『補足解説3:誤解だらけの「韓国に対する輸出規制発動」』(7/23日経ビジネスオンライン 細川昌彦)、『「韓国という国はどうなってしまうのか?」よその国ながら心配になる理由』(7/23ダイヤモンドオンライン 真壁昭夫)について

7/23阿波羅新聞網<特朗普:习近平处理香港抗议事件“很负责任” 希望他做正确的事=トランプ:習近平は香港の抗議行動の処理について「非常に責任がある」 彼が正しいことをすることを望む>(記者の質問:抗議者デモは許されるかどうかどう思うか?)彼らは許されている。 中共が阻止できるとは思わない。中共が阻止したいなら、それは止められると思う。 私は深く介入しなかったことを再び言わなければならない。しかし私は中国の習主席のやり方には責任があると思う。 非常に責任がある。 私は彼らが長い間抗議してきたと思う。 私はこのような抗議行動を見たことがない。200万にも上る人が集まった。それは大きな抗議だった。習主席が正しいことをするよう願っている。既に長い間続いている。この点でいささかも疑問はない。

習近平も北戴河会議をどう乗り切るのかで頭が一杯では。でも天安門の首謀者の一人である李鵬が死んだのは、香港に同じような暴力事件は起こせないという象徴なのかも。

https://www.aboluowang.com/2019/0723/1318965.html

7/23阿波羅新聞網<在美国 该死的没死 在中国 不该死的死了=米国では死ぬべきものが生き、中国では死ぬべきでないものが死んでいる>クリステンセンは死ぬべきなのにまだ死んでいない。この事件は米国世論に疑問を呈したが、陪審員の評決を覆すよう求める人は誰もいなかった(12人の陪審員中2人が死刑に反対。判事は無期懲役の判決。彼は被害者をレイプ、バットで殴り殺し、遺体を切断し、どこかに捨てた。友達も両親も死刑を望んだが、陪審員の一人は彼を死刑にして彼女が生き返るのなら死刑に賛成するがと述べ死刑に反対した)。 張扣扣(当時13歳だったが隣人に母親を目の前で殴り殺され、路上で解剖され、頭の皮を剥された。12年後、隣人三人を復讐の為殺し、自首した)は死ぬべきでないのに死んだ。そして多くの疑問と訴えは張扣扣の生命を取り戻すことができない。 しかし、米国人の目から見れば、クリステンセンの魂は死んで刑務所に埋葬されている;中国人の目から見れば張扣扣は楊佳(2008年、北京に住む楊佳は上海で自転車に乗っていた所、警官から呼び止められ暴行を受けた。北京に帰り、上海の警察に抗議したが、正しい行いとの返事だったので警察署を襲い6人を殺し、5人に重傷を負わせた)のように英雄としてまだ生き続けており、中国人に永遠に記憶されるだろう。

米国の陪審制度で12人一致のシステムが良いのかどうか。一人でもリベラル思想に懲り固まったのがいれば死刑にできなくなります。小生は「目には目、歯に歯」政策を断固支持します。勿論、情状酌量はありです。悪人を助ける悪徳弁護士は社会の敵と思っています。

张扣扣

章莹颖        クリステンセン

https://www.aboluowang.com/2019/0723/1319106.html

7/23希望之声<CGTN主播刘欣吐槽没人帮拿行李 激起民愤后迅速删帖=CGTNキャスターの劉欣は、荷物を下ろすのを手伝手伝わないことに腹を立てSNSで発信 ネチズンの怒りに遭い投稿をすばやく削除>今年の5月、Fox NewsネットのTrish Reganの番組で、米中貿易戦争を討論した中国国際テレビ(CGTN)の女性キャスター劉欣は中共の宣伝の場としてそれを活用し、中共の公式な一枚の「愛国カード」になった。 その後、劉欣の身分が調べられ、彼女は中国国民ではなく、スイス籍の トルコ人であることが判明したが、波風は立たなかった。 最近、劉欣はウエイボーに「飛行機を下りるときに荷物を運んでくれる人はいない」と訴え、これを見た多くのネチズンが彼女を攻撃、「道徳が拉致された」と非難し、他人に荷物を運んでもらいたいのなら、少なくとも“please”くらいは付けて言わないとダメで、「プリンセス病」にかかっていると彼女を批判した。

傲慢中国人の面目躍如です。

https://www.soundofhope.org/gb/2019/07/23/n3051611.html

7/24阿波羅新聞網<中共「别再玩了」!他说川普真的超想加征关税=中共は「二度と遊ぶな」! 彼はトランプが本当に関税を課そうと思っていると言った>米中の上級幹部は最近何度か電話会談を行ってきて、貿易交渉を再開することを準備しているが、いつ面談するか正確な日程は決まっていない。 “CNBC”ファイナンシャル番組のキャスターのJim Cramerは7/22(月)に「貿易戦争は1年以対立したままで、中国はまだ米国の農産物を購入していない。トランプは “本当に関税を課したい”と思っている」と述べた。

先月末のトランプ・習会談の後、双方は予備的合意に達し、中国はすぐ米国の農産物の購入を約し、米国は一時的に3,250億米ドル相当の追加関税を課さないようにした。 しかし11日にトランプは「中共は約束を守らず、がっかりした」とツイッターで批判した。 農産物購入増は、中国との米国の貿易赤字を減らすのを助けるだけでなく、トランプの農民票を強固にする。

Jim Cramerは、「トランプの忍耐は限界に近づきつつあり、次のツイッターで中共への怒りを爆発させるだろう」と考えている。「私は多くの企業と話をした。彼らは次の関税への準備ができている。中共はこれ以上政治を弄ばず、農産物を迅速に注文するほうがよいだろう」と。

中共の公式メデイアの新華社は21日夜、「中国企業は米国からより多くの農産物を購入するが、国内市場のニーズに基づいて初めて、米国に発注できるが、まだ増加注文が明らかでない」と報じた。

韓国人と同じく、嘘つき中国人に期待しても駄目で、米国はさっさと追加関税を賦課した方が良い。日本もさっさと韓国に追加制裁すれば良い。各省庁横断、一致団結して韓国を奈落の底へ突き落としてやるが良い。

https://www.aboluowang.com/2019/0724/1319415.html

細川、真壁両氏の記事は韓国に対して日本の正当性を訴えるものです。当然といえば当然、ただ敵は農水産物の上級委員会裁定のように、上級委員に何人もずっと張り付いて訴え続けたそうで、普通に考えれば強要罪にも当たるのではと思うくらい運動したようです。当然報酬として賄賂が払われたのは想像できます。日本も相手の土俵を変えて、さっさと金融制裁に進めばよいのに。拙速を尊ぶようにしたら。

米国が戦後創った国際組織は全部おかしくなっています。共産主義国を入れたからでしょう。フランクフルト学派の理論通りに、国民に不満を持たせて体制を引っ繰り返させる、それが暴力革命でなく民主的手続きに従ってでもというように、国連、WTO、IMF、世銀もリベラルに乗っ取られているのでは。左翼・リベラルは腐敗しやすい。元々容共だったFDRが作った組織だから、左翼に甘くなってしまうのも仕方がないのかもしれませんが。ただ、声を大にして言いたいのは、共産主義は3権分立していなくて、為政者が何でもできる政治スステムで、人権侵害、宗教弾圧、虐殺、粛清は当り前です。日本人はもっと共産主義の恐ろしさを直視しないと。

細川記事

韓国に対する輸出規制発動」に関する問題で、「日本の措置はWTO違反ではないのか」「世界の供給網に大打撃になるのではないか」といった声が聞かれる。だが、かつて経済産業省貿易管理部長としてこれらの問題に対応してきた細川昌彦氏は、「WTO違反も世界の供給網への打撃もない」と主張する。安全保障の輸出管理制度の中身をおさらいしながら解説する。

関連記事:
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補足解説:誤解だらけの「韓国に対する輸出規制発動」
補足解説2:誤解だらけの「韓国に対する輸出規制発動」

韓国では日本への反発が広がっている(写真:AP/アフロ)

 「韓国に対する輸出規制発動」に関する報道は、当初は「禁輸」「元徴用工問題への対抗措置」といった刺激的な見出しが踊っていたが、3週間ほどたって、さすがに過激な報道はトーンダウンしてきた。だが、いまだに正しい理解がなされているとは言い難い。その結果、日本の報道を受けて韓国は過剰反応している。

 実際には今回の措置は、韓国向けの輸出管理の手続き・運用の見直しにすぎない。本来、その影響は限定的で、冷静に見極める必要がある(関連記事:誤解だらけの「韓国に対する輸出規制発動」)。

安全保障の輸出管理制度のおさらい

 まず、安全保障の輸出管理について基本的なことを押さえておきたい。一部繰り返しになるがお許しいただきたい。

 1980年代から西側先進国を中心に、軍事転用可能な物資が危険国に流出しないよう、輸出管理を行うことが国際的に合意されている。そして30~40のメンバー国がそれぞれ各国の責任と判断の下、この国際合意を履行している。そこでは厳正に個別審査を行うことが原則だ。

 さらにメンバー国には輸出管理おいて、特に信頼できる相手国向けの輸出には特例的に簡便な手続きを認められている。日本では「ホワイト国」と呼んでおり、アジア諸国の中で韓国だけがこのホワイト国であった。

 各国には類似の制度がある。ちなみに欧州連合(EU)は最上位の信頼できる相手国として8カ国を指定している。日本は当然、8カ国に入っているが韓国は入っておらず、韓国はトルコやアルゼンチンとともに第2グループだ。これがEUから見た“信頼度ランキング”なのだ。

 それは輸出国の判断で行い、その結果、万が一、危険国への流出など問題が起こった場合にはその責任を負うことになる。相手国と協議するような性格のものではなく、どこの国も協議せず、自国の判断で行っている。

 今回日本はその義務を果たすために、韓国向けの輸出について特例的な包括許可から国際的な原則である個別許可の手続きに運用を「戻した」のだ。韓国をホワイト国に指定したのは2004年なので、それ以前の運用に戻したとも言える。

 包括許可を運用している中で、頻繁に管理がずさんな「不適切事案」が発生していることを把握すれば、これを放置することは輸出国としては許されない。ずさんな管理の結果、仮に第3国への流出につながることがあれば、日本は国際的に管理義務を果たしていないと厳しく糾弾されることになる。今回の措置は日本としては国際的に当然しなければならない措置なのだ。

 こうしたことを押さえておけば、最近話題になっている「WTO違反」や「世界の供給網への打撃」の可能性について、答えは明白だ。

「WTO違反」にはならない

 まず世界貿易機関(WTO)との関係である。

 韓国は、日本の措置はWTO違反であると主張すべく、7月24日にWTOの一般理事会で意見表明する予定だ。日本のメディアの中には識者のコメントとして「WTO協定違反も」との意見を掲載しているものもある。そして「安全保障を名目にした貿易ルールの恣意的な運用との批判もある」としている。

 果たしてそうだろうか。

 こうした論調の記事を見て、安全保障の輸出管理を少しでも理解する者は、驚いたはずだ。輸出管理を専門とする米国の弁護士に話を聞くと、記事の英訳を読んで「信じられない」と話していた。

 前述したように、安全保障の輸出管理は国際合意に基づいて、メンバー各国がそれを履行している。WTOの協定上、安全保障に関してはWTOの例外扱いになっている(GATT21条)。安全保障の輸出管理における国際的な枠組みを実施するための措置がWTO協定の例外になることは、国際的には「自明の理」なのだ。

 今回の日本の措置がWTO違反になるのならば、メンバー各国が実施している安全保障の輸出管理は全てWTO違反になってしまう。そして2004年以前に日本が実施していた韓国への輸出管理もWTO違反ということになってしまう。

 しかも今回の措置は新たな規制の導入でもなく、国際合意を適正に履行するための手続き・運用の見直しにすぎない。トランプ米大統領が安全保障を理由に身勝手な論理で中国に対する事実上の禁輸措置を繰り出しているのとは、本質的に話が違う。これを同列に議論すること自体、誤解に基づくものである。前出の米国弁護士があぜんとしたのも当然だ。

 WTOルールの専門家であっても、国際的な安全保障の輸出管理制度を理解していない学者が多い。韓国側の中には、こうした日本の記事を引き合いに出して、「日本の専門家もWTO違反の恐れありと指摘している」と主張しているから、メディアの責任は極めて重い。

政治目的での規制なのか?

 これは当初から、元徴用工の問題での韓国側の対応に対する「事実上の報復措置」と繰り返し報道されたことにも起因する。安倍総理も「国と国の約束が守られる信頼関係が損なわれた」と言い、世耕経済産業相のツイッターでも今回の措置の経緯説明の中で元徴用工問題に言及していることで、この点に焦点を当てて論じられている。前稿「補足解説2:誤解だらけの『韓国に対する輸出規制発動』~個別許可スタート、本当に韓国企業の打撃になるのか?」でこうした説明に問題があることを指摘したところである。

 輸出管理上の問題点として、緊密な意見交換ができない状況にあること、流出の懸念も持たれかねない管理のずさんさといった「不適切事案」が多数発生したことなどは、今回の措置を正当化するのに十分で、むしろもっと早くやっていてもよいぐらいだ。こうした輸出管理上の「措置の理由」について韓国は、ぐうの音も出ない。そこで韓国は「措置の背景」である元徴用工問題を取り上げて「政治目的のための措置」だと主張している。

 日本の中にも、輸出管理上の理由は「建前」で、元徴用工問題が「本音」だとコメントする論者もいる。メディアの中にも「政治利用だ」との批判を繰り返すものもある。

 しかしこれは全くの誤解だ。

 元徴用工の問題があろうとなかろうと、今回の措置は当然やらなければならないものだ。また、仮に元徴用工の問題が解決するようなことがあったとしても、韓国の輸出管理に対する信頼が回復しない限り、本措置が撤回されることは決してない。そうなって、輸出管理上の理由が「建前」でないことに初めて気づくのだろう。

本当に世界の供給網が大混乱するのか?

 次にしきりに報道されるのが、半導体材料の規制が強化されることで、韓国の半導体産業に大打撃となり、さらには世界の部品供給網に綻びの懸念があるというものだ。

 果たしてそうだろうか。

 手続きを個別許可に戻すことによって、それほど産業に大打撃になるのか。確かに、輸出者の手間はかかるのは事実だが、通常の取引はこれまで通り許可される。「事実上の禁輸」になるわけではなく、大打撃になるはずがない。個別許可は、他のアジアの国々への輸出に対しても求めている手続きである。そうした国々への供給が滞っているなどとは聞いたことがない。

 「これを機に日本企業離れも懸念される」といった産業界の不安をあおるような記事もあるが、個別許可の結果、アジアの国々でそうしたことが果たして起こっているのだろうか。

 しつこいぐらい産業界に不安をあおる報道はどういう意図を持っているのだろうか。「安全保障と通商を絡めている」との批判を繰り返している。

 そもそも、安全保障と経済が重なり合う領域に属するのが安全保障の輸出管理だ。国際的に安全保障を経済に優先させて、多少の経済的負担を甘受して輸出管理を実施している。そうした制度の本質を理解せず、「安全保障と通商を絡めている」という批判は全く的外れだ。

 さらに懸念すべきことがある。

 こうした報道を受けて、韓国は「日本の措置は世界の供給網に打撃を与えるものだ」との批判の声を高めている。韓国は国際的に他国を味方にする戦術だ。韓国の主張のよりどころが、実は日本のゆがんだ報道になっている。

 さらに韓国はこの件がなくても経済は厳しい状況で、文在寅(ムン・ジェイン)政権の経済政策には厳しい批判が向けられている。とりわけ半導体産業は米中貿易摩擦もあって販売減速は著しく、在庫も積みあがっている。サムスン電子の業績も悪化している。今後さらに経済状況が悪化することが予想されるが、それを日本の今回の措置のせいにされる危険性が十分ある。

“勇ましい報道”が日韓関係をこじれさせる一因に

 「8月末に『第2弾』発動」といった報道も散見されるが、これも誤解だ。先般の3品目を包括許可の対象から個別許可に戻すのが第1弾で、ホワイト国のリストから外すのが第2弾だという理解は全くの間違いである。既にこの2つは、7月1日の政府発表でもパッケージになっている。

 「ホワイト国」のリストの手直しには政令改正という手続きが必要だ。それに対して先般の3品目の輸出管理は通達でよい。政令改正にはパブリックコメントの募集などの手続きを要するためにどうしても時間がかかり、先般の3品目とはタイムラグを生じてしまう。

 そして、「落としどころはどこか」といった質問をしたり、「外交で事態を打開せよ」「日本政府に柔軟な対応が必要」と主張したりするのも、安全保障の輸出管理制度を理解していない証左だ。既に説明したように、安全保障に関する輸出管理は、相手国と協議、交渉して決める性格のものではないからだ。ただし、説明だけはしっかりとする必要があるのは当然だ。

「キャッチオール規制」を正しく理解しよう

 しかも「ホワイト国」の指定から外すと、「食品、木材以外のほぼ全ての品目で個別許可が必要になる可能性が出てくる」と報道する。間違いとまでは言えないが、これだけ読むと何も知らない読者は、「日本はすごい規制をする」かのような印象を持ってしまうだろう。

 このような規制は、「キャッチオール規制」と言われるものだ。あまりに専門的で一般の人々には混乱するだけだと思い、私はこれまではこの点について言及してこなかった。しかしこうして「キャッチオール規制」について正しい知識のないまま、影響の大きさを誇張する報道が増えてきているので、ここで言及しておきたい。

 正確さより、わかりやすさを優先して大胆に簡略化すると、次の通りだ。

 安全保障の輸出管理は本来、軍事転用可能な機微な品目のリストを国際合意し、これらのリスト品の輸出について個別許可でチェックするのが原則だ。さらに近年、これらのリスト品以外でも、兵器に用いられる恐れがあるとして国から通知を受けた場合は、許可を得なければいけないという制度が欧米先進国を中心に導入されている。今やこの制度が国際的に「標準装備」となり、日本も導入している。韓国も遅ればせながら導入している。

 従って、この制度の下で個別許可が必要になるのは、「兵器に用いられる恐れがある」と国がみなした場合に限られる。通常の取引相手に対して、通常の用途で使われるような大方の輸出は許可を求められることはない。国が怪しい取引との情報をつかんだケースがそれに当たる。

 アジアの国々をはじめホワイト国以外には適用されているが、これまで通常の取引に何ら支障になっていないのは明らかだ。韓国向けがこの適用対象になったからといって、何を取り立てて騒いでいるのだろうか。明らかに制度への理解不足からくるものだ。

 こう見てくると、明らかに韓国の主張は日本のメディアのゆがんだ報道と軌を一にしている。しかもそれらは輸出管理制度への無理解からくるものだ。その結果、本来単純なことが不必要に複雑になり、日韓関係がますますこじれているのではないだろうか。

 正しい情報が伝わっていないからこそ、日本は国際社会に輸出管理の論理で「やるべきことをやっている」と説明する努力をもっとしなければならない。韓国に対しても、「協議」ではなく、「説明」をあらゆるレベルで根気よくすべきだろう。もちろん文政権は意図的にわかろうとしないだろうが、心ある韓国世論と識者には理解してもらいたいものだ。

真壁記事

Photo:PIXTA

文政権の政策運営をみると韓国について心配になってしまう

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領の政策運営を見ていると、韓国という国は一体どうなってしまうかと、よその国のことながら心配になってしまう。同氏の政策運営には不安を感じざるを得ない。

 外交面において、韓国は国際社会の中で孤立感を深めているように見える。すでに米国は、北朝鮮への制裁をめぐって韓国を信用していないようにも見える。元徴用工の訴訟問題をめぐり、日韓関係は最悪の状況と言われるほど冷え込んでいる。恐らく、短期的には関係改善に向けた糸口を見つけることが難しいだろう。

 それだけではない。韓国は国内の経済運営について、最低賃金を大幅に引き上げたり、企業に対する規制を強化したりする方向に進んでいるようだ。それは、世界の主要国の政策と逆行する政策と言ってもよいだろう。労働争議の頻発などと相まって、企業にとっては厳しい経営環境と言えるだろう。一部の大手企業は、韓国から海外への展開を積極化しているとの見方もある。

 文氏は左派系というポジショニングもあり、当初、大幅な賃上げを重視した。その結果、文氏は企業からの不信を買い、最近では政策の軸足を企業寄りへ修正しているように見える。

 ただ、文氏が一度失った信頼を取り戻すことは難しい。

 今後、従来の支持層を含め、国内外から文氏への風当たりは強くなることが予想される。今のところ、こうした事態の打開を目指す策が見当たらない。文大統領の政策運営が、今後の韓国に大きな禍根を残すことにならないことを祈るばかりだ

左派系政治家 文氏の政策運営の危うさ

 元々、文在寅氏は韓国の民主化運動などに取り組み、「人権派の弁護士」として実績を重ねてきた。2017年の大統領選挙戦にて、文氏はそのバックグラウンドを生かしつつ、一般の民衆に寄り添う姿勢を前面に示した。そうすることで、保守派政党出身の朴槿恵(パク・クネ)前大統領が引き起こした政財界の癒着スキャンダルに対する人々の不満を取り込むことに成功したと言われている。

 大統領就任後も文氏は、左派系の政策を進めることで自らの政治基盤を確立しようとした。その象徴が“最低賃金の引き上げ”だ。文氏は、2016年に6000ウォン程度だった最低賃金(時給)を、2020年までに時給1万ウォン(約916円)に引き上げることを公約にした。それに加えて、文政権は大企業や富裕層への増税も行った。

 文政権は、政府の力によって企業から一般庶民へと富の移転をしようとしたのだろう。この発想は、主要先進国における経済運営の考え方に逆行している。本来、賃金の動向は、経済成長率に左右される。それは、GDP(国内総生産)が一国内で生み出される企業収益と給与所得の合計であることをみれば明らかだ。成長率以上に賃金を引き上げれば、企業はコストカットを余儀なくされる。

 2018年の韓国の実質GDP成長率は2.8%だ。他方、文政権は最低賃金を16%引き上げた。これは、文氏が経済の基本的なメカニズムさえ無視したことになる。事実、韓国の中小企業経営者らからは、文政権の賃上げ目標は雇用を減少させる恐れがあるとの危惧が表明されてきた。

 それでも、文氏は最低賃金の引き上げ公約からを外すことはできなかった。文氏は労働組合からの支持を受けてきたからだ。

 韓国の労働組合は極めて強い交渉力を持っている。

韓国在住の知人は「労組は景気に関係なく賃上げを求める。企業が経営破たんに陥って初めて、労組は要求が行き過ぎたことに気づくだろう」と皮肉を口にしていた。それほど労組の影響力が強い。文氏の政策が労働組合の主張をさらに勢いづけたことは想像に難くない。

政府の経済政策が疲弊させた韓国経済

 昨年7月、文大統領は企業からの反発を抑えることができなくなり、最終的に公約撤回に追い込まれた。政府が経済成長率をはるかに上回る賃上げを追求し続けたあまり、韓国の企業は文政権の経済運営に我慢できなくなった。別の見方をすれば、文氏は賃上げによる“所得主導の成長”という理念をあまりに高く掲げすぎたともいえる。

 その結果、経済は良い方向に向かわなかった。失業率にそれがよく表れている。2017年5月、文政権が発足した時点で韓国の失業率は3.6%だった。2019年6月、4.0%まで失業率は上昇した。文政権の過度な賃上げは企業経営を圧迫し、雇用を減少させた。労働組合が既得権益を固守してきたため若年層の就業機会は限られ、15~29歳の失業率は10.4%とかなり高い。

 それに追い打ちをかけるように、韓国は成長を支えてきた半導体輸出の急減に直面している。その背景には、世界的なスマートフォン出荷台数の減少、データセンター向け投資の一巡、および米中の摩擦激化による世界のサプライチェーン混乱がある。

 現状、文大統領が疲弊する経済をどのように立て直すことができるか、具体的な策は見当たらない。半導体以外に韓国が競争力を発揮できる分野も見当たらない。

 文政権下、韓国企業は先行きへの危機感を強めている。多くの企業が生き残りをかけて海外に進出せざるを得なくなっている。すでにいくつかの韓国企業がベトナムなどに進出し、安価な労働力と、より自由度の高い環境の確保を目指している。これは、韓国経済を支えてきた源泉が海外に流出し、経済の実力が低下しつつあることを意味する。

 それに加え、最近、日韓関係が最悪の状況に落ち込んでいることも見逃せない。それは、さまざまな意味で韓国経済にはマイナスだ。この対応のために文大統領は企業との懇談会を開催した。その一方、サムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長は懇談会を欠席し、自ら訪日をして当面の半導体生産に必要な資材を確保したと言われている。文政権への信頼感はかなり低下しているといわざるを得ない。

見えない日韓関係の改善への糸口

 現在、文政権は賃金を抑制し始めた。2018年から2年間、最低賃金の伸び率は10%台に達した。一転して2020年の賃金上昇率は前年比2.9%に抑えられる。最低賃金引き上げ公約の撤回は韓国労組界からの強烈な反発を招いた。その上、従来の政府の主張とは逆に賃金の抑制が加わることで、支持者は失望を深めるだろう。

 これはこれまでの政策の逆回転だ。人気取りを狙った政策が限界を迎え、その修正とともに政権批判が強まる展開が見込まれる。この問題は日韓関係にも当てはまる。本来、韓国にとってわが国との関係は、国家の安定に重要なファクターであるはずだ。

 韓国は、日本から半導体の材料や工作機械を輸入し製品を製造することで輸出を増やし、経済成長を遂げてきた。それに加え、韓国企業の資金調達にとっても、日韓関係の安定が重要だ。わが国の金融機関は韓国の政府系金融機関などに信用供与を行ってきた。アジア通貨危機などの教訓を経て日韓関係の重要性がわかっているからこそ、韓国の知日派や財界関係者は、政府の対日強硬姿勢を不安視している。

 しかし、文政権がその指摘に耳を傾けることは難しい。現在の文氏にとって対日批判は最も重要な政策目標だからだ。ただ、国際社会からの孤立が鮮明化すると、文政権は国内からの批判を買うことは避けられない。

 日本は、韓国の政治と経済の変化を見ておくべきだ。自国に認められた権利に基づいて国益を守りつつ、韓国の一方的かつ身勝手な要求に応じる必要はない。

 わが国がこの考えを実行するためには、国際世論を味方につけることが必要だ。それができれば、文政権が日本に一方的な要求を行うほど、韓国は国際社会から見放されてしまうだろう。

 わが国は自力でアジア各国などとの関係を深め、主張への賛同が得られやすい環境を整備しなければならない。長い目線で考えると、それが極東地域の安定と国力の引き上げにも重要な役割を果たすはずだ。

(法政大学大学院教授 真壁昭夫)

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