『なぜ“張陽上将”は「自殺させられた」のか “クーデター”説、汚職説が交錯、「無茶な粛清」の行方は』(12/6日経ビジネスオンライン 福島香織)について

12/5中国観察<張陽秘事:“六四”後得意 獲三大綽號 曾與郭伯雄互“咬” 希望之聲電台=張陽の隠された部分:「天安門事件に鎮圧部隊の一員として参加後、昇進を重ね得意満面 広州軍区時代に「有名な腐敗役人」、「麻袋政治委員」、「張と言う大きな麻袋」という三大綽名を賜る かつては郭伯雄に賄賂を贈り巻き添えにしたことがある 希望の声TV>2015年に郭伯雄が打倒された後は立場を翻し、上級者を検挙した。張陽は郭伯雄に2500万元贈ったと郭伯雄が説明、友人の所に1700万元を隠し、深圳、東莞、北京で女郎買いをして数十万元払った」と言うもの。中共一流の用済みの人間への貶め方でしょう。ただ軍内部でも出世するには賄賂を贈らなければできませんので張陽が潔白であったとは思えませんが。

http://chinaexaminer.bayvoice.net/b5/ccpsecrets/2017/12/05/382561.htm%E5%BC%B5%E9%99%BD%E7%A7%98%E4%BA%8B%EF%BC%9A%E5%85%AD%E5%9B%9B%E5%BE%8C%E5%BE%97%E6%84%8F-%E7%8D%B2%E4%B8%89%E5%A4%A7%E7%B6%BD%E8%99%9F-%E6%9B%BE%E8%88%87%E9%83%AD%E4%BC%AF%E9%9B%84.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

12/9中国観察<張陽自殺的四個疑點(圖)  看中國=張陽の自殺についての4つの疑問点 看中国>「①何故家で自殺したのか?『双規』の時は決まった場所、時間に党の取り調べが行われる。これは、薄熙来等も含め例外はない。②家で軟禁している場合でも、24時間の厳戒監視態勢が採られ、一人で家にいさせない。③何故自殺しなければならなかったのか?あの法外な賄賂を受け取った周永康ですら死刑にならなかったのに。自殺だとすれば圧力がかかったせいだろう。④新華社はなぜ公開報道したのか?武警司令官の王建平の自殺は伝聞という形で伝えられ、官方は正式に発表していない。公開報道すれば軍内部の人心が動揺し、社会的な議論を巻き起こすのに。中共はいつも隠すことが得意なのに、どうして今回だけマイナスとなるのが分かっていて出したのか。いつもと違う。記者の見立てでは①張陽の自殺は新華社の報道のように簡単ではなく、背後に黒幕がいる。②習近平はまだ権力基盤が安定しておらず、権力闘争は激烈・苛酷になっていると。」

http://chinaexaminer.bayvoice.net/b5/comments/2017/12/09/383054.htm%E5%BC%B5%E9%99%BD%E8%87%AA%E6%AE%BA%E7%9A%84%E5%9B%9B%E5%80%8B%E7%96%91%E9%BB%9E%E5%9C%96.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

12/6西村眞悟の時事通信<大東亜戦争顕彰・・・今こそ、尖閣が危ない>海軍の横暴極まれりと言う所でしょうか。省益あって国益無し、「軍部大臣現役武官制」、「統帥権干犯」以外に軍部がおかしくなった原因に「戦時大本営条例の改正」があったとは。陸軍と海軍の意思疎通ができてなくてでは戦争は勝てないでしょう。中国が尖閣を取りに来ようとしているのは明らかなのに、政府は中国と尖閣衝突回避策で合意と言うのでは。騙されるのに決まっています。「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という中国人の本質を政治家・官僚共に分かっていません。

http://www.n-shingo.com/jiji/?page=1389

12/7日経ビジネスオンライン中國が海外の先端技術を買いあさる「軍民融合」 ドイツの「KUKAショック」で先進国は震え上がった 細川昌彦

中国の「軍民融合」戦略に対する警戒感が高まっている。企業買収や貿易を通じて先端技術を獲得し、軍事転用する可能性があるからだ。先進諸国は法改正などで脅威への対応を急ぐが、中国は今や世界を「規制する側」に立とうとしている。

中国企業によるドイツの産業用ロボットメーカーKUKAの買収は、先進諸国の当局者に大きな衝撃を与えた(写真:ロイター/アフロ)

海外の先端技術に狙いを定めた軍民融合戦略

中国の軍民融合の脅威が確実に押し寄せている。

中国は「製造強国」を目指して、2015年5月に「中国製造2025」計画を発表した。そこに明記されているいくつかの戦略の中で、最も警戒すべきは「軍民融合戦略」だ。すなわち、軍事・民間の融合を促進して、製造業の水準を引き上げる戦略である。そして、そのターゲットとして次世代IT、ロボット、新材料、バイオ医薬など、10の重点分野を掲げている。

露骨に、軍事力強化のために、海外の先端技術を導入した民生技術を活用することをうたっているのだ。

炭素繊維や工作機械、パワー半導体など、民生技術でも機微な(センシティブな)技術は広範に軍事分野に活用されており、「軍民両用(デュアル・ユース)」の重要性が世界的に高まっている。例えば、炭素繊維は、ウラン濃縮用の高性能遠心分離機やミサイルの構造材料に不可欠だ。そういう中で、中国の場合、海外の先端技術に狙いを定めているから特に警戒を要する。

海外の先端技術を狙う中国の手段が、対外投資と貿易だ。ターゲットとなる日本や欧米先進国は、まさに守りを固めるのに躍起になっている。

中国による海外企業買収を巡る攻防

近年、資金力に任せた中国企業による外国企業の買収が急増している。世界のM&A(合併・買収)における中国の存在感は年々大きくなってきている。その結果、日本や欧米各国は軍事上の観点で、機微な技術が中国に流出することを懸念しなければいけない事態になっている。

そこで、このような事態を安全保障上の脅威と捉えて、各国は相次いで投資規制を強化する動きになっている。地理的に離れていることから、これまで中国に対する安全保障上の懸念には無頓着だったドイツなど欧州各国でさえそうだ。英国はアジアインフラ投資銀行(AIIB)では早々に中国に接近したものの、原発へ中国資本が投資したこともあって、懸念が高まり規制強化に動いた。

2016年5月に中国の美的集団がドイツの産業用ロボット・メーカーであるKUKAを買収して実質子会社化するとの発表は、世界に衝撃を与えた。KUKAは世界4大産業用ロボットメーカーの1社である。

当然、KUKAは欧米各国で軍需向けにもロボットを提供している。美的集団の傘下に入ってからは、中国での生産能力を4倍に拡大する計画で、中国は一挙にロボット大国になることを目指している。

そのほかにも、米国の半導体メーカーの買収やドイツの半導体製造装置メーカーの買収など、何とか阻止できた案件もいくつかあったが、KUKAのケースで各国の警戒度は一気に高まった。その後も、中国による海外企業の買いあさりはとどまることはない。欧米の工作機械の多数のブランドが中国資本の傘下に次々入っている。

日本も機微な技術の流出を阻止しようと、この秋、改正外為法が施行された。これまで無防備だった日本も安全保障上の危機感から、国の安全を損なう恐れが大きい技術分野を規制対象になるように拡大した。

今後、中国の攻勢はますます増大すると予想され、先進各国における先端技術を巡るせめぎ合いは一層激しくなるだろう。

中国の新・輸出管理法は運用次第で企業秘密が流出するリスクも

もっと厄介なのは貿易だ。今、中国は新たに輸出管理法を制定しようとして、先進各国は危機感を抱いている。

輸出管理の歴史を振り返ると、かつての冷戦期に共産圏への技術流出を規制する対共産圏輸出統制委員会(COCOM=ココム)から始まっている。その後、通常兵器関連だけでなく、核、ミサイルなど大量破壊兵器関連の国際的な枠組み(国際輸出管理レジーム)も整備された。

これらの国際的レジームは、先進国が保有する高度な製品、技術が北朝鮮、イランなどの懸念国に渡ると、国際的な脅威になることから、これを未然に防止しようするものだ。当然、メンバーは先進国を中心とした有志連合で、各国で輸出管理を実施してきた。

しかしメンバー国以外であっても、経済発展著しいアジアの国々でも技術進歩の結果、高度な製品を生産できるようになってきた。そうすると、これらの国々も規制に協力しなければ規制の実効性が確保できないことになる。中国はまさにその代表格だ。

世界第2位の経済大国となった中国が世界の安全保障に協力すること自体は歓迎されるべきことだ。輸出管理法という法制度を整備することは大国としての責任とも言える。

問題はその法制度がどう運用されるかである。運用次第では本来の目的とは違って、軍民融合戦略の手段にもなり得るのだ。

現に、法案の目的には、「平和と安全」という安全保障の輸出管理本来の目的以外に、「産業の競争力」「技術の発展」といった産業政策的な要素も規定されている。

最も懸念されるのは、中国から輸出しようとすると、中国当局から輸出審査において企業秘密にあたる技術情報の提出を要求されることだ。

例えば、日本からキーコンポーネントを中国に輸出して、これを中国で組み込んだ製品を第三国に輸出するケースを考えてみよう。

中国での輸出審査の際に製品が機微かどうか判定するのに必要だとして、組み込んだ日本製キーコンポーネントの技術情報を要求される恐れもある。その結果、関連する中国企業にその技術情報が流出する可能性さえある。

現に、かつて中国において別の法律の運用で、要求された企業秘密の技術情報が中国の競合他社に流出してしまった事例がある。法治国家では「法律の目的外使用」は禁止されるのが当たり前だが、そういう常識が通用しないのが中国だ。

中国からの輸入においても問題がありそうだ。法案には現地査察の規定がある。日本において中国製品を使用したり、製品に組み込んだりしている生産現場に、中国当局が最終用途を確認するために現地確認をする権限を規定している。これは国際法上、主権の域外適用にも当たり、センシティブな問題を引き起こしかねない。生産現場に対して濫用されると、機微な技術情報も流出することも懸念される。

中国が「規制される側」から「規制する側」へ

これまで長年、先進各国は中国に対して、軍事に用いられる可能性の高い「機微な」ハイテク製品・技術の輸出管理をしてきた。その中国が「規制される側」から「規制する側」になろうとしている。

まさに世界秩序の質的転換とも言えよう。そして中国が輸出管理という手段をどういう使い方をしてくるかが不透明だ。

制度の導入に大義名分があるだけに、それが目的外に使われないか注意し、中国政府に適正運用を強く求めていく必要がある。その際には、日本だけでは歯牙にもかけられないだろう。欧米各国とも国際的な連携をとることが不可欠である。

今、中国は軍民融合を目指して、あらゆる使える手段を駆使して、海外の先端技術の獲得にまい進しようとしていることを忘れてはならない。>(以上)

中国は宇宙を含め世界制覇を目指しているという事です。どんなに時間をかけようとも。パクスシニカは血塗られたものになるでしょう。その前に力を削ぎ、分裂させて野望を留めねば世界は不幸になるだけです。被害妄想ではありません。今「そんなことはない」と思って傍観している人は臍を噛むことになります。米国が真剣に中国との関係を見直さないと動きませんが。

12/5レコードチャイナ<中国の「一帯一路」がピンチ?大型プロジェクト取り消す国が相次ぐ― 米華字メディア>いい傾向です。こういうニュースがどんどん流れ、一般人の知るところとなれば良いのですが。

http://www.recordchina.co.jp/b226406-s0-c20.html

福島氏の言うように習の粛軍のやり方は軍内部に不満を齎し、クーデターか暗殺事件が起きるのでは。「政権は銃口から生まれる」のが中共の歴史です。習はそれを忘れてはいまいか。況してや軍の経験もなく、閲兵式で左手で敬礼するような人間を軍人が評価するとは思えません。

記事

前中央軍事委員会政治工作部主任の張陽氏。自殺の真相は?(写真:Featurechina/アフロ)

前中央軍事委員会政治工作部主任の張陽上将が11月23日、北京の自宅で首つり自殺をした。これがどうやら「自殺させられた」のだと聞くと、いったい解放軍に何が起きているのか、と思うことだろう。張陽の死は、自殺後5日経って国内で報道された。「腐敗の罪を恐れて自殺した」と報じられた。しかし、香港メディアによれば、直前に一人の警備員が、「治療を行う」と言って張陽の部屋に入っていったのだという。その後、自殺しているのが発見された。張陽はなぜ自殺させられたのか、事件の背後に何があるのか。飛び交う噂を一度整理しておこう。

「胡錦涛派エース級」が突如

張陽のことを知らない人のために少し説明しておこう。

彼は胡錦濤時代に上将に出世した、軍内の共青団派の軍首脳として知られる。習近平政権の軍制改革前の解放軍総政治部で最後の主任を務めた後、軍制改革後の中央軍事委員会政治工作部主任職を継続した。2004年に旧広州軍区政治部主任、07年に旧広州軍区政治委員に昇進。このころ共青団派の政治家・汪洋が広東省の書記を務めており、2008年1月の春節時機に起きた記録的な中国南部大雪害の折は、汪洋の要請に従って最前線の現場で、リスク管理の指揮をとった。

また同年の四川大地震での救援活動、五輪の香港会場の安全管理などでも活躍しているほか、深圳市の郊外の村に小学校を建てたり、故郷の河北省武強県の貧しい村に衣類などの支援物資を送ったりする支援活動にも積極的だった。2010年には上将に出世、2012年には総政治部主任となって中央軍事委員会入りした。

この経歴を見れば、一点の曇りもない。貧しい農村の小学校への寄付活動を積極的に行い、暴動に発展するやもしれない緊張をはらんだ南部大雪害の被災者対応や、過酷な四川の山奥での救援活動で成果を上げてきた有能さは、広く評価されてきた。

その共青団派エース級の軍首脳であった張陽が2017年夏、突如姿を消した。そして9月には彼が汚職容疑で拘束中であることが、香港メディアの報道で明らかになった。

このとき、元中央軍事委員会連合参謀部主任参謀長であった房峰輝も汚職容疑で拘束されていると報じられている。房峰輝は2007年に北京軍区指令となり七大軍区最年少司令の記録を作り、2009年の建国60周年記念の胡錦濤による解放軍大閲兵式の指揮も務めた胡錦濤の愛将である。二人とも胡錦濤派といわれ、国際交流の現場にもよく出るため、その思考は開明的で軍内改革派であったともいわれている。

2017年秋の党大会前に胡錦濤派軍人二人が揃って失脚したことについて、多くのチャイナウォッチャーらが、いよいよ習近平の軍内粛清が胡錦濤派に及び始めた、というふうに受け取っていた。そして党大会後、早々に張陽の“自殺”騒動である。

張陽はなぜ死なねばならなかったのか。

中国国内では、張陽は習近平に2014年に失脚させられた解放軍長老の重鎮中の重鎮・徐才厚と密接な関係があり、徐才厚の汚職に連座していたことをほのめかす報道がされている。また、張陽は広州軍区時代、多くのビジネスマンから賄賂を受け取り、別荘のリフォーム代など300万元などを支払ってもらった、などと一部報道で伝えられている。

確かに徐才厚は長年総政治部主任を務めており、同じ政治部系の道を歩む張陽にとっては上司である。だが「博聞ニュース」など香港情報によれば、張陽は、米国に逃亡中の闇の政商・郭文貴に2000万元および200丁の銃を与えていたという説もある。のちに北京郊外で、これら銃が発見されたが、郭文貴はこの銃の来歴を一切説明していない。張陽は軍の規律検査委からの取り調べに対して、これらの銃を北方工業公司で購入し、アフリカの某国の名義で一度海外に集荷した後、再び国内に返送させ、北京郊外の某所に隠しておいたことを自白したという。張陽は“クーデター”計画にかかわっていた、というのである。

どの“クーデター”か

では、この“クーデター”とはいつの“クーデター”のことなのか。実は習近平政権になってから“クーデター”騒ぎの噂はいくつかあるのだ。

有名なのは2012年3月19日の解放軍と中央警衛局と公安警察が複雑に絡み合う“3・19政変”の噂だ。この夜、北京の公安大楼付近で何があったのかは真相不明。ただ、銃声が聞こえ、装甲車が出動する異変が起きていた。

その前日未明には令計画(胡錦濤の側近、失脚済)の息子のフェラーリ事件が起きている。令計画の息子・令谷が運転する黒のフェラーリが北京市内で事故を起こし、死亡した事件だ。同乗していたチベット族幹部の娘2人とともに裸で発見された衝撃的な事件で、当時は緘口令が敷かれたが、目撃者が多すぎて、隠し通せなかった。

この翌日に“3・19政変”と呼ばれる異変が起き、これは薄熙来失脚を受けて、薄熙来とともに政変計画を立てていた周永康が起こしたアクションだといわれている。令計画の失脚は、表向き周永康の汚職に連座していたことになるが、フェラーリ事件が令計画を陥れるための謀略であったという説、令計画を守るために、胡錦濤(当時中央軍事委員会主席)が中央警衛局や38集団軍を出動させ、それに周永康が指揮する公安及び武装警察が対峙した、という説など、入り乱れている。

ちなみに私は、令計画と周永康が共謀して習近平を失脚させようとした、という通説は疑っている。令計画は周永康と結託していたという濡れ衣でもって習近平に失脚させられたのではないか。

ちなみに“3・19政変”の騒ぎに連座する形で、多くの軍幹部、武装警察幹部、公安幹部、中央警衛局幹部が取り調べを受け、あるいは失脚している。

王建平との関係は…

その中で、大きなニュースとなったのは元中央軍事委員会連合参謀部副参謀長、元武装警察司令だった上将、王建平の失脚である。彼は2016年1月、新設された連合参謀部副部長に昇進したそのおよそ半年後の8月26日、四川省成都を視察中に突然、軍の規律検査委員会に連行され、同年末には汚職容疑で立件された。現役上将の失脚は文革後初めてである。それまで失脚した軍長老の徐才厚、郭伯雄らはみな退役上将だった。さらに衝撃的だったのは、王建平は2017年4月、北京の看守所で、箸を頸動脈に突き刺すという苛烈な方法で自殺を遂げた。

この王建平が“3・19政変”でどういう役割を担ったのかは、“3・19政変”自体に諸説あるので、やはり不明なのだが、このとき公安大楼の前に出動した武装警察を指揮していたのは王建平であったといわれている。当時の公安警察・武装警察トップは周永康であるので、王建平が周永康の命令に従って出動したとはいえる。もっとも、その現場で、王建平は周永康の命令に従わなかった、という説もあり、だからこそ、その後2016年1月までは順調に出世を遂げたともいえる。

では、房峰輝、張陽の失脚も、この“3・19政変”にかかわっているのだろうか。あるいは王建平と何らかの関係があるのだろうか。

博聞などは、房峰輝、張陽、王建平らは、“3・19政変”とはまた違う形の、習近平の身柄をいきなり拘束して退陣を迫る、1976年の四人組逮捕方式の政変を企てていたという。だが、その企ては早々に発覚した。そして、この企てには郭文貴も一枚かんでおり、郭文統が党大会前に、米国からインターネットで暴露情報を発信する行動もその計画の一部だとか。その計画が予定通り行われたのであれば、第19回党大会当日に大事件が起きたかもしれない。

「裏で汚職」で隠蔽?

ここで房峰輝の失脚にまつわる一つの噂が思い出される。2017年5月以降のブータン・中国の係争地ドクラム高地で中印両軍がにらみ合い、一触即発の危機が生じたのは、房峰輝の命令による解放軍のドクラム高地での軍用道路建設がきっかけで、しかも彼は中印撤退協定の調印にも最後まで抵抗していたがため、参謀長を解任された、という噂である。習近平は、房峰輝に謀反の心ありと疑ったといわれる。つまり、胡錦濤派軍首脳で最も力のある房峰輝、張陽の二人が連携して、中印国境危機に乗じて、政変を仕掛けようと準備をしていたのではないか、という憶測がある。

また別の香港筋は、2016年、2017年と北京をはじめ中国全土頻発している退役軍人デモを裏で画策していたのは、張陽、房峰輝の二人で、退役軍人デモに乗じて政変を計画していたという。

もし“クーデター”説が正しいなら、この“クーデター”計画には、真の首謀者たる党内最高指導部か長老の後ろ盾があり、張陽が自殺させられたのは、その秘密を自白させないためではないか、という疑いが出てくる。となると、房峰輝も今後「自殺させられる」可能性がある。

こうした政変疑惑とは別に、中国国内報道では、張陽は徐才厚閥で、房峰輝は郭伯雄(失脚済)と利益供与関係にあり、二人ともひどく腐敗しており、だから、失脚したともっぱら喧伝されている。

張陽は2014年以降、解放軍報への寄稿や軍内の公式会議の場で実に13回も徐才厚、郭伯雄を批判している。張陽が江沢民のお気に入りの贾廷安を押しのけて総政治部主任の座に就いたのは、間違いなく南部大雪害の活躍を強く推した胡錦濤の力であり、張陽はこの後、ことあるごとに胡錦濤派としての忠誠を表明してきた。

徐才厚は軍内の江沢民の代理人であり、胡錦濤の軍権掌握をずっと妨害してきた人物であり、構図的には江沢民派の徐才厚とは対立関係にあったはずだ。張陽と徐才厚が結託していた、という話には無理がないか? だが中国メディアは、口先では徐才厚らを批判しておきながら、裏では汚職でつながっている、と報じている。この汚職説は、張陽と房峰輝の本当の失脚理由を隠蔽するための目くらまし報道であると私は見ている。

「失脚160人、自殺17人以上」の異常

張陽らが本当に“クーデター”を計画していたかどうかはさておき、確実に一つ言えることは、張陽も房峰輝も、習近平の軍制改革には内心強い不満を抱いていたらしい。それぞれ総政治部主任、総参謀部参謀長という軍内で極めて強い権限を持つ地位から、中央軍事委員会主席の習近平の秘書レベルにまで事実上格下げになったわけだから、面白いわけがない。

しかも、彼らの直属の上司の習近平は左手で敬礼してしまう軍のしきたりに無知な人間だ。こうした軍内の不満は、実のところ、積もりに積もって、軍の機能にも影響するほどだとも言われている。中央軍事委員会のメンバーが11人から大幅に縮小した7人になったのは、習近平が望んで「スリム化」したわけでなく、「粛清」のし過ぎで、経験と地位ともども中央軍事委員会入りするに足る高級将校が足りなくなった、とか。

香港誌「前哨」10月号によれば、二人は軍の実力派首脳として、習近平の徐才厚・郭伯雄派閥の将校の徹底排除に抵抗したという。このことが、習近平の逆鱗にふれたようだ。だが、これは二人が徐才厚・郭伯雄派閥として腐敗していたための保身の言動ではなく、むしろ軍内の不満を代弁し、部下たちを守ろうとした、というふうにとる方が普通だろう。軍内で過去5年に失脚させられた高級将校は160人。うち少将以上で自殺した者が、17人以上。おそらくもっと増える。戦闘以外で軍の高級将校がこれほど多く死ぬのは明らかに異常である。

習近平はこんな無茶な粛清を続けていて、本当に軍権を掌握できるのだろうか。今世紀半ばに世界一流の人民軍隊建設を実現すると打ち出す習近平政権だが、世界一流どころか、“クーデター”を絶対起こさないと安心できる、政権に不満を持たない軍隊にすることがまず課題である気がする。

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『セクハラ候補を擁護するトランプの賭け 政権運営の混乱に追い打ちをかける「トランプ・セクハラ疑惑」が再燃も』(12/5日経ビジネスオンライン 高濱賛)、『唐突に「エルサレム首都」を宣言したトランプの真意が見えた 世界の混乱より選挙ファースト』(12/9ゲンダイイスメデイア 歳川 隆雄)について

トランプが今度のアラバマ補選の為に必死なのは、高濱氏や歳川氏の記事から分かります。12/8日経に「【ワシントン=永沢毅】1941年の日本軍の真珠湾攻撃から76年を迎えた7日、トランプ米大統領は攻撃から生き延びた元米兵をホワイトハウスに招いた。真珠湾攻撃について「邪悪な急襲だ」と批判し、「米国のために戦った勇敢な戦士たちを決して忘れない」と称賛した。トランプ大統領はこれに先立ち、ツイッターに「リメンバー・パールハーバー(真珠湾を忘れるな)」と書き込んだ。」ともありましたが、現在の彼の行動は正しく選挙対策と言えるでしょう。まあ、トランプのことですから平均的米国人の歴史観に染まっており、コミンテルンの存在やFDRの人種差別については何も深くは習っていないのでしょう。でも日本としては、中国の歴史捏造との闘いは微力であってもしていきませんと。トランプの選挙対策の意味で言えば、北朝鮮への攻撃もその一つとして使われる可能性もあります。今回のアラバマ補選には間に合わないでしょうけど、来年の中間選挙に向けてでしたら充分にあり得ます。

セクハラで米国セレブは訴えられてきました。あのケビン・スペーシ-までがです。でも米国では男女はくっつくのが当り前、不倫は普通のように映画やTVで描かれていて、男女平等が進んでいるためか女性から不倫を持ちかけているケースもフィクションとはいえ多いです。今回のセクハラ騒動で女性が槍玉に挙がらないのは、権力を利用して迫ると言うケースは、女性は少ないという事でしょうか?女性一人が名乗りを上げると次から次へと「私も」、「私も」と出て来るのは訴訟を見据えてのことでしょうか?日本も朝日新聞の捏造による慰安婦問題で簡単に謝罪したから、国際世論が賠償をキチンとしろと言って来るのです。韓国のようなタカリ屋はどこにでもいます。ただ、実際に権力を行使してセクハラしたのであれば、それは日本の慰安婦の強制性がないのとは違い、キチンと謝罪と賠償をすべきです。11/21アンデイチャン氏のAC通信の記事を紹介します。

http://melma.com/backnumber_53999_6612621/

そもそも民主党のFDRやケネデイ、ビル・クリントンなぞは女性にだらしないことで有名でした。ムーア氏が潔白かどうかは分かりませんが、民主党が選挙対策で出してきたのは分かります。真実でなくとも選挙戦でダメージを与えられるでしょうから。

またモラー特別捜査官はアンデイチャン氏によればFBI長官時代、売国行為をしたヒラリーやオバマの罪を見逃しているというではありませんか。米国同様、日本のメデイアの報道も偏っています。

http://melma.com/backnumber_53999_6600877/#calendar

http://melma.com/backnumber_53999_6603160/#calendar

高濱記事

アラバマ州上院補選に共和党から立候補しているロイ・ムーア元同州最高裁長官にセクハラ疑惑が浮上(写真:AP/アフロ)

—トランプ政権をめぐるロシア疑惑を捜査しているロバート・モラー特別検察官が1日、トランプ大統領の片腕だったマイケル・フリン前大統領補佐官(国家安全保障担当)を偽証罪で刑事訴追しました。昨年の大統領選中にトランプ陣営がロシアと共謀した疑惑の解明がいよいよ、トランプ大統領が率いるホワイトハウスの中枢に迫ってきましたね。

高濱:フリン氏は昨年12月、米連邦捜査局(FBI)に対して、駐米ロシア大使と接触して対ロ制裁について協議した事実はないと否定していました。それが嘘だったことが判明したのです。モラー特別検察官とは司法取引(Plea Bargain)*をしたようです。そうなると、トランプ氏に関する疑惑の解明で虚偽の証言はできなくなってきます。フリン氏を訴追したことで、捜査はさらに一歩、トランプ大統領自身に迫るわけです。

*:司法取引とは被告人と検察官が取引をし、被告人が罪を認めるか、共犯者を法廷で告発するか、捜査に協力することで、求刑の軽減、またはいくつかの罪状の取り下げを行う制度。

 もう一つ、「トランプ大統領がレックス・ティラーソン国務長官を数週間のうちに更迭する」と、米主要メディアが11月29日に一斉に報道しました。12月1日になってトランプ大統領自身がこれを否定。反響の大きさに驚いたトランプ氏が撤回したのか、どうか。

 ティラーソン氏のほか、ゲーリー・コーン国家経済会議(NEC)議長や娘婿のジャレッド・クシュナー大統領上級顧問らを更迭するのではないかという憶測も出ています。いずれにせよ、ホワイトハウスは大揺れです。

セクハラ疑惑、ハリウッドから政界へ

—政権内のごたごたもさることながら、トランプ政権にとって今、最大の国内問題はセクハラ疑惑ではありませんか。告発はハリウッドから政界、マスコミ界にまで広がっているようですね。セクハラ問題は世界的に大きなうねりになってきました。日本でも最高裁が47年前の判例を変更しました*

*:最高裁は11月29日、強制わいせつ罪の成立要件について「性的な欲望を満たす目的でなければ罪は成立しない」という1970年(昭和45年)の判例を変更。「被害の有無や内容に目を向けるべきで、行為の目的を一律に要件とすべきではない」との判断を示した。

高濱:その通りです。米マスコミは、セクハラで新しく告発された人物を実名で連日のように報じています。

 もうすでに報道し尽くされた感もありますが、問題の端緒は米映画界の超大物プロデューサー、ハービー・ワインスティーン氏によるセクハラ疑惑発覚でした 。その後セクハラ追及はニューヨーク・タイムズやCBS、NBCの大物ジャーナリストにまで広がり、政界では数人の上下両院議員が対象になっています。逆に同僚議員からセクハラを受けたと公表した女性下院議員が2人います。

12月12日に迫るアラバマ補選

 そのさなか、12月12日にアラバマ州で実施される上院の補選が全米レベルで注目されています。司法長官になり退任したジェフ・セッションズ前上院議員の議席を補充する補選です。

 この補選に共和党から立候補しているロイ・ムーア元同州最高裁長官(70)にセクハラ疑惑が浮上。38年前に当時14歳だった女性が「私はムーア氏にわいせつ行為を受けた」と告発したのです。その後、複数の女性が被害に遭ったと名乗りを上げました。この選挙は「セクハラ候補を選ぶか、否か」というリトマス試験紙になってしまいました。

 この議席をどうしても死守したい共和党議会首脳部は、選挙戦から撤退するようムーア氏を促しました。しかし同氏はセクハラ疑惑を全面否定し、撤退を拒否しています。

 膠着状態が続く中、トランプ大統領は「彼は完全否定している。彼の言い分を聞くべきだ」と発言。「疑わしきは罰せず」とばかりにムーア氏を擁護。一時は、アラバマ入りして応援演説をするとまで息巻いていました。さすがにこれは諦めましたが…。

—終盤の選挙情勢はどうなっていますか。

高濱:ムーア氏をめぐるセクハラ疑惑の影響を受けて、民主党候補のダグ・ジョーンズ元州連邦検事(63)が俄然有利となり、一時はリードしました。しかし11月下旬に実施された世論調査ではムーア氏が盛り返して逆に5%引き離しています。まだまだ流動的です。

“Roy Moore gaining steam amid sex misconduct claims: Poll,” Mark Moore, New York Post, 11/28/20017)

“Latest Election Polls,” Real Clear Politics, 11/29/2017)

全米レベルでは6割強が「セクハラ候補に投票せず」

—米有権者は、セクハラ疑惑を受けた議員をどう見ていますか。セクハラ疑惑と政策のどちらを重視しているのでしょう。

高濱:全米レベルの世論調査では、「セクハラ行為を告発された候補には絶対投票しない」と回答した有権者が62%(「投票を考慮する」と答えた者は27%)もいます。ただ東部や西部に比べると、南部は男尊女卑の風土がまだまだ色濃い。とくにアラバマ州はちょっと違うのか。今回の補選でそのへんが明らかになりそうです。

“60% of U.S. Women Say They’ve Been Sexually Harassed, Quinninpiac University National Poll Finds,”Quinnipiac University National Poll, 11/21/2-17)

 共和党の予備選段階ではスティーブ・バノン氏(前首席戦略官兼大統領上級顧問)がアラバマ入りし、ムーア氏を精力的に応援しました。共和党執行部は別の候補*を支持したため、激しい選挙戦が繰り広げられた。結局バノン氏が共和党執行部に勝ったのです。

*:共和党執行部は、ルーサー・ストレンジ元同州司法長官を推薦・支持したが、同氏は予備選でムーア氏に敗れた。ケイ・アイビー同州知事がセッションズ氏の暫定後継者としてストレンジ氏を指名していた。

—今だにトランプ大統領に強い影響力を持つとされるバノン氏がそれだけ応援しているということは大統領の意向が大きく働いているということですね。

高濱:そうだと思います。大統領は予備選段階で、党が選んだストレンジ氏を表向きは支持していましたが、どうも「心ここにあらず」といった感じでした。

 ムーア氏のセクハラ疑惑が表面化し、党執行部の腰が引けるや、トランプ大統領はにわかにムーア擁護に動き出しました。

「セクハラ容疑を本人は否定している。判断するのは有権者だ」 「アラバマ州で民主党を選んだら、犯罪や国境管理がおろそかになる。民主党候補はすべてに弱腰だからだ」

 ツイッターで激しく民主党候補を攻撃し始めました。まるで自分のことのように、ムーア氏のセクハラ疑惑否定を支持しているのです(笑)。

セクハラでトランプ氏を訴える被害女性は13人

—トランプ大統領はなぜそんなにセクハラ候補のムーア氏を擁護するのですか。

高濱:理由は二つあります。

 一つは、自分自身のセクハラ疑惑がくすぶり続けているからです。ワシントン・ポストの調査によると、トランプ氏に体を触られたり、嫌がるのにキスをされたりしたことを公にした女性は13人います。これにはソーシャルメディア(SNS)でそのことを明らかにした女性やミスコンテスト(トランプ氏が主催し、司会を務めたミスユニバース・コンテスト)に参加した女性たちは含まれていません。ワシントン・ポストはこの13人を実名で報じています。

 つまりムーア氏がセクハラ行為で告発されるようなことがあれば、トランプ氏にもその火の粉が降ってくる可能性が十分ある。ムーア擁護は即、自己弁護になっているのですね。

 もう一つは、上院の党勢、つまり議席です。現在、上院100議席のうち共和党は52議席、民主党は48議席(うち無所属2)を得ています。確かに共和党は上院を制覇しているのですが、共和党議員のうち2人が造反すれば、法案は可決できません。現に医療保険制度改革(オバマケア)改正案をめぐって共和党議員の中から造反が出たため、トランプ提案は挫折しました。税制改革法案もなかなかすんなりとは通りません*

*:米上院は2日、減税法案を51対49で可決した。

 今でさえそうなのですからアラバマ補選で敗れるようなことになれば、議会運営はますます難しくなります。そこでどうしてもこの議席は死守したいのです。ちなみに、アラバマ州はもともと共和党の金城湯池。現在共和党は上院議員2人、下院議員7人中6人を占めています。

英国では国防相が辞任、米国では辞任した政治家は目下ゼロ

—政治家のセクハラ疑惑は米国だけでなく、英国でも政治問題化していますね。

高濱:前述の米プロデューサー、ワインスティーン氏によるセクハラ被害者の中に英女優がいたことから、騒動は英国にも飛び火しました。政界でも女性記者へのセクハラを指摘されたマイケル・ファロン国防相が11月1日辞任しました。テリーザ・メイ首相は議会内にセクハラ問題専門機関を設置するよう要請しています。ファロン氏のほか、セクハラ疑惑のある現職議員は与党・保守党だけで36人いるとされています。

 米政界でのセクハラ騒動は現時点で共和党2人、民主党2人。共和党ではジョージ・H・W・ブッシュ元大統領(父)が6人の女性にセクハラ行為をしていたことが発覚しています。民主党サイドでは元コメディアンのアル・フランケン上院議員(ミネソタ州)やジョン・コンヤーズ下院議員(ミシガン州)などの名前が上がっています。ことセクハラに関しては超党派なのですね(笑)。

 果たしてアラバマ州の有権者はセクハラ候補を選ぶのか。それともトランプ大統領の「疑わしきは罰せず」に賛同するのか。

 アラバマ州で発行されている地元紙の記者は筆者との電話インタビューでこう言っています。「セッションズ氏の強固な地盤*で共和党候補が負けるようなことになれば、まさに『アラバマのクーデター』ですよ。セクハラ追及の矢は、(セクハラ疑惑だらけの)トランプ大統領に向けて一斉に放たれるでしょう。この選挙に勝つか負けるか、トランプ大統領にとっては大きな賭けになりそうです」

*:14年の上院選挙で、セッション氏は全ての投票の97.3%を獲得し、再選された。

歳川記事

中東和平への期待から一転、何が起こったのか

12月6日の東京株式市場の日経平均株価終値をiPhone画像で見て目をむいた。

前日比445円34銭安の2万2177円04銭で引け、今年最大の下げ幅となった。

この暴落の要因は幾つかあるが、最大の理由は同日午後(米東部標準時間)にドナルド・トランプ米大統領がエルサレムをイスラエルの首都として公式に認め、米国大使館を現在のテルアビブからエルサレムに移転すると、米メディアが一斉に報道したことである。

パレスチナを拠点とするハマスはトランプ大統領の決定に激しく反発している(Photo by GettyImages)

トランプ大統領は5月、就任後の初の外遊となった中東訪問でサウジアラビア、イスラエル、パレスチナなど各国を訪れた。

同大統領がイスラエルのネタニヤフ首相とパレスチナ自治政府のアッバス議長と相次いで会談したことから、イスラエルとパレスチナの中東和平交渉が急速に進展すると期待感が高まった。

だが、今回のエルサレム首都認定によって、これまでサウジアラビア、ヨルダン、エジプトなど親米路線を明確にしてきた国々を含めイスラム圏諸国が猛反発。

エルサレムを首都と認めていない英国、フランスを始め欧州主要国からも批判の声が上がっている。

中東情勢が一気に緊迫化する兆候が見えてきた。

すべては上院補欠選挙のためだけに…

トランプ大統領の現在の関心事は、支持率が低迷するなかで昨年秋の大統領選公約「大使館移転」実現を通じて自らの支持層である保守系キリスト教徒へのアピールをすべてに優先することである。

具体的に言えば、日本のメディアはほとんど報じていないが、12月12日に実施される強固な保守基盤であるアラバマ州の上院補欠選挙を念頭に置いたものだ。

かつては大統領の最側近で、超保守イデオローグとして知られるスティーブン・バノン前首席戦略官が共和党執行部に対抗して推しているのが、元同州最高裁判所判事のロイ・ムーア候補。

だが、同氏の「レイプ疑惑」が発覚、民主党のダグ・ジョーンズ候補に肉薄されて、選挙戦終盤で両候補が大接戦を演じている。

トランプ大統領はムーア氏支持を明らかにしている。

しかし、同氏が敗れるようなことになれば、現在の米議会上院の共和党52人、民主党48人という勢力構図が崩れてしまうのだ。

何としても避けたい「弾劾決議」

先に税制改革法案は僅差で上院成立をみた。

だが、実はトランプ大統領が見据えるのは来年11月の中間選挙ではない。

ロバート・モラー特別検察官が進める「ロシア・ゲート」捜査次第によっては現実味を帯びる、将来の大統領弾劾議会採決なのだ。

上院で1議席であっても減らすことは何としてでも避けたい。

「イスラエルの首都エルサレム」を求めるキリスト教福音派がアラバマ州に圧倒的に多いのである。現下の直面する上院補選を中東外交に優先させたのだ。

イスラエル側ではトランプ大統領の決定を歓迎する看板も。中東での対立は急激に高まっている(Photo by GettyImages)

目先の議席を追って中東・ロシアとも関係悪化か

と同時に、このイスラエル傾斜路線への転換は、シャトル外交を通じて中東和平交渉を主導してきたトランプ大統領の娘婿ジャレッド・クシュナー大統領上級顧問の「限界」を露呈したとも言える。

やはりクシュナー氏はユダヤ教正統派の頸木から逃れられないのだろうか。

だとすれば、サウジアラビアのムハンマド皇太子とイスラエルのネタニヤフ首相の仲介役を自任し、両国間の関係改善を進めてきたが、こちらの方もまた先行きが不透明になる。

なぜならば、今年の6月以降、原油市場安定で協調するサウジアラビアとロシアの急接近が、ムハンマド皇太子主導でロシア最大の国営石油会社ロスネフチの子会社株取得まで進展している中で、米国とロシアの関係修復にも大きく影響を与えるからだ。

一言でいえば、中東情勢に暗雲が立ち込めてきたことがニューヨーク証券取引所のダウ平均株価の109.41ドル安の下落を招いたのである。

そして日経平均株価の大幅安の要因は「トランプ・ファクター」なのだ。

安倍晋三政権が期待する来年3月末の株価2万5000円のカギを握るのは、「賃上げ3%」ではなく、予見不能のトランプ大統領自身である。

ワシントンでは今、「Trump is Trumpier」という言葉がよく使われる。

「トランプはトランプ以上」とは、度が過ぎるトランプ大統領を予測することはできない、という意味である。

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『「北に先制核攻撃も辞さず」と言明した米国務省 「対話の時ではない。核放棄に向け北朝鮮を全力で圧迫」』(12/7日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について

12/6facebook記事。<【厉害了,你的国】这是今天的吉林日报,信息量真是相当的大!第一,在日报上整版登防核,意味着什么?第二,核弹的危胁来自哪里?第三,这整版报纸是不是表达这个意思?“乡亲们别慌,我们先坐下来学习学习如何战胜原子弹!”第四,高层是不是早就知道金三和原子弹都失控了?而且早就知道朝鲜的第一目标一直就是中国? ——我可以说不吗? 2017.12.6

[素晴らしい, あなたの国]これは今日の吉林日報の記事です。情報量は非常に大きいです! 第一に日報の全段打ち抜きで核被害の防御の記事を載せているのは、どういう意味ですか? 第二に核爆弾からの脅威はどこから来るのでしょうか? 第三にこの新聞は、「みんな, パニックにならないように, 私たちは先ず座って原子爆弾に打ち勝つ方法を学びましょう」という意思を表明しているのでしょうか?第四は、トップ達はとっくに三代目の豚と原子爆弾を制御できなくなることを知っていたのでは? 彼らは北朝鮮の攻撃の第一目標がずっと中国だったことをとっくに知っていた? -ノーと言えるかどうか?2017.12.6>

12/6ZAKZAK<中国紙、核爆発対処法掲載「2秒以内に建物の陰に」 北朝鮮有事想定か>「記事掲載について、中国紙記者は「朝鮮半島有事が発生した場合の被害を減らす目的ではないか」と指摘。一方、吉林日報関係者は中国メディアに対し「通常の国防教育」の一環だと強調している。(共同)」とありますが、当然米軍の北への戦略核攻撃への備えでしょう。地理的に近いこともありますし。

http://www.zakzak.co.jp/soc/news/171206/soc1712060027-n1.html?ownedref=not%20set_not%20set_newsList

12/6宮崎正弘氏メルマガ<中国吉林省の『吉林日報』、住民に「核戦争に如何に備えるか」の特集号 やっぱり、金正恩の核ミサイルは中国にも照準>金三胖がもし中国を核攻撃するとしたら、吉林省ではなく北京でしょう。旧満洲は朝鮮と江派の牙城ですから。中国のミサイル防衛の精度は低いので要人は中南海の地下に逃げられるでしょうけど、大衆が犠牲になります。その前に、米軍は北の核・生物・化学兵器を無力化しなければ。

http://melma.com/backnumber_45206_6618797/

12/7中国観察<戰雲籠罩:金正恩離開平壤 吉林傳開設難民安置點 希望之聲電台=戦雲が立ち込める:金正恩は平壤を離れた 吉林に難民保護所を開設と伝えられる 希望の声TV>中共は吉林省・長白県に5ケ所、難民保護所設置を決めたと。豐溪里の核基地からはわずか76Km。韓国の中央日報は、金正恩は米軍の攻撃を恐れ、平壤を離れて中朝国境近くにいる。ただ軍需工場がある所なので、新たな挑発行為の準備をしているのではと。

http://chinaexaminer.bayvoice.net/b5/trend/2017/12/07/382841.htm%E6%88%B0%E9%9B%B2%E7%B1%A0%E7%BD%A9%EF%BC%9A%E9%87%91%E6%AD%A3%E6%81%A9%E9%9B%A2%E9%96%8B%E5%B9%B3%E5%A3%A4-%E5%90%89%E6%9E%97%E5%82%B3%E9%96%8B%E8%A8%AD%E9%9B%A3%E6%B0%91%E5%AE%89%E7%BD%AE%E9%BB%9E.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

12/7ZAKZAK<米国人20万人が韓国脱出決行か トランプ氏決断の兆候、半島有事緊迫 在日米軍基地も避難先に>

http://www.zakzak.co.jp/soc/news/171207/soc1712070007-n1.html?ownedref=not%20set_not%20set_newsList

本記事にありますように、国務省も北への攻撃に核使用に言及したことは大きいです。リベラルの巣窟と言われ、左翼にシンパシーを持つ役人が多いイメージでしたから。多分バンカーバスターで地下兵器の攻撃に使うのでは。ここまでの流れを見れば、米軍の北への攻撃は間違いないでしょう。クリスマス休暇で在韓米軍の家族が帰国し、在韓邦人が帰国した年末から年明け早々が一番危ないのでは。安倍・トランプ会談で安倍首相は「日本人の帰国が終わってから」と頼んでいると思います。拉致被害者の奪還はどういう手順でするのか検討しておかないと。

トランプのイスラエル大使館のエルサレム移転は今まで惰性で認めて来たことを変える強い意志の表れでは。ですから「北の暴発も認めない」として「核攻撃も辞さず」の露払いの意味もあったのでは。であれば、中国との関係も見直し、パクスシニカにならないよう手を打たないと。北の問題が解決した後は台湾を明確に国家として承認してほしい。日米台の同盟が結ばれるように。

記事

韓国で過去最大規模の空軍演習を実施。“準備”は着々と進む(写真:ZUMA Press/アフロ)

前回から読む)

米国務省が「北朝鮮への核攻撃も辞さない」と言い切った。「対話の時ではない」と北朝鮮の平和攻勢を拒否する姿勢も打ち出した。

米国と日韓を守るために

鈴置:国務省のアダムス(Katina Adams)報道官(東アジア太平洋担当)が12月5日、以下のように語りました。

トランプ(Donald Trump)大統領が優先順位の最上位に置くのは米国の本土と準州、そして同盟国を北朝鮮の攻撃から守ることだ。

米国は通常兵器と核兵器のありとあらゆる能力を動員し、同盟国である韓国と日本を防衛するとの約束を完全に履行する。

米政府が運営するVOAの質問に答えました。「国務省、北朝鮮の脅威には『核兵器を含むすべての能力を総動員……対話の時ではない』」(12月6日、韓国語版・一部は英語)で読めます。報道官の発言(英語)は次の通りです。

The President’s top priority remains protecting the homeland, U.S. territories, and our allies against North Korean aggression. We remain fully committed to the defense of our allies, the Republic of Korea and Japan, using the full range of our conventional and nuclear capabilities.

VOAの「北朝鮮による米本土を攻撃する能力を阻止(deny)するために、最終的な手段として先制攻撃する可能性はあるか」との質問に「通常兵器も核もすべて動員する」と答えたのです。

米政府が「核も使って先制攻撃する」と言明したのは初めてです。9月19日の国連演説でトランプ大統領が「totally destroy」(完全に破壊する)と核の使用を示唆したことはありました(「北朝鮮に『最後通牒』を発したトランプ」参照)。

が、「核」という言葉を使って北朝鮮を脅したことは、私の知る限りありません。

平壌を核攻撃できるか

—ついに、来るところまで来ましたね。

鈴置:北朝鮮の核施設を米国が攻撃する際、まず核ミサイル基地を叩く必要があります。そうしないと米国や日本、韓国が核で反撃されるからです。

しかし核ミサイル基地の多くは地下に隠されていて、米軍が位置を狭い範囲に特定できないこともある。その際、米軍は通常型の爆弾と比べ、広範囲の地域を破壊できる戦術核を使います。

そもそも北朝鮮が国連決議違反の核武装に乗り出したうえ、米国や日本、韓国を先制核攻撃すると脅してきたのです(「米中は金正恩を『アジアのムガベ』にできるか」参照)。

北が先制核攻撃されても文句は言えません。脅迫されている国にすれば、そんな危ない国を放置するわけにはいかないのです。

—使うのは通常兵器と戦術核ということですか。

鈴置:戦略核も使う可能性が出てきました。北朝鮮は平壌(ピョンヤン)近郊から移動式発射台を使ってICBM(大陸間弾道弾)を撃ってみせます(「米中は金正恩を『アジアのムガベ』にできるか」参照)。8月29日と9月15日に続き、11月29日のICBMもそうでした。

金正恩(キム・ジョンウン)委員長はトランプ大統領に「平壌市内を動き回る移動式発射台から撃つぞ。これらを攻撃するには、戦術核以上に広い範囲を破壊する戦略核を使う必要がある。すると非戦闘員に多数の死傷者が出る。その覚悟があるのか」と挑発したのです。

米国は覚悟を固めたと見られます。平壌など都市部への攻撃をしない限り、核で反撃されるからです。トランプ大統領の「totally destroy」(完全に破壊する)も、それを意味すると思われます。

北の時間稼ぎは許さない

—なぜ今、国務省が「核攻撃」を表明したのでしょうか。

鈴置:VOAの記事を読んだ日本のある専門家は「11月29日のICBM発射が米国に開戦の決心を固めさせたようだ」と語りました。

米本土に届く核を北朝鮮が持ったか、あるいは近く持つことが確実になったからです(「じり貧の北朝鮮、『核武装の総仕上げ』急ぐ」参照)。

アダムス報道官は「今は明らかに対話の時ではない。北朝鮮が大量破壊兵器の開発を進めるのに支払う代価を引き上げることに我々は注力すべきだ」とも語りました。原文は次です。

now is clearly not the time for talks. We must remain focused on increasing the costs for Pyongyang to continue to advance its WMD programs.

北朝鮮は突然「平和愛好国家」を自称し始めました。「世界の平和と安定のためあらゆる努力をする」とも言い出しました(「高笑いする金正恩、挙動不審の文在寅」参照)。12月5日には国連事務次長も呼び付けるなど「対話攻勢」に転じました。

米国の攻撃を阻止して時を稼ぎ、核保有国の地位を既得権化する作戦です。日本語のネット空間に「北朝鮮は放置しておけばいい。それが平和への道だ」といった主張が流れるのも、その一環でしょう。

アダムス報道官は――米政府は、北朝鮮の平和攻勢に騙されて対話などしない、と突っぱねたのです。

3カ月後に戦争

—国はいつ、戦争を始めるつもりでしょうか。

鈴置:英紙「ガーディアン」(the guardian)が「Have we got just three months to avert a US attack on North Korea?」(12月4日)で「米国は北朝鮮を来年3月までに先制攻撃するだろう」と報じました。

根拠は米国の元国連大使、ボルトン(John Bolton)氏の発言です。同氏は11月の最終週に英下院を訪れ「CIA長官がトランプ大統領に対し『あと3カ月で、ワシントンを含む米国の全都市を核で攻撃できる能力を北朝鮮が持つ』と報告した」と語りました。引用します。

Last week John Bolton the former US ambassador to the UN and a notable hawk from the George W Bush era, visited London and the House of Commons. His mission, whether official or not: to relay that CIA chiefs have told Donald Trump that he has a “three-month window” in which to act to halt the North’s ICBM programme, after which the North Koreans will have the capability to hit US cities, including Washington, with a nuclear payload.

ガーディアンは「3月がデッドラインになるが、先制攻撃が検討されているに違いない」(This apparent March deadline, for what can only be considered a pre-emptive strike, )と結論付けました。

「3月デッドライン説」を補強するために「米国の司令官が数日前に板門店(パンムンジョン)を訪れた元欧州議員にもそう、話していた」(was also mentioned to a former European parliamentarian by a senior US commander a few days ago at Panmunjom on Korea’s demilitarised zone, )と指摘しました。

韓国から家族を戻せ

—トランプ大統領に近い米上院議員が「米軍の家族を韓国から戻せ」と主張したそうですね。

鈴置:グラム(Lindsey Graham)議員が12月3日、CBSのインタビューに答え、そう語りました。「Sen. Graham says new N. Korea tech advances make pre-emptive war “more likely”」の見出し通り、まず「北朝鮮の核開発進展が先制攻撃の可能性を高めた」と述べました。

そして「北朝鮮の挑発にさらされる韓国に、軍人の配偶者や子供を送るなんてとんでもないことだ。今、家族を韓国から呼び戻さねばならない」と語ったのです。次です。

It’s crazy to send spouses and children to South Korea, given the provocation of North Korea. So I want them to stop sending dependents. And I think it’s now time to start moving American dependents out of South Korea,

米国の脅しは口だけではありません。韓国空軍と合同で12月4日から8日まで大規模な演習「ビジラント・エース 18」(VIGILANT ACE 18)を朝鮮半島周辺で実施中です。F22やF35など最新鋭ステルス戦闘機を含む230機が参加しています。

11月下旬には、第7艦隊の艦艇が横須賀に集結しました。有事に備え、弾薬や水・食糧などを一斉に補給していると専門家は見ています。空母も異例なことに、同時に5隻が太平洋に展開中です。

中韓が連携し米国を抑える

—「気分はもう戦争」ですね。

鈴置:「核を放棄しろ」との金正恩委員長への脅しです。北の幹部らに対する「死にたくなかったら親分を倒せ」との呼び掛けでもあるのでしょう。

—北朝鮮はどう対抗するのでしょうか。

鈴置:「対話を求める北朝鮮は平和勢力だ。米国こそが戦争を起こす危険な国だ」と世界に訴え始めました(「高笑いする金正恩、挙動不審の文在寅」参照)。

ただ、それを自分で言っても効果がないので「反米親北」の文在寅(ムン・ジェイン)政権を使って、突破口を開く作戦でしょう。

文在寅大統領は12月13日に訪中、習近平主席と会談します。ここで「米国の暴発を抑える役目」を中国に頼むつもりかと思われます。

中国は「もう、知らない!」

—中国は応じるでしょうか。

鈴置:中国も戦争はして欲しくありません。が、かといって米国と北朝鮮を抑える力はない。困惑の体です。

人民日報の姉妹紙「環球時報」の英語版「Global Times」の社説「US, NK should not make China scapegoat」(12月1日)を読むと、本音がよく分かります。ポイントを拾います。

China will face difficult choices, but at least we can say China has tried its best.

The possibility of a war on the Korean Peninsula is rising and it is not decided by China.

China will face whatever comes next. Beijing is fully prepared to use its prowess to defend its national interest.

「中国はやるべきことはやってきた」「戦争になりそうだ。でも、中国のせいじゃないからね」「こうなったら中国は、何としても自分の国益を守る」と叫んだのです。

飛んで火に入る文在寅

—やけくその叫びに聞こえます。

鈴置:「戦争になりそうだ」という部分はそうです。でも、中国はしたたかです。転んでもただでは起きません。第2次朝鮮戦争をいかに国益に生かすか、術策を練っていると思います。

まず「この戦争に中国の責任はない」と言っておく。そして「戦後処理」の段階で、在韓米軍の撤収や米韓同盟の廃棄を主張できるよう「戦争の形」を整えていくのではないかと思います。

金正恩政権の崩壊後に生まれる「跡地」でも最低限、日本海側の港とそこへの通路を確保する作戦と思われます。本物かは分かりませんが、中国が構想する「4カ国分割統治地図」なんてものも出回っています(「米中ロがうごめく『金正恩後の北朝鮮』分割案」参照)。

そんな時、北京にのこのことやって来る文在寅大統領。まさに「飛んで火に入る夏の虫」です。

(次回に続く)

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『高笑いする金正恩、挙動不審の文在寅 韓国は「同盟よりも民族」を選ぶ』(12/5日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について

12/5ダイヤモンドオンライン<韓国メディアが態度一変、海上封鎖強化で「偶発的米朝衝突」の恐怖【元駐韓大使・武藤正敏】>

http://diamond.jp/articles/-/151844?utm_source=daily&utm_medium=email&utm_campaign=doleditor

12/6ZAKZAK<米国が目指す対北有志連合の形成 ティラーソン氏、各国に「海上臨検」の実施呼びかけ >

http://www.zakzak.co.jp/soc/news/171206/soc1712060011-n1.html?ownedref=not%20set_not%20set_newsList

中国が北の石油を止めないから、次のステップで海上封鎖に入るように見えます。12/6ロイターでは<日中、尖閣衝突回避策で大筋合意>の記事が流れました。Facebookの意見を読みますと米中日で北と戦争の間は、中国は尖閣を攻めないとの密約かもというのがありました。中国が狙っているのは軍ではなく民兵の上陸でしょう。北のボロ舟が松前小島まで来れるのですから、中国船もいくら尖閣の波が荒くても数撃ちゃ当たるになるでしょう。人命なぞ尊重しない国ですから。日本人は中国人を本当に理解できているのでしょうか?まあ、話を戻しますと、北との開戦は近づいているのでは?小坪慎也氏がブログで何度も書いていますように米軍の北への艦隊派遣はコストがかかっている訳で、このまま何もしないという事はないという見立てです。多分これは当たっていると思います。

https://jp.reuters.com/article/idJP2017120601001118

本記事で、韓国の保守派が戦争になりそうで焦っているとのこと、手遅れでしょう。北から距離的に近いソウルを首都に定め、人口密集させたことに対して抜本対策をしてこなかった咎めです。日本の普天間も基地の周りにドンドン住宅やら学校を建てて米軍を追い出そうとしているのと似ている構図です。左翼の好きな「人間の盾」を利用して、自分の都合良い方向に誘導するものです。でも、韓国の保守派と言っても反日であることは変わりはないし、李明博や朴槿恵の日本への非礼を見ていますと従北派と同じでしょう。保守と言う仮面を被って日本を世界に貶める活動してきた訳ですから余計に始末が悪い。1000年経っても和解できる民族の質ではありません。福沢諭吉のように、日本人は中韓とは付き合わない覚悟を持たないと。

韓国ばかり責めていられません。日本も同じか、もっと悪く赤化が進んでいます。12/6日経朝刊には有力大学の学長(理事長)アンケートが載っていて、軍事向け研究を「既に認めている」か「今後は認める」大学は計2%強(4校)で42%が「今後も認めない」、検討中の理由で51%は「未定」と。日本学術会議同様、「象牙の塔」に立て籠もり、真に国民の役に立つ学問をしていません。北朝鮮問題が喧しい中、超然として生きられるのですから、彼らはガラパゴスに棲む生き物でしょう。適者生存の原理では、日本人は生き延びられないです。愚かな老人が支配する学界では、未来の日本人が生存できる確率は低くなります。若者はもっと怒った方が良い。保身のみの身勝手な老人たちを。

国民が心を一つにして敵と戦う気持ちが無ければ、やがて奴隷になるだけです。後世から見て日本人は第二次大戦後勇気を失った民族として歴史に名を留めることになるでしょう。憲法9条が平和を守ってくれる訳もなく、抑止力こそが平和を守ることを自覚しなければ。

記事

トランプ大統領の訪韓時、異例の“緩い規制”の下で反米デモが展開された(写真:AFP/アフロ)

前回から読む)

韓国は米国との同盟を続けるのか、核を持った北朝鮮と手を組むのか――。

米本土を核攻撃できる

鈴置:北朝鮮は11月29日未明、新型ICBM(大陸間弾道弾)の「火星15」型を試射しました(「じり貧の北朝鮮、『核武装の総仕上げ』急ぐ」参照)。

朝鮮通信(東京)が「大陸間弾道ロケット(ミサイル)『火星15』型試験発射成功――朝鮮政府声明」(11月29日、韓国語版)で以下のように伝えました。

金正恩(キム・ジョンウン)同志は新型の大陸間弾道ロケット「火星15」型の成功的な発射を見守りながら、ついに国家核武力(戦力)完成の歴史的大業、ロケット強国の偉業が実現したと誇り高らかに宣布された。

—核保有国になったぞ、と肩をそびやかしたのですね。

鈴置:その通りです。11月29日は高角度で打ち上げるロフテッド軌道で発射しました。高度は4000キロメートル以上に達し、水平距離では約950キロ飛びました。これから推計すると「火星15」は1万3000キロの射程を持ち、米全土をカバーできます。

ただ、今回の試射で弾頭部は空(から)だったか、実戦に使用する核弾頭よりも軽かった可能性があります。そうなら北朝鮮が米本土を核の射程に入れたとは言い切れません。大気圏に再突入した際の熱に耐えられる核弾頭の開発に成功したかも不明です。

米国の北朝鮮研究機関「38North」は「North Korea’s Third ICBM Launch」(11月29日)で「米国の西海岸まで届く実用可能なミサイルを北朝鮮が開発するには後、1年はかかる」と評価しました。

ところが1日後の「The New Hwasong-15 ICBM: A significant Improvement That May be ready as early as 2018」(11月30日)では「低信頼度のミサイルでいいのなら、今後4-6カ月の間に2-3回の発射試験をすることで、金正恩は『火星15』を実戦配備できる」と修正しました。米国の評価も揺れているのです。

臨検に動く米国

—米国はどう対応するのですか?

鈴置:北朝鮮への圧迫をさらに強めています。今回のICBMの評価はどうであれ、北朝鮮が核ミサイル開発に邁進し、それが着実に進展しているのは確かだからです。

11月29日、国連安保理で米国のヘイリー(Nikki Haley)大使は「昨日起きたこと(ICBM発射)のような攻撃的な姿勢を北朝鮮が続けるなら戦争になる」「戦争になれば北朝鮮は完全に破壊される」と警告しました。原文は以下です。

If war does come, it will be because of continued acts of aggression like we witnessed yesterday. And if war comes, make no mistake, the North Korean regime will be utterly destroyed.

自由アジア放送(RFA)が「米、安保理緊急協議で中国には原油供給中断を要求……戦争になれば北朝鮮を完全に破壊」(11月29日、韓国語版・一部は英語)で伝えました。

ヘイリー大使はトランプ大統領が習近平主席に電話し、北朝鮮への石油禁輸を求めたことも明かしました。しかし、中国は安保理でこれを拒否しました。

それに先立ち、ICBM発射直後にティラーソン(Rex Tillerson)国務長官は北朝鮮を行き来する船舶への臨検実施を示唆しました。国務省の発表によると以下です。

In addition to implementing all existing UN sanctions, the international community must take additional measures to enhance maritime security, including the right to interdict maritime traffic transporting goods to and from the D.P.R.K.

文在寅は「米の先制攻撃を防げ」

—韓国は?

鈴置:その韓国の態度が怪しくなってきました。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は11月29日午前、NSC(国家安全保障会議)を開催しましたが、席上「米国の先制攻撃を防げ」と語ったのです。

聯合ニュースの「文大統領『北朝鮮の状況を誤解しての核威嚇・米国の先制攻撃を念頭に状況を防がねばならぬ』」(11月29日、韓国語版)から、大統領の発言を引用します。

大陸を越える北朝鮮の弾道弾が完成したなら、状況が手に負えないほどに悪化する可能性がある。

北朝鮮が状況を誤って判断し我々を核で脅したり、米国が先制攻撃を念頭に置く状況にならぬよう防がねばならない。

金正恩(キム・ジョンウン)委員長は核武装をあきらめない。米国はそれを認めるつもりはない。となると現在、最も平和的な解決策はクーデターか暗殺による金正恩体制の打倒です(「米中は金正恩を『アジアのムガベ』にできるか」参照)。

ただそのクーデターも、米国が先制攻撃してくるとの恐怖感が北朝鮮内部にあってこそ、可能性が増すのです。その恐怖感を打ち消すようなことを、この切羽詰まった時に韓国の大統領が言い出したのです。

「やりたい放題」になる北朝鮮

韓国では大統領の真意を疑う声が上がりました。保守系紙、朝鮮日報は社説「『核武力完成』を宣言した北、米国の先制攻撃を防ぐという韓国」(11月30日、韓国語版)で厳しく批判しました。以下です。

現実的には北の挑発を防げないことから、(大統領の発言は)米国の先制攻撃を防がねばならぬ、との意味になるしかない。そうなれば北は心おきなく挑発することができるようになる。大統領は北の脅威は公開的に糾弾しても、米国の対応に関しては非公開で論議すべきだ。

中央日報の社説「レッドラインを踏んだ北のICBM発射、政府はさらに強く対応せよ」(11月30日、韓国語版)も「この発言を聞いた北朝鮮はやりたい放題やることになる」と指摘しました。ポイントを翻訳します。

米国が先制攻撃を検討するのを防がねばならない、との文大統領の言及は誤解を呼び得る。北朝鮮に対する最大の圧迫と制裁を語りながら、軍事的選択をそこから引き抜いてしまえば、北朝鮮が耳を傾けるだろうか。

「平和愛好国家」を自称する金正恩

—文在寅大統領はなぜ、そんな発言をしたのでしょうか。

鈴置:北朝鮮は「自分を核保有国として認めよ」と言い出しました。先ほど引用した朝鮮通信の「大陸間弾道ロケット『火星15』型試験発射成功――朝鮮政府声明」も、最後の結論部分でそう主張しました。翻訳します。

我が国家の利益を侵害しない限り、どんな国であろうと地域であろうと脅威にはならないことをいま一度、厳粛に声明するものである。

朝鮮民主主義人民共和国は責任ある核強国であり、平和愛好国家として世界の平和と安定を守護するための崇高な目的の実現のために、自らのあらゆる努力を傾けることであろう。

—平和愛好国家、ですか!

鈴置:爆笑モノです。北朝鮮はテロを繰り返し、日米韓を先制核攻撃すると脅しています(「米中は金正恩を『アジアのムガベ』にできるか」参照)。

そんな国が「平和愛好国家」として「世界の平和を守るために努力する」と言いだしたのですから。犯罪集団による「平和攻勢」です。

トランプこそが平和の敵だ

—トランプ(Donald Trump)大統領も韓国国会で、テロ、誘拐など北朝鮮の国家犯罪を列挙したばかりです。

鈴置:あの演説には北朝鮮は相当に困惑したと思います。すべて真実で、反論しようにもできないのですから(「トランプ大統領の韓国国会演説のポイント(1)」参照)。

■トランプ大統領の韓国国会演説(2017年11月8日)のポイント(1)

北朝鮮の人権侵害を具体的に訴え

10万人の北朝鮮人が強制収容所で強制労働させられており、そこでは拷問、飢餓、強姦、殺人が日常だ

反逆罪とされた人の孫は9歳の時から10年間、刑務所に入れられている

金正恩の過去の事績のたった1つを思い出せなかった学生は学校で殴られた

外国人を誘拐し、北朝鮮のスパイに外国語を教えさせた

神に祈ったり、宗教書を持つクリスチャンら宗教者は拘束、拷問され、しばしば処刑されている

外国人との間の子供を妊娠した北朝鮮女性は堕胎を強要されるか、あるいは生んだ赤ん坊は殺されている。中国人男性が父親の赤ん坊を取り上げられたある女性は「民族的に不純だから生かす価値がない」と言われた

北朝鮮の国際的な無法ぶりを例示

米艦「プエブロ」の乗員を拿捕し、拷問(1968年1月)

米軍のヘリコプターを繰り返し撃墜(場所は軍事境界線付近)

米偵察機(EC121)を撃墜、31人の軍人を殺害(1969年4月)

韓国を何度も襲撃し指導者の暗殺を図った(朴正煕大統領の暗殺を狙った青瓦台襲撃未遂事件は1968年1月)

韓国の艦船を攻撃した(哨戒艦「天安」撃沈事件は2010年3月)

米国人青年、ワームビア氏を拷問(同氏は2016年1月2日、北朝鮮出国の際に逮捕。2017年6月に昏睡状態で解放されたが、オハイオに帰郷して6日後に死亡)

「金正恩カルト体制」への批判

北朝鮮は狂信的なカルト集団に支配された国である。この軍事的なカルト集団の中核には、朝鮮半島を支配し韓国人を奴隷として扱う家父長的な保護者として指導者が統治することが宿命、との狂った信念がある

しかし北は、どんなに笑われようと「平和愛好国家」と言い張るしかない。「ならず者」として米国に処刑される可能性がどんどん高まっているからです。

確かに、北朝鮮にとって都合のいい声も出ています。米国は冷戦中にソ連や中国と「核の均衡」をとった。同様に北朝鮮の核も認めよ、との意見です。

日本でもそう言い出す人が出ています。しかし、世界中が「ならず者」の烙印を押したら、そんな声はしぼみます。

前々回にも説明したように「ならず者」とは「核の均衡」、専門用語で言えば「相互確証破壊」(MAD=Mutual Assured Destruction)が成立しないのです。そこが北朝鮮とソ連・中国とが決定的に異なる点です。

—北朝鮮がいくら「平和愛好国家」を自称しても、信じる人は世界にいないのでは?

鈴置:そこで韓国の出番となるのです。もし、当事者である韓国が米国を「戦争愛好国家」と決めつけたうえ「米国が先制攻撃しそうだから韓国・平昌(ピョンチャン)での冬季五輪が開けない」などと言い出したら、どうなるでしょうか?

「金正恩も危ない奴だが、トランプも同じだ」と考える人が出るでしょう。すでに中国とロシアはその視点で語っています。ケンカ両成敗式に「戦争はやめろ」「米国は先制攻撃するな」との国際世論が盛り上がるかもしれません。

文在寅大統領の発言はこれを狙っている、と韓国の保守は見ているのです。そうなったら北朝鮮の思うつぼです。

北朝鮮側に立つ韓国

—でもその際、韓国は米国ではなく北朝鮮側に立つことになります。韓国がそんな道を選ぶのでしょうか。

鈴置:十分にあり得ます。というか、左派の文在寅政権はその方向に進んでいるのです(「文在寅大統領の『反米・親北』の言動」参照)。

  • 文在寅大統領の「反米・親北」の言動(2017年)
4月13日 大統領選挙の討論会で「(米国が先制攻撃を準備する場合)北朝鮮にホットラインを通じて直ちに連絡し、挑発を中断するよう要請する」と発言
5月10日以降 「手続きが不透明」としてTHAADの追加配備を認めず。6回目の核実験(9月3日)後の9月5日になって配備容認を決定
8月15日 「朝鮮半島での軍事行動は大韓民国の同意なくして誰もできない」と米国の先制攻撃に反対
9月21日 「時期は未定」としつつ、800万ドルの対北人道支援を発表
9月28日 「戦時作戦統制権を早期に米国から韓国に移す」と国軍の日の記念式典で演説
11月29日 北朝鮮のICBM発射直後に「米国が先制攻撃を念頭に置く状況にならぬよう防がねばならない」と発言、米国を牽制
 

だからこそ韓国の保守は、金正恩と文在寅の連携プレーに見える動きに神経を尖らすのです。朝鮮日報は冒頭に引いた社説で、以下のように指摘しました。要約しながら引用します。

北朝鮮が「世界の平和を守るため、あらゆる努力を傾ける」と言い出した。核保有国になったうえ、対話局面への転換に乗り出すとの予告だ。

トランプ大統領の考えが変われば局面は大きく変わる。北朝鮮が核実験やICBM発射を中断するとの条件に対し、制裁解除や在韓米軍の撤収が持ち出されるだろう。

金正恩委員長の「核を持ったうえでの平和攻勢」は韓国の左派勢力と連携し、深刻な国内分裂をもたらすかもしれない。

文在寅大統領の「米国の先制攻撃を防げ」との発言を北朝鮮の「平和攻勢」に応じる伏線と見なしたうえで、「平和攻勢」を左派政権が支持したら国論が分裂し収拾がつかなくなると警告したのです。さらに朝鮮日報は米韓同盟も解体されると訴えました。

北が目標とする「決定的時期」はますます近づいている。たぶん何カ月も残っていないだろう。最も重要なことは、最悪の状況下でも揺れない韓米同盟を再確認することだ。米国が保障する核の傘のほか戦術核再配置や核共有戦略も真剣に検討しなければならない。

死に物狂いの親米保守派

—「決定的時期」とは?

鈴置:緊張の激化や北の平和攻勢により、韓国が米国との同盟をとるか、同族との連帯をとるか、立場を迫られる時との意味です。

もちろん保守系紙として朝鮮日報は同盟が大事だ、と主張したのです。先に引用した中央日報の社説も、同じ結論を掲げました。翻訳します。

今や韓米同盟を基盤に北朝鮮をさらに強く圧迫せねばならない。どんな困難があろうと、自由民主主義の大韓民国を守る覚悟が必要な時だ。

—保守は必死ですね。

鈴置:朝鮮日報は翌12月1日の社説「文大統領、習主席に『対北原油中断』を直接要求せよ」(韓国語版)でも、文在寅政権の「同盟より民族」路線に歯止めをかけようとしました。

見出しを読めば分かりますが、大統領は12月中旬に予定される中韓首脳会談で北朝鮮への原油輸出を完全に止めてくれと中国に頼め、との主張です。

原油の輸出中断は米国が何度も要求し拒否されています。韓国の頼みを中国が受け入れるわけがない。朝鮮日報もそれは分かっている。ただ、そうしたパフォーマンスをすることで「米国側に残る」姿勢を世界に示せ、と親北政権に要求したのです。

トランプの車が逆走

—保守派は同盟を守れるでしょうか?

鈴置:分かりません。左派が「トランプこそが戦争勢力」と訴える宣伝戦に乗り出しているからです。11月8日のトランプ大統領の国会演説の際、議場で左派の複数の議員が立ち上がって「NO WAR」のプラカードをかざしました。

その前日、11月7日には左派がソウル市内で「戦争反対」「トランプは帰れ」と叫ぶ大規模なデモを実施しました。

青瓦台(韓国大統領府)から宿舎のホテルに戻るトランプ大統領の車列には物が投げつけられ、大統領の車はコースの変更を余儀なくされました。道路の反対車線を走って、あやうく難を逃れたほどです。

大統領の車に物が投げつけることができるほど、今回の反米デモへの規制は弱かった。誰もが米国の大統領に危害が及ぶ激しいデモになると予想していたというのに、韓国政府はトランプ大統領の動線上のデモを許可したのです。

文在寅大統領はトランプ大統領の前では同盟を謳い上げて見せる。しかし裏では反米運動を助け、米国こそが危険な存在と世界に訴えているのです。

米韓首脳会談の直後、WSJ(ウォールストリート・ジャーナル)が社説「South Korea’s Bow to Beijing」(11月7日、電子版)で「文在寅大統領は信用できない(unreliable)友人だ」と書きました(「トランプとの合意を1日で破り、変造した文在寅」参照)。それは当然の話なのです。

(次回に続く)

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『チャラチャラ感が加速する中国は崩壊目前 作家・星野博美氏に聞く中国(1)、中国全体で格差を真剣に議論する時が来た 作家・星野博美氏に聞く中国(2)』(12/4・5日経ビジネスオンライン 山田泰司)について

12/4ダイヤモンドオンライン ロイター<中国の債務は引き続き拡大、見えない政府の抑制効果>

http://diamond.jp/articles/-/151836?utm_source=daily&utm_medium=email&utm_campaign=doleditor

12/6宮崎正弘氏メルマガ<中国全土50の都市に地下鉄を掘っているが、工事中断が始まった 債務の膨張をこのまま放置しては深刻な事態が惹起されるだろう>

http://melma.com/backnumber_45206_6618314/

経済に疎い習近平がGDPの数字の誤魔化し是正や債務の削減を実行しようとしているように見えますが、地雷を踏むことになるでしょう。緊縮財政は当然失業に繋がります。また賄賂や供応もできなくなり、地方の権力者の不満が蓄積されます。クーデターか習の暗殺が起きるかもしれません。今の中国人に北の「苦難の行軍」や毛の「長征」をする覚悟はないでしょう。米国が経済で中国を締め上げればバブル崩壊、ハゲタカの餌食になるのでは。これが世界平和の為に良いのでは。

12/6日経朝刊中国、ネット統制正当化 新興国に拡散の恐れ 「世界大会」が閉幕

【上海=小高航】中国政府がインターネット空間への統制を強める方針を内外に示した。5日閉幕した政府主催の世界インターネット大会で、ネットに対する管理・統制を「国家主権の問題」として正当化した。今後も最新技術を使い、情報統制を強める。大会は東南アジアやアフリカ諸国の高官らが参加。中国発のデジタル保護主義が新興国など世界に拡散する恐れが強まってきた。

中国政府は3~5日、浙江省烏鎮で4回目となる大会を開催した。習近平(シー・ジンピン)国家主席は大会に寄せた祝辞で「IT(情報技術)を核に新たな産業革命が芽生えつつある」と技術革新を歓迎する姿勢をみせた。その一方で「ネットの発展は各国の主権や安全にとって新たな挑戦だ」と警戒感を示した。 習氏はネットを情報統制の主戦場と位置付け、締め付けを強めている。中国では以前から「グレート・ファイアウオール」(ネットの長城)とも呼ばれる仕組みで、海外のニュースやフェイスブックなど「不都合な情報」が流れ込むサイトを遮断してきた。

さらに2017年6月には統制を強化する「インターネット安全法」を施行している。同法は中国で集めた顧客データの国内保存や、海外に持ち出す際に当局の審査を義務付ける内容。日本の経団連を含む世界の54団体は5月に「世界経済に大きな影響を与える」と延期を求めたが、中国側は聞く耳を持たない。逆に新浪などネット大手を「違法情報」を流したとして処分し、デジタル保護主義への傾注を強める。

浙江省烏鎮で開かれた大会は世界大会をうたうが、欧米や日本など先進国の政府高官の姿はほとんど見当たらない。中国国内ですら「閉ざされたネット空間しかない中国が『世界大会』を名乗るのはおかしい」との批判も根強い。それでも、東南アジアやアフリカ、中東の新興諸国が副首相級らの高官を送り込んだ。

参加した新興国の多くは、中国が広域経済圏構想「一帯一路」で経済支援する国々と重なる。経済支援の見返りに、政治面だけでなくネット空間の統制手法でも「仲間作り」を進めたい中国側の思惑がのぞく。

世界インターネット大会の開幕式で、演説する王滬寧・共産党政治局常務委員=3日、中国浙江省烏鎮(共同)

大会では「一帯一路・デジタル経済国際協力」と題した提言も発表。ラオスやタイ、トルコ、サウジアラビアなど一帯一路の沿線国が共同で、デジタル化の促進やネット空間の「秩序」を高める方策を探るとした。ネット統制の流れが新興諸国に広がる可能性がある。

新興国は必ずしも経済支援の見返りだけで参加しているとは限らない。中国と同じく、政権安定へ向け言論統制や国民監視にネット活用をもくろむ国は少なくない。顔認証などの最新技術とネットを組み合わせ威力を増す中国の監視技術の「輸入」を望む国もあるとみられる。

自由や中立性を前面に米国発で発展してきたインターネット。一方で中国発のネットの保護主義が新興国を覆いつつある。今後、ネットという現代社会の利器の使い方を巡り、世界の溝が深まる可能性がある。

デジタル化の流れを取り込み発展した米国の大手企業は、中国のネット規制への対応に苦慮している。中国は中間所得層が厚みを増し、消費市場として重要性を増す。大会には米グーグルやアップルの首脳も参加したが、中国のネット政策への批判は封印した。>(以上)

本記事で山田氏や星野氏が言っています「国民監視の目」は益々激しくなっているというのが上記の日経の記事でしょう。日本の左翼野党と偏向メデイアはこの中国のやり方を批判しません。日本政府が事務の効率化を目指してマイナンバー等入れるときには「国民監視」とか文句を付けていました。彼らはいつも二重基準です。でも騙される国民が悪いのですが。

本記事の中で、日本人で中国人が嫌いな人が増えたとありますが、それはそうでしょう。中国人の実態を目の当たりに見ればそうなります。小生が8年の駐在を終えて日本に帰ってきたときに、会社で中国人の実態を話したら「人種差別主義者」とか「国粋主義者」の烙印を押されました。今だったら深く頷いて貰えたでしょう。

山田氏も星野氏も農民工に同情していますが、共産党を打倒しない限り展望は開けません。戸籍の問題も档案の問題も共産党支配が続く限り、解決は望めません。

それと政治システム以外に中国人の長い歴史の中で培われた民族的質特質があります。「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という基本的価値観です。信用を重んじる日本人と全く違います。ですから平気で嘘がつける訳です。南京も慰安婦も北京発の謀略でしょう。朝日はそれに乗っかって世界に嘘を広めたフェイクニュース社です。こんなプロパガンダ新聞を権威として未だ読んでいる人の眼力を疑ってしまいます。また賄賂とハニーの得意な国です。人間の欲に直接訴えかけるやり方で、これもまた仕掛けられる方が悪いのですが、人類の進歩に反し、21世紀には相応しくありません。

また、中国は世界を征服しようといろいろ画策しています。南シナ海や東シナ海だけでなく、一帯一路、世界各地に軍港建設や駐留基地を置いてパクスアメリカーナに対抗しようとしています。自由のないパクスシニカには絶対反対です。

記事

今回から2回に渡って、作家の星野博美さんをお招きして対談を行った様子を紹介する。星野さんは、『転がる香港に苔は生えない』(文春文庫、第32回大宅壮一ノンフィクション賞受賞)で香港在住時の体験をつづったり、『謝々!チャイニーズ』(文春文庫)、『愚か者、中国をゆく』(光文社新書)で中国旅行の話を紹介したりなど、中華圏に関する多くの著書を持つ。

実は、星野さんと筆者は約20年近くの付き合いになる。私が、香港在住時に勤めていた邦字紙に、やはり当時は香港に在住していた星野さんに連載を依頼していた。またその後も、中国情報を日本に伝える月刊誌の編集長を務めていた際に、連載を始めてもらうなど、とてもお世話になった方だ。

今回、『3億人の中国農民工 食いつめものブルース』を上梓したのを機に、ノンフィクション作家の大先輩にあたる星野さんとの対談を企画。星野さんに今の中国に思うことや日中関係に対して感じることなどについて聞いた。

星野 博美(ほしの・ひろみ) 1966年東京都生まれ。作家、写真家。『転がる香港に苔は生えない』(文春文庫)で第32回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。『コンニャク屋漂流記』(文春文庫)で第2回いける本屋大賞、第63回読売文学賞「随筆・紀行賞」受賞。その他の著書に『謝々!チャイニーズ』(文春文庫)、『銭湯の女神』(文藝春秋)、『のりたまと煙突』(文藝春秋)、『島へ免許を取りに行く』(集英社)、『戸越銀座でつかまえて』(朝日新聞出版)、『みんな彗星を見ていた』(文藝春秋)、写真集に『華南体感』(情報センター出版局)、『ホンコンフラワー』(情報センター出版局)などがある。最新書は『今日はヒョウ柄を着る日』(岩波書店)。(写真=深澤明、以下同)

山田:今日はよろしくお願いいたします。

星野さんの著書は、星野さんにもらったり、また自分で買ったりして読んでいました。ようやく私の方からも送ることができる1冊ができてホッとしています。読んでいただけましたか。

星野:拝読しました。中国も、私が知っている時代とちょっと変わってきたなというのは感じました。都市では、農民工をもう受け入れませんと書かれていましたね。都市では飽和状態になっているんでしょうか?

山田:そうですね。非常にそれが顕著になってきました。

私は1997年に星野さんと香港で知り合いましたが、そもそも星野さんが中華圏に関わり始めたのは、もっと前ですよね。

星野:私は、もともと子供のころから中国が好きでした。ちょうど6歳のときに日中の国交が正常化しました。その後、中国残留孤児の初めての来日があった。そういうのに感動していました。

そのあと文化大革命が終わって、四人組裁判が始まり、中国が外国人に少しずつ開放され始めました。NHKでシルクロードの番組をやったのですが、それを見て中国にあこがれちゃったんですね。漠然としたあこがれだったのですが、それで大学に入ってすぐに初めて中国に行って、「やっぱり中国は素晴らしい」と思ったんです。

山田:それはいつですか?

    

転がる香港に苔は生えない』、星野博美著(文春文庫) 3億人の中国農民工 食いつめものブルース』、山田泰司著(日経BP)

星野:1984年です。当時は日本から個人旅行ができなかったので、ツアーで行きました。上海から入って、蘇州、杭州、北京を回るというとても一般的なルートでした。

できれば中国にもっと長く行きたいと思っていたところ、私の通っていた大学で香港と交換留学のシステムがあるということが分かり、じゃあ、香港でいいかなみたいな感じで、1986年に香港に留学したんですね。そのときは1年弱香港にいました。

日本に帰ってきてからは、大学を卒業して一般の企業に勤めました。ただ、香港が中国へ返還するのを見たくて、その10年後に再び、香港に渡って、2年間を香港で過ごしました。

ベトナム難民キャンプがぼこぼこあった香港

山田 泰司

山田:そうですか。では、私たちが知り合ったのは、星野さんが初めて香港に渡ってから、10年後だったんですね。

星野:そうなんです。だから私の香港観の基本というのは返還時じゃないんです。80年代の香港。だから山田さんとはちょっとずれがあるんです。私の中では80年代の香港が最高の香港だと思っています。まだ香港にベトナム難民のキャンプがぼこぼこあったんです。

山田:ぼこぼこですか。

星野:そうです。文革のときには、私の留学先の大学があった近くの道路を、中国から逃れてきた人たちがぞろぞろと歩いていて、大学の学生寮にその人たちを収容したという話が、ついこの間のことみたいな感じで語られていたんですよね。香港の友達が九龍城(注1)生まれとか、文革でいとこが逃げてきたけど国境で捕まって身代金を要求されているとか、そういう話が生きていたころです。

(注1) 香港の九龍にあったスラム街。英国・中国どちらの主権も及ばない場所だったが、香港の返還が決まると1994年に取り壊された。

だから返還の際に訪れたときは、私のイメージする香港はすでに変わっていたんです。私が求める香港はすでになくなっていた。

山田:求めているというのは?

星野:混沌とした80年代の香港がもうなかったんです。ベトナム難民キャンプもないし、バラックも相当なくなっていたし。

私は、中国大陸には旅行者としてしか行っていません。80年代の中国に住まなかったのは一生の後悔ですけど、まだ諦めてはいない。

山田:旅行とかでは行かれてました?

星野:90年代は頻繁に行っていたんですけど、最後に行ったのは2005年。その時点でもう中国に疲れました。

山田:その疲れるというのが面白いですね。

星野:私はやっぱり社会主義国家中国が好きなので、資本主義国家中国は疲れるんです。

山田:何に疲れたんですか。

星野:「改革開放」政策が提唱されて、鄧小平が1992年には南方講話(注2)を行った。それで、特に南中国から先に自由化されましたが、その時代に私はちょうど南中国を旅していました。そのとき、社会主義しか知らない人たちが資本主義になるときの何でもありな欲望みたいなものを目の当たりにしたんですね、旅をしている最中に。それは本当に、生まれて初めて資本主義というものをゼロから学ぶ人たちのパワーと面白さ。そして、全員スタートラインについて一斉に走りだすみたいな、平等な感じがあったんですよ。土地が高騰して誰かが濡れ手で粟で大金を手に入れるということではなくて。

(注2) 鄧小平が改革開放の加速を主張した一連の講話。1989年の天安門事件以降、保守派が握っていた主導権を取り戻した。

山田:確かにそうですね。

面器の水で商売をする才覚

星野:大金を得た人はほとんど密航者とその家族。それなりに命を懸けた人しか大金は得られないみたいな、すごくフェアな競争だった。その、海賊みたいなアウトローさには好感を持ったんですね。この資本主義だったら私は容認できるという感じ。

前に『愚か者、中国をゆく』に書いたことがあるんですけど、あるとき人民が大勢いる駅でへとへとに疲れて座っていたら、隣にぼろぼろの服を着たおじさんが水を入れた洗面器を置いたんです。そこには1角(0.1元)とか2角といった値段が書いてあって、これで顔を洗っていいぞという商売を始めたんです。それを見たとき感動して。駅に入って洗面所へ行って手を洗えばいいんだけど、人民がいっぱいいるからそこに到達するのがものすごく大変。そうすると洗面器に公共の水一杯だけでも商売になるんだと。

山田:アイデアと才覚でお金儲けができる。

星野:そうです。それで少しお金がたまったら、今度はリンゴを売ったりすればいいという。本当に資本主義の原始形態を見たんですよ、そのときに。

山田:日本にいたら決して見られないですね。

星野:そうなんです。私はバブルを経験した、ものすごいチャラチャラした世代だったので、これはもう日本は負ける、とそのとき思ったんです。

ただ、常に私は言っているんですけど、日本は戦後、40年ぐらいかけてやっとチャラチャラしたのが、中国はもっとスピードが速いんですよね。だから退廃も堕落も崩壊もすぐ来ると思うんです。

山田:そういう意味では、中国経済がすごくなって、強国になって、そして2大国と言うけど、私はそこまでじゃないだろうと思うんです。今はちょっとチャラチャラしているじゃないですか。

星野:この中国の繁栄というのが、農民工の人たちまで豊かになっていたものだったら、本当の強国だけど、絶対そうはならないですよね。

山田:そうですね。

星野:中国人は根本的に、平等が嫌いだから。平等が嫌いだから、無理に革命を起こさなきゃいけなかったので。

山田:中国人が平等が嫌いと感じるようになったのは、何がきっかけですか。

都会人も農民も中国人は平等が大嫌い

星野:何というんですかね。どちらというと私は社会主義は、日本人に合うシステムだと思っています。中国は広すぎるし、多様すぎる。すべての人に平等な教育をとか、すべての人が食えるようにとか、そういった感覚がない。自分の才覚や一族の才覚で食えない人も面倒を見るというシステムで4000年やってきているから。

山田:農民工の人たちって、農村で生まれたか、都会で生まれたかだけの違いで、貧乏な暮らしをしている。だから中国は不平等な国だよなというふうに言うと、「それ仕方ないじゃない」、みたいな反応なんです、農民工自身が。何でそう思えるのかなというと、平等嫌いみたいなところに通じるのかもしれないですね。

ただ、それは仕方がないけど、でもいつまでも俺たちはそうじゃないよと思っているわけですね、そこは。

星野:それは、何というんでしょうか、中国の強国イメージに洗脳されている感じ。強国イメージで、自分もこの国の一部だということで惑わされている。

山田:そうなんです。取り込もうとしている。

この本でも書いたんですけど、この表紙の彼。1年ぐらい上海を離れて、武漢に行っていた。ただ、武漢でやっぱり仕事がうまくいかなくて、ほとんど故郷でぶらぶらしていたらしい。ぶらぶらしているとテレビに洗脳されちゃって、久々に会ったら……。

星野:中国すごいと。

山田:そう、すごく愛国主義者になっちゃったんです(笑)。

星野:つまりいつもは一生懸命働いているから、あまりテレビを見てないんですよね。

山田:こうやって話をすると思い出しますが、何でこの不平等をこの人たちは我慢しているんだろうと思うけど、改めて考えてみると、道の渡り方ひとつとってみても、信号の色が何色であれ、隙あらば他人より1センチでも1ミリでも先に進もうとする人たちですものね。

星野:香港人も平等が大嫌い。いや、嫌いというより、平等をはなから諦めているところがある。一族の中でも頭のいい子だけよりすぐって、その子だけ学校に行かせて、あとはみんな働かせるとか。動物の子育てと似ている。生き残れる子をとにかく強く生き残らせる。それだけ、これまでが過酷だったという証拠だと思いますが。

山田:全員にはとてもじゃないけど行き渡らせられないから、一族の資源をそこに集中するということですね。

星野:それを4000年ぐらいやって、やっぱり革命が起きた。だから、今のこの加速の感じだと、私が死ぬまでにもう1回革命が起きるんじゃないかなと思っています。

山田:それでこそ中国というところですね。

星野:私は昔から革命が好きだって公言しているので。

山田:でも認めかかっていたわけですよね。最初の資本主義のとば口のときは。

星野:そうなんです、あのときは。1992~1993年ぐらいのときは、この混乱、何というか、どうしようもない混乱の中の自由な感じ。これで面白いことになるなと思っていたんですが、やっぱり日本と同じで、不動産の価値が中国人をだめにしている。山田さんの本にも書いてありましたが、親とかおじいさんが勤め先からもらった住宅が、すごい値が上がって億万長者になったりした。

山田:錬金術ですよね。

星野:日本のバブルのころも、実態のないお金を得ちゃった人が堕落して、若者がダメになったのと同じことが、もっとメタなレベルで中国で起きている。人数が半端なく多いから、堕落の度合いもたぶんすごくなると思う。

山田:本当そうですね。だから一番最後に、星野さんが中国に行った2005年、疲れちゃったんですね。

星野:物欲が渦巻いていることに耐えられないんですよね。日本でも、渋谷や新宿に行けば物欲が宙に飛び交っているけど、自分はほとんど行かない。日常の中で、今何がはやっているとか、そういうふうに生きていないので、何か宙を飛び交っている物欲とかにダメージを受けちゃうんですよね。うまく説明できないんですけど。香港に行ってもやっぱりダメージを受けますね。

中国が嫌いすぎる香港人

山田:香港には最近ではいつ行ったのですか。

星野:雨傘革命(注3)のデモが起きた3週間後ぐらいと、一昨年に行きました。

(注3) 2014年に香港で起きた若者主体の民主化要求デモ。

山田:どうでしたか。

星野:雨傘革命で若い人たちが立ち上がったというのは素晴らしいし、その純粋さには敬意を覚えます。ただ、私が危惧しているのは、香港人がとにかく中国が嫌いで嫌いで仕方がないこと。

山田:そうですね。

星野:ほとんどヘイトの塊みたいな行動を平気でやっている。中国相手だったら、何をやってもいいと思っている。

山田:いいというのがあるんですよね、歴史的に。

星野:みんな中国を知らなさ過ぎるし、今の香港人の精神状態は相当病んでいる。

山田:そうですか。

星野さんの最新著書『今日はヒョウ柄を着る日』(岩波書店)

星野:雨傘革命で占拠していた子、ピュアですごい繊細な子たちなんです。彼らと話していたときに、ちょうど小笠原諸島の周辺海域で大量の中国漁船がサンゴ密猟で見つかったというニュースが流れたんです。そのときに「チェッ」みたいに言うんです。そのうえ「日本は中国と戦争をして、やっつけてくれ」とか言われて。中国嫌いがここまで来ちゃったかのかと戦慄を覚えました。

かつて香港にいた時、尖閣列島問題のときには、すごい嫌な思いもしたんです。日本はまだ侵略者だとか言われた。そのときは、中国人と香港人ってこういうところで急に連携するのかと思っていました。それがたかだか20年間で、いまや日本は中国をやっつけてくれとか言う。これって、すごくやばいんじゃないのかなと感じました。

山田:日本より中国が嫌いってことですよね。

星野:今の若い人はだいぶ日本の文化に慣れていて、日本が好きな人は多いし、それはありがたいこと。一方で、あまりに中国から多大なプレッシャーを与えられ続けているがゆえに、中国が「巨神兵」みたいに感じられている。

(以下、明日公開の2回目に続く)

3億人の中国農民工 食いつめものブルース』を上梓したのを機に実現した、ノンフィクション作家の大先輩・星野博美さんとの対談の2回目。星野さんは、相変わらず貧富の激しい状況が改善しない中国に疑問を呈するとともに、嫌中派の人には、もっと中国を知ってもらいたいと訴える。

(前回の記事「チャラチャラ感が加速する中国は崩壊目前」から読む)

星野 博美(ほしの・ひろみ) 1966年東京都生まれ。作家、写真家。『転がる香港に苔は生えない』(文春文庫)で第32回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。『コンニャク屋漂流記』(文春文庫)で第2回いける本屋大賞、第63回読売文学賞「随筆・紀行賞」受賞。その他の著書に『謝々!チャイニーズ』(文春文庫)、『銭湯の女神』(文藝春秋)、『のりたまと煙突』(文藝春秋)、『島へ免許を取りに行く』(集英社)、『戸越銀座でつかまえて』(朝日新聞出版)、『みんな彗星を見ていた』(文藝春秋)、写真集に『華南体感』(情報センター出版局)、『ホンコンフラワー』(情報センター出版局)などがある。最新書は『今日はヒョウ柄を着る日』(岩波書店)。(写真=深澤明、以下同)

山田:香港を見ていると、やっぱり大人たちがもうちょっと何とかしないと、というところですよね。

星野:そうなんです。大人に絶望しちゃったんです、香港の若者たちは。大人たちが中国と手を組んで俺たちを切り捨てたというふうに感じているんですよ。だから世代断絶もすごく深刻。

山田:大人から子供までピュアという感じでしょうか。若い子たちはピュアでやらせてもいいけど、それを後ろでもうちょっと大人たちが交渉するなり、根回しするなりすべきだと思う。地ならししてやらなきゃしょうがないだろうと思いますね。

星野:もちろん40~50代で精神的に支えている人もいたし、私の友達なんかもデモに行ったりしていたけど、そういう人ってやっぱり少数派ですね。

あと香港人って50歳になったらもう引退モードに入るじゃないですか。人生のスピードがすごく速い。そうすると、老後を考えると、あまり動乱を大きくしたくないとなりますね。

山田:返還のときもそうなのですが、香港の場合は民主派がとにかく頭でっかちというか、きれいごと過ぎるというところがとてもある。

星野:香港の古い民主派は超インテリです。まったく庶民からかけ離れている。市場でかんかんがくがくやるような人たちじゃない。そういう人たちが交渉などで中国共産党とはやりあえるわけがない。

山田:やれるわけがないですね。

星野:香港はいまも中国から1日150人の移民を受け入れていますが、計算だとあと20年も経つと香港人より中国人の方が多くなります。そうなると、中身が入れ替わっちゃう。香港という箱はそのままで「一国両制」といいながら、中身を入れ替えちゃうんです。私の想像ですが、それこそ中国が香港に対して目論んでいることでしょう。

山田:入れ替えちゃえばという発想ですか、すごい。多分、星野さんの指摘通りでしょう。

星野:どんどん、どんどん中国人を送り込めばもう香港人は嫌になっちゃうでしょう。選択できる人は香港人なら外に出ていきます、何もしなくても。中国にとっては、弾圧なんかしなくても、毎日150人送り込めば、自然に出ていってくれる。カナダとかオーストラリアとか。

山田:でも一方で行き場のない人たちもいるでしょう。

星野:だから香港の底辺にいる人たちは、濃いスープの一番下のどろどろとしたようなところに永遠にずっといることになってしまう。

私はこういう人たちにすごいシンパシーがあるから、山田さんの本を読んで、面白かったと言うのもあるけど、中国の底辺層の人たちの話を読むと、何か怒りを覚えますね、やっぱり。

山田:そうですね。

星野:だって努力とかは関係ない。本当に農村戸籍と都市戸籍だけで差別されているわけでしょう。共産党、マジでどうにかした方がいいのでは?

山田:共産党もそうだけど、やっぱり都市の住民がもうちょっと関心を寄せる時期に来ている。星野さんが中国に頻繁に行っていたときには、そういう農民戸籍とか都市戸籍というのは意識されてましたか。

やっぱり夢が見られない農民工

星野:聞いていましたし、農村から出稼ぎする人たちの群れを都会で見ていました。一般の人は、農村から大勢が移動する様を見て「盲流(モウリュウ)」と呼んでいたときです。社会現象として出現したころですよね。

それは1990年代の前半。だから、四半世紀たった現実がここにあるわけです。その盲流と言われた人は、四半世紀たって、やっぱり夢は見られないという現実にだんだん気付いてきてしまったわけですね。

山田 泰司

山田:気付いてしまった。そればかりか今度は都会に生まれていても、底辺の人たちは、「もう夢が見られないかも」というところに今、来ている。

星野:農民工の人たちが夢を見られなくなって来たというのは、都会に建てるものが飽和状態になったということが関係しますか?

山田:それもそうですね。あとは農民工の人が大勢働いていた雇用先の製造工場、例えばiPhoneを作ったりする工場では、人件費をもう上げられない。

人件費が上がった、上がったと日本のメディアなどは報道していますが、それでも1万円から始まったのが5倍の5万円になった程度。でも共産党はとにかく福利厚生などを全部企業にやらせるから、正規に雇うとすると、お給料が5万円でも、福利厚生費を併せると10万円ぐらい掛かってしまう。そうなってくると、企業とすれば、ベトナムで作ろう、ミャンマーで作ろうと。

星野:どんどんそうなってしまいますね。

山田:それとともに中国の経済成長というのが鈍化してきた。中国の場合は成長率が10%ぐらいあって、ようやく農民工も恩恵にありつけるというぐらいの感じです。今の6%とかの成長時代になってきちゃうと、彼らを満足させるだけの余力が都会にも企業にもなくなってきてしまっている。

だからこの本『食いつめものブルース』の表紙の彼なんかも、子供が中学生だったときには、「やつを大学に行かせるためにやっているんだ」と言っていたんだけど、だんだんあきらめてきている。「田舎の子供はみんなこんな感じだから」といって。

星野:もう少しで切れちゃいますよね。これまでゴムを引っ張るように酷使されてきて、それで夢がないと分かってしまたら、パチンと切れてしまう。

私が中国を訪れていた当時は、みんな目がきらきらしていましたよね。全然まだ挫折はしてないし、格差が付いていない。やっぱり人間を絶望させるのって格差なんですね。

私は政治のことはあまりよく分かりませんが、世界のトップを目指す前に、中国はやることがあるだろうと言いたいですよね。思いませんか。

山田:思いますね。

星野:日本と比べても仕方がないんだけど、大きさも違うし、多様さが違うから。もちろん中国の性質として自分たちが一番を取るんだという気持ちはよく分かるけれども、このままでは済まない気がします。人民がそのカラクリに気づいて声を上げるのを恐れて、監視とかしているんでしょうけど。

山田:実際監視は非常に強まっていると思います。

星野:ですよね。だけど、やっぱりそう遠くないうちに矛盾が噴出すると思いますよね。

山田:ただ、中国でも都会に住んでいる人はそこまでの切迫感がないんです。何か相変わらず他人事。

星野:実際、農村の暮らしも知らないでしょうし。

山田:本当に知らない。

頑張って生きている人をみんなが知るべき

星野:国内に行くとしたら観光地しか行かないでしょうから。

また香港の人たちだって、日本人もそうだけど、中国の農民がどれだけ大変かというのを全然知らない。みんなが中国のどぎつい経済成長とかばっかり見て、底辺であえぐ人たちが見えなくなっちゃっている。

逆にこの人たちを見たら、中国を好きだとか嫌いだとか絶対言えないと思います。今、中国を嫌いな日本人がすごく多いけど、この人たちを見たら絶対嫌いになれない。だから、ぜひ知ってほしい、こんなに頑張って生きている人たちがいるということを。

山田:星野さんがいま言ったように考えるのが、私は普通の感覚だと思うのだけど、一方で、日本の中にはヘイトとか、そういうのがあるじゃないですか。だから農民工の生き様を知っても、なおかつ悪く言う人は多くいるような気がします。

星野:日本の競争力がなくなり、日本人が自信を失うごとに、中国脅威論が加速していく。中国は体のいいスケープゴートなのだと思います。

山田:そうですね。

星野:私たちが10代とか20代のころは、中国が好きだと言うと、完全に変わり者扱い。何か貧しくてかわいそうな国よねという感じでした。もちろん全然脅威じゃなかった。

しかも、日本はイケイケだったから、誰も関心がないし、何の感情もわかなかったと思うんです。だけど、ギョーザとラーメンは好きで食べてるみたいな(笑)。中国人もそんなに来なかったし、いるとしても中華料理屋で片言しゃべって、一生懸命働いている人ぐらいしかいなかった。

でも北京オリンピックのあたりから、急に中国がわーっと来て、あれ? ちょっとやばくない? みたいに。全然中国に興味がなかった人たちにとっては、霧の向こうからいきなり姿を現した怪物みたいに感じられるのでしょう。しかも、あの広さと人民の多さと物量。

あのプレッシャーというのは、韓国も同じように感じていると思うんですが、小さい国にとってはものすごい脅威。本能的にやられるという感覚が強くなると思う。

山田:今、星野さんが言ったみたいに、関心なかった人が最近の中国を見て脅威に思って、理解不能で、何だ何だと怖がるというのはとてもよく分かるんです。ただ、そんなことを思う必要はまったくなくて、例えば一帯一路とか21世紀のシルクロードを築くとか言ってますが、あれは国の中だけで支えていけなくなったから、外に広がって稼ぐところを求めているだけ。

星野:活路を求めてるんですよね。それを中国が違うふうにパッケージして宣伝していて、みんなだまされちゃっている。

山田:本当にそうなんですよ。日本のマスコミもその通りに伝える。

星野:誰も中国を理解なんかしようとしていないんです。

山田:そういうことですかね。なぜあれを脅威に思うのかというのは。

日本人は名誉白人の勘違い

星野:それと、例えば韓流ドラマとか韓国の映画とかを見ていても思うのですが、韓国と中国と香港の芸能界って、みんなアジアで頑張ろうといった感じで、すごく活気がある。資本も行き来して、韓国の俳優もすごく中国で人気があったりして。そこに日本だけいないんです。自分たちはそこに入るようなレベルじゃないと考えているみたいに。自分たちはカンヌやベネチアとか行くので、アジアはけっこうです、みたいな。自分たちは名誉白人、アジアではトップという感覚が、どうやっても壊せない。

山田:何かそう言われてみると、北野武のオフィス北野が中国の監督ジャ・ジャンクーの作品に協力したり、宮崎駿がアニメを描きたいと中国から来た人を、やってみろと事務所で働かせたりとか、この2人は違う気がします。

星野:彼らは世界を知っているからでしょうね。実際、マーケットの大きさを考えたら、賢い選択だと思います。

山田:本当ですね。あとはやっぱり中華料理はおいしいじゃないですか。そういうことに対する、リスペクトも中国に対してはちょっとなさすぎる。

星野:ギョーザとかラーメンが好きで、どうして中国を知ろうとしないのか。本当に理解に苦しむ。

山田:ある程度、好き嫌いで単純化しちゃうのは仕方ないとは思うけど。ただそればっかり過ぎる。そう思います。

星野:それと最近は急激に日本人が自信をなくしているように思います。転げ落ち方がすごく急だから、内にこもっている感じ。

山田:テレビ番組でも、「日本人、ここがすごい」みたいな番組が4~5年前から増えている。ようやくここに来て、少しそういう番組が多すぎるんじゃないかみたいな声が少し出てきたけど。

星野:観光客が今、急に増えてきていて、「やっぱりみんな日本が好きなんだ!」とか言うじゃないですか。実態は単に安いからだと思うんですよね。どうしてそこがそっちの発想になっちゃうのかなと憐れに思います。

ただ、中国の人も日本のことをやっぱりゆがんで知っているでしょう。だから、いいところも見てほしいし、すごく嫌な思いもするだろうけど、そういう経験を重ねて、日本を彼らの側からも理解してもらいたいなと思っています。

山田:口幅ったいことを言うと、ここ15年ほど、中国のこと嫌いという人が圧倒的に多くなってきた。ただ、そういう好きとか嫌いとかはいいから、いったん置いておいて、この人間の生き様を見てくれよというところで、今回の本も書いたつもりなんです。

星野:中国って、行くとその人たちを好きになりませんか?

山田:僕はなります。星野さんが中国人が好きっていうのは、どんなところですか?

星野:私は小さいころから、10代ぐらいから日本に対する違和感が強かったので、なぜ日本がこうなんだというのが不満だった。中国に行って、中国人の価値観を知ったことで、日本の息苦しさについて考えるようになったんです。

時代的なものもあるかもしれないですけど、日本は必死に生きているのがかっこ悪いみたいな感じでしたよね。学歴とか、どこの家の出身とか、親がどれだけお金を持っているとか、何かそういうことで威張っている子がいっぱいいた。だから、自分の才覚でどんなみっともない生き方をしても、お金を持ったやつが勝ちという香港人や中国人の価値観が自由に思えたんです。

山田:日本の自由とは違いますね。

星野:彼らの自由は、また一人ぼっちじゃだめ、寂しくて。家族のためとか、そういうのが絶対にある。孤独があんまり好きじゃない。

山田:でも最近の中国の物欲がぎらぎらしているのは苦手なんですよね。

星野:そうなんです。要はお金を持っている人たちが、買えるから買いたい、という欲望が、宙に渦巻いているのが好きじゃない。農民工の人たちが必死に働いてお金が欲しいとか、それとはまったく別物の欲望。農民工の人たちが持っているのは、欲望じゃなくて夢ですね。

山田:昔の中国は何が魅力的だったかというと、社会主義で全体的に貧しかったけれども、そういう中でお金儲けにむき出しの人がいたからということですよね。懸命とか必死とか。生身の人間が感じられるというのかな、

星野:自分たち日本人だって、戦後の焼け野原ではそうだったと思うんです。それはもう遠い昔になってしまって、私たちの時代は何か生存に一生懸命というのがあり得ないみたいな、しらけ方をしていたので。それを中国の人は教えてくれる、「生存というのはこうやるんだよ」と。そんなことは、日本では誰も教えてくれませんでした。

ウイグルにはもう一度行きたい

山田:最後にノンフィクション作家の星野さんに質問を。もし今、中国でネタを探しに行くとしたら、どんなことを取材しに行きたいですか。

星野:考えたことないですね(笑)。でも、ウイグルは行きたい。ウイグルって私のイメージする楽園だったので。

山田:どうしてですか?

星野:ウイグルには長い時間をかけた東西交渉の歴史があって、東と西の血が混じっていて、いろいろな顔をしていた。そして乾いた土地にブドウとメロンがたくさんなっていて、冷たい水のせせらぎがちょろちょろとあって、道行く子供たちがみんな、こうやって手を振ってくれて、牛乳とヨーグルトがおいしかった、本当にその通りだったんですね。

それがいまや、中国に弾圧されている。中国が本来持っている多様性をないがしろにしたら、いつかは墓穴を掘ることになる。私は1987年以来、ウイグルに行っていないので、今どうなっているのか見てみたい。

山田:本でも紹介しているけど、農村出身で今はウイグルで笛を勉強している青年がいるので、その際にはぜひ訪ねてください。

今日はありがとうございました。

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『既に始まっている「日中戦争」に勝つための処方箋』(12/4ダイヤモンドオンライン 北野幸伯)について

12/3中国観察<中共突變臉 核基地被踢爆和朝鮮相同 美三步摧毀金三胖 阿波羅網=中共の突然の変心 (重慶の)核基地は朝鮮と同じと暴露 米国は3段階(石油供給停止、海上封鎖(テイラーソンの提案)、軍事行動)で三代目の豚をやっつける アポロネット>中国は北朝鮮政権が倒れることは望んでいない。中国は韓国にTHAADの撤廃を要求、これは米日韓の実質的脅威をなくし、北が持ち札であるのを減殺してしまうため。重慶の未使用の核基地を一般公開したのも、北と唇歯の関係を表すもの。また北京の幼稚園の虐待問題の目を逸らすため軍部がTHAADや北のミサイル問題を利用している。米国が中国を「市場経済国」と認定しなかった経済カードの報復として、中国は北を使い政治カードを切ろうとしている。

http://chinaexaminer.bayvoice.net/b5/trend/2017/12/02/382229.htm%E4%B8%AD%E5%85%B1%E7%AA%81%E8%AE%8A%E8%87%89-%E6%A0%B8%E5%9F%BA%E5%9C%B0%E8%A2%AB%E8%B8%A2%E7%88%86%E5%92%8C%E6%9C%9D%E9%AE%AE%E7%9B%B8%E5%90%8C-%E7%BE%8E%E4%B8%89%E6%AD%A5%E6%91%A7%E6%AF%80%E9%87%91.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

12/5ダイヤモンドオンライン<習近平は本気で「中国基準」の世界浸透を目論んでいる【加藤嘉一】>習は「中国共産党は中国人民のために幸福を追求する党であり、人類の進歩のために奮闘する党である。我々はまずは自分自身のことにしっかりと取り組まなければならない。それこそが人類が運命共同体を構築する上での貢献になるからである。我々は中国の発展を推し進めることを通じて世界により多くのチャンスを創造しなければならない。われわれは外国のモデルを“輸入”しないし、中国のモデルを“輸出”することもしない。他国に中国のやり方を“複製”することを要求することもないだろう」と言ったとのこと。流石、平気で嘘がつける中国人の代表と言ったところでしょう。外国からのモデルの輸入は人権に煩い西洋社会を念頭に置いたものと思われます。当初、西洋のものを毛嫌いしていた西太后・慈禧のようです。「他国に中国のやり方を“複製”することを要求することもない」というのも本心を隠した発言と思われます。中国を信じると、スリランカのようにサラ金銀行に苦しめられ、やがて乗っ取られるような運命を辿る国が多発すると思います。「チャイニーズ・スタンダードをグローバル・スタンダード」にとはならないでしょう。それは人類の不幸です。歴史が証明しています。共産主義は三権分立がなく、為政者が簡単に人権弾圧でき、自国民を大虐殺してきた歴史があることを忘れることはできません。

http://cl.diamond.jp/c/acnrawbrfgafuFai

12/2櫻井よしこ氏コラム『週刊ダイヤモンド』 <「 731部隊を巡る中国の対日歴史復讐戦 事実の歪曲・捏造阻止へ全容の解明を 」>北野氏もコメントしていますように歴史戦を中国は上手に戦っています。国連組織(殆ど左傾化した腐敗組織です)や米国のリベラルを金の力で買収し、日本の悪魔化、道徳的に劣った民族の烙印を押し、世界で日本の味方をする国がなくなるよう工作しているという事です。日米離間も図っています。プロパガンダに過ぎませんが、強力です。日本は事実に基づいた反証を世界に向けて発信していかなければ。外務省も学会も自分のことと思っていないのが痛いです。子々孫々が悪魔扱いされようとしているのに。

https://yoshiko-sakurai.jp/2017/12/02/7167

記事

ここのところ改善されてきた日中関係。しかし、安心できる状況にはほど遠い。それどころか、すでに広義の意味での日中戦争は始まっていると考えるべきなのだ。(国際関係アナリスト 北野幸伯)

広義の「日中戦争」はもう始まっている!

具体的な戦闘こそ起きていないが、「情報戦」は展開しており、日中戦争は実質的には始まったと考えるべき。今や米国に次ぐ軍事費大国になった中国と戦闘をせずに勝つために、日本は何をすべきなのだろうか? 写真:新華社/アフロ

日中関係が、改善されてきている。安倍総理は11月11日、ベトナムで習近平と会談した。雰囲気は、きわめて友好的で、両首脳は関係改善への意欲をはっきり示した。

日中関係が改善されるのは、もちろんいいことである。しかし、決して油断することはできない。中国は5年前、尖閣、沖縄を奪取するための戦略を策定した。「広義」での「日中戦争」は、もう始まっているのだ。

「日中戦争が始まった」――筆者がその事実を目の当たりにし、大きな衝撃を受けたのは2012年11月15日のことだった。

私はこの日、「ロシアの声」に掲載された「反日統一共同戦線を呼びかける中国」という記事を読んだ(記事はこちら)。いままで連載では何度も触れたが、この記事には衝撃的な内容が記されていた。

・中国は、ロシア、韓国に「反日統一共同戦線」の創設を提案した。  ・「反日統一共同戦線」の目的は、日本の領土要求を断念させることである。  ・日本に断念させるべき領土とは、北方4島、竹島、尖閣および沖縄である。  ・日本に沖縄の領有権はない。  ・「反日統一共同戦線」には、米国も引き入れなければならない。

これを読み、私は「日中戦争が始まった」ことを確信したのだ。

しかし、普通の人がこれを読んでも「確かに衝撃的な内容だが、『戦争が始まった』というのは、大げさだ」と思うだろう。そう、日本人は「戦争」というと、バンバン撃ち合う「戦闘行為」を思い浮かべる。いや、それしか思い浮かべることができない。

実をいうと、「戦争」は「戦闘」に限定されない。むしろ「戦闘」は、広い意味での「戦争」の「最終段階」で起こる。そして実際は、戦闘が起こった段階で、勝敗は決している場合がほとんどなのだ。

「平和ボケ」左派のあり得ない思考回路

普通の国が「反日統一共同戦線」のような情報を得れば、即座に対応策を考え始めるだろう。つまり、対抗するための「戦略」を練るのだ。しかし、日本はそうならない。

日本では、「平和ボケ病」に冒された左派寄りの人たちと、「自主防衛主義」、さらには「核武装論」を主張する右派寄りの人たちが議論を戦わせている。しかし、いずれも日中戦争に勝つ結果にはつながらない発想だ。   平和論者の人たちは、「世界は第2次大戦後、平和になった」と主張する。しかし、新世紀に入って以降も、世界では以下のような戦闘が起きている。 2001年 アフガニスタン戦争が始まった。 2003年 イラク戦争が始まった。 2008年 ロシアージョージア(旧グルジア)戦争が起こった。 2011年 リビア戦争があり、カダフィが殺された。 2014年3月 ロシアがクリミアを併合。続いて、ウクライナ内戦が勃発した。  2014年9月 米国を中心とする「有志連合」がIS空爆を開始した。 2017年4月 米国は、シリアをミサイル攻撃した。 そして現在、世界は「朝鮮戦争は起こるのだろうか?」と恐怖している。

事実を見れば、「今の時代」は決して「平和な時代」ではなく、逆に「戦国時代」であることがわかるだろう。

「平和憲法があれば、戦争は起こらない」「平和主義を守れば、日本は安全」という神話もある。「平和主義なら日本は安全」というのなら、なぜ中国は、虫も殺さぬ平和主義のチベットを侵略し、100万人を虐殺したのか?

このように「平和ボケ病」は、「戦略的思考」を停止させる。彼らによると、「何もしなければ戦争は起こらない」。だから、「戦争に勝つ方法」(=戦略)を考える必要は、まったくないという結論になってしまう。

右派の「完全自主防衛主義」は日本を崩壊させる

一方、右派寄りの人たちは、自国防衛の強化を主張する。しかし、もはや日本が多少がんばったくらいでは到底かなわないくらい、中国との間の格差は開いている。

16年の中国の軍事費は2150億ドルで、米国に次いで世界2位だった。日本の防衛費は461億ドルで世界8位。中国の軍事費は、なんと日本の4.6倍である。さらに中国は、米国、ロシアに次ぐ「核兵器大国」でもある。

今から中国に追いつくべく、大金を投じて軍拡するというのは、現実的ではない。「いや、そんなにたくさんの金はいらない。なぜなら核武装すればいいからだ」という意見もある。確かに、最貧国の北朝鮮が保有していることからもわかるように、核兵器は「もっとも安上りな方法」だろう。

しかし、ここでも話は簡単ではない。核兵器の拡散を防ぐ「核拡散防止条約」(NPT)がある。NPTは、米国、英国、フランス、ロシア、中国以外の国の核保有を禁ずる、極めて「不平等」な条約だ。それでも、現在190ヵ国が加盟し、世界の安定を守る秩序として、機能している。

世界には、「NPT未加盟」で「核保有国」になった国もある。すなわち、インド、パキスタン、イスラエルだ。NPTに加盟していたが、脱退して核保有国になった国も、一国だけある。そう、北朝鮮だ。

日本が核武装を決意すれば、NPTを脱退せざるを得ない。つまり、核武装論者は、「日本は、北朝鮮と同じ道を行け!」と主張しているのだ。そんな道を行けば、国連安保理で過酷な制裁を課されることは、想像に難くない。   日本の核武装論者は、「日本の立場は特殊だ」と主張するが、「アグレッシブな核保有国が近くにいる」のは日本だけではない。

たとえば、核大国ロシアと戦争したジョージアは、自衛の為に核を持つべきだろうか?ロシアにクリミアを奪われたウクライナは、核を持つべきか?核大国・中国の脅威に怯えるフィリピンやベトナムは、核を保有すべきか?

「すべての国は平等」という原則に従えば、「持つべきだ」となるだろう。あるいは、「すべての国が核を廃棄すべきだ」と。しかし、これらは、いずれも「非現実的な議論」に過ぎない。

結局、「自分の国を自分で守れる体制を今すぐ作ろう」という主張は、とても現実的とはいえない。では、中国に屈伏するしか道はないのだろうか?

一国で勝てなければ仲間を集めろ!

実をいうと、柔軟に考えることができれば、「中国に勝つ方法」を考え出すのは難しくない。   日本には、世界一の軍事力を誇る米国という同盟国がいる。この事実について、「米軍に守ってもらうなんて日本は属国に等しい。恥ずべきだ」という意見がある。しかし、冷静に考えて、これは「恥ずかしいこと」なのか?

たとえば、欧州には、北大西洋条約機構(NATO)がある。これは、29ヵ国からなる「対ロシア軍事同盟」である。そして、内実を見れば、「NATO加盟国28ヵ国は、米国に守ってもらっている」状態だ。NATOの中には、英国、フランス、ドイツのような大国もいる。彼らですら、核超大国ロシアの脅威に対抗するため、米国に頼っている。   ただ、日本とNATO加盟国の違いもある。NATO加盟国は、どんな小国でも「NATOに貢献しよう」という意志を持ち、実際に行動している。

日本の場合、「米国が日本を守るのは当然だが、日本が米国を守ることはできない。なぜなら日本は平和主義国だからだ」というロジックを持っており、長らく、まったく貢献する意志を見せなかった(小泉総理時代から、少しずつ変わってきてはいるが)。

これは、日本人に言わせれば「平和主義」である。しかし、米国からは、そう見えない。

「米国兵が日本のために何万人死んでも、それは当然だ。しかし、日本兵が米国のために死ぬことは、1人たりとも許さない」という大変狡猾なロジックだからだ。

日米安保は今でもきちんと機能している

それで、安倍総理は「安保法」を成立させ、「集団自衛権行使」が可能になった。日本は米国を守れるようになったので、もはや「属国だ」と卑屈になる必要はないのだ。

また、「いざという時、米国は日本を守りませんよ」と断言する「専門家」も多い。そうかもしれないが、実際、日米安保は機能している。

たとえば10年の「尖閣中国漁船衝突事件」、12年の「尖閣国有化」。これらの事件の直後、日中関係は大いに悪化し、人民解放軍は尖閣に侵攻する意志を見せていた。しかし、どちらのケースでも、米国政府高官が「尖閣は、日米安保の適用範囲」と宣言したことで、中国はおとなしくなった。

そう、日米安保には、いまだに「中国の侵略を抑止する効果」が十分あるのだ。

とはいえ、米国の衰退は著しい。引き続き、米国と良好な関係を維持するのはもちろんだが、日本は未来に備える必要がある。その「未来の同盟国」とは、将来中国に並ぶ大国になることが確実なインドだ。

安倍総理は今、「インド太平洋戦略」を提唱し、トランプ大統領も乗り気になっている。これは、日本、米国、インド、オーストラリアで、中国を牽制するのが目的だ。

とにかく日本が中国に勝つには、一貫した誠実さと努力によって、強い国々を味方につけていく必要がある。具体的には、最重要国家として、米国、インド。次に、EU、ロシア。そして、東南アジア諸国、オーストラリア。これらの国々との関係をますます強固にすることで、日本は守られる。

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『寒空の北京、路頭に迷う10万人の出稼ぎ者たち 火災を発端に「低級人口」駆逐、新都市計画推進へ』(12/1日経ビジネスオンライン 北村豊)について

12/3日経朝刊にも農民工追い出しの記事が載りました。

北京、人口流入抑制へ強権 住宅撤去で立ち退き迫る

【北京=原田逸策】中国の首都、北京市の当局が農村から流れ込む人口を抑制しようとなりふり構わぬ手立てを講じている。環境改善や交通渋滞の解消が狙いだが、労働者の住居を違法建築を理由に有無を言わせず撤去するなど、当局が強制的に住民を追い出す例が目立つ。その強権ぶりには中国国内でも批判が出ており、格差への不満に拍車がかかる恐れもある。

 北京市中心部から南西に約15キロの同市大興区西紅門鎮。近隣の繊維工場の労働者らが住むアパートで火災が起きたのは11月18日夜。子供8人を含む19人が亡くなった。

 火災の1週間後、現場を訪れるとブルドーザーが行き交っていた。アパート、店舗などすべてが壊され、歩道はがれきの山。寒空の中、住民に即座に立ち退くよう命じる通知があった。トラックに家財道具を積む家族は「知り合いを頼って河北省に行く」と語った。

 火災現場は再開発地域に指定されている。11月初めに始まった立ち退き作業が火災後、一気に加速した。北京市トップの蔡奇同市党委員会書記が今年末までに違法な住宅や工場、店舗を一掃する大号令をかけたためだ。火災が起きたアパートも「違法建築」とされた。

 違法建築は窓がないなど住環境は劣悪だが家賃は格安で、北京以外から流れ込んだ低所得の労働者らが住む。市内各地で進む立ち退きを巡り、一部の学者や弁護士らは「出稼ぎ労働者の追い出しが目的」と批判。「すぐに立ち退きを迫るのは違法」との指摘もある。

 北京市は火災の前から違法建築を理由に、出稼ぎ労働者や外国人が開いた飲食店、小売店を相次いで閉鎖してきた。2017年1~6月の営業停止や閉店は計2万店という。衣類などの卸売市場も郊外に移した。「仕事を奪い、出稼ぎ労働者を追い出す狙いだ」との不満が高まっている。

 背景には市外からの流入人口を抑える政策がある。北京市の常住人口は16年末に2173万人。前年比の増加幅はわずか2万人で、出稼ぎ労働者ら北京戸籍がない外来人口は15万人減った。毎年の増加幅を圧縮して20年の人口を2300万人以下に抑え、その後も増やさない目標を掲げる。

 北京だけでなく、上海でも常住人口は16年末で2420万人と4万人の増加にとどまった。20年に2500万人、40年も「2500万人前後」を目標とする。すでに出稼ぎ労働者は学歴、技能などの理由で「居住証」が取得しづらくなった。

 生活環境の悪化や交通渋滞に歯止めをかける狙いだ。北京市トップの蔡氏は「郊外に都市機能を分散するしかない」と断言。蔡氏は習近平(シー・ジンピン)国家主席の側近だ。その習指導部は17年4月、北京から南西に約100キロ離れた河北省に新都市「雄安新区」を建設し、大学などを移す方針を決めている。

 日本では東京、神奈川、埼玉、千葉の「東京圏」1.3万平方キロメートルに約3600万人が暮らす。一方、北京は1.6万平方キロメートルに約2200万人。計算上、北京の人口密度は東京圏の約半分だ。だが都心と郊外を結ぶ鉄道など公共交通インフラの整備が遅れ、先に自家用車が普及して深刻な道路渋滞が慢性化した。

 都市計画が追いつかない人口の膨張は生活環境の悪化などを招くが、都市への人口集積は技術革新を後押しし、労働生産性を高めるとの指摘が多い。むやみに人口を抑制するだけでは、将来の成長余地を狭めかねない。>(以上)

12/4facebookより<逼遷=強制取り壊し>多分北京の大興区ではないかと思われます。

https://www.facebook.com/100010739386824/videos/511835102517798/

人権が守られないのは共産国の共通した課題でしょう。中国人は家に人がいたとしてもブルドーザーを使い壊します。生きようが死んでしまおうが関係ありません。このような国が世界をリードするなんて、寝言をぬかすなと思います。

そもそも人間を「低端=low end」とスーパーやコンビニエンスストアの棚に並ぶ商品のように扱う事自体許されないでしょう。追い出しを喰らった10万人は実家に帰るしかありません。地方に職があればわざわざ都会に出て来て働くことはしないでしょうから、帰ったら失業することは目に見えています。社会保障が充実していない中国では「大躍進」時代ではないですが、餓死する危険性もあります。農業する土地も町や村に買い上げられ残っていないのでは。北村氏の言うように生活手段を考えてやってから、取り壊すべきと思うのですが、共産主義者にとって聞く耳はないでしょう。北京市書記の蔡奇は習に破格の昇進を受け、雄安新区を早く成功させようとの思いで邪魔になる農民工の住まいを取り壊したのでは。自分の出世の為には庶民が苦しもうとも関係ないというスタンスです。共産主義者だからなのか中国人だからなのか、小生はその両方と思っています。

中国は、その内に農民工を棄民として日本に送り込んでくる可能性もあります。今でも日本の健康保険を悪用している、踏み倒して帰ってしまうという事例があります。今の所、日本に来るのは富裕層でしょうけど。日本は中国の人口侵略に、土地の買い占め問題と共に真剣に対応策を考えていかないと。高級官僚はキチンと仕事をしなければ。

http://www.sankei.com/west/news/170508/wst1705080038-n1.html

記事

北京市は火災をきっかけに「工場アパート」の撤去に乗り出し、多くの出稼ぎ労働者が住む場所を失くすことに(写真:ロイター/アフロ)

 11月18日18時頃、北京市南部の“五環路(環状5号道路)”と“六環路(環状6号道路)”の間に位置する“大興区”の“西紅門鎮新建村新康東路8号”にある“聚福縁公寓(聚福縁アパート)”で火災が発生した。11月19日の“新華網(ネット)”はこの火災について次のように報じた。

工場アパートの閉鎖、違法経営の摘発を

(1)18時頃、北京市大興区西紅門鎮新建村で火災が発生した。“北京市119指揮中心(北市消防指揮センター)”<注>は18時15分に火災発生の通報を受け、消防部門は直ちに14の中隊と34台の消防車を現場へ急行させ消火活動を展開した。21時頃に火災は鎮火した。この火災による死者は19人、負傷者は8人であった。負傷者は現在治療を受けている。

<注>正式名称は“北京市公安局消防局119消防指揮中心”。北京市の消防局は本来の名称を“北京市公安消防総隊”または“中国武装警察部隊北京市消防総隊”と言い、“北京市公安局”と“中国公安部消防局”の二重の管轄下にある。消防局の隊員は武装警察官で構成されている。

(2)火災発生後、“北京市党委員会”書記の“蔡奇”と副書記で北京市長代理の“陳吉寧”は、即座に現場へ赴き緊急救助活動を陣頭指揮した。蔡奇は全力を挙げて現場における被災者の捜索と負傷者の治療を行い、後始末を十分に行い、市が先頭に立って調査チームを発足させ、事故原因を究明し、厳しく責任を追及するように要求した。また、「“挙一反三(一つの事から類推して多くの事を知る)”が必要であり、直ちに全市でローラー作戦を展開し、個々の村や居住区域をしらみつぶしに調査し、いかなる隠れた危険も見逃してはならない。さらに村・鎮に所在する“工業大院(工場アパート)”の閉鎖、違法経営の摘発をさらに進めねばならない。全ての区の全ての組織に主体的な責任を負わせ、安全生産と公共安全を確保しなければならない」と述べた。なお、今回の火災の原因は調査中であり、容疑者はすでに強制措置が採られている。

 火元となった聚福縁公寓は“新建一村”の十字路の片側にあり、周辺にはアパートや商店が立ち並んでいた。聚副縁公寓は長さ80m、幅76mの古びた3階建てのビルで、白かったはずの外壁は黒ずみ、電線が乱雑に掛かっていた。表から見れば3階建ての聚福縁公寓は実質4階建てで、地上3階、地下1階からなり、地上の1階部分はレストランや銭湯、加工工場、倉庫など、2階と3階の一部は貸室、地下1階は冷凍倉庫および工場となっていた。2階と3階の一部にある貸室は合計305室あり、全部で400人以上の人々が暮らしていた。

 上述した“工業大院(工場アパート)”とは零細企業に工場の場所を有料で提供する賃貸ビルを指し、土地を持つ地元の農民がカネ儲けのために安普請で建設したもので、工場を誘致したい村・鎮政府の意向と合致して各地で工場アパートが次々と建設された。そうなると工場で働く労働者の宿舎も必要になり、工場アパートに並行して居住用のアパートも続々と建設された。アパートの貸室には主として外地から働きに来た出稼ぎ者が住んだ。

聚福縁公寓は工場アパートとして建てられたビルだったが、5~6年前に地上2階と3階の一部を改造して10数m2程の部屋を305室作って貸室としたのだった。聚福縁公寓の正面には貸室の客を呼び込むための赤色の広告が掲げられていたが、そこには「聚福縁公寓」と大書した下に「室内設備:独立トイレ、熱水器、キッチン、暖房、ベッド、洋服ダンス、LANケーブルなど」と記され、「電話:15901222098、18911416568」と連絡先が表示されていた。なお、火災後にメディアがこの番号に電話を入れたが、1つは電源が切られていたし、もう一つは誰も出なかったという。

 さて、貸室の家賃は占有面積により異なるが、月400元(約6800円)~700元(約1万2000円)と安く、住民のほとんどは外地から来た出稼ぎ者だった。彼らの多くは1室に3~4人で住み、共同生活を送っていた。居住者の1人はメディアのインタビューに答えて、「1人で月600元(約1万200円)の部屋に住んでいるが、来月から月200元(約3400円)の暖房費を取って集中スチーム暖房が始まるはずだった。地下には倉庫や工場があるようで、しばらく前までは常にガタンガタンという音が聞こえ、変圧器のブレーカーがしばしば落ちた」と述べている。

有毒ガス発生、金網で逃げられず

 その後の調査により出火元は地下1階の冷凍倉庫であると判明した。倉庫内に貼られていたポリウレタンフォームが燃えたことにより毒性ガスが発生し、この毒性ガスが隣接する小さなアパレル縫製工場に流入したため多数の労働者が死亡した。また、2階には長さ60mの狭い廊下が2本しかなく、しかも薄暗い電灯が点いているだけだった。各部屋の窓には泥棒除けの金網が貼られていたため、煙の流入で火災発生を知った2階の住民たちは必死で金網を外そうとしたが、金網はびくともしなかった。そこで廊下に出た人々は煙が充満する中を手探りで1階の出口へ向かったが、同公寓には出入口が大門と小門の2カ所しかなく、大門は閉鎖されていたため、人々は小門からしか逃げられなかった。公寓から命からがら逃げ出した人々は誰もが全身煤まみれで、一部の人々は路上で吐いたし、子供の中には意識を失った者もいた。

 後に公表された火災による死亡者名簿の内容は以下の通り。彼らの死因は全て一酸化炭素中毒だった。

【1】山東省“郯城県”出身の男性(60歳)、その妻(58歳)、孫(男6歳)、孫(女1歳)

【2】河南省“拓城県”出身の女性(50歳)、孫(男1歳)、孫(女4歳)

【3】河北省“曲周県”出身の女性(31歳)、息子(1歳)

【4】陝西省“周至県”出身の女性(24歳)、息子(3歳)

【5】北京市大興区の子供(男11歳)、その弟(3歳)

【6】その他:河北省“深州市”出身の女性(27歳)、河北省“威県”出身の男性(30歳)、河南省“固始県”出身の男性(21歳)、黒龍省“五常市”出身の女性(42歳)、新疆ウイグル自治区“葉城県”出身の男性(26歳、ウイグル族)、吉林省“楡樹市”出身の男性(47歳)

 上記の通り【5】の2人を除く17人は全て外地の出身者であり、“県”出身者が大部分であることから農村からの出稼ぎ者およびその家族であることは明白である。彼らは故郷から北京市へ出稼ぎに来て、家賃の安い聚福縁公寓でつつましく暮らしていたが、不幸にも火災により命を落としたのだった。名簿からはアパレル縫製工場の労働者が何人死亡したのかは分からないが、死亡者19人中の8人が子供であったことは悲しい事実である。

出稼ぎ労働者を放逐、新都市計画を推進

 ところで、北京市党委員会書記の蔡奇は、どうして聚福縁公寓の火災現場において全市でローラー作戦を展開して隠れた危険をあぶり出すと同時に、村・鎮に存在する工業アパートの閉鎖と違法経営の摘発を行えと命じたのか。それは北京市の“城郷結合部(都市部と農村部の隣接地域)”にある出稼ぎ者主体の貧困者向けアパートや零細企業向け工場アパートを取り壊して新たな都市計画を推進するためである。貧困者向けアパートと工場アパートを兼ね備えた聚福縁公寓で火災が発生し多数の死亡者が出たことは、都市計画推進の理由付けとしては十分であり、この機を捉えて都市改造を進めると同時に外地から来た出稼ぎ者を駆逐するというのが本音と思われる。

 多数の新建村住民がメディアに語ったところでは、聚福縁公寓が所在する新建一村には違法建築が比較的多く、村の住人の多くが外地から来た出稼ぎ者であることから、新建一村は今年12月15日より前に建物の取り壊しと住民の移転を終わらせることを計画している。但し、現在までのところ住民の移転は進んでおらず、当該計画の進行は遅滞している。新建一村の掲示板に張り出されていた『通知書』には、「西紅門鎮は北京市の“城郷結合部”改造のモデル鎮として、都市部と農村部の様相を徹底的に改善し、都市部・農村部一体化の進行を加速させるべく、西紅門鎮の新建一村、“新建二村”、“新建三村”、“新建四村”と“北京市五連環投資有限公司”による“工業大院(工場アパート)”の明け渡し・取り壊し作業を2017年11月2日にから開始する」と記されていた。こうして見ると、聚福縁公寓の火災は遅々として進んでいなかった建物取り壊しと住民移転を促進させる作用をもたらした。

 この動きに呼応するかのように、11月21日には大興区の北部に位置する“旧宮鎮”の地元政府が次のような緊急通知を布告したことがネットに掲載されて話題になった。

《緊急通知》

 “大興区政府”および“旧宮鎮政府”の通知に応じ、北京市政府の関係文章の要求に基づき、本地区にある全ての“公寓(アパート)”および“出租房屋(貸室)”は5日間を期限として大至急清算し、返却することを要求する。11月26日には水、電気、ガスを強制的に停止する。全ての居住者はこの期限前に完全に退去することを要求する。この期限を過ぎても退去しない者は本公司および政府が強制的な措置を採るが、その結果は自己責任である。

2017年11月21日

 要するに、11月18日夜に聚福縁公寓の火災現場で北京市党委員会書記の蔡奇がローラー作戦を展開しろと命じたことを契機として、北京市は全市を上げて“城郷結合部”の改造に着手したのである。上述したように聚福縁公寓が所在する新建一村では11月2日から工場アパートの明け渡し・取り壊しが始まり、聚福縁公寓もその例外ではなく、一部の住民はすでに退去していたが、大多数の行き場のない人々は依然としてアパートの貸室に留まっていたし、地下のアパレル縫製工場も残留して稼働していた。そんな最中に火災は発生したのだった。本来11月18日には地下にある冷凍倉庫や工場に対する法執行が行われる予定だったが、週末を理由に2日間延期された。法執行が2日間延期されなければ、火災は発生しなかったに違いない。

零下の寒空に橋脚の下で寝泊まり

 聚福縁公寓の周辺では翌19日から住民の強制立ち退きが開始され、アパートや工場アパートの取り壊しが始まり、ホテルやレストランを始めとする各種商店は移転を余儀なくされた。この動きは上述した大興区内の西紅門鎮や旧宮鎮のみならず、全市の“城郷結合部”に拡大し、非公式な統計によれば、北京市全体で11月19日中に1万人以上の外地から来た出稼ぎ者が従来の住居から強制退去させられたし、11月24日までには1000棟近いアパートと工場アパートが違法建築や違法経営などの各種名目で取り壊され、強制退去させられた出稼ぎ者の数は10万人を超えたという。

 外地から来た出稼ぎ者たちは、その多くが上述の大興区西紅門鎮新建村のほか、“通州区馬駒橋鎮”、“豊台区盧溝橋郷張儀村”などの“城郷結合部”に居住して、縫製、飲食、物流、建築などの産業に従事していた。ところが、彼らが住居から強制退去させられて通常通りに働けなくなったことで、彼らを雇用していた業界は大きな影響を受けている。その最たるものは物流業界であり、彼らを配達員として大量に雇っていた“快逓公司(宅配便会社)”の一部では配達員不足により北京市内の宅配業務を停止さざるを得ない状況に陥った。

 北京市の天気は聚福縁公寓火災が発生した11月18日が晴れで、気温は最高5℃、最低零下6℃であった。翌19日は曇りで、最高7℃、最低零下5℃であった。乾燥している北京市の寒さは、室内から外へ出てすぐは気温が零下でもさほど寒いとは感じないが、しばらくすると底冷えして凍り付くような痛みを感じるようになる。そんな気候の中を10万人以上もの人々が住み慣れた住居から強制退去を命じられたのである。メディアによれば、零下5℃の寒空の中で立体交差橋の橋脚の下で寝泊まりする人々の姿が目撃されたという。

 強制退去させられた人々が向かう先は“城郷結合部”からさらに奥に位置する環状6号道路の外側にある辺ぴな地域しかないが、そこに10万人以上の人々を受け入れる貸室があるとは思えない。しかし、所得の少ない彼らに支払える家賃には限界があり、住める地域は限られる。どうしても貸室が見付からなければ、故郷へ戻るしかないのだ。

“低端人口”を整理・抑制

 実は2011年4月25日にも大興区旧宮鎮で300m2を焼失する火災が発生し、死亡者17人、負傷者25人(含女児2人)を出したことがあった。火災が起きた建物は2010年に建てられた違法建築で、4階建てで38室の貸室あり、80人前後の人々が住んでいたが、消防安全措置は全く取られていなかった。死亡者17人中の13人は建物1階にあった零細なアパレル縫製工場の労働者で、外地から来た出稼ぎ者であった。この旧宮鎮の火災と聚福縁公寓の火災は6年の年月を隔てながら共通点を持っている。それは現場が工場アパートであることと、犠牲者の多くが労働集約型産業のアパレル縫製工場で働く出稼ぎ者であったことである。火災発生場所が旧宮鎮の現場から聚福縁公寓の現場まで7km南下しただけで、出稼ぎ者が犠牲となる構図は何も変わっていない。

 ところで、上述した北京市の“城郷結合部”改造計画に関連して、市内の“石景山区”、“海淀区”などの区政府が発行する公文書に、「“低端人口”を整理する」、「“低端人口”の流入を厳しく調整する」、「“低端人口”を抑制する」といった記述のあることが発見され論議を呼んでいる。“低端人口”とは「低級人口」の意味で、最下層に位置づけられる外地から流入した出稼ぎ者を指す。公文書の中であからさまに「低級人口を整理する」、「低級人口を抑制する」と記載する真意は、最下層の出稼ぎ者を北京市内から駆逐することにある。これは大都市への人口集中を抑制する政策の一環であり、北京市だけの問題ではないと思うが、出稼ぎ者を低級扱いするとは言語道断と言わざるを得ない。

 それにしても、10万人以上の人々を従来の住居から強制退去させるなら、予め然るべき受け皿となる居住場所を準備するのが為政者としての務めだと思うのだが、彼らを路頭に迷わせて泰然としている所はさすがと言うしかない。しかし、彼らは低賃金で働く最下層の出稼ぎ者が北京市にどれだけ大きな貢献を果たしているかを理解していないようだ。

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『卒業=失業?新卒800万人の中国就活事情 大卒「蟻族」「啃老族=スネカジリ」が社会問題に』(11/30日経ビジネスオンライン 西村友作)、『中国「国家資本主義」の抑止策が日本主導で始動 米国巻き込み、インフラとデータの公正取引を目指せ』(11/30日経ビジネスオンライン 細川昌彦)について

12/1中国観察<國家副主席人選爭議大 王岐山胡春華去哪兒?希望之聲電台=国家副主席を誰にするのか争いは大きい 王岐山と胡春華はどこへ行くのか 希望の声TV>「来年3月には党ではなく政府の人事があるが、中国の歴史を見ると国家副主席は常務委でなくても良く、儀礼的なポストである。曽慶紅は実権を握っていたが。王岐山が第一候補であり、胡春華が国家副主席の第二候補か副総理になる」と読んでいます。

http://chinaexaminer.bayvoice.net/b5/ccpsecrets/2017/12/01/382006.htm%E5%9C%8B%E5%AE%B6%E5%89%AF%E4%B8%BB%E5%B8%AD%E4%BA%BA%E9%81%B8%E7%88%AD%E8%AD%B0%E5%A4%A7-%E7%8E%8B%E5%B2%90%E5%B1%B1%E8%83%A1%E6%98%A5%E8%8F%AF%E5%8E%BB%E5%93%AA%E5%85%92%EF%BC%9F.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

12/2ロイター<習氏、尖閣で「軍事行動」に言及>米国が北朝鮮を攻撃した時が、中国が尖閣を強奪しに来る危ない時期かと。古森義久氏の『戦争がイヤなら憲法を変えなさい 米中対決と日本』の中で、トシ・ヨシハラ氏は尖閣に有人監視設備を置くべきと言う意見があるという質問に「中国が軍事的な対抗措置に出る可能性がある」と否定的、代わりに「日本が南シナ海での海洋拡張行動に対し、米国と協力して積極的に安全保障行動を取る」という水平エスカレーションを提言(P.22)。ロバート・サター氏に依れば、「中国の艦艇や漁船に尖閣上陸できる能力はない。あるとすれば空挺作戦が先行する。或はホーバークラフト使用が合理的。海保の予算を増やし警備能力を高めるべき。また中国の嫌がることをすべき。個別or集団的な安保協力、台湾関係法の制定、人権弾圧や少数民族弾圧への非難等」と(P.30~32)。リチャード・フィッシャー氏は「中国共産党は究極的には、日本と言う国をほぼ完全に屈服させることを目指していると言えます。アメリカとの同盟はなくす。自衛能力も極めて制限される。勿論核兵器など持たない。そして少しずつ中国の国家発展長期計画に日本と言う国を組み込んでいく。そんな目標です。つまりは日本を中華帝国の隷属国家にすることです」と警告しています(P.48)。日本国民は中国の危険性に覚醒しなければ。容共政党に投票するのは中国の侵略を有利にするだけです。憲法改正もできれば実現しておきたい。間に合わなければ最悪超法規的措置で対抗、「憲法守って国滅ぶ」のでは本末転倒でしょう。

https://jp.reuters.com/article/idJP2017120201001626

中国の学生の就職状況は、

2015/3/25ニュースポスト7<中国 大学卒業者749万人中150万人が就職できず争乱の懸念も>

http://www.news-postseven.com/archives/20150325_311271.html

2016/4/13人民網<中国、大卒者の失業率が5年連続で低下>とありますが、人民日報は共産党の喉と舌=フェイクニュースですから、当然信用できません。

http://j.people.com.cn/n3/2016/0413/c94475-9043785.html

西村氏記事が実態を表していると思います。経団連はアホなことに韓国人の大学卒業生を雇用するようお触れを出すようですが、会長の出身である東レは韓国に11工場持っています。東レが雇うのは勝手ですが、他の企業に反日国家の韓国人学生の雇用を進めるのはもっての他。いまや米朝戦争が喧しい中で韓国の運命がどう転ぶか分からないときに。

http://tairitu.hatenablog.com/entry/2017/11/21/154648

https://snjpn.net/archives/37570

http://n-seikei.jp/2017/11/post-48212.html

経団連は韓国人学生だけでなく、その内中国人学生も採用するとか言い出しそうで恐ろしい。侵略のお先棒を担ぐことになります。日本の人手不足は短期的には高齢者・女性の活用で、長期的にはAI・ロボット化で対応すべきです。

元経団連常務理事の阿部泰久氏が亡くなりました。彼は経団連で税制を担当していましたのでお世話になりました。その際、東大の剣道部出身と伺いました。ご冥福をお祈りします。合掌。

細川氏の記事にありますように、中国の「一帯一路」に全面協力は避けたい。多分中国はAIIBを活用してくると思いますが、世界のスリランカ化を招くことになります。麻生財務大臣が「AIIBはサラ金」と仰ったのは、尤もな話。中国は儲けた金で軍拡を推し進める訳ですから、協力すれば日本にブーメランとして跳ね返ってきます。

http://www.recordchina.co.jp/b224281-s0-c10.html

西村記事

中国の名門大学、清華大学で開催された某国有企業の就職説明会(2017年11月、北京市内)

国慶節を終えた直後の10月中旬、対外経済貿易大学の教え子のSNS上に悲痛なつぶやきが流れた。

「倍率は50倍だって!」。

大手国有商業銀行の某地方支店の応募状況だ。彼女のSNSはほどなく、同じく就活真最中の同級生たちからのコメントで埋め尽くされた。

中国では今、秋季の就職活動が佳境を迎えている。新学期が9月から始まる中国では、就職活動は秋季と春節を挟んだ翌年の春季の二度のピークがある。それぞれ10月と2月頃から始まり、3か月ほど続く。

日本の新卒採用状況をみると、人手不足や企業の好業績を背景に空前の「売り手市場」が続いている。一方中国では、年7%近い経済成長を続けており、2012年から生産年齢人口が減少に転じ、都市部の年間新規就業者が1300万人を超えているため、学生優位の「売り手市場」となっていると思われがちだが、中国の就活状況はまったく異なる。

就職超氷河期の現実

学歴を極めて重視する中国において、現代版科挙とも言える中国の全国大学統一入試、通称「高考」は人生最大のイベントと言っても過言ではない。その熾烈な競争を勝ち抜いてきた学生たちを4年後に待っているのは「就職超氷河期」という現実である。

中国では1998年に高等教育規模拡大政策が実施され、大学の定員数は右肩上がりに増加してきた。教育部の統計によると、98年に約87.7万人(大学生83万人、院生4.7万人)だった卒業生は、2016年には760万人(大学生704万人、院生56万人)まで増加している。中国国内の報道によると、2017年に卒業生は795万人、2018年には800万人を超える見込みである。

中国の大学卒業生の推移 出所:中国教育部の統計より筆者作成

学内でも「史上最悪の就職難」という言葉をよく耳にするが、毎年「史上最悪」を更新している状況だ。

卒業生が急増する一方で、その受け皿となる企業の増加スピードは追いついていない。

大手金融機関の面接を待つ学生たち(2017年11月、北京市内)

ホワイトカラーとブルーカラーの給料は?

産業構造を見てみると、経済発展の過渡期にある中国社会では、エリート意識を持つ大卒者よりも、依然として大量のワーカーを必要としている。

若干古いデータとなるが、人力資源社会保障部の2013年の統計を使って学歴別の求人倍率を計算すると、「大学専科(大専)」を含む大卒・院卒が0.84倍であったのに対し、学歴要求なしを含む小学・中学・高校卒は1.17倍であった。2002年以降このような状況が続いている。

中国のブルーカラー市場とホワイトカラー市場は分断されている。中国では「大卒=ホワイトカラー」という意識が依然として強く、「メンツ」を重んじるあまり肉体労働を敬遠する傾向にあるためだ。

労働市場のこのような分断と不均衡は賃金にも表れている。『2017年中国大学生就業報告』によると、2016年大学生の卒業半年後の月収は全国平均で4376元(約75000円)となっている。これは「211大学(21世紀の優秀100大学)」や「985大学(1998年5月に選出された重点研究大学)」と呼ばれる国家指定の重点大学の卒業生も含む平均収入で、名前も知られていないような三流大卒の現実はさらにひどい。

大卒「蟻族」の月収は出稼ぎ労働者より低い

対外経済貿易大学の廉思教授が2009年に発表した「蟻族」と呼ばれる社会現象が話題となった。これは、地方出身の大卒者が思うような就職ができず、大都市近郊で集団生活を送る現象。社会保障も無い非正規雇用の形態が大半で、賃金も極めて低いと言われる。

「蟻族」の所得に関する公式な統計はないが、平均月収は首都北京ですら2000~3000元程度とメディアでは報じられている。中国農業部が発表した2017年第1~3四半期の農業農村経済報告によると、「農民工」と呼ばれる農村からの出稼ぎ労働者の平均月収は3459元であった。大卒「蟻族」はこのレベル以下ということになる。

さらに高収入の出稼ぎ労働者もいる。最近都市部ではフードデリバリーサービスが活況を呈しているが、中国中央テレビが運営する「央視網(CCTV.com)」で公開されている報道番組によると、配送員の月収は最低でも五、六千元で、人によっては一万元を超えるケースもあるという。ネット通販も好調で宅配業者間で人材確保競争も激しく、賃金は右肩上がりとなっている。

ブルーカラー市場にもこのような高収入の職業があるが、大卒者はほとんどいない。

まだまだ続く「卒業=失業」

中国の大学教育はエリート時代から大衆化時代へと転換している。米社会学者のマーチン・トロウは、高等教育の発展段階をエリート段階(進学率15%まで)、マス段階(同15%~50%)、ユニバーサル段階(同50%以上)に分けた。

教育部の統計によると、中国の進学率は高等教育規模拡大政策が実施前の1997年には9.1%であったが、2002年に15%に達した後も右肩上がりで上昇し、2016年には42.7%にまで高まっている。

つまり、中国の大学は既にエリート教育ではなく、大衆教育となっているのである。このように、大学進学率の上昇に伴い、大卒資格の価値が低下しているにもかかわらず、旧態依然のエリート意識が就職の足かせとなっているといえよう。

「大卒で就職できなかった友人は卒業後何をやっているのか」という問題を私の学生に尋ねたところ、「無職で家にいる」という回答が多かった。理由は「安い給料はもらいたくないから」、「メンツにかかわる職には就きたくないから」、「肉体労働は将来性がないから」だという。

要するに、思うような就職ができない卒業生は、家が比較的裕福であれば親のすねをかじる「啃老族」に、経済的に余裕がなく実家に帰れなければ大卒「蟻族」になるという構図となっている。

今後も大学の卒業生は徐々に増加していくと考えられる。また、産業構造の転換は摩擦の伴う長期的課題であり短期間で実現できるものではない。したがって、「史上最悪の就職難」は引き続き「史上最悪」記録を更新し続け、中国の「卒業=失業」という構造的問題の解決には相当時間を要するであろう。

細川記事

露骨な「国家資本主義」を強める中国。中国の「一帯一路」構想は日本にとってもビジネスチャンスだが、リスクも大きい。産業界の懸念を軽減すべく、日本主導で「中国抑止策」とも言うべき取り組みが密かに動き出している。

経団連会長らが訪中し、11月21日に李克強首相と会談した(写真:ロイター/アフロ)

先週、日本の経済界の訪中団が李克強首相や国家発展改革委員会首脳などと会談した。久々に日中関係が改善の兆しを見せている中で、日本の経済界も今後のビジネスチャンスに内心期待を抱きつつの訪中であった。最大の関心は中国の巨大経済圏構想「一帯一路」がビジネスチャンスになるかだ。しかしそこには大きな課題も横たわっている。

一帯一路には選択的協力

そもそも、中国から欧州までの陸路・海路をカバーする経済開発構想である「一帯一路」は、日本企業にとってビジネスチャンスではあるものの、実際はどう対応していいか決めかねているのが正直なところだ。

一帯一路に込められた、中国の覇権主義的な意図は明確である。従って、スリランカなどに見られる、軍事的意図での港湾整備などは警戒すべきだ。またタイなどでの鉄道整備のように、日本企業が中国企業と激しく受注を競っている分野では協力できないのは明らかである。受入国側も、日中を競わせるしたたかさを持っている。

しかし、これらの分野以外で、例えば、環境・省エネなどの分野では、第三国で日中が協力してビジネスを展開していくことは有益だろう。一帯一路に対しては、分野ごとに是々非々で「選択的に協力」するアプローチが必要だ。

問題は、その際の中国の手法が懸念されることだ。今回の訪中団も中国側に対して、協力できる条件として、グローバルスタンダードに従った透明性、開放性、経済性、採算性を充足することを求めた。

APECに国際ルールの布石を打つ

こうした中国の動きを牽制するためには、単に日本単独で注文をつけているだけでは埒が明かない。中国を牽制するための何らかの「国際的なルール」が必要だ。しかもそのルール策定に中国自身も参加して、関与していることがポイントになる。

実はそのための仕掛けができたのが、直前に開催されたアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議であった。

そこではインフラ整備への協力について、「質」を確保するための仕組み作りが合意されたのだ。これは日本が提案を仕掛け、米国、ベトナムを共同提案者にした。明示的には言わないが、明らかに中国の「一帯一路」を牽制したものである。

例えば、途上国の返済能力を超える貸し込みを禁止することが提案された。中国がスリランカの港湾整備で、多額の借り入れの返済として99年の使用権を得て、軍事使用されることが懸念されているが、類似の動きは各地で見られる。この提案は、こうした動きを封じるためだ。

この他にも、入札における開放性、透明性の確保が重要なポイントの1つだ。日本をはじめ先進国は、経済協力開発機構(OECD)のガイドラインによって、公的資金による開発援助は自国企業から調達と結びつけないという、いわゆる「アンタイド(ひも付きにしない)」が義務付けられている。にもかかわらず、これに縛られない中国は、中国企業からの調達を「タイド(ひも付き)」にするのが通常だ。これでは、公平な競争にはならない。

また中国の場合、通常ビジネスとして成り立ち得ないような条件の案件でも、国有企業、国有銀行が政府支援を得て、案件を強引に獲得していく。行動基準が政治的な影響力を強めるといった、ビジネスとは別次元の思惑なのだが、こうした動きを是正させる仕組みも不可欠だ。国内生産の過剰能力のはけ口にするとの中国の思惑も見え隠れし、要注意だ。

今回のAPECでは、こうした様々な不公正な競争条件を是正するためのルールを来年のAPECで合意することを目指して、検討することが合意された。国際ルールへの大きな一歩と言える。

まず、昨年のG20で「インフラ整備の質」というコンセプトを日本が国際的に初めて持ち出し、中国にもこのコンセプトを認めさせた。それが第一歩だった。そしてさらに今回のAPECでは、融資する手法をも規制対象にしようとしている。中国を念頭に置いた、日本の戦略が着実に前進しているのだ。

多くの米国企業もこうした中国のインフラ輸出のあり方には深刻な危機感を持っている。例えば、途上国での発電所案件で発電タービンの輸出を手掛ける米ゼネラル・エレクトリック(GE)もその1社だ。ベトナムなど受入国側でも強引な中国の進出には警戒感も出てきている。

そうした中で、日本は米国、ベトナムをAPECでの共同提案者にした。それは国際的に連携して中国を牽制する戦略として大いに評価できよう。

中国の新法はIoTをも規制する恐れも

デジタル情報についても中国の規制の動きが懸念される。今回の経済界による訪中団においても、こうした深刻な懸念を中国当局に会談で伝えた。民間企業が企業活動によって取得したデータなどのデジタル情報の流通を、国家が規制しようとする動きがそれだ。

本年6月、中国ではインターネット安全法が施行された。制度の詳細は現在策定中だが、運用次第では、外国企業に対して、サーバー設置の現地化を義務付けたり、国境を越えて情報を移転することを規制したりする恐れもある。これは電子商取引だけの問題ではない。産業界全体に及ぶ大きな問題なのだ。

今や製造業はIoT(モノのインターネット)への取り組みが競争力の源泉になりつつある。そこではビジネスで得た顧客データや工場データを収集、活用するために、サプライチェーン全体のデータの一元管理が欠かせない。従ってグローバル企業にとって自由なデジタル情報の流通が確保されることが不可欠なのだ。

特に、巨大な生産拠点、市場である中国での自社内のデータは企業にとって重要だ。それが中国当局の運用次第では制約されかねず、産業界にとってグローバルな企業活動が妨げられるとの大きな懸念になっている。

この問題も日本の経済界だけが申し入れて、中国側の対応が変わるわけがない。国際的な連携で中国を追い込むことが必要だ。もちろん米国の産業界も深刻な懸念を表明している。そこでこの問題を中国も参加する多国間のルールの俎上に載せることが重要になってくる。

具体的には、中国も参加している、グローバルな枠組みである世界貿易機関(WTO)の場に日米共同でこの問題を提起している。今後は、国境を超えるデジタル情報の流通に関するルールを新たにWTOに提案し、WTOのルールに組み込んでいく戦略が大事になる。

中国の国家資本主義にどう向き合うか

「中国の国家資本主義にどう向き合うか」がこれからの世界が直面し続ける大きなテーマだ。今回の日本の経済界による訪中団にとっても、これが本質的なテーマだった。

特に注目すべき分野は、インフラとデジタル情報だ。これらはいずれも今後の成長分野で、中国の国家資本主義の動きが顕在化している。

にもかかわらずトランプ政権が短期志向・内向きであるのは極めて危険な状況といえる。日本は単独で中国に注文をつけたところで見向きもされないだろう。日本は分野ごとに米国を根気よく巻き込んで、国際連携の下に多国間のルール作りで中国を牽制していくべきだ。そういうせめぎ合いが、まさに始まっている。

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『なぜ中国はジンバブエのクーデターを黙認したか 習近平のメンツ潰したムガベ辞任、「植民地化」の行方は?』(11/29日経ビジネスオンライン 福島香織)、『中国人が蜜月関係だったアフリカから続々帰国している理由』(12/1ダイヤモンドオンライン 姫田小夏)について

11/29日経<「習近平新時代」の寿命決める新星は誰か  編集委員 中沢克二

先の中国共産党大会では、2012年にトップに就いて5年にすぎない党総書記(国家主席)、習近平(シー・ジンピン)の業績について重大な決定があった。「習近平新時代」が思想の形で共産党規約に明記されたのだ。

この意味を極めて分かりやすく説明した人物がいた。11月下旬、来日した中国共産党中央党校副校長、何毅亭(65)である。中央党校は共産党幹部の教育を担う重要な組織だ。とりわけ何毅亭は理論面で習近平を支える側近で、スピーチライターの一人とされる。

■共産党史の全面書き換え

「中国共産党政権の歴史は3つに分けられる。第1は毛沢東時代。人民と共に立ち上がった創立期である。第2は『改革・開放』政策の導入で富ませた鄧小平時代。そして第3は、強い国家をつくった習近平新時代だ」

習近平新時代の登場に押されて、江沢民・胡錦濤両時代は中国共産党史に入る余地がなくなった(10月の共産党大会に登場した江沢民(右)、習近平(中)、胡錦濤(左)各氏)=小高顕記者撮影

共産党の理論づくりを担う重鎮の公式見解だけに驚きだった。既に共産党の歴史は書き換えられたのだ。何毅亭は、日本の国会内で議員らを前にそう宣言した。内容を整理し、少し補足するとこうなる。

(1)毛沢東時代=1949年の新中国建国から76年の毛沢東の死を経た78年頃まで

(2)鄧小平時代=鄧小平は78年に「改革・開放」政策導入を宣言。97年に死去したが、その時代は鄧小平の指名でトップに就いた江沢民、胡錦濤の執政期を含む

(3)習近平時代=2012年から反腐敗運動による厳しい党の統治と大胆な軍改革で強国を志向。35年に経済と軍の現代化建設を基本的に終え、21世紀中葉に現代化強国を完成

まだ、たった5年にすぎない習近平の新時代は、反腐敗運動などで毛沢東と鄧小平の2つの時代に匹敵する実績を既に上げたというのだ。そして江沢民と胡錦濤の執政期は特に独自性がなく、事実上、鄧小平時代の中に組み込んでよいという結論になった。

なお存命中で党大会にも出席した91歳の江沢民、そして74歳の胡錦濤は、この党大会総括をどんな気持ちで聞いたのか。どう考えても穏やかに耳を傾けたとは思えない。

そもそも輪郭がはっきりしていなかった江沢民、胡錦濤両時代は、共産党の歴史に刻まれる余地が全くなくなった。形の上では自分たちが後継者に選んだはずの後輩、習近平が早々に自らの新時代を宣言。押さえ込まれてしまったのだ。

では習近平新時代は今後、いつまでつづくのか。それは後世が決めることだ。しかし、現時点で習自身とその周囲がどこに視点を置いているのかは極めて重要である。

習近平の国家主席として憲法上の任期は2期10年が終わる23年までだ。慣例に従うなら党総書記の任期も22年の党大会までになる。

では、たったあと5年間。つまり合計10年間で本当にトップから退くのか。それは疑問だ。毛沢東時代は30年間近く続いた。次の鄧小平時代も78年の「改革・開放」政策の宣言から鄧小平の死までの19年間に江沢民、胡錦濤両政権を加えれば合計34年間もあった。

■少なくても「2035」までは習近平新時代

ここで考えるべき重要な論点がある。今回の党大会報告で初めて登場した2035年という数字である。習近平は20年に小康社会(少し余裕のある社会)を達成した後、次の現代化建設の第一目標を35年に置いた。

中国共産党の歴史は毛沢東時代、鄧小平時代、そして習近平時代の3区分に書き換えられた(写真は北京・天安門に掲げられた毛沢東の肖像画、小高顕記者撮影)

なぜ35年なのか。今から21世紀中葉までは33年間。その中間地点であるという理屈は成り立つ。21年の中国共産党設立百年と、49年の新中国成立百年のちょうど真ん中でもある。

35年の目標設定には、国家計画の面から見ても極めて精緻な計算がある。それは中央党校副校長の何毅亭も言及した。

「(49年の建国百年を見据えてきた)現代化建設を基本的に達成する目標を15年ほど前倒した」

この言葉を聞いてハッとした。極めて重要な発言だった。党大会報告に盛り込まれた主要プロジェクトは、ほぼ全て35年を目標に計画されているのだ。

新シルクロード経済圏構想(一帯一路)、北京・天津・河北省を一体化する新首都圏構想、インターネット、ビッグデータ、人工知能(AI)と実体経済との高度な融合、グリーン・低炭素社会の実現、シェアリングエコノミー、現代版サプライチェーン構築……。全てが2035年に向けて動き出す。

中国の経済成長率は徐々に低下している。とはいえ、「今後18年間もあれば、どんなに少なく見積もっても経済規模の上では米国と肩を並べ、抜き去っているに違いない」。中国の指導層はそう考えている。問題はもはや生産能力の大きさや量ではなく質の確保だという。

そして何より重要なのは、軍の現代化建設の第一目標も35年に置いた点だ。現代電子戦に対応する人材を育て、武器・装備を近代化し、統合作戦、全域作戦の能力を高めるとしている。

大胆な軍改革は、反腐敗運動と並ぶ代表的な習の実績である。それは35年に向けて進み、最終的に21世紀中葉までに世界一流の軍隊をつくるという。世界ナンバーワンの軍事強国である米国と戦えるほどの強軍国家。それが中華民族の復興の夢の意味だ。

「2035」には、習近平新時代が少なくともそこまでは続くとの期待が込められている。それは必ずしも習近平政権そのものが35年まで続くことを意味しない。

■退く時期の選択権を手中に

習がトップから退く可能性がある時期は、5年後の22年党大会、10年後の27年党大会とある。実際はいつ退いてもよいのだ。退いた後も習近平新時代が続いていれば何の問題もない。

「改革・開放」政策で自らの時代をつくった鄧小平氏(広東省深圳で)

そのとき、習がいつか指名する後継者が「習近平チルドレン」として習近平新時代の守人になる。鄧小平時代の守人が「鄧小平チルドレン」の江沢民と胡錦濤だったように。習近平は表向きポストから退任しても、かつての鄧小平のように事実上の最高指導者として振る舞える。

今回、習は「ポスト習近平」候補とされた孫政才(54)を反腐敗で摘発し、共産主義青年団のホープ、胡春華(54)を最高指導部に引き上げなかった。次世代を担う人材を排除する手法によって、引退時期を自ら決めることができる選択権を手にしたのだ。

強い現指導者の引退時期が決まらない場合、各勢力は現指導者に服従するしかない。結果的に求心力は保たれる。

とはいえ習の思惑を阻もうとする動きは今後、必ず出てくる。その勢力は、習近平時代をできるだけ短い期間で終わらせ、さらに新しい時代を築こうとするに違いない。その際、激烈な内部闘争が繰り広げられる。

これまでの5年間、習は「反腐敗」闘争の名目で江沢民と胡錦濤の旧勢力を押さえ込んだ。次世代新星もまた別の手法で闘いを挑むだろう。標的になるのは今度は「習近平チルドレン」かもしれない。習近平時代の寿命を決めるかもしれない未来の指導者はどこかに潜んでいる。その顔が見えるのはまだ相当先になりそうだ。(敬称略)>(以上)

習近平が今後とも、無事主席の地位を確保or最高指導者として実権を握れるかどうか分かりません。共産党のラストエンペラーになる可能性もあります。

一つはこの記事。11/30Money Voice<中国が恐れるトランプの経済侵略と北朝鮮「北京核テロ」の脅威=斎藤満>。米国のハゲタカが中国の不良債権ビジネスを展開、食い荒らすと言うもの。それより北の問題(テイラーソンが更迭、ポンペオになるという事はやはり戦争は近い?)が片付けば、次の標的は中国となるはずです。

http://www.mag2.com/p/money/342777?l=ttv0c03f55

二つ目はこの記事。12/1中国観察<張陽傳死於“非典型”政變 主謀名單或在另一巨虎身上 希望之聲電台=張陽が死に追いやられたのは“非典型政変”に絡む 首謀者は他の巨魁である 希望の声TV>「張陽の自殺は口封じの為ではという見方です。海外メデイアの博聞社に依れば、張陽と参謀長の房峰輝、武警司令の王建平と共に、毛沢東死後の「四人組」逮捕のような政変を企図、しかし早いうちに発覚、王建平は刑務所内で自殺と伝えられるが発表はない。彼らの背後にはもっと上(江沢民or曽慶紅?)がいるはず」と。非典型政変が4人組を指すのなら、さしずめ習近平は華国鋒となり主席を辞任、4人組は王岐山や陳敏爾と誰?或は張陽、房峰輝、王建平らが4人組(3人であるが)となって習を江青によって操られた毛沢東のようにするという意味なのか良く分かりません。

http://chinaexaminer.bayvoice.net/b5/ccpsecrets/2017/12/01/382007.htm%E5%BC%B5%E9%99%BD%E5%82%B3%E6%AD%BB%E6%96%BC%E9%9D%9E%E5%85%B8%E5%9E%8B%E6%94%BF%E8%AE%8A-%E4%B8%BB%E8%AC%80%E5%90%8D%E5%96%AE%E6%88%96%E5%9C%A8%E5%8F%A6%E4%B8%80%E5%B7%A8%E8%99%8E.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

11/28宮崎正弘氏メルマガ<張陽(中央軍事委員会前政治工作部主任)が「首つり自殺」 巨額の賄賂を郭伯雄、徐才厚らに上納して「のし上がった」>にも軍の不満が募っているとあります。習は、クーデターか暗殺(病死か交通事故死に)されるのでは。習は決してその地位が安泰とは思えません。

http://melma.com/backnumber_45206_6615102/#calendar

また、12/1宮崎正弘氏メルマガに<中国、ベオグラード ←→ ブタペスト新幹線を着工 アフリカから足抜け、空白のバルカンと旧東欧へ集中か>とあり、中国がアフリカから「一帯一路」に投資を切り替えているとのコメントです。姫田氏と同じで情報の確度が高いと思われます。中央アジアは元ソ連の衛星国でしたからロシアは、シベリアへの中国人の人口侵略と合わせ、苦々しく思っているというか「タタールの軛」を思い起こして恐怖に感じているのでは。

http://melma.com/backnumber_45206_6616367/

福島氏の記事のムガベは中国にとって用済みという事でしょう。独裁者同士のやることですから。中国のすぐ隣にもロケットマンという独裁者がいますが。やはり全員、国民を思うことの無い為政者達です。我が身を安全地帯に置いて政府批判しかすることがない、日本の左翼リベラルの政治家・メデイア・学者に言いたい。この3ケ国と人権状況を比べてから「モノを言え」と。

福島記事

ムガベ前大統領と習近平主席、持ちつ持たれつの関係は終わりを迎えた。写真は2014年(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

ジンバブエで軍事クーデターが起こり、37年にわたり政権の座にあった独裁者・ムガベが大統領を辞任。元第一副大統領のムナンガグワが新大統領に就任した。この事件の背後で中国が関与していたのではないか、という憶測がCNNなどで流れた。証拠はあがっていない。クーデター前に国軍司令官が訪中しており、ムガベ排除について、中国の了解をとっていたのではないか、というあくまで憶測である。だが、習近平が24日にムナンガグワにすぐさま祝電を送っているのをみると、ひょっとすると、という気にさせられる。

ムガベは中国がその独立運動を軍事的に支援して政権の座につけただけに、特に親密な関係を続けてきた。ムガベ自身が毛沢東思想に傾倒し、中国共産党の古き良き友を自任していたはずだ。そのムガベ失脚に対して、ほとんど反応せず、ムナンガグワに祝辞とは。

習近平は「中国とジンバブエは良き友であり、良きパートナーであり、良き兄弟である。両国関係は時間と国際情勢の移ろいやすさの試練を耐えてきた。中国側はジンバブエとの伝統的友誼を大切なものとみて、両国関係および各領域における協力の継続が前向きに発展し、両国と両国人民がさらに幸福となるよう、ジンバブエとともに一路努力していくことを願う」とムナンガグワに強い友誼関係を約束したのである。

憶測は憶測でしかないのだが、少なくとも、この政変、中国にとっては好都合、ということではないだろうか。

では、なぜ中国は親密であったムガベ政権に対してかくも、態度が冷ややかなのか。中国とジンバブエの関係はどうなるのか、ちょっと考えてみようと思う。

「妥当に処理することを望む」

中国側の公式反応だが、中国外交部報道官は定例記者会見でジンバブエのクーデター発生時に、次のようにコメントした。

「ジンバブエは友好国であり、我々はジンバブエ情勢がどのように発展していくか注視している。ジンバブエが平和的安定発展を維持することが、ジンバブエ国家の根本利益であり国際社会の普遍的な期待である。我々はジンバブエの関係当局が内政問題を妥当に処理することを望んでいる」

実にあっさりしたものである。このとき、ある記者は、ジンバブエの元ナンバー2であり、11月6日にムガベから突如副大統領職を解任されたムナンガグワが中国に脱出しているとジンバブエ紙が報道したことについて、真偽を問うて、報道官は「彼は中国に来たことがない」と完全否定していた。実際は、ムナンガグワは南アフリカに亡命していたのだが、中国には疑われるだけの背景があったということだ。

ジンバブエのクーデターを簡単に説明すると、2018年の大統領選を前に高齢のムガベに健康上の問題が出てきて求心力が落ち始め、与党ナンバー2のムナンガグワとムガベの41歳年下の妻のグレースが後継狙いの派閥争いを昨年夏あたりから拡大し始めたのがきっかけ。ムナンガグワは軍と情報機関の支持がある一方、グレースは党内改革と世代交代を求める若手党員集団ゼネレーション40(G40)の支持がある。

今年夏、グレースの方からムガベに後継者指名を強く求め、G40が勢いづいた。ムガベは11月、ムナンガグワを副大統領から解任し、グレースを事実上、後継指名した格好となった。

クーデター5日前の訪中

だが、これに断固反対を唱える国軍司令官チウェンガが11月15日にクーデターを起こしムガベと家族を軟禁。ムナンガグワに大統領を移譲するよう求めた。当初、大統領辞任を拒否していたムガベだが、グレースに権力奪取を許した責任追及を理由に議会が弾劾の手続きに入ると21日、辞表を提出し、亡命先から帰国したムナンガグワが大統領に就任した。

中国国防部はこのクーデター発生の5日前、チウェンガの訪問を受け、国防部長の常万全が八一大楼で会見している。このとき、チウェンガが中国に政変への理解を求めた、あるいは協力を求めた、というのが主要欧米メディアの憶測である。中国外交部はすでに実施が決められていた純然たる軍事交流、と説明するが、このときすでにクーデターの準備は整っていたとみられるし、中国とムガベの関係の深さを思えば、仁義を通しておく方が安全ではある。

では、仮にそうだとして、ではなぜ、中国は軍のクーデター計画を黙認したのだろうか。ムガベと中国の絆の深さはそう簡単に切れるものではないだろう。

実はムガベと中国共産党の絆はそれなりに深いのだが、習近平個人との相性はあまりよくないといわれている。その理由の一つは、習近平自身が経済の立て直しができないムガベ長期独裁政権を完全に見下しているからだといわれている。「ムガベ長期独裁政権は“アフリカの真珠”と呼ばれたジンバブエを貧民窟に変えた」(華字ネットニュースサイト・アポロニュース)というような、その無能ぶりを嫌悪している、らしい。

「欠席」「拒否」「批判」でメンツ潰す

さらに、ムガベの厚かましさ、無礼さが習近平の気に入らないようでもある。ムガベ政権は長期にわたって中国から援助を受けてきたが、最近は足りないといっては不満げな顔をすることが多くなった。アポロニュースによると、習近平が2015年9月3日、世界反ファシスト戦争・抗日戦争勝利70周年記念の大閲兵式にムガベを招くも欠席。ムガベは中国共産党の“老朋友”というのが国際社会の認識であったから、習近平は晴れの舞台で、老朋友にメンツを潰された格好だ。しかも同年12月、中国版ノーベル平和賞とでもいうべき“孔子平和賞”をムガベに贈ると言ったら、ムガベは「意味がない」と受け取りを拒否。これも中国のメンツを大いに傷つけたことになる。

加えて2016年6月、ムガベはとある演説会で、中国が派遣してきている公務員やビジネスパーソンに対して、「稼いだ金を現地から中国に持ち帰っていることがジンバブエドルの深刻なインフレを加速させている」「中国人がジンバブエの女性を虐待している」などと中国批判を行った。ムガベがこうした中国のメンツをあえて潰すような行動をとったのは、習近平政権が満足のいく支援をくれないという不満だけでなく、そろそろ権力移譲計画を立てるようにせっつかれたからだともいわれている。

中国の軍事支援によって、独立闘争を勝ち抜き政権を樹立し、大統領の座についたムガベは、実のところこれまでは中国にとって非常に都合のよい大統領だった。中国がジンバブエに巨額投資を行えば、ムガベはその代償に金、プラチナ、ダイヤモンド鉱山の権利を中国の欲しいままに許した。ムガベは事実上、中国によるジンバブエの植民地化を手伝ってきたともいえる。巨額投資の見返りに土地、鉱山、資源などの侵食を続けてきた中国は2015年、4000万ドルというジンバブエの債務を帳消しにする代わりに人民元をジンバブエの法定通貨の一つに認めさせ、国家の基幹である通貨まで奪ってしまった。

だが、そんなムガベも高齢となり、しかもその政治的無能と長期独裁による国民からの人気の低さに、中国共産党内にもポスト・ムガベを考える空気が流れていた。それに気づいたムガベが、今度は習近平に対して不信感を募らせ始め、習近平のメンツを潰すような言動を次々とするようになった。

ダイヤモンド採掘国有化に激怒

そうして関係がだんだん険悪になってきたころ、習近平を激怒させた決定打が2016年3月にムガベが突如決めたダイヤモンド採掘企業の国有化政策である。外国の採掘企業によるダイヤモンド産業は、ジンバブエが本来得るはずの約130億ドルの潜在的収入を盗んでいる、として、外国資本によるダイヤモンド採掘企業を政府がすべて接収することを決めた。この中には当然中国企業も含まれていた。

ジンバブエ東部のマランゲは世界最大規模のダイヤモンド鉱山で、その埋蔵量は全世界の4分の1以上ともいわれている。マランゲはムガベ政権が2008年に軍と警察力を行使し、約400人を虐殺した末、その採掘権を奪取したことで知られる血塗られたダイヤモンド鉱山。このときムガベ政権に軍事協力していた中国解放軍が直接、このダイヤ採掘と治安維持に加担していたと、2010年9月当時の英デイリーポストの記者が告発している。このダイヤモンド鉱山には解放軍の秘密飛行場があり、採掘したダイヤをそのまま中国に輸送していたとも。ムガベ政権への見返りは解放軍の武器であったという。この武器がムガベ政権維持に必要な軍事力を支えていた。

だがこの中国による植民地化と富の収奪が、ムガベ政権の求心力をますます衰えさせ、またジンバブエ内の反政府活動を活発化させていくことになった。ムガベ政権に対する反発の最大の理由は中国がつくったといっても過言ではない。ジンバブエ内の中国華僑と現地人の対立も激化し、中国としては大っぴらにムガベ支持を表明しにくくなっていた。

こうした状況の中で、クーデターが起きたのだから、中国の関与が疑われたとしても致し方あるまい。ジンバブエ国軍の装備はほとんど解放軍が提供したものであり、ジンバブエ軍が中国解放軍になんらかの相談をしているかもしれないと考えるのは普通なのだ。

英国の関与は? 一帯一路への影響は?

私の考えを言えば、ムナンガグワがいったん身を隠していた先が中国でなく南アであるのならば、中国関与の線は薄いのではないか。むしろ英国が積極的に関与してきそうな気がする。

ただ、ムナンガグワは、中国で軍事訓練を受けたこともある元ジンバブエ解放戦線戦士であり、クロコダイルの異名も持つ冷酷な強権主義という点では、ムガベと同じタイプだ。中国にすれば、ポスト・ムガベ体制としては理想的であり、たとえクーデターに関与していなくても、引き続き、ムガベ政権にしたように、大統領を通じてジンバブエの植民地化を進めていけると思うだろう。

ただ、ムナンガグワが大統領就任演説で訴えたように、本気でジンバブエの「完全な民主主義」を約束するのだとしたら、これはちょっと中国共産党の思惑から外れてしまう。なぜならジンバブエの大衆は、自国の経済崩壊に乗じて国を乗っ取りかけている中国に対しては極めて強い反感を持っているのだ。こうした反感は顕在化すると、習近平の壮大な大風呂敷・一帯一路構想でも重要な起点であるアフリカへのアプローチにも影響を与えそうだ。

姫田記事

中国で開催された「一帯一路」の国際会議で発言する習近平国家主席  Photo:新華社/アフロ

中国とアフリカの蜜月時代が変わりつつある。

今年9月、英フィナンシャルタイムズは「アフリカから中国人の帰国ラッシュが始まった」と報じた。中国資本によるアフリカへの「走出去(中国企業の対外進出)」と呼ばれた投資や経済活動は、一時のブームに過ぎなかったのだろうか。

数年前、世界は中国による積極的な対アフリカ投資を「新植民地主義」だと非難した。とりわけ警戒したのは、中国のアフリカ資源外交だった。2014年、新年早々に安倍晋三首相はアフリカを歴訪したが、そこにはアフリカにおける中国の影響力に一定の“くさび”を打つ意図があった。

中国が、アフリカで展開したのは資源外交だけではなかった。「メード・バイ・チャイナ」がアフリカの国々で瞬く間に普及。街を走るのは中国製の廉価バイク、市民生活に浸透するのは安価な中国の軽工業品、街を歩けば至る所に中国人──。中国による「走出去」の影響力は無視できないものになっていた。アフリカのマリでは、「この国のコンクリート建造物はすべて中国によるもの」と言われているほどだ。

他方、植民地支配を経験したアフリカにとって、「真のパートナー探し」は独立後の一貫したテーマでもあった。中国の台頭とともに、「西欧からの影響を遠ざけ、むしろ手を握るべき相手は中国だ」という機運が高まっていたことは確かである。近年は「中国は敵ではない」という共通認識すら持たれるようになっていた。

アフリカから中央アジアへシフトか

英フィナンシャルタイムズによれば、アフリカには100万人の中国人が生活しており、その大多数が零細企業のため、近年の資源価格の下落に伴うアフリカ経済の落ち込みとともに商売が成り立たなくなってきたという。あまりの勢いに警戒されていた中国資本の進出だが、アフリカでは今、大きな変化が起こっているようだ。

その変化が貿易に現れている。この5年間の中国とアフリカの貿易総額を見ると、2000年当時100億ドル程度だった貿易額は、2013年に2000億ドルと20倍にも増加した。だが、それも2014年をピークに減少に転じたのである。

中国商務部のデータを基に筆者作成

中国商務部によれば、アフリカにおける中国の貿易パートナーの「トップ10」は、南アフリカ、アンドラ、エジプト、ナイジェリア、アルジェリア、ガーナ、ケニア、エチオピア、タンザニア、モロッコの順であり、その国々の対中輸出の主要産品のほとんどが資源である。

個別に見ると、貿易パートナー1位の南アフリカは中国に鉱物資源を輸出、2位のアンゴラは原油を輸出しているが、それぞれ2013年、2014年をピークに下落している。ちなみに、下落現象はこの2ヵ国に限ったことではない。

中国商務部のデータを基に筆者作成

背景には、2005〜2012年にかけての国際商品市場での原油、鉄鉱石、非鉄、穀物などのコモディティ需要の累積的拡大と、2011年以降に顕著となった中国経済の減速がある。

資源・食糧問題研究所代表の柴田明夫氏は、2014年をピークに下落に転じたアンゴラの原油の対中輸出について、「コモディティの市場価格を歴史的水準に押し上げるという『スーパーサイクル』が2013年に終焉し、価格は下落基調に転じた」と指摘する。

その一方で、柴田氏は「『一帯一路』における中国の開発発展の主軸が、資源ブームに乗ったアフリカから中央アジアに移ったのではないか」と分析している。確かに、中国の「第13次五ヵ年計画(2016〜2020年)」が打ち出した「一帯一路」の主要6大ルートには、アフリカが含まれていない。

中国の専門媒体「オイルオブザーバー」よれば、中国の原油の輸入相手国は「非OPEC(石油輸出国機構)」にシフトする傾向があるという。中国への石油輸出国の順位はロシアを筆頭に、サウジ、アンゴラの順だが、「中国にはロシアからのパイプラインによる輸入、カザフスタンからの開発輸入に期待がある」(柴田氏)。アンゴラはOPECメンバー国だが、ロシアもカザフスタンはそうではない。

ちなみに、中国の原油の輸入量は今年、過去最高に達した。これについて柴田氏は「軍事用、輸送用の戦略石油備蓄を増やしている可能性がある」とコメントする。

資源バブルが終わりアフリカブームは終わったか

アフリカ経済は、資源価格の落ち込みで大打撃を受けている。これに伴う本国通貨の下落を阻止するため、現地では外貨管理を統制したり、脱税を摘発したりするなど、規制強化に乗り出しているようだ。多くの中国人が帰国の途に就いているのは、治安悪化のためだとも言われている。

他方、「一帯一路」の参加国として中国と協議を結んだ国もジブチ、エジプト、エチオピア、ケニアの4ヵ国にとどまる。中国では第13次五ヵ年計画に盛り込まれた「一帯一路」の主要なルートにアフリカへの経路は含まれていないことからか、2017年5月に中国で国際合作サミットに参加したアフリカの国も、ケニアとエチオピアだけだった。

中国の電子メディアには、金融の専門家が書いた「過去10年にわたってアフリカに対して行われた融資も、近年は『一帯一路』の参加国に振り向けられるようになった」とするコラムが掲載されている。中国の企業は新たに資金が向かう先へと、すでに投資の目的地を変更してしまった可能性がある。

アフリカも時々刻々と変化する。2015年から2016年にかけて、多くのアフリカの国々が発展計画を打ち出し、同時に貿易政策の見直しを図った。キーワードに据えられたのが「環境保護」と「品質重視」だったことからも、アフリカ諸国は従来行ってきた“選択”を見直したことがうかがえる。

中国とアフリカの間に存在した“資源開発バブル”は終わったと同時に、“アフリカからの中国人退避”が物語るのは、「もっともうかる別の国へのシフト」でもある。アフリカの景気悪化とともに、「一帯一路」の政策外にアフリカが置かれたことで、対アフリカの“走出去熱”は冷めてしまったのだろうか。

また、「一帯一路」という長期的な発展を目指す枠組みを前に、アフリカの士気が落ちているのは注目に値する。アフリカは資源開発バブルがはじけた今、冷静さを取り戻し、国益とは何なのかを思考し始めた可能性は否定できない。

他方、「自由で開かれたインド太平洋戦略」、「アジア・アフリカ成長回廊」など、日本やインドが中心となって新たな外交戦略を打ち出した。こうした中で、「中国主導」が真に持続可能なものなのか、関係国が中国を選ぶのか否かは引き続き注視する必要がある。

(ジャーナリスト 姫田小夏)

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『習政権を揺さぶる地方債務問題』(11/28日経ビジネスオンライン The Economist)、『支払いは顔認証!アリババが作る未来のスーパー 「現金消滅」が新しいビジネスを生む』(11/28日経ビジネスオンライン 小平 和良)について

11/30ロイター<米国、戦争なら北朝鮮政権「完全に破壊される」と警告>中国も懸念とありますが、今まで北を支援して来た咎めが出て来ただけ。北のミサイルは中国全土に届くでしょう。カナダはしゃしゃり出て来ても各国の対北への対応の違いを纏めることはできないのでは。

http://diamond.jp/articles/-/151471

11/30中国観察<龙曦儿氏のfacebook投稿より

(前の人達は左から周恩来、毛沢東、江青?)

中国の今日の形は、社会主義であれ共産主義であれ、完全に関係がない。頭の良い人が発明した「中国の特色ある」という字句は総て悪く釈明できる。これを用いて外形を繕い、皆馬鹿なのを騙している。今の中国を一言で表せば「権貴資本主義の中国」である。

龙曦儿:

【所谓反腐,就是用平民出身的贪官,祭土共的党旗】

倒霉的农民工:徐才厚瓦房店农民、郭伯雄关中贫农、张阳河北农民、房峰辉彬县城关镇农民、周元根无锡贫农、孙政才荣成虎山五龙嘴农民,被排挤的胡春华湖北五峰贫农。

红二代无一人被查,太子党如小琳、曾伟、绵恒、紫丹……,都在保险柜里继续贪腐并快乐着。

千年圣君:你个农民工来京城混什么混?滚!

【いわゆる反汚職は, 平民出身の強欲役人に用いられる田舎臭い共産主義者の党旗である。】

気の毒な農民工: 徐才厚は瓦房店の農民、郭伯雄は関中の貧農、張陽は河北の農民、房峰辉は彬県城関鎮の農民、周元根は無錫の農民、孫政才は栄成虎山五龍嘴の農民,落馬せず序列にまだ残っている胡春华は湖北五峰の貧農。

革命二世代目は一人として検査されることがない。太子党の李小琳、曽偉、江綿恒、紫丹等皆安全地帯にいて引き続き富を貪り、楽しんでいる。千年の聖君よ、あなたの農民工は首都で何をしていると思いますか? 消え失せろ!>(以上)

11/30ロイター<矢継ぎ早の中国債務対策が市場に警鐘、根強い楽観論も>北京は理財商品の規制強化など債務問題への対応策を矢継ぎ早に打ち出したとのこと。パンドラの箱になりそうな気がします。でも慌てて元に戻して蓋をするのでは。真面にやればリーマン以上の激震が走るでしょう。

http://diamond.jp/articles/-/151442?utm_source=daily&utm_medium=email&utm_campaign=doleditor

エコノミストの記事は中央と地方の財政の主導権をどちらが握るかと言う観点で書かれていますが、いずれにせよ嘘のデータに基づいているので根本治療とはならないでしょう。地方政府が債務をなかったことにするなんて普通に考えれば債権者が怒って訴訟を起こすと思うのですが、共産社会では党や政府には逆らえないため、そうすることはできません。司法は行政の一部であり、裁判官が賄賂を取る国ですから、公平な裁判を期待する方が無理と言うもの。まあ、公式統計に載せないだけで払う意思はあるのかもしれませんが。

小平氏の記事で、スマホ決済が進んでいくという事は、個人のデータの蓄積が共産党政府に利用されることになります。档案(三世代までの家族の状況、特に共産党に敵対したか等を含めた個人の内申書、共産党の一部の人しか見れない、職場を移動する場合は移動地に提出)にも利用状況が記載されるかもしれません。明らかな人権侵害です。

便利さは危険と裏腹の関係にあります。日本でもスマホ決済が進んでいくでしょう。民主主義国家では共産国家と違い、個人の収支データを政府が管理することはないと思います。逆に民間がビッグデータをどのように活用していくか考えないと。日本の60代のスマホ利用率は55%と言われていますが、スマホとしての利用と言うより携帯電話として使っている人の方が多いのでは。多面的な情報の取り方をしているとは思えません。もし取っていれば、既成の権威、左翼メデイアや学者、左翼野党の言っていることがおかしいと気付くでしょう。

https://marketing-rc.com/article/20160731.html

The Economist記事

2014年にいったんは収束した中国地方政府の債務問題が再び深刻化している。中央政府と地方政府の間に横たわる相互不信が問題を複雑にし、解決を遅らせている。地方政府の歳入と歳出の不均衡を是正すべく、税収の権限を地方に委譲するなどの政治改革が必要だ。

「巨額の債務が中国の金融システムを脆弱にしていることは、周知の事実だ」。中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は最近、このような発言をした。

一方で、あまり広く知られていない事実もある。政治が果たす役割だ。中国の債務問題の大部分は、中央政府と地方政府との関係がうまくいっていないことから来ている。両者間の緊張の高まりによって、2015年には債務残高が金融システムを脅かす危険水準にまで達した。その後、ルールが変更されたことでしばらくは問題が解決されたかのように見えたが、映画「高慢と偏見とゾンビ」のごとく、恐怖は再び死者の中からよみがえった。

中国はあまりに巨大な国であるため、中央と地方との間に、常に問題が横たわっている。ここ数年間、中央政府は地方政府に対して統一の必要性を強調してきた。地方政府が過分な自治権を謳歌していることを苦々しく思い、その管理を強化しようとしている。これに対し地方政府は反発を続けている。

中国の風変わりな財政制度の下では、地方政府(省、地区、県レベル)の資金調達は厳しく制限されている。14年までは中央の許可なしに資金を借り入れたり、地方債を発行することは許されなかった。地方政府の収入は、税収のうち一定分を受け取ることで賄われている。例えば付加価値税の5割、個人所得税の4割といったように、だ。

歳出の3分の2を地方が負担 地方政府は歳出が歳入を上回っている

●歳入および歳出の配分割合(行政区分別)

出所:The Economist/経済協力開発機構(OECD)

この取り分は十分な金額というにはほど遠い。地方政府は中国の税収全体の約半分を受け取ることができる一方で、歳出全体の約3分の2を負担することが求められている。県レベルで見ると、この歳入と歳出の差はさらに大きなものであることが分かる。

そのため、地方政府は財政破綻を避けるために中央政府から与えられる資金にずっと依存し続けなければならない。中央から受け取る金額は平均して地方政府の支出全体の半分を占める。巨額の資金を提供する中央政府の影響力は強大なものとなる。

地方政府側は、これまた当然のように、中央の管理から逃れる方法を模索する。その一つが1990年代に出現した「融資平台」だ。これは地方政府の管轄下にある、一種の訳あり投資会社だ。地方政府は融資平台を通じて資金調達を行ってきた。国有地および地元国有企業の株式を担保にして、銀行や債券市場、そして消費者から資金を集めた。

融資平台で調達した資金は、インフラ関連事業につぎ込まれた(写真=imaginechina/アフロ)

借り入れの目的はたいてい、住宅や道路といったインフラ関連事業だ。銀行ではないため、融資平台に対して金融規制が適用されることはなかった。

地方政府の一部門であれば中央の管理下に置かれるが、融資平台はそうではなかった。国有企業として設立されたため、予算上の制約を無視したり、バランスシートを世間の目にさらさないようにすることもできた。

融資平台の増加に恐れをなした中央政府は調査に乗り出した。2013年には1万社を特定し、その借入総額が7兆元(約118兆円)であることをはじき出した。これは中国のGDP(国内総生産)の13%に相当する規模だ。中国には省レベルで31、地区レベルで330、県レベルで2800の行政区がある。単純計算すると、1行政区につき3社以上の融資平台が存在することになる。15年末、地方政府の債務総額はGDPの24%にあたる15兆元(約254兆円)に達した。その大半が融資平台によるものだ。

これは当時、GDPの250%だった中国の社会融資規模と比べればそれほど大きなものではない。だが融資平台による借り入れのほとんどが貸付残高に入らない「隠れ債務」だった。隠れ債務はここ10年で急激に膨らんでいた。

14年、中央政府は地方政府が融資平台を通じて資金調達することを禁じ、事態の収拾を図った。地方債を発行することを許可し、そこで得た資金を債務の借り換えに使えるようにした。こうした債務に関しては、18年までに地方債での借り換えが完了することになっている。つまり、約15兆元という巨額の債券が発行されるというわけだ。

中央政府は地方の借り入れを計上することで債務問題の透明化を目指すとともに、地方債の発行額の上限を定め、新たな起債を制限しようとしている。

その後も怒濤のように改革は続いた。中央政府は地方政府の役人の借り入れ判断に対する評価を、毎年の勤務評定に組み入れ始めた。彼らが他の地域に異動になっても、責任を取らせる形にした。また、民間の投資家を呼び込むきっかけにつながりそうな、贈り物などの物品供与も一部禁止とした。

最も野心的な改革は、16年に始まった第13次5カ年計画で決まったことだろう。この中で歳入および税収管理の権限の一部を中央から地方に移す、新しい仕組みの導入が約束された。

すべてが素晴らしく道理にかなう内容だ。だが17年7月、習近平(シー・ジンピン)国家主席はこれらの策が機能していないことを明らかにした。金融制度をテーマとした会議で、地方政府の債務は今でも中国の金融システムの安定を脅かす2大要因の一つであると述べた(もう一つは国営企業がこれまで蓄積してきた債務である)。

債務を公式統計に入れない

問題は、地方政府が依然としてあらゆる手段を用いて、今までやらかした会計上の不正についてお茶を濁していることだ。米国のシンクタンク、ポールソン・インスティチュートのハウゼ・ソング氏は、地方政府の役人たちが、債務を公式統計に組み入れなくてもいいように、再分類を行っているという。中国財政部が8月に出した報告では、債務を民間資本に見せかけるために、込み入った仕組みの官民連携事業を立ち上げる動きがあることが指摘された。

今月、ある融資平台のマネジャーは中国経済誌「財新」の取材に対し、債務を地方政府から切り離すべく新組織を作ったとしても、財政的な問題が起これば彼らはすぐにまた政府を頼ってくると述べた。財新では、こうした分離は「形式的なものにすぎない」という中国の格付け機関、中債資信の霍志輝氏のコメントが引用されている。

債務問題が尾を引いている現状から浮かび上がるのは、中国という国を統治することの難しさと、習近平氏が持つ強大な権限にも限界があるということだ。税収に対する権限を中央政府と地方政府のどちらが持つのか、もっと明確にすることは可能なはずだ。

これは先述の5カ年計画で提起され、今年10月に開催された共産党大会で習氏が改めて言及したポイントでもある。ルール作りが進めば、歳入と歳出の不均衡は軽減されるだろう。

ここで問題となるのは、このような取り決めを行うのに十分な信頼関係が中央政府と地方政府の間にないことだ。しかも両者は融資平台の一件でそれぞれ異なる教訓を得てしまった。中央政府は、地方政府に独自の税収源を与えず抑えつけるべきだと考えるようになり、地方政府は現在わずかに与えられている財政上の「自治権」を守るためには、さらに入り組んだ計画が必要だと思うようになった。

習氏は地方政府の役人が自分の政策を妨害していると不満を表しており、改革を断行するために更なる権限が必要と考えている。今回の共産党大会は同氏にその権限を与えた。習氏は中国政治体制の改革を進めていくのか、それとも党執行部を自らの側近で固めて満足してしまうのか。地方債務問題は、その答えを引き出す試金石となる。

©2017 The Economist Newspaper Limited Nov.18-24 , 2017 All rights reserved.

小平記事

中国では2次元バーコードを利用したモバイル決済がここ数年で急速に普及し、特に大都市では現金を持ち歩かなくてもほとんど生活に困ることがない社会が実現している。その牽引役となってきたのが、中国ネット通販最大手、アリババ集団傘下の螞蟻金融服務集団(アントフィナンシャル)が提供している決済サービス「支付宝(アリペイ)」だ。

もともとアリペイは、ネット通販での安全な取引を担保するために2004年に生まれた。買い手が支払った代金をアリペイがいったん預かることで、「代金を支払ったのに商品が届かない」といった詐欺的な取引を防ぐ仕組みだ。アリペイの導入により、中国のネット通販市場は大きく広がったとも言われる。

その後、アリペイはリアルの決済にもサービスを広げ、今では公共料金の支払いや寄付、余剰資金の運用など生活に必要な決済や金融のサービスをほぼ網羅するまでになった。アリババによると、アリペイのユーザ数は約5億2000万人。時価総額が米フェイスブックを超えたことでも話題になった中国IT大手の騰訊控股(テンセント)の「微信支付(ウィーチャットペイメント)」とともに、インフラの一部となっている。

伝統的な市場や屋台のような店舗でもアリペイやウィーチャットペイのバーコードが掲げられている(写真:町川 秀人)

中国の大都市の街中には、至るところにアリペイやウィーチャットペイの2次元バーコードがある。市場、焼き芋の屋台、繁華街の花売りといったところにも2次元バーコードが掲げてある。仮にバーコードがなくても「アリペイ(もしくはウィーチャットペイ)で」と言えば、たいていはスマホに表示した2次元バーコードをこちらに差し出してくる。バーコードを読み取るだけで簡単に個人間送金が可能なサービスだからできることだ。ちなみチェーン店では、こちらが支払い用のバーコードを表示し、店舗側の端末で読み取ってもらう形式が多い。

ネットとリアルの融合を図るアリババ

9年前にアリババがネットでのセールを始めてからすっかり買い物の日として定着した11月11日の「独身の日」。中国ではこの数年で「独身の日」ではなく「11」が並んでいることを意味する「双11(ダブルイレブン)」という言い方が一般的になっている。アリババの今年の「双11」の売上高は2016年の4割増の1682億元(約2兆8000億円)に達した。

3兆円近い売上高や中国や海外のスターが登場する「双11」のイベントもさることながら、アリババが今年の「双11」で強く打ち出したのがネットとリアルの融合だ。

「ECは消える」。今年の双11に合わせて自らが主演するカンフー映画を公開したアリババのジャック・マー会長は昨年来、講演などでこう語ってきた。

ネットでの買い物とリアルでの買い物の境目がなくなり、ネット上での買い物をわざわざ「EC」と区別する必要がなくなるという意味だ。それを実践するかのように、アリババはリアルな小売りへの進出も加速している。11月20日には、大型スーパー「大潤発」を運営する高鑫零售(サンアート・リテール)に3200億円を出資すると発表した。

ネットとリアルの融合を目指す上でも、アリペイの存在がカギになっている。アリババが手がけるスーパー「盒馬(フーマー)鮮生」の上海市内の店舗では、ほぼすべての来店客がアリペイで代金を支払っている。レジカウンターは白い台と縦長のディスプレーがあるだけ。来店客が自ら商品のバーコードを読み取り、アリペイかアリペイにひも付いた同スーパーのアプリで支払う。

盒馬はアプリ上から注文をして宅配してもらうことも可能だ。店舗から3km圏内の消費者に最速で30分以内に商品を届ける。店舗内の天井には宅配用の商品を配送口まで運ぶ専用のレールが敷かれている。

顔認証ならスマホを持つ必要もない

一方で店舗では生きている魚やカニ・エビを多く取り扱っており、希望すればその場で調理し、食べることもできる。新鮮な海産物を食べられることを売りに、ネットスーパーの利用に加えて来店も促す仕掛けだ。

盒馬では現金でも支払うことは可能だ。しかし、現金を扱うレジには店員がいない。セルフレジの近くにいる店員に「現金で払いたいのだけど」と声をかけると、「アリペイがあるのではあればこちらで」とセルフレジに誘導される。

このセルフレジでは、顔認証で代金を支払うこともできる。事前にアリペイに自分の顔を読み込んでおけば、セルフレジのカメラで顔を読み取り、電話番号を入力するだけで支払いが終わる。アリババの担当者は「スマホを取り出す必要もない」と顔認証の利点を強調する。

上海にある盒馬鮮生大寧店では顔認証で買い物ができる。現金を使えるレジには誰もいない

スマホ決済が新しいビジネスの土台に

盒馬の顔認証を見てもわかるように、インフラとなったアリペイやウィーチャットペイの存在が新しい技術やビジネスの登場を促している側面もある。どうやって利用者からお金を受け取るか、現金をどのように管理するかに頭を悩ませる必要がなくなり、多種多様なベンチャー企業が出てくる土台になっている。

盒馬の店内にあるスマホ充電器の貸し出し機。貸し出しから返却の手続きまでアリペイを使用する

例えば、中国の都市で広がったシェア自転車もスマホでの決済が前提だ。以前、「アマゾン超えた?上海に登場した無人コンビニ」という記事でも触れた無人コンビニをはじめとして、中国では無人店舗が次のビジネスとして注目を集めているが、これもアリペイやウィーチャットペイといったスマホ決済があればこそだろう。

アリババの「双11」イベントでは、メディアが集まる会場に盒馬などの紹介とともに、無人店舗の実験店が設けられていた。11月初旬には、アリババも出資している家電量販大手の蘇寧雲商が上海市内の店舗に、無人売り場を開設した。無人店舗は江蘇省南京市に次いで2カ所目で、その後、北京市と重慶市にも設置した。

蘇寧の無人店舗は同社の金融アプリに顔を登録した後、顔認証で入店。店を出る際はカメラ前に数秒経つだけで、自動的に代金がアプリから引き落とされる。金額は商品についたタグを読み取って計算している。現時点で販売している商品はサッカーのユニフォームや旅行用まくらなどで、まだ実験段階のようだ。

蘇寧の無人店舗「biu!」。商品を持って立つだけで支払いが終わる

アントフィナンシャルは個人の信用度を判定する「芝麻信用(ジーマ信用)」というサービスも手がけている。信用度が高い人はホテル宿泊時やシェア自転車利用時の保証金を払う必要がないなど、様々な優遇を受けることができる。また信用度に応じて、スマホや電化製品、おもちゃなどをレンタルすることも可能だ。アリペイから始まった中国のモバイル決済サービスは、「現金消滅」という決済の変革を超えて、企業のビジネス構築や人々の行動にまで変革を起こそうとしているように見える。

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