『核放棄から始まったウクライナ危機、力なき外交の現実 力の信奉者、プーチン・習近平が値踏みする米国の「力」』(2/22JBプレス 織田 邦男)について

2/21The Gateway Pundit<President Trump’s TRUTH SOCIAL Launches, Hits Number One On Apple Store WITHIN HOURS, Hundreds Of Thousands Placed On Waiting List>

左派のfacebook 、twitterから保守派は移ればよい。

https://www.thegatewaypundit.com/2022/02/president-trumps-truth-social-launches-hits-number-one-apple-store-within-hours-hundreds-thousands-placed-waiting-list/

2/21The Gateway Pundit<FBI Knowingly Ignored Massive Evidence of Democrat Party Ballot Trafficking Operations in Every Major Battleground State — NOW They Dare Tweet on Election Integrity>

FBIは完全に民主党の手に落ちています。

https://www.thegatewaypundit.com/2022/02/fbi-knowingly-ignored-massive-evidence-democrat-party-ballot-trafficking-operations-every-major-battleground-state-now-dare-tweet-election-integrity/

2/22阿波羅新聞網<原形毕露!普京:乌克兰是俄罗斯神圣不可分割的一部分=元もとの想いが出る!プーチン:ウクライナはロシアの神聖な不可分の一部である>ウクライナとロシアの間の緊張は続き、ロシアのプーチン大統領は、ウクライナ東部の2つの共和国を独立した主権の実体として認める法令に署名したことを発表した。同時に、プーチンは再びテレビを通じてウクライナとロシアの歴史について公に話し、ウクライナはロシアの神聖で不可分の一部であることを強調した。

この意味はウクライナ全土をロシア領土に組み入れると言うこと?

https://www.aboluowang.com/2022/0222/1711864.html

2/22阿波羅新聞網<中共报复 美华裔选手被禁参加闭幕式(图)【阿波罗网报道】=中共が報復し、米国籍華人選手は閉会式参加を禁止された(写真)[アポロネット報道]>NBC TVは、米国フィギュアスケートスターであるエヴァンベイツと華人米国人のアスリートであるネイサンチェンにインタビューした。インタビューの元の内容は、2022年の北京冬季オリンピックのトピックに関するものであったが、エヴァンベイツは多くのことを話した。 エヴァン・ベイツは話題を換え、わざと人権問題に言及した。陳巍と周知方はどちらも、中共には人権問題があると思っている。 アポロネットの王篤然評論員は、周知方は中国の人権に同情的であり、冬季オリンピックに参加する前に中国を侮辱したと批判された。 中共は小ピンクに対し、彼に言葉による攻撃を実行するように扇動した。彼の現在の状況は中共の復讐である。

まあ、下種で道徳観念のない中共のやることですから。

https://www.aboluowang.com/2022/0222/1711898.html

2/22阿波羅新聞網<美脱口秀开炮6大名人 “向中共磕头”= 米国のトークショーで6人の有名人に砲撃 「中共に叩頭」したと>米国生まれのスキーヤー、谷愛凌が中国の北京冬季オリンピックに出場したことに、トークショーの司会であるビル・マーは、ジョン・サウスウェスト、トム・クルーズ、ジェームスなどの有名人の名を挙げ、金儲けのために中国の人権問題をないがしろにし、叩頭外交しているとして批判した。

ビル・マーは18日のHBO番組の「リアル・タイム・ウィズ・ビル・マー」のビル・マーは谷愛凌をテーマにした番組で、冒頭で次のように述べた。「米国を代表せず、全体主義の警察国家の代表としてプレーすることを選ぶのは格好良いことか?」

ビル・マーは皮肉を込めて次のように述べた:「中共、あなたは我々の企業秘密、ソフトウェア技術、知的財産権を盗むことができるが、あなたは我々が育てたフリースタイルのスキーヤーを盗んだが、それは受け入れられない死線である」

ビル・マーは、オリンピックの舞台では、競争相手の選手に加えて、各国の競争で誰が最高のシステムを持っているかを競い合うとコメントした。中国は谷愛凌を通じて、西側諸国よりも優れている状況を作り出したが、事実はそうではない。

ビル・マーは、女性のテニススター彭帥の事件を例に挙げ、彭帥が政府官員から性的暴行を受けたと告発した後、彼女はしばらくの間蒸発した。彼は、米国は個人の自由を基礎とする民主国家であり、中共の全体主義監視国家の基礎は「あなたがどのようにすれば数ヶ月間姿を消せるのかと思うか」であると指摘した。

彼は別の例を挙げた。米国の刑務所における黒人の割合は比較的高いが、中共はウイグル人の民族グループ全体を閉じ込めており、トランプ政権とバイデン政権の両方がこのやり方をジェノサイドと呼んでいる。

その後、NBAロケッツの元社長のダリル・モーリーが香港を支持する発言の後、謝罪したと彼は述べた。「米国では、我々は、民主政府を支持すべきで、民主主義を支持することを謝罪するのではない」。

彼は、モリーに対するバスケットボールスターのレブロン・ジェームズの批判は「事情をよく理解してから話すべきである」と述べた。彼は嘲笑し、本当の状況は次のとおり:ジェームズは中国にもっとスニーカーを売りたいと思っている。

「叩頭Kowtowという言葉は中国語から来ているが、多くの米国人は良い仕事をしている」。ビル・マーは、中国市場に参入するために、インターネットのリーダーであるグーグルが中国市場進出に当たって、企業のモットーである「邪悪になるな」を取り下げることさえできると批判した。

その後、彼は「F9: The Fast Saga」の俳優ジョン・シナと「トップガン:マーヴェリック」のスターのトム・クルーズに目を向けた。

番組は、ジョン・シナが台湾を国として言及したことを中国語で謝罪するビデオを特集した。ビル・マーはコメントの中で、台湾は「国である」と述べ、中国はチベットに対して行ったこと、そして現在香港に対して行っていることを台湾に対しても行いたいと思っていると述べた。

ビル・マーは、「国があなたを大きくて筋肉質の男にするとき、アクション映画のスターは彼らの言語で卑屈に膝を屈し、あなたは奴隷のように扱われたことを理解する」

彼はさらに、新作「トップガン」の中で中華民国の国旗が消えたことに言及した。彼はトム・クルーズを「彼は、かつては異端者だったが、今では中国が彼に求めていることをしている」と批判した。

ビル・マーは、谷愛凌を利益のため中国に求愛している最新の例と見ている。写真は、2/18に中国の張家口で開催された2022年北京冬季オリンピックの14日目に、雲頂スノーパークで行われた女性のフリースキーハーフパイプフラワーセレモニーでポーズをとる米国生まれのスキーヤー、谷愛凌。

ビル・マーは、谷愛凌を利益のため中国に求愛している最新の例と見ている。彼は、「中国でプレーした後、23のブランドの広告のスターとなり、3100万米ドルを稼いだことで、谷愛凌を叱ることができるだろうが、彼女はこれらの米国映画やテレビの有名人の足跡をたどっている」と語った。

ビル・マーは素晴らしい。

https://www.aboluowang.com/2022/0222/1711959.html

2/22阿波羅新聞網<叶剑英孙女微博发文声援锁链女 谴责当局强压粉饰太平(组图)【阿波罗网报导】=葉剣英の孫娘はWeiboで鉄鎖女性に声援、何事もないように粉飾する当局の圧力を非難(写真)[アポロネット報道]>2/21、葉剣英の孫娘である葉静子が鉄鎖女性を支援するためにWeiboに投稿し、豊県は2/15に道路を閉鎖するよう通知を出した。葉静子は何事もないように粉飾する当局の圧力を非難した。

邪悪な中共と言う組織は太子党がいくら言っても聞かないでしょう。

https://www.aboluowang.com/2022/0222/1711758.html

何清漣 @ HeQinglian 15h

西側諸国は一歩一歩歩んで今日に至り、私は8年間それらを注意深く観察してきた。

NGOを含め、私が知っている西側の学者やメディア関係者は皆、左傾化した見方を普通だと考えているので、私はもはや彼らとコミュニケーションをとっていない。

カナダには老婆を踏みつける騎馬警官がいて、彼女の足の水ぶくれはカナダの有権者によって作られたも同然である。米国が自分たちを救えるかどうかは、今年の中間選挙のスイング選挙区にある。ここで投票箱を監視できない場合は、キャンセルカルチャーが中国語を話す人たちを襲うだろう。

何清漣 @ HeQinglian 15h

人間の政治・文化的財宝(憲政、共和制、法治)のすべてが破壊されるプロセスを見ると、内面の苦しみは言葉では言い表せない。

何清漣はリツイート

萧生客SSK🇺🇸🇨🇦 @SSK2024 2月20日

アトラス医師は、学校の閉鎖、社会封鎖、経済封鎖の観点から、厳格な禁足と封鎖政策の結果を分析した。答えは、教育、メンタルヘルス、医療、経済、犯罪率、超過死亡率などの観点から導かれた。また、世界各国と米国の各州のデータを比較した・・・。

事実2:WHの防疫政策の禁足と封鎖の悪い結果https://mp.weixin.qq.com/s/j4JazkRB8ugbdeyESrkjPg…

何清漣 @ HeQinglian 7h

「女性は毎晩枕にナイフを置いて眠りに入る、35年間誰も彼女の来歴を知らない」との実話を読んだ。

https://aboluowang.com/2022/0220/1711165.html

私はこのブイ族の女性に幸せを感じる。幸せというのは、彼女には最も親密な娘がいて、娘は普通の家庭に売られたから。娘はようやく普通語が話せない母親の家を見つけ、35年間会っていなかった両親に会った。

徐州鉄鎖の8人の子供たちが、成人すれば母親に心痛を感じざるを得ないのでは?

aboluowang.com

何清漣 @ HeQinglian 4h

プーチンは、ウクライナ東部の2つの「共和国」の独立の地位を認める命令に署名。 https://rfi.my/8BrW. @ RFI_Cn経由

ウクライナはとても惨めで、これはロシアと戦わずに、2つの州を譲渡したことに等しい。クリミアを入れれば、合計3つの地が失われた。

ウクライナは次に何をすべきかを思うべきである。西側の口頭による支援とスペースを隔てた「形意拳」に完全に頼っているため、領土保全する方法はない。

rfi.fr

プーチンは、ウクライナの2つの「共和国」の独立を認める法令に署名する。

ロシアのプーチン大統領は21日TVで、ウクライナ東部の2つの分離した共和国の独立した地位を認める演説を行った。プーチン大統領はテレビ演説で次のように述べた。ドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国を直ちに認めると・・・。

何清漣 @ HeQinglian 4h

実際、NATOはあまり多くの軍隊を派遣する必要はなく、500人の軍隊を派遣すれば充分であり、抑止力のある姿勢を示すためにさらに1,000人の兵を派遣する。卓上に制裁のリストを並べるより、ずっと効果的である。

このとき、ゴータ綱領批判の中で、西側左派の祖先であるマルクスの有名な言葉を忘れないように:「1つの行動は1つの綱領よりも重要である。」

2/22日経朝刊<冷戦後の米対中関与「戦略的大失策」、ミアシャイマー氏 ニクソン訪中50年>

シカゴ大のジョン・ミアシャイマー教授

米中国交正常化のきっかけとなったニクソン米大統領(当時)の中国訪問から21日で50年となった。米国は中国がいずれ民主化すると期待し、国際秩序に取り込む「関与政策」を長く続けた。2001年初版の著書「大国政治の悲劇」で「関与政策は失敗する」「米中は敵同士となる運命」と断言したシカゴ大学のジョン・ミアシャイマー教授に米中関係の半世紀と今後を聞いた。(聞き手はワシントン=大越匡洋)

――50年前、中国との国交正常化への道を開いたニクソン大統領、キッシンジャー大統領補佐官の決断はそもそも間違っていたのでしょうか。

「そうではない。米国の過去50年の対中政策は冷戦時代と1990年前後から2017年までのポスト冷戦期、それ以降を区別して評価する必要がある。冷戦時代の米国は中国に関与し、ソ連に対抗する関係を結んだ。非常に理にかなったことだ」

89年に冷戦が終結し、91年にソ連が崩壊すると、米国はソ連を封じ込めるために中国の力を必要としなくなった。米国は愚かにも中国が経済的に強くなるのを助ける『関与政策』を追求した。中国は当然、成長した経済力を軍事力に転換した。米国は同等の競争相手を創り出す戦略上の大失策を犯した」

――米国は中国が台頭する潜在力を過小評価していたのですか。

「違う。米国は中国が経済的に強大になると予測し、中国を世界経済に統合しようと努めた。同時に冷戦への勝利から、欧米の政策エリートは共産主義やファシズムがもはや実行可能な政治形態ではなく、中国もロシアもいずれ自由民主主義国となると考えた。米国に限らず、欧州、日本、台湾、みなが中国を支援しても地政学的脅威にならないと考えた。中国は米国に挑戦することをめざし、新冷戦が始まったのだ」

――中国の「封じ込め」は実行可能ですか。

「トランプ前政権は基本的に関与政策を放棄し、バイデン政権も封じ込めを追求している。まず軍事的側面として米国と同盟国は中国が南シナ海を占領したり、東シナ海の現状を変えたりするのを阻止しようと決意している。経済的に狙っているのは中国の成長を可能な限り抑え、同時に欧米の成長を加速させること。最先端技術を中国に支配させないことが主になる。問題は誰がより多くの損害を被るかだ」

――米中の武力衝突の可能性をどうみますか。

米中の新冷戦は米ソ冷戦より『熱戦』に至る可能性が高い。地理的な理由が大きい。米ソ冷戦は欧州が中心で、北大西洋条約機構(NATO)とワルシャワ条約機構の衝突は瞬時に核戦争に発展する可能性が高かった。代償が大きい分、米ソ間の抑止力は非常に強固だった。一方、東アジアの現状からは米中が台湾や南・東シナ海を巡って限定的な戦争に至る事態が想定できる。限定的な分、可能性は高まる。冷戦時代の米ソ戦争の可能性との比較で考えれば、米中戦争の可能性の方が高いという意味だ」

――限定的衝突でも核戦争につながる恐れがあります。

「たとえば中国が台湾をめぐる争いに負けた場合、海上で核兵器を使用する事態が想像できる。米国による逆のケースもある。核兵器が海上で選択的に使われる事態だ。慎重な表現が必要だが、米ソ冷戦時の核戦争の可能性よりも、海上における米中の戦いで核が使われることを想像するほうが容易だろう」

――中国は「時間は中国の味方」と考えています。

「正しいかもしれない。中国が台湾を統一しようと考えれば、米国に対してはるかに優位になるまで待ったほうがよい。だが今後30年、中国経済がどうなるか知ることは難しい。だから最悪のケースに備え、米国は中国の封じ込めに全力を尽くさなければならない。軍事力は結局、経済力に基づいている」

――93年の論文でウクライナの非核化に反対しました。ロシアの脅威を抑止できなくなるとの理由でしたが、米国はアジアと欧州の問題に同時に対処できますか。

「正確を期そう。米国は欧州とアジアの問題に同時に対処する能力がある。しかし、双方で同時に良い成果を上げる能力はない。米国は愚かにもロシアを中国側に追い込んだ。 中国に対抗するためには米国はロシアと手を結ぶことが自然だ。 NATOを東に拡大したことでロシアとの間で危機を招き、アジアに完全に軸足を移せずにいる」

――バイデン政権が昨年開いた「民主主義サミット」は中国など権威主義国家の台頭を抑えるために有効でしょうか。

「思わない。いまの争いは地政学的な競争であり、イデオロギー的な競争ではない。日本や米国が民主主義国家であることは素晴らしいが、イデオロギーと関係なく、中国は両国にとって脅威である。私はリアリストなので地政学的な考察を重視したい」

――日本の役割は。

「日本は対中連合の主要プレーヤーとして米国に対し、なぜ東欧でロシアと争うことが不合理か、なぜ米国は東アジアに集中すべきか、徹底的に説明すべきだ」

John J. Mearsheimer シカゴ大学教授。大国間の力関係から国際関係を分析する「現実主義者(リアリスト)」の代表的理論家。米コーネル大で博士号。米ウエストポイントの陸軍士官学校を卒業し、空軍に5年間勤務した。1947年生まれ」(以上)

織田氏の記事で、「力なき外交は無力である」はパスカルの「力なき正義は無力であり、正義なき力は暴力である」から取ったのでしょう。国際政治の現実を言い表しています。この事態でも日本の左翼は憲法改正しないと言うのは明らかな利敵行為では。

ブタペスト覚書のように紙や口頭での約束が如何に脆いものか。日本は安全保障にもっと金をかけ、同盟国を増やすべきです。また、外交センスのない林外相は下ろすべき。

記事

米国の強襲揚陸艦「キアサージ」へ海兵隊の訓練用資材を運ぶホバークラフト(1月19日、米海兵隊のサイトより)

力なき外交は無力である

ロシア軍によるウクライナ侵攻の懸念が高まっている。

ロシアはウクライナ侵攻の意図を否定し、部隊撤収の演出も始めたようだが、ウクライナとの国境付近に依然15万人を超える部隊を集結させ、軍事的緊張を高めている。

欧州安保協力機構(OSCE)のマイケル・カーペンター米国大使は2月18日、ウクライナ周辺に展開するロシア軍部隊について「1月30日時点では約10万人だったが、恐らく16万9000~19万人に達している」と述べた。

そして、「第2次大戦以来、欧州で最も大掛かりな軍事動員だ」と指摘した。

ロシアは北大西洋条約機構(NATO)不拡大要求では強硬姿勢を堅持している。

2月17日には安全保障に関するロシアの立場を記した回答を米国に提示したが、これに対する米国の回答によっては「軍事技術的な措置を含めて対応を余儀なくされる」と警告している。

軍事力による威嚇、恫喝で相手に自分の意図を無理やりのませる。相手が拒否すれば軍事力で決着をつける。

まさに「力の信奉者」が実施する「力による現状変更」の典型である。

これに対しジョー・バイデン米国大統領は、早々に軍事力という「力」を放棄し、経済制裁という一本足打法で立ち向かおうとしている。

アントニオ・グテーレス国連事務総長は2月14日、「緊張の高まりを深く憂慮している」「今が緊張緩和の時だ」と述べ、「外交に代わるものはない」と対話を通じた軍事衝突回避を訴えた。

「力なき外交は無力である」という言葉がある。

これほど国連事務総長の言葉が虚ろに響くことはあるまい。

そもそも「力」への対抗手段を持たない国連が無力であるのは、今に始まったわけではない。ウクライナはこれで2度目の煮え湯を飲まされようとしている。

ブタペスト覚書の無力

1991年、ソ連邦は崩壊した。ソ連邦の一部であったウクライナは、独立を果たした。この時、ウクライナ領内には約1900発の核弾頭が取り残されていた。

ウクライナは独立国として、この核弾頭保持の意向を表明した。だが、ロシアはもちろんのこと、米国、英国が核拡散防止の観点からこれに強く反対した。
ウクライナに対し、核不拡散条約(NPT)への加盟と、核兵器の撤去が求められた。

その条件として、「領土保全、政治的独立」に対する安全保障を3か国(米、英、ロ)が提供することで合意された。

これが「ブタペスト覚書」(1994.12.5)である。

フランス、中国はこの趣旨に賛同し、別々の書面で同様にウクライナに安全保障を提供した。

国連の常任理事国がこぞってウクライナに対し、核兵器の撤去を条件に安全保障を約束したわけである。

国連がウクライナの領土の一体性を保障したにもかかわらず、2014年3月、クリミア半島はロシアに併合された。

一夜にして「ブタペスト覚書」は反故にされ、国連はウクライナの領土保全を守れなかった。

人民日報がいみじくも指摘

この時、中国共産党機関紙である人民日報に掲載された記事が印象深い。

「西側世界は国際条約や人権、人道といった美しい言葉を口にしているが、ロシアと戦争するリスクを冒すつもりはない」

「約束に意味はなく、クリミア半島とウクライナの運命を決めたのは、ロシアの軍艦、戦闘機、ミサイルだった。これが国際社会の冷厳な現実だ」

歴史に「もし」は禁物だが、もし1900発の核弾頭のうち、10発でもウクライナが引き続き保有していれば、クリミア半島の併合はなかっただろう。また現在の緊迫したウクライナ情勢もなかったはずだ。

核にはそれだけの「力」がある。だから北朝鮮は民が飢えても核を手放さない。

「ブタペスト覚書」は、「力なき外交」が如何に無力であるかという「国際社会の冷厳な現実」を証明したといっていい。

今回のウクライナ情勢もまた、同様の帰結を迎えるような気がしてならない。

ロシアや中国のような「力の信奉者」は、国際社会の現実は国連でもG7でもなく、「力」が決めると固く信じている。

中国は2016年、南シナ海の領有権問題に関する国際仲裁裁判所の裁定を「ただの紙くず」と切って捨てた。裁定後も何食わぬ顔で南シナ海の九段線内の領有権を主張し続けている。

クリミア半島併合作戦がソチ五輪閉会式の4日後から始まったように、今回のウクライナ情勢は北京五輪後に動きがあると懸念されている。

米国は今回、偵察衛星情報などを積極的に公開して国際世論を喚起し、プーチンの企みを事前に阻止しようとしている。

だが軍事力を欠いた経済制裁、情報戦、世論戦がどこまで効果があるのか。果たして「力の信奉者」プーチンの野望を抑止できるのか。

どこか他人事の岸田答弁

結果は雪解けまでには判明しているだろう。

日本にとって、これは対岸の火事ではない。同じ「力の信奉者」である習近平国家主席の台湾併合への動きに大きな影響を及ぼす。

習近平氏は今回の米国の動きと国際社会の動向を慎重に見極めているはずだ。

ウクライナ情勢は即、台湾有事に繋がる。つまり日本有事に直結するものとして当事者意識をもって当たる必要がある。

岸田文雄首相は2月15日夜、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と電話で会談した。

「ウクライナの主権と領土の一体性について、一貫して支持する」との立場を表明し「外交努力を粘り強く行っていくことで、緊張緩和につなげていくことについて一致した」と語った。

「仮にロシアによる侵攻があった場合には、制裁も含め、状況に応じてG7を初めとする国際社会と連携して適切に対応する」と強調した。

どことなく緊張感に欠け、他人事のようにしか聞こえないのは筆者だけだろうか。

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