『香港「国家安全法」の衝撃、習近平が暴挙に出た理由 香港の一国二制度が終わる日』(5/28JBプレス 福島香織)について

5/30WHよりのメール「

Check out this absurd email Twitter just sent us

Dear 1600 Daily subscribers,
We are forwarding you this email that the White House just received from Twitter. It’s so absurd, we just had to share it with you.
This morning, the White House Twitter account reposted text from a tweet sent by President Trump. A short time later, Twitter censored the tweet, claiming it violated Twitter Rules about “glorifying violence.”
That is completely false. As the President just explained again, his tweet was CONDEMING violence and pledging federal support to keep Minnesotans safe.

The email we just received, presumably sent by a different team within Twitter, admits that the very tweet they are censoring does not violate any Twitter Rules.
Yet the tweet is still censored.
Twitter’s own staff just made this much clear: Twitter is a publisher with an editorial viewpoint, NOT a platform.
See the email below for yourself:

ツイートIDが違うので何が“glorifying violence.”なのか分かりません。別々の人が検閲しているのでしょうけど。トランプの上のツイートを読む限り、問題はないでしょう。」(以上)

5/30希望之声<习近平玩政治豪赌 惊爆彭丽媛和女儿“不满离去”=習近平は政治的に大きな賭をし、驚くことに彭麗媛と娘は「不満で出て行った」>“香港版国家安全法は、5/28の全国人民代表大会の閉会日に可決された。これは香港の一国両制を終わらせるものとして、国際社会は強く非難するが、これは習近平の政治的賭けでもあると考えられている。最近、中共体制内の事情通は、「習近平の妻の彭麗媛と娘の習明沢は、習近平と中共が香港の自由を奪ったことを不満として出て行った」と。事情通はまた、「習近平の家庭でさえこうだから、中共の終わりは遠くない」と言った。

ここ数日、香港の情勢はますます激しくなり、習近平の家族関係はこの件で劇変したとネットで噂されている。《看中国》の5/29の独占インタビューで、中国問題の専門家、且つ有名な民主活動家の唐柏橋は、彭麗媛と習近平の別居の話をした。

唐柏橋は、この件は真実と思っていると言った。彼が知っている部長クラスの秘書が彼に書いて教えたのは、彭麗媛と娘の習明沢は習近平と昨年11月か12月に正式に別居し、いかなる正式の場面でも習と一緒に姿を現すことを拒絶し、習近平の母親は彭麗媛のやり方に共感し、中共中央事務室は何度も一緒に出ることを頼んだが、いずれも成功しなかった。

唐柏橋の分析は、「これは香港問題に関連しているかもしれない。昨年、中共による香港の弾圧は世界を怒らせた。習近平の娘、明沢はハーバード大学に通っていて、香港からの同級生や友達がたくさんいる。習明沢は香港にとても同情している。そして、彭麗媛と娘は非常に親密であり、家族内で最終合意がなされた。彭麗媛はもはや習近平夫人の身分で公の場に出ず、今後の事は彭麗媛とは関係ない」と。

北京の上級幹部の内幕に精通しており、現在香港に住んでいる元中共官員は海外メデイアに、「“香港版国家安全法”は元々2月に導入される予定であった。1月に米国との第1段階貿易協議合意に署名した後に始まったが、突然の疫病流行により、リズムが崩れた。彭麗媛とその娘は、11月か12月に中共が“香港版国家安全法”を香港に強制することを知っていたかもしれず、香港に1国両制を適用しないことが、別居の決断になったのでは」と明らかにした。

彼は最後に、「習近平の家庭でさえこうだから、中共の終わりは遠くない」と述べた。

中共の政治状況はすでにブラックボックスであるため、上級幹部の家庭のことは秘密中の秘密である。彭麗媛と娘が習と離れて暮らしているというニュースを他に確認する公式チャンネルはない。

彭麗媛の活動に関する公式の《人民網》の報道を調べたところ、今年の活動レポートは、1/8~9まで、米国のジュリアード音楽院のWurtzel院長と面会したことがわかった。3/3~4まではスリランカの女子校の生徒に返信した。

彭麗媛が習と最後に出演したのは半年前の2019年12月18日から20日までで、習はマカオに戻って回帰20周年活動に参加した。

習の「家庭内有事」に関するニュースが本当なら、上述の記事が彭麗媛と習との最終公式イベント参加になるはずである。

習の娘である習明沢は、成人してから公の場に現れたことはない。外部では、インターネット上で子供時代の写真しか見つけることができない。2014年にハーバード大学で心理学の学士号を取得した後、習明沢は父親から中国に呼び戻され、父親の特別なスタッフとして支援したことが報道されている。

習近平当局は両会を招集し、5/21夜の人大記者会見で“香港版国家安全法”を上程する必要があることを発表し、騒動を引き起こした。その後、法案の起草が決定され、俗称「挙手ロボット」として知られる全国人民代表大会で5/28閉幕日に可決され、2878票が賛成、1票が反対、6票が棄権の結果であった。

中共が強行推進した“香港版国家安全法”は、香港社会にショックとパニックを引き起こした。この法案は、北京が香港を直接支配することを認めている。法案には、いわゆる「国家・政権の転覆」、「国家分裂」、「テロ活動」、「外部勢力による介入」が含まれており、法案通過後は、基本法附属書IIIの形で公布され、香港で直接施行され、立法評議会を迂回した。この法案はまた、将来、中共国家安全機関が直接香港に駐屯することを認める。

バプテスト大学ジャーナリズム学部の上級講師である呂秉権は、「中共人大が“香港版国家安全法”を可決させた後、香港の状況は非常に悪化した。中共の党・国体制の下で押さえつけられると言える」と《アップルデイリー》に語った。

しかし、この法案は強烈な国際非難と大きな反響を引き起こした。中共人大による“香港版国家安全法”が提案された日(28日)、米国、カナダ、イギリス、オーストラリアによる共同声明は、「中国(中共)が香港に新しい国家安全法の実施を決定し、法的拘束力を持たせるなら、国連に登録されている“英中合同声明”の原則に基づく国際的な義務と、直接対立する。この国家安全法は、“一国両制”の枠組みを破壊し、香港人の権利を保護するという約束を破るものである」と。

5/28の夜、フランスのAFPはいくつかの国連外交筋の話を引用し、「米国と英国はすでに国連安全保障理事会に“香港版国家安全法”に関する会議の開催を要請したと述べた。この会議は非公式且つ非公開の会議で、今日ではオンラインビデオ会議の形式で開催され、すべてのメンバーが関連する問題について話し合うことができ、北京は理論的に異議を唱えることはできない」と。

5/29午後、トランプ米大統領はWHで、「中共は香港の自由を窒息させている。北京当局は香港の自治権を根本的に奪ったため、米国は香港の特別の地位を取消しする予定である。米国は、香港の特別扱いを撤回し、香港の自治を侵した中国当局担当者を制裁し、中共のセキュリティ機関によって課される監視の危険性と罰則の増大に対応して、国務省が香港に提供する旅行ガイドを改訂する」と語った。

NYTは、「強行推進した“香港版国家安全法”は習近平政権が危機下にあり、香港の政治を飼いならすギャンブルに出たことを意味する」と。

香港の有名な評論家の劉鋭紹は《アップルデイリー》に対し、「中共はこの法を推進した所から見て、この決定が中国や香港へどのくらい害を齎すか、客観的に計算していないことを反映している」と語った。中共が“香港版国家安全法”を強力に推し進めたことは、香港の抵抗と闘うことに加えて、内部闘争に打撃を与えるためでもあり、“輸出から国内消費”による香港の政治的不安定を避けるためでもあり、“20大の中共闘争の防衛戦”である」と述べた。

彭麗媛は娘の習明沢の香港の友人たちを慮って別居の挙に出たのでしょう。中共の悪行の数々、大躍進、文革、チベット人虐殺、ウイグル人強制収用等を見れば、共産主義は人類を不幸に陥れるだけというのが分かる筈。悲しいかな、身近な人間が被害に遭わないと、中共のおかしさにも気づきません。今度の武漢ウイルスだって中共が意図的にバラ撒いたとしか思えないのに、日本人で中共に怒っている人は少ないのでは。中共の嘘の起源説に騙されないように。感染症で亡くなった遺族は米国で中共相手に裁判を起こすべきです。

https://www.soundofhope.org/post/384676

福島氏の記事では、台湾が香港の代わりに世界の金融センターになるのは、勿論大賛成ですが、日本は自由と民主を訴求する香港人のために、どうして声を上げないのか?チベット、ウイグルの時もそう。結局、われ関せずで、日本が困っている時には、これでは誰も助けてくれなくなります。

日本の議会の中から、香港の窮状を見て、習近平の国賓訪日反対の声が上がりましたが、それだけではなくて、困っている香港人を助けるアイデアも出すべき。

本来なら、在日反日外国人と反日日本人を理想とする国に送り返し、代わりにスパイでない、日本語を話せる香港人を帰化させるのがいいと思います。アグネス・チャンは香港人に戻り、アグネス・チョウは日本へ帰化させたらどうか。

記事

中国・北京で開催された全国人民代表大会 第13期第3回会議(2020年5月25日、写真:新華社/アフロ)

(福島 香織:ジャーナリスト)

中国の全人代(全国人民代表大会)の最終日の5月28日、いよいよ「香港特別行政区における国家安全保護に関する法律制度」、通称「香港版国家安全法」「香港国安法」が可決される。

5月24日に香港ではこれに対し激しい抵抗運動が起きた。香港警察は催涙弾など武力で抑えこみ、200人以上が逮捕される事態となった。28日の可決日を控えて、27日の香港は繁華街のあちこちに警官隊が配備され、まるで戦時下のような物々しい空気が流れている。このコラムが公開されているころ、香港は一体どうなっているのか。胸が押しつぶされそうな気分でいる。

中国の悲願だった香港での国家安全条例成立

香港国安法の全容がわかるのは、5月28日に可決されたあとだ。全人代開幕の3日前に急遽、全人代で草案が審議、可決されるという抜き打ちのようなアナウンスがあった。いったい何を根拠にそんな法律ができるのか、キツネにつままれたようだった。

香港には基本法と呼ばれる香港の憲法に相当する法律がある。英国統治下から中国に返還されたときにつくられた法律で、香港の「一国二制度」を担保するものだ。

この基本法には中国の民主化を将来的に期待する英国と、香港の中国化を望む中国の思惑を反映した内容がともに含まれている。

英国側は、付属文書に「いずれ特別行政長官選挙(間接選挙)を普通選挙に移行できる」という条項を盛り込み、香港に民主主義を根付かせようとした。そうすれば香港から中国に民主主義が広がるかもしれない。

中国側は基本法23条で、香港政府が、国家反逆、国家分裂、動乱煽動、中央政府転覆、国家機密窃取の行為を禁止し、外国の政治組織や団体が香港で政治活動をすることを禁止し、香港の政治組織・期間が外国の政治組織や国体と関係をもつことを禁止する法律を自ら制定すべし、という「国家安全条例」制定条項を規定した。国家安全条例は、香港を拠点に中国の民主化を企む勢力を一網打尽にできるという法律だ。

この国家安全条例を香港で成立させる(香港政府に制定させる)ことは中国共産党の悲願の1つであった。この法律がないと、いつか香港から民主化の波が押し寄せてくる、という不安は解消できない。実際、香港では西側の“工作員”が活動し、中国本土から邪教として迫害され追い出された“法輪功学習者”や、文化大革命、天安門事件で迫害されてきた人々も逃げ込み、定着している。彼らが民主主義や自由の価値観と中国共産党の悪辣さを香港市民に“布教”し、その影響力が広東地方へ波及し、中国共産党の政権の安定を揺るがすかもしれない──というのが香港返還後、ずっと中共政権の不安の種だった。

英国との約束の一国二制度50年維持の縛りから、中国が勝手に香港のこうした反中分子を取り締まることは本来許されない。だが、香港自らが望んで、彼らを取り締まる法律をつくれば問題ない。基本法23条に基づいた国家安全条例ならば、直接・間接選挙で選ばれた市民の代表である香港立法会を通じて制定された法律である。つまり香港市民の総意であり、一国二制度を維持したまま、香港の反中分子を合法的に取り締まることができる。

国家安全条例に代わる法律を強引に制定

2003年、胡錦涛政権はこの23条に基づく国家安全条例を成立させようと、当時の董建華香港政府に強く働きかけたことがあった。だが、この年の7月1日、香港市民は香港返還後最大規模の50万人以上の反対デモを起こし、香港の安定を損なうことを恐れた胡錦涛は、このときの国家安全条例案を棚上げにした。胡錦涛政権はその代わり経済緊密化協定(CEPA)によって静かに香港を経済面から取り込む戦略をとった。

だが習近平政権になって、胡錦涛政権の静かなる香港取り込み路線は大きく変更され、あからさまな香港中国化路線がとられた。

2018年暮れには23条に基づく国家安全条例を香港に制定するように強く求めたという。だが、林鄭月娥行政長官は国家安全条例制定より先に、まず逃亡犯条例改正を試みようとした。その方がたやすいと見たからだ。結果的に、逃亡犯条例改正に反対する香港“反送中”デモが起き、空前の反中運動に発展した(その背景と経緯は拙著新刊『新型コロナ、香港、台湾、世界は習近平を許さない』に詳しく記してあるので参照してほしい)。

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香港政府に国家安全条例を制定する能力がないとみた習近平政権は、同様の法律、つまり香港国安法を、香港立法会を無視して成立させることにした。本来、一国二制度下でありえないことだ。建前もくそもなく、一国二制度を堂々と無視したわけだ。

習近平はなぜ暴挙に出たのか

なぜ、いきなり、こんな暴挙に出たのだろう。私の個人的な見立てとして、背景を3つあげたい。

(1)香港デモの決着をつけたい習近平

1つは昨年の香港デモの決着をこれでつけよう、と習近平が最後の賭けに出た。

習近平の昨年の香港デモ対応はすべて失敗であり、デモがあれほど過激化したにもかかわらず、国際社会は中国の言う「暴徒」の味方についた。2019年11月の区議選挙では民主派が大勝利した。この責任を香港の中央政府出先機関・駐香港連絡弁公室(中聯弁)主任の王志民にとらせたが、党中央内では「習近平の失敗」との批判も少なくない。このリベンジをしなければ、習近平は党中央内で権勢を保てない。

今年(2020年)秋には香港で立法会選挙がある。万が一にも立法会選挙で民主派議員が過半数とるようなことがあってはならない。新型コロナ感染拡大予防で、香港ではデモが規制され、外国人の渡航制限も継続されている今こそ、力ずくでデモ参加者を一網打尽にできるときだと判断した。そのために必要な国安法の成立を急いだ。この立法に反対する香港市民がデモを起こしても、デモ参加者を「国家に反逆する犯罪者」として逮捕できる法的根拠がすでにできているのだ。

解放軍関係者がこの法律について支持表明を出しているのが不気味だ。香港駐留部隊指令の陳道祥は「国家統一を破壊するたくらみ、国家分裂の行動を抑制し懲罰し、各種分裂勢力、外国干渉勢力を震えあがらせ、我らが国家主権と領土の完全性を守る堅い意志を知らしめることができる」と国安法制定支持を表明し、「香港の国家主権と安定を守る自信と覚悟がある」とコメントした。全人代では、解放軍、武装警察の全人代代表から「解放軍はいかなる国家統一の破壊、分裂行為も粉砕できる能力と自信がある。国家主権を維持し、領土の完全性を守る能力と自信がある」といった発言が相次いだ。解放軍が“香港暴動”鎮圧に乗り出す可能性もゼロとは言い難い。

(2)国際世論の「新型コロナ」責任追及をかわしたい

2つ目は、新型コロナ肺炎のパンデミックにより中国責任論が国際社会で大きく盛り上がってしまったことだ。米国やオーストラリアだけでなく、インド、トルコ、ポーランド、アルゼンチンなどでも、中国に損害賠償を求めて国際法廷に訴える動きが高まっている。この国際社会からの中国責任論、賠償問題は中国共産党中央にとって、目下一番対応に苦慮しているテーマだ。

習近平は、トランプならやる、と思っている。逆にそれをやらなければトランプは大統領選挙で勝てない。中国には、こうした国際裁判で争えるような経験豊かな弁護士はいないので、提訴されれば無視するのだが、そうなると欠席裁判で必ず負ける。負ければ、米国における中国共産党資産が差し押さえられる。具体的にいえば中国が購入している米国債の債権だ。次に、国有企業資産か。

習近平はこうした国際世論の責任追及をかわすために、国際社会の関心を新型コロナの賠償問題から他に移す必要があった。

それが香港である。香港で国安法を制定しようとすれば、香港デモの若者たちは怒り荒れ狂う。それを「動乱発生」「暴動発生」として、解放軍、武装警察動かし、武力鎮圧を行う。国際金融都市でそれをやれば、国際社会は大慌てだろう。それこそコロナ賠償どころではない。それをやらない代わりに、賠償責任追求をあきらめろ、と米国に交渉を持ちかけることもできよう。

(3)貿易交渉で米国に配慮する必要がなくなった

3つ目は、新型コロナ肺炎のパンデミックによって米中関係が急激に悪化したことから、米中貿易交渉で米国からより大きな妥協を引き出すために米国に配慮する必要がなくなった。

米国はすでに香港人権民主法案を施行しており、香港の一国二制度を破壊する中国の動きに目を光らせている。中国は、米国とうまくやっていくために香港の一国二制度を維持する必要性を感じなくなったのだ。一国二制度が崩れれば香港の国際金融都市としての価値は失われる。しかし習近平にとっては、党内の責任追及をそらすことの方が優先されたのだ。

習近平は追い詰められているのか?

だが、冷静に考えて、香港を犠牲にして、習近平が国内外の責任追及を逃れようとするのは、中国で言うところの「臭棋」、囲碁の悪手もいいところだ。自分の目を全部自分でつぶしているような感じだ。自由都市・香港の経済的価値を全く計算できていない。

香港国安法など成立させなくても、林鄭月娥長官を通じて、立法会選挙の民主派候補の出馬資格に難癖をつけて剥奪などすれば、選挙結果をコントロールすることくらいできるだろう。すでに中国共産党は気に入らない人物を秘密逮捕し北京に連行して裁判にかけるようなこともやっている。中国は法治国家ではないのだから、本当は無理して法律など作る必要はないはずである。

一部国際社会の中には、いち早く今回のパンデミックを抜け出した中国をポジティブに評価する声もある。米フォーリン・ポリシー誌は「コロナ禍は習近平の窮地を救った」とまで書いた。だが、香港でこんな臭棋を打てば、そのアドバンテージは消し飛ぶどころか再び窮地に陥る。そんな判断もできないほど、習近平は追い詰められているのか。

米中対決が危険水域に近づくリスク

この香港国安法が日本ではあまり危機感をもって受け取られていないのは残念だ。日本には「中国に制裁をほのめかして、この立法を阻止しなければならない」と主張するような政治家はいないのか。これは米中新冷戦が熱戦(直接的な武力行使)の入り口に近づくくらいのリスクがあると私は思う。

中国に帰属する自由都市・香港は、長らく西側の自由主義社会と中華式全体主義社会をつなぐ回廊の役割を果たしていた。多くの金と人が香港を通じて行き来している。その香港をつぶすということは、中国は西側社会との決別を決心したということではないか。米国はじめ西側諸国の出方はまだ不明だが、本当に香港に対するビザや関税の優遇が取り消され、中国への経済制裁が行われることになれば、次に起こりうるのは冷戦ではなく熱戦だ。

中国党内には、最近、トランプが中国に戦争を仕掛けてくる、という危機論が出ている。日本に真珠湾攻撃をさせたように、巧妙な情報戦で中国を追い詰め、戦争を仕掛けさせるつもりだ、といった意見を言う人もいる。台湾への米国の急接近もその文脈で説明する人がいる。だから挑発に乗らないようにしよう、という話にはならなくて、それなら米国から手を出させてやる、と言わんばかりの「戦狼外交」(挑発的、恫喝的、攻撃的な敵対外交を指す)で対抗するのが今の習近平政権なのだ。

こういう局面で、今や世界は一寸先は霧の中だ。

香港国安法が制定されば香港はどうなるか。「香港暴動」が仕立て上げられて、軍出動となるかもしれないし、そうならないかもしれない。だが、中国唯一の国際金融市場が消滅する運命になるのは、ほぼ間違いなかろう。多くの香港知識人や社会運動家やメディア人や宗教家が政治犯として逮捕の危機にさらされ、政治難民が大量に出るだろう。

台湾蔡英文政権は、それを見越して、政治難民の受け入れも想定した「可能な人道的援助」に言及している。今年1月に再選を果たしてから、新型コロナ感染対応を経て、蔡英文は見違えるほど頼もしくなった。言うべきときに言うべきメッセージを国際社会に発している。

私のひそやかな願いとして、もし国際金融都市で自由都市である香港が消滅するのであれば、台湾が香港を吸収する形で香港の役割を肩代わりできるようにはならないだろうか。米国や英国、日本、EU、オーストラリアあたりが本気で協力すれば、台湾を正式メンバーとして組み入れた国際社会の枠組みを再構築することも可能だと思うのだが、どうだろう。そういう希望の光を、この深く暗い霧の中で見出したいものだ。

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