『尖閣に迫る嵐、「終戦の日」の中国に備えよ 海警船の領海侵犯の次は「軍艦」か「上陸」か…試される日本』(8/10日経ビジネスオンライン 福島香織)について

ギリシャ船籍の貨物船と中国漁船の衝突で、海上保安庁の船が中国人6人を救出しました。このニュースを聞き、第二次大戦中の駆逐艦「雷」の工藤俊作艦長のことを想起しました。スラバヤ沖海戦で撃沈されたイギリス軍艦の漂流乗組員422名(英重巡洋艦「エクゼター」(一万三〇〇〇トン)、「エンカウンター」(一三五〇トン))の救助を命じ実行させた艦長です。戦争中に武士道精神を遺憾なく発揮した例で、日露戦争の乃木将軍のステッセルの扱い同様のものでしょう(中国駐在時代、水師営にも行きましたが小さかったです)。戦後、日本を悪者にしようといろんなプロパガンダが捏造(南京虐殺や従軍慰安婦、バターン死の行進)されましたが、日本人はルール以上に真面目に戦争に取り組んだという事です。オリンピックではドーピングや卓球のラバーに補助剤を塗る(リオで銅メダルを取った水谷選手が告発しています。下記にリンクを貼っておきます)など禁じ手を使い、勝てば官軍・勝つためには何をしても良いという姿勢で臨んでいる国があります。フェアプレイの精神を忘れ、スポーツを汚しています。それに引き換え、命のかかった場面での敵の救助と言うのは崇高な行為と言えます。世界が模範とすべきは日本でしょう。内村にジャッジのえこひいきがあったからというような質問をした記者は自分の心の汚さを暴露したようなものです。廉恥の心を持たない民族なのでしょう。

http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20160812/frn1608121110002-n1.htm

http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20160812/dms1608121700007-n1.htm

http://blog.goo.ne.jp/ginga7788/e/8f8dffc935c9615c39be260e97c56e90

http://number.bunshun.jp/articles/-/293736

8/12小川和久氏Facebook記事<尖閣沖の事態で、日本メディアは「武装した中国公船」の登場を、日露戦争の日本海海戦もあるまいに、いかにも「敵艦見ゆ!」のごとくおどろおどろしく報じるが、これは中国公船にだけ目を奪われた典型的な「木を見て森を見ず」の状態だ。

8月8日に過去最多に達した中国公船15隻は、うち7隻が30ミリ機関砲などを搭載する武装船だったが、基本的に新型船は海上保安庁の巡視船の武装と同水準にしている。一部には中国海軍の旧式駆逐艦の主砲を撤去し、37ミリ機関砲のみを残したものもあるが、その性能は新型の機関砲に劣るものだ。

これに対し、南西諸島を管轄する海上保安庁第11管区海上保安本部の21隻の巡視船艇の武装は、35ミリ機関砲搭載4隻(20ミリ多銃身機銃併装)、30ミリ機関砲搭載5隻、20ミリ多銃身機銃(6銃身)搭載7隻、12.7ミリ多銃身機銃(3銃身)搭載6隻。

多銃身機銃は、「ガトリングガン」あるいは「バルカン砲」として知られる。

このうち、20ミリ多銃身機銃(6銃身)ひとつをとっても、その威力と命中精度は2001年12月22日、奄美大島沖で北朝鮮の工作船の機関部だけを破壊し、自沈させたことで証明されている。200トン級の小型巡視船を高速で操り、あの荒波の中で目標に正確に命中させた海上保安官のレベルは、世界の沿岸警備隊の称賛の的となった。

このように、いまのところ尖閣周辺海域で海上保安庁が中国公船に圧倒される事態にはなっていないが、中国側の勢力が上回るのは時間の問題だろう。

いま、海上保安庁に必要なのは3倍の予算と2倍の規模だ。世界第6位の管轄海域(領海プラス排他的経済水域)を持つ海洋国家として、政府は最重点項目に位置づけ、可及的速やかな対策を講じるべきだ。

3倍の予算といっても、3000億円をプラスした5000億円規模。国家予算全体の無駄遣いを精査し、1回で措置できなければ、納税者に対して「やり繰りができている」とは言えまい。>(以上)

織田邦男氏も言ってましたが、中国が民兵を出してくるなら、自衛隊は出せず、海保と警察で対応するしかないと。中国に「先に手を出した」との詭弁を可能にするためです。真珠湾攻撃だって、ABCD包囲網、ハル・ノートを言えば先に手を出したのは米国です。宣伝戦にしてやられました。今度は宣伝戦に打ち勝つように、世界に向けて、中国の世界制覇の野望をアピールしていかないと。同時に小川・織田両氏の言うように海保・警察の装備と人材の充実のため、政府は予算措置しなければなりません。また海保の船の周りで石垣の漁船が漁をできるようにすることと、尖閣に海保・警察職員を常駐(含む上陸)させることです。

下は石垣市民が中国人を救出したことに対する中華民国の感謝状です。1920年ですから馮国璋(Feng Guozhang)総統時代です。発行が中華人民共和国時代でなく、彼らは中華民国を継承していないというのであれば、中共の今の国連のP5の地位も継承されません。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E8%8F%AF%E6%B0%91%E5%9B%BD%E5%A4%A7%E7%B7%8F%E7%B5%B1

中国語ですので英語に置き換えて見ました。

testimonial of ROC

Testimonial

“The 31 fishermen (Guo Heshun on behalf of them on the boat) of Huian, Fujian province, ROC, were evacuated to Wayo island, Senkaku islands, Yaeyama county, Okinawa prefecture, Empire of Japan, to avoid the storm in winter in 1919. Gyokudaisei Sonban, living in Ishigaki village, Yaeyama county, Okinawa prefecture, Empire of Japan, endeavored to save them to return to ROC.

We express to thank you deeply and give you this testimonial.

Feng Yuan, the consul of ROC in Nagasaki.

On 20th of May in 1920.”

訳してみてヒョッとしたら、外務省訳があるのではと探してみたらありました。しかし分かりにくい所にありました。

“In the winter of the 8th year (1919) of the Republic of China, 31 fishermen from Hui’an Country, Fujian Province were lost due to the stormy wind and were washed ashore on the Wayo Island, of the Senkaku Islands, Yaeyama District, Okinawa Prefecture, Empire of Japan. Thanks to the enthusiastic rescue work by the people of Ishigaki village, Yaeyama District, Empire of Japan, they were able to safely return to their homeland. With a deep response and admiration toward the people of the village who were willing and generous in the rescue operation, I express my gratitude by this letter.Consul of the Republic of China in Nagasaki  馮冕 20 May, the 9th year (1920) of the Republic of China”

外務省HPのトップページにこの感謝状と、1960年の中国発行の地図を載せ、英語で解説すれば良いと思います。中国人は捏造とか言うかもしれませんが、それは彼らの常套手段で、南京虐殺でデッチアゲの写真を使ったりして、他人もそうすると思っているからです。日本人の精神性は彼らには理解できないでしょう。「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という民族です。でも中共政府の言うことも中国国民は信じていないと思います。世過ぎ身過ぎの為に信じる振りをしているだけでしょう。でも日本もキチンと反撃しなければ相手にやられ放しになります。戦闘だけが戦争ではなく、世論戦・歴史戦を今日本は中韓と戦っているという自覚を持たねば。

map of Senkaku whichi China puplished in 1960

外務省のHPより、英語版。

“World Atlas Collection” (1958 (reprinted in 1960))】

World Atlas Collection

This was published by a Chinese map-publishing company in 1958. It clearly identifies the Senkaku Islands as “the Senkaku Group of Islands” and treats them as part of Okinawa. China claims that this atlas collection has a note saying that “part of the national border with China is based on an atlas made before the anti-Japanese war (that is, when Taiwan was a Japanese colony)”and that the content of this atlas published in 1958 does not support the argument that the Chinese government at the time recognized Japanese control of Senkaku Islands. However, the original text of the note only states that “the national border of China in this atlas was drawn based on an atlas of the Shen Bao daily (Chinese newspaper in those days:小生注;上海の「申報」) before the liberation from Japanese occupation (Chinese text: 本図集中国部分的国界線根据解放前申報地図絵制).” It is not clear which part specifically is the portion before the liberation. In this atlas, Taiwan is identified as part of the “People’s Republic of China” whereas the Senkaku Islands are identified as “the Senkaku Group of Islands”. It is unnatural that China remained to use the expression from the period when Taiwan was a colony of Japan only for the Senkaku Islands which China argues it belongs to Taiwan.

尖閣も国際司法裁判所に提訴し、竹島もとも思いましたが、汚い手を使う連中ですから、危ないというのに気が付きました。何せ国内で司法部門も賄賂が当たり前の国です。裁判官をハニーとか金で籠絡することを考えるでしょうから。また、司法裁判で領有権の問題を争うにしても、仲裁裁判と違い、当事国の合意がなければ裁判を提起できませんので。

記事

ship of Japan Coast Guard

尖閣沖に中国公船。日本政府が抗議(写真提供:第11管区海上保安本部/AP/アフロ)

日本の尖閣諸島海域に嵐が迫っている。台風のことではなく、8月5日午後、尖閣諸島領海に2隻の中国海警船と漁船が初めて侵犯してきた事件である。このとき、尖閣諸島の接続水域の中国公船の付近には230隻あまりの中国漁船があった。日本外務省は、この事実を確認し、中国大使館公使に抗議した。これは6月9日の尖閣諸島接続水域に軍艦が侵入して以降、中国が計画的戦略的に東シナ海・尖閣諸島に対してアクションを起こしているということであり、おそらく8月15日の終戦の日を一つのピークに、中国側は本格的に日本の出方を見定めていくつもりではないか。日本側に準備と覚悟はできているのか。

漁船を追う形で中国海警船が領海侵入

今回の件を簡単に振り返る。

日本の海上保安庁によると、5日午後12時15分ごろから、中国海警船2隻が相次いで尖閣諸島付近の領海内に侵入した。この2隻はともに機関砲を搭載する武装船である。まず、2隻のうち「海警33115」が12時15分ごろ領海に入り尖閣西北から西側を通り抜けた。続いて午後1時半から再び領海に侵入し、このときは約3時間航行したのち、領海外側の接続水域に抜けていった。続いて「海警2307」が午後3時45分ごろから、領海内を15分航行し接続水域に抜けた。ともに漁船を追う形で侵入したという。

これら海警船は7月30日ごろから尖閣諸島付近にいた。これは今年に入って21度目の中国海警船の集団来航である。6日午前の段階で、中国海警船6隻が釣魚島の接続海域にいることが確認された。これら船のうち少なくとも3隻は外観から機関砲を搭載しているようだった。一般に中国海警船は3隻で行動することが多く、今回6隻の規模に拡大したのは、中国の挑発がそれだけエスカレートしたということだろう。しかも、周辺海域では230隻以上の漁船が作業をしていた。これほどの漁船が尖閣諸島周辺海域に集結していることも異例の出来事である。今回、領海侵入した海警33115、海警2307と、もう一隻の海警2166は8月3日以来、繰り返し接続水域を航行しているという。

日本外務省アジア・大洋州局長の金杉憲治は、領海侵犯があった段階ですぐ、中国大使館の公使・郭燕に電話で「このような行動は、現場の緊張をさらに高める一方的な行動であり、受け入れることは絶対にできない」と抗議し、中国側は船を領海に入れないように、さらに接続水域から立ち去るように要請した。中国の日本大使館も中国外交部に対し抗議を表明した。

日本政府としては、「中国海警船が漁船に囲まれて航行することは、日本の領海内で中国が法の執行行為をしているということになり、主権侵害に当たるとして、過去の接続水域侵入とレベルが違う」と判断。5日夕の抗議は、外務次官の杉山晋輔が、中国大使の程永華を呼び出して、「厳正なる抗議」にレベルアップし、「この挙動は日本主権の侵害であり、断固許すことはできない」とした。

中国の変わらぬ態度と増え続ける海警船

これに対し、中国外交部報道官による中国の公式の態度は「中国側の釣魚島(尖閣諸島)問題においての立場は明確で、一貫している。釣魚島とその付属島嶼は中国の固有の領土であり、中国はこれら島嶼とその海域の主権について争う余地はない。同時に中国側はこの海域に関しては妥当な管理措置を取っているところである。我々は強烈に日本サイドが、双方の関係する原則の共通認識精神を守ることを希望し、冷静に事態を見つめ、状況を緊張、複雑化させる可能性のあるいかなる行動もとらないように希望する。そしてともに関係海域の安定のために建設的な努力をしよう」といつも通りであった。

このコメントに象徴されるように、尖閣諸島海域の中国海警船は立ち去るどころか増え続け、7日午後には13隻、過去最多に増えた。この日、午前10時ごろ、また2隻が領海に侵入、いったん外に出たが夕方にまた領海を侵犯した。これは2012年9月18日の尖閣諸島の国有化問題で日中関係の緊張がピークに達したころ、12隻の中国公船が尖閣周辺に集結した状況を上回る。

日本側はこの日も大使に直接抗議したが、中国側は聞く耳をもたなかった。

中国の強国化大国化シナリオの中に、釣魚島島嶼(尖閣諸島)奪取が組み込まれているのは周知のことだが、なぜこのタイミングで、これほどまで挑発をエスカレートさせているのかについては、冷静な分析が必要だ。タカ派の稲田朋美が防衛相になったことへの中国側の反応と受け取る人たちもいるようだが、私はやはりもっと中国の内政的要因ではないかと言う気がする。

軍権掌握の難航と日本の「見送り」が招く挑発激化

党内部の情報にそれなりに精通している中国人知識人ですら、習近平政権は不確定要素、不安定要素が多すぎて、何をするかわからない、と評する。なぜ、今のタイミングかというのは、はっきりとはわからないが、南シナ海の情勢との兼ね合いのほか、習近平の軍権掌握が思いのほか難航しているということではないだろうか。

軍権掌握は、習近平が基盤固めに絶対必要だとプライオリティ上位に置いているテーマであり、そのプロセスとして、南シナ海実効支配固めや、東シナ海で影響力拡大があると私はみていたが、習近平自身が思っているほど軍権は掌握できていないのかもしれない。習近平自身は軍権をきっちり掌握し、きわどい挑発をしながらも“寸止め”できると考えていても、実は習近平の方が軍に翻弄され、当初の思惑以上に急速なテンポで軍事挑発がエスカレートしているのかもしれない。

振り返れば、これは6月9日に中国軍艦が初めて尖閣諸島接続水域に侵入したことからセットで考える問題だろう。このときは、ロシアの軍艦を追尾して侵入したような体を取って、日本側の出方を見た。このとき、日本の外務次官は深夜2時に中国大使を呼び出し「領海に入れば海上警備行動を取る」と警告したという。このとき、中国軍艦は日本領海まであと数キロというところまで迫ったが、領海侵入せず接続水域を出た。

だがその後15日に、今度は鹿児島県口永良部島の領海に中国の海軍情報収集艦がインド艦艇2隻を追尾するかっこうで侵入。情報収集艦の目的はレーダーなどの情報集めであり、とても無害通航とは言えない状況であったが、日本側はこれを無害通航と判断して抗議を見送った。翌日の16日は同じ情報収集艦が沖縄県北大東島の接続水域に入ったが、これも抗議しなかった。口永良部島のケースは、海上警備行動が発令されても不思議ではなかったが、日本はそれをしなかった。しなかった理由ははっきりしていない。2015年9月、中国軍艦5隻がアラスカ沖の米国領海を侵犯したとき、米国は無害通航と判断したので、その例を見習ったのかもしれない。あるいは、戦闘状態を引き起こし得る海警行動を取れる自衛艦が近場になかったのかもしれない。

いずれにしろ中国に対する結果的なメッセージとしては、中国海軍が領海を侵犯しても日本は海上警備行動を取らない、あるいは取れない、ということだろう。口頭では「領海に軍艦が入れば海警行動を取る」と言いながら、実際はそれができる覚悟が日本にまだないのだ、と中国は思ったことだろう。

ドッグファイトの次は…終戦の日を警戒

そして次に6月17日の尖閣諸島付近の上空で日中戦闘機の異常接近事件である。これは領空で起きた事件ではないということと、特定秘密という建前で、日本は完全に隠蔽しようとした。だが実際に起きたのは、事実上の日中戦闘機による“ドッグファイト”であり、日本側パイロットはミサイル攻撃されるのではないかと恐怖を感じてフレア(赤外線ミサイルを外すためのデコイ)を発射し空域離脱を余儀なくされるという一触即発の事態であった。

この事実は、航空自衛隊OBの元空将・織田邦男が6月28日になってウェブサイト記事上で公表し、産経新聞などが後追いで報じたが、官邸サイドは事実でないと否定。一時、織田記事と産経新聞はねつ造、デマだとまで批判されたが、その後、中国国防部が中国の応対(攻撃)機動と自衛隊機のフレア発射離脱を事実として発表し、織田記事を裏付ける形となった。

この中国側の発表では日本側自衛隊機が先に攻撃機動(火器管制レーダー照射、ロックオン)を取ったので中国機が応戦機動を取ったということになっているが、これは日本側にすれば、領空に近づく戦闘機があればロックオンして対象の所在やヘッドの向き、スピードを測定するのは当たり前のこと。織田によれば海上の艦隊のロックオンと戦闘機のロックオンはかなり意味が違い、戦闘機のロックオンは相手を攻撃するためだけではなく、相手機を認識するためであり、攻撃を避けるためにも必要という。日本側からみれば、自衛隊機はスクランブル任務としての通常の行動をとったが、中国機は機首を自衛隊機に向けて攻撃機動に入ったため、自衛隊機がフレアを使って空域を離脱した、という織田記事とほぼ同じ内容になる。

参院選で忙しかったのかどうかは知らないが、日本が隠蔽を図ろうとした結果、中国はこの情報を中国に有利な形、つまり①自衛隊機が先に挑発した②中国戦闘機が自衛隊機でドッグファイトに勝った、という形で発信し、国内の戦意高揚・世論誘導を利用しただけでなく、日本の世論にもマイナスの影響を与えている。情報戦でも、日本は中国に後れを取ることになった。しかも、日本は中国の脅威を直視しなければならないこの状況で、自衛隊の情報漏えいの犯人探しの方を重視し、官邸と防衛の最前線との間にある不信感の払しょくにいまだ何ら、努力をしていない。

中国側はというと、こうして、海と空から段階を踏んで、日本の応対を瀬踏みしつつ、今回、中国公船による尖閣諸島領海侵犯を決行した。だが、日本側は、相手に痛くも痒くもない抗議を繰り返すだけである。このままであれば、中国にこのペースで行ける!とメッセージを与えてしまい、近い将来、中国は軍艦による尖閣領海侵犯まで起こすかもしれない。あるいは中国海上警察による尖閣上陸か。あの海域に漁民や海警船が居残っているのであれば、8月15日という、日本にとって喪に服す日を狙って何か、アクションを起こす可能性もあるだろう。

中国が尖閣奪取シナリオをどこまで考えているか、について一つヒントになることがある。8月5日の香港フェニックステレビの国際情報番組で、今回の事件についてキャスターが「中国の戦略の方向性としてはどうしたらよいですかね」との質問に対して、復旦大学歴史学教授・馮偉がこう答えていた。

「恐れていること」を直視し、自ら備えよ

「特に強調したいことはですね、2013年5月の日本産経新聞が報じたことです。つまり、中国が釣魚島の実行支配を奪取するならば、おそらく武装民兵と解放軍が漁民に成りすまして釣魚島12カイリ内に入ったあと、軍事行動を取るだろう、と。日本が一番恐れていることは、漁民が本物の漁民でないことなんですね。この情報が鍵だと私は思います。中国の取るべき行動は、日本が最も恐れていることをすればいいんです…」

このシナリオが実行されたとき、日本はどのように対応するか、準備はできているだろうか。

日本ではタカ派女性議員の稲田朋美が防衛相になったことで賛否両論の声が出ている。問題視する側は、この人事が中国や韓国を刺激し、日本の安全保障を危うくすると危惧しているのだろう。また、8月15日に現役防衛相として靖国神社に参拝するかどうか、そして参拝したことで、尖閣海域に集結する漁船や中国海警船のさらなる挑発行動を引き起こすのではないかと気にする人もいるだろう。だが、中国の尖閣周辺におけるアクションは、別に稲田をターゲットにしたものでもないだろうし、日本の防衛相がタカ派であろうがハト派であろうが、そのシナリオが変更されるものではない。

それよりも、必要なのは、この危機的状況に際して、防衛の最前線と官邸と国民が危機感を共有し、法律上に不備があれば素早くこれを是正し、情報の風通しと信頼を再構築して、来る危機シナリオを想定して、実力を増強し、どう乗り越えるかを考えることだろう。多くの人は忘れがちだが、もともとの領海が3カイリだったのは大砲の射程距離が3カイリだったことに由来する。主権は軍事力によって担保されるという基本を忘れて平和を語ることはできない。

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