レーガンと同じく中国の共産主義を打倒してほしい。米中の争いは第四次大戦(二度目の冷戦)と言われていますが、冷戦だけで止まるかどうか、ギャンブル好き・虐殺好きの中国人に合理的判断ができるかどうか?ロシアとはMADが成立しても、毛沢東のように「中国は人口が多いので二~三千万人ぐらい死んでも構わない」とポンピドーに言ったような行動を取る危険性があります。天安門に毛の写真が飾られているような国ですから。

トランプの4年間の目標は

①豊かな中間層の復活(経済力)

②強い軍事力の復活(軍事力)

にあると思います。これを具体的にどう肉付けしていくかです。結果が出せれば、次の4年間も決まったようなものでしょう。

北村氏の指摘は当然のことと思います。自国を守るのは基本的に自国民です。守る気概のない国民では奴隷にされるだけです。勿論、日英同盟のように英国は日露戦争時に同盟国として、日本に有利になる動きをしてくれました。日米同盟も同じように、中国に対し、言葉に因る抑止力となっていることを忘れてはならないと思います。永遠の敵もなければ永遠の同盟もないのは、日英同盟が証明しています。日米同盟を強固にすることが日本の安全には必須です。隣に狂信的に軍拡を進める中国と反日しか脳内には存在しない韓国があります。キチガイが傍に入るようなものですが、遠く離れることは出来ません。日米同盟だけでなく、真田幸光氏や平間洋一氏が主張する「新日英同盟」を結んだほうがより安全性は高まると思います。大英連邦(Commonwealth of Nations)は現在53国からなるそうです。それらを味方につければ。中国の「南京虐殺」や「従軍慰安婦」のプロパガンダにも丁寧な説明をしていけば良いでしょう。APAホテルの問題もあり、世界にキチンと説明する良いチャンスと思わねば。今の戦わない外務省を何とかしたいのですが、良い手がありません。余りに腐り過ぎていますので。

記事

米上院外交委員会の公聴会で証言するレックス・ティラーソン氏(2017年1月11日撮影)。(c)AFP/SAUL LOEB〔AFPBB News

トランプ次期大統領が国務長官候補に前モービルエクソンCEOのレックス・ティラーソン氏を指名した。1月11日、そのティラーソン氏に対する指名承認公聴会が、アメリカ連邦議会上院外交委員会で開かれた。

公聴会では、尖閣諸島に中国が侵攻してきた場合の対処方針についての質疑もなされた。

ティラーソン次期国務長官は、「尖閣諸島は日米安全保障条約の適用範囲であるため、アメリカは条約の規定に従って対処する」と述べた。共和党政権・民主党政権を問わず伝統的にアメリカ外交当局高官が表明してきた通りの発言である。

アメリカ当局の伝統的な模範解答

日本政府や多くのメディアは、アメリカ政府高官が尖閣問題について言及すると一喜一憂するのが常である。今回もその例に漏れず、主要メディアはこぞってティラーソン氏の“尖閣発言”を取り上げていた。

それらの記事の中には「指名公聴会で次期国務長官が尖閣防衛を確約」といった内容のものまであった。だが、これぞトランプ次期大統領が口にした“フェイクニュース”に類する報道姿勢とみなさざるを得ない。

このような見出しの文言から多くの日本国民が受ける印象は、「アメリカは尖閣諸島を防衛する義務を負っており、万が一にも中国が尖閣諸島へ侵攻してきた際にはアメリカが防衛義務を果たすことを次期国務長官は確約した」ということになる。

しかしながら、ティラーソン氏は、「中国が尖閣諸島を占領するために軍事侵攻した場合に、アメリカが軍事力を行使して中国の侵攻を阻止する」と明言したわけではない。「日本とは長年の同盟関係にあるアメリカは、日米安全保障条約の取り決めに従って対応する」と述べただけである。

このような尖閣諸島に対するアメリカ政府高官の表明は、オバマ政権下においてオバマ大統領やヒラリークリントン国務長官が発言してきた内容とまったく同じであり、アメリカ外交当局の伝統的な模範解答ということができる。

すなわち、 (1)尖閣諸島の領有権が日本に帰属するということに関しては触れずに「現状では、尖閣諸島は日本の施政下にあると理解している」との米側の認識を繰り返し、 (2)「日本の施政権下にある以上、尖閣諸島は日米安保条約の適用範囲ということになる」という原則論を述べ、 (3)「条約の適用範囲にある尖閣諸島に中国が侵攻してきた場合、アメリカは日米安保条約第5条に即して対処する」 という、条約が有効な限り当たり前のことを述べているのだ。

この模範解答を「中国が尖閣諸島へ侵攻を企てた場合には、日米安保条約に基づいて、アメリカが日本救援軍を派遣して中国と対決する」と理解するのは、日本側のあまりにも身勝手な解釈である。

日本救援軍派遣の前に高いハードル

日米安保条約第5条の規定よれば「日本の施政権下にある領域が武力侵攻を受けた場合、アメリカはアメリカ合衆国憲法上の規定および手続きに従って対処する」ということになる。

ここで明確に理解しておくべきなのは、アメリカ政府による“対処”は、日本防衛のための部隊を派遣して中国侵攻軍と対決することを意味しているわけではないということだ。

もちろん、そのようなオプションがあり得ないわけではない。1973年に成立した「戦争権限法」によると、アメリカの国益を大きく左右するような極めて重大な緊急事態が勃発した場合に、アメリカ大統領は議会の事後承認を得ることを前提として、アメリカ軍最高指揮官としての大統領権限においてアメリカ軍を海外へ派兵することが可能である。この場合、大統領は軍隊派遣決定から48時間以内に連邦議会に報告し、戦闘期間は60日間を越えてはならず、その間に連邦議会からの承認を取りつけなければならない。

このような大統領権限があるものの、ホワイトハウスが軍隊を動かす場合には原則として連邦議会の承認を取りつけてからというのが原則である。まして中国の尖閣侵攻に際して日本救援軍を派遣するような場合は、当然のことながら米中戦争を大前提とした軍事行動ということになる。そうである以上、「戦争権限法」に基づいて大統領が独断で日本に救援軍を派遣するためのハードルは、極めて高いものとなる。

米国は日本のために中国と闘うか?

さらに、中国軍による尖閣諸島侵攻というシナリオは、日本にとっては「国土と領海を奪われてしまいかねない国家の最重大危機」であるが、アメリカにとっては「アメリカ国民の誰もが知らない東シナ海に浮かぶちっぽけな岩礁を巡って日本と中国が対立しており、とうとう中国が武力に訴えた」というだけのストーリーであり、アメリカにとっての危機と捉えられる類いの紛争ではない。

このことは、フォークランド戦争勃発前に同盟国イギリスから支援要請を受けたアメリカ政府の態度からも容易に類推可能である。

(レーガン政権の幹部たちは、南大西洋の絶海に浮かぶちっぽけな島を巡って軍事衝突など馬鹿げているという姿勢を示した。イギリスのサッチャー首相はその対応に激怒した。もっともイギリスと対立していたアルゼンチンもアメリカの同盟国であった。)

たとえ、トランプ新政権が中国の軍事力行使に対して(オバマ政権とは違って)強硬な姿勢を示す方針を貫くとしても、大多数のアメリカ国民の目からは、尖閣諸島は“ちっぽけな岩礁”としか理解されない。そんな岩礁を巡る日本と中国の軍事衝突にアメリカが本格的に軍事介入し、米中戦争に突入することは(100%に限りなく近く)あり得ない。

第5条解釈の手前勝手な垂れ流しは危険

日米安保条約のどこを探しても「日本が軍事攻撃をされた場合に、アメリカは軍隊を派遣して日本を救援しなければならない」という趣旨の文言は存在しない。したがって、中国が尖閣諸島への侵攻を企てた場合に、アメリカ軍が中国人民解放軍と戦闘を交えなくとも、条約を履行しなかったという批判を受ける理由はない。

「アメリカ第一主義」を表看板に掲げるトランプ政権が誕生した現在、日本政府もメディアも、あたかも「尖閣有事の際にはアメリカが本格的軍事介入をなして日本を救援する」といったニュアンスを日本国民に植え付けるような言動はいい加減に差し止めなければならない。

むしろトランプ政権の誕生を機に、日本国民を欺くような手前勝手な日米安保条約解釈に頼ろうとするのではなく、少なくとも日本の領域は自国の国防力で守り切るだけの態勢を構築する努力に邁進する必要がある。

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『混乱するビットコインの「管理」目論む中国 暴落危機、偽札横行に苦しむ人民元より期待大?』(1/18日経ビジネスオンライン 福島香織)について

通貨は元々バーチャルな存在で、通貨そのものに本質的な価値はありません。国民(or地域民)が貨幣を信用して流通させることが前提です。物々交換に依らない交換手段と言うものでしょう。但し、各国の中央銀行はFRBを筆頭に民間銀行ですが、政府が関与しています。でも普段から支払いに使ったり、預金したりしていますので、価値の尺度としての機能は皮膚感覚で分かります。

これがビッコインになると、理解が難しくなります。何となくゲームセンターで使うようなコインをイメージしてしまいます。国家から信用を与えられていないコインにどれだけ価値を見出せるかです。P2Pの相対取引はビットコインだけではありません。P2Pで不動産屋や車の売買した時に瑕疵担保責任の問題が発生する可能性があります。そのときにキチンとした補償が受けられるかです。

ビットコインは瑕疵担保の問題と言うよりは、詐欺の温床になりやすいのでは。本記事にありますように、資金を集めたら、会社を閉じて持ち逃げしてしまうパターンです。これはビットコインだけでなく中国ではよく使われる手口です。小生が中国在勤時代(97~05年)の法律では、日本の取締役の欠格条項と言うのがなく、会社を計画倒産(債権者詐害目的)させ、役員が同じ名義で新しく別な会社を立ち上げていたりしていました。まあ、中国では賄賂さえ贈れば何とでもなる国ですから、法律など気にしないのでしょうけど。

ビットコインの9割の交易が中国で行われているとのこと、バクチ好きの中国人が投資機会が無くなりつつある中国の不動産市場や株式市場の代わりにしている面と、不正蓄財のマネロンの為と言うのがありそうです。また、確かに人民元の暴落に備えてと言うのもあるでしょう。ただ、ビッコインに対する信認がないのでは。人民元の代わりにビットコインで持っていても、中国国内で使えるだけ(それも怪しい?)でないでしょうか。買物には、やはり現金かカードの支払いが要求されると思います。蓄蔵価値があるとは思えません。キャピタルゲインを狙ったバクチなのでは。日本人は株式投資がまだまだ少ない状況にありますのでビットコインにまで手を出すことはないと思います。

次は田村秀男氏の中国の外貨流出の記事です。一昨日の本ブログで真田幸光氏が「中国は仮想敵国である日本にスワップを要請している。如何に困っているか」という内容を紹介しました。中国の3兆$の外貨準備と言っても、借入金も含めてで、真水がどれだけあるかは統計の作者しか分かりません。実質底を突きそうなのでは。トランプが中国を為替操作国に認定し、$高(トランプは逆のことを言っていますが、FRBの金利を上げ、中国からのキャピタルフライトを促すべき)にして中国経済を崩壊させた方が良いでしょう。

12/24産経ニュース<【田村秀男のお金は知っている】自滅の道に踏み出した中国経済 トランプ氏きっかけに資金流出が大幅加速、人民元の下落も止まらず

高騰する中国の市場金利と人民元安

中国共産党は1972年2月のニクソン大統領(当時)以来、歴代米大統領に対して台湾を中国の一部とみなす原則を一貫して認めさせてきた。トランプ次期米大統領は「それに縛られない」と明言する。習近平国家主席・党総書記の面子(メンツ)はまるつぶれである。(夕刊フジ)

北京は何か報復行動をとるかとみていたら、19日にフィリピン沖の南シナ海で米軍の調査用無人潜水機を奪取した。20日には米軍に返還したが、時間をかけて潜水機のデータを調べ上げた。露骨な国際法違反である。粗野でぞんざいなふるまいを見せつけることが、相手の面子をつぶすと考えるところは、魯迅の『阿Q正伝』そのものだ。

中国はみかけのうえでは国内総生産(GDP)や対外純資産規模で世界第2位の経済超大国でも、中身は悪弊にまみれている。慢心すれば必ず失敗する。人民元の国際化を例にとろう。

昨年11月には習政権の執念が実り、国際通貨基金(IMF)が元をSDR(特別引き出し権)構成通貨として認定させた。限定的ながら金融市場の規制を緩和し、人民元の金融取引を部分自由化した。同時に中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)を創立し、国際通貨元を世界に誇示しようとした。

ところが、昨年8月に人民元レートを切り下げると、資本が逃げ出した。当局が規制しようにもどうにも止まらない。

この11月までの12カ月合計の資金純流出額は約1兆ドル(約118兆円)、このうち当局の監視の目を潜った資本逃避は約5000億ドルに上ると米欧系金融機関のアナリストたちは分析している。

特徴は、11月8日の米大統領選後の11月9日を機に、資金流出が大幅に加速していることだ。当選したトランプ氏が減税とインフラ投資という財政出動を通じて、景気を大いに刺激すると期待されるために米国株が急上昇し、中国に限らず世界の資金がニューヨーク・ウォール街に吸引される。

中国に対して強硬姿勢をとるトランプ氏にチャイナマネーがおびき寄せられ、トランプ政策に貢献するとは、習政権はここでも面目なしだが、もっと困ることがある。

グラフを見よう。米大統領選後、元安と市場金利上昇にはずみがついた。いずれも資金流出による。中国人民銀行は元暴落を避けるために外貨準備を取り崩し、ドルを売って元を買い上げるが、それでも元売り圧力はものすごく、元の下落に歯止めをかけられない。商業銀行の手元には元資金が不足するので、短期市場金利である銀行間金利が高騰する。すると、金融引き締め効果となって、莫大(ばくだい)な過剰設備を抱える国有企業を苦しめる。地方政府も不動産の過剰在庫を減らせない。企業や地方政府の債務負担、裏返すと銀行の不良債権は膨らむ一方だ。

トランプ政権発足を目前に、中国は経済で自滅の道に踏み出した。経済超大国としての要件を満たしていないのに、対外膨張を図ろうとしたからだ。 (産経新聞特別記者・田村秀男)>(以上)

記事

ビットコインをめぐる混乱が中国を中心に起きている。

2017年1月5日未明、ビットコインの対人民元相場は1BTC(ビットコイン)9000元に接近するまでに高騰したあと、あっという間に暴落、13日午前までに5100元台に落ち込んだ。ビットコインはボラリティの高いことで知られるが、最近の乱高下は人民元の不安定化と合わせ鏡のようになっている。この機会にビットコインと人民元の関係、そしてその未来について考えてみたい。

大暴落、聞き取り、立ち入り、詐欺報道…

この大暴落後の1月6日夜、中央銀行(人民銀行)の関係部門が公告を発表、ビットコイン交易プラットフォームの責任者に対してプラットフォーム運営状況について聞き取り調査するとのこと。OKコイン、ビットコイン中国、火幣ネットの3大交易プラットフォームの代表を呼び出して、ビットコイン交易において、無許可の信用貸付、支払い、為替取引などの関連業務を行っていないか、市場操作行為がなかったかどうか、資金洗浄制度に反する行為がなかったかどうか、資金安全に問題がないかどうか、などについて聞き取りを行った。さらに11日には、当局の監督管理部門が前出の3大交易プラットフォームに立ち入り検査を行った。また中央銀行は、「ビットコインは特定の仮想商品であり、法定通貨のような法的な保障性や強制性はない」という見解を再度強調した。

こうした立ち入り調査に続いて、ビットコイン詐欺事件の報道が続いた。

1月10日、北京商報によると、交易プラットフォームの一つ、ビットコインアジア閃電交易センターが1月5日までに突如閉鎖し、取引を停止。投資者から集めた1億元相当の資金を持ったまま連絡がつかない状況になった。同センターは9カ月前から、SNSの微信を通じて個人投資者を募り、資金を集めてビットコイン市場で運用し、一日あたり1.4%のリターンを約束していたという。元金はいつでも返金できるということだった。

同センターに350万元を投資していた男性が1月3日に利子の償還が滞っていることに気づき、元金を取り返そうとしたが、連絡がつかなくなったため、警察に通報した。同様の被害者は440人以上おり、警察は詐欺容疑で捜査を開始。また被害者は集団訴訟の準備をしているという。

ビットコインがなぜ高騰し暴落したか。

ビットコインは2017年1月1日から4日までの間、毎日10パーセント前後の上昇率で値上がりし、この3年の間で最高額に達した。

小金持ちが元の暴落を恐れ、元をつぎ込む

背景には人民元自身の問題もある。トランプ政権の登場で、中国経済の先行きの見通しがさらに悪くなり、人民元の大暴落が噂されていること。その噂によって、キャピタルフライトラッシュが加速し、外貨準備高が3兆ドルを切りそうなまでに急減していること。外貨準備高3兆ドルラインを守るために、中国の外貨管理が一層厳しくなって、庶民の不安をあおっていることなどがある。

例えば、中国では外貨の持ち出しは年間5万ドルに制限されている。その制限額自体に今のところ変化はないのだが、その持ち出しに対する理由証明が年末年始ごろから格別厳しくなった。持ち出し額が5万ドル以下であっても、個人外貨購入証明書にその用途が何であるか、証明書を添付しなければならない。また、海外の不動産、株式、生命保険といった投機性のあるものの購入には使わないという証明書も添付しなくてはいけないという。

これは中国人だけが対象ではなく、北京に駐在していた日本人が帰国に際して、中国の銀行に生活費用として預けていた数百万円の日本円ですら、使用目的が不明だ、という理由で送金をさし止められる例も聞いている。

こういう当局側の厳しすぎる外貨管理に、不穏なものを感じた中国の小金持ちたちは、ますます人民元大暴落は本当に起こり得ると心配になって、資産価値を守るために、人民元を、外貨管理規制対象になっていない仮想のビットコインにつぎ込んだのが、年末以来の高騰の理由だとみられている。

ここでビットコインについて今一度、簡単に説明しておこう。

博打好きの中国人の好みに合う?

P2Pのシステム、つまり中央のサーバを介さずに端末と端末のネットワークで取り引きされる仮想通貨で、2009年に誕生した。法定通貨のように中央銀行のような管理者は存在せず、国家的機関も関わらないので法的な補償性や強制性はないが、権力サイドによる為替操作や取引の追跡、偽札の問題もない。

中央支配機関が存在しない代わりに、ネットワーク参加者がその信用を担保する格好になっており、帳簿の管理は、ブロックチェーンと呼ばれる分散型のデータベースに取引の記録が維持されることで行われるという。ブロックチェーンに取引情報の書き込みと演算を行うマイニングという作業を行うマイニング企業、マイニンググループが存在し、その作業の報酬として新規のビットコインが受け取れる、という仕組みらしい。らしい、という言葉をあえて使うのは、私自身がビットコインを使っていないので、説明をいくら受けても、どういうものか、どうもピンと来ないからである。

マイニングというのは演算であるから、コンピューター設備と電気消費が必要になる。ビットコインが増え、取引が増えれば演算は複雑になり、マイニングもそれなりの企業・グル―プの規模が必要となる。このマイニングにかける時間は10分となっており、演算能力からの逆算によってビットコイン発行上限数は2100万以下と決まっているそうだ。ちなみにこの上限に達するのは2140年で、現在は1200万くらいが流通しているらしい。

2009年、ビットコインが登場したとき、1300BTCが1ドルの価値に相当した。ところがあれよあれよという間に急上昇し、2013年には1BTC=1200ドルとなった。

一方、2013年ごろから中国でもビットコイン交易がさかんになってきた。当初1BTC=110人民元程度だったが同年11月に1BTC=8000元近くにまで高騰した。この異様な高騰に、人民銀行は12月5日、「ビットコインは仮想商品であり、法定通貨のような法的保障性や強制性はもたない」と宣言し、金融機関がビットコインを取り扱うことを禁止。民間決裁機関に対しても利用しないように指導した。このため、1BTC=2700元台にまで暴落した。

しかしながら、この乱高下の大きさは、博打好きの中国人の好みに合った。しかも、2015年夏に中国の株式市場が大暴落して、その信用性が大失墜。不動産バブルは誰が見ても崩壊寸前。中国一般の小金持ちたちの資金は行き場を失っていたところだった。さらに2015年暮れに、人民元のSDR入りが決まると、誰もが人民元暴落を予想するようになり、資産価値防衛に誰もが頭を悩ませるようになった。こういった流れで、2000元台で比較的安定していたビットコインは2016年半ばごろから再び急騰してきたわけだ。

“地下換金システム”の役割も

中国の主だった決裁機関では、ビットコインは取り扱っていないものの、ビットコインは2100万BTCという上限がある総量固定の資産という意味で、中国人は金やダイヤのように投機性があると考え始めた。さらに、今のように外貨管理が厳しい状況では、ビットコイン交易は事実上の地下換金システムの役割もある。2013年の大暴落のときは、一部の専門的な投資家たちが主役だったが、今回の高騰の背景には、一般投資家から少額資金を集めて、一定のリターンを約束するビットコイン理財(資産運用)商品の増加もあった。

こうして、ビットコインが外貨流出の一つのルートになったことに当局が気づいたのと同時に、詐欺事件なども起こり、今回の中央銀行の公告、引き締めとなったわけだ。暴落は当局の動きを事前にキャッチした大手投機筋がビットコインの投げ売りをやったということもあるだろうし、その直前に行われた、人民元基準値の5年ぶりの切り上げを受けての反応という面もあるだろう。

人民元の切り上げについては、トランプ政権発足前に、少しでも人民元の安定を図ろうという思惑が指摘されている。

さて、では今後、ビットコインと人民元はどうなっていくのだろうか。

ビットコイン相場は、6000元台に戻っている。2013年の大暴落に比べると傷は浅いといえるし、中国人のビットコインに対する信頼度は、例えば2016年夏の株価乱高下の時の政府介入で傷つけられた上海株式市場への信頼度に比べればまだましなのかもしれない。

交易の9割、マイニング企業の7割が中国

目下、中央銀行は、ビットコイン管理を一括して行える第三者機関の設立について、業界関係者と討議しているらしく、おそらくはビットコインをうまく管理して、中国の利益を誘導したい考えかもしれない。

というのも、ビットコインの交易の9割は中国で行われており、マイニング企業の7割も中国企業が占めているという点では、もはやビットコイン相場を支配しているのは中国当局、人民元相場であるということも言えるのだ。

中国のマイニング企業の中には、ビル全体を演算用コンピューターと冷却装置に改造した施設をいくつも持っているような大企業も登場、月間1億8000万円相当のビットコインを採掘していた様子などをBBCが報じている。

ビットコインは特定の管理者がなく、ネットワークでその信用性を担保するというシステムが、「自由な通貨」としての可能性を示す壮大な実験だったが、採掘も交易も中国に集中している現段階では、中国当局の公告や人民元相場がビットコイン相場に連動する、あるいは翻弄される状況になっている。

仮に中国当局が今後、「第三者的」管理者を設立し、国内のビットコイン管理を一括するようになれば、これはビットコインに対する中国当局の管理、コントロールがさらに強まるということになるのではないだろうか。

1月16日のフェニックステレビで「ビットコインへの投資は黄金への投資よりも有利」といった市場分析を報じているところを見ると、中国当局としてはビットコインに対してはまだまだ期待を寄せているようでもある。国内の資産が海外の不動産や証券、保険商品に逃げるよりも、そのほとんどが国内で採掘され交易されているビットコインに流れる方が、中国にとってもまだまし、ということかもしれない。

いまだに偽札がATMから普通に出てくる人民元も、その人民元に翻弄されるビットコインも、その未来は、あんまり期待ができるという風には思えないのではあるが。

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