『『金閣寺』と三島由紀夫と天皇、時代に流されずに信念を持って生きる術とは』(11/14ダイヤモンドオンライン 正木伸城)について

11/14The Gateway Pundit<President Trump: American Patriots Are Not Going to Allow This Subversion of Justice to Continue>

スティーブ・バノンへの起訴を受けて。米国司法は死んだも同然では。

https://www.thegatewaypundit.com/2021/11/president-trump-american-patriots-not-going-allow-subversion-justice-continue/

11/14The Gateway Pundit<Brutal Numbers For Biden: If Midterms Were Held Today 51% of Registered Voters Say They Would Vote Republican; Just 41% For Dems – Largest Lead EVER For GOP>

気づくのが遅い。民主党は腐敗政党です。

https://www.thegatewaypundit.com/2021/11/brutal-numbers-biden-midterms-held-today-51-registered-voters-say-vote-republican-just-41-dems-largest-lead-ever-gop/

11/14The Gateway Pundit<They All Knew It Was a Lie: Photo Released of John Brennan Telling Obama About Hillary’s Efforts to Paint Trump as Russian Operative (VIDEO)>

オバマは諸悪の根源。左派ユダヤ人共々。

https://www.thegatewaypundit.com/2021/11/knew-lie-photo-released-john-brennan-telling-obama-hillarys-efforts-paint-trump-russian-operative-video/

11/14The Gateway Pundit<Dr. Fauci Admits Vaccines Did Not Work as Advertised and that Vaccinated Are in Great Danger Today (VIDEO)>

ブースター接種の勧めでは?

https://www.thegatewaypundit.com/2021/11/dr-fauci-admits-vaccines-not-work-advertised-vaccinated-great-danger-today/

11/15阿波羅新聞網<拜习会前 美中暗自过招 这个分歧难解=バイデン習会談の前に、米中は密かに勝負する この違いは解くのが難しい>米国のジョー・バイデン大統領は「個人外交」に焦点を当てているが、疫病流行の間に2年近く国を離れなかった習近平中国主席と会うときには、彼は妥協して次善のビデオ会議を受け入れる必要があった。しかし、この皆が注目する首脳会談はまだ行われておらず、双方は台湾問題で腹を立てているようである。

民主党は台湾を売らないか心配。なんせ腐敗した政治家が一杯いる。

https://www.aboluowang.com/2021/1115/1671850.html

11/15阿波羅新聞網<水深火热:华文媒体圈中的美国=水は深く火は熱い(水におぼれ火に焼かれるような苦しみ):中国語メディアの中の米国>「テキサスの電気料金は200倍に急騰した」、「米国の豚肉の価格は高騰した」。中国のインターネットとメディアに関するこれらのニュースは、米国の一部の華人を耐え難いものにした。そして、米中の市民社会の間にある「情報障壁」はまた、ある程度、両国間の関係の現状を説明している。

中共は中国内で自由な情報の流通を認めません。米国のほんの一部、短期間に起きたことを針小棒大に伝えるのは意図的で、共産主義が優れたシステムと洗脳された国民に印象付けるためでしょう。自由にモノが言えない社会の方が大問題なのに、中国国民は何とも思わない。

在米華人や在米中国人はスパイと同じく、SNS等で文化の違いを理解もせず、米国の分断に手を貸し、弱体化しようとしている。

https://www.aboluowang.com/2021/1115/1671855.html

11/14阿波羅新聞網<新华社故意恶心习近平?六中全会公报肥皂泡破灭【阿波罗网报道】=新華社通信は習近平を故意にうんざりさせた?中共六中全会の公報はシャボン玉がはじける[アポロネット報道>中共第19期六中全会は今週木曜日(11/11)に北京で閉会し、中共はその夜、全会公報を発表した。中共の喉と舌の「新華社通信」が13日発表した記事は、中共が作り出そうとした熱気を破壊し、六中全会の公報はシャボン玉を瞬間的に破裂させた。

新華社通信は11/13、「多くの国の政治家や専門学者が中共第19期六中全会を積極的に評価している」と言う記事で、「六中全会」は国際社会の注目を高く集めているとした。「多くの国の政治家、専門学者は、過去1世紀の中共の輝かしい業績を高く評価している」と。

では、新華社通信の記事に記載されているリストには誰が含まれているのか?

ジュガノフ、ロシア連邦共産党中央委員会委員長、

ロメノ・ペレイラ、ブラジル労働党国際関係書記、

エドゥアルド・レガラード、キューバ国際政治研究センター主任研究員、

レクスマンシルバドナー、スリランカシンクタンクのパスファインダー財団元常務理事、

アンリ・シャラポフ、ウズベキスタン、タシケント国立オリエンタル大学准教授、

ケビンズ・アドヒル、ケニアの国際問題学者、

アブドゥル・アジズ・シャバニ、サウジアラビアの中国の専門家、

オティナシュビリ、グルジアの「デイリーニュース」の編集長、

ロシア共産党はプーチン打倒のクーデターを起こそうとして、大捕物を受けたばかり。

https://www.aboluowang.com/2021/1114/1671669.html

11/14希望之声<大连现超级病毒 2日百人确诊 40万户被封门(视频)=大連でウイルスが蔓延 2日間で100人が確定診断 40万世帯が封鎖(ビデオ)>最近、大連市は中共ウイルス(新型コロナウイルス)の100の新規症例を通知した。当局は、疫病が深刻な庄河市の40万世帯を封鎖して厳格な管理措置を講じた。大連で猛威を振るうこのウイルスの波は、甘粛省、内モンゴル自治区、黒竜江省などのウイルスよりも感染性が高く、コミュニテイ内に広がっている。

公式メディアの報道によると、大連市は11/13の0時から24時の間に、中共ウイルス(新型コロナウイルス)の60の新規症例を追加し、その内28人が大学城の学生と通知した。大連では11/12の0時から24時の間に40の新規症例と無症状感染症の3症例が追加された。 11/4以降、大連は、235件の確定された症例と54件の無症状感染を含む、合計289件の新型コロナウイルス感染を報告している。報道によると、事件は主に科強食品会社、海闊食品会社、庄河大学城に集中している。

まだまだ外国人の日本入国を緩和する環境にはない。中国製ワクチンは入国の条件としては不適で、ずっと認めないように。

https://www.soundofhope.org/post/565506

何清漣さんがリツイート

萧生客 SSK  @ SSK2024 1時間

これまでのところ、これはカイルの自衛射撃事件に関して中国語の報道の中で最も詳細な記事である。我々の注目と支援は公正・正義を広げるのを基礎としているため、神の正義が下されることを望むすべての正直で善良な人は、この事件に注意を払う必要がある。明日の判決を祈ってください!この記事は急いで投稿した! 「特別に注目:小さな英雄カイルに対する明日の判決は、米国人に対する裁判でもある!」 https://mp.weixin.qq.com/s/5XEk2llv0jcGhh0yn2dLsA

何清漣 @ HeQinglian 8時間

イエレン財務長官は、2022年後半にインフレは低下と予想していると繰り返し述べた。

1番目の質問:現在は6.2%であり、圧迫的悪性インフレーションは7%である(ここまで行くと、基本的に後戻りはない)。この低下は、10%に上昇した後、1%または2%下がるという意味か?

2番目の質問:あなたは3か月前に今下がっていると予測した。時が来ればまた変わるのか?

あなたがFRBにいたとき、トランプに抵抗した勇気はどこにいったのか?トランプはその時少しだけ言ったが。

引用ツイート

ブルームバーグ @ business  8時間

財務長官は、2022年後半にインフレは低下と予想していると繰り返し述べた。https://trib.al/NCF8YrF

何清漣 @ HeQinglian 1時間

ニューヨーク大学ブレナンセンターの統計によると:

2021年、立法府では49の州が、投票権を制限する条項を含んで、425項目に亘る法案を提出した。

1月1日から9月まで、少なくとも19の州が33項目の法律を制定し、投票時には身元確認することを規定した。

1月1日から9月まで、少なくとも25の州が62項目の法律を制定し、その中に投票権の拡大を規定した。

brennancenter.org

投票法のまとめ:2021年10月

今までの投票法案にとって前例のない年に。19の州が33の法律を制定し、米国人の投票を困難にした。

何清漣 @ HeQinglian 1時間

法律に詳しいツイ友がいれば、来年の選挙を規制する上でこの種の法律がどの程度役立つかを詳しく説明していただきたく。

2020年の米国の選挙のスタイルはアフリカ諸国のそれと同じである。 BBCの記者は、2016年の選挙を見たときに記事を書いた。米国の6つの主な選挙操作と不正選挙には多くの特徴がある。

何清漣 @ HeQinglian 3時間

「この種の制度的硬直性の欠陥は、昨年の米国のドミニオンによる選挙窃盗に及ばない」-

私の経験によると、長く討論しても時間の無駄である。多くの人が行き詰るとテーマを変え、個人攻撃を行い、「あなたは有名人で、何をすべきか?」と言い始める。

私はあなたの文章をここに投稿する。ネチズンがあなたと話し合う気があるなら、話し合ってください。

実際、それは破壊性の観点から議論されるべきである:宝物は故意に砕かれゴミになる。

引用ツイート

文博評論 @ Desperat2021 3時間

返信先:@ HeQinglianさん、@ zhangnag100615さん

ロシアでは選挙が行われているが、ロシアの大統領と首相が交代したり、ロシアの民主主義の質は世界中でよく知られている。この制度的硬直性の欠陥は、昨年の米国のドミニオンによる選挙窃盗に及ばない:もう一つ、たとえ米国であっても、民主主義の理念に基づいた選挙制度は終身大統領の形態を排除する。米国には、大統領に選出されるための2期8年の制限がありますよね?

正木氏の記事で、三島への解釈や理解は人それぞれあって良いのではと思います。三島にとって天皇とは文化の頂点に立つ存在で、政治の頂点に立つ存在と本当に思っていたかどうか?226事件の皇道派に対する思い入れはあったとしても、逆に天皇親政となって理想と違った政治が行われれば、幻滅するでしょうし、日本に長く続いて来た尊王の歴史を傷付けることになったかもしれません。

話がそれますが、統制派や革新官僚というのは左翼思想に影響を受けて、統制経済や計画経済をすれば日本がうまくいくと思っていたのでは。エリート達は庶民の自由を少なくして自分達が指導すればうまく行くと思ってしまう。今の米中がそう。無謬に拘って軌道修正ができない。進歩派ならぬ退歩派。

三島は現実の天皇に万歳をして死んだわけでなく、日本の歴史・文化・伝統の象徴としての天皇に命を捧げたのだと思います。北一輝だって「天皇陛下万歳」を唱えずに死んだわけですから。彼は天皇を利用した社会主義者だったのでは?

三島の作品の中では『豊饒の海』の『天人五衰』が虚無的で、何とも言えず面白いと感じます。『暁の寺』も輪廻転生の芝居として見ると非常に面白いですが。

記事

Photo:PIXTA

近代日本の文学界で、いろいろな意味で三島由紀夫ほど社会に衝撃を与え、今も読み継がれている作家もほかにいないだろう。三島といえば、東京・市ヶ谷の自衛隊駐屯地で割腹自殺をしたことでも知られている。センセーショナルな事件の一方、作品の完成度が非常に高く文壇で評価されてきた。特に彼の代表作『金閣寺』は、表現の巧みさにおいて群を抜いており、現代においても人々を魅了してやまない。本稿は、同書をひもときながら、三島が訴えたかったことについて考察する。(ライター 正木伸城)

もともと三島は「天皇陛下万歳」ではなかった?

こう言ってはなんだが、三島由紀夫はとにかくおもしろい。彼は、西洋の思想や文学を独自の仕方で取り込み、自身にある日本的な感覚にそれらを融合させて、小説などの作品にまとめあげた。筆者個人的には、特に「美」の描写に惹かれる。『金閣寺』はその観点において、ずば抜けていると思う。三島作品は、日本のみならず世界中で読まれている。

しかし一方で、私たちは、三島由紀夫を受容できずにもいる。というより、どう受け止めていいのかがいまだにわからないでいる、といった方が正確かもしれない。なぜなら、彼が割腹自殺をしたからだ。あの最期とは何だったのか。あれは愚行なのか、はたまたそうではないのか。現在においてもさまざまな解釈が氾濫している。近代日本文学を代表する編み手の当時の心境は、やぶの中である。

三島は、大正14(1925)年1月14日に生まれた。この生年からもわかるとおり、彼の満年齢は昭和の年号と一致する。三島の世代は、一般的には、第二次世界大戦・太平洋戦争の「敗戦」の影響を心理的にもっとも受けたとされる。敗戦時、彼らは20歳前後だった。この世代は、大戦に加担し、敗戦に対する「責任」を感じることのできるもっとも若い世代だ。

なぜ、三島由紀夫は天皇の熱烈な崇拝者になったのか

しかし、社会学者・大澤真幸の指摘によると(以下、大澤の著作『三島由紀夫ふたつの謎』から引用・要約)、「三島は、『敗戦』ということに最も敏感になってよい世代に属している」「同じ世代に属していた吉本隆明や鶴見俊輔は、敗戦のときに受けた衝撃こそを、生涯の思想的な課題とした。しかし、三島は、敗戦にそのような衝撃を受けてはいない」「戦中や戦前に、まったく皇国イデオロギーに共感するところはなく、それをくだらないこととみなしていた。天皇の国が負けたことを嘆いてもいない」という。

三島研究で著名な佐藤秀明も以下の三島作品を引用しつつ、大澤に近いことを指摘している。それは、敗戦について三島は「何となくぼやぼやした心境で終戦を迎へたのであつて、悲憤慷慨もしなければ、欣喜雀躍もしなかつた」(『八月二十一日のアリバイ』から引用ママ)と。

晩年、三島は「天皇万歳」のイデオロギーを強く表出する。この価値観は、戦時下において広く日本人に共有された日常的な感覚でもあったが、実は三島自身は戦時中、それほどに「天皇万歳」ではなかったのだ。

そんな三島が、最終的には「天皇陛下万歳」を唱えて自決する。なぜ、彼は天皇の熱烈な崇拝者になったのか。『金閣寺』をもとに、この問いを吟味してみたい。

金閣寺に絶対の美を投影した主人公・溝口

『金閣寺』は、昭和31(1956)年1月から10月にかけて、雑誌「新潮」で連載され、完結時に書籍化された。当時から評価がいちじるしく高く、現在も多くの人が『金額寺』を三島史上の最高傑作とみなしている。同作は、昭和25(1950)年に金閣寺の見習い僧侶が実際に起こした金閣寺放火事件を題材に、三島自身の思想を事件に仮託したフィクションである。作品全体は、溝口という若手僧侶の自伝的な告白スタイルをとっている。

以下、筆者の読後感を交えながら、あらすじを記していく。

主人公の溝口は、父から教わった金閣寺の美にあこがれを抱き、育った。彼は、吃音があり、内向的な性格である。官能的で美しい有為子に気持ちを惹かれるも、あざけりを受け、軽蔑されるなどして、彼は女性との間に壁を感じるようになる。

やがて溝口は父の勧めで金閣寺に入り、僧侶としての修行に入った。ところが、実際に初めて金閣寺を見たとき、彼は「美しい」と感じることができなかった。一方で、彼の心の中での「美しい金閣寺」のイメージは強化されていく。特に、戦時下で空襲の危機感が高まると、「もしかしたら金閣寺が焼失するかもしれない」という連想から、金閣の美しさが増して輝いていった。

戦後、溝口は仏教系の大学に進学。そこで、両足に内反足の障害がある柏木と出会う。柏木は、女性を扱うことにかけては詐欺師的な巧みさを持っていた。そんな彼の手引きで、溝口に、女性と肉体関係を持つ機会が訪れる。が、交わろうとした瞬間、金閣の幻影が現れ、溝口は不能に陥ってしまう。

これが、何度か続いた。すると、そのうち溝口は、自身に起きていることをおぼろげながら悟っていく。女性に、美はある。しかし溝口にとっての美は金閣が占領するものだった。溝口の中での金閣の美は、誇大妄想的だ。それがあまりにも強烈すぎて、彼は女性を前にしてもそこから美を見いだせず、性的な機能不全になるのだった。

そこで彼は、金閣寺を焼くことを思い立つ。彼は寺におもむき、直前に無力感にさいなまれながらも放火を決行。自身も同寺の三階で死のうとするが、扉が開かず、結局は裏山へ逃げる。そして、逆転、溝口はこう考えた。(以下、引用ママ)

「ポケットの煙草(たばこ)が手に触れた。私は煙草を喫(の)んだ。一ト仕事を終えて一服している人がよくそう思うように、生きようと私は思った」

絶対性の追求と決別する宣言書が『金閣寺』

実は、『金閣寺』の中で天皇の価値をうんぬんする直接的な表現はない。三島由紀夫が天皇について熱く語ったり書いたりするようになったのは、実は昭和40年代(1965年頃)以降になってからである。天皇に関係するもっとも重要な小説『英霊の聲』を発表したのは、昭和41(1966)年。続く作品としては、小説『奔馬』で三島が天皇への忠義を描いている。そうした流れにおいて、三島は、昭和43(1968)年に「文化概念としての天皇」をいよいよ提起し、天皇崇拝の方向を明示していった。その行きつく先が、割腹自殺である。

では、三島は昭和40年代以前には天皇に関心がなかったのか。筆者は、そうではないと考えている。

三島は、作家人生全般にわたって、「言葉と現実の合致」を意識してきた。言葉から連想されるものとリアルの間にギャップがあるとき、彼はそれを埋めようとした。『金閣寺』においても、主人公・溝口は「金閣寺」という言葉から抱く絶対的な美のイメージと現実の金閣寺の間にギャップを感じ、それを埋めようとした(金閣寺を焼くという行為によって)。

これは、戦時中に現人神(あらひとがみ)とされた天皇と、戦後に「人間宣言」を行った後の天皇のギャップに驚くも、それをさまざまな形で埋めていった大衆の心情変化に通じる構造を持っている、と筆者は感じている。

10代半ばから書き始め、45歳で自ら生涯を断ち切るまで、およそ30年間の三島の執筆人生には、さまざまな変化があった。前半生では、三島はほぼ天皇への言及をしていない。彼の前半の作品群は「絶対的な美」の追求・表現に費やされている。

しかし、彼とて、戦時中においては、天皇崇拝とはいかないまでも、絶対的な存在として天皇をあがめる状況には強く触れていた。それが戦後、手のひらを返したように天皇=人間として社会に天皇が受容されるのだから、彼も戸惑ったに違いない。

三島には、戦後社会が「寄る辺なきもの」と映った。だからこそ彼は、ちょうど彼の作家人生の転換点にあたる『金閣寺』で、絶対的な美の追求から、現実を写し取って自身の意思表示を積極的に行うフェーズに移行した。金閣寺焼却は、そんな前半生の生き方との「決別」である、と筆者は理解している。

寄る辺なき社会の「寄る辺」が必要とされている

この考えは、筆者の独断ではない。近年でいえば、三島由紀夫の評論でも知られる伊藤勝彦や、作家の平野啓一郎が指摘しているところだ。戦前・戦中から戦後へ、天皇崇拝からそうではない社会へ、人々はさまざまなものごとに影響されて、右往左往してきた。流行になびいてきた。あたかも精神的な支柱が、ないかのように。

そんな中、三島が見いだしたのが、天皇である。三島は、天皇と日本の現実のありようを作品に活写しながら、戦後社会を生きる強さを持とうとしたし、人々にそれを促そうともした。『金閣寺』が、その決意表明にあたるのだ。

主人公・溝口は金閣寺を焼いた。これは、絶対的な美との決別を意味する。そして、これは、戦前戦中に存在していた天皇の絶対性を乗り越えることの隠喩でもある。金閣寺は溝口の人生を阻んだ。女性と交わろうとするとフラッシュバック的に金閣が立ちはだかった。

一方の三島自身も、おそらく戦後社会に順応しようと努力するが、戦時中のような天皇中心の絶対性との折り合いがつけられずにいたのだろう。それが、フラッシュバック的に彼を襲ったのではないか。この意味で、『金閣寺』に登場する金閣寺は、まさに天皇に重なるものといえる。

ところが、市ヶ谷・自衛隊駐屯地で、三島が自衛隊員たちに決起を呼びかけたとき、隊員たちの反応は、かんばしくなかった。精神的支柱は、いずこに?――絶望した三島は、自殺を決行する。

彼は、寄る辺なき社会の将来を憂いた。筆者は、決してその「寄る辺」が天皇である必要はないと思うが、一方で、時代に翻弄される人々の「根なし草感」がそのままで良いとも思わない。

『金閣寺』は、そんな人々に対し、寄る辺の意義を問いかける。寄る辺とは「信念」とも呼ぶべきものだろうが、豊かな信念を持つとはどういうことかを知る上で、同書ほど示唆に富んだ小説はない。確固たる自分が持てずに、不安定で、不安で、「自分らしさ」にさまよっている人には、本書の一読をぜひお勧めしたい。

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