『大統領として振る舞い出したトランプ氏の虚と実 一般教書演説でロシア疑惑、パリ協定、TPP復帰には一切触れず』(2/2日経ビジネスオンライン 高濱賛)について

2/2ZAKZAK<トランプ大統領が金正恩政権殲滅の姿勢 駐韓米大使「白紙」で韓国切り捨て、五輪後の“軍事発動”不可避>

http://www.zakzak.co.jp/soc/news/180202/soc1802020009-n1.html?ownedref=not%20set_not%20set_newsList

2/2ZAKZAK<米英国防相会談 北朝鮮への圧力強化を確認>

http://www.zakzak.co.jp/soc/news/180202/soc1802020022-n1.html?ownedref=not%20set_not%20set_newsList

2/3日経<米国務次官、省内ナンバー3の6ポスト中5つ空席 シャノン氏が辞任へ 外交、機能不全も

【ワシントン=永沢毅】米外交の中核を担う国務省で幹部ポストの空席が一段と目立ってきた。1日にシャノン国務次官(政治担当)の辞任が明らかとなり、省内でナンバー3の国務次官は6ポストのうち5つが空席という事態に陥った。2018会計年度(17年10月~18年9月)の予算の3割削減の方針も相まって省内の士気も低下気味だ。トランプ政権による外交の機能不全への懸念がさらに強まっている。>(以上)

2/2日経<米国務次官が辞任へ トランプ外交に支障も>「国務省ではトランプ政権下で予算の3割カットや人員削減方針が響き、士気低下が著しい。生え抜きの幹部職員がこの1年でほぼ半減し、外交政策の立案や実行への影響が指摘されている。」

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26457720S8A200C1000000/

トランプは国務省を左翼リベラルの巣窟と見て、信用していないのでは。ですからテイラーソン国務長官ともそりが合わず、下手に仕事をされると、トランプのやりたいことができなくなるので、職員が辞任しても放置しているのでしょう。左翼リベラルと戦うためには必要な手続きです。

その代り国防総省主導で外交も動かしていくのでしょう。マテイス長官が鍵となります。平昌パラが3/18に終わりますので、それを視野に入れて作戦準備に入っているのでは。ZAKZAK記事にありますように、米軍の攻撃は当然に韓国に通知なしで行われるでしょう。英国も参加するとなると準備期間が必要となります。役割分担をどう決めるかです。米軍が北を攻撃した時に中露がどう動くかもあります。英国に睨みを利かしておいて貰いたいとの思いでは。

攻撃の時期は中間選挙が11月にありますから、その近くの9月辺りになるのかもしれません。それまでに、第一次朝鮮戦争に参加国に対して1/16バンクーバー外相会議を開いたようなことを何度かして、開戦後の支持取り付けを図るのでは。

TPPの米国復帰は難しいと思われます。トランプの支持基盤に対するリップサービスだけなのでは。11カ国が新たな米国の要求を受け入れるとは到底思えません。「入るのであれば11カ国で決めたルールに従え」となるでしょう。それではトランプの面子が立ちません。アリバイ作りで交渉はするかもしれませんが、本気にはならないでしょう。

高濱氏記事でトランプの嘘が2140件にも上ったとありますが、ロシアゲートを民主党がでっち上げたことは報道しません。どちらが悪質かです。

2/2ロイター<ロシア疑惑捜査の機密文書、トランプ大統領が公開承認へ>

https://jp.reuters.com/article/russia-memo-wh-idJPKBN1FL63Q

記事

議員席に向かって拍手をうながすトランプ米大統領(写真:The New York Times/アフロ)

—ドナルド・トランプ米大統領が1月30日、一般教書演説を行ないました。米国民はどう受け止めていますか。

高濱:「分裂国家」という今の国情を反映して、与野党の間、また保守とリベラルの間で評価は真っ二つに割れています。

リベラル派が「トランプが空想的な虚構国家の国情を報告した」(米ニューヨーク・タイムスのフランク・ブルーニ記者)と評す一方で、保守派は「トランプが共和党員に喧嘩で勝つ方法を教えた演説」(米ニューヨーク・ポストのマイケル・グッドウィン記者)と論評し、対照的でした。 (”The Fictitious State of Trump’s Fantastical Union,” Frank Bruni, New York Times, 1/30/2018) (”Trump Is Teaching Republicans How to Fight and Win,” Michael Goodwin, New York Post, 1/30/2018)

ただ客観的に見ますと、「これがあの毒舌家のトランプ大統領か」と思わせるほどの内容と振る舞いでした。声は落ち着き払っており、滑らか。大げさな身振り手振りもなし。ドギツイ表現は一切封印。歴代大統領を踏襲した大統領然たる年頭の一般教書演説でした。

ただし、型破りな面をみせる場面もありました。トランプ政権の目玉政策を読み終え、与党席の議員たちが立ち上がって拍手喝采する場面では、自らに拍手。時には与党席に拍手を強要するかのような素振りもみせました。自分が演説をしている最中に、自らに拍手をする大統領なんて見たことがありません。しかも何度もです。

無論、野党席の民主党議員たちは憮然とした表情。座ったままで、拍手などしませんでした。下院本会議場は最初から最後まで分裂したままの90分でした。 (”Best behavior: How Trump alters his tone to suit the occasion,” Marc Fisher, Washington Post, 1/30/2018)

数字を並べたて、さながら株主総会におけるCEOの年次報告

—秋の中間選挙を見据えて、大統領としての実績を盛んにアピールしていましたね。

高濱:次から次へと数字を挙げて、経済や雇用での実績を自画自賛しました。90分の演説の前半部分は大統領の演説というよりも、企業の最高経営責任者(CEO)が株主総会で行なう年次報告のような印象を受けました(笑)。

実は、演説の2日前の28日、トランプ政権の高官が演説内容や狙いについて事前に記者団に説明しました。その高官は「トランプ大統領は、この演説で『安全で、強くて、誇りを持てる米国を作る』ために全力を上げる決意を表明する」と言っていました。

トランプ氏は、このスタンスから脱線することなく、スティーブ・ミラー氏を中心とするスピーチライター・チームが作成した演説文を一字一句、その通りに読みました。ジェームズ・ケリー首席補佐官ら政府高官による振り付けが功を奏した格好です。

トランプ氏は、経済政策はかなり長い時間をかけて説明しましたが、移民法改革案をめぐって与野党が対立し、政府機関が一時的に機能マヒに陥った不手際には一切頬被りをしました。移民法改革にはかなりの時間を割きましたが、立法化できるかどうか、議会に下駄を預けた格好です。

「五輪休戦」でも金正恩氏に睨みかかせる

外交・安全保障では「力による平和」を目指す基本方針を訴え、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮やイランに対して軍事面・経済面の締め付けを強める姿勢を強調しました。

平昌冬季五輪を使った金正恩委員長による「五輪休戦」を歯牙にもかけぬ、いつもと変わらぬ強硬な姿勢を前面に出しました。北朝鮮で拘束され、解放されたものの帰国直後に死亡した米人学生の両親や、脱北した北朝鮮人男性を傍聴席に招いて、北朝鮮がいかに非人道的な国家であるかを強調しました。

「公正な貿易の実現」を強調するくだりでは、中国を念頭において知的所有権侵害に触れました。

ただし、米国民が強い関心を抱いているロシア疑惑や、地球温暖化対策の国際的取り決めである「パリ協定」、日本が注目する環太平洋経済連携協定(TPP)復帰については一切触れませんでした。

TPP復帰発言はTPP11から取り残される危機感の吐露か

—トランプ氏はTPPについて、復帰の可能性を検討するような発言をダボス会議でしていましたね。同氏は就任早々、第一番にTPPからの離脱を宣言しました。それが今になってなぜ。トランプ氏の真意は奈辺にあるのですか。

高濱:トランプ氏は現時点では詳細な復帰条件を示していません。政権内にも、離脱撤回について協議を始めるといった話はなさそうです。実はワシントンの専門家たちの間でも、この点に関心が集まっています。一般教書演説でどう触れるのかが注目されていました。ところが何も出てこなかった。

米ブルッキングス研究所のミレヤ・ソリス上級研究員はこう見ています。「日本など11か国が新協定『TPP11』で合意に達したことが影響を与えていることは間違いない。トランプ政権は米国抜きの新協定などできっこないとみていたからだ」

「トランプ大統領が『合理的な内容であれば、TPP各国と交渉を検討する』と語る狙いは二つある。一つはTPPに反対してきた選挙民や業界に対して、今もTPPに反対しているのだという証しを示すこと。もう一つは、TPP参加国に対して米国が復帰する可能性が今もあるのだと思わせ続けることだ」

またカーネギー国際平和財団のジェームズ・ショフ上級研究員はこう分析しています。「おそらく誰かがトランプ大統領に『このままTPP11が締結されれば、米国は取り残される危険がある』と助言したのだろう。トランプ大統領としては新協定締結を遅らせようとしているのだろうが、そうした試みは失敗するだろう。TPP問題ではクレディビリティーを完全に失っているからだ」 (”Did a fear of ‘losing out’ push Trump to alter his stance on the TPP trade deal?” Ko Hirano, Kyodo, Japan Times, 1/29/2018)

トランプ大統領がついたウソは2140件

—安倍晋三首相も「米国がTPPに入る可能性について言及したことは歓迎したい。具体的な課題について、米側からまだ一言も発信がない。話は聞いてみたい」と国会で答弁しています。上記の専門家たちの話だと、やはり国内的なジェスチャーでTPP復帰など考えていないということなのですか。

高濱:民主党政権で外交交渉に携わった政府高官の一人は筆者に以下のストレートな反応を示しました。

「正直言って、トランプ氏が発する口から出る出まかせのツイッターや演説は一切読んでいないよ。時間の無駄だしね。トランプ政権の政策については、トランプ氏以外の政府高官の発言しか本気にしない。トランプ氏の言うことはウソか、感情的にカッカして発信するツイッターばかり。中には、トランプ氏が問題の本質を全く理解できていないことからくる意味不明のコメントもある。パリ協定復帰とか、TPP復帰とか、そのたぐいのもんだろう」

ちなみに米ワシントン・ポストは、政権発足から1年の間にトランプ氏がついたウソや誤解を招く主張は、なんと2140件に上ったと報じています。その際たるものが減税の規模。「米国史上最大の減税」と57回も主張していますが、財務省統計によると史上8番目の規模だと言います。 (”President Trump has made more than 2,000 false or misleading claims over 355 days,” Glen Kessler and Meg Kelly, Washington Post, 1/10/2018)

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