『中国の庶民を苦しめる「へんてこな証明書」 発行を規制も提出は必要…へんてこな対応でなお混乱』(12/2日経ビジネスオンライン 北村豊)について

“奇葩(qípā、元々は珍しくてきれいな花。転じて優れた人やものを指す。今は中国の若者たちや中国のインターネット上で「言動や性格など変わった人」といった意味で広く使われています。マイナスな意味。)証明”は中国政府が減らそうとしてもなくなりません。何故なら、構造的な問題であるからです。共産党統治が無くなり、真の民主化ができれば別でしょうけど。共産党一党独裁は、監視社会、自国民を信用しない社会です。また役人も責任逃れの為、法に依らず、いろんな証明を出させることがあります。国民はこれに対抗して、偽の証明書を出します。偽の卒業証明書や発票(公的領収書、これが無いと損金算入できない)等。

“奇葩証明”は役人の小遣い稼ぎにもなります。いろいろ難癖をつけ、証明書を発行するが、政府に金を納めるのではなく、自分の懐に収めます。印鑑も本物かどうか分かりません。深圳特区内に住むのに、他地区から来た人は「暫住証」(深圳市公安局発行)の発行をする必要があります。98年当時で100元/年か300元/年くらいだったと思いますが、飲み屋で働く小姐たちは払うのを嫌がり、公安に逮捕されると、原籍地に強制送還されます。金を払わなければ、移動の自由はありません。同じ国民としての権利を制限されるという事です。自由主義国家ではありえないことでしょう。欧州内はシェンゲン協定まであります。中国のやり方は、国内で関所を設け、通行税を取るのと一緒です。近代国家ではありません。もっとひどいのは“档案”でしょう。共産党が人民を支配するための個人の内申書です。三世代前からの親戚を含めた素行が書かれていると言われます。

特に共産党に対して反抗したかどうか、出身成分(身分)が書かれているとも言われます。人権侵害の最たるものでしょう。日本共産党や左翼支持者はこういう実態を知っても何とも感じないのでしょうか?

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A1%A3%E6%A1%88

本記事の“趙姨(趙おばさん)”は不動産売買契約を締結するときには、「解除条件付」にして、「証明書が発行されない場合は違約金、慰謝料無しで契約解除できる」と言う条項を入れておけば良かったと思います。日本の不動産取引では、「銀行融資が為されなかった場合、契約解除できる」という条項は必ず入っています。中国の不動産屋ですから、お客の為に動くことはなく、自分だけが儲かれば良いという発想なのでしょう。黄文雄の本の中に「人口最多・資源最少・欲望最大・道徳最低の「四最」中国」とありましたが、その通りです。こんな国に生まれなかったことを有難く思うと同時に、日本をもっと大切にして行かねば。「保育園落ちた 日本死ね」で流行語大賞を受賞した山尾志桜里を国政に送り込んでいるのは、国民の程度が知れます。次回衆院選では愛知・7区の選挙民は是非落選させてください。こんな反日国民を選んでは日本に住めないでしょう。

記事

中国の庶民は“辦証多、辦事難”に苦しんでいる。これは「証明書の発行申請が多く、事の処理が難しい」という意味で、何かと要求される証明書が多く、それらの証明書を取得するための申請が大変で、物事の処理が容易に進まないという中国社会の実情を表している。

亡父の両親の死亡証明も必要?

このように大上段に構えて講釈を並べても、言葉だけでは意味が分からないと思うので、2016年11月16日付で河南省の新聞「大河報」が報じた具体的な例を紹介すると以下の通り。

【1】河南省“鄭州市”に住む81歳の“趙姨(趙おばさん)”は、本籍が“東北地区(遼寧省・吉林省・黒竜江省)”にあった夫を数年前に亡くした。彼女は退職してからずっと鄭州市で暮らしており、2人の息子は、1人が北京市、もう1人が鄭州市に住んでいる。最近、趙おばさんは自分が住む団地の家を売り払って、エレベーター付き団地の家に買い替えようと考え、不動産屋に相談したところ、家の売買に協力するとの確約を得た。

【2】8月末、不動産屋の協力の下、自宅(広さ80m2)の買い手を見つけ、早速に買い手と売買契約を締結した。買い手は不動産屋に1万数千元(約20万円)の仲介料を支払うと同時に彼女に3万元(約49万円)の手付金を支払った。不動産屋によれば、趙おばさんは売買契約書にサインしたから、それで全て完了だとのことだったが、それからが厄介なことの始まりだった。

【3】9月初旬、不動産屋が趙おばさんに亡夫の死亡証明が必要だと言ってきた。これは売った家が他の親族と係争している住宅でないことを確認するためのものなのだという。そこで趙おばさんは“公証処(公証人役場)”<注>へ出向いて相談したところ、その目的のための公正証書を発行するには、亡夫の死亡証明だけでなく、亡夫の両親の死亡証明、趙おばさんが再婚していないことの証明、さらには亡夫に私生児がいなかったことの証明が必要になるとのことだった。

<注>“公証処”は各地方政府によって設立され、司法行政機関の指導を受ける役所。

契約違反、賠償金を払え?

【4】亡夫の両親は東北地区で生活し、1960年代に死亡していて、趙おばさんも数回しか会っていない。それなのに、どうして亡夫の両親の死亡証明書が必要なのか。一体誰に死亡証明書を発行してもらえば良いのか。そこで、趙おばさんは居住する地区の“居民委員会(住民委員会)”と“公安局”の派出所に相談したが、今年9月1日から公安派出所がこの種の“奇葩(きは)証明(へんてこな証明)”の発行を取り止めたため、趙おばさんが必要とする証明を発行する役所はどこにも存在しないことが判明したのだった。

【5】たとえそうであっても、趙おばさんは最善を尽くして方策を検討し、自分と亡夫の元の職場からそれぞれ関連の身分証明を取り付け、息子たちにも自宅の相続権を放棄する旨の公正証書をそれぞれ取得してもらった。しかし、亡夫の両親の死亡証明だけはどうやっても発行してもらう手段は見つからなかった。そうこうするうちに数か月が過ぎ、諦めた趙おばさんは買い手に手付金を返却し、自宅の売買契約を取り消すことにした。

【6】ところが、そこで思いもかけなかったことが出来(しゅったい)した。不動産屋が、契約違反の疑いがあり、巨額な賠償金を支払わねばならないかもしれないと言い出したのだ。買い手も「趙おばさんが証明を取り付けるのに奔走したことは理解するが、契約物件は教育地区にあるから、子供の教育のために購入したもので、売買契約は放棄しない」と明確に通告してきたのだった。そればかりか、手付金と仲介料を支払っただけでなく、不動産価格が上昇しているので、契約を放棄することになれば、損害は数十万元(約500万~680万円)になると言ってきたのだった。

【7】現在、この紛争の処理は弁護士に委ねられているが、11月16日に弁護士が趙おばさんに連絡してきたのは契約違反となる危険性が高いとのことだった。不動産屋によれば、契約の約定に基づき、違約側は10~30%の違約賠償責任を負わねばならないとのことで、この種の紛争は裁判で争うことになるというのだ。河南省鄭州市の「黄河公証人役場」の副主任は、遺産相続はどの家庭も早晩遭遇する問題であり、趙おばさんと同様の問題を抱えた公正証書の申請者は多数いるが、いまやこの種の公正証書を発行する術はないと述べている。

こんな馬鹿げた話があるかと思うかもしれないが、これは実話であり、創作された話ではないのである。ネットのニュースサイトに掲載された上記の記事に対して多数のネットユーザーが書き込みを行っているが、その代表的なものを紹介すると以下の通り。

(1)80歳の老人に対して亡夫に私生児がいない証明を要求するとは、馬鹿馬鹿しいもいいところだ。そればかりか、亡夫の両親の死亡証明とはふざけた話。1960年代に死亡証明なんかあったのか。

(2)“奇葩証明”を要求する奴は自分で証明が取れるかやってみれば良い。こういう奴らは人に無茶を言って楽しんでいるのだ。憎たらしい。

(3)役人は発行が必要な証明が少ないだけでなく、簡単に発行される。ところが、庶民は何かやろうとすると、あれやこれやと証明が必要になる。

李克強の3つの笑い話

2015年5月6日、“国務院”総理の“李克強”は、国務院常務委員会の席上で次のような3つの笑い話を披露した。

【その1】  ある人が海外旅行の申請をしようとして、申請書の緊急連絡先の欄に自分の母親の名前を書き入れたところ、ある政府部門が彼に「あんたの母親があんたの母親である」証明を提出するように要求した。これはどうやって証明したらよいのか。

【その2】  海南省のある末端組織に勤務する作業員が“労働模範(模範労働者)”に選出されるための書類を準備しようとした。しかし、それには省政府の8部門に承認印を押してもらう必要があり、数日かけて各部門を走り回っても全ての承認印を取り付けることができず、最後には海南省のトップに直訴して特認してもらい、ようやく書類を完成することができた。これは上記【1】の証明と同じで、証明書を取得するのに走り回らねばならない社会の実態を表している。

【その3】  福建省に進出している台湾の企業家が、「台湾企業に対する各種優遇は大変多く、それらを管理する人はいるが、知的財産権を管理する人はいない」と訴えた。要するに、優遇は多くとも、これを管理する人間ばかり多く、一番肝心な知的財産権を管理する人間がいないと嘆いているのだが、これは何でも無意味な証明を形式的に要求するだけで、何のための証明かという重要な点を忘れていることに通じている。

この会議に出席していた常務委員たちは李克強の話に大笑いしたが、ある出席者は「“教育部(文部省)”がすでに学校などの教育機関が認証している学歴や学位などの証明を要求した」という、李克強の笑い話よりももっと馬鹿馬鹿しい話をしたという。

インターネット上に掲載された“奇葩証明(へんてこな証明)”にまつわる話は枚挙にいとまがないが、数例を上げれば以下の通り。

(1)安徽省の老人が病気治療の資金を得ようと自宅を売りに出したら、“我老婆是我老婆(私の妻が私の妻である)”ことの証明を要求された。

(2)浙江省“諸曁(しょき)市”の市民は、母親が火葬されたことを証明する「火葬領収書」を後に取得しようとして、4年間に8回も葬儀場に足を運んだが未だに取得できていない。

(3)ある老人が死亡した後に1通の銀行通帳を残したので、その子供が銀行に行って預金を下ろそうとしたら、銀行の窓口に「口座名義人本人が直接来て預金を下ろすように」と言われた。

(4)ある人が政府機関の職場を解雇された際に誤って「すでに死亡」と登録されてしまった。まだ生きていることを証明するために、彼は多大な時間と労力を費やして多数の政府機関を走り回ったが、結局自分が生きていることを証明することはできなかった。

一生に400種以上の証明が必要

統計によれば、中国人は一生に最大で400種以上の証明を必要とし、常用する証明は103種類に達している。証明に関わる政府部門は多種多様であり、そのうち、関与する証明の種類は“人力資源和社会保障部(人力資源社会保障部)”が最多で18種類に及んでいる。第2位の公安部は17種類、第3位の“民政部(総務省)”は14種類、第4位の教育部は12種類となっている。

2015年11月18日、李克強総理は国務院の会議で再度“奇葩証明”の例を挙げた。すなわち、大学卒業後に雲南省“昆明市”に住んでいた女性が結婚して四川省“成都市”に住むようになり、何かと不便だから“戸口(戸籍)”を昆明市から成都市へ移そうとした。そこで、昆明市で以前居住していた地区の居民委員会、民政局、派出所、雲南省教育庁などを訪ねて戸籍移動の方法を聞いて回った結果、“婚前是未婚未育(結婚前は未婚で未出産)”の証明書を提出するように求められた。彼女は4回も成都と昆明の間を往復して奔走したが、らちが明かなかった。そこで、メディアの協力を求め、昆明市長ホットラインに事態を訴えてようやく戸籍の移動を完了したが、この間通算で8か月を要した。

これに続けて、李克強総理は「この部門があの部門の証明書を要求する。また、あの部門はこの部門に証明書を先に発行してもらうように要求するといった具合で、各部門は証明書の発行ゲームをやっているのに等しい。結果として、証明書の発行を必要とする庶民は疲れ果て、いつの間にか“関係(人的コネ)”を利用して便宜を図る輩が出現して“腐敗(汚職)”がはびこるようになる」と述べて、悪しき“奇葩証明”の撤廃を求めた。

この結果、11月20日、国務院の職能転換推進協力グループ弁公室副主任の“呉知論”は、国務院政策定例記者会見の席上、2015年の年末までに社会から非難を受けている“奇葩証明”に対する解決策を検討して実施すると公言した。しかし、それはすぐには実現されることはなく、8か月が経過した2016年8月、公安部、“発展改革委員会”、教育部、人力資源社会保障部、司法部、民政部などの12部門は『公安派出所の証明書発行業務に関わる改善と規範に関する意見』(以下「意見」)を発表して、同意見に基づく施策を2016年9月1日から実施すると全国に通達した。

それは公安派出所が発行する証明書の種類を必要最小限の9種類に限定するというもので、いわゆる“奇葩証明”については今後一切発行しないことを明確にしたものだった。同時に、公安部の方針を先駆けとしてその他の部門も“奇葩証明”の発行を削減させるよう努力することが明記された。

依然求められる証明書の発行を中止?

この意見に基づき公安派出所は2016年9月1日から発行する証明書は9種類のみとし、“奇葩証明”の発行は全て取り止めた。この結果が、文頭の趙おばさんを困難に陥れたことはすでに述べた通りである。ようやく“奇葩証明”を規制する政策が実施に移されたことは、たとえそれが小さな一歩であっても喜ばしいことであるが、依然として“奇葩証明”の提出を要求する政府機関は存在しており、“奇葩証明”が絶滅するまでにはまだ相当の期間が必要になるものと思われる。

中国のメディアが面白可笑しく報じた“奇葩証明”には、“我媽是我媽(私の母は私の母)”証明、“我是我(私は私)”証明などの他に、地元の住民委員会に証明書の発行を依頼したものとして、転んでケガをした老婦人が保険金目当てに要求した「けんかや殴り合いによるケガでないことの証明」や、離婚しようとする妻が「夫と四六時中ケンカしていた」証明、子供が紙幣を破いたので、「傷んだ紙幣は故意に破いたものではない」証明などというものが含まれていた。こうした証明書が必要ということは、それを形式的に要求する役所や公的機関が依然として多く存在するということを示している。

もっとも、上述したネットユーザーの書き込みにあったように、“奇葩証明”に苦しめられているのは力のない庶民だけで、権力を持つ役人には関係のない話なのかもしれない。

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