『白シャツ軍団大暴れに中国の影、香港は危険水域に 懸念される習近平政権の「果断な行動」』(7/25JBプレス 福島香織)、『犯罪組織を使った香港デモ潰し工作の卑劣さ デモ隊を襲撃した白シャツの男たち、その正体とは』(7/25JBプレス 黒井文太郎)について

7/25希望之声<穆勒听证宣告民主党构陷总统彻底失败 共和党开始反击=ムラーの聴聞会での証言は、民主党が大統領に濡れ衣を着せるのに完全に失敗したというのを宣告した 共和党は反撃を開始した>「ロシアゲート」の調査を担当した元特別検察官ロバート・ムラーの議会聴聞会は終わったが、民主党は大敗北し、トランプ大統領への濡れ衣を着せるのは失敗した。 一方、トランプ大統領、司法長官および共和党の議員は、大統領に対する「政治的魔女狩り」行動の端緒をさらに一歩進めて調査し、黒幕を探し出すと述べ、反撃を開始した。

司法長官は、元トランプ選挙運動顧問のカーター・ページを監視するためにFBIが外国情報監視法(FISA)を使ったことに対し調査を開始し、今年の夏に調査報告を出す予定である。 ウイリアム・バー司法長官はまた、コネチカット州検察官のジョン・ダーラムに、民主党が極力隠蔽しようとしてきたロシアゲートの端緒を捜査するよう既に任命した。

昨日の本ブログで紹介した通り、モラーの聴聞会でステイール文書の質問が出ましたので、米国民の知れる所となったでしょう。今度の夏の報告にはもっと詳しく、ヒラリーと民主党、デイープステイトがグルになり、トランプを引き摺り下ろそうとしてきたのが暴かれるのでは。彼らは全員豚箱行きです。しかし日本のメデイアは酷い。ステイール文書について全然触れていません。明るみに出たときにどう報道するつもりでしょうか?

https://www.soundofhope.org/gb/2019/07/25/n3058241.html

7/25阿波羅新聞網<澳洲13大学被揭与中共政府机构签协议涉违法 当局展开调查——澳洲13大学与孔子学院签协议 遭质疑违反外国干涉法=オーストラリアの13大学は、中共政府機関との協議に調印したのは違法の疑いがあると明るみに 当局は調査を開始した – オーストラリア13大学は孔子学院との協議に調印した>オーストラリアの13大学は資金援助を監督する孔子学院を扱う中国政府機関と協定を締結し、審査を受けることに同意し、孔子学院の教育課程の支配を受けているのを明らかにされ、当局の調査が始まり、この協定は去年通過した反外国干渉法違反になるかどうかである。

外国メディアの報道を総合すると、オーストラリアのメディアは、孔子学院のあるオーストラリアの大学と中国国家中国語国際振興指導グループ事務所との間で11の協定を結び、これらの大学は孔子学院の教育において、妥協の度合いが異なることがわかっているが、その見返りに、学校は資金、3000冊の中国書籍、その他の教材を受け取ることができる。

その中でも、クイーンズランド大学(UQ)、グリフィス大学(GU)、ラトローブ大学(LTU)、チャールズダーウィン大学(CDU)が最も優遇されている。この4つの大学が署名した協議の条項は、彼らは「孔子学院本部による教育の質の見直しを受け入れなければならない」と明確に規定している。

オーストラリアの検事総長クリスチャンポーターは、「政府はオーストラリアの13大学と孔子学院との間の協定が新しい外国介入法の違反であるかどうかを調査している。外国の影響が目に見える形のプランになっていることを確保するため、専門的に調査する」

日本の大学は大丈夫か?左翼は政府の介入を大学の自治の侵害とか良く言いますが、共産主義の浸透は喜んで迎えているように見える。莫迦を拡大再生産しているようで教わる学生が気の毒。

https://www.aboluowang.com/2019/0725/1320321.html

7/26阿波羅新聞網<暂停16年 美国司法部宣布恢复执行死刑=米司法省は16年間停止していた死刑執行の復活を発表した>司法省は25日、20年近く前にあった連邦での死刑を復活し、児童殺害の罪で死刑を待っている5人の囚人を処刑し、これは司法省による2003年以降初の死刑執行となると発表した。

William Barr司法長官は25日、監獄局に5人の死刑囚の死刑執行を12月か来年1月にするよう命じた。 過去16年間、法務省の職員による注射の過程があったため、連邦死刑は執行停止されていた。

司法省は法の支配を守り、被害者とその家族のため加害者に判決を受けた罰を科すべきであり、連邦当局は「死刑は以前の3つの薬物混合物を単一の薬物と置き換えて注射する」と述べた。

目には目、歯に歯が正しい。

https://www.aboluowang.com/2019/0726/1320386.html

7/26阿波羅新聞網<何清涟: 中国经济衰败 不赖美国赖它自己 三大支柱全断了=何清漣:中国の経済は衰退している 米国のせいにしないで中国自らが招いた種 3つの柱は全部断たれた>中国の経済困窮は、米中貿易戦争が齎したものと解釈している。 しかし、私の長期的な観察と研究によれば、中国の国内経済が衰退している根本的な原因は自分自身にあり、米中貿易戦争は中国経済の衰退を加速させただけである。これは数字で証明できるものである。中国の金融機関の力技で、不動産開発業者、個人向け住宅ローン、地方自治体の借金によって引き起こされた不動産バブルは、ゆっくりとガスが抜かれている。それは完全に中国経済における内因性の問題であり、貿易戦争とは無関係である。

世界平和の為、早く中共の経済が崩壊することを祈っています。

資料写真:北京大学卒業生は求人説明会で並んで空いている仕事への申込をする (AP)

https://www.aboluowang.com/2019/0726/1320497.html

福島氏と黒井氏の記事は、中共が反“犯罪人引渡条例”デモ潰しに香港ヤクザを使ったと言うものですが、共産党がヤクザの大元で一番悪い。世界の歴史で国民を虐殺して来たのは共産党です。ヤクザ以上の大悪党です。地元ヤクザに金を払って操るのは当り前です。でも日本の左翼老人は香港については興味も関心もないのでしょう。人権侵害や暴行が行われていても、自分とは関係ないというスタンス。それでいて日本政府の悪口だけは一丁前に言う連中です。

少しは香港や中国に行って実態を見てこいと言いたい。

福島記事

デモ隊を強制排除する香港警察(2019年7月21日、写真:The New York Times/Redux/アフロ)

(福島 香織:ジャーナリスト)

 7月21日に香港で起きた異常な出来事を整理したい。6月以降の香港で異常事態が続いているので、もはや私たちメディア側も麻痺しかかっている。だが21日の事件は、一線を越えたような印象を受ける。

 この日、43万人の平和デモがあり、中聯弁(中央政府駐香港連絡弁公室=中国の香港における出先機関、大使館に相当)への抗議デモと警察による武力鎮圧があり、そして香港MTR・西鉄線の元朗駅界隈で発生した謎の白シャツ集団による無差別暴行事件があった。

 事態は明らかに危険水域に差し掛かっている。つまり、香港政府だけでは香港の治安を維持できない、と中国政府がいつ、そう判断してもおかしくない、という意味で。

強制排除された中聯弁前のデモ隊

 7月21日に発生したことを時系列におさらいしていこう。

 まず日中、民陣(民間人権陣線)呼びかけの平和デモが行われた。これは主催者発表で43万人が参加。警察発表で13.8万人。国連人権理事会で「国連はどうして中国を人権理事会から外さないのか」と国連の姿勢を批判しつつ中国の人権問題を告発した香港の人気歌手、デニス・ホーら著名人の姿もみられた。平和デモは午後3時すぎにビクトリアパークを出発し、湾仔が終点地の予定だった。しかしデモ隊の一部(主に勇武派)はそのまま上環まで進み、中聯弁を取り囲んだ。平和デモの主催者である民陣サイドは、中聯弁までいく予定はなかったといっている。

 午後8時前、中聯弁を取り囲んだ1000人前後の群衆の代表が中国語と英語でデモ隊が要求する5項目(「逃亡犯条例改正案の完全撤回」「警察の暴力に対する謝罪」「デモ隊への暴徒扱いの撤回と謝罪」「逮捕者の即時釈放」「キャリー・ラム行政長官の辞任」)を読み上げ、「あらゆる方法で香港を守護する」と宣言。その後、彼らは中聯弁の正門に向かって、卵を投げつけたり、スプレーペンキで監視カメラを破壊したり、中華人民共和国の国徽に墨汁を投げかけるなどの暴行を開始した。

香港警察は、デモ隊の強制排除においては「ブルーフラッグ」(即刻解散せよ)、「ブラックフラッグ」(これから武力行使による強制排除を開始する)の警告合図を出すルールがある。6月12日にはこの手順を踏まずにいきなり群衆にゴム弾に発砲したことが、その後のデモ拡大の一因となっているが、今回はきちんと手順を踏んだといえる。およそ36発のゴム弾を撃ちこみ、7月22日午前2時48分までにデモ隊の強制排除を完了、警戒線を解いた。

白シャツの暴漢が黒い服の乗客を無差別攻撃

 この中聯弁襲撃は、香港人の敵意がまっすぐ中国政府に向いたという意味で衝撃的だった。だが、ほぼ同じ時刻に、それより恐ろしいことが深センと香港の境界に近い新界地域の元朗で起きていた。

 午後8時半ごろ、白いシャツを着て右手首に赤いリボンを結んだ、いかにもその筋の人間らしい強面の男たちが元朗に続々と集まっていた。人数は確認できないが、目撃者がネットにあげた写真をみると、数十人から100人ぐらいは集まっているのではないだろうか。このとき、親中派の立法会議員、何君堯(ユニウス・ホウ)がこの白シャツの男たちと握手をして、「あんたは俺たちの英雄だ」といった言葉をかけられている様子が通行人に目撃されており、市民は警察に通報していた。

 午後10時40分ごろ、白シャツの男たちは竹でできた棍棒のような武器を手に手に持ち、地下鉄の元朗駅に集結。構内に突入し、黒い服を着ている乗客を無差別に殴り始めた。そのまま列車内に乗り込み、逃げ場のない状況で乗客を無差別に殴りつけた。乗客の中には傘で応戦するものおり、大混乱となった。

 黒い服を狙うということは「反送中デモ」参加者を狙ったものと考えられる。だが、デモ参加者でない人が黒い服を着ている場合もあるし、負傷者には黒服でない者も含まれていた。市民はこのとき再び警察に通報、2人の警官が現場に来て、白シャツの何人かと話し込んでいる様子が目撃されている。

元朗駅構内で数十名の負傷者が倒れ、いたるところに血痕が飛び散っている様子が、目撃者がネット上にあげた動画で確認できる。妊娠3カ月の女性が倒れている様子もネット動画にあげられていた。また、立場新聞の女性記者も現場に居合わせ、その騒動を撮影していたが、彼女も暴徒に殴られ、悲鳴をあげている様子が映っている。ほかにも複数のメディア関係者が殴られて負傷しているという。立場新聞の報道によれば、妊娠中の女性は病院に搬送され適切な措置を受けて母子ともに命に別状はないとのことだった。だが、1人の男性は一時意識不明の重体に陥り、今も入院中という。

 午後11時11分に香港鉄路は西鉄線の列車を元朗駅に停車させない措置をとった。午後11時26分になってようやく警察が到着したが、そのときは白シャツ軍団の嵐のような1回目の攻撃は終わっていた。

 警察の防暴部隊が到着し、防暴隊に保護されるような恰好で白シャツ軍団が現場から去ったのは午前2時を回っていたという。白シャツたちは警察に南辺圍村当たりにまで連れてこられ、そこで解散させられたという。

警察は事前に襲撃を知っていた?

 以上は目撃者やSNSの情報を総合して整理しているだけなので、事実誤認があるやもしれないことをお断りしておく。だが公式発表、公式メディアでは、整理された情報がまとまっておらず、事件全体がわからない。この白シャツ集団が何者なのか、警察が彼らを逮捕してきちんと取り調べているのか、いずれもはっきりしていない。

 実際、実に不可解なのが警察の対応だ。

 実は7月21日早朝、元朗区議の麥業成(ジョニー・マック)は、元朗の黒社会が雇われて「反送中デモ」の報復に出る可能性があるとの情報を得て、警察に連絡していた。すると警察側は「すでに対応のための配置を整えている」とのことだった。麥業成は日本語も使える日本通で、反共、民主派の立場を比較的鮮明にしている人物。香港で唯一といっていい台湾政界ともコネをもつ区議だ。

7月20日、元朗のとあるホテルで、地元マフィアが襲撃参加者に募集をかけている、という噂が流れていた。麥業成の証言が正しければ、警察は21日夜の襲撃を事前に知っているはずなのに、現場への到着は白シャツ軍団の襲撃が終わったあと。元朗駅に最初にやって来た警官2人は白シャツの男がこん棒を持っているのを確認しながら何もしなかった。警察側の言い分は2人の警官は装備が不足して白シャツ軍団を止めることができず、35分後に支援部隊が到着するまで待機していた、という。

 ちなみに、警察側は出動が遅れたのは、上環の「中聯弁」前での官民衝突で警察の手が取られて人員不足であったことと、この夜、元朗区で火事と3件の喧嘩の通報が同時にあったからだと説明。あたかも、お前らデモ隊のせい、と言わんばかりだ。

 またこの騒動で24~54歳の男6人を現場で違法集会容疑で逮捕したとしているが、どう考えても白シャツの男たちを殺人未遂、傷害罪の現行犯で逮捕をすべきではないか。警察の調べでは彼らは「三合会=マフィア」関係者で、「14K」および「和勝和」と呼ばれる団体の構成員だと明報などが報じている。香港警察と香港マフィア、三合会が癒着しているというのは、香港ノワール映画のお約束でもあり、そう考えると今回の騒動は香港警察が一枚かんでいる、と考えるのが普通だろう。

本当の黒幕は中国政府か

 では三合会に金を払って、襲撃させたのは誰なのか。親中派の立法議員、何君堯の関与が噂されているが、彼は「言いがかりだ」「一緒に飯を食ってただけだ」と言って否定し、「むしろ警察には襲撃者全員を捕まえろと言っている」とメディアにコメントしている。ちなみに、何君堯の事務所や先祖の墓が荒らされていることが7月22日に分かったが、これがデモ隊からの報復だという説と、裏切られた(?)マフィアからの報復だという人と両方いる。

 だが金の出どころがどこであったとしても、今回の事件の本当の黒幕は中国政府であろうというのが、少なくとも私の周囲の香港人の共通認識だ。

 そもそも、反逃亡条例改正デモは一般には「香港政府(キャリー・ラム) VS デモ隊・市民」という構図で報じられてきたが、その本質は香港の「中国化への抵抗」であり、香港デモ隊が抵抗しているのは中国政府・中国共産党であることは、中国自身がよく認識している。

 だから人民日報(7月22日付)は「中央の権威は挑発を許さない」と題した論評を掲載したのだ。論評は今回の中聯弁への攻撃を「公然と中央の権威を挑発した」「一国二制度原則のボトムラインに抵触した」「絶対に許すことができない」と激しく非難している。

さらに人民日報傘下のタブロイド紙・環球時報の主筆の胡錫進は「香港が乱れ、警察権力が深刻な挑戦を受け、香港政府が非常に困難に直面しているときに、多くの人が北京の出方に注目している」「みんなは、解放軍駐留部隊を出動させて香港の治安を維持してほしいと願っているのではないか」とSNS上で発言。胡錫進は「私個人は解放軍の出動は反対」と断りはしているが、あたかも香港のデモ隊がこのまま治安を悪化させれば解放軍が出るぞ、と脅しをかけているようにも読めるのである。

 ちなみに、胡錫進は、(1)香港が「愛国者」を追い出そうとして、米国寄りになって、米国が中国を牽制するための橋頭堡になる、(2)香港が無政府状態に陥る、(3)過激派分子が武装蜂起や香港中枢機能の占拠などを行い、香港警察が対応できない状況になる、といった3つの場合は、北京は果断な行動をとらざるを得ない、としている。

 胡錫進のこの発言に中国共産党の懸念が反映されているとしたら、最初の懸念として「香港が米国側の対中牽制カードになる」ことが挙げられているのが興味深い。習近平政権としての認識も、香港問題はもはや米中新冷戦の一部である、ということで間違いなかろう。となると、8月頭に予定されている非公式会議「北戴河会議」(避暑地・北戴河で党中央現役指導部と長老たちが政策の方向性をすり合わせる会議)では、おそらく香港問題への対応が米中貿易摩擦への対応に並んで重要な議題となることだろう。

 習近平政権としては今までのところ、香港に対する反応は比較的抑制が効いている。香港問題に対しては、直接的な対応ではなく水面下の世論誘導によるデモ隊の封じ込めを狙っているようだ。

 民間の暴力団を使うやり方も、中国政府自身が表だって介入するよりも市民の恐怖をあおり香港デモへの支持を分断させる効果があり、いかにも市民同士の暴力の応酬が続いているという状況をつくることで、デモ隊の社会運動としての目標や中国への抵抗という政治的意義を矮小化したり薄めたりできる、という狙いかもしれない。

 だが、香港デモがこのまま継続し、拡大し、米国が香港人権・民主主義法案を可決するなどの方法で、対中牽制のカードの1つとして扱うようになっていけば、対米政策で立ち位置が揺らぐ習近平政権をますます追い詰めることになるだろう。しかも香港問題は来年(2020年)の台湾総統選挙の行方にも影響を与える。

 追いつめられた習近平は香港に対してどのような答えを出すのか。この「政治の夏」の1つの注目すべきテーマであることは間違いない。

黒井記事

香港のデモ参加者たちを襲撃した白シャツの男たち(写真:ロイター/アフロ)

(黒井 文太郎:軍事ジャーナリスト)

 デモが続く香港の元朗区で7月21日、白シャツの男たちの一団が、デモの参加者たちを襲撃した。男たちは地元の犯罪組織「三合会」のメンバーらとみられている。

 この暴力行為に対し、香港警察の動きがきわめて遅かったことから、三合会と香港警察の癒着を指摘する声も現地では多い。だが、警察は「対応が遅れたのは多忙が理由」として癒着を否定している。

 ただ、彼らはカネで動く連中であり、なんの報酬もなく自発的にこうした組織的行動をすることはまず考えにい。何者かの依頼によってデモ潰しに動員されたことは疑いない。おおもとはおそらく中国政府ということだろうが、それこそ地下社会のネットワークを介してカネが動いたのだろうと推測される。

世界に広がった黒社会ネットワーク

 では、この三合会とは何者なのか?

 三合会は、香港最大の犯罪組織ネットワークである。香港には、紅衛兵残党など本土から流れてきた無法者たちを源流とする「大圏仔」と呼ばれる新興の犯罪グループなど、他にもいくつか犯罪組織があるが、それらを除いて三合会には約10万人のメンバーがいるとみられる。

 三合会の起源は古く、17世紀にさかのぼる。元々は満州族の清朝支配に抵抗する漢民族の民族団体として発足した。1912年の清朝打倒と中華民国創設にも尽力したが、1925年に孫文が死去すると、中国全土で軍閥が割拠して秩序が崩壊。それに合わせて三合会もアウトロー化していった。

その後、1949年に中華人民共和国ができると、三合会は本拠地を香港に移転。香港を拠点に、麻薬密売をはじめ、犯罪組織が手掛けるほとんどの犯罪に手を染めるようになる。

 ただし、現在は他国のマフィアと同様に、経済犯罪に主力をシフトさせつつあるようだ。最盛期の1950年代には香港に30万人程度の構成員がいたといわれるが、英国統治当局の取り締まりもあって、人数は3分の1にまで減少していった。

 三合会はまた、世界各地に散った中国系移民社会にも根を張った。中国系マフィアを扱った欧米のメディア記事には、三合会の英語名である「トライアド」という言葉が頻出する。末端を合わせると世界中に合計30万人程度のメンバーがいるのではないかと推測される。

 とくに勢力が強いのは、やはり華僑が根付いている町だ。たとえばロサンゼルス、サンフランシスコ、ニューヨーク、ロンドン、マンチェスター、パリ、アムステルダム、東南アジア主要都市などである。ただし、世界の中国系移民社会には、香港系以外に台湾系や本土系の黒社会も複雑に入り込んでおり、欧米の捜査当局やメディアが「トライアド」と呼んでいても、正確には香港を本地とする三合会との正確な区分が難しくなっている。

 以上を整理すると、現在の三合会とは、香港を拠点として世界に広がった黒社会ネットワークということになる。ただし、日常的に国際的な活動を行っている組織はそう多くなく、香港の三合会のほとんどは地元密着型の組織である。

三合会を構成するビッグ3の組織

 三合会はあくまでも“ネットワーク”なので、三合会という名称の元に統制された1つの組織体があるわけではない。つまり、きわめて排他的・閉鎖的な中小の独立組織が、各地でそれぞれ縄張りを持っているのだ。それぞれの組織は伝統的儀式を重視し、疑似ファミリー化した鉄の掟で結束する。各地域での縄張りを地盤に活動しており、しばしば隣接する組織同士が激しい抗争をしている。

 香港で三合会を構成する組織は50ほどあるとみられるが、現在、そのうち活動的なのは14組織とみられる。「新義安」「14K」「和勝和」の3組織が、いわばビッグ3といえる。それぞれがどんな組織なのかをみていこう。

・三合会の最大組織「新義安」

 新義安は潮州系で、東南アジアをはじめ、諸外国の華僑社会に強い。創設は1919年で、創設者は向前。第2次世界大戦時に日本軍に協力して急成長したが、戦後、1949年に非合法化された。

 首領の向前も台湾に逃れて、そこから組織を指揮した。やがて潮州人脈からの国際ネットワークを武器に香港でも復活し、現在の構成員は5万5000人という三合会の最大組織となった。組織のトップはその後、向前の息子の向華勝に移っている。

 新義安は九龍地区に長く存在していたスラム街および九龍地区の繁華街を地盤とし、売春、賭博、企業恐喝のほか、東南アジアの「黄金の三角地帯」産出のヘロインの流通を牛耳った。

 また、1980年代以降、香港映画界を長く支配した。ちなみに向華勝の実弟の向華強(チャールズ・ヒョン)は元俳優・監督の大物映画プロデューサーで、有力映画会社「三和」の経営者である。

 1988年に中国共産党と接触し、以後、中国本土に積極的に進出した。三合会の各組織のなかでも最も中国共産党政権と関係が深いとみられる。

・欧米にも根を張る「14K」

 1945年、国共内戦期に、国民党軍人人脈が広州で結成。結成場所の住所にちなんで組織名が付けられた。1949年の中国共産党政権の誕生で香港に本拠を移す。三合会の組織の中でも組織の統制が緩く、傘下の各組織の独立性が強い。

 もともとは東南アジアからの麻薬密売を主としており、海外にも積極的に進出した。米国や欧州(中でもオランダ・アムステルダムの麻薬密売ルート)にも広くネットワークを広げたが、海外進出の過程ではかなり暴力的な事件も多く起こしている。また、窃盗や偽造も手掛け、中国本土への盗難車大規模密輸も行っていた。一時は国際的にも三合会最大の勢力となっていたが、現在では縮小している。

 現在の香港での構成員は推定2万5000人程度。九龍地区の繁華街や香港島の湾仔などを主な縄張りとする。もともと台湾の国民党人脈に近かった関係で、台湾マフィアとも関係が深い。

・麻薬密売の中核的組織「和勝和」

 1908年、清朝の支配に対抗して伝統的な香港黒社会の幹部が集まって結成された「和合図」から、1930年に分裂して誕生した。土着の広東系で、やはり大東亜戦争中に日本軍に協力し、阿片売買で急成長した。

主な活動は麻薬密売と売春、賭博。とくに近年は麻薬密売の中核的組織になっている。荃湾および九龍の繁華街を本拠地として、マカオや深圳にも縄張りを持つ。ロンドンやマンチェスターを中心に英国華僑社会にも根を張っている。現在、香港での構成員数は数万人とみられる。

・和勝和の母体となった「和合図」

 以上が香港の黒社会「三合会」のビッグ3だが、かつては和勝和の母体となった老舗組織「和合図」も加えて三合会の4大組織といわれていた。

 この和合図は、そもそも三合会の母体となった組織で、前述したように1903年結成と、現在の香港の三合会系組織としては最も古い。本拠地は湾仔である。

 1900年代からアメリカ進出を図っており、中国マフィアの先駆けでもあったが、近年は組織としては縮小している。現在、新義安と連携している。

襲撃グループは14Kと和勝和の末端メンバーか

 以上のように、大圏仔などの大陸系グループ(大圏仔は欧米の地下社会にも広く進出しており、英語で「ビッグ・サークル・ボーイズ」と呼ばれている)などを除き、香港の黒社会の最大勢力こそが「三合会」であり、その三合会は実際にはさまざまな事実上の独立組織から構成されている。

 なかでも有力なのが、ビッグ3「新義安」「14K」「和勝和」だが、中国本土との関係でいうと、新義安が共産党政権とはいちばん関係が深い。

 しかし、本来、三合会はカネになることなら何でも手を出す犯罪集団であり、今ではどの組織も中国本土の黒社会あるいは中国共産党・人民解放軍の腐敗分子と密接な繋がりがあるものとみられる。

 今回の香港のデモ隊襲撃については、襲撃グループは地元の黒社会のメンバーとみられるが、犯行が行われた元朗区はもともと14Kと和勝和の活動エリアである。香港紙「サウス・チャイナ・モーニング・ポスト」紙も、「襲撃グループに14Kと和勝和のメンバーが含まれていたものとみている」との警察関係者のコメントを紹介している。

 今回の暴力事件は、三合会の中でもおそらくこの2組織にカネが配られ、末端のメンバーを暴れさせて、政治的なデモを暴力沙汰にエスカレートさせる卑劣な裏工作が行われたとみていいだろう。

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