『トランプ大統領の支持率が不気味なほど安定しているのはなぜか 超党派協力の夢を阻む「教会から疎外された人々」の正体』(9/11ダイヤモンドオンライン 安井明彦)、『ペンス副大統領はトランプの首を斬れるか?ウッドワード本に追随する匿名高官の「内部告発」』(9/10日経ビジネスオンライン 高濱賛)について

9/12阿波羅新聞網<何清涟:中国离明斯基时刻还有多远?P2P为何被选做首个定向爆破点?=何清漣 中国はミンスキーモーメントまで後どのくらい? P2Pは何故最初の(金融リスク)の爆破点に選ばれたのか?>民主主義と市場経済の国と、中国は専制政治下の不完全市場であって、全然違う。中国は経済に介入してコントロールできる力が強い。金融リスクについて言えば、銀行の不良資産(不動産融資と国営企業融資のリスクが最大)、巨額の地方債務(22兆元)、シャドーバンク等があるが、全部貨幣増刷で乗り切って来た。西側と比べ抵抗力が強い。また貨幣ばかりでなく新たな道具も持ちだした。

国際舞台で、中国政府は「空間を以て時間」に換える政策(一帯一路、アフリカを米中貿易戦の第二戦場にする)や「時間を以て空間に換える」政策(引き延ばし戦術、P2Pというリスク小なものを破裂させ地方債務危機を引延しさせる)等、絶えず“日本で言う飛ばし”をしているが“飛ばし”の余地は益々小さくなっている。

米国のリーマンショックはミンスキーモーメントであった。中国も条件は全部揃っている。但し、中国は通貨増刷の手があり、暫くはミンスキーモーメントに入らないだろう。しかし、そのリスクは終始付きまとっている。

http://www.aboluowang.com/2018/0912/1172696.html

9/12阿波羅新聞網<FBI紧盯中共“千人计划” 美企照单解雇一个不漏=FBIは中共の“千人計画”を厳しく監視 米企業はそのまま一人残らず解雇>米中貿易戦が激化するにつれ、FBIは中共の科学技術の窃盗防止を強化し、中共の取り込んだ華僑学者1000人を調査している。米国の研究機構のリストに載っている人間一人残らずは解雇である。このリストの多くはスパイで逮捕された。

FBIは華僑の技術窃盗に打撃を与え、中共の1000人計画は入獄計画に変わった。

FBIはヒューストンの医学センターに出向き、千人計画に名前がある教授や研究員を解雇し、やがてスパイ容疑で逮捕されるかもしれない。また既に逮捕したのはGE主任エンジニアの鄭小清、バージニア理工大学教授張以恒、気象専門家の王春等である。この他元北京大学生命科学院長の餞毅はビザを拒否された。全部1000人計画に名前が載っていた。

今年6月には上院小委員会で「1000人計画:中共の浸透と米国学界への活動」について公聴会を開いた。

在米作家の張林は「中共は技術的に無能なので盗むしかない。同じく在米評論家の藍述は「1000人計画で中共が要求したのは、ずっと中国に住まなくて良い、半年でOK、海外で仕事を続け、研究成果を持ち帰って貰えば良いというもの」と分析した。そのほか今年6月から先端の研究領域に対し中国の研究生のビザは1年限りとした。

日本もスパイ防止法を制定し、学界やメデイアに巣食う中国人スパイと同調日本人を逮捕しませんと。尾崎秀美のようなことが起きてからでは遅いですし、米国が対中戦争をしている時に、同盟国が何もしないでいるのはマズイでしょう。

http://www.aboluowang.com/2018/0912/1172760.html

9/11ZAKZAK<「内通者は国家反逆罪だ!」トランプ氏激怒でホワイトハウスはパニック状態 米情報当局関係者「政権内クーデターの可能性も…状況は最悪だ」>米国の左翼メデイアが政権の内部分裂を企図して仕掛けたものでしょう。日本のモリカケみたいなもの。トランプはフェイクニュースに惑わされず、中国と戦ってほしい。

http://www.zakzak.co.jp/soc/news/180911/soc1809110005-n1.html

安井氏の記事で、トランプは教会から疎外されている労働者の支持を受けているとありますが、トランプの支持母体の中に福音派教会もあります。元々はペンスの支持母体ですが。マックス・フォン・シュラーの本を読みますと黒人の支持率も上がっているそうです。経済が上向いているからでしょう。大統領選の時のように、今でもトランプ支持は口に出せないけれど隠れ支持派が多くいるのではと想像します。

高濱氏の記事では、相変わらずトランプ批判の論調です。ボブ・ウッドワードだってどの程度真実を把握しているかです。ニクソンのウオーターゲートで名を馳せたのなら、ヒラリーのeメールゲートも取材して出版すれば良いのに。トランプよりこちらが大きな問題でしょう。また、ニクソンの盗聴事件よりも国家機密をもらしていたという罪の方が重いのでは。ボブ・ウッドワードは民主党支持と思われます。グローバリストの手先かも。この手合いの言うことは信用できません。こんな情報を垂れ流すだけの日本のメデイアは偏向しているとしか言えません。

安井記事

ジョン・マケイン上院議員の死去により、米国では党派を超えた協力関係があった時代への憧憬が高まった。現実には、トランプ大統領を支持する白人労働者が米国の分断を深刻化させている Photo by Keiko Hiromi

マケイン上院議員死去で感じる「トランプ分断」の深刻さ

米国では、8月25日に亡くなったジョン・マケイン上院議員の告別式が、9月1日に首都ワシントンのワシントン大聖堂で行われた。告別式には党派を超えた多くの参列者が集まった。

マケイン議員の告別式は、そう遠くない昔の米国では、党派を超えた友情が珍しくなかったことを雄弁に示していた。告別式では、共和党のジョージ・W・ブッシュ、民主党のバラク・オバマという2人の元大統領が、相次いで弔辞を述べた。

言うまでもなく、ブッシュ元大統領は2000年大統領選挙の予備選挙、オバマ元大統領は2016年の大統領選挙で、マケイン議員と戦った間柄である。かつての政敵であり、所属政党も違う2人の政治家を、マケイン議員は同じ演台に立たせてみせた。インターネットでは、参列しているブッシュ元大統領が、横に座っていたオバマ元大統領のミシェル夫人に、こっそりキャンディを手渡す映像が拡散し、微笑ましい話題を提供している。

民主党から無所属に転じたジョン・リーバーマン元上院議員は、2008年の大統領選挙に出馬したマケイン議員から、所属政党が違うにもかかわらず、副大統領候補に登用する構想を持ちかけられた経験談を披露した。「党派が違うのに?」とリーバーマン元議員は不審がったが、マケイン議員は「それが大事なんだ」と超党派協力の必要性を力説したという。

幸福な融和の構図を描いたかに見えるマケイン議員の告別式は、深い断絶の存在を浮き立たせる出来事でもあった。複数の元大統領が参列するなかで、現職のドナルド・トランプ大統領は、招待者リストに含まれなかった。トランプ大統領とその支持者たちは、ワシントン大聖堂とは別の「教会」に籠っていたようなものだ。厳粛ながらも温かな告別式とはかけ離れた世界が、今の米国には確かに存在している。

不気味なほど安定しているトンンプ大統領の支持率

マケイン議員が融和の象徴であるとすれば、トランプ大統領は分断の象徴である。その証拠が、不気味なまでに安定的に推移する支持率である。さまざまな騒動が起きる割には、トランプ大統領の支持率は、おおよそ30%台半ばから40%台半ばのあいだに収まっている。

実際に、トランプ大統領の支持率は、過去の大統領と比べても、極端に動きが少ない(図)。「強く支持する」と回答してきた20~30%の熱心な支持者の存在によって、支持率の底割れは避けられている。その一方で、40~50%はトランプ大統領に「強く反対する」と答え続けており、ここから支持率が上昇する余地は少ない。勢い、少数ながら熱心な支持者にかけるのが、トランプ大統領の政治手法になっている。

(資料)ギャラップ社調査により、みずほ総合研究所作成

熱心な支持者は、何があってもトランプ大統領を信じ続けているようだ。8月後半の米国では、いつもは高視聴率をたたき出すFOXニュースの視聴率が、不自然に低い日があった。トランプ大統領の元側近たちが、裁判で有罪評決を受けたり、有罪を認める答弁を行ったりしたと報じられた日である。トランプ支持者はFOXニュースを見る傾向が強いが、大統領にとって都合が悪いニュースが多かった日には、テレビに目もくれなかったようだ。

かつてトランプ大統領は、「私が(ニューヨークの)5番街の真ん中で誰かを銃で撃ったとしても、票を失いはしないだろう」と述べたことがある。確かに熱心な支持者たちは、どこまでもトランプ大統領についていくのかもしれない。

なぜそこまでトランプ大統領を支持し続けるのか。米アトランティック誌は、熱心なトランプ支持者の集まりを、教会に代わるコミュニティとして捉え直す記事を掲載している。

アトランティック誌が描き出すトランプ大統領の政治集会は、大統領による攻撃的な言動や、陰惨な現実描写が多いにもかかわらず、そこに集まった聴衆は、極めて明るい雰囲気に包まれている。支持者の仲間意識が生み出す高揚感は、さながら教会での礼拝のようだという。

実は、これは単なる比喩ではない。トランプ支持者のコミュニティには、実際に教会の代役を果たしている側面がある。トランプ大統領の熱心な支持者は、教会から疎遠になった人たちと一致するからだ。

トランプ大統領の支持者の中核は、労働者階層の白人だと言われる。米国では統計上の制約から、社会階層を教育水準で代替して分析する場合が多いが、近年の米国では、学歴によって教会に通う頻度に大きな差が生まれている。

1970年代以降では、労働者階層と見なされる大卒未満の白人が教会に通う頻度は、大卒以上の白人の2倍以上の速度で減少しているという。現状では、大卒以上の白人では3割程度が「滅多に教会に足を運ばない」と答えている一方で、大卒未満の白人では同様の回答が約半数に達している。

どうやら労働者階層の白人は、教会に集うコミュニティに対し、疎外感を感じているようだ。労働者階層の白人にすれば、教会に集うのは教えを守って成功してきた人たちであり、もはや自分たちが仲間入りできるコミュニティではない。

疎外感を覚える労働者階級が集まる「教会」のような場所

製造業の不振などを背景に、労働者階層の白人の雇用は不安定になっている。そうした暮らしの現実は、教会が唱えてきた勤勉の価値観とは合致しない。また、経済的な苦境は、離婚などの生活の破綻を招きやすい。その点でも、労働者階層の白人は、教会に居心地の悪さを感じるようになっているという。実際に、同じ労働者階層の白人においても、教会に通う頻度が低い人たちでは、離婚や家計の困窮、さらには薬物などへの依存を経験する割合が高い。

教会の側も、労働者階層の白人が多いコミュニティに力を入れるのは難しくなっている。成長の余地が少ない地域では、教会の活動を支えるだけの資金的な余裕が乏しい。労働者階層の白人が教会から離れれば、その教会の経営は難しくなる。教会の活動が縮小すれば、ますます労働者階層の白人は教会から縁遠くなる。まさに悪循環である。

トランプ大統領の支持者は、「忘れられた人々」と形容されることが多い。労働者階層の白人たちは、教会からも「忘れられた人々」になりつつあった。伝統的に教会は、単なる信仰の場ではなく、地域のコミュニティの中心としての役割を果たしてきた。心の拠り所を失った人たちに、教会に代わる居場所を提供してくれたのが、トランプ支持者のコミュニティだった。

宗教色の後退が分断に拍車 様変わりするコミュニティの姿

かつての米国では、政治から宗教色が後退すれば、世論の分断は和らぐと考えられてきた。同性婚や妊娠中絶のような争点では、信仰の有無が対立軸と重なりがちだったからである。

ところが実際には、宗教色の後退は、従来とは異なった論点で、世論の分断を深める結果をもたらしている。教会から疎遠になった人々には、同性婚などの宗教と重なりやすい論点ではなく、人種や国籍といった世俗的な論点で、意見を先鋭化させる傾向があるからだ。実際に米国では、同じ宗教の信者でも、教会活動への参加の度合いが低下するほど、移民に対する意見が厳しくなることが確認されている。

移民に厳しいトランプ大統領の政策は、「トランプの教会」に集うコミュニティの思いを代弁しているのかもしれない。日常生活から教会の影が薄れるのと同時に、対立を諌める訓話を聞いたり、多少なりとも人種間の交流を行ったりする機会は失われた。教会から足が遠のいた人々は、宗教の教えにコミュニティの絆をみつけられなくなったからこそ、人種などの世俗的な観点で仲間意識を強めている可能性がある。

マケイン議員の葬儀を終えた米国では、11月の議会中間選挙に向けた党派間の論戦が熱を帯び始めた。熱狂的な支持者に活路を託すトランプ大統領は、ひたすら自らの教会で語り続ける。

思い返せば、今では融和の象徴とされるマケイン議員も、2008年の大統領選挙では、攻撃的な言動で知られるサラ・ペイリン元アラスカ州知事を副大統領候補に選び、今につながる分断への道筋を開いた側面がある。ワシントン大聖堂を包み込んだ党派を超えた協力への期待は、夏の終わりのはかない夢に過ぎないようだ。

(みずほ総合研究所調査本部 欧米調査部長 安井明彦)

高濱記事

ボブ・ウッドワード記者の新著『Fear:Trump in the White House』。発売前から、ホワイトハウスを大混乱させている(写真:AP/アフロ)

—ボブ・ウッドワード記者の新著『Fear:Trump in the White House』(恐怖:ホワイトハウスのトランプ)を米メディアが大々的に報じていますね。

高濱:発売は9月11日ですが、内容が事前に“漏らされ”、米ワシントンは蜂の巣をつついたような騒ぎです。中間選挙を70日後に控え、トランプ政権も共和党も強い衝撃を受けています。

ホワイトハウスにいる大統領側近や主要閣僚、元政府高官たちがトランプ氏の大統領としての能力や精神状態について赤裸々に暴露しているのですから、騒がないほうがおかしいですね。

—でもトランプ大統領の素行や言動については、マイケル・ウォルフ氏の『炎と怒り』とか、オマロサ・マニゴールト・ニューマン元補佐官の内幕物がすでに暴露していますね。別に新しくはないのではないですか。

執筆終えたウッドワード氏、大統領と11分間電話対談

高濱:それはそうですが、著者であるウッドワード氏のジャーナリストとしての業績や知名度、信用度はこの二人とはけた違いです。同氏は「ウォーターゲート事件」をスクープした伝説のジャーナリストであるだけでなく、その後、リチャード・ニクソン第37代大統領からバラク・オバマ第44代大統領まで8人の歴代大統領についての本も著しています。すべてベストセラーです。

ウォルフ氏には申し訳ありませんが、ウォルフ氏の暴露ものが「手榴弾」だとすれば、ウッドワード氏のは「原子爆弾」です(笑)。

ウッドワード氏は、16年の大統領選の時からトランプ氏について書こうと構想を練ってきたようです。そしてトランプ政権が発足したのを機に、「トランプ・ホワイトハウス」の内情を取材してきました。

取材はこれまでと同じように徹底していました。大統領の周辺で働く側近や閣僚など数十人とインタビューし、そのやり取りの内容はすべて録音しているそうです。インタビューにかけた時間は数百時間に及んだと言われています。

実は、トランプ大統領へのインタビューも試みたのですが、最側近のケリーアン・コンウェイ大統領顧問が「危険を感じたのか」(?)、同大統領には伝えずにウッドワード氏の要請を握りつぶしていたようです。

ウッドワード氏は、執筆を終えた今年8月上旬にトランプ大統領と電話で11分間、話をしています。その時、同大統領は「知っていればインタビューに応じたのに」と言っています。

この電話でのやりとりは録音され、ウッドワード氏はそのトランスクリプト全文を米ワシントン・ポストで公表しています。大記者に対するトランプ大統領の「おもねりぶり」が出ていて興味深いですよ。さすがのトランプ大統領も、やはり伝説のジャーナリストにはたじたじといったところです。
(”Transcript: Phone call between President Trump and journalist Bob Woodward,” Aaron Blake, Washington Post, 9/4/2018)

政府高官も「蛇に睨まれたカエル」

—ところでトランプ大統領の側近たちはどうしてウッドワード氏にこんなにペラペラしゃべってしまったのでしょう。

高濱:本の中身がメディアで報道されるや、ジェームズ・マティス国防長官をはじめとするみなが「そんなことは言っていない」と一応は否定しています。

元側近の一人は、政界専門メディア「ポリティコ」の記者にこう述べています。「ウッドワード記者にしつこく質問されると、みな保身を考えてびびってしまうのだろう。一人が喋った話を彼はダブルチェック、トリプルチェックする。その過程でドミノ効果を呼ぶのだろう」
(”Here Are 5 of the Strongest Reactions to Bob Woodward’s explosive New Book About Trump,” Alex Henderson, AlterNet, 9/4/2018)

屈辱! 「小学5、6年生程度の理解力」

—ところで本には、マティス国防長官が大統領のことを「理解力は小学校5年生から6年生並み」と発言していたことが出てきます……。

高濱:トランプ大統領について誰が何を言っているのか一応、整理しておきます。

〇ジョン・ケリー首席補佐官(退役米海兵隊大将)
「彼(トランプ大統領)は愚か者だ。何事においても彼を説得するのは無意味だ。彼は軌道から外れていて、頭が狂っている。われわれがホワイトハウスで働くのは『狂った街』にいるようなものだ。私はなぜこんなところで働いているのかわからない。今までやってきた仕事の中で最低の職場だ」

〇ゲーリー・コーン前国家経済会議(NEC)委員長(元ゴールドマン・サックス社長)
(トランプ大統領の机の上にあった、米韓自由貿易協定の破棄を主張する書簡をコーン氏がこっそり持ち去ったことについて)
「大統領は私が書簡を盗んだことすら気づかないんだから……」
「彼(トランプ大統領)はプロのうそつき、常習的詐欺師だ」

「事情聴取に応ずるな」と助言した顧問弁護士

〇ジョン・ダウド氏(ロシアゲート疑惑捜査で大統領を弁護してきた前法律顧問)
(モラー特別検察官による事情聴取を受け入れるかどうか、について助言を求められた際に、トランプ大統領に対して)
「あなたはいい証人ではない。大統領閣下、もし事情聴取に応じられるなら、申し訳ないが私はあなたをお助けできません。事情聴取に応じたら(有罪になりうるし)オレンジ・ジャンプスーツ*を着せられるかもしれません」

*:オレンジ・ジャンプスーツは服役囚の中でも凶暴性を帯びた殺人犯などが着る囚人服。

(ダウド氏は、トランプ大統領への事情聴取に反対する理由として、モラー特別検察官に対して)「私は大統領に同席して、(事情聴取に応ずる)大統領が愚か者に見えるのには耐えられない。あなたはその尋問の内容のトランスクリプトを公表するでしょう。ワシントンではすべてがリークされるからだ。海外の人たちは『あいつ(トランプ大統領)がいかに馬鹿か、前から言ってただろう。あいつは正真正銘のボンクラなんだ。われわれはどうしてあんな馬鹿を相手に交渉してるんだ』というに決まっている」

〇ジェームズ・マティス国防長官(退役米海兵隊大将)
(国家安全保障担当者たちが韓国防衛の重要性を大統領に説明したにもかかわらず理解できず。また在韓米軍に関し、米国がなぜ朝鮮半島に人的資源やカネを投入しているのか、問われた同長官が「第三次大戦を防ぐためだ」と答えると、大統領は「われわれは愚かなことをしなければ、もっと金持ちになれる」と納得せず。会談のあと、部下に対して)
「彼はまるで子供のように……その理解力は小学校の5年生か6年生程度だ」

(シリアのバッシャール・アル・アサド政権が化学兵器を使用しているとの疑惑が浮上した際に、トランプ大統領から「アサドを暗殺しろ」との指示が電話であった。マティス長官は「すぐ取り掛かります」と答えたが、部下には動かないように命令。暗殺ではなく空爆作戦を実施した)

—ウッドワード氏の本についてトランプ大統領はどんな反応を示していますか。

高濱:『ザ・ニューヨ―カー』のアンディ・ボロウィッツ記者が大統領の側近から聞いた話だと、大統領はこの本を3日夕刻に入手し、ぱらぱらとめくっていたようです。そして、マティス長官が大統領の理解力が「小学校5年か6年程度」と言っていたくだりに激怒。

「imbecilic」(間抜け、能無し)という言葉(トランプ大統領にはわからないと思われる)が出てきたところで、本を放り投げ、「Book bad!」(最低の本だ!)と大声で叫んだそうです。

もっともボロウィッツ記者は「satire」(風刺)ジャーナリストですからどこまで本当の話かは分かりませんが……。当たらずとも遠からずでは。
(”Trump furious that Woodward’s Book is written at Seventh-Grade reading level,” Andy Borowitz, The New Yorker, 9/5/2018)

NYタイムズは政府高官の「内部告発」を掲載

ウッドワード本の中身が報道された数時間後に、米ニューヨーク・タイムズがトランプ政権の現職政府高官(匿名)の寄稿文の連載を掲載しました。Op-Ed欄(社説の向かい側のページにある署名入り論評)です。内容はトランプ大統領に対する「内部告発」。

「大統領は政策を掌握仕切っていない。どうか我が国の保全に害にならない作法と態度で政策を遂行してほしい」

トランプ大統領はこうした動きにパラノイアになっているようです。まさに「ウッドワード・シンドローム」が広がり始めているのです。

同大統領は昨年来、「裏切者リスト」を作っていて、側近の一人は「大統領は『蛇がそこら中にいる。奴らをたたき出さんといかん』と言っていた」そうです。

トランプ大統領は名誉棄損訴訟ができないこれだけの理由

—トランプ大統領は具体的に何か行動を起こすのですか。

高濱:5日にはツィッターでウッドワード氏を告訴する構えを示唆しています。

「ある人間が特定の人間について実際とはまったく異なるでっち上げのイメージを記事に書いたり、本にしたりしているのになんの懲罰も受けず、罰金も払わずにいるということは恥ずべきことではないのか。なぜワシントンの政治家たちが現行の名誉棄損法を改正しないのか、俺にはわからない」

しかし、この問題をめぐって名誉棄損で訴えるといっても実際にできるかどうか。

というのも米国では、「報道内容は事実でない」ことと、それが「現実の悪意」をもってなされたことを被害者(この場合トランプ大統領です)が立証せねばならないのです。また報道する者には「取材源の秘匿」が保証されています。ということは被害者が極めて制約された状況の中で、加害者が自分の名誉を棄損した「事実」を立証せねばならないことになります。これは言ってみれば至難の業です。
(参考:日本経済新聞朝刊、2/17/2017

—トランプ大統領が「名誉棄損法の改正」を口にした背景にはこうした事情があるのです。

今のところ、トランプ大統領自身、何もできない状況にある。そうなると、米世論や米国民が、この本に書かれた「事実」をどう判断し、どう行動するか、が問題ですね。

高濱:主要メディアのジャーナリストやコメンテーターは「待ってました」とばかりにトランプ大統領の言動を叩いています。

従来からトランプ大統領に批判的なワシントン・ポストのコラムニスト、ジェニファー・ルービン記者はこの本が明らかにした「事実」について5つの点を指摘しています。

①この本でトランプ大統領のやり方を批判していたゲーリー・コーン氏をはじめとする真面目な側近たちはトランプ政権を去ってしまった。今後誰が、この大統領を補佐していけるだろうか。

②トランプ大統領を一番よく知る何人かの側近が「大統領は嘘つきだ」と言っている。その大統領は世界の指導者たちと会談した時、いったい何を話しているのか。外交にかかわる大問題だ。

③主要ポストに就いているマイク・ポンペオ国務長官やケリー首席補佐官たちはトランプ大統領の性格や言動を知っていて、なお仕えている。(面従腹背を貫き通す彼らに)要職が務まるだろうか、国家は本当に機能するだろうか。

④側近が「知的能力、倫理観が欠如」していると指摘するトランプ大統領を共和党は本気で支え続けるのか。共和党は背骨なき政党であり続けるのか。

⑤このままの状態が続くことは、米国には民主主義が存在しないことを意味する。憲法修正第25条4節を適用して大統領を解任することができないのか、できないとすれば大統領弾劾とか辞任要求といった高まりが出てきてしかるべきだ。
(”The dilemma Woodward’s book raises about Trump,” Jennifer Rubin, Washington Post, 9/5/2018)

一方、トランプ支持の保守系フォックス・ニュースは、ホワイトハウスの内実をウッドワード氏に暴露したり、ニューヨーク・タイムズに匿名で寄稿文を書いたりする政府高官たちを激しく批判しています。同ニュースのハワード・カーツ解説員は「(政府高官による)並外れた政治的不義だ」と攻撃しています。

またトランプ大統領が6日に「ニューヨーク・タイムズは、臆病な匿名寄稿者を国家安全保障上の理由から政府につき出せ」とツイートした、というニュースを大々的に報じています。
(”Kurtz: Anonymous NYT Op-Ed a ‘Colossal Act of Political Disloyalty’,” Fox News, 9/6/2018)

ペンスは「明智光秀」ではなく、マティスも「シーザー」でない

—ルービン記者が指摘している憲法修正第25条4節は、確か、副大統領が大統領の政策運営を見ていて「こりゃ、どうしようもないわ」と思ったら、閣僚の過半数から賛同を得て、大統領を解任するよう議会に申し立てることができる。大統領の不服が認められなければ、「玉座」から引きずり降ろされるというものですね。

高濱:その通りです。前述のルービン記者も触れてはいますが、どことなく腰が引けたようなニュアンスで指摘しています。

筆者はこの件について、2人のベテランジャーナリストと話をしました。どちらも異口同音にこう指摘しています。その「ココロ」はこうです。

「問題は二つある。一つはマイク・ペンス(副大統領)という人物は小心者で日和見主義者。そんな大芝居が打てる器じゃない。それに自分が動かなくてもトランプが弾劾される可能性だってある。危ない橋は渡らないね」

「主要閣僚を見渡すと、トランプの数少ない忠臣であるマイク・ポンペオ(国務長官)がトランプを裏切るとは思えない。マティス(国防長官)は謹厳実直な職業軍人。軍人で政治家のジュリアス・シーザー*にはなれないんじゃないか」

*:ジュリアス・シーザーはシェイクスピア劇に出てくる軍人・政治家。グナイゼナウ・ドラベッテ執政官らを告発・失脚させ、最終的には終身独裁官になる。

つまり日本流にいえば、ペンス副大統領は織田信長に謀反を起こした「明智光秀」にはなれない、というんですね(笑)。

金正恩は「非核化」からますます遠ざかる

—ところで、この本には外交政策をめぐる大統領と側近とのやり取りも出てきますね。この本が出版されたことで、目下のところ暗礁に乗り上げている北朝鮮の非核化を巡る交渉に影響が出ませんか。

高濱:この本にはトランプ大統領がアサド大統領の暗殺を指示したり、北朝鮮に対する先制攻撃についてジョセフ・ダンフォード米統合参謀本部議長と協議していた話が出てきます。

先の米朝首脳会談でトランプ大統領は北朝鮮の現政権を維持することを約束し、それが非核化の条件になっています。であるにもかかわらずトランプ大統領がまだ先制攻撃や斬首作戦を考えていたとなると、金正恩朝鮮労働党委員長は「やっぱりそうだったのか」とビビるに違いありません。となると、非核化交渉は進展しません。

北朝鮮の核問題を専門とするビプン・ナラングMIT(マサチューセッツ工科大学)准教授はこうツイートしています。「究極的な非核化をすることは絶対にないだろう。核心は、この点(米国が北朝鮮の体制を確実に保証するかどうか)なのだ」
(”Bob Woodward’s Trump book could freak out North Korea,” Alex Ward, Vox, 9/5/2018)

有権者は「経済」でトランプ共和党を選ぶのか

—最後に中間選挙に与える影響は。

高濱:この本が出版されたあとに行われた世論調査の結果はまだ出ていませんが、9月6日時点の支持率をみると、民主党が共和党に数%の差をつけています。

米ロサンゼルス・タイムズ/USC(南カリフォルニア大学)共同調査は「共和党が勝つか、民主党が勝つかは、有権者がトランプ政権の経済政策を支持するかどうかがカギ」と見ています。この調査は、16年の大統領選の際、主要世論調査機関で唯一、トランプ候補の勝利を予測したものです。

問題は、トランプ政権下で経済が好調なことです。消費活動は活発。失業率(3.9%)は18年ぶりの低い水準を維持している。平均賃金は前年度比2.7%増と伸びました。

有権者は、経済さえよければ「神経衰弱に陥っているトランプ・ホワイトハウス」に目をつぶるのか、どうか。もう少し様子を見ないとわかりません。

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『中国・配車アプリ運用タクシー、性暴力の温床に シェアリング・エコノミーを標榜したサービスの実態』(9/7日経ビジネスオンライン 北村豊)について

9/10阿波羅新聞網<北京掉入比美苏争霸更深陷阱 川普要制止美对中共疯狂援助——斯里兰卡抗议中共“一带一路”=北京は米ソの覇権争い時より深刻に トランプは中共の狂った援助を止めさせようとしている スリランカは中共の一帯一路に抗議>政治評論家の陳破空は「米中関係はレーガン時代に入った」と。意味するところは①ソ連と軍拡競争をして最後にはSDIを持ち出し、ソ連を崩壊させた②日本をプラザ合意で円高にし、日本の経済力がグローバルに及ぶのを防いだ。中共は既にこの二つの陥穽に陥っている。この場面での対決は不可避であると。

9/5スリランカ・コロンボで数万人がラジャパクサ前大統領の指導の下に抗議デモ。(彼が中共と関係していて、賄賂を取ったと思われるのに、シリセーナ政権を打倒するために動いているとしか思えません。民衆は純然たる反中・反売国で動いていると思います)

http://www.aboluowang.com/2018/0910/1171820.html

9/11看中国<王岐山将会晤华尔街高管 半数受邀者缺席(图)=王岐山はウオール街の高層との会議を準備 しかし招待者の半数は欠席 >FTの報道によると、「9/16北京で米中円卓会議を開催予定。半年に1回開催され、今回は周小川前人民銀行総裁とジョン・ソーントン前ゴールドマンサックス・現バリック・ゴールド会長が司会を務める。招待を受けたのはブラックストーン、シテイバンクG、ゴールドマンサックス、JPモルガン・チエース、モルガンスタンリー等。欠席が多いのはトランプ政権を説得するのが難しいから。

「消防隊長」の渾名を持つ王岐山はエマニュエル・シカゴ市長(オバマの腹心)やイーロン・マスクと会ってから2ケ月後に登場。王岐山と雖も米国の方針を変えるのは難しいだろう。

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/09/11/870567.html

9/11NHKニュース 6:43<キム委員長の書簡「非常に友好的」米政権も再会談に前向き>北は事大で米中どちらでもつけるように動いていると思われます。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180911/k10011623711000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_045

北村氏の記事で、配車アプリの白タクが如何に危険か分かろうと言うものです。利便性と安全性どちらを取りますかと聞かれれば、確率論にも依りますが安全性を取るでしょう。それでも、自動車の運転、飛行機の利用はします。まあ、配車アプリで強姦殺人に遭う確率も低いのかも知れませんが、民度の問題もあります。

日本で配車アプリを使った白タクを認めれば、タクシーの運転手が食い上げになります。タクシー会社に配車手配、相乗りを認めた方が良いのでは。タクシーが足りないというのであれば、新規のタクシー会社を認めれば良いでしょう。知らない人間の運転する車に乗るのは危険としかおもえません。まあ、小生は糖尿対策で歩きますけど。

記事

運転手が利用客を殺害した滴滴出行のアプリ(写真:Imaginechina/アフロ)

2012年6月、“北京小桔科技有限公司”が開発した配車アプリを運用したタクシーの配車サービスを北京市で始めた“滴滴出行”は、当初は北京市内だけに限定していたタクシー予約サービスを順次全国各地へ拡大している。これと並行して、滴滴出行は、配車アプリを通じた“滴滴順風車(相乗り車)”(以下「順風車」)、大中都市における“礼橙専車(中高級商務専用車)”、さらには“滴滴外売(料理の宅配)”なども展開している。ちなみに、“滴滴出租車(滴滴タクシー)は、全国380カ所以上の都市に180万人の運転手を抱えている。

滴滴出行の発展を見越した米国アップル社は、2016年5月に滴滴出行に対して10億ドルの投資を行った。また、同年8月に滴滴出行は米国配車サービス大手のウーバー・テクノロジーズ(Uber Technologies Inc.)が中国に設立した「Uber中国」を株式交換で傘下に収めると同時に、ウーバーに対し10億ドルを投資し、ウーバーの株主(比率1.47%)となった。滴滴出行は世界進出も視野に入れており、メキシコ、香港、日本、ラテンアメリカに照準を定めている。日本ではソフトバンクと提携し、今秋にも大阪で配車サービスの試験運用を予定している。

さて、滴滴出行が運営している順風車は、“順路(道すがら)”に“併車(相乗り)”する車という意味で、“同路人(同じ所へ行く人)”が1台の車に同乗することで、交通混雑を緩和し、環境保護にも貢献するというシェアリング・エコノミーを標榜するものである。順風車を利用したい人は順風車のアプリ上の地図で自分の場所をクリックすると、その周辺にいる順風車の運転手に指示が行き、その場所で待っていると、順風車が到着して目的地まで運んでくれる。但し、目的地に向かう途上でアプリ上に他の乗客からの利用希望が入れば相乗りとなる。この際、他の乗客の目的地によっては迂回して、先の乗客の目的地到着が遅れることも有り得る。

なお、順風車の運転手として登録するには、4ドアで、価格が8万元(約132万円)以上、車齢が6年以内の乗用車を所有し、1年以上の運転歴を持ち、スマートフォン(以下「スマホ」)を所有していることが基本条件となっている。単純化して言うと、その条件を満たしている人が、自分の氏名、身分証明書番号、運転免許証番号、スマホ番号などを順風車アプリに登録し、自分の顔写真を添付すれば、滴滴出行の審査を経て、誰でも順風車の運転手になれる。この安易さが順風車の運転手による犯罪を誘発する原因となっているのである。

2018年8月24日の13時15分頃、浙江省“温州市”の管轄下にある“楽清市”の“虹橋鎮”に住む19歳の“趙培晨(ちょうばいしん)”は、友人の誕生日を祝うために、自宅前からの配車を依頼した順風車に乗った。趙培晨を見送った母親は、彼女が自宅から100mほど離れた場所で黒色の乗用車に乗り込むのを見届けてから家に戻った。友人の家は温州市に属する“永嘉県”にあるが、虹橋鎮からは60km前後の距離なので1時間位で到着し、趙培晨は友人と落ち合った上で一緒に温州市内へ向かう予定だった。

虹橋鎮は楽清市の中部にあり、中国十大名山の一つで風光明媚な“雁盪山(がんとうさん)”の南麓に位置する。趙培晨は中学卒業まで虹橋鎮で育った。中学を卒業すると、“温州大学”の「5年制幼稚園教諭コース」に進学し、5年の時間をかけて“大専(高等専門学校)”卒業の資格を取った。卒業間近に温州の幼稚園で実習に入り、そこで1年間働いた後に、“杭州市”にある親戚が経営する会社へ移り、事務員として1年間働いた。しかし、趙培晨は彼女を心配する父親に呼び戻されて、1カ月前に親戚の会社を退職して、虹橋鎮へ戻ったばかりだった。

情報開示を拒絶した滴滴出行

趙培晨が乗った順風車は国道104号線を永嘉県へ向かって走っていたが、いつの間にか104号線を外れて脇道に入り、山道を上り始めた。これはおかしいと気づいた趙培晨は、14時10分頃にメッセージングアプリ“微信(WeChat)”を通じてある友人宛に「この運転手は車が1台も通っていない山道を走っている。すごく怖い」と連絡を入れた。それから5分後に趙培晨は別の友人宛に「助けて、急いで助けて」と連絡した。この救助要請の連絡を見た友人が趙培晨に状況確認をしようとした時には、趙培晨のスマートフォンは電源が切れていた。

15時頃、趙培晨の母親は趙培晨のスマホへ電話を入れて、彼女が永嘉県に到着したかを確認しようとしたが、電話はつながらなかった。一方、趙培晨から連絡を受けた友人は、15時42分、16時、16時13分、16時28分、16時30分、16時42分と計7回も滴滴出行へ電話を入れて、事情を説明して趙培晨が乗った順風車の車両番号と運転手の電話番号を教えるように依頼したが、先方は警察から正式な依頼がなければ個人情報は教えられないと情報開示を拒否した。16時頃、趙培晨の家族は当該友人と連絡が取れ、友人から状況を確認した後に地元の公安局へ事件を通報した。ところが、公安局は車両番号がなければ立件できないとして、滴滴出行に連絡して失踪事件として立件した。滴滴出行が素直に情報を提供していれば、すぐにも公安局が動いたのに、滴滴出行の杓子定規な対応により貴重な時間を数時間浪費した。

一方、楽清市には民間人が自発的に組織した“龍之野救援隊”という名の救助隊がある。彼らは17時頃に趙培晨の家族から順風車に乗って永嘉県へ向かった趙培晨が行方不明との連絡を受け、捜索の要請を受けた。32人で構成される龍之野救援隊は速やかに準備を整えて捜索に出発した。彼らに同行したのは、地元派出所の警官および趙培晨の親戚と友人たちで、合計130人程が捜索を行った。日付が変わった8月25日の早朝には雨が降り出した。捜索は雨を突いて朝4時頃まで行われたが、天候悪化と捜索範囲が広すぎることから一時中断することになった。

“楽清市公安局”は、滴滴出行から提供された情報を基に趙培晨を載せた順風車の運転手を特定し、25日午前4時頃に楽清市の“柳市鎮”に住む27歳の“鍾元(しょうげん)”を逮捕した。鍾元を公安局へ連行して取調べを行った結果、鍾元は趙培晨を強姦した後に殺害したことを認め、遺体を遺棄した場所を自供した。この自供に基づき公安局が現場へ急行すると、遺体は“淡渓山区”の樹林の中に隠されていた。公安局に同行した龍之野救援隊隊長の“劉暁光”によれば、「趙培晨の遺体は頭を上に、脚を下にして斜面に横たわり、両脚を縛られていたが、衣服に乱れはなかった。但し、どのように傷ついたか分からないが、左手に傷口があり、あたり一面に血痕が飛び散っていた。また、趙培晨の表情には苦しんだ様子はなく、両眼は閉じていた」という。

遺体発見後、公安局員と救援隊員は趙培晨の遺体を担架に乗せて樹林の中から運び出した。劉暁光は、「趙培晨の遺体を発見したのは、雨が最も激しく降っていた時だった。長年の捜索で、道に迷ったり、転落死した人を見て来たが、このような事件に巻き込まれた遺体は初めてで、心が重く感じられた」と述べた。

事件の全貌が公表されると、インターネット上に重要情報の書き込みがあった。それは次のような内容だった。すなわち、事件発生の2日前に“林”姓の女性が虹橋鎮の“紅杏路”で順風車の配車を依頼したところ、楽清市“翁●鎮”へ向かう順風車が到着した。彼女が車に乗り込みと、運転手は口実を設けて予約を取り消し、本来の道から脇道にそれた。異常を察知した女性は、車のドアを開けて飛び降りると必死で逃げた。運転手は彼女を数百メートル追いかけて来たが、彼女が「まだ追いかけてくるなら、警察に通報する」と叫ぶと、運転手は元来た道を引きかえって行った。彼女は当該順風車のナンバープレートを写真に撮っていたので、微信を通じて滴滴出行宛に状況説明を行うと同時に、ナンバープレートの写真も送付していた。その2日後に発生したのが趙培晨の事件だった。

その後に判明したところでは、この林姓の女性を乗せた順風車の運転手は逮捕された鍾元であった。林姓の女性から情報提供があったにもかかわらず、滴滴出行はこれを放置し、鍾元を野放しにしたことが、趙培晨の殺害につながったことは隠しようのない事実である。中国のネット上には、目元を隠した趙培晨の写真が何枚か掲載されているが、そこに写っているのは映画やテレビに出て来そうな可愛い美人で、楚々とした風情は際立って魅力的である。このような鄙(ひな)には稀な美人が強姦されてから殺害されたと思うと、犯人に憤りを禁じ得ないし、“掌上明珠(最愛の娘)”を失った両親の落胆ぶりが想像できる。

ところで、順風車の運転手による殺人事件は、2018年5月5日にも河南省“鄭州市”で発生していた。殺害されたのは“祥鵬航空”の“空姐(スチュワーデス)”で、21歳の“李明珠”であった。彼女は勤務を終えて鄭州空港から鉄道の鄭州駅へ移動する際に順風車を利用し、順風車の運転手によって強姦された後に殺害されたのだった。この時、滴滴出行は100万元(約1650万円)の懸賞金を出して、犯人の“李振華”(27歳)の手掛かりを追及したが、5月13日に李振華は遺体となって市内の川に浮いているのが発見された。自殺したものと考えられている。

サービス停止後、わずか1週間後に再開

事態を重く見た滴滴出行は、5月12日に順風車の配車サービスを停止し、22時から翌朝6時までは順風車の営業を停止するなどの改善策を策定し、わずか1週間後の5月19日からサービスを再開した。それから98日目の8月24日に順風車の運転手による強姦殺人事件が再発したのである。一般の免許所有者が登録するだけで運転手となれる相乗りサービスの順風車は、配車を行う滴滴出行が運転手の身元保証も含めて乗客の安全を保障するから成り立つのであって、強姦殺人を犯すような性的異常者を野放しにしていたのであれば、順風車を利用する乗客が滴滴出行に求める「信用」と「安全」を喪失するのは当然のことである。

50件の性暴力と滴滴の業務改革

5月19日に滴滴出行がわずか1週間で業務改善を行ったとして順瘋車の営業を再開したことを受けて、広東省の週刊紙「南方週末」は5月24日号で「50件の“性侵犯(性暴力)”事例と滴滴の業務改革」と題する記事を報じた。その概要は以下の通り。

【1】過去4年間にメディアが報じたり、関係部門が処理した滴滴出行の運転手による性暴力やセクハラ事件は少なくとも50件あり、ほぼ毎月起こっている。50件のうち、“故意殺人事件”は2件、強姦事件は19件、強制猥褻事件は9件、行政処罰事件は5件で、まだ立件されていないセクハラ事件が15件であった。犯罪行為を行った運転手は50人で、被害者は53人で全て女性であり、そのうち7人は性暴力を受けた時には酩酊状態にあった。

【2】事件を起こした運転手50人の年齢は、年齢が公開された21人のうちで、最高が40歳、最小は22歳であった。また、53人の被害者の年齢は、年齢が公表された22人のうちで、最高が33歳、最小は16歳だった。50人の運転手のうち、少なくとも3人は人身の安全に危険を及ぼす前科が有ったが、“三証験真(身分証明書、運転免許証、車検証が本物かどうかの検査)”をパスしていた。これら運転手の学歴は、学歴が公表された10人のうちで、中学卒業が3人、高校卒業が7人で、総じて高学歴ではなかった。

【3】2018年5月12日から滴滴出行は史上最大の業務改善を行ったというが、5月19日に順風車の営業を再開してからも“咸猪手(広東語の「痴漢」)”の魔の手は依然として女性乗客に伸びているのが実情である。5月5日にスチュワーデスの李明珠を殺害した劉振華は、以前運転免許を取り消され、新たに免許証を取得してから1年未満だった。これだと運転歴が1年以上という基準を満たさず、順風車の運転手にはなれないはずであったが、劉振華は父親の運転免許証を使って“三証験真”と“人臉識別(顔認識)”をパスしていた。順風車は予約を受けて出発する前に運転手の顔認識を行う決まりだが、本人が顔認識を行った後で、別人と入れ替わることも可能である。順風車の運転手をやっている人物によれば、顔認識が採用されてからは、犯罪のコストは高くなり、順風車の危険性は相対的に減少したという。しかし、性的変質者は少なからずいるので、順風車の犯罪を根絶する方法はないのが実情である。

8月24日に乗客の趙培晨が順風車の運転手である鍾元によって殺害されるという強姦殺人事件が発生したことを受けて、滴滴出行は順風車の営業を停止した。自家用車を所有し、運転免許を持つ庶民を相乗りタクシーの運転手に起用するという発想は、中国のシェアリング・エコノミーを牽引する画期的なものだったが、皮肉なことに、性的変質者に性欲を満たす格好の場を与える結果となったのだった。

なお、8月27日、“楽清市人民検察院”は趙培晨殺害の容疑者である鍾元に対し、強奪罪、強姦罪、故意殺人罪による逮捕を承認した。今後、滴滴出行は順風車の営業を再開するかどうかは分からないが、性犯罪を防止する抜本的な対策が打ち出せないのであれば、順風車は廃止を余儀なくされるだろう。企業が信用を失っては、たとえそれが便利なものであったとしても、ビジネスは成り立たないし、社会がそれを許さないはずだからである。

順風車は中国のシェアリング・エコノミーを牽引する画期的なものだったが……(写真はイメージ、PIXTA)

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『米国は中国をいたぶり続ける 覇権争いに「おとしどころ」などない』(9/10日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について

9/8希望之声<左派媒体丧失公信力 川普“推特治国”开创执政新模式=左派メデイアは公の信頼を失う トランプの「ツイッターによる統治」が新たな執政モデルに>

世論調査では左派メデイアは公の信頼を失っている

ロイター研究所とYouGovが共同で18000強の人に調査をかけ、分かったことは、米国人はメデイアに対し「政治的立場のため、見方のずれを加速し、嘘を敢えて修正せず、ワザと情報を隠し、見聞きする人を混乱させる」と思っている。中でも、メデイアは政治的偏見があると思っている人が多く77%の人が賛同した。

驚きなのは、トランプの大統領選から今まで、主流のメデイアはトランプに対して全方位での歪曲報道と恥辱を与えるような報道ばかりなのに、世論調査では上述のような結果が出て驚きである。

ABC、NBC、CBS、NPR、PBS、有線TV、CNN、Fox News、MSNBC、OANやWSJ、NYT、LAタイムズ、WP、USA Todayの内、Fox Newsだけが保守派の共和党の媒体(小さい所は入れず)で、現状は「掃きだめに鶴」か「紅一点」である。

メデイアリサーチセンターがABC、CBS、NBCに行った晩のニュースではトランプ報道がニュースの中心であり、3430項目の内、100時間もそれに充て、総時間の1/3を占めた。吃驚するのは、その内トランプのマイナス報道が90%を占め、真面な報道は10%しかない。

PJメデイアという保守派のメデイアの編集長であるポーラ・ボイラードは8/25に「PCでトランプの情報をグーグルで検索すれば、96%が左派メデイアからのものである」と書いた。

ハッキリしているのは、過去の主流メデイアの政治担当や有名人がマイナスの報道をするが、充分なチエックと証拠もなしに発表する。メデイアは自分の名を汚さないため情報源を匿名にする。トランプに対しては特にそうで、多種多様なマイナス報道をして、二番手、三番手と使いまわしして杜撰である。このような荒唐無稽な現象はフェイクネットサービスの「プロジェクト・ベリタス」に多く現れる。この他、マンマウス大学が今年4月にやった最新の世論調査では、米国民がニュースメデイアに対して嘘を言っているというのが、去年は63%だったのに今年は77%に上がった。

https://www.soundofhope.org/gb/2018/09/08/n2149266.html

9/9看中国<传赖昌星在狱中猝死 贾庆林贾廷安再被聚焦(组图)=頼昌星は獄中で突然死 賈慶林と賈延安は再び注目を集めるアモイでの遠華密輸事件で有名な頼昌星が9/6心筋梗塞で亡くなりました。未だ正式発表はありませんが。(別な?)監獄へ行く途中でとのことですから、中国なので殺された可能性も大です。密輸事件の主犯は江派の賈慶林と言われていましたから。賈慶林は北京書記もしていました。まあ、悪い奴です。頼昌星は心臓病と糖尿病で獄外での治療を訴えていたそうです。賈は習に睨まれて(習の地盤である福建省で起きた事件ですから)は大変とサッサと殺したのかもしれません。

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/09/09/870383.html

鈴置氏の記事でも、米中の世界覇権を巡る争いについて論述されています。見る人が見れば分かる話で、左翼・リベラルは敢えて目を逸らさせようとしているだけです。真田教授の「次は通貨覇権の争い」と言うのもその通りでしょうし、「争いは落としどころなく長期化する」というのもその通りです。平和ボケしている人は、「バカの壁」を作って聞きたくないことは聞かないのでしょうけど。

ただ、米国内の多くのメデイアは上述のように、左傾化していて、トランプを追い落とそうとしているし、それに民主党も与しているのが気になります。打倒中国で共和党も民主党も一致していると言われていますが、民主党の中国からの金の汚染度は高いと思いますので、やはり共和党でトランプの在任中に中国をやっつける道筋を整えていた方が良いでしょう。

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2017年11月に北京で開催されたビジネスフォーラムでそっぽを向いて座るトランプ大統領と習近平国家主席(写真:The New York Times/アフロ)

前回から読む)

愛知淑徳大学の真田幸光教授に米中経済摩擦の行方を聞いた。「米国は中国をいたぶり続ける」と真田教授は見る。司会は日経ビジネスの常陸佐矢佳・副編集長。

やくざの因縁と同じ

真田 幸光(さなだ・ゆきみつ)
愛知淑徳大学ビジネス学部・研究科教授/1957年東京生まれ。慶応義塾大学法学部卒。81年、東京銀行入行。韓国・延世大学留学を経てソウル、香港に勤務。97年にドレスナー銀行、98年に愛知淑徳大学に移った。97年のアジア通貨危機当時はソウルと東京で活躍。2008年の韓国の通貨危機の際には、97年危機の経験と欧米金融界に豊富な人脈を生かし「米国のスワップだけでウォン売りは止まらない」といち早く見切った。

—米中貿易摩擦の展開をどう読みますか。「おとしどころ」は?

真田:米国は中国をいたぶり続けます。「おとしどころ」などありません。台頭する中国を抑えつけるのが目的ですから。これは貿易摩擦ではなく、覇権争いなのです。「終わり」のない戦いです。

鈴置:米国は中国に対し具体的な要求を掲げていません。中国が何をどう譲歩したら25%に引き上げた関税を元に戻すのか、明らかにしていない。やくざが因縁を付けるのと似ています。

真田:まさに仰る通りです。理屈をこねて相手を脅しているのです。もちろん、トランプ(Donald Trump)大統領は「知的財産権の問題――中国が米国の技術を盗んでいるから関税を上げた」と言っています。

実際、中国の盗みはひどい。米国や日本、欧州の先端技術を平気で無断借用する。さらにそれを軍事力強化にも使う。そして無断借用どころか、堂々と自分の特許として出願する。知財の問題で米国が怒り心頭に発し、中国の技術窃盗をやめさせようとしているのは事実です。

でも、中国がどう行動したら「盗むのをやめた」と認定されるのか。米国が「まだ、中国は盗みをやめない」と言えば、関税を戻さなくていいわけです。「中国をいたぶり続ける」ことに真の目的があるのです。

基軸通貨にはさせない

—トランプ政権は習近平政権を倒すまでいたぶる?

真田:そこまでやる必要はありません。中国の国力を削いで行けばいいのです。もちろん、政権が変わることで中国の国家運営のやり方が変わるというのなら別ですが、それは期待できない。

鈴置:人民元は6月半ばから売られ、8月15日には1人民元=7・0を割るかというところまで安くなりました。人民元を暴落させるつもりでしょうか。

真田:米国がやろうと決意すればできます。基軸通貨ドルに、力のない人民元が挑んでも叩き返されます。

ただ米国は人民元を暴落させる必要はありません。「少しの脅しで人民元は揺れた。そんなボラティリティの高い通貨が使えるのか。基軸通貨と言えるのか」とマーケットに思わせれば十分なのです。米国とすれば、人民元が基軸通貨に育たないよう、貶め続ければいいのです。

鈴置:暴落させなくとも、中国は外貨準備の減少に悩むことになります。人民元売りに対抗するために、外準のドルを恒常的に吐かせられるからです。

2018年の上半期、中国の経常収支は赤字に陥りました。海外旅行ブームでサービス収支の赤字が急増したためです。そのうえ、米中摩擦で貿易黒字も減って来るでしょうから、この面からも外準は目減りします。

上海株は落とす

—株式市場は?

真田:為替と異なり、米国は中国の株式市場には甘くないでしょう。中国企業はここで資金調達して急成長してきた。だから、上海株はさらに落としたいはずです。

もちろん、米系金融機関は政府の意向を組んで早くからポジション調整していた。それを見て他の国の金融機関なども追従――売りに出た構図です。

—金融の戦いなのですね。

真田:中国は「一帯一路」計画とAIIB(アジアインフラ投資銀行)のセット商品化を通じ、世界の基軸通貨となるよう人民元を育ててきました。

軍事力を除き、最も強力な武器は通貨です。米国は中国に通貨の覇権を握らせるつもりはありません。だから人民元を叩くのです。

貿易を名分に金融戦争を仕掛け、人民元はヘナチョコ通貨だと知らしめる。するとマーケットは「中国危し」と見て、株も落ちる。こうして実体経済も悪化する。その結果、中国は米国に歯むかう軍事力を持てなくなる、というシナリオです。

工場を取り返す

鈴置:「トランプは安全保障を理解していない」と批判する人が多い。TPP(環太平洋経済連携協定)は中国への投資に歯止めをかけ、軍事力拡大を抑止するのが目的。というのに、参加を取りやめたからです。

しかしトランプ大統領にすれば「TPPなんてまどろっこしい方法をとらなくても、人民元を揺さぶればもっと簡単に目的を達成できるじゃないか」と反論したいでしょうね。

真田先生の指摘した「中国へのいたぶり」。トランプ大統領の参謀であるナヴァロ(Peter Navarro)国家通商会議議長の書いた『Crouching Tiger』(2015年)が予言しています。邦訳は『米中もし戦わば』です。

この本のテーマは中国の台頭を抑え、米国の覇権を維持するには何をなすべきか――。第42章「経済力による平和」では以下のように説いています。『米中もし戦わば』の333ページを要約しつつ引用します。

取るべき方策は明らかに、中国製品への依存度を減らすことだと思われる。この方策によって中国との貿易の「リバランス」を図れば、中国経済とひいてはその軍拡は減速するだろう。

アメリカとその同盟諸国が強力な経済成長と製造基盤を取り戻し、総合国力を向上させることもできる。

一言で言えば「どんな手を使ってでも、中国に取られた工場を米国と同盟国は取り返そう。それだけが中国に覇権を奪われない道なのだ」との主張です。

トランプ政権が発動した一部の中国製品に対する25%の高関税に対しては「中国製品の輸入が止まって米国の消費者や工場が困るだけ」と冷笑する向きがあります。

しかし、真田先生が予想したように、この高率関税が長期化すると世界の企業が判断すれば当然、それに対応します。企業はバカではないのです。

「中国生産」から足抜け

—対応策は?

鈴置:別段、難しい話ではありません。米国向けの製品は中国で作るのをやめ、代わりに中国以外で生産すればいいのです。中国以外で生産能力が不足するというなら、能力を増強すればいい。

ロットの少ない製品は中国での生産と米国での販売をやめてしまう手もあります。中国の根本的な弱点は「中国でしか作れないもの」がないことです。

日経新聞は8月末から相次ぎ、企業のそうした対応を報じています。電子版の見出しは以下です。

日本企業、高関税回避へ動く 中国生産見直し 米中摩擦への対応苦慮」(8月28日)

米フォード、中国製小型車の輸入撤回 25%関税で」(9月1日)

信越化学、シリコーン5割増産 米中摩擦受け分散投資」(9月3日)

米中経済戦争が長期化すると判断した企業が出始めたのです。そもそも中国の人件費の高騰で、組み立て産業の工場は中国離れが起きていました。中国での生産回避は大きな流れになる可能性があります。ナヴァロ議長の作戦通りです。

というわけで、『米中もし戦わば』を再読するビジネスマン、安保関係者が増えています。「米中経済戦争」だけではありません。

「マッドマン戦略」(第38章)、「法人税の引き下げ」(第42章)など、トランプ政権の手口、手法が予言されているからです。「中国の技術窃盗がいかに米国の国益を害しているか」との説明も42章で展開されています。

「いたぶり」は米国の総意

真田:予言書というより、大統領の教科書でしょうね。ただ、「中国へのいたぶり」は、トランプ政権の特殊性というよりは米国の総意であることを見逃してはなりません。

民主党議員からも本件に関しては反対の声は出ません。議会も「中国へのいたぶり」を支持しています。中国から政治献金を貰い、魂を奪われてきた議員も多いというのに。

中国で稼いできたウォール街――金融界も文句を言いません。マーケットとしての中国は大事ですが、自分たちの飯のタネであるドルの優位を人民元に脅かされるとなれば話は別なのです。人民元が基軸通貨になれば中国の銀行にやられてしまいます。

鈴置:最近、米国で「中国スパイの暗躍」が話題になっています。5年前に自身の補佐官が中国のエージェントだったとFBIから指摘され、辞任させた上院議員の話が7月下旬に突然、明らかになりました。

産経新聞の古森義久・ワシントン駐在客員特派員が「中国スパイと断じられた米上院議員の補佐官 慰安婦問題糾弾でも先鋒」(8月14日)で詳しく書いています。

お前はスパイか

8月24日には米議会の米中経済安全保障問題検討委員会が有力シンクタンクや大学に中国が資金を提供し、影響力の行使を図っているとの報告書を発表しました。

China’s Overseas United Front Work』です。産経新聞の「『中国共産党が米シンクタンクに資金提供』 米議会委が報告書発表」(8月26日)が内容を報じています。

中国は1949年の建国当時から100年かけて米国を打倒し世界を支配する計画を立てていた、と警告する本が2015年に米国で出版されました。

『The Hundred- Year Marathon』で、書いたのは中国専門家のピルズベリー(Michael Pillsbury)氏。『China 2049』というタイトルで邦訳も出ています。

CIAの職員だった同氏は親中派から転向。この本では、米国の中国研究者の多くが中国共産党の思いのままに動かされていると暴露しました。

日本のある安保専門家は今や、トランプの中国叩きを批判すれば「お前は中国のスパイか」と非難されかねず、米国の親中派は動きが取れなくなっていると指摘しています。

今、抑え込むべき敵

—米国の通貨攻撃を中国がやめさせる手はあるのでしょうか。

真田:2つあります。まず、世界に向け「米国が世界の通商を破壊する」と訴えることです。G20などでもう、やっています。でも、トランプ大統領はそんな非難にへこたれる人ではありません。

鈴置:むしろ「中国が弱音を吐いている」とほくそ笑むでしょうね。それに世界には中国の横暴に反感を持ち、中国が叩かれるのを待つ空気があります。中国の意見を支持する人はあまりいないでしょうし、下手に賛同すれば「中国のスパイか」と疑われてしまいます。

真田:もう1つの手は、イラン問題で米国と協力することにより、中国への圧迫を緩めて貰う手です。トランプ政権は「中国いたぶり」以上に「イラン潰し」を重視しています。

実はロシアもその手を使っています。7月16日にヘルシンキで開いた米ロ首脳会談の後、トランプ大統領がロシアに極めて甘い姿勢を打ち出し、共和党からも非難されました。

私の聞いたところでは、プーチン大統領から「イランで協力することはやぶさかではない」と耳打ちされたからのようです。

中国も「イランで協力する」と持ちかける手があります。トランプ大統領は中国へのいたぶりを緩める一方で、国民には「対中貿易赤字が減った」とか「雇用が戻った」などと説明するでしょう。

ただ、それで「中国へのいたぶり」を本気でやめるわけではない。時により強弱はあっても、米国は圧迫を続けると思います。中国は「今ここで、抑え込んでおくべき国」なのです。

日本に対してもそうでした。対日貿易赤字が増えると、「日本は米国製品を不公正な手で締め出している」「日本人は働き過ぎ。アンフェアだ」など、ありとあらゆる難癖を付けて日本の台頭を抑え込もうとしたではありませんか。

米国は可能なら、中国も日本同様に「生かさず殺さず」の状態に持って行き、おいしい部分だけ吸い上げる仕組みを作っていくでしょう。

「宇宙での戦い」が始まった

—「中国へのいたぶり」が今年夏になって始まったのはなぜですか?

鈴置:中国の金融は今、いくつもの不安を抱えています。ドルが利上げに向かい、途上国に入りこんでいた外貨が抜け出しやすくなっている。中国企業が世界同時不況の際――2008年に発行したドル建ての債券が発行後10年たって償還期を迎えている。少子高齢化で生産年齢人口の比率が減少に転じ、バブルが崩壊しやすくなっている。

真田:ご指摘通り、金融面で「攻めやすい」状況になっています。ただ私は、米国が今「中国いたぶり」に乗り出した最大の理由は「制宙権問題」だと思います。

中国が宇宙の軍事利用に拍車をかけています。これに対しトランプ政権は宇宙軍の創設を掲げ全面的に対抗する構えです。中国の「宇宙軍」を抑え込むのにはやはり、中国経済を揺らすことが必須です。

現在、米ロが中軸となって国際宇宙ステーションを運営しています。これにクサビを打ち込む形で中国が独自の宇宙ステーションを運営しようとしています(「米中ロがうごめく『金正恩後の北朝鮮』分割案」参照)。

米国とすれば、軍事的な優位を一気に覆されかねない「中国の宇宙軍」は何が何でも潰す必要があるのです。マーケットはそうした米政府の意図を見抜いて中国売りに励んでいるわけです。

覇権に挑戦する国は「宙づり」に

—それにしても、米中の戦いに「おとしどころ」がないとは、目からうろこのお話でした。

鈴置:我々は――日本人は対立した人同士は話し合って妥協点を見いだすもの、あるいは見いだすべきだと思い込んでいる。だから新聞記事は、何らかの解決策があるとの前提で書かれがちです。

でも、話し合うフリはしても妥協など一切せず、相手を苦しい状況に宙づりにして弱らせていく、という手も世の中にはあるのですよね。

真田:覇権争いとはそういうものです。中国を野放しにしておけば、米国がやられてしまう。米国が生き残るには、中国を貶めるしかないのです。

(次回に続く)

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『米中関係は「貿易摩擦」ではなく「新たな冷戦」に突入した』(9/7ダイヤモンドオンライン 塚崎公義)について

9/7希望之声<被解雇的前FBI副局长在接受大陪审团调查=解雇された前FBI副長官 大陪審の調査を受ける>司法省は、前FBI副長官のアンドリュー・マッケイブが個人の利益のためにメデイアに情報漏洩後、連邦検察官が大陪審団を召集し、マッケイブの調査を実施した。証拠が挙がれば、刑事告発を受ける可能性も。クリントン一家の盟友はマッケイブの奥さんの選挙(バージニア州上院議員民主党予備選)の為に献金を沢山した。マッケイブの名はFBIの上級官員ピーター・ストゾックとFBIの前弁護士のリサ・ページの間で交わされた反トランプのメールの中に出て来る。特に、トランプが大統領になるのを阻止するための悪名を轟かせた“保険証書”のショ-トメールの中にである。リサ・ページとピーター・ストゾックは不倫関係にあり、両者はムラー特別検察官がロシアゲートを調査するのに関与して後、辞職させられた。

マッケイブは3月に正式に退職発令の1日前に司法省から解雇された。司法省監察局長のマイケル・ホロウイッツは驚くべき報告を出した。「マッケイブは少なくとも4回、調査要員と前FBI長官のジェームズ・コーメイに嘘をついた、その内の3回は宣誓後である」と。コーメイは司法省監察局の調査結果を支持した。ならばマッケイブをワシントンの連邦検察局に告発すべきである。

報道によれば、マッケイブは2016年8月、新聞記者にヒラリーの電話の内容を伝え、ヒラリーのeメールゲートの調査報道にあって、自分を有利な立場に置こうとした。監察局長は「マッケイブにはこの種の情報を公開する権利はあるが、これをすれば他人の利益となり、FBIの利益にはならない」と思っている。

マッケイブは「辞職したのは、トランプとFBIの戦争が進行中という事だ」と述べた。解雇されてから、法律費用を賄うため、55万$の寄付を募る活動を始めた。後に停止することになるが。

https://www.soundofhope.org/gb/2018/09/07/n2146875.html

9/8阿波羅新聞網<贸易战升级 川普称2000亿后再加2670亿关税=貿易戦のレベルが上がる トランプは2000億の次は2670億と述べた>7日トランプはエアフォース1で記者の質問に、「米国は既に500億$の中国商品に関税を賦課し、今更に2000億$を増やし早くやろうとしている。状況を見ながらであるが。言いたくはないが、もし必要があれば更に2670億$を短時間の内に準備させる」と答えた。

ロイターによれば、クドローは7日インタビューで「役人の公聴会(9/6が最終)の意見取り纏めを待っている所で、トランプが2000億$の関税賦課できるのはそれが済んでから」とのこと。

後を追うように中国株式は、iSharesのETFが1.3%下げ、iSharesのMSCIのETFが0.6%下げた。ベア・マーケットに入った。

http://www.aboluowang.com/2018/0908/1170554.html

9/4ブログぼやきくっくり<9/3真相深入り!虎ノ門ニュース 青山繁晴氏>「で、アメリカはずっとだから中国を頼りにしてくれると、中国人がアメリカの物買うんだからと思っていたら、いきなりその貿易でドカンという戦争をトランプさんが仕掛けて。

 これさっきトランプさんを評価すると言ったのは、ここであって、こんなのトランプ大統領にしかできませんよ。

 まともに考えたらできるわけないんだから。

 でも子供のように、こうバーンとこう飛躍できる頭で考えたら、貿易量が実はアメリカは2倍以上なんだから。

 お互いに関税をまあかけてくるだろうと、習近平さんはかけてくる、それでトランプさんはやめてやめてって言って、で、こういうのやるんだったらって、やめた人もいるわけですよ、経済の主要メンバーに、トランプ政権の中に。

 ところがトランプさんが考えてたのは、習近平さんが同じ関税をかけてきても途中で必ず止まるじゃないかと。

 つもりアメリカはこれだけあって、中国はこれだけ(半分)しかないんだから、ここで勝ちだと。

 そのとおり、勝ちなんですよ。

 そうするとですね、さっき話、途中になったのを元に戻すと、普段よりも北朝鮮をとられる、普段から怖いんですよ?さっき言った朝鮮半島や日本を野蛮って言って中国がバカにするかのような姿勢を長年とってきたのは逆に怖いからであって、特に日本が怖いからであって、だから憲法九条を変えさせないように一生懸命工作もしてるわけですよね。

 それが、安心してた喉元が、これ前から申し上げてるんですけど、僕のこの汚い顔で申し訳ないんだけど、これ(顔)が中国大陸とすると、朝鮮半島は間違いなくこの喉で、喉仏までのこの柔らかい部分が、これが北朝鮮ですから。

 喉仏から下は韓国で、それ親米勢力で、で、日本というもっと大きな経済力があって、この下、全部アメリカなわけでしょ、要は、チャイナから考えたら。

 すると、ここ(北朝鮮)がいきなり取られるっては、許し難いわけですよ。

 そうするとですね、アメリカと向かい合い、特に北朝鮮が取られないように、やったことない北朝鮮の独裁者を暗殺するかもしれんぞという、軍事演習までやらざるを得ない時にですね、日本と喧嘩できるわけがないじゃないですか。

 これだけのことなんですよ、実は。

 だから、皆さんが僕も含めて大量の税金を入れてる東京大学はじめとして、学者の方々が色々を難しく言ってるけども、それ難しく言わないとそれがビジネスにならないからであって。」

青山氏の見方に大賛成です。世の評論家や学者はひねくり回して論説するだけで、本質を見れば単純、世界覇権を巡る米中の争いと分かれば、日本の採るべき行動が見えてくるはずです。

http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid2215.html

塚崎氏の記事について、大賛成です。世界覇権争奪という見方について、やっと出て来たかと言う感じです。特に日中通貨スワップについては、9/6本ブログで挙げた通り大反対です。官邸と自民党本部に意見を送りました。共産主義をこの世から無くすために闘っている人が沢山いる、人権弾圧されている人達が沢山いる中で、日本が利敵行為をするのは許されません。安倍訪中がそうならないことを望みます。

記事

写真はイメージです Photo:PIXTA

米国の対中姿勢は中国をたたきつぶすつもりか

 米国の最近の対中強硬姿勢を見て、「殴り合ったら両方が痛いのだから、殴り合いはやめろ」といった論考がある。しかし、それはあくまで経済学的な視点で見たとき。安全保障上の視点から見れば全く違う光景が見えてくる。

 けんかには2通りある。1つは、ガキ大将が弱虫に対して「オモチャをよこさないと殴るぞ」と言って脅し取るようなもので、「ハッタリ戦略」とでも呼んでおこう。この場合、ガキ大将は殴る気はない。殴ったら自分の手も痛いので、相手が黙ってオモチャを差し出すことを期待しているのだ。

 トランプ大統領が日本やメキシコ、欧州、カナダなどに対して「関税を課す」と脅し、譲歩を迫っているのはこれに近い。

 もう1つは、ワンマン社長が、急激に力を増しつつある副社長の派閥に脅威を感じて、これをたたきつぶしにかかるような場合だ。この場合は、自身の体制の生死が懸かっているわけだから、殴ったら自分の手も痛いとか、相手に殴り返されて痛いとか言っている場合ではなく、相手が倒れるまで殴り合う。「肉を切らせて骨を断つ」覚悟で闘うのだ。

最近の米中関係は、後者に近い。米国の最近の姿勢を見ていると、中国の急速な台頭に脅威を感じ、自国の覇権が脅かされていると感じているようだ。しかも、それが不正な手段によってなされているのだから、たたきつぶさなければならないと考えているように見えるのだ。

 そして、これはトランプ大統領が勝手に暴走しているのではなく、米国議会が中国の嫌がる法案を立て続けに成立させていることからもわかるように、米国の国家意思となりつつある。

経済学で論じる段階から安全保障の文脈で論じる段階へ

 米中の関税問題をめぐっては、「自由貿易は双方の利益だから、輸入制限は相手国のみならず自国経済にも悪影響を与える。やめるべきだ」といった経済学者などからの批判はあるが、見向きもされていない。

 それは、「トランプ大統領が経済学を理解していないから」ではなく、「米中関係が、経済学で論じるべき段階ではなく、安全保障の文脈で論じられる段階に入っているから」だ。

 中国は2015年、「中国製造2025」計画を発表した。これは、鄧 小平の「トウ光養カイ路線」(「才能を隠して、内に力を蓄える」という外交・安保の方針)を撤回し、世界製造強国を目指すことを宣言したものだ。

 さらに、「一帯一路政策」でユーラシア大陸に影響力を強めようとしたり、領有権争いのある南沙諸島の暗礁を埋め立て軍事拠点化を図ったりした。

 こうした中国の一連の動きが、米国の危機感を高めたきっかけだった。

 米通商代表部(USTR)は3月22日、中国政府が米国企業に対して不合理、または差別的な慣行を行っているとする報告書を発表。米国企業に技術移転を強制したり、サイバー攻撃によって企業秘密や技術などを盗み出したりしていると指摘した。

また、米国の通商・産業政策局 も6月19日、中国の政策が米国の経済や国家安全保障を脅かしているという報告書を発表。中国が攻撃的に、経済スパイなどを用いて米国の技術および知的財産を盗み、あるいは強制的移転を伴う多様な方法で取得しようとしていると主張した。

 これらの不正によって米国の技術上の優位が脅かされ、ひいては軍事面を含む覇権が脅かされるとすれば、それは到底黙認されるべきではないというのが、米国有識者の世論となった。

米国は「国防権限法」を成立 米中関係は「冷戦」に突入

 さらに米国は8月13日、「国防権限法」を成立させた。中国について「軍の近代化や強引な投資を通じて、国際秩序を覆そうとしている」と指摘し、厳しい姿勢で臨むというものだ。内容ももちろんだが、この法案が超党派の圧倒的多数で可決されたことも注目に値する。

 同法では、国防費がこの9年間で最大となるのみならず、外国の対米投資を安全保障の観点から制限する規定、中国のリムパック(環太平洋合同軍事演習)への参加を禁じる規定、台湾への武器供与を推進する方針なども含まれている。

 ZTEとファーウェイという中国の通信機器大手2社に関しては、両社が中国共産党などと密接に関わっていて、スパイ工作にも関係しているとして、米政府機関との契約を禁じる規定を盛り込んだ。ちなみに、この方針には日本も豪州も追随するもようだ。

 この法律は、明らかに「オモチャをよこせ」ではなく、「お前の好きなようにはさせない」という宣言だ。しかも法律名、そしてその内容のいずれも「経済摩擦」といった次元のものではなく、「冷戦」と言っていいのではないだろうか。

 では、「米中冷戦」と呼ぶべき事態は、どちらに分があるのだろうか。

 関税戦争では、米国が圧勝するだろう。米国の輸入が圧倒的に多いから、というだけではない。米国は中国からの輸入品を自国で作ることができる。だが、中国は自国で作れるものをわざわざ人件費の高い米国から輸入しているはずがないから、今後は米国からの輸入品を別の国から輸入せざるを得ない。

加えて、米国および日欧などの同盟国からの部品輸入が止まれば、中国の製造業は生産に深刻な支障を来す。心臓部の部品を、先進国から輸入している中国企業が多いからだ。

 最後の最後は、米国が中国の保有するドルを凍結したり、中国に対するドルの供給を絞る事態にまで発展したりする可能性もある。筆者は、さすがにそこまではいかないだろうと信じているが、両国の状況次第では、なきにしもあらずだ。

 とはいえ、中国が「中国製造2025を撤回して覇権を目指さない」などと宣言するはずがない。中国はメンツの国だということに加え、米国に妥協したとなると国内の権力闘争が激しくなり、習近平国家主席の立場が危うくなるからだ。

 したがって、中国が妥協するとは考えにくい。となれば「冷戦」は長期化し、両国の“体力勝負”となる可能性が高い。

中国に有効な対抗策はなし 経済も弱体化する可能性

 とはいえ、中国に有効な対抗策はない。貿易戦争は勝ち目がないし、高い関税を嫌って外国企業が中国の工場をほかの途上国に移してしまう可能性もある。もしかしたら中国企業も、工場を移すかもしれない。

 輸出を維持するために、米国に課せられた関税の分だけ人民元相場を元安に誘導する誘惑にかられるかもしれないが、非常に危険だ。人民元に先安感が生じれば、大規模な資本逃避が発生しかねないからだ。当局は為替管理を強化するだろうが、中国は「上に政策あれば下に対策あり」の国。「留学中の息子から、金メッキしたゴミを100万ドルで輸入する」といった取引が横行しかねない。

「中国政府が保有している米国債を売却して米国の長期金利を上昇させ、米国の景気を悪化させる」という戦略もあり得るが、これは有害無益だ。中国が売って値下がりした米国債を、米国人投資家がありがたく底値で拾うだけだからだ。

そうなると、中国経済はかなり弱体化するかもしれない。タイミングの悪いことに、中国経済は国内の過剰債務問題が深刻化しつつあるともいわれている。そうであれば、ダブルパンチだ。

 場合によっては、経済の混乱の責任を問う声が高まり、政治が混乱して権力闘争に明け暮れるようになるかもしれない。そのあおりで、「反対派閥と交友のある資本家や知識階級が投獄されかねない」といった状況にまで陥ると、資本家や知識階級が海外に移住してしまうだろう。

 そこまで米国が中国を追い込む気なのかは不明だが、もしそうなれば、中国経済は数十年にわたって低迷するだろう。

 そうした状況であるにもかかわらず、日本企業は中国への進出を加速しているようにも見える。中国が日本に友好的になったことを受けて、「中国側は日本側に協力を求めている。大きなチャンスが来ている」との日本経済団体連合会会長の発言も報じられているほどだ。

連載の著者、塚崎公義氏の近著『日本経済が黄金期に入ったこれだけの理由』(河出書房新社 税込1512円)

 中国市場が大きくて魅力的なのは十分理解できるが、このタイミングで中国に進出して大丈夫なのだろうか。2つの意味で心配だ。

 1つは、米国が中国を本気でたたきつぶし、中国経済が今よりはるかに魅力の乏しいものとなってしまうリスク。そしてもう1つは、日本企業の行為が米国から見て「敵に塩を送っている」ように見えかねないというリスクだ。

 さらには、日本政府の行動も気になるところだ。日中関係の改善は、一般論としては望ましいが、同盟国である米国の計画を邪魔するようなことは厳に避けるべきであろう。日中が通貨スワップの協定を再開するとの報道も見られるが、慎重な判断が必要だ。

(久留米大学商学部教授 塚崎公義)

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『日朝首脳会談に動く北朝鮮 制裁解除と日米離間を両にらみする北朝鮮の“手口”』(9/7日経ビジネスオンライン 重村智計)について

9/7阿波羅新聞網<中共派车进关西机场接人?台媒:假新闻!=中共が関西空港に車を送り込み中国人を迎えたと? 台湾メデイア:フエイクニュース!>台湾大阪弁公室の職員は「関西エアポート株式会社の了解を取り発表するが、彼らが言うには、昨日は会社が手配したバス以外は当然空港内には入れない」と述べた。

会社は、昨日は空港内に散在し困っている旅客のため、高速船とバスを出し、水陸両方で運送した。但し橋が片側しか通行できないのと、渋滞を避けるため、会社手配のバス以外は入れないようにした。それで台湾弁公室の職員も空港には入れなかった。言い換えれば、大陸のネットメデイア《観察者ネット》は中共大阪領事館が車を手配して中国人を迎えたという大ぼらを吹いたわけで、フェイクニュースの極みである。台湾駐日代表所の官員は「中共の統一戦線のやり方だ」と怒って言った。

中国人旅客に伝わる15輌のバスの録画は全部会社が手配したバスで、困っている中国人旅客を大阪の2つの駅に送り届けようとしていた。中共のこのネットは本物に見せかけ、偽物を掴ませようとし、映像を切り貼りして大阪領事館手配のバスに仕立て、空港内に現れたように見せかけた。

http://www.aboluowang.com/2018/0907/1170452.html

昨日の本ブログで上記の中共のバス手配の話を紹介しましたが、ガセだったようです。中国だけ優遇することはおかしいと感じていましたが、嘘つき中国人の発表することはやはり信用できないという事です。

9/6希望之声<金正恩再示弱 表示对川普的信心“坚定不移”=金正恩が再び弱気になった トランプに対し決意は変わらないと信じさせた>ポンペオの訪朝中止、9/9北の建国記念日に習の参加を取りやめ、栗戦書の参加になったことや米中朝の中でトランプの影響力が大きくなってきたため、トランプに擦り寄り始めたと見ている。それで「トランプの一期目までに非核化」と言いだした。

どこまで本気で金が言っているかですが。でも少なくとも中国の困難度合は見ているので強きに事大した方が良いと判断したのかも。或は進展が無ければ中間選挙前に攻撃をかけると脅されたのかも。

https://www.soundofhope.org/gb/2018/09/06/n2143809.html

重村氏の記事で、日朝交渉で、核と拉致を切り離して行うことは、北が拉致被害者を返せば日本が金を払うことになり、経済制裁の効果を著しく損ねることになるでしょう。拉致被害者の早期帰還を願いますが、①非核化の道筋が明らかになり②米国とも良く協議した上で進めないと日本は騙され、米国の信頼を失うことになりかねません。ワシントンポストのようにトンチンカンな記事を書いて日米分断を図る左翼メデイアもある訳ですから。注意深くやっていきませんと。

9/7ZAKZAK 田村秀男<中国マネーパワーは「張り子の虎」 「一帯一路への支援」の裏にある狙いとは? >

表を見れば、現在の中国の外貨は+-ゼロとなっています。田村氏によれば一帯一路で「受注側(中国企業側)の資金決裁はすべて人民元で済む。そして、負債はすべて現地政府(騙される外国政府)に押し付けられ、しかも全額外貨建てとなる」とあります。これで騙した外国から外貨($や€)を稼いで貿易決済に充てようとする考えなのでしょうけど。でも騙した外国で外貨で充分支払いができる国があるのかどうか?スリランカのハンバントタ港のように土地の抵当流れで国土を奪われるのがオチでは。

http://www.zakzak.co.jp/eco/news/180907/eco1809070006-n1.html?ownedref=not%20set_main_newsTop

記事

訪米した北朝鮮の金英哲氏(左)。この一行に、金聖恵もいたという(写真:AP/アフロ)

マイク・ポンペオ米国務長官は5月に訪朝した時、北朝鮮の指導者から「安倍首相に直接繋がり、信用できる人物はいるか」と聞かれた。日朝の複数の関係者によると、同長官は「北村滋 内閣情報官がいる」と推薦した。これが、7月の日朝秘密接触の始まりだった。

米朝に通じた当局者によると、秘密接触を仲介したのはポンペオ長官だった。日朝両政府は、双方の指導者へのパイプを繋げ、接触を続けている。

北朝鮮はなぜ、突然、秘密接触を求めたのか。北朝鮮高官によると、金正恩(キム・ジョンウン)委員長は側近に今年春まで「安倍は嫌いだ。拉致は解決済みと言え」と指示していたという。それが、突然態度を変えた。中朝首脳会談で習近平(シー・ジンピン)国家主席が、日本との関係改善を促したのが原因だという。

日朝秘密接触を試みた北朝鮮の目的は経済制裁の解除・緩和だ。金正恩委員長は、必要なら日朝首脳会談にも応じる意向だ。2002年に日朝首脳会談を実現させた秘密接触も、制裁解除を目的に始まった経緯がある。

金聖恵とはいかなる人物か

日朝高官による秘密接触は、7月15日にベトナム・ホーチーミン市のホテルで行われた。その後、1カ月半も報道されずに秘密が保たれた。双方は、秘密が漏れないように相当に気を使ったようだ。ホーチーミン市には、日本メディアの特派員はいない。韓国の情報機関の活動も活発でない。日朝接触は、いつも韓国の情報機関に妨害されてきたので、双方は慎重に場所を選んだ。

北朝鮮側の代表は、金聖恵(キム・ソンヘ)と名乗る女性だと報じられた 。役職は「朝鮮労働党統一戦線部戦略室長」と伝えられた。だが、この所属と役職は、たぶん間違いだろうと平壌の内情を知る北朝鮮関係者は言う。名前も偽名かもしれない。

労働党の統一戦線部は工作機関で、韓国への工作活動と南北交渉が担当だ。日本との外交を取り扱う権限は与えられていない。日本の政治家や学者、新聞記者と接触するとしても、統一工作のために抱き込むのが仕事だ。

だから、彼女の本当の所属と肩書が「統一戦線部」であるとは考えにくい。北朝鮮指導者の側近は、秘密保持のためフェイクの名前と所属、肩書を名乗るのが常だ。

彼女は、平昌(ピョンチャン)冬季五輪の際に韓国を訪問した。金英哲(キム・ヨンチョル)国務委員会副委員長とともに米ワシントンも訪問し、ドナルド・トランプ米大統領と記念撮影している。金正恩委員長の側近と判断された。海外派遣の代表団は、金正恩委員長が直接決定するからだ。

韓国政府は、金聖恵氏を「祖国平和統一委員会」の所属としている。こちらもたぶん間違いだろう。祖国平和統一委員会は、かつては労働党統一戦線部の所属だったが、2年前に政府機関に格上げされた。

国家保衛省に所属の可能性が大

可能性が高いのは「国家保衛省」か「秘書局」「組織指導部」の所属だ。

「国家保衛省」は秘密警察で、反体制活動やクーデターを摘発する。かつては、労働党に所属し「国家保衛部」と呼ばれたが、現在は国務委員会に所属する政府機関で、金正恩委員長の直属組織である。北朝鮮では、対日政策の立案と交渉の権限を国家保衛省が握っている。ここが大枠を決めると、外務省が交渉に当たる。

2002年の日朝首脳会談では、旧国家保衛部の第1副部長が秘密交渉を行った。「金晢」と偽名を名乗り、所属と肩書、本名を名乗らなかった。日本では「ミスターX」と呼ばれた。本名は「柳京」で、後に処刑された。国家保衛部などの秘密警察や金正恩委員長の公表されない側近(裏秘書と呼ばれる)は、本名を名乗るのを禁じられている。

金聖恵氏はテストに合格

日本側に接触した北朝鮮代表団は4人で構成されていた。一人は通訳、もう一人は金聖恵氏、残り2人は「国家保衛省」か「秘書局」の所属だろう。たぶん偽名を使い、「金正恩委員長の指示できた」と述べただろう。所属も明らかにしなかった可能性が高い。

日本側は、本当に金正恩委員長の指示を受けたのか、確認する必要があった。そのため、北朝鮮に拘束された日本人の釈放を求めたのではないか。金正恩委員長の許可なしには、釈放されないからだ。このテストで、日本側は相手が「金正恩委員長の指示を受けている」と確認したのだ。「ミスターX」の時も、同じようなテストを行い、拘束されていた日本人を釈放させた。

国家保衛省がいかに強大な権限を持つ組織か、日本では実感できない。外交交渉では、外務省にもわからないように国家保衛省の要員が加えられる。海外の大使館にも、国家保衛省の「監視人」が派遣される。

日朝接触を初めて報じたのは米ワシントン・ポスト紙(8月28日)だった。トランプ大統領と安倍首相の関係が悪化しているとの記事の中で、日本が日朝秘密接触を米政府に伝えなかったので、米政府高官が不快感を抱いていると報じた。それは間違いだ。日朝秘密接触の仲介者が、ポンペオ国務長官だったからである。

日朝の複数の関係者によるとポンペオ長官は、米中央情報局(CIA)長官時代に密かに日本を訪れ、北村情報官と頻繁に会談し情報交換していたという。お互いに深く信頼し合う仲だったようだ。これがわかっていたら、ワシントン・ポストのような記事は書けなかった。

経済制裁解除のカギ握る日本

日朝高官による秘密接触は北朝鮮側から求めてきた。北朝鮮の目的は何か。対北経済制裁の緩和と解除である。また、日米離間の戦略もある。習近平国家主席は、北朝鮮に対し毎年1兆円以上の支援をすると約束したが、国連制裁が解除されないと実行は難しい。

安倍首相はトランプ大統領と親しく、制裁の解除に強く反対している。北朝鮮は安倍首相を説得しないと、制裁緩和はできないと判断した。習近平国家主席の勧めもあった。

派遣されたのは、金正恩委員長に直結する側近たちである。だから、北朝鮮は安倍首相に直結する高官を求めた。北朝鮮は、かつて実力政治家と外務省高官を信用して失敗した時の教訓を覚えている。

日朝間の懸案は、拉致問題と核問題である。日本政府は「拉致と核の同時解決」を公式に掲げるが、拉致問題と核問題の「切り離し解決」を模索しているとされる。そこで、拉致をどこまで解決すればいいのかを、北朝鮮は探ろうとしている。生存者を数人帰国させることでいいのか、全ての拉致被害者の名簿提出と帰国の実現が必要なのか。

日朝平壌宣言は日朝国交正常化を約束している。核兵器の完全放棄がなくても、国交正常化は可能なのか。もし日本が米国より先に国交正常化すれば、日米同盟が揺らぐことになる。北朝鮮は、日本は敵でなくなり、日米は同盟の柱である「共通の敵」を失う危機に直面する、と考えている模様だ。

当面の焦点は、今月末に控える国連総会だ。金正恩委員長が出席し、安倍首相との接触や会談が可能になるのか。日朝の高官は、拉致問題解決と日朝首脳国連会談に向け、秘密接触を続けている。

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『米中貿易戦争、全面対決なら中国が圧倒的に不利な理由』(9/5ダイヤモンドオンライン 高田創)、『NAFTAからNACTAで自動車業界激震 「管理貿易」に突き進むトランプ政権の脅威』(9/4日経ビジネスオンライン 細川昌彦)について

9/7JBプレス 池田信夫氏<原子力問題から逃げる安倍政権が電力危機を招く 大停電と「トリチウム水」に見る無責任の構造>

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54053

9/7宮崎正弘氏メルマガ<「危機管理」の見本は、むしろ中国が示したのではないのか    台風21号。関空へ特別バスを仕立て、中国人旅行者を選別し輸送した>

http://melma.com/backnumber_45206_6730531/

安倍首相は憲法改正の発議の為、原発問題を避けて来たなら、さっさと発議すれば良いのに。諸問題がお留守になるのは困ります。これで任期内発議もしないで総理を辞めるというのであれば、憲法詐欺です。

宮崎氏の言うように、戦争が起きたと仮定して準備することが大事なのでは。9/7日経には企業のBCPも同時多発災害を考慮に入れてなかったという論調でしたが、企業の問題と言うよりは国家の安全の問題でしょう。メデイアは問題を矮小化しています。敵国のミサイル飽和攻撃を全国レベルで受けたときにどうするのか?電力・水道・交通機関等インフラについて代替案を作っておかなければ混乱の極みとなるでしょう。日本社会は脆弱です。中国は共産党の監視の上ですが、素早い行動を取っています。不断から対策を考えているからです。個人頼みでは如何ともしがたい場面が出てきます。今回の関西の台風と北海道の地震は考えさせる良い教訓となっている筈です。これで国の官僚が何もしないのなら日本は滅びるだけです。

9/7阿波羅新聞網<超恐怖:毛泽东58年就定下饿杀5000万人的目标=恐ろしすぎ:毛沢東は58年に5000万人を餓死させる案を定めていた>数年続いた大飢饉で、毛の計画していた中国人5000万人の餓死計画に対し、4500万人を超えるレベルまで行った。中共の大飢饉前後に取った政策は、大飢饉末期の1962年の劉少奇の「三自一包」以外は何もなく、死を待つだけ。中共が大飢饉の前かその途中で方針を打ち出せば、結論を出すのは難しくないのに。中共は大飢饉を利用して意図的、計画的、体系的な中国人大謀殺を図った。

「三自一包」は大飢饉に対し止血作用となって阻止したが、これは中共の中国人に対する慈悲ではない。当時、工業化は進んでおらず、酒・たばこ税が国の税収の半分を占め、輸出は農作物だった。もし、農民が全部死んだら、中共は困るので、「三自一包」は2,3年実施し、その後止めた。

もし、魔物の化身でなければ、もし中国人に深い恨みがなければ、こんな大規模に餓死させることがどうしてできるだろうか?どうして出て来た政策が飢えた民を死に至らしめたのだろうか?どうして魔物の言うようなことが出て来るのだろうか?4500万人超の餓死者を出し、人肉食の惨劇が起こり、一人として責任を取らず、「3年の自然災害」と名付ける始末。近頃無頼の者は「栄養死」とも言っている。

http://www.aboluowang.com/2018/0907/1170295.html

高田氏の記事は分かり切ったことで、何をいまさらという気がしないでもありません。中国のGDPは米国の2/3弱で、相互の輸出額が4:1であれば中国の分が悪いのは自明です。「トゥキディデスの罠」を今頃言っているようでは遅いでしょう。米中は世界覇権を巡って争っている訳で、高田氏の予想シナリオでは「全面対決」しかありません。心配なのは米国内でグローバリストやデイープステイトがトランプの足を引っ張ろうとしていることです。

細川氏は貿易交渉の局面しか見ていません。大きな世界史の流れで捉えてほしいと思います。ただ、貿易交渉で培ったスキルは伝承してほしいですが。

高田記事

Photo:PIXTA

チキンゲームの様相の米中貿易戦争だが、全面対決になれば中国が圧倒的に不利なことがみずほ総合研究所の試算で浮き彫りになった。超大国の覇権争いの面があり長期化は避けられないとはいえ、歩み寄りのカギは中国側の選択にかかっている。

米中貿易戦争のインパクト 中国の受ける“打撃”は米国の3~4倍

下記の図表1は、米中間の貿易が20%減少した場合の各国GDPへの影響を示すみずほ総研の試算である。

それによると、米中が輸入制限をした際にGDPが最も大きな影響を受けるのは中国だ。そのマイナスの影響幅は米国が受けるGDPへの影響の3倍から4倍近い。

米中貿易戦争の構造はチキンゲームの様相を呈するが、より深刻な影響は中国に及ぶ。このため今後の対決シナリオを考えると、中国側が現実的な対応を先んじて行いやすい。

こうした試算を中国、米国双方が水面下で行いながら、両国は「次の一手」を検討する状況にあると考えられる。

◆図表1:米中間の貿易が20%減少した場合の各国GDPへの影響

(注)2014~16年の経済構造に基づく分析。各国の乗数効果を含む。米国と中国では、急減する輸入品について国内品での代替が間に合わない場合を想定。
(資料)世界銀行、IMF等よりみずほ総合研究所作成 拡大画像表示

米中間の「貿易ギャップ」 中国は同額の報復はできない構造に

図表2は米中間の貿易の現状だ。

これを見ると、中国から米国への輸出は米国から中国への輸出の4倍近い水準にある。図表1の試算で、米中間の貿易縮小によるGDPへのマイナスの影響が、中国は米国の3~4倍近いとした背景にあるのは、ここに示された米中間の貿易ギャップの存在だ。

◆図表2:米中間貿易

(注)グラフの輸出は12ヵ月移動平均の年率換算値。(資料)米国商務省、各種報道より、みずほ総合研究所作成 米国は6月に中国製品に500億ドルの制裁措置を公表し、その後、追加制裁の対象を2000億ドルへ拡大する方針を示している。

それに対して、中国は7月6日に報復関税を発動している。ただし図表2で明らかなのは、米国の制裁に対し、中国は同じ金額で報復することが不可能なことだ。

米中間でとり得る3つのシナリオ、当面、中国は現実的な歩み寄りか

世界経済は引き続き拡大基調にあるが、最大のリスクは、米国を中心とした保護主義に伴う先行きの不透明感の強まりだ。その中でも最も影響が大きいのは米中貿易戦争の行方ということははっきりしている。

下記の図表4は、米中間の貿易関係の今後の展望を示したものだ。

◆図表4:米中間の貿易関係の今後の展望

(1)早期解決シナリオ
・中国が米国の要求を受け入れる
中国経済への影響を懸念し米国製品の輸入を拡大米国の対中直接投資も受け入れを拡大
・米国は対中制裁を解除し、対立解消

(2)貿易摩擦激化シナリオ
・米国は輸入制限を拡大、投資制限も
追加関税の対象を対中輸入全体に拡大、中国の対米直接投資の制限も発動
・中国は抵抗措置を発動し、こう着状態に
米国製品600億ドルと制裁の追加対象に

(3)全面対決シナリオ
・中国は追加関税に加え、質的対抗措置
米企業の対中投資・M&Aを制限、輸入検査の厳格化などの非関税障壁、米国製品の不買運動
人民元安誘導、米国債売却などで対抗
・米国は制裁強化を実施、対立が長期化

(資料)米国商務省、各種報道よりみずほ総合研究所作成

両国の選択次第では、摩擦が激化したり、全面対決に発展したりする可能性もある。

ただし、中国側はより深刻な影響を受けるため、現実的な対応を模索しそうだ。

また、トランプ政権も11月の中間選挙前に、中国側の譲歩を引き出して「利食い」のように通商面での成果を得ようとするインセンティブもあるだろう。

筆者なりに展望すれば、上記の(1)早期解決シナリオのような、単純な早期解決にはなりにくいだろう。

ただし、中国が、水面下で、輸入拡大や対中投資受け入れなど、米国に対して歩み寄りを示唆するメッセージを送る可能性があるのではないか。米中間選挙をにらみながらの米中の動きに注目したい。

米中の通商摩擦は2020年代まで続く構造

ただし、長期的に見れば、3つのシナリオの中では、対決シナリオの構造が基本的には続くと考えられる。

中国国内では習近平主席が、2期目の任期である2022年を超えて、2020年代後半まで影響力を持つと見込まれる。また同主席が掲げる「中国製造2025」は、ハイテク分野までの覇権を中国が確保しようという戦略的なものだ。

それだけに、お互いが強力な軍事力や経済力を持っていたアテネとスパルタが長く覇権争いを続けた「トゥキディデスの罠」のように、米中の貿易戦争は、超大国の頂上決戦、覇権争いの様相になり、長期化しそうだ。

(みずほ総合研究所 専務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト 高田 創)

細川記事

北米自由貿易協定(NAFTA)の見直し交渉で、米国とメキシコが大筋合意した。この合意が、日本の自動車業界を激震させる可能性がある。あまり報じられていないが、合意内容に日本の自動車メーカーの身動きをとれなくする“毒まんじゅう”が仕込まれている。

トランプ大統領はメキシコに“毒まんじゅう”を食わせた?(写真:ロイター/アフロ)

レイムダックのメキシコを二国間で突く米国

北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しを巡る米・メキシコ、米・カナダ2国間協議に世界の目が注がれている。8月29日、米・メキシコは大筋合意し、その後、行われた米・カナダは農業分野などでの対立が解消されず、9月5日に再協議する。

「これまでのNAFTAは米国の雇用を奪ってきたので見直す」

NAFTAの見直しはトランプ大統領にとって大統領選での選挙公約であった。しかし、昨年からのメキシコ、カナダとの交渉は膠着状態に陥っていた。事態が動いたのは、7月のメキシコの大統領選だ。12 月に新大統領に交代するが、新大統領が現政権との協議結果を受け入れると表明したことで、米国はレイムダックになった現政権との協議を一挙に加速させた。ある意味、新旧大統領の「無責任が生んだ間隙」を突いた結果なのだ。

メキシコにとってその代償は大きかった。

自動車産業の北米戦略、抜本見直し迫られる

日本の自動車業界では、米・メキシコの間で大筋で妥結した中身に衝撃が走った。

まず、北米域内で自動車関税ゼロにする適用条件として域内での部品調達比率が定められているが、これを現在の62.5%から75%に引き上げる。日本メーカーは現状では75%を達成していないので、対応が必要になる。

そして米国製部材の調達を事実上増やすことにつながる、「賃金条項」も新たに盛り込んだ。部品の40~45%について時給16ドル以上の地域での生産を義務付けるものだ。これは事実上、米国製部品の購入を強制する、悪名高い「バイ・アメリカン条項」に等しい。メキシコの労働コストの安さ(時給7ドル程度)を前提として生産体制を構築してきた、これまでの自動車産業の経営戦略の転換を迫るものだ。

さらに、これはまだ公表されていないようだが、全体としての域内調達比率を満たすだけでは足りないようだ。部品の中でもエンジン、サスペンション、トランスミッション、バッテリーなど中核的な部品7品目については、それだけで75%の現地調達比率を定めているとの情報もある。これらの中核的な部品は日本から供給している日本メーカーにとって、対応の困難な深刻な問題だ。特に内製化していない部品は、部品メーカーが域内から供給しない限り、条件を満たせない。

自動車メーカーはこれまでNAFTAを前提に、北米でのサプライチェーンを構築してきた。部品の品質、価格、納期などを緻密に検討して、部品の調達先を決めて作り上げてきたものだ。その前提条件が変更されるのだから、堪ったものではない。調達先の切り替えも簡単ではない。

部材メーカーも自動車メーカーの調達方針を踏まえて、メキシコなどへの投資をしてきている。今回の見直しで、メキシコの工場ではなく、米国の工場からの供給に切り替えざるを得ないところも出てくるだろう。

コスト高になってでも米国工場からの部品供給に切り替えるのか、中核部品を北米から供給できるような体制を組めるのか、それらの対応を諦めて2.5%の関税を支払うことを覚悟するのか、そうした選択の厳しい経営判断を迫られる。

いずれにしても、今後のメキシコへの投資が冷え込むのは明らかで、メキシコが安易に妥協した代償は大きい。

“毒まんじゅう”を食べてしまったメキシコ

しかし、当初公表されたこれらの条項だけではなかった。もっと衝撃的な内容が付属合意としてあったことが判明したのだ。それが「数量規制」という“毒まんじゅう”だ。

当初、日本のメディアでは「最悪の事態を回避して安堵」といった、呑気なコメントもあったが、これでは本質が見えない。海外通信社の衝撃的な報道で、やっとその深刻な内容に気づいたようだ。

かつて日本も80年代に締結した日米半導体協定においても、その付属文書で外国製半導体のシェアに関する数値目標を盛り込まされた。そしてその後、大きな禍根を残した苦い経験をしている。

突かれたくない重要な内容は本体の合意には盛り込まないものだ。付属文書を見なければ本質はわからない。

メキシコから米国への乗用車輸出数量が240万台を超えると、25%の関税が課されるというものだ。米国は現在通商拡大法232条に基づいて、自動車輸入への追加関税を検討しているが、この高関税を免れるために、数量規制を飲んだということだ。メキシコはこの“毒まんじゅう”を食べてしまった。

数量規制は関税引き上げよりも自由貿易を歪める度合いが強いので、世界貿易機関(WTO)のルールで禁止されている。これは明らかに自由貿易の根幹を揺るがす大問題なのだ。

かつて80年代の日米貿易摩擦において、鉄鋼の対米自主規制を行い、自動車でも米国は同様の自主規制を日本に対して要求していた。そしてこのような「管理貿易」には怖さがあった。日米半導体協定のように、一旦安易に譲歩すると、更に米国はカサにきて要求を強めてくる、という苦い経験をした。

そして今、塗炭の苦しみを味わっているのが韓国だ。

本年3月、米韓自由貿易協定(FTA)の見直し交渉が合意した。この中で、鉄鋼に関して、通商拡大法232条に基づく追加関税を免除されるのと引き換えに、米国への鉄鋼輸出の数量制限が盛り込まれた。

当初、うまく交渉をして追加関税を免れたとされていたが、そこに大きな落とし穴があった。数量規制の運用が米国にいいようにやられて、韓国はがんじがらめにされて、悲惨な状況に追い込まれているのだ。

「これでは追加関税をかけられていた方がマシだった」との声が聞こえるほどだ。

 「ミスター数量規制」によって「北米管理貿易協定(NACTA)」になった

ライトハイザー米国通商代表は、80年代に日本に対して鉄鋼輸出自主規制を飲ませた成功体験を持つ。さらにトランプ政権下では拍車がかかり、通商拡大法232条による高関税を脅しに、数量規制に追い込む。鉄鋼問題で韓国に対して味を占めて、今回、メキシコに対して自動車の数量規制を飲ませたのだ。

いわば彼は「ミスター数量規制」だ。

さすがにメキシコのグアハルド経済大臣は当初受け入れなかったが、最後はレイムダック化した現大統領が安易に受け入れてしまったのだ。

メキシコは「25%の追加関税を免れるための保険を得た」とその成果を説明するしかなかったが、これこそ米国の思うつぼだ。

2017年のメキシコから米国への乗用車輸出が170万台なので、240 万台の数量規制ならば今後4割程度の増やす余地があると安易に考えたのだろう。

しかしメキシコの対米輸出はここ5年を見ても、年平均1割は伸びている。今後も自動車メーカーの生産拡大計画があり、新協定が2020年から発効するとして、恐らく数年で240万台に達してしまう。

しかも注意を要するのは総枠の数量だけでない。韓国は鉄鋼の数量規制を54品目ごとに規定されて「がんじがらめ」にされている。今後、明らかにされるであろう数量規制の中身も子細に見る必要がある。

例えば、前述したように、自動車メーカーが「引き上げられた域内部品調達率や賃金条項を無理して満たすよりも、2.5%の関税を支払う方がコスト的によい」として選択したとしよう。ところが、そういう対応を抑制するために別途の仕組みも仕込まれているようだ。

2.5%の関税支払いをして米国に輸出できる台数を百数十万台に制限して、これを超えると懲罰的な高関税がかかる、という仕組みだ。

こうした管理貿易の仕組みを駆使して、企業の経営判断の自由度を「がんじがらめ」に縛り、米国での部品調達に巧妙に追い込んでいるのである。

いずれにしても自動車産業はメキシコへの投資を抜本的に見直しすることを迫られそうだ。

「北米自由貿易協定」は「北米管理貿易協定」になってしまった。NAFTA(North American Free Trade Agreement)ではなく、NACTA(Controlled Trade )だ。

カナダとの交渉を固唾を飲んで見守る日欧

現在協議が継続中の米加間の交渉では、カナダの乳製品の扱いと米加間の紛争処理のあり方で対立が激しいが、自動車分野は大きな対立点になっていない、とメディアは伝えている。

カナダについては、賃金が米国並みで、低賃金のメキシコとは賃金条項での立場が違うので、この点では対立点にならないのは確かだ。しかし表に出ていない数量規制については、その危険性をカナダは十分理解していることを期待したい。カナダがメキシコのように“毒まんじゅう”を食べないよう、日本、欧州は固唾を飲んで見守っている。

トランプ大統領はカナダへの強硬姿勢を強め、NAFTA分裂や自動車の追加関税もちらつかせることによって脅して、カナダの譲歩を迫っている。しかし五大湖付近では日本メーカーも含めて自動車産業は、国境をまたいで一体化して生産している。仮にNAFTAを維持できない事態になれば、米加双方も、そしてそこに投資するメーカーも致命的打撃を受ける。

米国議会の権限も無視できないことも忘れてはならない。NAFTA分裂の事態は、議会としても受け入れられないだろう。強硬姿勢はトランプ政権の焦りの裏返しでもある。

今後、欧州、日本に対しても数量規制要求へ

鉄鋼で韓国に対して、自動車でメキシコに対して、米国は「高関税で脅して、数量規制を飲ませた。」これが米国の手法だ。

米国は今後、欧州、日本に対しても、同様の手法でやってくるだろう。ハガティ駐日大使が自動車の数量規制に言及するのもそれと軌を一にするものだ(参照:メディアが報じない、日米通商協議の真相を読む)。9月の日米通商協議(FFR)、日米首脳会談での大きな焦点となるだろう。

この問題は世界の通商秩序の根幹を揺るがすものだとの危機感が必要だ。部品調達率や賃金条項だけに目を奪われていてはいけない。自動車メーカーも「実害のない数量が確保できればよい」といった安易な考えは、将来に禍根を残すことを肝に銘ずるべきだろう。

さらに考えなければならないのは、これを米国に許すと、将来、同様に巨大市場を有する中国も同じことをしてくることも覚悟しなければならないということだ。

日欧は連携して、「毒まんじゅう」を阻止する戦いの胸突き八丁にさしかかっている。

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『記者の死が映すロシアの闇』(9/6日経朝刊 坂井光)、『トルコの二の舞になりたくない 米制裁に危機感募らすプーチン政権』(8/31日経ビジネスオンライン 池田元博)、『通貨安がロシア国民を直撃、プーチン人気は揺るがず』(8/20ダイヤモンドオンライン ロイター)について

9/5NHK world<“美著名记者将出书揭露特朗普政府内幕”=米国の著名な記者ボブ・ウッドワードがトランプ政権内の内幕を暴露した本を出版>マテイスが「トランプの理解能力は小学5、6年並」、ケリーは「白痴でどんな説明をしても無駄」と言った内容が書いてあると。勿論両者とも否定、トランプはツイッターで「彼の本は嘘だらけ。大衆を欺こうとしている」と。

https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/zh/news/101677/

9/5NHKニュース<幹部が大統領を批判 トランプ政権の内幕描く本 注目集める>

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180905/k10011609851000.html

ボブ・ウッドワードは元WP記者で、ウォーターゲートで共和党のニクソン大統領を辞任に追いやった男です。二匹目の泥鰌と中間選挙で民主党を勝たせるために時期を選んで出版したのでしょう。本来正義を追求するのであれば、民主党とヒラリーのステイール文書とメールサーバー問題の筈です。如何に左翼・民主党と左翼メデイアが狂っているかです。左翼同士連動して動いているのでしょう。日本も同じですが。

9/5希望之声<遏阻中共核野心 川普政府启用“核威慑”策略=中共の核の野心を阻止 トランプ政権は核抑止戦略を採る>中共の絶えざる軍拡と核兵器の充実、世界の公の地域にこれ見よがしに挑戦する態度が脅威を産んでいることに対し、米国国防部は今年2月に核戦略に対して評価し直し、脅威に対する核抑止戦略を提案した。トランプは8月に「2019年国防授権法」に署名し、米軍の現有三位一体(陸海空)の核戦力を現代化することにした。

米国国防省次官のDavid Trachtenbergは「我々は中露と核で何かをしようという事ではなく、共に歩もうとしているだけだ。関心があるのはある部分で彼らの計算を変え、いかなる国でも我が国及びその同盟国に対する攻撃を起こす前に熟慮を促すものである。「核態勢の見直し」報告(NPR)中に「米国は中共に対しての核戦略を定めている。北京が誤って“ある地域で核戦力の優勢を確保出来たら限定的に核の使用も受け入れられる”と結論を出すのを避けるためだ。米国は将来に亘り信頼できる軍事能力を維持し、中共のリーダーが衝突のレベルが上がった時に、+-を意識し、核の使用は割に合わないと思わせることだ。報告の目的は、まず中露やその他の国に対する抑止力を強化することである。次に同盟国を安心させる。これが核態勢の根本且つ重要な面である。同盟国及び友好国は核を持つ必要はない」と述べた。

中共は「核の先制使用はしない」と言っているが、約束を守るかどうかは疑わしい。中共の将軍で、元解放軍反化学兵器学院の副院長だった徐光裕は7年も前から「南華早報」上で驚くべき発言をしていた。「北京は既に米国奇襲計画を定めている」と。

しかし、米国は30年代の英仏の対独宥和政策のようなことはしないだろう。

https://www.soundofhope.org/gb/2018/09/05/n2140470.html

本当に中露はどうしようもない国です。

9/5阿波羅新聞網<海南抗暴喊出“打倒共产党,打倒习XX”口号 太火爆了=海南省で暴力に対抗し”打倒共産党 打倒習XX“のスローガン 燎原の火のように>《南京条約》(アヘン戦争)の賠償金は2100万銀元(換算すると30億人民元)、《下関条約》(日清戦争)の賠償金は二億両の銀(換算すると600億元)、《辛丑条約》(義和団の乱後)の賠償金は4.5億両の銀(換算すると1350億元)、合計すると290億$。600億$の半分も行かない。栄剣は「もし多数の大衆が習の6年の執政に対し、良いという評価を下しても、ばら撒きには殆ど良い話は聞かない。国内では金の循環が足りず、医療、農村教育、年金、食品衛生等、国の資金投入を待っている分野である。しかし、リーダーは国民の艱難を考慮せず、アフリカはおろか金持ち中東の国まで大盤振る舞いし、子が祖父の田を売るのに心を痛めることはない。

“金をばら撒く議論”は止めてくれ。中国の恥である。中国とアフリカのウイン・ウインはこうして作られた

中国・アフリカ協力のキーワードは次の通り。8/28の商務部発表によれば、2017年の中国・アフリカの貿易額は1700億$に達し、2000年の17倍、中国がアフリカに直接投資したのは31億$で2003年の40倍である。

http://www.aboluowang.com/2018/0905/1169261.html

9/6facebook 變態辣椒 投稿

命運共同體,並不包括你——近期舉行的中非合作論壇北京峰會上,習近平出手豪闊,向非洲提供600億美元的援助。習還表示,願同非洲人民共築更加緊密的中非命運共同體。想到最近廣東汕頭水災嚴重,人民等不到政府救援只能組織自救,湖南耒陽等地家長為子女爭取公立學校的教育資格被殘酷鎮壓,我想越來越多人已經認識到了,獨裁者們構築的是他們的命運共同體,“韭菜”們的命運還得靠自己努力。

運命共同体にはあなたは含まれてはいない。北京で最近行われた中国・アフリカ協力首脳会議で、習近平はアフリカへ大盤振る舞いし、600億ドルを支援することとした。習はアフリカの人達に中国とアフリカは緊密な運命共同体を築くべきと表明した。最近の広東の汕頭の洪水の酷さに思いを致すと、人々は政府の救助を待つことができず、自分たちで解決する組織を作らねばならず、 湖南の耒陽市の親は子供の教育のために酷い圧力を受けており、私は益々多くの人が次のことを知ってきていると思っている。「独裁者達が築いているのは彼らの運命共同体であって、“ニラ”達(大衆)の運命はやはり自分の努力によらなければならない」と。

https://www.facebook.com/btlajiao/photos/a.621494207959765/1751737711602070/?type=3&theater

中国の対アフリカ600億$供与について、大衆の怒りは凄まじいものがあります。近藤大介著の『未来の中国年表 超高齢大国でこれから起こること』の77頁に「中国は1割のヨーロッパと9割のアフリカだ」のように出てきます。胡錦濤時代の幹部の話らしいですが、軍拡や世界制覇の野心を持つ前に国内でやるべきことは沢山あるだろうという事です。リーダーだけが幻想にしがみ付いて政治の何たるかが分かっていないのでしょう。まあ、中国の長い歴史の中で、民草に思いを馳せる王はいなかったと思います。尭舜?

坂井氏の記事は、ロシアの闇を伝えています。プーチンのKGB上りの個人的な性格によるものなのか、ロシアの大地に根差す構造的な問題なのか?民主制を取っていても、為政者が自制することを覚えないと真の民主主義にはならないという事でしょう。まあ、米国にもヒラリーや民主党、デイープステートと言った闇がありますが。中共は闇だらけです。

池田氏の記事とロイターの記事を読んで、南シナ海や尖閣に不法占拠や不法侵入を繰り返す、中国にも、関税賦課だけでなく、もっと厳しい制裁をかけるべきではと思いましたが、トランプは中露を分断してとの考えでしょうか?敵を団結させても困るので。

しかし、マテイス解任の噂と金正恩の非核化発言は、米国が北を攻撃しようとしてマテイスが反対しているためではないかという気がします。それで金が焦って言って来たのでは。まあ、金が中国にどう説明するかですが。

坂井記事

7月30日、アフリカ中部の中央アフリカ共和国で、著名なロシア人記者3人が殺害された。彼らが調べていたのはロシアの民間軍事会社ワグネル。プーチン政権の「陰の軍隊」とささやかれ、世界の紛争地で暗躍する雇い兵グループだ。

3人は車に乗っているところを銃撃された。犯人も動機も特定されていない。現地は治安が悪く、強盗との見方もある。ただ、取材を妨害したい政治的な背景が指摘されている。

というのも、同じくワグネルを調査していた記者が、4月にロシア中央部のエカテリンブルクの自宅アパート5階から転落死したばかりだからだ。真相は不明のままだ。

3人を支援していたのは、ロシアの元財閥オーナーであるミハイル・ホドルコフスキー氏。プーチン政権に反旗を翻し、現在は海外からロシアの民主化運動に取り組んでいる。プーチン政権にとっては目障りな存在だ。

ワグネルとみられる活動に光があたったのは2014年のウクライナとの紛争だ。米国務省などによると、ウクライナ東部に派遣され、クリミア半島併合や同国東部の占領作戦に関わった。プーチン大統領は当時「ロシア軍は関与していない」と主張していたが、雇い兵という形で関わっていたことがうかがえる。

その後、ワグネルはシリアに転戦した。親ロシア派のアサド体制支援のために、今春には2千人以上の雇い兵が派遣されたという。18年2月、米軍がシリアで軍事作戦を実施したところ、死者のなかにロシア人が数百人いたことをポンペオ米中央情報局(CIA)長官(当時)が明らかにし、表面化した。

ワグネルの詳細は不明なことが多い。ロシア南部チェチェン共和国など貧しい地方の出身者が雇い兵の多くを占めるとされる。

ロシアのメディアによると、財政面で支援しているのがレストラン経営などで成り上がった実業家のエフゲニー・プリゴジン氏。「プーチン氏の料理人」との異名を持つ大統領の盟友のひとりだ。ワグネルがプーチン政権の意向に沿って活動していると指摘されるゆえんだ。

プリゴジン氏の名前がとどろいたのは18年2月。ロシアは16年の米大統領選に関連して、ソーシャルメディア上でフェイクニュースや政治対立をあおる広告を拡散すると同時に、民主党のクリントン候補のイメージ悪化を狙った情報を流布したとされる。米財務省はその工作を支援したとして、同氏を経済制裁の対象に入れた。

中央アフリカ共和国は政情不安が続く。18年5月にトゥアデラ大統領が訪ロし、プーチン大統領と会談するなど、両国は接近している。プーチン政権が現体制を支援し、武器輸出や金など資源開発の利権獲得を目指していると指摘される。

3人は同国でのワグネルの闇に迫ることはできなかった。しかし、悲劇をきっかけに、ウクライナ、シリア、アフリカなど紛争地域や治安が不安定な地域で、ロシア軍の別動隊が暗躍している実態がクローズアップされることになった。

これらの活動がいずれも和平のためでないことは、現地の状況を見れば明らかだ。情勢を不安定化し、民主主義や市場経済、法の支配といった西側の価値観を揺るがしている。それによりロシアが影響力を及ぼそうとしているかに見える。

ロシアの民主派記者の旗手だったアンナ・ポリトコフスカヤ氏が、モスクワの自宅で銃弾に倒れたのが06年10月。ロシア南部チェチェン共和国での紛争を巡り、プーチン政権の人権侵害などを非難し続けたことが背景だ。

それからまもなく12年。米国に本部がある非営利団体のジャーナリスト保護委員会によると、17年以降、ロシア国内で殺害されたり、不審死を遂げたりしたロシア人記者は3人。いずれも政権に批判的な記事を書いていた。政権によるメディア支配は続く。

人権侵害、サイバー攻撃、さらには陰の軍隊。ロシアが闇のままにしておきたい現実に目を向ける必要がある。

池田記事

クリミア半島の併合、米大統領戦への介入、神経剤を使った襲撃事件への関与、対北朝鮮制裁の決議違反……。米国のトランプ政権がロシアに対する制裁措置を次々と発動している。通貨ルーブルが下落するなど経済への打撃も顕在化しており、プーチン政権は危機感を募らせている。

米の制裁で苦況に立つイランも他人事ではない……。写真はロシアのプーチン大統領(左)とイランのロウハニ大統領(右)(写真:ロイター/アフロ)

「制裁は非生産的で意味がない。とくにロシアのような国に対してはそうだ」――。8月22日、黒海沿岸の保養地ソチで開いたフィンランドのニーニスト大統領との会談後の共同記者会見。プーチン大統領は米トランプ政権が続々と打ち出している対ロ制裁措置を厳しく批判した。

トランプ、プーチン両大統領は7月16日、フィンランドの首都ヘルシンキで実質2回目となる会談を開き、関係改善への意思を首脳間で確認したばかりだ。しかし、その後も米国による対ロ制裁圧力は続き、8月3日には米財務省が北朝鮮の違法な資金取引に関与したとして、ロシアのアグロソユーズ商業銀行などを制裁対象に加えた。

さらに8月8日、こんどは米国務省が米国の安全保障に関わるモノや技術の輸出を禁じることなどを盛り込んだ対ロ制裁を新たに発動すると発表した。こちらは今年3月、英国で起きた神経剤を使ったロシア元情報機関員の暗殺未遂事件を受けたもので、27日に正式に発動された。

米国務省は「ロシア政府が化学兵器を使用した」と断定し、新たな追加制裁を決めた。約3カ月以内にロシアが化学・生物兵器を使用しないと確約して国連などの査察に応じない限り、さらに厳しい措置に踏み切るという。プーチン大統領の発言は、こうした米国の制裁圧力に反発したものだ。

プーチン大統領は、ヘルシンキでのトランプ氏との会談に関しては「有益だったと前向きに評価している」と語る。そのうえで米国の制裁は、米大統領の立場だけでなく「いわゆるエスタブリッシュメント」の意向が反映されていると指摘。ロシア批判の急先鋒(せんぽう)となっている米国の議会勢力や主要メディアなどを暗に非難するとともに、「こうした政策には将来性がない」と彼らがいずれ自覚し、通常の協力を始められるように期待すると述べている。

ヘルシンキでの首脳会談開催を受けて、米ロ関係に変化がみられるようになるか――。会談直後、ロシアの民間の世論調査会社レバダ・センターと政府系の全ロシア世論調査センターがともに国民の意見を聞いている。いずれも「変化なし」と予測する向きが5割前後を占めたものの、関係が「良くなる」と期待する声も少なからずあった。

ヘルシンキ会談後の米ロ関係

トランプ大統領に裏切られた

米トランプ政権による会談後の矢継ぎ早の対ロ制裁は、こうしたロシア国民の期待を裏切ったとみることもできる。それだけにプーチン大統領も国内世論に配慮し、「ロシアには無意味だ」などと言い訳することで、さほど深刻な事態ではないと強調せざるを得なかったようだ。

もちろん、米国による対ロ制裁そのものは決して目新しくはない。「ロシアに冷淡」とされたオバマ前政権も、とくにロシアによるクリミア併合以降、制裁を頻繁に発動していた。米大統領選への介入疑惑をめぐっては、多数のロシア外交官を国外追放したこともあった。

米国の制裁はロシアにとって半ば慣れっこになっているわけだが、トランプ政権下で発動される制裁は、ロシア国内ではオバマ前政権下よりも相当な危機感をもって受け止められているのが実情だ。なぜか。

トランプ大統領は平素、ロシアとの「融和と協調」の必要性を唱えているだけに、“裏切り行為”として倍加してとらえられる面もあるが、ロシアが危機感を抱く理由は別にある。制裁措置の内容が徐々に、ロシア経済を根幹から揺るがしかねない厳しいものになりつつあるからだ。

トランプ政権は今年4月には、昨年8月成立のロシア制裁強化法に基づき、米大統領選への介入やシリアへの武器売却などを根拠に対ロ制裁を発動した。ここでは世界有数のアルミニウム会社「ルサール」などを実質支配する大富豪のオレグ・デリパスカ氏を始め、ロシア経済をけん引する大手新興財閥の経営者らを標的にした。

神経剤を使った英国での襲撃事件への関与を理由に、米国務省が先に打ち出した「米安保に関わるモノや技術の禁輸」措置にしても、厳格に適用されればアエロフロート・ロシア航空の米国内での発着禁止といった深刻な事態に陥る懸念があるという。

さらに、米超党派の上院議員らが準備している新たな対ロ制裁法案では、ロシア国営銀行によるドル決済の禁止、米国民によるロシア国債の取引禁止、ロシアのテロ支援国家の指定まで盛り込んでいるとの情報も伝わってきている。

ロシアの金融市場ではここにきて、米国による一連の制裁圧力を嫌気して株式相場が急落。通貨ルーブルも一時1ドル=70ルーブル近辺まで下落する場面があった。国内の経済専門家の間では「米国の対ロ制裁はロシアの経済成長率を0.5~1.5ポイント押し下げる要因となる」と予測する向きも出ている。

「ロシアにとっては非生産的で意味がない」というプーチン大統領の発言とは裏腹に、ロシア政府も経済・金融界も、米国の制裁がもたらす負の影響を深刻に受け止め始めているのは間違いない。

ロシア、イラン、トルコが「団結」

米国の制裁との関連で、ロシアの専門家が注視している国々がある。トルコとイランだ。

米国のトランプ政権は、米国人牧師がトルコで自宅軟禁となっていることに強い懸念を表明。牧師の釈放を求めて経済制裁を発動した。トルコの閣僚を制裁対象とし、トルコから輸入する特定商品の追加関税率の引き上げも決めた。トルコのエルドアン政権も対抗措置をとっているが、この対立を背景にトルコの通貨リラが急落し、経済が大きく混乱する事態に至っている。

一方、イラン情勢で焦点となっているのは、米国が英仏独中ロとともに結んだイラン核合意から離脱したことだ。トランプ大統領は今年5月、「核合意の交渉内容は非常にお粗末」などと表明して一方的な離脱を宣言。8月にはイランへの経済制裁を再開し、各国企業に自動車や貴金属などの取引停止を求めた。

米政府は11月からは、イラン産原油・天然ガスの取引や金融分野を含む本格的な制裁に踏み切る予定だ。イランではすでに米制裁の影響で通貨が下落、物価も高騰しており、国会が経済財政相を弾劾する騒動も起きている。

ロシアはもともとトルコ、イランと関係が深く、シリア問題では内戦の終結に向けた和平協議を共に進めている。もちろん、米国が制裁をかける理由は異なるが、米国の制裁によって経済苦境に立たされているという点では共通する。ロシアにとっても他人事ではない。

実際、プーチン大統領は8月10日、トルコのエルドアン大統領と電話会談してエネルギー協力などの推進を確認した。その2日後の12日には、カザフスタン西部のアクタウで開かれたカスピ海沿岸5カ国首脳会議の場を使って、プーチン大統領とイランのロウハニ大統領が首脳会談を開いている。

米国をけん制するような協力も顕在化している。

ロシア国営の武器輸出企業ロスオボロンエクスポルトは、ロシア製の最新鋭地対空ミサイルシステム「S400」のトルコへの供給時期を、当初の2020年以降から19年に前倒しすると表明した。米国は北大西洋条約機構(NATO)加盟国であるトルコがロシア製のS400を導入することに再三反対してきた。それだけに、米国への対抗意識をより鮮明にしたともいえる。

また、12日のカスピ海沿岸5カ国首脳会議では、カスピ海の領有権などを定めた「法的地位に関する協定」に署名。1991年末のソ連崩壊後、天然資源の活用などをめぐって長年続いてきた沿岸各国の係争に終止符を打った。

5カ国は旧ソ連のロシア、カザフスタン、トルクメニスタン、アゼルバイジャンの4カ国とイランで構成される。ロシアが主導した今回の合意はカスピ海の豊富な地下資源活用などを促すとみられ、沿岸国にとっては朗報だ。米国が対イラン制裁を再発動した直後だけに、イラン支援の思惑もあるとされている。

ロシア、トルコ、イランの3首脳はさらに9月には、シリア情勢を巡る協議を名目にイランで会談するとの情報もある。3カ国の協調を誇示し、米国に対抗する狙いもあるのだろう。

とはいえ、経済規模で大きく見劣りするロシアが米国の制裁に面と向かって対抗するすべはなく、国際社会の影響力も極めて限定的だ。一方で、とくにトルコとは強権的な統治スタイルで似通う面もあるだけに、米国の目の敵になりやすい。米国が次々と繰り出す制裁措置に戦々恐々とし、「トルコの二の舞にはなりたくない」と願っているのがプーチン政権の本音ではないだろうか。

ロイター記事

8月14日、米国がロシアに追加制裁を加えたことを主因として、ルーブルは7月末からドルに対して10%下落。だが、ロシア国民はルーブル安の背景をよく理解しておらず、大統領は伝統的に批判を受けないと、同国の社会学者は指摘する。写真はロシアのプーチン大統領。ヘルシンキで7月撮影。提供写真(2018年 ロイター/Lehtikuva/Jussi Nukari via REUTERS)

[モスクワ 14日 ロイター] – グラフィックデザイナーのアレクセイ・ニコラエフさん(56)は、ロシアの通貨ルーブルの下落による負担を覚悟している。海外旅行先では購買力が落ち、好きな輸入ワインの値段は上がり、財布のひもを締める必要が出るだろう。

しかし、3月の大統領選でプーチン氏に投票した5600万人の1人である彼は、大統領にその責任があるとは思っていない。

米国がロシアに追加制裁を加えたことを主因として、ルーブルは7月末からドルに対して10%下落した。「辛いし不愉快だが、これで私の政治信条は変わらない。奇妙に聞こえるかもしれないが、かえって確信は強まった。やつら(西側)はロシアを崩壊させようとしている」とニコラエフさんは言う。

世論調査機関レバダ・センターの社会学者、ステパン・ゴンチャロフ氏によると、ニコラエフさんのような考え方はロシア国民に広く共有されている。

「国民はルーブル安の背景をよく理解していないし、大統領は伝統的に批判を受けない」という。

通貨安は西側の陰謀、というストーリーは、通貨リラが過去最低水準に下がったトルコとまったく同じだ。トルコのエルドアン大統領は、同国が経済戦争を仕掛けられていると訴え、国民に米国製品の不買を呼び掛けた。

ルーブル安の影響は既に、一部に出ている。ロシア旅行産業同盟の広報担当、イリナ・トゥリナ氏は、通貨変動によってパック旅行の需要が先週10─15%減少したと説明する。

同氏によると、旅行代金をまだ全額支払っていなかった顧客は、為替レートの変動によって料金が上がることを恐れ、慌てて残りを支払っている。「まだパック旅行を購入していない人々も、再考を迫られている」という。

楽観ムード

にもかかわらず、現時点の状況証拠から察する限り、多くのロシア国民は平然としてるばかりか、挑戦的とも言える姿勢だ。

外務省報道官は先週、対ロシア制裁は同国のウクライナやシリアでの行動とは無関係であり、米国が経済上のライバル国を蹴落とす必要に駆られてやったことだ、と述べた。

長年にわたって国営テレビや大統領府の反西洋的な言論を聞きなれてきた多くの国民の耳に、報道官の言葉はすんなりと受け入れられる。

過去にもっとひどいルーブル安を経験していることからも、一部の国民は今回の下落に驚かず、楽観している。

モスクワに住むゲンナジー・ツルカンさんは「何事も永遠には続かない。物事はうつろうものだ」と、通貨安を意に介していない。

ロシアによるウクライナのクリミア半島併合と経済悪化の影響が重なった2014年の通貨危機の方が、今回よりよほど深刻だった。

当時に比べると、ロシア経済はルーブルの相場変動によってはるかに影響を受けにくくなっている。14年以降、ロシア企業は対外債務を削り、国は西側の債券市場での調達所要額を減らし、ドル建てで決済される品目の輸入も減った。

プーチン大統領の支持率は、なお高水準とはいえここ数ヵ月でやや低下したが、世論調査会社によると、それもルーブル安ではなく不人気な年金改革案が原因とみられている。

グラフィックデザイナーのニコラエフ氏は「飲むワインの種類を変えたり、買う靴を2足から1足に減らさなければならないかもしれない。辛いのは辛いが、大したことはない」と達観している。

(Andrew Osborn記者)

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『中国・一帯一路の挫折と日中関係 日本財界に急速に高まる戦略への期待の意味』(9/5日経ビジネスオンライン 福島香織)、『台風18号が中国・山東省に残した洪水の爪痕 被害よりも業績を優先する役人たち』(8/31日経ビジネスオンライン 北村豊)について

9/5阿波羅新聞網<限中共高官子女签证?美国会听证引关注=中共高官の子女のビザ発行状況に限って明らかにする?米国議会ヒアリングは注目を集める>7/24アメリカン・エンタープライズ研究所・アジア研究主任のDan Blumenthalは議会で、「中国が経済手段で脅し、政治目的を達しようとするなら、対応措置を考えるべき。中共高官の子女の留学ビザ発行状況を明らかにするのも一つの方法」と証言して注目を集めた。

以前、米国は中国の銀行界の10数人の高層の資産を明らかにして没収すると脅したが、中共はすぐ外資の赤字決算を取消した(配当可能なように?)。今度の場合、10数人ではきかない、数百、数千人、或はそれ以上かもしれず、どんな結果を引き起こすか?

2012年、中共内の人間は「1995~2005年の間で、112万の官員の配偶者・子女が外国に定住している。外国に逃げた貪官は少なくても2万人、持ち逃げした額は8千億~1.5兆元の間である」と。

米国民主党の違法献金スキャンダルが明るみになってから、FBIはロサンゼルスの華僑・鐘育瀚をボブ・クリントンの再選を願い、違法献金した容疑で炙りだした。背後にいたのは劉華清の娘の劉超英と情報部門の高級官員の姫勝徳で姫鵬飛の子である。

http://www.aboluowang.com/2018/0905/1168932.html

9/4阿波羅新聞網<习近平突显异常之举 北京硬抗贸易战新出一招=習近平は突然異常な行動に出た 北京の貿易戦への強硬な対応で、新たな手を使う>9/2人民日報は第1面に“習近平”の3文字を45回も使い、記録を打ち立て、全部の紙面で103回も使った。習の地位は安泰であるが貿易戦の影響である。米国の2000億$の関税賦課に対し、中国は600億$の関税しか報復できない。米国の景気が良いのでトランプは2000億$賦課するだろう。

中共は最近、市民の消費に対する潜在能力を引き出し、下降している経済を上向かせる動力にしたいと呼びかけた。阿波羅特約コメンテーターの林禾は「貿易戦に応じるため、中共は紙幣を大幅に増刷するだろう。しかしこれは通貨膨張を招き、物価を激しく上げ、庶民の持つ人民元の価値を貶める。庶民の消費は依然として下がり続け、潜在能力を引き出すとはとても言えない。実行できないだろう」と。米国と日本のM2はそれぞれ14兆$と9兆$、合計23兆$に対し、中国は既に26兆$である。

小生の見立てでは貿易戦敗北を糊塗するために、習の個人崇拝化を進め、「反抗する者は弾圧するぞ」というサインでしょう。習は毛沢東に近づきたいと思っているようですが、毛とは月とスッポンです。習は軍歴もなく、毛のように国民の犠牲を厭わない(大躍進や文革のように)所までできるとは思えません。新たな革命が起き、中国共産党が打倒されることを願っています。

http://www.aboluowang.com/2018/0904/1168792.html

福島氏記事で、日本は本当にダメと思わざるを得ませんでした。米中で戦争をしている時に、同盟国が米国の敵を助けることをしてはいけないのでは。劣化も極まれりです。安倍首相も通貨スワップの見返りに何を要求しているのか?まさか訪中と引き換えと言うことはないでしょうね?何時も国益を考えてと言っている割には脇が甘いのでは。日本の経営者は戦後民主主義の影響を色濃く受けたものばかりで、軍事的発想が皆無、且つ自分で中国と向き合った(詐欺、自己中、嘘つきの連中を相手に)経験もなく、性善説で対応しようとする愚か者ばかりです。中国の市場の大きさに幻惑されているだけで、利益は上っていないと思います。あの悪辣な中国が簡単に儲けさせてくれると思うのが間違い。市場に幻惑と言うのは人口侵略の一部と思った方が良いのに。中国に過大な投資をすれば戻って来ないと思わないと。米中貿易戦争で米国はやがて中国と取引している企業に新COCOMを発動するかもしれません。リスクが大き過ぎます。

昨日は、首相官邸と自民党本部に下記の意見を送りました。

「日中通貨スワップ反対の件

10月に安倍総理が訪中するに当たり、3兆円の通貨スワップ協定を結ぶという憶測が流れています。今、米中は世界覇権を巡る争いの第一ラウンドである貿易戦を戦っています。同盟国を応援するのは勿論のこと、自由を建国の理念とする米国を支援し、ウイグル人を始めとして人権弾圧する共産独裁の中国に味方しないのは当然のことでは。中国に経済支援することは自由主義国への裏切りです。

8/16日経ビジネスオンラインに重村智計氏の記事が載り、「習近平は金正恩に10年で10兆円の支援を約束。それがため、金は非核化に前向きでなくなった」というものです。またサンフランシスコにある世界抗日戦争史実維護連合会という中共が支援している団体こそが慰安婦問題を世界にプロパガンダしています。利敵行為は止めて下さい。西原借款のように敵を助けることは、共産党支配を長引かせ、中国人民の為にもなりません。」

https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken_ssl.html

https://www.jimin.jp/voice/

福島氏の記事でスワップ額が3兆元とあるのは3兆円の誤りと思います。

北村氏の記事を読んで、共産政府の役人の無責任さと特権意識を感じました。また「積分落戸」というのも思い出しました。中国は何でも科学的にと点数評価し、その裏で賄賂が飛び交う社会です。日本を中国みたいな社会にしないようにするには、左翼とピンク人口(平和教のお花畑脳)を減らすことです。

福島記事

8月27日に北京で開かれた一帯一路推進五周年座談会(写真:新華社/アフロ)

中国国内でも悲観的な見方が多かった一帯一路の挫折がいよいよ表面化してきた。

AFPが9月早々、こんな風に報じている。

“「中国「一帯一路」におけるインフラ建設計画が重大な挫折にあい、一部の参加国は中国に対する恨みを抱きはじめ、中国の提供する債務圧力におしつぶされる心配を始めている。”

2013年に習近平が自らの最重要国家戦略として打ち出した一帯一路戦略は、AIIBという中国主導の国際金融機関の設立とセットで、意欲的に進められてきたが、これまでの5年の経緯を振り返れば、参加国、周辺国に不安を与える以外の何物でもなかった。先進国からは中国版植民地政策と非難され、インフラ建設支援を受けているはずの途上国からは、悪徳金融のようだと恨まれ、中国国内の銀行や企業は経済的利益の見込みが立たない中での投資ノルマと債務不履行に不満が高まっている。

仄聞するところでは、党内にもこの「一帯一路」戦略の棚上げ、縮小を求める声があるが、党の長期戦略として党規約の前文にまで「一帯一路戦略」を明記した習近平が、自分のメンツを犠牲にして、こうした声に耳を傾ける様子はない。一帯一路はどこにいくのか。そして、秋の首相訪中を控えて、日本財界に急に高まる、“一帯一路”への期待は何を意味するのか。

一帯一路の挫折がはっきりしてきたのは今年春以降だろう。米トランプ政権の対中貿易戦争が、単なるディール以上の意味(中国の覇権野望を挫くという意味)を持つのではないか、という観測が出始め、それまで一帯一路に比較的好意的な発言をしていた欧米メディアからも、一帯一路について「債務の罠」「中国版植民地主義」といった批判的な意見が報道され始めた。また、アジアや中央アジアの親中国家に変化がみられるようになった。

マレーシアのマハティールが、圧倒的に有利なはずの親中派現職、ナジブを破って首相に返り咲いたことは大きい。これはマレーシア有権者のチャイナ・マネーにおぼれるナジブ政権に対する明確なノーの意思表示と言えた。マハティールが8月に北京を訪問したときは、南シナ海とマラッカ海峡を結ぶ200億ドルの鉄道計画など一帯一路戦略に含まれる三つのプロジェクトの棚上げを表明。建前上は一帯一路はアジアの発展に必要、積極支持するなどと中国にリップサービスをするも、「新しい植民地主義はのぞまない」と、現行の一帯一路路線に釘を刺した。中国の大手デベロッパー・碧桂園が手掛ける70万人の人工島都市建設計画「フォレストシティー」についても、前政権では中国投資家による物件購入をあてにしており、事実上のチャイナタウン建設との位置づけであったが、マハティールは外国人(中国人)への販売・転入禁止措置を打ち出した。

さらにパキスタンのイムラン・カーンが8月に政権をとると、やはり一帯一路の中核プロジェクトである中国・パキスタン経済回廊(CPEC)について、その資金状況の透明性を高める、と約束した。元クリケット選手、実務経験ゼロのカーンが有権者に選ばれたのは、前政権の汚職体質に皆がうんざりしていたことが大きいが、CPEC計画の推進に伴う中国の貿易赤字やローンがかさみ、債務危機に直面していることも大きい。中国への債務返済不能に陥れば、その借金のカタに中国による植民地化が進むのではないか、という危機感も関係している。それでも9月3日に北京で開幕した「中国アフリカ協力フォーラム」では、中国は今後3年間にアフリカ発展支援に600億ドルの拠出を発表している。

CPECの起点の一つとなるグワダル港は、マラッカ海峡の陸路バイパスとして中国のエネルギー輸送の要であり、中国のインド洋進出の軍事拠点としても地政学的要衝の地だが、中国はすでに、この港の43年租借権を確保している。カーン政権は、IMFに支援を求めているが、仮にIMFがパキスタンに支援を行えば、当然、CPECの中身も見直されるだろう。中国が高金利で貸し出す資金で、中国企業によって中国産資材を使って中国人労働者を雇って行われたプロジェクトで、債務返済不能を理由に、出来上がったインフラの権利を奪う悪徳金融のような真似は許されない。

一方で、米国務長官ポンペオは、IMF最大の出資国として、中国の借金返済にIMFを使う道理はない、と強くけん制。米国は、中国に外貨準備を吐き出させて追いつめるつもりかもしれない。IMFが支援しなければ、パキスタンは中国に全面的に救済をもとめる。中国にパキスタンの財政危機を救うための外貨を用立てる余力はあるのだろうか。

一帯一路戦略によって債務危機に陥っている国は、マレーシアやパキスタン以外にも、ラオス、カンボジア、インドネシア、タイ、ベトナムなどの東南アジア、エチオピア、ジンバブエ、カメルーン、ガーナ、ジブチといったアフリカ諸国に広がっている。借金のカタに建設されたばかりのインフラ利権をもぎ取られる側も悲惨だが、建設途中で資金ショートし、現物回収もできない中国側の銀行や企業の状況もかなり深刻である。

中国体制内学者からも不安の声

実は、一帯一路戦略は中国内部の体制内学者からも、かねてから不安視されてきた。たとえば、元人民銀行金融政策委員の余永定は昨年の8月に黒竜江省で開催された金融フォーラムの席で、「パキスタンへの投資で、収益を得られるのか、元金を回収できるのかは、我々は慎重に考えねばならない」と釘をさした。安邦保険傘下の民間シンクタンクは一帯一路戦略について、数年前から一応言葉を選んではいるが、概念・理念先行で、実体的メカニズムの設計を怠けたハイリスクな戦略と言わんばかりの批判をしていた。

「中国には一帯一路戦略を各地で同時進行できるほどの資源はない。…一帯一路は、完全なるハイレベルの政治的要因から決定しており、戦略的地縁政治的意義は大きいかもしれないが、他の中国の多くの政策と同様、戦略から政策への移行のプロセスにおいて、戦略自体が変質してきた。経済利益よりも国家利益を優先させ、“運命共同体”といった理念や協力発展の概念を提唱するだけで、実体的なメカニズムの設計を回避している。…このままでは、中国はASEANや中央アジアの“ATM”になってしまうだろう。…中国の外貨準備高3兆ドルのうち1・6兆を一帯一路に投じるとして、それを補うための“輸出増大”戦略は、ASEAN諸国などから強烈な抵抗が予想される。…一帯一路の資源は、人民元変動とも関係してくる。人民元価値が下がれば、対外投資の元金が増大するだけでなく、キャピタルフライトに歯止めが利かなくなるだろう。…伝統的な対外投資操作モデルや為替操作モデルでは何ともしがたい規模。最終的にはコントロール不可能な債務を抱え込むことになる…」

そもそも、新疆や中央アジアには民族問題、テロ・治安問題といった政治リスクがあり、さらには人口密度的にも交通インフラの商業運営利益が見込めるようなものでもない。砂漠を横断するような高速鉄道や高速道路の機能維持、メンテナンス費用は考えるだけでも、気が遠くなる話だろう。中国の銀行も企業も政権の意思には逆らえず、不良債権を抱えるとわかっていながら、利益が上げられないとわかっていながら、このプロジェクトにかかわってきたかっこうだ。だが、こうした党内部の専門家たちの意見、提言を無視して、党規約に党の重要戦略として一帯一路の名前を盛り込んだ習近平政権は、その挫折の色が濃くなるにつれて、責任が問われることになる。

ボイス・オブ・アメリカによれば、8月下旬に北京で開催された一帯一路建設推進五周年座談会で習近平は一帯一路が「単なる経済協力の提言であって、地縁政治同盟や軍事同盟を作ろうだとか、閉じられた“中国クラブ”を作ろうとしているのではない。イデオロギーで選別するつもりも、ゼロサムゲームの博打をするつもりでもない」と自己弁護した。

また、「対話を堅持し、ともにウィンウィンの協力関係を作り、お互いを鑑とする原則で、沿線国家の最大公約数的利益を求めて、政治的相互信頼を推進し、経済と人と文化の総合交流を図るつもりである。…今後のプロジェクトは、必要とされるところに迅速に行い、現地の民生が受益するプロジェクトであるようにしてきたい」と、これまでとはトーンを変えて神妙に語ったことから、党内でも厳しい批判にさらされて、習近平自身も多少は、一帯一路戦略の中身を調整するつもりではないか、という憶測も流れている。

ただ、中国国内の一帯一路宣伝は堅持されており、初の一帯一路ドキュメンタリー映画「共同運命」がベネチア映画祭で上映されたりもしているところをみれば、この戦略を縮小したり棚上げする気配は、今のところない。

安倍首相の秋の訪中に集まる注目

では、この債務膨張に悩む一帯一路戦略を中国はどう導くつもりなのか。ここでおそらく期待を寄せられているのが日本であろうと思われる。安倍晋三が日中平和友好条約締結日40周年の10月23日を軸に訪中を調整中であり、その地ならしに8月末に北京で財務相対話が開催され、2013年に失効していた日中通貨スワップ協定の再開に大枠合意している。

今回は3兆元規模と、従来の10倍の規模、中英通貨スワップの規模よりは小さく、人民元の安定化や国際化にどれほどの影響力があるものではないかもしれないが、一帯一路が行き詰まり、米中貿易摩擦に苦しみ、その影響で人民元が急落する中で、日本円とのスワップは、中国をかなり勇気づけるものにはなろう。産経新聞の単独インタビューで安倍晋三が「5月に李克強首相が来日し、日中関係は完全に正常な軌道に戻った」と語ったように、日中関係の回復を象徴する協定といえる。

時期同じくして、外務次官の訪中、日中与党交流協議会の北京での開催と、日中政治交流が続き、9月末には「一帯一路」をめぐる日中官民合同委員会の初会合を北京で開催する。第三国で日中両国企業がともに参加できる一帯一路インフラ案件の整備を進めていると報道されており、具体的には一帯一路の一環であるタイ鉄道計画や、日本が主導する西アフリカに4000キロの道路を建設する「成長の環」計画に中国を参与させることなどが、検討されているようだ。

一帯一路への参加を日本が表明することになれば、地に落ちた一帯一路の評判も、持ち直すかもしれないし、中国はそう期待していると思われる。不透明な一帯一路プロジェクトの資金の流れも、日本が関わることで透明化するのではないか、と言う関係国の期待もある。もちろん中国公式報道では、日本が一帯一路に参与することは日本の衰退を救うことだ、というニュアンスで報じられている。

さて、安倍政権が一帯一路に対して本音ではどのようにアプローチしていくつもりかは、私にはわからない。安倍訪中に同行する経済界訪中団の規模は240人規模に上り、関係者から「一帯一路で、大きなチャンスが日本企業にもたらされる」といった発言を聞くと、本気かと問い直したくなる。いかなる環境でもビジネスチャンスをつかめる企業はあろうが、一帯一路の本質が「偉大なる中華民族の復興」という中華覇権を目的としたものだと考えると、たとえビジネス利益が見いだせても、この戦略の成功に日本として手助けしてよいものかどうか、という気にもなる。

安倍が提唱した「自由で開かれたインド太平洋戦略」は米国、インド、オーストラリアなどともに一帯一路に対抗する中国包囲網戦略と見ていたが、安倍は一帯一路とインド太平洋戦略を連携させるとも発言している。この真意はどこに。

単に、保守政治家のイデオロギーよりも財界の要望を重視しただけなのか。米中対立が先鋭化する中で、日本が独自の存在感や外交を模索しているということなのか。あるいはもっと深い目論見があるのか。様々な予測を念頭に、秋の訪中の行方を注目していこう。

北村記事

3つのダムを一斉に放水した結果、弥川の下流地域で大規模な洪水が発生した(写真はイメージ)

2018年8月15日の午後、沖縄近海で台風18号が発生した。台風18号は東シナ海を北上し、8月16日午後3時には中国浙江省舟山群島の中心、“舟山市”の東方海上195kmに到り、8月17日午前4時5分に上海市“浦東新区”に上陸した。16日夜から17日午前中にかけて上海市の雨量は1時間に50~60mmに達し、局地的には100~150mmに達した。

台風18号を中国では台風“温比亜(ルンビア)”と呼ぶが、台風18号は気象データが残る1873年以来で直接上海に上陸した5番目の台風であり、過去1カ月間に直接上海に上陸した3番目の台風であった。要するに、過去145年間に上海に直接上陸した台風は5個しかなかったのに、その中の3個が2018年7月中旬から1カ月間に集中したというのだから、今年は史上稀に見る異常気象の年と言わざるを得ない。

この台風18号の影響は山東省にも及び、8月18日には山東省の各地で“暴雨傾盆(たらいをひっくり返したような暴雨)”となり、20日まで降り続いた雨は地域によっては1日に200mm以上に達した。“弥川”流域にある3つの“水庫(ダム)”、“冶源”、“黒虎山”、“嵩山”は貯水量が大幅に上昇してダム本体への圧力が増大したため、21日午後6時30分に3つのダムは一斉に放水した。この結果、弥川の下流に位置する“寿光市”で大規模な洪水が発生した。

寿光市は、山東省中北部に位置する“濰坊市”の管轄下にあり、常住人口が117万人の小都市である。現在、同市の産業構造は、第一次産業:11%、第二次産業:43%、第三次産業:46%となり、農業・水産・畜産などを主体とする第一産業は縮小している。しかし、同市はキュウリ、ニラ、ネギ、にんじん、セロリ、トマトなどの特産野菜や、甜瓜(まくわうり)、黄桃などの特産果実を産出し、シジミ、ハマグリ、カニ、シラス、エビなどの水産物でも名高い地域であり、山東省の農水産物の生産基地として機能している。このため、寿光市で大規模な洪水が発生したというニュースが流れると、遠く北京市内の野菜・果物の価格が大きく上昇した。

今回の洪水で寿光市の中心部では大きな被害は確認されていない。被災したのは弥川の下流域の堤防の近い部分に居住する農民や淡水養殖を行う漁民たちだった。彼らは濰坊市水利局が発表したダムの増水による放水通知を知っていたが、まさか21日の午後6時30分に3つのダムが同時に弥川へ放水するとは思ってもいなかったのだ。彼らは夜の暗闇の中で急激に水嵩を増す弥川の変化に気付かぬうちに、洪水に襲われた。人々は命からがら避難することはできたものの、住宅は水に漬かり、畑や淡水養殖池は水没し、壊滅的な被害を受けた。

洪水は人為的なミスによるものだったのか

収穫目前だった野菜や果実はもはや売り物にはならず、鶏は全羽が死亡し、豚の溺死体は耕作地のあちこちに四肢を上に向けて転がっていた。激しい洪水の水流は多数の住宅を倒壊あるいは厳重に損壊させた。また、水は一向に引かず、人々は避難先でひたすら水の引くのを待ち続けた。寿光市政府は避難している住民に住宅の安全検査が終了するまでは彼らの自宅に帰ることを禁止したから、人々の焦りは頂点に達していた。これからどうして生活して行けばいいのか。カネが無いのに倒壊した自宅をどう再建すればいのか。救援物資は少しずつ届き、避難先での生活に問題はないものの、被災した人々には先が見えないというのが実感だった。

3つのダムを同時に放水したことが洪水を引き起こしたことは間違いない事実だったが、それは台風18号による自然災害によるものだったのか、あるいは人為的なミスによるものだったのか。それを論じたとしても、濰坊市政府は人為的ミスを認めるはずがない。

さて、8月23日午後5時、濰坊市人民政府は“防汛救災新聞発布会(洪水防御・災害救助記者会見)”を開催し、メディアに対して洪水災害に関連する情報を発表した。発表会には中国共産党濰坊市委員会副書記で、代理市長の“田慶盁(でんけいえい)”が出席して総合的な報告を行った後に、濰坊市の“防汛抗旱指揮部(洪水防御・旱魃防止指揮部)”、“減災委員会”、気象局、水利局、民政局、さらには寿光市の関係責任者が現状の作業報告を行った。

濰坊市気象局は、台風18号による雨量は同局始まって以来最大、寿光市では最大で1時間に51.2mmを記録、その他地域では1時間の最大降雨量が65.2mmに達したと報告した。また、今年は台風“安比(アンピル)”<台風10号>、“摩羯(ヤギ)”<台風14号>、“温比亜(ルンビア)”<台風18号>が1カ月間に相次いで襲来し、1週間に台風14号と台風18号が連続で影響を与えたことは史上初のことであったと強調した。

濰坊市洪水防御・旱魃防止指揮部事務室主任で、水利局局長の“周寿宗”は、万全の体制で洪水防止に努めて来たことを強調した上で、冶源ダム、黒虎山ダム、嵩山ダムの3つについては、3ダム合計の流入量が4058m3/sec、排出量が1780m3/secという形でダムの貯水量を調節していたが、雨量が多すぎて21日午後6時30分に大量の水を放水してダムの圧力を軽減したと述べた。

「倒壊家屋は9999室」という数字の違和感

続いて報告を行った濰坊市減災委員会副主任で、民政局局長の“張増順”は、洪水による濰坊市の被害状況について次のように述べた。

「台風18号により濰坊市の11カ所の“県”および“市区”が損害を受けた。そのうち、寿光、“青州”、“昌楽”などの7地域では損害が深刻であった。合計で147万人が被災し、すくなくとも13人が死亡し、3人が行方不明だが、このうち9人は車の運転中に溺死したものである。群衆が避難先へ移動する際には死亡者は無かった。今回の災害による“倒汛房屋9999間(倒壊家屋は9999室)”に上り、“大棚(ビニールハウス)”20万個が損害を受けた。台風18号による直接経済損失は92億元(約1520億円)に上るものと思われる」

この記者会見の模様が報じられると、人々は張増順が述べた「倒壊家屋は9999室」という言葉に違和感を覚え、1万より1つ少ない9999が作為的な数字操作であると判断したのだった。

一方、中国共産党中央委員会の機関紙「人民日報」は8月24日付の記事で台風18号による山東省の被害状況を次のように報じた。

【1】台風18号「ルンビア」の影響を受けて、山東省は広範囲に大雨に見舞われ、濰坊、“東営”、“泰安”など13市は重大な台風災害に見舞われ、山東省の省レベル災害救助緊急措置を2級に引き上げた。8月23日までの統計で、山東省全体で519万人が被災し、24人が死亡、3人が行方不明、災害による傷病者は6人である。緊急避難者は19万人、緊急生活救助が必要な者は5万人である。農作物の被災面積は62万ヘクタール。災害により死亡した大型家畜は360頭、死亡した羊は1万599匹。倒壊家屋は1万3317室、厳重損壊家屋は1万1043室、軽微損壊家屋は5万8984室。直接経済損失は215億元(約3550億円)であった。
【2】濰坊市の災害状況。18日夜から広範囲に暴雨が降り、20日午後2時までの平均累計雨量は178.7mmに達した。8月23日までの統計では、全市で153万人が被災し、死者13人、行方不明3人、緊急避難者は17.3万人、緊急生活救助が必要な者は3.4万人、農作物被災面積は7.9万ヘクタール。死亡した大型家畜は162頭、死亡した羊は1万125匹。倒壊家屋は1万335室、厳重損壊家屋は8240室、軽微損壊家屋は5万3465室。直接経済損失は175億元(約2888億円)で、そのうち農業損失は56%を占める98億元(約1617億円)であった。

人民日報が報じた濰坊市における死者と行方不明者の数は、濰坊市政府が記者会見で発表した数と変わりがないのに、倒壊家屋は前者が1万335室であったのに対して、後者は9999室であった。どうして濰坊市政府は倒壊家屋の数字を1万室より1少ない9999室にする必要があったのか。9999室という数字は誰が考えても取って付けたような意図的な数字である。それには何か意味があるのか。調べてみると、以下のことが判明した。

(1)2016年3月10日付で国務院弁公室が公布した『国家自然災害救助応急対策』は、自然災害の程度をⅠ級(特別重大)、Ⅱ級(重大)、Ⅲ級(比較的大)、Ⅳ級(一般)と4つに分類している。一般と分類されるⅣ級は、同対策の5.4条に「Ⅳ級措置」の項目があり、その第1項の発動条件には以下の記述がある。

某省(区、市)の行政区域内で重大な自然災害が発生し、一次災害の過程で下記の状況の一つが出現した場合は、Ⅳ級措置を発動する。
A)死者が20人以上、50人以下
B)緊急避難あるいは緊急生活救助を必要する人が10万人以上、50万人以下
C)倒壊と厳重損壊家屋が1万室あるいは3000戸以上、10万室あるいは3万戸以下
D)旱魃災害が食糧や水の不足などの生活困難をもたらし、政府の救助を必要とする人数が当該省(区、市)の農牧業人口の15%以上、20%以下、あるいは100万人以上、200万人以下

(2)5.4条の第2項は発動手順であり、そこには「災害発生後、国家減災委員会弁公室が分析・評価を経て、災害状況が発動基準に達していると認定し、国家減災委員会弁公室の常務副主任がⅣ級措置の発動を決定する」と記載されている。また、5.4条の第3項には対応措置が6つの項目に分けて書かれ、国家減災委員会弁公室が被災地の省(区、市)が行う自然災害救助活動を指導・支援すると明記されている。

中央政府の干渉を排除か

要するに濰坊市政府は、今回の18号台風による災害を国家減災委員会弁公室が救助活動を指導・支援することになるⅣ級措置の発動案件にしたくないから、倒壊家屋の数を9999室として発動条件を満たしていないということにしたものと思われる。端的に言えば、濰坊市政府はありがた迷惑な中央政府の干渉を排除しようと考えたものなのだろう。逆に言えば、Ⅳ級措置が発動されほどの災害が発生するということは、たとえそれが自然災害であったとしても、当該地方政府の災害対策が不十分であったことを意味するわけで、その地方政府の業績に傷を付け、マイナス評価につながると考えたということになる。

当然ながら、Ⅳ級措置が発動されれば、中央政府の国家減災委員会弁公室が自然災害の救助活動を指導・支援するのだから、地方政府が単独で行う救助活動よりも人員、資金、物資の各方面で多大な援助を受けられることになるはずである。それを敢えて拒否する形でⅣ級措置の発動を避けたのは、先々の業績評価を考えたものと言えよう。それ以外には理由が考えられないが、被災した人々のためを考え、彼らの救助を優先するならば、進んでⅣ級措置の発動を要請すべきである。

こうした地方政府の発想はどちらかと言えば普遍的なもので、国務院が2006年1月8日に公布した『国家突発公共事件総体応急対策』は、主要な突発性公共事件を、自然災害、事故災難、公共衛生事件、社会安全事件の4つに分類し、事件の規模によりⅠ級(特別重大)、Ⅱ級(重大)、Ⅲ級(比較的大)、Ⅳ級(一般)と4区分しているが、地方政府は出来る限り災害や事件の規模を小さく報告して、業績への影響を最小限にすることを常に心掛けている。従い、本件の濰坊市と同様に、たとえばⅠ級(特別重大)が死者100人以上なら、実際の数字とは関係なく、数字操作を行って死者99人として等級をⅡ級(重大)として中央政府へ報告するのである。

役人が常に業績を優先し、彼らが“服務(サービス)”する人々を二の次としているようでは、まともな市民サービスは成立しない。そういう役人たちがやることは、常識のある人が考えれば、人災によって引き起こされた寿光市の洪水を、あくまで自然災害によるものと白を切り通すのだ。これも“中国特色社会主義(中国の特色ある社会主義)”が持つ特色の一つなのかも知れない。それにしても哀れなのは、常に犠牲となる庶民である。

役人たちはお粗末な災害対策に「フタ」をして業績を守ったとみられる

良ければ下にあります

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『北朝鮮の核武装を望む韓国 「民族の核」で千万年の未来を保証』(9/4日経ビジネスオンライン 鈴置高史)、『南北朝鮮に騙されたトランプ、「牙」をむく ポンペオ訪朝中止で非核化交渉は暗礁に』(8/31日経ビジネスオンライン 高濱賛)について

9/3アノニマスポスト<『台湾は2019年から英語を公用語とする』 台湾の頼清徳行政院長(首相)が明らかに~ネット「これは正解」「脱中国政策だな」>良い話と思います。英語を使うのは、シンガポールと同じで、蒋介石・亡命政権のChinese Mandarin を使う必要はありませんから。

http://anonymous-post.net/post-1069.html

8/30希望之声<历史上的今天,8月31日:李察•基尔——勇气来自灵性的故乡=8/31は何の日 リチャードギア 勇気は魂のふるさとから来た>リチャードギアが1993年65回オスカー受賞の時、その貴重な30秒を中国の人権ついて触れた。鄧小平にチベットから兵を退くようにと。それがためハリウッドはリチャードギアをオスカーには呼ばなくなった。(ハリウッドは左翼の巣窟だから)。25年も大作映画の契約を結ぶことはできなかった。1948年8月31日は、本日と同じであるが、リチャードギアがフイラデルフイアで生まれた日である。中学時代、校内では活躍して影響力を持ちながら、ハンサムで人を魅了する彼が、大学では人気のない哲学を学んだことは、人を驚かせた。「自分の存在意義は一体何だろう?」。このような疑問が彼にはいつも付いて回った。

リチャードギアと僧侶  (Photo by Mario Tama/Getty Images)

仏教の修練を経てリチャードギアは「チベットが苦難の道を受け入れているのは無価値ではない」と理解し、信じることができた。「このような非情な境遇こそが正に善良な市民を作るためであったし、魂を磨いて浄土にいる人間菩薩になるためであった」と。

https://www.soundofhope.org/gb/2018/08/30/n2121126.html

9/3希望之声<美日最强航母南中国海联合演练 抗议中共海上霸权=米日の最強の空母は南シナ海で合同演習 中共の海上覇権に抗議する>8/31二ミッツ級原子力空母のレーガンと2隻のミサイル駆逐艦及び海上自衛隊のヘリ空母「かが」が参加した。中共は南シナ海の人工島上に妨害電波設備や対艦巡航ミサイル、地対空ミサイル、重爆撃機を配備し、マテイスは中共が「恐怖と脅迫」を推し進めていると非難した。米国はインド・太平洋地域を自由に航行したいだけである。日本の2019年度防衛予算は5兆2986億円で記録を刷新した。その内、483億円は尖閣諸島の防衛に充てられる。

https://www.soundofhope.org/gb/2018/09/03/n2131290.html

鈴置氏と高濱氏の記事の書き方の違いが分かります。鈴置氏は朝鮮日報や中央日報、VOA、ナショナル・インタレスト、トランプのツイッター等幅広く当たっているのに対し、高濱氏はCNN等左派の米国メデイア、北朝鮮の新聞だけからです。高濱氏も心情的に左派に近いものを持っていると思われます。大体、平気で嘘をつき、暴力を肯定する共産主義者の新聞を例に挙げる所がそもそもという気にさせます。まあ、でも米国のメデイアの座標軸が如何に狂っているのかが分かりますけど。

鈴置記事

韓国は米国製原潜の導入を検討する。写真は2017年4月に釜山に入港した米原潜「ミシガン」(写真:YONHAP NEWS/アフロ)

前回から読む)

文在寅(ムン・ジェイン)政権の挙動が怪しくなるばかりだ。

大国の横暴には「民族の核」で

前回は、韓国は「北朝鮮の核の傘」に入るつもりだ、とのくだりで終わりました。

鈴置:それを明確に書いた韓国人がいます。朝鮮日報の池海範(チ・ヘボム)記者です。同社の東北アジア研究所所長でもあります。記事「『北朝鮮の核は民族の資産』という幻想」(8月8日、韓国語版)の書き出しを訳します。

最近、ある小さな集まりで左派陣営の人がこう語った。「統一後を考えれば北朝鮮の完全な非核化よりは一部の核を残した方がずっとよい。我が民族が強大国の横暴を牽制するのには、核を持つことが格段に有利だ」。

彼は「南の経済力と北の核を合わせば世の中に怖いものはない。我々の世代がこの偉業を成し遂げようではないか」とも語った。

南北が平和共存に向け協力する時代に入ることで、北の核は南北共同、すなわち民族の資産になるとの論理だ。だから北朝鮮の非核化にこだわり過ぎず、大きな枠組みで交流・協力を強化せねばならぬということだ。彼の言葉に対し、同席した何人かが首を縦に振った。

文在寅政権も夢見る

—ついに韓国人が本音を語り始めましたね。

鈴置:池海範記者も韓国人が北の核で自らを守りたいと考えるのは、ある意味で当たり前と書いています。記事はこう続きます。

「南の経済力と北の核を結合する」との発想はかなり魅力的である。一部の知識層にこれを期待する雰囲気もあるようだ。外国からの侵略と亡国の歴史を持つ韓国人が、強く豊かな統一国家を夢見るのは極めて当然のことだ。

さらに池海範記者は、文在寅政権もそう考えているであろうと指摘し、批判しました。

しかし万が一にも青瓦台(大統領府)のいわゆる「自主派」補佐陣までこんな夢を見ているとすれば、非常に危険なことである。

「北の核は民族の核」との論理を作り、宣伝してきた主役は平壌(ピョンャン)政権だ。1月25日、北朝鮮の統一戦線部が発表した「国内外の全ての朝鮮民族に送るアピール」はこう主張した。

「我が民族が握った核の宝剣は米国の核戦争の挑発策動を制圧し、全ての朝鮮民族の運命と千万年の未来を固く担保してくれる。民族の核、正義の核の宝剣を北南関係の障害物と罵倒するあらゆる詭弁とたくらみを断固として粉砕しよう」。

池海範記者は「万が一にも」と書いていますが、韓国保守の間では「万が一」どころか「青瓦台は北朝鮮の別働隊。青瓦台こそが『民族の核』を夢見ている」と考える人が多い。

保守系紙の朝鮮日報は政権から目を付けられています。はっきりと書けば「どこに証拠がある」と訴えられかねないので「万が一にも」との表現を使ったのでしょう。

6割が左派運動の出身

—「自主派」とは?

鈴置:米韓同盟を蛇蝎のごとく忌み嫌い、北朝鮮との連携を主張する人々――左派民族主義者のことです。韓国の保守は「従北派」と呼んでいます。実際、青瓦台の補佐官はそんな人たちで占められているのです。

朝鮮日報が「『運動家の青瓦台』…秘書官クラス以上の36%が学生運動・市民団体の出身」(8月8日、韓国語版)で具体的なデータを報じています。

青瓦台の秘書室と政策室、安保室の秘書官クラス以上の参謀陣のうち、全国大学生代表者協議会や各大学の総学生会長ら、学生運動出身者と各種市民団体の出身者は全64人中、23人(36%)だ。

任鍾晳(イム・ジョンソク)秘書室長が所管する秘書室に限れば、それは全体の61%(19人)に達する。

そして、文在寅政権は口では「北朝鮮の非核化」を唱えますが、やっていることは正反対。2017年4-10月に政府系の韓国電力の子会社が北朝鮮の石炭を購入していたことが最近、明らかになりました。

もちろん国連制裁を破る行為です。韓国政府は輸入仲介業者を書類送検しましたが、最大野党の自由韓国党は「政府は、石炭は北朝鮮産と知りながら放置していた疑いがある」と批判しました。

韓国政府自身も2018年6-7月、南北連絡事務所の開設を名分に、北朝鮮に石油製品80トンを引き渡しています。中央日報の「安保理禁輸品目の石油・軽油80トン…韓国政府、北朝鮮に搬出していた」(8月22日、日本語版)で読めます。

堂々と国連制裁違反

—「韓国政府は北朝鮮の別働隊」と言われても文句は言えませんね。

鈴置:文在寅政権が本気で非核化を目指すなら、外貨や石油不足に陥った北朝鮮を助けはしないはずです。米朝首脳会談の後、米国は軍事的な圧力を緩めました。北朝鮮を非核化に誘導するには経済的な圧力――制裁頼みになっているのです。

米国も韓国の左派政権が北の核武装に協力しかねないと疑っていますから牽制しました。米政府の本音を語るVOAは「 米専門家『北の石炭に信用状を発給した銀行への米国の制裁は法的に問題なし』」(8月15日、韓国語版)などを掲載し、韓国の金融機関への制裁をちらつかせました

国務省のナウアート(Heather Nauert)報道官は8月23日の会見で、南北連絡事務所に関し聞かれ「少し前に文大統領は『北朝鮮の核問題の解決なしに南北関係は進展しないというのが自分の意見であり立場だ』と語った」と指摘しました。

I think I’d go back to something that President Moon had said not too long ago, and that is his opinion and his stance that the improvement of relations between the North and South can’t advance separately from resolving North Korea’s nuclear program.

さらに「北朝鮮への石油製品の供給は制裁違反ではないか」との質問に対し「我々は全てを注意深く見守る」(We would take a look at all of that.)と述べました。

「今度やったら承知しないぞ」と韓国に警告したのです。韓国はまだ、形式的には米国の同盟国。国務省は、公式発言はこの程度の表現に留めたと思われます。

非核化圧力はかけるな

—池海範記者の記事はこうした警告を受けて書かれたのですか?

鈴置:これらの警告前に載りましたが、韓国の傍若無人の振る舞いに米政府が怒り出すことは目に見えていた。そこで「民族の核に幻想を持つな」と韓国人に訴えたのでしょう。

—どういう論理で訴えたのですか?

鈴置:池海範記者は「北の核を南が共有できる保証はない」と説明したのです。

南北関係が雪解けしたからといって金正恩(キム・ジョンウン)が核の統制権や情報を韓国と共有するわけがない。北朝鮮の核が決して民族の核にはならない理由だ。

さらに「民族の核」に希望を託せば対北制裁が甘くなり、北の核武装を助けてしまう、と強調したのです。

「民族の核」との宣伝は「北に対する強力な非核化圧力はかけるな」と言っているに等しい。北朝鮮が「部分的な非核化」あるいは「偽装非核化」により国際社会を欺く可能性があるというのに、対北制裁を解除し、信頼を培うことこそが平和構築に役立つとの理屈である。

文在寅政権はすでに、非核化の検証よりも制裁解除と軍事対決の解消により積極的だ。

普通の人も「北の核」頼みに

—韓国人はこの記事に説得されたでしょうか。

鈴置:人によると思います。米国との同盟を重視する保守派は「その通りだ。従北左派の語る『民族の核』などに騙されるな!」と考えたでしょう。この記事への読者の書き込みの多くも、そうしたトーンでした。

一方、北朝鮮との協調を唱える左の民族派は「北の核こそが民族を守る核だ」と言い続けるでしょう。彼らは確信犯です。もともと米国を誤魔化し、北の核武装を幇助するつもりなのですから。

要は米国の核か、北朝鮮の核か、どちらを頼るかの論争が韓国で始まったのです。北朝鮮の核武装は左右の陣営の色分けをより鮮明にしたわけです。

—保守でも左派でもない「普通の人々」はどう考えるでしょう。

鈴置:池海範記者の記事は――現実が普通の人々を「北の核の容認」に押しやっていく可能性が大きい。この記事は米国がいずれ米韓同盟を放棄すると示唆しました。それが逆効果になりかねない。その部分を要約しつつ翻訳します。

金正恩が核・ミサイル施設の爆破や解体などの「非核化ショー」を通じ、トランプ(Donald Trump)の11月の中間選挙を助けたら、米国は終戦宣言と平和協定の締結に応じる可能性がある。平和協定はすぐさま米軍撤収をもたらす。

「核の傘」を失う韓国

—なぜ、逆効果になるのでしょうか。

鈴置:「平和協定はすぐさま米軍撤収をもたらす」と記事にありますが、在韓米軍の撤収は米韓同盟の空洞化をもたらします。この記事は米国が韓国を見捨てる可能性が高まったことも韓国人に思い出させてしまったのです。

池海範記者は、北朝鮮が非核化したとしても「部分的な非核化」あるいは「偽装非核化」に留まるとも予想しました。この2つが現実になると韓国の安全保障は最も危険な状況に陥ります。

なぜなら北朝鮮は何らかの形で核を持ち続けるというのに、建前では「朝鮮半島は非核化した」ことになって韓国は米国の核の傘を失うからです。

韓国は北の核の前で「丸裸」になってしまいます。「表・北朝鮮の非核化の行方」で言えば、表面的にはシナリオⅢだが、実質的にはシナリオⅣになる展開です。

北朝鮮の非核化の行方 

シナリオ 北朝鮮は誰の核の傘に入るのか? 韓国はどうする?
中国の核の傘を確保 米韓同盟を維持
米国と同盟・準同盟関係に入る 米韓同盟を維持
半島全体が中立化し、国連や周辺大国がそれを保証
自前の核を持つ 北朝鮮の核の傘に入る

左派の天下に

—すると、どうなるのでしょうか。

鈴置:北朝鮮が「我々に逆らったら核攻撃するぞ」と韓国を脅すのは確実です。韓国の左派はそれに呼応し「北の核に頼ればいいではないか」と言い出すでしょう。

保守派も普通の人の中からも「北から核で脅されるよりは、北の核に守ってもらう方がまだまし」と考える人が出てきます。

結果、韓国では北朝鮮とスクラムを組める左派が政権を握り続け、韓国人はおカネを北朝鮮に送る見返りに核で保護してもらう境遇に陥ります。

池海範記者の記事は、保守派や普通の人にとっての「暗澹たる未来」を意図せずして言い当ててしまったのです。記事の結論が以下です。

(このままでは)韓国が北の核に屈従する世の中が到来する。5000万人の韓国民は現在の北の住民と同じく、金正恩の暴圧体制に一言も言えずに頭(こうべ)だけ垂れることになる。そんな世の中を望むのか?

この記事を読んだ人はこんな未来だけは避けたいと考えたでしょう。しかし同時に、かなりの人が「ただ、北の核に反対しようがしまいが、米国に見捨てられるのだから、どうしようもない」と絶望したでしょう。

そんな人は体を張ってまで北の核武装を止めようとは思わない。だからこの記事は逆効果なのです。

2020年には韓国も核武装可能

—韓国は自前の核武装の準備を進めてきたはずです。

鈴置:韓国の保守政権は北が核武装した瞬間、あるいは米国から見捨てられた瞬間に、核武装を宣言できるよう着々と準備してきました(「韓国が目論む『2020年の核武装宣言』」参照)。

核弾頭は韓国の技術力があれば早くて半年、遅くとも数年で開発できる。課題は核弾頭の運搬手段です。地上や地中のミサイルだと先制攻撃により撃破される可能性が高い。

そこで韓国は、弾道ミサイルを発射する垂直発射筒を備えた潜水艦の開発・建造に取り組んできました。2020年から配備が始まり、毎年1隻ずつ増やしていく計画です。潜水艦から発射する弾道ミサイルも2020年には実戦配備の予定です。

もっとも保守が政権を奪い返したとしても、核武装は政治的に難しくなりそうです。形式的とはいえ北の非核化に進んでいる時に、韓国が核武装を宣言するのは極めて難しいからです。

—北朝鮮と良好な関係の左派政権が続くのなら、北に対抗するためのミサイル潜水艦は不要になりますね。

鈴置:いえ、左派政権もミサイル潜水艦の建造は続けるでしょう。北朝鮮も核ミサイル潜水艦を持とうとしていますが、技術的にも資金的にも難しい。そこで北が弾頭を製造し、南がミサイル潜水艦を建造するという分業体制に進むと思われます。

池海範記者は「金正恩が核の統制権や情報を韓国と共有するわけがない」と書きました。しかし、核弾頭と並んで重要なミサイル潜水艦を南が提供すると言えば、北も応じるでしょう。

原潜保有にも動く

—まさに「北の核と南の経済力の結合」ですね。

鈴置:文在寅政権は原子力推進の潜水艦の保有にも動いています。原潜は通常型動力の潜水艦と比べ長時間、潜航できますから核ミサイルのプラットフォームとしてはより有効です。

2017年8月8日、中央日報が「韓米首脳が電話会談、文大統領が韓国原子力潜水艦に言及」(日本語版)で「文在寅大統領が7日、トランプ米大統領との電話会談で、就任後初めて原子力潜水艦問題に言及した」と報じています。

同紙は電話会談の内容に関し、それ以上は触れませんでした。が「大統領は大統領候補当時の2017年4月、放送記者クラブ討論会で『原子力潜水艦が我々にも必要な時代になった』と話していた」と付け加えています。

—なぜ、米韓電話協議で原潜に言及したのでしょうか。

鈴置:韓国は米国製の原潜を購入するか、リースするつもりだからです。米国では常識です。ナショナル・インタレスト(the National Interest)の「South Korea Is about to make a $7 Billion Nuclear Submarine Blunder」(2017年9月30日)などはそれも前提に書いています。

北朝鮮の核武装を助け「民族の核」を持とうとする韓国に、米国が原潜を売るとは思えませんが。

食い逃げ恐れる米国

—米朝関係が微妙になってきました。

鈴置:8月23日にポンペオ(Mike Pompeo)国務長官の訪朝計画が発表されました。しかし翌24日、トランプ大統領がその中止を指示しました。訪朝しても金正恩委員長と会えないのなら、非核化で進展は望めないと判断したのでしょう。

北朝鮮は非核化の前に朝鮮戦争の終戦宣言を出すよう要求し始めています。終戦宣言は平和協定の呼び水になりますし、さらには米韓同盟の廃棄につながります。

文在寅政権までが北朝鮮と声をそろえ「朝鮮半島に平和が戻った以上、在韓米軍は不要」と言い出すからです。

トランプ政権も米韓同盟の存続にこだわってはいません。ただ、同盟廃棄は北の核の廃棄と交換したい。非核化の前に終戦宣言すれば貴重な交渉カードである「同盟廃棄」を食い逃げされてしまいます。

当面は「中国叩き」に全力

—結局、米朝は……。

鈴置:当面、大きくは動かないと思います。米国が「中国叩き」に全力をあげているからです。トランプ政権は北朝鮮の後ろ盾である中国を押しつぶせば、北は非核化に動かざるをえないと見ています。

8月29日、トランプ大統領自身がツイッターで「北が非核化しないのは、米国と対立する中国が後ろで糸を引いているからだ」と語っています。

President Donald J. Trump feels strongly that North Korea is under tremendous pressure from China because of our major trade disputes with the Chinese Government. At the same time, we also know that China is providing North Korea with…

北朝鮮に対し「待ってろ。今、お前の親分を叩き潰すからな。そうなっても減らず口を叩けると思っているのか」と脅したのも同然です。

強打者が打席に立った時、投手は打者に集中します。1塁ランナー――北朝鮮がちょろちょろすれば、牽制球も投げるでしょうが、あくまで米国の勝負の相手は強打者の中国なのです。

—韓国のポジションは?

鈴置:ファーストです。ただ、この1塁手は敵チーム側に回りました。米国の牽制球をわざと取りそこね、北朝鮮を2塁に送ろうとしています。

(次回に続く)

高濱記事

トランプ大統領(右)とポンペオ国務長官は訪朝の取りやめを決めた(写真:ロイター/アフロ)

—今度こそ非核化交渉を軌道に乗せようと張り切っていたマイク・ポンペオ米国務長官の訪朝が急遽中止になってしまいました。原因は何だったのですか。

高濱:米政府高官は米ワシントンポストのジョシュ・ローギン外交安全保障担当コラムニストにこう漏らしています。「ポンペオ国務長官に宛てた金英哲(キム・ヨンチョル)朝鮮労働党副委員長の書簡に、トランプ大統領とポンペオ長官に今回の訪朝取り止めを決断させるに足るだけの好戦的(belligerent)な文言があったからだ」

この書簡は「秘密チャンネル」とされる北朝鮮国連代表部経由でポンペオ国務長官に届けられたようです。

CNNはその具体的な内容にいついてこう報じています。「金英哲副委員長はこの書簡の中で『非核化に向けた協議は再び危うくなって(again at stake)きており、瓦解する(may fall apart)かもしれない』と警告してきた」。事情に精通した3人の米政府高官から話を聞き出したということです。

ポンペオ国務長官はこの書簡をトランプ大統領に見せてどうするかを協議しました。その協議には米中央情報局(CIA)のアンドリュー・キム北朝鮮担当官も同席していました。席上、トランプ大統領は同長官に訪朝を取り止めるよう指示し、そのことをさっそくツイッターで発信しました。「私とポンペオ国務長官は今回の同長官の訪朝を取り止める決定をした。現時点で大きな前進があるとは思えないからだ。中国が以前のように非核化プロセスで助けてくれるとは思わない。(非核化に向けての交渉は)中国との貿易問題が解決した後になる公算が大きい」
(”Why Trump cancelled Pompeo’s trip to North Korea,” Josh Rogin, Washington Post, 8/27/2018)

「朝鮮戦争終結宣言」で米軍事力の排除を図った金正恩

—金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の「懐刀」である金英哲副委員長がなぜ、ここにきて、「好戦的なメッセージ」を送り付けたのですか。

高濱:ポンペオ国務長官の訪朝はこれまで3回。米朝首脳会談前の4月1日と5月8日、会談後の7月6、7日にピョンヤンを訪問しています。米朝は首脳会談以降、非核化に向けた実質的な意見交換を水面下で続けてきました。最大の問題は北朝鮮が保持している核兵器をどうやって破棄し、それを検証(verification)するかでした。

その過程で北朝鮮は、首脳会談でも俎上に載った朝鮮戦争の終結宣言を出すよう改めて提案してきました。非核化協議と並行して協議しようじゃないかと言い出したのです。トランプ大統領による「現体制堅持」の口約束だけではやはり信用できなかったのですね。

朝鮮戦争の終結宣言を出すことで、「トランプの牙」を抜こうとしたのです。戦争状態でなくなれば、むやみやたらに攻撃を仕掛けることはできないと見たのでしょう。

—北朝鮮が保有する核施設の検証問題はこれまでの米朝間の協議でも難題中の難題でしたね。

高濱:その通りです。1994年の「枠組み合意」の時も、2003年の「6カ国協議」の時も、「検証」問題がネックとなり破綻しました。
参考:『北朝鮮の核問題をめぐる経緯』、国立図書館「調査と情報」、国立国会図書館調査及び立法考査局外交防衛課、久古聡美、内海和美、7/12/2018

「検証問題」のポイントは、具体的には、北朝鮮が軍事基地に保有する核兵器を含めた査察ができるかどうかですね。北朝鮮とって軍事基地は、言ってみれば「国家の主権」が及ぶ最たる「聖域」です。すんなり受け入れるわけがありません。

また一口に「検証」と言っても米国だけではできません。国連や国際原子力機関(IAEA)の関与が不可欠です。1~2カ月で済むようなものではなく、1~2年または数年かかる話です。

—素人的は、米朝が和解すれば、当然、朝鮮戦争終結を双方が宣言してもおかしくないと思いがちです。

高濱:ところが、すでに指摘したように、北朝鮮の非核化をめぐって米国は苦い経験をしてきました。

米国は、北朝鮮に「最終的かつ完全に検証された非核化」(FFVD=Final, Fully Verified Denuclearization)*をさせるためにはどうしても手放したくない「切り札」があります。「軍事力行使」という脅しです。それゆえ、朝鮮戦争終結宣言など容易に出すことはできません。

*:トランプ大統領は、米朝首脳会談を受けてポンペオ国務長官が7月上旬に訪朝した際に、それまで使っていた「完全で検証可能かつ不可逆的な非核化」(CVID=Complete, Verifiable, Irreversible Denuclearization)という表現を取り下げている。外交専門家たちは「核兵器関連施設の完全破棄を「verify」(検証)することを最優先議題にするため米側がトーンダウンした」と見ていた。

朝鮮戦争終結宣言を拒否することについてトランプ政権は一致団結しています。対北朝鮮強硬派のジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)も穏健派のジェームズ・マティス国防長官も慎重論を唱えています。

米国は「斬首作戦」をひそかに訓練?

—話は元に戻りますが、金英哲副委員長はなぜ、ポンペオ国務長官の訪朝前に好戦的なことを言い出したのですか。ポンペオ国務長官はその前日、北朝鮮問題担当特別代表にスティーブン・ビーガン氏*を指名し、訪朝に同行させようとしていました。この時期になぜ出鼻をくじくようなことをしたのでしょう。

ちなみにこの代表職はそれまで空席でした。ビーガン氏はフォード・モーターの副社長を務める人物です。

*:ビーガン氏はジョージ・W・ブッシュ政権で、コンドリーザ・ライス大統領補佐官(国家安全保障問題担当)の補佐を経験。トランプ政権でH・R・マクマスター大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が解任されそうになった時には、その後釜に座ると噂されました。もともとロシア問題の専門家。朝鮮問題は門外漢なことから今回の人事は「次のステップ」に向けた腰掛との見方も出ている。

高濱:要は「来るな、来ても何の進展もないぞ」というわけです(笑)。

金英哲副委員長はなぜ、労働党機関紙などを使わずに「秘密チャンネル」経由で「米朝協議は危うくなっており、瓦解するかもしれない」と警告したのか。

ヒントは二つあります。北朝鮮の新聞報道です。一つは8月26日付の「労働新聞」。もう一つは同27日付の「統一新報」です。

労働新聞はこう報じています。「トランプ大統領は裏表のある言動をしている。微笑をうかべながら我々と交渉しつつ、犯罪的策略をめぐらしている。日本駐留米軍の人殺し特殊部隊がピョンヤン侵入を目的とした秘密作戦の訓練に忙しい」
(”North Korean newspaper condemns ‘double-dealing’ US after Pompeo trip called off,” Reuters in Seoul, 8/26/2018)

一方、統一新報はこう報じています。これは外国向けの週刊紙です。「米国は対話を進める裏で刀を研いでいる。米軍の特殊部隊が韓国南部の海軍基地や日本などで対北朝鮮秘密訓練を行っている――と韓国のメディアが報道している。表では笑みを浮かべ対話をしているが、裏では秘密裏に斬首作戦(有事の際に敵の首脳部を排除するもの)の訓練を強行している」
(参考:「北朝鮮メディア『米国は態度に表裏』、ポンペオ氏訪朝中止で非難」、ソウル聯合ニュース、8/28/2018)

—米軍はこうした報道について何かコメントしているのですか。

高濱:ソウルの米大使館はロイター通信記者に対して「それに関する情報はない」とコメントしています。在韓米軍司令部もロイター通信記者の問い合わせにコメントしていません。おそらく事実なのでしょう。

トランプ大統領は米朝首脳会談のあと、マティス国防長官に対し三つの大規模演習を中止するよう指示しました。8月に実施する予定だった米韓合同演習「乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン 」*や「韓国海兵隊交換プログラム」(KMEP)などです。ツイッターでは「演習には費用もかかるし、(交渉相手である北朝鮮に対して)挑戦的だ」と発信していました。

*米国防総省によると、同演習には1400万ドル(約6億円)がかかる。国防総省高官は、中止した後でも、国防長官から再開の命令があれば直ちに実施できると発言している。

韓国との合同演習は一時中止した。が、それ以外の、米軍による通常の軍事演習は続けていたのでしょうね。特に「斬首作戦」、つまり金正恩委員長暗殺作戦と聞けば北朝鮮はドキッとするでしょうね(笑)。

マティス長官は韓国との「野外機動訓練」を示唆

ポンペオ国務長官が訪朝を中止した後、マティス国防長官は28日、「乙支フリーダムガーディアン以外の他の演習を追加で中止する予定はない」と発言しました。

北朝鮮の態度次第では、すでに予定されている野外機動訓練「フォール・イーグル」については実施する可能性を示唆しています。
(” Mattis Warns U.S. Drills May Restart Without Progress on North Korea,” Daily Beast, 8/28/2018)

—何やらきな臭くなってきましたね。トランプ大統領の次の一手は何でしょう。

高濱:国務省の関係者の一人は、筆者に「トランプ大統領その人以外、誰も予測できないね」と言っています。とにかく他人の話には一切耳を貸さない御仁ですから(笑)。

トランプ大統領は今回、北朝鮮に対する認識を変えました。これまで「米朝首脳会談は成功だった」と自画自賛してきました。主要メディアに「失敗だった」「何も解決していない」と批判されればされるほどむきになって「成功だった」と言ってきました。

ワシントンでは誰も聞いてくれないので、支持者だけを集めた田舎の集会で豪語していました。しかし、ここまでくると、さすがに現実を認識したのでしょう。

口には出していませんが、金正恩委員長や韓国の文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領に対して怒り心頭に発する状況でしょう。文大統領は米朝首脳会談のお膳立てをしました。トランプ大統領は文大統領から「歴史的な米朝首脳会談を実現させたのだからノーベル平和賞ものだ」と煽てられて屋根の上に登ったら梯子を外されたわけですから。

トランプ大統領だけではありません。トランプ政権内部で、文大統領に対する不信感が高まっています。「文政権は米国の同意なしに北朝鮮との和解に向けて独走しようとしているのではないのか」という危惧の念が広がっています。

米スタンフォード大学アジア太平洋研究所のダニエル・スナイダー教授は米ワシントンポストのローギン記者にこう語りました。「米朝首脳会談に関与した米政府高官(複数)は『文大統領は単独で北朝鮮との和解を進めようと決心している。同大統領はこれ以上米国と足並みをそろえて対応する必要性を感じていないからだ』と分析している。米韓同盟関係が危うくなる恐れが出てきた」。同氏は冷静な分析で右からも左からも高い評価を受けている人物です。
(”Why Trump cancelled Pompeo’ trip to North Korea,” Josh Rogin, Washington Post, 8/27/2018

秋の外交の場でトランプ氏は“蚊帳の外”?

文大統領と金正恩委員長は、開城に南北連絡事務所を設置するとすでに決めています。南北朝鮮は開城工業団地や金剛山観光事業の再開に動いている。離散家族再会も実現しました。非核化などそっちのけで南北朝鮮関係の強化にハンドルを切った感じすらします。

今後の動きをみましょう。9月9日は北朝鮮建国記念日。9月12~13日には文大統領が訪朝して3回目の南北首脳会談を開く予定です。その前日の9月11日からはロシアのウラジオストクで「東方経済フォーラム」が開かれます。金正恩委員長が出席するのではないかとの臆測が流れています。そして9月25日からは国連総会が始まる。

米主要紙の外交担当記者は、筆者に「一連の動きはトランプ大統領の意向とは無関係に粛々と進められる。トランプ大統領はまさに『蚊帳の外』だよ」と言っていました。

国務省やCIAで過去20年間、北朝鮮との核交渉に取り組んできたジョエル・ウィット博士(現在ヘンリー・スティムソン研究所上級研究員)はこう予測しています。「トランプ大統領はこれからの数週間、南北朝鮮双方に対し強硬なスタンスを取りかねない*。それによって朝鮮半島の緊張はエスカレートするかもしれない。しかし同大統領はこれから連鎖的に起こる事案ばかりに気を取られて、(せっかく作り上げた)非核化を前進させる可能性を反故にしてはならない。ここはひとつ、ポンペオ長官とボルトン補佐官に具体的な交渉を任せて様子を見るべきだ」
(”Why Trump cancelled Pompeo’s trip to North Korea,” Josh Rogin, Washington Post, 8/27/2018)

*:ウィット博士はその理由に言及していない。だが、トランプ大統領は「米朝首脳会談で非核化に向けた突破口を開いた」と自負したにもかかわらず、実質的協議が進まないことや、非核化よりも南北朝鮮和解路線を突っ走る文大統領への不信感や苛立ちから何をしだすか分からない、といった認識があるのではないか。独断専行で気性の激しいトランプ大統領の行動傾向を考慮しているものと思われる。

迫りくる「ロシアゲート疑惑」追及に眠れない夜が続く(?)トランプ大統領にとって数少ない外交的成果だったはずの北朝鮮の非核化。それが怪しげになってきました。

手厳しい論評で知られるジェニファー・ルービン記者はこう書いています。「トランプ大統領は現実がどうなっているかをやっと認識した。ポンペオ国務長官をはじめとする周辺がナルシストで外交に無知なトランプ大統領におべっかをつかった結末こうなったのだ」
(”Pompeo hasn’t been straight with us on North Korea,” Jennifer Rubin, Washington Post, 8/26/2018)

米主要メディアによるトランプ政権批判のボルテージは上がるばかりです。

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『中国・深圳で労働者支援の学生ら50人一斉拘束 天安門30年を前に勃発した労働争議が意味するもの』(8/29日経ビジネスオンライン 福島香織)について

9/2 facebook‎ 中国观察Wang Jason‎ ― 記錄中國™ 投稿

只说事实,不讲故事

上次听说是欧洲哪一个国家,如果发生水灾,不会有什么政府部门来慰问,然而,大水过后,会有保险公司来核算,把家具家电全部换新的。我想说,这样的国家的一切在中国是永远想象的,中国发生任何天灾人祸,国家才不会管你。然而,还是有很多傻逼高喊:厉害了,我的国…厉害你妈逼……

事実だけ述べ、話は作らない。

この前、ヨーロッパのある国の話を聞いた。もし洪水があっても、政府は慰問に来ることはない。しかし、 大きな水害の後には保険会社が来て損害を見積り, 家具や家電をすべて新しく変えてくれる。私は言いたい。このような国は中国では永遠に想像の儘、中国で天災や人災が起きても、なにもしてくれない。しかし、まだ多くの馬鹿な叫び声があります。“凄いぞ、我が国”、凄いのは偽物だろう。

本記事の深圳での、洪水の話です。

https://www.facebook.com/100017149625822/videos/301914493723536/

9/2facebook 中国观察 李箐崡 投稿

今天的耒阳不得了了,失控的耒阳局势,随着防爆警察的介入,一些家长的被捕,性质已经变了!

心酸的耒阳教育,家长们为了孩子的教育,简直是拿命在博啊!可怜天下父母心!

「昨日新学期が始まった。前に公立に通っていた生徒の一部を現地政府が私立校に振り分けた。学費は1万元以上で10倍にもなる。親は権利主張したら、数人が警察に逮捕され、怒った1万以上の市民が公安局を目指した。警察と市民が衝突した。」

今日の湖南省耒陽市は大変である。情勢がコントロールできなくなり、警察の介入を受けて, 何人かの親が逮捕され、性質が変わった!

耒陽の教育は悲しいほど、親は子供たちの教育のためにずっと命を賭けている!親が可哀想!

福島氏の記事で廉思が言うように、大衆の犠牲無くしては、悪辣で国民のことを一切考えない中共は打倒できないでしょう。

https://www.facebook.com/100008045468864/videos/2182249778719850/

福島氏の記事では第二、第三の労働争議が起こる予想を立てています。そもそも共産党は労働者の味方の筈なのに、共産党幹部が農民や労働者から収奪する仕組みになっています。おかしな話です。共産党はどの国でもプロパガンダが得意で、正義の味方を演じますが、裏に回れば人権弾圧や粛清が日常茶飯事です。日共も同じことです。でも騙されて洗脳される方が悪いのです。自分の頭で考え、常識を働かせればおかしいと気付くでしょう。況してや今やネットの時代。簡単且つ無料で情報が取れますし、双方向でやり取りができます。情弱にならないことです。メデイアの言っていることがおかしいと検証できる筈です。福島氏は、中国は第二、第三の天安門を起こして、大衆の血でより良い社会を手に入れるしか方法がないと思っている気がします。今のままでは中国人は絶望しかありませんから。日本人は日本に生まれた幸せをもっと噛みしめるべきでは。

9/3阿波羅新聞網<不见习近平 川普缺席亚洲两峰会 向北京传递信号=習近平に会わず トランプはASEANサミットとAPECを欠席 北京に信号を送る>トランプのこの決定は、3つの理由によるだろう。①中間選挙との関係。トランプ政権は、北京の先延ばし戦術と悪巧みを、火を見るより明らかに捉えた。少し前にトランプは、「ロシアだけに目を向けているすべての愚か者は、中国(中共)」の方向に向けなければならない」とツイッターで明らかにした。ボルトン米国務次官補は、メディアとのインタビューで、「中間選挙では、中共、イラン、北朝鮮、ロシアの介入を米国当局が最も懸念している」と述べた。②貿易戦争。影響の見極め。北京は欧日と手を組みたかったが、両方とも米国に不満はあるものの拒絶した。3者の貿易圏が出来上がれば、中国は排除される可能性も。そうなればロシアと同じような経済的困窮に陥る③北朝鮮問題。中国が北を支援しているのを、技術の進んだ米国が知らないはずがない。

11月末にアルゼンチンでG20が開催されるので、中間選挙も終わり、習と会うかどうか。

http://www.aboluowang.com/2018/0903/1168145.html

9/2政治知見<メイドインジャパンが危ない!日本製品が人気の中国、中国企業が日本に工場を構え「日本製」として売り出す動きが>いつも言っています通り、中国人の基本的価値観は「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」と言うもの。騙す気で日本に来ているのに(赤子の手をひねるより簡単、中国駐在8年の小生から見て)、それも分からないのは馬鹿を通り越しています。今米中貿易戦を戦っているのに、こういうことをするのは同盟国を裏切ることになるというのが日本人には分からないのでしょうか?実弾飛び交うだけが戦争でないと自覚せねば。戦後の憲法9条が思考停止を産んでいます。

https://seijichishin.com/?p=7571

記事

国際社会も注目する労働争議が起こった中国・深圳市

5月から深圳で続いていた深圳佳士科技公司(JASIC)の労働争議で、8月24日に支援者の学生ら50人が一斉に身柄拘束された。中国の工場において労働争議自体は珍しくないが、この労働争議の目的が賃上げや待遇改善にとどまらず、共産党に支配されない労働者による自主的労働組合を設立するという政治的要求が中心になっていること、大学生、大卒生らや共産党左派の知識層が運動の推進力となっていることなどから、国際社会も注目していた。だが8月に入り、労働争議の支援者リーダーであった活動家の沈夢雨が当局に連れ去られたことをきっかけに、運動が完全に弾圧されかけている。

大学の有志や香港の人権組織、党の左派人士らが中心になって沈夢雨の釈放を求め、香港では労働組合の設立を求めるデモなどを行っているほか、日本を含めた海外メディアも取材に動いているが、当局側は、この労働争議を「外国の非政府組織による煽動」と決めつけ、徹底弾圧する方針のようだ。日本では“深圳スゴイ”の見出しでAIやIT企業の現場としての活気あふれる様子で取り上げられることの多い深圳。なぜ、この地で突如、労働者の政治的要求運動が広がっているのか、それがどこに行きつくのかを考えてみたい。

現場となったJASICは2005年に設立した溶接機の開発・製造企業。深圳、重慶、成都などに工場を持ち、深圳工場の労働者は約1000人。賃金未払いや厳しい罰金制度、保険や住宅基金の削減、トイレにまで監視カメラをつけるプライバシー侵害といった奴隷のような劣悪な雇用条件であるという。2015年以降、この状況はますます悪化していく。一つは、同年ごろから本格化した習近平政権の労働者権利運動を含む「維権」(権利維持運動)の抑え込み政策だ。この年の7月に起きた大量の弁護士・人権活動家拘束はそうした習近平政権の弾圧政策の一つといえる。広東省で育っていた労働者の権利運動NPOのリーダーたちもこの年、冤罪容疑で次々と拘束されていた。

もう一つは、「新常態」宣言という建前で認められた経済停滞だ。AIやIT分野で活気あふれる深圳の姿ばかりがクローズアップされるが、深圳だけでなく多くのほとんどの工場の利益は激減し、そのしわ寄せは労働者にきている。香港の労働者権利擁護NGO・中国労工通訊によれば2017年8月から2018年8月の一年の間に1860回のストライキおよび労働者デモが発生。2015年から2017年の二年間の統計では、6694回の労働者集団抗議活動が発生している。そうした労働者抗議運動の8割は未払い賃金の支払いや賃金アップといった賃金に関する要求であった。

労働組合設立を要求

だが、JASICで起きた労働争議はこれまでの8割の労働争議とは大きく違った。JASIC労働者の要求は自主的な労働組合(工会)の設立だったのだ。きっかけはJASIC深圳工場のごく普通の労働者・余浚聡が4月、SNS微信の工場グループチャットで「徒歩」をさせられたと、愚痴ったこと。「徒歩」というのは労働者に休み時間を利用して(健康管理などのため)に歩かせることだが、労働者にとってこれは貴重な休息時間を不当に奪われることだ。彼は強制徒歩を5日間で8時間もやらされた。一種の嫌がらせであろう。グループチャットで愚痴ったことがばれ、彼は班長に殴られた上、5月10日に解雇された。余浚聡はこのことに不服で、労働者権利運動を始めることになった。

一方JASICの労働環境の劣悪さについては、他の労働者も耐えきれないものがあった。余に同情したこうした労働者の有志たちは、余浚聡事件後、強制徒歩や苛烈な罰金制度など工場の違法について深圳市坪山区の総工会に訴え出たところ、区の総工会は、工場内に労働者による自主的労働組合を設立して問題を解決してはどうかと提案した。だが、工場内で自主的労働者組合を設立する段になって、工場側は自分たちの息のかかった労働者を代表に送り込み圧力をかけたので、労働者たちが自主的に選んだ代表は選出されなかった。工場側がつくった“なんちゃって自主労働組合”には、設立後89人の労働者が加入したが、実は消防訓練参加用紙だといって騙してサインさせたのだった。

一方、労働者たちが自分たちで選んだ代表・劉鵬華は7月になって工場内で何者かに殴られて救急車に外に運ばれた後、警察に尋問を受けるという仕打ちをうけた。この脅しはむしろ、労働者たちの結束を固め、工場に対する抵抗運動は広がる結果になった。その後も、労働者有志が暴行を受けたり、不当に解雇される事態が相次いだ。

ついに7月20日、工場に突如警察や保安部が押し入り、工場側に抵抗する労働者たちを拘束。これに怒りの声と労働者有志たちへの声援を送った一般労働者あわせて20人が地元警察に連行された。彼らは翌日釈放されたが、労働者たちはその翌日、地元派出所の前にいき、「自主的労働組合を認めろ」「暴力警察に懲罰を!」といったスローガンを叫び、「団結こそパワー」という解放軍歌を合唱した。

この派出所前で抗議活動をした約30人の労働者は27日に再び拘束され、うち6人に対しては挑発罪容疑で刑事拘留された。このことを聞き知った中国各地の学生や人権活動家が29日、派出所前に応援に駆け付けた。この中に、広州の著名労働者権利運動活動家の沈夢雨の姿があった。

沈夢雨は中山大学を卒業し、数学・コンピュータ専攻で同大学院まで言ったエリートだが、在学中に労働者の権利関連法を独学し、その境遇を理解したいという動機から2015年から日系自動車部品工場(広州日弘)に労働者として就職、今年4月、工場の賃上げ運動のリーダーを務めたために解雇されたのちは、その経験を生かして労働者権利擁護活動家になっていた。

学生、労働者ら15人を率いて沈夢雨は30日、地元坪山区の書記に公開信書を渡し、拘束されている労働者の釈放を要求。烏有之郷や毛沢東旗幟ネットといった左派サイトの代表者ら共産党員を含めて1100人がこの労働争議に労働者の立場から声援を送り、運動はいつしか「労働者階級の正義の闘争」という形で国内インターネット上に広がった。

これに連動する形で北京大学や清華大学の有志たちによる声援文が次々とネット上で発表された。当局により数時間後には削除されたが、それでも閲覧数は万単位にのぼった。7月29日の段階で中国の重点大学を含む十以上の大学の有志による声援文章が発表されては削除された。さらに香港大学や香港中文大学の著名教授ら100名以上が逮捕された労働者の釈放要求書に署名し、8月1日にはアムネスティ・インターナショナルも「労働者の組織結社の自由の権利を尊重せよ」との声明を発表。香港では中聯弁(在香港の中国共産党本部)前で抗議デモが展開された。

だが8月11日に、沈夢雨は当局から圧力を受けた叔父夫婦に呼び出される形で、連行された。22日の本人による声明では、深圳のとある別荘で公安の監視下で軟禁状態にあるという。その後、彼女の消息は不明。また、運動にかかわった労働者らは30平方メートルほどの収監室に押し込められて、食事をするときも、訊問を受けるときもひざまずいた格好で、人としての尊厳を守られていない、とラジオ・フリーアジアが関係者の話として報じた。運動の核となる沈夢雨の姿が消えたことで、労働者側の勢いは弱まり、8月24日には防暴警察隊が労働者や支援者の拠点となっていた民家に押し入り、その場にいた50人を連行した。

♯MeToo運動の学生有志も連行

その中には北京大学外語学院卒業生の岳昕や中国人民大学、北京外語大学、湖南大学の学生が含まれていたという。

岳昕は今年春♯MeToo運動の流れに乗って、22年前に北京大学で起きた教授の女子学生に対するセクハラ事件(女子学生は自殺)の真相について情報公開を要請した学生有志の一人で、この情報公開請求によって大学側から圧力を受けるも、人民日報や中国青年報が岳昕側を応援する論評を発表(すぐに削除)するなど、党内部の議論も呼んだ岳昕事件の中心人物でも知られる。この24日の支援学生ら一斉拘束と同時に、新華社は外国NGOの煽動によるもので、運動の中心人物であった余浚聡や劉鵬華らが所属していた労働者センターは、「某国の資金」や「指導」を受けていたと主張。翌日には環球時報が「中国は絶対に西側の方式をあがめるやり方では、問題解決できない」と訴え、今回の労働争議が、西側勢力による中国社会秩序のリズムを動揺させる画策であったという陰謀説をほのめかせた。

ところで、興味深いのは、この労働争議は事実上、共産党の支配する労働組合に抵抗した労働者の自主的労働組合設立という、共産党体制の根本を揺るがす政治的要求を掲げているにもかかわらず、「労働者階級の正義の闘争」という社会主義革命的、毛沢東的スローガンを掲げ、党内左派人士の支持を得ているという点だ。

一方、習近平政権は、労働者権利擁護運動を外国組織の陰謀と批判し、中国的秩序をひっくり返す動き、つまり民主化要求運動の萌芽として警戒を強め、こうした運動のリーダーをつぶしにかかっている。となると、習近平の目指す方向性は本当に社会主義強国なのか。資本家への富の偏りを是正し、労働者や農民、庶民に希望をもたらす(という建前の)共産党の正統性を受け継ぐ政権と言えるのかどうか。労働者権利擁護の運動を、治安維持の暴力で抑え込むやり方は共産党の正統性を自ら否定することになるのではないか。

習近平政権と労働者、どちらが社会主義の“正義”を体現しているかと言えば、間違いなく労働者側だ。こうした労働者勢力を自分の支持層に取り込めない習近平は、毛沢東のような存在感を目指しているのかもしれないが、けっして毛沢東にはなれないということでもある。毛沢東にあれほどの暴君ぶりが可能であったのは、中国の農民・労働者の圧倒的支持があったからである。そういう意味では習近平は知識層も資本家も、そして労働者ら低層社会の人々も、右派も左派も敵に回している。今の中国の在り方、政権の目指す方向は、右から見ても左からみてもおかしいのだ。

同時に、高等教育化が進み、労働者と知識層の境があやふやになってきた現在の中国では、単純に知識階級や資本階級と労働階級の対立をあおるというやり方で社会不満のガス抜きができなくなっている。だとすると、たとえ階級闘争のスローガンで始まった戦いも、やがては民主化運動につながっていくのではないか、という予感がして仕方がない。だからこそ、香港の知識人たちが肩入れするのではないだろうか。社会主義的なスローガンで運動を推進しようとしている人たちも、本音ではこれが民主化につながることを期待しているような気もする。

深圳で労働者運動が起きた意味

こういう労働者運動が、中国のハイテク化企業が集中し、不動産バブルが膨らみ続け、証券市場もある資本主義の香りが濃厚で、かつ香港という自由と民主と自治の価値観が強く浸透している街に隣接する深圳で起きたことに、やはり私は時代的意味を見出さずにはおれない。

ふと思い出すのは、数年前に、「蟻族」(都市の高学歴低層労働者)の研究で知られる中国人学者・廉思と懇談したおりに交わした会話だ。私は「中国の体制や社会が劇的に変わるとしたら、共産党内で指導者たちによって変革がもたらされるのか、社会の低層からの運動や欲求が社会を変えていくのか、どちらの可能性が高いと思うか?」と質問した。このときは習近平政権の性格について国際社会も意見が分かれており、習仲勲という開明派政治家の息子である習近平はひょっとすると、ゴルバチョフや蒋経国のような体制変化をもたらす新しい指導者になるのではないか、という期待を言う人も多かったのだ。

だが彼は、間髪入れずに「社会の低層の権利要求運動に本当の突破力がある。党のトップから変革をもたらすことは難しい」と答えた。そうした低層の権利要求運動には、蟻族に代表されるような高学歴でありながら低層労働者側に立つ若者の力が鍵となっていくと予言していた。一応体制内学者である彼は「まあ、今すぐというわけではない。10年後かそれより先か」と慌てて付け加えていたが、10年を待たずして、こういう動きが今起きているのだから、この予言は当たっているといえる。

8月24日の学生たちの一斉拘束で、この労働争議は完全に抑え込まれるかもしれない。だが、労働者の権利要求の高まりは、習近平路線が今の国家権威主義経済路線をとり、米中の貿易戦争が悪化し、中国経済に急ブレーキがかかるなか、深刻化こそすれ解決はしない。第二、第三の政治的要求を伴った労働争議や権利要求運動が各地で起き、おそらくはどこかの時点で政権の治安維持能力を超える、労働者と知識階級、党内人士そして国際社会が連動する形の大型の運動に発展していくのではないだろうか。それが5年後かもしれないし、もっと早いかも、あるいは遅いかもしれないのだが、来年が1989年の民主化運動とその弾圧事件であった天安門事件より30年目だということを思うと、いろいろと考えさせられる。

天安門事件から29年目の今年、香港で開かれた追悼集会(写真:AFP/アフロ)

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