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『中国の「静かなる侵略」は阻止できるのか アジア太平洋の「中国化」について豪チャールズ・スタート大学教授に聞く』(6/29日経ビジネスオンライン 飯山辰之助)、『「中国を自由市場から排除する」米国の伝家の宝刀、タイムリミット7月6日を過ぎればもう後戻り不可能に』(6/29news-vision 渡邉哲也)について

6/29中国観察<贸易纠纷升级 民间忧心 中国发白皮书自辩(图)=貿易戦争はエスカレート 民間は懸念 中国はWTO白書を出して自己弁護>28日中国政府はWTO白書を出したが、全文1万2千字で4つに分かれている。①中国は加盟時の約束を誠実に履行②中国は多国間貿易を支援③中国は加盟後世界に貢献④中国は積極的に対外開放を謳った。広州中山大学教授は中国が加盟時の約束を履行していないので、米国と貿易戦争になり、民間は心配しているのを抑えるために白書を出した。しかし香港の経済学者は自己弁護に過ぎないと。WSJは、中国の対米黒字は2758億$にもなると。「経済学週報」の副編集長は「中国はグローバル経済に於いて重要な役割を演じようとしているが、中国は既に三方面で貿易秩序を破っている。中国は圧力で安定した政策を採り、それが経済を発展させて来た。しかし、権力者が発展の機会と果実を独占し、人件費は低く抑えられたままである。労働者の福利や保護は保証されていない。この他、中国は長期に亘り所謂保護貿易主義を採って来た。研究開発コストを低くして他国の技術を盗んで来た」と。

2001年中國加入世界貿易組織時的部分入世承諾。(圖片來源:手繪插畫)2001年中国がWTO加盟時に約束した事項の履行状況(図の来源:手で作ったもの)

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/06/30/863128.html

6/30日経朝刊<米中摩擦、人民元が急落 7カ月ぶり水準 当局、下落を容認 関税上げに備えか 市場に不安心理も>

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32433680Z20C18A6EA2000/

中共支配の終わりの始まりになるかどうかです。習が鄧小平の韜光養晦政策を止め、有所作為に転換したことが米国という虎の尾を踏んだという事でしょう。鄧小平の方がズル賢く、世界を騙しとおせましたが、習は愚かにも中国が世界制覇するという野望を明らかにしました。世界にとっては騙されずに済んだので良かったと思います。中国は通貨覇権を握っている米国の力を甘く見ています。IEEPAを中国に適用すれば中国の持つ1.18兆$の米国債は紙屑となります。またSWIFTのリストから中国企業の名前を消せば、主要国との貿易もできなくなります。CIFUSは中国からの投資を制限するようですし、人民元と株価は大暴落するのでは。

飯山記事に出て来る中国人外交官でオーストラリアに亡命したのは陳用林氏です。スパイ防止法が無い日本はもっと危ないでしょう。ハニーと金で籠絡された政治家、経営者、メデイア人は沢山いるのでは。発言内容に注意し、不投票・不買で対抗して行きませんと。

http://jp.ntdtv.com/news/17608/%E4%BA%A1%E5%91%BD%E5%A4%96%E4%BA%A4%E5%AE%98%E3%81%8C%E8%AD%A6%E5%91%8A%E3%80%8C%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%81%A7%E3%81%AF%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E4%BA%BA%E3%82%B9%E3%83%91%E3%82%A4%E3%81%8C%E5%A2%97%E5%8A%A0%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%80%8D

渡邉哲也氏の『日中開戦2018 朝鮮半島の先にある危機』を読み終えました。米国の経済覇権について書かれています。非常に分かり易く書かれていますので、一読を勧めます。

飯山記事

トランプ政権は7月から500億ドル相当の中国製品に関税を課すと発表した。即座に対抗関税を発表した中国は、今世紀半ばまでに米国に並ぶ大国になるという目標を掲げている。両者の角逐は足元の“貿易戦争”だけでなく、先端技術や軍事まで幅広い分野で本格化していくだろう。

日経ビジネスでは6月25日号特集「米中100年 新冷戦~IT、貿易、軍事…覇権争いの裏側」で、現在の関税措置の打ち合いや米国の懸念、中国化する世界の現状を徹底した現地取材でまとめた。それに関連して、米中に精通した専門家のインタビューを掲載する。

中国の影響力が急速に強まっていたオーストラリアでは昨年から反中感情が噴出し始めた。今年2月には豪チャールズ・スタート大学のクライブ・ハミルトン教授が『Silent Invasion~China’s Influence in Australia(静かなる侵略~オーストラリアにおける中国の影響)』という著書を出版。政治家への資金供与や大学への寄付、企業買収などにより豪州が中国に「侵略」されている様を克明に描き、広く豪州で物議を醸した。豪ターンブル政権は中国との関係見直しに動いたが、足元では豪中関係の悪化に苦しむ。オーストラリアはこれまでの関係をリセットできるのか、中国のアジア太平洋地域における影響力の拡大は阻止できるのか。『静かなる侵略』の著者ハミルトン教授に聞いた。

(イラスト:北沢夕芸)

—親中派と見られていたターンブル政権は昨年からオーストラリアにおける中国の影響を排除しようと動きはじめました。

クライブ・ハミルトン・豪チャールズ・スタート大学教授(以下ハミルトン):オーストラリアでは1年ほど前に中国に対する認識のシフトが起きました。北京が長年に渡ってオーストラリアの政治、経済、学界エリートの言動に影響を及ぼしていたことに人々が気づいたからです。中国の影響力拡大やその手法に関する詳細なニュースやリポートが主要メディアや情報機関から出され、私の著書も広く読まれています。政府も中国との関係見直しに動き始め、7月には(中国を念頭に置いた)外国による内政干渉を制限する法律も施行される見通しです。

豪チャールズ・スタート大学のクライブ・ハミルトン教授。今年2月、豪州で中国が陰に陽に影響力を拡大している様を克明に描いた著書『Silent Invasion~China’s Influence in Australia(静かなる侵略~オーストラリアにおける中国の影響)』を出版し話題を読んだ。その内容の過激さから複数の出版社が出版を拒否する騒動も起きた。

ただ残念なのは、ここまで来るのに時間がかかり過ぎたことです。2005年、オーストラリアに政治亡命した在シドニー領事館の中国人外交官は「中国共産党がオーストラリアに深く入り込んでいる」と既に警告していました。ただ当時は誰も注意を払わず、具体的な対策が取られることもありませんでした。何年も経ってようやく、彼の警告が正しかったことが分かってきたのです。

「中国の圧力に耐えるのは容易ではない」

今もオーストラリアの政治は深刻な問題を抱えています。中国マネーに踊らされ、彼らの都合のいいように操られる政治家がいます(昨年、野党議員が中国企業から金銭支援を得て中国寄りの発言をしていたことが発覚している)。特定の政治家が買収されていたように、北京は個人を通してその国に影響を与えます。誰が北京の利益になっているのか、それはなぜなのか、注意して見ていく必要があるのです。

—経済界からは豪中関係の悪化を不安視する声が出ています。オーストラリア経済は中国との取引を拡大させており、既に中国なしでは立ち行かない状況です。

ハミルトン:(豪州産ワインの一部が中国の関税で足止めされたり、豪政府関係者に中国のビザが発給されなかったりといった)今オーストラリアが受けている北京からの圧力は最低限のものに過ぎません。北京のさじ加減一つで、もっときついプレッシャーを受けるリスクも十分にあります。習近平国家主席がオーストラリアと長期的な友好関係を結びたいと考えるのならば話は別ですが、今のところそうした兆しは見えない。スタンスは強硬です。

オーストラリアは中国の圧力に耐えて中国との関係をリセットできるか。北京がバックオフ(後ずさり)するまで強い態度を保てるか。残念ながら、現状で北京は今もオーストラリアの政治、経済、学界、メディアエリートの手綱を握っています。今の段階では北京の圧力に抗することは難しいかもしれません。

中国の弱点はソフトパワー

—中国の影響力はアジア太平洋全体に広がり、かつ深まっています。

ハミルトン:中国にも弱点はあります。たとえば経済的、軍事的な影響力に比べて文化的な影響力(ソフトパワー)は小さい。彼らが持つマネーに群がる国々も、社会主義まで取り入れようとはしていません。民主主義のシステムに比べ中国の政治経済システムは硬直的で脆い部分がある。経済が立ち行かなければ、たちまち行き詰まるリスクを抱えています。

もっとも、しばらく中国の成長は続くでしょう。長期的に向き合っていくためには、互いの利益になる形を追求しつつ、かつ内政干渉には強い態度で臨まなければなりません。経済と政治とをできる限り分離し、経済的関係を構築したいというメッセージを北京に送り続ける必要があるのです。

これを実現するのは容易ではありません。中国との関係を見直すにはコストがかかるからです。経済的な損失を覚悟しなければいけないところまで来ています。アジア太平洋地域の各国に求められているのは、「自分たちの主権はいくらの価値があるのか」を見極めることです。主権を犠牲にしても(中国の支援を得て)GDP(国内総生産)の成長を優先させたいのか、あるいは、GDP成長をある程度犠牲にしても、自分たちの価値観を守るために中国との関係を見直しに踏み切るのか。各国が決断を迫られているのです。

米国が手を引けば中国はますます自信を深める

汚職や腐敗が蔓延している国々が、どこまで後者(価値観を守る)ことを選択できるのかは疑問です。北京が巧妙なのは、これまで西欧諸国が軽視してきた国々、たとえばアフリカ諸国などに入り込んだ点でしょう。オーストラリアで言えば(ポリネシアやミクロネシアなどの)太平洋諸国がこれに当たります。ここはオーストラリアにとっては裏庭のようなものですが、これまできちんと支えてきませんでした(今年4月、中国が南太平洋のバヌアツで軍事基地建設を検討していると豪州メディアが報じた。バヌアツと豪州とは2000kmほどしか離れていない)。

問題は同盟関係にある米国の動向です。彼らがインド太平洋で存在感を保とうとすれば豪中関係見直しの後押しになりますが、現状で米国のプレゼンスは弱まっています。もし今後、米国がこの地域から手を引くような兆しを見せれば、中国はますます自信を深めて、影響力の拡大に動くでしょう。

渡邉記事

写真:ロイター/アフロ

連日、米国トランプ政権及び米国議会は、中国への制裁強化を打ち出し、中国との対立姿勢を明確化させている。そして、米国の伝家の宝刀ともいえる2つの法律を中国に対して適用すると世界に向けて発信した。

一つ目は「米国通商法301条」(貿易相手国の不公正な取引慣行に対して当該国と協議することを義務づけ、問題が解決しない場合の制裁について定めた条項)であり、これを根拠に中国からの輸入品500億ドル(約5兆5300億円)相当に、25%の関税をかけるとしたわけだ。

当然、これに対して、中国は強く反発し、米国からの輸入品に同額の関税をかけるとしたのであった。対して、トランプ大統領は、中国が報復関税をかけるならば、さらに2000億ドルの産品にも関税をかけるとし、また中国が報復するならば、同額の2000億ドルを積み増すと発表した。これは中国から米国への輸入額とほぼ同額であり、要は全部に関税をかけると脅したのである。

また米国と中国との間の最大の懸念事項である「中国通信大手ZTE問題」にも大きな進展があった。米国はZTEに対して、米国の制裁を破ったとして、7年間の米国内販売禁止と米国企業からの技術移転禁止を命じた。これにより、ZTEは操業停止に追い込まれ、次世代規格である5Gでの展開も危ぶまれることになったのであった。

しかし、これは中国側の必死に説得により、10億ドルの罰金と4億ドルの供託金で回避される見込みとなった。だが、これに議会が反発、米国上院は、この合意を白紙化し、中国通信最大手であるファーウェイにも制裁を課す法案を絶対的多数で可決したのである。この法案は来年度の軍事予算などを含む国防権限法に盛り込まれているため、大統領権限でも簡単に解除できない仕組みになっているのである。これにより、ZTE及びファーウェイの株価は暴落、将来の展開が見込めない状況に追い込まれ始めている。

二つ目は「IEEPA法」(国際緊急経済権限法)の採用である。安全保障・外交政策・経済に対する異例かつ重大な脅威に対し、非常事態宣言後、金融制裁にて、その脅威に対処するという法律であり、議会の承認なしで、脅威となる対象の米国内での経済活動や金融取引を制限又は禁止できるという法律である。そして、金融取引の対象には資産の凍結や没収まで含まれているのである。

つまり、大統領が宣言し大統領令を出すだけで、相手を徹底的に潰すことができるのである。米国のISやイランなどへの金融制裁はこれを根拠に行っているわけだ。米国は中国からの先端企業への投資に対して、これを適用しようとしているわけだ。

これに先立ち米国下院は、外国投資を審査する対米外国投資委員会(CFIUS)の権限を拡大する法律を絶対的多数で可決しており、これは上院も通過する予定になっているのである。

通商法301条は、7月6日から発動される予定であり、これが予定通り実施されれば、米中の貿易戦争は後戻りのできない状況になるのだろう。そして、これは始まりに過ぎないといってよいのだろう。米国は「中国の自由市場からの排除」を始めたのである。

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『中国で大規模な退役軍人デモ、膨らむ矛盾と不満 進まない社会復帰支援、武力鎮圧事件に発展』(6/27日経ビジネスオンライン 福島香織)、『知財だけではない、中国・“標準化強国”の怖さ

6/26ロイター<焦点:頓挫する「中国版マンハッタン」、債務抑制が天津を直撃>天津は温家宝の利権(生まれ育った場所でもある)だから中央政府も支援しないのでは。

https://jp.reuters.com/article/china-debt-tianjin-idJPKBN1JL0RD

6/28日経ビジネスオンライン 飯山辰之助<中国、「一帯一路」沿線住民の不安 記者が各国を歩いて分かったこと>こうなることは見えているのに、騙される方が悪い。賄賂を受け取る要人を選ぶのが悪いのです。民主主義化していなくても不正に声を上げることはできるでしょう。

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/221102/062600587/?n_cid=nbpnbo_mlpum

6/26有線中国組

【數千退役軍人到鎮江抗議】
【清場後不少老兵仍被當局扣押】

退役老兵在鎮江市政府門口的示威上星期六清晨政府清場後,現場剩下便衣和公安駐守。有關注事件的維權人士指當局出動武警清場,有老兵因為拒絕離開被打到頭破血流,也有老兵受傷要留院。

清場後網上流出片段,軍隊和軍車已經被調動進城,甚至準備好了裝甲車。

被驅趕的老兵大部分被扣留在附近校舍,並被要求簽保證書同意是自願返回所屬地,拒絕簽名的則被繼續扣留。即使清場也陸續有老兵來到鎮江聲援,為了阻止他們,公安派出車隊在部分老兵居住的賓館外留守,不讓他們出外。亦有從外地來的老兵,在公路上被截查。

令當地政府那麼緊張的是因為上星期四開始,幾千名退役老兵從全國十多個省市來到江蘇鎮江市政府門口聲援維權時被打傷的老兵。鎮江老兵王益宏和幾十名老兵,上星期二到市政府抗議當局一直未處理好退役士兵的轉職安排,可是卻被人打傷。片段傳出後激發更多人來聲援,並在市政府門外留宿,最終公安在星期六清場。這是繼河南和四川後,本月第三次發生老兵示威事件,示威的老兵多年來一直爭取退休保障。

[数千もの退役軍人が江蘇省鎮江市で抗議]
[デモ終了後、多くの老兵が当局に拘束]

鎮江市政府の前でデモがあった後、土曜日の朝に現場は私服と公安が警備していた。 事件について懸念していた人権活動家は, 「当局が武装警察を出動させ事態解決を図り、現場を離れることを拒否した老兵は頭から血を流して倒れ、傷ついた老兵は病院送りになった」と指摘した。
デモ終了後、ネットの投稿によれば, 軍や軍用車両が市に入り 装甲車の準備もできた。追い払われた退役軍人のほとんどは近くの学校の構内に拘留されており、原籍地への帰還の同意書にサインをすれば帰ることができ、 署名を拒否すれば拘留が続けられた。たとえ現場が片づけられても、続々と退役軍人が集まるので、彼らを阻止するために公安は治安部隊を退役軍人の宿泊先の外で警戒し、彼らが外に出られないようにした。よそから来た退役軍人も途中で行く手を遮られた。

現地政府は「緊張は先週の木曜日から始まり、全国から数千人の退役軍人が江蘇省鎮江市に集まり、市政府の前で、権利を主張していた時に、彼らは攻撃を受けた。鎮江の老兵である王益宏と数十人の退役軍人は、先週の火曜日に退役軍人の就職斡旋がずっと未処理なのを抗議するために市政府に行ったが、却って負傷した。この録画が出た後, 多くの人々が集まり、市の門外に逗留して声援を送った。公安は土曜日に事件を解決した。これは, 河南や四川の次の3度目の退役軍人のデモであり、彼らは長年退職後の保証を求めている。

https://www.facebook.com/cablechinadesk/videos/1760851147392697/

6/28阿波羅新聞網<中国经济三大定时炸弹颗颗要命 川普“修墙”反中共入侵=中国経済には3つの時限爆弾がセットされ命を落とすだろう トランプは中共の侵略を防ぐ壁を造る>3つの爆弾は①中国全体の債務がGDPの350%にも上ること②不動産バブル③通貨供給量が174兆元で欧米合算のそれを超えることである。この他にも①中国からの米国への投資制限②ミンスキーモーメントが既に起こっていること③米国は貿易戦争により中国のバブル経済崩壊への引き金を引くことを狙っている事等中国経済の先行きは暗い。人民元レートと株式市場の下落がそれを物語っている。

http://www.aboluowang.com/2018/0628/1135710.html

福島氏の記事では、退役軍人を動かしたのは江沢民という噂があると書いていますが、江沢民にはもうその力はないでしょう。ただ江沢民派の軍人が習に酷い目にあわされていますので、彼らが結託して事を起こした可能性もあります。軍人だけでなく中国の社会保障の仕組みは貧しく、セーフテイネットが全然ありません。豊かになっているのは共産党幹部だけです。彼らに鉄槌を下さねば。中国国民は軍と協力して共産党を打倒すべきです。

細川氏の記事は今まで日本が中国に甘く対応(技術支援+資金支援)して来た咎めが出て、中国が国際標準を取りに動き出していると言うものです。何時も言っていますように日本人の人の良さが自分の首を絞めるパターンです。いい加減日本は政府も企業も中国に協力するのを止めたら。徹底した反日国家であるのに。

福島記事

中国ではここ数年、元軍人による抗議デモが頻発している(写真:AP/アフロ、2016年10月撮影)

習近平政権の最大の矛盾は軍部周辺で起きているのかもしれない。習近平政権最初の5年の任期で難しい軍制改革に手を付け、大規模リストラと軍部の利権剥奪、汚職摘発を名目にした粛清を続けている。こうした軍制改革が決してうまくいっているわけではない。もちろん、解放軍報を見れば、習近平礼賛記事であふれているが、これらが面従腹背で、解放軍内外の矛盾と不満はかなり膨らんでいるようである。

そういうものが、目に見える形で表れた一つが、昨今頻発している退役軍人デモである。6月下旬にもかなり大規模な退役軍人デモが起き、しかも解放軍下部組織の武装警察や軍が出動して鎮圧するという、軍内身内同士の流血事件に発展した。習近平政権二期目始まって以来の最大規模の退役軍人デモであり、ひょっとすると最大危機への導火線となるやもしれない。

このデモが起きたのは江蘇省鎮江。6月19日から24日にかけて 、全国22省から微信(中国ネットSNS)で呼び掛けられた退役軍人たちが続々と鎮江市の政府庁舎に集まり続けた。ネットに上げられた映像を見る限り1万人規模にはなっていた。香港紙の中には5~6万人が集結という報道もある。彼らは迷彩服姿で市内を行進するなどした。

当初は抗議活動を容認するかたちで、1万人の武装警察が治安維持のための厳戒警備にあたっていたが、鎮江市政府周辺で、一人の退役軍人と警備の武装警察が衝突、退役軍人側が頭から血を流して倒れ、怒ったデモ隊が非道を訴え、一部で暴徒化したようだ。退役軍人を殴ったのは、武装警察の制服ではなかったという説もれば、私服の武警であったという説もある。

相手は退役しているとはいえ軍人である。農民、市民の抗議活動とは迫力が違う。現地当局は最終的に武装警察および軍の出動を依頼、23日午前3時40分ごろには、2万人の武装警察および解放軍が退役軍人デモ鎮圧のために出動した、という話も出ている。

この結果、かなり暴力的な鎮圧が行われたようで、ネットには漆黒の闇の中で、「殴られた!」と叫び声をあげながら武装警察と群衆が衝突している様子が動画に挙げられている。ネットで散見する動画や写真をみれば、血まみれの退役軍人たちは一人や二人ではなかった。武装警察側の武器は主に盾やこん棒であったようだ。死者が三人以上出ている、という話もあるが、確認は取れていない。また、この鎮圧騒動で負傷した退役軍人が入院した病院では、大勢の退役軍人が“見舞い”に押し寄せ、病院前で退役軍人と7両の軍警車両が一時対峙する場面もあったとか。

また、当局は市庁舎近くの中学校に退役軍人を拘束、収容。その数は2000⼈以上とか。食事しに外に出ることも禁じられ、トイレに⾏くのすら⼆⼈が監視につくなどの厳しい監視をうけている、という。

当局は一切の報道禁止をメディアに通達し、ネット上でも動画や写真などの投稿削除が行われているが、なぜか微信だけは、完全に封鎖されていない。25日には「装甲車が投入された」という写真付きSNSの投稿や、鎮江市の外で二個師団が待機している、といった噂もながれた。こうした情報の真偽を確かめるすべは今のところないが、事件に関する情報は今なお断続的に発信され続けている。

党内部、軍内部が関与の可能性も

微信では、どこそこから退役軍人グループが応援に向かった、その応援グループが地元警察に連行された、誰それとの連絡がとれない、といった情報が次々と更新されており、今回のデモが、かなり組織的かつ全国的規模で入念に計画されたものではないかという気がしてくる。しかも中央ハイレベルから、このデモを事前に防ごうという動きがない。ご存じのように、中国ではすでに顔認識機能のついたAI監視カメラが駅や高速道路など要所要所に設置されており、大量の退役軍人が一斉に鎮江に向かおうとすれば、事前に察知されて当然なのだ。

微信が遮断されていないこととも考え併せると、党内部や軍内部のハイレベルが一枚かんでいる可能性は否定できない。あるいは治安維持部門があえて上層部に報告しない、といった現場のサボタージュがあったのかもしれない。江蘇省上層部すら、誰も現場に出てきていないので、これが退役軍人有志らの自発的アクションなのか、軍部が関与しているのか、背後に糸を引く大物がいるのかどうかも、目下は判断に悩むのだ。

だが、武器を携帯した武装警官・兵士が武力鎮圧を行ったことは事実らしく、ネット上では「軍人版天安門事件」などという声もある。24日以降は、現場に至る高速道路などは封鎖され、退役軍人に鎮江行きの鉄道切符を売らないなどの対応策に出ているという。また鎮江で拘束された退役軍人には原籍地に戻ることに同意する保証書にサインをさせて帰郷させ始めているようだ。

一般市民は退役軍人側の味方が多く、退役軍人に対してはタクシー運転手がただで現場に運ぶなどの応援も行われたようだ。微信上では、一般庶民からの退役軍人の身の安全を心配したり、がんばれと応援したりする声も多く上がっている。

私は26日に鎮江を訪れた。すでに退役軍人も武装警察の姿はなく、市庁舎も病院も中学校も平穏な様子であったが、複数のタクシー運転手によれば、23日に武装警察、特別警察、軍が出動してデモの鎮圧にあたったことは事実のようだ。あるタクシー運転手によれば「23日の夜は、街頭が消されて真っ暗の中、退役軍人たちが次々と拘束されていた。多くが中越戦争で戦った英雄なのに、ひどい仕打ちだ」と退役軍人側に強い同情を寄せていた。

ところで退役軍人の境遇とは、そんなにひどいのだろうか。ちょうど、この事件を報じた香港蘋果日報が退役軍人の現状についてまとめていたので、引用する。

2011年に施行された退役兵士安置条例によれば、12年以上の兵役者には軍が就職口を手配してくれるが、12年未満の兵役者及び義務兵は自力で就職先を探さねばならず、自主就業手当と呼ばれる一時退役年金が支払われるのみだ。しかし、これは1年の兵役につきわずか4500元が基準で、10年服役してやっと4万5000元が得られるということになる。

兵役経験者はよい就職口が用意される、というのはほんの一部の話であり、ほとんどの兵士は青春期の10年を軍に捧げてのち、退役後に一般社会に適応するのは現代中国ではなかなか簡単ではない。しかも習近平による軍制改革で、この数年は一気に30万人以上の退役兵士が新たに社会にあふれるわけだ。

感動巨編映画の公開が遅れた理由

中国の人気映画監督・馮小剛がメガホンをとった「芳華」(2018年)は、最近の中国映画の中では出色の感動巨編だが、第19回党大会前に当局からの検閲チェックに引っかかり、公開が大幅に遅れることになった。その理由は映画中で表現された中越戦争の描写が、大勝利という中国の公式宣伝と大きく違い、悲惨な泥沼の負け戦である事実を浮き彫りにしていたため、と言われているが、実はこの映画で描かれている退役軍人の境遇の悲惨さが、当時頻発していた退役軍人デモを刺激するからだ、とも言われている。

この映画で人気俳優・黄軒が演じる主人公は、中越戦争で片足を失ったあと退役し、地方都市で違法なコピーDVD露天商で日銭を稼ぐ生活で、城管(町の小役人)に摘発されて、罰金を払えといたぶられるのだ。

あの苛烈な中越戦争経験者の中には、確かに現代社会の底辺で苦しんでいる人たちが今もいる。改めて、この映画を見てみると、目下習近平の軍制改革で縮小されつつある文工団への懐古(馮小剛は文工団出身の監督)や、勝ち目のない戦場に駆り出されて心や体に傷を負った兵士たちが、その後の改革開放の発展の中で取り残されている様子がかなり残酷にリアルに描かれている。

かつての鄧小平がそうしたように、思い切った軍制改革を行い、台湾統一や南シナ海の有事の可能性を盛り上げることで、軍を掌握し、政権への求心力強化を図ろうとする習近平を、そこはかとなく批判しているような、においがしないでもない。

中国には現在5700万人の退役軍人がいる。今年3月の全人代後に習近平主導で行われた国務院機構改革の一環として退役軍人事務部が新設されたのは、こうした退役軍人の社会復帰を援助し、その人権を守り、その不満を解消するのが目的だった。だが退役軍人の登録を開始しただけで、なんら具体的な対策は打ち出されず、今回のデモについても、公式コメントすら出していない。

退役軍人事務部の設置は習近平の肝入りであり、一般の傾向としては、こうした退役軍人問題の責任は習近平の手中にある、という形で、今回の事件の矛先は習近平政権批判に向かいつつある。趙紫陽の元秘書、鮑彤は「警察力によって、(退役軍人の)正当な権利を粉砕すれば、(習近平)新時代の社会矛盾が消滅したり緩和したりするとでもいうのか? これが(習近平のスローガンである)治国理政の新理念新方向なのか?」と習近平政権批判につなげている。

習近平の「宿敵」江沢民が関与の噂も

さて、この事件の背景はまだ謎である。だが、香港の民主化雑誌「北京の春」の編集長・陳維健がやはりツイッターで興味深いコメントをしていた。

「今回のデモの現場の鎮江は江沢民の故郷の揚州のすぐ隣の地方都市だ。デモと江沢民が関係あるかはわからないが、鎮江政府は(軍による鎮圧という)軽率な対応をしてはならなかった。…退役軍人問題は習近平自身の手中にあり、官僚たちは自分に責任の火の粉がかかるのを恐れて、行動したがらない。この問題を解決するには必要予算があまりにも大きく、鎮圧するにはリスクが高すぎる」

習近平の宿敵ともいえる江沢民が何らかの形でかかわっているのか?

また、一部SNS上では、国家安全部二局(国際情報局)がこの事件の背景を調査するために現地入りしたというまことしやかな噂も流れている。中国当局は海外の情報機関の工作を疑っているのか?

すべてがネット上のSNS発情報というもので、何が事実で、何がデマなのかはまだわからない。だが、退役軍人デモが頻発していることは事実である。日本では2016年10月に北京で行われた数千人規模の退役軍人デモが大きく報道されたが、それ以前もあったし、それ以降も増え続けている。2017年も相当規模のものが少なくとも4件はあった。

1989年再来の可能性も否定できない

習近平政権としては退役軍人デモには、他のデモとは違う「話し合い姿勢」を見せており、今回のような武力鎮圧事件に発展したことは意外感がある。習近平の判断というよりは、偶発的な事件をきっかけにした鎮江市の対応の誤りが引き起こした騒動と言えるが、今後の中央の対応次第では、本当に1989年の再来の可能性だって否定できまい。

習近平政権は今世紀半ばまでに、戦争に勝利でき党に従う一流の近代軍隊を作るという強軍化の夢を掲げて軍制改革に踏み出した。だが、退役軍人への権利や尊厳が守れない状況で、誰が命をかけて党に忠誠を尽くそうというのか。このままでは、強軍化の夢どころか、体制の根底を揺るがしかねないのである。

細川記事

中国が技術の「標準化戦略」で、国内産業育成という「守り」から、世界標準獲得という「攻め」の姿勢に転じている。特許戦略と並び経済覇権を得るための「車の両輪」で、日本企業にとってのリスクが高まっている。

標準化戦略でファーウェイの存在感が世界的に高まっている(写真=ロイター/アフロ)

標準化による“国境の壁”戦略

本コラムの前稿「対中報復では解消されない、中国・知財強国の怖さ」で、中国の知財戦略の怖さを指摘したが、これと同様に、中国が経済覇権獲得のために戦略的に活用しているものがある。標準化(規格化)戦略だ。これらが相まって「中国製造2025」を下支えしている。そしてこれらをナイーブに、中国を「知財大国」「標準化大国」と単純に評価していては見誤る。

かつて中国には苦い経験がある。中国企業が海外進出した際、欧米市場では国際標準に準拠しないと市場に参入できなかった。準拠するためには知財権のライセンス取得が必要となり高額のライセンス料を要求された。これらの経験から、中国政府は、特許と標準を「車の両輪」として戦略的に取り組むようになったのだ。

既に、ハイテク、デジタルの分野では顕著だ。中国国内で独自の中国標準を採用することによって、海外技術による中国市場への進出を阻止している事例が目立っている。

例えば、無線LANがそうだ。2003年にWAPIという独自の暗号化規格を作って、中国国内でのWAPI採用を義務付けて欧米企業の参入障壁にしようとした。これはその後、米国の強い反発を受けて、米中合意で無期延期になったものの、中国の標準化による“国境の壁”戦略は明確である。

このように中国が国際標準と異なる独自の中国標準を採用すると、外国企業は中国標準に対応するためのコストがかかったり、標準の認証のために技術情報を開示させられたり、多大なリスクを抱えることになる。

さらにこの標準化による“国境の壁”は広がろうとしている。中国では約30年ぶりに標準化法が改正され、今年から施行されている。狙いの一つは標準化の対象をこれまでの工業品だけでなくサービス産業にまで拡大するものだ。中国の経済発展とともに経済のサービス化が進展したこともあるだろうが、この結果、標準化による“国境の壁”によって守られる範囲が広がるのだ。

「一帯一路との一体化戦略」でアジア標準に

こうして巨大な国内市場を独自の標準化によって守りながら、さらにそれをアジアに広げるために、中国標準をアジア標準にしようとしている。その強力な手段が「一帯一路」との一体化だ。

中国は数十の一帯一路の対象国と次々と“標準化協力”の覚書を締結している。そして相手国で標準化のワークショップを開催して中国の標準を紹介し、それを採用してプロジェクトを進めていくよう誘導している。その結果、中国の製品をそのまま相手国に輸出できることになり、中国企業が外国企業に比べて圧倒的に優位になるという仕掛けだ。

中でもデジタル分野では昨年12月に習近平主席は「デジタル・シルクロード構想」を提唱して、「一帯一路」の一環として沿線国でネットインフラを建設することも推進している。これと標準化協力を組み合わせて、デジタル技術の中国標準を広げていく戦略を着々と進めている。その結果、電子商取引市場や電子決済市場では中国標準がアジア標準になろうとしている。

さらに注目すべきは、今年4月に北京で開催された「全国サイバーセキュリティ情報化工作会議」である。米朝核問題、米中貿易摩擦に目を奪われていた中、中国政府首脳が集まって「ネット大国化」への方針が決定された。サイバー分野での軍民融合と並んで、この「デジタル・シルクロード構想」による海外展開が柱になっていたことは特筆すべきだろう。

このような中国の動きに対して、日本も決して手をこまぬいているわけではない。

日本政府もアジア諸国、とりわけASEAN(東南アジア諸国連合)の標準化当局とは以前から、協力の枠組みを作ってきた。そしてエアコン、建材など省エネ性能で差別化できる分野に焦点を当てて、技術協力も絡めて戦略的に取り組んでいる。

しかし、中国の巨額のインフラ整備支援を絡めた“実弾作戦”の前に、苦戦を強いられているのが現状だ。今後、アジアのマーケットを確保するためにも、ODA(政府開発援助)との連携、欧米との連携など、多角的に一層強化することが急務だ。

独自標準から世界標準へ、“標準化強国”への戦略転換

先に述べたように、独自の中国標準を作って、中国市場を守るというのがこれまでの中国のやり方であった。しかし中国は今や豊富な資金と人材をバックに技術進歩に大いに自信をつけて、大きく戦略を転換しようとしている。

すなわち独自標準によって中国市場を守るという「守りの戦略」ではなく、世界市場を狙って世界標準を獲るという「攻めの戦略」への転換だ。まさに“標準化強国”を目指して大きく舵を切ったのだ。前稿で指摘した、“知財強国”への転換と軌を一にするのは決して偶然ではない。

今年から施行されている30年ぶりの改正標準化法にそれを見て取れる。中国は戦略分野ごとに規格の戦略を作って、国際標準の主導権を取ろうとしている。これまでの標準化法では「国際標準を採用するよう努める」と書かれていた。ところが改正標準化法では、これを大きく変更して、「中国標準を国際標準にする」との明確な方針を打ち出した。

その代表例が中国製造2025において10大重点分野の一つになっているロボット分野だ。昨年5月に中国政府は「国家ロボット規格体系の整備指針」を発表した。今後2020年までに100項目のロボット規格を制定する目標だ。部品から完成品、そしてシステム全体にいたるまで広範に分野を網羅している。これらをもって国際標準に攻め込もうとしている。

通信分野でも、2006年には前出の中国独自の暗号化規格WAPIを国際標準にしようとしてもできず、苦汁をなめたが、いまや次世代通信規格5Gでは華為技術(ファーウェイ)が中心となって中国が国際標準化の主導権を握ろうとしており、米国の対中警戒感が高まっている。

官民一体となった戦略の下、民間による国際標準を策定する国際会議での中国の存在感は圧倒的に大きくなっている。中国からは若手の優秀な人材が参加し(40代以下が過半を占める)、がむしゃらに議長や幹事のポストを取って、中国標準を国際標準にしようと余念がない。また中国は議長や幹事になれば先進国の先端技術の情報を入手することにもうま味を見出しているようだ。

特に戦略的な通信分野では中国のロビー活動も熾烈を極めている。国際的に影響力のあるコンサルタントに猛烈に働きかけており、例えば5Gの世界では、ファーウェイが影響力を及ぼすコンサルタントが今や支配的になりつつあるのだ。

標準策定のプロセスは不透明で、技術流出の懸念も

これに対して、日本企業の「戦略性の欠如」は長年指摘されているとおりだ。かつてよりは改善されてはいるものの、国際標準の議論の場には年配の研究者、技術者だけが参加して、情報収集にとどまるものが未だに多い。議長や幹事ポストの獲得面でも中国の積極性に圧倒されて、明らかに後手に回っている。日本企業の経営層には、優秀な社内人材を投入するなど、これまでのように対欧米だけではなく、中国をも意識した戦略性と積極性が急務である。

さらに中国標準の策定にも、日本企業が警戒すべき「落とし穴」が潜んでいる。

それは、中国の標準策定プロセスに透明性が確保されていないことだ。表向き、外資企業にも制定過程への参加が一応謳われて、中国も海外からの批判を避けるような手は打っている。しかしそれが実際どう運用されるかが問題だ。

実はいくつかの業界で懸念すべきことが起こっている。

日本企業の中には中国当局から標準策定への参加・協力依頼の声がかかって、中国の標準策定プロセスのインサイダーになれると、喜んで参加するところもある。もちろん情報収集を早期に行い、早い段階から標準策定プロセスに関与して、自社の技術が採用されるよう働きかけることは大事だ。

しかし実はこれも注意が必要なのだ。

参加のアメと引き換えに、自社の技術情報の開示を求められる。そうすると競合の中国企業に流出しないとも限らない。日本企業は参加するにしても、こうした「落とし穴」にはまらぬよう慎重な対応が必要なのだ。

“標準化強国”を打ち出している中国では、今後ますますこうした場面が増えてくるだけに、日本企業にとってのリスクは大きくなっている。日本企業の経営層も現場任せにならないようにしたいものだ。

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『冷静に見てトランプ政権の対中強硬策は悪くない 米外交シンクタンクの専門家に米中摩擦を聞く』、『「それでも、民主主義は優れた政治体制」 民主主義と一党独裁について米コロンビア大学教授に聞く』(6/25・26日経ビジネスオンライン 篠原匡、長野光)について

6/25ロイター<米国、中国企業による米ハイテク企業への投資制限を検討=政府当局者>

https://jp.reuters.com/article/trump-china-wsj-idJPKBN1JL04K?il=0

こちらに出てきますIEEPA法(INTERNATIONAL EMERGENCY ECONOMIC POWERS ACT)とは=「安全保障・外交政策・経済に対する異例かつ重大な脅威に対し、非常事態宣言後、金融制裁にて、その脅威に対処する。具体的には、攻撃を企む外国の組織もしくは外国人の資産没収(米国の司法権の対象となる資産)、外国為替取引・通貨及び有価証券の輸出入の規制・禁止などである。米国の安全保障や経済に重大な脅威が発生した場合、外国が保有する米国の資産については、その権利の破棄や無効化などができるという法律である。つまり、非常時には中国が持つ米国債も凍結され、チャラにされてしまう可能性がある。」中国の持つ1兆1800億$の米国債もチャラにしてほしい。

参考:2014/3/14<【渡邉哲也】米国 国際緊急経済権限法(IEEPA法)発動>

https://38news.jp/archives/03203

6/25AC通信<サヨクの横行するアメリカ>左翼の常套手段は「ルール破り」を「差別」と言って正当化することです。自分達が一番差別したり、言葉狩りをして、相手の自由を奪う行動に出るにも拘わらず。未熟と言えば未熟。でも手もなく騙される国民も国民。日米ともに。小川榮太郎氏は6/24講演で「今の日本は全体主義が覆っている。言論空間に異論を許さない雰囲気が充満している」と述べました。メデイアがその権力を利用してメデイア批判を封殺しようとしていることを指したものです。

http://melma.com/backnumber_53999_6701101/

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3223246026062018000000/

6/26阿波羅新聞網<习近平要回击特朗普 美媒曝习对贸易战原话 ——习近平对欧美大公司CEO称中共将回击美国=習近平はトランプに反撃 米国メデイアは習の貿易戦争への方針を明らかにする 習は欧米の大企業CEOに対し中共は米国に反撃すると伝える>習は「西洋には“左の頬を打たれたら右の頬をも出せ”という諺があるが、中国は“目には目、歯には歯”である」と言った。役人が言うには「習はワシントンには絶対妥協もしなければ譲歩もしないことを決めた」、「中共は外部の圧力に妥協せず、結果は引き受ける。これは習が交渉の方針として決めたこと」と。

経済音痴の習が決定権を握るのであれば、中国経済の崩壊を早めることになり、万々歳です。

http://www.aboluowang.com/2018/0626/1134730.html

本日は記事が長いので短くコメントします。米中が本格的に経済で激突します。世界覇権をめぐる戦いです。中国は貿易黒字を軍拡に利用しています。自由主義国は人権弾圧する共産主義国に世界を委ねることはできません。米国を支援すべきです。経済面でも中国は国際ルールを守らず、ずっと利益だけを得て来ました。中国人の基本的価値観は何時も言っていますように「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」というもの。これが分かっていれば中国が民主化するなんて幻想にすぎないと分かりそうなもの。いくら勉強してもそれが見通せないようでは賢いとは言えません。

6/25記事

トランプ政権は7月から500億ドル相当の中国製品に関税を課すと発表した。即座に対抗関税を発表した中国は、今世紀半ばまでに米国に並ぶ大国になるという目標を掲げている。両者の角逐は足元の“貿易戦争”だけでなく、先端技術や軍事まで幅広い分野で本格化していくだろう。

日経ビジネスでは6月25日号特集「米中100年 新冷戦~IT、貿易、軍事…覇権争いの裏側」で、現在の関税措置の打ち合いや米国の懸念、中国化する世界の現状を徹底した現地取材でまとめた。それに関連して、米中に精通した専門家のインタビューを掲載する。初回の今日は米外交シンクタンク、外交問題評議会のアジア研究部長を務めるエリザベス・エコノミー氏に話を聞いた。

(イラスト:北沢夕芸)

—エコノミーさんは最新の著書『The Third Revolution』で習近平・国家主席が率いる現在の中国の状況を毛沢東による建国、鄧小平による改革開放に次ぐ第3の革命と名付けています。

エリザベス・エコノミー氏(以下、エコノミー):習主席の究極の目的は偉大な国として中国を再生させることだ思います。その時に浮上する疑問は、どのようにそれを達成するか、どのようにして世界的な舞台で存在感を取り戻していくのか、ということです。これまでに習主席が決定したことを見ると、国内では抑圧的で独裁的、国外では野心的で拡大志向な国家を構築することです。

Elizabeth C. Economy(エリザベス・エコノミー)氏。
米外交シンクタンク、外交問題評議会のアジア研究部長。中国の国内政策と外交政策の専門家として評価が高い。(写真:Mayumi Nashida)

集団指導体制は過去のモノ?

エコノミー:習主席がそれをどのように進めたかというと、第一に中央集権化を進めました。中国を改革・開放に導いた当時の最高指導者、鄧小平が構築した集団指導体制ではなく、彼の手中に権力を集中することで実現したんですね。

第二に、共産党が中国社会と中国経済に深く入り込みました。企業の中に細胞組織を作るように命じたのは一例です。そして第三に、外国からの影響が国に及ばないように、制限と規制の「仮想の壁」を築きました。

中国は製造業の高度化を目指す「中国製造2025」を進めていますが、この壁によってAI(人工知能)や新素材など最先端の分野で多国籍企業が公正に競争できなくなる可能性があります。また、外国のNGO(非政府組織)の管理に関する新たな法律によって、外国のNGOが中国の取引相手と協力することが難しくなりました。ご存じの通り、インターネットへのアクセス制限も厳しくなっています。

—野心的な外交政策についてはどうでしょう。

エコノミー:習主席は2014年に、「ゲームのルールを書く手助けをするだけでなく、そのゲームを演じる場をつくりたい」という趣旨の発言をしています。私は国際的な組織のルール、組織、制度、規範に中国の価値観や原理をこれまで以上に反映させるという意味に捉えています。

習近平と中国の「第3革命」

また、対外的な野心は領土問題にも見て取れます。習主席は中国が主張する領有権を実現させようとしています。台湾や南シナ海について、鄧小平は先送りしましたが、習主席は鄧小平のようには考えていません。南シナ海に軍を配置し、周辺の国々の主権を蝕んでいます。

外交政策の中には、習主席の肝いりの「一帯一路」も含まれます。この構想は過剰生産と投資を輸出するだけでなく、中国共産党の価値観を広め、中国の安全保障を強化するメカニズムと言えますので。ここまで述べてきたことが、私の言う習主席の「第3の革命」です。

—習主席の時代に共産党の支配は強化されました。

エコノミー:習主席が主導した反腐敗運動は支配を強める上で重要な役割を演じました。過去を振り返ると、反腐敗運動の大半は始めてもすぐに中止されるというのが一般的でした。でも、習主席の反腐敗運動は逮捕される人が年々増えるなど力強さが増しています。これは非常に珍しいことです。

また共産党だけでなく、戦争で勝てるように人民解放軍も強化しました。戦区の見直しや統合作戦本部の設立など米国のシステムに近いアプローチで人民解放軍を再構築しました。これは人民解放軍の質を向上させるためのものです。

「腐敗は中国共産党の死」

—習主席にとって反腐敗運動はどういう意味を持つと考えていますか。

エコノミー:一つは腐敗の根絶です。習主席は権力を握った際に、「腐敗は中国共産党の死であり中国という国の死になりうる」と述べました。胡錦濤・前国家主席も同じことを話しましたが、実際に推し進めたのは習主席です。彼は政治体制から腐敗を取り除かないと、イデオロギーを失ったのと同じであり、共産党の未来がないと考えています。人々が中国共産党に対する信念のためではなく、政治的、経済的な発展のためだけに共産党に入党するのであれば、共産党は生き残らないでしょう。

もちろん、反腐敗運動には政敵の排除という狙いもあります。この運動で政府の副部長級やそれ以上の高官が多数、拘束または逮捕されました。彼らは習主席の政敵に関わりのあった人々なのは確かです。ただ、低いレベルでは全員が彼の的ではありませんので、この運動の目的は腐敗撲滅がメインだと思います。

エコノミー:繰り返しになりますが、彼の包括的な目標は偉大な中華民族の再生だと思います。そのために、国内では政治体制の前線で強固な共産党を築くこと、戦争で勝利できる人民解放軍を作ること、単なる製造業の中心になるのではなくイノベーションのリーダーになること、米国や日本、ドイツなどと対抗できるような革新的で最先端の経済を構築すること――が国内政策の優先事項になります。

外交政策の最前線は台湾や香港、南シナ海の領有権などの主権問題で中国を再統合させることだと思います。また、中国が主張するインターネット主権(各国がインターネットに関して最高権力を保持すべきだという考え方)や人権といったイシューで、欧米の自由主義・民主主義的な価値観ではなく、中国の価値観を反映させたいと考えているのでしょう。最終的にはアジアから米国を追い出すことが目標だと思います。

アジアの地図を書き換える中国

—第2次大戦後、米国が中心になって築き上げた国際システムに修正を加えようとしているのでしょうか。

エコノミー:自由主義的な国際秩序のルールを書き換えようとしているか、といえば答えは「イエス」です。もちろん、領土面もそうです。南シナ海の軍事拠点化や(戦闘機のスクランブルの基準になる)防空識別圏の設定といった動きを通して、中国は地理や戦略地政学的な状況を書き換えています。

また、中国が形成を目指している経済・外交圏構想、「一帯一路」を通して35カ国・地域の76港の支配権を握っています。商業的な目的といっていますが、人民解放軍の艦艇が何度も停泊しています。そこに安全保障上の要素があるのは明らかです。彼らはルールを書き換えているだけでなく、地理を再構築しています。

—中国が大国への階段を駆け上がるきっかけになったのは2001年の世界貿易機関(WTO)加盟でした。ところが、中国は共産党による一党独裁体制のままで市場開放も限定的です。

エコノミー:西側諸国、とりわけ米国や欧州連合(EU)は時間の経過とともに、中国が市場を開放していくと信じていました。「知的財産保護の方法を学ぶためにもう少し時間がかかる」という中国の言葉を信じたんです。

トランプ大統領の対中強硬策は必要

確かに、(1998~2003年に首相を務めた)朱鎔基氏は国有企業改革に全力で取り組んでいたと思います。でも、市場開放や知的財産権の保護、補助金の撤廃や国有企業改革などの多くを実現できませんでした。習主席は中国経済の開放にほとんど関心がないのだと思います。

だからこそ、トランプ大統領による抵抗が重要になる。私は多くの面でトランプ大統領に同意していません。彼と彼のアドバイザーが環太平洋経済連携協定(TPP)を離脱したのは間違いだったと思っています。それでも、トランプ大統領による強硬策は必要なことだと思っています。中国は約束したことを全く実現しないのですから。

—関税措置は最善の方法でしょうか。

エコノミー:私の案は、日本やEU、オーストラリア、韓国のような国々、つまり中国の市場開放が必要だと考えていて、知的財産権の侵害に関する責任を問いたいと考えている国々と米国が協力することです。米国がそういった国々と協力し、特定のルールや制約について中国に抵抗すれば、必ずいい結果が得られます。

例えば、中国は多国籍企業に対して「ウェブサイトで台湾を中国とは別の独立した存在として扱ってはならない」と圧力をかけています。ユナイテッド航空、カンタス航空など1社ずつ個別に落としていくわけです。その時に、米国商工会議所と欧州の商工会議所が一緒になれば、押し返すことができる。

中国は米国と国際社会が分断しているときに利益を得ます。逆に言えば、われわれが団結していれば負けないと思います。

「中国人にショックを与えるのは難しい」と語るエコノミー氏

冷静沈着な中国人を動揺させたトランプ大統領

—トランプ政権は鉄鋼・アルミに対する関税措置やZTEとの取引禁止など中国に対して強硬な措置を取り始めました。こういった政権の対応をどう評価しますか?

エコノミー:よいと思います。それで正しいと思います。3月下旬に中国を訪れましたが、トランプ政権とよい関係を築いていると思っていた彼らはとても驚いていました。関税や台湾旅行法、米朝首脳会談などは予想しておらず、こうした展開にショックを受けていました。

ご存じのように、中国人にショックを与えるのはとても難しい。彼らはとにかく話し続け、「では、これを改善しましょう」といって何もしません。トランプ大統領は「もう話は十分。あなた方は実行すべきだ」と伝えました。そのメッセージを伝えるのは重要だと思います。

ただ、同時に関税措置を通して、どのような良い結果を得られるのかということを知ることも重要です。貿易戦争ではいい結果を得られません。同盟国と協力して中国に対応すべきです。米国がTPPに復帰すべきだと私が主張しているのもそのためです。

「独裁政権に安全な世界を作ろうとしている」

—中国の一党独裁・国家資本主義は民主主義・自由市場経済とは対極の存在です。ただ、途上国や非民主主義国家の中には中国モデルを理想と思うところもあります。中国モデルは西欧モデルの代わりになり得るでしょうか。

エコノミー:中国はスーダン、南スーダン、エチオピア、ケニア、ナミビア、ジンバブエ、ラオス、カンボジア、ベトナム、南米の国々で公務員の人材開発を支援しています。何のために訓練しているのかと言えば、政治的な安定を維持するためです。いわば、独裁政権にとって安全な世界をつくり出そうとしているんです。

米国は「民主主義に安全な世界を作る」と言いますが、中国は独裁政権にとって安全な世界を作り出そうとしています。ただ、自国の独裁政権が強化されるのを望まない人々は抵抗しています。「一帯一路」構想の国々、パキスタンでさえも抵抗する人々が出ていますから。

中国にとってはグローバルな政治経済のゲームのルールを変えるうえで、こういった途上国や独裁政権を支援することは重要です。国連の票数は国の大小ではありません。人権やインターネット主権などの問題で自国の主張を押し通すのに使えると考えているのでしょう。発展途上の小国と協力し、発展を支援するのと同時に政治体制も変えていくという一帯一路は大きな論点です。

—それを防ぐために米国は何ができますか?

エコノミー:トランプ政権以前の米国はそのために多くの事を成し遂げてきました。市民社会や法の支配、自由民主主義と自由市場経済の基礎となる制度を築くために、米国は数多くの非政府組織と連携してきました。米国は戦後の歴史において極めて重要な役割を果たしたと思います。

トランプ政権はこれが優先事項ではないのでしょう。例外はマティス国防長官です。マティス長官は日米豪印の「自由で開かれたインド太平洋戦略」を支持しています。自分が率いる国防総省だけでなく、国務省の重要性を説くなど外交の価値を認識しています。トランプ大統領にはそういう関心はありません。

今の中国の急旋回を予想できた専門家はいない

—過去には中国の政治体制や経済成長が崩壊するという見方も数多くありました。そういった中国崩壊論についてはどう思いますか?

エコノミー:われわれは数十年間、「中国がああなる、こうなる」という予想をしてきました。でも、習主席の中国がここまで鋭い転換をするというのは誰も予測できていなかったと思います。

2011年や2012年頃を振り返ると、中国では政治改革や環境問題、法の支配などに多くの人が関心を寄せていました。ところが、習主席が登場して厳しい取り締まりを実施、状況は大きく変わりました。最近は、中国について予測するのは問題だと思うことがあります。

ただ、中国人はほかの国の人々と本当に違うのでしょうか。自分の意見を表現したり、政治に影響を与えたいと思ったりはしないのでしょうか。私はそうは思いません。LGBTや環境など様々な抗議活動が起きていますよね。中間層が反旗を翻す可能性はまだあると思います。政治改革の可能性が消え去ったということではないと思います。

米朝の間で蚊帳の外になりかけた中国

—トランプ大統領は関税など中国に対して強硬な措置を講じています。これは中国を動揺させている?

エコノミー:最悪だと思っていますよ。中国やアジアにおけるトランプ大統領の優先事項を考えてみてください。一つは朝鮮半島の非核化、もう一つは中国との貿易赤字を減らすことです。

朝鮮半島の非核化について、中国は蚊帳の外だと感じていました。初めは北朝鮮と米国の重要な仲介役でしたが、韓国の文在寅大統領が出てきたことで、トランプ大統領にとって中国は必要ではなくなりました。

トランプ大統領が金正恩・北朝鮮労働党委員長と会談すると発表した直後の3月下旬、私は北京にいましたが、政府関係者はみな「えっ?」という感じでした。プロセスから取り残されるのではないかと懸念していたんです。しかも、金委員長は米韓軍事演習の停止を要求せずに核実験の停止を発表しました。これについて中国はとても不満に感じました(その後、米韓首脳会談後、トランプ大統領は米韓軍事演習を中止する方針を打ち出した)。

習主席と金委員長が5年間で一度も会談しなかったという事実は興味深いものです。トランプ大統領が金委員長と会談すると発表した直後、習主席は突如として金委員長と会談しました。中国はこのゲームに入りたいと切望しています。プロセスに関わり、中国が重要な役割を担っていると国内に示したいんです。

—トランプ大統領はかなり中国を振り回してきました。

エコノミー:ええ、その通りです。ある日には「北朝鮮問題で協力してくれてありがとう」と感謝の意を示し、次の日には「中国の対応は全く不十分。中国企業に二次制裁を課そう」と。トランプ大統領は「習近平が好きだ」と言っていますが、実際の行動にはそのような「愛」はありません。ここ最近は物事が習主席を超えて動いています。それが彼にとっての問題だと思います。

中国の内なる改革を信じた米国

—最後にもう一度聞きますが、欧米諸国は知的財産権の侵害や技術移転の強要などについて、もっと早く手を打つべきだったように思います。でも、米国やドイツ、英国は対中貿易を重視して一枚岩になれなかったような気がします。

エコノミー:欧米諸国は米国やEU諸国などと同じように、自由貿易体制の一員に進化していくと信じていました。子どもに対して示すように、自由貿易体制の中でどう振る舞うのかを示すことで、中国がそこから学ぶだろう、と。

そのため、中国が自国優先の措置を取ったときもWTOを利用しましたが、報復措置は実施しませんでした。知的財産の盗用を続けても投資をやめませんでしたし、市場開放が限定的でもこちらの市場は開放し続けました。

最大の発展途上国だった以前は許されたかもしれませんが、これだけ大きくなると、ルールを破るような行為は許されません。既に中国は第2の経済大国です。いずれ最大になるでしょう。でも、名ばかりの自由貿易、名ばかりの市場経済では最大の経済大国にはなれません。

—もう手遅れでは?

エコノミー:手遅れだとは思いません。中国は米国やドイツ、日本の技術へのアクセスを求めていますので手遅れだとは思いません。もっと早く手を打っておくべきだというのはもちろんですが、過去を振り返っても意味がありません。今立ち上がって、「これ以上は受け入れられません」と言うんです。

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トランプ政権は7月から500億ドル相当の中国製品に関税を課すと発表した。即座に対抗関税を発表した中国は、今世紀半ばまでに米国に並ぶ大国になるという目標を掲げている。両者の角逐は足元の“貿易戦争”だけでなく、先端技術や軍事まで幅広い分野で本格化していくだろう。

日経ビジネスでは6月25日号特集「米中100年 新冷戦~IT、貿易、軍事…覇権争いの裏側」で、現在の関税措置の打ち合いや米国の懸念、中国化する世界の現状を徹底した現地取材でまとめた。それに関連して、米中に精通した専門家のインタビューを掲載する。今日は中国の民主化と民主主義について、民主主義の歴史や成り立ちに詳しい米コロンビア大学のシェリ・バーマン教授に聞いた。

(イラスト:北沢夕芸)

—中国は事実上、共産党の一党独裁体制を続けています。中国の体制をどう見ていますか。

シェリ・バーマン・コロンビア大学教授(以下、バーマン):まず自由民主主義と資本主義が同時に起きるというのは歴史的にかなり限られた現象だということを理解する必要があります。これは主に1945年以降の産物です。

欧州の国々が独自の資本主義を進め始めた1918年以前に民主的な国はほとんどありませんでした。第一次世界大戦前に欧州で民主的だったフランスも、民主主義は不安定でした。基本的に、民主主義は工業化の後に来る傾向にあります。中国の民主化と経済発展も同時には起きていません。

コロンビア大バーナードカレッジ教授(政治学)。専門は近現代の欧州政治で、民主主義の発展、ポピュリズムとファシズム、左派の歴史などに造詣が深い。(写真:Mayumi Nashida)

わずか2世代で欧米並みの発展を実現

鄧小平の改革開放以来、中国の成長率が際立っているのは間違いありません。前例のないものです。いくらか似ているとすれば、第二次大戦後のアジアの国々でしょう。あるいは、急速に復興した欧州の国々も含まれます。それでも、中国と同じ期間に成長を持続できた国はありません。過去のパターンを見ると、中産階級や上流中産階級が誕生し、政治の自由化、表現の自由や組織に参加する自由、情報へのアクセスを求めるようになるのは一定の経済成長が起きた後です。

中国が特異なのは発展のスピードにあります。西側諸国がこの種の変化を遂げるのに100年かかりました。19世紀の欧州は年間1~2%の成長率に過ぎませんでした。ところが、中国はわずか2世代で経済発展を実現しています。

社会学者の多くはこういう経済成長が政治にプレッシャーをかけると考えています。国外の人々と接触が増えたり、基本的な物資が不足しなくなったことで、政治への参加や表現の自由への関心を持つようになるからです。西側ではこのプロセスに時間がかかりました。

共産党の統治の正当性は「成長」と「秩序」

中国に関しては2つの論点があります。一つは、経済発展がこのまま続いた場合、中国共産党の成果だと人々が認識するかどうか。もう一つは、経済成長が鈍化した時に何が起きるのか。

ほとんどの独裁政権では政府が生み出すアウトプットが統治の正当性の源泉になります。中国であれば成長と秩序です。一方、民主主義国家はそういったアウトプットに加えて、国民が統治しているという事実も正当性を支えています。時に愚かな選択をしたとしても別の選択の機会がある。投票によってリーダーを選び、国の政策を変えることが可能です。

仮に中国の成長が鈍化した場合、正当性を巡る抗議が増えて秩序が乱されるのかどうか。

中国の場合、国民の意思を反映しているという正当性はないので、経済が減速すれば政権は頼るものがなくなります。そうなれば、最後に残されたものは抑圧しかありません。ただ、社会が豊かになればなるほど抑圧にかかるコストも上がります。

繰り返しになりますが、成長が継続した時に、国民が引き続き成長を最終的な目標だと考えるのか、それとも他のものを求めるようになるのか。また、成長が減速して正当性に疑問が生じたときに何が起きるのか。中国は2つの論点を抱えています。

「中国の民主化には時間がかかる可能性」

—欧米諸国はグローバル経済へのアクセスを認めることで、中国が徐々に民主化していくと考えていました。今の一党独裁体制を続けることは可能でしょうか。いずれ民主化していくと思いますか?

バーマン:これまでのような成長が続けば、社会における中産階級の割合は増えます。そうなれば、人々は自由や情報へのアクセスを求め、国のリーダーを選挙で選びたいと考えるようになるかもしれません。もっとも、中国は欧州が100年かけて達成したことをわずか2世代という短期間で実現しました。中国が貧しかった頃の生活を国民はまだ覚えているので、民主化には時間がかかる可能性があります。

—独裁政権は民主主義よりも脆弱というのは一般的な認識です。だが、中国を見ていると、一党独裁ですがうまく運営しているように見えます。本当に独裁政権はもろいのでしょうか。

バーマン:確かに、中国の体制は強固で信じられないほどの抑圧能力を持っています。それは権力を一人が握っているのではなく、一党独裁という独自のシステムを取っているからです。

ただ、先ほども述べたように独裁政権は成果を出しつづけなければなりません。それができなければ残された選択肢は抑圧だけになりますが、抑圧にはコストがかかります。選挙でリーダーを追い出すことができる民主主義と違って、独裁体制には潜在的な弱さがあります。

さらに、現在は習近平氏に権力が集中していますが、個人に権力が集まれば、様々な不満が噴出して体制は弱体化していく。今の状況は中国の歴史を中断するようなもので、喜ばしく思っていない人々は明らかに存在しています。

—中国モデルは欧米の民主主義のような普遍性を持った制度になり得るのでしょうか。

バーマン:ほとんどの独裁政権は腐敗していて非効率な傾向にあります。経済発展を実現した国もありますが、そうでなかったケースの方が多いと思います。民主主義に移行する前の韓国が一例だと主張する人々もいますが、お隣の北朝鮮を見れば独裁政権の末路が見て取れるでしょう。ベトナムも経済を開放し始めていますが、その政権も美しい国をどん底に突き落とした独裁政権です。

「独裁」は本質的に不確かな存在

アジアには経済発展を実現した独裁政権の事例をいくつか見ることができますが、世界には自国を崩壊に導いた独裁政権がそれこそ多数存在しています。

中国はめざましい成長を遂げていますが、独裁政権は本質的に不確かな存在で、腐敗が進み、縁故主義に陥る傾向があります。孤立する可能性も高い。中国が真に発展する独裁政権になるのかは分かりません。

だからといって、民主主義が無謬だという意味ではありません。間違ったことも起きます。ただ、独裁政権には選択肢がほとんどありません。その政権以外にないのだから。

—冷戦終結後、米国は世界各地の民主化を後押ししました。なぜ米国は民主主義を輸出しようと考えたのでしょうか。

バーマン:共産主義体制の崩壊によって、イデオロギー上の主要な挑戦者はいなくなったと西側諸国が確信したことが大きいと思います。民主主義が共産主義よりも優れていることが証明されたことで、民主主義は論理的にベストな体制になりました。たとえ民主主義が常に完璧ではないにしても、その結果は人々が参加して決定したことであり、それ自体がよいことだ、と。

市民の政治的な平等を信じているのであれば、民主主義は一貫して平等を実現している唯一の政治体制です。米国では民主主義が国民のアイデンティティの一部になっています。英国の植民地支配を断ち切り、米国を作り上げたのは民主主義そのものですから。

民主主義に対する揺るぎない信念も変質

私たちは、民主主義が政治の平等とすべての市民の個人主義に真に合致している唯一の政治体制だと考えています。過去の歴史において、完全には答えてきていないかもしれませんが、私たちは民主主義を信じている。

過去には民主主義の推進が目的でないにもかかわらず他国に侵攻したことがありました。イラクとアフガニスタンに侵攻したのは、両国が反民主主義だったからではなく、米国に対するテロ行為に関与していると信じたことが要因です。侵攻した後に、独裁政権を排除し民主主義をもたらそう、と言い出したのはその通りですが、民主主義が正しい体制であるという信念はありました。

トランプ政権で変わったのは、国内問題のために国外で起きていることへの関心が薄らいだことだと思います。民主的ではない国々をあまり懸念しなくなりました。民主主義を積極的に推進することにもあまり関心がなくなりました。そして、私たちの大統領は独裁者と取引することを民主党との交渉と同じような感覚で捉えています。これは米国の歴史では非常に希なことです。

—「アラブの春」はなぜ失敗したのでしょうか。

バーマン:そういった国々には、民主主義を定着させるために必要な前提条件がなかったということだと思います。

経済力はあっても往々にして石油に頼っており、国内の異なる集団によって分裂している。民主主義の歴史がなく、政党や市民社会、妥協による解決という伝統も制度も存在しない。独裁政権の腐敗と非効率に市民は大きな不満を抱いていましたが、どのような体制を支持すべきかを決めるリソースも合意もなかったのでしょう。

「歴史はまっすぐに進むばかりではない」

—そうだとすると、かかる時間はともかくとして、特定の条件さえ満たされれば民主化は必ず起きていくのでしょうか。

バーマン:その答えは私には分かりません。10年前、15年前に同じことを聞かれれば、もっと楽観的な答えができたでしょう。そういう方向に向かっていた頃だったから。過去10年の間に起きた金融危機、あるいはそのほかの危機によって民主主義に対する自信が揺らいだのだと思います。その結果、民主主義に代わる体制を主張する人々が勢いづいた。

人々が国を自分たちで選択したい、自分たちで統治したいと人々が思わなくなったのだとすれば私にとっては信じがたいことです。歴史というのはまっすぐに進むばかりではありません。独裁国家であっても、時間とともに選択を求める市民の声は強まると思います。そのプロセスにどれだけの時間がかかるのかは分かりません。

「秩序と成長」と「民主主義」のどちらかを選ばなければならないとすれば、「秩序と成長」を選ぶ時もあるでしょう。「秩序と成長」は生きるために必要なものです。ただ、いったんそれを手に入れれば、ほとんどの人は自分で決断したいと思うようになると考えています。社会に参加したいと多くの人が考え始めると思います。

—古代ギリシャの哲学者、プラトンは独裁は民主主義体制の上に成り立つと書いている。

バーマン:私たちが経験しているのは、民主主義国家が市民への責任を完全に果たすことができておらず、多くの問題を解決できなかったために、多くの人々が失望し憤慨しているという状況です。ただ、少なくとも理論的には、基本的なルールは変えずにリーダーを替えることで解決策を見いだせるはず。今は落ち込んでいたとしても、システムの柔軟性やレジリエンスを活用して再起することを願うばかりです。

民主党はトランプの愚かさに対抗するだけではダメ

—トランプ大統領が誕生した背景には、グローバリゼーションの拡大に伴う格差の拡大や米国の大概関与に対する不満がありました。

バーマン:米国では所得格差が顕著です。この格差は他の先進国よりも大きい。さらに、米国には過去数十年間で生活水準の改善が見られなかった下位層、あるいは下位中産階級がいます。トランプ大統領がそういった人々に直接話しかけ、彼らの怒りや不満を認識したのはその通りですが、実際の彼の政策はこの問題を修正していません。

そこで問題になるのは、問題の解決に取り組むことなく人々の不満を聞くだけで支持を維持していけるのか、ということです。人々が怒り、不満を抱えているということは社会科学者も理解しています。民主党と共和党という従来の政党が優れた解決策で人々を説得できなかったということも、それゆえにトランプ大統領のような人間が入る隙を与えてしまったのも理解しています。

ただ、トランプ大統領と共和党の政策が不平等や社会的流動性の低下(格差の固定化)といった問題で苦しむ人々を救うことはありません。ある時点で、彼らは目を覚ますかもしれない。真の問題は、東海岸や西海岸に住む私たちのようなエリートやマイノリティ、自分たちよりもうまくやっている人々に対する怒り。そして、これは民主党が取り組むべき課題です。

野党であるならば、優れた政策で人々を納得させなければなりません。相手の愚かさに対抗するだけではだめです。否定的なものだけでなく、肯定的なものも必要です。民主党にはトランプ大統領に対抗できる人材はいますが、もっといい案を提供する候補者がいると有権者を説得できなければ、民主党は票を獲得することはできません。

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『金正恩が米朝会談後に「中国属国化」の道を選んだ理由』(6/27ダイヤモンドオンライン 北野幸伯)、『ロシアはもうG8復帰を望まない 米国の過去の“裏切り”も一因に』(6/22日経ビジネスオンライン 池田元博)について

6/27日経朝刊<年金改革案に反発 ロシア 受給年齢引き上げ

【モスクワ=小川知世】ロシアのプーチン政権が打ち出した年金改革に不満が高まっている。労働人口の減少に対応して受給開始年齢の引き上げ案を提示したが、直撃を受ける中高年層を中心に抗議が相次ぐ。プーチン大統領は直接の関与を避け、内閣に責任を押しつけたままだ。大国を誇示して愛国心に訴える統治手法の限界も浮き彫りになりつつある。

「もっと前にやるべきだった。決断なしには前進できない」。ロシアでサッカーワールドカップ(W杯)が開幕した14日、メドベージェフ首相は年金改革案を発表した。2019年から10年以上かけて受給開始年齢を段階的に引き上げ、最終的に女性で55歳から63歳、男性で60歳から65歳にする内容だ。

年金改革の背景にはロシアが直面する構造問題がある。労働人口が減少し「毎年働ける国民が約40万人減るのに対し、150万~160万人が年金生活に入る」(ゴリコワ副首相)。年金基金予算の巨額の不足分を連邦予算から補う状態が続き、制度の維持が難しくなっていた。

だが改革案の発表直後から職が限られる地方や受給を控えた中高年から「生活できない」と不満が噴出した。労働組合連合は現在の平均寿命では年金を受け取る前に死亡する国民が多いと見直しを訴え、インターネットで240万人超の署名を集めた。

専門家からも高齢者の雇用保障や年金積立制度の見直しなどと併せた実施が不可欠だとの指摘が相次いでいる。

政府は受給年齢引き上げで支給額は増えると説明するが、現代発展研究所のニキータ・マスレニコフ氏は「説明に矛盾があり、国民の不信を増大させている」と指摘する。

プーチン氏は今のところ年金改革とは距離を置いている。ペスコフ大統領報道官は内閣や議会で議論が続くのを理由に「大統領が対処するのはまだ早い」と述べた。メドベージェフ氏を矢面に立て批判をかわす思惑とみられる。>(以上)

6/26産経ニュース<北の非核化措置「期限設けない」ポンペオ米国務長官が表明>「ポンペオ氏は24日にインタビューに応じ「2カ月であれ6カ月であれ、期限は設けない。首脳間で決めた目標を達成できるよう迅速に取り組む」と述べた。」

http://www.sankei.com/world/news/180626/wor1806260009-n1.html

米朝中の間でどういう駆け引きが行われているかは分かりません。ただ金正恩が独裁者として生き延びたいという強い意志を持っていることだけは分かります。その原理に從えば、状況次第で、相手を簡単に裏切るだろうというのは想像できます。金は米朝の狭間にあって蝙蝠のように動き回り、両方から信頼を得られなくなる可能性もあります。金を排除した方が、平和的に拉致被害者が帰ってくると思います。父のやった犯罪行為を素直には認められないでしょうから。ポンペオの発言は後退したようにも見えますが、金との密約(中国騙し)でもあるのでしょうか?

ロシアは領土を接する潜在敵国・中国と手を結んで、西側と対峙するのでしょうか?池田氏の記事にありますように、米国はロシアとの約束を破ったことは間違いないことです。でも、NATOに新たに加盟した東欧諸国の立場から見れば、ソ連の衛星国時代を思い出せばロシアから離れたいと思うのは当然です。図表にあるロシア人の思う友好国と敵国で両方ともに日本が入っていないのは存在感が薄いのでしょう。毒にも薬にもならない存在と言ったところでしょうか。ロシアのG8復帰はないとのこと、年金受給年齢引き上げを目論む等、経済的困窮にあるロシアは益々中国頼みになりそうです。

北野記事

米朝首脳会談から半月が過ぎた。このわずかな期間で、状況は大きく変化している。「歴史的」会談以降、北朝鮮を巡る米中ロのパワーバランスはどう変化したのだろうか?(国際関係アナリスト 北野幸伯)

金正恩は欲しい3条件をまだどれも手に入れていない

6月19日、金正恩と習近平は今年3度目の首脳会談を行った。米朝首脳会談で欲しい果実を得られずに追いつめられた金が、習にすり寄ったかたちだ 写真:労働新聞より

6月12日にシンガポールで行われた米朝首脳会談。共同声明の最重要ポイントは、「トランプ大統領は北朝鮮に安全の保証を与えることを約束し、金委員長は朝鮮半島の完全非核化への確固で揺るぎのない約束を再確認した」という部分だ(下線筆者)。もっと簡潔に言うと、「米国は北朝鮮の体制を保証し、北朝鮮は完全非核化すると約束した」。これが、ディールの核心である。

この米朝首脳会談、日本でも世界でも「大失敗だ」という意見が大半を占めている。しかし筆者は、前回記事(『米朝首脳会談、「具体性なし」でも評価すべき理由』)で書いたように、「大成功だった」と考えている。

「会談は失敗だった」と主張する人は、「共同声明文にCVID(=Complete, Verifiable, and Irreversible Denuclearization、完全かつ検証可能で不可逆的な核廃棄)の文字がないではないか」と憤る。「完全な非核化」という表現だけでは、不十分であり、金正恩の思うツボだというのだ。

そもそも、なぜ「CVID」という言葉が出てきたのだろうか?米国は、北朝鮮がウソをつくこと、すなわち「非核化の約束だけをして制裁を解除させ、経済支援を受け、体制も保証させ、しかし核兵器は保有し続ける」という状況になるのを恐れたのだ。

しかし、「CVID」であろうが「完全な非核化」であろうが、金正恩がウソをつくつもりなら、ウソをつくことはできる。大事なのは、「北が非核化を実行するまで、金が欲しいものを与えない」ことである。

そして、トランプは、金が喉から手が出るほど欲しがっている「制裁解除」「経済支援」を約束しなかった。「体制保証」は約束はしたが、それは「非核化」とセットだ。金が非核化しなければ、体制保証もない。

こう考えると、北朝鮮は今回の米朝首脳会談で何も得ていない。「体制保証」「制裁解除」「経済支援」――この3つが欲しければ、約束の非核化を実行するしかない。これで、「金は大勝利」といえるだろうか?

北朝鮮は過去のように平然とウソはつけない

次に多い批判は、「非核化の具体的プロセスが決まっていない」というものだ。

しかし、考えてほしい。米国と北朝鮮は、68年間も「戦争状態」(うち65年間は休戦状態)にある。北の核問題は、およそ四半世紀も続いている。これらの長期的問題を、トランプと金が6月12日の朝10時から11時まで1時間話しただけで、すべて解決し、具体的タイムテーブルをつくることなど可能だろうか?

常識的に考えれば、そんなことは不可能だ。そして、そもそも非核化の具体的スケジュールを決めるのは、大統領の仕事ではない。だいたい、核の専門家でない大統領が、非核化の具体的プロセスを決めることができるだろうか?

国のトップの仕事は、方針を定めることである。トランプと金が「非核化すれば体制保証する」「体制保証すれば非核化する」と決めた。その後の具体的な話は、もっと下の実務レベルで行われるべきものだ。そもそも、「非核化の具体的プロセス」を決めるのは、トランプのミッションではなかったのだ。

そして会談後、早速米国は「具体的な話」を始めている。米政府は、北朝鮮に「核計画の全容を示せ」と要求している。

<核計画全容「数週間内に申告を」、米が北に要求
読売新聞6/17(日) 20:08配信
米朝首脳会談で合意した北朝鮮の「完全な非核化」を巡り、米政府が北朝鮮に、核計画の全容を数週間以内に申告するよう求めていることが16日、わかった。
米政府関係筋が読売新聞に明らかにした。
ポンペオ米国務長官は、早ければ今週中にも行う予定の北朝鮮高官との協議の場で早期の申告を改めて迫る方針だ。>

果たして、北朝鮮は「核計画の全容」を出してくるだろうか?現時点ではわからない。

しかし、出さなければ「金はウソをついた」ということになる。これは、トランプと金の会談で、金が「完全な非核化」を約束したから「ウソ」になるのであって、約束がなければ「ウソをついている」と批判することもできない。

もう平然とウソをつけないところまで金を追いつめることに成功したのは、米朝首脳会談の大きな成果だったといえる。

金正恩は3度目の訪中で習近平から欲しいものを得た

そんな厳しい状況の中、金正恩は6月19日、北京を訪問した。3月、5月に続き、今年3度目の訪中。異常な頻度といえるだろう。

「米朝首脳会談は、金の大勝利!」という通説が事実であれば、この訪中の意味はわからない。しかし、「金は米朝会談で何も得ていない」ということがわかると、金の焦りが見えてくる。

金はトランプとの会談で、非核化の口約束だけで「制裁解除」「経済支援」を勝ち取りたかったのだろう。金正日の時代から、北朝鮮は大国を手玉に取り、欲しいものだけを手にしてきたのだ。しかし、安倍首相やネオコンのボルトン補佐官からアドバイスを受けていたトランプは、だまされなかった。

傷心の金は、習近平と会い、今度は大きな成果を得ることができた。中国は、北朝鮮への「独自支援」に前向きな姿勢を見せたのだ。

<<中国>北朝鮮への独自支援示唆 金正恩氏が訪中終え帰国
毎日新聞 6/20(水) 20:13配信
【北京・河津啓介】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は20日、2日間の訪中日程を終えて帰国した。金委員長は同日、北京市内で農業や地下鉄の関連施設を視察した。
中国側は北朝鮮に対する制裁緩和前に独自支援に動く可能性を示唆した。
金委員長は2日連続で習近平国家主席と会談。米朝首脳会談を果たした北朝鮮が、対米交渉と経済立て直しで中国との連携を強める姿勢が一層鮮明になった。>

独自支援を「示唆」というのは、控え目な表現だろう。「米朝関係が改善され、中朝国境での人・物の行き来が活発になっている」との報道を耳にした人も多いはずだ。すでに中国は、実質的な「制裁破り」をして、北朝鮮を助けている。

金の訪中目的は、「支援要請」だけではない。金は中国に、「体制保証してほしい」と願っているのだろう。

急速に進んでいる北朝鮮の「中国の属国」化

これは、制裁解除以上に、金にとっては重要なことだ。北朝鮮だけでなく、米国もこれまで、しばしば大きなウソをついてきたからだ。

2003年、米国は「大量破壊兵器を保有している」「アルカイダを支援している」などの理由でイラクを攻撃し、フセイン体制を崩壊させた。しかし実際には、イラクに大量破壊兵器はなく、アルカイダとは無関係だった。

同年、リビアのカダフィ大佐は、核計画を放棄している。欧米との関係は著しく改善され、制裁も解除された。しかし2011年、カダフィは米国が支援する反体制派につかまり、殺されている(その他、仰天のウソについては、当連載バックナンバー『北朝鮮も警戒、米国の「嘘つき癖」が世界を不安定にしている』を参考にしてほしい)。

常識的に考えると、米国の「体制保証」の約束を信じるのは、ナイーブすぎる。そこで金は、米国に次ぐ大国である中国に「体制保証」を求めているのだろう。

たとえば、日本は経済大国だが核兵器を持たない。そこで、米国が「核の傘」を提供し、日本の体制を保証している。同じことは、欧州諸国にもいえる(ただし、同じ欧州でも、英仏は核を保有しているので事情が異なる)。それと同じように、世界第二の大国である中国にすり寄り、体制保証を確実なものにしようともくろんでいるのだ。

今後、米国の圧力に負け、北が本当に「完全な非核化」をしたとしよう(本音では、したくないはずだが)。米国は後に変心してカダフィを殺したように、今度は金体制を滅ぼそうとするかもしれない。

しかし、中朝関係が非常に良好であれば、どうだろうか?米国が北朝鮮を攻めれば、中国が黙ってはいない。米国は、核超大国である中国と戦争することはできないから、北朝鮮は安泰だろう。

北朝鮮が中国に接近するのは、小国として常識的な動きだ。しかし、そうすることで、北朝鮮が中国の「属国」になっていく。

世界第二の大国・中国が北朝鮮を必要としている理由

北朝鮮の意図はわかったが、中国はどうなのだろうか?中国は、もはや世界第二の経済・軍事大国である。米国が没落すれば、「世界一の超大国」になることも夢ではない。

そんな中国にとって、天敵は一国しかいない。もちろん、米国だ。

こういう観点から北朝鮮を見ると、この国は「米国の中国侵略」を阻止してくれる、強力な「緩衝国家」であることが理解できる。北朝鮮が崩壊すると、米軍が中朝国境に基地をつくり、北京にすぐ届くミサイルを配備するかもしれない。この悪夢を回避するために、金正恩には頑張って貰わなければならない。

では、北朝鮮の「核兵器保有」についてはどうだろうか?中国は、一貫して北朝鮮の核に反対している。しかし、その理由は、「核攻撃されるかもしれない」日米韓とは異なる。北朝鮮が中国を核攻撃するなどということは、あり得ないからだ。

中国が北の核に反対しているのは、「核拡散防止条約」(NPT)体制が崩壊するのを恐れているからだ。北の核保有がOKということになれば、日本や韓国の核保有がダメという根拠がなくなってしまう。だから、中国は反対するのだ。

いずれにしても、わがままだった金が従順になり、北朝鮮が中国の属国になるのは、習にとってめでたいことだろう。

金支援を誓うプーチンと文在寅 露韓パイプラインが北を利する

もう1つの大国ロシアは、どうだろうか。プーチンは6月22日、韓国の文大統領と会談した。

<露韓首脳会談>経済協力の検討合意 北朝鮮と3カ国で
毎日新聞 6/22(金) 21:19配信
【モスクワ大前仁、ソウル渋江千春】プーチン露大統領と文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領は22日、モスクワのクレムリンで会談した。今月の米朝首脳会談の結果を歓迎すると共に、朝鮮半島の非核化実現に向け協力していくことを確認。>

プーチンは、どうやら米朝首脳会談の結果を歓迎しているらしい。ちなみに、北朝鮮核問題に対するロシアの立場は、中国と完全に一致している。つまり、ロシアにとっても、「緩衝国家」である北朝鮮を守りたい。一方で、NPT体制を守るため、北の核保有には反対している。だから、トランプが北の「体制保証」を約束したことは、ロシアにとってもありがたい。

<経済分野では朝鮮半島での緊張緩和を想定し、両国は北朝鮮を経由し韓国へ通じる鉄道やガスパイプラインの建設計画を検討している。首脳会談に先立ち、露国営ガス企業ガスプロムは韓国側とパイプラインの建設について話し合いを再開したことを明らかにしていた。>(同上)

ロシアと韓国は、北朝鮮を経由し韓国に通じる鉄道、ガスパイプラインの建設計画を検討している。しかし、この話が非核化前に実現すれば、米国や日本にとってはまずい事態になる。北は、トランジット料を稼ぐことができるようになり、「非核化する理由」の1つである経済問題が一段落してしまうかもしれないからだ。

金を守る中ロ韓vs米国の構図 時間的余裕はあまりない

最後に大きな流れを振り返ってみよう。2017年、北朝鮮は核実験、ミサイル実験を繰り返していた。この時期、世界は北朝鮮への対応で、2つの陣営に分かれていた。1つは、日米を中心とする「圧力派」。もう1つは、中ロを中心とする「対話派」である。

しかしトランプが3月、「金に会う」と宣言したことで「圧力派」は消滅。今度は「対話の条件闘争」が始まった。日米は「CVID」を、中ロ韓北は「段階的非核化」を主張した。

「段階的非核化」は、「段階的制裁解除とセット」という意味で、「だましたい」金にとってはもっとも都合がいい。

6月12日の米朝首脳会談後、トランプと金は「米国は北の体制を保証し、北は完全非核化をする」ことで合意した。金は、望んでいた「制裁解除」「経済支援」を勝ち取れず、不満。「体制保証」も「完全非核化が前提」という、厳しいものだった。

そこで金は中国に飛んで習に経済支援を依頼し、成功。そして、中国に接近することで、自らの体制を保証してもらおうとしている。一方、プーチン・ロシアも、「緩衝国家」北朝鮮を守ろうとしている。

こう見ると現在は、北朝鮮非核化を具体化しようと圧力をかけている米国と、「金を守っている」中国、ロシア、韓国の3国に分かれていることがわかる。

これから北朝鮮核問題はどうなっていくのだろうか?

少なくとも、米朝首脳会談では共同声明で米朝ともに「約束」を交わしたから、ここでウソ・ホントの「基準」は設定された。金が約束通り非核化に向かえば、世界はよくなる。しかし、彼が具体的行動を躊躇すれば、米朝関係は再び悪化する。

そして、トランプが「金は俺をだました!」と判断するまでに、そう長い時間はかからないだろう。

池田記事

6月上旬にカナダで開いた主要7カ国(G7)首脳会議(シャルルボワ・サミット)。貿易問題で米国と他国の対立が鮮明となり、G7体制の限界を浮き彫りにしたが、もうひとつ話題となったことがある。ロシアを呼び戻して再び「G8」にしようと、トランプ米大統領が提案したことだ。

(写真=提供:GERMAN FEDERAL GOVERNMENT/UPI/アフロ)

トランプ米大統領の“爆弾”発言は、シャルルボワ・サミットの開幕直前に飛び出した。ワシントンのホワイトハウスで記者団に「なぜ、我々はロシアのいない会議を開くのか」と表明。ロシアを再びサミットに参加させ、G8の枠組みに戻すべきだと主張したのだ。

トランプ氏はその理由について「好き嫌いは別にして、我々は世界を統治していかなければならない」と指摘。ロシアも交渉プロセスの参加者として、「テーブルに着いてもらう必要がある」などと語った。

ウクライナ危機やシリア和平など世界の懸案を話し合うには、一定の国際的な影響力を持つロシアの参加が欠かせないというのがトランプ氏の認識だ。もっとも、他の参加国が貿易問題をめぐって米国批判ばかりを続ける状況に嫌気がさし、ロシア・カードを唐突に持ち出すことで、首脳会議のテーマが貿易問題に偏らないよう事前にかく乱したとのうがった見方もある。

いずれにせよ、先進国クラブへのロシアの再加入案に対し、他の参加国の間からさっそく反論の声があがった。とくにドイツのメルケル首相は「ロシアがG8に復帰する条件はまだ整っていない」と反発。「ウクライナ問題で明確な進展がない限り、ロシアがG7の枠組みに復帰することは決してあり得ないという認識で我々は合意しているはずだ」と述べ、トランプ提案を不用意な発言とみなして批判した。

G7首脳がロシアをG8の枠組みから排除したのは2014年春のことだ。ロシアによるウクライナ領クリミア半島の併合を受け、ロシアの行動が戦後の国際秩序を大きく揺るがしたとみなし、直ちに「対ロ制裁」措置の一環として打ち出した。つまり、クリミアの返還がG8復帰の前提条件となるわけだ。

ただし現実的にみれば、ロシアが「歴史的に自国の領土」と主張するクリミアをウクライナに返還する可能性はほぼゼロだ。こうした事情から米欧諸国もクリミア問題は事実上棚上げし、ウクライナ東部の政府軍とロシア系武装勢力による紛争の収拾と和平プロセスを規定した「ミンスク合意」の履行を対ロ制裁解除の実質的な条件に掲げている。

今回のメルケル首相の発言も、ロシアがミンスク合意を完全に履行しない限り、対ロ経済制裁の解除はもちろん、ロシアのG8への復帰もあり得ないとの認識を暗に示したとみられる。

ロシアはクリミアを諦めてまでG8に復帰することはない

とはいえ、G7首脳の中でもロシアに対する認識は一枚岩ではない。今回、ロシアのG8復帰を提案した当のトランプ大統領はもともと、ロシアとの関係改善に前向きだ。

欧州でも大きな認識の違いがあり、イタリアの新首相に就任したばかりのコンテ首相は「私はトランプ大統領の提案に賛成だ。ロシアのG8復帰はすべての国々の利益に合致する」と賛同した。また、北方領土問題の解決をめざしてロシアとの関係強化を進める日本の安倍晋三首相も、ロシアのG8復帰案に関して明確な賛否の意思表示をしていない。

ロシアの復帰を認めるかどうかはG7の全参加国の同意が必要とされ、現実には近い将来、G7がG8体制に戻る可能性はほとんどない。しかし、今回のトランプ提案を発端にしたごたごたは、貿易問題をめぐる対立と同様にG7の亀裂を露呈するとともに、図らずも国際社会におけるロシアの存在感を際立たせる事例となったようだ。

では、肝心のロシアの反応はどうだったのか。

「我々がG8から離脱したわけではない。(西側の)同僚たちが当時、有名な理由によってロシアに来ることを拒んだのだ。どうぞ、モスクワで再びすべての皆さんとお会いできるのであれば喜ばしいことだ」

プーチン大統領は6月10日、中国の青島で開いた上海協力機構の首脳会談後に、記者団の質問にこう答えている。「有名な理由」とはクリミア併合のこと。大統領の発言は最大限の皮肉と受け止めるべきだろう。

実際、G7首脳がG8からロシアを排除すると決めた14年は、ロシアがG8の議長国だった。同年6月にソチで首脳会議を予定していたが、G7首脳はクリミア併合を受けて、同年3月末にオランダのハーグで緊急首脳会議を開催。ソチ会議への不参加を決めるとともに、「ロシアが方針を転換」するまでロシアの参加を停止するとした。

これに対してラブロフ外相は当時、「G8は誰かを追放することはできない」と批判するとともに、「ロシアはG8には固執しない」と表明していた。クリミアを捨ててまで、G8復帰を求めることは決してないという意思表示だった。

ラブロフ外相はG8復活を求めた今回のトランプ発言についても、「西側のパートナーたちがG8に参加せず、G7の枠組みに戻る決断を下したとき、我々も彼らの決定を受け入れた。我々は上海協力機構やBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの新興5カ国の協議体)、そして、G20(主要20カ国・地域)という他の枠組みですばらしい活動をしている」と指摘した。

ロシアの「友人」と「敵」 親しい、友人の国

非友好的、敵国

出所=レバダ・センター

とくにG20は「より可能性のある枠組みだ」と述べ、ロシアとして今後も重視していく姿勢を示している。ペスコフ大統領報道官も「ロシアにとってG8の枠組みは年々、現実性を失いつつある。なぜなら政治・経済環境が変わるなかで、ロシアが積極的に参加しているG20のような枠組みのほうが、より意義深く現実性を増しているからだ」と言明。いくら先進国クラブだといっても、ロシアにとっては、いまさらG8に復帰する魅力や動機がほとんどないことを強調した。

ロシアの「友人」と「敵」はどの国か――。ロシア民間世論調査会社のレバダ・センターが、それぞれ5カ国を列挙してもらう形で今年5月後半に実施した調査によれば、ロシアとって「親しく」「友人」といえる国々の上位には中国やインドが入り、逆に「非友好的」で「敵」とみなす国々の上位には米国や英国、ドイツなどが挙げられた。こうした国民意識も、プーチン政権が米欧中心のG8より、中印などが加わるG20を重視する背景にあるようだ。

米欧の「上から目線」に反発

ロシアにとってはもう一つ、G8化をめぐる過去の経緯も、G8に対するマイナスのイメージを増幅している側面がある。

G7とロシア(ソ連)の関わりは東西冷戦終結後の1991年7月、G7首脳がロンドン・サミットにソ連のゴルバチョフ大統領を招き、G7首脳会議後に「G7プラス1」の特別会合を開いたのが始まりだ。ソ連崩壊後もロシアのエリツィン大統領(96年はチェルノムイルジン首相)が特別ゲストとして、G7会合に毎年参加するようになった。

ロシアが初めてメンバーとなり、「G8」の枠組みとなったのは97年の米デンバー・サミットからだ。さらに翌98年の英バーミンガム・サミットからは、ロシアが経済を含めたすべての会合に出席するようになり、完全な一員となった。

こうしたG8化の流れはいわば、ソ連崩壊後のロシアに民主主義や市場経済を植え付け、西側陣営に取り込もうとする米欧の上から目線の試みだった。それだけでもロシアには屈辱的な面はあったが、加えて米国にはもう一つの思惑があった。それが顕在化したのは、米デンバー・サミットの3カ月前、97年3月にヘルシンキで開かれたクリントン米大統領とエリツィン・ロシア大統領による米ロ首脳会談だった。

会談でクリントン大統領は、ロシアにG8の地位と、世界貿易機関(WTO)への早期加盟支援を約束した。ただし、その見返りとして、エリツィン大統領に認めさせたことがある。ポーランド、ハンガリー、チェコの東欧3カ国の北大西洋条約機構(NATO)への加盟容認だった。

3カ国は結果的に99年にNATO加盟を果たし、NATOの東方拡大のさきがけとなった。拡大の動きはさらに、かのヘルシンキ首脳会談でエリツィン大統領が「レッドライン」と警告した旧ソ連圏にまで及び、2004年にはバルト3国(エストニア、ラトビア、リトアニア)がNATOに加盟してしまった。

プーチン大統領はかねて、NATOの東方拡大を「米国による裏切り」などとして激しく非難してきた。ロシアに対するG8の地位はまさに、NATO拡大プロセスにおける取引の一環として付与された歴史的経緯があるわけだ。

そうした背景を踏まえると、プーチン氏がもともと、G8に対して好ましい印象を持っていなかったと見ることもできる。対外的なメンツを除いた本音の部分でも、ロシアがG8復帰を望んでいるとは言い難い。

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『米朝会談で崩壊した韓国の親米保守 演習中止は在韓米軍撤収、同盟廃棄を呼ぶ』(6/26日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について

6/25鍛冶俊樹の軍事ジャーナル<北朝鮮はレジャーランドに。>トランプは金に「日本から金を引き出したいなら、拉致問題を解決しない限り出ない」と伝えたとの話もあります。左翼メデイアは故意に捻じ曲げた報道しかしませんが、安倍首相は北に金を出すのはCVIDが実行に移されたときのその費用と拉致被害者の帰国が実現されたときにです。鍛冶氏の言う金の秘密口座をCIAが押えているとすれば、金は中国より米国の言うことを聞くでしょう。

http://melma.com/backnumber_190875_6700871/

6/25看中国<王沪宁与金正恩有特殊关系 成最神秘常委(组图)=王滬寧と金正恩は特殊な関係にある 王は最も秘密の多い常務委メンバーになる>王滬寧は金正恩の3回の訪中に全部参加し、且つ3度目の訪中では空港での出迎えや見送りもした。また北京の諸施設も案内したと北の「労働新聞」は伝えたが、中国メデイアは蔡奇・北京書記が案内したと報道した。王滬寧は金の一回目と二回目も駅での出迎えや見送りもし、案内もしたが、明らかに中国メデイアは王滬寧の報道は控えている。彼の業務は広がり、プーチンに友誼勲章を授ける案を出したのもそうである。この仕事も劉雲山の後任としてであるが。

昨年10月の防人と歩む会の講演で、河添恵子氏は王滬寧を「江沢民・胡錦濤・習近平と三代に亘って仕えているスピーチライターで情報機関に属し、3回も政略結婚をしている」とのことでした。彼は劉雲山の後任として北朝鮮の窓口になりました。しかし情報機関上りというのは不気味な感じです。金正恩はポンペオと王滬寧の情報機関のボスを手玉に取るのでしょうか?まあ、事大主義ですから強い方に靡くのでしょうけど。しかし、両方ともに思いきり利用するでしょう。

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/06/25/862653.html

http://japanese.donga.com/List/3/03/27/1111700/1

6/25GMA NEWS ONLINE<Taiwan’s Tsai urges world to stand up to China>蔡・台湾総統は「米朝首脳会談で、立場や体制、価値観の違いがある二人なのに、互いに敬意を払い、座って対話できた。お互い反目し合う国々にとって勇気づけられる話であると。中国大陸と台湾も(一中を認めるという)条件なしで話合うことができるの意では。

http://www.gmanetwork.com/news/news/world/658123/taiwan-rsquo-s-tsai-urges-world-to-stand-up-to-china/story/?utm_source=GMANews&utm_medium=Facebook&utm_campaign=news

鈴置氏の記事は、朝鮮半島のDNAである事大主義が災いを齎す事例でしょう。先が読めない民族は滅亡するだけです。左翼に侵されている日本も笑える立場にはありませんが。李明博、朴槿恵の保守政権時代に極左の芽を摘んでおかなかった咎めです。日本もそうならない内に手を打ちませんと。少なくともスパイ防止法は必須です。表現の自由を楯に裏で中共とくっついているのを暴かないと大衆はその危険性に気付きません。韓国のようになってからでは遅いのです。

6/26産経Biz<日韓通商摩擦 激化の様相 造船に不当な補助金 WTO提訴へ>韓国も中国もやり口は同じです。流石箕子朝鮮の末裔だけあって大陸と同じズルをします。今のサッカーワールドカップでのファウル数No1の国だけあります。ズルしても勝てばよいという下劣な品性の国家ですから、仲間はずれにしませんと。日本も韓国に強気で出られるというのは米国の韓国はずしの意図を充分読み込んでのことと思われます。

https://www.sankeibiz.jp/macro/news/180626/mca1806260500002-n1.htm

記事

前回から読む)

米朝首脳会談後に会見に臨むトランプ大統領(写真:AP/アフロ)

「米国から見捨てられた」韓国の親米保守が崩壊した。

韓国も知らなかった演習中止

鈴置:韓国の保守系メディアは6月12日の米朝首脳会談を極めて悲観的に報じました。トランプ(Donald Trump)大統領が会談後の会見で米韓合同軍事演習の中断と在韓米軍の撤収に言及したからです。

いずれも米韓同盟の弱体化につながります(「から騒ぎに終わった米朝首脳会談」参照)。大統領は在韓米軍撤収については「将来の話」として言及しましたが、演習中断は直ちに現実のものとなりました(「米朝首脳会談後の動き」参照)。

朝鮮日報は「合同演習中断、駐韓米軍撤収に言及したトランプ…安保ショック広がる」(6月12日、韓国語版)との見出しで速報しました。

韓国政府も演習中止は事前に知らされていませんでした。聯合ニュースは「トランプ氏の韓米軍事演習中止発言が波紋 韓国国防部『当惑』」(6月12日、日本語版)との見出しで伝えました。

米韓同盟が機能不全に

保守系紙は一斉に社説で米朝首脳会談の結果に不安を表明しました。それは2段構えでした。会談直後には「この米朝合意では北朝鮮の非核化は実現しない」と懸念しました。これは日本のメディアも同じです。

韓国の保守メディアはさらに「米韓同盟が機能不全に陥る」と訴えたのです。危機感は保守系大手3紙の社説に共通しました。

・連合訓練(合同演習)の中断は結局、在韓米軍の縮小または撤収につながるという懸念も出てくる=中央日報「米朝首脳会談後に不安定になった韓半島の安全保障」(6月14日、日本語版)

・合同演習をしなければ同盟は弱体化するほかはない=朝鮮日報「北朝鮮の核廃棄は不透明というのに韓米同盟だけが弱体化する」(6月15日、韓国語版)

・合同軍事演習は、有事の際の米軍増援戦力の展開が核心なのに、その演習が中止されれば、対応力の顕著な弱体化として現れるほかなく、在韓米軍撤退論につながりかねない=東亜日報「北朝鮮の非核化に進展がないのに『贈り物』で韓米軍事演習を中止するのは悪い前例となる」(6月16日、日本語版)

3カ月間は全て中止

—「合同演習をやめれば米軍は撤収する」のですか?

鈴置:民間企業は実戦の毎日。だから演習の重要性にピンとこない人が多い。しかし毎日、実戦するわけではない軍には演習が必須です。ことに米韓という異なる国の軍が共同作戦に備える場合は、合同演習が欠かせません。

逆に言えば米軍は、合同演習もしない韓国軍と肩を並べて戦いたくはない。準備なしでの戦争は多大の損害をもたらすからです。

—でも、米韓合同軍事演習は中断が決まりました。

鈴置:米国防総省と韓国国防部は6月19日(韓国時間)、合同演習の1つで8月実施予定だった「乙支(ウルチ)フリーダム・ガーディアン」の中止を発表しました。

聯合ニュースの「韓米 8月の合同軍事演習中止を決定=28年ぶり」(6月19日、日本語版)で詳細を読めます。

米韓が合同演習を中断するのは、米朝枠組み合意を受け中断した1994年以来、24年ぶりです。なお、米韓は毎年春に「キー・リゾルブ」と「フォール・イーグル」という合同演習も実施してきました。これらを中止するかはまだ、決めていません。

6月22日には米国防総省は今後3カ月間の米韓合同軍事演習をすべて中止すると発表しました。すでに発表済みの「乙支フリーダム・ガーディアン」に加え、米韓の海兵隊による比較的小規模の訓練までも取り止めたのです。

  • 米朝首脳会談後の動き(2018年6月)
12日 シンガポールで史上初の米朝首脳会談
トランプ「ミサイルエンジン試験場の閉鎖を依頼した」(結果不明)
トランプ「来週、(非核化の)詳細を(北朝鮮と)詰める」(未実現)
トランプ「米韓合同演習を中止する」
13日 自由韓国党、統一地方選で大敗
15日 トランプ「6月17日に金正恩と電話協議」(実現せず)
19日 金正恩訪中、19、20の両日に中朝首脳会談
米韓「乙支フリーダム・ガーディアン」の中止を発表
20日 トランプ「北朝鮮が米兵遺骨200体を返還した」(確報なし)
21日 文在寅訪ロ、翌22日に韓ロ首脳会談
22日 米国防総省、米韓海兵隊の合同演習の中止を発表

海兵隊大佐の「活!」

—どんどん中止されていきますね。

鈴置:韓国軍単独の軍事演習も中止される可能性があります。朝鮮日報が社説「国軍単独の演習まで延期、度を超していないか」(6月21日、韓国語版)で批判しました。

・韓米合同軍事演習に続き、来週予定されていた韓国軍単独の指揮所演習である「太極演習」も延期されたという。
・北朝鮮が問題にしたこともない我が国軍の単独演習まで延期するというのは度を超えている。北の顔色を見ていると言うしかない。

鈴置:韓国の安保体制は総崩れ――と保守は絶望的な心境に陥っています。米軍もそれを心配しているようです。米海兵隊のニューシャム(Grant Newsham)退役大佐が「Sometimes You Gotta Wait」を書きました。アジア安保の専門家です。

見出しの「待たねばならぬ時もある」が示す通り、韓国や日本などの同盟国に対し「おろおろするな」と活を入れたのです。

北朝鮮が時間を稼ぎ、結局は核を放棄しないのではないかとの懸念に対しては「ボールは金正恩(キム・ジョンウン)と中国の側にある。北朝鮮が協力しないなら制裁を強めればいいのだ」と説きました。

・the ball is now in Kim’s (and the PRC’s) court. If North Korea doesn’t cooperate, we just might see the plug pulled on China’s ZTE telecom company to whom Mr. Trump recently granted a reprieve, followed by serious sanctions on the Peoples Bank of China (for starters). And North Korea might also learn what ‘maximum pressure’ really is.

米韓合同軍事演習の中止に関しても「北朝鮮が非核化にちゃんと取り組まなければ、再開するだけのこと」と書きました。

・And in any event, exercises can be easily ‘restarted’ if North Korea does not produce. Mr. Trump has certainly shown the ability to turn on a dime when necessary.

カネを節約できる

—ニューシャム大佐の「活!」は効いたでしょうか。

鈴置:日本にはともかく、韓国には効きそうにありません。確かに演習は再開できます。トランプ大統領に対し好意的に見れば、再開をテコに北朝鮮を威嚇しているとも言えます。中国に対しても経済的なムチがあります。

しかし韓国の保守派はトランプ大統領が「演習はカネがかかるからやりたくない」と述べたことにショックを受けたのです。米朝首脳会談後の会見をご覧下さい。

・We will be stopping the war games, which will save us a tremendous amount of money, unless and until we see the future negotiation is not going along like it should. But we’ll be saving a tremendous amount of money. Plus, I think it’s very provocative.
・ The amount of money that we spend on that is incredible. And South Korea contributes, but not 100 percent, which is certainly a subject that we have to talk to them about also.

大統領は繰り返し「大金がかかる」「そのカネを節約できる」と語ったのです。誰もが「節約のために演習をやめるというのなら、北朝鮮が核を本気で廃棄しなくとも演習は再開しないな」と考えます。

合同軍事演習を「war games(戦争ごっこ)」「provocative(挑発的)」と呼んだことも韓国の保守派の不安をかき立てました。これは北朝鮮が合同演習をやめさせようと非難する際に使ってきた言葉だからです。

トランプ大統領は北朝鮮の側に立った、と彼らは見なしました。「挑発的」との表現には、ニューシャム大佐も「私ならそういう言葉使いをしなかった」と苦言を呈しています。

・And while I’m not the ‘man in the ring,’ I’d not have described US-ROK military exercises as ‘provocative’.

同盟解体が信念

—「カネがかかる」に韓国の保守系紙は反応しましたか?

鈴置:もちろんです。例えば先ほど引用した朝鮮日報の社説「国軍単独の演習まで延期、度を超していないか」(6月21日、韓国語版)も、そこを突いています。

・全てのことをカネで計算するトランプ大統領なら、我々の安保に災いとなる決定も容易に下すだろう。彼は在韓米軍の撤収も思うままに公言している。

韓国の保守は、このままでは「合同演習中止→在韓米軍撤収→米韓同盟廃棄」という流れになると恐れ始めたのです。

保守運動の指導者、趙甲済(チョ・カプチェ)氏は「韓米同盟の終わりが始まった」(6月13日、韓国語)を書きました。要旨は以下です。

・北朝鮮の完全な非核化が達成できるか不透明なのに、合同演習が中止される。文在寅(ムン・ジェイン)政権は米国から知らされていなかったのに、それを歓迎した。
・文在寅政権が韓米同盟の解体に同意する可能性もある。この政権の中枢は反米親北の人々が占める。彼らの学生運動時代の理念は韓米同盟解体であった。それが変わったという証拠はない。

「北と対話」と言い出した保守

—保守政党も米朝首脳会談に危機感を表明したのでしょうね。

鈴置:驚いたことに、そうはなりませんでした。それどころか逆になったのです。

野党第1党で保守の自由韓国党は、北朝鮮と文在寅政権が進める対話を「偽装平和ショー」と厳しく批判してきました(「『民族の祭典』に酔いしれた韓国人」参照)。

ところがその自由韓国党が突然、路線を変えました。「北朝鮮との対話は必要不可欠だ」と表明し「金正恩(キム・ジョンウン)委員長にだまされたとしても仕方ない」とさえ言い出したのです。

米朝首脳会談の翌6月13日に実施された統一地方選挙で大敗したからです。17の広域自治体の知事・市長選挙のうち14地域で左派の与党「共に民主党」が当選。自由韓国党は2地域で勝ったに過ぎませんでした。

同時に実施された国会議員の補欠選挙でも12議席のうち11議席を「共に民主党」にとられました。この結果、国会では左派系議員が過半数を超えました。

自由韓国党の代表は大敗を受けて辞任。代表代行に就任した金聖泰(キム・ソンテ)院内代表をMBCがインタビューしました。ここでも路線変更をはっきり表明しています。

自由韓国党金聖泰院内代表インタビュー」(6月15日、韓国語、動画付)から、非核化に関連する発言を拾います。

騙されても仕方ない

・時代の変化とトレンドをしっかりと読まない、守旧的で冷戦的な(我が)党の姿は、今回の選挙で国民の決定的な判断材料となったようだ。

・南北関係の改善は必ず行われなければならない。また朝鮮半島の真の核のない平和のためには、無条件の制裁と圧迫では核問題の解決は容易ではない。

・対話と妥協により、特に韓米間の協調により、国際社会が北朝鮮を自由民主主義陣営に引っ張り出したこと自体がまさしく変化だ。この変化を私たち自身も受け入れ、積極的に下支えする必要があると見ている。

・4月27日の南北首脳会談と6月12日の米朝首脳会談を通じ、国際社会に第一歩を踏み出した金正恩委員長の姿勢と態度に再びだまされるとしても、いったんは私たちが変わらなければならないと考えるようになった。

保守の大敗には3つの原因があります。まず、就任以来、一貫して70%前後の高い支持率を誇る文在寅政権に圧倒されたこと。次に、朴槿恵(パク・クネ)大統領の弾劾の際に分裂したままだったこと。3つ目が「南北の和解ムード」に抗せなくなったことです。

日本や米国と同様に、韓国にも「北朝鮮が本当に核を捨てるのか」と疑う空気はあります。でも韓国には「表面的にでも北朝鮮が軟化すれば戦争の危険性が減る」との思いが根強い。「北朝鮮との和解」を印象付けた米朝首脳会談が、そんな希望的観測を盛り上げました。

「平和が来る」と韓国人が願う――思いこもうとしている時に「偽装平和ショー」などと冷や水をかければ「不吉なことを言うな」と忌み嫌われてしまう。

米国に見捨てられた

—しかし、「米朝」も「南北」も和解はムードに過ぎないのでは?

鈴置:韓国では「ムード」が物事を決めます。「ファクト」ではないのです。金聖泰院内代表が言う「時代の変化とトレンド」とはまさに「ムード」を指します。それを読めなかったから負けたのだ、と保守党は反省したのです。

結局、ムードに乗り遅れるな。非核化は二の次だ、ということになってしまうのです。金聖泰院内代表も保守系紙と同様に「北朝鮮に非核化の意志などない」と依然、考えているでしょう。

でも「和解ムード」が蔓延した以上は「金正恩委員長の姿勢と態度に再びだまされるとしても、私たちが変わらなければならない」と言わざるを得ないのです。

—でも、この和解ムードが本物かは分からない。

鈴置:その通りです。ただ、米朝関係がよくなろうと悪くなろうと、韓国が米国に見捨てられたことに変わりはありません。米国は非核化のために米韓同盟まで取引材料に差し出したのです。ここに注目すべきです。

米国を後ろ盾にしていた韓国の保守は、急速に力を失って行く可能性が高い。韓国人にとって、米国を引き込む力のない親米派は無用の長物です。中国や北朝鮮との関係を悪化させる危険な存在とも映ります。親米保守の生き残る空間はなくなるのです。

生煮えで終わった「米朝」

—「非核化」はどうなるのでしょうか。

鈴置:現段階では何とも言えません。米朝首脳会談は「生煮え」で終わりました(「から騒ぎに終わった米朝首脳会談」参照)。

非核化に向けた確かな合意は一切、なされていません。ニューシャム大佐が言うように即断すべきではないでしょう。

—北朝鮮が具体的な行動を起こさないまま、ずるずると時間だけがたつのでは?

鈴置:その可能性もあります。反対に、北朝鮮が時間稼ぎすれば面子を潰されたトランプ大統領が怒り出して軍事的解決に走る、との見方も浮上しています。

米政界を深読みすることで定評のある、朝鮮日報の姜仁仙(カン・インソン)ワシントン支局長がそうした方向で書き始めました。「北朝鮮が早く動かないとトランプが心を変えるかも」(6月22日、韓国語)です。

・韓米合同軍事演習の一時中断というプレゼントを貰った北朝鮮が、非核化のためにいつ、何をするのかにワシントンの専門家の視線が集中している。

・北朝鮮が今、いじくるカードは米兵の遺骨返還とミサイルのエンジンテスト場の廃棄ぐらいだ。非核化の本質とは関係ないものだ。首脳会談の後に続くはずの協議の開催も固まっていない。

・首脳会談後、北朝鮮の反応が芳しくないため、ワシントンの忍耐心が徐々に限界に達し始めた。

・ある北朝鮮専門家は「トランプは自身の名誉と自尊心を傷つけられたと考えたら、急激に方向を変える。先の首脳会談取り消しの時のように、予想外の反応を見せるかもしれない」と語った。

  • 非核化の約束を5度も破った北朝鮮
▼1度目=韓国との約束▼
・1991年12月31日 南北非核化共同宣言に合意。南北朝鮮は核兵器の製造・保有・使用の禁止,核燃料再処理施設・ウラン濃縮施設の非保有、非核化を検証するための相互査察を約束
→・1993年3月12日 北朝鮮、核不拡散条約(NPT)からの脱退を宣言
▼2度目=米国との約束▼
・1994年10月21日 米朝枠組み合意。北朝鮮は原子炉の稼働と新設を中断し、NPTに残留すると約束。見返りは年間50万トンの重油供給と、軽水炉型原子炉2基の供与
→・2002年10月4日 ウラニウム濃縮疑惑を追及した米国に対し、北朝鮮は「我々には核開発の資格がある」と発言
→・2003年1月10日 NPTからの脱退を再度宣言
▼3度目=6カ国協議での約束▼
・2005年9月19日 6カ国協議が初の共同声明。北朝鮮は非核化、NPTと国際原子力機関(IAEA)の保証措置への早期復帰を約束。見返りは米国が朝鮮半島に核を持たず、北朝鮮を攻撃しないとの確認
→・2006年10月9日 北朝鮮、1回目の核実験実施
▼4度目=6カ国協議での約束▼
・2007年2月13日 6カ国協議、共同声明採択。北朝鮮は60日以内に核施設の停止・封印を実施しIAEAの査察を受け入れたうえ、施設を無力化すると約束。見返りは重油の供給や、米国や日本の国交正常化協議開始
・2008年6月26日 米国、北朝鮮のテロ支援国家の指定解除を決定
・2008年6月27日 北朝鮮、寧辺の原子炉の冷却塔を爆破
→・2009年4月14日 北朝鮮、核兵器開発の再開と6カ国協議からの離脱を宣言
→・2009年5月25日 北朝鮮、2回目の核実験
▼5度目=米国との約束▼
・2012年2月29日 米朝が核凍結で合意。北朝鮮は核とICBMの実験、ウラン濃縮の一時停止、IAEAの査察受け入れを約束。見返りは米国による食糧援助
→・2012年4月13日 北朝鮮、人工衛星打ち上げと称し長距離弾道弾を試射
→・2013年2月12日 北朝鮮、3回目の核実験

北の核か、中国の核か

6月20日、文在寅大統領が「北朝鮮は非核化の具体策を打ち出せ」と語ったのも「トランプの予想外の反応」への懸念を高めたからと思われます。

この発言はロシアのメディアのインタビューで語ったもので、聯合ニュースの「文大統領『北は非核化の具体策、米は相応の措置提示を』」(6月20日、日本語版)で読めます。

トランプ大統領も金正恩委員長も予想外の動きをしますから、非核化の行方を予測するのは簡単ではありません。

ただ、1つだけはっきりしたことがあります。米朝対話の過程で、韓国人が米国との同盟に信を置かなくなったことです。米国や日本ではきちんと報じられていませんが、大きな変化です。

北朝鮮の核を頼りとするか、中国の核の傘下に入るか、独自の核を持つのか――。これから韓国が大きく揺れ始めます。

(次回に続く)

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