『台湾の自衛力』(3/21AC通信 アンデイ・チャン)、『トランプ政権、過去最大の武器供与を台湾へ   総額18億ドル、対艦ミサイル、フリゲート艦など』(3/22宮崎正弘メルマガ)、『台湾の蔡英文総統、潜水艦の自主建造を表明』(3/21 Newsweek)、について

本日は台湾関係のニュースです。日本が本年1/1より「交流協会」を「日本台湾交流協会」に名称変更したのに合わせ、今般台湾でも「台湾日本関係協会」に名称変更しました。

3/20李登輝友の会HPより<行政院が認可「亜東関係協会」を「台湾日本関係協会」に名称変更へ>

http://www.ritouki.jp/index.php/info/20170320-1/

兵頭二十八著『日本の武器で滅びる中華人民共和国』を読みますと、台湾関係についても書かれていますが、それ以外でも面白い部分がありますので紹介します。(主な頁だけ表記)

・尖閣を守るにはtripwire(=鳴子)を配置する必要あり。自衛戦争だけが国連憲章で認められているため。Tripwireとして、魚釣島に穴を掘り、日本の74式戦車を半分埋め、コンクリで固めて「沿岸砲台」とする。(当然人員配置する)。日本の施政権を強調できる。(P.32)

・ニクソン・毛の密約。「両国はICBMの競争をしない」、「米国は東京に核の傘をさしかけず、日本には決して核武装させない。東京は当分、中共からの核攻撃に対して丸裸にしておく。」(P.58)

(3/21三島由紀夫研究会主催の西村幸祐氏講演会で、氏は、片岡鉄哉氏から聞いた話で「沖縄返還交渉時、ニクソンは佐藤総理に日本の核武装を勧めたが、佐藤総理が断った」とのこと。日本側密使として若泉敬京産大教授が当たったが、この裏話を三島に話したのではと推測している。あくまでも推測でしかないが。それを基に三島は『美しい国』を書いた。これは映画化され、本年5月に封切りされる。核戦争の危機を書いたものだが、映画は原作と違っている。ただ、若い人は三島を知らない人が多いので、三島を知るきっかけとしては良いとのこと。)

・米国とNATOのニュークリア・シエアリングはB61(小型水爆)を分解して部品として貯蔵されているドイツ、オランダ、ベルギー、イタリアが「核の傘」があるとロシアは認識している。(P.74)

・日本に「核の傘」はあるか。71年11月の「非核三原則」衆議院決議で核の持ち込みすら拒否した形。(P.75)

・弾道ミサイル防衛の如何わしさ。弾道ミサイルは、その軌道の絶頂部分が、スピードが最低に。その時を狙って迎撃ミサイルをヘッドオン(正面衝突)できれば破壊が可。イージス艦も敵ミサイルの飛翔コースの中間点にいる必要あり。現実に中国大陸から発射されれば、朝鮮半島の陸地に阻まれ、位置することはできない。(P.95)

・中国の核脅威から逃れる術=中共体制を崩壊させ、各地に軍閥政府が乱立、米政府の特殊部隊が「核弾頭差押え」のため出動する。(P.100)

・中共の「アキレスの踵」は沿岸の大陸棚に沈底式機雷を撒かれること。(繋維式機雷と違い安い)。水深30m未満の浅い海面に機雷敷設は簡単。マレーシア、フィリピン、ベトナム、ブルネイ、インドネシアの海軍でも、特別な訓練は必要でなく、高額な専用設備も必要ない。(P.111)

・アジアに平和を齎すにはマレーシア、フィリピン、ベトナムでスプラトリー島嶼全域での領有権主張の調整が必要。+ブルネイは簡単。(四か国で軍事同盟を結べば良いという事)(P.129)

・これに対し、台湾は、『まあ、「本当に戦争にでもなったら、台湾から遠い海外へ逃げてしまえばよい」というのが、フットワークの軽い台湾国民の本音でしよう。そして政府にも、工廠などの固定資本に投資しても、内戦になれば持って逃げられないから損だ、という、チャイナ夕ウンの零細料理店主に似た思惑があるのかもしれません。

台湾軍がいくら望もうとも、台湾政府と国民は、台湾海峡に機雷を敷設することに反対するでしょう。大陸との往来ができなくなったら、ビジネスが干上がってしまうのは台湾湾人のほうなのです。

面白いのは、中共海軍もそこを見抜いていることでしょう。「こっちが機雷を撒けば台湾は終わりだぞ」と、よく宣伝しています。第三者から見たら、台湾海峡が機雷だらけになったら、中共軍は輸送船や揚陸艦で台湾へ押し寄せられなくなってしまうのですから中共側が困り、台湾側は喜んでよいはずです。』(P.131)

・『現今の台湾政権は、二〇一五年一〇月に、「一五〇〇トン級の国産潜水艦を整備する」 という計画を公表しています。しかし、もしその話が最速で前進しても、初号艦の就役は 二〇二五年よりも後になるらしい。

いったいその前に中共軍が上陸作戦を発起したら、彼らはどうするつもりなのでしょうか?

台湾の指導層は、大陸(中共)の最大の弱点が、「沿岸に機雷を撒かれると簡単に体制 が崩壊し、長期にわたって経済的三等国に転落するしかない運命にある」ということがよく分かっている。それゆえに機雷戦には乗り気ではないのだと想像しますと、台湾のこのような不自然な軍事政策が、矛盾なく説明されるように思います。

両国間には暗黙の了解があるので、台湾海軍もまた、沈底式機雷を探知•掃海するための近代的装備が事実上ゼロであっても、平気なのでしよう。』(P.157)

・『中共に筒抜けになる軍事情報

米国は、国民党がシナ大陸内に保持している人脈、すなわち親戚や戦前の知人を通じた情報の収集力を、貴重だと評価しています。

ところが一九八五年以降、大陸と台湾のあいだの直接商売や個人旅行が趨勢としてもう止めようがなくなると、それに乗じて台湾軍内にも中共側のスパイ工作が浸透しました。

台湾軍の中堅将校としては、いまさら台湾軍が大陸を征服できるわけのないことは判断できますし、その逆に米国政府次第では大陸が台湾を吸収してしまう事態があり得るという計算ができます。だから、古い長老将軍たちに義理立てするよりも、自分の現在や将来を考えるようになるでしよう。米国は、そこまで読んでいます。』(P.160)

・『台湾単独でも機雷戦で勝てるが

台湾経済は、一九九〇年代から、大陸経済への依存を強めてきました。そしてニ〇〇九 〜一三年にかけて、もう事実上、中共経済に隸属してしまったと見ていいのではないでしょうか。

インド、マレーシアもしくはインドネシアが(台湾の行動とは関係なく)、マラッカ海峡を機雷で封鎖した場合、中共の石油輸人はそれだけでも八割を断たれることになると思われますけれども、実は台湾単独で機雷戦に訴えても、中共を亡ぼすのにはもう十分なのです。

そうなってしまうのは、なにも現代の機雷がスーパー兵器だからではなくて、誰も予想もしなかったほど経済発展してしまった一九九〇年代以降の中共の「地政学的弱点」が、それだけ特異であるからなのです。

しかし、撒いた機雷の効果が長期におよぶことを、台湾人は怖れているように見えます。要するに台湾人は、中共経済を破壊したくはないのです。』(P.167)

著者は中国に民主主義革命を起こさせることが、世界への中国の脅威をなくすことと信じていますが(P.206)、中国は民主主義にはならないでしょう。分裂してもミニ中共ができ、軍閥支配の多国家ができるだけのような気がします。それでもそちらの方が安心ですが。

日本の新幹線技術も台湾高鉄の副総裁から中国に流出しました。彼は台湾人ではなく、中国人だからできたのでしょう。外省人と思われます。

https://news.infoseek.co.jp/article/searchina_1630582/

アンデイ記事

中国の強い圧力にもめげず韓国はサード(THAAD、終末高高度防衛)ミサイルを導入すると決定した。日本の自衛隊は二年前からサードミサイルの導入を検討していて、稲田防衛相は今月13日にグアムの空軍基地でサードミサイルを視察した。ところが台湾では同じ日に国会で議員から台湾にサードの導入を聞かれた馮世寛国防部長はNoと答えた。しかも馮世?部長は理由を聞かれて、台湾は米中間の戦争に巻き込まれたくないと答えたのだ。 ●サード導入に反対の理由 馮世寛部長が導入に反対した理由の第一は、台湾は米中間の戦争に介入せず中立を守る。台湾は自国の主権を守るために戦うべきで他国を援助すべきではないと言ったのだ。これは誰でもおかしいと感じる。アメリカは台湾の安全を守ることを法律で決めている。つまり台湾の敵か味方かはすでに明らかだ。アメリカに頼っていながらアメリカの味方にならないで中立を守ると言う理屈は通らない。 米中戦争に巻き込まれたくないと言っても戦争になれば中国は真っ先に台湾と沖縄、グアムを攻撃する。馮世寛が台湾は中立を守ると言ったのは中国に忠誠心を示したのであろう。これが台湾の国防部長なら一旦戦争になれば台湾軍はすぐに降参するか、それとも中国に寝返るかもしれない。この男は早急に更迭すべきである。 次に馮世寛部長は、台湾は中国に近いから高高度ミサイルで台湾を攻撃する必要がないと言った。だが韓国と北朝鮮はもっと近いけれど韓国はサードの設置に踏み切ったのだ。中国がサードを怖れる理由はサードのレーダーが広い範囲にわたって敵陣の動きを探知できるからである。サードを台湾に設置すれば韓国に設置したサードレーダーが探知できない中国の内部や、海南島や南シナ海まで監視できる。サードを拒否した馮世寛は中国の味方である。 馮世寛部長の第三の理由は高価なサードを買う金で他の武器を買う方が良いと言うのだ。確かにサードは高いだろう。しかしサードは中国の動きを監視できるから台湾の安全にも寄与するはずだ。 台湾がサードを買わなくてもアメリカにサード基地を貸せば金は要らない。アメリカの基地があれば中国は台湾を攻撃できなくなる。台湾を防衛するならこれが最良だ。アメリカと台湾は国交がない。しかしアメリカは台湾から99年租借で土地を借りて大規模な領事館を建設した。それならサード基地の租借など簡単である。 台湾の安全はアメリカに頼っているのに台湾の国防部長は中国を怖れているか、中国に味方しているかのような態度である。台湾はこのような軍隊に頼れるだろうか。 ●アメリカの軍備提供 アメリカがトランプ政権に変わって台湾に新しい武器を提供すると言い出した。最近のニュースではアメリカが台湾に高移動性ロケット砲撃システム(HIMRS)を売ると言ったそうだ。HIMRSミサイルは射程が200キロもあるので、ミサイル防御の外に中国沿岸のミサイル基地を先制攻撃することもできる。 これについて蔡英文総統は、アメリカが最新武器を提供するならF35ステルス戦闘機や潜水艦も売って欲しいと述べた。台湾のニュースによるとアメリカはブッシュ時代に潜水艦を台湾に売ると約束したが今になってもまだ提供していないと言う。アメリカが最新武器を提供しないのは台湾の軍部が信用できないからだろう。 三年ほど前にアメリカがアパッチヘリコプターを台湾に売ったところ、パイロットの空軍中佐が芸人グループを軍事基地に招待してアパッチヘリを見せびらかし、コックピットの計器類の写真を撮らせた事件があった。しかもこの操縦士は叱責されただけで今でもアパッチのパイロットとして軍務に勤めている。こんな軍隊にF35ステルス戦闘機を提供したらどうなるか。パイロットが離陸して台湾のレーダーから消えたとたんに中国に飛んでいくかもしれない。潜水艦も同様だ。馮世寛部長の話を聞けば台湾軍の忠誠心に問題があることは明らかである。 ●最新武器よりも忠誠心が先決 問題の核心は台湾に中台統一したい人間がいて、おまけに彼らが政治や軍事の決断をする上層部に居ることである。台湾にはすでに中国から来た人が数十万も居る。戦争になったら台湾軍が最新武器を持っていても上層部が降参するかもしれないし、内通する者が居るかもしれない。国民の85%が台湾人で独立を望んでいても少数の中国人が政治や軍事を操っていれば安心できない。 台湾人の蔡英文が総統になったが、彼女にとって大切な仕事は台湾に忠誠を尽くし、台湾のために戦う軍隊を作ることである。それには中国系の将軍たちを引退させ、台湾人を上層部に任命して最新武器を持つ部隊の忠誠心を厳しく監督しなければならない。 国会議員も国家の安全と将来を真剣に考えるべきである。先日の国会ではある議員が馮世?部長を召喚し漫才の掛け合いのように二人で軽口をたたいていた。時間の浪費だけでなく政治家失格である。 軍事機密を中国に渡した事件は数え切れないほどある。武器よりも軍隊の士気と軍人の忠誠心が大切だ。アメリカが最新武器を提供しても台湾軍の自衛力は疑問だらけ、台湾人さえ信用しない軍隊をアメリカが信用するわけがない。外省人の台湾に対する忠誠心が問題なのだ。蔡英文は現状維持など寝言を言うときではない。台湾軍の刷新は蔡英文にかかっている。

宮崎記事

トランプ政権は台湾の安全保障のため、要請のある武器供与を過去最大の規模に拡大する模様である。 もっとも米国は「台湾関係法」により、台湾への武器供与を条約上も義務付けているが、オバマ政権では北京からの抗議の少ない、「比較的穏やかな武器」(ネッド・プライス前安全保障会議スポークスマン)に限定してきた。  トランプ大統領は昨年12月3日に、蔡英文台湾総統からの祝賀電話を受け、「ひとつの中国」という過去の歴代政権が取った原則には拘らないと発言し、北京を慌てさせたが、その後、やや発言を修正し、浮上した北朝鮮のミサイル実験以後は、中国との関係重視に傾いた。  4月6日には習近平主席をフロリダ州に招待し、北朝鮮問題を主議題に話し合う予定が組まれている。 このため、事前のつめの目的でティラーソン国務長官を北京に派遣した。  こうした情勢を踏まえ、台湾への武器供与は米中会談が終わるまで表面化することはないが、ロイターは(3月18日)、政権内部で真剣に議論されており、供与される武器は対艦ミサイル、フリゲート艦など、総額18億ドルを超えるだろう、と報道した。  しかしながらトランプ政権は肝腎の政権高官人事が遅れに遅れており、国務省、国防省ともに副長官、次官、次官補人事が難航している。 このため、実際に台湾への武器供与が決められるのは、2018年に持ち込むことになろうと観測筋はみている。

ニューズウイーク記事

3月21日、台湾の蔡英文総統は、南部・左営の軍港を視察し、潜水艦を自主建造する方針を表明した。同総統が視察した潜水艦は50年近く運用されており、主要防衛装備を刷新する必要性が浮き彫りとなった。写真は潜水艦から手を振る同総統。台湾の高尾市の海軍基地で撮影(2017年 ロイター/TYRONE SIU)

台湾の蔡英文総統は21日、南部・左営の軍港を視察し、潜水艦を自主建造する方針を表明した。同総統が視察した潜水艦は50年近く運用されており、主要防衛装備を刷新する必要性が浮き彫りとなった。

蔡総統は、水中での戦闘能力の引き上げは台湾の防衛にとって必要不可欠だと指摘。「これは誰もが認識している問題だ」とし、「軍の指揮官として、この問題を解決する決意がある」と述べた。

台湾が所有する潜水艦4隻のうち、2隻は第2次世界大戦時代の潜水艦。米国から購入し、主に訓練用に使われている。残りの2隻は1980年代にオランダから購入したもので、運用開始は70年代となる。

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