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『北京震撼、習主席が狙う次の超大物』(6/8日経電子版 編集委員 中沢克二)について
中沢氏は宮崎氏のメルマガを読んで、確認の上で安心して記事にしている気がします。
<6/1宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 常軌を逸してきたのか、習近平の反腐敗キャンペーン 次の標的は李源潮(国家副主席)か。団派と正面衝突へ
江沢民率いた上海派を敵に回して、政敵を次々と葬り、国民の喝采をうけてきた習近平だが、この反腐敗キャンペーンも軍人からは恨みを買い、つぎに連立政権のパートナーだった団派と、正面衝突する愚を犯した。 胡錦涛率いる団派(共産主義青年団)は、李克強首相が経済政策立案のポストから外されて、怒り心頭。ふたりが全人代の雛壇でお互いにそっぽを向いている写真は、ひろく世界に配信された。この写真から読み取れるのは太子党vs団派という対立構造が深化し、後戻り出来ない状況へ陥った現実を象徴している。 さきに習近平は胡錦涛の懐刀だった令計画を失脚させた。この余波で令の弟である令完成が秘密ファイルを持ち出して米国へ亡命した。 そしてまた団派に衝撃が走った。 李源潮(国家副主席、政治局員)の側近六人を、取り調べ、失脚させようとしていることだ。彼は江蘇省書記を務めたキャリアがある。 かつて李源潮が江蘇省書記時代に、かれの周りを固めて「ダイヤモンドの六人衆」と言われたのが、李雲峰(江蘇省副省長兼党委常任委委員)、仇和(雲南省副書記)、王眠(遼寧省書記)、楊玉沢(南京市委員会書記)、季建業(南京市長)、趙少康(江蘇省前秘書長)である。 博訊新聞網(5月30日)によれば、この六人が近く中央紀律委員会の調査対象になると報じている。 李源潮は次期党大会(2017年秋)で政治局常務委員会入りが確実とされる団派のホープである。 もし李の側近連中を失脚させる目的があるとすれば、最終の標的は団派の一角を崩す、習近平の深謀遠慮であり、李克強首相の顕著なばかりの影響力低下とあいまって、団派を正面の敵と見据えたことでもある。 しかし一方において、習近平の反腐敗キャンペーンの元締めとなって精力的な活動をつづけてきた王岐山が、最近、習から離れつつあり、習近平政権の権力基盤は大きく揺らいできたとう観測がある。 王岐山の習近平から離脱ともいえる最近の動きに多くのチャイナウォッチャーが注目している。>(以上)
中国と言うのはつくづく三国志の世界だと思います。昨日の敵は今日の友、くっついたり離れたりです。合従連衡策で独りの強いパワーを持つ国が出ないように牽制し合います。習が党書記になった当初は団派+太子党VS上海派だったのが、今は太子党VS団派+上海派となっています。習+王岐山が本当にしっかり結びついているのかも気になる所です。胡錦濤、江沢民、曽慶紅の反撃が北載河会議を前にしてどのように演じられるかです。共産党宣伝部は劉雲山(上海派)が握っています。習の近辺のスキャンダルが出て来るかも知れません。或は米国にいる令計画の弟・完成が重大機密をリークするかもしれません。
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20160607/frn1606071140001-n1.htm
記事
「習近平(国家)主席が狙うのは超大物だ。とんでもないことが起きかねない」。5月末から北京の政治関係者らは、集まればこんなひそひそ話をしている。減速が目立つ経済などそっちのけだ。震撼(しんかん)が走ったきっかけは、5月30日の共産党中央規律検査委員会の発表。江蘇省の常務副省長、李雲峰が重大な規律違反の疑いで拘束された。彼は党中央委員会の候補委員でもある。
虎退治の隊長、王岐山はどこに――。中国のインターネットメディアは李雲峰の摘発直後にこう発信した。中央規律検査委トップは4月20日に演説をした後、1カ月以上も動静が伝えられていなかった。報道は行間に「王岐山の潜伏は大物摘発の準備」という事実をにおわせた。
■「本丸は国家副主席、李源潮」説
なぜ、この江蘇省副省長が大物なのか。話は2000年前後に遡る。李雲峰は江蘇省の交通の要衝にして酢の名産地である鎮江市近郊の出身だ。昨年6月、このコラムで「『江沢民を鎮める』 主席の旅に隠された呪文」と題し、鎮江を舞台にした習近平による元国家主席、江沢民けん制の構図を紹介した。この物語に李雲峰は絡んでいる。

全国政治協商会議の開幕式に出席した李源潮政治局委員(3月3日、北京の人民大会堂)=写真 小高顕
江沢民への配慮から「江を鎮める」と読める鎮江の名を冠した大橋とするのを取りやめた頃、李雲峰は、江蘇省共産党委員会の副秘書長だった。省内の重要な政治調整を担っており、江蘇省出身の時のトップ、江沢民への様々な根回しにも一役買った。
その頃、李雲峰が直接、仕えた江蘇省のトップは現在の国家副主席で党政治局委員の李源潮だった。12年の党大会では「チャイナ・セブン」の有力候補だったが、夢はついえ、国家副主席という外向けの顔の地位に就いた。65歳の李源潮は5月5日、自民党副総裁、高村正彦を団長とする日中友好議員連盟訪中団と会談している。9000万人近い共産主義青年団(共青団)要の人物だ。
李雲峰は江蘇省を基盤とする李源潮の側近として出世の階段を昇った。李源潮の地元、江蘇省での「大秘書」で、言わば官房長官役。カネの流れを含め、全ての秘密を知る人物だ。彼を失った李源潮のショックは大きい。
習と王岐山のコンビが、李雲峰を通じて李源潮をけん制する真意はなにか。そこには今、習が置かれた厳しい状況が関係する。5月3日、党機関紙、人民日報は、習が4カ月も前に中央規律検査委の会合で演説した全文を公表した。反攻への烽火(のろし)だった。
「ある者は交代期に組織が彼を処遇しないと知り、なお側近を送って説き伏せ、票をかき集め、非組織活動をする。地方に独立王国を築き、中央の決定に面従腹背の態度をとる。己の政治上の野心のため手段を選ばない」
極めて激しい口調だ。断罪された元重慶市トップ、薄熙来(前政治局委員)の例が、現状を指摘している。つまり習が口にした活動をしたとみなされれば、すぐに塀の中に送られる。李雲峰はそれに該当した。では誰のためにやったのか……。

全国政治協商会議の開幕式を終えて習近平国家主席(左)に話しかける王岐山政治局常務委員(3月3日、北京の人民大会堂)=写真 小高顕
■起死回生の大粛正
「習近平による大々的な巻き返しだ。夏の『北戴河会議』の時期も近い。王岐山と組み、来年の党大会まで突っ走ろうとしている」。北京の政治ウオッチャーは起死回生に向けた大粛正を予感する。
習は、今年1月から配下の地方指導者らを通じて、自らが別格の指導者であることを示す「核心意識」を定着させる運動に踏み切った。従来の集団指導制ではなく、習による「一局体制」を目指す練りに練った策だった。
だが、これはいったん頓挫する。対抗勢力ばかりか、身内のはずの「紅二代」からも「一連の手法は党規約が禁じる個人崇拝の臭いがする」との批判が巻き起こったのだ。メディア締め付け、経済減速の深刻化への不満も相まって風当たりは強まる。習の独走に「待った」がかかった。3年間、飛ぶ鳥を落とす勢いだった習は初めて立ち往生した。
ここで習と距離がある共青団が揺さぶりをかけた。標的は王岐山だった。共青団の有力者で前国家主席、胡錦濤の側近だった令計画まで手にかけた実動部隊トップへの当て付けである。共青団系のネットメディアは、王岐山一家と極めて親しい任志強を執拗に攻撃した。
任志強は「紅二代」の不動産王にして、ネット言論界で著名なブロガーだった。歯に衣を着せぬ舌鋒(ぜっぽう)は、党中央宣伝部によるメディア統制を厳しく批判した。ネット上では「正論だ」と注目を集めたが、党中央宣伝部が黙っていなかった。
加勢したのが共青団系メディア。「任志強が強気なのはなぜか」とあえて指摘したのだ。彼と親しい王岐山の存在を暗示していた。結局、任志強は党の末端組織から一定の処分を受けたが、その結果は、党中央宣伝部系+共青団系VS王岐山、の構図でみると痛み分けの印象だ。
習の旗色が思わしくない中、注目すべき動きがあった。共青団出身で党序列ナンバー2の首相、李克強がかつてなく活動的になったのだ。李克強は習の母校、清華大学にまで乗り込む。縄張りを侵したばかりでなく、習の専権事項のはずの「反腐敗」にも積極的に言及し始めた。しかし、ここでひるむ習と王岐山のコンビではなかった。それが、いきなりの李雲峰の摘発である。
李雲峰のボスである李源潮と、李克強は、中国の経済学の泰斗、厲以寧の教え子だ。北京大学で薫陶を受けた同門である。2人には共青団以外に学問上の縁もあった。李源潮への圧力は、李克強へのけん制にもなる。

全人代が開幕し、政府活動報告をする李克強首相(3月5日、北京の人民大会堂)=写真 小高顕
とはいえ習が警戒するのは政治センスに乏しいとみる李克強本人より、共青団を仕切る実力者らの動きだ。「胡錦濤が引退し令計画も消された今、共青団の重要な核の一人は李源潮」。共青団関係者が令計画の摘発直後に語っていた。李源潮は党中央組織部長も務めた切れ者である。
習は既に手を打っていた。党組織部長時代に李源潮が精魂を傾けて作り上げた党幹部登用を規範化するルールを骨抜きにしたのだ。年齢、試験の成績、仕事上の実績・評定などを核とする評価方法は、唯一、絶対的なものではない、との宣言だった。李源潮ルールなら、数に勝る共青団から“成績優秀”な人材が必ず高級幹部の地位に上がって来る。習はこれを良しとしなかった。
能力ある人材を登用し、能力がないものは首にしたり降格したりできる――。これが習時代の新しい基準だという。つまり、習は自分の近い人材を自在に登用できる。年齢制限に柔軟性を持たせた点も臆測を広げた。
■李克強首相、そして江沢民派へのけん制
実は、江蘇省の虎退治には、李克強ら共青団へのけん制の他にもう一つ意味があった。同じく江蘇省を基盤にする江沢民グループへの圧力である。
李雲峰は李源潮の側近ではあるが、江蘇省の地元人脈から江沢民閥にもつながる。江蘇は長く「江沢民王国」だった。習としては、万が一にも、李克強や李源潮が属する共青団系と江沢民系が連携して自分に対抗する事態は避けたい。だからこそ共青団と江沢民の派閥が交錯する江蘇省を再び徹底的に攻めた。
既に江蘇省無錫出身で江沢民派の元最高指導部メンバー、周永康は断罪した。江沢民や周永康に近い南京市トップだった楊衛沢も塀の中だ。彼らの末路を見た李源潮はおいそれとは動けまい、とみての一手だ。李源潮は側近が拘束された直後の6月1日、あえて共青団中央などが主催する座談会に出席し、健在をアピールした。闘いは始まったばかりだ。
仮に現職の政治局委員である国家副主席、李源潮本人に手を付けるなら、2012年の薄熙来以来の大事件になる。当時、北京では中南海周辺での銃声事件やクーデター騒ぎもあった。習には二つの道がある。一つは李源潮を実際に摘発する選択肢だ。リスクも高いが、来年に迫る党大会人事を考えれば効果は絶大だろう。一方、李源潮と共青団が恭順の意を示すなら、「寸止め」にする手もある。
もう一人、鍵を握るのは共青団の裏にいる前国家主席、胡錦濤の動きだ。そして江沢民ら長老の思惑も絡む。夏の「北戴河会議」に向けて、複雑かつ危うい駆け引きが続く。(敬称略)
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『天安門から27年、香港「独立派」乱立の意味 6月4日、混乱の追悼集会で考える香港の今と未来』(6/8日経ビジネスオンライン 福島香織)について
宮崎正弘氏も天安門事件について触れていますので本記事と比較して読んでみると面白いでしょう。
<6/7「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 天安門事件から27年を閲し、学生運動はどこへ消えたか? 香港も東京も反中国共産党の気勢はあがらず
六月四日、天安門事件から二十七年が経って香港では十三万人規模の集会が開催された。 ただし民主派団体がばらばらで結束せず、学生らは香港大学、中文大学でそれぞれが独自の集会を拓いた。 「反中国共産党」だけが合意点で全体の運動はダイナミズムを欠き、整合性はなかった。 香港の民主諸派の分裂は中国の工作員の潜入や脅し、嫌がらせなどが原因であり、しかし若者達はかえって反抗心を高めた。 欧米でも留学生等による集会があった。 さて日本でも四谷で数百人の在日中国人、留学生、これを支援する日本人が「六四天安門事件27周年記念集会」に集まり気勢を挙げた。 おりから来日中だったラビア・カディール女史も駆けつけ、ウィグルにおける人権弾圧の現状を報告した。このほかダライラマ猊下日本代表のルントック氏も演壇に立った。 なかでも注目されたのが天安門事件当時北京大学一年生、学生指導者として指名手配第一号となった王丹氏が記念講演に立ったことだろう。 ところが、である 筆者は王丹氏の講演を聞いて苛立ちを隠せず、おおきな違和感を抱いた。 彼は六月三日に現場を離れたので、実際に広場で何が起きたかは知らないと言った。また潜伏先に関しては公開しないのがルールだからおくにしても、なぜ米国に亡命できたのか背後の力関係や米国のコネクションに関しては語ることがなかった。 そればかりか中国共産党を「打倒する」との決意表明がなく、語彙はきわめて撰ばれたもので活動家の言辞としては迫力にかけた。本人は自らを歴史学者と言った。 かれは「理想」「勇気」「希望」という三つのキーワードを用い、中国の民主化を説くのだが、「国家は悪」「政府は必要悪」という立場で、中国の学生運動は「五四運動」の影響を受けたと語りだした。 五四運動は、今日の解釈では学生、労働者が立ち上がった反日の原点ということになっているが、実態はアメリカの宣教師が背後で日本のイメージ劣化を仕掛けたもので、当時、中国に学生は少数、企業は殆ど存在せず、したがって労働者はいない。 米国に仕組まれた五四運動が天安門事件の学生運動の思想的源泉というのは納得しがたい。 つまり米国の歴史解釈の立場を援用しているにすぎない。 ▼天安門広場の学生運動の指導者らは詩を忘れたカナリアか さらに王丹氏は「民主主義の基本は三権分立だけでは足りず、第四の権力としてのメディア、そしてメディアを監視する社会運動が必要である」となんだか、日本の左翼が訊いたら喜びそうなことを述べた。 そのうえで台湾の「ひまわり学生運動」と香港の「雨傘革命」が「日本の安保法制反対のシールズ運動に繋がった」と総括し、会場はやや騒然となった。 日本の実情を知らないからか、それとも本質的にこの人物は反日家なのか。いや、あるいはアメリカでの生活が長すぎたためにすっかり民主主義なるものをアメリカのリベラリズムの主張と取り違えたのか。 理想とはなにかと問えば「北斗七星に喩えられ、いつも空を見上げ目標を失わない指標であり、どういう形態であろうが、学生運動は支持する」とした。 アメリカで十年、ハーバード大学で歴史学の博士号を取得し、いま台湾の清華大学で教鞭を取る王丹氏にはアメリカ流の民主主義ドグマが染みつき、市民社会(中国語では「公民社会」)の実現が夢であるという。 「市民」とは、これまた胡散臭い語彙である。 その昔、サルトルが「アンガージュ」(参加)と言いつのって若者を左翼運動に誘う煽動をしたように、あるいはサルトル亜流の大江健三郎のヘイワの念仏のように中国の民主化という大目標はそこで論理が空回りするだけで会場には虚しい空気が漂っていた。 天安門事件当時の学生指導者たちは、ウ(ア)ルカイシが台湾で孤立し、芝(柴の間違いです)玲ともう一人はファンドマネジャーとしてウォール街で活躍し、少数をのぞいて「詩を忘れたカナリア」となった。>(以上)
天安門の生き残りでまともなのはウアルカイシ(ウイグル人)ぐらいで後は堕落した人たちでしょう。ウアルカイシが台湾内で孤立と言うのは、国民党政府が牛耳ってきたせいもあるという気がします。今後、政権は民進党に変わり、香港・チベット・ウイグルとも連携していってほしい。日本も共産党が潰れるようにいろんな工作をして行ったらよい。明石元二郎の例もあるでしょう。
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20140609/frn1406091140003-n1.htm
王丹は、所詮は中国人でその限界が見えます。SEALDSを評価するなど、余りに無知としか言えず、容共的な姿勢は民主化追求の夢と矛盾します。宮崎氏の言ってるように、ハーバードで歴史を学んだ影響もあると思います。ハーバードで米国の3大原罪であるインデイアン虐殺、黒人奴隷、原爆投下をどう教えているのか王丹に聞いてみたいものです。
福島氏の記事で、香港人の台湾移住が人気急上昇中とのこと、この流れは止まらないでしょう。言葉の問題(広東語と台湾語の違いはありますが、使用する漢字はどちらも繁体字(日本の旧字体とほぼ同じ)、普通話で意思疎通できます)で苦労しなくて済みますので。李嘉誠も香港から英国へ資産を移していると言われていますし、香港に優秀な人材はいなくなってしまうかも。台湾も中国共産党の言う一国二制度がどんなものかハッキリ分かったでしょう。英国との約束も反故にされつつあります。「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という国柄ですのでくれぐれも騙されないように。
http://soneaozora.jugem.jp/?eid=1303
本記事中、「解放軍香港駐留部隊に対し、いざというときの覚悟をしておくようにという通達はすでに雨傘革命のときに出されている。」とあり、第二の天安門事件が起きるかも知れません。当時と違い、今はSNSが発達、ましてや米国衛星がその映像をリアルタイムで全世界に発信するでしょう。そうなれば中国共産党の命運は尽きたものになるでしょう。
記事

6月4日、香港で開かれた「天安門事件」追悼集会。参加者減少が意味することとは…(写真:AP/アフロ)
例年、6月4日の天安門事件紀念日の前後になると中華圏は落ち着きがなくなる。27年目の今年、私は香港でこの日を迎えた。というのも今年の香港はとくにざわついて、不安定な気がしたからだ。2014年秋の雨傘革命はその目的を達成できなかったという意味で“挫折”というかたちで終わったのだが、その後の香港では、民主派とは別の主張の独立派が台頭している。これをどう見ればよいのか。今回は香港の今とこれからについて考えてみたい。
学生会が追悼集会欠席、形骸化を批判
6月4日の夜、恒例の天安門事件犠牲者追悼のキャンドル集会がビクトリアパークで行われた。キャンドルを掲げながら香港市民たちが天安門事件の犠牲者への哀悼を捧げ、民主と自由への希求の気持ちを新たにする集会だ。主催者の香港市民支援愛国民主運動連合会(支聯会)によれば参加人数は12万5000人。2009年以来最低の参加人数となった。年々天安門事件に対する香港人の記憶が薄れていることは確かで、例えば6月2日のニュース番組で新興香港メディアの香港01の記者が街角で若者らに天安門事件の発生年はいつ? 胡耀邦って誰? と突撃取材しても、正しく答えられる人はほとんどいなかった。
同時に、天安門事件を追悼するやり方に対しても、異論が出始めており、例えば例年この集会に参加していた学生会(全香港大学専門学院学生会)はこの集会が形骸化していると批判して今年初めて集団欠席を決めた。学生たちは支聯会の根本主張の一つである「中国に民主を建設する」という部分に抵抗感を持っていた。
民主党や支聯会らいわゆる民主派とよばれる人々の考え方は、香港は中国返還以降、中国の一部でありながら一国二制度のもと民主と自由、法治という核心的価値が守られている高度の自治が保障されるのであって、この「高度の自治」を決めた中英共同宣言の適応期限である2047年までに、中国を民主化させることが、香港の民主と自由、法治という価値を守るただ一つの道というものだ。
だが、これに対して「独立派」という考え方が、特に雨傘革命以降に台頭してきた。学生会を含む若者たちの多くが、すでに「一国二制度」など崩壊しており、英中共同宣言など無効と考えている。彼らが望むのは、香港の独立、すなわち中国と縁を切ることだという。中国の民主化については口を出さないかわり、香港の中国化に対して激しく抵抗するという立場である。
今年のビクトリアパークでの追悼キャンドル集会では式典中、この独立派の一番過激な主張の若者たちが数人乱入して、支聯会側ともみ合いになった末、つまみ出されるアクシデントもあった。こんな事件も、前代未聞であった。
この“独立派”とはどんな人たちなのか。
独立派を名乗る政党・団体の中で、一番過激なのは今年3月に設立した香港民族党だ。代表は陳浩天。香港はいま、中国の植民地状態であると考え、この中国支配から独立すべきだとして、「民族自強」「香港独立」を中心思想に掲げる。独立のために武力革命も辞さないという立場であり、低層の若者に人気がある。
同じく過激なのは本土民主前線。香港大学文学院の学生である梁天琦が2015年1月に結成し、主に90年代生まれの若者で構成される。梁天琦は2016年1月の立法会新界東地方選挙区補選に出馬し、得票率15・38%、第三位の票数で落選した。非暴力運動の雨傘革命の失敗を反省して「武をもって暴を制す」を戦略の中心におく。「我々の目的は、いかなる手段をとろうとも、完全な自由・正義・平等を確立することだ」といったマルコムXの格言をしばしば標語に掲げる。今年春節の夜に、旺角で警察と暴力衝突を起こしたのもこの団体で、補選の選挙費用の一部でガソリンを購入し放火した疑いも持たれているのだが、一部の若者の間では非常に強い支持を集めている。
「ピカチュウを広東語に戻せ」
比較的穏健な独立派としては、現在、作家の黄洋達が代表を務める熱血公民。文化による中国共産党への抵抗を掲げて2012年に結成した。任天堂の「ポケモン(ポケットモンスター)ゲーム」の中国語表記が広東語ではなくて普通話(中国語)であることに抗議していた青少年の声を受けて、5月30日に香港の日本領事館前の抗議デモを主催したのはこの熱血公民である。
ポケットモンスターのキャラクターのピカチュウは過去20年近く、香港で「比卡超(広東語の発音はピカチュウ)」と呼ばれていたが、任天堂は香港を含む中華圏マーケットでの公式名として中国語の皮卡丘(広東語発音はぺイカーヤウ、中国語発音はピカチュウ)とした。香港の若者たちは自分たちの愛するピカチュウを中国語表記で呼びたくない、と大反発し、任天堂宛てに香港で発売する製品の名前を広東語表記に直すように請願書を出していた。
黄洋達はポケモンゲームのファンでもなんでもないのだが、これを中国による文化侵略ととらえて、抵抗運動を展開。一部のファンからはポケモンの政治利用、と批判もあるのだが、中国の経済圧力によってテレビメディアの字幕が繁体字から簡体字に代わるといった事件がしばしば起きている中国で、広東語・繁体字防衛は香港アイデンティティの根幹にかかわるテーマにもなっている。
現役立法会議員の黃毓民が2011年に社会民主連戦から分裂して創設した普羅政治学苑、「香港城邦論」の著者で元嶺南大学の助教授である陳雲が2014年に香港基本法の改憲を訴えて作った香港復興会も穏健独立派に分類されるだろう。熱血公民と合わせてこの三政党は「独立に反対しない」という立場で、公民投票による行政長官のリコール制度や香港市民による新しい憲法制定を訴えている。
このほか、雨傘運動参加者が設立した新政党としては、すでに補選で九龍城区の区議1議席を獲得している青年新政、雨傘革命の学生リーダーとしてメディアによく登場した香港学生連盟(香港専上学生聯会=学連)の前事務局長・周永康(アレックス・チョウ)らが結成した香港列陣、やはり雨傘革命で時の人となった元学民思潮のリーダー、黄之鋒らが結成した香港衆志(デモシスト)がある。
「独立派」小政党が大乱立
彼らは非暴力を主張し、香港前市民による公民投票によって独立するか否かを決める「民主自決」を訴えている。過激派の民族党などよりは比較的幅広い支持を得ているが、一部の若者の間では「(雨傘の失敗で非暴力では何もできないとわかっているのに)何がやりたいのかいまひとつわからない」「雨傘革命のリーダーとして持ち上げられて調子に乗っている」との批判も聞こえた。
これに加えて人民力量、社会民主連戦などが香港本土化主義(香港こそが本土であるという主張)の穏健派独立派として40代以降の中年層に人気がある。もともと汎民主派に分類されていた新民主同盟も、雨傘以降は香港本土化主義路線に転向した独立派といえる。さらに汎民主派から分離して中間派を名乗る新思維、民主思路などがある。このほか、英国で運動家の馬駿朗が香港独立党を設立し、香港の英国回収による英連邦制を訴えている。
こうした「汎独立派」の小政党が乱立する中、今年9月の立法会(議会)選挙にどれだけの独立派候補が送り込めるかは、今の段階では推測もできない。しかも、これら「汎独立派」は独立という言葉でひとくくりにするには、その定義の差が「武力革命」から、「赤化(中国化)を防ぐ」、「香港の言語と文化を守る」の程度までと幅が広く、独立派政党・団体同士がその主義主張を批判しあい、微妙にいがみ合っている。旧来の一国二制度維持の前提に立つ民主派とも分裂しているので、実のところ香港市民の中国共産党による支配、政治的経済的影響力に抵抗する団結力という意味ではむしろ弱まっているのかもしれない。
だが、注意すべきことは、2012年以前には「香港独立」という言葉を口にする香港市民などほとんどいなかったのが、雨傘革命をきっかけに、「独立」というものを考える人が出てきたということなのだ。
「D&G」で目覚め、「雨傘の挫折」の先に
2012年を節目とするのは2012年1月の尖沙咀D&G(ドルチェアンドガッパーナ)事件が、香港本土意識の目覚めのきっかけであったとする説が有力だからだ。これは人気ブランド店D&Gの店内写真を香港人が撮影しようとしたら、「知財権保護」のルールを理由にガードマンに制止されるのに、中国人観光客の写真撮影は許されているという不平等の実態が香港蘋果日報記者らの取材で明らかになり、この香港人と中国人に対する店側の不平等対応に怒った香港市民がD&G店に一斉に写真撮影にいくという抗議活動に発展した。
D&Gイタリア本社が謝罪声明を出すことで騒ぎは収まったが、これは経済を牛耳る中国人が香港の法を無視できるという現実をあぶりだすことになり、一気に香港人の嫌中感情が高まり、香港と中国は違うという本土意識に火をつけることになったという。この年の夏に、香港人の小中高校生に中国人として愛国心を育成するカリキュラム「国民教育」義務化に抵抗する学民思潮の大規模デモが起き、秋に義務化が撤回されるのだった。
こうした反中・嫌中感情が次第に高まる中で2014年に中国国務院の香港統治に関する白書の発表、全人代による普通選挙のやり方を規定する選挙改革案の発表が行われ、これに抵抗する雨傘革命が起きるのである。
この雨傘革命という「非暴力の抗議」は79日という長期にわたって続いたが、中国の強硬な態度を変えることができず、その後、中国公安当局による銅鑼湾書店株主書店員拉致事件という香港の司法の独立を完全に無視した事件も発生。一国二制度はすでに崩壊しているという現実が突き付けられた。
多くの香港市民が狼狽し、経済力やコネがあるものは海外移住を模索し、金もコネもない低所得層の若者の間では「雨傘のような非暴力でだめなら、暴力で戦うしかないではないか」という過激な考えがでてきた。香港の知人たちにも意見を聞いて回ったが、経済的余裕のない人ほど「戦うしかない」という考えに傾いている。一方、海外脱出できる人たちは、真剣にその算段を考えている。最近はカナダやオーストラリアではなく、民進党政権になった台湾が移民先として人気急上昇中だという。
熱血公民の黄洋達に直接意見をうかがう機会があったが、彼は「市民の3割前後が広い意味での“独立派”」と分析している。「D&G事件前までは、ほとんどの香港市民は香港が中国の一部であるという現実を踏まえて、香港の将来を考えていた。だが雨傘革命以降は、香港は中国の一部ではない、この現実を変えたい、変えなければという人は増えている。今後、その数は増えていくだろう」。2月半ばから4月5日までに民主思路が外部機関に委託して行った世論調査では18~29歳の若者で香港独立の支持者は20%で、うち多くが暴力的抗争手段を受け入れるという立場だったという。
民主希求の団結力が乱れる一方で、過激な意見の台頭が見えている香港のこうした現状について、中国の良心的知識人から「これはかなり危険な状況だ」と不安を耳打ちされることが多くなった。香港の某大学に客員教授として滞在していたある著名中国人知識人は「香港民族党のような主張が台頭してくると、いまの習近平政権は忍耐力がないので、何をするかわからない。香港は一線を越えようとしている」と警告する。
実際、全国政治協商会議の委員(中国の参院議員に相当)でもある香港基本法研究センター主席・胡漢清は4月12日の記者会見で、香港民族党の発足について「これは言論の自由の保障の範囲を超えている」「反逆罪、扇動罪に当たる」「香港民族党が(立法会選挙で)勝つようなことがあれば、それは香港人の敗北である」と極めて強い恫喝を行っている。また公民投票で香港独立を問うこと自体が扇動意図の罪に当たるとも言っている。
こうした中国側の脅しはおそらくは口先だけではない。というのも、この香港の独立派台頭の背景には全米民主主義基金(NED)の支援が疑われているからだ。香港紙巴士的報が今年3月9日の香港本土民主前線の梁天琦と黄仰台の二人と駐香港米国領事館員の密会写真をスクープしており、その後、中国系香港紙「大公報」などが密会内容を匿名のタレこみメールとして報じている。
それによると米領事館の政治経済部領事が、活動費不足を訴える彼らに対し、NEDを通じた経費支援の申請のやり方をアドバイスしていたという。中国は少なくとも、いまの香港の独立派台頭の背後に米国の仕掛けがあると考えている。万が一「アラブの春」のような状況が香港でおこれば、それを鎮圧することに躊躇はないはずだ。解放軍香港駐留部隊に対し、いざというときの覚悟をしておくようにという通達はすでに雨傘革命のときに出されている。
“革命的”変化は同時多発的に
香港市民はもともと争いの嫌いな人たちである。動乱があるたびに中国から、戦わずに逃げ延びてきた人たちであり、英国植民地統治のもとで与えられた自由を謳歌してきた人たちだった。もし、本当に今後、過激な独立派が台頭していくとしたら、それは明らかに中国の対香港政策の失策である。中国政府が穏やかな香港人をそこまで追いつめたのである。逆にいえば、中国政府の統治能力はこの数年の間に急激に衰えているということなのか。
香港滞在中、現役の立法会議員で一番過激な発言で知られる長毛こと梁国雄にお会いし、彼に「独立派が台頭し、中国政府と香港市民の対立が激化して、武力鎮圧がおきるという懸念はないか」と尋ねたら、「香港と中国政府の対立よりも、ウイグル族と中国政府、チベットと中国政府の対立の方がよっぽど危険じゃないか。台湾もあるぞ」と笑っていた。
香港独立など、普通に考えれば冗談でもありえない。だが、中国政府の統治能力が急激に衰えてきているということはいえるかもしれない。香港の独立派がどれほど広がっていくかは、さておき、中国全体とその周辺に今何か変化の兆しがないか、改めて観察してみることはタメになるかもしれない。過去の歴史を振り返れば、“革命”的変化というのは中核となる勢力の弱体化に伴って同時多発的に起きるものだから。
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『広く伝えたいアフリカに対する日本の貢献 8月27~28日にTICAD(アフリカ開発会議)が開催』(6/6日経ビジネスオンライン 御立尚資)について
6/5日経朝刊記事「風見鶏 なぜ同日選は消えたのか」の中で、最後のセンテンスに「内閣支持率は上昇し、自民党中堅議員はなお悔しげだ。「衆院解散はいつやるのか。絶好の機会を逃したのではないか」」とあるし、また6/6日経朝刊記事には「総裁選も絡む「衆院解散」 浮かぶ3シナリオ」の記事では早期の衆院解散もあるようです。小生の5/31ブログで衆院解散・参院同日選もあるのではと書きましたが、残念ながらそうなりませんでした。日経記事を読みますと「何故」と思いましたが。公明党の横槍では。何せ法律通り3ケ月だけ住民票を移動して候補者を当選させ、その後また元に戻すことをしていますので。同日選は彼らにしてみれば重点候補選択の余地が狭まる訳で避けたい思惑があります。また、軽減税率(小生は旧民主党の給付付き税額控除の方が優れていると思っています)の手柄を選挙で訴えたかったのに消費税増税延期され、一矢報いたかったこともあるのでは。自民党も公明党の力を借りないと当選できないのでは嘆かわしいですが。
<「総裁選も絡む「衆院解散」 浮かぶ3シナリオ

安倍晋三首相が7月の参院選に合わせた衆参同日選を見送ったことで、永田町の関心は次の衆院解散・総選挙の時期に移ってきた。2017年4月に予定していた消費税率10%の引き上げは19年10月まで2年半延期され、解散時期の自由度は増した。参院選の結果を踏まえ、18年9月の自民党総裁の任期延長を視野に入れると、衆院選と総裁選の密接な関連が浮かび上がる。
(1)年内~17年1月の通常国会冒頭
「確実に勝ちが見込める機会はそう多くない。解散するなら早い方がよい」。首相に衆参同日選の実施を進言していた首相周辺は、経済が比較的好調で、野党の支持率が低いうちに解散した方が有利と主張する。民進党の岡田克也代表も3日、「年内の可能性が高い」との見方を示した。
議席占有率6割を超える勝利を収めた12年と14年の衆院選はいずれも12月。自民党若手議員は「政治は縁起が大事だ」と話し、参院選で勝利した場合、12月中の選挙が有力との見方を示す。12月に予定するロシアのプーチン大統領の来日時に北方領土問題を前進させ、その成果を掲げて解散に踏み切るとの説も取り沙汰される。
ただ、次期臨時国会では、環太平洋経済連携協定(TPP)関連法案や、消費増税延期を盛り込む税法改正案など重要法案が山積し、その後には17年度予算編成が控える。政治日程への影響を考えれば、17年度予算の審議が始まる前の来年1月の通常国会冒頭解散も有力になってくる。
(2)17年通常国会~臨時国会
首相が17年4月からの消費税率10%への引き上げを再延期したため、これまでは困難とされてきた17年中の解散も選択肢となった。17年度予算を成立させた同年4月以降の衆院選でも増税の影響がないからだ。
ただ、この場合のハードルは高い。1つが先の通常国会で成立した改正公職選挙法の影響だ。小選挙区を「0増6減」する新しい区割りは来年夏以降の適用となり、一般的に制度変更の前後は解散・総選挙はしにくいとの見方がある。仮に新しい区割りの適用前であれば「定数削減を回避する思惑があるのでは」と批判され、適用後であれば「候補者調整が間に合わない」との問題が出てくるためだ。
2つ目は連立を組む公明党が国政選挙並みに重視している東京都議会選が17年夏に予定されていることだ。支持母体の創価学会が大規模な組織戦を展開するため、同党はこの時期の衆院解散・総選挙になれば集票力が分散しかねないとして消極的な姿勢を示す。
(3)18年の自民総裁任期満了前
現在の衆院議員の任期は18年12月までだが、首相の総裁任期はその前の9月末までだ。自民党則は延長を認めないが、過去には中曽根康弘氏が任期切れまで3カ月となった1986年夏、衆参同日選挙に踏み切って大勝し、その功績が認められ、特例で総裁任期を1年延長した例がある。今回も任期切れ直前で解散し、大勝すれば任期延長にも道を開くとの計算が働く。
東京五輪を2020年夏に控え、首相が任期中の実現に意欲を示す憲法改正も任期延長が不可欠だ。消費税率10%への引き上げ時期が任期切れ後の19年10月となったことも任期延長論の根拠となる。稲田朋美政調会長は5日のフジテレビ番組で安倍首相の総裁任期延長について「自民党内のルールなので安倍首相が首相(総裁)を続行している可能性は十分ある」と述べた。
もっとも総裁任期満了前の解散の場合、いったん年内から年明けにかけて衆院解散に踏み切り、さらに総裁任期満了前に2度目の解散に踏み切る「小刻み解散」のタイミングとなる可能性もある。首相は14年に衆院任期を2年以上残して解散して圧勝した。衆院選の間隔を短くして党内の求心力を保つと同時に、野党の選挙準備が整わないようにする狙いだ。
一方、党内には「衆院で3分の2を失わないために今回は同日選を見送ったのだから当分、解散はないだろう」(ベテラン議員)として18年まで解散できないとの見方もある。ただ同年12月までの衆院の任期満了時期に近づくほど有利なタイミングで解散できる余地が狭まり、実質的な解散権を行使できぬまま「追い込まれ解散」になりかねないリスクをはらむ。>(以上)
TICADは1993年~今度で6回目となり、初のアフリカ開催とのこと、もっともっと外務省はマスメデイアに働きかけてPRすべきです。アフリカに植民地支配のなかった日本、勤勉で親切かつ誠のある日本人はアフリカ人に信頼されていると思います。経済成長著しい上、人口増も予測されている中、日本の持っている資金・技術だけでなく和の精神も伝えられたらと思っています。中韓の得意とする賄賂では一部の人間しか豊かになれず、協調して物つくりに励むことにより豊かになる実感を得て貰えればと思っています。ただいざと言うときの自衛隊の海外派兵の保証と武器使用のネガテイブリスト化は必須です。
2014年9月にチュニジアへカルタゴ遺跡を見に旅行しました。その時のガイドさんはチュニジアの大学の英文科卒のエリートで日本の奨学金を得て日本に留学したことがあるとのことでした。(2009年にトルコに行ったときのガイドさんも英文科卒でした。トライリンガルは当り前のようです)。2008年にエジプトへ行ったときのガイドさんは敬虔なイスラム教徒で、客が我々夫婦二人でしたので宗教の議論をいろいろとした記憶があります。また、小生が支援しています上橋泉柏市議のご子息もチャドで活躍しています。
アフリカも国連の票数で大きな役割を果たします。小生は、日本は常任理事国入りに拘ることはないと思っていますが、(それより国連憲章の敵国条項を早く削除せよ、これはロシアとの平和条約締結後か?)中韓の国連を舞台にした反日活動に大きな抑止力になると思います。中国のように資源奪取だけが目的で、地元の人の雇用もなく=技術移転無し、場合によっては囚人を送り込むような国のやり方と違ったやり方をすれば信頼を勝ち得ると思います。日本のビジネスマンももっと頑張らねば。
記事

(写真:AP/アフロ)
今年8月27日から28日の2日間、ケニアのナイロビでTICAD Ⅵ(第6回アフリカ開発会議)が開催される。
伊勢志摩サミット、そしてそれに続くオバマ大統領の広島訪問という大きな外交イベントの陰に隠れる形であまり注目を浴びていないが、今後10~20年を考えると、G7、G20だけでなく、アフリカ諸国と日本の関係強化につながるTICADに、もっと光が当たってもいいはずだと考えている。
人類全体にとって重要な貧困や飢餓撲滅、あるいは感染症対策――。こういった課題の解決のためにアフリカの開発が重要であることは論をまたない。
さらに、今世紀中にも世界全体の人口がピークを打つと考えられる中、数少ない人口増加が見込まれ、所得レベルの向上とあいまって、「次の成長市場」としてのアフリカの重要度は極めて高い。以前のコラムでも紹介したが、2040年にはアフリカの労働人口はインドや中国を上回ると想定されているのだ。総人口も、その頃には20億人を超えると推定されている。
さて、6回目を迎えるTICAD(Tokyo International Conference on African Development)。この会議は、名称にTokyoと冠している通り、日本政府主導で、1993年以来、5年に一度日本で開催されてきた。共催者として、アフリカ連合委員会、国連、UNDP(国連開発計画)、世界銀行が名を連ねている。
日本が、国際機関や民間セクターを巻き込み、「アフリカの経済開発」を促進するための会議を20年以上にわたって実施してきたわけだ。
前回のTICAD Ⅴには、39名の国家元首クラスがアフリカ51カ国から参加、開発パートナーとなる域外諸国31カ国、国際機関72機関、さらにはNGO/NPOも多数参加した。
植民地時代の旧宗主国ではない日本が主導するということにも大きな価値があるのだが、これだけ続けてくると単に集まって話し合うというだけでなく、さまざまなポジティブな結果が具体的に出てきている。
アフリカの成長を考える上では、それを担う人材の育成がカギとなる。
500人の若者がTICADプログラムで日本に留学
たとえば、資源開発の専門的知識を教育するプログラムが設けられ、2016年1月までに2000人以上が参加し、研修を修了している。また、2014年、15年だけでも500人弱のアフリカの若者が、TICADから発生したプログラムで、日本に留学してきている。現地での学校教育環境を改善するプログラムに至っては、2014年末の数字だが、実に770万人の子供たちへの支援が行われてきた。
これ以外にも、安全な水へのアクセスを担保するための給水整備支援など、単純なODAやインフラ建設だけでなく、実にさまざまな意味のある開発支援が日本主導でおこなわれてきている。
さて、こういった価値を生んできたTICADなのだが、正直なところ、日本国内では十二分に知られていない。もっと言うと、アフリカの現地、さらには開発やビジネス上のパートナーとなる欧米諸国でも、アフリカにおける日本の貢献は、ごく一部にしか伝わっていないのが実状だと感じている。
メディア等でも、よく中国や韓国のアフリカ進出との比較がなされるが、こと開発支援とそのポジティブな結果だけに絞っても、日本の貢献が知られていないのはもったいないこと、この上ない。今後一層、ビジネス上も外交上も重要度を増す地域で、日本の国としてのブランド価値を高めていくための、広報・マーケティングへの徹底的な注力が必要なのではないだろうか。
この広報・マーケティング下手は、アフリカについての日本国内での知識と理解が不足していることもその一因である。アフリカの変化は速く、さらにアフリカ54カ国の中での違いも大変大きいため、具体的なイメージが伝わりにくいのだ。
旧宗主国だった欧州各国では、メディアでアフリカ諸国が取り上げられる頻度が(日本と比較すると)非常に高い。この点でも、新興経済については、アジア中心の情報流通となりがちな日本では、もう一段深いレベルでのアフリカ各国についての知識獲得と普及を、意思をもっておこなうことが不可欠だ。
経済の成長スピードが速いサブサハラ各国
少しだけ、実例を挙げておこう。
まず、変化の速さ。低開発イメージが強いサブサハラ各国。具体的にはサハラ砂漠以南の49カ国を指すのだが、2000年代には、実に年率5.8%の経済成長を遂げている。十数年で、経済規模が倍になるスピードだ。その後、世界的な資源価格下落の影響下でも、2015~17年に年3~4%の成長が予想されている。
アフリカ各国間の違いも、イメージのずれが生じる原因となる。
IMFの2014年ベースの統計によれば、購買力平価ベースでの一人当たりGDPアフリカ上位3カ国は、 赤道ギニア 3万2千ドル セイシェル 2万6千ドル ガボン 2万3千ドル と、中進国以上、先進国に極めて近いレベルに達している。
ところが、下位3カ国を見ると、 中央アフリカ 607ドル コンゴ 704ドル マラウィ 780ドル とアフリカ内上位国の30分の1以下であり、地域内でも極端な違いがあることが明白だ。
さらに、各国ごとの違いと変化の速さとが掛け算になることも多い。たとえば、1990年代半ばに民族紛争、その後の大虐殺が大きく報道されたルワンダ。21世紀に入り、民主選挙が行われ、政情や治安はまったく違ったレベルで安定している。女性の社会進出も大きく進み、閣僚の26%、国会議員の57.5%が女性だ。世界銀行のビジネスのしやすさのランキング(Doing business)でもルクセンブルグについで62位。中国の84位やベトナムの90位よりもはるかに上に位置づけられている。
今回のTICAD Ⅵは、実は初めて日本ではなくアフリカ、ケニアで開催される。これに合わせ、日本のさまざまな企業が参画するアフリカ域内の国を超えた地域インフラ整備のイニシアティブも打ち出される模様だ。
日本で行われたサミットとは違い、放っておくと、メディアでもあまり取り上げられずに終わってしまうかもしれないが、ぜひぜひ、我々も注視し、さまざまな広報・マーケティングを世界各地で行ってほしいと思う。これを通じて、アフリカの変化、そして各国さまざまな実状について、少しでも日本国内での理解が進むことを期待したい。
さらに、ぜひとも日本のこれまでの貢献も含め、広く日本ブランドを高める機会になれば良いなと考えている。もちろん、読者のみなさまの中にも、非常に詳しい方はいらっしゃるだろうが、より広い方々がアフリカと日本について、知見を高めてくださることを期待してやまない。
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『英離脱が招く破壊ドミノ チーフ・ポリティカル・コメンテーター フィリップ・スティーブンズ』(6/5日経 FT)について
欧米で起きている政治現象は、国民の政治に対する怒りでしょう。米国のトランプ&サンダース現象は正しくそうです。エスタブリッシュに繋がる政治家に対し、国民の望んでいること、特に豊かな生活を送りたいのに格差は広がるばかりで、それを掬い取ることに対して何も手を打てていないことに異議申し立てしているのが本質でしょう。欧州でも極右(実際は移民反対なだけ、国際金融資本のグローバリストに対して国民国家の役割を重く見る)の議席が伸びています。仏では来年の大統領選でマリーヌ・ルペン国民戦線党首が大統領になるかもしれませんし、オーストリアでは極右と言われるノルベルト・ホーファー大統領候補が本当に僅差で敗れました。相手と50:50ですから。
http://www.news24.jp/articles/2016/01/02/10318763.html
http://wien.cocolog-nifty.com/operette/2016/05/post-85bc.html
ドイツはインフレを極度に恐れる(第一次大戦後のハイパーインフレの経験から)体質と法律でナチズムを禁止していることがあります。中国と韓国による日本イジメに通じるものが、欧州諸国のドイツいじめにあるような気がします。でも第四帝国と言われるようにドイツがEUの経済を牛耳るようになりました。
http://thutmose.blog.jp/archives/34662377.html
http://europeanlife.web.fc2.com/other/nazi-verbot.html
ただ真偽のほどは分かりませんが、下記の情報もあります。これが真実でしたら米国のリーマン・ショックどころではないでしょう。単にドイツ銀行だけでなく、欧州全体と中国に大打撃を与え一時的に大パニックになるでしょう。株式市場も大暴落するでしょう。ドイツと中国が誤魔化しきれるかどうかですが。債券の償還期限があってもロールオーバーしてしまえば分からなくなるのでは?中国の債券(サブプライム以下と思われる)にはCDSのような評価する手段はついていないでしょう。一応「検討する」とロイターの記事にありましたが、そうすれば透明度を上げねばならず、誤魔化しが効かなくなると思います。人民元のIMFのSDR通貨バスケット入りは達成されましたが、透明度を上げる義務を負い、また「市場経済国」は鉄鋼の問題で認定されないと思いますが、WTO違反を繰り返し、南シナ海の問題で国際司法裁判所の判決に随うこともしない国に、おいしい所だけを与える必要はありません。経済制裁すべきです。まあ、経済破綻すれば必然的にそうなるでしょうけど。何せ「ない袖は振れない」で通せばよい国ですから。小生も駐在時代そうした経験がありますので。
http://ameblo.jp/eccentricbear/entry-12167137642.html
http://jp.reuters.com/article/china-bonds-cds-idJPKCN0WW20W
http://www.yomiuri.co.jp/world/20160605-OYT1T50052.html
英国のEU離脱は、EU経済について上記の話を知っていて真実に近いと感じているのなら、ありうるかもしれません。ただ国民レベルでの話にはなっていませんので。離脱派は単に欧州をドイツに牛耳られるのが面白くないというだけでしょう。離脱はないと思っています。
記事
欧州連合(EU)離脱を問う6月23日の英国の国民投票は、EUと英国両方の運命を左右する。離脱となれば、EUの残る27加盟国にも深刻な結果を及ぼす。ドイツとフランスは間違いなく、英国以外の加盟国の結束をどう高めるか必死に考えている。より深刻なのは、離脱によって分裂の危機にさらされる英国だ。

EU残留を訴えるキャメロン英首相=ロイター

EU離脱を訴える英国独立党のファラージュ党首=ロイター

英国の国民投票は今月23日に実施(投票用紙のイメージ)=ロイター
離脱派の背景には強力なナショナリズムがある。保守党の離脱派は自分たちのロジックを打ち捨て、ファラージュ党首率いるポピュリスト(大衆迎合主義者)の英国独立党と運命を共にしようとしている。両者に共通しているのは移民、支配階級、知識人などあらゆるものへの反発。怒り作戦とでも呼ぶべきものだ。
結果がどうであろうと、有権者の票は地域によって割れるだろう。ロンドン、北アイルランド、スコットランドの3地域はEUとの関係を維持しようとしているはずだ。ウェールズは予想が難しい。
□ □
ロンドンが欧州寄りの立場を取るのは欧州と同様、グローバル都市として、欧州や世界から労働者や移民を受け入れてきたからだ。30万人のフランス人を受け入れ、フランス第6の都市とも呼ばれる。イタリア、ポーランド、スペイン、ポルトガルやもっと遠くの国々から来た人々にとっても第2の故郷になっている。
多様性も享受してきた。5月の市長選では保守党のザック・ゴールドスミス氏が恥知らずな反イスラム運動を繰り広げたが、市民は圧倒的に英国生まれのイスラム教徒、サディク・カーン氏を支持した。
英国らしさを意識しすぎ、離脱に傾いている周辺地域とは一線を画する。ロンドンには貧困も存在するが、イングランド南部の東海岸の一部の町に見られるような民族対立はない。私が思うに、ロンドン市民は「どちらかを選べ」と迫られたら、ポーランド人医師やインド人技師が来るのを拒絶するよりも、英国の地方から移ってくる英国人の流入を厳しくするはずだ。
北アイルランドでは、最近の世論調査で残留派が大多数を占めることがわかった。大まかに言うと、カトリックは残留派で、プロテスタントは離脱派と残留派にほぼ二分しているが、全体でみると、この地域は残留を選ぶだろう。
それでも国民投票で離脱が決まれば、様々な懸念が生じる。かつて北アイルランドが英国に属すべきと主張するユニオニストと、アイルランドへの帰属を訴えるナショナリストを長年の対立から和平に向けて説得できたのは、英国とアイルランドの両国がEU加盟国だったからだ。以来、北アイルランドが経済的発展を遂げてきたのも、アイルランドと開かれた国境を持ち、EUからかなり多くの補助金や投資優遇策を得られてきたことによる。
しかし離脱となれば、今は無きに等しいアイルランドとの国境が、EU加盟国でなくなった英国とEUの境界線になる。つまり単一市場から離れ、英国として移民制限を強行すれば、アイルランドとの往来にも貿易にも国境審査が必要になる。英国では、北アイルランドを経済的な重荷だという人も出てくるだろう。
スコットランドは保守党に近いせいか、欧州懐疑派が根付いたことはない。ファラージュ氏の英国独立党も限定的な支持を得ているだけだ。ロンドンや北アイルランドと同様、スコットランドでも残留派が多数を占めそうだ。だが国民投票で離脱が決まれば、英国からの独立を求める一派を勢い付かせることになる。
□ □
スコットランドの独立は2014年の住民投票で否決された。独立推進派のスコットランド国民党は5月の議会選でも敗北した。過半数を失い、独立を再度問う住民投票を行うことができなくなった。英国の離脱が決まれば、独立を求める議論が再燃するだろう。欧州大陸にバリケードを築くような英国に縛られているぐらいなら、今は英国の一部でいいと思っているスコットランド人も考え直すのではないか。
英国がEUの一部であり続けるのがいいのと同じように、英国も連合王国として結束しているべきだ。その方が国家としての能力を高められるからだ。イングランドがEUを離脱したなら、スコットランドは英国の一部でいるより、EUに加盟した方がいいと考えてもおかしくない。
ロンドンの独立の可能性を論じるのは現時点では早すぎるが、離脱が決まればこの都市が自治の拡大を求めるのは当然だ。明白なのは離脱が連合王国の分裂につながっていくということだ。EU加盟国でなくなった英国は、もはや魅力的ではなくなる。
(3日付)
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『中国の「不戦而勝」戦略に勝つための処方箋 米国を中心とした対中連合でサラミスライスを許さない姿勢を』(6/3JBプレス 渡部悦和)について
6/4産経ニュース<米国防長官が「中国は孤立の長城築いている」と名指しで批判、仲裁裁判所判断の尊重迫る
3日、シンガポールで開かれたアジア安全保障会議の会場で、中国の孫建国・連合参謀部副参謀長(左)と握手するカーター米国防長官(米国防総省提供・共同)

【シンガポール=吉村英輝】カーター米国防長官は4日午前(日本時間同)、シンガポールで開催中のアジア安全保障会議(シャングリラ対話)で講演し、中国による南シナ海の軍事拠点化が、周辺国に脅威を与えていると名指しで批判した。さらに、中国が地域で「自らを孤立させる万里の長城」を築く結果になると警告し、国際社会による圧力を中国に示した。
カーター氏は、南シナ海で中国と領有権を争うフィリピンから提訴を受けたオランダ・ハーグの常設仲裁裁判所が近く示す判断が、中国や周辺国にとり、国際法にのっとった緊張緩和への「好機だ」とも指摘。中国に対し、裁判所の判断に反発せず、尊重するよう迫った。
また、中国が「領海」と主張する人工島などから12カイリ(約22キロ)内に米艦艇を派遣する「航行の自由」作戦を継続するとし、航行や飛行の自由は誰にも保証されていると強調した。
そのうえで、オバマ政権によるアジア重視政策は、米国内の党派を超えて維持されていくと述べ、最新鋭の潜水艦や爆撃機を展開していく方針を表明。数十年かけて築いた地域での米軍の能力に他国が追いつくには「数十年はかかる」と指摘し、存在感をアピールした。>(以上)
本記事結言にあります通り、オバマ大統領の訪広は評価しますが、「世界の警察官を止める」と公言したこと(そう行動したとしても、公言する必要はない。抑止の概念が希薄。空手でこの攻撃はしませんと言うのと同じで、相手は攻撃しやすくなる。世界平和を破壊する発言)やシリア介入中止、ロシアのウクライナ問題と中国の南シナ海問題の弱腰な対応(ロシアに経済制裁したのだから、中国にも経済制裁すべき、如何に米中が経済的に結びついていたとしても、ロシアと欧州の経済的結びつきが強くても米国は欧州に制裁させたのだから)こそが中国の傲慢な対応をさせてきた訳です。そういう意味でオバマ大統領はリアリストでなくノーベル平和賞には値しない人物と思っています。まあ、リアリストと言われるキッシンジャーだって中国の賄賂に負けてしまっている訳ですから、リアリストが正しい判断ができるという事ではありませんが。
ただ、「力なき正義は無力なり」と言われますように、外交の背景には武力の存在が必要です。日本の外務省は戦前戦中、軍に外交のイニシャテイブを取られたため、国益ではなく、単なる省益追求のための外交しかしていません。普通に考えて、国際的に日本の発言を高めようと思ったら、憲法を改正し、自衛隊を軍にすると思うのですが。戦後は栗山や小和田のハンデイキャップ国家論が幅を利かせてきました。メデイアと連動して改正の動きを潰してきました。国賊で、財務省と並んで売国組織です。
サイバーアタックは投資コストが懸らず、経済後進国でも先進国を簡単に攻撃できます。中国とか北朝鮮が得意なのはそういう理由からです。5/29「士気の集い」の講演で、サイバー研究・実践者として高名な名和利男先生の話では「ハッカーと防御側では圧倒的にハッカー側のレベルが高い。米国の防御のレベルも上がってきたがまだまだ。日本は論外。ただ、言葉(漢字、ひらがな)の問題があり、攻撃側は制約を受ける。個人のPCのウイルス対策ソフトは(凄腕の)ハッカーには役に立たない。ただハッカーの多くは子供。サーバーのping送信を受けて、繋がりの確認をするためサーバーから必ずpong送信する性格を利用して、ping送信を一斉多数にするとサーバーがダウンする。子供のハッカーに対してウイルス対策ソフトは有効。ただ日本の会社はハッキングを受けても「なかったことにしてくれ」と言われる。而も上から下まで。」とのことでした。日本の経営者は失敗を許さないのと何が大切かが分かっていない人間がなっていると感じました。
いつも言ってますように、中国の野心を挫くためには、日本の大東亜戦争の逆をすれば良い訳です。
①中国包囲網を敷く。そのためには
②米日豪印台+ASEAN+露(ABCD包囲網と同じ、韓国を入れていないことに注意。ロシアとは平和条約締結。TPPが経済ブロックとなる)
③レッドドラインではなく、原状回復要求。日本にも満州撤退を要求したではないか。
④準軍事プロセスとして中国向け石油禁輸発動。(中国沿岸に中国船自動識別機雷敷設)
⑤中国大陸に中国語で「封じ込めに至った理由と戦争の危機、共産党打倒」のチラシを空から撒く。
⑥民主化組織を応援
といったところでしょうか。
記事

伊勢志摩サミットで採択された首脳宣言は南シナ海情勢に言及し、緊張が高まっている現状に「懸念」を示した。写真は協議に臨む各国首脳(2016年5月27日撮影)(c)AFP/Carolyn Kaster〔AFPBB News〕
本稿は、4月20日付の拙稿「中国への見方を大きく変えた米国、日本は再評価:2030年のグローバルトレンドと日米対中国戦略」(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46626)の続編である。
前稿では元太平洋軍司令官デニス・C・ブレア大将の論文“Assertive Engagement:AN UPDATED U.S.-JAPAN STRAREGY FOR CHINA(主張する関与:最新の米国および日本の対中国戦略)”を紹介し、その中国認識と日米共通の対中国戦略「主張する関与」について紹介した。
ブレア大将は、米国の同盟国としての日本の重要性を深く認識した上で、日米同盟関係を背景として「日米共通の対中国戦略を構築すべきである」と主張している。
わが国にとっては非常にありがたい主張であると同時に、日本の真価が問われる厳しい主張でもある。さて、本稿ではブレア論文などを踏まえて、前稿で予告した具体的な対中国戦略についてその一端を、特に南シナ海情勢を焦点に紹介する。
1 台頭する中国への対応は米国を中心とした対中連合が基本
中国は、海洋強国を宣言しているが、一帯一路構想などを見ると大陸国家と海洋国家の二兎を追っているように思えてならない。
しかし、アルフレッド・セイヤー・マハンが主張するように大陸国家と海洋国家の両立は難しく、中国は大風呂敷を広げすぎてしまっているのではないかというのが筆者の評価である。
また、中国は東シナ海と南シナ海の2正面作戦を実施している。わが国は、尖閣諸島を巡り中国と領土問題を抱えるが、東シナ海の問題は南シナ海問題と密接不可分な関係にあることを認識する必要がある。
わが国は、東シナ海問題を巡り単独で中国と対抗する愚は避けるべきであり、米国などと協力して中国の2正面作戦を余儀なくさせ、その弱点を利用することが重要である。
中国は、南シナ海で九段線を根拠に過大な領土要求を実施し、人工島を建設しその軍事拠点化を進め、米軍の航行の自由作戦にも抵抗するなど確かに手強い。
手強い中国に対しては、米国でさえ単独で対応するには荷が重く、米国を中心とした対中連合(coalition)で対処することが基本戦略となる。その連合は、米国を中心として日本、オーストラリア、フィリピン、ベトナム、インドネシア、マレーシア、台湾などで構成すればいい。
中国は、現在、経済の失速に伴う諸問題に直面しているし、権力闘争も激化している。過去の経済力、特にお金の力を利用した膨張的な対外政策は曲がり角に来ている。さらに、中国は、領土問題を抱える周辺諸国すべてと対立関係にある。
米国を中心とする対中連合により、中国の強圧的な政策をより協調的な政策に転換させる必要がある。
以上が筆者の基本的な認識であるが、この認識は日本政府が現在実施している諸施策と一致していると思う。
伊勢志摩サミットにおいて、中国の強烈な反発を受けながらも東シナ海問題や南シナ海問題を討議したことに賛辞を送りたい。そして、バラク・オバマ米大統領のベトナム訪問とベトナムへの武器輸出禁止の解除は対中連合形成にとって大きな成果である。
以下、日米共通の対中国戦略について説明する。
2 不戦而勝(戦わずして勝つ)
本稿においては、「不戦而勝(ふせんじしょう)」(中国語で「不战而胜」)をキーワードとして、中国の強圧的な台頭にいかに対処するかを考えてみる。
「不戦而勝」は、孫子の兵法の「戦わずして勝つ」を出典とするが、中国の専売特許ではなく、米国をはじめとして多くの国で活用されている。なぜなら、不戦而勝は各国の抑止戦略そのものであるからである。
冷戦終結後の戦略環境では、経済的な相互依存関係などにより大国間の戦争の蓋然性が低下していると言われている。
軍事力を使った戦争が不可能であれば、各国はいかにして自らの国益を防護し実現していくか。その方策が「戦争には至らない手段を駆使して相手を屈服させる」戦略、つまり「不戦而勝」戦略なのである。
中国は、米国との決定的な軍事衝突を避けて、目的を達成しようとしている。現時点で、中国の軍事力が米国の軍事力よりも劣っていると認識しているからである。
私が注意喚起したいしたい点は、中国はぶれることなく長期にわたり「不戦而勝」戦略を貫徹している点である。だから手強いのである。
日本をはじめとする民主主義国家においては、政権が交代するたびに安全保障政策が変わり、長期にわたる一貫した安全保障政策の追求が困難である。しかし、マイケル・ピルズベリーが「100年マラソン」で指摘するように、中国は100年単位の長期的スパンで終始一貫した政策を追求してきたのである*1。
中国は、「不戦而勝」の考えに基づき、軍事力の直接的な使用を避け、非軍事的な手段を用いて中国の国益を追求する戦略を採用している。
その具体的な方策が、地経学(geoeconomics)、サラミ・スライス戦略(salami-slicing strategy)、「戦争には至らない準軍事的作戦」[POSOW(Paramilitary Operation Short of War)]、サイバー戦、三戦(世論戦、心理戦、法律戦)などの活用である。
前述のブレア論文のみならず、ワシントンDCに所在する著名な安全保障関係シンクタンクの各種論文、例えばCSISとSPF USA共同の“The U.S.- Japan Alliance to 2030”、ランド研究所の“The Power to Coerce”*2(強制のためのパワー)、カーネギー国際平和基金に所属する戦略家アシュレイ・テリスの“Balancing without Containment*3”などの対中国戦略の結論も不戦而勝である。
そもそもこれらの論文の前提が「戦争以外の方法で中国の強圧的な台頭をいかに抑止し、いかに対処するか」であるがゆえに、経済、外交などの非軍事的手段を使った活動などに焦点を当てた政策が多い。結果的に中国の「不戦而勝」と米国の「不戦而勝」の戦いの構図となっているのである。
米国における戦争以外の方法で対中国戦略を考えるトレンドの背景には、オバマ大統領の対外政策の特徴である「世界の諸問題の解決において、まず外交などの非軍事的な手段で対処し、軍事力の使用を努めて避ける」という方針があると思う。
このオバマ大統領の非軍事的な手段による問題解決には米国内でも賛否両論がある。
ブレア論文をはじめとした各論文に共通するのは、オバマ大統領の対中国関与政策が軟弱すぎて効果的ではない、より強い関与政策が必要であるという主張である。
オバマ政権7年半にわたる対中政策は、中国の「不戦而勝」戦略により、特にサイバー戦および南シナ海問題において敗退してきたというのが筆者の結論である。
それでは今後、いかなる不戦而勝戦略をもって対処すべきかを考えてみたい。まず、ランド研究所の“The Power to Coerce”の論文を紹介しながら議論を進めていく。
*1=Michael Pillsbury、“The Hundred-year Marathon”
*2=David C. Gompert、Hans Binnendijk、The Power to Coerce、 RAND Arroyo Center
*3=Ashley J. Tellis, Balancing without Containment, Carnegie Endowment for International Peace
3 強制力(P2C)の活用(ハードでもソフトでもない第3のパワー)
ランド研究所の“The Power to Coerce”に記述されている「目的達成のためのパワー」(下図1を参照)を見てもらいたい。
パワーを単純に区分すると、ハードパワー(軍事力)と、ソフトパワー(文学・美術・教育などの文化、民主主義などの価値観、国家が採用する人権政策などの政策)になる。
しかし、ランド研究所のユニークな点は、強制力(P2C:Power to Coerce、例えば経済制裁などの地経学的手段)という造語を導入した点であり、このP2Cを不戦而勝の手段として駆使しようというのである。
米国の意思を中国に強要するために、ハードパワーである軍事力を使い戦争を実施するという選択肢はあるが、ハイリターンの可能性がある一方で、あまりにもハイリスクでハイコストであり、現時点で採用できない選択肢である。
ソフトパワーは、ローリターンであるが、ローリスク、ローコストであり、各国において頻繁に使用されている。
P2Cは、その中間で、ハイリターンであるが、ローリスク、ローコストで必要な時にいつでも実施できる非暴力の手段で、時に軍事力の代替となり得る。
P2Cの手段としては、地経学的な要素が中心で、例えば経済制裁、兵器・技術の禁輸、エネルギーの供給または停止、攻撃的サイバー戦、海上阻止行動、敵の敵(Adversaries’ Opponents) に対する支援(例えば、中国と南シナ海の領有権を争うフィリピンに対する支援)などである。
P2Cは、平時において我が意思を相手に強制することのできる有力なパワーである。

図1「目的達成のためのパワー」出典:The Power to Coerce
4 地経学(Geoeconomics)による対処
ここで、P2Cの代表的な手段である地経学的手段について考えてみる。
地経学は、地政学と共に長い歴史を持ち、国家安全保障戦略の重要な要素である。最近、地経学の重要性が再認識されているように思う。例えば、オバマ大統領が多用する経済制裁の発動(クリミアを併合したロシアに対する経済制裁)や経済制裁の解除(イラン核合意に伴う経済制裁の解除)はその典型例である。
そして、地経学の復権を象徴するかのように、著名なシンクタンクCFR(Council on Foreign Relations:外交問題評議会)に所属するロバート・ブラックウィル(Robert D. Blackwill)とジェニファー・ハリス(Jennifer M. Harris)*4の共著で出版された“ War by Other Means(他の手段による戦争)”は読むに値する良書である。以下、“ War by Other Means”を紹介しながら対中不戦而勝戦略を考えてみる。
- 地経学とは何か?
地経学とは、「国益を増進し防護するためおよび有益な地政学的結果を得るために、経済的手段を使用することや、ある国の地政学的目標に対する他の諸国の経済的活動の効果*5」を研究する学問である。
- 主要な地経学の手段
貿易政策、投資政策、経済制裁、サイバー戦(例:中国が米国などの企業秘密を窃取するために実施しているサイバー戦による情報窃取)、経済援助、財政および金融政策、エネルギーおよび商品(commodities)を管理する国家政策(例:ロシアが欧州に対する天然ガスの供給を政治的理由により50回以上停止した)、主要な地経学的資質(例:対外投資をコントロールする能力、国内市場の規模・国内市場をコントロールする程度)
- 地経学に基づく政策的処方箋
ブラックウィルとハリスは、20もの地経学に基づく処方箋を提示しているが、主要なもののみを列挙する。
米国の力強い経済成長、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の批准、政治的・軍事的脅威に焦点を当てた同盟国の地経学的行動、中国に対処するための長期的な地経学的政策の構築、国家が主導する地経学的なサイバー攻撃への対処である。
以上のような地経学の政策的処方箋が平時における対中国戦略の中心になる。そして、平時から有事までを含んだ国家安全保障戦略の重要な政策になるのである。
- 中国による地経学的手段の活用
中国こそ経済力を徹底的に利用した地経学的手段を使った対外政策を行っている国家である。例えば、北朝鮮に対する経済支援(石油や食糧)は、北朝鮮の崩壊阻止や中国の影響力の保持などを狙いとしていて、朝鮮半島情勢に大きな影響を及ぼしている。
わが国に対しても何度も経済制裁などを実施してきた。
例えば、2001年の小泉純一郎首相の靖国神社参拝に反発して、日本車の輸入を年間40~60%削減した。尖閣諸島における漁船衝突事件(2010年)に対する報復として、日本に対するレアアースの対日輸出制限を実施した。
2011年には日本企業の生産拠点と技術の中国への移転を強要する為に再度レアアースを手段に使った。2012年の尖閣諸島国有化の際には、中国からの経済制裁や日本製品不買運動を受けた。
さらに、日本の企業特に防衛産業に対するサイバー戦による情報窃取を繰り返しているが、中国によるサイバー戦はわが国にとって現在も大きな脅威となっていて対策が急務となっている。
しかし、日本は、レアアースを武器とした中国側の攻撃に対して、代替物の開発や入手先の多様化で対応し、結果的にはその後のレアアースの暴落で中国側にも大きな損害が出た。
また日本は、市場を中国外のベトナムなどに求めたために、中国にとってもマイナスの側面が出てきている。いずれにしろ、中国の経済力を利用した攻撃的な対外政策には、こちらも経済的要素を活用した政策で対抗しなければいけない。
- 地経学に基づく具体的な対中国政策
“ War by Other Means”と前述の各シンクタンクの対中戦略を総合して地経学に基づく具体的な対中国政策を導き出すと以下の様な政策になる。
この政策が対中「不戦而勝戦略」の重要な要素になる。
改めて強調するが、地経学的な政策は、日本や米国の国家安全保障戦略の核となる重要な要素であり、わが国においても政府およびNSC(国家安全保障会議)を中心として体系的かつ総合的に検討されるべきものである。
・地経学的政策に関する日米のコンセンサスの構築。日本単独ではなく、米国との協調が不可欠であり、日米のNSCなどにおける緊密な調整が不可欠である。
・強い日本経済および米国経済の維持・増進。これは地経学の基盤である。
・米国の同盟国および友好国に対する国力増強を支援[例えば、経済援助、沿岸警備隊(coast guard)の能力構築に対する支援]する。これにより中国のパワーを相殺する。
・サイバー戦能力の向上による中国のサイバー戦への実効的な対処を実施する。防御的なサイバー戦のみでは限界があり、より積極的なサイバー戦により中国のサイバー戦を抑止すべき。
・中国に対する経済制裁、特に中国のサイバー戦による情報窃取(cyber theft、cyber espionage)に対する経済制裁、WTO(世界貿易機関)の規則に違反した鉄鋼などのダンピングに対する制裁を実施する。
・中国に対する投資や技術協力を戦略的に実施する。
・中国に対して有利な経済関係を構築する。選択的にグローバリゼーション(TPPやアジアインフラ投資銀行AIIBへの関与など)を深化させ、中国が完全に市場を開放した時のみこれを受け入れる。市場を開放しなければ中国を除外する。
・中国国内の民主主義グループに対する支援を実施する。
*4=Robert D. Blackwill, Jennifer M. Harris, “War by Other Means”, Belknap Press of Harvard University Press
*5=“War by Other Means”、P20
5 中国の不戦而勝戦略=サラミ・スライス戦略にいかに対処するか?
- 中国のサラミ・スライス戦略の成功
中国の不戦而勝戦略の具体的な戦略の1つがサラミ・スライス戦略(salami-slicing strategy)であり、サラミ・スライス戦略の具体的な作戦の1つが「戦争には至らない準軍事作戦」POSOW(Paramilitary Operations Short Of War)であり、POSOWの具体的な戦術の1つがキャベツ戦術である。それぞれの戦略、作戦、戦術にいかに対処するかを考えていきたい。
中国の不戦而勝戦略の具体的な戦略は、サラミ・スライス戦略(salami-slicing strategy)である。
私がサラミ・スライス戦略という言葉を初めて使用したのは、2014年6月末、中華民国の国防部に招待されて国際安全保障フォーラムに参加した時であった。出典は、ロバート・ハディック(Robert Haddick)の “Salami Slicing in the South China Sea”である。
サラミ・スライス戦略とは、1本のサラミを丸ごと一挙に盗めばすぐにばれるが、薄くスライスして盗んでいけばなかなかばれない。このように、相手の抵抗を惹起しない小さな行動を積み重ねることにより、最終目標を達成しようとする戦略である。
南シナ海を最終的に中国の海にするために、長い時間をかけて一つひとつの成果を積み重ねてきていて、もしも米国が真面目に介入しなければ、中国の目標は達成されることになるであろう。

図2「中国の領海の主張と各国のEEZ」
中国の南シナ海や東シナ海におけるサラミ・スライス戦略の経緯を概説する(図2参照)。
1950年代にフランス軍の撤退に伴い中国がパラセル諸島(西沙諸島)の半分を占拠、米軍のベトナム撤退に伴い75年ベトナム軍との戦いに勝利しパラセル諸島全域を支配、80年代に在ベトナムソ連軍縮小に伴いスプラトリー諸島(南沙諸島)に進出。
1988年スプラトリー諸島6か所を占領、在フィリピン米軍撤退に伴い95年フィリピンのミスチーフ礁を占拠、2012年にスカボロー礁において中国船とフィリピン沿岸監視船の睨み合いの末にフィリピンが撤退し、中国がスカボロー礁を事実上支配。
2014年からスプラトリー諸島で大規模な人工島を建設、2015年から2016年にかけて人工島の軍事拠点化(3000メートル級の滑走路の建設、対艦ミサイルや地対空ミサイルの配備など)を進めている。
これらの事実の一つひとつがスライスされたサラミの一片であり、60年以上をかけて中国の南シナ海の聖域化が進行しているのである。
人工島については、中国のみが構築しているのではなくて、図3が示すように各国が建設しているが、その規模と機能が圧倒的に違うのである。3000メートル級の滑走路を保有することによりいかなる航空機でも離発着可能となるし、港湾の整備により大型艦艇の利用も可能となる。

図3「滑走路比較」 出典:AMTI、CSIS

図4 「南シナ海における海上監視距離」出典:AMTI、CSIS
図4を見てもらいたい*6。各国の航空機がスプラトリー諸島の滑走路を使用した場合の飛行半径である。中国は、ファイアリー・クロス礁の滑走路を洋上監視機Y-8Xが使用したとして1000マイル、爆撃機H-6Gが使用したとして3500マイルの戦闘半径を有する。
また、戦闘機J-11の場合は870マイルの戦闘半径を有する。人工島を利用して何が可能かを以下に数点列挙する。
・洋上監視機Y-8X、レーダー設置などによる海上監視能力の向上が期待できる。
・やがて対艦ミサイル及び対空ミサイルを配備することによりA2/AD能力の向上が期待できる。
・戦闘機部隊の訓練基地とし活用する(日本の硫黄島と同じ)。
・中国が海の万里の長城と呼ぶ海底監視網の構築の作業拠点として活用できる。
- 中国のサラミ・スライス戦略への対処要領
・米国が、中国に対して越えてはいけない線(レッドライン)を明確に引き、レッドラインを越えると軍事行動を辞さないことを外交などを通じ中国に警告し続けることが重要である。
レッドラインの設定と相手がレッドラインを越えた時の軍事行動の決意がないと、中国のサラミ・スライス戦略を打破することはできない。
中国の狙いは、人工島を領土、その周辺12カイリを領海、その上空を領空であると主張し、その主張を軍事力で強制することである。結果的に南シナ海の大部分が中国の領海やEEZになってしまう。
米軍のみならずすべての国家の艦船や航空機が航行の自由および飛行の自由を制限される事態になる。
このような事態は絶対に避けるべきである。中国が尖閣諸島周辺の日本の領海内に侵入をしつこく繰り返しているが、その行動を我々も見習うべきである。
米国が設定すべき南シナ海におけるレッドラインは、「FONOPを実施する米軍の艦艇や航空機に対する中国PLAによる攻撃」である。FONOPに対する軍事力をもってする攻撃だけは絶対に許してはいけない。
結論として、米海軍は、航行の自由作戦FONOPを頻繁にしつこく継続することが重要である。
オバマ大統領は、東シナ海や南シナ海におけるFONOPに関する権限を米海軍に完全に分権し、過度の統制を加えるべきではない。米海軍の行動に連携して海上自衛隊やオーストラリア海軍もFONOPを実施すると一層効果的である。
・東シナ海におけるレッドラインは、「航空機による領空侵犯および尖閣諸島への上陸」である。絶対にこの2つを許してはいけない。
・さらに、米国を中心として米国の同盟国(日本、オーストラリア、韓国、フィリピン、タイ)と友好国(インドやASEAN=東南アジア諸国連合など)で連合を形成し中国の地域覇権を抑止するべきである。
・紛争当事国であるフィリピン、ベトナム、インドネシア、マレーシアなどの対処能力の向上である。当事国自身の自助努力を前提として、日米はこれらの諸国の能力構築に協力すべきである。
・日米は、南シナ海の領土及びEEZ問題全ての多国間による解決をサポートすべきである。この行動は、中国を除くすべての関係国の支持を得なければいけない。多国間での解決は、国際規準に則った合理的な解決のための努力であるが、中国をさらに孤立させることになろう。
・日米は、伝統的な共同演習、ISR(情報・監視・偵察)を十分な頻度と規模で実施すべきである。その行動は、前例となり権利を確立することになる。
・米国は、国連海洋法条約(UNCLOS)を批准すべきである。米国はUNCLOS批准国でないために中国に十分に反対できてない。
*6=この図では台湾のP-3Cがスプラトリー諸島のItu Aba 島の滑走路を使用したら1549マイルを監視できるとしている

図5「中国のキャベツ戦術」出典:渡部作成
6 中国の「準軍事組織による戦争に至らない作戦」への対処
中国は、サラミ・スライス戦略の一手段としてPOSOW(Paramilitary Operations Short Of War) *7(準軍事組織による戦争に至らない作戦)を南シナ海やわが国周辺海域で多用している。
POSOWの特徴は、軍事組織であるPLAN(人民解放軍海軍)を直接使用しないで、非軍事組織(海上民兵=武装した漁民、海洋調査船)および準軍事組織(中国の沿岸警備隊である海警局)を使用して目的を達成する点にある。
図5「中国のキャベツ戦術」を見てもらいたい。中国が得意なキャベツ戦術では、以下のような戦術がとられている。
①武装した漁民が乗った漁船で攻撃目標(例えば、フィリピンの漁船、奪取したい島)を取り囲む。
②漁船や海洋調査船の保護を名目に海警局の舟艇が漁船の周りを取り囲む、しばしば相手国の沿岸警備部隊の舟艇の活動を妨害する。
③PLAN(人民解放軍海軍)が海警局の舟艇の外側で、特に相手国の海軍艦艇を警戒監視する。
中国のPOSOWは日米に対して極めて効果的な作戦である。POSOWは、日米の法的不備をついた作戦である。軍事組織でない漁船や海警局の舟艇に対する直接的な対応が取れない。
最近の実例を紹介する。
米太平洋艦隊司令官のスコット・スウィフト大将によると、航行の自由作戦を実施した昨年10月のイージス艦ラッセンと今年1月のイージス艦カーティス・ウィルバーの周辺に海上民兵が乗った船が近寄ってきて、両艦艇を取り囲んだという。
当然ながら漁船の周辺にはPLANの艦艇がいた。2014年5月、中国が西沙諸島で石油掘削リグをベトナムとの調整なく設置した際にも、キャベツ戦術を活用した。
それでは、キャベツ戦術をはじめとする中国のPOSOWにいかに対処するか。
最も重要なことは、紛争当事国であるフィリピン、ベトナム、インドネシア、マレーシアなどの対処能力の向上である。
海軍・空軍、沿岸監視部隊の能力向上などの当事国の自助努力を前提として、日米はこれらの諸国の能力構築に協力すべきである。日本のフィリピンやベトナムに対する海上保安庁の中古船舶の譲渡や売却は有力な案であるし、共同訓練による能力向上に寄与することも重要である。
*7=Mohan Malik, “America and China’s Dangerous Game of Geopolitical Poker”, The National Interest, June 18, 2014
結言
ワシントンD.C.所在の著名なシンクタンクの提言には、オバマ政権の南シナ海などにおける対外政策があまりにも中国に対して寛容すぎたことへの批判が背景にあり、各シンクタンクの対策は中国に対し厳しいものである。
私は、オバマ大統領の広島訪問時のスピーチに代表される高邁な人格には敬意を表する者であるが、南シナ海問題に対する米国大統領としての言動や決心には問題があると思っている。
中国の南シナ海での強圧的行動に対するオバマ大統領の姿勢は、中国に対する配慮が強調され過ぎ、同盟国の懸念や不信感を引き起こしてきた。
例えば、2014年4月の東アジア訪問における日本やフィリピンにおけるオバマ大統領の言動が典型的であるが、オバマ大統領はフィリピンにおいて、「我々の目標は、中国に対抗しようというものでも、中国を封じ込めようというものでもない。我々の目標は、国際的なルールや基準を尊重することであり、それは海洋における論争にも適用される。そして、我々は、国家間の論争において特定の立場に立たない」と発言している。
彼の領土問題で中立的であろうとする態度が中国を大胆な行動に駆り立ててきた側面がある。南シナ海の中国の領有権の主張は南シナ海の大部分に及び、周辺諸国の排他的経済水域(EEZ)の大部分を侵害する形になっている。中国の主張がいいかに荒唐無稽であるかが分かる。
シカゴ大学のミアシャイマー教授は、大国間の勢力均衡において、相手国に明確なレッドラインを明示することの重要性を指摘している。南シナ海や東シナ海におけるレッドラインの設定と中国がレッドライを越えた時の断固たる軍事力の発揮は極めて重要である。
このレッドラインの設定に関してオバマ大統領は、2013年8月、シリアによる化学兵器の使用はレッドラインを越えるものであると軍事的介入を警告しておきながら、最終的には軍事力の使用を断念してしまい、米国の威信を失墜してしまった。
二度と同じ過ちをアジアにおいて犯してもらいたくはない。
結論として、中国に対する不戦而勝戦略の重要な要素が、米国を中心とした対中国連合の構築であり、地経学的手段の活用(経済制裁、経済援助など)、中国のサラミ・スライス戦略に対するレッドラインの設定とレッドラインを越えた場合の軍事力の使用を中国へ明示すること、南シナ海におけるFONOPの継続的かつ頻繁な実施による航行の自由の確保である。
冒頭で言及したデニス・ブレア大将は、日米同盟関係を背景として日米共通の対中国戦略を構築すべきであると主張している。
アジアの安全保障を考えた場合、日米同盟が核となって、米国の同盟国や友好国との連携のもとに中国の強圧的な台頭に対処しなければいけないと改めて思うのである。
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