『内憂外患で追い込まれるプーチン、高まる国内軍事クーデター・暗殺の可能性 西側の「戦闘機供与」や中国の中央アジア囲い込みなど“四面楚歌”の動きも』(5/26JBプレス 深川 孝行)について

5/26The Gateway Pundit<Oversight Chair Comer Will Initiate Contempt of Congress Proceedings if Dirty Chris Wray and FBI Do Not Turn Over Incriminating Biden Document in 4 Days=汚れたクリス・レイとFBIがバイデンの有罪を示唆する文書を4日以内に提出しなければ、カマー監督委員長は議会侮辱訴訟を開始するだろう>

FBIは書類を出さないのでは。議会侮辱罪になった後、書類を強制的に出させられるかどうか?

先週金曜日、下院監視委員会のジェームズ・カマー委員長(共和党、ケンタッキー州)はFBIに対し、当時のジョー・バイデン副大統領が関与した贈収賄計画を主張する文書の提出を要求する書簡を送った。

問題の文書は機密扱いではない。

その後、FBIは共和党に対し、時間を無駄にし、非機密で有罪示唆文書を引き渡さないことを通告する書簡をカマー氏に送った。

そこで木曜日、カマー氏はFBIに対し、文書を5日以内に提出しなければ、議会侮辱罪の手続きが開始されるとの猶予を与えた。

https://twitter.com/i/status/1661747436346544128

https://www.thegatewaypundit.com/2023/05/oversight-chair-comer-will-initiate-contempt-congress-proceedings/

5/26The Gateway Pundit<Special Counsel John Durham Will Testify Before Congress on June 21 on the Greatest Political Scandal in US History – Obama and Hillary’s Trump-Russia Hoax=ジョン・ダーラム特別検察官は6/21、米国史上最大の政治スキャンダル―オバマとヒラリーのトランプ・ロシア捏造事件について議会で証言する予定>

オバマとヒラリーも下院に召喚すれば。

ジョン・ダーラム氏の報告書によると、トランプ陣営とロシアを結びつけるというヒラリー・クリントン氏の計画は、2016年8月にジョン・ブレナン元CIA長官からバラク・オバマ氏とジョー・バイデン氏に説明された。彼らは最初からこの計画に全員参加していた。この捜査は、トランプ大統領をWHから追放するクーデター未遂につながった。トランプ氏は最初の任期を通じて、諜報機関、FBI、CIAなどと戦った。民主党とその主流メディアは、何年にもわたってこの嘘を喜んで、喜んで広めた。

バラク・オバマとヒラリー・クリントンによってもたらされた米国史上最大の政治スキャンダルであるこの犯罪で、現在服役している役人は一人もいない。

おそらくダーラム氏は、なぜ米国史上最大の政治スキャンダルの首謀者たちを召喚しなかったのかと問われることになるだろう。

https://www.thegatewaypundit.com/2023/05/special-counsel-john-durham-will-testify-before-congress/

ラスムッセンレポート 5/26

NY:「州および地方の選挙管理委員会から直接入手した有権者名簿データベースを監査することにより、数百万の無効な登録、法的に無効な登録によって投じられた数十万の投票、投じられた数十万の投票から分かったことは (1/3)

法的に無効な登録者、大規模な投票の不一致、そして州自身の持つ公式記録からリバースエンジニアリングしたアルゴリズムパターンの明確な存在によるものです。はっきり言っておきますが、これらのアルゴリズムの存在は無実の証明目的で使われる理由や説明は知られていません (2/3)

サイバーインテリジェンスの専門家から聞いたところによると、彼らは「完全な制御不能」データ侵害を示唆しているとのことですが、これは連邦政府が認識している最も深刻な種類のデータ侵害です。この法律は、影響を受けるNYSVoterデータベースを完全に信頼できないものにすると言っている。」

uncoverdc.com

NYの選挙における壊滅的な「制御不能」データ侵害 – UncoverDC

NY州の有権者登録簿における壊滅的な制御不能データ侵害が、査読済みのJournal of Information Warfareによって確認されました。

NY州でも選挙不正があったということ。

5/27阿波羅新聞網<北京跳到脚痛!美军联手北约 一天三重创中共—美国对台启动五亿美元军援 首批刺针导弹抵台=北京が地団駄を踏む! 米軍はNATOと協力して1日に3回も中共をやり込めた–米国は台湾に5億ドルの軍事支援を開始し、スティンガーミサイルの最初の輸送が台湾に到着した>

RFI:米国は大統領歳出権限を利用して台湾を支援し、スティンガーミサイルが台湾に到着した。

米国、台湾軍事支援に「大統領歳出権限」を行使

米軍事支援が台湾の「米国への疑念」の声を和らげる

NATO中将が3月末に極秘に台湾を訪問

https://www.aboluowang.com/2023/0527/1906860.html

5/27阿波羅新聞網<爆料!台湾取得北约数据链系统 北约将领3月曾访台 =ビッグニュース! 台湾がNATOデータリンクシステムを取得  NATO将軍が3月に台湾を訪問>RFA/米国」メディア・ブルームバーグの台湾特派員であるクリス・ホートンは、ウェブサイト「チャイナ・プロジェクト」)への投稿の中で、NATO国防大学(NATO Defense College)の校長であるオリヴィエ・リッティマン中将が今年3月末、台湾を訪問し、台湾国防大学の関係者らと面会したと述べた。

投稿内容によると、NATO国防大学はこれまで非公開だった旅程を確認し、リッティマンが学術目的で3/27~31まで台湾を訪問したと述べ、これはNATO国防大学と世界の重要な教育機関との通常の文化交流の一部であるとしている。台湾の国防大学もリッティマンの訪問を認めたが、それ以上のコメントは控えた。

ホートンは投稿の中で、NATOと台湾の交流は前例のないものではないが、通常、双方は口を閉ざしており、交流の範囲の詳細を外部の世界が知るのは難しいと述べた。 しかし、中国がインド太平洋地域の諸国、特に台湾にもたらす脅威のため、NATOがインド太平洋地域により注意を払い始めていることは明らかである。

https://www.aboluowang.com/2023/0527/1906819.html

5/27阿波羅新聞網<中共正在让人民为战争做准备=中共は現在国民に戦争の準備をさせている>中共は差し迫った包囲の恐怖を引き起こし、ロシアがロシア・ウクライナ紛争を正当化するために使っているのと同じ論拠、つまりNATO拡張主義を軍事侵略への道を開くために利用している。 ロシアは国民に戦争を「宣伝する」ことに成功していない可能性があり、それで多くの人が国外逃亡している。 中共は戦争の準備を進めており、他国の紛争の研究に専念し、戦闘経験の浅い軍隊を擁する政権として、ロシアの誤りを正し、国民を強硬派にしようとしている。

https://www.aboluowang.com/2023/0527/1906853.html

5/27阿波羅新聞網<比汪洋凶狠!王沪宁讲话再释信号=汪洋より厳しい! 王滬寧の演説は、信号を再び発信>中共全国政協委員会の王滬寧主席は数日前に新疆を視察した際、「テロ対策と安定維持」の常態化を断固として推進すると宣言した。 外界は、汪洋前政協主席と比べて王滬寧の演説の方が残酷であると認識し、再び中共当局に「鉄の拳で新疆を統治する」という合図を発した。

https://www.aboluowang.com/2023/0527/1906879.html

5/27阿波羅新聞網<政协副主席1亿,副省长2亿,这是笔大生意=政協副主席は1億元、副省長は2億元、これは大変なビジネスだ>陝西省土地資源局の元局長である王登記は冷酷な人物で、局長の地位に満足しておらず、「仲介人」を利用して、副省長級への昇進を手助けしてもらうつもりである。その代価は、省協副主席は1億元、副省長は2億元である。

https://www.aboluowang.com/2023/0527/1906880.html

5/27阿波羅新聞網<太嚣张!中共特使抵俄 明确要求欧洲“绥靖”= 尊大すぎる! 中共特使がロシアに到着し、欧州に「宥和」するよう明確に要請>WSJは26日、中国政府の対ウクライナ和平計画を推進するため「5か国訪問」で欧州を訪れた李輝中国ユーラシア問題担当特別代表が、米国の欧州の同盟国に、彼らの自主性を守り、即時停戦を促し、現在占領しているウクライナ領土をロシアに支配させるべきと指摘したとの明確なメッセージを送ったことを独占的に明らかにした。

これまでの報道によると、李輝はEU本部、ウクライナ、ポーランド、フランス、ドイツを相次いで訪問し、26日にモスクワに到着し、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相と会談した。

会談に詳しい西側当局者らによると、李輝は欧州各国に対し、中国を米国に代わる経済的代替国とみなすよう促し、ロシア・ウクライナ紛争が拡大する前に終結させるため、迅速に行動すべきだと述べた。

当局者らは、中国政府の取り組みを却下するには時期尚早だとしながらも、中ロの関係がどれほど緊密であるかを考えると、いかなる交渉においても誠実な仲介者として行動する中国の能力には疑問を抱いている。 当局者らはまた、ロシア軍がウクライナから撤退するまでは和平は不可能だと信じていると述べた。

中共外交部はコメント要請に応じなかった。 李輝と話した外交官は「ロシア軍が撤退して初めて、国際社会の利益に合わない紛争を凍結できると説明した」と明かし、李輝にも「欧州は米国から分かれることはできない」と言ったと明らかにした。そして欧州はウクライナへの支援を撤回しないだろうとも。

別の外交官は「彼らは西側諸国の結束を試し、主導権を示そうとしているのかもしれない」と語った。 別の情報筋によると、中国の主な関心は、ロシアが戦争に負けないため、核兵器を使うのを止めさすことのようだ。

https://www.aboluowang.com/2023/0527/1906733.html

何清漣 @HeQinglian 4h

世界は2年でひっくり返った。

カナダのアルバータ大学による調査は、中国各地から回答が集められた。 回答者には、オーストラリア、カナダ、欧州連合、フランス、ドイツ、インド、日本、ロシア、英国、米国についてどう思うか尋ねた。 … もっと見る

引用ツイート

ラジオカナダ国際 @RCIZhongwen 4h

アルバータ大学中国研究所による世論調査:中国人はロシアを信頼できるグローバルパートナーとしてランク付け

https://ici.radio-canada.ca/rci/zh-hans/%E6%96%B0%E9%97%BB/1982340/%E9%98%BF%E5%B0%94%E4%BC%AF%E5%A1%94%E5%A4%A7%E5%AD%A6-%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%89%80-%E6%B0%91%E6%84%8F%E8%B0%83%E6%9F%A5-%E4%B8%AD%E4%BF%84%E5%85%B3%E7%B3%BB

金曜日のグローブ・アンド・メール紙によると、アルバータ大学による調査は中国各地から回答を集めたもので、中国国民の世界への見方を異例に垣間見ることができたという。

何清漣 @HeQinglian 35m

調べたら、ロシア人の中国に対する態度についての継続的な世論調査があり、中国に対する米国人の態度についての継続的な世論調査(ピュー)があり、米国に対する中国人の態度についての継続的な世論調査がある。その期間は約10年で、唯一欠けているのは、中国人のロシアに対する継続的な世論調査だ。

深川氏の記事では、ロシアで軍事クーデターが起きて、プーチンが下りるのが理想ですが、トップが替わって、もっと強硬になり、戦争継続になるのも困ります。

中国はロシアがへたるのを笑って見ていればよく、ロ・ウ戦争が長引けば長引くほど、ロシアだけでなく、欧米も支援に財政コストがかかって疲弊していく。ロシアに圧力をかけない中共とは経済的にデカップリングをできるところから始めるべき。

記事

八方塞がりのロシア・プーチン大統領(写真:ロイター/アフロ)

「F-16戦闘機供与サミット」と化したG7広島サミット

5月に入り、ロシアのプーチン大統領の「精彩のなさ」に歯止めがかからない。ウクライナのゼレンスキー大統領がほのめかす大規模反転攻勢に備えるためか、プーチン氏はロシア侵略軍に対し攻撃から守備に転じて、最前線に長大な戦車壕を構築するよう命じた。

またウクライナ東部のバフムトでは、ウクライナ軍とロシアの民間軍人会社「ワグネル」 の傭兵部隊との間で何カ月にもわたり攻防戦が続いている。

おそらくプーチン氏は5月9日の対独戦勝記念日までにバフムトを完全占領し、当日の式典の冒頭演説で戦果を高らかに謳い、軍や国民を鼓舞し、自分の偉大さもPRしようと考えていたはず。そのため、ワグネルの創設者で「プーチンの料理番」と呼ばれるプリゴジン氏に、「何が何でも式典までにバフムトを攻略せよ」と厳命したと言われている。

だが残念ながらそれは叶わず、国民へのサプライズも不発となり、式典でのプーチン氏の演説にも覇気が感じられなかった。

対照的にゼレンスキー氏は実にパワフルかつ活動的で、5月19~21日に広島で開かれた先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)には、当初リモート参加を予定したが、間際に“リアル参加”を決意して世界をあっと言わせた。

G7広島サミットに”リアル参加”したウクライナのゼレンスキー大統領(写真:Simon Dawson/No 10 Downing Street/Eyevine/アフロ)

ゼレンスキー氏は全面支援する西側主要国の首脳たち一人一人にひざ詰め談判を展開、悲願の米製F-16戦闘機の供与についても、最後まで難色を示すアメリカのバイデン大統領に、パイロットの訓練や欧州各国が保有する機体の譲渡を認めさせた。

G7広島サミットで行われた米・ウクライナの首脳会談(写真:Ukrainian President Press Office/UPI/アフロ)

イギリスなども並行してF-16供与のためのお膳立てに動いており、広島G7サミットはまさに「F-16戦闘機供与サミット」そのものだった。

ウクライナへの供与が決まりつつあるF-16戦闘機(写真:ロイター/アフロ)

対独戦勝記念日の式典が大幅縮小された「本当の理由」

前述した対独戦勝記念日は第2次大戦でヒトラー率いるナチス・ドイツに勝利したことを祝うロシアの祝日で、モスクワの赤の広場で盛大に行われる軍事パレードが有名だ。

隊列には最新兵器が並び、旧ソ連/ロシアの威厳や強大さを内外にアピールする意味も大きい。情報戦・謀略戦が得意のスパイ組織「KGB(旧・国家保安委員会、現・FSB=ロシア連邦保安庁」OBのプーチン氏が特に重要視するイベントの1つでもある。

例年であれば、祖国を侵略したドイツ軍を打ち負かした立役者で傑作戦車でもある自国製T-34戦車を10台ほど車列の先頭に置き、その後に最新鋭のMBT(主力戦車)「T-14アルマータ」や各種装甲車・ミサイルなどが大名行列のように連なる。「世界に冠たるロシア軍ここにあり」の真骨頂だ。

だが今回は「保安上」の理由でパレードは大幅に縮小され、花形の戦車も“骨董品”のT-34が1台のみ。現用MBTは皆無で上空をかすめる戦闘機も見られず、観客も例年の数分の1に抑えるなど、何とも寂しい限りだった。

対独戦勝記念日の軍事パレードのリハーサル(サンクトペテルブルク/写真:ZUMA Press/アフロ)

大手メディアや専門家はウラ事情として、次のような見立てをする。

「多くの人が集まる式典を台無しにしてプーチン氏のメンツを潰そうとたくらむ抵抗組織のテロを防ぐため」

「パレードに戦車を出す余裕があるなら、武器・弾薬が足りない前線に送れ、という不満が軍部や国民から出かねず、MBT参加は特に控えた」

「戦闘で失ったMBTが想定以上に多く、パレード常連の現用戦車が本当に足りない。半世紀以上昔のT-55、T-62といった旧式MBTはいまだに豊富にあるようだが、まさか埃をかぶった骨董品を倉庫から引っ張り出して参列させるのは無茶。『兵器不足はここまで深刻なのか』と世界に知らせる結果になる」

だが一部では「保安上はプーチン氏暗殺の危惧では」と深読みする声もある。プーチン氏が抱く「偉大なるロシア帝国・ソ連邦よもう一度」の個人的な夢想のために、戦う意義も不明のまま戦場に赴き、しかも史上まれに見る“お粗末作戦”でロシア侵略軍は大損害を被った。先鋒を務めた戦車部隊の被害は特に甚大だが、ロシアではナチス・ドイツの侵略から祖国を救った「戦車兵」は、国民の尊敬を集めるエリートだ。

対独戦勝記念日でのプーチン大統領(写真:AP/アフロ)

ある軍事専門家は、こう分析する。

「ロシア軍の中でも一目置かれプライドも高い戦車部隊が、今回の戦争では全滅する例すらあり、MBTの損失は3000台に達するとの説もある。部隊を指揮し将来ロシア軍の中核をなす貴重な将校(士官学校を出た軍幹部)も多数戦死している。

軍の最高指揮官で無謀な侵略戦争を命令したプーチン氏に彼らの怒りの矛先が向くのはむしろ自然。戦勝パレードはプーチン氏暗殺にとっては絶好のチャンスで、行進する多数のMBTがプーチン氏のいるひな壇に目掛けて一斉に砲身を向け射撃し殺害、という計画も否定できない。

しかも防御が強力な現役MBT相手では、警備部隊は応戦しても全く歯がたたず、まさかMBTの反乱を警戒して対戦車ミサイルを所持しているとも思えない。こうなるともはや軍事クーデターで、この最悪のシナリオを察知したのではないか」

プーチン氏には「影武者」が複数存在し、「式典に出席の人物がホンモノか否か不明」との指摘もある。だが、プーチン節とも言うべき、独特の堅苦しい演説を長々と話さなければならず、さすがに本物の可能性は高い。

クレムリンのドローン攻撃は国内超保守派による“警告”か

実はパレードを舞台にした暗殺事件の前例がエジプトにある。1981年10月、第4次中東戦争でイスラエルに勝利したことを祝う軍事パレードで、行進する戦闘車両から飛び出した暗殺部隊が、機関銃と手榴弾でサダト大統領を殺害している。

アメリカの仲介で仇敵・イスラエルとの和平条約を電撃締結したサダト氏だが、国民や周辺のアラブ諸国からは「裏切り者」と反感を買い、これに呼応したイスラム過激主義組織による犯行だと言われた。だが冷戦という時代的背景から裏にはKGBの影もちらついているとも言われ、もちろんプーチンも同暗殺事件は知っているだろう。

翻って、戦勝記念日パレード直前の今年5月3日には前代未聞の事件も起きた。クレムリンが複数のドローン攻撃を受け、プーチン政権に衝撃が走った。

ドローン攻撃を受けた露クレムリン、ウクライナは関与を否定するが…(写真:Kremlin Red Square CCTV/UPI/アフロ)

ドローンは全機撃墜され人的被害はなかったようで、「国民を総動員態勢に引きずり込む自作自演」「ウクライナによる長距離ドローン攻撃」「国内の反プーチン組織(パルチザン)のテロ攻撃」といった犯人像の憶測も飛び交った。

だが自作自演の場合、クレムリンへの直接攻撃はあまりにもリスクが大き過ぎ、また他の2つの説も、首都モスクワの厳重な防空態勢やクレムリン周辺の厳重な警備を考えると現実的ではない。

特にウクライナ犯人説の場合、クレムリンへの直接攻撃は、プーチン氏に国民総動員の口実を与えかねず、ロシアとの全面戦争を憂慮する欧米の反感も買ってしまい、デメリットのほうがはるかに大きい。

加えて、その後この事件に対しロシアはなぜか話題を避け、もちろん戦勝記念日の式典でもプーチン氏はこれについて言及していない。このため、「戦争の仕方が生ぬるいとプーチン氏を指弾する、国内超保守派の“警告”のサインでは」との観測のほうが的を射ているとの指摘もある。

ところが5月24日のニューヨーク・タイムズ紙は、ウクライナが関与していると米情報機関が疑っており、ゼレンスキー氏本人が把握していたかは分からないが、同国特殊部隊や情報機関が実施したのでは、と報じるなど混沌としている。

防衛面でも中央アジアで存在感を見せつける中国

自分が種をまきながら順調に進まないウクライナ侵略戦争に腐心する間に、プーチン氏がロシアの勢力範囲だと強調する旧ソ連圏の中央アジアで、“脱ロシア”を予感させる動きが着々と進んでいる点も注視すべきだろう。

まずは中国の動きだが、対立の度を深める西側主要国の首脳が集まるG7広島サミットにぶつける格好で「中国・中央アジア・サミット」を5月18~19日に開催した。カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンの中央アジア5カ国との間で経済・金融・貿易面で広範な協力関係を築こうというものだ。

主導した中国の習近平国家主席は5カ国に、総額約5200億円の経済援助を約束し、お得意の“札束外交”で魅力をアピールする。

ここで気になるのがプーチン氏の動向で、この地域は旧ソ連圏でいわばロシアのテリトリーだ。西側との対抗上中国との“蜜月”を維持したいプーチン氏としては、「一帯一路」戦略など以前から中央アジアに触手を伸ばす中国との間で、「経済的支配は仕方ないが、軍事進出は許さない」という暗黙の了解がなされているという。

だが今回の中国の動きは、防衛に関する協力強化も盛り込まれている模様で、プーチン氏にとっては内心穏やかではないだろう。

肝心なときに助けてくれないロシアを見限ったアルメニア

もう1つは、コーカサス地方のアルメニアでの一連の動きだ。この国も旧ソ連に属し、ロシアは自分の勢力圏だと考える。この地方は民族・宗教分布が複雑に入り組み、アルメニアと隣国のアゼルバイジャンでは民族、言語、宗教が異なる。

加えてアゼルバイジャンには、アルメニア系住民が多数派の「ナゴルノ・カラバフ自治州」が飛び地のように存在し、この帰属をめぐり両国がソ連邦崩壊直前の1980年代後半ごろから軍事衝突を続けている。

2020年には「第2次ナゴルノ紛争」と呼ばれる大規模な軍事衝突が起き、豊富な石油資源と歴史的・民族的に近いトルコの軍事援助でアゼルバイジャンが勝利する形で停戦となったが、この時のロシアの振る舞いがアルメニアを失望させた。

ロシアは旧ソ連圏諸国を加盟国とする「集団安全保障条約(CSTO)」という軍事同盟をつくり盟主を自負するが、前述の紛争ではCSTO加盟国のアルメニアは集団的自衛権の名のもとでロシア軍が介入し、アゼルバイジャン軍を撃退することを期待した。

だが、結局プーチンは軍事介入をためらい、劣勢に陥ったアルメニア側が大幅譲歩する形で和平案を受け入れ停戦せざるを得なかった。

肝心な時に助けてくれないロシアに不信感を抱くアルメニアは、今年5月に入るとCSTO脱退の意向を公言、代わって欧米への接近を目論む始末で、プーチン氏にとっては何とも頭の痛いところだろう。

「前門の虎・後門の虎」に陥ったプーチン氏。無二の親友とも言われウクライナ侵略戦争を支持する数少ないロシアの隣国ベラルーシのルカシェンコ大統領は、ここ最近体調を崩しているようで、健康不安による引退も噂され始めている。

「欧州最後の独裁者」とも揶揄され、西欧志向が強いベラルーシ国民から不人気の大統領だけに、彼の失脚後に万が一親欧米の人間が同国の大統領に就任したとしたら、それはプーチン氏にとって「悪夢」以外の何ものでもないだろう。

ロシア国民からは最近「引きこもりのお爺さん」と嘲笑されていると言われるプーチン氏だが、八方塞がりの果てに「一打逆転には核兵器しかない」と考える可能性も否定できず、注視が必要だ。

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