2/4、5日経ビジネスオンライン 鈴置高史『そうだ、日本と一緒に核武装しよう 嫌いだけど「風よけ」に使える日本』、『FIFA元副会長も唱えた「韓国の核武装」 否定する朴槿恵、ほくそ笑む中国』について

北も南も朝鮮半島人というのは似たような行動をします。北は中国を、南は米国を手玉に取って喜んでいる幼児性を感じます。平気で嘘をつき、歴史を改竄・捏造するのは大陸譲り、事大主義は長い歴史の産物でしょう。地政学上自国が手離されることはあるまいとの思いで我儘し放題です。でもいつ虎の尾を踏むか分かりません。特に北のミサイル発射を強行しようとする姿勢は米中合作で政権転覆を図ることに繋がりません。北の核開発を支援しているのは、北京軍に対抗している瀋陽軍と澁谷司先生の講演で触れられていました。(ただ長谷川慶太郎氏の14年の本では「金正恩が張成沢を銃殺したのは瀋陽軍区と北朝鮮の深い結びつきを北京に戻すためにやった」と述べていましたが、これはハズレでしょう)。やはり、中国軍部も1枚岩ではないという事です。澁谷先生は中国軍部の中で瀋陽軍は核を持っていないためと言っていました。まあ、東北3省は旧満州で日本の統治を受けた地域、もっと言えば漢族の土地ではなく、満州族の土地なので、いつ裏切られるか分からないので核を持たせていないのでしょう。今般の7軍区から5戦区に変えるのも瀋陽軍対策の狙いがあります。

韓国は用日とか言っていますが、今までも日本に対し北の脅威を言って利用してきました。その癖、裏では国民に反日を刷り込みしてきて、今や政府がコントロールできないレベルにまでなりました。自業自得と言うもの。通貨スワップは勿論、TPPも認めず、ニュークリアシエアリングも日米で話合うべきです。米国も朝鮮半島人はいつ裏切るか分からないから日本と同程度の民生用の核開発を認めて来なかったのでは。日本は「非韓三原則」で行くべき。民主主義、基本的人権、法治の概念のない国とは付き合わないことです。

キッシンジャーは反日ユダヤ人の典型です。先日はロシアに行ってプーチンと話をしてきたようですが。5月に安倍首相が訪ロする話も流れている所を見ると、シエールガス産出で世界一の石油産出国となった米国は、中東はロシアと欧州に任せ、中国と向かい合うのではと淡い期待を持っています。安倍首相はロシアのG8復帰を持ちかけるのではとも囁かれています。本記事のキッシンジャーの発言は45年前のもので数年前から「日本が核を持つのは見たくないが、(持っても)驚くに当たらない」と言う風に日高義樹氏のTV番組で発言していたと思います。米国保守派に蛇蝎のように嫌われているキッシンジャーですら日本の核について消極的賛成をしているのですから、後は日本国民の問題です。抑止力の問題を国民一人ひとりがもっと真剣に考えないと。それこそが国民主権でしょう。

記事

 韓国で「日本に核武装を唱えさせよう」との声が上がる。「日本の核」で脅せば中国も「北朝鮮の核」を本気で阻止するはず、との計算からだ。もちろん、日本を風よけにして自分が核武装しようとの思惑もある。

「核武装権」を日韓で主張

鈴置:親米保守の指導者の1人、趙甲済(チョ・カプチェ)氏が1月25日「緊急提案・韓日が助けあい『朝鮮半島の核ゲーム』のルールを変えよう」(韓国語)を発表しました。

 趙甲済氏は「世界が北の核武装を黙認するのなら、韓国も核武装するしかない」と呼び掛けてきました(「ついに『核武装』を訴えた韓国の最大手紙」参照)。

 この記事では北朝鮮の核武装はもう、国際社会頼みでは阻止できず、自主的な戦略を練らねばならない――と主張しました。戦略の1つとして訴えたのが「中国を圧迫するための韓日共助」です。趙甲済氏の記事の日本関連部分は以下です。

  • 北朝鮮の核の脅威に晒される韓国と日本が協力し「自衛的核武装」や「NPT(核拡散防止条約)脱退」といった果敢な対応策を打ち出すべきだ。(北の核の除去に乗り出さない)中国を変えるには、韓国が変わるしかない。
  • 韓日がNPTの改正を通じ、条件付きの自衛的核武装の権利を主張するほか、台湾とも連携して「非核3カ国共同体」を作れば、中国も大きな脅威を感じるだろう。

 日本や韓国など、NPTに加盟する非核兵器保有国は新たに核兵器を開発できません。そこで日韓が一緒に脱退して核保有に動くか、あるいは緊急時には核を持てるよう、両国でNPTを改正すべきだと訴えたのです。

台湾も加えて対中圧力をより強化

—なぜ今になって、日本との共闘体制が語られるのですか?

鈴置:中国が北の核の除去に動かないことがはっきりしたからです。そこで「韓国がいくら核武装論を唱えても中国から無視されるだけだ。日本にも核武装を唱えさせよう」との判断に至ったと思われます。

 韓国の一部の核武装論者は21世紀に入る頃から「米国の核の傘が信用できなくなった時には、同時に核武装に走ろうではないか」と日本の保守派に持ちかけていました。

 これに耳を貸す日本人はいなかったのですが「北の核武装が現実のものとなった今なら、日本人も応じるかもしれない」と考えもしたのでしょう。

—日本が「核武装論」に賛同すれば、効果が増すのでしょうか?

鈴置:「中国は仮想敵である日本の核武装を最も嫌がっている」と見られていますから、韓国だけで核武装を唱えるよりも効果が遥かに大きいと判断したと思います。

 そして対中圧力をさらに増すため、これまた異なる意味で中国の嫌がる「台湾の核武装」も加えたということでしょう。

米国説得にも日本が要る

 趙甲済氏の主宰するサイトで、匿名で外交を論じるヴァンダービルド氏も「日韓同時の核武装」を主張しました。「冷や水浴びせた中国、残るは自救策のみ」(1月28日、韓国語)です。

 興味深いのは、日本の核武装論は対米圧力に使えると論じたことです。「日韓協調」の目的も、実現が難しい「北の核廃棄」よりも「韓国の核武装」に置いています。つまりブラフの要素は一切なく、日韓で一緒に核武装しようとの明快な主張です。以下です。

  • 自衛的核開発のためには同盟国である米国の説得と、韓国同様に北朝鮮の核の被害者である日本との相互協力が重要だ。
  • 技術的にはまず日本を説得して同じ舟に乗り、それから米国を説得するのが容易だろう。
  • 日本は韓国単独の核開発に反対する可能性が高い。そこで「韓日共同開発」か「韓日がそれぞれに開発する」ことを日本に提案し、その支持を得れば両国はすぐさま同志となる。
  • 国際社会での影響力が相対的に大きい日本が、韓国と協力して米国と国連など国際社会を説得し、北の脅威に晒されている特殊性を認めてもらえば意外と可能ではないか(第3国の支持を得るために日本が支援などを提供する方法もあり得る)。

韓国人は信用されない

—なるほど、本気の「日韓同時の核武装論」ですね。

鈴置:韓国の指導層には「我々は米国に信用されていない」との思いが根強い。例えば前回の「『在韓米軍撤収』を保守も主張し始めた」で紹介した、以下のニクソン(Richard Nixon)大統領の発言は韓国ではとても有名です。

  • 朝鮮人は、北も南も感情的に衝動的な(emotionally impulsive)人たちです。私たちは、この衝動と闘争的態度が私たち(米中)両国を困らせるような事件を引き起こさないよう影響力を行使することが大切です。

 1972年2月に訪中した際に周恩来首相に語ったものです。『ニクソン訪中機密会談録』の100ページに出てきます。原文は「Nixon’s Trip to China」の「Document 2」の17ページですが、1994年に公開されてからというもの「韓国人が米国に信用されていない証拠」として韓国紙でしばしば引用されてきました。

日本の核は絶対許さない

—それにしてもなぜ、嫌いな日本と「核武装で共闘しよう」との意見が出るのでしょうか。

鈴置:韓国は1970年代に核武装計画を米国に潰されたからです。当時、それを率いたのは朴正煕(パク・チョンヒ)大統領。現在の朴槿恵(パク・クンヘ)大統領のお父さんです。

 そのため、韓国人は日本人とは異なった形の核コンプレックスを持つようになりました。「核兵器を持とうとしても、どうせ米国に潰される」との思いです。

 だから核武装を目指すには宿敵たる日本と組んで――もっとはっきり言えば、日本を風よけにして――との発想が生まれるのです。

 もっとも、ニクソン訪中の地ならしをしたキッシンジャー(Henry Kissinger)大統領補佐官の周恩来首相に対する発言(1971年10月)を見れば、日本だって危険な存在と見なされていたことが分かります。

 「NEGOTIATING U.S.-CHINESE RAPPROCHEMENT」のDocument13から要約して引用します。

  • 日本人は文化的な均質性により、他者に対する配慮ができない。日本を強くすれば、われわれが望む方向に進むと考える人もいるが、とてもナイーヴな発想だ(23ページ)。
  • もし我々が日本を解き放ち、自らの足で立つようにすれば、日中間の緊張は高まるだろう。そうなれば中国も米国も共に被害を受けることになる(24ページ)。
  • 我々は日本の核武装に反対している。仮に、こうしたことに権限のない役人が何を言おうともだ。もっとも、これまで誰かがそんなことは言ったわけではないが(24―25ページ)。

日本の復讐を恐れる

—日本に核武装など絶対にさせない、との決意が伝わってきますね。

鈴置:これは45年も前の話ですし、キッシンジャー氏の対日警戒論には独特のものがあります。ただ、今でも米国人の「日本の核」に対する警戒心が強いのは変わりありません。

 核兵器を持たせたら米国に復讐してくるとの恐れもあるでしょうし、核で自信を付けた日本が中国と紛争を起こし米国が巻き込まれるかもしれない、との懸念もあるでしょう。

 だから、日本と一緒になって“核武装クラブ”に強引に入ろうとする韓国人の思惑が裏目に出る可能性もあります。そもそも日本が、韓国発の「日韓同時核武装論」に乗る可能性は極めて低いと思います

3回目の「核社説」

—「日韓が組んでの核武装論」に対する韓国人の評価は?

鈴置:それが予想外にいいのです。朝鮮日報が1月28日に社説「米中が北の核に異なる声、今や「核開発」の公論化を避けられない」(韓国語版)を載せました。

 1月6日の北の核実験以降、核武装を訴えた社説はこれで3回目です(「やはり、韓国は核武装を言い出した」参照)。

 3回目の「核社説」は1月27日の米中外相会談で北の核に関し、意味ある進展がなかったのに失望して書かれました。結論は以下です。

  • 北朝鮮の核兵器による最大の被害者は米国でも中国でも日本でもなく、大韓民国と大韓民国の国民だ。何の根拠もなく核主権を放棄し、核武装論を禁断の金庫に封印するわけにはいかない。

 朝鮮日報はこれまで以上に強い口調で核武装を呼びかけました。なお「日本との連携」には全く言及していません。というのに、結構多くの読者がこの社説の投稿欄に「日本と一緒に核武装しよう」と書き込んだのです。

 編集者に削除されたものを含め、書き込み総数は1週間後の2月4日明け方の時点で113本。うち8本が「日本と、あるいは日・台とともに核武装しよう」との意見。また3本は「韓国が核武装すれば日本や台湾も付いてくる」との、日・台との結果的な連携論でした。

静かに広がる核武装論

 趙甲済氏ら核武装論の影響が静かにですが、韓国社会に広がっていることがよく分かります。「趙甲済氏の記事を読め」との書き込みも、1本ですがありました。「核武装するかを国民投票にかけよう」といった趙甲済氏の持論と同じ主張も見られました。

 1月31日、趙甲済氏は「核の日韓連携論」の新たなバージョンを打ち出しました。「米国の戦術核の韓・日による共同使用」です。米国の核の引き金を韓国と日本も握ろう、との意見です。

—そんなことが可能なのですか?

鈴置:NATO(北大西洋条約機構)では実施しています。次回に説明します。

(次回に続く)=次回は2月5日に掲載予定

前回から読む)

 韓国で噴出する核武装論。それを黙って見つめる国がある。中国だ。

ベルギーほど重要でない韓国

前回は、核武装を唱える韓国保守の大物が「米国の核を日韓は共有すべきだ」と訴えた――という話で終わりました。

鈴置:親米保守の指導者の1人、趙甲済(チョ・カプチェ)氏が1月31日に「米国の核の傘は絵に描いた餅」(韓国語)で訴えました。

 「北の核廃棄」が難しいという現実の前で、いかにしたら韓国が核を持てるか考え抜いた末の意見でしょう。以下が前文です。

  • 米国の善意に(韓国人)5000万人の安全を託せない。欧州の5カ国のような「韓米日の核共有制度」を紹介する。

 本文では「核共有制度」(Nuclear Sharing)を欧州の例を引いて説明したうえ、韓国への導入も訴えました。ポイントを訳します。

  • NATO(北大西洋条約機構)に加盟するドイツ、イタリア、オランダ、トルコ、ベルギーの5カ国に、米国は200個前後の核爆弾を置いている。平時は米空軍が管理するが、戦時にはこれら5カ国と共同運営する。ドイツにある核兵器は独空軍の戦闘機やミサイルに搭載される。
  • 韓国は米国に以下のように提案せねばならない。「我々は米国の核の傘の約束に5000万人の安全を任せ、ひたすら待つわけにはいかない。韓国に米国の核兵器を再配置し、欧州5カ国とのような共同管理体制を作ろう。その核は韓米連合司令部のコントロール下に置き、韓国も核兵器を使用する過程に共同で参加できるようにしよう。韓国の安全はベルギーほど重要ではないというのか?」

緊急時には使える核

 なお、核抑止論が専門の矢野義昭・拓殖大学客員教授(元・陸将補)は「米国も今度は許す?韓国の核武装」で「核共有制度」について、旧・西ドイツを例に次のように説明しています。

  • 緊急時には米大統領の承認を得たのちに核兵器を譲り受けて使用する権利です。「核の引き金」は米大統領が握っているので真の「シェアリング」とは言えず、象徴的な権利に過ぎません。それでも西ドイツは、緊急時には核を使える可能性を確保したのです。

—趙甲済氏はこの記事では日本の「核共有」にどう触れたのですか?

鈴置:触れたのは先ほど引用した前文だけで、本文では触れていません。NPT(核拡散防止条約)脱退と同様、日本と共同歩調をとった方が実現性が高いとの判断から「韓米日の核共有」としたのでしょう。

 趙甲済氏は日本人の核に対する強烈なアレルギーをよく知っています。だから、日本に共闘を呼び掛けるにしても「日韓同時の核武装」では実現性が薄い。米国の手持ちの核に日韓が一緒に乗る「核共有」なら可能性がある――と考えたと思います。

「NPT脱退」掲げ大統領に?

—1月31日には、FIFA(国際サッカー連盟)副会長だった鄭夢準(チョン・モンジュン)氏もNPT脱退を検討すべきだと発言したようですが。

鈴置:日本ではワールドカップを韓国に誘致した人として有名ですが、国会に当選7回の保守の大物政治家です。投票日の前日に候補者一本化のため降りましたが、2002年の大統領選挙にも出馬しました。現代グループの創業者、鄭周永(チョン・ジュヨン)氏の6男でもあります。

 鄭夢準氏は2013年に北が3回目の核実験をした直後から、核武装を主張してきました(「今度こそ本気の韓国の『核武装論』」参照)。

 1月31日にブログに発表した「北の核の前で我々は何ができるか」では「北の核には核でしか対抗できない」と主張したうえ、事実上の核武装論であるNPT脱退論を改めて訴えたのです。

 米国の核の傘をどこまで信用できるか分からない、との思いからです。「北の核の前で……」(韓国語)はこちらのリンクで読めます。

 一部の韓国メディアは「NPT脱退論を掲げて2017年末の大統領選挙に出馬するつもりか」とも報じました。例えば朝鮮日報の「核開発を持ち出した鄭夢準」(2月1日、韓国語版)です。「核武装すべきかどうか」が、国民の論議の対象に浮上しつつある証拠です。

 北朝鮮が米国まで届くような長距離弾道ミサイルの実験でも実施すれば、世論に一気に火が付くかもしれません。長距離弾道ミサイルこそが米国の核の傘に穴を開ける、と韓国人は見なしているからです。

否定して見せた朴大統領

—現政権は核武装をどう考えているのでしょうか?

鈴置:朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は1月13日の会見で、記者の質問に対し次のように答えました。通信社「ニュース1」の「朴大統領の談話後の会見 1問1答―上」(1月13日、韓国語)から引用します。

  • 我々も戦術核を持つべきではないかとの声が出ています。しかし私は国際社会でこのように強調してきました。「核のない世界を朝鮮半島から始めなければならない」。
  • また、朝鮮半島に核があってはならないと考えています。戦術核を持たねばとの主張は理解しますが、それでは国際社会との約束を破ることになります。
  • 一方、韓米相互防衛条約で米国から核の傘を提供されています。2013年10月からは韓米オーダーメイド型の抑制戦略によりそれに共同対処しているため、核が必ず要るとは考えません。

政府の代わりにメディアが唱える

 政権としては仮に考えていたとしても、現段階で「核武装」を匂わすようなことは一切、発言できません。今それを下手に言えば、韓国も国際社会から制裁を受ける可能性が大だからです。米国からも何をされるか分かりません。

 現政権はこの問題を極めて慎重に扱うはずです。朴槿恵大統領の父親である朴正煕(パク・チョンヒ)大統領が暗殺された直後の韓国では、犯人の背後に核武装を懸念した米国がいたとの噂が流れましたし。

 ただ、政権は核武装へと盛り上がる世論を米中への説得材料に活用していくと思われます。核武装を語る人の中にも「自分では言えない政府の代わりに、メディアなど在野の人間が核武装を唱える必要がある」とはっきり言う人もいます。

 もっとも、在野の核武装論が政権のコントロールを外れ、独り歩きする可能性もかなりあると思いますが。

織り込み済みの米国

—米国は韓国の核武装論をどう見ていますか?

鈴置:織り込み済みでしょう。1月19日に発表された米CSIS(戦略国際問題研究所)の「Asia Rebalance 2025」の156ページに以下のくだりがあります。

  • 核の影がこの地域に色濃く差すに連れ、日本と韓国は米国の核の傘の確かさへの信頼性を心配することになる。現時点でも、北朝鮮は核とミサイルの能力を開発、拡大し続けており、その確かさが極めて重要になっている。
  • もし、安保状況が悪化したり、核不拡散の体制が弱体化すれば、あるいは米国の供する安全保障への信頼性が危機に陥れば、日韓双方の国内で同盟国をより安心させるに足る、核兵器の能力向上を要求する政治的な圧力が高まるだろう。
  • 日韓ともに民生用の原発が(民生と兵器の)2つの目的に使えるものであることを十分に承知している。最近合意した米韓原子力協定では、韓国にウラン濃縮と使用済み核燃料の再処理を許可することは何とか防いだ。しかし韓国は日本と同様のウラン濃縮と使用済み核燃料の再処理という潜在的な核兵器開発能力を持ちたがっている。

「日本並み」を米国に要求

 最後の「日本並みの潜在的な核保有国」への希求。北朝鮮の4回目の核実験の後に韓国の専門家らは、これをはっきりと要求し始めています。この辺が米韓間で新たな駆け引きの舞台になるのかもしれません。

 例えば、統一研究院長を歴任したキム・テウ氏は朝鮮日報に寄せた「北の核の前で裸でいろということか」(2月1日、韓国語版)で「米国は核の傘を提供する代わりに、NPTが禁止してもいないウラン濃縮や再処理を禁じる“苛酷な”措置をとってきた。しかし、もう無理だ」と書きました。

 朝鮮日報の軍事専門記者、ユ・ヨンウォン論説委員も「核武装選択権を持とう」(1月11日、韓国語版)で「核武装はせずとも日本のように、決心さえすればいつでも核兵器を作ることができる潜在能力を持つという、核選択権(Nuclear Option)戦略も積極的に検討すべきだ」と書いています。

 やはり、米国から制限されているウラン濃縮と使用済み核燃料の再処理の権利と能力を「日本並み」に引き上げよう、との主張です。

「中国の傘」は破れていない

—中国は韓国の核武装論をどう見ていますか?

鈴置:表立っての反応はありません。でも、内心「しめしめ」と考えていると思います。

—「しめしめ」ですか?

鈴置:よく考えて下さい。韓国が独自の核を持ちたがるのは、米国の核の傘が信じられないからです。ロサンゼルスを核で攻撃されるリスクを冒してまで、米国が韓国を北朝鮮から守ってくれるか――と韓国人が疑うからです。

 では、北朝鮮は中国を核攻撃するでしょうか。通常兵器による攻撃だって北はできないでしょう。食料や原油など国家が生きていくための物資の多くを中国に頼っているからです。要は韓国人は、中国の核の傘なら「破れていないか」と心配する必要はないのです。

「属国に戻れ」と命じる中国

—言われてみると、そうですね。「北の核」を防ぐには、韓国は米国ではなく、中国と同盟を結んだ方がいいわけだ。ただそれは、日本にも言えるのではありませんか?

鈴置:確かに、日本が中国と同盟を結びその核の傘に入ったら、北朝鮮の核攻撃からは逃れられるかもしれません。でも、それは中国に従属することです。「沖縄を寄こせ」くらいは言ってくるでしょう。日本人がそんな同盟を受け入れるとは思えません。

 半面、朝鮮半島の歴代王朝は千年以上にわたって中国に朝貢していました。韓国人だって、中国に属国扱いされることはうれしくはないでしょうが、慣れてはいるのです。

—でも今、韓国人は「大統領が天安門の軍事パレードを参観するなど忠義を尽くしたのに、ちっとも大事にしてくれない」と中国に不満を抱いています(掌返しで『朴槿恵の親中』を批判する韓国紙」参照)。

鈴置:中国からすれば、片腹痛い話です。たかが軍事パレード参観ぐらいで恩着せがましいと、せせら笑っていることでしょう。

 韓国は中国と同盟を結ばず、それどころか中国の仮想敵の米国と同盟関係にあるのです。「味方してほしかったら、我が国と同盟を結べ」と言いたいところでしょう、中国にすれば。

北も日本も叩いてもらえる

 まとめますと、中国は韓国の核武装論が収まるのをじっくりと待つ。その後、韓国人に「中国と米国のどちらの核の傘が有効か考えろ」とささやけばいいのです。

 中国は2013年以降、着実に伏線を敷いています。国際政治の専門家である閻学通・清華大学国際関係研究院院長は、韓国紙の記者に「中国と同盟を結べ」とはっきりと申し渡しているのです(『同盟を結べ』と韓国に踏み絵を迫る中国」参照)。

 2014年には、中国の政府関係者が韓国のカウンターパートに「朝貢外交に戻ったらどうか」とも言い放っています(「ついに『属国に戻れ』と韓国に命じた中国」参照)。

 今は「北の核」で韓国人は熱くなっていいます。「核武装論者の中には、腹立ち紛れで言い出した人もいる」と鄭夢準氏も先に挙げたブログで語っています。しかし、韓国人が冷静になった時、中国と同盟を結ぶ方が合理的だと思い至る可能性も高いのです。

 北朝鮮の核実験は短期的には韓国を米国側に押しやります。北の核の脅威を今の時点で防いでくれるのは米軍だからです。実際、米韓両国政府は終末高高度防衛ミサイル(THAAD)の在韓米軍への配備を検討し始めたようです。

 でも、それでは北の脅威を完全に消し去れない。結局、米国を離れ中国を頼るのが一番、ということになってしまうのです。「おまけ」も付いてきます。中国の下で「いい子」になれば北朝鮮を後ろから羽交い締めにしてもらえますし、宿敵である日本を叩いてもらえます。

根腐れした米韓同盟

 韓国の親米保守は今、何が何でも核武装しようとしています。もちろん「北の核」という安全保障上の脅威から逃れるためです。

 同時に、もしここで「北の核」が現状追認の形で存在することになると、韓国人全体が心情的にも外交的にも中国側にずるずると引き寄せられてしまうと恐れているからでしょう。趙甲済氏は時々「韓国人には中国に対する属国のDNAがある」と自省します。

 そもそも米韓同盟は根が腐り始めていました。米国の仮想敵が中国である半面、韓国のそれは北朝鮮であって絶対に中国ではない。仮想敵の異なる同盟は容易に揺らぎます。

 米韓は同盟をだましだまし続けてきたわけですが今、「北の核」という暴風にさらされました。よほど上手に管理しないと、米韓同盟はどさっと倒れてしまうでしょう

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