『THAAD韓国配備開始、止まらぬ中国のロッテ叩き 中国内の店舗閉鎖、大規模事業中断、ねつ造文書の拡散も』(3/17日経ビジネスオンライン 北村豊)について

中国は人口の多さを武器にして投資誘導、技術を総て奪い尽したら、中国市場から追い出しをかけます。コンビニだってそうでしょう。中国は一党独裁で、個人であっても、営業許可証、生産許可証を持たない限りビジネスできません。許認可権を全部役人が持っています。賄賂の世界です。コンビニもノウハウを日本企業から奪って、中国国内企業に認可をドンドン下ろしていきました。

https://messe.nikkei.co.jp/fc/news/134185.html

今回は韓国企業だけでなく、日本企業も商品撤去させられました。これからドンドンこういう動きが出て来るでしょう。2005年の反日デモ、2012年の反日デモは官製デモです。共産党一党独裁の中国に集会の自由はありません。何せ反共デモを一番恐れている訳ですから。反日デモは共青団の若いのを使って、裏から大量動員させ、わざと暴徒と化させ、日系企業を震え上がらせるのが目的です。こういう国に投資し、援助してきた企業が馬鹿と言うもの。

http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20170317/frn1703171130002-n1.htm

http://www.newsweekjapan.jp/column/furumai/2012/10/post-567.php

中国工作員の富坂聰は官製デモでないと主張していますが、拓大は良くこういう嘘をつく人間を雇っていると思います。中国はシステム上、官製デモしかできません。労働者のストですら禁止されていて(明確に法で禁止している訳ではありませんが、実態として禁止)、公安の取締り対象です。一般人のデモが許される筈がありません。

http://www.pressnet.or.jp/news/headline/121129_2194.html

http://www.iewri.or.jp/cms/archives/2011/08/post-32.html

1915年の日本の「対華21ケ条」を不当として、1919年5月4日に、国民の反発を利用して五四運動を起こさせ、「抵制日貨」(=日本製品ボイコット)といって攘夷を実現させようとしました。中国人の心の根底には中華思想があり、儒教秩序があって(華夷秩序)、馬鹿にしていた日本からしてやられたことを快く思っていなかったと思います。でも、満州は漢人の土地ではありません。清国のラストエンペラー愛新覚羅溥儀を政権から追い出した時点(辛亥革命、1911年)で満洲人に返さなければ。漢人に了解を取り付ける所がミスコースなのでは。まあ、溥儀が満洲に帰ったのが1931年の満州事変後ですから、仕方がなかったのかも。でも、「対華21ケ条」は袁世凱が日本を騙して、日本に要求という形を採らせ、世界に日本の強欲ぶりを見せつけようとしたのです。騙される方が悪い。時は大隈内閣、加藤高明外相時代、諭吉の「脱亜論」と比べると、どちらが先を読む力を持っていたかが分かります。ただ慶應卒の経営者が喜んで中国に出て行ったのを諭吉が草葉の陰から見て、どう思うかです。

http://d.hatena.ne.jp/jjtaro_maru/20100929/1285712786

北京駐在時代には、北京の食品工場を訪問したことがあります。工場長がワンマンのトップを恐れていたのが印象に残りました。韓国系企業全体に言えるのでしょう。トップは絶対権力を持ち、異論を許さない雰囲気です。サムスンも多分そうで、「恨」の感情を持つ国民から、朴槿恵同様その地位から引きずり降ろされ、拍手喝采されたのでしょう。韓国民は将来が読めないという点では愚かと思いますが、今まで富を独占してきたやり方が復讐を受けているのだと思います。

ふるまいよしこ氏の『中国メデイア戦争 ネット・中産階級・巨大企業』を読みました。中共はSNSが脅威になることを敏感に察知し、ネット社会に党主導で組織を作り、さも一般人が発言するようなふりをして世論誘導をしているとのこと。五毛帮が良い例でしょう。それに引き換え、日本政府の取り組みは危機感が無いです。敵はあらゆる手段を利用してプロパガンダに使用しているのに。少なくとも総務省はTV局に入札を導入して電波使用料を上げるべきです。それすらできないのでは、ネット社会には対応できません。『中国メデイア戦争 ネット・中産階級・巨大企業』の中から少し紹介したいと思います。

P.178~181

編集部の「裏切り」

「南方週末」の編集者と記者たちに向けられたウエイボユーザーの「報道の自由を!」という声援でタイムラインが沸いていた頃、党直轄のタブロイド紙「環球時報」が、「事件は西洋諸国が裏で煽っている」という内容の社説を掲載した。続いて、共産党のイデオロギー宣伝担当部門の中央宣伝部からも事件を「海外敵対勢力の介人によるもの」と決めつける通達が下った。そうしてウェイボなどの公的な場で記者たちによる「南方週末」編集部への声援が禁じられた。

中央政府は、人々が考えていた以上に事態を深刻にとらえていた。突然出てきた「海外敵対勢力」という言葉は、過去のチベット騒乱やウイグルでの暴動でも使われたものだった。

つまり中央宣伝部の通達は、この「南方週末」編集部の抵抗を、反国家的組織に操られた、国家転覆を狙う動きだと政府が判断しつつあるということを意味した。「国家転覆」容疑が中国においてどれほど深刻な「罪」であるのか。メディア関係者がそれを知らないはずがなかった。

あっという間にメディア関係者や「公知」からの抗議のトーンが落ち始めたなか、一月一〇日、「南方週末」の第二号が癸売された。なんと、事件解決までは職場をボイコットすると威勢よく叫んだはずの編集者たちは無言で職場に戻って新聞作りをしていたのである。しかし、ウェイボ上でそのことを説明する編集部関係者はもう一人もいなかった。

社屋ビル前に集まっていた人たちの前にも、編集部関係者は姿を現さなかった。同紙のある論説委員に至っては、「報道の自由を!」と叫ぶ人たちを指差して、ウェイボで「彼 らは何をやってるんだ?オレたちが頼んだわけでもないのに」とつぶやいた。このつぶやきは、中央宣伝部の通達を経てすでに同紙編集部が当局に屈服したと気がついていたメ デイア関係者から、激しい非難を浴びた。

事件の波紋

しかし、事件はそれほど簡攀に終わらなかった。

抗議活動を続けた市民活動の一部は逮捕され、その後有罪判決を受けている。その裁判において「南方週末」の編集関係者が証人として出廷し、被告らに不利な証言をしたとも言われている。あるメディア関係者は、「『南方棄』はこの判決をどう報道するんだろうな」と皮肉っていた。

さらに編集関係者に声援を送り続けた「公知」たち—そこには、メディアの論説員レベルの人たちや、マイクロソフトやグーグルの要職を歴任した企護の李開復氏、中国で活動していた台湾の人気夕レント伊能静さんなども含まれていた——は、次々に当局に事情聴取に呼び出され、マークされるようになった。IT起業支援業を営む李開復氏はこの 年癌罹患を公表して台湾での長期治療に入ったが、それも政治的な嫌疑を回避するためだったと信じている政治ウォッチャーは多い。

後に多くのメディア人の証言により明らかになったところによると、「新年のことば」をすり替えたのは、省宣伝部から送り込まれた同紙の編集長だった。その更迭要求は受け入れられずその一方で編集作業における記事検閲の体制が変更になった。それまで編集部では企画立案時と原稿提出後、さらに印刷直前のそれぞれに検閲が義務付けられていたが事件後には編集作業後の校正刷りチエックだけの「事後チェック」となった。

事件を経て編集部は、「報道の自由」などではなく、これまでよりちょっぴり多めの「編集の自由」だけを手に入れただけ。その後、結果に不満を抱いた人気論説員たち数人が同紙を去ったが、それでもこの事件の幕引きに加担し、社会的責任を果たさなかったと陰で言われ続けている。

この事件はメディア業界にも非常に大きな禍根を残した。当局はこの事件後、ますますメデイア菅理に力を入れるようになった。このときに積極的に声を上げた記者や公知たちの多くがブラックリストに入れられ、その後もたびたびマ—クされるようになった。

そして一番問題なのは、事態を真剣に見守っていた読者たちの多くが、事態が如何に解決したのかを知らされないまま、時問の流れの中に置いてけぼりを食ってしまったことった。

P.184~186

「デマ抑止」が名目の締め付け

ウェイボ利用の「七つの原則」が示された「中国イン夕―ネット大会」、そして続けて起こった薛蛮子事件以降、政府によるウェイボ利用の「ガイドライン化」が進められた。

ニ〇一三年九月には、今度は最高法院と最高検察院は連名で、「デマが五〇〇回『転送』 (リツイート)された、あるいは自分が転送したデマが五〇〇〇回読まれた場合、発信者は三年以下の懲役、強制労働、政治権利剝奪などが科される可能性がある」という通達を発表した。

また、それに合わせてウェイボ最大手の新浪も信用ポイント制度を導入。このポイント制は各ユーザーの持ち点の八〇ポイントから、「デマ」を流したと認定されれば五ポイン ト減点され、持ち点が六〇ポイントを下回ると、ファン(フォロワー)を増やすことができなくなったり、書き込みを他者が転送できなくなる。さらに四〇ポイントを割れば、フォロワーのタイムラインに自分の書き込みが表示されなくなり、〇ポイントでアカウント抹消、というものだった。

挽回の手段はあった。それはなんと、「他人がデマを書き込んだことを運営者に知らせること」。つまり密告である。これではまるで一九六〇年代から七〇年代に実際に他人を陥れ合った文化大革命のようじゃないか—。

ウェイボに夢中だった人たちは完全にしらけてしまった。なにが楽しくて、つぶやきのたびにいちいち自分の得点を気にしたり、他者を密告しなければならないのだ?だいたい何を「デマ」というんだ?政府がデマだといえば「デマ」なのか?だが政府は自分の都合の悪いことはすべて「デマ」だと言うではないか。

そこから、民間のデマ「民謡」と政府のデマ「官謡」という流行語が飛び交い、大議論となった。人々はもはや、一方的に与えられる情報をすんなりと信じるわけにはいかないと実感するようになっていた。

記事

ロッテマート、次々と営業停止に(写真:Imaginechina/アフロ)

3月6日、米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(Terminal High Altitude Area Defense missile、 略称:THAAD)」が韓国の烏山基地に到着した。翌7日、米韓両軍は北朝鮮の弾道ミサイル攻撃に備えてTHAADの韓国配備を開始すると発表したが、当初予定していた年末までの配備を大幅に前倒しし、早ければ5~6月にも運用を開始するものと思われる。

中国人に人気の「楽天集団」だが

THAADが配備されるのは韓国南東部の慶尚北道星州郡にあるゴルフ場「ロッテスカイヒル星州カントリークラブ」(以下「星州ゴルフ場」)の敷地である。その名からも分かるように星州ゴルフ場は、韓国第5位の財閥「ロッテグループ」(以下「ロッテG」)が所有していたが、2月28日にロッテGが韓国国防部との間で星州ゴルフ場と京畿道南揚州市にある国有地とを交換する契約に締結したことによりTHAADの配備が本格化することになった。昨年11月16日、両者は星州ゴルフ場と国有地を交換することで合意し、国防部は1月にも正式に契約を締結する積りだったが、THAAD配備に対する中国の反発が強かったためにロッテGの手続きが遅れ、2月末にずれ込んだのだった。

11月16日にロッテGが国防部と土地交換で合意し、星州ゴルフ場がTHAAD配備地に確定したと報じられると、中国はロッテGを標的とするバッシング(叩き)を開始した。

ロッテGは中国では“楽天集団”(略称:楽天)と呼ばれ、楽天は多くの中国国民にとって非常に身近な存在なのである。2017年の“春節(旧正月)”休暇(1月27日~2月2日)には615万人もの中国人観光客が韓国を訪れ、前年比7%増の史上最高を記録したが、彼らの多くが免税品を購入したのは“楽天免税店(ロッテ免税店)”であった。ある分析によれば、ロッテ免税店で中国人観光客が消費する金額は1日当たり6000万元(約9億9000万円)前後に上り、年間では219億元(約3614億円)という計算になる。

そればかりではない、楽天は中国国内にデパートの“楽天百貨(ロッテデパート)”5店舗とスーパーマーケットの“楽天瑪特(ロッテマート)”113店舗を運営しており、多くの人々が楽天で生活用品を購入しているのである。また、楽天は食品や飲料の製造販売、ファーストフードチェーンの“楽天利(ロッテリア)”などの事業を通じて中国国民に親しまれている。

韓国が中国と国交を樹立したのは1992年であった。その2年後の1994年に中国に進出を果たしたロッテGは、中国に累計10兆ウオン(約1兆円)の投資を行って事業を拡大してきた。今ではその市場は24の一級行政区(省・自治区・直轄市)に及び、中国における売上高は3.2兆ウオン(約3200億円)に達し、中国国内の従業員数は2万人に上っていると言われる。ロッテG、すなわち楽天が中国国内で展開する主要な事業の詳細は<表1>、<表2>および<表3>の通り。

ロッテマート、次々と営業停止に

12月に入るとこれら楽天の中国国内にある店舗や企業に対するバッシングが目に見える形で本格化する。中国政府は楽天の中国本社を含む全事業所に対する税務および消防検査を実施する方向に舵を切った。中央政府の意向をくんだ地方政府は楽天に対する監督を強化し、各地の“消防局”を動員してロッテマートの消防安全検査を実施し、不合格として店舗に対し営業停止を命じた。ロッテマートに対する消防安全検査は徐々にその件数を増し、12月中は数店舗だったものが、1月、2月と月を追うごとに増大した。

韓国の通信社「聯合ニュース」が3月8日付で報じたところでは、THAADの韓国配備が報じられた3月7日までに営業停止を命じられたロッテマートは39店舗であったが、翌8日には55店舗に増大したという。営業停止を命じられた店舗では正門に「“臨時査封決定書(臨時封鎖決定書)”」が貼られ、扉やシャッターには「〇〇市消防大隊“封条(封印紙)”」と書かれた紙が交差する形で貼られ、店舗は法的に封鎖された。

一方、3月3日の午前中にインターネットのコミュニティサイト“凱迪網絡”の投稿サイト“猫目看人”に、“藍心閣”というハンドルネームの人物が投稿した『楽天集団会長:中国人は“市儈(利に敏く)”、我々が値段を下げれば、彼らはすぐに買う』と題した文章が掲載された。同投稿サイトには多数の文章が掲載されており、同文章はほとんど読む人もなく放置されていたが、3日の夕方に“微博(マイクロブログ)”のブロガーで自称「作家」の“唐文立”が自身のブログに転載したことにより、次々と転載されて全国へ伝えられた。その全文は以下の通り。

作家 唐文立 03-03-19:29

韓国紙「環球新聞眼」はロッテG会長の“辛東彬”<注1>をインタビューした。目下中国人が楽天をボイコットしていることについて、ロッテGはどうする積りかと記者が質問すると、辛東彬は笑みを浮かべながら、「心配は要らない。中国人は非常に利に敏く、“無骨気無血性(気骨もなければ気概もない)”、我々が値下げすれば、彼らはすぐに買う。従来の経験から言って、中国人のボイコットは一時的で、突風が吹くようなものだ」と述べた。

<注1> 辛東彬(シン・ドンビン、日本名:重光昭夫)

ここまで言うと、辛東彬はカメラに向かって笑いかけ、「《Super Star K5》<注2>の中のパフォーマンスや気取り、激情のほとばしりなどは一時的な興奮に過ぎず、終わってみれば何もない。我々はひたすら値引きすればよく、そうすれば中国人はもうけものだと蜂のように群がってやって来る。数年前に日本の商品やフィリピンの果物のボイコットが行われたが、その結果、突風が吹き抜けた後は、日本商品もフィリピン果物も販売量が急増した。君は中国人を知らない。彼らは非常に功利的だから、我々は何も心配することはない。中国人がより重視するのは自分の利益であり、国家に対する責任感は希薄で、我々韓国人とは異なる。(転載)

<注2>《Super Star K5》は、韓国No.1の新人発掘オーディション番組

ねつ造文書も拡散

唐立文が転載した文章を読んだ多くのネットユーザーは、辛東彬の中国人を馬鹿にした傲慢な言葉に憤り、「楽天許すまじ」と決意を新たにしたが、一部の冷静なネットユーザーは、韓国に「環球新聞眼」などという新聞は存在しないし、新聞記者のインタビューを受けた際に、ロッテGの会長ともあろう者がこのような不用意な発言をするはずがないなどとして、当該文章の信憑性に疑問を呈した。その後、中国メディアも当該文章は韓国に対する反感を煽るためにねつ造されたものと断定したし、韓国紙「Newsway」も「ロッテG会長はいかなるメディアのインタビューを受けていない」と報じたことで、事態は沈静化した。しかし、文章の内容がねつ造であろうとも、扇動により燃え上がった楽天に対する敵愾心は容易に消えることはない。

3月4日付の“江蘇網(ネット)”は、3月3日の午後と夜に江蘇省“連雲港市”に6店舗あるロッテマートのうちの3店舗を取材した記事を掲載した。その記事によれば、平日で客は少ないと思っていたら、驚くことに、店内は買い物客で溢れ、レジは行列ができるほどに盛況だったという。楽天に対する反発が強まる中、ロッテマートにこれほどの買い物客が殺到しているのはなぜかと訝(いぶか)しく思っていたら、疑問が解けた。買い物客の9割以上はロッテマートの“購物卡(商品券)”を手にし、「商品券を全て使い果たしたら、ロッテマートには二度と来ない」と口々に言明しながら大量の商品を購入し、中には数万元(約50~80万円)の買い物をした客もいたという。

「反楽天」のデモ隊も

3月6日には河南省“鄭州市”の管轄下にある“新鄭市”のショッピングセンター“万佳時代広場(万佳タイムズスクエア)”に組織された「反楽天」を標榜するデモ隊が中国国旗を掲げて押しかけた。2階建ての万佳時代広場の屋上からは5本の垂れ幕が下げられ、1階の壁面には横断幕が掲げられた。そこには次のような標語が書かれていた。

(1)「“楽天”操你祖宗  “楽天”我日恁娘  老子不売了」  (“楽天”FUCK YOU “楽天”FUCK YOU 俺たちは“楽天”の商品を売らない) (2)「万佳人憤怒了  下架併銷毀楽天所有商品  楽天滾出中国去!」  (万佳時代広場の従業員は憤っている。全ての楽天商品を棚から下ろして廃棄しろ。楽天は中国から出て行け!)

万佳時代広場の前庭には店内から運び出された楽天製の食品や飲料が大量に積み重ねられていたが、工事用のホイールローダーがそれらを粉々に踏みつぶした。それを見ていたデモ隊や万佳時代広場の従業員、そしてそれを取り巻く野次馬たちはどっと歓声を上げたのだった。こうした楽天商品排斥の動きは今後全国で次々と展開される可能性が高い。

3月8日には中国の動画サイトに「“抵制楽天(楽天ボイコット)”」と題するわずか10秒間の動画が掲載された。その動画には中国の某小学校の講堂に集められた小学生たちが映し出され、彼らが壇上に映し出された「おやつを拒絶して、楽天をボイコットしよう。我が中華を愛するのを我々から始めよう」という標語を大声で唱えると、教師が生徒たちに「私たちは楽天のおやつを買うのを止めねばならない。それを自分の行動で示そう」と呼びかけていた。某小学校がどこにあるのか不明だが、小学生に対して「楽天ボイコット」を強要して洗脳していることは明白で、文化大革命(1966~1976年)時代の“紅小兵”<注3>を想起させる。こうした動きは中国全土の小・中学校に波及しているものと思われる。

<注3>7~14歳の小・中学生で構成され、中国共産党の指導下で活動した組織。

この動画を見たネットユーザーの1人は、「私の子供にこのような教育は不要だ。もしあんたがこのような馬鹿げた教育を自分の子供が受けるのを好きならば、誰も止めはしないけど」とネットの掲示板に書き込んだ。また、別のネットユーザーは、「久しく人を罵(ののし)ったことはないが、昨日この動画を見て我慢ならなかった。これも父親になったためだろうか、そこにあるのは絶望だけだ。あの教師は豚と同様だ」と書き込んだ。

2つの大規模プロジェクトも中断

しかし、こうした声を上げるのは一部の冷静な人々だけで、大多数の中国国民はお上の意向に沿って楽天ボイコットを叫ぶと同時に、THAADを配備する韓国からの進出企業や韓国製品に対し十把一からげで排斥を行うのである。それは上述したハンドルネーム““藍心閣”が投稿した文章に書かれていたように、「数年前に日本の商品やフィリピンの果物のボイコットが行われた」のと同様に、国民全体を巻き込んだ反楽天、反韓国の動きへと発展して行くのだ。

楽天が建設を進めていた2つの大規模プロジェクト、遼寧省“瀋陽市”の“瀋陽楽天世界”(投資額:3億ウオン=約3000億円、竣工予定:2018年)と四川省“成都市”の“成都楽天世界”(投資額:10億ドル、竣工予定:2019年)は、すでに工事の中断を余儀なくされた。中国政府“国家旅游局”は国内の旅行業者に3月15日以降は韓国行き団体旅行の取扱いを禁止するよう指示を出したと言われている。それが本当ならば、ロッテ免税店が莫大な損失を被ることは火を見るより明らかである。

3月15日は“国際消費者権益日(世界消費者権利デー)”だが、当日夜に中国国営テレビ“中央電視台(中央テレビ)”は「消費者の友特別夜会」を放映し、各種商品の問題点を厳しく指摘し、それが当該商品の販売に大きな影響を与える。今年の同番組では楽天商品を含む韓国製品および韓国進出企業の製品がやり玉に上がる可能性は大きいが、原稿締切日の関係で本稿ではその結果について言及することができない。果たして楽天は中国で生き残れるのか。

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