『要人警護の歴史に残る大失態、プロが指摘する安倍氏銃撃現場の問題点 あり得ない場所で演説、SPたちの鈍い反応』(7/17JBプレス 日本戦略研究フォーラム)について

7/16The Gateway Pundit<Liberals Worry That The Constant Persecution Of Trump Is Making Him Stronger>

イメージを悪くして相手の政治生命を奪おうとするのは、魔女狩りと米国民が気づき、民主党支持層だった労働者や非白人層も共和党に流れたと。民主党の脳みそは腐っている?

The Endless Prosecution not only failed to win Trump’s accusers the public’s loyalty, it apparently achieved the opposite, somehow swinging working-class and even nonwhite voters toward Republicans in what even Axios this week called a “seismic shift” in American politics.

Recent polls have shown Trump’s 2024 chances are stronger than ever.

https://www.thegatewaypundit.com/2022/07/liberals-worry-constant-persecution-trump-making-stronger/

7/16阿波羅新聞網<多家民调:美民主党变精英党白人党 共和党变工人党多种族党—多家民调显示:美两党选民结构发生重大变化=多くの世論調査:米国民主党はエリート白人の党に変わり、共和党は労働者、多人種の党に変わった-多くの世論調査:米国の両党の有権者の構造に大きな変化が>米国のニュースサイトAxiosは、木曜日(7/14)の報道で、両党の支持者の人口動態の変化は「おそらく我々の時代の最大の政治的な物語」になると述べた。全体的な状況は、共和党支持はますます労働者階級化と多人種化が進み、民主党はますますエリート化と白人化になった。

ヒスパニック系の有権者でキューバ人亡命者の子孫であるジャンカルロ・ソポはフォックスニュースに、テキサス州のヒスパニック系有権者と話しているときに次のことを知ったと語った:彼らは一生民主党に投票したか、あるいは祖父母も民主党員だったのかもしれない。 しかし、彼らは言った、「聞いて、これはもはや私のおばあちゃんの民主党ではない。これらの人達は過激化している。彼らは我々の価値観を共有していない」と。

小生は前から共和党はトランプから労働者の党に変わり、民主党はエリートの党になったと紹介してきましたが、日本にいる米国通と言われる人たちはこういう動きを見ているのでしょうか?共和党やトランプを民主党の眼鏡を通してみると間違えることになる。

https://www.aboluowang.com/2022/0716/1776488.html

7/16希望之声<2024是否再战白宫?川普:我已作出重大决定=WH入りに向け、2024年に再び戦うのだろうか?トランプ:私は大きな決断をした>トランプ前米大統領は7/14、メデイアのインタビューを受け、「私は決断を下した・・・それは私の重大な決断になるだろう」と語った。

トランプは14日、ニュージャージー州でニューヨークマガジンとのインタビューを受け、2024年の大統領選挙に参加するかどうかという問題について、トランプ前米大統領は7/14に新たな声明を発表した。「私の考えでは、私は決断を下した。しかし、中間選挙の前か後に発表するかどうか?これは私の重大な決断だ」と述べた。

トランプは、「私が参選すれば、勝つだろうと確信している」と述べ、「人々は私に参選してほしいと望んでいるからだ」と述べた。彼はまた、中間選挙の前にこの決定を発表した場合、それは共和党の潜在的な大統領候補者が立候補を思いとどめる可能性があり、共和党に優勢を与える可能性があると述べた。

WPは、事情通によると、トランプが9月に立候補を発表することを検討しており、誰を選挙活動に参加させるべきかについてアドバイザーと話し合いを開始したと報じた。彼のチームは、選挙活動を間もなく発表する場合に備えて、オンラインデバイスを用意するように指示された。トランプチームは、2024年の選挙活動について話し合うためにトップ献金者との会合を開始した。

最新の世論調査では、トランプが他の潜在的な共和党の挑戦者をリードし、有権者の53%を示し、フロリダ州知事のロン・デサンティスが20.5%を占めた。

副大統領候補にデサンティスは?

https://www.soundofhope.org/post/637805

7/17阿波羅新聞網<中共别做白日梦!美狙击中俄伊大三角=中共は白日夢を見るな!米国は中国-ロシア-イランのトライアングルを狙い撃ち>米国のジョー・バイデン大統領は、土曜日(7/16)にサウジアラビアで開催されるアラブ首脳会議に出席する。バイデンは、米国の中東戦略の5大原則を発表し、アラブ諸国に対して、米国が地域問題への参加にコミットし、積極的かつ原則的な米国のリーダーシップを発揮し続け、中国とロシアが地域のリーダーシップの隙間を埋めることを許さないことを明らかにした。

バイデンでは中東諸国の信頼は得られないのでは。

https://www.aboluowang.com/2022/0717/1776592.html

7/16阿波羅新聞網<美军F16新利器上身 可发挥空前战力=米軍F16の新兵器の上部に前例のない戦力がプラス>米空軍とノースロップグラマンは6月に、強力な新しいAN / APG-83「アクティブ」電子スキャンアレイレーダー(AESA)の設置により、72機の空軍国家警備隊30ロットのF-16C戦闘機の大規模な近代化作業が完了したことを発表した。

中共に盗まれないように。

https://www.aboluowang.com/2022/0716/1776529.html

何清漣 @HeQinglian 46m

エコノミスト:中東は米国に何を提供しているのか?

米国大統領が目的のない旅行をスタート

ジョー・バイデンは7/13にイスラエルとパレスチナを約48時間訪問し、目的は通り一遍の練習をするため:握手、観光スポットの訪問、空港への帰路。最近の記憶では、この地域で最も手に負えない紛争に関して、米国の大統領はほとんど何も言うことがなかった。

引用ツイート

エコノミスト @TheEconomist 7月16日

ジョー・バイデンのホストは友好的に歓迎したが、おそらく少しの土産を持たせて彼を家に帰らすhttps://econ.st/3IOSlzP

何清漣はリツイート

蔡慎坤 @cskun1989 18h

米国人がバイデンをWHに送り込んで以降、左翼政党と左翼エリートは躍り上がらないことはなく、ハイテク新興企業もそれに続いた。2年足らずで、米国人はバイデンに十分虐められたか?燃料は2倍以上になり、スーパーマーケットの多くの商品は50%以上上昇し、飲食物は遍く30%上昇し、米国の住宅価格はずっと高値を更新し、賃貸価格は1/3上昇した。米国人の関心はいつも個人の衣食住旅である。左翼政党は貧乏人の救世主であり、今すべてが出ている。

丸谷氏の記事を読むと、今の日本の警察の警護のレベルはプロからは程遠いもの。左翼の似非平和主義者の言説に脳が汚染され、警察だけでなく、社会が突発時にきちんとした仕事ができない体質が出来上がっているのでは。平和ボケがすべてを悪くしている気がします。省庁の不祥事や企業のデータ改竄などの不祥事はバブル崩壊前には考えられなかったこと。総て精神の弛緩が招いたことしか思えない。あらゆる分野で緊張感が足りなくなっている。ESGやSDGsとか聞こえのいいことを言い、実際の行動が伴わないのは、欺瞞や偽善以外の何物でもない。本気さが欠ける。

安部氏の国葬に左翼政党は反対していますが、反対の意見表明できるのは日本が自由民主国家だから。中共とか北朝鮮では自由な意見表明はできない。そういう体制を目指す政党に投票する人はもっと良く考えてもらいたい。

今回の事件は要人テロですが、もし中共が台湾侵攻しようとすれば、中共は国防動員法を発動し、日本国内にいる中国人にテロを起こすよう命令するかもしれない。朝鮮半島人も連動するかもしれない。ありえないと思うことを想定して対策を講じないとリスク管理はできない。警察はそれを想定して訓練しているのかどうか?また場合によっては自衛隊との連携も必要となるのでは。安部氏の死を無駄にしないためにも政治家は、警察と自衛隊の予算を増やし、きちんと訓練できるようにすべき。

日本企業の中国からの脱出を早くしないと、駐在員とその家族は人質にされる可能性もある。経営者は今こそ決断すべき。

記事

安倍元首相が銃撃された大和西大寺駅前の現場(2022年7月9日、写真:ZUMA Press/アフロ)

(丸谷 元人:日本戦略研究フォーラム政策提言委員・危機管理コンサルタント)

2022年7月8日、安倍晋三元総理が奈良・西大寺での選挙応援演説中に凶弾を受け、命を落とした。この事件は、多くの日本国民に衝撃を与えたのみならず海外のマスコミにも大きく取り上げられたが、同時にその直後から、警察の警護体制の甘さが各方面から厳しく指摘されている。

本稿では、米国の民間軍事会社で対人警護や対テロ戦等の訓練を受け、海外のハイリスク地帯における石油施設の警備や大手企業エグゼクティブらの要人警護オペレーションを実際に担当してきた者として、また、各国の軍・警察出身の警護要員や米シークレットサービス出身者を含むプロたちと現場で共に汗をかいた者として、2022年7月10日の段階までに得られた事件発生時の映像等の情報を元に、今回の襲撃事件を許してしまった警察の警護体制を考察してみたい。

逃げ場のない場所とボディーガードの不在

事件の映像を見て最初に驚いたのが、安倍氏が演説していた場所だ。安倍氏は当時、ガードレールに囲まれた中洲のような場所で演説をしていた。

これはつまり、警護対象者(以下、対象者)に対する攻撃があった場合、SPたちが対象者の肩を掴んでその場所から脱出させる際の大きな障害となる。また、爆発物を投げ込まれた場合でも、対象者は自分を囲むガードレールという障害物のせいで、容易にその爆発物から逃れることすらできなくなる。このような「逃げ場のない場所」に対象者を絶対に配置してはならないわけだが、安倍元総理をこんな場所に立たせたのが誰なのかは、警察でも調べるべきであろう。

次に挙げるべき問題点は、SPらの配置である。特に、SPが一人として安倍氏のすぐ後ろに「ボディーガード」として立っていなかったことは大きな問題だ。

通常、ボディーガードは対象者の右か左のすぐ後方に立つものであり、その位置は「手を伸ばせば対象者を掴める距離」でなければならない。なぜなら、襲撃があった際には対象者の体を素早く押さえ込んで倒したり、あるいはその肩を掴みつつ、より安全な方向に向けて脱出させねばならない。場合によっては対象者と犯人の間に自分の身を割り込ませ、身代わりとなって刃物や銃弾を受けなければならないからだ。

しかし今回、SPは誰も安倍氏から腕の届く位置に立っていなかった。つまり、担当SPはボディーガードとしての基本的な役割を果たしていなかったのである。もし右か左の背後にSPが立っていれば、犯人は安倍氏を直接狙えなかったであろうし、弾丸の何発かは安倍氏の代わりに、防弾チョッキを着ていた(はずの)SPに当たっていたであろう。

SPたちの鈍い反応

もう1つの大きな問題は、安倍氏の周囲にいたSPたちの反応の鈍さである。いくつかの動画からは、背後から至近距離で発砲されたのに、銃声に驚いたSPたちはその方向に振り向いただけで、即座に対象者を守るための行動に移らなかった様子が見てとれる。

しかもこの時、犯人はその初弾を外してくれており、2発目を発射するまでに2.5秒ほどの間隔があったが、SPたちがまともに反応し始めたのは安倍氏を死に至らしめた2発目が発射されたのとほぼ同時であった。

プロの警護要員であれば、次弾発射まで1~2秒も時間があればいろいろなことができたはずだ。大声を上げて犯人に飛びかかったり、その射線を遮るだけでも犯人の手元を狂わせるだけの心理的効果はあるからだ。しかし彼らは全く動かなかった。この反応の鈍さは、弁護の余地がないくらいにひどいものである。

SPたちは安倍氏に対する群衆からの野次に加え、鈍器・刃物程度の攻撃は想定していたであろうが、まさか銃で撃たれるとまでは想像していなかったのかもしれない。しかしこれはまさに「平和ボケ」が取り返しのつかない事態を招くのだという良い例である。

グローバル化した今の時代、日本だけが安全だとか、犯人は銃や爆弾を使うまい、などと勝手に想定してはならない。セキュリティの世界においては「脅威は常に自分の想定の数歩先を行っている」と考えるべきなのだ。

十分な周辺警戒をしていなかったSP

ちなみに当時、安倍氏の周囲にはSPが7人ほど配置されていたというが、誰一人背後まで警戒をしている様子はない。その結果、まさにその背後から銃を持った犯人に対象者から約3メートルの距離まで入り込まれている。

奈良県警は、犯人の姿を確認したのは一発目が発射された後だったと言っているが、つまり犯人が約3メートルの距離に接近するまで、警察官らは誰一人その脅威に気づかなかったというわけだが、こんなことは普通、VIPを警護するプロの世界では考えられないレベルの失策である。

そもそも、殺傷力のある武器を持った犯人を対象者の位置から10メートル以内に入れた段階で、警護任務はほとんど失敗である。その武器が刃物であっても状況は同じだ。

例えば、刃物を隠して群衆に紛れていた犯人が、10メートル先で周辺警戒するSPの隙をつく形で、その背後にいる対象者に向かって走り始めたとしよう。SPは恐らく、犯人が駆け寄る靴の音や群衆から上がる小さな悲鳴などによって最初に異変を察知するであろうが、その段階ですでに1秒ないし2秒は経過しており、その時点で犯人との距離は5~6メートルにまで縮まっている。そこでSPは初めて犯人の姿を確認し、武器の種類を見て素手で対応するか、或いは拳銃を抜くかの判断をしつつ、同時に対象者と犯人の間に体を割り込ませ、スーツをめくって腰のホルスターから拳銃を抜くわけだが、その頃には犯人は既にSPの目と鼻の先まで来ているであろう。そうなるとSPは、向かってくる犯人に対して自ら体当たりでもする必要があるが、それでも10メートルという距離がSPにより多くの時間を与えるため、対象者を守る確率は大きくなるだろう。

こうして犯人との距離をとることは、銃犯罪に対抗する上でも極めて有効だ。

仮に犯人が拳銃を持っている場合でも、10メートルも離れれば命中精度がかなり落ちることが予測できるし、今回の事件で使われたような銃身の短い散弾銃であれば、発射直後に弾丸がバラけるため、10メートルという距離があればやはりターゲットへの命中はかなり困難になる。

事実、今回の犯人は安倍氏から約5メートルの位置で初弾を発射したようだがそれは命中しておらず、そこからさらに数歩進んだ約3メートルの距離で放った2発目で初めて安倍氏に致命傷を与えている。

つまり、今回もしSPたちが背後までしっかりと警戒し、この犯人の挙動が怪しいと感知することができていれば、そしてそこでしっかりと犯人に声掛けをして距離を取っていさえすれば、安倍氏は命を落とさずに済んだ可能性は極めて高い。

海外の要人警護のプロによる指摘

元英国ロンドン警視庁刑事部長として長年北アイルランドや海外において数多くのテロ事案や誘拐事案を担当し、現在は筆者が経営するリスクコンサルティング会社の顧問を務めるピーター・ガルブレイス氏も、「今回の警護チームによる最大の失敗は、犯人を安倍氏のすぐ背後まで簡単に侵入させたことだ」と指摘する。

「映像を見る限り、警護要員はみな内向きに配置され、群衆に向かって語りかける安倍氏と同じ方向を見ており、安倍氏の背後にある潜在的な脅威に対して注意を払っていたようには見えません。今回警護チームには、脅威を早期に特定して無力化するための機会が十分にあったはずですが、残念ながらそれらは見過ごされました。犯人はそんな彼らの隙を突く形で安倍氏に接近し、致命的な攻撃を行うことができたのです」

ガルブレイス氏は、2013年に10人の日本人がイスラム過激派に殺害されたアルジェリア事件の際には現場での対テロ作戦を担当し、また極めて優れた功績を残した警察官にのみ授与される英国女王警察勲章(QPM)に加え、凶悪な国際テロリストの逮捕・引き渡しの功により「スペイン国家憲兵功労十字章」をも授与された人物だ。現在は欧州や中東諸国の軍・警察機関に誘拐人質交渉や犯罪予防、テロ対策の指導をも行うなど、英国でも指折りのセキュリティ専門家であるが、「犯人と安倍氏の間にもっと距離さえあれば、今回の悲劇は起きなかっただろう」と語る。

「一般的に、手製の銃器は工場で製造されたものと比べて遠距離での精度が劣ります。しかし、犯人が安倍氏の数メートル背後にまで接近できたこと、そして銃自体が2発発射可能な構造であったため、1発目を外した後にさらに続けて2発目を発射できたことが犯人の成功に繋がったのでしょう」(ガルブレイス氏)

丸裸になってしまった安倍氏

さらに、当社のパートナー企業である米民間軍事会社「トロジャン・セキュリティ・インターナショナル社」の代表で、英海兵隊特殊部隊「特殊舟艇隊(SBS)」出身のスティーブン・マスタレルズ氏は、安倍氏が倒れた後の犯人の身柄確保についても首を傾げる。

「2発目の射撃で安倍氏が被弾した後、何人ものSPが犯人に向かって走り出すのが見えましたが、あれは間違いです。SPの本来の仕事は対象者を守ることです。犯人の押さえ込みは1人か2人で十分であり、その他のSPは全員が安倍氏を取り囲んで、さらなる襲撃の可能性に備えつつ、同時に周囲のより安全な脱出路の確保を行い、また必要に応じて救命救急に対応するために動かねばなりません」

この点は筆者も全く同感で、映像を見た瞬間、なぜ犯人に何人もの警官が飛びかかる必要があるのだろうという疑問を持った。そんなことをすれば、その間に安倍氏はほとんど丸裸になってしまうわけで、実際に安倍氏の警護はこの時かなり手薄になっていたようだ。倒れる安倍氏の周囲は、心配する支持者や自民党関係者らが囲んでいたが、もしその中にもう1人の「バックアップ」としての刺客が紛れ込んでいたら、安倍氏はそこでも確実にやられていたであろう。

因みにこのマスタレルズ代表もまた、現在も麻薬カルテルの凄まじい殺し合いが横行する中南米や、テロと紛争が多発するアフリカといった危険地帯でVIP警護を行う現役のプロであり、筆者に最新の要人警護技術や対テロ戦闘、さらに市街戦の訓練を叩き込んでくれた恩師でもある。そんな氏の経営する会社は、グリーンベレーやネイビー・シールズといった米軍特殊部隊や、英豪仏独蘭といった欧州諸国の陸海軍特殊作戦部隊に加え、連邦捜査局(FBI)、麻薬取締局(DEA)のような法執行機関に対して高度な対人警護や対テロ戦の訓練を提供し、さらに実際にイラクやアフガニスタンでも数々のオペレーションを行った実績を有している。

マスタレルズ氏は、過去数十年のキャリアの中で、自身のクライアントからは1人の犠牲者も出さなかったことを誇りとしているが、それらの警護任務中にチームの仲間を失った経験もあるようだ。そんな修羅場を抜けてきたプロの指摘は重い。

他にも、安倍氏が倒れた後、天理市長が周辺の人たちに向かってAEDを探してくれと叫んでいるシーンがあったが、もしSPがAEDや救命救急装備の準備さえしていなかったとしたら、これはこれで大問題だ。海外の警護チームであれば、対象者が負傷した場合に備えて、こういう救命救急装備の一式は必ず用意しているし、訓練も受けている。さらに、対象者の持病なども把握し、発作等が起きた場合には最寄りの専門医のところに救急搬送を行える体制を整えてから警護を開始するのが普通だ。

今回の警護チームが危機にうまく連携できなかったのには、それなりの理由もあるだろう。例えば、安倍元総理の奈良入りは事件前日に急遽決まったそうであるが、これではあまりに準備期間が短すぎる。幹部の中には、人数を配置していれば大丈夫だと考える人もいるかもしれないが、現場はそう簡単にはいかないものだ。

いくら毎日警護の訓練や実任務についているようなベテランの警護チームであっても、日によっては当直明けや休暇中のメンバーもいるだろう。その穴を埋めようとするあまり、かつて一緒に仕事をしたことのない同僚や、ベテランSPと新人SPを不適切な割合で混ぜた急ごしらえのチームを作った結果として、普段なら絶対に考えられないような連携ミスが生じてしまう可能性は十分にある。

前出のガルブレイス氏も「英国には『自己満足は敵である』という言葉がありますが、いくら警察官を多く配置したところで、そこに適切な警護チームが配置されていなければほとんど無意味です」と指摘する。

いずれにせよ、SPたちは全てが後手に回り、とてもではないがプロの警護要員らしからぬ対応しか見せられなかった。

某県警SPの技量レベル

一方で、筆者は今回の彼らの対応については、それほど驚かなかったし、寧ろ正直なところ「なるべくしてこうなった」といった感想を持った。なぜなら筆者はかつて、ある地方の県警SPたちと同じ場所で警護の仕事をしたことがあったからだ。

数年前のことであるが、筆者が所属していた企業の地方オフィスを大臣クラスが視察するという話が持ち上がった。当時、同社のセキュリティ・マネージャーであった筆者は念のためということで、警備対策要員として受け入れ側チームの一員に加えてもらい、現地入りしたことがあった。

大臣の訪問は夕方ということになっていたため、筆者自身は半日前に現場入りし、午前中から数時間かけてオフィスの建物周辺を歩き回り、フェンスの状況や周辺の茂み、近隣住宅の状況を入念にチェックした。また隣接する駐車場も定期的に巡回し、停車車両のナンバーや中にいる人物、助手席や後部座席に置かれている荷物の様子をも徹底的に確認し、さらに自社オフィスがある建物内でも、使われていない部屋や倉庫、階段の裏、裏口などに加えてボイラー室の中まで何度も入念にチェックをし、同時に海外にある監視センターから現場をCCTVで遠隔監視しているチームに対しても、不審な人影があれば直ちに連絡をもらえるように依頼をしていた。

さらに、その地方オフィスは南側が全面ガラス張りであったので、万が一の狙撃に備えて、どこからなら角度的にもっとも狙いやすいかという確認を行ったが、これは犯罪者やテロリストからの狙撃のみばかりではなく、逆にVIPやその一行、あるいは社員らが猟銃などを所持したまま立て籠った犯人に人質にとられた場合、警察の狙撃チームに情報を共有することにもつながる。

その一方、大臣警護を担当する県警SPの担当者らが到着したのは、大臣が来る30分ほど前であった。彼らは建物の中をちらっと見回しただけで、セキュリティ・マネージャーである旨を告げて自己紹介した筆者に対して、警備上の質問は一切せず、その後はそのまま入口付近に立って大臣一行の到着を待ち始めたため、筆者は拍子抜けをしてしまった。

彼ら県警SPの動きは、確かに何らかのマニュアルに沿ったもののようには見えたので、ある程度の訓練はされていることは間違いないと思ったが、しかし動きに柔軟性や注意深さが足りないと感じた。

警護オペレーションとは、対象者の性別や年齢、体格や性格、性質、人数、持病の有無、使用する車両の種類や道路状況、季節や気温、天候、時間帯、建物の構造など様々な条件によって変化するのであり、それらに対して柔軟に対応することが求められるわけだが、この時のSPたちが周囲の環境にそこまで配慮しているようには思えなかった。

もちろん、全てのSPがこのようなレベルにあると言いたいのでは決してない。筆者の個人的な知り合いの中にも、高い技能や豊富な経験を持たれた極めて有能なSP出身の民間警護要員は確かにおられる。しかし、筆者が目撃した地方の県警SPや、今回の事件現場のSPらの動きを見る限り、警察SPの全体的な底上げと体制強化が喫緊の課題であることに疑いの余地はない。

また以前あるテレビ番組で、そこに出演していた元SPという人が、「我々SPは1年に1回、米海兵隊でイヤというほど射撃をするんです」と話していたので、興味を持って見ていたところ、その弾数がわずか「300発」だと聞いてびっくりしたことがある。筆者自身は、海外のハイリスク地域に住んでいた際、いつどこで誰に襲われるかもしれないという環境であったせいもあり、最低でも毎週500発(つまり毎月2000発以上)は射撃をしていたため、1年に1回程度の射撃では、いざという時には決して役に立たないだろうと感覚的に感じたものであった。

銃器というのは、自分の体の一部になるまで触れてドリルを行い、また射撃を繰り返すことで初めて上手に使えるようになるものだ。特に、どこからともなく突然向かってくる脅威に対して、わずか数秒のうちに状況判断をして、そこから拳銃を抜き、正確な射撃まで行うという厳しい対応が求められるSPにとって、年にたった数回、わずか数百発の射撃しかさせてもらえないというのはあまりに少なすぎて気の毒なくらいだ。

アフリカ勤務時代の取り返しのつかない失態

今回の事件を防げなかったことは返す返すも残念至極だ。かつて歴代最長の政権運営を行い、バランス感覚のある外交安全保障政策を推進してきた安倍晋三という人物を警察が守れず、みすみす失ってしまったという点においては取り返しのつかない大失態であったと言える。

そして残念ながら、今回の失敗は、日本警察の警護能力の低さの証明とともに、世界中の警察や軍などにおいて「絶対にやってはならない失敗のお手本」として、長く引き合いに出されることになるだろう。

とはいえ、人間も組織も間違いは犯すものだ。そしてその間違いは、時に取り返しのつかないものになってしまうわけだが、しかし責任をしっかりと追及し、失敗の原因を把握した以上は落ち込んでいても仕方ない。この悔しさや痛みをしっかりと受け止めて、再び、今度はより強く立ち上がるしかないのである。

実は、ここまで偉そうに書いてきた筆者もまた、アフリカ勤務時代に取り返しのつかない失敗をしている。

当時、筆者が所属していた企業は、現地のある大企業およびその創業者とビジネス上のトラブルを抱えており、その解決のために交渉せざるを得ない状況になっていた。その相手はアフリカ経済界の超大物であるものの、正体は、競合企業の乗っ取りや誘拐監禁、さらに事故に見せかけた殺しまでやるという、ヤクザ以上に危険な男であった。

そんな相手との交渉を担当することになったのが当時の筆者の直属の上司であったが、この方は「セキュリティなど保険に過ぎない。金ばかりかかるだけで不要」という、平和ボケした日本のサラリーマンにありがちな考えをお持ちであった。それでも筆者は、そんな上司に対して、彼が交渉をしようとしている相手がどれだけ危険な人物かを説明し、そんなところにノコノコと出ていくべきではない、どうしても行くなら身辺警護に加えて大統領府などとも繋がっている弁護士などを帯同すべきだという意見具申を何回も行った。しかし上司は、「そんなこと言っていたら何もできないだろう。それにあなたはいつも危ない危ないと言うが、結局何も起こらないじゃないか」と言われ、やがて他の数人の幹部からも「丸谷は狼少年だ」などと陰口を叩かれるようになった。

筆者自身、そんな反応に内心反発しつつも意見具申を続けたが、あまりの陰口に嫌気が差したこともあり、その上司が交渉に出かける日の朝に限っては、一切のアドバイスをすることをしなかった。

そうしたら、その日のうちに事件が起きてしまった。筆者が危険だと警告したその相手のオフィスに丸腰で交渉に出かけた上司は、そこに突然踏み込んできた、金で雇われたに違いない武装警察隊に身柄を拘束された上、パスポートを取り上げられ、不潔な留置所に不法監禁されてしまったのである。

上司はその後も軟禁状態に置かれることとなってしまったのだが、日本本社の懸命な交渉に加えて、パートナー企業や顧客の協力、さらに政府機関への働きかけなどが功を奏した結果、この事件は2カ月近く経ってようやく解決を見た。

晴れて自由の身となった上司は、そうして事件が解決するや否やすぐに日本に帰国されたが、もともとの持病が凄まじいストレスのせいで悪化したこともあったのだろう、帰国して数週間で亡くなってしまったのである。

その後、盛大な社葬が行われたので筆者も足を運んだが、まだ中学生か高校生くらいのお子さんがいたのを見て、重いハンマーで頭を殴られるような感覚に陥ったものであった。確かに現場では何度も言い合いさえした上司ではあったが、それでも実際にその方が命を落としてしまった、そして自分がそれを守れなかったという現実が一気にのしかかってきたのである。

特に、なぜ上司が出発する当日の朝、最後の最後まで身辺警護と弁護士をつけてほしいと言わなかったのか、なぜあそこで諦めてしまったのか、ということが悔やまれてならなかった。もちろん、その上司はそんな忠告など聞かなかったかもしれないが、万が一にも聞いてくれたかもしれないし、そうであれば、この目の前で黙しているご遺族の方々はこんなところで嘆き悲しまずに済んだはずなのである。

そんな時に、関係者から追い討ちの如く浴びせられたのが「あの人を殺したのはお前だ」という心ない声であった。その言葉はその後も長く筆者自身を苦しめ、その結果、自分はセキュリティの仕事など向いていない、いっそのことやめてしまおうとさえと思ったのだが、そんな取り返しのつかない失敗の経験から学んだのは、セキュリティ要員というのは、なにを言われても伝えるべきことは伝え、どんな状況にあっても諦めてはならず、また「そんなものは絶対にあり得ない」という考えを持ってはいけない、ということだった。警備、警護を担当する人間には「何もないのが当たり前」に浸ることなく、「何もないのを当たり前にする」ための努力が常に求められるからである。

事件を契機として警護能力の飛躍的強化を

ちなみに、かつて「狼少年」などと笑われていた筆者が立ち直ったのは、『企業危機管理』(ダイヤモンド社、1998年発行)という本を読んだことにある。

同書は、公安畑から奈良県警本部長などを経て警察庁警備局長になられた故・三島健二郎氏の作であり、この名著からは今でも学ぶところが大変に多いのだが、この本の副題にある「狼少年で何が悪い」という言葉に筆者は救われたと言っても過言ではない。以来、この本は筆者のバイブルとなっているが、おかげで筆者は、過去に自身が犯した前述の取り返しのつかない失敗を乗り越えて、もう一度セキュリティや危機管理の仕事をやろうと心に決めて今日に至っている。

前出の米民間軍事会社代表のマスタレルズ氏は、「確かに計画的な攻撃から防御することは常に非常に困難です。しかし、だからこそ警護を担当するSPは、極めて実戦的な訓練を日々徹底的に行いつつ、世界中で発生している最新のテロ戦術の情報を熱心に収集分析して、それらにも対応可能な知識と技量を維持していく必要があるのです」と言っている。

一方、元ロンドン警視庁のガルブレイス氏は「強力な警護チームを作るには多額のコストがかかる」と指摘する。

「強力な警護チームの育成に向けた投資は、少額の掛け金だけではいざという時に満足な補償は期待できないという点で旅行保険に似ています。安倍元総理のような人物を二度と失わないためには、高いコストをかけてでも要員に最新かつ包括的な訓練を提供し続けて経験を積ませることで、どんな状況でも対象者を必ず守ることができる高い能力を備えた警護チームを地道に作っていくしかありません。そこに近道など存在しないのです」(ガルブレイス氏)

警備や警護の世界は、ゼロか100しかない。何もなければ時に「お前らなど不要じゃないか」と言われるし、何かあったら「なぜ防げなかったのか」と非難されてしまうような仕事でもある。しかし、そんな万に一つあるかも知れない状況に日々備えるのが、プロの警護要員の任務だし、経験豊富な海外の警護チームもまた、いくつもの大失敗を乗り越え、多くの血を流しながら、一流となるための研鑽を今日もずっと積んでいるのである。

今回、一警護チームの気の緩みが、日本という国にとって極めて重要な立場にあったリーダーの損失という重大な事態を招いてしまった。この失敗はいくら後悔しても取り返せるものではない。また、日本警察の能力に対する国内外の信頼はこれで大きく揺らぐであろうし、犯罪予備軍やテロ組織に対しても、日本という国は攻撃しやすい場所であるとの印象を与えてしまったことであろう。つまり、今回の失敗によって日本の未来とその安全は大きく損なわれてしまったと言える。

日本の警察SPの皆さんには、今回の事件で失った内外の信頼を取り戻すため、そしてより安全な日本を作るためにも、この国の治安を長らく守ってきたという伝統と日本警察のプライドをかけて、是非ともこの悲劇的な安倍元総理銃撃事件を乗り越え、その経験を糧にさえして警護技術の飛躍的強化に取り組んでいただきたい。それが、自らの政治生命をかけて日本の安全保障の向上に貢献し続けた故・安倍晋三元総理への最大の手向けではないだろうか。

[筆者プロフィール] 丸谷 元人(まるたに・はじめ)
1974(昭和49)年、奈良県生れ。オーストラリア国立大学卒業、同大学院修士課程中退(東アジア安全保障)。オーストラリア戦争記念館の通訳翻訳者を皮切りに、パプアニューギニアでの戦跡調査や、輸送工業事業及び飲料生産工場の設立経営、さらにそれに伴う各種リスク対策(治安情報分析、要人警護等)を行った後、西アフリカの石油関連施設におけるテロ対策や対人警護/施設警備、地元マフィア・労働組合等との交渉や治安情報の収集分析等を実施。また、米海兵隊や米民間軍事会社での各種訓練のほか、ロンドンで身代金目的の誘拐対処訓練等を受ける。さらに防衛省におけるテロ等の最新動向に関する講演や、一般企業に対するリスク管理・危機管理に関するコンサルティングに加え、複数のグローバルIT企業における地域統括セキュリティ・マネージャー(極東・オセアニア地区担当)やリスク/危機管理部門長等を歴任。現在、日本戦略研究フォーラムの政策提言委員として、『週刊プレジデント』や月刊誌『VOICE』『正論』などへの執筆をも行う。
著書に『The Path of Infinite Sorrow: The Japanese on the Kokoda Track』(豪Allen & Unwin社)、『ココダ 遥かなる戦いの道』『日本の南洋戦略』『日本軍は本当に「残虐」だったのか』『学校が教えてくれない戦争の真実』(ハート出版)、『なぜ「イスラム国」は日本人を殺したのか』(PHP研究所)等がある。

◎本稿は、「日本戦略研究フォーラム(JFSS)」ウェブサイトに掲載された記事を転載したものです。

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