『英国の世界初AIサミットが見据えたディストピア、マスク氏「生きる意味再考」 ジョン・レノンは「復活」したが「人類滅亡」の悲観論も』(11/7JBプレス 楠 佳那子)について

11/6The Gateway Pundit<Trump Crushes It During Testimony, Calls Out Stalinist AG Letitia James: “She is a Political Hack Who Wants to be Governor. This is a Political Witch Hunt and I Think She Should be Ashamed of Herself”=トランプ大統領、証言中にそれを粉砕、スターリン主義者のレティシア・ジェイムズ検事を罵倒:「彼女は知事になりたがっている政治的ハッカーだ。これは政治的な魔女狩りであり、彼女は恥じるべきだと思う」>

元々冤罪で選挙に出られないようにするためだから、検事と示し合わせた判事がトランプを有罪にするでしょう。トランプは控訴しないといけないが選挙の時に時間を取られる。

ドナルド・トランプ前大統領は、NY市でスターリン主義者AGレティシア・ジェームズによる財政不正表示疑惑に対して弁護の立場に立った。エンゴラン判事が審理を順調に進めるために頻繁に介入するなど、緊張した雰囲気が漂っていた。

ゲートウェイ・パンディットが以前報じたように、風変わりな判事アーサー・エンゴロンは、尋問中のスピーチについてトランプ大統領を説教した。

エンゴロン氏は、トランプ大統領が裁判中に自由に発言できることに非常に腹を立てている。

報道によると、エンゴロン氏は、大成功を収めた国際事業に関する質問に対するトランプ大統領の返答が長々としているとして、繰り返し攻撃したという。NY州司法長官レティシア・ジェームズは、トランプ組織が資産を過大評価していたというばかばかしい主張を理由に、トランプ一家から2億5000万ドルを盗もうとしている。裁判所はショーの裁判中にこれを証明できなかった。

トゥデイ・ニュース・アフリカのサイモン・アテバは次のように報じた。

エンゴロン判事はトランプ大統領に「私を攻撃してもいいし、何をしてもいい。ただし、質問には答えてください。」

また、トランプ大統領に対し、演説はせず質問に答えるだけでよいと言い、「演説はしないで質問に答えるだけにしてください」と語った。

「それはイエスかノーかの質問の場合、そのような質問を受けたときは、イエスかノーで答えてください」とエンゴロン判事は再びトランプ大統領に語った。

エンゴロン判事はトランプ氏の弁護士に「座って、ただ座って」とさえ言った。「私たちは彼が質問に答えるのを聞くためにここに来ました」とエンゴロン判事は述べた。

しかし、トランプ大統領は「これは非常に、非常に不公平な裁判だ。そして、一般の人々がそれを見てくれることを願っています。」

https://www.thegatewaypundit.com/2023/11/trump-crushes-it-during-testimony-calls-stalinist-ag/

11/6The Gateway Pundit<Trump Attorney Alina Habba Goes Off on Soros-Backed Letitia James and Judge Engoron in Bogus Trial: “I Was Yelled At and I’ve Had a Judge Who Is Unhinged Slamming a Table… I Won’t Tolerate It” (VIDEO)=トランプ弁護士アリナ・ハバ、偽裁判でソロスが支援するレティシア・ジェイムズとエンゴロン判事を嫌う:「錯乱してテーブルをたたきつける裁判官がいた…私は許せない」(ビデオ)>

ゲートウェイ・パンディットが先に報じたように、ドナルド・トランプ元大統領は、ソロス氏が支援するNY州司法長官レティシア・ジェームスが提起した財政上の不正表示の疑惑に対して自らを擁護しているようだ。法廷では、アーサー・エンゴロン判事が公聴会の進行を維持するために頻繁に介入し、緊張した審理が行われた。

エンゴロン氏は、トランプ大統領が裁判中に自由に発言できることに非常に腹を立てている。

内部関係者の証言によると、エンゴロン氏は、大成功を収めた国際事業に関する質問に対するトランプ大統領の長々とした回答を繰り返し攻撃していた。

NY州司法長官レティシア・ジェームズは、トランプ組織が資産を過大評価していたというばかばかしい主張を理由に、トランプ一家から2億5000万ドルを盗もうとしている。裁判所はショーの裁判中にこれを証明できなかった。

https://www.thegatewaypundit.com/2023/11/trump-attorney-alina-habba-goes-soros-backed-letitia/

11/6Rasmussen Reports<Trump Widens Lead Over GOP Primary Rivals=トランプ氏、共和党予備選ライバルとの差を広げる>

共和党有権者は民主党の起訴のやり方をよく見ている。だから起訴が続いてもトランプ人気は変わらない。

ドナルド・トランプ前大統領は討論会を欠席し、複数の司法管轄区で刑事告発に直面しているにもかかわらず、共和党の予備選挙有権者の間で支持を高めている。

ラスムッセン・レポートの最新の全国電話調査とオンライン調査によると、予備選が今日開催されれば、共和党候補の予備選有権者の50%がトランプに投票するだろう。一方、フロリダ州知事のロン・デサンティス氏は12%、元国連大使ニッキー・ヘイリー氏は9%を獲得するだろう。9 、トランプ氏は共和党予備選挙有権者の45%に支持された。

https://www.rasmussenreports.com/public_content/politics/biden_administration/trump_widens_lead_over_gop_primary_rivals?utm_campaign=RR11062023DN&utm_source=criticalimpact&utm_medium=email

11/7希望之声<《杂音和噪音》北美首映 维吾尔女生盼父亲重获自由=『雑音と騒音』北米でプレミア上映 ウイグル族の少女は父親が自由を取り戻すことを願う>ウイグル族の現状を描いたドキュメンタリー「雑音と騒音」が5日、ワシントンでプレミア上映された。このドキュメンタリーは、父親の自由のために戦うウイグル族の少女ジュアーの体験を記録したものである。

ジュアーの父親で学者のイルハムは、2014年に国家分裂罪で中国当局から終身刑を言い渡され、ジュアーは当時まだ18歳だった。 彼女は、このドキュメンタリーに登場する数十人のウイグル人の証言から、このような事件があまりにも多くのウイグル族の家庭に起こっていること、中国政府の残虐行為により人々が恐怖の中で基本的人権を持たずに暮らしていることを視聴者が学んでほしいと願っている。

ジュアーは、「刑務所の外では、警察が突然家に押し入って夫や妻を連行する心配をせず、また子供たちを学習班に連れ去ることを心配せず、自由に呼吸でき、家族と静かに食事をすることができる。これが私たちの基本的人権であるべきだと思う」

6年前、新疆ウイグル自治区当局者は演説で、ウイグル族や他の少数民族からの「あらゆる雑音や騒音」を消去する必要があると述べたため、このドキュメンタリーは「雑音と騒音」と名付けられた。

アラブ諸国とトルコはハマス支援でなく、ウイグル人を支援したら。

https://www.soundofhope.org/post/768184

11/7阿波羅新聞網<中共再三强调金融风险把控 都有哪些金融风险?=中共は金融リスクのコントロール可を繰り返し強調しているが、どんな金融リスクなのか?>金融リスクの管理とコントロールは、最近中国政府の優先事項の 1 つとなっている。 中国は最近、最高レベルの金融工作会議を開催し、国家安全部も金融安全が国家安全保障の重要な部分であることを強調する文書を発表した。 では、中国が今日直面している金融リスクとは一体何か?

中国金融リスク1:不動産市場バブル

中国金融リスク2:地方政府の過剰借入

中国の金融リスク3:不十分な外貨準備

10/10の本ブログに中国の2022年の総債務は900兆元を超えたとの記事を紹介しました。

http://dwellerinkashiwa.net/?m=20231010

金利支払いだけでGDPの半分の60兆元払うのはできない。土地所有権を外国に売っても誰も買わないでしょう。人民元は基軸通貨でないので、$のように世界相手の取引で通貨発行益をそれほど見込めないでしょう。中国市場に未練たらたらの日本企業は危ないのに気づいていない?

https://www.aboluowang.com/2023/1107/1974839.html

11/7阿波羅新聞網<中国企事业单位频传拖欠薪资 微博成诉苦平台=中国の企業や団体が給与未払いを頻繁にとのニュース、微博が苦情の窓口に>最近、中国各地の政府、企業、機関の従業員が賃金未払いについて不満を訴えている。 関連ニュースにより、ソーシャルメディアプラットフォーム上で白熱した議論が巻き起こった。

キャッシュが無くなれば、債務は支払わないのは中国社会では当たり前の事。給与も債務の一種だから。

https://www.aboluowang.com/2023/1107/1974837.html

11/7阿波羅新聞網<习近平搞砸!以色列这张大单从前优先考虑中国 —以色列寻求10万印度劳工 专家:过去都先考虑中国=習近平はヘマした! イスラエルはかつてこの大きな取引で中国を優先していた – イスラエルは10万人のインド人労働者を求めている 専門家:以前は中国が優先されていた>ハマスによるイスラエルへのテロ攻撃後、イスラエルに住む数万人のパレスチナ人労働者が離職を余儀なくされ、建設などの分野で労働力不足が生じた。イスラエル建設業者協会は現在、イスラエル政府に対し、企業が代替労働者として5万人から10万人のインド人労働者を雇用することを許可するよう求めている。

VOA英語チャンネルによると、イスラエル建設業者協会の副会長ハイム・フェイグリンは、採用問題についてインドと交渉しており、イスラエル政府の承認を待っていると述べた。

報告によると、イスラエル・ハマス戦争が勃発する前、約9万人のパレスチナ人がイスラエルで働いていた。 しかし、10/7にパレスチナ過激派組織ハマスがテロ攻撃を起こしたことを受け、イスラエルはパレスチナ人に対する労働許可証を取り消し、新たな許可証の発行を停止したため、イスラエルの建設業界では深刻な人手不足が生じ、多くのプロジェクトが滞った。

ハマスはパレスチナ人の生活手段をも奪ってしまった。国際社会からの寄付で暮らすとなると、自尊心はなくなるだろう。

https://www.aboluowang.com/2023/1107/1974832.html

11/7阿波羅新聞網<华日:外企将超过1600亿美元收入撤出中国=WSJ:外国企業は中国から1600億ドル以上の利潤を流出>WSJは、資金流出は金利、米国との緊張、景気低迷が中国の投資魅力を弱めていることを示していると報じた。報道によると、中国のデータ分析によれば、9月末の時点で外国企業は6四半期連続で総額1600億ドル以上の利益を中国から引き出しており、この異例の持続的な利益流出は、外資にとっての中国の魅力が低下していることを示している。中国からの巨額の資金流出により、世界第2位の経済大国の対外直接投資総額は第3・四半期に四半世紀で初めてマイナス圏に陥った。

日本企業はまだ利潤を中国国内の再投資に向けている?

https://www.aboluowang.com/2023/1107/1974740.html

11/6阿波羅新聞網<经济前景不明中国消费者勒紧裤腰带 奢侈品名牌:钱不好赚了—经济前景不明中国消费者精打细算 奢侈品名牌:人民币不好赚了=不確実な経済見通しで中国の消費者は財布のひもを締める 高級ブランド:お金を稼ぐのは難しい—中国の消費者は不確実な経済見通しで細かくそろばんをはじく 高級ブランド:人民元で稼ぐのは難しい>中国の感染症流行後の回復が期待通りに進まず、大規模な景気後退が始まったほか、不動産危機により将来の経済見通しに不確実性が生じ、人々は消費を引き締め始めている。過去 30 年近く中国で儲けてきた人民元で西側の高級品を買ってきたが、中国の消費低迷によってもたらされた冷え込みを深く感じている。

給与も払えないのに、個人消費が伸びるはずもない。

https://www.aboluowang.com/2023/1106/1974728.html

何清漣 @HeQinglian  3時間

問題の複雑さは部外者の想像を超えている。次の内容は紀思道の記事からのもので、その中で 1つ述べられているのは:

【イスラエルはハマスを支援? …

もっと見る

何清漣 @HeQinglian  4時間

最近はみんな少し落ち着いている。どちらか一方を支持したとしても、リラックスしている。互いに罵り合ったり、両方支持しない人を強制的に味方に付けさせたりしても、勝利の可能性は高まらない。

NYTが日曜日に発表した世論調査では、バイデンが主要6州のうち5州で共和党予備選の最有力候補のトランプに敗北し、バイデンは若者や少数派有権者を中心に急速に支持者を失っている。 ウィスコンシン州だけがトランプより支持率が高い。 …もっと見る

何清漣 @HeQinglian  9時間

この記事は参考資料として保存すべき。

「イスラエル・パレスチナ紛争が「世界戦争」世論を引き起こす:イラン、ロシア、中国がハマスを支援」 https://cn.nytimes.com/world/20231106/israel-hamas-information-war/

しかし、全面的な分析が必要な場合は、両方からの世論戦の関連情報を収集し、言語、転送率、視聴者への影響力、ターゲットの方向性などに基づいてモデリングと分析を行う比較的中立的な組織が必要である。このためジャーナリストが解雇された理由の備考も含まれる。 …もっと見る

何清漣 @HeQinglian  2時間

変化を求めながらも方向が霞んで見えない:国内外の「李克強追悼現象」を振り返る

https://rfa.org/mandarin/pinglun/heqinglian/hql-11062023133122.html

李克強の死を利用した今回の追悼行事では、弔問者の不満の表れが最大の共通点となった。 …もっと見る

楠氏の記事では、AIが齎す脅威はマスクが言うように地球絶滅を齎すかもしれない。彼は核戦争が起きたときに、人類を救うためスペースXで人類を火星に運び、現代版ノアの方舟とするアイデアの持主。でもAIが人類以上の能力を持てば、それもストップされかねない。やはり世界的に網のかかる規制が必要と思う。

でも、今でも国際ルールを守らない中共やロシアのような国がある。規制を設けても、陰でこっそり開発して、世界支配を試みる心配がある。隠れて開発していても監視できるようにしなければ、地球は地獄と化すでしょう。真剣に考えるべき。

記事

AI安全サミットで対談するスナク英首相(左)とイーロン・マスク氏(右)(写真:Simon Walker/No 10 Downing Street/Eyevine/アフロ)

  • 世界初の「AI安全サミット」が11月1〜2日に英国で開催された。イーロン・マスク氏などテック大手トップや中国を含む主要国が参加し、AIの安全性確保に向けた国際協調で合意した。
  • マスク氏はスナク英首相によるインタビューで「(AIは)史上最も破壊的な力」などと警鐘を鳴らした。人類を滅亡に導きかねないリスクがあるとの考えが背景にあると見られる。
  • ジョン・レノンなど亡くなった著名人のAIによる「復活」が新たなビジネスとなる一方、雇用への影響や倫理面などについて不安や懸念が広がっている。ディストピア(悲劇的な未来)を招かないためにも、未知のリスクへの備えが急務だ。(JBpress)

(楠 佳那子:フリー・テレビディレクター)

今月2日、解散から半世紀以上の時を経て、ビートルズの新曲「Now And Then」が世界リリースされた。

各報道で既報の通り、この新曲リリースは1980年に亡くなった故ジョン・レノン氏のボーカル音源を、最新の人工知能(AI)による技術を駆使し、復活させて可能となった。プロデューサーのジャイルズ・マーティン氏によれば、元の音源となったレノン氏のデモテープには、同氏が弾いていたピアノの音のみならず、テレビのノイズも背景に被っていたという。その中からレノン氏のボーカル音源のみを取り除き、新しい曲として生まれ変わらせる過程は、近年のAI技術の発展なくしては不可能であったと各地で報じられている*1

*1:How producers used AI to finish The Beatles’ ‘last’ song, ‘Now And Then’(米NPR)

「ビートルズ最後の新曲」と銘打たれた「Now And Then」について、英国の新聞各紙はおおむね高評価を下している。往年のビートルズファンの多くにとって、今回の新曲制作にあたりAIがもたらした恩恵は計り知れないだろう。

AIでジョン・レノンのボーカル音源を再現し、「ビートルズ最後の新曲」としてリリースされた「Now And Then」(写真:AP/アフロ)

一方このリリースと同日、ビートルズを生んだ英国では、テック大手X(旧ツイッター)を所有するイーロン・マスク氏から、AIの驚異的な発展が今後、人類に及ぼしかねない衝撃的な未来を予期する発言が飛び出した。マスク氏は英首相スナク氏との対談で、AIは将来的に人々から仕事を奪い、「(人々の)生きる意味を再考させるだろう」と話した*2

*2:Elon Musk tells Rishi Sunak at summit: AI ‘will eliminate jobs’(英タイムズ)

発言は今月1日より2日にわたり、ロンドン郊外で開催された世界初の「AI安全サミット」終了後、スナク首相によるマスク氏への「前例のない」インタビューの場で行われたものだ。首相がマスク氏に「AIが労働市場と人々の仕事にもたらす影響」について問いかけたところ、先の発言に及んだ。

「絶滅主義者」がAIを悪用?

マスク氏はスナク首相の質問に「我々はこれまでで史上最も破壊的な力を目の当たりにしている。最も賢い人間よりも賢いものを、初めて目にしている」「ある時点で、仕事はもはや必要とされなくなるだろう。個人的な満足のための仕事を得ることはできるかもしれないが、AIが全てのことをできるようになる」「将来的な課題としては、(人々が)どのようにして人生の意味を見いだすかということだ」などと答えた。

スナク英首相(左)と談笑するマスク氏(右)(写真:Simon Walker/No 10 Downing Street/Eyevine/アフロ)

AI安全サミットには、日米や欧州の政府高官などが招待された。岸田首相はオンライン形式で首脳会合に参加した。更に、英与党保守党内部からの反発を受けながらもスナク首相が押し切る形で中国も招待され、同国科学技術省の呉朝暉次官も出席。参加国は28に上った。またメタやグーグル、Open AIなどAI企業の幹部らも加わり、AIのリスクに対処するため、今後最先端のAIモデルの安全性のテストを公開前後に行うことで初めて合意した*3

*3:The Bletchley Declaration by Countries Attending the AI Safety Summit, 1-2 November 2023(英政府)

この会合に先駆け発表された英政府による報告書では、AIがサイバー攻撃や偽情報の拡散、生物・化学兵器開発に悪用されかねないリスクなどについて列挙した*4。10月30日には米国のバイデン大統領もAIの安全性に関する大統領令に署名を行うなど、西側の大国がこぞってAIのもたらしかねない危険に対応する姿勢を急務と示した格好だ。中国がこの会合に招かれたことに関しても、 英オックスフォード大学AI倫理研究所から「中国の参加なしにはグローバルに意味のあるAI規制はなし得なかっただろう」と一定の評価も得ている*5

*4Capabilities and risks from frontier AI (英政府)
*5:Expert comment: Oxford AI experts comment on the outcomes of the UK AI Safety Summit(英オックスフォード大学)

マスク氏は英国でのAI安全サミット直前、環境活動家の中に存在する「絶滅主義者」が人類を滅亡に導くリスクについて、米国のポッドキャスト番組でコメントもしている。人類を地球上の「疫病」とみなす環境活動家の存在を指摘し、こうした絶滅主義者がAIに人類の絶滅をプログラミングしたとすれば、という仮定において、AIが「反人類」に転じる危険性があるのではないか、との見解だ。専門家はおおむね、こうした極端な見方を「誇張されたもの」と指摘している*6

*6:Elon Musk: AI could pose existential risk if it becomes ‘anti-human’(英インディペンデント)

AIによる人類滅亡論が仮にマスク氏による大げさな言い分であったとしても、スナク首相との会談で発言のあった「人々の雇用を奪いかねない」という指摘は現実的にあり得るのだろうか。このことは、少なくとも米国のエンターテインメント業界では既にリアルな脅威として捉えられているようだ。

「AI俳優」が問う「生きる意味」

今年7月には、全米映画俳優組合が43年ぶりにストライキに突入した。この中で焦点の一つとなったのが、映画会社やテレビ局などの企業側が行った、制作現場におけるAIの活用に関する提案だ。問題となったのは、企業側がエキストラの俳優の顔をスキャンし1日分の料金を支払った後は、その素材の肖像権は企業が取得し、その後永久に自由に使えるようになるという部分についてだったという。このことで組合側は猛反発し、こうした利用が横行しないよう、規制づくりを求めた。

今年7月の全米映画俳優組合によるデモに参加する俳優のスーザン・サランドン氏(左)(写真:REX/アフロ)

俳優のスーザン・サランドン氏はデモに参加し「私の顔や体、声を使い、私に選択肢のないまま何かを言わせたり行動させたりすることが良いことではないことは明白でしょう」「そんな魂のこもっていない作品を披露するなんて。人間が人間に表現することは、大切なことです」などと語り、不快感と共にAIがエンターテインメント業界に及ぼす影響について、危機感を示した。

俳優にとってAIが演じることを取って代わることは、雇用の機会のみならず、マスク氏の言わんとする「生きる意味」を奪うことにも通じるのではないか。

今夏にはまた、1955年に24歳の若さで自動車事故死した米俳優のジェームズ・ディーン氏がAIでクローン化され、キャスティングされた新作映画が制作されるとも報じられた。以前もディーン氏をデジタル・クローンでよみがえらせるという映画制作の意向は伝えられていたが、最初の計画は2019年に頓挫し、今回は別の映画にて、同俳優起用の2度目の挑戦になる*7

*7:How AI is bringing film stars back from the dead(BBC)

ディーン氏やマリリン・モンロー氏、マイケル・ジャクソン氏など、その才能を惜しまれつつ早くに亡くなったアーティストがAIで復活し、そのキャリアを死後も続ける可能性が広がるというのだ。BBCによれば、こうした映像の制作にはディープ・フェイクを生成するものと類似したAI技術が使われ、スクリーン上で他の俳優との絡みすら可能にするという。あるAIアドバイザーは米フォックス・ニュースの取材に対し「AIは間違いなく、突然命を絶たれた(アーティストを)死からよみがえらせる機会であり、新しいパフォーマンスを再創造させることで、彼らの偉業を更に発展させることができる」と述べている*8

*8:James Dean reportedly appearing in new film with AI, experts weigh in on benefits for stars after death(米フォックスニュース)

故人の俳優の「人格」は誰のもの?

これまでにも亡くなった俳優がスクリーンで復活された例は存在する。俳優の故キャリー・フィッシャー氏は2016年の死後、制作陣がそれまでに撮影済みだった映像を使用し、2019年の「スター・ウォーズ」シリーズ・エピソード9に登場させている。

映画「スター・ウォーズ」シリーズでレイア姫を演じた故キャリー・フィッシャー氏(写真:REX/アフロ)

しかし、BBCはデジタル・クローンによる死後の俳優の起用がもたらす疑問についても言及している。故人である俳優の顔や声、人格などに対する権利を誰が所有できるのか、あるいは、本人が望まないであろう作品、例えばコメディーやポルノ映画に出演させられる可能性はないのであろうか、などという、いまだ回答の見いだせないであろう課題だ。

その上、最近の米ワシントン・ポスト報道によれば、AIはいまだネット空間にあふれている「時代遅れの」西洋的価値観で作り上げられた固定観念に支配されているという*9

*9:This is how AI image generators see the world(米ワシントン・ポスト)

例えば「魅力的な人」というキーワードでイメージを生成させようと試みると、ツールは欧州的な特徴のある、肌と目の色の薄く、痩せた人を作り上げるのだという。同様に「幸せな家族」をイメージさせると、それは白人の異性愛者のカップルと子供たちが、手入れの行き届いた芝生でほほ笑む姿であるという。

人々から仕事や生きがいを奪い、西洋的価値観に支配された世界を人工知能が形成する将来像は、人類の絶滅を招かなかったとしても脅威でしかない。このような未来が形作られないよう、AI開発における諸問題に対峙することは、急務だろう。

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