『「いずも」空母化がもたらす3つのメリット 新たな防衛大綱を評価する』(12/21日経ビジネスオンライン 森永輔)について

12/24阿波羅新聞網<中美贸易战重击中国!传500万家公司倒闭、千万人失业=米中貿易戦で中国に強打! 伝えられるところによると5000万の企業が倒産 1000万人が失業>日本の《NEWS ポストセブン 》は「中国の農業農村部の発表によれば、12月初めまでに中国の740万の農民工が故郷に帰り、農業農村部は故郷で創業すると言っているが、事実上の失業である。農民工の人数は昨年比1.7%増、286.52万人増えた。この数字は中国景気が厳しく下がっているのを表す。この他農民工以外に200万人の失業者がいる。合計で1000万人になる」と報道した。《网易新聞》は10/22に「今年上半期国内では504万件の企業が倒産し、失業者は200万人を超えた」と題して記事を発表、上半期には453社の上場企業の会長は辞職か馘首されたとも。中国就業研究所と人材ネット「智聯募集」の報告では、「10月にはe-コマースの最大手のアリババとスマホ大手の華為は大量リストラ計画があり、両社とも否定しているが、中国の労働市場は厳しい局面に立たされている。中国での労働は厳しい冬の時代に」とあった。

https://www.aboluowang.com/2018/1224/1222235.html

12/24阿波羅新聞網<孟晚舟若被引渡到美国 她和华为将面临什么=孟晩舟がもし米国に引き渡されたら 彼女と華為は何に直面するか>CNBC財経ネットは12/19に「米国のDechert法律事務所のAmanda DeBuskは、“もし孟晩舟が米国に引き渡されたら、米国の監督機構か委員会が関与、今年前半のZTE案件がこの事件のモデルになるのでは。一般的には、カナダから容疑者引渡は普通の事で、米国に戻って来たら、刑事訴追を受ける。但しこの案件は普通と違う”と述べた」と報道。

ブルームバーグは「この案件は、元々は単純な国際司法協力の案件であったが、法治の概念を欠く中共が米中貿易戦と孟の逮捕をリンクして考えた。それで3名の在中カナダ人を拘留した。2014年の中共のスパイ蘇斌逮捕事件と同じ展開」と分析した。

カナダ司法省広報官は、「米国は孟の逮捕から数えて60日以内に正式に引渡請求をしなければならない。それには証拠を揃えて。その後カナダは30日以内に引渡するかどうか決定する」と表明した。

Amanda DeBuskは、かつて米国商務省の輸出執行次官をしていて、「カナダの引渡案件で通常詐欺罪のような重大犯罪は、適正手続きを経ればスンナリ行く」と発言。

カナダ連邦司法大臣のJody Wilson-Raybouldは、手続きが済めば孟を引渡するかどうか決定しなければならない。彼女は「引渡責任と義務を非常に重視している。もし、カナダの裁判所が孟の引渡を認めれば、司法大臣として引渡すべく最終決定する。適正手続と司法権の独立の為に、あらゆる法廷手続きも一緒であるが、この案件は検察官が裁判所に如何に納得させる材料を提出できるかがカギになる」と述べた。

もし、司法大臣が、最終的に引渡請求を認め、且つ上訴が無ければ、数カ月内に請求国に引渡される。上訴すれば、引延しとなる。

カナダTV(CBC)は「過去10年間で、カナダは引渡請求を受けた容疑者は90%引渡されている」と報道。

WSJは「もし、米国が華為は米国の制裁に違反したことを確定したなら、更なる行動を起こすだろう。当局は10月に福建晋華チップメーカーを国家安全と経済的な脅威のため米国からの輸出禁止としたのと同様なものになるだろう」と報道。

ルビオ上院議員は12/9に「華為案件は、孟がイラン制裁に違反したことで告発されている。中国の会社が制裁法に違反したなら米国はZTEと同じようにすべきである。米国からの部品の輸出禁止と。我々は政府ができるだけ早くそうすることを支援する」と述べた。

シンクタンクのGavekal Dragonomicsの中国政策アナリストの謝艶梅は「もし、米国が華為にZTEと同じ手を打ったら、中共は華為が破産するのを防ぐ手立てはない」と言った。

https://www.aboluowang.com/2018/1224/1222242.html

カナダ・米国は是非華為を潰すように動いてほしい。失業者が街に溢れ、共産党に怨嗟の声が上がり、最終的に打倒されるようになればと願っています。

12/23ブログ「正しい歴史認識、国益重視の外交、核武装の実現」<【韓国人=嘘吐き】の証拠を世界に周知するチャンス・レーダーが自衛隊機を狙ったのは100%確実>戦わない(=文官として主張できない)岩屋毅防衛相は更迭されるべきです。滞貨一掃人事のツケでしょう。やはり自民党を出たり入ったりする人物は石破元防衛庁長官同様ダメなのが多い。河野洋平なんかその最たるもの。国益を損ねても恬として恥じないのですから。息子の太郎は頑張っていますが。

http://deliciousicecoffee.jp/blog-entry-7332.html

12/23小坪慎也ブログ<自衛隊を世界の恥さらしする気か!韓国の敵対行動に対する、我が国の対応に不満【政府に、より強い姿勢を求める方はシェア】>小坪氏は韓国軍が北との瀬取り監視を妨害する意図があった可能性について触れています。どこまで行っても国際協調できない、中国と朝鮮半島。こんな国には関わらないことです。助ける何て言うのは愚の骨頂です。

https://samurai20.jp/2018/12/kolie-64/

12/22二階堂ドットコム<日本、円とウォンの交換停止へ>「順次大使も召還する模様。南朝鮮は北朝鮮の傀儡政権であるため、北朝鮮関係者の動きも厳しくマークする。」

口先だけの抗議が効く訳がありません。目に見える形で教え込まないと。米国も裏切り者・文在寅を苦々しく思っているでしょうから、制裁に反対する訳がありません。制裁違反を韓国海軍が幇助していたとなれば猶更です。安倍内閣の真価が問われます。世界に先ず証拠の映像をアップすれば韓国が嘘を言っているのがハッキリするでしょう。

http://www.nikaidou.com/archives/108556

12/22海外ニュース翻訳情報局<【元米軍海兵隊士官提言・必読】日本の新型空母は波風を立てるに至らず>

https://www.newshonyaku.com/japan/20181222?fbclid=IwAR3K4NXdSa2hYdu1cr8n3Pg2qmRP1gDIhdkHpxbpB5l2hQ8OVQPmZEjPpdE

森氏の記事で、道下氏は今度の防衛大綱を高く評価しています。確かに今までと比べれば長足の進歩なのでしょうが。上述の海兵隊士官のグラント・ニューシャム氏は「日本はよちよち歩きし始めたばかり」と思っているようです。でも動かないよりは良いと言えます。日本は左翼に洗脳されている国民が多くいます。自分で情報を取りに行かず、既存メデイアの言うことを頭から信じ込み、自分で考えようとしない人が余りに多い。軋轢を減らすために政府も「攻撃型兵器でない」とか説明するのでしょうけど、もう危機は“clear and present danger“のレベルに達しています。憲法改正で国民投票をやっても、それでは改正に賛成しなくなるのでは。「中国と北朝鮮の脅威に対して、国民を守るために、装備と人材の育成を充実して行く。予算も増やしていく」とキチンと説明しなければ。安倍首相もノンビリ構えている時ではないでしょう。

記事

政府が12月18日、新たな防衛大綱を閣議決定し、今後10年をめどとする防衛力の在り方を定めた。サイバー、宇宙、電子戦など新たな戦域までを視野に入れる「多次元統合防衛力」 と呼ぶ新たな概念を定めた。専門家は新防衛大綱をどう評価するのか。政策研究大学院大学の道下徳成教授に話を聞いた。

(聞き手 森 永輔)

米空母に垂直着陸するF-35B(写真:ロイター/アフロ)


道下徳成(みちした・なるしげ)氏
政策研究大学院大学教授(安全保障・国際問題プログラム ディレクター)。 専門は日本の防衛・外交政策、朝鮮半島の安全保障。 著書に『北朝鮮 瀬戸際外交の歴史、1966~2012年』(ミネルヴァ書房、2013年)がある。米国ジョンズ・ホプキンス大学博士(写真:菊池くらげ)

道下:この取り組みは非常に目立ちますね。私は「いずも」の空母化には3つの利点があると思います。第1は本格的な紛争において艦隊防空や航空優勢の確保に役立つこと。第2はグレーゾーン対処に向いていること。第3は、平時の戦略的コミュニケーションにおいて有益なことです。

第1の本格的な紛争において想定できるのは、例えば太平洋上で海上自衛隊が対潜水艦戦を実施する際に艦隊の防空をするケースです。イージス艦だけでは防空できる範囲が限られていますが、空母があれば防空できる範囲が広がります。

冷戦期には北海道周辺の海空域における攻防が焦点でしたので、空母がなくても必要な航空戦力を確保できました。しかし、今後想定される南西諸島周辺での攻防になると、航空基地が限られているので空母の有用性が高まります。

また、限定的とはいえ潜在的な攻撃能力をもつことになります。「専守防衛から逸脱する」との批判があるし、実際に実行するかどうかは別問題ですが、北朝鮮や中国に対する抑止力向上に多少は寄与するでしょう。

—尖閣諸島などにおける航空優勢を保つためには、沖縄・那覇基地を拠点とするF-35Aと空中給油機を増やすほうが妥当であるとの見方もありますね。

道下:おっしゃるとおりです。具体的にどのような手段を講じるかは、その時々の状況や費用対効果を検討して最適なものを選べばよいと思います。ただ、STOVL空母があれば運用の柔軟性は高まり、選択肢は増えます。

第2のグレーゾーン対応には、どこでも着陸できたり、ヘリコプターのように空中で停止 できたりするF-35Bの能力が役に立ちます。尖閣諸島の周辺空域で長期にわたってプレゼンスを維持することもできます。飛来する無人機(UAV)などへの対処にも有用でしょう。

第3は平時の戦略的コミュニケーション。F-35Bを積んだいずも型護衛艦が、例えば東南アジア諸国を訪れることで、地域の安全保障に日本がコミットしていることを象徴的に示すことができます。中国になびく東南アジア諸国や南アジア諸国の袖を引く効果が期待できるのです。いずも型護衛艦はすでにフィリピンやシンガポール、インドネシア、インド、スリランカなどを訪れています。フィリピンではドゥテルテ大統領が「いずも」に乗船し、それが同国で広く報道されたことがありました。

これは中国が、空母「遼寧」を利用して地域諸国を威圧しているのに対抗するという意味もあります。能力的には米国の空母に劣る遼寧は、戦時に投入すればすぐに沈められてしまうかもしれません。しかし、外観だけは米国の空母に見劣りしない。平時であれば、東南アジア諸国などを政治的・心理的に圧迫することができるのです。

日本は保有する潜水艦の数を22隻に増やすことを決め、すでに実戦能力を高める措置は講じてきました。しかし、いかんせん潜水艦は人々の目に触れません。日本の戦略的メッセージ発信手段としてはあまり有効ではありません。

国民にウソをつくことになる

—いずも型護衛艦の空母化に問題はないのでしょうか。

道下:まず、空母化された「いずも」を空母と呼ばないことにしたのは文民統制(シビリアン・コントロール)上、重大な問題です。「国民に正しく事実を伝え、文民統制を機能させる」という原則に逆行する動きです。空母の能力をもたせるのだから「空母」と呼ぶべきです。それを、自公の与党は「多用途運用護衛艦」 と呼ぶことにしました。自民党は「防御型空母」「多用途運用母艦」という呼称を提案していましたが、いずれも公明党が拒否しました 。

実態と異なる名称を付けるのは、国民にウソをつくことになるし、文民統制が利きづらくなります。民主主義と政治の透明性を重視する公明党がこれに逆行し、“知らしむべからず”を助長する動きを取ったのは皮肉な事態です。

加えて、海上自衛隊による空母の運用は、航空自衛隊の組織を不安定化させる懸念があります。いずも型護衛艦に搭載するF-35Bは航空自衛隊が運用することになりますが、これが、空自幹部のキャリアパスを変化させる可能性があります。いずも型護衛艦から離着陸するF-35Bを操縦するには高い技能が必要ですし、長期にわたる海上勤務は空自の隊員には未体験の世界で、家族にも負担になります。したがって、空自のパイロットのなかでも能力が高く、熱意のある人々がむしろ海自艦艇で勤務することになるかもしれないのです。

これまで、空自では優秀なパイロットが高級幹部になってきました。しかし、長期間、海自艦艇で勤務した幹部が組織のトップに君臨することを空自の隊員達はどう感じるでしょうか。また、空自と海自が人材の取り合いでもめることは想像に難くありません。

ただし、組織のアイデンティティを脅かされた空自が奮起する機会になる可能性はあると思います。

日本の防衛力の全体像を初めて描いた

—いずも型護衛艦にF-35Bを搭載すること以外に、道下さんが最も注目したのはどんな点ですか。

道下:日本の防衛力の全体像、より具体的には中国に対する防衛戦略の青写真をついに描きだしたことだと思います。「すごい」と思いました。言いかえると、今回の防衛大綱は、インド太平洋地域における軍事的なバランス・オブ・パワーを維持するために、日本が何をするのかを示すものになっています。

これまでは「戦車」や「護衛艦」「戦闘機」など映画に出てくるような“派手な正面装備”に目が行きがちでした。これらの装備の数や部隊の数をまとめた「別表」はその象徴です。従来は、ここに記載される数が減らされないよう、陸・海・空自衛隊が競い合う傾向がみられました。

それが今回、大きく変わりました。別表に「サイバー防衛部隊」や「海上輸送部隊」を載せたことが、この変化を表しています。また本文に、宇宙や電磁波の領域における能力の獲得・強化も盛り込みました。これらがきちんとしていなければ、戦車や護衛艦を生かすことはできません。サイバー防衛などはこれまで先進国の水準から大きく立ちおくれていましたから。

調達面で「割り切り」を見せた点も評価しています。安倍政権は防衛大綱を決定した閣議で、F-35の取得数の変更を了承し、同機の取得数を増やすとともに「完成機を輸入する」としました。

F-35の国内組み立てを断念し、代わりにより多くの機数を確保することにしたのです。つまり、厳しい財政状況のなかで、国内の防衛産業の維持・育成を多少犠牲にし、実際の防衛能力の強化を重視したということです。

—F-35Aの組み立てを三菱重工業が担当しており、これがコスト高を招いているとの指摘がありました。

道下:そうですね。財政的に余裕があったときには「防衛産業も防衛能力も」という選択肢があったわけですが、すでにその余裕はありません。「F-35については防衛能力の整備を優先させる」というのは適切な判断だと思います。

背景には、日本周辺における脅威の高まりがあります。イスラエル、韓国など、高い脅威認識を持っている国々では、国防費に占める武器輸入額も高い傾向があります。自国を守るため背に腹は替えられないということでしょう。

「トランプ大統領に圧力をかけられ、武器をたくさん買わされている」との批判がありますが、必ずしも、そうとばかりはいえません。中国の軍拡のスピードを考えれば、日本が懸命に武器を輸入したところで、どのみち数は足りないのです。ならば、いずれにせよ必要である米国製の武器を輸入し、同時にトランプ大統領を喜ばせることができるのなら、一石二鳥と考えることもできます。米軍との相互運用性も確保できますし。

同じ文脈で、「航空機等の種類の削減、重要度の低下した装備品の運用停止、費用対効果の低下したプロジェクトの見直しや中止等を行う」とした点も高く評価できます 。装備は国家財産なので、一度導入すると、重要性が低下してもなかなか捨てられず、維持コストがかさんでいました。防衛大綱で明文化されていれば、現場はストレスを感じることなく不要な装備を廃棄することができます。

3つのメリットを持つ敵基地攻撃能力に向け実質的な一歩

道下:もう一つ、敵基地攻撃能力についても注目しました。今回、これについて明文化することは見送られましたが、敵基地攻撃能力に実質的につながる装備を導入することになりました。

—先ほど触れたいずも型護衛艦へのF-35Bの搭載や、スタンドオフ・ミサイル*、高速滑空弾の導入などですね。

*:相手の攻撃が届かないところから相手を攻撃できるミサイル(防衛白書 平成30年版)

道下:はい。私は一定の攻撃能力を保有することに賛成なので、実質的にこれが進むことを評価しています。

—賛成する理由は何ですか。

道下:大きく三つあります。

一つは、ミサイル防衛を補う効果です。北朝鮮は3~4発のミサイルを同時に発射する、いわゆる「飽和攻撃」訓練を行うようになっています。多数のミサイルが同時に飛来するとミサイル防衛は困難になります。しかし、日本が多少なりとも北朝鮮のミサイル基地を攻撃する能力を持てば、北朝鮮は回避行動をとりつつ攻撃作戦を行わざるを得なくなるため、同時に複数のミサイルを発射するのが困難になります。

「一切攻撃しない」という今の政策では、飛来するすべてを迎撃すべくミサイル防衛システムを強化しなければならず高コストです。「高価なイージス・アショアを導入するのはけしからん」と批判する論者の多くが、ミサイル防衛のコスト引き下げにつながる攻撃能力の導入に批判的なのは矛盾です。今の日本に税金を浪費する余裕はありません。

二つ目は、日米同盟において米国が担う「矛」の機能を補完することです。現在、北朝鮮はグアムやハワイ、そして米国本土を攻撃する能力を開発しつつあります。北朝鮮がそのような能力を保有すれば、米国は自国の防衛を優先し、対日ミサイルであるノドンやスカッドERへの対処を後回しにせざるをえなくなるでしょう。日本は自国の被害を最小化するため、自ら北朝鮮のミサイルに対する攻撃作戦を行う必要が出てきます。

最後に、米国や韓国からの「ただ乗り」批判を回避することです。日本が自らリスクをとらず、対日ミサイルへの攻撃作戦を米国と韓国に丸投げした場合、日本は「ただ乗り」と批判されるうえ、戦後復興のプロセスなどで過大な資金提供を要求される可能性があります。

攻撃作戦はパイロットなどの犠牲を伴う大変危険な作業で、日本だけが攻撃作戦に参加しなかった場合、「米国や韓国のパイロットが日本のために犠牲になった」という議論が噴出し、日本は厳しい立場に置かれるでしょう。「ただ乗り」を許さないトランプ大統領の態度や、必ずしも日本に友好的ではない韓国の政治環境を考えると、この点には十分注意を払う必要があります。

—日本が敵基地攻撃能力を保有することに米国は賛成するでしょうか。

道下:私は問題ないと思います。1960~70年代ならば、日本の意図に米国が疑念を持つこともあったでしょう。しかし、80年代になり、当時のソ連が極東で軍拡を進めるようになってからは、米国は日本の協力を求めるようになりました。そして今、米国が単独で中国に対峙するのは不可能な時代に突入しました。

—中国が不満を持ちませんか。

道下:当然、不満を表明すると思います。しかし、中国は日本が侵略的な行動をとると本気で考えているとは思えません。日本が地域におけるバランス・オブ・パワーの維持に貢献し、地域の平和と安定が保たれれば、長期的には中国にとってもメリットは大きいでしょう。また、中国への抑止力が強化されて、力による勢力圏の拡大が困難であるということになれば、中国国内で強硬派の立場が弱まり、協調派の立場が強まることも期待できます。

軍事的にも、例えばいずも型護衛艦に搭載したF-35Bで中国の軍事施設を攻撃するのは容易ではありません。

まず中国が敷くA2AD*網を突破しなければなりません。

*:中国の軍事的方策で、Anti-Access, Area Denial(接近阻止・領域拒否)の略。空母を中心とする米軍が中国の東シナ海沿岸に近づけないよう、第1・第2列島線の中に入れさせないことが狙い。第1列島線は東シナ海から台湾を経て南シナ海にかかるライン。第2列島線は、伊豆諸島からグアムを経てパプアニューギニアに至るライン

—対艦弾道ミサイル、潜水艦、爆撃機「H-6K」などですね。

道下:はい。脅威度の高い海域に巨大ないずも型護衛艦を入れること自体、非常に困難です。さらに、A2AD網を突破したとしても、中国国内に配備された防空網、対空ミサイルが待っています。これを抜けてようやく攻撃ができる。ここに至るまでに相当の損害を受けるでしょう。中国に対する攻撃作戦は米国の空母でさえ難しいのが現実です。さらに、日本のF-35Bが搭載するミサイルは核ではなく通常兵器です。中国の軍事施設に与えられるダメージはたかが知れています。

一方、いずも型護衛艦に搭載したF-35Bによる攻撃は、北朝鮮に対してはそれなりに有効でしょう。中国に対するのと比べて、容易にターゲットに至ることができるからです。北朝鮮の海・空軍は非力。潜水艦がもたらす脅威も大きくありません。いずも型護衛艦に搭載できる最大20機程度のF-35Bの多くが攻撃作戦に参加できると思います。

—デメリットはありませんか。

道下:日本の攻撃力が大きくなりすぎると、グレーゾーン事態などで米国が「日本が自分でやればよい」という姿勢をとりかねません。一方、全く何も持たないというのは、“ただ乗り論”が強まるなど政治的なコストが高くつきます。この間で、バランスを取る必要がありますね。

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