3/2日経ビジネスオンライン 倉都康行『中国経済に吹く怪しげな風 社債、外貨準備そして地方都市の「変」』記事について

中国経済の数字は本当に信用できません。国も企業もですが。全人代で李克強は「製造業は中国が強みとする産業」「高付加価値型産業への移行を促す」と言ってますが、日本のように技術の蓄積もなく、強い中小企業がある訳でもありません。一朝一夕にできるものではありません。またインフラ投資で経済の数字を稼ごうとするのでは。固定資産投資がGDPの半分を占めていて実需がないというのに。

FTMデイリー(Follow the Money)に次の記事があります。「中国は2008年の債務が15.4兆$だったのに今は24兆$に増え、毎年借金が30%ずつ増えている。これは世界の歴史の中で、前例のない規模。また本記事は記者に報道させず、金利はいずれ暴騰するだろう。また熱銭(=外資)はキャピタルフライトしていて、監視強化かTARP(Troubled Asset Relief Program)が採られるだろうが、中国と世界は無傷ではいられない」という内容です。

http://ftmdaily.com/daily-briefing/011014/

それを裏付ける記事が2/2宮崎正弘氏メルマガ記事にありますので紹介します。

『「李嘉誠の「脱香入欧」(香港を捨てて欧州へ投資)が本格化   今度は英国通信大手「02」社買収へ動く」

香港最大財閥(世界富豪ランキングでも14位)の李嘉誠は旗艦の長江実業と和記を統合し、本社をケイマンへ移籍することは既報の通りだが、とりわけ英国ロンドンへの投資が勢いを増し、中核の不動産開発ビジネスから、つぎは移動通信事業への本格進出を果たそうとしている。

150億米ドル(邦貨換算1兆8000億円)を投下して、通信王手の「02」に買収をかけた。「02」社は英国最大の通信網を誇り、2006年にスペイン企業が買収した。その後、現金フローが悪く、有利子負債がかさんで経営状態が思わしくなくなり、身売り話が持ち上がっていた。現在ロンドンの当該管轄機構(日本で言う公正取引委員会)が審査を開始し、この買収が適当かどうかの判断を下す。

李嘉誠グループはすでに英国で「英国電力網洛」(英国で30%の電力供給)、「THREE電信」(顧客800万台)、「ノースアンブライン」(下水処理企業)などを買収しており、今回の「02」は移動通信企業として2400万台を抱える大手だ。

このように李嘉誠は、江沢民と親しかった政治的条件を利用して香港ばかりか、中国大陸で幅広くビジネスを展開してきたが、新しい梁震英・香港行政長官と折り合いが悪く、同時に江沢民の影響力低下にともなって大陸でのビジネスに見切りをつけた。

大陸内に保有してきた物件をほぼ売りはらい、もてあますキャッシュをカナダと英国の企業買収ならびにロンドンでの不動産開発プロジェクトに投資してきた。』

金や銀、土地等の裏付けもなく札を刷り、信用膨張させる仕組みが持続可能かどうかです。どういう幕切れになるのか?

記事

年初来、ウクライナ東部を巡る政府軍と親露派の戦闘激化や、ギリシアの新政権に拠る支援条件修正闘争など、ソブリン危機を想起させるニュースが市場の懸念材料とされてきた。昨年から引き摺る原油安も、ベネズエラをはじめとする産油国の財政や米国の新興エネルギー開発企業の資金繰りに重くのしかかっている。

 但し、株式市場では日経平均やナスダックが「今世紀最高の水準」を更新するなど、明るい兆しが見えている。懸案であった米国の利上げも、1月FOMC議事録では多くの委員が慎重な姿勢を示すなど先送りの可能性が囁かれ始めており、日欧が量的緩和を続ける中で、金融相場の継続を期待する向きも増えているようだ。

 だが、世界経済の成長ペースはいま一つ冴えない状況だ。加えて、独り勝ちと言われてきた米国経済にも利上げを躊躇させる状況が見えてきたとなれば、投資にも慎重さが要求されるのは当然だろう。高値圏で推移する株だけでなく、高利回りの債券にもデフォルト・リスクへの注意が必要な時期が近づいている。

 高利回り債券といえば、ジャンク債や新興国債が代表例だ。ジャンク債の隆盛は、金融緩和に加えて規制強化で銀行の融資姿勢が慎重になったという環境が支えてきた。また新興国債への資金流入は、ゴールドマンが掲げた「BRICs」という金看板と金融危機後の先進各国の中銀による量的緩和が、それぞれ投資家の背中を押したものである。

 こうした「高金利債券」への資金流入ペースを一層加速させているのが、先進国の債券市場における超低金利だ。欧州では約2兆ドルの国債がマイナス金利となり、スイスフランに至っては社債の世界にまでマイナス金利が押し寄せている。昨秋の日銀による追加緩和に続き、本年早々にはECBも遂に量的緩和に踏み込んだことで、世界中の投資家による「金利探しバブル」の勢いは強まる一方である。

 原油価格急落を受けて、エネルギー関連企業の発行残高が全体の17%を占める米国のジャンク債市場では、一部銘柄に売りが殺到しているが、超低金利が蔓延(はびこ)る債券市場では「高利回り商品人気」はまだ衰える気配がない。

 だが成長鈍化が企業業績を圧迫して経営破綻するケースが出て来れば、高利回り債券にも「調整局面」がやってくる可能性はある。特に新興国のドル建て社債は、ドル高という逆風にも揺さぶられて、リスクが表面化することも想定される。

社債大国中国が発した警戒シグナル

 OECDに拠れば、2013年における新興国企業の社債発行額は、2000年比約15倍4670億ドルに上った、という。2014年は恐らく2013年を上回る発行量があったものと思われ、BNPパリバはドルやユーロなどの非自国通貨建ての新興国社債発行残高は既に2兆ドルを超えている、と推計している。

 新興国の中でも大多数を占めるのが中国、ロシア、ブラジル、インドそしてメキシコの5カ国の新興国である。特にその半分近くのシェアを持つ中国企業の発行額は、2010年の236億ドルから2014年には1171億ドルと約5倍に急増するなど、その増加ペースには目を見張るものがある。

投資家が競うように新興国社債を購入してきた背景は、「新興国企業への高い評価」というよりも、前述したように低金利に喘ぎながらの「消去法としての投資」というニュアンスが強い。つまり、慎重な信用分析に基づいて健全なペースで社債発行が増えた結果とは言い難い。

 超低金利下に置かれた投資家は、いまやリスクに見合わぬリターンでも受容せねばならなくなっている。新興国社債投資の昨年のリターンは約5%とまずまずの水準を維持したが、実体経済を見れば成長率はペースダウンが鮮明であり、原油相場急落や地政学リスクそしてデフォルト率の増加懸念といった逆風が吹いていることを考えれば、合理的な投資水準としては10%前後の期待リターンが求められて然るべきだろう。

 だがそうしたレベルは超低金利下ではもはや現実的ではなく、割高だと思いながらもやむなく新興国社債を購入することになり、それが「新たな資産バブル」を生んでしまう。怖いのは、非合理的な水準に目が慣れて、潜在リスクへの感覚が鈍ってしまうことである(この点では、日本国債にも似たようなところがある)。

 そんな新興国社債に最初の警戒シグナルを発したのは、いまや社債大国ともいうべき中国市場であった。年初に、中国の不動産企業である佳兆業集団(Kaisa Group)が債務返済不能に陥ったと報じられたのである。

 銀行融資の返済と社債の利払いの双方で遅延を起こした同社は、事後的に100億ドル以上の債務を抱えていたことが判明したが、そのバランスシートの詳細は不明瞭でライバル企業への身売り案もまだ最終的に固まっていない。不動産業界が習主席の腐敗撲滅運動のターゲットになっていることも、市場不安を強めている。

 こうした企業のデフォルト懸念は、中国リスクの氷山の一角に過ぎない。また、為替がドル高に動けば、不動産業界でなくても外貨建て債務の返済に苦しむ企業が増えることは容易に想像できる。それは後述するように、人民銀行の「通貨政策」に微妙な影響を与えている。

超ハイペースで増加する中国の企業債務

 とはいえ、中国の金融システムに改善の兆候が見えるのも事実である。一昨年来、中国経済の時限爆弾とまで言われた「シャドー・バンキング」において、2014年の新規融資は前年比6%減少し、無節操な拡大にブレーキが掛かっているのはその表れだろう。こうした努力は評価されて良い。

 問題視されてきた理財商品の代替商品として、銀行の優良債権を組み入れたCLO(証券化商品)が急増していることも、金融健全化の証左とも言える。現時点では、鉄道などインフラ向け融資や優良企業向け貸出を原資産とする証券化商品として、健全な市場育成が図られているようだ。

 だが、金融商品開発には常に魔性が伴うことも忘れてはなるまい。投資家の強い需要を背景に、銀行のバランスシートに積み上がった危険な融資が証券化商品にこっそりと紛れ込むことを防げるかどうか、定かではない。

 特に現時点では、中国の銀行のバランスシートに「表面上は優良債権だが実質的には破綻債権」といった貸出が積み上がっているのは公然の秘密である。高格付けのCLOにそうした債権が入り込むこともあるかもしれない。

また、銀行融資であれ社債発行であれ、企業債務が超ハイペースで増え続けている構図に変わりはない。ゴールドマンに拠れば、同国債務残高の対GDP比は2008年の150%から2014年には250%と6年間で100%増となったが、その殆どが企業債務の増加によるものだ、という。

 日本のバブル期における負債増加も壮絶であったが、その企業債務の対GDP比は1980年の100%から10年後の1990年に130%まで上昇したに過ぎない。中国の企業債務増ペースは、半端ではない。

 中国政府は銀行の不良資産増を埋めるだけの体力は備えている、というのが中国専門家らのコンセンサスのようだが、ここ数年間に激増した社債の潜在的デフォルトのマグニチュードをどれほど織り込んでいるのか、判然としない。

国際資本も中国離れ

 中国経済のリスクを眺めれば、不動産や社債、銀行などの市場以外にも幾つかの点で怪しげな風が吹いていることが判る。同国への資本流入の急速なペースダウンはその一つであろう。それは、外貨準備の推移である程度推量することが出来る。

 急激な増加傾向にあった同国外貨準備高は、2013年末時点では3兆8800億ドルまで膨らんでいた。だが2014年には完全に伸びが止まり、昨年12月末時点では3兆8400億ドルと前年比僅かながら減少している。中国の米国債保有残高も、昨年末時点で1兆2443億ドルと前年末比で258億ドルの減少となっている。

 それは市場の人民元買い圧力が減少したことの表れであるが、その背景にあるのは輸出と投機資金流入の双方における鈍化であろう。特に後者に関しては、中国経済の先行き不安と密接な関係がありそうだ。

 2014年の公式統計では中国のGDP成長率は7.4%と発表されているが、機関投資家は殆どその水準を信用していない。7.7%成長であった2013年に7.5%の伸びを示していた全国電力消費量は、2014年には3.8%の増加に止まっている。それで7.4%の成長という数字はどう見ても整合性に欠ける。

 また昨年1-11月の国内鉄道貨物輸送量は前年同期比3.2%減少、鉄鋼生産量も2009年以来の低水準に止まっており、7%台の成長は明らかに「誇大広告」と言えそうだ。HSBCの製造業PMIも直近は2カ月連続で50を割り込んでおり、本年の成長率も実態的には5%程度との見方が増えつつある。

 日本企業が人件費上昇や日中関係の悪化などの影響から中国撤退を進めているのは周知の通りだが、国際資本も同様に中国離れを起こし始めている。中国もまた「新興国経済の失速」という点で例外ではない、との見方が大勢になってきたからだろう。

 それは、従来の「人民元先高観」という景色をすっかり変えてしまった。中国がドルペッグを撤廃した2005年以降、昨年1月までに対ドルで約37%上昇した人民元の相場は、そのピークであった対ドル6.0から現在は6.25前後まで減価しているのである。

 米財務省は「中国は昨年7月以来人民元安誘導の介入を止めている」との認識を示しつつ、逆に人民元の買い支えを行い始めた可能性を示唆している。昨今の奇妙な日中の値動きは、確かに逆介入の可能性を示しているように見える。人民元安の加速で企業の対外債務返済が苦境に陥ることを、人民銀行も警戒しているはずだ。

 中国には、急速な通貨安が資本流出加速を招くという警戒感もあるかもしれない。昨今のドル高や低金利の状況は、これまで積み上げ過ぎたドルと米国債を処分する良い機会ではあろうが、中国が「成長失速・企業破綻・資本流出」という最大の政治経済リスクに直面し始めたことは事実だろう。

歳入減の中で歳出を増やす地方政府

 そして、地方経済にも奇妙な風が吹き始めている。地方自治体は従来のGDP拡大一辺倒の方針転換を余儀なくされており、上海市のように、実際に成長率目標の提示を取り止めたところもある。

 だが地方政府は不動産市況の低迷で税収の激減に見舞われ、地方経済は不動産開発プロジェクトが行き詰まって、ともに苦境に陥っている。中央政府が謳う「投資から消費への成長モデル転換」など、すぐに達成できるはずもない。

 FT紙に拠れば、湖南省、河北省、陝西省の三省が今年の固定資産投資を2兆元超の規模に設定することを発表した、という。その金額は、河南省で前年比18%増、河北省は同19%増、陝西省では同20%と、いずれも前年の伸び率を上回っている。歳入減の状況が続く中で歳出は増加し、既に膨れ上がったその債務はさらに拡大方向へと向かいかねない。

 中央政府は昨年、地方自治体による借金増の隠れ蓑となっている融資平台(LGFV)への規制導入に動いたが、全面禁止になった訳ではなく一定の猶予期間が与えられている、と言われる。地方政府に「今のうちに出来るだけ借金しておこう」という動機が働いているのかもしれない。

 依然として投資がGDPの50%以上を占める中国経済において、さらに投資に依存する傾向が強まり、リターンを生まない負債額が膨張することになれば、7%成長という「張子の虎」の脆弱性は、益々顕になるだけである。

「実状が見えにくい社債」に警戒を

 もっとも、新興国問題は中国だけではない。ウクライナ停戦合意はもはや風前の灯であり、戦闘泥沼化に伴う同国の経済危機は目前に迫っている。欧米諸国が対露制裁の強化に向かえば、ロシア経済の困窮化にも拍車が掛かるだろう。また事実上の経済破綻国であるベネズエラがデフォルトする可能性は高い。当面のハードルをクリアしたギリシアも、国内での政治的不安が再燃するおそれがある。

 だがマグニチュードの大きさを考えれば、中国で危機が発生した時のインパクトほど深刻なものはないだろう。特に「情報が乏しく実状が見えにくい社債」は、これまで中国経済への懸念材料とされてきた「成長ペース失速」「不動産バブル崩壊」「銀行不良債権増加」「シャドー・バンキング不安」「地方財政赤字増大」といったキーワードと並べておく必要がありそうだ。

 社債問題が一国の経済を揺さぶるというのはピンとこないかもしれない。中国金融のレバレッジが飛びぬけて高い訳でもない。だが2005-6年頃、米国のサブプライム・ローンの証券化商品に懸念する声を殆どの人々が無視していたことを思えば、その教訓として中国の社債問題に一定の警戒感を抱いておくことは、決して無駄ではないだろう。

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