『米ロ対立の深刻化で「核軍縮合意」も風前の灯に 中距離核戦力(INF)廃棄条約めぐり非難合戦』(1/26日経ビジネスオンライン 池田元博)について

1/29日経朝刊<ロシア大統領選「ノー」 プーチン政権抗議デモ、各都市で 当局、主導者ら拘束

【モスクワ=小川知世】首都モスクワなどロシア各都市で28日、プーチン政権への抗議デモがあった。3月の大統領選への出馬を却下された反体制派指導者、アレクセイ・ナワリニー氏が選挙のボイコットを訴えて開催を呼びかけた。同氏はデモ中に当局に身柄を拘束された。プーチン大統領の4選は動かない見通しだが、国民の「プーチン疲れ」を映した大規模デモで当局が多くの拘束者を出したことで、影響は長引く可能性がある。

28日、モスクワ中心部の広場はデモに集まった市民で埋め尽くされた

ナワリニー氏(中)はデモ参加直後に当局に拘束された(モスクワ)=AP

モスクワ中心部の広場には午後、若者らが集まり「これは選挙じゃない」とシュプレヒコールをあげた。治安部隊が広場から出るよう繰り返し警告。参加者は「去るのはプーチンだ」と声を張り上げ、大統領府があるクレムリンへと行進した。行進は黙認された。モスクワでのデモ参加者は数千人規模とみられる。

ナワリニー氏はデモ参加中に拘束された。同氏は自身のツイッターで「(拘束は)無意味だ」と抗議運動の続行を呼びかけた。現地メディアによると全国では250人以上が拘束された。デモに参加した大学生のニキータさんは「選挙の結果は変えられなくても抗議を諦めたらロシアはさらに悪くなる」と訴えた。

ナワリニー氏陣営によると、デモはサンクトペテルブルクやウラジオストクなど110都市以上で計画された。街頭運動で大統領選ボイコットの世論を高めて投票率を下げ「国民が真の選挙と受け止めていない」(同氏)ことを示す狙いだ。28日はホームページでも各地のデモを中継。警察がモスクワの同氏の事務所に押し入り、中継が中断する様子も映し出した。

ロシア中央選管は2017年12月にナワリニー氏の大統領選への立候補申請を却下した。過去に受けた有罪判決を理由としたが、同氏は「プーチン政権は(対決を)恐れて出馬を阻止した」と政治的判断だと反発している。欧州連合(EU)も「民主的選挙の見通しに深刻な疑いがある」と声明で懸念を表明した。

選挙を控え、プーチン政権は反体制派への圧力を強めている。ナワリニー氏や陣営の拠点を警察が何度も捜査し幹部らを拘束。モスクワの裁判所は22日、同氏の活動を支援する基金の閉鎖を命じる決定を出した。

大統領選は当選が確実視されるプーチン氏の事実上の信任投票となる見通し。実質的な対抗馬は不在で国民の関心は薄い。政権は目標とする「投票率7割、得票率7割」を達成し、高い支持を内外に印象づける狙いだ。

1999年の首相就任以来、プーチン氏はロシアを20年近く率いてきた。同氏を引き継ぐ指導者の不在を政治的停滞とみる世論は一定数ある。今回のデモへの対応が政権への失望を招き大統領選での投票率や得票率が下がれば、プーチン氏の指導力に疑問符がつく。

ナワリニー氏は政権汚職を追及するブロガーで、17年3月と6月に呼びかけた反政府デモは全国に広がった。過去のデモでも同氏や多数の参加者が一時拘束された。>(以上)

1/29ダイヤモンドオンライン北野幸伯<絶対権力者プーチンの再選が決して「楽勝」とは言えない理由>

http://diamond.jp/articles/-/157404

中国が民主化した暁には、今のロシアと同程度の民主主義になるのではと想像される記事です。敵を立候補させないのは香港と同じやり方です。プーチンは投票率70%、投票率70%目指すとしていますが金正恩ではあるまいし、そんなに高い支持率が必要なのかどうか。1/29日経朝刊に依れば安倍内閣の支持率は55%、不支持率は37%とのこと。これでも普通の民主主義国では支持率は高い方でしょう。長期政権になればなるほど支持率は下がりますから。

北野氏の記事で、共産党のグルディニンが対立候補として2位につける可能性は高いとのこと。メドほどではなくてもプーチンも隠し資産があるような気がしますが。それが暴露されない限りプーチンは安泰と言う所でしょう。

池田氏記事でロシアのラブロフが「イージスアショア」で日本に文句を言ってきているとのことですが、「自衛の権利は各国が持つ」し、「そもそもロシアは日本を標準にした核ミサイルを撤去すべき」、「イージスアショアは防御用武器」というのを強く主張しないと。

1/29JBプレス 渡邊 光太郎<ロシアなしでは日本も世界も自動車を作れない 世界の自動車産業はスターリンの遺産に依存する>「ノリリスクの鉱脈が特殊なのは、含まれる白金族元素の量が通常ではあり得ないほど多いことである。」「パラジウムは1つの狭い地域で世界の40%を超える産出量をもたらしており、ノリリスクの鉱山は世界最良のパラジウム鉱山と言ってよい。

 なお、パラジウムはプラチナと類似の性質を持つ白金族元素で、化学的に安定、触媒として機能するという性質を共有する。」「例外的な時期を除き、プラチナの方がパラジウムより高価なのだが、現在は価格が逆転し、パラジウムの方が高価である。」「そんな立派な資源が全くない日本からするとひたすら羨ましい話である。もっとも、ノリリスクは金属産業による汚染により、ロシアで最も汚染された町と呼ばれているというオチがある。」「窒素酸化物は還元、有機物や一酸化炭素は酸化という真逆の反応で無害化するが、触媒コンバーターには酸化・還元の両方を一度に行う三元触媒という優れものの触媒が仕込んである。この触媒に白金族元素のプラチナ、パラジウムなどが使われている。」「プラチナというと宝飾品のイメージが強いが、2016年のリサイクルを含めた世界のプラチナ需要量244トンのうち、自動車触媒用は102トンを占めている。

 一方宝飾品は68トンであり自動車用よりも少ない。パラジウムでは需要量304トンのうち、自動車触媒用は229トンであり、4分の3が自動車産業によって消費されている。 ちなみに、日本の自動車産業は2016年にプラチナ10.3トン、パラジウム26.7トンを使用した。」「プラチナ産出量は1位南アフリカ、2位ロシア、3位ジンバブエである。南アフリカだけで産出量の7割を超え、ロシアが加わると8割を超え、ジンバブエが加わると9割を超える。 もちろん日本やその他工業国でのリサイクルもあるが、リサイクルによる供給量はプラチナ供給量の2割ほどなので、世界はプラチナの7割を南アフリカ、ロシア、ジンバブエに依存しているのである。」「パラジウムでは、産出量1位ロシア、2位南アフリカ、3位カナダである。しかし、カナダはロシアと南アフリカに比べると5分の1程度の産出量しかなく、ロシアと南アフリカだけで産出量の7割5分、リサイクル分2割を足してもロシアと南アフリカに供給量の6割を依存している。」

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/52179

いくら資源があっても、資金と技術が無ければ宝の持ち腐れでは。価格が高騰すれば中国のレアアースと同じく代替品開発競争が激しくなり、使用されなくなる可能性もあります。

1/28日経朝刊<欧州、強まるポピュリズム 独仏は下院選の得票20%超 イタリアでは第1党うかがう>

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26239490X20C18A1SHA000/

1/29宮崎正弘氏メルマガ<チェコ大統領に「反移民」、「反EU」、「反NATO」のゼマン氏が再選

中欧に政治の地殻変動が始まっている。>

http://melma.com/backnumber_45206_6639180/

欧州は反EUの流れは止まらないのでは。そもそも難民受け入れに甘く、自国民の犠牲が大き過ぎます。日経は相変わらず大衆迎合主義(ポピュリズム)とか極右とか言って非難じみた言葉を使ってイメージを貶めようとします。でも選んでいるのは国民だという事をお忘れなく。記者が高みに立って論評する話ではないでしょう。共産主義国に住んでいる訳でもないのに。国民の選択が第一です。

記事

米ロ関係はトランプ米政権発足後も一向に改善の兆しがみえない。米大統領選へのロシアの介入疑惑の影響がやはり大きいが、ここにきて一段と関係を冷え込ませかねない懸案が持ち上がっている。核戦略を中心にした安全保障問題をめぐるあつれきだ。

1987年12月、当時のゴルバチョフ・ソ連共産党書記長(左)とレーガン米大統領(右)は中距離核戦力(INF)全廃条約に調印した(写真:ロイター/アフロ)

「現在のような複雑な国際環境にあって、ロ米間の建設的な対話は世界の戦略的安定強化に欠かせない」――。プーチン大統領は昨年末、米国のトランプ大統領に宛てた新年のメッセージで、関係改善への期待を示した。

米大統領選でロシアとの関係改善の必要性を訴えたトランプ氏が大統領に就任してから1年。米国では大統領選への介入の有無を含めたロシアとトランプ政権の不透明な関係をめぐる「ロシア・ゲート」疑惑への追及が続き、関係改善どころではない。トランプ、プーチン両大統領による公式の首脳会談も、ドイツのハンブルクでの国際会議の場を利用して昨年7月に一度開かれただけだ。

ロシアでも対米関係修復への期待は急速にしぼんだ。プーチン大統領も昨年末の記者会見では、いわゆる「ロシア・ゲート」疑惑の影響を指摘しつつも、トランプ大統領が今でもロシアとの良好な関係を望んでいるのか、あるいは希望を完全に失ってしまったのかは「本人に聞いてみなければわからない」と述べていた。

一方で、関係正常化によって米ロが「共通の脅威」に立ち向かう必要性も強調。その具体例として国際テロや環境対策、大量破壊兵器の拡散防止、中東や北朝鮮など世界各地で起きている危機の克服を挙げていた。こうした自らの意向をトランプ大統領への新年のメッセージにも込めたわけだ。

当然、外交辞令の要素は無視できないが、ロシア大統領選後の今年5月からの次の任期を踏まえれば、極端に冷え込んだ米ロ関係をそのまま放置しておくわけにもいかないという思いもあるのだろう。

とはいえ現実は厳しく、米ロの確執は今後一段と先鋭化しかねないのが実情だ。米政界を揺るがす「ロシア・ゲート」疑惑もさることながら、両国の国益に直結する安全保障問題をめぐる対立が鮮明になりつつあるからだ。

トランプ政権の「核兵器重視」で「核軍縮」が台無しに

トランプ米大統領は昨年12月、安保政策の指針となる「国家安全保障戦略」を発表した。新戦略は中国とともにロシアを、米国の国益や国際秩序に挑戦する「修正主義国家」と断じ、競争勢力と位置づけた。ロシアについては軍備力も再び蓄積しているとし、強い警戒心もあらわにした。

国家安保戦略の発表を受け、米国防総省は今年1月中旬に「国家防衛戦略」を公表。中ロを「戦略上の競争相手」とし、大国間の競争が最優先の懸案になるとして核抑止力やミサイル防衛といった米軍の体制増強を進める必要性を強調した。ロシアが核戦力の増強・近代化を進めていることもあえて指摘した。

トランプ政権はさらに、米国の核戦略の指針となる「核体制の見直し(NPR)」を近くまとめる予定だ。米メディアなどの報道によれば、「核なき世界」を唱えたオバマ前政権が2010年にまとめた前回のNPRを大幅に修正し、核兵器を再び「重要な要素」と位置づけてその役割を拡大する方針を明記。核戦力の優位性を保つことで、中国やロシアの脅威に対抗する姿勢を強調するという。

冷戦時代に米ソが核軍拡を競った名残で、世界の核弾頭の9割以上をいまだに米ロが保有する。経済規模、国防支出額、生活水準、国際社会への影響力などほとんどの分野で米ロ間に圧倒的な差が生じるなか、核戦力はほぼ例外的に双方の力が均衡する分野だ。両国間の核軍縮交渉は当然、最重要の懸案となり、緊張緩和と関係改善を印象づける象徴ともなる。

ところが、トランプ政権が中国とともにロシアを「戦略上の競争相手」とみなし、特に核戦略の分野でロシアへの対抗姿勢をむき出しにするようなら、核軍縮に向けた米ロの歩み寄りは望み薄だ。それどころか、両国間の既存の核軍縮合意の継続もおぼつかなくなる。既にその兆候が垣間見られている。

米国務省は昨年12月、ソ連時代の1987年に米ソ間で締結し、翌88年に発効した中距離核戦力(INF)廃棄条約についての声明を出し、ロシアが条約に違反していると非難。今後のロシアの対応次第では対抗措置として、米国も中距離ミサイルの研究開発に乗り出す意向を示した。

INF廃棄条約はアイスランドのレイキャビクでの首脳会談を経て、レーガン米大統領とゴルバチョフ・ソ連共産党書記長(いずれも当時)がワシントンで調印した画期的な核軍縮条約だ。射程500~5500キロメートルの短・中距離の地上配備の弾道、巡航ミサイルを発効から3年以内に全廃すると規定したもので、欧州の緊張緩和とその後の東西冷戦終結に向けた大きな一歩となった。

米国務省の声明は、その歴史的な核軍縮条約の調印からちょうど30年の節目に合わせて出された。米政府はオバマ前政権時代からロシアの条約違反を指摘。トランプ政権も昨春、ロシアが欧州向けに新型の地上発射型巡航ミサイル「SSC8」を実戦配備したとし、INF廃棄条約に抵触すると非難してきた経緯もある。ただ、米国が今回の声明通りに中距離ミサイルの開発に着手するようであれば、INF廃棄条約の形骸化は避けられない。

ミサイル防衛を巡る米ロの対立が日ロ関係に飛び火

プーチン大統領は昨年末の記者会見で、こうした米国の批判に真っ向から反論し、「我々は国際安全保障の要である主要な軍縮条約から脱退することはない」と断言した。逆に米国はかつて、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約から一方的に脱退しており、INF廃棄条約についても「米国が離脱に向けた情報・宣伝工作をしている」などと非難した。

米ソ間で1972年に締結したABM制限条約は、弾道ミサイルの迎撃を目的としたミサイルシステムの開発を厳しく制限したものだ。米国はブッシュ政権下の2001年末、ミサイル防衛(MD)計画の障害になるとして一方的に脱退を宣言し、同条約は2002年に失効している。INF廃棄条約もまた、米国の一方的脱退という形で失効せざるを得なくなる懸念があると警告したわけだ。

それだけではない。プーチン大統領は「彼ら(米国)は何とかして我々を叱責し非難しようとするが、自らは一体何をしているのか」と苦言を呈し、米国が2016年5月にルーマニア南部で運用を始めた地上配備型の迎撃ミサイル発射基地をやり玉に挙げた。

ルーマニア基地のシステムは米国が主導する欧州でのMD計画を構成する一部となっているが、プーチン大統領は弾道ミサイルを追跡する艦載イージスシステムを地上に設置したものだと強調。迎撃ミサイルの代わりに短・中距離の弾道、巡航ミサイルを装備するのは容易で、「米国は既に実質的にINF廃棄条約から離脱している」と主張した。

プーチン大統領は昨年末に開いた国防省幹部との会合でも同様の主張を展開し、米国の行動は「欧州や世界の安全を損なう」と非難。米国がもたらす潜在的脅威に適切に対処する必要性も強調している。

ロシアが米国のMD構想とINF廃棄条約問題を絡めて批判し始めたことで、思わぬ影響が日ロ関係にも飛び火している。ラブロフ外相は今年1月の記者会見で、日本政府が導入を決めた地上配備型の迎撃システム「イージス・アショア」について、ルーマニアなどに配備されたシステムと同様、「攻撃兵器も装備できる万能型の発射システム」とみなしていると明かした。

日本政府はイージス・アショアを日本が運用する、巡航ミサイル「トマホーク」などの装備は不可能だ、などと説明するが、ロシア側は全く納得していない。そもそもイージス・アショアの導入は北朝鮮の弾道ミサイルの脅威に対処するためだとする日本の主張も、ロシアでは説得力を欠く。むしろロシアや中国を標的にした米国の世界的なMD網配備の一環とみなしている。

いささか古いが、政府系の全ロシア世論調査センターが昨年5月の世論調査で、ロシアに対して核兵器など大量破壊兵器を使う恐れがある国・組織はどこかを聞いたところ、回答者の50%が米国を挙げ、北朝鮮は13%にすぎなかった。こうした日ロの認識の差異も背景にあろうが、イージス・アショアの日本配備に警戒を強めるロシアが今後、INF廃棄条約の無力化に加担しているとの主張を軸足に据えて日本批判を強める恐れは十分にある。

話を米ロに戻そう。核戦力をめぐる対立が今後激化するようだと、INF廃棄条約だけでなく、米ロが2010年に調印した新戦略兵器削減条約(新START)の行方にも負の影響を与えかねない。両国が配備する戦略核弾頭数を大幅に制限した同条約は2021年に有効期限が切れる。最大5年の延長が可能だが、トランプ大統領は「悪い合意」「一方的な取引」などとしばしば批判している。

プーチン大統領は「もし米国が新STARTからも一方的に離脱するようなら、世界の安定と安全の維持という観点から大きなマイナスになる」と警告するが、先行きは一段と不透明さを増す。米ロの長引く冷たい関係は、両国が長年にわたって積み上げてきた核軍縮合意も台無しにしかねない危うさを抱える。

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