『戦後民主主義のもろさを露呈した緊急事態宣言』(4/14日経ビジネス 森永輔)について

4/16WHよりのメール

The left is hoping you don’t remember . . .

President Trump and many governors, Republican and Democrat, are focused on getting America through this global pandemic and back to work safely. The left’s political class, meanwhile, is fixated on something else: dividing Americans for partisan gain.
The difference is that real leaders want results. Many are working with the President to achieve just that. Media pundits and Democrat leaders in Congress, on the other hand, are in the business of manufacturing conflict. They lose out if Americans unite.
Yet the left botched the Coronavirus story again and again. Now, they blame the President and hope you don’t remember how they fought him every step of the way:

  • The President formed a Coronavirus Task Force on January 29, when there were just a handful of confirmed cases in the United States. That day, The New York Times warned its readers to “beware the pandemic panic.” By the next day, Democrats were busy fighting each other over the impeachment spotlight.
  • President Trump restricted travel from China two days later. Democrat leaders called the ban “xenophobic” and unnecessary. The Washington Post published a piece that day: “How our brains make coronavirus seem scarier than it is.”
  • In an Oval Office address on March 11, President Trump spoke about the U.S. response and announced travel restrictions from Europe. Speaker Nancy Pelosi joined the media and other Democrats in questioning the action: “We’ll see whether it’s worth the trouble.”
  • The Trump Administration negotiated with Congress later in March to get immediate relief for working Americans through the bipartisan CARES Act. Speaker Pelosi and House Democrats stalled the Senate bill with their own list of demands—filled with partisan items that had nothing to do with Coronavirus.

There are more examples, but the pattern is clear: The left attacks President Trump for overreacting to Coronavirus, then later claims he didn’t do enough. It’s a classic Washington stunt, but it won’t work this time. Americans have seen these tricks before

https://twitter.com/i/status/1249831174652014593

https://twitter.com/i/status/1249858152578920449

NYTのマギー・ハーバーマンが3/25に「トランプの採った入国制限策は、“外国人嫌い”とか“人種差別”とかバッシングされたが、疫病感染拡大には効果的であった」と述べています。米国は企業も地方自治体も官僚も動くのが早い。日本はどうして遅いのか。

President Trump is holding the WHO accountable
American taxpayers send $400-500 million to the World Health Organization each year. China, with its 1.4 billion people, contributes about one-tenth of that amount.

The U.S. foots the bill, and here is what it receives in return: A WHO response to the Coronavirus outbreak that has been filled with one misstep and cover-up after another.
The WHO repeatedly parroted the Chinese government’s claims that the virus was not spreading between humans, despite dire warnings from doctors and health officials. When Taiwan contacted the WHO in December after seeing reports of human-to-human transmission, the WHO cowered to China and kept it from the public.
In addition to covering for the Chinese Communist Party, the WHO went out of its way to attack U.S. officials working to contain the virus. WHO leaders voiced strong opposition to travel restrictions from China and other countries, despite applauding travel restrictions within China itself. That led to further spread of the virus globally.
On February 24, President Trump requested $2.5 billion from Congress in emergency funds to fight the virus. That same day, the WHO insisted Coronavirus was not a pandemic—and chillingly praised China’s government for getting it under control.
In a global health crisis, telling the truth is a matter of life and death. In this basic duty, the WHO failed. Until these mistakes are acknowledged and fixed, President Trump has halted U.S. funding for the organization. “Maybe WHO will reform, and maybe they won’t,” President Trump said. “But we’ll be able to see.”
https://twitter.com/WhiteHouse/status/1250196870305058821

https://thefederalist.com/2020/04/15/timeline-proves-who-helped-china-make-covid-19-pandemic-worse/

https://twitter.com/WhiteHouse/status/1250194670031974400     」

4/15看中国<中国自由?美官员欲见8人 华春莹隐身多日后跳针回应(图)=中国に自由はあるか?米国当局者は、8人との会見を欲する 華春瑩は数日身を隠してから関係ない回答をした(写真)>中国外交部の華春瑩報道官は「中国は言論の自由を楽しんでいる」と述べたため、米国連邦通信委員会のブレンダン・カール委員は、多くの中国の反体制派や内部告発者と話をすることを提案した。華春瑩は14日、「武漢に来ることを歓迎する」と関係ない回答をした。

カールは9日、ツイッターで華春瑩に尋ねた。「武漢中央病院救急科の部長である艾芬、市民記者の陳秋実、方斌、元CCTVキャスターの李沢華、中国民権活動家の許志永、企業家の任志強、法学教授の許章潤、武漢協和病院がんセンターの主治医である謝琳卡等と話したい」と。

カールはまた、中共当局に、「内部告発者で、疫病で亡くなった武漢中央病院の眼科医“李文亮”が警察により連日逮捕され、警告の撤回を迫られた詳細を公表」するよう要請した。

華春瑩は回答を5日間引き延ばしていたが、4/15にようやく姿を現し、彼の質問に答えた。しかし、華春瑩はカールが多くの中国人と話したいというのを見て、「カールの武漢訪問を歓迎する。武漢の成功は事実であり、架空の話ではない」と関係ない話をした。

彼女はまた、「カールは中共が“何よりも人命第一”である」ことを称賛するよう要求した。各患者ができるだけ早く治療を受けることを可能にし、中共が“世界で最も高い支持率”を享受できるようになったとも述べた。

華春瑩の対応に対してカールは少し遅れて反応した。華春瑩がこれらの反体制派の名前を目にしたことをとても嬉しく思い、同時に、彼女の応答が世界に向けて証明されたこともうれしく思う。これらの人々は残酷な中共政権の真相を話しているだけでなく、いなくなってしまっている。しかし、カールは、華春瑩は彼の質問について答えていないと指摘した。「我々が話すことができるよう、お手数ですが彼らがいなくならないようにできますか?」

共産国では良心を持った人は潰されるということです。華春瑩のように平気で嘘がつけないと生き抜いていけない。まあ、「論理のすり替え」は中国人の得意とするところですが。中共は「言論の自由」の定義をわざと捻じ曲げて解釈しています。「言論の自由」とは政府や支配政党を批判できる自由のことです。共産主義体制ではあるはずがない。

https://www.secretchina.com/news/gb/2020/04/15/929914.html

4/15看中国<纳瓦罗:世卫偏袒中共导致疫情大爆发 手上沾满鲜血(图)=ナバロ:WHOは中共を依怙贔屓し、パンデミックを齎した 彼らの手は血塗られている(写真)>WH経済顧問ピーターナバロは4/14(火)フォックスニュースに、「武漢肺炎の大流行は初期段階での世界保健機関(WHO)の不作為と幾度もの中共への庇いが世界的なパンデミックにつながった。WHOは言い逃れるのは難しい。“手はすでに血で覆われている”」と語った。

ナバロは番組で次のように述べた。「WHOは基本的には情報を隠蔽しない。しかし、各国政府が武漢肺炎をパンデミックとして確認した後でも、彼らは武漢肺炎をパンデミックとして宣言していない」

「彼らの手は血塗られている」と彼は続けた:「トランプ大統領は事件発生とWHOにおける中国(中共)の演じた役割の完全な調査を要求した。それは絶対に正しいと思う 」

彼は、「国際社会にとって、WHOが現在のように皆を失望させ、このような深刻なパンデミックでひどいパフォーマンスを見せたことは受け入れられない」と述べた。

テドロスは米国が資金を出さないものだから、加盟国に資金を出すよう要請するようです。日本政府は「先ず、米国の要求している調査を受け入れ、明らかにするのが先決」と毅然と拒否すべき。資金拠出は中共の国際組織支配の手助けをすることになります。

https://www.secretchina.com/news/gb/2020/04/15/929877.html

4/16看中国<台湾何时骂谭德塞“黑鬼”?赵立坚答不出 美国会致函世卫(图)=台湾はいつテドロスを黒んぼと言ったのか? 趙立堅は答えることができず 米国は世界保健機関に書簡を送る(写真)>世界保健機関のテドロス事務局長は、4/8ジュネーブでのWHO本部記者会見で、彼を“黒んぼ”と台湾が呼び、人種差別であるとして非難し、中共外交官もそれに続いたと語った。4/15(火)の定例記者会見で、中共外交部の趙立堅報道官は、“フランス通信社”の記者から「台湾当局はこの用語をどのようなときに使ったのか?」と尋ねられた。 趙立堅は答えることができなかった。米国は新型コロナウイルス(中共ウイルス、COVID-19とも呼ばれる)の調査を正式に開始し、資料を取り寄せるためにWHOに書簡を送った。

VOAの報道によると、共和党のリック・スコット上院議員と他の6人の共和党員が4/14(火)にテドロスWHO事務局長宛に連名で書簡を送り、議会がWHOに対しての公聴会を開催し、調査に着手する前に、新型コロナウイルスの流行状況についての関連情報をWHOに求めるもの。

「米国議会は世界保健機関に新型コロナウイルスについて、独自の詳細な分析を終えるように求めているが、我々は今に至るまでまだ何の行動も見ていない」とスコットは手紙の冒頭に書いた。

この書簡は、WHOと中国との関係に焦点を当てたものである。スコットが求めているのは、WHOは新型コロナウイルスの流行についての情報を提供し、昨年12月の発生前にWHOがどのような手順を踏んでいたか、標準的な手順と措置に従ってWHOは新型コロナウイルスの流行についてどのような措置を講じたか、中国での「SARSに似た」可能性のある症例をWHOがいつ知ったのか、WHOチームが最初に中国に到着して新型コロナウイルスの調査を実施したのはいつなのか、WHOの誰が新型コロナウイルスの緊急事態に対応するために中共と協調したのか、WHOリーダー層はWHOの給与に加えて他の収入を受け取ったかどうか、一連の質問に答えてほしいと。

さらに、スコットはまたWHOのリーダー層に4/27までに、2019年10月1日から2020年3月12日まで、中共ウイルス(新型コロナウイルス、COVID-19とも呼ばれる)の流行に関する記録と資料をすべて提供するよう要請した。 電子メール、テキストメッセージ、ハードディスク、文書、中共が提供した関連する分析研究やデータなど。

WHOは、全資料は出せないでしょう。隠蔽がバレるから。日本は4/27までのWHOの資料提出をよく見ておくべきです。

https://www.secretchina.com/news/gb/2020/04/16/929956.html

4/16希望之声<网友直击:广州天马服装批发市场门口出现随地倒 广州危急?(视频)=ネチズン直撃:広州天馬のアパレル卸売市場の入口で、誰かが倒れる 広州は危ない? (ビデオ)>4/15、ネチズンによって公開されたビデオは、広州天馬アパレル卸売市場の入口で、人が歩道で倒れていて、4人の防護服を着た救急隊員が治療をし、救急車が横に駐車していたことを示した。

中国全土が危ないということです。

https://twitter.com/i/status/1250400452484595714

https://www.soundofhope.org/post/367381

2020年3月訪日外客数 (JNTO推計値)によれば、3月の中国からの入国は10,400人、韓国からは16,700人となっています。彼らが入国できた理由が知りたいです。それと検疫方法はどうやっているのかを。

https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/visitor_trends/

森氏の記事を読んで感じたのは、①今の日本人の思考停止・・・大きく言えばフィクション憲法に制約を受け、危機についてあり得ない、起こらないという前提の思考に飼い馴らされて来たためではないでしょうか。今はウイルス戦争という有事であることに気づかず、平時対応をしているから“too late, too small”になります。②左翼リベラルからの洗脳・・・学界・メデイア・官僚が伝統や道徳を軽んじることが「進歩」と国民に絶えず植え付け、異論は許さず、PCとか差別問題に摩り替えます。ここでも思考停止してしまいます。③情緒より論理を・・・アジや詐欺に強くなるためには、合理的思考を重ねて見破ることが国民全体のレベルで必要と思います。多面的な情報収集と、自分の頭で考える習慣をつけることが大事です。

有事の議論を平時にしておくことでしょう。他国から攻撃を受けた時や自然災害、今度の疫病のように危機に際して国民一人一人がどう行動すべきか、自助・共助・公助をどのように整理するのか。トリアージの受入も。公共の福祉のために私権制限もやむなしと考えますが、どの程度なのかを福田氏の言うように平時に議論しておくことが大事と思います。

今の日本人には道徳で縛るのは難しく、ペナルテイも必要と考えます。ただ、外出禁止のペナルテイではなく、より危険度の高い「検査拒否」、「検査待機時の遁走」、「隔離の不遵守」等について罰金を科すようにした方が良い。でないと感染拡大の危険性が高まります。

記事 

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐべく、安倍政権が4月8日、ついに緊急事態宣言を発出した。外出自粛と休業の要請の先に浮上する可能性があるのは罰則の問題だ。さらに、感染症に対する国際的な政策協調にどのような態度で臨むべきか。危機管理の専門家である福田充・日本大学危機管理学部教授と一緒に考える。

(聞き手 森 永輔)

都内の多くの百貨店が、食品売り場のみの営業となっている

—後編は、緊急事態宣言に伴う措置の具体的な内容についてうかがいます。外出の自粛については効果も分かりやすいし、国民の間にも広くコンセンサスがあると思います。一方、休業要請はどうでしょう。暮らしと経済にかかる犠牲の大きさに照らして、感染拡大防止の効果が十分にありますか。

福田:これは究極の選択です。

危機管理にはソフト管理戦略とハード管理戦略の2つがあります。ソフト管理戦略は普通の生活を続けつつ、危機を管理する手法。企業は通常通りに業務を続けるので、経済的ダメージは小さい。死者も出ますが、仕方がないと割り切る。現在、スウェーデンがソフト管理戦略を取っています。効果のほどはまだ判明していません。

福田 充(ふくだ・みつる)
日本大学教授 危機管理学部部次長。1969年、兵庫県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。博士(政治学)。専門は危機管理学、リスクコミュニケーション、災害対策、テロ対策など。コロンビア大学客員研究員、日本大学法学部教授などを経て2016年より現職。内閣官房新型インフルエンザ等対策有識者会議委員など政府の有識者会議、委員会の委員多数。著書に『リスクコミュニケーションとメディア』(北樹出版)、『テロとインテリジェンス~覇権国家アメリカのジレンマ』(慶應義塾大学出版会)など。(写真:加藤 康)

ハード管理戦略は中国・武漢のスタイルです。都市からの出入りはもちろん、家からの出入りも禁止する。仕事もすべて休みにする。これは経済的ダメージが大きいし、社会が破滅する危険すら伴います。その代わり、早く収束する可能性がある。中国が発信している情報がすべて正しいとは限りません。しかし、それでも収束に向かい、封鎖を解除することができました。

このどちらを選択すべきなのか。大事なのは、選択に際しての考え方を平時に議論しておくことです。

感染拡大の防止を最優先するという極端な前提を置くならば、中国・武漢のように完全封鎖するのが適切でしょう。日本も時間を無駄にすることなく、もっと早く緊急事態を宣言し、ハード戦略を取っていれば、もっと早く収束させることができたかもしれません。

ただし、これができるのは中国が社会主義国だからです。日本に、これを可能にする法律はありません。

今の日本は、ソフト管理戦略とハード管理戦略の中間のどこを落としどころとするか定まらず、うろうろしているように見えます。

国と都道府県の役割をめぐる欠陥

—国と東京都が、休業要請を出すか否か、その対象業種として何を指定するか、をめぐって綱引きを演じました。これは、落としどころをめぐる考え方の相違だったととらえることができます。

福田:そのように整理するとよいでしょう。ここでも、安倍政権は段階的説得を採用したわけです。まずは外出の自粛を要請する。その効果を見定めてから、必要ならば休業要請に進む。

—福田さんは国と東京都のどちらの姿勢が適切と考えますか。

福田:東京都が適切と考えます。最初に強い施策を打ち、早期の収束を図る。ただし、安倍政権の立場も分かります。今の財政事情を鑑みれば、休業補償の要求につながる休業要請を軽々に出すわけにはいきません。

ここにも「新型インフルエンザ等対策特別措置法」(以下、新型インフル特措法)の欠陥があります。緊急事態宣言は首相が発出するものですが、都道府県知事が判断して個別の事例に対応することになっている。意思決定の切り分けと優先順位が明確でないのです。どうあるべきかの建前もないし、現実に実行した経験もない。今回が初めてですから。

このような重要なことを、危機を目前にして決められるわけがありません。これも平時に時間をかけて議論し、基本法に盛り込むべきテーマです。業界団体との調整も必要でしょう。

—基本法を制定するとして、感染症という都道府県をまたいだ問題に対処するには、都道府県に権限を下ろすのではなく、政府が集権的に対処する方が適しているのではないですか。

福田:これは難しい問題です。危機の種類に応じて、あるべき対応の仕方が異なるからです。

戦争やテロは国がリーダーシップを取るべき危機で、法制度もそうなっています。国民保護法や安保法制がそれです。

これに対して、災害と感染症は都道府県が中心となる構造が歴史的に出来上がってきました。例えば消防や医療は都道府県単位に構成されている。東京の消防は東京消防庁が管轄します。指定医療機関も各都道府県が指定する仕組みになっています。熊本地震は、熊本の消防や医療機関で対処できるわけです。

ところが人の移動が拡大するにつれて、感染症は都道府県での対処が適切でなくなってきました。例えば埼玉県や神奈川県に住む人は、東京の仕事場に通勤するわけです。そして感染は、県境だけでなく国境も越えてグローバルに広がる。この時代に都道府県単位で対処するのは適切かという問題が浮上するゆえんです。なので、国が関与を強める方向には合理性があると考えます。

加えて、今回の感染拡大が持つ特殊性も、都道府県単位での対応を難しくしてる面があります。問題の質が高度に科学的で、それに対処できる人材と情報を政府が独占しているのです。新型コロナウイルスの特性を分析したり、クラスターの対処に当たったりできる人材は会議体レベルでは政府にしかいません。専門家会議に出席できるような専門家も都道府県単位で地方自治体が独自にそろえるのは困難です。国がリーダーシップをとってマネジする必要があります。この難しさは、実は原発事故の対応にも当てはまるものです。

市町村に権限を委ねる、川崎市と山北町は事情が異なる

—次は、前の質問と矛盾する質問です。権限を、さらに市町村に下ろす選択肢はありませんか。国と東京都が、休業要請とその対象を調整する過程で、神奈川県の黒岩祐治知事は「神奈川と東京は一体」と強調してきました。一時、発言が揺れましたが。最終的に4月10日、東京都と同じく11日から休業要請をすることを決定しています。

 しかし、神奈川県といっても、東京都と一体なのは川崎市など神奈川県東部の市町村に限られるのではないでしょうか。西部の静岡県に近い町で「神奈川と東京は一体」であることを理由に休業要請をすれば、地域の経済をむだに傷める可能性があります。

福田:その選択肢はあり得ると思います。

自然災害への対処と似た対処をするということです。実は、自然災害への対処において、都道府県の役割はあまり大きくないのです。福島第1原発の事故でも、最前線で住民への避難や情報伝達などの対応に当たったのは双葉町などの市町村レベルでした。津波への対処で中心となったのは、宮城県ではなく仙台市です。ふだんの生活でも県を意識することはあまりないですよね。横浜市の人は横浜市民と思っているし、鎌倉市の人は鎌倉市民と思っている。

ただ、市町村は人材も財源も限られています。危機対応能力は低いと言わざるを得ません。小田原市だけですべてを賄うことはできないわけです。政令指定都市ならばともかく。

都道府県と市町村との間の権限の切り分け、優先順位の整理が明確になされていないことも、新型インフル特措法が持つ欠陥の1つです。

危機を目前に「罰」を定めるのは危険

—非常事態宣言に伴う外出の自粛も休業要請も、いずれも「要請」であって罰則を伴うものではありません。これは、適切でしょうか。例えばフランスは、外出の許可を、食料品など生活必需品の購入、通院、在宅勤務ができない仕事に限定しています。しかも、これらを理由とする外出であることを示す書類を携行する必要がある。携行しなければ罰金を科します。

福田:今回の危機において罰則を導入するのは反対です。日本は民主国家であり、民主国家は罪刑法定主義を取ります。基本は2つ。罰則は法律で定める。法律が制定される以前にさかのぼって適用することはできない。そして、法律は社会が安定している時に作るべきです。新型コロナウイルスの感染拡大という危機を目前にした今のタイミングで、罰則を伴う法律を作るのは適切ではありません。

そのようなことをすれば、罪刑法定主義など法治主義の安定性を損ないます。危機事態に熱くなった世論が感情論にまかせて議論することで、罰則が必要以上に厳しいものになる恐れもある。罰則は「効かないからもっと強くしよう」とエスカレートしがちです。

—「なぜ自分が外出を我慢しているのに、あいつは外に出ているのだ」といった摩擦があちこちで起こりそうな気がします。海外では、家庭内暴力が増えているとの報道があります。

福田:日本は「正義の押しつけ」が強い国なのです。

—戦前・戦中に、その場の空気に従わない人を「非国民」と呼び、従うよう圧力をかけたことが思い出されます。

福田:日本人は基本的にコミュニタリアン(共同体主義)なのです。

罰則については、コミュニタリアンの傾向が強く出る危機の時ではなく、今回の危機が収束した後に、次の危機に備えて冷静に議論すべきです。

罰則や私権の制限について考えるとき、イデオロギーや政治体制の視点からも見る必要があります。

—どういうことですか。

福田:感染の拡大防止や、終息後の復興に寄与する面もあることです。中国で2008年に四川大地震が起きました。その後、同省は約2年で生まれ変わりました。土地の所有権をはじめとする私権を制限し、地方政府が主導して勝手に街を作り直したからです。社会主義、共産党の一党独裁体制だからこそ成せるわざですね。

これに対して、東日本大震災の復興は時間がかかっています。民主主義に基づいてコンセンサスを作るのに時間がかかる、さらにコンセンサスを実現する手続きが近代化しているため時間がかかる。海辺の市街地を同じ場所に作り直すのか、高台に移転するのか、話は容易にはまとまりません。所有者の許可を得なければ瓦礫一つ動かすことができないのです。

同じことが感染症対策にも当てはまります。命を守り、終息後の経済復興を加速するためには私権制限もやむなしと考えるのか、時間はかかっても、戦後75年間守ってきた民主主義に基づく価値と文化を守り続けるのか。

グローバル時代の多国間感染症対策を考える

—罰則について、少し長期的な視点の質問をします。感染症は国境を越えるグローバルな問題です。となると、都道府県単位どころか、複数の国が協調して対処する方向に向かうと考えられます。

今、欧米では罰則付きの強い措置が拡大する傾向に見えます。日本だけが罰則を導入しないという選択は可能、もしくは適切でしょうか。幸いなことに、日本は島国なので独自の選択ができる幅が広いかもしれません。しかし、もし欧州に位置していて、陸続きで隣の国と接していたら、自由な選択をするのは難しいかもしれない、と想像してしまいます。

福田:感染症を対象とする条約の締結、もしくは国際法の制定があり得ると思います。この場合、対象にするのは感染症パンデミック時における出入国管理の標準化でしょう。例えば、入国規制を科す条件を2国間もしくは多国間で相互に共通化する。そうしておけば、入国規制によって2国間関係を悪化させる懸念が小さくなります。

—今回、韓国と一時摩擦が生じました。そうした事態を避けられるわけですね。

福田:はい。他方、「外出に罰則を科す」といった問題はなじまないと思います。内政干渉になってしまいますから。各国の国内法で対処すべき問題です。

戦後民主主義のもろさを露呈

—今回の緊急事態宣言は、危機管理をタブー視してきた戦後日本の在り方を考え直す良い機会にする必要がありますね。

福田:おっしゃるとおりです。

危機管理の要諦は、人々の安全・安心を保つことです。ただ、これを重視しすぎると自由をはじめとする人権を侵害することになりかねません。安全を保つためには通信傍受も許される、ということになってしまいます。よって、考えるべきは、安全・安心の価値と自由・人権の価値--このトレードオフの関係にある2つ価値のバランスをどう取っていくか、です。

日本は敗戦の教訓を重視するあまり、危機管理をタブー視してきました。このため、このバランスに対する基本的な考え方を整理できていません。

—ポジティブリスト(やってよいことだけを列挙するリスト)もネガティブリスト(やってはいけないことを挙げるリスト。それ以外はやってよい)もない。

福田:そのとおりです。よって、基本的な考えのないまま、行き当たりばったりの政治判断で事に当たってきました。特措法が乱立しているのはこのためです。

ポジティブリスト方式で対処するのか、ネガティブリスト方式でやるのか、大きな軸を定めることがまず必要です。安全保障、テロ、感染症、自然災害--すべての危機対策に共通する軸を作る。もちろん安全保障に当てはめる時と感染症対策に当てはめる時に濃淡はあってかまいません。

こうした基本的な考えが整理されていないにもかかわらず、今回の危機に臨んで、都道府県の知事も、メディアも、立憲民主党でさえ、緊急事態宣言を出すよう政府に求めました。これは注意すべき動きです。再び、行き当たりばったりの対応を繰り返しかねない。しかも、その内容は「行け、行け、どんどん」です。私には、戦後民主主義のもろさの表れに映ります。

今回の危機を戦後民主主義の転換点にしましょう。危機が収束して平時に戻ったら、次の危機に備えていかにあるべきか、冷静に議論すべきです。

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