『「初言及」並ぶ、全人代政府活動報告を読み解く 「民衆の不満」「習近平核心」「香港独立派」明記の意味』(3/8日経ビジネスオンライン 福島香織)について

3/10日経北朝鮮ミサイル最接近 政府、迎撃態勢強化へ 

北朝鮮が6日に4発同時に発射したミサイルのうちの1発が、石川県の能登半島の北北西約200キロの海域に落下したことが9日分かった。これまでの北朝鮮のミサイル発射で最も日本本土に接近したケースとみられる。政府は北朝鮮の核・ミサイル開発の進展を受け、弾道ミサイル防衛網の強化を急ぐ方針だ。

菅義偉官房長官は9日の記者会見で「北朝鮮のミサイルが現実の脅威となっている」と強調した。政府は今回のミサイルを「スカッドER」と推定している。スカッドERは移動式発射台での打ち上げが可能で、核弾頭も搭載できる。今回は4発ともほぼ同時に着水しており、南北に約80キロメートルの等間隔で落下しているもようだ。

海上自衛隊元海将の伊藤俊幸氏は「4発同時の着弾が重要な点だ。日本の迎撃能力を超える大量のミサイルを一度に発射する飽和攻撃の脅しだ」と話す。

現在の日本のミサイル防衛網はイージス艦の海上配備型迎撃ミサイル(SM3)と地対空誘導弾パトリオットミサイル(PAC3)で撃ち落とす二段構え。政府内にはこれをさらに重層化するため、高度40~150キロメートル程度で迎撃する地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)を導入し、三段構えとする案もある。同時にイージス艦に搭載する迎撃システムを陸上に配備する「イージス・アショア」の本格導入も検討する方針だ。

いずれも厳しい日本の財政事情が立ちはだかり、導入までは紆余曲折(うよきょくせつ)がありそうだ。THAADは1基あたりの費用が1000億~2000億円とされ、日本全体をカバーするのは6~7基が必要。イージス・アショアは2基で全国をカバーでき1基あたり700億~800億円だ。THAAD配備などの動きが日本でも本格化すれば中国の強い反発が予想される。

ただミサイル防衛網を強化しても「百パーセント防衛できるとは言えない」(政府関係者)のが実情。相手国に攻撃される前に敵基地などを攻撃する能力を持つ選択肢もあるが、憲法との兼ね合いなどからハードルは高い。北朝鮮の挑発行為を自制させる外交努力が何より重要だ。>(以上)

3/9西村眞悟氏メルマガ覚悟すべきことは爆撃、ええ加減にすべきことはレンホウと学術会議

今、覚悟すべきことと、ええ加減にすべきこと、

(1)対北朝鮮について覚悟すべきこと 三月六日に、北朝鮮がミサイル四発を日本海に向けて発射し、我が国の日本海における排他的経済水域に着弾させた。北朝鮮は、そのミサイルの発射には「在日米軍基地の打撃を担う部隊が参加した」と発表した。これに対して、我が国のマスコミは、翌七日と八日には森友学園と同じ比重で関心を示して大騒ぎしてTVでは北朝鮮発表のミサイル発射影像を繰り返し放映し、新聞では、一面に地球の地図を掲載して、そこに発射されたミサイルの弾道を矢印で明示し、さらにご丁寧に、日本列島の図の上に、北朝鮮が攻撃目標という在日アメリカ軍基地の位置をポイントで示している。 そして、日本政府は何をしているのかというと、いつもの通り、「会議」をしている、し、「情報収集」をしている。では、国会は、何を、・・・それが、「森友学園」のことを議論している。そこで、政府、国会の頭の中そしてマスコミの報道の中から、スッポリ抜けている盲点を指摘する。 即ち、それは、我が国は、核弾頭ミサイルによる攻撃に対する ①抑止力があるのか、 ②ミサイル発射前の先制攻撃で敵ミサイルと基地と独裁者を撃破できるのか ③発射されたミサイルを迎撃して破壊できるのか ①の抑止力は、相互確証破壊のことである。つまり、我が国も核弾頭ミサイルを保有しているかということ。北朝鮮の最高責任者がミサイルを打てば、彼を確実に殺す報復力を我が国が持っているかということである。つまり、我が国が北朝鮮の独裁者に「撃てばお前を確実に殺す」と言えるのか。 ②は、一九八一年(昭和五十六年)六月七日、イスラエルがイラクの原子炉をF16戦闘機八機で爆撃して破壊したバビロン作戦を我が国は北朝鮮に実施できるのかということだ。 ③は、日本海におけるイージス艦および地上のパトリオット(PAC3)による飛んでくるミサイルの撃破である。 以上の三つの内、マスコミが取り上げたのは③だけである。取り上げたと言っても、「専門家」がTV画面にでてきてイージス艦およびパトリオットは、ミサイルを迎撃できますと説明するだけで、 では、イージス艦およびパトリオットで、 今回のように、四発同時に発射されたミサイルを確実に総て撃墜できるのかとか、 パトリオットが空中で破壊したミサイルの核弾頭が市街地に落下してきたらどうする とかの議論はなかった。 従って、この機会に③の迎撃確実な体制を構築されるべきだというような真に必要な議論には進まない。 ③に対してもこの程度であるから、①は全く頭の中に入っていない。そして、②は見て見ぬふりをしている。 つまり、目をつぶれば世界はないと思い込んでいる。 さて、本日九日、既に北朝鮮のミサイル問題は、マスコミの主要関心から遠ざかり、世相も、政府も国会も、マスコミに従っていつも通りの「戦後」に覆われている。それ故、野党はマスコミに従って、 森友学園関係者の国会への参考人招致を要求している。

そこで言っておく。 アメリカは、北朝鮮のミサイル発射に対して、「執りうる総ての手段を行使する用意がある」と発表している。 それは、具体的には何か。 それは、②のバビロン作戦である。即ち、空爆によって北朝鮮の独裁者を除去することである。 アメリカの大統領はいまやオバマではなくトランプだ。ここにいたって我が国の内閣総理大臣は、トランプ大統領への電話で、無駄なこと、つまり、今まで通りの日米連携してとか、どうでもええこと、はしゃべるな。次の一言、これを言うだけで日米の連携は確固な同盟関係になる。 「バビロンに我らも行く。そのために 我が統合幕僚長から貴国の統合幕僚長に連絡させる」以上が、覚悟すべきことである。以下は、どうでもええことであるが、腹に据えかねるので、一言、ええ加減にせいと言っておく。

(2)レンホウを党首にして、えらそうな質問をするな マスコミでは外国人の名は漢字圏の国でもカタカナで表現するのでレンホウと書いたのだ。どう考えても、日本人の名ではないからなあ。台湾の民進党にあやかって民進党と名乗る我が国の野党よ、政治家にとって最も大切な忠誠の対象である祖国を、うやむやに誤魔化して我が国の国会議員や閣僚をしてきた人物を党代表にしている者が、森友学園を持ち出して、えらそうな顔をして、国会で質問するな。ましてをや、当のレンホウが質問をしている側で、よく座っておれるなあ。

(3)日本学術会議とはアホの集まりか 同会議のホームページには、日本学術会議は、科学が文化国家の基礎であるという確信の下、行政、産業および国民生活に科学を反映、浸透させることを目的として、昭和二十四年に内閣総理大臣の所管の下、政府から独立して職務を行う独立の機関として設立された、とある。この日本学術会議が、長年にわたって「科学者は軍事研究を行わない」とする声明を堅持してきて、この度、新しい声明を出して、旧来の声明を堅持し継承することを確認したという。では、何も「新しい」ことはないではないか。科学者はヒマなのか。 そこで、もう、一言で言う。 こいつら、アホか、もしくは、アホをよそおった左翼である。学術会議が、「行政、産業および国民生活に科学を反映、浸透させることを目的とする」ならば、まず第一に、「行政、産業および国民生活を守る科学」に取り組み、鋭意、その発展進歩に努めるべきではないか。では、その守る科学の発展進歩に努める「営み」を何というか。それを、世間では、世の中では、「軍事研究」と言うのだ。よって、日本学術会議の創設の志に戻り、学術会議は、国家と国民を守る科学研究即ち「軍事研究」に鋭意取り組み、以て、行政、産業および国民生活に科学を反映させそれを浸透させよ。>(以上)

日経記事を読みましたら、ミサイル防衛システムでは同時多発の核ミサイルは本当にカバーできるのかどうか疑わしいということです。西村氏のメルマガからもそれが窺われます。こういう国民の生命の安全の問題こそ国会でキチンと議論が為されるべきです。敵に襲われると駝鳥は砂の中に頭を突っ込んで怖いものは見ないと言われるところから“ostrich policy”と言う言葉ができましたが、今の日本人の状態そのものです。「平和」という念仏を唱えていれば「平和」は守られるという考えは科学的でも合理的でもありません。況してや憲法9条があればと言うのでは。

西村氏のメルマカにある通り「学術会議」なんてあるだけ邪魔な存在です。こんな科学的でない組織を権威として有難がっているようでは日本人の民度は高くないと思ってしまいます。軍事や戦争について話すと「右翼」、「国粋主義者」のレッテルを貼って貶めようと風潮が残っています。中共に日本を占領させようとしている左翼メデイアの力がまだまだ大きいという事です。そのメデイアに洗脳された人が未だ多く残っているといえます。60代以上の既存のメデイアからしか情報を取れない老人にそういう傾向が強いです。こういう人は北のミサイルが現実に自分の頭上に落ちて来て初めて自覚できるのでしょう。普通の企業人であれば、問題発見→現状把握→対策→再発防止のサイクルを回すと思いますが、危機意識のない人は問題と思っていないから、何も手を打とうとも思わないでしょう。成熟した大人とは思えません。合理的行動を起こす人間ではないです。スウェーデンでは徴兵制を復活し、当然男女の区別なく、イザとなれば国の為に戦うことを義務付けられました。日本人の好きなノーベル賞を付与している国がですよ。日本は陸続きでないので、徴兵制は現実的でないし、デジタル化した近代戦では足手まといになるだけです。ただ日本国を守る気概は日本に暮らす以上国民全員が持たないと。破壊工作を防ぐ自警団を組織するのが大事な気がします。

福島氏の記事では、習近平と王岐山、栗戦書との間にも隙間風が吹いたとのこと。習は友達がいないかできない独裁者の運命をたどっているという事でしょう。必要なのは命令を忠実にこなす部下だけ。茶坊主になって出世したいと思っている人間で周りを固めているのでしょう。裸の王様です。恐怖政治は北朝鮮と同じくどこかで臨界点を迎える気がしますが。

李克強の演説をTVで見ましたが、昨年ほどではないにしろ額に汗をかいていました。習を「核心」と認めるのに内心抵抗があり、それで汗をかいているのではという印象を受けました。中国経済の数字はほとんど意味を成しません。作られた数字ですので。言ってる本人も信じてないし、大部分の中国人は嘘と理解しているでしょう。分かっていないのは中国以外の国だけです。宮崎正弘氏の3/9メルマガでは20億人の空家の在庫があるとのこと。実需を無視して造った咎めです。当然借金で作っていると思われますので、投資家や銀行が債務支払いに追われます。いつまで持つのか、どうなることやら。

http://melma.com/backnumber_45206_6497995/

記事

3月5日に全人代が開幕。政府活動報告から、錯綜する思惑や駆け引きが浮かび上がる(写真:ロイター/アフロ)

中国中央テレビ(CCTV)で放送中の歴史ドラマ「大秦帝国之崛起」が結構、人気なのだが、先日、両会(全国人民代表大会=全人代と中国人民政治協商会議=政協、中国の国会に相当)開幕直前に放送された第30回が、ちょっと話題になっている。秦国人が、趙国の“スパイ”を金で雇おうと、内奸(裏切者)のリストが書かれた竹製の書簡(小道具)を開くシーン(1分37秒あたり)で、なんと一番目立つところに習近平に似た名前が篆刻書体で書かれていた、という噂が広がった。

すわ、これはCCTVが発する“倒習信”(習近平打倒のメッセージ)か、と騒ぎになりかけたが、すぐにネットユーザーのコラージュによるいたずらであることが判明。昨年の両会のときは、新疆ウイグル自治区主管のネットメディア「無界新聞」に習近平引退勧告書簡がアップされたり、新華社通信に意味深な「誤字」があったりと、アンチ習近平のムードが体制内に存在することが明らかになったが、今年は、その空気が大衆にも伝播していたのかもしれない。

ちなみに、この“裏切者リスト”パロディに上がっている政治家の名前は習近平だけでなく、よくみると温家宝や李克強も載っているので、習近平だけをターゲットにしたというよりは、中国の今の政治全体への不満、批判が込められているともいえよう。いずれにしろ、中国社会の間には、漫然と政治に対する不満が漂っている。そういうムードの中で、開幕となった全人代の政府活動報告について、今回はとりあげたい。

「党内不協和音」響く開幕式

5日に全人代の開幕式があり、恒例の首相による政府活動報告読み上げが行われた。昨年の李克強は、ものすごいしゃがれ声で、健康状態が悪そうだったが、今年もやはり、読み間違い、読み飛ばしが多く、彼はこの秋で引退するかもしれない、と思わされる調子の悪さだった。そして、ひな壇席でそれを聞く習近平は、昨年と同じく、ずっと憮然とした表情で、相変わらず拍手もほとんどしなければ、李克強がひな壇に戻るときに、握手もしなかった。党内不協和音が聞こえてくるようである。

その政府活動報告の中身だが、注目点は大きく分けて五つある。

まず、今年の経済成長目標は6.5%に引き下げられた。政府活動報告にあげられる成長目標は中国の実際を無視したフィクションの数字ではあるが、党内政府内のある種の空気を伝える役目はある。

昨年の全人代で目標値を6.5~7%と幅を持たせたのは、7%成長を維持しないと2020年所得倍増計画の青写真が崩れるから無理やり7%の数字を入れたのだったが、今年はその建前を捨てざるを得ないほど経済が悪くなりそうだ、と党と政府も認めているということだ。

救いはトランプ政権の登場で、今年、中国経済が悪くなるのは、(共産党政治のせいではなくて)トランプのせい、という言い訳ができる。だからこそ、トランプ政権があれほどドラゴンスレイヤー(対中強硬派)ぞろいの布陣にもかかわらず、中国がそこはかとなくトランプに好意的なのだろう。

実際のところは、中国経済の悪化の最大の要因は、党の経済活動に対する関与・管理によって、フェアで公正な競争や合理的な経済活動が阻害され、市場や企業の信用が失われているせいであり、外圧要因などむしろ小さいほうであろう。

「民衆の極度の不満」の存在を認める

二つ目は、政府活動報告において、初めて、“民衆の不満の感情はすでに非常に深刻で重大”と、大衆の極度の不満の存在を認めた。つまり、政府活動報告にそう盛り込まずにはすまされないほど、中国の社会不満は深刻であり、この不満の矛先が党と政府にむかっていることを認識したうえで、解決に決意を示したわけだ。

本来、政策の大方針を打ち出す政府活動報告で、あえて携帯電話のローミング料金、長距離料金廃止といった庶民受けを狙った具体策を盛り込んだのも、こうした社会不満をなんとか緩和し、党から乖離しかけている大衆の支持をつなぎとめようと必死であるということの裏返しかもしれない。

ちなみに、この携帯電話料政策が読み上げられた時が、一番長い拍手が起きた。政府活動報告では、民衆の不満の要因を貧困問題にまとめていたが、貧困だけともいえない。貧困対策と銘打った強制移民も、環境問題も不満の温床だ。ある程度の知識層にすれば、報道の自由や思想・教育の自由に対する締め付けや、密告制度奨励や市民格付制度の導入などの管理社会化に対する息苦しさなども不満の大きな要因になっており、それが後述する「党の権威」問題につながっている。

三つ目は、初めて、「習近平を核心とする党中央」という表現が政府活動報告に盛り込まれた。習近平自身は、昨年の政府活動報告で盛り込みたかったらしかったのだが、昨年2月に起きた“十日文革”で、習近平のあからさまな個人崇拝キャンペーンに対する党内の抵抗感が強まったため、昨年の全人代の政府活動報告には盛り込むことができなかった。

ちなみに昨年2月の“十日文革”(任志強事件)で、習近平と王岐山の関係が冷え込んだとされるが、その後、葉剣英の二男、葉選寧の葬式(7月)の際、長男・葉選平の立ち合いで、関係修復に同意したと伝えられている。もっとも、周辺筋によれば、その関係修復はあくまで太子党内部のメンツを重んじた表面上のものにすぎない、という見方もある。王岐山が秋の党大会で引退するか留任するかが、習近平政権の長期化(三期以上続く)を占うと見られており、最近、外国メディアに対して王岐山が留任に同意しているといったリークがさかんに流されているのは、習近平筋による印象操作で、王岐山自身はまだ留任の意思を固めていないという説もある。

側近との信頼関係にも揺らぎ?

習近平核心キャンペーンを一昨年から水面下で行ってきたのは、習近平の側近と呼ばれる党中央弁公庁主任の栗戦書だが、習近平と栗戦書との関係も昨年11月あたりから、微妙になってきたという噂が流れている。

根拠は昨年11月14日付けの人民日報に栗戦書が実名で寄稿した論文「党中央の権威を断固維持しよう」だ。これは、党中央の権威を維持するために、習近平総書記を核心としよう、党中央の権威維持と習近平総書記の核心地位維持は統一的問題だ、といった内容の習近平礼賛論文である。

だが、この論文に違和感を持つ党内人士が多かった。そもそも栗戦書は習近平の“半径5メートルに寄り添う”懐刀として水面下で習近平核心キャンペーンを仕掛けてきた人物だが、それがなぜ、人民日報で全面的に習近平を礼賛を叫ばねばならないのか、ということに引っ掛かりを持つのである。ふつう、側近は自分で礼賛をするのではなく、周辺に礼賛させるように働きかけるのが仕事である。ふつう、身内が表だって礼賛すると、逆効果なのだ。

だから、栗戦書がこんな風に表立って礼賛せねばならない理由を共産党政治学的な観点から想像すると二つ思いつく。習近平の栗戦書に対する信頼が何かの理由で揺らぎ、栗戦書としては急きょ、習近平に対する忠誠をアピールする必要があった。あるいは、ほめ殺しの手法で習近平の評判を落としたい。

なので一部党内人士の間では、習近平と栗戦書の信頼関係が揺らいでいるのではないか、と噂が立った。栗戦書は秋の党大会で、政治局常務委員会入りしたいので、習近平に阿っているのだ、という人もいるが、普通なら、栗戦書ぐらい習近平に貢献していれば、別に阿らずとも、忠誠をアピールせずとも、政治局常務委入りを果たすことができるはずだ。この想像が当たっていれば、習近平は王岐山との関係修復も中途半端で、側近の栗戦書との信頼関係も揺らいでいる中での、“核心”呼びということになる。

去年の政府活動報告には抵抗が多くて盛り込めなかった習近平核心呼びの文言を今年は盛り込むことができ、しかも李克強がこの部分を読み上げるときは、特に声に力を込めて強調していた。

数えてみると「核心」という言葉は11回、「習近平」の名前は8回読み上げており、李克強がこんなに習近平の名を連呼したのは、おそらく初めてではないかという勢いだ。素直に考えれば、習近平は昨年までの抵抗勢力を抑えて、核心的地位を確立し、政敵の李克強にも認めさせたので、習近平の権力基盤は強化され、独裁化、長期政権化への道が開かれた証拠、というふうに分析できるかもしれない。

だが、前述のような事情も漏れ伝え聞いているので、私としては香港に拠点を置くラジオ・フリーアジアが伝えた、河北省出身の独立系評論家、朱欣欣のコメントを支持したい。

「党が力を入れて宣伝することは、はからずも党が必要としていること、欠けているものを示している。李克強が政府活動報告で、習近平の核心地位を強調したということは、習近平には核心地位としての威信、権威が欠乏していることを物語っている。権威には権力だけではなく、信望も必要だが、習近平にはこの一点が欠落している。習近平の核心呼びが強調されるほどに、中国共産党は現在、そういう(信望を得うる)魂を持った人物が欠乏しており、本当の意味での精神的支柱がない。すなわち泥の足を持つ巨人のように、表向きは強大だが、実際は非常に脆弱なのだ」

「香港独立派」言及の深謀

四つ目は、初めて、「港独(香港独立派)」という言葉が政府活動報告に盛り込まれた。李克強は「港独は以前は存在しなかったが、今はこれに言及せざるをえない」「港独に前途はない」と、訴えた。香港独立派、あるいは香港本土派、香港自決派とも呼ばれる、「香港は中国ではない」という若者は、雨傘革命の挫折以降、台頭してきており、少数派ながら政治勢力としての存在感を持ち始めている。3月26日に予定されている香港行政長官選挙を控え、香港市民に対する警告の意味もあって、この文言を盛り込んだのだろう。

政府報告書では、香港の一国二制度維持や高度の自治にも言及しているのだが、この港独という言葉には、香港アイデンティティを掲げる香港人に対して、チベット独立派(蔵独)やウイグル独立派(疆独)と同列に扱うという強烈なメッセージが込められているともいえる。つまり、香港の自決を叫んで中国に逆らう“港独”は、国家分裂を画策するテロリスト扱いするぞ、ということである。

香港の政治評論家、林和立がラジオ・フリーアジアに次のようにコメントしていた。

「目下、香港には国家分裂や国家安全に対する脅威を排除する法律はない。だが、この政府活動報告で正式に港独に言及したとなると、その意味は非常に重大だ。行政長官選挙後、香港基本法第23条に従って、国家安全条例を制定するつもりではないだろうか」

国家安全条例は2003年に胡錦濤政権が制定しようとして、香港市民50万人デモの抵抗にあって挫折したいわゆる治安維持法だ。当時総書記の胡錦濤は、金融都市香港の安定を優先して、国家安全条例制定を棚上げしたのだ。それを習近平政権は再び、制定しようしている。すでに法律などお構いなしに、香港から中国に都合の悪い人物を拉致して拘束するようなことをしている習近平政権だが、この条例が制定されれば、香港の一国二制度は完全に粉砕されることになる。

五つ目の注目点は、「いかなる形式、いかなる名義でもってしても台湾を祖国から分裂させることは絶対許さない。祖国の平和統一プロセスを断固移さず推進する」と台湾に対する強い牽制をかけたこと。「両岸一家親」といった親しみを込めた台湾への呼びかけは今年はなく、李克強の読み上げる政府活動報告の中では、過去一番、厳しい表現による台湾への牽制といえる。それだけ、蔡英文政権の登場と、トランプ政権の「一中政策」をカードにした揺さぶりに習近平政権が狼狽させられたということだろう。

自信のなさか、ほめ殺しか

香港、台湾に対する、これまでにない厳しい言及は実際、どのような急展開を見せるかわからない部分がある。福建省や浙江省の指導者を経験し、台湾統一への執着は人一倍強いといわれている習近平だけに、焦って軍事アクションをとる可能性は完全否定できないからだ。政府活動報告の中で、庶民が大喜びした唯一の話題といっていい、携帯電話のローミング無料化も、台湾や香港を国内扱いして既成事実を創ることも狙いかもしれない。

総じて今年の全人代政府活動報告が浮き彫りにするのは、習近平政権の脆弱さや、それを自覚しての焦りやコンプレックスではないかと思う。そもそも“核心”呼びなど、政府活動報告に一か所盛り込めば十分な言葉なのに、11回も繰り返している。もしそれが、習近平の要求ならば、自信のなさの表れであるし、もし李克強からの提案であれば、いわゆるほめ殺しか嫌みであろう。そういう脆弱な政権だからこそ、追い込まれると焦って何をしだすかわからない。今後も、中国の政治の動きは一時も目が離せないのである。

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『中国の言論統制に屈しなかったアパホテルに乾杯!日本勢の活躍目立った札幌冬季アジア大会の影で』(3/7JBプレス 森清勇)について

3/7のfacebookから取った記事です。

<United Nations for a Free Tibet (AUSTRALIA)

China invaded in 1949 and Tibet has still not surrendered.

Tibet is not, and never will be, part of China.

This might make this Evil Mao demon the most pathetic and unaccomplished dictator in history as well as the worst mass murderer.

中国は1949年にチベットに侵攻したが、チベットはまだ降伏していない。

チベットは今でも、なおかつ将来においても中国の一部であることはない。

この絵は邪悪な悪魔の毛沢東を最も憐れむべき存在とし、史上最悪の大量虐殺をした未完の独裁者としているように思う。>(以上)

中共の邪悪さは本ブログで何度も書いてきました。彼らの発する言葉は全部プロパガンダと思えば、間違いないでしょう。岡田英弘氏or黄文雄氏は中国の歴史上、何百年かの間に、人口の大幅減少した時が何度もあったと。でも毛沢東程、自国民(正確にはモンゴル・ウイグル・チベット人も)を殺した人間はいません。天安門の肖像画とか紙幣への印刷を考えますと、国家に貢献した人物との評価を中共がしているのが分かります。日本だって聖徳太子や福沢諭吉とかが紙幣に印刷されているではないですか。(文科省はアホなことに聖徳太子の名を止めて厩戸王に変えようとしています。本当に役人というのは愚かです)。大量殺人者を、国家を代表する人物としているのですから、共産党の残虐さの程度がどんなものか分かるでしょう。大虐殺をしたと言われるヒットラーやスターリンを肖像紙幣にするようなものでしょう。殺人数で言えば毛の方が遙かに多いですが。

中共のプロパガンダや反アパデモに負けず、1・2月ともアパホテルは過去最高の売上を記録しました。経営者の先見の明といったところでしょう。戦う経営者が少ない日本企業において特筆すべきことです。三越伊勢丹の大西社長が交代しましたが、中国人の爆買を当てにして、三越銀座店を2010年に増床したことも、事業多角化以外の理由として挙げられるのでは。中国は人口の多さを武器に、市場の大きさを呼び水にして、幻惑します。あくどい中国人がそんなに簡単に儲けさせてくれるわけがありません。都合が悪くなれば、簡単に法を変えます。独裁国家ですから簡単です。法治国家でないのに、法律を守ろうとする外国人・外国企業を縛るためです。中国企業は賄賂で何とでもできますので。人口の多さは侵略の先兵としても使われます。前にも書きましたが、中国の男女比のアンバランスが男の兵士として殺し、男の数を減らそうと考えるかもしれません。実際、朝鮮戦争時、彭徳懐将軍が指揮した部隊は国民党の敗残兵で、彼らを殺すには朝鮮戦争は良い舞台だったように。或は外国人女性の拉致・略取が行われるかもしれません。

http://deliciousicecoffee.blog28.fc2.com/blog-entry-6590.html

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49052

3/9日経によれば、王毅外相は偉そうに「まず日本が『心の病』を治し、中国の発展を理性的に受け入れないといけない」と言ったとか。経済発展だけでしたら喜んで受け入れるでしょうけど、軍事拡張を伴う発展には反対です。況してや尖閣、沖縄を奪おうという国には。中国人の傲慢さを象徴した話です。まあ、そう言わないと出世できないからでしょうけど。中国人は、歴史に於いて真実を語ることのない民族です。易姓革命で前政権を全否定しますので。捏造・改竄史観が当たり前です。

http://www.sankei.com/world/news/170308/wor1703080039-n1.html

記事

都内でアパグループに抗議するデモを行う在日中国人ら。NURPHOTO提供(2017年2月5日撮影)〔AFPBB News

札幌での冬季アジア大会は、日本が金メダル27個で韓国や中国を抑えて1位となり、来年の平昌冬季五輪への大きな弾みとなった。運営面でも小さなトラブルはあったが、全体的には関係者の満足度は高く、成功裏に終わったと言える。

開催直前には、中国がアパホテルに備えつけている「南京大虐殺」や「慰安婦の強制連行」はなかったとする書籍(『本当の日本の歴史 理論近現代史学Ⅱ』だと言われる)の撤去を求めてきた。

これに対しアパグループ代表は「(中国)政府が一民間企業の活動を個別に批判することに対しては疑問を感じる。書籍を撤去しない方針に変更はない」とコメントした。

日本に対する歴史認識では中国と共同歩調をとってきた韓国も、「右へならえ」の姿勢で中国に1日遅れで同様の要求をしてきた。

しかし、アパグループは大会の会場にあるホテルでの撤去に応じただけで、小の虫を殺し大の虫を生かしたという点で、本当の成功者はアパグループであり、また「真実の歴史」の勝利であったと言えよう。

国家主導の「言論統制の輸出」

中国政府が一民間の所業にクレームをつけ、応じなければ選手団の宿泊をキャンセルすると脅しをかけてきたことは、中国人民にこうした本が見られて中国共産党や政府のウソがばれることを恐れたわけで、図らずも「南京大虐殺はなかった」という真実が暴露されたことを意味している。

アパグループの元谷外志雄代表は撤去しない旨を公言したうえで、「日本は『押せば引く国』という悲哀を味わってきたが、本当のことを向こう(中国)の方にも知ってもらう必要がある」と指摘した。

同時に、「(リスクを避けるため)どの国の人でも(全利用者の)10%以内にしていこうとやってきた。その規制に達する前のいいタイミングで今回のことは起きた」と、運営上からも中国人に偏らない方が望ましいとした。

「爆買い」に煽られて店舗の拡張や商品の大量入荷をした営業が、翌年には中国政府の一声で成り行かなくなる悲哀を経験したばかりであった矢先で、営業上からも素晴らしい判断と言えよう。

中国が政府主導で中国国内の旅行会社やインターネットの予約サイトに、アパホテルのサービスと広告を取り扱わないよう求める行動に出たことはこれまでもしばしばあったことで意に介することではなかった。

しかし、日本の企業にまで中国式言論統制を強要してきたのである。新聞などのマスコミが「他国の特定企業に対するボイコットを強制するのは極めて異例」と書いていたのも当然であろう。

中国本国の動きに呼応するように、日本で生活している中国人企業経営者、会社員、留学生などが中心となって、抗議デモを行う「中日民間友好委員会」を立ち上げ、約300人が新宿でデモ行進を行ったことは注目された。

「注目された」というのはほかでもないが、中国政府の威令が在日中国人にも徹底することを示す好例であるからである。日本の災害時などの非常時連絡網以上に、中国の連絡網はしっかりしているのではないかと思わせる事象はすでにいくつかあった。

2008年の北京オリンピックに因んで長野でトーチリレーが行われた時、在日中国大使館の呼びかけに応じて集結した中国人留学生約4000人が長野市内を畳大の五星紅旗で埋め尽くした。長野市はあたかも中国人に占領されたかの観を呈したとも言われた。

当時の中国は平和のオリンピック祭典を演出・喧伝しながら、他方ではチベットなどの少数民族の弾圧を続けていた。

これに抗議した小規模の地方議員団のデモに、中国人留学生数人が暴行する事件も発生した。長野県警は圧倒的な中国人に怖気を成したのか、日本人を犯人に仕立てる仕儀であった。

東日本大震災時は中国大使館が準備した大型バス数十台で、日本に永住を決めたはずの一般永住者や日本人の配偶者、また日本社会に親しんでいるとみられた中国人留学生や技能実習生など約24万人が短期日に日本を脱出して、学校や企業・農業経営などに大きな混乱をもたらした。

このような行動は他の国にはほとんど見られなかったことで自然発生的なものではなく、明らかに本国からの指令が在日中国大使館経由でもたらされたか、あるいは中国大使館が自ら指示した国家ぐるみであることが分かる。

自虐史観的知識人の造成

日本人が長い間、東京裁判史観や自虐史観といわれる自国を貶める考え方に縛られているのは、自己検閲の習性に取り付かれた人士がマスコミや政財界、教育界や学界などで指導的立場にいて隠然たる影響力を持ち得たからだとみられる。

GHQの占領下で、戦争犯罪周知計画(War guilt information program)が推進された。

国際法を無視した事後法で東京裁判が行われ、また教科書などでは黒塗りや改竄が施されて、日本は建国以来、悪逆非道を重ねてきた国であるということを国民に植えつけることが行われた。

南京攻略戦で起きた戦闘に伴う事件を極悪非道の大虐殺に改竄したのは、東京・大阪などの無差別爆撃や原爆投下という非人道の大量殺戮を相殺する目的とともに、日本人の犯罪性を主張するための捏造であったことは言うまでもない。

他方で、日本が良いことをしたという歴史の事実は抹殺され、日本人には暗黒史観が植え込まれていった。これはGHQが行った「検閲」で進められたが、戦後70年が過ぎた今日においても呪縛が解けないほどの成功を収めた。

実際に検閲を行ったのは、英語を得意とした高学歴の5000人とも1万人とも言われた日本人である。彼らは戦後の荒廃した日本で運よく就職し、占領軍が進めた日本罪悪化・無力化の仕事に破格の待遇で貢献した。日給1000円、月給換算3万円は今日の1000万円超で、億万長者となり得たのだ。

疚しさや後ろめたさはあっても家族を養っていくうえでの生活には代えられず、心理的葛藤を克服して東京裁判史観を受け入れ、日本は犯罪国家であると自己正当化せざるを得なかったに違いない。

思想信条にこだわっている場合でなかったことは、ほんの一握りの人が検閲官として働いたことを告白している事実からも了解できる。

新聞人や放送関係者、著作家たちも検閲を受け入れない限り、出版物を出すことができなかった。そこで、検閲官と被検閲者である言論人はお互いに検閲指針に従うように自主規制する癒着とも共犯とも言われる関係を築いていくようになっていく。

江藤淳氏は『閉ざされた言語空間』で、彼らが検閲を受容するだけでなく、日本の伝統的な価値体系を破壊する危険分子に変質し、自己増殖した被検閲者が現在も日本の言語空間を支配していることを指摘した。

70余年にわたって自虐史観が排除できないのは、このような言論空間の支配構造があるからである。

アパグループのもう1つの快挙

アパグループには、もう1つの快挙がある。それは検閲官と被検閲者によって雪だるま式に太り続けてきた歪んだ言語空間を抉り出そうとしたことである。2008年から始まった「真の近現代史観」懸賞論文募集であり、見事に応えたのが田母神俊雄氏の論文であった。

しかし、田母神論文の論旨や主張よりも、受賞者が航空幕僚長であったこと、また応募に当たっての上司への申請という手続きなどのTPOが主たる問題となり、論文内容の膾炙は当人の退職後の講演行脚や著書出版に譲ることとなった。

自衛隊の計画や運用など職務に関わることであるならば、規定による手続きが必要であったが、歴史観の披瀝は自衛隊とは全く関係ないことであったが、シビリアン・コントロールの名のもとに、言論封じが行われたのも同然であった。

「歪んだ言語空間」が依然として日本に存在していたからであろう。

その後の東京都知事選で、当人が60万票以上の支持を得たこと、しかも若年層の支持が多かったことは、自虐史観から抜け出さないと日本そのものが解体されかねないと感じている若者が日本に育ちつつあることを示した。

元外交官の馬渕睦夫氏は『国難の正体』で、「田母神事件の教訓」として、GHQの検閲に協力した日本人検閲官と、それを暗黙の裡に受け入れてきた被検閲者の共犯関係という黙契があったのを打ち破ったという点で歴史的快挙と述べ、「将来歴史家は戦後日本の分岐点として田母神事件を取り上げるのではないか」と書いている。

政治家こそ戦争を知る必要がある

憲法9条があるから日本が戦争に巻き込まれることはないという政治家を見ると、「こんな人物に政治を任せていいのか」という疑問が沸いてくる。

力の弱いフィリピンやベトナムなどが領有権を主張する南シナ海の諸島を中国は九段線で囲い込み自国領に編入しようとしている状況に鑑みても、憲法9条を守護神とみる主張を変えないのであろうか。

中国は領海法で尖閣諸島を自国領としており、他国の侵略を力で排除する「核心的利益」とも称している。このことは尖閣諸島の「領有化宣言」であり、その先には沖縄も視野に入れているとみられている。

観念平和主義の政治家を支える国民も少数ながらおり、しかも組織的なデモなどを繰り返して、ノイジイー・マイノリティとなって、あたかも日本国民の多くがそうであるかのような示威行動を繰り返している。

今の自衛隊を取り巻く法体制では自分の国が明確に侵害されて初めて行動できるわけで、国民の被害を前提にしている。況や、領土に侵入して連れ去ったことを北朝鮮が認め、日本政府が拉致被害者と認定しても国家権力で取り返すことができない状況である。

主権・領土・国民が国家成立の要素であり、存立の基本はそれぞれをしっかり守ることである点からは、主権の侵害を許し、拉致された国民を取り返せない日本は、国家の体をなしていない。

国民さえ救えない状況をもたらしているのは、一に政治家の責任である。政治家は選挙民の要望に応えるという側面がある一方で、大所高所から国家・国民の安寧を確保することに関しては、反対する国民をも説得する義務を有している。

スイスに憧れる日本人は多いと聞く。アルプスを擁する風光明媚なこともあろうが、永世中立で戦争と無関係な国という認識の国民が多いようである。しかし、それはとんでもない間違いである。

自国で兵器を生産し、日本を含めた外国に輸出している。自国産の兵器で武装した国であり、国民は男女を問わず軍事訓練を受け、核兵器対処のマニュアルが各家庭には配布されており、月ごと、年ごとに相当の訓練を行なっている、国民皆兵を甘受している国である。

クラウゼヴィッツが言うように、戦争は政治の一部であるわけで、戦争を知らなければ政治家は務まらないはずである。こうしたこともあり、スイスの政治家は軍務で良好な成績を上げた軍人から選ばれる国なのである。

前出の馬渕氏は「憲法9条主義者のように、戦争を勉強してはいけないということは、自衛隊を有効にコントロールすることが出来る政治家を育ててはいけないといっているに等しく、このような態度こそ戦争に巻き込まれる道を開くものだという逆説に気づいて欲しい」と述べる。

おわりに

古森義久氏のJBpress投稿記事「アパホテルに言論弾圧、中国政府がこれまでしてきたこと」によると、国際ジャーナリスト連盟(IFJ)が奇しくも中国がアパにクレームをつけた同じ日に、「中国政府による言論やジャーナリストたちへの弾圧に関する年次報告書」を発表したそうである。

2016年の出来事を総括したこの年次報告書は、「メディアを絞殺する=中国が締め付けを強める」と題して、「中国政府は、中国本土と香港のメディアや記者、そして中国内外で活動する外国人記者に対してまでも、自国政府への批判を抑え、報道の内容を統制するために不当な法律や恣意的な規則の適用、記者たちの拘束、秘密の尋問、強制的な公開『告白』、検閲、監視、インターネット介入、記者の追放、脅し、記者の家族の拘留などの方法をとってきた」という凄まじい内容であるという。

中国(および韓国)は今後も自国の正当化と戦後補償を求めるために、改竄した歴史認識の踏み絵を日本や日本企業などに迫るであろうが、両国とは国交回復時の基本条約などで最終的に決着している。

この事実を重く受け止め、安易な妥協をしないことが肝腎であることを、今回の一件は教えている。

アパホテルが中国の言論統制に屈しなかったことは、日本人に一縷の燭光を与えた。

なお余談であるが、アパホテルには個人的に忘れ難い思い出がある。京都に出かけた折、投宿したアパホテルがダブルブッキングで他の人を部屋に入れてしまう事案があった。

結果的に東京から再度京都に出かけることになったが、今回の書籍に関して見せた毅然とした対処と同様に、私的事案への処置が見事であった点だけを付記して本稿の締めとしたい。

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『北朝鮮、日本海に向け弾道弾4発発射』(3/6日経ビジネスオンライン 鈴置高史)、『米国議会で高まってきた「日本は憲法改正せよ」の声 与野党のベテラン議員が「日米同盟の片務性」を批判』(3/4JBプレス 古森義久)、(3/4マイケルヨン・ブログから)について

金正恩の最後の悪足掻きとなるかどうか。米国は北朝鮮に向け、軍事力行使を含めたあらゆる選択肢を俎上に乗せて検討するとのこと。米韓合同訓練中(3/1~4月末くらい)に「斬首作戦」を実行するのか、THAADの韓国配備が終わった(5月~7月と言われる)頃を見計らってとなるのか。もし、北朝鮮を核保有国と米国が認めたら、ドミノ現象が起きるでしょう。戦後の連合国組織のP5の特権を米国がムザムザ捨てるようなことはしないと思います。そうなれば、北が核開発とミサイル開発を止める訳がないですから、必然的に金正恩を排除しようという動きになると思います。イラク戦争は米国の石油利権確保の目的で為されました。元々イラクで大量破壊兵器開発していなかったのに、でっち上げて攻め込んだわけです。当時、大量破壊兵器開発をしていたのは明らかに北朝鮮ですから本来であれば北朝鮮を攻撃すべきだったと思います。今や中東のオイルは米国のシエールオイルにより、価値が下がっています。北朝鮮は国際情勢が読めず、虎の尾を踏んだのに気付かないでいます。

http://www.jiji.com/jc/article?k=2017030200680&g=int

テイラーソン国務長官が3/15訪日し、その後韓国、中国を訪れる予定です。「斬首作戦」後の北朝鮮の体制について話合いが行われると考えます。日本とは在韓米軍の家族のスムースな沖縄米軍基地への避難と拉致被害者奪還の道筋(当然、自衛隊の派兵が必要)とかが話し合われるのでは。韓国とは戦時作戦統制権の確認、韓国軍が前線で38度線を守り切るよう指示するのでは。それと、憲法裁判所が大統領弾劾の可否を明らかにしている(3/13までには)でしょうから、韓国内の治安対策についても。特に左派が北の指令により破壊工作をする可能性があります。鎮圧しなければなりません。日本も他人ごとではありません。

古森氏の記事では米国も押付け憲法を改正すべきという議員が出てきたとのこと。米国の身勝手さを感じます。米国は日本のカルタゴ化を狙って硬性憲法を作って、日本に適正手続きを踏ませて成立させました。FDRに連なる民主党議員はウイーク・ジャパン派と思われますが、その中にも少しずつ日本を強くした方が、中国の脅威に立ち向かうには良いと思う議員が出て来たという事です。ご都合主義と言えばその通りですが。でも、憲法改正はトランプ大統領の内(2021年1月まで任期。その後は未定)に、且つ安倍首相の内(2021年9月までやるのでは)にしかできないでしょう。国民投票をクリアできるような教宣が必要です。

マイケルヨン氏の記事は、是非中国国内を分裂させる手を発揮してほしいと願っています。金融スキャンダルなのか愛人スキャンダルか、令完成が持ち込んだ資料を公表するという意味なのか?ただ、どうやって中国の金盾(ゴールデンシールド)を突破して中国の民衆に伝えるかですが。

鈴置記事

3月6日朝、北朝鮮が弾道ミサイル4発を発射。韓国でも速報された(写真:AP/アフロ)

前回から読む)

3月6日朝、北朝鮮が弾道ミサイル4発を発射した。トランプ(Donald Trump)新政権は北朝鮮の核武装阻止に向け、実力行使も辞さない構えだ。緊張が一気に高まった。

日本のEEZ内に3発

韓国合同参謀本部によると、北朝鮮は6日午前7時36分頃(日本時間)、北西部の平安北道・東倉里(トンチャンリ)付近から日本海に向け弾道ミサイルを4発、発射した。

安倍晋三首相は同日朝の参院予算委員会で「(1発は)日本のEEZ(排他的経済水域)付近、明確に3発がEEZ内に着弾した」と説明した。

聯合ニュースは「北朝鮮が東倉里からミサイル ICBMの可能性」(3月6日、日本語版)で「発射場所から大陸間弾道ミサイル(ICBM)の「KN08」や「KN14」との見方も出ている」と報じた。ただ、合同参謀本部は「ICBMの可能性は低い」と発表した。

3月3日に労働新聞は「(2月13日に発射した)北極星2型だけでなく、さらに新型の戦略兵器が青空に勢いよく飛ぶだろう」と宣言、米国を射程に入れたICBMの試射を示唆していた。

飛び回る米国防・国務長官

トランプ大統領は1月20日に就任すると、直ちに北朝鮮の核・ミサイル開発阻止に動いた(「最近の北朝鮮の核・ミサイルを巡る動き」参照)。

1月
20日 日米韓合同のミサイル探知・追跡訓練開始(1月22日まで)
27日 38ノース「北朝鮮が寧辺で核兵器の原料抽出再開の可能性」と発表
   
29日 トランプ大統領、黄教安大統領代行と電話し「引き続き核の傘を提供」と約束
31日 マティス国防長官、韓民求国防長官と電話し、THAAD配備を確認
2月
2日 マティス国防長官、韓国訪問(3日まで)、「北朝鮮の核の脅威が最優先課題」と表明。THAAD配備も確認
3日 マティス国防長官、日本訪問(4日まで)、「日米安保、尖閣に適用」と表明
9日 電話による米中首脳会談、「1つの中国」政策の維持で合意、相互を招待
10日 ワシントンで日米首脳会談
13日 北朝鮮が弾道弾「北極星2号」を発射。パービーチに滞在中(現地時間12日)の安倍首相「断じて容認せず」。トランプ大統領は「100%日本と共にある」
13日 国連安保理、北朝鮮非難の共同声明
13日 金正男氏、クアラルンプールの空港で暗殺
17日 ティラーソン国務長官、王毅外相に「あらゆる手段で北朝鮮の核・ミサイル挑発の抑制を」
17日 日米韓外相、北朝鮮の弾道ミサイルに関し「最も強い表現で非難」との共同声明
18日 中国、北朝鮮産石炭の年内の輸入を中断と発表
23日 トランプ大統領、核戦力増強を表明。金正恩委員長との対話は「遅すぎるかもしれない」
24日 38ノース、「北朝鮮・豊渓里で核実験に向けた小規模な動きがある」
27日 日米韓の6カ国協議代表、金正男暗殺事件を協議
27日 楊潔篪・国務委員が訪米しトランプ大統領と会談
27日 韓国ロッテ・グループ、米軍THAAD配備用地を国防部に提供すると正式決定(契約は翌28日)
28日 谷内正太郎国家安全保障局長、マクスター大統領補佐官とホワイトハウスで初会談
3月
1日 黄教安大統領代行、三一節記念式典で「北朝鮮の核・ミサイルへの対処で日本と協力強化」
1日 米韓両軍、定例の合同軍事演習を開始(4月下旬まで)
1日 マクスター安全保障補佐官と金寛鎮国家安保室長、電話会談し「THAAD配備を再確認」
1日 マティス、韓民求の米韓両国防長官、電話で会談しTHAAD配備を再確認
1日 王毅外相、北朝鮮の李吉聖外務次官と会談
2日 聯合「中国当局が韓国行き旅行商品の扱いを中断するよう旅行会社に指示」
3日 労働新聞「北極星2型だけでなくさらに新型の戦略兵器が青空に勢いよく飛ぶだろう」
3日 中国、政治協商会議を開幕(13日まで)
4日 日経、「習近平主席、4月にも訪米しトランプ大統領と会談」と報道
5日 中国、全国人民代表大会を開幕(13日まで)
6日 北朝鮮、弾道弾を4発試射。うち3発は日本のEEZ内に落下
<予定> 3月17日 ティラーソン国務長官、訪日して北朝鮮問題を緊急協議。その後に中韓を訪問
最近の北朝鮮の核・ミサイルを巡る動き(2017年)

北朝鮮の核兵器の実戦配備が近いと見られるうえ、米国を狙うICBMも間近と予想されるからだ(「米国が先制攻撃する日、韓国と日本は?」)。

大統領自身が日本の首相や韓国の大統領代行に直接「核の傘」の提供を保証。そのうえ、マティス(James Mattis)国防長官を日韓に派遣、北朝鮮の核武装を共に阻止する覚悟を確認した(「『北の核』潰しの決意を日韓に質したマティス」参照)。

米国が北朝鮮の核・ミサイル施設を先制攻撃した場合、北朝鮮が日韓に反撃する可能性が高い(「『第2次朝鮮戦争』から目をそらす韓国人」参照)。

一方で、ティラーソン(Rex Tillerson)国務長官は中国に対北経済制裁を強化するよう要請。中国は直ちに応じた(「弾道弾と暗殺で一気に進む『北爆時計』の針」参照)。

ティラーソン国務長官は3月17日に日本を訪問する。その後、中国と韓国も回る。もちろん「北の核」を議論するのが最大の目的だ。

武力行使か政権転覆か

米メディアは北朝鮮の核潰しに向けた動きを相次ぎ伝える。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は「米政権、北朝鮮への武力行使も選択肢に」(3月2日、日本語版)で以下のように書いた。英語版(3月1日)の記事は「White House Options on North Korea Include Use of Military Force」だ。

  • 北朝鮮による核兵器の脅威に対応するため、トランプ米政権が武力行使や政権転覆などの選択肢を検討していることが分かった。政権内部の対北朝鮮戦略の見直し作業に詳しい関係者が明らかにした。
  • 北朝鮮は今年に入り大陸間弾道ミサイルの発射実験を行う準備が整ったと発表した時、トランプ氏はツイッターに「(実験は)行われない!」と投稿した。
  • K・T・マクファーランド(MacFarland)大統領副補佐官(国家安全保障問題担当)は約2週間前、安全保障に関わる政府関係者を集めて北朝鮮への対策を提案するように指示した。
  • 従来の考え方からかけ離れた発想でも構わないと言われたと、ある関係者は明かす。北朝鮮を核保有国として認めることから軍事行動まであらゆる選択肢を検討するよう指示された。
  • マクファーランド氏の狙いは、政権の対北朝鮮政策を根本的に考え直すことだったという。会議に出席した政府関係者らは2月28日、マクファーランド氏に提案を提出した。これらの選択肢は精査されてから大統領に届けられる。

ニューヨーク・タイムズ(NYT)も「Trump Inherits a Secret Cyberwar Against North Korean Missiles」(3月4日)で「オバマ(Barack Obama)政権はサイバー戦で北朝鮮のミサイル開発の阻止を狙った。トランプ政権もそれを継承する」と報じた。

米韓演習と全人代に注目

トランプ政権が「北の核」にどう対応するか――。3月6日時点ではまだ決めていないように見える。ただ、結論を下すのに時間はかけないだろう。米国や同盟国にとって残された時間は少ないからだ。

米国の安保政策に詳しい関係者は「中国の全国人民代表会議(全人代)の閉会(3月15日)後に何らかの動きが出る」と予想する。

先制攻撃は米国が実施するとしても、北朝鮮の政権交代や朝鮮半島を巡る勢力圏の再確定に関しては中国と話し合う必要がある。全人代開催中は中国の顔を立てて実力行使はしない、というわけだ。

多くの専門家が3月初めに始まり4月末まで続く米韓合同軍事演習に注目する。この間、米国は空母からステレス戦闘機、戦術・戦略爆撃機を朝鮮半島周辺に集結する。

この演習中なら、米国の対北先制攻撃も実施しやすいし、北朝鮮の反撃も防ぎやすい。一方、北朝鮮も米韓合同軍事演習に対抗し、何らかの示威行動を起こす可能性が高い。3月6日の弾道ミサイル発射も、そのつもりだろう。

古森記事

米国・ワシントンD.C.の国会議事堂。米国議会で日米同盟の片務性を批判する声が高まってきた(資料写真)

米国のトランプ政権は日米同盟の堅持と尖閣諸島の共同防衛を確約している。その一方でこのほど、民主党の有力議員が米国議会で“日本は憲法を改正しない限り米国の公正な同盟パートナーにはなれない”“現状では米国は尖閣を防衛すべきではない”という主張を表明した。

日本側の憲法が原因とされる日米同盟の片務性は、これまで米国側から陰に陽に批判されてきた。だが、これほど真正面からの提起も珍しい。日本側としても真剣に受け止めざるをえない主張だろう。

中国の無法な膨張が議題に

2月28日、トランプ大統領による議会両院合同会議での初演説の数時間前に、米国議会下院外交委員会の「アジア太平洋小委員会」が公聴会を開いた。アジア太平洋小委員会は、日本や中国などアジア・太平洋地域の諸課題を審議している。

新政権下では第1回となるこの公聴会は「中国の海洋突出を抑える」という名称がつけられていた。南シナ海と東シナ海における中国の無法な膨張を米国はどう抑えるべきかが審議の主題だった。

委員会は、テッド・ヨホ議員(共和党)を議長に、共和、民主両党の議員たちがメンバーとして並び、シンクタンクなどから証人として招いた3人の専門家の見解を聞きながら議論を進めていくという方式である。

私は、南シナ海や東シナ海での中国の横暴で威嚇的な行動をトランプ政権下の新議会がどう捉えているのかが分かるのではないかと期待して、出かけていった。

2人のベテラン議員が日本の現憲法を問題視

公聴会ではまず議長のヨホ議員が、中国の南シナ海での人工島造成や軍事基地建設を膨張主義だとして非難し、中国による東シナ海での日本の尖閣諸島領域への侵入も米国の同盟国である日本への不当な軍事圧力だと糾弾した。

そのうえで同議員は、オバマ政権下の米国のこれまでの対応が中国をまったく抑えられなかったと指摘し、日本などの同盟国と連帯して対中抑止態勢を構築することを提唱した。その前提には、トランプ政権が日米で尖閣を共同防衛する意思を表明していることがもちろん含まれていた。

ところがこの委員長発言の直後、民主党を代表して発言したブラッド・シャーマン議員が驚くほど強硬な語調で日本を批判したのである。

「トランプ政権が日本の施政下にある尖閣諸島の防衛を約束したことには反対する」

中国の海洋進出を非難する前にトランプ新政権の対日安保政策に反対を唱える発言に、私は驚かされた。シャーマン議員はさらにショッキングな発言を続けた。

「日本は憲法上の制約を口実に、米国の安全保障のためにほとんど何もしていない。それなのに米国が日本の無人島の防衛を膨大な費用と人命とをかけて引き受けるのは、理屈に合わない。日本側はこの不均衡を自国の憲法のせいにするが、『では、憲法を変えよう』とは誰も言わない」

「2001年の9.11同時多発テロ事件で米国人3000人が殺され、北大西洋条約機構(NATO)の同盟諸国は集団的自衛権を発動し、米国のアフガニスタンでの対テロ戦争に参戦した。だが、日本は憲法を口実に、米国を助ける軍事行動を何もとらなかった。その時、『日本はもう半世紀以上も米国に守ってもらったのだから、この際、憲法を改正して米国を助けよう』と主張する政治家が1人でもいただろうか」

シャーマン議員は公聴会の満場に向けてそんな疑問を発すると同時に、日本やアジアに詳しい専門家の証人たちにも同じ質問をぶつけた。

シャーマン議員はカリフォルニア州選出、当選11回のベテランである。民主党内でもかなりのリベラル派として知られる。そんなベテラン議員が、日米同盟が正常に機能するためには日本の憲法改正が必要だと主張しているのである。

シャーマン議員の主張の言葉を継いだのが共和党の古参のデーナ・ローラーバッカー議員だ。ローラバッカー議員もカリフォルニア州選出で当選13回である。中国に対して厳しい構えをとることで知られ、国務長官候補として名前が挙がったこともあった。同議員は次のように発言した。

「確かに日本の憲法が日米同盟の公正な機能を阻んでいる。だが、安倍晋三首相は憲法改正も含めて日本の防衛を強化し、同盟を均等にしようと努めている。それに、アジアで中国に軍事的に対抗する際、本当に頼りになるのはまず日本なのだ」

ローラバッカー議員もやはり日本の現行憲法が日米同盟の双務性を阻み、本来の機能を抑えていると認めている。

両議員に共通するのは、日本の現憲法が日米同盟を歪めているので、改正した方がよい、という認識である。特にシャーマン議員は、米国の尖閣防衛誓約を日本の憲法改正と交換条件にすべきと述べているのにも等しい。

日本の防衛費抑制も批判

証人たちが発言する段階になっても、シャーマン議員は再び「日本の防衛努力の不足」を指摘した。そして、防衛費の対GDP比も持ち出してきた。

「米国などが国際的な紛争を防いで平和を保とうと努力する一方で、日本は血も汗も流さない。憲法のせいにするわけだ。日本の防衛費はGDPの1%以下だ。米国は3.5%、NATO加盟諸国は最低2%にするという合意がある」

そのうえでシャーマン議員は「日本が防衛費をGDPの1%以内に抑えているのは、やはり憲法上の制約のためなのか」と証人たちに質問をぶつけていた。

トランプ氏は選挙期間中に日米同盟の片務性を批判していたが、先日の日米首脳会談における友好的な対応から、日本側には安心感が生まれたようだ。だが、議会ではこのように民主党と共和党のベテラン議員が揃って日本非難を打ち出している。米国の超党派の議員から、日本の現憲法や防衛費に対する批判が表面に出てきたという現実は深刻に受けとめねばならないだろう。

マイケルヨン記事

ハワイ

「南支那海どころじゃない。中共はハワイと太平洋も自国のものだと言い出したのか?!」 ハワイの情報戦争の背後にも中共の影があることを、ここ2.3年、それとなく指摘してきた。 証拠がある。この情報戦争の結末は深刻なものになるだろう。 だが中国よ、安心するな。 中国国内には対立があって、我々はそれを焚きつけることができる。 これはジョークでは無い。

http://nationalinterest.org/blog/the-buzz/forget-the-south-china-sea-did-china-just-claim-hawaii-most-19647

“Forget the South China Sea: Did China Just Claim Hawaii (and Most of the Pacific Ocean)?”

Yes. I and others have been publishing this for a long time. This information war will have serious consequences. There is evidence, which I have vaguely mentioned for the past couple of years, that China is also behind an information war in Hawaii.

China should be careful. They have internal conflicts that we can fuel.

This is not a joke…

https://www.elitereaders.com/wp-content/uploads/2016/05/new-chinese-world-map-claims-hawaii-micronesia.jpg

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『ひそかに核戦力の強化に突き進む中国 大陸間弾道ミサイル発射実験で10発の核弾頭を積載

中国は騙すことを賢いと思っている民族ですから、口先で何を言おうとも気にせず、それと反対のことをします。南シナ海だって習近平は「軍事拠点化しない」と言っていましたが、今はどうなっていますか。同じように口先で「核兵器のない世界にするため、核兵器を全面的に禁止し、徐々に廃棄していくべきだ」とか言っているそばから、戦略核ミサイル実験をしているのですから。如何に中国人が嘘つきかは分かるでしょう。小生が会社勤めをしている時に、日本語のできる中国人から「中国人の基本的価値観は騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」ということを教えて貰いました。それを会社で言ったら、「人種差別主義者」とか「国粋主義者」とか貶められました。言った人は今の中国のやり方を見てどう感じるのでしょうか。

中国の主張する「南京虐殺」、「従軍慰安婦」というのも彼らの本性を理解すれば嘘だと分かるでしょう。何故我々の父祖を信ぜず、嘘つき中国人のいう事を信じるのか理解できません。日本人は戦前まで教育勅語により、しっかりした道徳教育を受けてきました。現在も為政者のトップが平気で嘘を吹きまくる中国人と比べたら、どちらを信じて良いか一目瞭然のはずです。友達との関係でもそうでしょう。自分の身に置き換えれば、嘘つきを友達に持ちたいなんて思わないはずですし、そんな連中とビジネスで取引したいとは思わないはずです。

朝日新聞等に多くの日本人が騙されて来ました。日本人は権威に弱いためです。でも、戦前の記事を読めば分かる通り、朝日は戦争を煽って販売部数を伸ばしてきた会社です。内部には尾崎秀美のようなスパイも養っていました。戦後になると立場を一転、GHQに擦り寄りました。売らんかな商法でしょう。「靖国」、「南京虐殺」、「従軍慰安婦」など朝日がデッチあげ、事を大きくした事件です。真実とは遠く離れて、センセーショナルに煽るだけ煽り、「イエローペーパー」と呼ぶのに相応しい新聞でしょう。それを未だ有難がって読む人がいるのですから、メデイアリテラシーに欠けているとしか言いようがありません。

何年か前に日高義樹氏のTV「ワシントン・レポート」で、多弾頭・小型核搭載可能なSLBMを配備した米原潜について見た記憶があります。多分日本海を遊弋していると思っていますが、当然軍事機密ですので分かりません。中国が怖いのは核の先制攻撃をしかねない所です。MADが通用しないmadな民族です。狂気の毛沢東のように大躍進、文化大革命で自国民を大量に殺戮できる政党が牛耳っていますので。日本もTHAAD、磁気レールガン、DEW(directed energy weapon)を米国と共に研究し、配備しませんと。

http://blog.livedoor.jp/corez18c24-mili777/archives/48780392.html

記事

中国・北京で行われた軍事パレードで天安門の前を通過する弾道ミサイル「東風26」(2015年9月3日撮影、資料写真)。(c)AFP/ANDY WONG〔AFPBB News

2月12日、北朝鮮が新型中距離弾道ミサイル「北極星2号」を日本海に向け発射した。ミサイルは約500キロメートル飛翔し、実験は成功したと発表された。

公表されている映像を見ると、このミサイルは、トレーラー型車体に積載された発射筒から圧搾空気で射出され、空中で点火するという「コールド・ローンチ」による発射であることから、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の技術が取り入れられていると推測できる。

北朝鮮の技術水準では困難なミサイル発射技術であることから、直接ではなくとも第三国を経由したロシアあるいは中国からの間接的な技術移転があったことが疑われる。とりわけ中国の「巨浪(JL)1」SLBMに似ているという指摘もなされている。

ともあれ、このミサイル実験は、北朝鮮が事前の前触れなしに任意の場所から弾道ミサイルを発射できる能力を獲得したことを示している。北朝鮮のミサイル脅威は、今や格段に上昇したと言わざるをえない(ただし、この重大なニュースは、翌日にマレーシアで起きた金正男暗殺事件によって見事に霞んでしまった)。

10発の核弾頭を積載した大陸間弾道ミサイル

ミサイル実験で言うなら、わが国ではほとんど注目されなかったが、1月31日付けで、米国メディアが中国中央テレビ(CCTV)の画面影像を援用する形で中国のミサイル発射実験を報じている。中国が、10発の核弾頭を積載する、いわゆる「MIRV」(複数個別目標再突入弾頭)化された「東風(DF)5C」大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を行ったというのだ。

発射実験そのものは1月の早い段階で実施された模様とされている。中国当局はこの報道を否定しておらず、黙認した形だ。

もし本当に中国が「10発のMIRV弾頭を積んだICBM」の実験に成功したというならば、北挑戦のミサイル実験よりも国際的な戦略環境に与える影響が大きいのは言うまでもない。

その理由は第1に、それが米国の展開する弾道ミサイル防衛網への対抗姿勢を示すものだからである。MIRVによる多弾頭化は、弾道ミサイル防衛を困難にする有効な手段と考えられている。迎撃ミサイルの攻撃目標が増えれば迎撃が困難になることは、容易にお分かりいただけよう。

第2に、中国が、これまで堅持してきた「核の先制不使用(No First Use)」の原則から逸脱し、核ミサイルの「先制使用」の可能性を高めることを目指している可能性が指摘できるからだ。核兵器運用ドクトリンの変更に繋がる話である。

中国の戦略核ミサイルは地上に配備されてきたが、基本的に地上配備のミサイルは先制攻撃に対し脆弱であるという弱点を抱えてきた。その弱点を補うため、中国はミサイルを地下サイロに収納したり、山の斜面に洞窟を掘ってそこにミサイルを隠したりするなど隠蔽を図ってきた。しかし、どのような対策を施そうとも、地上配備である限り、敵ミサイルの攻撃にあえば破壊される。そうした状況にあって、いまさら地上配備の「東風5C」でMIRV化を図るとすれば、その効果を有効に発揮するためには「やられる前に撃て」という話になる。中国にとって、対米抑止力となるICBMは「虎の子」であり、わずかなICBMをむざむざ敵の攻撃で失うよりは、「先制攻撃」のオプションを確保すべきだという判断に傾く可能性が高いというわけだ。

核戦力の「増強」に取り組む唯一の国

中国の習近平主席は、今年1月18日に訪問先のジュネーブにある国連欧州本部で演説し、「核兵器のない世界にするため、核兵器を全面的に禁止し、徐々に廃棄していくべきだ」と述べていた。だが、この演説に前後して戦略核ミサイル実験を行ったことになる。

実は、中国は1964年10月の最初の核実験以来、同じことを言い続けている。つまり、中国の核兵器保有は他の核保有国(具体的には当時の米ソ)に対抗するためのものであり、必要に迫られた選択であったという主張を今日まで継続してきた。しかし、だからと言って、中国が核軍縮に積極的であった試しはない。先に述べた「先制不使用」に加えて、せいぜい「核軍拡競争に加わらない」という姿勢を現在も継続している程度であり、その「本気度」も、今回のミサイル実験に見られるように実は疑わしい。

あらためて指摘するまでもなく、中国は核不拡散条約(NPT)で公式に核兵器の保有を認められている5カ国、すなわち米ロ英仏とともに名を連ねる国である。その中でも、核戦力の近代化と拡充に熱心に取り組んでいる唯一の国と言っていいだろう。もちろん核兵器といえども老朽化はするわけで、どの国も“更新”という名の近代化作業は行っているが、中国のような核戦力の質・量の両面での増強にまで取り組んではいない。

「竹のカーテン」に隠された核戦力

人民解放軍の中で核戦力の運用を担ってきたのは、1966年創設の「第2砲兵部隊」であった。第2砲兵部隊はミサイル戦力の拡充にあわせ、戦略核ミサイル以外に通常弾頭の短距離や中距離の弾道ミサイルの運用も担当するようになり、2015年12月31日をもって「ロケット(火箭)軍」に改称され、「部隊」という「兵種」から、陸・海・空軍と同列の「軍種」に格上げされた。中国がミサイル戦力を重視しているのはこのことからも明白だ。

しかし、中国の核戦力の実態は極秘事項とされ、その配備状況について公式の公開情報は一切ない。西側メディアや研究機関がこれを取り上げたとしても、西側の公開情報に依拠したものであるから、いずれにしても推測の域を出るものではない。

弾道ミサイル実験にしても、北朝鮮のように海に向けて発射せざるを得ない場合、事前に日時と危険水域をアナウンスする必要があるから、外部から観察が可能だ。しかし、中国の場合は、東部地域から西部の砂漠地帯にミサイルを発射するという、国内で完結する実験が主体であり、外部からそれを観察することは難しい。米国などは、人工衛星からの偵察で中国のミサイル実験の情報を得ていると推測されるが、それが逐次公開されることはない。外部に情報が出ることがあるとすれば、米国防総省による中国の脅威をプレーアップするための意図的なリークにとどまるであろう。中国の核戦力は、このように、いわば「竹のカーテン」に隠されている。

その実態を公開情報から丹念に追いかけてそのデータを定点観測的に明らかにしているのが、『Bulletin of the Atomic Scientists』誌の “Nuclear Notebook” セクションでほぼ毎年掲載される “Chinese Nuclear Force” である。そこで示されているデータは、信憑性の薄弱な情報を排し、確度の高い情報に基づくため、きわめて控えめな数字が提示されている。2015年のデータ2016年のそれを確認してみると、中国の保有しているであろう核弾頭の総数はともに約260発であり変化はみられない。ただし、その前の2013年では約250発であり、また地上配備の弾道ミサイルに積載される核弾頭数は、2015年、2016年がともに163発であるのに対し、2013年は148発であったから、核ミサイル戦力は着実に増強されていることが分かる。

核弾頭の小型化を進める中国

ところで、中国が10発のMIRVを積む「東風5C」を実験したことの真偽について、2016年の “Chinese Nuclear Force” に興味深い記述があった(後述)。この記事が公表されたのは昨2016年7月3日だから、「東風5C」の実験以前のことである。

何をここで言及したいのかといえば、核弾頭の小型化である。

中国はすでに「東風21」に使用されている核弾頭を用いて、3発のMIRVを載せた「東風5B」を配備している。だが、さらに小型の核弾頭でなければ10発のMIRVを「東風5」に載せることはできない。中国は1996年夏以降、核実験を停止しているから、核弾頭の小型化のための実験はできない。では、どうやって小型の核弾頭を用意できたのだろうか。

前述の2016年の記事によれば、中国は、短距離弾道ミサイルである「東風15」用の小型核弾頭の開発を進めてきた経緯がある。記事の中で紹介されているCIAのレポートによれば、1990年8月に実施された核実験がそのためのものであり、1993年には「東風15」用の小型核弾頭が完成に近づいていたと評価している。

その後、核弾頭搭載型の「東風15」が配備されたことは確認されていないが、「将来的な核弾頭の小型化への努力を可能な選択肢とする能力を開発したのかもしれない(it might have developed the capability as possible option for future warhead miniaturization efforts)」、という回りくどい言い方で記事は締めくくられている。この記事が示唆しているように、「東風21」の核弾頭よりも小型の核弾頭を中国が開発していたとすれば、それが10発のMIRVを積む「東風5C」の実験に繋がったと見ることもできることになる。

そうだとすれば、いずれ中国はこの小型核弾頭を「東風31A」や「東風41」といった新世代の固体燃料で移動式のICBMや「巨浪2」SLBMにも応用し、MIRV化を進めることになる蓋然性は高い。中国が主導する新たな核軍拡の時代が始まろうとしている。

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『「ベトナム花嫁売り飛ばし」横行、5万人の悲劇 「国際結婚紹介業」繁盛の陰で止まらぬ中越「貧困の連鎖」』(3/3日経ビジネスオンライン 北村豊)について

3/6日経朝刊の記事日本流の「草の根自治」を中国にも 筑波大学教授 辻中豊

日本と中国はいつも少し難しい関係にある。外交や安保政策ではいろいろな利害が絡み合うのでしかたないところもあるのだろう。ただ、私はまったく別の観点から日中関係をもっとよくできると思っている。それは日本が中国の「地域ガバナンス」を支援することだ。

中国では1980年代の経済市場化に伴って、生活を丸ごと面倒をみていた「単位」と呼ばれる、国家によって統制された社会組織が役割を果たさなくなった。90年代以降、それに変わる支え合いの組織として、公的な大自治会や公的NPOなどがつくられていったが、それらも原則として共産党の管理下に置かれている。

そうした環境下で、中国の人は本当の自立した市民社会のあり方を知りたいと強く願っている。その時、目標となっているのが実は日本の社会だ。日本と世界の社会組織を研究する私の所には北京大学など多くの大学から共同研究の申し入れがあり、留学生も毎年10人ほどやってくる。

特に若い世代はアニメやドラマを通じて日本を良く知っている。その背後に、中国とは違う日本の市民社会や人間関係を感じとり、憧れを持って日本にやってくるのだ。「一人っ子政策」による急速な少子高齢化も、市民同士が支え合う新しい社会を待望する理由の一つになっている。

日本には30万もの自治会や町内会があり、99%の市町村がそれらと連携している。最近は自治会離れがあるものの、なお参加率は5割を数え、世界にまれな住民団体大国であることには変わりがない。住民組織を通じて冠婚葬祭や災害時に助け合ったり、街の美化活動をしたりする生活文化が根づいている。

NPOやまちづくり団体などの新しい市民団体も増えてきている。私は既存の団体と新しい団体がもっと有機的に連携をすれば新しい「地域ガバナンス」が生まれると信じている。そしてそれを住民志向の社会モデルとして中国に提案していくことが日中関係の友好につながるのではないだろうか。

中国の政治体制では自由な市民社会活動は簡単ではない。しかし中国の市民も権利に目覚めている。留学生の目をみると、市民団体の草の根活動が中国社会の姿を変える時代は遠くないと感じる。そうでないと共産党も持たないのである。その時、日本モデルがガバナンス改革の一助となることは間違いない。>(以上)

とありましたが、余りに中国のことを知らなさすぎでは。楽観論に満ち溢れています。北村氏のような記事を読んでいるのかどうか。日本に来ている語学研修生や留学生は日本語が読めるのですから、中国と違い、日本の「言論の自由の制約のない書籍」にもアクセスすべきでは。中国人は、アパホテルの書籍に対し、反対のデモを日本でしましたが、彼らは日本の南京虐殺に関する書籍を読んで行動したのかどうかです。中共の命令でしただけでしょう。それでは、モンゴル・ウイグル・チベット人の弾圧も日本で書籍が発行されているので、それを読んで、中国で彼らを救うためにデモをかけて見てほしい。それは出来ないでしょう。彼らの行動の如何わしさを感じるのは小生だけではないはずです。

中国で将来にも自由な社会活動が認められると本気で思っているとしたら、余りにナンセンスです。共産党一党独裁の国家です。あらゆる機能が党の指導の下に行われる国家体制で自由なNPOが認められるはずがありません。宗教だってそうです。キリスト教の地下教会やチベット寺院の破壊行為など、基本的人権に触れることを平気で中共はやっているではないですか。辻中氏は「民主主義」が中国にも芽生えるとでも思っているのでしょうが、実態を知らない学者の戯言としか思えません。“wishful thinking”としては確かにそうでしょうけど、日本国民に期待を持たせるのは止めてほしい。中共の統治が続く限り、民主化なんて夢のまた夢でしょう。中共は経済制裁、軍事衝突という外圧でしか崩壊しませんので。

李克強首相は3/5全人代で偉そうに「脱グローバリズムや保護主義の傾向が強まり、不確定要素が明らかに増している」と述べて、トランプを牽制しました。そんなにグローバリズムが価値あるものでしょうか?少なくとも天賦の人権を守る方が、価値があるのでは。それすらできていない中共が文句をつけるのはおかしいでしょう。左翼リベラルが信じられないのは共産主義の人権抑圧に口を閉ざすことです。グローバリズムなんてユダヤ金融資本の世界統治のツールという見方もあります。米国が衰退したのは1%の人間が99%の富を保有するようになったからです。トランプはそれを直そうとしている訳ですが、敵の金の力が大きく、諜報機関やメデイアを使い、妨害している構図です。

本記事で、男女の構成比が歪なのは中国人の習俗で宗族を継げる(墓を守れる)のは男のみという所から来ています。長く一人っ子政策を採ってきたため、女性が生まれると間引いたためです。貧しい農村では胎児の男女識別検査など受けられるはずもありません。これを是正するために考え出したのが、外国人妻です。「結婚紹介所」は合法ですが、“human trafficking”の匂いを感じるのは小生だけではないでしょう。日本の国際結婚紹介所も胡散臭く感じます。中国も外形上豊かになったので、日本人と結婚したいと思う中国人女性は減っていると思いますが。

人権の概念の無い中国のすることですから、人を騙すのは当り前。韓国の所謂「従軍慰安婦」も朝鮮人の女衒が親や本人を騙したか、親を納得させて身売りしただけの話です。中朝韓とも平気で嘘がつける民族ですから。

今はベトナムでも男女の出生比率が男子に傾いているとのこと。ベトナム共産党が二人っ子政策をしているからではと思われますが、今は良くても将来に、中国と同じ問題を発生させます。一夫多婦制ならぬ、二夫一婦制という社会システムにしないとダメということにもなりかねません。

http://dulichvietnam.hatenablog.com/entry/2016/02/14/161135

悪辣な中国人は戦争をして、中国人男性を殺し、その代償として、領土・領海を奪うことを考えているかもしれません。それが心配です。

記事

北京紙「新京報」は2月24日付のコラム欄で「男女比率の不均衡、人為的関与は必ずしも有効ではない」と題する“中国人民大学”公共政策研究院の“毛寿龍”執行院長の文章を掲載した。その概要は以下のとおり。

外国女性で補填?

【1】ここ数年、男女比率の不均衡は“光棍(独り者)危機”を引き起こすという報道が度々なされ、世論を沸かせている。中国社会が男女比率の不均衡な社会に突入していることは確かだ。マクロ的に見て、30年後には3000万人の男性が女性配偶者の欠乏に直面する。“国家統計局”の2016年統計によれば、2015年における中国総人口の性比は105.02、出生人口の性比は113.51であった<注1>。また、“80后(1980年代生まれ)”の未婚人口の性比は136、“70后(1970年代生まれ)”の未婚人口の性比は206、過去30年で見るとある地方の人口性比は130を遥かに上回っていた。

<注1>性比は集団中の女性100に対する男性の比率で、国連が定めている性比の正常値は103~107である。

【2】国家政策による干渉で人口を抑制するのは比較的容易だが、子供の出産を奨励、特に女児の出産を奨励するのは技術的に不可能であるだけでなく、倫理上からも不可能である。従い、最近3~4年実施している“単独二孩(夫婦の一方が一人っ子なら2人目の子供を出産してもよい)”政策や“全面二孩(どの夫婦も子供を2人まで出産してよい)”政策は、すでに作り出された人口性比の不均衡という難題に対して相殺作用がなく、緩和作用しかない。

【3】多くの専門家が、偏った男女性比を解消するためには、男女不平等の習俗、たとえば、男が女を娶(めと)る、妻は夫の家に住む、子供は夫の姓になるなどの風習から変革に着手しなければならないと提起している。但し、これら古い風習は生活に深く根付いており、一朝一夕に変えることのできるものではない。国家が実行可能な有効的な政策は、婚姻に関わるサービスを強化して、結婚・出産の経費をできる限り少なくすることである。そうすれば、情報不足などにより独身を余儀なくされている問題なども解決することが可能となる。このほか、移民政策の改革を適度に推進し、より多くの外国女性に中国で働き生活してもらうことである。これは「“光棍(独り者)”危機」を減少させるための一種の良薬だと言える。

毛寿龍院長が移民政策の改革を適度に推進する方策の一つとして外国女性に言及したのは、将来的に3000万人が不足する中国女性を外国女性で補填しようと考えていることにほかならない。しかも、彼はそれを一種の特効薬だと述べているのである。外国女性が中国で働き生活したとしても、彼女たちが中国男性と結婚しない限り、それは“光棍”の解消にはつながらない。さらに言えば、“光棍”の多くが辺ぴな地域に住む貧しい農民であるという事実があり、自ら進んで彼らに嫁ごうという女性は皆無に近いというのが現実なのである。人里離れた地域に住む貧困な農民の“光棍”に妻をめとらせるにはどうしたら良いのか。何かよい方策はないものか。

2017年の年明けから2月末までのわずか2か月間に、中国メディアは“越南新娘(ベトナム花嫁)”に関わる事件を何度も報じた。それはベトナムで誘拐した若い女性たちを中国へ密入国させた上で、嫁の来手がない農村部の“光棍”の男たちに売り飛ばしていた事件だった。その例を挙げると以下の通り。

10万元で売り飛ばす

【例1】1月24日付の安徽省紙「安徽商報」は「2人の男が9人のベトナム花嫁を誘拐し、1人当たり10万元(約165万円)で売り飛ばした」と題する記事を掲載した。その概要は以下の通り。

(1)河南省東部の“周口市”に属する“鄲城県”に住む“単磊”(男、60歳)は、息子が2014年に自動車運転中に不注意で事故を起こし、懲役刑になったばかりか、賠償問題で大きな借金を作ったことで、生活に困窮するようになった。お先真っ暗な状態の中で、単磊は何とかカネを稼ぎたいと考えていた。そうこうするうちに、単磊は河南省西北部の“界首市”の“芦村”にいる遠縁の従兄である“範大海”がベトナム人の嫁を国内にいる“大齢青年(結婚適齢期を過ぎた独身男性)”に世話して少なからぬカネを稼いでいることを聞きつけた。早速に範大海を訪ねた単磊は、「範大海が雲南省のベトナムとの国境地帯からベトナム人の娘を密入国させた上で、単磊が買い手に連絡を取り、ベトナム娘1人当たり10万元で売り飛ばす」ことで合意した。これを境に2人は悪事に手を染めることになった。

(2)2015年12月から2016年3月までの間に、単磊は“苗新騰”、“馬超群”、“李代山”など9人の買い手に連絡を取る一方、範大海は自分の関係者に連絡を取って、前後4回にわたって雲南省のベトナム国境沿いにある“麻栗坡県”へ出向き、ベトナム側のルートを経て9人のベトナム女性を密入国させた。単磊と範大海の2人は、9人のベトナム女性を密かに安徽省まで移動させた上で、省内の界首市、“阜陽市”に属する“太和県”、鄲城県などへ売り飛ばした。事件の発覚後、“界首市公安局”は迅速に出動して単磊および範大海を始めとする関係者を逮捕すると同時に、被害者であるベトナム女性を救出してベトナムへ送還した。

(3)最近、この事件の裁判が“界首市人民法院(地方裁判所)”で開廷されて審議が行われた。裁判所は被告人の単磊と範大海が、売り飛ばし目的で9人の婦女を販売、受け入れ・受け渡しを行ったとして、その行為は刑法の「婦女誘拐・売り飛ばし罪」を構成するとした。苗新騰、馬超群、李代山など被告人9人は、その行為が刑法第241条第1項規定の「誘拐・売り飛ばされた婦女の購入罪」を構成するとした。但し、被告人・苗新騰などの購入者が被害女性たちの意向に沿い、その原居住地へ帰るのを妨げないことに鑑み、法律の規定に基づき、処罰を軽減するとした。裁判所は単磊など9人の被告人に対してそれぞれ懲役12年から2年の判決を下した。

【例2】同じく「安徽商報」は2月22日付の記事で、前日の21日に安徽省南部に位置する“馬鞍山市”の“雨山区人民法院(地方裁判所)”で誘拐したベトナム女性を馬鞍山市内の独身男性に売り飛ばした事件の審議が行われ、被告人“呉某”、“張某”など6人に対し「婦女誘拐・売り飛ばし罪」により、それぞれ懲役10年6か月から2年の判決が言い渡されたと報じた。その概要は以下の通り。

6.8万元で買い付け

(1)2013年2月から4月の間に、被告人の呉某と張某の紹介を経て、ベトナムで誘拐された後に売り飛ばされて雲南省入りしたベトナム女性3人はそれぞれ6.2万元(約102万円)、6.3万元(約104万円)、6.3万元で、馬鞍山市の男性3人に妻として売られた。

(2)2013年12月、被告人の“盧某”は被告人の“袁某”から紹介を受けて、ベトナムで誘拐された後に売り飛ばされて雲南省入りしたベトナム女性を6.8万元(約112万円)で馬鞍山市の男性に妻として売り渡した。

(3)2015年4月、被告人の“徐某”は被告人の“孫某”から雲南省で結婚相手を紹介するよう依頼され、ずっと相応しい相手を物色したが見つからなかった。そこで、徐某は被告人の呉某と張某に連絡を取り、これを受けた呉某と張某が被告人の盧某を通じて被告人の“王某”に連絡を取った。王某はスマートフォンで依頼人の孫某へ多数の女性の写真を送り、その中から好ましい女性を選択するよう要求した。孫某はベトナムで誘拐されて雲南省東南部のベトナムとラオスとの国境沿いにある“河口瑶族自治県”へ売り飛ばされた女性を選択した。その後、孫某は呉某、張某、盧某、徐某と共に河口瑶族自治県へ向かい、徐某が主体となって6.8万元で当該女性を買い付けて孫某の妻とした。

(4)事件が発覚した後、被告人の呉某、張某、盧某、王某、徐某は逮捕され、被告人の袁某は電話で召喚されて出頭した。裁判所は審理を経て、被告人6人の行為は「婦女誘拐・売り飛ばし罪」を構成すると認定し、上述の判決を下したのだった。

誘拐されて売り飛ばされるベトナム女性は、“人販子(人買い)”に中国で働ける、勉強ができる、商売ができるなどの甘言で騙され、人買いに売られて中国へ不法入国する。中国へ一歩足を踏み入れた段階で、人買いは本性を表してベトナム女性を支配下に置き、彼女たちをベトナム花嫁として婚期を逃した“光棍”に売り飛ばすのである。密入国でパスポートも持たず、言葉も通じない彼女たちは、自分の身に何が起こっているか知らぬうちに見ず知らずの独身男に売られて、その妻にされるのである。

シンガポールに拠点を置く「第一海外婚姻紹介所(First Overseas International Matchmaker)」のウェブサイトには、“越南新娘精選(選り抜きのベトナム花嫁)”と題されたページがあり、国際結婚を望むベトナム女性1000人以上の写真が掲載されており、個々の写真をクリックすると、女性たちの姓、年齢、学歴、出生地、所在地が表示される。ベトナムは儒教思想の影響を受けて今なお男尊女卑の考え方が色濃く残っており、家庭内の女性の地位は非常に低い。このため、多くの女性たちが男女平等の生活に憧れ、国際結婚により祖国を離れて暮らすことを希望している。そうした姿勢が“越南新娘精選”に反映されているように思える。

「1年以内に逃げたら代替賠償」?

一方、ベトナムの田舎には中国語で“養媽”<注2>と呼ばれる結婚紹介業者がいて、結婚を希望する貧しい女性たちを集め、礼儀作法や教養を高めるための研修を行い、彼らを見た目、聡明で貞淑な女性に仕立て上げる。こうした“養媽”は中国の結婚紹介業者と提携していて、中国の同業者が連れてくる国際結婚希望の“光棍”と彼らが研修を行ったベトナム女性を見合わせ、結婚を成立させることで商売を行っている。

<注2>“養媽”の“媽”は母親を意味するので、“養媽”を直訳すると「養母」となるが、結婚紹介業者は女性だけでなく、男性もいる。

中国の農村部に行くと「ベトナム花嫁紹介」と書いた広告が壁や電柱に張られているのを目にすることがあるが、その代表的な例は以下のような内容になっている。

これを見た中国の“光棍”たちは親戚中から借金して広告に書かれている連絡先に電話を入れて申し込み、ベトナムへ向かうことになる。中国の“光棍”にしてみれば、中国女性を娶ろうとすれば必要となる高額な結納金も不要だし、車や住宅を購入する必要もなく、極めて安上がりに結婚できる。一方のベトナム女性は中国人と結婚すれば、貧しい生活から抜け出し、安楽な生活ができ、ベトナムの実家へ仕送りもできると夢を描いている。こうした2人が結婚に合意し、所定の手続きを経て婚姻を結び、花嫁が花婿の家に到着する。

しかし、そこで花嫁が見るのは、ベトナムの実家と同程度、あるいはそれ以下の生活水準で貧困にあえぐ花婿の家である。理想と現実の差に愕然としたベトナム花嫁は花婿の家から逃亡を図り、何度か連れ戻された末に逃亡に成功し、何とかベトナムへたどり着く。このため四大保証には「1年以内に逃げたら代替を1人賠償」と書かれているのである。

2015年4月28日付の週刊誌「中国新聞週刊」はベトナム花嫁に関する記事の中で次のように報じた。

【1】中国には不完全な統計でベトナム花嫁が10万人以上存在する。そのうち合法的な婚姻者は半数に満たず、彼女たちの大多数は農村で貧困にあえぎ、戸籍も持たない。1991年に中国とベトナムが国交を回復した後、両国の国際結婚は急速に増大し、貧困ライン上で生活にあえぐ大量の“光棍”たちと徐々に富裕化する中国に命運を託したベトナム女性の願望がはからずも一致した。

【2】2002年にはベトナム女性を紹介する結婚紹介所が続々と出現し、ベトナム花嫁紹介のウェブサイトは広西チワン族自治区と福建省から始まり、その後広東省、江西省、浙江省、湖北省、湖南省を経て東北三省(黒龍江省、吉林省、遼寧省)へと展開した。2010年以降はメディアの報道の中でも、本来“白衣柳身(白いアオザイを着て柳のように細身)”というイメージのベトナム花嫁には多くのレッテルが貼られるようになった。それは、「ベトナムの輸出特産品」、「“光棍節”ネットショッピングの人気商品」<注3>、「集団逃亡の常連」、「人買いの獲物」、「電柱広告の主役」などである。

<注3>中国では11月11日を“光棍節(独身者デー)”として盛大に祝う風習があり、この日のネットショッピングはヒートアップして莫大な売上高を記録する。

非合法5万人? 悲しい現実

2017年2月末時点で、中国国内にどれだけのベトナム花嫁が存在するのかは分からないが、たとえ10万人が正しいとしても、合法的婚姻者が半数の5万人なら、非合法に誘拐されて売り飛ばされた者が5万人存在することになる。これら10万人のベトナム花嫁の中で現状に満足している人は恐らく極少数であり、残りの大多数は極貧生活の中で悲運を嘆いていることだろう。

ベトナム花嫁に対する“光棍”の切実な需要があるから国際結婚紹介の商売が成り立つし、ベトナム女性を誘拐して売り飛ばす犯罪も横行する。その結果として当のベトナム女性たちが幸せになれるのであれば話は別だが、どう見ても彼女たちの多くは不幸な境遇にある。これでは毛寿龍院長が言う移民政策の改革による「“光棍”危機」の解消という提案は妥当性を欠いていると言わざるを得ないが、上述したようにベトナム花嫁の国際結婚紹介業は繁盛しているようだし、ベトナム女性の誘拐・売り飛ばし事件も多発している。悲しいかなそれが現実なのである。

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『米国の恫喝に欧州はどう反応するのか 新国務長官「防衛費を増額しないなら欧州の同盟を見直す」』(3/2日経ビジネスオンライン 熊谷徹)について

3/5日本経済新聞電子版によると米中軍拡に現実味 中国国防費が初の1兆元超え 

【北京=永井央紀】中国の2017年予算案の国防費が初めて1兆元(約16兆5千億円)を超えるのが確実となった。5日に開幕する全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の傅瑩報道官が記者会見で今年の伸び率が7%前後になると明らかにした。ふんだんな予算で海洋進出を支える海空軍の強化を急ぐ構えで、米トランプ政権との軍拡競争が現実味を帯びてきた。

傅氏は記者会見で「中国の国防費は国防の必要性と経済情勢から検討される」と説明した。中国の国防費はかつて21年連続で10%以上増えていたが、景気減速にともない16年から2年連続で伸び率が1ケタになった。ただ、規模はすでに日本(約5.1兆円)の3倍以上で、今年の増加分だけで650億元(約1兆円)となり、軍備拡張の基調は変わっていない。

国際社会の厳しい視線を意識してか、傅氏は北大西洋条約機構(NATO)が加盟国に国防費を国内総生産(GDP)の2%以上とするよう求めていると指摘したうえで「中国の国防費はGDP比1.3%の水準を保っている」と説明。「米国は中国に追い越されるのが心配かもしれないが、米国との力の差は非常に大きい」とも強調し、中国の国防費増の正当性を訴えた。

中国軍内では国防費の伸びを再び2ケタ台に戻すよう求める声は多い。「台湾問題は武力統一を目指す段階に入っている」(軍の元高官)などの強硬論も根強く、予算増への圧力となっている。こうした強軍路線に一層の拍車をかける可能性があるのは「米史上最大級の軍備増強」に決意を示すトランプ米大統領の存在だ。

トランプ政権は3月中旬に示す2018会計年度(17年10月~18年9月)予算案で、国防費を540億ドル(約6兆円)増額して6千億ドル規模とする方針。中心となるのは核戦力の拡大で、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の更新などにあてるとみられる。トランプ氏は2日にも建設中の空母上で演説し、空母増強などの「海軍再建」に意欲を示した。

中国はこれまでも着々と海洋進出を進めてきた。全人代開幕を3日後に控えた2日、過去最多13機の軍用機が宮古島と沖縄本島の間の宮古海峡上空を抜けて西太平洋で遠洋演習を実施した。中国から離れた地域での演習は年々増加し、昨年12月には中国初の空母「遼寧」が太平洋から南シナ海に抜け、台湾を一周した。中国周辺への米軍の展開を阻む「接近阻止・領域拒否(A2AD)」戦略の一環とされる。

海空軍の武器装備の充実も続く。関係者によると昨年末、ロシアの最新鋭戦闘機「スホイ35」4機が中国に初納入された。今後さらに20機が中国に到着する。大連や上海では国産空母を建造中だ。

国際社会からは中国の発表する国防費が不透明だとの懸念が強い。空母など武器装備の研究開発費は国防費とは別枠の予算に計上され、実際の軍事関連費は公表数字の2倍近いとかねて指摘されている。中国の公表数字への信ぴょう性の低さが周辺国や米国の警戒を強め、各国の軍拡を一段と招く構図となっている。>(以上)

中国の国防費は公表されていない方が多いと言われています。日経記事の2倍ではなく、3倍くらいと言われて来ました。総額が増えていますので、そこまで伸ばすことができなくなったのかもしれませんが。世界平和にとって最大の脅威は中国であることは間違いないでしょう。ロシアは飛び地のカリーニングラードに核弾頭搭載可能な弾道ミサイルを配備しましたが、領土的野心は見せていません。中国が日本に照準を合わせている核ミサイルを配備していることを考えますと、米国が核報復を確約していれば大騒ぎしなくても良いのでは。まして米国とベルギー、ドイツ、イタリア、オランダはニュークリアシエアリングしていて、日本より進んでいます。ただ、ポーランドの核武装したいという気持ちも頷ける話ですが。

米国のアジア回帰の為には、欧州は自力で防衛できるようにしてほしいと思います。米国も二正面作戦は取れないでしょう。中国と対峙する前に、北の問題を解決するようです。3/5の宮崎正弘氏のメルマガでもティラーソン国務長官の訪日でそのように書いています。いよいよ金正恩政権が打倒されようとしています。前にも書きましたが、攻撃は在韓米軍の家族を沖縄に移動させてからになると思います。朝鮮総連傘下の人間や、韓国籍の在日であってもスリーパーがいます。破壊工作を仕掛けてくるかもしれません。治安維持に市民も協力しないと。韓国からの難民が出て来たら、彼は「日本も韓国の領土」と言いだすに決まっています。済州島に押し返しましょう。ビザも復活させてほしいです。大使がいなくても領事業務はできるでしょう。

http://melma.com/backnumber_45206_6496194/

中国は経済拡大と共に軍拡をして来ました。独裁国家ですからできることですが、これを止めるためには経済崩壊させるしかありません。このままいくと、2045年を待たずに、米国の国防費を追い越します。盗みが得意ですので、技術的にも追いつく可能性があります。時間の利益を中国に与えてはなりません。南シナ海では基地の撤去はしないでしょう。確実に米中衝突はします。その前に経済制裁して、中国国内で国民の不満を共産党に向けることができれば。評論家は経済の面だけ見て米中両国に打撃になるとしかコメントしませんが、軍事を支える経済に打撃を与えませんと。中国に代わる外国企業を探す努力を米国企業にさせれば良いだけです。

記事

軍事演習を行うドイツ連邦軍の兵士たち。(撮影・熊谷 徹)

ミュンヘン中心部の高級ホテル「バイリッシャ―・ホーフ」。ここで毎年2月に開かれる「ミュンヘン安全保障会議(MSC)」は、民間団体が主催するイベントだが、ドイツ政府の首相をはじめ、主要国の外務大臣、国防大臣らが一堂に集うユニークな催しだ。比較的狭いホテルなので、通路は立錐の余地もないほど混み合うことがある。参加者は特定の条約、協定について合意しなくてはならないという、時間的なプレッシャーにさらされていないため、比較的自由に意見を交換できる利点もある。

注目されたペンス演説

今年2月17~19日に開かれたMSCは、内外のメディアや安全保障関係者から特に大きな注目を浴びた。昨年11月にトランプ政権が誕生してから初めてのMSCであり、同政権の副大統領マイク・ペンスが参加したからである。彼が米国外で演説するのは初めてのこと。

トランプは選挙期間中に、「NATOは時代遅れだ」と言い切っていた。「トランプの大統領就任とNATOの運命/atcl/opinion/15/219486/120600023/」でお伝えしたように、この発言は、欧州に強い不安と動揺をもたらしている。欧州諸国の指導者たちは、「米国は将来も欧州の防衛に関わるのか。それとも、欧州から徐々に手を引こうとしているのか」という問題に強い関心を示している。

特にロシアが2014年にクリミアに戦闘部隊を送って強制併合、ウクライナ東部の内戦にも介入するなど、不穏な動きを強めている。ロシアと国境を接するバルト3国やポーランドでは、80年代の東西冷戦の時代に似た不安感と緊張感が高まっている。MSCで、米新政権のナンバー2が、NATOの未来についてどのような方向性を示すのかが注目されたのは、そのためだ。

「欧州諸国は約束を守れ」

ペンスが2月18日にミュンヘンで発信したメッセージは、独首相アンゲラ・メルケルら会議場を埋めた欧州諸国の政治家たちの胸に、安堵と不安が混ざった感情を生じさせたに違いない。

ペンスは、トランプのような露骨な表現を避け、「米国はNATOを力強く支援する。大西洋を挟んだ軍事同盟への関与は揺るがない」と述べた。紋切り型の表現ではあるが、少なくとも米国は、欧州との軍事同盟に関わり続けるという言質を与えた。このことは、メルケルら欧州諸国からの参加者に、一抹の安堵感を与えただろう。

だがペンスは、彼のボスからのメッセージを伝えることも忘れなかった。それは、「米国は防衛ただのりをもはや許さない」という意思表示だ。

ペンスは「北大西洋条約は、加盟国が攻撃を受けた場合、他の国が結束して反撃するという集団的自衛権の原則に基づいている。この原則は、加盟国が応分の貢献をすることも義務付けている」と述べ、「NATO加盟国は、約束した防衛費をきちんと負担することを約束した」と欧州諸国に矛先を向けた。NATO加盟国は、2006年の会議で、「2024年までに、国内総生産(GDP)に対する防衛支出の比率を、2%に引き上げる」と合意している。

その上でペンスは「この約束は、あまりにも長い間、大半のNATO加盟国によって無視されてきた。この約束を達成したのは、まだ数か国にすぎない。欧州の大国の中にも、防衛費を本格的に増やす努力を始めていない国もある。この約束不履行は、軍事同盟の基盤を侵食している」と批判した。米国の本音は、「NATOへの関与を続ける」という外交辞令ではなく、むしろこちらの方だろう。

ドイツに向けられた矛先

ペンスは名指しを避けたが、「防衛費を増額するための真剣な努力を始めていない大国」とは、欧州最大の経済パワー・ドイツのことである。NATOの統計によると、2016年のドイツの防衛支出の対GDP比率は1.19%で、2%の目標から遠く離れている。英国(2.21%)やフランス(1.78%)にも水を開けられている。ペンスは「我々は、同盟諸国がこの目標を達成することを期待している。今や、本格的な行動を始める時だ。欧州の防衛には、米国だけでなく欧州の貢献も欠かせない」と釘を刺した。

ドイツの防衛支出

(出所:ドイツ連邦政府)

つまりペンスの発言は、「ドイツなどが応分の防衛負担を怠り、欧州の防衛について米国に過度に依存しているのは、もはや許せない。米国が将来NATOに関与し続けるのは、他のNATO加盟国が防衛費増額の約束を守った場合のみだ」というメッセージを含んでいるのだ。

MSCの会場でペンスの演説に対する拍手は、少なかった。彼の発言は、外交辞令のオブラートに包まれていたとはいえ、しょせんはトランプによる欧州批判の繰り返しである。このため欧州諸国の外務大臣や国防大臣たちは、喝采を送る気にならなかったのだろう。

MSCでメルケルは、「防衛支出の増額は、徐々に行うべきものであり、効率性についても配慮しなくてはならない。安全保障に貢献するのは、防衛支出の増額だけではない。発展途上国への援助や教育水準の改善、難民の援助も安全保障にとって重要だ」と反論。議論の焦点を防衛支出だけに絞り込むトランプ政権の姿勢を、間接的に批判した。

同時にメルケルは「対GDP比で2%」の目標達成に向けて努力する方針を強調するとともに、「欧州はイスラム過激派の脅威とロシアの野心に直面しており、米国の軍事力を必要とする」と述べ、欧州が独力ではこの2つの試練に対応しきれないという本音を漏らした。

集団的自衛権の原則から逸脱?

ペンスは3日後にブリュッセルのNATO本部で事務総長イェンス・ストルテンベルグと会談。その後の記者会見で、ミュンヘンでの演説よりも率直な表現を使い、「防衛支出の目標を達成しない同盟国に対する、米国市民の忍耐は、永遠には続かない」と述べている。彼は、そうした国に対して米国がどのような措置を取るかについては、明言を避けた。

ペンスに先駆けて、2月15日にNATO本部を訪れた米国の国防長官ジェームズ・マティスは、ペンスよりも単刀直入に「他のNATO加盟国が防衛費増額の努力を怠るならば、米国は欧州防衛への貢献を減らす」と語った。これは、欧州に対する「恫喝」もしくは脅迫とも取れる発言だ。

欧州の加盟国が最も強く懸念しているのは、北大西洋条約の第5条、つまり「NATO加盟国は、他の国に対して行われた軍事攻撃を、自国への攻撃とみなす」という原則が、トランプ政権によって揺るがされることだ。トランプがNATOを批判して以降、「欧州諸国は、対GDP比2%の目標を達成していない国が攻撃されても、米国は自国への攻撃と見なさず、反撃しないのではないか」という懸念を強めている。

この点について、NATOの事務総長ストルテンベルグは、ペンスとの共同記者会見で「北大西洋条約の第5条が定める集団的自衛権について、(防衛費負担などの)条件を全く付けていない」と釘を刺している。この発言は、ロシアからの脅威に最も直接的に曝されているバルト3国やポーランドが抱く不安を緩和するためだろう。

独の2024年までの目標達成は不可能

さてペンスに批判されたドイツにとって、2%の目標達成は容易なことではない。ドイツはロシアがクリミアを併合した2014年以来、防衛支出を毎年引き上げている。その増加率も、年々増えている。2017年には防衛支出を前年比で7.9%と大幅に増やした。その伸び率は、GDP成長率を上回る。

だがストックホルム国際平和研究所(SIPRI)が2015年の各国の防衛支出を比較した統計によると、ドイツの支出は393億9300万ドルで、米国(5960億ドル)の約15分の1に過ぎない。

主要NATO加盟国の防衛支出の対GDP比率(2016年)

(出所:NATO)

NATOの統計によると、2016年のドイツの防衛支出の対GDP比は、NATO加盟国28カ国中で第16位(2%の目標に達しているのは、米国、ギリシャ、英国、エストニア、ポーランドの5カ国だけ)。つまりNATO加盟国の82%は、2%の目標に達していない。

ドイツの防衛支出の対GDP比率

(出所:ドイツ連邦政府・NATO)

ドイツの2%達成が難しい理由は、経済規模が大きいことだ。2017年のドイツの防衛支出は、370億ユーロ(約4兆4400億円)。2016年のドイツのGDPは、3兆1330億ユーロ(約375兆9600億円)。GDPの2%は、627億ユーロ(約7兆5192億円)である。

つまりドイツが米国に対する約束を果たそうとすると、防衛支出を現在より257億ユーロ(約3兆840億円)も増やす必要がある。約70%もの増額だ。欧州最大の経済パワーといえども、これは難題である。ドイツが7年以内、つまり2024年までに、2%の目標を達成するのは不可能であろう。

米国への依存からの脱皮を目指すドイツ

トランプの圧力は、欧州の安全保障地図を塗り替え、米国からの「乳離れ」を促す可能性がある。今欧州の安全保障関係者の間では、「米国がNATOへの関与を減らす場合に備えて、我々は防衛能力を高める可能性がある」という意見が強まっている。

ドイツのジグマー・ガブリエル外務大臣は、MSCの直前に行ったドイツの保守系日刊紙フランクフルター・アルゲマイネ紙(FAZ)とのインタビューの中で「欧州諸国は、いつまでも米国に防衛してもらえばよい、自分たちは何もしなくてよいと長い間思い込んできた。だがそうした時代は、完全に終わった。我々は、強い欧州を作らなければならない。そうしなければ、トランプ、プーチン、中国から一人前のパートナーとして見られることはない」と断言している。

彼は「米国がリーダーとしての役割を果たさなくなるのであれば、欧州は防衛力の強化という、長年の課題を実行に移さなくてはならない」と述べ、米国との新たな関係を模索することになるだろうと指摘した。

さらに過激な意見も出ている。ポーランドの元首相ヤロスワフ・カチンスキーは、今年2月初めに「米国が欧州を防衛しないとしたら、欧州は独自の核抑止力を持つべきだ」と発言した。

かつてソ連の支配下に置かれた中東欧諸国は、米国に対して、ロシアの脅威から自分たちを守る守護者の役割を期待してきた。中東欧諸国が、独仏とは異なり、ブッシュ政権のイラク侵攻を支援したのは、そのためである。だが中東欧諸国の期待は、トランプ政権の誕生で大きく揺らいでいる。「米国の核の傘は、本当に頼りになるのか?」。カチンスキ―の発言の背景には、NATOの将来について不透明感が強まったことに対する、中東欧諸国の焦燥感がある。

平和の配当を享受できる時代は終わった

MSCの2日後、ドイツ連邦政府は連邦軍を増強すると発表した。連邦軍の将兵の数は現在17万8000人。これを2024年までに2万人増やして19万8000人とする。ドイツは東西冷戦の終結後、徴兵制を廃止した他、将兵の数を年々減らしていた。欧州の中央に位置するドイツは、冷戦終結による「平和の配当」を最も享受してきた国の1つである。

だがロシアだけではなく、大西洋の反対側の米国、そして中東や北アフリカでも、地政学的な不透明感が強まりつつある今、ドイツは「米国のいない西側陣営」の中で指導的な役割を果たすよう、EU諸国から求められる可能性がある。ドイツが平和の配当を享受していればよい、居心地の良い時代は、終わったのだ。

2017年は、ドイツそしてEU諸国が米国からの自立を目指し始める、重要な分水嶺となるかもしれない。

欧州の対米戦略に注目するべきだ

我々日本人は、米国の豹変に直面した欧州人たちの焦りと不安感を、対岸の火事として眺めているだけでよいのだろうか。SIPRIによると、日本の2015年の防衛支出はGDPの1.0%で、ドイツよりも低い。409億ドルも防衛に支出しているのに、対GDP比率が低いのは、経済規模が大きいためだ。つまり日本も、ドイツと同じ悩みを抱えている。

万一トランプ政権が、日本に対しても防衛費増額を要求してきた時、我が国はどう答えるのか。欧州とアジアの地政学的状況は大きく異なるとはいえ、欧州が考える対米戦略の中に、我々が学べる内容もあるはずだ。本シリーズでは、今後も欧州諸国の動きについてお伝えしていくつもりだ。

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『蕭建華失踪事件から読む「習近平vs曽慶紅」暗闘 「カネの流れを知る男」を巡る駆け引き、激化か』(3/1日経ビジネスオンライン 福島香織)について

蕭建華が正しいのか、肖建華(という中国語の記事がありましたので)が正しいのかwikiで調べましたら、戸籍登記は肖建華で、山東省の夏輝村の宗族の名前として蕭建華も依然として使っているとありました。

本記事で、蕭建華は神童だったと言われますが、天安門事件で中共側に立ったと言いますので、民主化に興味はなく、後に洗銭(マネロン)に手を染める程の拝金教信者だったわけです。典型的な中国人エリートと言う訳です。そもそも中国では政治の授業があり、中共のプロパガンダをしています。そこで良い成績を取らないと名門校には進学できません。

蕭建華逮捕の理由として①インサイダー取引防止②キャピタルフライト防止③習の面子を潰した報復④曽慶紅の力削ぎ⑤外貨国内還流促進といったところでしょうか。どれも当てはまる複合要因が絡み合っている気がします。秋の党大会人事がどうなるかでしょうけど。本記事中の①広東省党委書記の胡春華の進退、②党中央規律検査委員会の王岐山の進退、③国家副主席の李源潮の進退がポイントでしょう。

習近平の訪米がニュースになっています。3/4日経電子版には

<習主席4月にも訪米検討 G20前の関係安定狙う 

【ワシントン=永沢毅、北京=永井央紀】中国の習近平国家主席は4月にも訪米し、トランプ米大統領と会談する検討に入った。今秋に新たな最高指導部を選ぶ共産党大会を控えるなか、両首脳が顔をそろえる7月のドイツでの20カ国・地域(G20)首脳会議よりも前に会談し、対米関係を早く安定させたい考えだ。米側が期待する経済面の譲歩などへの対応が焦点になりそうだ。

中国共産党関係者は日本経済新聞社の取材に「G20で会談するのは当然だが、それでは遅い。その前に訪米して会えるかどうかが焦点だ」と語った。党内ではトランプ米大統領と習氏が早く関係を構築すべきだとの意見が強まっている。訪米が実現する場合、4~5月となる可能性が高い。

トランプ氏は大統領就任前、中国大陸と台湾が一つの国に属するという「一つの中国」政策の見直しを示唆し、台湾統一を悲願とする中国側は強く警戒した。ただ、トランプ氏は2月上旬の習氏との電話協議では一転して「一つの中国」を尊重すると表明。習氏もこれを評価し、早期に会談することで一致した。

中国側はここからドイツでの外相会談や、外交担当トップ楊潔篪国務委員(副首相級)の訪米など関係修復へ急ピッチで動いた。外交筋によると楊氏は訪米時に首脳会談の早期実現を打診。その前段階としてティラーソン国務長官に中国訪問を招請しており、「近い将来の訪中に関心を示す」との言質を引き出した。この訪中が首脳会談を本格的に調整する場となる見通しだ。

習氏は2015年に米国を公式訪問しており、外交儀礼上は次は米大統領が訪中する番だ。首脳会談するからには中国側が成果とできるような合意も必要となる。台湾問題で手打ちしたとはいえ、中国による南シナ海の軍事拠点化をめぐる問題は妥協点が見えないまま。トランプ氏は通商・為替政策での対中批判も緩めていない。

中国側には日本の安倍晋三首相がフロリダ州のトランプ氏の別荘で歓待されたことを踏まえ、首都ワシントン以外の場所で非公式にゆっくり話す形式を求める声もある。ただ、トランプ氏が受け入れるかどうかは不透明だ。北京の外交筋は「米中間の条件が整わなければG20まで待つ選択肢もある」と指摘したうえで、「それでも早期訪米する可能性の方が高い」との見通しを示した。

中国は今秋、5年に1度の共産党大会を開き、最高指導部を大幅に入れ替える。習氏は自らに近い人間をなるべく登用して2期目を盤石の体制としたい考え。人事で主導権をとるためには、外交面の懸案を顕在化させたくない。対米関係の安定という外交成果を示せるような訪米にできるか否かを水面下で探っているもようだ。>(以上)

トランプと楊潔篪の面談時間は5~7分だったわけで顔立ててやっただけです。そんな突っ込んだ話し合いが出来たとは思えません。楊潔篪は英語ができるので、英語で会話したでしょうけど。習近平訪米に持ち帰らせるお土産があるのかどうか?習は秋の党大会前に訪米してアピールしたいと思っているのが、ミエミエです。水面下で交渉しているでしょけど、トランプはWTOの決定にも従わないことを明言しました。選挙公約通り、中国製品に大幅な関税をかけて、戦場を経済の場面に持ち込もうとしています。お土産無しでは、本来米国が訪中する番なので、習が膝を屈することはないでしょう。本記事は両日経記者が中国人だけから取材したのかも知れません。誘導記事かもしれませんが米国人に与える影響はないでしょう。

また、3/4日経電子版にはイエレンが3月利上げを示唆した記事が載っていました。蕭建華を逮捕したとしてもキャピタルフライトは止まらないでしょう。

米、月内利上げ検討へ FRB議長が明言 

【ワシントン=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長は3日、シカゴ市での講演で「(14~15日の)次回会合で追加の政策金利の調節が適切か判断することになる」と述べ、月内の利上げを検討する方針を明言した。同氏は「経済指標が想定通りであれば、緩やかな利上げが適切だ」とも表明。10日に発表する2月の米雇用統計を見極めて、最終判断する考えだ。

イエレンFRB議長は月内の利上げを検討する方針を明言した(3日、シカゴ)=AP

イエレン氏は3日の講演で「労働市場は完全雇用に本質的には達した」と指摘し、米経済は緩やかな拡大が続くと自信を示した。1月の個人消費支出(PCE)物価指数が前年同月比1.9%上昇したことから「インフレ率も目標の2%に近づいている」と強調した。海外経済の下振れリスクも減退していると指摘した。

金融市場が注視する追加の金融引き締めについては「経済データが想定通りに推移すれば、我々は緩やかな利上げが適切だと現在判断している」と強調。そのうえで「今月の会合で、物価や雇用が想定通り改善したか、追加の政策金利の調節が適切かどうか、判断することになる」と明言した。

イエレン氏は2月中旬の議会証言で「今後数回の会合で、追加の利上げが適切か判断することになる」と述べ、3月、5月、6月のいずれかの会合で利上げに踏み切る考えを示唆していた。今回の講演では「次回会合で検討する」と明示し、14~15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げする可能性を強く示唆した。

月内の利上げに向けた最後の関門は、米労働省が10日に発表する2月の雇用統計だ。雇用情勢は底堅く推移してきたものの、新規就業者数の伸びが大幅に鈍化すれば利上げ判断の逆風になる。イエレン氏は3日の講演で「長期的な傾向でみれば、雇用の伸びは月7万5千~12万5千人で整合性がとれる」と指摘。2月の統計で10万人前後の就業者の伸びが確保できれば、利上げの障壁にはならないとの見方を示唆した。

今後の利上げペースについては「FRBが後手に回っているとの証拠は現時点でない」と指摘。昨年12月に公表した年3回の利上げペースを引き続き想定していることを示唆した。>(以上)

福島氏も主張するように共産党の問題は、白昼堂々拉致が可能な社会という事です。中国語の記事では3人の女性ボデイガードに守られていたが、5人の公安or国安部の人間に連れ去られたとのこと。銅鑼湾書店だけでなく、これが日常茶飯事に行われているということです。法輪功やモンゴル・ウイグル・チベット人も同じ目に遭っています。やはり共産主義の悪い所は三権分立していない所でしょう。為政者をチエックするシステムがないため好き放題できます。司法は行政の一部ですし、メデイアは党の「喉と舌」です。日本でも左翼は同じ事を考えています。左翼メデイアの新聞は取らず、左翼議員にも投票しないことです。

記事

大富豪・蕭建華氏は香港の五つ星ホテル、フォーシーズンズホテルから行方不明に。この失踪の意味することとは?(写真:ロイター/アフロ)

今年の秋はいわずもがな、第19回党大会が控え、権力闘争が激化しているのだが、その第一ラウンドは、習近平VS曽慶紅ではないかという見方が出ている。一般に、第19回党大会前の権力闘争のみどころは三つあるといわれている。すなわち、①広東省党委書記の胡春華の進退、②党中央規律検査委員会の王岐山の進退、③国家副主席の李源潮の進退、がどうなるか、である。いずれも、権力闘争の軸は習近平VS共青団派の文脈で観察されている。

胡春華は共青団のホープで、ポスト習近平と目されている。李源潮は太子党かつ共青団(共産主義青年団)の実力派であり、このまま次の党大会で政治局常務委員会入りするとすれば、習近平に大いにプレッシャーを与える存在だ。習近平は党大会前に、彼らを失脚させて共青団の影響力を削ぎ、本来引退年齢となる王岐山を続投させ、習近平3期目に向けた布石を打って、習近平独裁体制確立に向けた道を開きたい、であろうと見られている。

香港から垣間見える中央の対立再燃

だが、その前に、太子党の影のラスボスと言われている曽慶紅らと習近平の対立が再燃してきた、というのである。春節イブ(除夕)に起きた、香港の大富豪にして、中国金融の裏ボス、ホワイトグローブス(白手袋、汚れた手を隠すために白手袋をする人、金融の裏仕事請負人)と呼ばれる蕭建華の失踪事件(おそらくは中国当局による拉致)の背景に、習近平vs曽慶紅の闘争があるらしい、というのだ。

蕭建華は、90年代から00年代にかけて曽慶紅ファミリーはじめ太子党子ファミリーの天文学的蓄財に貢献した人物であるだけでなく、2015年夏の上海株暴落をリモートコントロールしていたとささやかれている。また、2012年に、ブルームバーグが習近平ファミリーの不正蓄財疑惑を報じたあと、習近平の姉の持ち株を、習近平ファミリーを救済するという建前で購入するも、その件をニューヨークタイムズ紙にすっぱ抜かれたという因縁もある。さらに、今の習近平政権にとって最大の悩みの種であるキャピタルフライトに歯止めをかけるキーマンという指摘もあった。

果たして蕭建華失踪事件の背後にはどのような事情があるのか、それが秋の党大会にどのような影響力を与えるのか。久しぶりに香港ゴシップをネタにしてみたい。

蕭建華失踪事件について、軽く説明しておく。香港メディアがすでに詳しく報じているが、これは第二の銅鑼湾書店事件として、香港の司法の独立が完全に失われていることを示す事件でもあった。銅鑼湾書店事件については、過去のこのコラム欄を参照してほしい。

<参考> 香港銅鑼湾書店「失踪事件」の暗澹 銅鑼湾書店事件、「ノーと言える香港人」の告発

五つ星ホテルから白昼堂々

今年1月27日、香港セントラルの五つ星ホテル・フォーシーズンズホテルから、カナダ国籍ほかバルバドスの外交パスポートなど少なくとも三つのパスポートを保持している蕭建華が白昼堂々、拉致された。目撃者証言がいくつかあり、頭に布をかぶせられ、車いすに乗せられて午前10時頃、車二台で連れ去られとか。妻が翌日に、香港警察に捜索願いを出したが、その後、捜索願いが取り下げられた。有名ホテルから大富豪が失踪したというのに、ホテルサイドは何のコメントも出さず、蕭建華が創始者の投資企業集団・明天系の公式微博アカウントは「外国で病気療養中」とうそぶいた。消息筋によれば、すでに北京にいるらしい、という。つまり、中国当局によって拉致されたという見方が今のところ濃厚だ。ただし、中国当局は目下、沈黙を守っている。

この事件が銅鑼湾書店事件以上に恐ろしいのは、今回拉致された人物が、しがない書店関係者や民主化活動家といった庶民ではなく、太子党の大物をバックにつけ、中国金融界の裏ボスといわれている金と権力の両方を操る大物であったということだ。

香港のフォーシーズンズホテルは、反腐敗キャンペーンのターゲットになるやもしれないと不安に思う太子党や官僚の子弟や大企業幹部たちが、避風塘(漁船が台風をしのぐ湾岸)よろしく、一時身を寄せて、情報交換を行いながら、北京情勢をうかがう拠点として知られている。令計画が失脚する直前には、令計画の兄の利権の温床であった山西官僚らがみなこのホテルに逃げ込んだので、ホテル内の公用語は山西方言であったという冗談が流れたほどだった。

今回の事件は、党中央に強いコネを持っていても、金を持っていても香港は守ってくれない、という厳然とした事実を明らかにした。香港はもう誰も守れない。世界に名だたる高級ホテルで人が拉致されたとしても、香港警察は事件にすることすらできない。金融都市として必須条件の安全と信用はとことん地に落ちた。

1972年生まれの蕭建華は、15歳で北京大学法律系に入学した神童で、天安門事件のときは大学側の学生会主席として、民主化要求の学生たちと対峙した経験もあるらしい。卒業後は大学の党委員会の仕事をしながら起業、1999年に正式に「明天ホールディングス」を創設し、金融、証券、保険企業などに次々に買収。その中には長財証券、新時代証券などの大手もあった。現在、少なくとも明天系と呼ばれる企業集団は、9社以上の上場企業を傘下におき、30社以上の筆頭株主で、総資産1兆元以上とか。その市場に対するコントロール力は言わずもがなで、「明天金融帝国」との呼び名もある。

面子を傷つけた株購入事件

彼は2000年代に、自らの市場操作力を駆使し、曽慶紅や江沢民ら国家指導者ファミリーらの不正な蓄財に手を貸し、また蓄えた資金の洗浄も担ったといわれている。その額は、少なくとも2兆元を超えるとか。例えば、2007年に、曽慶紅の息子の曽偉が山東省最大のエネルギー国有企業で資産価値738億元相当の魯能集団を30億元あまりの格安で買収した“魯能事件”の黒幕も蕭だったという。太平洋証券の上場にからむ不正事件で、国家開発銀行副行長の王益が失脚し、やはり90年代に起業し飛ぶ鳥を落とす勢いであった投資企業・涌金集団のトップ、魏東が飛び降り自殺に追い込まれた2008年、この事件に関与したと噂される蕭建華も自分の身の安全を図るために出国。以降は、少しずつ持ち株をシャドーカンパニーに移し、できるだけ目立たないように動くが、それでも中国市場に対する影響力は厳然としていた。

香港に拠点をおくようになったのは5年ほど前からで、フォーシーズンズに幾部屋もアパートメントルームを借りていたとか。蕭には愛人が30人ほどいるといわれているが、最近は娘を生んだばかりの安徽省出身の愛人と生活を共にしていたという。

彼が中国当局に拉致された(と仮定して)その理由については、いくつか説があり、ニューヨークタイムズ(NYT 2月3日付)は、2013年に240万ドルで、習近平の姉夫婦の持つ投資会社の株を購入した件が関係あるとみている。蕭建華にすれば、習近平ファミリーのためを思ってという建前だったかもしれないが、この件は、NYTが2014年6月3日にすっぱ抜き、しかも蕭建華周辺筋がその事実を暗に認めるような発言をしたので、習近平のメンツをおおいに傷つける結果となった。ちなみに、NYT記事によれば、蕭建華が利益誘導した党中央幹部には、胡錦濤政権時代の序列4位の政治局常務委員の賈慶林の女婿・李伯潭や、元中国人民銀行行長の戴相龍の女婿・車峰の名前も出てきている。

蕭建華は多くの太子党、官二代、紅二代、つまり共産党の“紅色貴族”たちの不正蓄財を手助けし、その手法を熟知しており、よりによって現役党中央総書記ファミリーの蓄財の裏まで知っている。つまり習近平にとっても、スキャンダルを握る危険な人物と言える。このスキャンダル漏れを防ぐために、蕭建華の身柄を北京に取り戻す必要があったのではないか、という見立てだ。

市場操作説、キャピタルフライト抑止説も

もう一つの理由は、2015年の上海株大暴落、俗に言う「株災」に蕭建華がかかわっていたという見方である。蕭建華の資金力、影響力をもってすれば、市場をリモートコントロールすることはたやすい。習近平は2015年の株災がらみで、悪意ある市場操作を行ったとしてプライベートファンドの星、徐翔が逮捕され5年半の実刑を受けている。徐翔以上の市場操作能力を持つ蕭建華だけが逃げ切ることはできないのではないか、という見方だ。

さらに言えば、蕭建華の拉致は、習近平政権の金融政策立て直しと連動するものではないか、という説もある。目下の習近平政権の最大の悩みの一つは、外貨準備高が3兆ドルを割り込み、キャピタルフライトの歯止めが効かないという点だ。

この外貨準備高減少を食い止めるために、2017年の金融改革の柱の一つとして、国家外為管理局関係者が、外国市場で上場した国内企業に対して、そこで集めた外貨資金の一部を人民元にして国内に還流させるという方針を打ち出している。国内企業の香港上場を後押ししているのは、蕭建華のような巨大民営ファンド集団だ。さらに言えば、そうしてできた外貨資金を洗浄して、各地に分散させて、国内企業やあるいはその中核にいる紅色貴族たちの不正蓄財、キャピタルフライトを幇助してきたのも蕭建華のような巨大ファンド集団だ。

蕭建華を拘束したのは、こうしたキャピタルフライトをたくらむ紅色貴族や国内企業家の恐怖心をあおり、おとなしく外貨を国内に還流させることが目的ではないか。つまり、党中央の指導を聞かずに、キャピタルフライトに走れば、汚職容疑で拘束(たとえ身柄が香港にあっても逃げられない)、おとなしく外貨を国内に還流させれば、党中央が国内企業の香港および国外での上場を後押ししよう、ということだ、と。

ちなみに、この説を主張しているのは、元経済紙記者で、在米亡命学者でもある何清漣だが、香港、深圳金融の裏事情を知るだけあってその推測にはかなりの説得力がある。

だが、やはり国内外の中国政治ウォッチャーが興味深々なのは、蕭建華の取り調べによって、曽慶紅の失脚、あるいは失脚に至らなくても、党大会前に曽慶紅の影響力をけん制するだけの情報を習近平が得るためではないか、という説だ。

習近平と曽慶紅の関係も因縁が深い。曽慶紅は、老獪な政治手腕をもって、ダークホースであった習近平をまんまと総書記および国家主席の座につけた最大の功労者である。習近平にとっては恩人だ。だが、自分がコントロールされることを嫌う習近平は、権力トップの座についてからは曽慶紅を政敵とみなすようになった。そうして曽慶紅を追い落とすために仕掛けた権力闘争の象徴が、国家安全部副部長だった馬建の失脚(2015年1月)だった。

馬建は曽慶紅の懐刀として、その諜報能力を習近平はじめ党中央指導者に向けても発揮し、“習近平がらみのスキャンダル”を含む情報を、やはり曽慶紅のコマとして動いていた実業家・郭文貴に流したという噂もある。その郭文貴は、そうしたスキャンダル情報を持って米国に出国したまま、その行方が分からなくなっている。

ちなみに、すでに失脚していた周永康や令計画の汚職事件とも馬建はかかわっており、失脚は周永康、令計画事件に連座した格好となるのだが、馬建の最大の政治的庇護者が曽慶紅であることは公然の事実であったので、多くのジャーナリストたちが馬建失脚を習近平と曽慶紅の権力闘争の文脈で解釈していた。この権力闘争は、いちおう曽慶紅が逃げ切った形で収束していた。

「法秩序無視が当然」の恐ろしさ

もし蕭建華が北京で取り調べを受けているとすれば、魯能事件など曽慶紅ファミリーの過去の経済犯罪疑惑などについても蒸し返される可能性はある。習近平にしてみれば、かつて自分を政権トップの座を押し上げたあの鮮やかな政治手腕を、再び自分を引きずり下ろすために振るう可能性を恐れていて当然だろう。馬建事件で一度、その政治生命が危機に瀕したとはいえ、曽慶紅が政局を動かすだけの資金力と人脈と頭脳を維持している可能性は強く、秋の党大会を前に、少なくとも曽慶紅の動きは牽制しておきたいのではないか。

どの説も、あり得る話で、おそらくはいくつもの思惑が働いていることだろう。こうして想像力を膨らませて中国の権力闘争や政治の雲行きを眺めるのは、外国人にとっては知的好奇心をそそられるのだが、冷静に考えてみれば、こうした政治的思惑のためだけに、法秩序を無視していきなり香港から民間人を力づくで拉致するやり方を普通に行える共産党体制というのは、実に恐ろしい。中国が国際社会において覇権を拡大するということは、こういう行動基準が周辺国家にも広がっていくということなのだ。

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『日本の悪夢、中国の属国になる日はトランプ次第 米国が経済で譲歩を迫れば、「新型大国関係」で太平洋真っ二つも』(3/1JBプレス 織田邦男)について

3/3TV朝日の「モーニングショー」では朝から森友問題で安倍昭恵氏を叩いていました。メデイアがTVの中で、公人か私人かという愚にもつかない問題提起をしたのは、三木首相の靖国参拝を公人・私人に区別させて成功した事例からヒントを得たのだろうと思います。また、下記の写真にありますようにトランプ大統領と安倍首相が夫婦同伴で楽しく会話しているのを見て、朝日新聞は、トランプと安倍が意気投合したのはそれぞれNYTと朝日新聞に勝ったと話合った所からと思い、復讐のチャンスを窺っていたのだろうと思います。何とかして共謀罪を潰したいという一念(在日朝鮮人や在日中国人も当然対象。米北戦争や米中戦争が現実のものに近づきつつある中で、破壊工作の予防の法律が必要です)と、安倍首相本人には突っ込めるところが無いので、夫人を標的にしました。江戸の仇を長崎で討つ方式です。メデイアは「女性の活躍をもっと進めなければ」と言っているのに逆行するのでは。これで安倍昭恵氏が委縮しなければ良いですが。でも、相手を選んで付き合わないといけないと思います。相手は利用しようと思っている人間が多いですから。でもメデイアは朝鮮人と同じで、妬み・嫉みの塊なのでは。

鴻池議員も偉そうにインタビューを受けていましたが、地元秘書のノートが流出したとのこと。どういう経緯でそうなったか分かりませんが、機密保持ができていない議員事務所という印象です。そもそも共産党にどのようにして渡ったのか。中共に連なる敵性政党なのに。

籠池氏も強引なやり方が目につきます。小生も大阪勤務時代、自宅と言っても社宅ですが、新入社員の親が突然訪ねて来て、「お世話になります」と言ってギフトを置いて行きました。断るのも悪いと思い、一旦貰いました。帰ってからギフトを調べましたら、中にメロンと現金が入っており、手紙を添えて現金は書留で返し、メロンは戴いた記憶があります。関東と関西の文化の違いかと感じました。金を受けるような立場でもないですし、やはり現金を受け取ることにはアレルギーがあります。中国に赴任して中国の賄賂文化と関西の金文化と似ていると感じた次第です。

織田氏が言いますように「最悪を考えて準備をする」のはどんな組織であれ、危機管理の要諦でしょう。国、地方公共団体、会社、個人のレベルにおいても、です。大多数の日本人は平和ボケしていて、戦争忌避、「平和」という念仏を唱えていれば戦争は起きないという考えの持主のようです。戦争は人間的な営みで、違法ではありません。最終的な紛争解決手段です。それが証拠に人間の歴史は戦争の歴史ではありませんか。核兵器の出現により、地球が破壊される可能性があっても、通常兵器による戦争は今でも起きています。

トランプ大統領の敵は金の力(ウオールストリート)を持ち、なかなか思ったように事が運びません。今度はセッションズ司法長官の駐米ロシア大使とのコンタクトが問題になっています。CIA、FBIといった諜報機関を相手に戦うのですから、生半可な覚悟ではできません。一進一退を繰り返すと思います。

トランプ大統領はWTOの決定には従わずと宣言しました。思いは「中国はWTOのルールに従っていないのに、それを止められないのは無用の長物」との思いでは。中国が南シナ海の国際仲裁裁判所の判決を「紙屑」と呼んで従わないなら、米国もという事でしょう。多国間の組織は国連を含め、左翼・リベラルに乗っ取られていますので。二国間or有志連合という形で物事を進めて行くのでは。イエレン議長が利上げするような雰囲気ですので、中国からの外貨流出ももっと起きるのでは。良い傾向です。

但し、織田氏の言うようにトランプ大統領もいつ心変わりするかも分かりません。敵は強大ですから。そうならないように、いろんなルートを使い、自由が保障される社会の維持に向けて、日米双方が努力するようにしませんと。太平洋を二分するくらいで中国の野望は収まらないでしょう。世界が悪の共産主義に染まれば、人類にとってこの上ない不幸となります。

日本は防衛費を自主的に増額し、脅威に少しでも対抗できるようにしていかないと。安倍内閣はずっと増額してきたといいますが、金額的にはまだまだです。江崎道朗氏の『マスコミが報じないトランプ台頭の秘密』の中に、中曽根首相は、ロンヤスと謳われて良好な日米関係を演出していましたが、その実、米国の防衛費増額要求に応えず、不信感を持たれ、米国をもっと中国に近づけることになったとありました。中曽根は言われるほどには有能ではないでしょう。胡耀邦を助けるために靖国参拝中止をして、靖国を外交カードにしてしまったりして。

記事

米フロリダ州パームビーチにあるドナルド・トランプ大統領のリゾート施設「マーアーラゴ・クラブ」で食事を共にする安倍晋三首相(中央左)、トランプ大統領(中央右)、昭恵夫人(右)、メラニア夫人(左)、ニューイングランド・ペイトリオッツのオーナー、ロバート・クラフト氏(左下、2017年2月10日撮影)〔AFPBB News

2月10日、ドナルド・トランプ政権発足後、初の日米首脳会議がワシントンで実施された。3日のジョージ・マティス米国防長官訪日に続き、トランプ政権での日米関係は上々の滑り出しだ。特に安全保障に関しては、日本にとって予想を超える成果を得たと言っていい。

「尖閣諸島が安保条約5条の適用対象」であることが共同声明に初めて明文化され、核を含む「あらゆる種類の米国の軍事力」による対日防衛を確約させた。駐留経費問題は話題にも上らず、在日米軍の重要性を確認するだけでなく、米軍受け入れに「謝意」まで盛り込ませたのは安倍外交の勝利と評価できる。

東、南シナ海で挑発行為を繰り返す中国、そして安倍晋三首相の訪米中にもあった核・ミサイルの恫喝を繰り返す北朝鮮に対し、日米の蜜月振りを見せつけたのは両国に対する強いメッセージとなったことは確かだ。

だが、「安保は満額回答」といって手放しで喜ぶ日本の姿勢に、危うさを覚えるのは筆者だけではないだろう。

2月3日、マティス長官の「尖閣は5条の適用対象」発言を「ニュース速報」で報じるメディアの当事者意識を欠いた属国姿勢、そして打つべき「次の一手」に係わる思考停止状態に対し、2月8日の拙稿「マティス発言にぬか喜び禁物、強か中国次の一手」で警鐘を鳴らしたところである。

1200人の高級官僚が決まるまでは全くの白紙

日米首脳会談が大成功裏に終わったことは、率直に評価したい。だが国内に蔓延する安堵感、政府関係者までが「まるで宝くじが当たったよう」と舞い上がる姿には大いなる違和感を覚えるのだ。

トランプ政権主要閣僚の議会承認は異例の「薄氷」採決が相次いでいる。いまだ閣僚人事で綱渡り状態だ。外交の要である安全保障担当補佐官マイケル・フリン氏が対ロ制裁問題で事実上更迭された。後任には現役陸軍中将のヒューバート・レイモンド・マクマスター氏が指名されたが未知数である。

議会承認が必要な約1200人に及ぶ高級官僚が決まるには、少なくともあと数か月はかかるだろう。外交・軍事を含むトランプ政権の方向性は未だ不透明、不確定である。

外交政策に安易な楽観論は禁物である。政治的任用の主要ポストがすべて確定し、トランプ政権が実質的に動き出すまでは、米国の外交・軍事政策は白紙と見た方がいい。

今、日本に必要なのは、トランプ大統領の「ちゃぶ台返し」を防ぐ外交戦略の策定である。大成功裏に終わった日米首脳会談後の安堵感に浸っているときに、「ちゃぶ台返し」「手の平返し」は考えたくないものだ。だが、「考えたくないことを考え、考えられないことを考える」のが危機管理の鉄則である。

英国のパーマストン卿が語ったように「永遠の同盟も、永遠の敵もない。あるのは国益であり、これを追求するのが政治家の責務」である。

「アメリカ第一主義」を掲げるトランプ大統領は、政治経験も外交経験もない。過去に縛られず政策方針を決定できるところは、新大統領の強みでもあり、弱みでもある。同時に同盟国にとっては危うさでもある。

日米首脳会談前日の9日、米中首脳の電話会談を行った。日米首脳会談に先立ち、「一つの中国政策」維持を表明するなど対中外交で配慮をみせた。

政権発足前、トランプ氏は従来の「一つの中国」政策を巡って疑問を呈した。また慣例を破って台湾の蔡英文総統とも電話会談をした。これが一転して「今後も『一つの中国』を尊重する」と述べ対話重視を表明した。

またトランプ氏は、これまでNATO(北大西洋条約機構)は「時代遅れ」だと発言してきた。だが、テリーザ・メイ英国首相との首脳会談では、一転して「100%」NATO支持を言明し、今後も重視していくと表明している。

ある評論家は、トランプ氏はビジネスマンであり、「取引の瞬間だけ親しいのは、ビジネスマンの常。本物の信頼関係かどうか分からない」と述べている。「最悪を予期して準備せよ」は危機管理の要諦である。まさに、首脳会談成功に浮かれている場合ではないのだ。

トランプ大統領と安倍首相との間で、これ以上ない緊密な個人的関係ができたことは喜ばしいことだ。だが、パーマストン卿の箴言が警告するように、国家間にあっては、いつ何時「手のひら返し」があってもおかしくはない。この警戒心は忘れず、先手を打って戦略を考え、あの手この手で実行に移していくことが求められている。

過去にも苦い経験がある。いわゆる「朝海の悪夢」である。

1971年7月、突然リチャード・ニクソン大統領が訪中を発表した。佐藤栄作首相には発表の5分前に電話連絡があったという。それまで中華人民共和国との国交を米国によって強く止められてきた日本にとっては、一夜にして「梯子を外された」形となり、まさに「寝耳に水」の出来事であった。

当時の駐米日本大使の朝海浩一郎氏は普段から、ある朝起きたら突然、米国と中国が手を結んでいた、こうなるのが日本にとっての悪夢だと語っていたが、それが現実となったことから「朝海の悪夢」と呼ばれるようになった。

現代版「朝海の悪夢」

現代版「朝海の悪夢」はあるのか。最悪のシナリオは、米国が勝手に中国と「安保と経済」を取引することだろう。

共同声明では、中国を名指しこそしないものの「威嚇、強制または力によって海洋に関する権利を主張しようとするいかなる試みにも反対する」「拠点の軍事化を含め、南シナ海における緊張を高める行動を避け、国際法に従って行動することを求める」とある。

またホワイトハウスのスタッフたちは対中強硬派が占めている。だが、これで安心している場合ではない。

対中貿易赤字のドラスティックな改善、雇用の大幅な創出を中国が取引材料として出してきた場合、共同声明は一挙に死文化する可能性は排除できない。これまでのトランプ大統領の言動から見て、経済的利益のためには、安全保障をディールする可能性は十分あり得るのだ。

中国は経済で大幅に譲るとしたら、何を代わりに取りに来るだろう。「台湾関係法の廃止」「在韓米軍撤退」など考えられる。だが、日本にとって最も厳しいシナリオは「西太平洋の覇権移行」である。

これは別に目新しい話でもなければ、荒唐無稽な話でもない。中国はバラク・オバマ政権に対し「新型大国関係」という言葉で繰り返し「西太平洋の覇権」を求め続けてきた。

中国が主張する「新型大国関係」を簡単に言えばこうだ。

米中は核大国であり「米中が対抗すれば両国と世界に災難をもたらす」。従って「互いの主権と領土を尊重し、矛盾や摩擦をコントロールする必要」があり、「互いの『核心的利益』を尊重」しよう。「太平洋には2つの大国を受け入れる十分な空間」があり、それは十分可能だというものである。

もっともらしい言葉の下に、鎧が透けて見える。つまり太平洋を東西に分割し、米中それぞれの主導の下に国際秩序を構築しようとするものである。

戦後、太平洋からペルシャ湾まで米海軍の制海権の下に置かれてきた。この地域における国際秩序は事実上、米国主導で作られてきた。

この「パックス・アメリカーナ」を、西太平洋に限定して「パックス・シニカ」に置き換える、つまり西太平洋については、中国が主導する国際秩序に置き換えるというパラダイム・シフトを狙った「太平洋、覇権分割論」である。

もともと鄧小平の懐刀であった劉華清が提唱した海洋戦略があり、「太平洋、覇権分割論」の淵源となっている。2010年までに第1列島線以西の制海権を握り、2020年までには第2列島線までを、そして2040年にはハワイまで制海権を掌握して西太平洋の覇権を握るという戦略である。

中国はこの海洋戦略を正式な中国海軍戦略に格上げし、すでに着々と手を打ってきている。

中国は本気、太平洋分割論

2007年5月、ティモシー・キーティング米太平洋軍司令官が初めて訪中した際、中国海軍高官から「太平洋分割論」を持ちかけられたという。「最初は冗談かと思っていたが、本気だったので驚いた」と議会証言している。

2013年3月、李克強首相が全国人民代表大会で「新型大国関係」について報告し、中国の対米外交方針となった。

2013年6月、米中首脳会談で習近平がオバマに正式に提案している。同年9月、中国の「衣の下の鎧」が読めないオバマ大統領は、これを検討することで合意。以降、習近平国家主席は米中首脳会談のたびに、壊れたレコードのようにこれを繰り返し主張してきた。

他方、アジアにおける多国間会議では、別の名前で覇権分割論を持ち出している。

2014年5月、上海で実施された「アジア相互協力信頼醸成措置会議」(CICA)で、習近平主席は「アジア新安保構想」を提唱した。「アジア安全観」というアジアの人にとっては耳に優しい言葉を巧みに使い、アジアからの米国排除を訴えている。

つまり「アジア安全観」とは、「アジアの問題はアジアの人々が処理し、アジアの安全はアジアの人々が守る」ことを原則とし、平等な立場で安全に関する協力を推進するというものである。そして「互いの主張、領土保全を尊重し、内政不干渉」の下に「平等協力」をうたうものだと主張する。

アジアからの「米国外し」が見え見えであり、米国なき後のアジアで、中国主導による国際秩序を構築する。つまりアジアの国々向けの体の良い覇権分割論であり、「パックス・シニカ」そのものである。

2014年11月、北京で行われた「中央外事工作会議」で、習近平は「国際社会の制度改革を進め、わが国の発言力を強める」と述べ、国際社会の制度を中国主導で作り変えることの重要性を述べている。

米議会では、早くからこの発言に注視し、2014年度の「米中経済安保見直し委員会」議会報告では、「中国は米国が主導する東アジアの安全保障アーキテクチャーが自国の体制維持、経済、社会的発展、領土の一体性といった核心的利益を利するものではないと判断している」と報告している。

ポール・ケネディが名著「大国の興亡」で述べるように「台頭した大国はすべて、古くから根を下ろしている大国の既得権に沿うように作られた国際秩序の再編を望むもの」であり、台頭した中国にとっては至極当然のことかもしれない。

2014年11月の米中首脳会談では、オバマ大統領は習近平主席の「新型大国関係」についての執拗なアプローチに「同意する」と発言した。だが、さすがにアジア諸国からは懸念の声が即座に上がった。

驚いたオバマ大統領は「アジアでの効果的な安全秩序は、大国が小国をいじめるような影響、威圧、脅しではなく、相互安全保障、国際法、国際規範、平和的解決を基本にしなければならない」と軌道修正している。

中国の覇権分割の動きに対し、オバマ大統領が明確に拒否したのは「経済分野」だけだ。2015年10月、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉で参加国が大筋合意したことを受け、「中国のような国に世界経済のルールを書かせることはできない」と述べている。

その後、南シナ海での埋め立てなど、露骨で挑戦的な中国の動きが目立つようになり、警戒感を強めたオバマ大統領は、習近平主席が繰り返す「新型大国関係」に対しては、明確な意思表示を避け今日に至っている。

「新型大国関係」は、中国が周到な時間をかけ、繰り返し持ち出したものであり、中国の対米戦略上、特別な意味を持つ。

中国冊封体制下に置かれる危険性も

当然、習近平主席はトランプ大統領に対しても「新型大国関係」に名を借りた覇権分割論を要求してくるはずだ。今はその機会を伺っているときであろう。トランプ大統領が経済でディールを持ちかければ、これ幸いと、真っ先に打ち出してくる可能性は十分にある。

「新型大国関係」は日本やアジア諸国にとっては死活的意味を持つ。西太平洋が中国の覇権に組み込まれると、日本は中国が決めるルールに従わざるを得なくなる。当然、日米同盟は空洞化する。

最悪の場合、日本は事実上の中国冊封体制下に置かれ、日本のチベット化が始まる。これは悪夢に違いない。これが杞憂に過ぎるよう、日本はあらゆる手を尽くさねばならない。

「安保は満額回答」などと浮かれている場合ではなく、このための「次の一手」を考えるのが今求められているのだ。

今後のアジアの情勢を占う時、カギとなるのが米中関係であることは間違いない。この成り行きによっては、日本は死活的影響を受ける。

習近平主席は、この秋の党大会で発足させる2期目体制の盤石化に向け、いかなる失点も許されないという局面にある。トランプ政権への対応については、慎重に検討しつつ、様子見の状態と言っていいだろう。

トランプ政権には対中強硬派が多く入閣している。だからといって希望的観測や楽観的予断は許されない。米国の対中外交の成り行きにまかせるというこれまでのような受動的対応では覚束ない。手遅れになってからでは遅いのだ。

繰り返すが危機管理の要諦は「最悪に備えて準備せよ」である。最悪のシナリオにならぬよう、首脳会談で得た成果を梃に、「次の一手」を考え、能動的に行動することが必要である。

重要なポイントは、米中関係の緊張を保たせるよう努めつつ、さりとて武力衝突にはさせないことだ。この微妙なバランスをコントロールするイニシアティブが日本に求められている。

これまでのような受動的態度から脱皮し、米国の対中政策形成に積極的に関与することにより、日本に有利なアジア情勢を創成していく気構えと姿勢が求められている。

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『共和党に回り始めたオバマケアの「毒」 「撤廃」ではなく「修理」を唱える共和党議員も』(2/28日経ビジネスオンライン 篠原匡)について

ネットで読んだ記事です。Embed from Getty Imagesで埋め込まれた部分は映像をカットしています。但し、紹介したい部分だけは映像に残しています。トランプが、夫が戦死した妻を議会演説時に招待し、議場全体スタンデイングオベーションで激励したという感動逸話の部分です。実は戦死したウィリアム・ライアン・オーウェンズがイエメンで戦死したことに、父親がトランプの軍事作戦を批判した経緯があります。3/2日経にはこの部分がごっそり抜けていました。軍人を讃えることが嫌なのでしょう。意図的に外したとしか思えません。日本国民全体が自衛隊に感謝し、国会でスタンデイングオベーションできるようにならないと。民共社生の議員などを選挙で選ぶと、それができなくなります。

トランプ大統領初の議会演説で全米が涙した理由 2017/3/2  ニュースメディア

アメリカ現地時間2月28日午後(日本時間3月1日午前)に、トランプ大統領が上下両院合同会議で行った初めての施政方針演説ですが、今や宿敵となったCNNをはじめ、多くのアメリカの主流ニュース・メディアは好意的に取り上げたようです。

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もはやトランプの宿敵となったCNNの意外な反応

演説終了直後のCNNのスタジオには、いつも通り反トランプ色の強いキャスターと解説者の面々がスタンバイしていたのですが、最近は割とフェアな報道姿勢が目立つアンダーソン・クーパーはともかく、トランプ大統領誕生時に「これは白人の逆襲だ」とまで言ってのけたリベラル政治評論家ヴァン・ジョーンズの好意的な反応には驚かされました。

今回のトランプ大統領の演説が(少なくとも演説終了直後は)CNNの解説陣に好意的に受け止められた主な理由ですが、以下のポイントによるものだと思います。

  • これまでの選挙キャンペーンモードを引きずったような演説に比べるとトランプが「大統領らしかった」から。
  • (スティーブン・バノンなのか、イヴァンカの夫なのか分からないが)スピーチ・ライターの原稿が素晴らしかったから。
  • トランプ大統領もプロンプターの扱いに慣れたのか、演説の技術が向上したから。
  • 民主党が理想とする高福祉型社会、つまり「大きな政府」を目指してるかのような政策が示されたから。(これは「小さな政府」を目指す共和党の基本政策とは相容れないはずで議会の協力が得られるのか疑問だ。)

トランプのあまりの変貌ぶりに、演説終了直後は軽い興奮状態に陥ったCNN出演者達でしたが、この記事を書いている時点では、すでに数字上の矛盾点などを指摘した上で批判を展開しつつあります。(さすがCNNですね。)

トランプ批判の急先鋒、あのヴァン・ジョーンズも感動した瞬間とは?

今回のトランプ大統領の施政方針演説には、あのヴァン・ジョーンズをして「アメリカの政治史において最も素晴らしい瞬間の一つだ」とまで言わしめた瞬間がありました。

その瞬間をもたらしたのはトランプ大統領の娘イヴァンカ、・・・ではなく、イヴァンカの隣に立っていたキャリアン・オーウェンズという女性でした。彼女はトランプ政権下で初めて行われたイエメンでの対テロ軍事作戦で命を落とした海軍特殊部隊ネーヴィー・シールズの隊員ウィリアム・ライアン・オーウェンズの未亡人です。

それではトランプ大統領がウィリアム・ライアン・オーウェンズに触れた部分をスピーチ原稿から抜粋・翻訳してみましょう。

我々が国家として直面するチャレンジは強大だ。しかしながら、我が国民はさらに強大なのだ。そして制服に身を包んでアメリカのために戦う者達以上に偉大で勇敢な人達はいない。

今晩、我々は海軍特殊部隊の上級下士官ウイリアムズ”ライアン”オーウェンズの未亡人、キャリアン・オーウェンズをお迎えする栄誉に恵まれた。勇者であり英雄として生きたライアンは、我々の国家に安全をもたらすために、テロとの戦いで戦死したのだ。

議事堂の全員がスタンディングオベーションでオーウェンズ夫人に拍手を送ります。この時点で彼女はまだ着席したまま、必至に涙をこらえようとしていました。

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ただ、トランプ大統領が続けた演説の次の部分で彼女の様子が変化します。

私は先ほど戦果を確認したマティス国防相と話したのだが、彼は私にこう言った。「ライアンは、将来に渡りおさめることになるであろう、敵との戦いにおける数多く勝利に我々を導く膨大で価値のある情報をもたらした極めて優れた襲撃部隊の一員だった」

ライアンの遺産は永遠に刻み込まれたのだ。

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演説のこの部分で、溢れ出る涙もそのままに立ち上がったオーウェン夫人は、おそらく自分の夫に対して力強く拍手しながら天を仰ぎます。ここで再びスタンディングオベーションが起こり、おそらく2分以上拍手が続きます。その間、オーウェン夫人は歓喜の表情を浮かべながら天国の夫ライアンに語り掛けているように見えました。

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拍手がようやく鳴りやむと、トランプ大統領は原稿にないアドリブで夫人に語りかけました。

今、ライアンは我々を見ている。分かりますよね。ライアンは喜んでいるに違いない。今新記録を打ち立てたから。

2分近く鳴りやまなかった拍手のことを指して冗談を言ったトランプ大統領に、夫人は涙があふれた目で笑い返します。

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トランプ大統領はウィリアム・ライアン・オーウェンズに触れた部分を以下のように締めくくりました。

聖書は、自分の命を友人に捧げることほど愛の行いとして偉大なことは無いと説いている。ライアンは彼の命を、彼の友達と、彼の国と、自由のために捧げた。我々は決して彼のことを忘れないだろう。

以下が映像です。

演説のこの部分に多くのアメリカ人が感動したことは想像に難くありません。スピーチの内容もさることながら、オーウェン夫人の気丈な振る舞いに胸を打たれます。

軍事作戦には批判の声も

一方、既に報道されているように、今回のイエメンでの軍事作戦には疑問や批判の声が上がっていました。オーウェンの犠牲以外にも、死亡したアルカイダのアメリカ人幹部の娘とされる少女が犠牲になったほか、作戦に使用された航空機に損害があったことなどが理由とされています。

なお、退役軍人で元刑事のオーウェンの父親は、今回の軍事作戦に関する調査を訴えており、トランプ大統領の面会希望も拒否しています。

また、今回のトランプ大統領の演説内容に対しても「軍事作戦の失敗から国民の目をそらそうとする企み」として、あるいは「死者を政治的に利用した」として、早速非難の声が上がっているようです。

まとめ

就任直後としては最低水準の支持率にあえぐトランプ政権が、今回の演説である程度劣勢を挽回したことは間違いありません。

ただ、CNNの解説陣もコメントしていたように、ポピュリズム的な内容であった事は否めないと思いますし、実際に全ての項目に着手し、実現するのは容易ではないと思います。

日本に関わる部分としては、米国企業と並んでソフトバンクが雇用拡大につながる投資を計画する企業として好意的に紹介されたこと、アメリカの外交姿勢示す際に「かつての敵国と緊密な友好関係を結んでいる」と暗に日本にも言及したこと、貿易交渉では何よりも公正さを重要視するとしたこと、ヨーロッパ、中東、太平洋の安全保障に関与するが基地経費の公平な負担を求めるとしたことなど、特に目新しいものではありませんでした。(演説のトーンにも大きな違いを感じませんでした。)

個人的には、トランプ大統領の演説内容そのものよりも、オーウェン夫人の姿勢に心を動かされました。夫を亡くした悲しみ、あくまでも想像ですが、政治的に利用される可能性について義理の父親や周囲から反対や忠告を受けつつも最終的に議事堂に赴いた彼女の心境、そして夫が受けた最高レベルの栄誉に対する喜びが複雑に交じり合う様子が伝わってきました。

彼女に一日も/早く心の安らぎが訪れることを祈るばかりです。>(以上)

北野幸伯氏の8/2メルマガでBBCの記事を紹介していました。一部抜粋します。

「▼中国は、いかにトランプを懐柔したか???

BBC News 2月27日付で、キャリー・グレイシー中国編集長は、「中国は、どうやってトランプの反中を変えたのか?」について、「7つの理由」をあげています。

長い記事ですので、要約してみましょう。興味深いところは、引用します。そして、原文アドレスを最後にはりつけておきます。興味がある方は、全文読んでみてください。

中国が、トランプの反中を軟化できた一つ目の理由は?

<1. 家族や友人を取り込む>

中国は、トランプの家族を取り込むことにしました。家族とは具体的に、娘のイヴァンカさん、彼女の夫クシュナーさん、もう一人の娘ティファニーさんです。

<駐米中国大使の崔天凱氏は、トランプ大統領の娘イバンカさんに巧みに手を差し伸べた。ワシントンの中国大使館で行われた春節の祝宴にイバンカさんが出席した姿は広く報道され、イバンカさんは両政府の分断に橋を渡した。イバンカさんの夫、ジャレッド・クシュナー氏もまた、中国事業のパートナーを通じて中国政府につてを持っている。さらに、トランプ大統領のもう1人の娘ティファニーさんは、ニューヨーク・ファッション・ウィークで中国人デザイナー、タオ・レイ・ウォン氏のショーをあえて最前列で鑑賞した。>

そして、共産党の指令を受けた中国企業群も、いっせいに「アメリカに投資し、トランプさんを助けます!」と宣言しました。

<トランプ氏の私的な人脈を強化するため、中国で最も著名な起業家のジャック・マー氏はトランプ氏と会談し、自身が所有する電子商取引サイト、アリババで米国の商品を販売し米国に100万人規模の雇用を創出すると約束した。中国では民間企業にさえ共産党の末端組織が存在しており、国家の戦略的利益となると政府の命令に従うよう求められる。ジャック・マー氏は任務を背負っており、政府の方針にも沿っていた。ニューヨークのタイムズ・スクエアの屋外広告に、トランプ氏への春節の挨拶を掲載するため資金を提供した他の中国系企業100社も同様だった。>(同上)

<中国では民間企業にさえ共産党の末端組織が存在しており、国家の戦略的利益となると政府の命令に従うよう求められる。>

この部分、非常に大事ですね。

中国では、どんな巨大企業のトップでも、習近平の命令にはさからえない。

2番目の理由は。

<2. 贈り物をする>

これは、なんでしょうか?

<トランプ氏の企業帝国は物議を醸しているが、中国ではトランプ氏の商標に関する裁判が複数、棚上げ状態になっている。中国政府は、裁判所が共産党の影響下にあるという事実をはばから

ずに認めている。

(中略)

トランプ氏の商標登録の場合、必要な手続きは昨秋、派手な告知もなく迅速に行われ、裁判はトランプ氏の勝利で先週、集結した。>

(同上)

習近平は、裁判所を動かして、トランプの司法問題を解決し、喜ばせたと。さすがは「人治国家」中国。

3つ目の理由は、

<3. 必要な時まで声は荒げず>

これは、何でしょうか?

トランプさんは、明らかに中国を挑発していました。しかし、中国は、挑発に乗らなかった。

<大統領選挙活動中ずっと、中国を泥棒だとか貿易の強姦魔だと呼び、台湾について中国が頑なに守り続けてきた立場に挑み、中国を侮辱し、脅し続けたのだ。政府関係者はまた、南シナ海での取り組みを強化すると警告もしていた。しかしその間中ずっと、中国政府は鉄の如き自制心と抑制力を見せていた。>(同上)

<中国政府は鉄の如き自制心と抑制力を見せていた。>

実に立派です。これぞ「老子の戦略」ですね。

4番目の理由。

<4. 台本に納得するまでは語らず>

これは、トランプが「『一つの中国』の原則」を認める状況になるまで習近平は登場しないということ。

<ついにトランプ大統領と習国家主席との電話会談が実現した時、中国は自国が大切にしてきた「一つの中国」政策への米国の支持をあらためて取り付け、2人の出会いを尊厳あるものにもできた。習国家主席が決然とした忍耐強い役者であるという評判は、より一層高まった。トランプ大統領は、台湾について新しい立場を取ると話していたが、そのような発言は控えるに至った。>(同上)

5番目の理由。

<5. 甘い言葉は効果があるところで>

これは、「協力できるところから、協力関係を深めていこう」ということ。アメリカと中国が協力できるのは、もちろん「金」がらみ。ターゲットは、親中「財務省」、フラフラ「国務省」です。

<この電話会談以降、米中政府間では活発なやり取りが行われている。新たに財務長官に就任したスティーブン・ムニューチン氏は、中国の主要人物複数と経済政策について協議しており、ティラーソン氏も中国の外相である王毅外交部長や上級外交官の楊潔篪と会談を行っている。中国政府は、「習主席とトランプ大統領の間で達した合意」、つまり「不衝突、不対抗、相互尊重、相互利益への協力」を特徴とした関係の実現について協議を始めている。>(同上)

6番目の理由。

<6. 可能なものを与えよ>

これは、「口でいうだけでなく、実際にアメリカに与える」と。

<実際面では、相互利益というのはつまり、可能な際は常に譲歩や協力をするということだと中国は理解している。そして米国が懸念するある領域において、中国は協力する意思をすでに示している。北朝鮮からの石炭を輸入停止にすることによってだ。>(同上)

ホントに輸入を停止しているか、大いに疑問ですが・・・。少なくともトランプ政権は、信じているのですね。

7番目の理由。

<7. 相手の弱みを自分の強みに>

これは、なんでしょうか?RPE(北野氏のメルマガ)でも何度か触れましたが、「評判の悪いトランプさんと『逆』のことをする」。

具体的には?

トランプは、「ナショナリスト」なので、習近平は「私はグローバリストです!」と宣言する。

「中国の夢!」(=ナショナリズム)は、どこにいっちゃったのでしょう?

<世界の舞台では、習主席は、自分がドナルド・トランプとは違うということを巧みに示した。ダボスでの世界経済フォーラムで、習主席がグローバル化と自由貿易を擁護したのは有名な話だ。>(同上)

というわけで、習近平政権は、トランプが大統領になってから、「国をあげて」アメリカ新政権「懐柔」に奔走してきました。そして、大成功をおさめた。

BBC、キャリー・グレイシー中国編集長は、「中国の勝利」と断言しています。<こうした戦術でこれまで上げてきた効果について、中国政府は非常に満足だろう。

しかしこれは複数参加型の多面的なゲームで、長期的には多くの危険や罠が存在する。

中国は、危険をうまく中和し、トランプ大統領就任1ヶ月目という機会を巧みに利用した。

第一ラウンドは中国が勝利した。>(同上)

しかし、キャリー・グレイシーさんは、「戦術」的勝利とはっきり書いています。中国は、依然としてアメリカの戦略上「最大の敵」であることに変わりありません。

ですから、米中関係の平穏は長つづきしないでしょう。

http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-39099806

」(以上)

トランプがおとなしくなったのはキッツシンジャーの影響と2/18号の週刊新潮に櫻井よしこ氏が書いています。戦略的忍耐で時間を稼ぐためであれば良いでしょう。何せ施政方針演説で軍事予算を10%(540億ドル)増やす目的は中国の脅威に備えるため以外には考えられませんので。火蓋を切るとしても渡邉哲也氏が言う金融制裁からでしょうが。まず北朝鮮問題を片づけるのが先になります。

オバマケアは見直すにしても対案が出て来ない限り、見直せないでしょう。時間の制約などありません。あったとしても、2年後の議会選挙の時まででしょう。良い案が出なければ、其の儘でも良いのでは。篠原氏の書きぶりだと、トランプや共和党よりオバマが勝ったと喜んでいる印象を受けますが、リベラルはそう思いたいのでしょう。

記事

トランプ大統領と共和党は、オバマ前大統領のあらゆる「レガシー(政治的成果)」を書き換えようとしているが…。(写真:UPI/アフロ)

オバマケアの撤廃・置き換えは実は至難の業

トランプ大統領と共和党によって自身の「レガシー(政治的成果)」を書き換えられようとしているオバマ前大統領。だが、オバマケア(医療保険制度改革法)に関していえば、その“毒”が逆に共和党をむしばみつつある。

「私がいつも言っているように、オバマケアは機能していない。(中略)。われわれはオバマケアの撤廃と置き換えを進めていく」

2月24日に開催された保守の祭典、CPAC(保守政治活動会議)でトランプ大統領が改めて宣言したように、トランプ大統領と共和党にとって、オバマケアの廃止と代替プランの導入は引き続き政策実行リストの最上位にいる。

もっとも、大統領の鼻息とは裏腹に、オバマケアの廃止・置き換えには時間がかかっている。

2月16日にライアン下院議長はオバマケアの廃止・置き換え計画について共和党議員に説明したが、税制優遇を伴う医療貯蓄口座の普及や保険料の所得税控除など、従来の共和党の主張を踏襲しただけで、プランと呼べるようなものではないという声が上がった(ワシントン・ポストの記事)。ライアン議長の前任、ベイナー前下院議長も、オバマケアの完全なる置き換えはないという見立てを米ポリティコに述べている。

オバマケア撤廃の政治的打撃に気づいた共和党

共和党はオバマケアが成立して以来、同法の廃絶を声高に主張してきた。悪名高い2013年10月の政府の一部閉鎖も、翌年から実施が始まるオバマケアの予算案に反対したことが要因だ。

健康保険加入の是非を州政府ではなく連邦政府が決めるという点において、オバマケアは共和党の党是とも言える「小さな連邦政府」と、その党是と表裏一体の「個人の自由」というイデオロギーと真っ向から対立する。共和党、とりわけティー・パーティの流れをくむ保守層にとって、オバマケアの撤廃は譲れない一線である。

それだけに、トランプ大統領がホワイトハウスに入った現状はオバマケアの撤廃と置き換えを進めるまたとない好機だ。それなのに、置き換え作業がなかなか進まないのはなぜなのか。その最大の理由は、オバマケアの撤廃と置き換えに伴う政治的打撃の大きさに気づき始めているためだ。

約5000万人とも言われた無保険者をなくすために導入されたオバマケア。根拠法の“Affordable Care Act”という名前が示しているように、手頃な価格で国民が医療保険にアクセスできるようにすることが最大の狙いだった。持病を抱えている人でも保険に加入できるような制度設計にしたのも、国民のアクセスを保証するためだ。

財政負担なくして手頃な医療保険は成立しない

半面、民間保険会社のヘルスケアプランが中心の米国の場合、市場原理に委ねるだけでは保険料が下がらないと考えられたため、収入に応じて保険料の一部に補助金を投入するという仕組みになった。結果として増税につながった上に、保険会社がリスクに応じてプランを見直したことで、既に保険に加入していた人々(主に中間層)の保険料上昇やプランの劣化を招いた。その怒りが、トランプ大統領の勝利の一因だったことは記憶に新しい。

選挙期間中、トランプ大統領は市場原理を導入することで、オバマケアよりも優れた保険制度を導入すると主張していた。ところが、オバマケア設立の経緯を見ても分かるように、そもそも市場原理では解決できないと考えられたために現行の仕組みになっている。「補助金か税控除かはともかく、政府の財政負担なくして手頃な医療保険は成立しない」(ある大手金融機関の調査担当)という声が圧倒的で、代替案を考えること自体が難しい。

「私には死にかけている夫がいる」

さらに、導入から2年以上が経過して、オバマケアが有権者の既得権になっていることも共和党を縛っている要因だ。

プレジデントデーの祝日だった2月20日の週、共和党議員の多くは地元の選挙区に帰り、有権者との対話集会に臨んだ。だが、多くの場所でトランプ大統領に対する厳しい批判に晒された。怒号が飛び交うなど炎上した集会も少なくなく、その様子はメディアで報道された(CNNの報道)。批判した人々はカネで雇われたサクラだとトランプ大統領サイドは主張している。

集会で炎上したテーマは様々だが、多くの場所でオバマケアの扱いが焦点になった。オバマケアが廃止されることで、自分の保険はどうなるのかという不安だ。アーカンソー州のタウンホールで、同州選出のトム・コットン上院議員に声を詰まらせ訴えた女性の言葉は象徴的だ。

「私には死にかけている夫がおり、金銭的な余裕はありません。もし今よりもいい保険を提供してくれるのなら是非そうしてください。夫の保険料は月29ドルです。29ドルで必要としている給付を受けている。それよりもいい制度を作れるって言うんですか?」

最初からオバマケアがなければ、国民もそういうものだとあきらめていただろうが、本来、保険に加入できなかった層が保険を得れば、あるいは既往症があっても加入できるとなれば、それはもう既得権である。それを以前の状況に戻すのは政治的に極めて困難だ。タウンホールの発言からは、共和党がどのような代替案を考えたとしても、保険内容の劣化につながると考える有権者が多いことを示唆している。

「Repeal(撤廃)」ではなく「Repair(修理)」を

ライアン議長など共和党指導部は是が非でも廃絶したいと考えているが、代替案を用意しないまま葬り去れば政治的な打撃があまりに大きい。ポピュリズムの流れに乗って大統領選を勝ち抜いたトランプ大統領にとっても、オバマケアの廃絶で再び低所得者を無保険の状況に放置するという選択肢はない。

一方で代替案を考えるにしても、保険内容を劣化させずにオバマケアの補助金を削減していくことは至難の業。長年、オバマケアの撤廃を訴えているだけに現状維持というわけにもいかない。既に、オバマケアに仕込まれた毒は共和党の全身に回っている。

ライアン議長は議会の休会期間が開けた3月初旬、もしくは中旬までに見直し計画を出すと語っており、残された時間は短い。2月24日に米ポリティコがすっぱ抜いたオバマケア撤廃法案のドラフトを見ると(ポリティコの記事)、保険に加入しない人々に対する罰則やオバマケアに伴って導入された各種増税を撤廃するなど、現在のドラフトはオバマケアの根幹を骨抜きにするものだが、カバレッジの劣化は免れないという指摘は相変わらず多く、「撤廃(repeal)」ではなく「修理(repair)」を唱える共和党議員も増えている。

最終的に、オバマケアの撤廃と置き換えがどういう形になるのかはまだ読めないが、少なくとも単純な撤廃は政治的にあり得ず、国民に広くあまねく医療保険を提供するというオバマケアのコンセプトが存続することは確実だ。大統領令によるレガシーは大統領令によって覆されているが、オバマケアを巡る戦いでは、既にオバマ大統領は勝利しているといっても過言ではない。ライアン議長をはじめ共和党はどう対処するのだろうか。

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『「市街戦が始まる」と悲鳴をあげた韓国紙 「北爆」危機の中、南では左右対立が激化』(3/1日経ビジネスオンライン 鈴置高史)、『金正男報道は、朴大統領弾劾への興味そらすため?』(3/1日経ビジネスオンライン 趙 章恩)について

Facebookよりの記事で村上春樹著の「騎士団長殺し」には南京虐殺について刷り込みが為されるようなとんでもない記述があるとのこと。議論がある部分をわざわざ話題にするという事は大江健三郎と同じくプロパガンダ作家という事でしょう。ハルキストなるものは彼の正体に気付き早く読むのを止めることです。「日本を貶めてまで、ノーベル賞が欲しいのか」という意見もありましたが、パレスチナ国家に肩入れし、ユダヤ人国家のイスラエルに厳しい発言をしたことから、如何に日本を貶め、東京裁判史観に寄り添うともノーベル賞は無理でしょう。ま、小生は時間の無駄と思い、村上春樹の本は読んだこともないし、今後も読むことはないでしょうけど。

<その年の十二月に何があったか?

「南京入城」と私は言った。

「そうです。いわゆる南京虐殺事件です。日本軍が激しい戦闘の末に南京市内を占拠し、そこで大量の殺人が行われました。戦闘に関連した殺人があり、戦闘が終わったあとの殺人がありました。日本軍には捕虜を管理する余裕がなかったので、降伏した兵隊や市民の大方を殺害してしまいました。正確に何人が殺害されたか、細部については歴史学者のあいだにも異論がありますが、とにかくおびただしい数の市民が戦闘の巻き添えになって殺されたことは、打ち消しがたい事実です。中国人死者の数を四十万人というものもいれば、十万人というものもいます。しかし四十万人と十万人の違いはいったいどこにあるのでしょう?」

もちろんそんなことは私にはわからない>(以上)

韓国は反日が行き過ぎて、まともな国家運営ができなくなっています。李承晩の時代から反日が国家の成り立ちの基礎となっています。韓国憲法の前文からして、「悠久の歴史と伝統に輝く我が大韓国民は、三・一運動により建立された大韓民国臨時政府の法統及び、不義に抗拒した四・一九民主理念を継承し、祖国の民主改革と平和的統一の使命に立脚して、~」とあり、歴史的虚構以外の何物でもありません。米国に与えられた独立でしょうに。捏造・改竄が得意な民族です。抗日伝説のある金日成が朝鮮半島統治の正統性があると愚かな韓国人は思い、従北派になってしまう訳です。プロパガンダですが反日に重点を置くとそうならざるを得ません。

国家を二分する議論が行われることは民主主義国家として健全な証でしょう。しかし、威圧・暴力によってそれを解決しようとするのは成熟していない証拠です。米国の反トランプデモも然り。不法移民の連中がグローバリスト達の金で踊らされているだけでしょう。韓国の従北派は北の裏に中国がいることには気づいていないようです。世界の左翼・リベラルの論調は中国が裏で糸を引いていると考えた方が良いのでは。戦勝国組織の国連ではなく、自由諸国連合から成る新たな組織を作った方が良いです。

韓国民は自責で考えることができない『恨』の民族であり、『事大主義』で強きに転ぶ破廉恥な民族でもあります。歴史的に蝙蝠外交を続けてきたのであり、告げ口外交も中国の機嫌を取るためという部分もあったでしょう。それが今や中国から制裁を受けている立場ですから。自分の都合で立場を変える人間は基本的に信頼されません。嘘つき中国人にさえも、です。

鈴置記事

2月25日、保守派の集会は300万人を動員(主催者発表)、特大の星条旗も持ち込まれた。朴槿恵大統領の弾劾を求める集会との衝突が懸念されている(写真:AP/アフロ)

前回から読む)

韓国で左右対立が激化、力の衝突を懸念する声が高まる。3月上旬にも朴槿恵(パク・クンヘ)大統領弾劾の可否に判断が下る。それを目前に、双方が「負けたら従わない」と言い出したのだ。

血がアスファルトを覆う

鈴置:最近の韓国紙には悲愴感が漂っています。各紙とも「このまま行くと、内乱状態に陥る」と訴えています。

朝鮮日報の「大統領側『アスファルトに血』、驚愕すべき法治拒否騒動」(2月23日、韓国語版)のポイントを訳します。

  • 我が国では弾劾を決めよと要求する「ろうそく(集会)勢力」と、棄却を要求する「太極旗(集会)勢力」が厳しく対峙する。彼らは自分たちが望む結果が出ない場合、従わないとの意向を堂々と打ち出した。
  • 2月22日に憲法裁判所で開かれた弾劾審判の弁論で、朴槿恵大統領側の弁護人、金平祐(キム・ビョンウ)弁護士が「(憲法裁判所が公正な審理をしないのなら)市街戦が起き、アスファルトが血で覆われるだろう」と語った。
  • 同弁護士は「大統領派がこの裁判は無効だと主張し、内乱状態に突入することもあり得る」「英国のクロムウェル(Oliver Cromwell)革命では100万人以上が死んだのだ」とも言った。
  • 早期に大統領選挙が実施された場合、政権を握る可能性の高い「共に民主党」の候補者も、ただ1人として憲法裁判所の決定に快く従うと約束していないのが現実だ。
  • 安煕正(アン・ヒジョン)忠清南道知事は2月22日、弾劾棄却が決定された際に「国民の喪失感を考えると、憲法的な決定だから承服するとは言い難い」と語った。文在寅(ムン・ジェイン)前代表は「私は従う」としながらも「民心とかけ離れた決定が出れば、国民が認めないだろう」と解説した。

なお、金平祐氏は大韓弁護士協会の会長を務めたこともある大物弁護士です。「そんな人がなんと過激なことを」と思う日本人も多いと思われますが、韓国の保守からは拍手があがりました。

「こんなことで弾劾し、いちいち大統領を辞めさせていたら今後、誰が大統領をしようと弾劾合戦に陥り、国が滅茶苦茶になる」との理屈からです。

破局を避ける道は?

中央日報も社説「葛藤をそそのかす大統領候補、破局を望むのか」(2月26日、韓国語版)で「このままでは解放(日本からの独立)直後のように、極度の左右対立で国が混乱に陥る」と警告を発しました。

東亜日報は社説「27日に弾劾最終弁論…憲法裁判所に従わないのなら汚辱の歴史に」(2月27日、韓国語版)で「いずれになろうと、広場(力)の論理で憲法裁判所の審判に不服を唱えるなら、大韓民国の憲政史に汚辱を残すだろう」と訴えました。

朝鮮日報は連日のように社説で「内乱勃発」を防ごうと訴えています。先に引用した社説に続き、2月24日には「弁護士協会と憲政会、『候補者は憲法裁判所の決定に従うことを明らかにせよ』」(韓国語版)を載せました。

同じ24日には別の社説「憲法裁判所で繰り広げられた光景は破局の予告編でもある」(韓国語版)で「弾劾が棄却されれば革命、弾劾されれば血、という2つが対立する行き止まりに入りこんだ」と危機感をあらわにしました。

—韓国に破局を避ける道はあるのですか?

鈴置:憲法裁判所が審判を下す前に、朴槿恵大統領が自発的に下野し、弾劾訴追そのものを無効にする。見返りに朴大統領はいかなる刑事訴追も受けない――とのアイデアが語られもしました。しかし、大統領側が拒否しました。

政治テロ恐れ、裁判官も警護

—自分の意見が通らない場合、両勢力は具体的にどうするつもりでしょうか?

鈴置:「太極旗勢力」――弾劾に反対する保守派からは、戒厳令を求める声があがっています。弾劾の審判が出た際、戒厳令を布告して憲法を停止すれば、それを無効にできるとの思惑からです。

左派系紙、ハンギョレは「太極旗には苦労が多い」(2月24日、韓国語版)という記事に、太極旗集会への参加者が「戒厳令を布告せよ」「戒厳令が答!」と書いた腕章を巻いている写真を載せています。

敢えてこの写真を使ったのは、左派系紙として「保守派は戒厳令を考えているぞ」と警戒を呼び掛ける狙いからでしょう。

そもそも、大統領の下野を要求するデモが始まった2016年秋の時点で保守からは「弾劾を防ぐには戒厳令を布くしかない」との意見が出ていました(「『悪手』を重ねる朴槿恵」参照)。

憲法裁判所が弾劾を決めた際、保守勢力が強力なデモによって市街戦状態を作り出し、戒厳令を引き出そうとしても不思議ではありません。

すでにテロの恐れから、憲法裁判所の裁判官や文在寅・前代表には警護がついています。東亜日報の社説「政治暴力の影差す2017年の韓国」(2月24日、韓国語版)は以下のように訴えました。

  • 万が一、法治主義を蹂躙する政治テロが起きた場合、産業化と民主化を成功させた世界10位圏の大韓民国の政治文化は、左右のテロが横行していた解放当時に墜落する。

棄却されても戒厳令

—一方の「ろうそく勢力」は弾劾が棄却されたらどうするのでしょうか。

鈴置:巨大なデモを組織して青瓦台(大統領官邸)と憲法裁判所に押し掛けるのは間違いありません。「共に民主党」の次期大統領の有力候補は2人とも「国民が認めない」と言っています。その1人、文在寅・前代表は「棄却されたら革命だ」とも語っています。

青瓦台に巨大なデモが押し寄せたら、あるいは保守勢力との間で市街戦が起きたら、政権は戒厳令を布くかもしれません。弾劾が棄却されてもやはり、戒厳令布告という非常事態に韓国が陥る可能性があるのです。

—弾劾が認められるものの、戒厳令が布告されないという状況は考えられませんか?

鈴置:もちろんありえます。弾劾が決まれば60日後に次期大統領を決める投票が実施されます。現在、大統領権限代行の黄教安(ファン・ギョアン)首相が戒厳令を布告せず、選挙管理内閣に徹すればそうなります。

ただ、この場合も憲法が停止される非常事態――クーデターが起きるかもしれません。次の大統領選挙では左派が政権を握りそうだからです。

韓国ギャラップの2月第4週の調査(韓国語)で、支持率1位は文在寅(ムン・ジェイン)前代表で32%。2位は安煕正知事で21%。いずれも「共に民主党」の党員です。

保守からは3位に黄教安首相が顔を出しますが、支持率は8%に過ぎません。弾劾後の大統領選挙は事実上、左派同士の戦いになると見られています。

左派政権なら米韓同盟は崩壊へ

—左派が権力を握ったらクーデターが起きるというのですか?

鈴置:その可能性があります。左派、ことに文在寅・前代表が権力を握れば韓国は一気に「離米従北」すると、保守側が見なしているからです。

米中どちら側に付くか――の踏み絵となっているTHAAD(=サード、地上配備型ミサイル防衛システム)に関し、文在寅・前代表は在韓米軍への配備容認を見直すと宣言しています。

北へのドル送金のパイプとなっていた開城工業団地や金剛山観光も再開すると言っています。韓国のコメと北の鉱産物を交換するとも言い出しました。現時点でそれらを実行すれば、国連の対北朝鮮制裁違反です。

もちろん米国もこの動きに注目しています。米国のアジア関係者が日本の専門家にまで「文在寅が当選したら韓国は我々側に留まると思うか」と聞くようになりました。

韓国の保守は死に物狂いです。「文在寅大統領」が登場すれば、米韓同盟が消滅しかねない。核を持った北朝鮮の言うことを唯唯諾諾と聞く韓国になってしまう――。

保守系紙の朝鮮日報は社説「文の『コメと鉱物の物々交換』、核と毒ガスが目に見えぬのか」(2月27日、韓国語版)で、露骨な文在寅攻撃に出ました。結論部分を翻訳します。

  • 昨年12月、文代表は「躊躇なく言う。私は(米国よりも)北朝鮮に先に行く」と語った。「事前にその必要性に関し、米日中に十分に説明する」とも言ったが、核・ミサイルはそのままにして金正恩を延命させる恐れがある。
  • 国際社会は北朝鮮の化学武器を核に次ぐ脅威と見なし始めた。それでも文代表は対北制裁案と圧迫案を、国民に一度としてきちんと説明したことがない。関心自体がないようだ。これでいいのか。

膨らむ太極旗集会

朝鮮日報はさすがに「クーデターを」とは主張しません。しかし真の保守――右派を自認する趙甲済(チョ・カプチェ)氏は、左派政権登場の際のクーデターを念頭に執筆・発言してきました。

それしか韓国の左傾化を防ぐ道はないとの思いからです。(「『民衆革命』はクーデターを呼んだ」参照)。「太極旗集会」には「国軍よ、立て」とのプラカードも目立つようになりました。

ただ、趙甲済氏ら保守は当面の目標として弾劾の棄却を目指しています。有力な保守の大統領候補が存在しない以上、まずは弾劾を棄却させ時間を稼ぐしかないのです。

2017年12月の通常の大統領選挙に持ち込めば、それまでに風向きが変わるかもしれません。例えば北朝鮮との間に緊張が高まれば、文在寅候補の票は大きく減るでしょう。

保守は今、弾劾棄却のために「ろうそく集会」に負けない数の参加者を「太極旗集会」に集めようと必死です。憲法裁判所が「ろうそく集会」の数の力を恐れ、弾劾を認めることを防ぐのが目的です。

集会参加者数のグラフをご覧下さい。主催者発表ベースでは保守派――「太極旗集会」が反・朴大統領派の「ろうそく集会」を上回っています。いずれも自己申告ベースですから、かなり多めの数字と思いますが。

変質した「名誉革命」

—警察のデータでは?

鈴置:警察発表によると、1月7日の集会で「太極旗」が「ろうそく」を抜きました。なお、「ろうそく側」からの抗議でその後、警察は参加者数の発表をやめてしまいました。

だから現在の正確なところは分かりません。ただ、現場を見た人によると「太極旗集会」への参加者が急速に増え、少なくとも「ろうそく」と変わらない規模に育っているようです。

それを左派も脅威に感じたのでしょう。ハンギョレは「怒るほどに明るく・・・『ろうそく』を降ろしてはいけないわけ」(2月10日、韓国語版)で、2016年12月9日に弾劾訴追案が国会を通った後、参加者数が伸び悩んだ「ろうそく集会」へのテコ入れを図りました。

韓国人は「名誉革命」と胸を張っていたのに……(「『名誉革命』と」韓国紙は自賛するのだが」参照)。

鈴置:当初「ろうそく集会」に参加していた人の中には根っからの左派もいました。が、多くは朴大統領の権威主義的な手法に嫌悪を感じた普通の人々でした。

最近の「ろうそく集会」には「共に民主党」の大統領候補も加わります。次の大統領選挙をにらんでのことです。主催者団体の一部は「THAAD反対」も唱えるようになりました。保守的な人は参加に二の足を踏み始めました。

一方、「太極旗集会」に参加する人は親・朴槿恵派もいます。が、相当部分は朴大統領のやり方に疑問を感じながらも、左傾化した韓国には絶対に住みたくないという人です。

「星条旗」で「ろうそく」を消す

—2つの集会は弾劾に賛成するか否か、だけで対立しているのではないのですね。

鈴置:その通りです。大統領選挙を前に左右対決の場となったのです。象徴的なのは「太極旗集会」に多数の星条旗が登場するようになったことです。

小さな星条旗と太極旗を重ねて2本持つ人もいれば、巨大な星条旗を掲げる人もいます。「米韓同盟を守ろう」「ろうそく勢力が勝てば米韓同盟がなくなるが、それでもいいのか」との訴えです。

—今後の展開は?

鈴置:憲法裁判所の裁判官の1人が3月13日に退任することから、3月上旬に弾劾への審判が下されると見られています。

左右両派はこれまでの土曜集会に加え、独立運動を記念する「三一節」つまり3月1日にも大量動員をかける方針です。もちろん憲法裁判所への圧力が目的です。

「名誉革命」と自賛した韓国の政治騒動は、力で物事を決する「クロムウェルの革命」に変わり始めています。

始まった暴力沙汰

—2つの集会の間で衝突は起きないのですか?

鈴置:いずれもソウル一番の大通り、世宗路で開かれます。「ろうそく」は北の方に、「太極旗」は南の側に集まります。警察はその間に2万人弱の機動隊を置いて衝突を防いできました。

とは言ってもごく近い場所で開くので、韓国メディアは左右対立が激化する中、物理的な抗争が起こるのではないかと懸念しています。

2月25日には両派の間で小規模ながら暴力沙汰が起きました。中央日報の「太極旗集会で引火物質携帯していた60代の男を立件=韓国」(2月26日、日本語版)が伝えています。

理念闘争に明け暮れた日々

—第2次朝鮮戦争が起きるかもしれないという時に、当事者の韓国は……(「弾道弾と暗殺で一気に進む『北爆時計』の針」参照)。

鈴置:内輪もめです。朝鮮日報は社説「新幹会90年、統合運動の烈士が嘆く子孫の分裂」(2月16日、韓国語版)で、次のように嘆きました。

  • 北朝鮮の核が民族の生存を危険にさらし、周辺の強大国の争いが日増しに激しくなるというのに、我が政界では党派が四分五裂し、自分の利益を守るのに血眼になっている。
  • 大統領の弾劾を巡る憎悪と敵対感を見るにつけ、国連の信託統治に賛成か反対かに分かれ、生きるか死ぬかの理念闘争に明け暮れた解放直後を思い出す。

韓国の指導層も状況は十分に理解しています。でも、どうにもならないのです。

(次回に続く)

趙記事

クアラルンプールの空港で残留薬物を検査する特殊チーム(写真:ZUMA Press/アフロ)

金正男氏とみられる人物がマレーシアで殺害された事件をめぐって、韓国メディアが連日、報道合戦を繰り広げている。「速報」「単独報道」の見出しがあちらこちらで飛び交う。しかし、その多くが日本とマレーシアメディアの報道を後追いしたもので、北朝鮮の情勢に関して韓国がもっとも情報を持っていないのではないかとの不安が広がっている。

韓国では、朴槿恵大統領の弾劾に北朝鮮問題まで重なり、落ち着かない日々が続いている。今でも毎週土曜日にはソウル市内の光化門広場で、朴大統領の退陣を求めるろうそく集会が行われる。その現場に、弾劾に反対する朴大統領支持者らも集まる。弾劾反対集会の現場では発行者不明の「偽新聞」が配布され、それを情報ソースとする根拠不明の北朝鮮関連ニュースがSNSで拡散している。

2月27日付の中央日報によると、金正男氏は「北韓(編集注:北朝鮮)が国家主導で起こした化学武器使用テロ」で殺害されたとみなすべきとの意見が出ている(マレーシア警察は最終捜査結果をまだ発表していない)。マレーシア当局が逮捕した容疑者らはFTF(外国人テロ戦闘員=Foreign Terrorist Fighter)というわけだ。FTFは過激派組織「IS(イスラム国)」が全世界の若者を集めてテロリストにしているのを受けて登場した用語。国連安全保障理事会の定義によると、テロを実行・準備・計画・参加する目的で本人の国籍国以外の国に移動する個人を意味する。

「北韓は化学武器を使用」

中央日報は韓国政府関係者の話として、「北韓の工作員がマレーシアまで行き第3国人を雇って空港で(金正男を)殺害した。(神経性毒ガス)VXを使用し、他の民間人や空港施設を2次被害に陥れることも恐れなかった。これはFTFがしていることと同じだ。『北韓をテロ支援国に再指定(2008年に解除)すべき』という美国(編集注:米国)と(韓国政府は)同じ考えである」と報じた。

複数の韓国メディアによると、韓国の外交部(韓国の「部」は日本の「省」)は、国連が使用を禁じた大量殺傷を目的とする化学兵器を北朝鮮が所有し、実際に使用したとみなしている。韓国政府としてはVXガスを使用した対韓国テロを警戒しないわけにいかない。そのため、同政府は北朝鮮をテロ支援国に再指定して、民間企業の対北朝鮮輸出はもちろん、全ての援助を断ち切るべきと厳しい姿勢を見せている。

2月27日に開かれた国会情報委員会全体会議に、国防部の情報本部長が出席。金正男氏殺害事件について今までの経緯を説明し、対策を講じた。統一部(北朝鮮関連政策を担当する省庁)のチョン・ジュンヒ報道官は、同日の定例記者会見で、「北韓が化学武器を、民間人を相手に使用したことを強く糾弾する。化学武器禁止協約違反であり、国際規範に露骨に違反した」と批判した。

外交部のユン・ビョンセ長官は、国連人権理事会とジュネーブ軍縮会議に出席するため26日に出国した。仁川空港で記者らに向けて「(会議では)北韓が化学武器を保有することの危険性と、それを使用することの不当性について説明し、国際社会の対策、特に北韓当局の責任究明と(VXを製造・使用した)関連者に対する例外なき処罰を求める」と話した。

外交部によると、当初、同理事会には次官が出席する予定だったが、金正男氏殺害に国際的に禁じられている化学兵器が使用されたことが確認されたため、長官が自ら会議に出席し、事の重大さを国際社会に伝えることにしたという。

韓国政府と国民に対するテロにも警戒が必要

国家情報院は事件後の2月15日、国会情報委員会で次のように説明した。「金正男殺害は事件の3~4時間後に認知した。殺害は金正恩が発した暗殺命令に基づくもので、金正恩が命令を取り消さない限り、工作員は必ず履行しないといけない。北韓の工作員は最初、北韓の中で金正男の暗殺を試みたため、金正男は2012年シンガポールへ逃避。『命令を取り消してほしい。自分の逃げ道は自殺しかないことをよくわかっている』という内容の手紙を金正恩に送ったこともある。しかしその後も暗殺命令は取り消されていなかったことになる」。

「中国との関係が悪化すると知りながら金正恩が金正男を殺害したのは、金正恩が偏執狂的な性格だからだとみられる」  「金正男が韓国に亡命を試みたことはなかった。韓国に2016年に亡命したテ・ヨンホ前・駐英北韓大使館公使の警護を強化している」

ファン・ギョアン大統領権限代行は2月20日、国家安保会議・常任委員会を開き、以下のように述べた。「(金正男殺害)は容赦できない反人倫的犯罪行為でありテロ行為である。政権を維持するためには手段と方法を選ばない北韓政権の無謀さと残虐性を見せつけた。北韓のテロ手法がより大胆になっているだけに、韓国政府と国民に対して北韓がテロを実行する可能性にも格別に警戒しないといけない」。

「3月に始まる韓美軍事訓練を通じて北韓の挑発を強力に抑制すると同時に、国民が国家安保に対して信頼と自信を持てるようにする。政界を含め安保に関して国民が団結した声を出す必要がある」

公営KBSの報道は親・朴大統領に偏向?

韓国では、朴槿恵大統領をめぐるスキャンダルを捜査する特別検事の活動期限が2月28日に終了し、同大統領の弾劾の是非を決める判決がもうすぐ下される。さらに、大統領選挙の前倒しをめぐる保守派と進歩派の闘争がピークに達している。一部進歩派の間では大統領選挙前の「北風」がまた始まったのではないかと懸念する声がある。

北風とは、1997年に大統領選挙が実施された時、与党ハンナラ党が擁する候補への支持を高めるため、大統領官邸で働く行政官3人が北京で北朝鮮側に接触し、「休戦線付近で武力騒動を起こしてほしい」と依頼した事件をいう。国民を不安にすることで、「北朝鮮に人道的支援をすべき」と訴える野党候補(当時の金大中候補)ではなく、保守候補に票が集まるよう仕向ける狙いだった。大法院(日本の最高裁判所に当たる)の判決で、この行政官3人は国家保安法違反で有罪が確定した。

これ以来、韓国のネットには、大統領選挙を前にして北朝鮮がミサイルを発射したり、おかしな行動を取ったりすると、「北風ではないか」と疑う書き込みが増える傾向がある。今回も、政府の発表もメディアの報道も疑わしく見えて、何を信じたらいいのかわからない状況に陥っている。

全国言論労働組合は22日に報告書を発表し、公営放送KBSの報道が偏向していると主張した。KBSが15~22日に報道したニュースをモニタリングしたところ、金正男氏の殺害に関する報道ばかりで、朴大統領の弾劾や特別検事の捜査動向、次期大統領選挙に関する報道は縮小されていたという。

全国言論労働組合は、さらに次のように指摘した。  「KBSは特に2月16日以降、民放のソウル放送や文化放送に比べ3倍近く長い時間を金正男氏殺害関連ニュースに割き、朴大統領弾劾ニュースを流す時間を短くした」  「ニュースに対する価値判断は放送局によって違うが、それにしてもKBSは偏っている。事実関係が不明な推測報道で国民の不安を刺激している。このままでは国民を混乱に陥れる可能性がある」  「KBSは『北風』報道を行い、大統領弾劾に向かう国民の視線を他へ向けようとしているのではないか。KBSは正確な事実を伝えるという公営放送の役割を全うすべき」

朴大統領と金正男氏につながり?

一方、週刊キョンヒャンやキョンヒャン新聞が2月11日に報じたニュースが、保守派を支持する勢力に衝撃を与えた。「朴槿恵大統領が2002~2012年まで理事を務めたヨーロッパコリア財団は、金正男を窓口にして金正日と繋がっていた」という。ヨーロッパコリア財団が、統一部の許可なく金正男氏とメールのやりとりをしていたことも、関連人物のインタビューや証拠をもって報道した。北朝鮮に対して厳しい姿勢をとってきた朴大統領に、裏の面があったことになる。

そして、この報道の2日後に金正男が殺害されたことも話題になった。

週刊キョンヒャンは2月15日に別の記事で、「本誌が2月11日に報道をしたことが、金正恩委員長を刺激し、金正男氏の殺害につながった」という北朝鮮専門家の意見を報じた。

さらに「2012年の大統領選挙の時、国家情報院は金正男を韓国に亡命させるか、または金正男のインタビューを地上波の文化放送に流す計画を立てていた」という。北朝鮮との間に安全保障上の問題があることを読者に改めて知らせることで保守派に有利な世論を作り、朴槿恵候補への支持を高める狙いだったという。

週刊キョンヒャンはこの報道の中で、金正男氏がヨーロッパコリア財団側に送信したメールの原本も公開した。

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