3/30日経ビジネスオンライン 篠原匡『“トランプ大統領”のディールとゼロサム 在日米軍撤退発言の背後にある思考パターン』、3/31日経『トランプ氏「日本、自衛か負担増を」 駐留米軍巡り』について

トランプはタフネゴシエーターというだけで、歴史観や世界観を持ち合わせていないタイプでしょう。ヘタな考えがないから白地のカンバスに絵を描くように周りが支えれば大化けする可能性もあります。日本の核武装についても言及していますが、パンダハガーのキッシンジャーでさえも2007年くらいから「日本の核武装は見たくはないが驚きもしない」とずっと言ってきたくらいですから。非核三原則は法律ではなく政策レベルの話なので、いつでも変えることができます。国是とか言って、国が無くなったら国是も意味を成しません。後は国民の覚悟の問題です。日本共産党は中国の核保有、しかも保有数量も明らかにしない国に抗議もしていません。中国の金で暴力革命を下心として持っているとしか思えません。

トランプに言われるまでもなく、日本は防衛に真剣に取り組み、米軍基地は縮小していくべきと思っています。自衛隊に米軍の肩代わりをさせていくべきです。ただ、日本単独で中国の脅威に対抗は出来ません。ATO(Asian Treaty Organization)を米国中心に、日豪印台+ASEANで作って、中国を封じ込めるのが肝要かと。ロシアは中立か味方に引き入れて包囲網を完成させないと、中国は暴発するでしょう。沖縄の米軍基地は地政学上の戦略要地です。半径2000Kmの円を描けば、アジアのメインの都市が入ります。尖閣・石垣を守るためには米軍基地の存在は大事です。比がスービック基地を米軍再貸与するのと同じです。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM19H14_Z10C16A3NNE000/

circle in a radius of 2000km from Okinawa

共和党主流派もあれほど嫌っていたクルーズを後押しし出しました。トランプの楽勝になるかと思っていましたが、まだまだ先が読めません。

日経ビジネスオンライン記事

“不動産王”が投下した爆弾が波紋を広げている。

 米大統領選における共和党候補指名争いで首位を快走しているドナルド・トランプ氏。「メキシコ国境に壁を作れ」など過激な言動で知られるが、3月26日に米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)で掲載されたインタビューで、日米関係の礎である日米安全保障条約の見直しについて持論を展開した。

Trump mentioned about withdrawal of US forces in Japan

トランプ氏は、日本が駐留経費負担を大幅に増やさない限り、在日米軍を撤退させる可能性を示唆した(写真:AP/アフロ)

 「米国が攻撃を受けても日本は何もしないが、日本が攻撃を受ければ米国は全力で駆けつけなければならない。これはかなり片務的な条約だ」。さらに、大統領に就任した際には、日本が駐留経費負担を大幅に増やさない限り、在日米軍を撤退させる可能性を示唆した。また、「日本が核武装することはそれほど悪いことではない」と、日本の核保有についても容認する姿勢を見せている。

日米安保に爆弾を投下したトランプ氏

 これまでトランプ氏は安保条約の不公平感については言及していたが、安全保障や対日外交について具体的に述べたことはあまりない。米軍撤退に触れたのも初めて。それだけに、日本政府関係者に衝撃が走った。菅義偉官房長官は「政府としてコメントを控える」と述べた上で、「日米安保体制を中核とする日米同盟は我が国の基軸。米国と緊密に連携していくことに変わりない」とコメントしている。

 トランプ氏がスーパーチューズデーで大勝を収めた直後、ワシントンの日系企業関係者と同氏の対日戦略について議論したことがある。結論から言えば、政策と言えるような政策を提示しておらず、経済面や外交面で日本に対してどういうスタンスを取るのか、材料がなさ過ぎて判断できないという話に終わった。ただ、その時に企業関係者が分析したトランプ氏の“思考パターン”が今回の見直し発言の底流にあるように思う。それは「ディール」と「ゼロサム」だ。

実業家のトランプ氏は1970年代以降、トランプタワーをはじめとするマンハッタンの再開発やカジノ建設などのビッグディールをいくつも実現させてきた。その一端は、1987年に出版した『The Art of Deal』に詳しい。これは、トランプ氏のビジネスにおける鉄則や成功の裏側をつまびらかにした自伝で、彼が数々の不動産取引をいかに成功に導いてきたのかが描かれている。

“優れたディールメーカー”の本質

 トランプ氏自身、今回の指名レースで自身を偉大なるディールメーカー(取引交渉者)と位置づけ、自分であれば米国を再び偉大な国にできると喧伝している。だが、ディールという言葉を突き詰めればいかに有利な条件でビジネスを展開するかという話であり、優れたディールメーカーとは、押したり引いたり駆け引きを駆使して最も有利な条件でビジネスを進められる人間のことだ。

 今回の在日米軍の撤退についても「ディール」という切り口で捉えることができる。在日米軍は米国のアジア戦略の要であり、負担の多寡で存在意義を語るべきではないが、物事を交渉と捉えてなるべく有利な条件を引き出そうとする彼の考え方が色濃く表われているように見える。

 もう一つのゼロサムは、失ったものを取り返すという思想だ。

トランプ氏が商標登録している選挙スローガン、“Make America Great Again”は米国を再び偉大な国にするという彼の強烈なメッセージである。だが、足元を見れば、米国が偉大な国に返り咲く材料はあまりない。

「パイの奪い合い」の結果としての偉大な米国

 シェール革命で米国は原油自給の道を切り開いたが、足元の原油安でシェール関連企業は死屍累々の山を築いている。財政悪化も頭痛の種で、世界の警察官として影響力を行使したのも昔の話だ。そもそも米国民自体が政府に、外交面で影響力を行使することよりも、経済など国内問題を解決することを望んでいる。

 その状況下で、偉大な米国を取り戻そうと思えば、どうしてもパイの奪い合いにならざるを得ない。奪われた雇用をメキシコや中国から取り戻せ、巨額の貿易黒字を中国や日本から取り戻せ--。その発想は、貿易を通じてウィンウィンを追求するというよりもゼロサムに近い。ウィンウィンという発想そのものに疑問が呈されているという面もあるのだが…。

 「トランプ氏が大統領になれば、ギブアンドテイクの面が強まるだろう。日本にとっていいことはほとんどないと思う」と先の企業関係者は語っていた。今回の在日米軍撤退発言にどれだけ深い意図があるのかは分からないが、ディールメーカー、トランプ氏が大統領になれば、この手の牽制球が続くのかもしれない。

日経記事

【ワシントン=川合智之】米大統領選の指名を争う共和党候補者の対話集会が29日開かれ、不動産王ドナルド・トランプ氏(69)は日本が北朝鮮の脅威に対抗するため核武装するのは「時間の問題だ」と述べた。日本が駐留米軍の費用負担を大幅に増やさなければ米軍は撤退するとして「日本が我々に金を払うか、自衛するかだ」と迫った。

 トランプ氏は「北朝鮮はすでに核兵器を持っている。我々が(日韓核武装の)引き金を引きたいのではない」と主張。核保有国を増やさない政策は「変えなければならない時が来るだろう」と述べた。

 トランプ氏は米国は軍事費などによる巨額の財政赤字国だとして、アジアや欧州を米が防衛することは「米国が破産するほどの大きな利益ではない。もはやそんな余裕はない」と指摘。「日本が自衛すれば我々は裕福になる」と強調した。

 トランプ氏は自身の選対責任者が女性記者の腕をつかんで暴行した疑いで29日訴追されたことについては「彼女の方が私を2度つかんだ」と反論した。米CNNテレビによると、監視カメラには選対責任者が女性記者の腕をつかむ様子が映っており、トランプ氏の説明は虚偽だとしている。

 29日には米大統領選の共和党候補指名争いから撤退したウィスコンシン州のスコット・ウォーカー知事(48)が、保守強硬派のテッド・クルーズ上院議員(45)への支持を表明した。党内はトランプ氏の指名阻止で結束する動きを加速しており、これまで共和主流派と敵対していたクルーズ氏をあえて支持する異例の事態となっている。

 クルーズ氏への支持を表明した主流派は2012年大統領選で共和候補だったミット・ロムニー元マサチューセッツ州知事や、ジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事ら。トランプ氏を支持するのはニュージャージー州のクリス・クリスティー知事ら一部にとどまる。

 一方、トランプ氏は昨年9月、共和候補に誰が選ばれても結果を支持するとの誓約書を共和党全国委員会に提出したが、対話集会では「支持しない」と表明。お互いの妻を批判するなど対立が過熱しているクルーズ氏への対抗心をあらわにした。

下は3/31日経『米大統領選が映すもの(上) 共和党、原理・価値観の危機 国際秩序、揺らぐ恐れ 久保文明 東京大学教授』記事より

Republican candidates

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