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『北朝鮮非核化交渉「日本は蚊帳の外」論は大きな間違いだ 本質を見誤ってはいけない』(4/30現代ビジネス 高橋洋一)、『「米朝会談」トランプが席を蹴って立つ可能性 米仏会談で見えた「強硬派」の存在感』(4/28現代ビジネス 歳川隆雄)について

4/30NHKニュース 7:38<北朝鮮はリビア方式で非核化実現を ボルトン大統領補佐官

アメリカのボルトン大統領補佐官は、アメリカが求める北朝鮮の非核化について、かつて大量破壊兵器計画を放棄したリビアを前例に、国際社会の制裁を維持しながら北朝鮮が、まずは非核化を着実に実行することが欠かせないと強調しました。

ホワイトハウスで安全保障担当のボルトン大統領補佐官は、29日、アメリカのFOXテレビの「FOXニュース・サンデー」などに出演しました。
この中でボルトン補佐官は、北朝鮮が、核を放棄する重大な決断を実際に行ったか現時点ではわからないとしたうえで「米朝首脳会談で、北朝鮮側が核の放棄という決断の証拠を示せるのか確認したい。歴史的な合意となる可能性もあるし、ならない可能性もある」と述べました。
そのうえで、アメリカが求める北朝鮮の非核化について、2003年に大量破壊兵器計画の放棄を表明し、実行に移したリビアを前例に挙げ、国際社会の制裁を維持しながら北朝鮮が、まずは非核化を着実に実行することが欠かせないと強調しました。
そして、ボルトン補佐官は「リビアでは、アメリカとイギリスの監視団がすべての核関連施設への立ち入りを認められたので、リビアへの疑念が消えていった」と述べ、北朝鮮に対する国際社会の疑念を払拭(ふっしょく)するためにも、核開発計画の完全な申告と検証が重要だと説明しました。
一方、ボルトン補佐官は、北朝鮮に拘束されている3人のアメリカ人について、「トランプ大統領の最優先事項だ。解放すれば首脳会談に向けて誠意を示すことになる」と述べ、北朝鮮の決断を見守る姿勢を示しました。

「リビア方式」核放棄を先行

リビア方式とは2003年に大量破壊兵器の放棄を表明し実行に移したリビアを前例に、核の放棄を先行させ、その後に制裁解除などの見返りを与える考え方です。
リビアでは2003年の12月に当時のカダフィ政権が、核兵器や弾道ミサイルなどの大量破壊兵器の開発計画を放棄すると表明しました。
そして、放棄を表明した直後の2003年12月末にIAEA=国際原子力機関の査察チームを受け入れたほか、表明から1か月後の2004年1月には、遠心分離機など核兵器を開発するための機材や弾道ミサイルの開発を記した文書など、合わせて25トン分をアメリカ側に引き渡しました。
これを受けて、アメリカの当時のブッシュ政権は2004年2月からリビアへの制裁を段階的に緩和。2年後の2006年にはリビアをテロ支援国家の指定から外し、大使館を開いて国交正常化を実現しました。
当時、ブッシュ政権でこのリビアの大量破壊兵器の放棄に軍縮担当の国務次官として関わっていたのが、ボルトン大統領補佐官です。ボルトン補佐官はリビア方式に基づいて、まずは北朝鮮が核開発計画の完全な申告と査察などの検証を受け入れるよう主張しました。
しかし、北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長は「段階的で歩調を合わせた措置を講じれば朝鮮半島の非核化の問題は解決できる」と先に述べるなど、米朝の同時並行的な措置を主張していて、立場の大きな違いが浮き彫りになっています。>(以上)

歳川記事にありますように、米朝首脳会談にボルトンが出席するのであれば、トランプが金に懐柔されることはないと思います。戦争にならずリビア方式で決着してほしいと思っていますが、核兵器を隠蔵する可能性の除去(米軍が北に入り、徹底調査、かつ秘密裡に他国に運搬、特に中露に運んで預かっていて貰うことの防止)と生物化学兵器の除去もしてほしいです。勿論、拉致被害者の全員帰還もです。

4/19本ブログで武貞秀士氏は「北の目的は朝鮮半島の統一にあり、それまでは非核化はしない。その間は在韓米軍の駐留を認める」と言っていました。でもマテイス長官は在韓米軍撤退も議論の対象にと言いましたから、武貞氏の読み通りの展開にはならないのでは。戦争の可能性もあるという事です。日本人は平和ボケしていないでもっと真剣に戦争と平和について考えるべきです。念仏を唱えていても戦争はなくなりません。戦争と平和の繰り返しは人類の歴史そのものです。そう言う意味で「戦争は人間的な営み」と言えます。思考停止が一番頭脳を退化させます。

http://dwellerinkashiwa.net/?p=8762

日本が蚊帳の外と言うのは左翼とか在日が日本を何とか北への支援をさせたくて使っている言葉です。日本の朝鮮半島へのスタンスは不関与政策です。『非韓三原則』ならぬ『非朝鮮三原則』にしなければ。勿論、拉致被害者の全員帰国に際しては、経済的見返りは必要でしょう。身代金支払いの様で腹が立ちますが仕方のないことです。それ以外、朝鮮半島人の性悪さを日本人は嫌と言うほど見て来ましたので近づかないことです。日本にとって必要なのは軍備の充実と軍人の育成、憲法改正、スパイ防止法の制定等やることは沢山あります。野党が審議拒否している間にドンドンいろんな法案を通過させれば良いでしょう。でも職場放棄している野党議員を許す日本国民と言うのは如何なものか?民間であればすぐクビです。次回の選挙では落としてほしい。5/1NHK朝のニュースで、連合も今回のメーデーのイベントには加藤厚労大臣は呼んだが、野党議員は呼ばなかったとのこと。日本を侵略しようとしている国の手先となり、メデイアと一緒になって政権の弱体化を図っている議員なぞ必要ありません。次の参院選挙で連合は野党を押すのを止めたらどうですか?政治活動に血道を上げて、労働者の権利・福利の向上に無頓着なようでは本末転倒です。

高橋記事

まず、板門店宣言をどう評価するか

4月27日、韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は板門店で首脳会談を行った。両国の首脳会談は2007年10月以来、実に11年ぶりだ。これまでは、韓国の大統領が平壌に訪れていたが、北朝鮮トップが韓国入りしたのは初めてだ。

これに対して、内外の新聞の社説は次の通りだ。

朝日新聞「南北首脳会談 平和の定着につなげたい」(https://www.asahi.com/articles/DA3S13471671.html?ref=editorial_backnumber

読売新聞「南北首脳会談 非核化の道筋はまだ見えない」(http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20180427-OYT1T50153.html

毎日新聞「11年ぶりの南北首脳会談 非核化への流れ、止めるな」(http://mainichi.jp/articles/20180428/ddm/005/070/110000c

日本経済新聞「板門店宣言を北の完全非核化につなげよ」(https://www.nikkei.com/article/DGXKZO29974940Y8A420C1EA1000/

産経新聞「南北首脳会談 微笑みより真の非核化を 米朝会談に向け圧力継続せよ」(http://www.sankei.com/column/news/180428/clm1804280001-n1.html

東京新聞「南北首脳会談 非核化宣言を行動へ」(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018042802000153.html

朝鮮日報「非核化より経済協力の話が目立った南北首脳会談」(http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/04/28/2018042800434.html

中央日報「文在寅-金正恩、非核化の大長征の扉を開く」(http://japanese.joins.com/article/973/240973.html

ウォール・ストリート・ジャーナル「南北首脳会談の高揚感に惑わされるな」(http://jp.wsj.com/articles/SB10920515820464333357004584191323619797070

ほぼすべて同じ論調であり、一言で言えば、両国の友好ムードは演出でき、扉は開かれたが、具体的な話はまだないというところだ。

韓国紙はすでに報じているが、板門店宣言文(https://www3.nhk.or.jp/news/special/inter_korean_summit_2018/)を読むと、「南と北は、完全な非核化を通じて、核のない朝鮮半島を実現するという共通の目標を確認した」の中で「完全な非核化」という言葉は新しく出たものだが、全体としては過去の6ヵ国協議での共同声明より後退している。

つまり、2005年9月の共同声明では、北朝鮮は「すべての核兵器及び既存の核計画を放棄すること、並びに、核兵器不拡散条約及びIAEA保障措置に早期に復帰することを約束した」と明記され、さらに「朝鮮半島の検証可能な非核化」についても明記されていた(http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/n_korea/6kaigo/ks_050919.html)。確かに、後退していると評価されても仕方ない。

一方、トランプ大統領は27日に、

「KOREAN WAR TO END! The United States, and all of its GREAT people, should be very proud of what is now taking place in Korea!」「朝鮮戦争が終わる!アメリカと全ての偉大な人々は朝鮮半島で今、起きていることを非常に誇りに思うべきだ!」(https://twitter.com/realDonaldTrump/status/989820401596366849

と、この板門店宣言を歓迎した。

トランプ大統領は、非核化についてはコメントしていないが、南北首脳会談はあくまで米朝首脳会談の露払いであるので、非核化については、米朝首脳会談での自分の出番と考えているから、このような「歓迎コメント」を出したのだろう。新聞報道によれば、トランプ大統領は「非核化は私の責務」と語ったという。トランプ大統領としては珍しい言葉だ。

米朝首脳会談は、3~4週間以内に開催するとされている。場所は、シンガポールとモンゴルの二箇所に絞り込まれているようだ。どのような展開になるのか、注視していきたい。

さて、3月25日の中朝首脳会談、4月17日の日米首脳会談、27日の南北首脳会談、5月の米朝首脳会談の一連の首脳会談の中で、日本だけがこの流れから取り残されているという「蚊帳の外」論が、日本の左派系メディアから頻繁に流された。

「蚊帳の外」論はどこから出てくるのか

こうした情報を流すのは、ただ単に安倍政権の外交を貶しめたい人もいるし、一方で日本政府を慌てさせたい他国が、いわば陽動作戦の一環として行っている場合もある。外交では、こうした情報戦がしばしば行われ、自国政府に反対する人がその情報戦の先兵として利用される。

安倍首相は、そうした批判に対して、実際の外交実績から堂々と反論している(https://www.sankei.com/world/news/180429/wor1804290006-n1.html)が、ここでは、「蚊帳の外」論を外交論から検討してみよう。

北朝鮮の非核化を国際社会が主張するのは、国際社会にとって、今の「核不拡散体制」の堅持が重要だからだ。特に朝鮮半島の場合、1950年に戦争が勃発、現在も、休戦状態にありながらも続いていることが、その深刻度をさらに大きなものとしている。つまり、北朝鮮の非核化はもちろんのこと、朝鮮戦争を終結させることも必要になってくる。

さて、朝鮮戦争を振り返ると、これは米軍を中心とする国連軍と中朝連合軍の戦いだったことが分かる。それは、休戦協定からも明らかだ。休戦協定には以下の5名が署名している。

・金日成、朝鮮人民軍最高司令官
・彭徳懐、中国人民志願軍司令員
・クラーク国連軍総司令官
・南日 朝鮮人民軍代表兼中国人民志願軍代表
・ウィリアム・K・ハリソン・Jr 国連軍代表

この手続きから、朝鮮戦争を本当に終戦に導くためには、アメリカ、北朝鮮、中国は必ず含まなければまずいだろうことが分かる。

韓国であるが、実は国連軍の一員として朝鮮戦争に参加している。国連軍に参加したのは、米韓を含めて22カ国である。朝鮮戦争開戦当時、日本は占領下であったので参戦国とされていないが、国連軍の要請で特別掃海隊を派遣し、死者も出ている。

日本が果たすべき役割

以上の経緯からみれば、朝鮮戦争の終結のために必要なアクターは、アメリカ、北朝鮮、中国のほか、戦場となり、国連軍の主要部隊だった韓国ということになるだろう。

そのため、板門店宣言では、

「南と北は、休戦協定締結65年になる今年、終戦を宣言して停戦協定を平和協定に転換し、恒久的で強固な平和体制構築のために、南・北・米の3か国、または南・北・米・中の4か国の協議開催を積極推進することになった。」

と書かれている。

こうした経緯からみれば、朝鮮戦争について、日本は、米、韓国、北朝鮮、中国の4カ国からは、もともとやや距離があるのは、外交論や歴史的な経緯から考えれば当たり前のことである。

あえていえば、米国、韓国、北朝鮮、中国の4カ国に、日本とロシアを加えた「6カ国協議」があるが、日本とロシアはこの4カ国からは似たような距離感なのだろう。これまで、4カ国間の首脳会談はあっても、ロシアを入れた5カ国のものはない。北朝鮮がロシアに接近することもあるだろうが、ロシアは米・韓と日本の距離に近いだろう。この意味で、日本は「蚊帳の外」になっていないと言える。

さらに日本は、4カ国の中に、米・韓を介在して入り込もうとしている。それは、「拉致問題」を軸とした「人権」という新たな切り口である。

この作戦は、今のところ功を奏している。今回の南北首脳会談において、文大統領は金党委員長に対し、「日本が北朝鮮と対話する意思を持っていて、過去の歴史清算に基づいた日朝の国交正常化を願っている」と伝えると、金氏は「日本と対話する用意がある」と返したという。

文氏の「過去の歴史清算」というのがやや気にかかるが、日本が「蚊帳の外」というわけではないだろう。

南北首脳会談の後、安倍首相は、トランプ大統領と文大統領とそれぞれ電話会談して、南北首脳会談の内容を聞いている(http://www.mofa.go.jp/mofaj/na/na1/us/page4_003964.html 、http://www.mofa.go.jp/mofaj/a_o/na/kr/page1_000519.html)。この意味からも、日本は「蚊帳の外」ではない。

こうした多国間での交渉では、できるだけ仲間を作った方が自国に有利である。米韓も日本をある程度組み入れた方が自国に有利になるので、日本を「蚊帳の外」に置くことは得策ではないのだ。

日本は、軍事オプションではまったく役に立たないが、平和では大きな貢献ができうる。2002年には、日本と北朝鮮の間で日朝平壌宣言が行われている。当時の小泉純一郎首相と金正日氏の日朝首脳会談の際に調印されたもので、拉致問題の解決、植民地支配の過去の清算、日朝国交正常化交渉の開始などが盛り込まれている。日本からの1兆円を超えるとも噂される経済援助の約束もあった。

しかし、この日朝平壌宣言は、その後の北朝鮮の核・ミサイル実験により有名無実化した。

日朝平壌宣言の枠組みには批判があるが、実効可能性はある。しかも北朝鮮が喉から手が出るほどほしい経済援助を「武器」にするのは、日本らしい方法だ。経済援助とともに、北朝鮮の(非核化も含めた)監視を行うことこそ、日本が非軍事的な面で貢献できる分野だ。もちろん外交交渉であるので、相手がこの日本の関与を欲しがるような手順が必要なのはいうまでもない。

とにもかくにも「蚊帳の外」論は、実は外交にとって有害無益である。そして今回の「蚊帳の外」論は完全に状況を見誤っている。これを言っている人の意見は信じられない、といっても過言ではないことを指摘しておきたい。

歳川記事

ボディランゲージに見る「対日」「対仏」の温度差

ドナルド・トランプ米大統領は、実に分かりやすい人物である。その仕草、いわゆるボディランゲージから同氏の心情を推しることができるからだ。

トランプ大統領は4月17日午後(米国東部標準時間)、フロリダ州パームビーチの大統領別荘「マーラ・ラゴ」正面玄関で安倍晋三首相を出迎えた際、シャッグ(シェイク&ハグ)をしなかった。

安倍、トランプ氏両首脳はやや硬い表情で握手をしながら互いの左手を相手の右手二の腕の上側に添えただけ。昨年2月10日にホワイトハウス正面入口で出迎えた時はシャッグだった。トランプ氏の頭に瞬時、その後行われる首脳会談で通商・貿易問題で安倍氏にとって耳の痛い話をしなければならないという想いがよぎったからではないか。

そして次のシーンは同24日の米仏首脳会談。ホワイトハウス正面入口で待ち受けたトランプ大統領は、何と国賓で迎えたエマニュエル・マクロン仏大統領とシャッグを交わしたのである。大統領就任後1年3ヵ月間、トランプ氏は数多の海外要人と会談しているが、親愛の情を表すシャッグをしたのは安倍氏に次いで2人目である。

マクロン仏大統領と「シャッグ」を交わしたトランプ米大統領(Photo by GettyImages)

米仏首脳会談前の各国メディアの報道を見ると、「イラン核合意巡り溝」という論調が主流であった。2015年7月、国連安保理常任理事国(P5)の米英仏中露+独の6ヵ国がイランの原子力関連の活動を制限する代わりに、対イラン制裁緩和することをイランと合意したのが所謂「イラン核合意」である。

トランプ氏は米大統領選当時から、オバマ前政権が進めた同合意は「破滅的な欠陥がある」と批判してきた。そして大統領就任直後の昨年1月12日、イラン核合意からの離脱を前提に120日間の猶予期間を設定、その間にイランの弾道ミサイル開発の規制を盛り込む修正案提示を、米国を除くP5側に求めた。

その設定された期日が5月12日である。これまで国際社会ではイランが合意を遵守しているというのが共通認識だったが、トランプ氏が非妥協路線に転じたことを憂慮したマクロン氏の指示を受けた仏外交当局は水面下で対米折衝を続けてきた。

そして、マクロン氏が「お土産」を持参してワシントン入りすることを事前に知らされていたが故にトランプ氏はシャッグで出迎えたのである。

結局、採用された「強硬派」の判断

案の定、マクロン大統領はトランプ大統領に対イラン新合意案を提示したのだ。すなわち、(1)イランの核開発を長期にわたって抑制する、(2)イランの弾道ミサイル開発を停止する、(3)イランの中東での影響力拡大を阻止する――という現行の核合意にない三つの要素が含まれる(「読売新聞」26日付朝刊)。

一方、当該のイランは「新たな争点は米国が合意を履行してから議論すべきだ」(ローハニ大統領演説)とした上で、核拡散防止条約(NPT)脱退を示唆するなど、反発を強めている。

そうした中で、トランプ大統領が下した判断はやはり「イラク核合意」からの離脱だった。対イラン強硬派のジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)がマクロン大統領提案に強く反発、これまでの非妥協路線の堅持を進言したことが大きかったとされる。

今回のイラン問題に関する米仏首脳会談は、6月上旬までに行われる北朝鮮の金正恩労働党委員長との米朝首脳会談が、どのような進展を見るのかを予測する上で参考になる。

米朝首脳会談は「ボディランゲージ」にも注目

会談場所は諸説ある。(1)米朝ともに大使館を置くモンゴルの首都ウランバートル、(2)米朝ともに国交締結のシンガポール、(3)金正恩氏が幼少期を過ごしたスイスの国際都市・ジュネーブ、(4)南北を分断する板門店の軍事境界線の北朝鮮側にある「板門閣」、(5)北朝鮮最大の港湾都市・元山沖合の公海に停泊させるクルーズ船上――などだ。

そして筆者の関心は、果たしてトランプ氏は金正恩氏と初対面した時にどのようなボディランゲージを示すのかである。よもやシャッグすることはないが、するとしても中国の習近平国家主席にしたリスペクト・シェイク(相手を敬する握手)ではないか。

習近平国家主席と握手を交わすトランプ大統領(Photo by GettyImages)

トランプ氏がマクロン氏との共同記者会見でつかったワーディング、「get rid of nukes」(核兵器を捨てる)ことに金正恩氏が同意をしなければ、トランプ氏が会談の席を立つことも十分にあり得る。なぜならば、米朝首脳会談にボルトン氏が同席するからだ。

トランプ・金正恩会談の先行きを見通すことは、あまりにも不確定要因が多くて難しい。トップ会談のイニシアチブを決める会談場所、対北朝鮮強硬派のボルトン氏の存在、非核化の定義とその検証方法、金体制の保証の中身(文書化、条約化)などだ。

大型連休後には、現在水面下で進行中の米朝協議の内容が少しずつ表面に出てくるはずだ。詳細な見立ての開陳には猶予をいただきたい。

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『国家に従わない官僚「ディープ・ステート」が活発化 米国の筆頭はモラー特別検察官? 日本の財務官僚や防衛省制服組は?』(4/27JBプレス 高濱賛)について

4/28看中国< 听者骇然!毛泽东在大饥荒时期的部分语录(图)=聞いた人は仰天 毛沢東の大飢饉の時の語録>①「中国は領土も広く、資源も沢山あるが、田んぼは少しあるだけ。人口が多すぎ。米がなかったらどうする?食べるのを少なくせざるを得ない。食べ過ぎて腹がパンパンになるのは漫画の外国資本家と同じ」②外国貿易省に「穀物、大豆、植物油」を国民から供出させて輸出に回すよう指示。次には「肉は国内市場を縮めて輸出に回せ。果物や茶葉は輸出を先にし、残りを国内に回す」よう指示③農民の収穫に対する供出について「調べて、出さないのは無理にでも出させる」よう省の書記に命令④同じく、「生産小隊は自分達の取り分を誤魔化している。見張りを立てろ」と。農民は「昼には大根の葉を食べ、夜にやっと米にありつける。取り分を誤魔化すなんて不名誉な話。共産主義の風格はどこに行った?農民は農民、こんなものである」と⑤水利事業で河南省と安徽省を表彰した時、「河南省は300億m2の工事をしたというが、自分は3万人それで死んだのを見た。安徽省は100億m2の工事で、1万人の死者を見た」と。甘粛省の副省長は「人命と水利工事の交換」と批判したら、「右派反党集団」と決めつけられた⑥「休むな。これこそが共産主義の精神」⑦「生産第一、生活第二」⑧「往生するのは良いこと。孔子がまだ生きていて懐仁堂で会議すれば、2000歳を超える。これは良くない。弁証法で言えば、死に賛成しないのは形而上学である。荘子の妻が死んだときに子供を慰めるために歌を歌ったがこれが正しいありかた。人が死んだら宴会を開いて祝おう。中国の歴史上、人口の半分が減ったのは何度もあること」⑨「人が亡くならないのは駄目。死ぬのはいいことがある。肥料になる」⑩「水利工事以外、いろんな事業にいろんな人が携わっているが、人が多すぎ。中国人の半分はどうしても死ぬべきである。生き残った半分の内1/3か1/10は死んだ方が良い。5千万人が死んでも、君たちの仕事はなくならないが、少なくとも私の仕事は要らなくなる。トップだけの問題である。良く議論してやってくれ。私はどうすることもできない。但し、死人は私を首にはできない⑪毛が故郷に帰った時に親戚の歓待を受けたが、親戚は腹いっぱいに食べられない様子であった。「今は、3・4両食べられる。過去と比べて良いではないか」と。

相変わらず毛には傲慢な姿勢が窺われます。独裁者の必然なのでしょうけど。日本でも安保の時に、紅衛兵宜しく全学連の一部の者が毛沢東語録を振りかざしていたと記憶していますが、彼の人となりを知っていたのでしょうか?愚かとしか言いようがない。国民を一番不幸にした人物を尊敬するとは。

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/04/28/856562.html

4/28スプートニク<米、朝鮮半島からの米軍撤退を北朝鮮と議論の用意>トランプ・金会談の時にトランプ側が持ちだすのでは。但し、北から核兵器と化学兵器を廃棄させ、拉致被害者の全員帰還が果たされてからにしてほしい。北の時間稼ぎを許さず、大量破壊兵器の場所を徹底捜索して解体するまでは残しておいた方が良いでしょう。

https://jp.sputniknews.com/politics/201804284831210/

高濱氏の記事にある通り、CIAやFBI、NSAには民主党やグローバリストのシンパが沢山いるのではという気がします。トランプの足を引っ張るため、機密漏洩する輩が居るので、トランプは人事をわざと空白の状態にしていると思われます。ホイッスルブロアーは正義の為とか思ってやっているのかもしれませんが、当然機密漏洩は犯罪です。金やポスト、過去の犯罪の隠蔽等が絡んでいる場合もあるのでは。

日本も同じですが、高濱氏は自衛隊の日報隠しについては制服組が意図的にやったと思っているようです。制服組と背広組の対立の構図で捉えるからでしょう。本質的な問題として、自衛隊の中にもスパイがいて日本共産党に渡した方を問題とすべきでは。中共にもっと大事な情報が洩れている可能性だって考えられます。そもそもで言えば、自衛隊を他の省庁と同じく情報公開の対象にするのがおかしい。敵を利するだけです。防衛大臣は、毅然として公開を拒否すべきです。憲法9条を改正して軍にしないと左翼が情報公開を利用して中共を喜ばせるだけになります。スパイ防止法も作らないと。

記事

ロバート・モラー米特別検察官(資料写真)。(c)AFP PHOTO / SAUL LOEB 〔AFPBB News

「国家の内部に潜んでいる国家に従わない官僚」

「Deep State」(ディープ・ステート)という言葉がある。「国家の内部に潜んでいる国家に従わない官僚」とでも訳すのだろうか。

時の大統領や首相に反旗を翻す官僚軍団である。言葉の起源はバールーフ・デ・スピノザ*が書いた「Imperium in Imperio」からとも言われている。

*バールーフ・デ・スピノザは17世紀のオランダの哲学者。デカルト、ライプニッツと並ぶ17世紀規制合理主義哲学者。スピノザの汎神論はカントやヘーゲルらのドイツ観念論へ強力な影響を与えた。

米国では以前からあったが、ドナルド・トランプ氏が大統領になって以来、その支持者たちが盛んに使っている言葉である。

その例がロシア疑惑捜査に関する内部情報が次々とメディアに漏洩されている点を重視し、それが「ディープ・ステート」の仕業だという指摘だ。

保守派陰謀論者は連邦捜査局(FBI)や米中央情報局(CIA)の中にこうした勢力がいると激しく批判している。

陰謀説で民主党歴代政権やブッシュ政権を糾弾

Killing the Deep State; The Fight to Save President Trump By Jerome R. Corsi Ph.D Humanix Books, 2018

本書『Killing the Deep State』はその「ディープ・ステート」の実態を暴いた警告の書。著者は超保守派のベストセラー作家、ジェローム・コージ氏(71)だ。

同氏は徹底したリベラル派嫌い。民主党歴代政権だけでなく、ブッシュ一家を共和党保守派の邪道だとして叩いてきた。

陰謀論を「天下の宝刀」にし、本を出すたびに物議を醸し、それがベストセラーになっている。

著書を著す一方で、保守派サイトの「WorldNetDaily 」や「Human Event」に健筆をふるっている。2017年からは保守派サイトの「InforWars」のワシントン支局長を務めている。

特に話題になった本には『The Obama Nation』や『Unfit for Command』。

前者はバラク・オバマ氏が米国籍ではないとする「出生証明疑惑」(のちに誤報だったことが判明)、後者はジョン・ケリー民主党大統領候補(当時、のちに国務長官)の軍歴詐称をベトナム戦争に参戦した同僚兵士と共著で暴いた。

ハーバード大学院で哲学博士号、一時は大統領選に立候補

ハーバード大学大学院で哲学博士号を取得したのち、銀行・金融界入り。信託投資業務でかなり成功を収めていた。

ソ連邦崩壊直後、ポーランドへの復興開発計画に投資する信託投資で一儲けしようとした。しかし、多額の損失を出し投資家たちから刑事訴訟を受けたものの、辛くも訴追だけは免れた。

その後政界進出を狙い、上院議員選挙出馬を模索、2008年には第3党の「Constitution Party」(立憲党)から大統領選に立候補するが、途中で断念。

一時は政界進出への強い意志を抱いていたようだ。その後は保守系メディアへの執筆活動に活動の拠点を移した。

コージ氏が注目されたのは、前述の2004年の大統領選に出馬していた民主党大統領候補のジョン・ケリー上院議員(当時)の軍歴詐称を取り上げた時だ。

ケリー氏はベトナム戦争に参戦した際に同僚兵士たちを救出したとして「名誉戦傷章」などを授与されている。

ところが、当時一緒に戦っていた兵士の1人、ジョン・オニール氏が「でたらめだ。救出しなどしていない」と追及したのだ。

この証言を基にコーシ氏が書いたのが前述の『Unfit for Command』だった。

大統領選の最中、この本は爆発的売れ行きを見せた。結局、ケリー氏はジョージ・W・ブッシュ共和党大統領候補に負けてしまう。その大きな要因の1つがこの軍歴詐称といった見方が支配的だ。

FBI、CIA、NSAの中にいる「ディープ・ステート」

コーシ氏は本書を書いた理由についてこう書いている。

「この本の主題は、トランプ大統領が『ディープ・ステート』一味が計画しているクーデターの標的にされているという事実だ」

「ディープ・ステートとはCIA(米中央情報局)、FBI(米連邦捜査局)、NSA(国家安全保障局)をはじめとする情報機関の中に潜んでいるグローバリストが実現を目指す『ニュー・ワールド・オーダー』(新世界秩序)にコミットしている連中のことである」

「ヒラリー・クリントン前国務長官が大統領選に敗れた時、ディープ・ステートは、地球上のどこかで常に戦争をすることを望む産軍複合体から託されたチャンスを失った」

「ディープ・ステートはトランプ政権に危機感を抱いている。トランプ政権は彼らにとって百害あって一利なしなのだ」

「そのディープ・ステートにおける最も獰猛な戦士は、目下ロシア疑惑捜査を続けているロバート・モラー特別検察官(前FBI長官)なのだ」

「モラーは、トランプ大統領を一掃するために、彼の仲間である情報機関員や民主党や主要メディアと共同歩調をとっている」

「民主党全国委員会のトム・ペレス委員長は、民主党支持者の億万長者ジョージ・ソロスから得たカネを使って『ウォール街抗議デモ』、『アンチファ』(ネオナチに対抗する極左集団)、『ブラック・ライブ・マター』(新手の黒人公民権運動団体)などの無政府暴力集団の活動を激化させている」

「ロシア疑惑」捜査をやめ、「クリントン疑惑」捜査をせよ

こうした『ディープ・ステート』のトランプ追い落とし工作にどう対処したらいいのか。コージ氏はこう進言している。

「まず、ホワイトハウスは記者会見を一切しないこと。第2は連邦準備制度理事会を廃止し、公的支援をテコ入れすること。第3はロシア疑惑捜査を中止し、その代わりにヒラリー・クリントン氏とジョン・ポデスタ*、トニー・ポデスタを含む支援者たちに対する刑事訴追を始めることだ」

*ジョン・ポデスタ氏はクリントン政権で大統領首席補佐官、オバマ政権では政治顧問を務めた。トニー氏はワシントンで最強のロビイストとされる人物。クリントン、オバマ両氏を大統領に当選させた最大の後ろ盾とも言われている。

まさに描かれているのは、「陰謀好きなコージのファンタジーの世界で繰り広げられる出来事」(評論家のアレックス・ニコラス氏)かもしれない。

日本の財務省改竄は「ディープ・ステート」の仕業?

だがその一方で、著者が<国家という集合体の一部で国民が選んだ政権に逆らい、事実を隠蔽し、あるいは政権に不利な機密を漏洩する狡猾な「影の政府」が存在すること>を暴いている点は見逃すわけにはいかない。

今、ディープ・ステートがやっていること(ロシア疑惑に関するトランプ政権内部の不正疑惑や捜査状況を暴露すること)が正しいことかどうかは別にしての話だ。

日本の現状に照らしてみると、財務省や防衛省の一部官僚による公文書改竄や隠蔽などはまさに広義の意味で「ディープ・ステート」と言えなくもない。

国民によって選ばれた「国家」に反逆した行為だったという点では「ディープ・ステート」だ。

もっとも財務省の官僚などの行動(虚偽証言や改竄)は、「時の総理大臣」の意向を「忖度した」可能性(?)が濃いような印象を受ける。これを国家に逆らう行為と見るか、あるいはただ単に「安倍首相の国家」を守る行為と見るか――。

本書とは離れて「ディープ・ステート」をめぐる論議は米国だけに限らない。

防衛省の日報隠し工作にしても、文民統制にあの手この手で風穴を開けようとする制服組の「ディープ・ステート」が蠢いているという「陰謀説」は成り立たないだろうか。

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『対米報復はロシア自身の首を絞める 経済規模は15分の1。反撃できないプーチンの悩み』(4/27日経ビジネスオンライン 池田元博)について

4/28には「士気の集い」のコンスタンチン・サルキソフ先生の講演会に出席しました。北方領土問題では「56年重光葵外相時代、2島返還で決着しようとしたが、米国がそれでは沖縄は返さないというので潰れた。今は2島返還も難しくなっている。ロシアはそこに米軍基地を造られるのを嫌がっている。日本に造らないことを確約できるかと聞いたら、それはできないとの返事だったので」とのこと。エリツインは6回も日本人を抑留したことに謝罪したとのこと。会場からの質問で、「ロシアのクリミア侵攻の論理は、クリミアはロシアの領土というものであった。であるなら北方領土も日本の固有の領土なのだから返還すべきでは」との問いに、「クリミアの件は、頭では乱暴すぎる、国際法に準ずべきと思っても、心は喜んでいる。サンフランシスコ条約の第2条には「(c) 日本国は、千島列島並びに日本国が千九百五年九月五日のポーツマス条約の結果として主権を獲得した樺太の一部及びこれに近接する諸島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する。」とあり、ロシアは北方4島も千島列島に入ると主張し、日本は北方4島は南千島で千島列島に入らないと主張している。1875年にサンクトペテルブルグ条約(樺太・千島交換条約)が結ばれ、これで日露の国境線が確定した。このときに樺太はロシアに、千島18島は日本の領土とした。2島返還を固有の領土と主張すれば可能性はあるかもしれない」とのことでした。先生は、ユダヤ人と並び優秀と言われるアルメニア人の血が入っているという事で、頭脳明晰かつ流暢な日本語を話し、偏頗な見方がないダンデイな紳士でした。

自由世界の敵は共産党が支配する中国と思うのですが、何故かロシアを目の敵にしています。中国はやり方が上手いのでしょう。金の配り方や女のあてがい方、オリエンタリズム(異国趣味)も、白人でクリスチャンであるロシアと違い、興味をそそられるのでしょう。脱線しますが楊海英氏の『「中国」という神話 習近平「偉大なる中華民族」のウソ』の85頁には「他者の実態には全く無関心で、専ら自らのイメージで異文化について語り、描き、そして歪曲することをオリエンタリズムという。このオリエンタリズムという概念はパレスチナ出身のエドワード・サイードが出した概念」とありました。中国人と朝鮮半島人を見て定義したのではないかと思われるほどピッタリです。

4/28産経ニュース<優先監視国に中国など12カ国 米、知財保護の強化要求>

https://www.sankei.com/world/news/180428/wor1804280040-n1.html

やっと、中国にも制裁を課すような動きになってきましたが、ロシアへの動きと比べると緩慢です。南シナ海を侵略しているのですから、ロシアのクリミア侵攻と同じでしょう。民主党や共和党主流派、デイープステートが中国の賄賂攻勢にしてやられているとしか思えません。トランプはエスタブリッシュメントに対して頑張っていると思います。

池田氏の記事にありますようにロシアは米国の1/15のGDPしかないのだから、核を除き恐れることはないでしょう。米露で中国を封じ込める方が米国の覇権を長持ちさせると思うのですが。

記事

米ロ関係が大きく冷え込む中、米国のトランプ政権が今度はロシアの新興財閥も標的にした対ロ経済制裁を発動した。通算4期目の任期入りを控えたプーチン政権にとって大きな打撃となる。対米報復を唱えているものの、有効な策を打てずに二の足を踏んでいるのが現実だ。

対米報復制裁に二の足を含むロシアのプーチン大統領(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

米国のトランプ政権は4月6日、ロシアが世界で様々な「悪意ある行動」を繰り返しているとして、新たな対ロ制裁措置を発動した。昨年8月に発効した対ロ制裁強化法などに基づく措置で、ロシアで「オリガルヒ」と呼ばれる大手新興財閥の経営者など企業家7人、その傘下企業や国営の兵器輸出企業など14社、政府高官17人を制裁対象とした。

制裁対象となった企業家は、大手天然ガス会社「ガスプロム」のアレクセイ・ミレル社長、「ガスプロムバンク」のアンドレイ・アキモフ頭取、大手石油会社「スルグトネフチェガス」のヴラジミル・ボグダノフ社長、ロシア対外貿易銀行のアンドレイ・コスチン頭取、複合企業「レノヴァ」グループを率いるヴィクトル・ヴェクセルベルグ氏、世界有数のアルミニウム会社「ルサール」などを実質支配するオレグ・デリパスカ氏らだ。

一方でヴラジミル・コロコリツェフ内相、ニコライ・パトルシェフ安全保障会議書記など、治安関係を中心にした政府高官も多数含まれている。

今回の特徴は何といっても、プーチン大統領に近いとされる大手新興財閥の経営者デリパスカ、ヴェクセルベルグ両氏が制裁対象となったことだろう。両氏が実質支配する企業も制裁対象になっており、とくにデリパスカ氏の場合は「ルサール」、大手自動車会社「GAZグループ」、複合企業「En+グループ」など複数の企業が制裁リストに加えられた。制裁対象となった個人や企業は米国内の資産が凍結され、米国企業や銀行との取引なども禁止される。

トランプ政権はロシアによる「悪意ある行動」の例として、ウクライナ領クリミア半島の占領継続、ウクライナ東部の紛争と制圧、シリアのアサド政権に対する軍事支援や武器供給、西側の民主主義排除の試み、敵対的なサイバー攻撃などをあげている。要はクリミア併合に始まり、シリアへの軍事介入、さらには米大統領選を始めとする米欧の民主選挙への介入疑惑へと至るプーチン政権の一連の「悪事」に対する報復というわけだ。

では、プーチン政権の一連の外交政策とは一見、無関係なようにみえる新興財閥の経営者が制裁対象に含まれたのはなぜか。

財閥経営者も制裁対象になった理由

米財務省はプーチン政権が「オリガルヒや政界エリートの利益を過度に重視した政策を行っている」と指摘。オリガルヒらはそれによって巨万の富を築き、資金の一部がアサド政権への軍事支援など、ロシアの「悪意ある行動」に利用されていると批判した。

デリパスカ氏については、「私自身は国家と切り離すことはできない」と自ら公言しており、ロシアの外交旅券の保有も認めていると強調。さらに同氏はマネーロンダリング(資金洗浄)、ビジネスライバルへの脅迫、政府高官に対する不法な盗聴などの嫌疑がかけられているほか、政府高官への贈賄、ビジネスマンに対する殺人依頼、暴力犯罪組織(マフィア)とのつながりなどの疑惑も取り沙汰されていると指摘している。

トランプ大統領は昨年8月、議会の上下両院で採択された対ロ制裁強化法に署名した。これを受けて米財務省は今年1月末には、プーチン大統領に近い人物を列挙した「クレムリン・リスト」を公表している。リストはロシアの各省庁の閣僚、大統領府幹部を含めた政府高官や国営企業経営者114人と、大手新興財閥など大富豪の実業家96人の合計210人を列挙していた。

米財務省は当時、クレムリン・リストは「制裁リストではない」と強調していた。だが今回、デリパスカ氏やヴェクセルベルグ氏らを制裁対象としたことで、「クレムリン・リスト」に載っている誰もがある日突然、新たな制裁対象となり得ることも暗示した。海外企業などがこうした実業家との取引を控える傾向は今後さらに強まるとみられ、ロシアに与える経済的、心理的な打撃はかなり大きいと言えそうだ。

米政府がデリパスカ氏とその傘下企業の「ルサール」を制裁対象としたことは、国際的にも大きな波紋を広げている。米国による二次制裁を恐れて、世界の多くの企業がルサール社製アルミの調達を停止。ロンドン金属取引所(LME)や米国のシカゴ・マーカンタイル取引所も同社製アルミの取り扱いをやめ、アルミの国際価格が急上昇した。

ルサールとの取引が多いドイツやフランスなどでは、制裁の適用除外を求める声も強まった。予想外の影響に慌てた米財務省は、米企業とルサールとの取引停止の期限を今秋まで延期したほか、デリパスカ氏との関係が切れれば同社を制裁リストから外す可能性も示唆した。とはいえ国際的な市場混乱は当面、避けられそうにない。

ロシア国内でもルサールを中心に制裁対象企業の株式が急落。通貨ルーブルの下落にも拍車がかかるなど、影響が広がっている。政府系世論調査会社の全ロシア世論調査センターが直近で実施した調査でも、米ドルやユーロに対してルーブルが下落している理由について、回答者の23%が「対ロ制裁」の影響だと分析している。

ロシアではすでに、米国の制裁対象となったロシア企業を政府が全面支援すべきだとの意見が広がっている。マントゥロフ産業貿易相は「我々はさらなる支援をしていく」と表明。制裁対象企業からの国家調達を増やす案などを検討していく方針を明らかにした。さらに極端な方策として、ルサールなどの一時的な国営化案も浮上している。ペスコフ大統領報道官によれば「制裁対象企業に対する支援策のひとつとして提案されている」という。

対米制裁に“二の足”を踏まざるを得ない事情

一方で、今後の焦点となるのは米国への報復制裁だろう。議会の上下両院は連休明けの5月中旬にも、具体的な決議案を採択させる方向で準備を進めている。ただし、経済分野の対米報復には大きな難点がある。「米国と違ってロシアには、米国のビジネスや政府に影響を与えるような方策がない」(国際政治学者のフョードル・ルキヤノフ氏)からだ。

現在、ロシア議会で検討中の主な報復制裁案は、米国産のウイスキーを含めたアルコール飲料やタバコ、医薬品などの輸入制限だ。ロシアはすでに米欧からの食肉、魚、乳製品、野菜等の輸入を禁止しているが、他の食料品やノンアルコール飲料なども含めて禁輸対象を拡大すべきだと主張する声も出ている。

ロシアには一時的にせよ、米国企業に深刻な打撃を与える報復措置が全くないわけではない。ロシアが今でも得意とする航空・宇宙、原子力分野の協力停止は有力な方策となり得る。例えば、米ボーイング社はチタンの約35%を、ロシア国営軍事企業傘下の世界有数のチタン製造会社「VSMPOアヴィスマ」からの調達に頼っている。国営原子力会社「ロスアトム」は濃縮ウランの供給も含めて米原子力会社との関係が深い。

ロシア議会関係者の間では、こうした航空・宇宙、原子力分野の報復制裁に踏み込むべきだとの強硬論も出ている。しかし、当の企業側は「契約をほごにすれば市場を失う。約2万人の従業員も危機的状況に陥る」(VSMPO)などと猛反発しているのが現状だ。VSMPOの場合は7割が輸出向けで、すでに世界49カ国の300社以上の企業と取引関係があるからだ。

プーチン政権も「我が国の企業自体が反対しているのに、なぜ(制裁を)発動しなければいけないのか」(マントゥロフ産業貿易相)と総じて否定的だ。原油や天然ガスなどの資源輸出に頼るロシアにとって、航空・宇宙、原子力産業は資源依存脱却を目指すうえでも、大事に育てていくべき数少ない有望分野でもある。下手に対米報復制裁に踏み込めば、逆に自分の首を絞めかねないジレンマを抱えているわけだ。

米トランプ政権は英国で起きた神経剤によるロシア人元情報機関員の襲撃事件を巡っては3月26日、英政府に同調した対ロ制裁措置として、ロシア外交官60人の国外追放とシアトルのロシア領事館の閉鎖を打ち出した。

対するプーチン政権は「反ロシアキャンペーンが急速に広がっていることに驚きを隠せない」としつつも、これに対する報復制裁の発動は極めて迅速だった。米国が制裁を発表したわずか3日後の3月29日、同じく60人の米国外交官の国外追放とサンクトペテルブルクの米総領事館の閉鎖を通告している。

ロシアの新興財閥などを標的にした米国の対ロ制裁に対しても、プーチン大統領は本来なら、速やかに報復措置を打ち出したかったのかもしれない。だが、ロシアの経済規模はいまや、米国のおよそ15分の1に過ぎない。米ロ間の圧倒的な経済レベルの差は否定しようがなく、プーチン政権もこと経済分野に関しては対米報復に慎重にならざるを得ないようだ。

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『北京のスパイ通報件数は1年間で5000件 通報の報奨金は17万~850万円』(4/27日経ビジネスオンライン 北村豊)、『海外旅行年6回に車はベンツ、中国中産階級の謎 中国の庶民=日本の大企業を定年退職した60代』(4/26日経ビジネスオンライン 山田泰司)について

4/27 FNNニュース<米「米朝会談決裂すれば“北”攻撃」と日本に説明>

https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20180427-00390722-fnn-pol

4/27日経ビジネスオンライン 鈴置高史<米国の空爆を防ごうと「時間稼ぎ」に出た南北 首脳会談は「完全な非核化」と「平和」をうたってみせた>

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/226331/042500168/?P=1

鈴置氏の記事は昨日、本ブログで書いた通り、南北合同で米国や世界を騙そうと言うものです。日本のメデイアは知っていながらそれに乗ろうとします。悪質としか言いようがない。リベラルのNYTやWPでさえも北の核放棄には懐疑的なのに。

4/27日経<海外メディア、緊張緩和に期待 北朝鮮の非核化には懐疑的>

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO2993951027042018FF8000/

とありました。まあ、このままいけば軍事衝突するのでは。

4/27看中国<高校“教兽”多?毛泽东江泽民推动淫乱害国(组图)=高等教育にはケダモノ教師が多い?毛沢東と江沢民は淫乱により国を害した>4/22本ブログで伝えました『中国の名門大学を騒がせたセクハラ告発運動』の続きのような記事です。中国の様な政府や権力者を批判する自由のない国では、職場でも学校でも権力者が絶対となります。

林昭という北京大学の女性は右派と決めつけられ収監され、毛により8カ月で出して貰い、性饗応を強制されそうになったが拒絶、銃殺となった。14歳だった陳恵敏は毛に強姦され、大躍進の飢饉の時代に家族には食物と日用品が配られた。毛は食べていないようなふりをしていたが食欲と性欲は旺盛だった。毛は「金瓶梅」をよく読んでいて、その通りのことをさせた。少女たちの面前でセックスするのを見せて楽しんだ。毛は女性兵士、文芸団員、スター、服務員などより取り見取りに手を出した。江沢民も毎日処女を相手にしていた。周永康は29人も情婦がいた。周は薄熙来からの女も受け取っていたし、幼女にまで手を出していた。

金一族と一緒、共産主義者が如何に道徳・倫理感を持たないかです。

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/04/27/856541.html

北村氏の記事で、5000件も通報があっても大部分ガセというのはその通りでしょう。通報することにより共産党の心証を良くしておきたいと思うからです。事実とは関係ありません。五毛党と同じでプロパガンダを広める役割を果たします。政敵を追い落とすのにも使われるでしょう。

日本人は中国に行ったら(行かないのがベストですが、業務上行かざるを得ないこともあります)、スパイ罪をでっち上げられて逮捕される可能性があることにもっと留意しないと。旅行者であっても、公安が麻薬を旅行バッグに忍ばせて逮捕することだってあるでしょう。冤罪が当り前の国ですから。『レッドコーナー 北京のふたり』の世界です。

これに対して日本はスパイ防止法がないため、スパイ天国になっています。スパイに寛容なのは国を滅ぼします。左翼メデイア、野党、学界、役人の中にはスパイがごろごろいるのでは。だからスパイ防止法に反対するのです。潔白であれば恐れることはないはずです。

山田氏記事は、中国の膨大な債務の存在とバブル崩壊の可能性を忘れています。中国経済は砂上の楼閣です。米国が経済的締め付けを強化すれば、それが引き金になって、バブルが崩壊するかもしれません。

北村記事

スパイ通報を受け付ける電話番号「12339」には多くの情報が寄せられている

北京紙「新京報」のウェブサイト“新京報網(ネット)”は4月9日付の速報で「『“公民(市民)”が“間諜(スパイ)”の手掛かりを通報するのを奨励する規則』(以下「スパイ通報規則」)公布から1年で5000件近い通報を受ける」と題する記事を掲載した。その全容は以下の通り。

【1】2017年4月10日に“北京市国家安全局”がスパイ通報規則を公布・施行して以来、国家安全機関として唯一外部へ発表した市民と組織がスパイ行為の手掛かりを通報する電話番号の「12339」は鳴りやまず、顕著な成果を上げている。

【2】統計によれば、この1年来、北京市国家安全局が受けた社会各界の人々および“境外人士(境界外の人)”<注1>が「12339」へ電話をかけた通報と“信訪(陳情)”ルート経由の通報は5000件近くに達し、国家安全機関が法に基づき偵察行動を深く展開し、スパイ犯罪に有効的な打撃を与えるのに大きく貢献した。北京市国家安全局は『中華⼈⺠共和国“反間諜法”』(以下「反スパイ法」)と『スパイ通報規則』の関連規定に基づき、大きく貢献した組織と個人に対して相応の報酬を支払っている。

<注1>の“境外人士”には外国人の他に、中国の特別行政区である香港および澳門(マカオ)、さらには海外に居住する華僑や中国国民が含まれると考えられる。

【3】北京市国家安全局の関係責任者は次のように述べた。すなわち、2015年に「12339」の通報電話が正式に開通して以来、特に『中華人民共和国国家安全法』(以下「国家安全法」)が公布されて施行された後は、北京国家安全機関は組織に深く入り込んで「4月15日国民全体国家安全教育日」の宣伝活動を展開し、多くの人々が国家の安全を擁護し、共にスパイ犯罪に打撃を与える意識を絶えず増強し、情熱を高く保ち、社会の中に隠れていたスパイ活動が馬脚を現さずにはいれなくした。

通報により「発覚」したスパイ活動

【4】その結果として得られた成果の例を挙げると以下の通り。

(a)劉某はインスタントメッセンジャー「QQ」を通じて、国内の某計算機研究所の研究員である“陳某”と交流し、陳某に対し何度も研究所内の業務内容を打診した。陳某は婉曲に断っていたが、劉某があまりにも執拗なので、「12339」へ電話を掛けて国家安全機関に状況を通報した。これを受けて国家安全機関が調査を行った結果、劉某は我が国の科学研究者を引き込んで国外へ科学技術情報を提供していた犯罪事実が判明し、陳某には報奨金が支払われた。

(b)某大学の博士である“李某”は国外で開催された学術会議に参加した際に、自称某国国際研究機関研究員のピーターという男と知り合い、帰国後も連絡を保ち、2人はメールを通じて何度も学術交流を行い、ピーターは李某へ学術資料や小さな贈り物を送っていた。1年の交流を経て、ピーターは李某に米国のグリーンカードを手続きしてやると持ち掛け、その代わりに彼が参画している科学研究プログラムの状況を密かに知らせるように要求した。

李某はこの事態を「12339」へ電話して国家安全機関へ通報した。国家安全機関が調査した結果、ピーターは外国の情報機関の人間で、李某が面倒事から逃れ、すんなりと国外へ逃れるのを指導する役割だった。この通報により、李某は処罰を免れただけでなく、国家安全機関から報奨金が支払われた。

(c)某軍事研究所の職員である“趙某”は研究所に隣接した書店で本を買った時、外国人から話しかけられ学術的なことを問われ、ついでに仕事の内容を聞かれて、内部資料を大金で買うと持ち掛けられた。趙某はこれを厳しく拒絶し、直ちに「12339」へ電話を入れて、この状況を通報した。調査を経て、国家安全機関は当該外国人が国外情報機関を背景に持つことを発見し、趙某に対して報奨金が支払われた。

(d)タクシー運転手の“王某”は仕事中に数名の外国人が得体のしれない装置を携帯して“軍事禁区(軍関連の立ち入り禁止区域)”付近に長い間留まっているのを発見し、「12339」へ電話を入れて国家安全機関に状況を通報した。国家安全機関が深く調査した結果、この数名の外国人は国外情報機関を背景に持ち、地下探査設備を用いて我が軍の重要秘密を調べようとしていたことが判明した。このため、王某には報奨金が支払われた。

(e)こうした成功事例とは別に、通報電話「12339」が妨害を受けることもある。たとえば、某機密関連機関の職員である“孫某”は、職務上の過失で何度も上司の“楊某”から叱責を受けて逆恨みし、報復しようと「12339」へ電話を入れて、楊某が外国へ機密書類を売っていると通報した。調査を経て、孫某の話が根拠ない虚言と判定した国家安全機関は、孫某の勤務先へこの旨を通報し、孫某は相応の処罰を受けた。また、無職の“周某”は、何度も理由なく「12339」へ電話を入れ、正常な通報業務を妨害したばかりか、通報受付係を侮辱し、何度説諭しても効果がなかったので、公安機関は周某に対して拘留15日間の処罰を科した。

【5】国家安全領域の関係専門家は次のように説明している。通報電話「12339」の開設は、中国共産党第19回全国代表大会で“習近平”総書記が提起した“堅持以人民為中心(人民を中心にすることを堅持する)”という重要講話の精神、党の大衆路線の積極的実践の堅持を、国家安全機関が徹底的に実行したものである。スパイ通報ホットラインの開設は我が国が創始したものではなく、世界中で普遍的に行われているものである。スパイ犯罪に打撃を与え、国家の安全を擁護することは、市民1人1人の責任と義務である。

【6】北京市国家安全局の関係責任者は次のように表明した。すなわち、『国家安全法』、『反スパイ法』およびその実施細則などの国家安全法律法規の宣伝をさらに強化し、「“反奸防諜(裏切り者に反抗し、スパイを防ぐ)”のは、“人人有責(1人1人に責任がある)”」という濃厚な雰囲気を積極的に作らねばならない。教育や訓練を通じて、大衆の国家安全意識とスパイ活動を警戒・抑止する能力を常に高め、大衆の“火眼金晴(不正を見抜く力)”を鍛えさせ、各種スパイ活動の隠れ場をなくし、“反奸防諜”の鉄壁な長城の構築に努力し、着実に国家の安全と首都の安全を擁護しなければならない。

『国家安全法』と『反スパイ法』とは

さて、上述した記事の中にあった『国家安全法』と『反スパイ法』とは何か。『国家安全法』は2015年7月1日に公布・施行された法律で、政治、国土、軍事、文化、科学技術など11分野の安全を守るための国家としての任務を明確に規定したものである。一方、『反スパイ法』は2014年11月1日に公布・施行された法律で、スパイ活動の取り締まり任務を具体的に規定したものであり、同法の第38条はスパイ活動の内容を5項目に分けて規定している。当該5項目は以下の通り。

スパイ組織およびその代理人が実施、あるいは他人に実施を指示、資金援助、あるいは国内外の組織、個人が相互に結託して実施する中華人民共和国の国家安全を脅かす活動。

スパイ組織に参加、あるいはスパイ組織およびその代理人の任務を引き受けること。

スパイ組織およびその代理人以外のその他国内外の機構、組織、個人が実施、あるいは他人に実施を指示、資金援助、あるいは国内機構、組織、個人が相互に結託して実施すること。

敵のために攻撃目標を指示すること。

その他のスパイ活動を行うこと。

スパイ通報報奨金の金額

北京市公安局が2017年4月10日付で『スパイ通報規則』を公布・施行したことは上述したが、その第5条には報奨金の具体的な金額が次のように明記されている。

【a】スパイ活動の防止、阻止、あるいはスパイ事件の解決に、特に大きな作用を発揮し、特に突出した手掛かりで貢献した者に対して、10万~50万元(約170万~850万円)の報奨金を与える。

【b】スパイ活動の防止、阻止、あるいはスパイ事件の解決に、大きな作用を発揮した手掛かりに対して、5万~10万元(約85万~170万円)の報奨金を与える。

【c】スパイ活動の防止、阻止、あるいはスパイ事件の解決に、比較的大きな作用を発揮した手掛かりに対して、1万~5万元(約17万~85万円)の報奨金を与える。

なお、同規則の第6条には「市民が通報した手掛かりが報酬基準に符合した場合には、北京市国家安全局から電話、公告などの方式で通報者に報奨金を受け取るよう通知する」とあり、第7条には、「通報者は報奨通知から90日以内に、本人の身分証明書あるいは委任状に基づき報奨金を受け取る」ことが明記されている。

こうした報奨金に釣られてかどうかは分からないが、文頭に述べた記事によれば、北京市では2017年4月10日のスパイ通報規則の公布・施行から1年間に5000件もの通報があった。1年間に5000件ということは、平均すると1日当たり13.7件の通報があった計算になる。中国ではそれほどスパイ活動が盛んなのかと突っ込みたくなるが、恐らく5000件のうちでスパイ活動の実態が伴っていたのは数件だけなのではないかと思われ、上述の記事にあった成果の例も本当の話かどうかは疑わしい。

国民の不満を抑制する効果も

ただ言えることは、スパイの手掛かりを通報することにより1万~50万元もの報奨金をもらえる可能性があるならば、報奨金を稼ごうと考える人は鵜の目鷹の目でスパイらしき人物を探そうとする。その対象は外国人や外国人と交流のある中国人となり、疑わしいと思えばいくらでもこじつけはできるから、「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」式で「12339」へ通報する輩もいることだろう。一方、不運にも通報によってスパイの容疑を掛けられた人は、北京市国家安全局から身辺調査や取調べを受けるかもしれず、情報源たる通報者の名前などは秘匿されるから、被疑者はたとえ身の潔白が証明されたとしても、怒りをぶつける先がない。

そうなれば、「やられたら、やりかえせ」とばかり、被疑者とされた人が報復目的で何らかの理由を付けて、特定の嫌いな人物をスパイとして通報する可能性がある。こうした風潮が蔓延すれば、中国は自ずと人々が相互に監視する社会へと変貌する公算が大きい。と言うのは、中国は中華人民共和国成立以来ずっと、大衆をそそのかして大衆と戦わせ、大衆相互に思想的な誤りを告発させてきたからである。“文化大革命”(1966~1976年)の時期は、そうした動きが頂点に達し、人々は相互に中国共産党や“毛沢東”への忠誠心を監視し、忠誠心の欠如が発見されれば、親子間や兄弟姉妹間、さらには師弟間でさえも容赦なく告発が行われた。

上述した『反スパイ法』『国家安全法』『スパイ通報規則』は全て習近平が中国共産党中央委員会総書記に就任した2012年11月以降に公布・施行された法規だが、その背景には国内の安定を図り、国民の団結を促すためには、“境外敵対勢力(国外敵対勢力)”の存在が不可欠という習近平の意図が見え隠れする。こうした国外敵対勢力によるスパイ活動の取り締まりを強化し、スパイを摘発してその罪状を国民に示すことで、国民の視線を国外敵対勢力へ向けさせることができる。それは、国民の愛国心を刺激し、国民の意識を統一し、国内に蔓延する国民の各種不満を抑制する効果を持つ。

さらに言えば、習近平の独裁政権に反旗を翻す可能性がある敵対勢力や不穏分子を国外のスパイ組織と結び付ければ、いかようにも取り締まることが可能になる。こうした前提の下で、スパイ通報規則を活用して国民の相互監視を定着させれば、国内の敵対勢力や不穏分子を監視下に置くことが可能となり、長期政権の維持が保証されることになるのである。

ところで、2014年11月1日に『反スパイ法』が公布・施行されてから現在までに、少なくとも12人の日本人がスパイ活動を行ったとして逮捕され、このうち4人はすでに釈放されたが、6人はスパイ罪の容疑で起訴され、残る2人は未だに拘留中という。中国の『刑法』第110条の“間諜罪(スパイ罪)”には、「スパイ行為により国家の安全に危害を及ぼした者は、懲役10年以上の懲役刑あるいは無期懲役に処す。情状が比較的軽い者は、3年以上10年以下の懲役刑に処す」との規定があり、すでに起訴されている6人は裁判で有罪となれば、この規定に沿った判決が出ることになる。

スパイ容疑で逮捕・起訴された日本人

日中両国のメディアが報じた「2016年以降にスパイ容疑で中国当局に逮捕・起訴された日本人」を取りまとめると、以下の通り。

鈴木英司氏(日中青年交流協会理事長、現在61歳):2016年7月に日中交流イベントに参加するために訪問した北京市で拘束され、2017年2月に逮捕、6月に起訴された。逮捕・起訴された理由はスパイ行為に関与した容疑といわれるが、その詳細は不明。なお、初公判は8月に非公開で行われた模様だが、その後どうなったのかは情報がない。

中国の温泉開発会社の依頼を受けて山東省と海南省で地質調査を行っていた「日本地下探査」(千葉県船橋市)の社員と「大連和源温泉開発公司」(遼寧省大連市)の日本人社員計6人が、2017年3月にスパイ活動を行っていたとして拘束され、4人は7月に釈放されて帰国したが、両社の現場責任者2人は9月に逮捕され、その後起訴された。

樋口健氏(60歳代):遼寧省大連市で建造中の国産空母の写真を撮影したことにより、2017年5月に拘束され、同年9月にスパイ情報活動に従事したとして逮捕され、2018年3月に起訴された。

彼らが行ったとされるスパイ活動がどのようなものであったかは全く公表されておらず、日本側が起訴内容に反論しようにも、その方法がないのが実情である。ことわざに「君子危うきに近寄らず」とあるが、中国に滞在する際は、慎重に行動し、危険な場所にはできる限り近付かないことが肝要である。自分が常に監視されていると思って行動すれば、問題が起きる確率は大幅に減る。

文化大革命時代の忌まわしい相互監視の思い出を持つ人々は、誰一人として相互監視社会の再来を望んでいないと思うが、皮肉なことに歴史は繰り返すものらしい。

山田記事

中国の中産階級は日本の富裕層と似ていると考えると合点のいくことが多い(2018年2月・北京)

留学時代を含め、私は中国に足かけ20年近く暮らしたが、何年暮らそうが、中国のことなんていまだに分からないことだらけだ。

ただ、分からないながらも、最近になってようやく分かりかけてきたことがある。

それは、日本と比較してしまうから、分かるものも余計分かりにくくなるのではないか、ということである。

先に、20年あまり中国に暮らしたと書いた。香港も含めれば28年ぐらいになる。私はいま52歳だから、もはや日本以外の土地で生きた時間の方が長いことになる。

ところが悲しいかな、中国における生活のあらゆる局面で、日本と比較して考えている自分に気付いて愕然とすることがある。物事を考えたり判断するに当たって、自分の物差しを当てはめて考えてしまうのは当然のことなのだろうが、中国のことを考えるとき、自分が無意識のうちに手にしている物差しがいつまでたっても「日本製」だということに気付くのである。だからといって、「ダメだなあ」と自分に絶望したり苦笑したりはしないが、中国のことを考えるには、最初から「中国製」の物差しを当てて考える方が、回り道をしなくても済んだかもしれないな、と思うことが多々あるという話である。

例えば、中国では都市を中心に「中間層」や「中産階級」が育ってきて、この国の行方を左右する存在になりつつあるとの指摘を最近、日本のメディアで見かけることが多くなってきている。ただこの中間層、中産階級を日本のイメージに照らし合わせて考えてしまうと、戸惑うことが多い。消費行動や資産の程度が日本人のイメージする中産階級のそれと合致しないのである。

サラリーマンの平均月収は7599元だが……

中国の求人情報サイト「智聯招聘」が2017年10月に発表した「白領」(ホワイトカラー)の平均月収は全国37都市の平均で7599元。1元=約17円だから、約13万円ということになる。トップは北京の9900元、2位は上海の9365元、3位は深センの8666元で、37都市の中で最下位は黒竜江省ハルビンで6004元だった。ホワイトカラーといっても最近の日本の若い世代にはもはやピンとこないかもしれないが、都会でスーツを着て会社勤めをするサラリーマンのこと。すなわち、日本人がイメージする典型的な中間層ということになる。

この統計が示す層に属する中国人のサラリーマンを、私は上海で大勢知っている。ただどうも日本で言うところの中産階級の上を行く水準の生活を送る人が少なくないのだ。

一例を挙げよう。上海出身の50代前半の男性。10年前に中古で買った上海市内の持ち家のアパート(80平米)に再婚した1つ年上の妻と2人で暮らしている。外資系出版社に勤める20代半ばの1人娘は去年結婚した。彼は上海一の名門、復旦大学を卒業後、出版社やメーカーで月刊誌や社内報、会員誌等の編集をしてきた。数年勤めては転職を繰り返してきたせいか月給は9000元で、まさに先に紹介した上海サラリーマンの平均値だ。東北地方出身の妻は銀行の早期退職制度を利用して30代で退職し、月々約4000元の年金をもらっている。つまり世帯収入は1万3000元、日本円で22万円程度ということになる。

給与所得の2~3倍の不動産収入

この夫婦が、夫が休みを取りやすいこともあり、2カ月に1度の割合で海外旅行に出かけるのだ。昨年はオーストラリア、ロシア、デンマーク、ニュージーランド、イタリア、ドイツに行った。旅程はそれぞれ10日前後で格安の弾丸ツアーではなく、宿泊も4つ星以上のホテルだ。上海にいる時はいる時で、夕食は2日に1回は2人で5000~1万円程度の店で外食している。

なぜ彼らの旅行のグレードや食事の値段を知っているのかというと、訪ねた先や食べたものの写真を逐一SNSに上げており、私はそれを歯ぎしりしながら眺めているからだ。どちらにしても、世帯収入20万円の夫婦の生活レベルではない。

これができるのは、住んでいる家のローンを払い終え住居にかける支出がゼロだということ、そして、給与所得以外に不動産収入があること、この2つが大きい。彼の場合は、既に亡くなった両親がそれぞれ現役時代の勤め先から実質無料で支給された不動産を遺産として受け継ぎ賃貸に出している。具体的な額を彼は教えてくれないが、物件がある場所から見て、夫婦の世帯収入の最低でも倍、下手をすれば3倍あってもおかしくはないと私は踏んでいる。家賃なし、教育費なしでも夫婦2人で月20万円の収入なら年6回の海外旅行と頻繁な豪華な食事といった生活が送れる彼らに「なぜ???」と頭の中が疑問符だらけになる。ところがこれが月60万~80万円なら一転、納得がいく。

そして中国の都市部、とりわけ北京や上海等の大都市では、彼らのケースは特別ではないのだ。

ベンツ・BMWは大衆車

庶民が高級車を乗り回す中国では、ランボルギーニを交差点に路駐して食事に行く猛者もいる(2018年2月上海)

今年の2月、北京に中産階級が集まるカフェがあると聞いて訪れてみた。北京のど真ん中にある天安門広場から地下鉄で東へ50分、マンションの1階にある店舗用の物件で、アメリカンが1杯30元と、スターバックス等のチェーン店と同程度だ。価格設定はまさに中産階級をターゲットにしたものなのだろう。

ただ、「常連さんが最も多い」(店員)という、この店が入居するマンションの住民用駐車場に並ぶクルマを見て、私は頭を抱え込んでしまった。あまりのことに駐車場の一区画に停まっていたクルマを右から左まで動画に撮影したのだが、アウディ、BMW、ベンツ、レンジローバー、BMW、ベンツ、アウディ、レクサス、アウディ、フォルクスワーゲンティグアン、ベンツ、アウディ、ベンツ、レンジローバー、BMW、ベンツ、アウディ、レクサス、アウディ、ベンツ、ポルシェというメンツだったのだ。他の区画もほぼ同様だった。

そして駐車場と店の近くにあった不動産屋をのぞくと、中産階級の常連さんたちが住むというそのマンションは、85平米の2LDKで660万元という値がついていた。1億1000万円である。

日本の物差しを当てはめると、彼らが中産階級だということには違和感がある。しかし、中国の物差しでは、彼らは紛れもない中産階級なのだ。

あえて例えてみると、中国で中産階級と見なされている層は、日本で大企業を定年退職した現在60代以上の人々に近い。すなわち、日本の中でいま、一番お金を持っていて、高額商品のターゲットにされている層のこと。日本で彼らは富裕層のカテゴリーに属する。

これからは中国の中産階級を見るにあたり、日本の中産階級を思い浮かべるのではなく、富裕層を当てはめて考えてみると、これまでモヤモヤして分かりづらかったことがスッキリするはずである。

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『中朝国境の町を歩く 対北制裁で経済的打撃 南北、米朝会談への期待で回復の兆しも』(4/25日経ビジネスオンライン 福島香織)について

4/24ロイター<中朝国境地帯を行く、北朝鮮が静かに沸く「ゴールドラッシュ」(字幕・17日)>北に対して制裁が効いているという事だと思います。でも、北の製品が「中国産」や「ロシア産」に化けて売られているようでは。中露とも米国の一極支配を終わらせようと考えているので、うまく立ち回り、米国の裏をかこうとします。日米でスクラムを組んで撥ね返さないと。

https://jp.reuters.com/video/2018/04/24/%E4%B8%AD%E6%9C%9D%E5%9B%BD%E5%A2%83%E5%9C%B0%E5%B8%AF%E3%82%92%E8%A1%8C%E3%81%8F-%E5%8C%97%E6%9C%9D%E9%AE%AE%E3%81%8C%E9%9D%99%E3%81%8B%E3%81%AB%E6%B2%B8%E3%81%8F%E3%80%8C%E3%82%B4%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%80%8D%E5%AD%97%E5%B9%95%E3%83%BB17%E6%97%A5?videoId=420705687&videoChannel=201

4/26ロイター<焦点:統一は「かなわぬ夢」か、南北朝鮮がドイツになれない訳>安倍首相は安易に2002年の平壌宣言を持ち出すべきではないと思います。日本が金を出してくれると北や南に思わせるのは得策ではありません。小泉が平壌宣言した時に裏では「5人の拉致被害者は北に戻す、1兆円の支援もする」となっていたようですが、流石に日本国民の怒りが爆発、そうは出来なかったのです。元々拉致は北の国家犯罪です。違法行為に手を染めた国の言うことを聞くのはおかしいでしょう。田中均や福田康夫、小泉が何も考えないでしたことです。国家主権の侵害と言うのが今の政治家・官僚には分かっていません。

https://jp.reuters.com/article/unification-koreas-idJPKBN1HX0SF?il=0

https://yoshiko-sakurai.jp/2011/12/22/3265

4/27日経<南北首脳が会談 正恩氏「対決の歴史に終止符」>

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29916590X20C18A4MM0000/

まあ、どう見ても南北で米国を騙す陰謀を図っているとしか思えません。加瀬英明氏も、ジェイソン・モーガン先生も本日の授業で、「トランプは北を攻撃できない」と言っていました。加瀬氏は「米国は海上封鎖するので自衛隊も補給だけでなく米軍と一緒の行動を」と主張しています。二人とも韓国、日本の犠牲が多いのを心配していますが、先般お伝えしたようにEMPの“チャンプ”を使えば大幅な犠牲は避けられるのでは。ただ、日本は左翼の洗脳から脱し切れていない国民が多いので、ミサイルが自分の頭の上に飛んでこないと分からず、他人事としてしまう恐れがあります。

もし戦争ではなく、加瀬氏の言うように米軍が海上封鎖したとして、日本が主役として出なければ、悲観的になりますが日米同盟が崩壊する恐れがあり、そうなれば中国の属国になるのは目に見えています。日本も核武装し、どんな犠牲を払ってでも独立を維持する覚悟が無ければ悲惨な運命を辿ります。今の平和ボケした日本人にその覚悟はありや?特に老人は老い先短いので、中国の人権弾圧を受けても苦しむ時間は短いでしょうが、若い人が中共の奴隷になるのは可哀想すぎます。モンゴル、ウイグル、チベットの状況を見ていれば如何に悲惨かが分かろうと言うもの。

http://www.kase-hideaki.co.jp/magbbs/magbbs.cgi

福島氏の記事で、満洲は朝鮮族の多い所です。歴史的に見て高句麗の一部だった時代もありました。大清帝国を作った満州族も女真族でツングース系民族です。高句麗もツングース系民族ですから朝鮮族と近いのでは。習近平としては満洲にいる人間と朝鮮人との民族的な近さが、瀋陽軍区(現在の北部戦区の一部)を恐れる気持ちになっているのでしょう。

本記事で最後に「東アジア勢力図の「洗牌」の始まり」というのはその通りで、惰眠を貪って来た日本もいい加減目を覚まさないと。そうしなければ日本列島という土地は残っても、日本と言う国はなくなり、歴史から消え去ります。民主主義の主人公たる国民が危機に疎いのではどうしようもない。亡国の道を歩むだけになります。その時は超法規的に戒厳令を発布するしかありません。今の自衛隊にその覚悟ありや?

記事

図們江の向こうに見える北朝鮮。向かって左側にはロシアのハサン湖が、北朝鮮の向こうには日本海が控える(写真:福島香織)

  久々に中朝国境に行ってきた。今回のコラムはその簡単なリポートから始めたい。

 行先は吉林省の琿春という人口23万人程度の小さな街で、ロシアと北朝鮮と中国の3カ国の国境が接する。北京駅から列車で1本、10時間あまり。この路線は、吉林駅あたりから先の風景がなかなか美しいと評判だ。5月も半ばを過ぎたころだと、おそらく車窓から、芽吹いたトウモロコシ畑の新緑の絨毯を眺めながら鉄道の旅を満喫できるだろう。

 私が訪れた4月半ばは、まだ新緑の季節には早かったが、気温は日中15度ぐらいと快適だった。午前6時40分発の列車で、少し予定時間より遅れた午後7時すぎに到着した。

 中朝国境だから緊張しているかと思えば、普通の国境の地方都市であり、耳に入る言葉や目に飛び込む文字が朝鮮語とロシア語が若干多いぐらいの特徴しかない。飲食店のメニューに、朝鮮族の好む「狗爪」(犬の手)が当たり前のように並んでいるのに、朝鮮族自治区らしさを感じる。

 琿春を訪れたのは、琿春と図們などの街に北朝鮮の国境沿って対北朝鮮人用難民キャンプの建設が始まっているとロイターなどが報じていたので、ひょっとすると見つけられるかな、と思ったからだ。だが、残念ながら、さほど現地滞在時間も長くない中、探し切れなかった。おそらく山間部の方にあるのだろう。あるいは、まだ造られていないか。

 もう一つは、中国が対北朝鮮経済制裁に参加し、琿春の税関を通じて中国に例年大量に輸入されていたズワイガニや毛ガニなどの北朝鮮産海産物が全面禁輸となったことを受け、国境の町の経済がどれほど打撃を受けているのだろう、と気になったことだ。

琿春市中心から車で1時間ほどのところには、防川風景名勝区とよばれる北朝鮮、ロシア、中国の国境が接する地域がある。70元ほどの入場料を払って入る有名な観光名所であり、そこの展望台・竜虎閣からは図們江をはさんだ向こうの北朝鮮・豆満江市、ハサン湖事件(1938年の日ソ戦闘、張鼓峰事件)の名前の由来でもあるロシアのハサン湖、その向こうに日本海が一枚の絵のように見渡せる。日本人にとっては、あのあたりまでが満州だったのか、と思ったりすると、感慨深い風景だ。

国境警備隊のチェックの意外な緩さ

 この景勝区の中に、1886年に清朝政府が派遣した高級官僚・呉大澂とロシア側代表バラノフとが設立した「土字碑」がある。中国とロシアの国境線の上に建てられた碑であり、この土字碑周辺だけは中国人にのみ公開され、外国人は近づけない。だが、大勢の中国人と一緒にバスに乗ってしまえば、身分証チェックもあいまいで、中国語が話せない韓国人観光客は入場拒否されたものの、私などは中国人と見分けがつかず、国境警備の兵士に身分証を提示しろと言われても、「えー、駐車場の車の中において来ちゃったよ」というと、しかたないな、という感じで中に入れてもらえた。北朝鮮の核問題で中朝国境もよほど緊張しているのか、と思いこんでいたので、この国境警備隊のチェックの緩さにはちょっと驚いた。

 図們江沿いをずっとドライブしてみると、やはり、さほど国境警備が増強されているという印象もない。報道では本来10万人程度の国境警備は30万人に増強されている、ということだが、見た感じでは、私でも夜陰にまぎれて川幅数十メートルの図們江を渡って中朝を往来できそうなのどかさだった。昼頃、琿春口岸(中朝税関)の前を通りかかると、中国の食料品や日用品を積んだコンテナトラックが列をなしていた。税関は昼休みをとり午後2時からしか通れない。口岸の前にトラックを止めた運転手たちが、傍らでたばこを吸ってたむろしていたので、ちょっと話を聞いてみた。

「コンテナの中には何がはいっているの?」
「具体的には俺たちは知らないよ。食糧とか日用品だろう」
「金正恩が中国に来てから、輸送量は増えた? 禁輸されていた海産物とかもう運べるの?」
「海産物はまだダメだ。だが、もうしばらく我慢すれば解禁になるだろうね」

中朝関係に左右される北朝鮮ツアー人気

 この口岸からは、中国人ならば200~300元程度で羅先経済特区へのツアーにも参加できる。旅行代理店によれば制裁による中朝関係の悪化で、北朝鮮への観光客もずいぶん減っていた。もともと冬季の旅行は寒すぎて人気がない、という部分もある。

 だが、金正恩訪中以降、ツアーはやはり増えてきているようでもある。22日夜、中国人のツアー客の乗った観光バスが北朝鮮の黄海北道で交通事故を起こし、32人が死亡、2人が重傷という大惨事となった。金正恩訪中を受けて、今年は中止していた冬季団体旅行の再開を例年より早めて今月10日からスタートしたとか。

口岸近くの、中朝を結ぶ橋がよく見える場所では、地元の女性が土産物の売店を出していた。3元出せば、双眼鏡を貸してくれるというので、貸してもらって眺める。「向こう岸に見える大きな建物は昨年できたばかりのマーケットだよ」と教えてくれた。黒塗りの高級車っぽい乗用車が停まっている様子なども見える。

 「年末は中朝関係が悪かったから、琿春の観光客は減ったでしょう」と聞くと、「でも、これから暖かくなるし、中朝関係もよくなれば、観光客も貿易も増えるだろうよ」と期待を込めて語っていた。

 「琿春に北朝鮮から逃げてくる難民キャンプを建設中らしいんだけど、どこにあるか知っている?」と聞くと、「川向こうの北朝鮮人はみんな比較的富裕層だよ。難民なんて来ないよ」と笑っていた。

 タクシードライバーに中朝関係について聞けば、こんなことを言っていた。

 「北朝鮮はやはり、すごく貧しいというイメージだ。琿春の海鮮加工工場で、北朝鮮の女性労働者が出稼ぎに来ているけれど、中国人の半分くらいの給料だ。しかも、大半を北朝鮮政府に上納させられるんだろう。だから、中国が経済的に助けてあげなければと思っている。中国もそれによって経済的利益を得る」。

いろいろな予定の合間に、ふらりと訪れただけなので、駆け足で、ざっくりと様子を見ただけだが、中国の対北朝鮮制裁で、経済的にはかなり落ち込んだようだが、金正恩の電撃訪中後は、禁輸解禁間近、という期待が高まっている。

漂う北朝鮮への親近感

 琿春は90年代から国連開発計画が主導する図們江地域国際合作開発の拠点であり、近年は習近平の打ち出す一帯一路構想の極東アジアにおける起点都市の名乗りをあげている。

 たとえば、中国の衣料品メーカーが北朝鮮に工場を作って北朝鮮の安価な労働力を利用して製造する、という出国加工が進められているが、それをそのまま北朝鮮の不凍港である羅津港から中国南部に輸送したり、あるいは輸出することもできたりすれば、陸のシルクロード、海のシクロードともに中国極東の起点となる。北朝鮮の核問題で、中朝関係が冷え込むと、こうした構想も暗礁に乗り上げてしまう。増えかけていた琿春への投資にもブレーキがかかり、街全体に停滞感が漂っていた。

 だが、金正恩が訪中し中朝トップ会談を実現し、続いて南北会談、そして米朝会談を行うことになるということで、この国際合作開発への期待はにわかにぶり返している。防川風景景勝区にいたる国道などで道路拡張工事も行われていた。

 朝鮮族が人口の4割以上を占めるこの町では、北京の中国中央政府よりも、共通言語と共通文化背景を持つ北朝鮮のほうに親近感を感じる人も多く、海産物禁輸が実施されて間もないころは、経済への打撃もあって、中央政府の反感が高まっていたと聞く。外交政策への抗議運動も起きたことがあった。それも、中朝関係の緊張が緩めば、多少緩和されるかもしれない。

 さて、来る南北会談、それに続く米朝会談を前に、金正恩は核実験施設の廃棄を発表。これを金正恩が核廃棄に前向きな姿勢を示したとポジティブに受け取る人もいるが、金正恩の口調からすれば、すでに核兵器保有国になったので、実験施設は必要ない、という宣言にも聞こえる。一部では、中朝国境に近い核実験施設を廃棄することで、中国に配慮を示して、米朝会談においては中国に援護射撃を期待したい考えだ、という見方もある。

 ただ、中国は今回の南北会談、米朝会談に関しては、傍観者を決め込むつもりではないか、というのが、ニューヨーク・タイムズ(NYT)が報じた中国国内外のウオッチャーの見方をもとにした分析だ。つまり、習近平政権としては、やはり金正恩もトランプもあまり信用していない、ということだろう。同時に、不確定要素が多すぎて、中国もうかつに動けない、という面もあろう。

 中国の一番の懸念は、南北が朝鮮戦争終結の平和条約に調印し、半島全体が米国に傾斜することだ。なので、平和条約締結に向けて協議が始まっているというのであれば、積極的にこれに干渉していこうとするのではないか、と思われていた。

 だがそうしなかった理由は、おそらく二つ。金正恩は一旦中国にすり寄っているように見えて、本音では中国への敵意をもっているので、下手に介入しようとしても、中国の思い通りには動かないであろう、という予想があったこと。NYTはこう指摘している。

「今回の金正恩の中国訪問は友好の回復というようなものではなく、金正恩が中国を利用して米国と対抗しようという巧妙な動きであり、これはまさに彼の祖父が中国とソ連の間でかつてやってきたことだ」。

 そうなると、習近平政権としては、二度も北朝鮮にいいように利用されるわけにはいかない。

 もう一つは南北の目下の融和ムード、米朝関係の融和ムードは決して中国にとって悪い話ばかりにはならないのではないか、という見方があること。

 ロングアイランド大学の朝鮮問題専門家・夏亜峰がNYTにこうコメントしていた。

 「北朝鮮の指導者があいまいに核兵器廃棄を承諾したとして、その後には長い時間をかけた協議が続くはず。その中で、中国の発言権は大きなものとなる」。

 さらに、米国主導で南北の平和条約が締結したとき、在韓米軍の存在の合法性、意義というものが維持できなくなる。「半島の非核化」実現という意味でも、平和条約締結後に在韓米軍は撤退するかもしれない。米軍が撤退しさえすれば、中国は統一していようがしていまいが南北ともども経済的影響力で併呑していくことも可能だろう。ASEAN諸国やアフリカを支配するのと同じやり方だ。

東アジア勢力図の「洗牌」の始まり

 前にもこのコラム欄で触れたかもしれないが、中国にとって半島問題は、非核化の問題ではなく、あくまで米中の軍事プレゼンス上の駆け引きである。プレイヤーは米国と中国であるべきで、コマは韓国と北朝鮮。だから中国が北朝鮮のコマになって翻弄されることはメンツにかけて許されない。ならば中国としては、傍観の姿勢を貫き、最後の最後で、情勢を見極めてから、動きだす、と考えるかもしれない。ところで、南北会談、米朝会談、習近平の北朝鮮訪問と続く中で、日朝会談は、どのタイミングに行われるのだろうか。日本が最初に考えるべきは、私は中国の出方にあると思う。この一連の会談が東アジアの勢力図の「洗牌」の始まりであり、拉致被害者を救う最後のタイミングになるのではないか。心して取り組んでほしい。

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