ブログ

サイト管理人のブログです。

ブログ一覧

『シャングリラ会合で、米中対立先鋭化 浮かび上がったアジア安全保障の変化』(6/8日経ビジネスオンライン 福島香織)について

6/4希望之声<欧盟状告中共侵犯知识产权 中方回应很低调=EUもWTOに「中共は知財を侵害している」と申告 中方は反応が鈍い>米・ロス商務長官が訪中する前にトランプ政権は「500億$の中国からのハイテク輸入品と「中国製造2025」の製品に25%の関税を賦課する。具体的なリストは6/15に公表する」とした。その後EUもWTOに「中共政府の要求する技術移転はWTOの「貿易と知財協定」に適合せず」と申告した。中共はそれに対し「残念である」としか反応せず。

6/5日経夕刊には「仏PSAもトタルに続き、米国のイラン制裁で、PSAが世界で$が使えなくなるのを恐れ、8/6までにイランとの合弁事業を中止する」との報道がありました。金融覇権を握る$の力です。ドイツもドイチェ銀行が危ないと言われていますので、米国の軍門に下るでしょう。中国は基軸通貨の持つ力を過小評価しているのでは。体で覚えさせれば良いでしょう。

https://www.soundofhope.org/gb/2018/06/04/n1841037.html

6/5阿波羅新聞網<巴基斯坦放棄一帶一路轉靠美國?傳擬釋協美狙殺賓拉登醫師=パキスタンは中国の一帯一路を放棄し、米国を頼る 伝えられるところではオサマビンラデイン殺害に協力した彼の医者を米国に向け出国させるつもりである>“南華早報”によれば、米国は20002年からパキスタンに累計331億$の援助をしてきたが、トランプになり援助しないと言われ、中国に近づき、「一帯一路」に連なる「中パ経済回廊(OPEC)」に協力することとした。ただ、パキスタン中央銀行は「一帯一路計画は中国からの発電および設備機材の国内搬入で2021年までに278億$もかかる。中国からの500億$の借入と投資は30年で償還すれば900億$にも達する。」と。アナリストは「この債務はパキスタンにとっては重すぎる」と指摘した。これは中国の罠かも知れず、米国との関係を回復させるべきと。国防専門家のバテイは「一帯一路は我が国を更に中国に頼らせることとなり、米国と和解し、国際的孤立を避けるべき」と。それで米国のウサマビンの謀殺に協力して逮捕されていたアフリデイ医師を別な刑務所に移した。これは米国へ出国させようというパキスタン政府の善意の表れである。

医者のシゃキル・アフリデイ

まあ、パキスタンもマレーシアやスリランカの例を見て、国が乗っ取られると気付いたのでしょう。中国は悪徳高利貸し、国家が暴力団と同じですから。

http://hk.aboluowang.com/2018/0605/1124675.html

6/6宮崎正弘氏メルマガ<モルディブ、さらに面妖な親中路線の動き ラウム環礁のインド海軍航空隊駐屯地の契約更新を渋る>これはモルディブのヤミーン大統領が中国から賄賂を受け取ったとしか思えません。マレーシアのナジブと同じ構図です。モデイは躊躇わずモルディブに軍事介入すべきです。しかし、パキスタンと違い、トップが金に籠絡されるとは。国民感情として「ベンチがアホやから」としか思えませんでしょう。

http://melma.com/backnumber_45206_6692582/

6/5看中国<川金会即将登场 背后多了只“中国手”(图)=トランプと金は間もなく会うだろう 金の背後には中国が>中国が北を背後で支えるのは、北の共産主義体制が崩壊するのを恐れるから。KCIAは日経のインタビューに対し、「首脳会談後、北は核放棄に対し時間稼ぎをして変化を待つだろう。非核化の具体的な段階に入る前には米国は制裁を維持する必要がある。この過程で中国が重要な役割を果たす。中国は金・共産体制を支持し、実質上制裁を緩めている。中朝の国境辺りでの経済活動は日増しに活発化している。これは前にもあったこと。米朝間の未解決な問題が残る中で、トランプは中国の協力を得なければならず、非核化の効果に影響を与えると。

“毎日電訊報”はハリス大将の話を引用して「今は朝鮮問題を解決するのが焦眉の急であるが、長期的に見れば、中国がやはり最大の挑戦者である」と。しかし、米国は無力ではない。中共組織が政治・経済・外交・企業・教育・文化等を通じて世界に浸透して行ったのを壊した。このため世界の主要国は中国への警戒を怠らないようになった。今、北の核問題において、中国は世界の関心を集めている。

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/06/05/860735.html

上記の記事と福島氏の記事は反中国の動きが一歩一歩高まっているという事です。それはそうです、人権抑圧国家、無法国家がのさばれば、自国国民がどんな酷いことになるのか分かって来たのでしょう。米国が「世界の警察官」の役割を終えてはいないという事です。国際ルールを無視する「ならず者国家」には鉄槌を下さねば。今それができるのは米国だけです。日本もそれを支える力を持ちませんと。

記事

シャングリラ会合で注目を集めた米国防長官マティスの演説(写真:AFP/アフロ)

6月1~3日にシンガポールで行われたシャングリラ会合(アジア安全保障会議、英民間シンクタンク国際戦略研究所=IISS主催)が、なかなか興味深かった。もちろん6月12日に同じくシンガポールで歴史的な米朝首脳会談が控えているというのも理由の一つだが、この会議で米国側が、しばらく様子見していた中国による南シナ海の軍事拠点化問題について、かなり強い表現で中国を牽制したからだ。日本が提案し、トランプ政権も推進している「自由で開かれたインド太平洋戦略」が、中国の南シナ海戦略と完全に対立するものという認識を打ち出したのだ。しかも、これにフィリピンなど、これまで中国に対して逆らってこなかったASEAN諸国までが乗ってくる形で、中国包囲網が再形成されそうな流れになっている。アジアの安全保障の変化の行方を考えてみたい。

今年のシャングリラ会合はアジア太平洋地域17カ国の国防相による円卓会議を含め、40カ国の軍高官、学者約600人が集った。

第17回目になる今年のシャングリラ会合で特に注目を浴びたのは2日の米国防長官マティスの演説だ。マティスが中国による南シナ海の軍事拠点化に対し、「必要なら断固とした措置をとる」と軍事オプションをにおわせたことがニュースとなった。中国は4月以降、南シナ海の領有権争いの対象となっている人工島に対艦ミサイルや地対空ミサイルを配備したり、電波妨害装置を設置したりしている。また爆撃機の離着陸テストを行うなど軍事拠点化に向けた動きを隠していない。

このことに対し、マティスは「中国の主張とは反対に、そうした兵器システムの配備は、脅迫と威圧を目的とした軍事利用に直接関連している」として、中国の行動が周辺国に対する脅迫だと批判、また習近平がかつて「南シナ海を軍事拠点化する意図はない」と語ったことを持ち出して、発言が守られていないと名指し批判した。

さらにマティスは「インド太平洋にとどまり続ける」と言明。台湾の防衛能力強化のため米国の装備を積極的に提供することで、中国の南シナ海の軍事的脅威に対抗していく姿勢も強調した。米国は5月30日、ハワイでの太平洋軍司令官交代式典をもって太平洋軍の名前をインド太平洋軍に改名したが、この流れの中でマティスがその意義を確認したといえる。

中国代表団はマティス演説を批判

これに対して中国代表団長の何雷(解放軍軍事科学院副院長)は強く反論。「南シナ海ではなんら重大な衝突、争議は発生していない。安定的に発展している。ただ、ある国家(米国)が自由航行を建前に、軍艦や軍機を利用して中国の島礁の近海や上空を偵察している」「中国サイドの観点でいえば、こうした(米国の)行動は、南シナ海の軍事化の原因となるだけでなく、中国の主権に対する朝鮮である」と米国を批判している。

このマティス演説について、台湾アジア太平洋防衛研究センターの黄恵華研究員は「トランプ政権がアジア太平洋政策に重点を置きだした」と見ており、半島問題に何らかの決着がついたあとには、南シナ海を含むアジア太平洋が米中競争の主戦場となると予見。このため米国と台湾の政治同盟関係が強化され、台湾の防衛能力向上に米国が積極的に関わってくるとの見方を示した。

2016年に南シナ海の領土問題についてハーグ裁定以降の動きをおさらいしておくと、それを中国が公然と無視したものの、2017年4月に行われたトランプ・習近平による初の米中首脳会談では、南シナ海問題を棚上げにする(米中ともに、南シナ海の安定維持を約束する、現状変更をしない)という暗黙の了解があったと見られていた。これは、米国にとって半島問題およびシリア・中東問題を優先させるという判断があったからだろう。

2017年当時、米太平洋軍の情報将校筋から聞いた話によれば、南シナ海の中国の実効支配はすでに後戻りできないところまで進んでおり、この現状をオバマ政権以前に戻すには、軍事オプション以外では相当時間がかかる(事実上不可能)、という見立てであった。この情報筋の意見では、今のところ米国に軍事オプションを選択する意思はない、とし、“棚上げ説”の根拠としていた。

だが、米国が半島と中東の問題に軍事的政治的リソースを集中させている間に、中国は南シナ海の軍事拠点化を着々と進めていった。双方が南シナ海で動きを止めるという暗黙の了解を中国側から破って南シナ海の軍事拠点化を急いだわけだ。この背景には、南シナ海の領有権問題で当事者であるフィリピンなどの対中姿勢の軟化の問題がある。

つまり、米国に当面、南シナ海の中国支配を阻止する気配がない、とみたフィリピンやマレーシアなどが、中国にすり寄ってしまった。彼らには、経済的にも軍事的にも中国にノーといえる実力はないのだから致し方あるまい。このためASEAN首脳会合などで南シナ海問題に関して中国への非難を盛り込んだ声明は今年4月まで出せずにいた。逆にいえば今年4月に、中国を名指しはしなくとも南シナ海問題に対する“懸念”という言葉を復活できたのは、米国の姿勢の変化を察知したからかもしれない。

また、あれほど中国にべったりで、「中国はフィリピンを一つの省にできる」「中国との戦争でフィリピン軍が皆殺しされるくらいなら、海底資源の共同所有の方がマシ」と弱気の発言もあったフィリピンのドゥテルテ政権が5月以降、対中戦争の可能性について言及するまでになった。5月30日にフィリピンの大統領顧問(安全保障担当)ヘルモヘネス・エスペロンは、「フィリピンは外交努力による緊張緩和を常に目指すが、フィリピン軍が挑発や攻撃を受ける事態になれば戦争も辞さない」と記者団に発言したことをAFPが伝えている。

カエタノ外相は「もし南シナ海のフィリピン海西部で天然資源を採掘する者があれば、大統領は戦争を始めるだろう」と28日に発言している。パラセル諸島のウッディー島に中国がH-6K爆撃機の離着陸テストを行ったことにベトナム政府が正式に抗議したものの、フィリピン政府としては沈黙していたので、国内ではドゥテルテの対中弱腰を批判する世論が高まりかけていた。これを抑えるための発言とも見られているが、やはり、米国の対中姿勢の変化が、ドゥテルテを強気にさせているといえるだろう。

マレーシアでは5月9日の総選挙で独立後初の与野党交代がおこり、首相の座にはチャイナマネーにどっぷりつかっていたナジブから、中国依存脱却を掲げる92歳のマハティールが返り咲いた。しかも、中国の一帯一路戦略の要のプロジェクトであるクアラルンプル‐シンガポール間の高速鉄道計画中止を早々に発表し、マレーシアの中国離れを鮮明にした。チャイナマネーによるバラマキ選挙に野党連合が勝てたのも、中国および華僑が牛耳るマレーシア経済界の反発や圧力が予想されるにもかかわらず高速鉄道計画の中止に踏み切れたのも、やはりアジアにおける米国の軍事プレゼンス復活の予感をうけての反中世論の盛り上がりのおかげ、といえるかもしれない。

「インド太平洋戦略」の狙い

さらにインド首相のモディが会合の開幕演説を行ったのも、アジアの安全保障の枠組みが「インド太平洋」にあることを印象付ける演出と考えれば、演説中の文言が中国をあまり刺激せず抑制のきいたものであったとしても、そこには対中牽制の狙いがあるといえないだろうか。

モディは米中の南シナ海における対立問題ついては言及せず、いかにも中立の立場を貫く姿勢を見せたが、すでに「インド太平洋戦略」支持を表明している。モディが打ち出す「アクト・イースト」(インドとASEANの連携強化)は、インド太平洋戦略と連動しており、その根底には、インド洋において南シナ海のような中国の実効支配を許してはならない、という意思がある。

「インド太平洋戦略」の狙いが、中国の一帯一路戦略への対抗措置であることは、このコラム欄でも何度か説明してきた。建前論はさておき、一帯一路戦略は、南シナ海からインド洋にかけての「海のシルクロード」沿線国およびアフリカを中華秩序・価値観の下に組み込んで、その要衝地に、中国が軍事利用可能な港湾や交通インフラを建設するという経済併呑と軍事目的を備えた中国の野望であることは、もはや疑う余地はない。これに対して、その外側から日本、米国、インド、オーストラリアの民主主義国家が包囲網を形成するというアイデアが「自由で開かれたインド太平洋戦略」だ。

ともすると、中国の影響下で民主主義が後退することもある東南アジアだが、日米印豪が民主と自由の価値観のもと、地域の安定と経済発展においてリーダーシップをとる、しかもその価値観と経済パワーによってアフリカの潜在力も引き出していく、という。東南アジア・アフリカが中華経済圏と中華的秩序・価値観に乗っ取られるか、民主主義陣営の経済と価値観でそれを食い止めるかというのを、安全保障とセットでまさにせめぎあっているところだといえる。

ちなみに米国は、2018年のリムパック(環太平洋合同演習)に中国を招待しなかった。2年ごとに行われるリムパックに、米国は2014年、2016年と続けて中国の解放軍を招待してきた。これはオバマ政権における対中融和姿勢の象徴でもあった。招待しなかった理由は、中国の南シナ海軍事拠点化が指摘されているが、トランプ政権になって対中姿勢が融和から封じ込めに、はっきり転換したという見方でいいと思う。つまり、米国は、中国を戦争の可能性もありうる敵、とみなしているから、環太平洋の合同演習の仲間には入れないのだ。

中国が格下代表団を送り込んだワケ

ところで、ここでちょっと気になることがある。中国がこのシャングリラ会合に送り込んでいるメンツが大変しょぼいのだ。代表団長の何雷は中将にすぎない。国防部長も参謀長や副参謀も参加していない。このメンツでマティスやモディの発信力に太刀打ちできるわけがない。なぜ、中国はこの格下代表団しか送り込まなかったのだろう。南シナ海の軍事拠点化問題で、マティスらにつるし上げられるのが怖かったから? あるいは今の解放軍は腐敗摘発のやりすぎで人材不足に陥り、習近平の意思を正しく忖度して海外の国防長官や軍高官と論争できる人物が不在だとか? 意外に習近平が解放軍を御しきれていないということかもしれない。

とすると、半島問題にある程度のケリがついたあと、トランプがスプラトリーやパラセルの人工島にある中国の軍事基地にミサイルの照準を定めるという選択をしたとき、習近平政権および解放軍がどのような反応をとるのかも、ちょっと読めないのである。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします

『決して楽観視できない米朝合意後の世界 完全かつ不可逆的な非核化は不可能、核化した北朝鮮に備えよ』(6/5JBプレス 矢野義昭)について

6/5総理官邸と自民党に「日韓通貨スワップ再開反対の件 6/4に韓国全経連が自民党を訪ねて、通貨スワップを要請したとのニュースを見ました。慰安婦像も片づけないで、いけしゃーしゃーと頼める神経が理解できません。先方が頼んで来たら、その見返りはと必ず聞くようにし、一体につき10億円のスワップで上限は1000億円とか決めて交渉してください。でないと来年の参院選は自民党は敗北するでしょう。」と送りました。

首相官邸・ご意見募集

http://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken.html

自民党に対するご意見・ご質問

http://www.jimin.jp/voice/

6/4ぼやきくっくり<虎ノ門ニュース 青山繁晴氏>米朝首脳会談は6/5本ブログで既報の通り、セントーサ島のカペラホテルに決まりました。しかし、トランプの融和姿勢が色濃くなってきましたので、安倍首相の訪米でねじを締め直してほしい。そうでないとトランプもまた騙される結果になりますよと。青山氏の発言「こないだ訪米した時も、prime minister Shinzo Abeの影響力、発言力っていうのは大したもんで、今までそういうケースを見たことがないというのは、これ客観的な話としてたくさん出てきたんですね。現地も、僕はシンクタンクとか評論家のとこは行ってなくて、メディアのとこも行ってなくて、要するにホワイトハウスそのもの、安全保障会議、それから国防総省、国務省、軍ていう、いわば当事者だけですから、それみんな一致してましたよね。」というのを聞きますと、「安倍首相が最後の砦」と米高官は思っているという事です。トランプが自己顕示欲の為に道を誤とうとしているなら是非軌道修正を図ってほしいです。でもCVIDには時間がかかるというのは下の堀氏、矢野氏の意見からも「そうなんだろう」と思います。長くなっても時間を区切ることが大事かと。矢野氏の言うように北に核放棄させられないのであれば日本も核を持つ必要があります。イランもイスラエルの核に対抗して持つ(買う?)、それに対抗してサウジもパキスタンから買うでしょう。NPTは崩壊します。敵に洗脳され、現実を見ないお花畑似非平和主義者は日本の核保有に反対するでしょうけど。まあ、最初はニュークリアシエアリングから。やがて米軍から、中距離用だけ買えば良いでしょう。トランプは日本の貿易黒字を減らせと言っていますし。そう言う交渉も安倍首相にはやってほしい。民族の興亡が懸っていますので。左翼の言うことは気にしないで良いと思います。

http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid2188.html

6/6日経朝刊<米朝攻防 焦点を聞く(6)堀雅人 元IAEA主任保障措置分析官 核処分、北朝鮮内が現実的 兵器解体だけなら数カ月

――米朝が12日の首脳会談で非核化で合意した場合、国際原子力機関(IAEA)は北朝鮮の核兵器解体などにどのように関与できますか。

「IAEAは核拡散防止条約(NPT)加盟を前提に、各国と保障措置協定を結んで査察を実施している。北朝鮮はNPTを脱退しているのに加え、この査察は平和利用が前提だ。今回の場合は理事会での承認やなんらかの予算措置が必要となる」

「IAEAは2500人程度の組織で、査察官は300人ほどいる。アジアを担当している『実施部A』に北朝鮮担当チームがある。現状では少人数だが、ここの人数を増やして対応するのだろう。加えて、予算を関係国からどのように確保するかも課題となる」

――非核化の過程はどのように進むと想定していますか。

「まずは目前の脅威をなくすための道筋を作ることだ。具体的には使える状態の核兵器の解体、高濃縮ウランやプルトニウムという核兵器利用物質を処分するか、国外移転することが求められる」

「核兵器の解体は、バラバラにするだけならば数カ月で終わる。ただ、核原料物質や核施設の完全な除去、処分にはかなりの時間がかかる。完了までの期間を予測するのは難しい。日本でも原子炉の廃炉に10年以上かかった例がある」

――核兵器や核兵器利用物質の国外移転は可能でしょうか。

「処分の速度は国外移転の方が速い。ただ北朝鮮は調達先や保有技術を隠匿したいため、他国への移転を拒絶する可能性が高い。北朝鮮内での処理が現実的だろう。その場合は酸化物にしたり、高濃縮ウランの場合は劣化ウランを混ぜて希釈したりする方法がある」

――地下の核施設など北朝鮮が申告しない施設を捕捉する方法はありますか。

「衛星や公開情報を用いるのに加え、査察実施時の質疑応答で申告内容との矛盾を突いていくことが重要になる。査察官はチリやホコリなどをサンプルとして持ち帰り、分析して核物質を見つけ出すことも可能だ。第三国の情報提供も重要になる。とはいえ、北朝鮮が正しい情報提供をしなかった場合、それを完全に把握するのは極めて難しい」

――豊渓里(プンゲリ)の核実験場の爆破をどう受け止めましたか。

「何を破壊したのかが検証できず、非核化の観点からは実効性がない。爆破の前にまずは実験場の構造概要の情報提供があるべきで、どのようにトンネルを掘り、核爆弾をどう輸送し、どんな実験を何回したのかといった点が明確になっていなくてはならない。そもそも核実験場は比較的簡単に再び造れる。非核化への前進という観点では爆破にそれほどの意味はない」(聞き手は宮本英威)

ほり・まさと 2010年~16年、IAEAの査察官や分析官として勤務。日本で有数の核管理の専門家として知られる。16年4月から日本原子力研究開発機構核不拡散・核セキュリティ総合支援センター副センター長。57歳。>(以上)

6/6宮崎正弘氏メルマガ<アサド(シリア大統領)が近く平壌訪問と表明  これはヤバイ、核兵器をシリアへ移管し、隠匿する密議ではないのか?>本当にシリアに隠匿しようとしているなら北は米国を舐めていますし、中東諸国(特にイスラエル)・欧州も一斉に北を非難し、中露も制裁解除の動きがしづらくなるでしょう。中露が米国の世界一極支配体制を打破したいと考えても、核をシリアに持ち込むのは彼らにとってもタブーです。米国を本気で怒らせますので。

http://melma.com/backnumber_45206_6692797/

矢野氏の意見で空軍による攻撃だけでは核施設全部は破壊できないとのことですが、バンカーバスターを何発も地下に落とせば、地上軍を派遣しなくても核施設は埋まり使えなくなるのではと思うのは素人考え?

北に核放棄させられず、海上封鎖等軍事手段も行使できないとなれば「やり得」になり、それを横目で見ている中国の横暴を許すことになるでしょう。単に北の問題だけではありません。世界の平和の敵・中国とどう対峙していくかの問題です。日本も憲法改正、核保有の道を歩まねば。

矢野氏が書いています北の民主化はあり得ないでしょう。中国が介入して、それを阻止するはずです。クーデターを起こしても民主政権とはならないでしょう。朝鮮半島が統一されれば、矢野氏の言う中国、ロシア、朝鮮半島と3方面の敵に対して守りを固めなくてはなりません。やはり中国を後ろ盾にした北を潰した方が良いのでは。

記事

韓国・北朝鮮間の非武装地帯(DMZ)にある板門店で、2回目の会談を前に抱擁を交わす北朝鮮の金正恩労働党委員長(左)と韓国の文在寅大統領。韓国大統領府が東亜日報を通じて公開(2018年5月26日撮影)。(c)AFP PHOTO / Dong-A Ilbo / Handout〔AFPBB News

米朝首脳会談開催をめぐり、駆け引きが続いている。

いずれ会談は行われるであろうが、会談で米朝が、北朝鮮の「CVID(完全かつ検証可能で不可逆の非核化)」に合意したとしても、実質的な真のCVIDの実現はできるのであろうか。その可能性を分析する。

1 CVIDが実現できない軍事上の理由

米朝首脳会談開催については、開催合意後も駆け引きが続いている。米朝は、まだ実質的な譲歩をしているわけではない。特に米国はCVIDを北朝鮮が行動で示すまでは、圧力を緩めないとする原則的な立場を崩していない。

しかし、CVIDを真に達成することは、以下の軍事的理由からほぼ不可能と言える。

まず、空爆による核関連施設などの全数破壊はできない。

地下目標の位置把握と破壊の困難さ。北朝鮮には地下施設が1万数千か所あり、弾道ミサイルの数は1000発程度とみられ、その大半は移動式の発射台から、最大200か所の基地から発射可能で、普段は地下に格納されている。

地下施設のうちのどれに核関連施設や核ミサイル基地があるのか、完全に把握するのは困難である。

また、地下施設の位置が判明したとしても、それらを確実に破壊するのも容易ではない。通常弾頭では地下70メートル、核弾頭を使っても地下数百メートルまでしか破壊できない。地下施設を確実に破壊するのは、空爆のみでは不可能である。

しらみつぶしに地下施設を制圧するには、1993年当時の見積を準拠とすれば、湾岸戦争に匹敵する数十万人の地上兵力により北進し、本格的な第2次朝鮮戦争を数か月にわたり行わねばならないと予想される。

しかし、その結果、通常戦力による戦いだけでも、米軍に数十万人、南北朝鮮では民間人を含め数百万人の損害が出るであろう。

最も厄介な問題は、1993年当時と異なり、北朝鮮が核・化学、場合により生物兵器を載せた弾道ミサイルにより、日韓の在日米軍基地や軍関連施設、人口密集地に報復攻撃する能力を持っていることである。米本土に対するICBM攻撃の可能性も排除できない。

もし米軍が北進し北朝鮮の制圧に乗り出すとすれば、その最初の段階で、潜水艦からの巡航ミサイル発射を含む全面的な精密空爆により、休戦ライン沿いに配備された長射程の火砲や多連装ロケット、および北朝鮮内の核関連施設や弾道ミサイル基地を一挙制圧しなければならない。

これらの戦力が生き残っている限り、北進と同時にソウル砲撃や核攻撃が予想されるからである。

しかし一挙制圧は、上記の理由で不可能である。

先制空爆から生き残った弾道ミサイルは、報復攻撃に出るであろう。北朝鮮の残存報復能力について見積もることは容易ではない。

地下に隠された、あるいは発射準備中の野外の移動式ミサイルのリアルタイムの位置情報の把握は、極めて困難である。そのことは、湾岸戦争などでも実証されている。

現在は無人機、AIなどを使い、1993年当時よりも、目標情報の収集、伝達、分析は極めて迅速正確にはなっていると思われる。

しかしそれでもミサイルなどの目標数は激増し、地下化、移動化も進んでいるため、リアルタイム情報の把握が困難である状況には、基本的に変化はないと思われる。

発射された後の阻止手段は、弾道ミサイルに対しては、ミサイル防衛システムしかないが、これも100%の撃墜は期待できない。おとり弾頭の発射も可能であろう。撃墜率を上げるため、1発の敵ミサイルに対し複数のミサイルにより迎撃することはできる。

しかし、多数のミサイルを集中的に発射された場合、迎撃側のミサイルの能力と数が不足し、打ち漏らしが出てくるであろう。

結局、弾道ミサイルの完全撃破は不可能で、1発でも打ち漏らし着弾を許せば、核弾頭は広島型の数倍以上の威力があるとみられ、1発でも百万人以上の損害が出ることになろう。

生物、化学弾頭でも、気象条件などで異なるが、数十万人以上の被害は出ると予測される。通常兵力による損害と合わせれば、500万人以上の損害が、日本と朝鮮半島で生ずる恐れもある。

1955年に行われた、中部欧州に対するソ連軍侵攻を前提とし、それを阻止するため355発の核弾頭の使用を想定した演習では、ドイツ人の間に520万人の死傷者が出るとの見積もり結果が出されている。

このような破滅的な損害が予想される戦いに踏み切ることは、ドナルド・トランプ政権にも決断できないであろう。

さらに、中朝間では今も、軍事条項を含む中朝友好協力相互援助条約は効力を持っている。金正恩の二度に及ぶ訪中の最大の狙いは、米軍北進時の中国の軍事介入のコミットメント確認にあったと思われる。

そのほかに中国に対して軍事的必要性から、ミサイルの精度を決定づけるGPSの引き続きの使用、コンピューター・シミュレーションによる核兵器開発支援、海上封鎖時の陸上国境沿いの中朝貿易の確保などを依頼することにあったのでないかと推測される。

中国の後ろ盾を軍事的に得られ、かつ経済面でも制裁の緩和、原油その他の供給などの保証が得られれば、北朝鮮に対し海上封鎖を含めた軍事的選択肢により核・ミサイル放棄を強要することはできないとみるべきであろう。

経済制裁のみで戦略的目的を達成した戦史戦例はない。経済制裁はむしろ国民の敵愾心を高め指導者の下に結束させ、軍需生産の低下にはつながらないことが多い。

1990年代後半、約200万人とも言われる餓死者を出しても、核とミサイルの開発をやめなかった北朝鮮が、ICBMの開発に成功したかその目前に来ている今の段階で、経済制裁のみで完全な非核化に応じるはずはないとみるべきであろう。

軍事的選択肢も経済制裁による放棄も困難なら、北朝鮮に対する力による核放棄強要はできないと判断せざるを得ない。

2 CVIDが実現できない政治的理由

米国の情報機関は、今年の1月から2月に、北朝鮮のICBMは数か月以内に完成するかもしれないとの見積もりを出していた。その完成可能時期期はすでに過ぎている。北朝鮮のICBMはすでに完成している可能性もある。

しかし、北朝鮮が、核兵器を使用するようなことをすれば、北朝鮮も米軍の数百発以上の核報復を受ける恐れが高く、そうなれば北朝鮮全土が焦土になることは確実である。

そのような自殺行為に等しい決定をすることは、いかに独裁的な北朝鮮指導者といえども、あり得ないであろう。

以上のような理由から、北朝鮮による核兵器の先制使用や核報復などはあり得ないと楽観視する意見もある。しかしそのような見方に立つことは、現実に政策判断をする場合にはとることはできない。

なぜなら、能力がある以上それを行使するかどうかは、当事者の意思次第であり、攻撃対象となるこちらが決められないという事情があるためである。

逆に言うと、北朝鮮は、核兵器使用という恫喝手段を、日韓、そして火星15号打ち上げに成功した今では、米国に対しても使えるということでもある。

また北京やウラジオストクも攻撃できることから、中露も一方的に北朝鮮に自国の意思を強要はできないであろう。

現実の軍事的能力を無視して、相手方に対する政策や対応を決定することは、特に核保有をしている北朝鮮のような国を相手にする場合は、リスクが高すぎる。

北朝鮮が、核実験にも全米に届くICBMの発射実験にも成功したことは、それほどの重みをもっている。日韓はもちろん米中露も、北朝鮮に簡単に軍事介入などの強硬手段をとることも、北朝鮮を意向通りに動かせる国とみなすことも、もはやできない。

ジョン・J・ミアシャイマーも指摘しているように、核時代の今日、大国と言えるのは、核保有国のみである。

いくら経済力があっても、核を持たない国は、他国の意思に自国の安全と生存の根幹を依存しているのであり、いずれかの核大国に従属するか、核恫喝に屈するしかない。

その意味で、米国の核の傘に依存する日本は、米国に従属した小国である。中国も日本を、経済的には自立しているが、政治的には半ば、安全保障上は全面的に米国に従属しているとみている。

北朝鮮が実質的な核保有国になってしまっているという現実を前提として、対応するとすれば、真のCVIDを軍事力で強要することはできない。強要すれば、核報復を含む戦争になりかねないためである。そのリスクを犯すことはもうできない時点に来ている。

リビア方式は北朝鮮には適用できない。ムアンマル・アル・カッザーフィー(カダフィ)大佐が核開発を試みていたことは事実である。カダフィは、漢字で書かれた核爆弾の設計図を所持していたことから、中国の支援を受けていたことも間違いない。

その設計図は、パキスタンのアブドゥル・カディール・カーン博士から入手したとされている。なお、同じ中国の設計図がカーンから北朝鮮に渡された可能性もある。

カダフィは、サダム・フセイン逮捕の直後の2003年に、次は自分が倒されるとおじけづき、核放棄を宣言、核開発の全容を英米の情報機関に明かし、その代償としてテロ支援国家解除を勝ち取った。

ただし、リビアにはもともと自力で核開発を行うだけの資金や技術力はなく、カダフィ自身が、核開発の放棄を2003年以前に決めていたとの見方もある。

いずれにしてもリビアの場合は、核兵器開発は進んでいなかったし、保有もしていなかった。またリビアの場合は、中国のような地続き国境を持つ後ろ盾になってくれる大国もなかった。

このように、リビアと北朝鮮とは、環境条件が全く異なっている。

カダフィは2011年、米英仏が支援した「アラブの春」のさなかのリビア内戦の際に、反カダフィ派に殺害された。

北朝鮮は逆に、カダフィやサダム・フセインの末路から、核兵器保有を急がなければ彼らと同じ末路になるとの教訓を得て、核・ミサイル開発に拍車をかけたとされている。

リビア方式を北朝鮮に強要しようとしても、中露が同意せず、核関連の施設、ノウハウ、データ、技術者などが中露に亡命し保存される可能性も高い。

すべての核関連の施設を封鎖し、関連の物質、機械設備、設計図などを国外に運び出し破壊することはできないであろう。

3 北朝鮮に完全検証や不可逆的非核化を強要できない理由

核兵器は、小さな容積でTNT1トンの数万倍以上の威力を有している。そのため、核弾頭は隠匿が容易である。

イスラエルは、2.2万平方キロという、北朝鮮の5.6分の1の狭い国土の、ネゲブ砂漠の地下に核施設を建設し、国際機関などの目を逃れて秘密裏に核兵器を開発、保有したとみられている。

北朝鮮には百か所以上の核関連施設があり、地下施設は1万数千か所あるとみられている。そのすべてに査察官を入れて直接検証することは、不可能であろう。そのどこかに完成した核弾頭を隠し持つことは容易であろう。

北朝鮮側がすべての施設などを正直に申告するとは思えない。そうである以上、衛星写真などで怪しいとにらんだ施設に無警告で随時査察できなければ、査察の実効性は上がらない。

しかしそれでも、すべての施設が衛星写真などで把握できる可能性はまずない。プルトニウムの抽出施設は特殊なガスが発生し、ある程度は特定できる。

しかし地下のウラン濃縮施設は地上で兆候をつかむのは困難である。ウラン濃縮施設も、大量の電力や冷却水を使うので温水などから発見できることもあるかもしれないが、地下水を使用し、薄めればなかなかわからないだろう。

また、軍用施設への査察は、軍事機密保護を理由に拒むこともできる。

核・ミサイル開発に携わった科学者、技術者は数千人以上に上るとみられる。彼らの頭脳にある知識や持っている技能を消し去ることはできず、生きている限りいつでも復活できる。

今なら、電子媒体に膨大なデータや設計図をダウンロードし保存することも容易にできる。

科学者や技術者も監視下に置き、平和目的の研究開発などに従事させねばならない。それを受け入れる国も探さねばならない。そうしなければ、ソ連解体後にみられたように、新たな核・ミサイル技術の拡散が起こる。

核兵器の部品や製造設備、核関連物質の管理も容易ではない。小さなものなら持ち出し、窃盗、横流しもできる。

貧しい国の場合、テロリスト・グループや破綻国家などに核関連の物資などを横流しし、利益を得るという誘惑にもかられやすい。

「不可逆」の徹底も極めて難しい。科学技術者の技能、知識は残る。

核実験については、豊渓里(プンゲリ)の核実験場の爆破も行われたが、専門家の立会も坑道内への立ち入り調査も認められなかった。

6回も核実験を行えば、水爆を含めた核兵器開発に必要なデータはとれているとみるべきである。

インド、パキスタンはともに計6回の核実験(核爆発試験含む)を行っただけだが、今ではいずれも水爆を含む核弾頭を保有している。

イスラエルは南アフリカと共同で1回の核実験を行ったか、一度も実施せず、水爆を含む核弾頭を生産保有しているとみられている。

現在はコンピューター・シミュレーションによる核兵器開発も可能とされており、スーパーコンピューターでは世界的技術を持つ中国の支援などがあれば、北朝鮮が、秘密裏に核兵器開発を継続するのも不可能ではないだろう。

北朝鮮がプルトニウム抽出技術もウラン濃縮技術も保有していることは間違いない。核兵器不拡散条約(NPT)の第4条では、締約国の内、核兵器を持たない国(非核国)にも原子力の平和利用の権利は認められている。

北朝鮮がCVIDに仮に応じたとしても、非核国として平和利用の軽水炉も黒鉛減速炉も運転できる。いずれの炉にもプルトニウムは溜まり、特に黒鉛減速炉は運転を止めずにプルトニウムを抽出できる。

そうなれば、IAEAの査察を逃れるか、NPTから脱退すれば、北朝鮮はいつでも溜まったプルトニウムを抽出し、ウラン濃縮の濃度を兵器級に上げて核兵器の材料にすることができる。

また、ロケットとミサイルは、目的は異なるが、実体は同じものである。ロケットの開発については、宇宙条約により、平和目的の宇宙開発は主権国家の権利として認められている。

ミサイルも、宇宙ロケットとして打ち上げれば、固体燃料ロケットも含め、制約なく開発を進めることができる。

北朝鮮は、2012年に2回、テポドン2の改良型とみられるミサイルを「銀河(ウンハ)3号」と称する宇宙ロケットとして打ち上げ、2度目には成功している。

このように、核兵器もミサイルも開発・製造が、国際条約の下でいつでも再開できるだけの潜在能力を、北朝鮮はすでに保有している。すなわち、「不可逆」を保障することは、現実にはできない。

もしそれを強行するとすれば、NPTや宇宙条約の加盟国に認められている権利を北朝鮮には与えないことになり、差別的扱いを強制しなければならない。中露も多くの国もそれには同意しないであろう。

4 韓国とのバランス

現在は一見すると北朝鮮のみが、核兵器やミサイル開発を強行し、韓国よりも進んでいるように見える。しかし韓国の潜在能力は北朝鮮よりも高い。

昨年11月の米韓首脳会談で、トランプ大統領は韓国にそれまで課してきた弾道ミサイルの射程と弾頭搭載重量に対する制約を解除するとともに、韓国の原子力潜水艦建造も容認している。

韓国は2025年を目標に弾道ミサイルを搭載した国産大型潜水艦の進水を目指している。原潜の建造計画も検討が始まったと報じられている。

核開発についても、韓国はプルトニウム抽出技術を保有しており、国内の原発には核弾頭約8千数百発分のプルトニウムがすでに蓄積されている。韓国はまた、ウラン濃縮技術も持ち、世界で5番目の原子力発電容量を持つ原発大国でもある。

北朝鮮にCVIDの実行を要求した場合、韓国の持つ巨大な潜在力を考慮すると、南北間の潜在力の不均衡を正すために、北朝鮮は、最低でも韓国並みの潜在力の維持を要求するであろう。

すなわち、弾道ミサイル搭載大型原子力潜水艦(SSBN)の保有並びに、プルトニウム抽出技術とウラン濃縮技術の維持である。

北朝鮮のこのような要求を拒否し、CVIDを徹底しようとすれば、韓国に対しても、現在は米国からも容認されているSSBNの保有なども制限しなければならなくなる。

韓国は反対するであろうし、原発保有もNPTで非核国の権利として認められており、制限はできないであろう。

以上の状況を踏まえるとCVIDの徹底には韓国の国際的に認められた、あるいは米韓で合意した事項まで見直しが必要になり、韓国も説得もしなければならなくなる。

無理に韓国に強要すれば、韓国でも反米意識が高まり、ナショナリズムが燃え上がって、左派と北朝鮮が主導する南北政治統一に一気に向かう恐れもある。

まとめ

以上からみて、CVIDの徹底は事実上不可能と言えよう。韓国を説得しなくても済む、現在の韓国の持つ潜在能力を北朝鮮にも認めるのが、事実上の下限の要求になるのではないだろうか。

どのような条件で、CVIDをめぐる米朝の話し合いが決着するのかは、今後の交渉結果を見なければならないが、インドの事例などから見ても、以下のような決着になるのではないかと思われる。

(1)核物質、核技術を含む核拡散の阻止
(2)核実験の禁止
(3)核関連物質の管理強化と生産削減などを条件とし、潜在的な北朝鮮の核能力の保有は黙認

このような外交的決着の後に来るのは、核化した北朝鮮とどう共存を図るかという課題である。

その場合、当面予想されるのは、南北の経済交流が活発化し、平和共存がしばらくは続くという状況であろう。

南北の通常兵力と核潜在力を合わせた軍事力と経済力などを加味した総合国力は均衡し、戦争は抑止されるとみられるからである。

そうなれば冷戦に西側が勝利したように、北が内部から変質し独裁体制が倒れ、韓国主導で米国寄りの民主的な統一朝鮮が出現するかもしれない。

そのような方向になることは日本にとっても望ましいことであり、日本もその方向に外交的努力を傾けねばならないであろう。

しかし、経済交流と共に韓国民の対北警戒心が薄れて、北の対南工作が進み、韓国内に親北ムードが高まって、政治統一に向かうという可能性もある。

その場合は、反日、反米の核ミサイルを持った軍事大国統一朝鮮が、対馬海峡の向こうに出現することになる。日本は深刻な防衛上の脅威に直面することになる。

その頃には中露の独裁的体制下での軍事力も現在より増強され、日本は対馬、南西諸島、北方の3正面からの脅威に対し、同時に備えねばならなくなる。

そのような事態にも備えられるよう、日本としては国を挙げて、核保有を含めた防衛力の強化に着手する時期に来ている。また、周辺国の動向を把握し分析するための情報機関の設置も必要である。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『中国・産児制限による計画出産政策を完全撤廃へ 40年間の人口抑制が生み出したもの』(6/1日経ビジネスオンライン 北村豊)について

6/3自由時報<日學者出書爆料 馬雲、李彥宏、彭麗媛六四都有暗黑史=日本の学者安田峰敏は本を出して暴露 ジャック馬(アリババ)、ロビン李(百度)、彭麗媛(習夫人)は天安門事件に暗黒の歴史を持つ>立命館大学研究員の安田は「8964」と言う本を出版。中国では64事件への言論はおろか銀行で64元とか8964元の送金も禁止されている。天安門事件に関係したの者は50歳前後になっている。その人たちにインタビューしたら青春の思い出として有名人について滔々と語ってくれた。馬は2013年香港の南華早報のインタビューを受け「鄧小平の決定は泣いて馬謖を斬るであって、最も良い決定ではなかったが、最も正確な決定であった」と述べたため、ネットで炎上。馬は南華早報に抗議、記者を辞職に追い込み、また2015年には南華早報を買収した。李は64当時北京大学2年生で王丹と同期で何も関係がなかったとは考えにくい。でも、そのときにウーアルカイシーのスピーチを聞いて同期に「中国ではこれで10年は学生運動ができなくなる」と話し、すぐに中立の姿勢を取ったと。彭麗媛は幼い頃から解放軍の歌舞団員で87年に習と結婚。しかし、活動はそのままだったので、部隊が学生を鎮圧して日も浅い時に、部隊を慰問したとのこと。

3人とも生き方が上手いのか、良心を持ち合わせていないのか、我が身に置き換えれば、どんなに酷いことが行われたか分かる筈。共産主義は人間性を麻痺させます。

http://news.ltn.com.tw/news/world/breakingnews/2446455?utm_medium=P

6/3看中国<中共八大集团空降军血洗北京城内幕(组图)=中共の八大部隊は北京を血で染めた、その内幕>元中国政法大学教師で現米国居住の呉仁華は心血を注ぎ、64の18周年前夜に「天安門の血腥い現場の内幕」という本を出版した。本の中で、「この民主運動で最も勇気があり、道徳的かつ犠牲になったのは学生でもなければ知識人でもなかった。それは北京市民である。広場で平和を願う学生を守るため、体を張り、血を浴びながら戒厳部隊の攻撃を阻止して来た。身に寸鉄も帯びず、投石や棍棒だけであった。部隊で虐殺に手を染めたものは出世したが、ある部隊は攻撃を拒否し、またその後除隊した軍人もいた。

共産党はいつでも歴史を改竄・捏造します。何が人民解放軍かと言いたい。人民虐殺軍でしょう。日本共産党も猫を被っていますが本質は同じです。彼らが政権を取れば同じことをするでしょう。日本のメデイアは共産シンパですから、彼らの言うことは信じない方が良いでしょう。全学連崩れが会社の上層部を握っていますので。不買、不視聴で情報はネットから取るようにしたいです。

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/06/03/859609.html

6/4NHKニュース11:56<天安門事件から29年 党・政府批判抑え込み続く>

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180604/k10011463821000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_027

6/4阿波羅新聞網<美國國務卿蓬佩奧就六四事件29周年發表聲明:敦促中共=ポンペオ国務長官は天安門事件29周年に当たり談話を発表:中共に内省を促す>89年6月4日、天安門で起きた事件で、我々は無辜の生命が奪われたのを記憶している。まさにノーベル平和賞を受賞した劉暁波が授賞式には欠席したけれども発表した談話の中で、「64で殺された無辜の魂は未だ冥界をさまよっている」と述べた。我々と国際社会は中国政府に、殺害・拘留・失踪者の状況を公表し、天安門事件を忘れられないでいる人、投獄されている人を解放・釈放すべきである。それにより64デモ参加者や家族の抗議活動を終結させるべきである。米国は人権の保護は国家の基本的な責任と考えているので、我々は中国政府にあらゆる市民の普遍的な権利と基本的な自由を尊重するように促している。

まあ、馬の耳に念仏でしょうけど。

http://tw.aboluowang.com/2018/0604/1124204.html

中国と米国の貿易戦争も拡大してきています。6/5ロイター<中国当局、サムスン電子など米韓半導体3社調査の可能性>

https://jp.reuters.com/article/samsung-elec-china-idJPKCN1J034C

ドンドンやって、中国経済のバブル崩壊の引き金になる事を願っています。

北村氏記事は一人っ子政策を見直しても、中産階級は教育費に金がかかり、二人目を産む余裕はないと。乏しい社会福祉政策で、少ない子供が両家の両親の面倒を見ざるを得なくなります。でも3億人いると言われている農民工はもっと悲惨です。山田泰司氏の『食いつめものブルース』を読めば、違法建築物や廃屋に住み、真面な医療や子供の教育を受けられない農村戸籍の人間が、共産党の政策により住むところも追い出されていく姿が描かれています。「明日こそ自分の番」(生活が良くなること)を信じて。でも次第に政府への愚痴が増えていったと。貧者が増えていき、少数の富裕層の存在は革命が起きる下地となりますが、その時共産党は無慈悲に第二、第三の天安門事件を起こすでしょう。米国の衛星が捉えて世界に報道することを望みます。

中国人の人口が増えることは、自己中で道徳心の無い人間が世界に増えることになりますので、小生としては今のままで行って貰った方が良いかと。下手すれば余った男は戦争に駆り出してと言う発想にもなりかねません。中国はAI先進国を目指していますが、機械やロボットが仕事をするようになった時、マンパワーをどうするつもりでしょう。

記事

産児制限を撤廃しても、中国の人口急減阻止は苦戦しそうな見通しだ(写真:Imaginechina/アフロ)

米国のニュースサイト「ブルームバーグニュース(Bloomberg News)」は、2018年5月21日夜に「中国:産児制限の終了を検討、年内にも決定へ-関係者」と題する記事を掲載した。同記事は次のように報じた。

事情に詳しい複数の関係者が明かしたところによれば、中国政府“国務院”は「世帯当たりの子供の出生数に関するすべての制限」を撤廃する計画を協議中である。産児制限による計画出産政策はおよそ40年にわたって続けられてきた。産児制限を終了させた場合に、それが社会に及ぼす影響に関する調査はすでに委託済みで、この結果を踏まえた協議がまとまれば、2018年の年末にも決定が下される可能性もあるが、2019年にずれ込むことも有り得る。協議中の案では、人口管理を個人の選択に任せ、子供を何人持つかは個人が決定できるようになる。中国の産児制限は数多くの人権侵害が指摘され、労働力不足を招いたが、歴史的な打ち切りへと向かいそうだ。

中国の人口抑制策の歴史について、米国ウィスコンシン州立大学の客員教授で中国人口学者の“易富賢”は、次のように述べている。

(1)1950~1970年、中国の人口増加は世界と同じペースであり、中国が全世界に占める人口比率は22%で安定していた。1971年に国務院が『計画出産の任務を立派に成し遂げる件に関する報告』を承認し、1973年には全面的な“晩・稀・少”政策<注1>へ移行した。当時の中国では「“一個太少、両個正好、三個多了(1人は少ない、2人は丁度良い、3人は多い)”」というスローガンの下で、子供2人までの出産は容認されていた。

<注1>“晩・稀・少”の「晩」は晩婚を指し、男は満25歳、女は満23歳で結婚可能を意味する。「稀」は出産間隔を最低4年空けることを意味し、「少」は子供2人を意味する。

(2)1980年に元“国家科学技術委員会”主任で、“中国工程院”院長の“宋健”が、もし1組の夫婦に子供を1人と限定する独生子女政策(一人っ子政策)を実施せず、今のままの出生水準が持続するなら、中国の人口は2050年には40億人に達するとの予測を提出した。この予測が後押ししたことによって中国は一人っ子政策の実施へ踏み切った。今ではこの宋健が提出した予測は誤りであったと考えられているが、当時はこの予測に異議を唱える者もなく、中国は1980年9月に一人っ子政策の実施を一部の地域から開始し、実施地域を順次拡大する形で、1982年頃には全国で統一的に実施されるようになった。

高齢層急増と若年層急減の要因に

上述の通り、一人っ子政策は1980年9月から実施されたが、その後の紆余曲折を経て、2016年1月1日に施行された修正後の『中華人民共和国人口と計画出産法』の第18条第1項の規定「国家は1組の夫婦が2人の子供を出産することを提唱する」によって、その35年にわたる歴史の幕を閉じた。一人っ子政策はその長い歴史の中で、数知れぬ人権侵害や肉体的・精神的な犠牲者の悲劇を生み、高齢人口の急増と若年人口の急減をもたらす大きな要因となったのだった。

その犠牲者の1人が引き起こした著名な事件が“建国門事件”あるいは“9・20事件”と呼ばれる重大事件だった。その概要は以下の通り。

【1】1994年9月20日、北京市郊外の“通県”に駐屯する“北京衛戍区(首都軍事防衛組織)”の第3師団12団の中尉で副連隊長の“田明健”は、軍の倉庫から密かに持ち出した銃で連隊の早朝訓練を視察に訪れた師団の政治委員など4人を射殺し、十数人に重軽傷を負わせた。予期せぬ銃撃によって軍営が混乱する中を逃げ延びた田明健は、走って来たジープを奪って北京市内の中心部に所在し、外交官アパートが立ち並ぶ“建国門外大街”にたどり着き、たった1人で彼を包囲する数百人の兵士たちと対峙して銃撃戦を展開した。

【2】銃撃戦は朝の通勤時間に重なったため、事件の発生を知らずに現場を通りかかった公共バスに乗車していたイランの外交官とその息子を含む17人の乗客が、田明健の撃った銃弾を浴びて死亡した。この状況はたまたま現場に居合わせたカナダのテレビ局によってカナダ全土へ生中継された。中国政府は事件発生後にテレビの衛星放送を遮断すると同時に国内メディアに対して事件の報道を禁止した。このため、この事件は中国国内では小さく報じられただけであった。

【3】田明健は射撃の名手として兵士たちから尊敬を受けていた人物だったので、彼を包囲する兵士たちを標的にして次々と撃ち倒していたが、銃弾を全て使い果たした末に大使館地区へ逃げ込んだところを狙撃手の銃弾を背中に受けて息絶えた。なお、この事件による死者は田明健を含めて24人であり、負傷者は30~80人と推定されているが、実数は公表されていない。

【4】田明健は河南省の農村出身の兵士で、事件当時は30歳になったばかりだった。彼は故郷に残した妻との間に娘が1人いたが、大多数の農民と同様に、息子が欲しいと念願していた。田明健は休暇の度に故郷へ戻って妻と娘との水入らずの生活を楽しんでいたが、そうこうするうちに北京の部隊で妻から妊娠を知らせる手紙を受け取った。但し、当時は一人っ子政策が厳格に実施されていた時であり、すでに1人の子供を持つ田明健は妻が2人目の子供を妊娠したことを秘密にしなければならなかった。上官に報告すれば、即座に妻に堕胎させろと命じられることは目に見えていたからである。しかし、彼が部隊の内規に触れる事件に連座したことで、部隊内の所持品検査を受けるはめになり、妻の妊娠を知らせる手紙が発見されてしまったのだった。

【5】部隊はこの事実を速やかに田明健の故郷の“計劃生育委員会(計画出産委員会)”へ通報した。計画出産委員会は田明健の家へ人を派遣し、田明健の妻を医院へ連行した上で、彼女に人工妊娠中絶手術を強行した。すでに妊娠7カ月だった妻は堕胎の際の医療事故による失血過多で死亡し、田明健は胎児だけでなく、その妻も同時に失った<注2>のだった。しかも、胎児は田明健が待ち望んでいた男児であったという。妻と息子を同時に亡くした田明健は人生に絶望したが、彼は落ち込んでいるだけでなく、極端な方法で社会の注意を引き、一人っ子政策の理不尽さを社会に訴えようと決意した。それが師団の政治委員ほかを射殺することから始まって24人もの人命を失った建国門事件の原因だったのである。

<注2>田明健の妻が死んでいなかったという説もある。それによれば、田明健は事件前日の9月19日に故郷の妻に電話をかけたというが事実かどうかは分からない。

超過出産に高額な罰金徴収も

上述の田明健による建国門事件は一人っ子政策による犠牲者のほんの1例に過ぎない。

中国全土には2人以上の子供を産んで超過出産に対する高額な罰金を徴収された者がいるし、罰金が払えずに嬰児を殺した者、捨てた者、売った者もいる。秘密裏に生まれた子供たちは戸籍の登録ができないために無戸籍者となり、義務教育すら受けられず、社会の底辺での生活を余儀なくされた。

さて、話は現在に戻る。2018年5月某日、広東省“深セン市”のある産婦人科医院で男女の双子が誕生した。看護師が産婦の家族に見せようと子供たちを布に包んで抱き上げる準備をし、医師が産婦に縫合手術を施そうとしていた時、ベッドに横たわる産婦が突然大声で「待って、お腹がまだ動いているの」と叫んだ。これを聞いてびっくり仰天した医師と看護師が大急ぎで産婦の再検査を行ったところ、何と産婦の産道口にはもう1人の胎児がいて、外へ出ようと懸命にもがいているところだった。医師と看護師が産婦にこれを伝えて再度息むよう促すと、間もなく産婦は3人目の嬰児を出産したのだった。

三つ子の誕生に家族は大喜びだったが、産婦は困惑を隠せなかった。超音波検査では明らかに双子だったのに、どうして三つ子が誕生したのか。医師が産婦に説明したのは、産婦が双子を妊娠した時に、子宮後壁との間隔が小さすぎたので、超音波検査の時には3人目の胎児は胎児2人の間に挟まれて、その存在を確認できなかったものと思われるということだった。それでも幸運なことに三つ子は全員が元気で、何の異常も発見されなかった。

しかし、産婦には切実な問題が出現していた。彼女が今回産むのは双子のはずだったのである。彼女にはすでに12歳になる長男がいるから、今回一度に子供が3人増えて4人になる。金持ちではない普通の家庭にとって、赤ん坊3人の粉ミルク代を考えただけでも、それが家計を圧迫することは間違いない。赤ん坊2人までは覚悟していたが、3人となると話は別である。産婦の家族は三つ子の中の1人を養子に出すかどうか真剣に悩むのだった。その結果がどうなったかを中国メディアは報じていない。

中国では多くの夫婦が子供の養育は難事だと考えている。とりわけ、2008年に国産粉ミルクに化学物質のメラミンが混入していたことによって発生した「メラミン混入粉ミルク事件」<注3>以後は、農村部を含む大多数の家庭は国産粉ミルクを嫌い、外国産粉ミルクの購入を希望するようになった<注4>。この結果、1カ月の粉ミルク代が夫婦の一方の月給の40%に相当する金額となる事態が出現している。また、子供を持つ親にとって頭が痛いのは、子供の“補習班(学習塾)”の費用や医療費が非常に高いことである。上述した産婦の家族は12歳の息子を持っているから、粉ミルク代とその後に控える学習塾の費用や医療費を考えて、赤ん坊2人を加えた子供3人までなら何とか家計をやりくりしようと考えていたが、赤ん坊が3人となれば話は別となるのは致し方ないのかもしれない。

<注3>メラミン混入粉ミルク事件の詳細は、2015年3月6日付の本リポート「メラミン混入粉ミルク事件の余波消えず」参照。

<注4>外国産粉ミルクについては、2017年11月10日付の本リポート「豪州の粉ミルク、中国人が“代理爆買い”で物議」参照。

2人目の出産を尻込みも

実際にこれから子供を産もうと考えている若い女性の中には、高額なミルク代や学習塾の費用を考えると、出産を逡巡せざるを得ないと考える人もいるという。また、2人目を産もうと考えている女性の中には、子供を育てる費用の負担を考えると難しいと、2人目の出産を尻込みする人も多いという。「費用が高過ぎて、子供を養いきれない」というのがその理由だが、粉ミルク代は別としても、学習塾の費用は親の支払い可能な範囲を上回っているのが現実である。

北京市のある母親は次のように述べている。すなわち、学習塾の費用が高く、子供1人を育てるのには数十万元(約500~700万円)が必要となる。学校の教師は授業をまじめにやらないで、子供たちに“補習班(補習塾)”への参加を要求する。今は昔と違って成績の良い子供も補習塾に参加するから、補習塾に参加しないと授業について行けなくなる。親は誰しも自分の子供が学業で落ちこぼれるのを望まないから、学習塾は必須ということになる。

中国政府が産児制限を完全に撤廃しようとしているのは、上述した2016年1月1日から施行された修正後の『中華人民共和国人口と計画出産法』で1組の夫婦が子供を2人まで産むことを容認する「二人っ子政策」を採ったのに、出生人口が一向に伸びないことに起因する。2017年の出生人口は1723万人で、2016年の1786万人より63万人減少したことは、中国政府に危機感を増大させたのである<注5>。

<注5>出生人口の減少については、2018年2月16日付の本リポート「中国『2人目出産解禁』2年目に出生人口が減少」参照。

人口急減の阻止は困難

香港のニュースサイト「香港01」は5月22日付で、「中国は計画出産を取り消すと報じられるが、学者は出産の観念はすでに破壊されているので、人口急減の阻止は困難と」と題する記事を掲載した。記事は上述したブルームバーグの報道を引用した上で、次のように報じている。

(1)北京大学“光華管理学院”教授で、“人文経済学会”特別研究員の“梁建章”と“中国与全球化知庫(Center for China and Globalization)”の特別招聘高級研究員の“黄文政”は文章の中で、「たとえ中国政府が計画出産を取り消したとしても、出生人口の急激な減少を阻止することはできない」と述べた。その理由は、長期にわたる出産制限の下で、中国の出産文化は深刻な破壊を受けたことである。また、中国の都市では子供は1人だけ出産するのが当たり前の選択になり、農村も都市にならっているが、これは人類史上で未だかつてない現象である。

(2)中国では、子供の養育に高額な直接経済コストを負担する必要があるだけでなく、ますます深刻になる老人介護という難題にも直面している。さらに、他の国々と比べて、中国では託児所が非常に不足している。若い夫婦について言えば、大都市の高止まりしている住宅価格はもっと受け入れ難いものとなっている。

(3)人口の増大を抑制するため、中国は1970年代に“一胎化(一人っ子政策)”を実施したが、政府は労働力が徐々に減少することにより日々増大する老齢人口を扶養できなくなることを懸念した。このため、2015年末に一人っ子政策を緩和し、一部の夫婦に子供2人の出産を容認した。但し、関係データが示すように、中国の人口は急速に老齢化しているし、昨年の新生児数は1723万人で前年比3.5%の減少であった。

ブルームバーグの記事は、中国が今年の年末にも産児制限を全廃する可能性を知った欧州の株式市場では、「過去5年間で中国のベビーフード市場でのシェアを倍増させたフランスの乳製品メーカー、ダノンの株価は日中高値を付けたし、英国に本社を置く、日用品・医薬品・食品メーカーのレキット・ベンキーザー・グループは株価の値下がりを一時的に解消した」と報じている。中国政府による計画出産政策の撤廃は、日本の紙おむつや粉ミルクなどの乳幼児用品企業にとっても朗報と言えるだろう。しかし、香港01の記事にあったように、中国政府が計画出産を完全に廃止したとしても、大幅な収入増と物価の安定が見込めると同時に、国家による老齢者に対する手厚い福祉が確約されない限り、出生人口の減少に歯止めをかけることはできないだろう。

香港01の記事には、「中国の人口問題は、国家主席の“習近平”が目指す“現代化国家(近代国家)”建設のビジョンにとって主な障害になる」とあったが、正にその通りで、遅きに失した感のある産児制限の撤廃は、中国が直面する少子化と人口の老齢化にはさしたるプラスの効果をもたらすことはなく、人口問題は近代国家建設の大きな足かせとなるに違いない。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『金正恩がゴルバチョフになる可能性を読む 米朝首脳会談の先にある4つのシナリオ』(6/1日経ビジネスオンライン 森永輔)について

6/3阿波羅新聞網<中美军方香会激烈交锋 中共遭多国炮轰 美防长发警告=米中の軍は香港シャングリラホテルで苛烈に鋒を交える 中共は多くの国から砲撃に遭う マテイスは警告した>時事評論家の文昭が分析するに「中国は貿易戦争で劣勢の為、軍事でそれを補おうとしている。経済より軍事の方がより劣勢なのに、交渉で値段を吊り上げて。頭がおかしいのでは」と見ている。中共がファイアリー・クロス礁、スビ礁、ミスチーフ礁に対空ミサイルを設置、H-6K爆撃機を飛ばしてウッデイー島で軍事訓練をした後、その地域では緊張が高まっている。米軍はB-52爆撃機をグアムから飛ばし、バシー海峡から南シナ海に入り、東沙諸島を回ってグアムに戻った。その間、嘉手納基地から給油機2機が飛び立ち給油を行った。この一月の間に4回も飛ばした。

(既に報道されている部分は飛ばします)。マテイスは「今の中国の南シナ海での軍事化は、2015年習近平がWHで軍事化しないと公開で約束したことに反する。中共が国際社会を無視すれば、その結果を引き受けることになる。リムパックに呼ばないのは小さいこと。将来はもっと大きな結果が待っている。国際間で協力しなければ、自業自得になる。米国は台湾関係法に基づき、台湾の防衛能力向上を助ける」と述べた。

フィリピン、マレーシア、オーストラリアも中国を非難。

http://www.aboluowang.com/2018/0603/1123988.html

6/3希望之声<川普:非常惊讶中共会做出这事?=トランプ:中国がこんなことをしているとは非常に驚いた>下のツイッターはマテイスの「北京が南シナ海で脅迫、抑圧している」との非難発言を受けて。

https://www.soundofhope.org/gb/2018/06/02/n1837449.html

日本と言うか世界の自由の敵は中国です。習近平は毛沢東宜しく世界永久革命を目指し、三権分立のない、人権が保障されない為政者の思惑だけの世界を作ろうとしています。6/4は天安門事件が起きた日です。自国民を虐殺するのを厭わないのが共産党です。日本の外務省も容共なのがいて加藤紘一は西側世界が中国に制裁を課している時に、天皇陛下を訪中させ、政治利用しました。銭其琛の回想録に「日本は最も結束が弱く、天皇訪中は西側諸国の対中制裁の突破口となった」とあります。加藤は子孫に災いを残し、愚かとしか言いようがありません。こんな人間(もう死んでますが)を選挙で選ぶなと山形県人には言いたい。

6/3看中国<金正恩的信到底说了什么?川普:很有趣!(图)=金正恩の親書は一体何が述べられているのだろうか?トランプは興味があると>WSJによれば「内容が想像できる米外交官は、親書は短く、首脳会談を開きたいというだけで、譲歩もなければ脅しもないだろう」と。

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/06/03/860545.html

6/3阿波羅新聞網<在这儿举办川金会?这间饭店6/12前「不给订房」=ここで米朝首脳会談が開かれるのか? このホテルは6/12前の予約はできず>会談の候補としてシンガポールのカペラホテルか大統領府官邸が挙がっている。共同通信に依ると、「カペラホテルはセントーサ島にあり、安全確保に非常に便利。6/12前の予約は受け付けておらず、ホテル側は「満室」との答え」と。下図はカペラホテル。

http://www.aboluowang.com/2018/0603/1124036.html

6/4宮崎正弘氏メルマガ<平壌にマック、これが北朝鮮の譲歩条件だ(ワシントンポスト) 金正恩は、北朝鮮のマックドナルドのフランチャイズを希望している(?)>

http://melma.com/backnumber_45206_6691943/

金正恩は、自国民は簡単に殺す癖に、自分の欲望を実現させることに目がない人間です。リーダーとしての資格はありません。独裁者や一党独裁のシステムが如何に人類にとって不幸になるかという事です。北の国民も反乱を起こせばと思うのですが、火力の差がありすぎです。やはり国際社会が支援しないと難しいでしょうが、米朝首脳会談では、人権問題は拉致以外は触れられないでしょう。

森氏記事で、道下氏はクーデターの可能性が5%あると述べています。クーデターを起こして金正恩が排除された後の政権が真面であればそうなってほしい気がします。中国の傀儡では意味がありませんし、金以上に自国民を弾圧するのも困ります。

やはり35%の2020年までに非核化(CVID)で合意するのが一番かと思います。ただ騙されないようにしませんと。

記事

トランプ米大統領が米朝首脳会談を中止すると表明してから1週間。両国は、再調整のため協議を続けている。会談開催の条件は何か。開催後にはどのような展望が待っているのか。朝鮮半島問題の鋭い考察で定評がある道下徳成・政策研究大学院大学教授に聞いた。

(聞き手 森 永輔)

若い、合理的思考ができる「普通」の青年であることが露呈した金正恩委員長(提供:KNS/KCNA/AFP/アフロ)


道下徳成(みちした・なるしげ)氏
政策研究大学院大学教授(安全保障・国際問題プログラム ディレクター)。 専門は日本の防衛・外交政策、朝鮮半島の安全保障。 著書に『北朝鮮 瀬戸際外交の歴史、1966~2012年』(ミネルヴァ書房、2013年)がある。米国ジョンズ・ホプキンス大学博士(写真:菊池くらげ、以下同)

道下:見込みについては、分からないですね。開催されるかもしれないし、されないかもしれません。

会談開催の条件ですが、少なくとも北朝鮮は、トランプが「米国はこれだけの譲歩を獲得した」とアピールできる内容を提示する必要があるでしょう。例えば「2020年までに核兵器をすべて廃棄する」とか。

核施設の即時全面解体は含めなくてもすむかもしれません。これは「平和利用に限る」と説明することができるので、米側も妥協する余地があると思います。「CVID(完全で検証可能かつ不可逆的な非核化=Complete, Verifiable and Irreversible Dismantlement)」から「不可逆的な(Irreversible)」を除いた「CVD」になるかもしれませんが、「核兵器」の脅威は相当の部分なくすことができる。

—トランプが首脳会談中止の意向を示した時、北朝鮮の第1外務次官、金桂官(キム・ゲグァン)が「わが方はいつでも、いかなる方式でも対座して問題を解決していく用意があることを米国側にいま一度明らかにする」(朝鮮中央通信5月25日)と結ぶ談話を発表しました。

道下:あれは不思議でした。事実上、米国に泣きを入れる談話で、自ら弱い立場にあることをさらけだしてしまった。北朝鮮は失敗したのだと思います。油断して“いつもの芸風”で事を進めていたら、トランプに突然バシッと平手打ちにあって驚いた、とみます。

—北朝鮮外務次官の崔善姫(チェ・ソンヒ)が5月24日に発表した談話は、確かに“いつもの芸風”でしたね。「米国が我々の善意を冒とくし、非道に振る舞い続けるなら、朝米首脳会談を再考する問題を最高首脳部(金正恩=キム・ジョンウン=朝鮮労働党委員長)に提起する」(毎日新聞5月24日)。

道下:金外務次官があのような談話を出してしまった以上、北朝鮮が今後の交渉を強気で進めるのは困難です。それゆえ、核兵器の廃棄は約束せざるを得ないのではないでしょうか。

核兵器を隠し持ちつつ「廃棄」に合意する

—北朝鮮はなぜそこまでして今回の首脳会談を実現したいのでしょう。制裁が効いているからでしょうか。

道下:制裁が本格的に効いてくるのはこれからだと思います。なので、今の動きは2013年の朝鮮労働党中央委員会全員会議 で打ち出した並進路線に則ったゲームプランに基づくものだと思います。これを打ち出して以降、北朝鮮はミサイル実験や核実験の頻度を高めるなど、核・ミサイル開発を加速させました。そして昨年11月29日に火星15号の発射実験に成功した時には「核武力完成の歴史的大業」を成したと公言しました。

—火星15号は事実上のICBM(大陸間弾道ミサイル)とみられているものですね。

道下:はい。そして北朝鮮はここから一気に対話路線に転じました。米国との関係を正常化し、経済再建に本格的に着手しようという考えでしょう。米国との関係が改善すれば、日本などから資金の援助を得られる可能性も高まります。同時に、あわよくば米韓同盟の弱体化も狙おうという意図もあるように思います。

—北朝鮮は自らが進める並進路線、すなわち核兵器を保持しつつ経済支援を求めるという虫の良い考えを米国が受け入れると考えているのでしょうか。

道下:それがどこまでできるのか、北朝鮮にどこまでやる気があるのかはまだ分かりません。米国がCVIDにこだわるならば、北朝鮮も突っ張ってそれを拒否するかもしれません。

一方で、「核兵器をすべて廃棄する」と言いながら、そのうちの幾つかを隠し持とうとするかもしれません。米国は北朝鮮が核兵器をいくつ保有しており、それらをどこに格納しているのか、すべて押さえているわけではありません。仮に北朝鮮が核兵器を30発保有しているとして、米国が「北朝鮮は20~40個の核弾頭を保有している」と推定しているとしたら、例えば20個だけを申告すればよい。明らかにウソであるとはいえない数字であり、安全保障上も相当意味のある数字なら、米国は受け入れるかもしれません。

現実にはCVIDを実施するのは困難です。これを実施するためには、国際機関や米国が北朝鮮のどこでも自由に立ち入って査察を行えるようにする必要があります。北朝鮮がそんなことを受け入れることはないでしょう。

もちろん米国も手をこまぬいて待つことはない。“ひっかけ問題”を出してくるかもしれません。例えば、米国が把握している施設が5箇所あったとしても、わざと3箇所だけの検証を要求し、「ほかにも施設があったら教えてくれ」と求める。北朝鮮が「ほかにはない」と答えたなら、米国は北朝鮮の意図を見抜くことができるわけです。

その後は政治決断でしょう。この嘘をすぐに突くのか。米朝首脳会談での合意を優先して目をつぶり、嘘はあとで必要になったときに利用することも可能でしょう。

—ただ、目をつぶれば、それがリークされる危険を背負い込むことになります。大統領選挙の期間中に暴露されるようなことになれば問題になりますね。

道下:そうなのです。ただし、その一方で、トランプ政権はこの嘘を口実に、必要な時に軍事危機を起こすことができます。内政において不利な状況に陥った時に「北朝鮮は意図的に米国をあざむいた」として軍事危機をあおり、国民の支持を回復させることもできるでしょう。

このあたりは本当にかけひきの世界です。

あり得る最善のシナリオとは

—北朝鮮が「2020年までにすべての核兵器を廃棄する」と約束して米朝首脳会談が実現した場合、どのような展開が考えられるでしょうか。

道下:私は4つのシナリオを考えています。第1は「2020年までにすべての核兵器を廃棄する」で米朝が合意。米国は当面の圧力・制裁を継続しつつ、米朝関係改善、制裁解除、経済・技術協力を段階的に進めていく。例えば北朝鮮が核兵器を「すべて」廃棄した時点で国交を正常化する。4つのシナリオの中で最も悪くないものです。

このシナリオでは金正恩は経済再建を本気で進めていきます。

もちろん、これまでの経緯から考えて、北朝鮮が難癖を付けて合意の実施を遅らせることがあるかもしれません。例えば「対北朝鮮強硬派の大統領補佐官(国家安全保障問題担当)、ジョン・ボルトンが失礼なことを言った」という口実で。

北朝鮮が速やかに核兵器を全面廃棄しないと、合意に対する批判も出てくるでしょう。しかし、予定より遅れたとしても、少しずつでも非核化プロセスが前進していれば、「合意を破棄すべきだ」との議論は説得力を持たないでしょう。

—この最も悪くないシナリオが実現する可能性は何%くらいでしょう。

道下:35%くらいですね。

金正恩が“まとも”であるがゆえに高まる軍事オプションの有用性

第2のシナリオは、これまでやってきたことの繰り返しです。「2020年までにすべての核兵器を廃棄する」で米朝が合意するものの、北朝鮮が色々と理由を付けてこれを反故にする。

これに対して米国は態度を硬化させ、「鼻血作戦」などの軍事オプションをちらつかせて危機を高める。これに米国の国内政治がリンクした時には危険度が高まります。2020年の大統領選挙が迫っているにもかかわらずトランプ政権の支持率が低迷するとか、ロシアゲートをはじめとするスキャンダルへの追及が盛り上がるとか、いう場合ですね。トランプは「北朝鮮が非核化を拒否した」と宣言し、危機を高めて国民の目を外に転じさせる。この可能性が25%くらいでしょう。

北朝鮮もこれに対抗する措置を取るでしょう。太平洋上で水爆実験をすることがあるかもしれません。北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相が2017年9月にこうした選択肢を示唆したことがあります。

韓国に対してなら、南北の境界にある島々への砲撃などが考えられるでしょう。北朝鮮は2010年11月に延坪島(ヨンピョンド)を砲撃しました。同3月には韓国の哨戒艦「天安(チョナン)」を沈没させています。これらと似たようなことが起こり得ます。

私は、南北首脳会談や中朝首脳会談の結果、北朝鮮に対する軍事オプションの有用性が高まったと考えています。

—それはなぜですか。

道下:これらの会談を通じて、金正恩が合理的な人物であることが明らかになったからです。昨年まではクレージーな人物である可能性がありました。それゆえ、軍事オプションを取れば米朝が全面戦争に陥る可能性を排除できなかった。

しかし、南北首脳会談や中朝首脳会談を実施する中で、金正恩が困ったときには頭を下げることもできる、合理的な判断力の持ち主であることが判明しました。北朝鮮に鼻血を出させる程度の軍事攻撃――金正恩を殺害したり、体制崩壊を狙ったりしないもの――であれば、米国がこれを実施しても、北朝鮮が自暴自棄になって全面的な報復攻撃をするようなことはない。

それゆえ私は、軍事オプションの有用性が高まったと考えています。昨年は米国が北朝鮮に攻撃をかける可能性を5%程度と見ていましたが、今はその可能性が高まったとみています。金正恩が合理的な人物であることは良いことでもあるわけですが、軍事行動の可能性を高める面もあるわけです。

在韓米軍の大幅削減をのむ

—第3のシナリオはどのようなものでしょう。

道下:これは、北朝鮮が「核兵器をすべて廃棄する」のと交換で、米国が、韓国の防衛に対するコミットメントを低下させるシナリオです。これが実現する可能性は35%。

トランプは以前から韓国の「防衛ただ乗り」を批判し、在韓米軍の縮小を示唆しています。加えて、北朝鮮の核兵器がなくなり、南北関係が改善に向かうわけですから。

—米国が在韓米軍を撤収させるのですか。

道下:そこまではいかないでしょうが、兵力を大幅に削減する、あるいは有事駐留のような形にすることはあり得ます。平時は司令部機能などに限定し、有事が生じたら本格的な戦力を動員する。

韓国が拒否しなければ、この方向に進むでしょう。一方、韓国が米国に現状維持を求める場合には、駐留経費の負担増を求めたり、米韓自由貿易協定でさらに米国に有利な条件を出すよう求めたりするかもしれません。

—韓国の安全保障が危機にさらされることになりませんか。

道下:おっしゃるとおりです。なので韓国が保守政権ならあり得ない話です。保守派は米韓同盟の守護者であることをもって韓国政治の本流を任じてきました。

しかし、進歩派の文在寅(ムン・ジェイン)政権ならやりかねません。国家の安全よりも、内政面で保守派を追い落とすことを優先する。前大統領の朴槿恵(パク・クネ)と元大統領の李明博(イ・ミョンバク)が逮捕され保守派はおぼれた犬の状態にあります。これにとどめを刺す。

国家の安全保障よりも内政を優先する政治を韓国はこれまでも何度か繰り返しています。

—韓国の防衛メカニズムが弱体化するのを待って、北朝鮮は軍事的に半島を統一するつもりでしょうか。

道下:いえ、北朝鮮にその能力はありません。武力統一は夢のまた夢です。韓国もそう考えています。韓国の国防費は392億ドルで世界第10位(2017年)、ミサイルも1000発以上持っています。独力でも相当のことができます。だからこそ、文政権は在韓米軍のプレゼンス低下をのむことができるのです。ただし、島々への砲撃などの限定的な武力行使は容易になるでしょう。

—現行の在韓米軍はどれほどの役割を果たしているのでしょうか。

道下:北朝鮮が韓国に本格的な攻撃をかけた場合、韓国軍は単独でも最終的には勝利できるでしょうが、かなりの被害を覚悟しなければなりません。米軍が駐留していれば、比較的短期間に、被害が小さいうちに反攻することができます。また、米韓同盟の圧倒的な力により、北朝鮮を確実に抑止できます。

—在韓米軍は日本にとってはどのような価値がありますか。

道下:在韓米軍が撤収し、韓国が中立化する。これはすなわち、韓国が中国に取り込まれることを意味します。「衛星国になる」とまでは言いませんが、中国の影響を非常に強く受けることになるでしょう。在韓米軍がいる現在ですら、韓国の立ち位置は定まりません。在韓米軍がいなくなった時にどうなるかは推して知るべしと言えるでしょう。

韓国の名目GDPは1兆4112ドルで世界11位(2016年)です。これだけ大きな力を持つ国が中国の側につくのは、日本にとっても非常に大きな問題です。

—そうした事態になれば、日本にとっての防衛ラインが南北を分かつ38度線から対馬海峡に後退するという見方がありますね。

道下:その通りだと思います。

私は、米韓同盟弱体化の方向で中朝が合意したと見ています。

—朝鮮半島における米軍のプレゼンスが低下し、韓国がより親中になれば、中国にとっては願ったりかなったりですね。必然的に中国のプレゼンスが高まるわけですから。

道下:その通りです。ただ、この話を韓国でしたところ、「中国の脅威に目覚めた韓国が、米国や日本との関係回復に乗り出すのでは」という意見がありました。中国から難題を突き付けられたり、北朝鮮が増長したりするからです。

韓国では、保守派の基盤層が有権者の35%、進歩派の基盤層が25%ほどを占めるそうです。保守派はまだ滅んではいない。

—次の大統領選挙で保守派が勝利すれば、流れが変わる可能性があるわけですね。

道下:次は無理かもしれませんが、次の次はあるかもしれません。

金正恩がゴルバチョフになり国内動乱

—第4のシナリオはどのようなものですか。

道下:私はこれを「ゴルバチョフ・シナリオ」と呼んでいます。金正恩が北朝鮮を改革する。国際社会からバカにされ、見下される現状を改め、尊敬される国にする。金正恩はスイスに留学した経験あり、北朝鮮の現状に不満を感じていると思います。だからこそ、ミサイルの発射シーンを世界に配信して力を誇示したり、美しい奥さんを見せびらかしたりするわけです。

しかし、この第4のシナリオは大きなリスクを伴います。ゴルバチョフのように経済や社会の改革を進めていけば、既得権益を失う層は強く反発する。この力が大きくなれば政権によるコントロールが効かなくなり、北朝鮮全体が不安定化するかもしれません。金政権が崩壊に至ることもあり得るでしょう。このシナリオが起こり得る可能性は5%程度と考えます。

また、第1のシナリオを進めるうちにこの第4のシナリオに飛ぶこともあるかもしれません。

—反体制派になるのは、朝鮮人民軍でしょうか。

道下:それほど単純ではありません。改革をする過程で、当然、軍にも利権=「アメ」を与えるでしょう。

金正恩は軍においても党においても、「アメ」をばらまいて懐柔しつつ改革を進めるでしょう。改革がうまくいけば経済のパイが大きくなりますから、その恩恵を受けられる人も拡大すると思います。優秀な人材と地下資源を豊富に持つ北朝鮮は成長の潜在力は高いものがあります。

—元々は第1~第3だったシナリオに、第4のゴルバチョフ・シナリオを追加されました。これは契機になる動きがあったのでしょうか。

道下:今年に入って金正恩の対外的な露出度が高まりました。その結果、彼が若い、普通の合理的な青年であることが分かりました。南北首脳会談で笑顔をふりまく姿には、人気者になりたい気持ちが強く表れていました。だからこそ、ゴルバチョフのように改革を進める意思がある。

その一方で、経験不足であることも露呈しました。トランプが米朝首脳会談の中止を宣言した後、間髪入れずに金次官が「詫びの談話」を発表したのはその一例です。これらを考え合わせるとゴルバチョフ・シナリオが浮上してくるわけです。(敬称略)

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『とうとうリムパックから閉め出された中国海軍 対中融和派の理想は空想に過ぎなかった』(5/31JBプレス 北村淳)について

6/2NHKニュース<中国の南シナ海軍事拠点化を非難 米国防長官 中国は反発>

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180602/k10011462641000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_013

6/2本ブログで触れましたように、5/30NHKニュース11:17に報道された、マテイス長官の発言「習氏は南シナ海の人工島を軍事基地化しないと約束したのに、それを行った」というのを前段に入れないと視聴者は中国の言っていることも一理あると誤解する人も出て来るのでは。

6/3NHKニュース5:26<南シナ海めぐり米中が対立 アジア安全保障会議>ここには米・ダン・サリバン上院議員(アラスカ選出、上院軍事委員会メンバー、共和党)も参加し、中国軍幹部が主張する「南シナ海は歴史的にも中国の領海で、国際法に適合している」というのを否定しました。中国人はあからさまな嘘が平気でつけます。できないと出世しません。習近平のように。尤も「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という民族なので、歴史を改竄・捏造した資料を出してくるかもしれませんが、今の科学技術から見ればすぐに見破れます。それでも騙そうとするでしょうから、中国人は封じ込めるに限ります。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180603/k10011462821000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_009

6/1宮崎正弘氏メルマガ<マレーシア、「一帯一路」の重要な新幹線プロジェクトを破棄へ クアラランプール シンガポール間350キロの新鉄道は不必要だ>

http://melma.com/backnumber_45206_6690751/

6/1Share News Japan<蔡英文「私達はもう忍耐譲歩はしない。中国の圧力は台湾と国際社会とのパートナー関係を緊密化させるだけ」>

https://snjpn.net/archives/53672

6/1NewsWeek<ささやかれる台湾「武力統一」の現実味>

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/06/post-10290.php

5/30NewsWeek<PHILIPPINES’ DUTERTE THREATENS WAR IN SOUTH CHINA SEA IF TROOPS ARE HARMED=ドウテルテは自国部隊が攻撃を受けたら南シナ海で戦争に突き進むかも>ドウテルテ側近の二人が南シナ海での戦争の可能性について議論した。国家安全評議会顧問のエスパーソンは「フィリピンはいつも緊張緩和の為、外交による解決を追求するが、自国軍隊が挑発を受け或は攻撃された場合は軍事衝突する覚悟はできている。先日大統領も「部隊が攻撃されたら、それはレッドラインを超えたことになる」と言った。

中国はスプラトリー諸島の主権を主張し攻撃的になってきている。最近は核搭載可能な爆撃機H-6Kを人工島の周りに周回させ、南シナ海戦争の為の軍事演習をした。ベトナムはその動きに直ちに抗議したがドウテルテは黙ったまま。それで左翼グループと評論家の批判を招いた。

カエタノ外相はその発言の2、3日後「豊かな漁場を含む海洋資源を巡る戦争の可能性は高まっている。そこには豊富な石油やガスも眠っている。もし、誰かが西フィリピン海や南シナ海で天然資源を盗ろうとすれば、大統領は戦争に突き進むだろう。何かが起こればの話だが、間違いなく戦争になる」と。

議会で前海軍将校のアレジャーノは紛争地域での中国のやり方に政府が黙っていることを明らかにした。AP通信が言うには「5/11には中国艦船はヘリを飛ばし、フイリピン艦船に危険なほど近づけた」と。アレジャーノは「中国のヘリはフイリピン船に近づきすぎたので、海水がゴムボートまで入って来た」と。「もし政権が国民に西フィリピン海で行われたことを信じさせたいのなら、詳細を彼らに伝えるべきである。」と。国内で南シナ海の名が使われていることや政府にそのような事件が起きた場合、より一層公開すべきであると求めた。

http://www.newsweek.com/philippines-duterte-threatens-war-south-china-sea-949221

東南アジア諸国は反中に姿勢を変えつつあります。これはオバマ時代と違い、太平洋・東南アジア・インド洋に米軍が戻ってくると確信したからでは。ルトワックの予言通り、中国の無法な台頭は諸国間の合従連衡を齎すだろうという風に動いています。

6/2政経ワロスニュース<【米中】トランプ「中国人へのビザ申請を厳格化する!特にスパイと疑われる人物へ厳しくする!実施は6/11な!」⇒ 中国「米中は人材交流に一層努力すべき!」>日本は外国人実習生と言う実質移民を増やそうとしています。馬鹿かと言いたい。敵を内部に引き入れるなんて軍事センスのない人間の判断でしょう。反日国から大量に流入して治安を悪くします。

http://seikeidouga.blog.jp/archives/1071143876.html

6/3宮崎正弘氏メルマガ< 二転三転、そして四転五転の米朝首脳会談だが。。。。。 シンガポールに行っている間に、中国がクーデターを予防する?>

http://melma.com/backnumber_45206_6691445/

6/2ロイター<切迫感増すドイツ銀の米国事業縮小計画>渡邉哲也氏によればドイツ銀行は国有化せざるを得ないだろうと。ドイツ銀行の大株主は王岐山と関係の深い海航集団です。習が槍玉にあげている会社です。中国は救いの手を出せないでしょう。と言うことはやはり国有化しかないのかと。それをすればEU内でメルケルが他国へ言って来た「自己責任、救済はしない」という方針が崩れます。渡邊氏は「英国はブレグジットで虐められたので、(ドイツ銀行が国有化されれば)取引材料として使うだろう」と。EU発の中国連鎖崩壊となってほしい。

https://jp.reuters.com/article/deutschebank-us-breakingviews-idJPKCN1IX45G

https://www.msn.com/ja-jp/money/other/%E3%83%81%E3%83%A3%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%AF%E6%97%A9%E3%81%8F%E3%82%82%E9%9C%B2%E5%91%88-%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E9%8A%80%E3%80%81%E5%A4%A7%E6%A0%AA%E4%B8%BB%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E6%B5%B7%E8%88%AA%E3%81%AE%E8%B3%87%E9%87%91%E9%9B%A3%E3%81%A7%E6%A0%AA%E5%AE%89/ar-BBJ9lyM#page=2

北村氏記事は5/20本ブログでも取り上げ、参加を拒否すべきと主張しました。先ずは参加拒否となって嬉しいです。

http://dwellerinkashiwa.net/?p=8943

対中融和派は中国人の本質が分かっていないという事です。FDRから連綿と続き、キッシンジャーによって強化され今に至っています。金と女で転ばせるわけです。「騙す方が賢い」と思っている民族なので、平気で嘘がつけますし、ルール破りは当り前です。そんな国に米国は対ロ政策の為と言って支援してきたのですから米国が一番の阿呆という事です。ピルズベリーのような国務省上りが米国をダメにしてきたのでしょう。リベラルという容共で、米国民主党がそれです。共和党、特にトランプは中国に対し貿易制裁だけでなく、金融制裁をかけ、世界で貧しい国としか貿易できないようにしてほしい。中国の経済を崩壊させ、軍事費を減らさざるを得ないようにすれば、革命が起きるかもしれないし、人工島も維持できなくなるのでは。

記事

2014年のリムパックの様子。この年に初めて中国海軍が参加した。米海軍が公開(資料写真、2014年7月8日撮影)。(c)AFP PHOTO /US NAVY/ Amanda R. Gray/ HANDOUT〔AFPBB News

南シナ海への軍事的拡張をますます加速させると同時に、アフリカのジブチではアメリカ軍機に対してレーザー照射を行うなど、中国の国際ルールを無視する行動に、米海軍の対中強硬派は堪忍袋の緒が切れる寸前である。

先々週の本コラム(「リムパック参加の中国軍、次は何をしでかすのか?」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53102)では、そうした対中強硬派の人々が、「RIMPAC(リムパック)-2018から中国を閉め出せ」という声を再び強めているものの、中国海軍を閉め出すことはさすがのトランプ政権でも無理であろうと歯ぎしりしている、といった状況を報告した。

しかし、対中強硬派の歯ぎしりは驚き(喜びの驚き)に変わった。「闘う修道士」と呼ばれた元海兵隊総司令官マティス国防長官が率いるペンタゴン(米国防総省)は、オバマ政権が中国に発していたRIMPAC-2018への招待を“ドタキャン”したのである。

中国の覇権主義的行動はRIMPACにそぐわない

RIMPACは、2年に一度、ハワイの真珠湾を拠点として開催される多国籍海軍合同演習であり、20カ国近くの海軍が参加する。今年(2018年)はRIMPAC-2018が6月27日から8月2日にかけて開催されることになっている。

RIMPACに参加してきた国および2018年の参加予定国
中国海軍は2014年、2016年とRIMPACに参加しているが、5月23日、ペンタゴンは「RIMPAC-2018への中国の招待を取り消す」と発表した。

「中国は多国間の領域紛争が継続している南シナ海において、一方的に『軍事化』を推し進めており、南シナ海での軍事的緊張状態を悪化させている。このような、中国による軍事化、すなわち軍事力を背景にして周辺諸国を威嚇する覇権主義的行動は、RIMPACの原則や目的とは相容れないものである」というのが取り消しの理由だ。

そしてペンタゴンは、中国による直近の軍事化の事例として以下のような動きを指摘した。

今年の4月から5月にかけて、中国は南沙諸島に建設した7つの人工島のうちの3つ、ファイアリークロス礁、スービー礁、ミスチーフ礁に地対艦ミサイルシステムと地対空ミサイルシステムを設置した。それらの人工島にはいずれも3000メートル級滑走路が設置されているため、中国本土から1200キロメートル以上も離れた南沙諸島に強力な前進航空基地が3つも誕生することになる。

ウッディー島、南沙人工島、海南島からの地対艦・地対空ミサイルの射程圏
引き続いて、中国空軍は、南沙諸島や西沙諸島の航空拠点に爆撃機数機を派遣する訓練を実施し、中国による南シナ海の行政支配拠点である三沙市政庁が設置されているウッディー島(永興島)には、核爆弾や長距離巡航ミサイルを搭載することが可能なH-6K(戦神)爆撃機を展開している状況が確認された。

そして、そのウッディー島に、HQ-9(紅旗9型)地対空ミサイルシステムをはじめとするカムフラージュされた各種兵器が展開している模様が、アメリカの商業衛星によって映し出された。

このように、西沙諸島の軍事化がますます伸展している状況が明らかになっている。

対中融和派と対中強硬派のせめぎ合い

「中国をRIMPACに参加させるな」という主張は、オバマ政権が中国艦隊を初めてRIMPAC-2014に参加させる決定を下したときから、絶えず唱えられてきた。

中国をRIMPACに参加させるか否かは、中国に対する関与政策を支持するのか、あるいは封じ込め政策を支持するのか、という対中政策に関する基本的立場のせめぎ合いの具体的事案であった。

中国に対する関与政策を支持する陣営、すなわち中国をアメリカを盟主とする西側陣営にできるだけ取り込み、西側陣営と協調的行動を取る存在に変化させるために、中国とのある程度の妥協も容認せざるを得ないという対中融和派の人々は、RIMPACに中国を参加させることは絶好の機会であると考えた。

なぜならば、多国籍海軍による合同演習に中国海軍を参加させることにより、国際的な海軍のルールや国際海洋法秩序を理解させて、海洋での予期せぬ衝突を防ぎ、軍事力を振りかざしての海洋侵出を抑制できるものと信じていたからである。

一方、中国による覇権主義的海洋進出政策への対決姿勢を強化して封じ込めなければならないという方針を堅持する対中強硬論者たちにとって、仮想敵である中国海軍を、米海軍とその同盟国や友好国の海軍の集まりであるRIMPACに参加させることなど論外の企てであり、断固として容認できないアイデアであった。

ことごとく踏みにじられた対中融和派の期待

対中強硬派の人々は、中国海軍がRIMPACに参加しても、対中融和派の人々が考えるような啓蒙効果は起こりえないと考えていた。それどころか、多国籍海軍演習に参加する中国海軍の真意は、米海軍や同盟海軍などの情報を収集することにあり、国際協調を学ぼうなどという意思はない、と確信していた。

実際に、RIMPAC-2014において、中国海軍はRIMPACに参加する艦艇以外に情報収集艦を派遣し、アメリカ海軍をはじめとする各国海軍の電子情報の収集に勤しんだ。また、引き続いて参加したRIMPAC-2016では、海上自衛隊に対して国際儀礼を踏みにじる非礼を働き主催者であるアメリカ海軍は困惑した。

それだけではない、中国がRIMPACに参加した2014年に開始された南シナ海での人工島建設はその後アメリカ海軍などの予想を上回るスピードで推進され、本格的な滑走路まで建設されるに至り、現在は7つの“立派な”人工島全てにレーダー施設が設置され、それらの3つは3000メートル級滑走路や大型艦艇が着岸可能な港湾施設を有する本格的な海洋基地としての体裁を整えつつある有様である。

このような事実は、対中融和派の理想は全く空想に近いものであり、現実は対中強硬派が呈していた疑惑の通りであったことを証明している。

しかしながら、「RIMPACに中国海軍を参加させるな」という対中強硬派の抗議は、オバマ政権下では無視され続ける結果となった。そして、トランプ政権下でもなかなか中国に発せられたRIMPACへの招待が取り消されることはなかった。

ようやく日の目を見た対中強硬派

政権発足後1年を経て公表された国防方針において、トランプ政権は「大国間角逐」すなわち「中国・ロシアとの対決」に打ち勝たねばならないという基本方針を打ち出した。その状況に至って、これまで4年間にわたって押さえ込まれてきた対中強硬派の主張がようやく日の目を見ることになったのである。

RIMPACからの中国海軍の締め出しを第一歩に、いよいよ米海軍を中心とする対中強硬派による“反撃”が開始されることになる。だが、中国に与えてしまった4年間によって、中国海洋戦力による南シナ海での軍事的優勢は大幅に進展してしまった。したがって、米軍側の“反撃”は4年前に比べれば数段困難なものになってしまったこともまた事実である。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。