『実はトランプや習近平が「優れたリーダー」な理由 米国大統領選や新型コロナ騒動にみるそれぞれのリーダーシップ』(2/25JBプレス 朝比奈一郎)について

2/27WHからのメール<President Trump’s aggressive coronavirus response>1時間18分、56分30秒くらいから安倍首相の名と東京五輪の話が出てきます。

https://www.whitehouse.gov/live/?utm_source=ods&utm_medium=email&utm_campaign=1600d

2/26希望之声<防疫優先 蔡英文喊停籌備520總統就職典禮=防疫優先 蔡英文は5/20の総統就任式の準備を中止>世界的な武漢肺炎の流行は深刻な状況となり、台湾の蔡英文総統は本日(26日)、5/20の就任式の準備活動を中止し、疫病の状況の変化に合わせるのを優先し、柔軟に対応できるようにする。台湾の疫病情勢にまだ懸念があるとすれば、5/20就任式のような大規模なイベントは開催できない。

蔡英文は本日、Facebookを通じて5/20の就任式を開催するかどうかについて3つの決定を行った。

1点目は、「準備作業を中断し、疫病情勢の変化に対応するため、最大限の柔軟性を維持すること」。

2点目は、「防疫が優先事項である。流行状況にまだ疑問がある限り、5/20就任式のような大規模なイベントは開催しない」。

3点目は、「すべては、台湾CDCの専門家の意見に従って取り扱われるものとする」。

日本の専門家と台湾の専門家ではレベルに差がある?台湾はさっさと中国人を一時全面入国禁止したのに。台湾の方が日本より中国への経済依存度が高いはず。それでいてすぐ決断できています。下の日経の記事を読みますと、日本の専門家会議というのはレベルが低いのでは。

https://www.soundofhope.org/post/347686?lang=b5

2/26阿波羅新聞網<重磅!加官方改口:难以阻止疫情爆发 请大家做好准备!首府医疗官建议准备些药和食物=重大! カナダは公式に言い方を変える:パンデミックを止めることは困難 皆さん準備してください! 首都の医療関係者は、(処方)薬と食物を用意するよう助言する>オタワ市民報が2/25に報道したように、新型コロナウイルスはますます多くの国に広がっているため、カナダ当局は現在、「カナダ人はパンデミックの可能性に備えなければならない」と警告した。

以前、カナダの当局者は「カナダでの新型コロナウイルスのパンデミックの可能性は非常に低い」と主張していたが、カナダの当局者は今週月曜日に突然言い方を変え、違う話をし出した。

カナダ当局の見解と日本の専門家会議のメンバーの見解は違うようです。ただカナダは中国人の入国制限はしてないようです。それではパンデミックになるでしょう。中国人の移民を増やしてきた咎めでは。

https://www.aboluowang.com/2020/0226/1414696.html

2/26阿波羅新聞網<习近平心腹向王岐山示威?重磅!美加官员:武肺大爆发 武汉3小时30万人流出?=習近平の腹心は王岐山を脅す?重大!米国・カナダ当局:武漢肺炎はパンデミックに 武漢では3時間の内に30万人が脱走?>中国財新ネットは2/20(木)に、武漢市社会福祉養老院の11人の高齢者は発熱が続き、呼吸不全で死亡したと報道した。その夜、“武漢検閲”官は“デマを防ぐ”ことを求め、デマを流した者は最大7年の懲役刑に処せられると脅した。

Radio Free Asiaの報道によれば、「これに対し、武漢のボランティア高明玉は財新ネットの記者の報道を信じていると言った:ある人はあえて真実を語り、またある人は体制の支配下にあるのであえて真実を語らない。 良心的な記者は真実を伝えたいと思っている。 財新ネットは今回あえて本当のことを言った」と。

2/24(月)に、財新は老人ホームについての長い報道をした。今回、財新は死亡した11人の名前をリストアップした。しかし、武漢市民政局はこの情報を否定した。

写真:武漢江岸区西馬街コミュニテイ保健サービスセンターから熱と咳のある何十人もの老人は連れ去られて行った。

アポロネットの王篤然評論員は3つの点を分析した。1つは財新ネットのトップの胡舒立と記者は真実を報道したいと考えている。 2つ目は、胡舒立の政治的庇護者は王岐山である。 3 つ目は財新ネットの庇護者との関係で、これらの記者は他のメディア記者よりも保護される。

王篤然は、財新ネットの創設者である胡舒立は、元々財経メディアにいたときに、曽慶紅の息子曽偉が国有の鲁能を併合したのを独占報道したが、江派によって迫害に遭った。 2009年10月、編集長の胡舒立と彼女のチームは、一緒に辞任することを余儀なくされた。期間中、王岐山が仲介に入り、双方を調停しようとしたと言われている。しかし、最終的に、胡舒立は別のポータルを立ち上げ、財新ネットを設立することにした。2/23、習近平が開催した170,000人の防疫会議に、王岐山は姿を見せず、王岐山と習近平は疫病に対して違いがあることを示唆した。

王篤然は、“武漢検閲”官は“デマを防ぐ”ため、デマを流した者は最大7年の懲役刑に処せられると言ったのは、これは典型的な中共役人の言い方である。ただし、この役人が既に応勇市長の手中にあり、この脅しが応勇の意思の場合、それは王岐山に対する脅しであることを意味する。

いよいよ王岐山も習近平から離れるのか?習の周りは茶坊主か反習派しかいないのでは。心服する忠実な部下はいない。能力と性格に問題があるからでしょう。

https://www.aboluowang.com/2020/0226/1414693.html

2/27阿波羅新聞網<世卫为中共背书 加专家揭老底:谭德塞隐瞒他国家疫情=WHOは中共の為に裏書きする カナダの専門家は内幕を暴露:テドロスは、自国の疫病を隠蔽した>カナダの看護学教授であり、グローバル台湾医師会のカナダ代表である邱麗漣は、現在誰もWHOを信頼していないと述べた。 「誰もが戯言だと思い、誰もが怒っている。(WHO事務局長の)テドロスはもともと中国に買収されていた。当時、テドロスが事務局長になろうとしたとき、エチオピアの誰もがそれに反対した。彼は自国のコレラの流行も隠していて、まったく良い衛生大臣ではなかった。今回も同じことをしている!」

スイスのジュネーブにある世界保健機関(WHO)が訪中した後、2020年2月25日にWHOの Bruce Aylward副局長は記者会見後に記者団と話をした。 (AFP)

ワシントン・ポスト北京支部長のAnna FifieldはBruce Aylwardに、「規制に従って武漢に行った人は誰でも14日間隔離する必要があるのでは」と尋ねた。彼の回答:「私は武漢病院のどんな「汚い地域」にも行ったことがない」と言い、外部は唖然とした。ネチズンは皮肉って、「彼は世界に誇る疫学者であるが、これは模範となるだろう」と。

Bruce Aylwardはカナダ人とのこと。この人も中共のシナリオ通り、「中国の感染者数は下降を辿り、中国の打ってきた手が効果を表していて、武漢市民の努力に敬服する」とか言ったところを見ると、中共に買収されている口では。カナダの疫学レベルも低いのでは。

https://www.aboluowang.com/2020/0227/1414905.html

2/26 23:00日経電子版<イベント中止・出社禁止 新型コロナ、経済非常時モード

Jリーグは全公式戦延期を来月15まで延期する(26日、埼玉スタジアムの入口付近に張られた張り紙)

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、企業や自治体が非常時モードに入ってきた。政府は26日、感染の拡大防止に向け、今後2週間の大規模イベントの中止や延期を要請。これを受け、企業説明会やラグビーの試合などの中止や延期が決まった。日清食品など社員を原則在宅勤務に切り替える企業も相次ぐ。感染者が増える北海道は、道内全ての公立小中学校を休校するよう市町村に要請した。自粛ムードが広がり、経済活動の停滞懸念が強まっている。

安倍晋三首相は26日の政府対策本部で全国的なイベントについて「今後2週間は中止、延期、規模縮小などの対応を要請する」と表明した。要請に法的根拠はなく、首相の政治判断だ。25日に公表した政府の基本方針はイベント開催の明確な基準を示していなかった。首相が決めたのは企業などから国の強い後押しを求める声があったためだ。

政府の専門家会議は24日に「この1~2週間が感染拡大に進むか、終息するかの瀬戸際」との見解を公表している。東北医科薬科大の賀来満夫特任教授(感染症学)は「社会への影響を考えるとかなり踏み込んだ内容だ。人が密集する環境をつくらないことは重要で、対策として意義はある」と話す。

萩生田光一文部科学相は26日、イベントなどの中止や延期などの期間に関し、「3月15日くらいまでをひとつの目安として対応をお願いしている」と強調。26日に経済界首脳らと面会した梶山弘志経済産業相は「時差出勤とテレワークを極力利用し、イベントは開催の必要性を改めて検討してほしい」と要請した。

影響が大きいのが就職活動だ。就職情報大手のマイナビは26日、3月1~15日に開催を予定していた合同企業説明会を中止すると発表した。企業が個別にブースを出展し、学生が自由に企業の会社説明を聞くことができるイベントで、3月から全国で大規模に開かれる。

同業のディスコ(東京・文京)も3月以降の中止を決めた。「リクナビ」を運営するリクルートキャリアは3月の中止を決めており、大手がそろって取りやめ、就活に影響が出るのは必至だ。

従業員の感染を防ぐための在宅勤務も広がる。日清食品は27日から、工場勤務を除く国内の約3千人を在宅勤務に切り替える。ユニ・チャームも国内従業員の6割にあたる約2千人の出社を禁じる。パナソニックは3月15日まで、東京・汐留にある法人向け機器事業などの拠点で約2千人の出社を原則禁止する。

スポーツなどのイベント中止も相次いだ。日本ラグビー協会は社会人のトップリーグの2月29日~3月1日の第7節などの延期を決定。トップリーグの太田治チェアマンは「(昨年の)ワールドカップで注目が上がっており本当に苦渋の決断だった」と話した。

企業活動の自粛は様々だ。三菱ケミカルは26日から約2週間、国内の全従業員の国内外の出張を原則禁止した。三菱UFJ銀行は海外出張を原則禁止とし、従来より制限を強めた。国内も宿泊を伴う出張は原則禁じる。

野村証券の美和卓チーフエコノミストは「レジャーの自粛などを通じ、消費に影響が及ぶ恐れがある」と指摘し、1~3月期に日本の実質国内総生産(GDP)は前期比の年率換算で2.2%減になると予測する。マイナス成長となれば、消費増税や台風などの影響で6.3%減と低迷した10~12月期から2四半期連続。国際的には景気後退とみなされる状態に陥る。>(以上)

「政府の専門家会議は24日に「この1~2週間が感染拡大に進むか、終息するかの瀬戸際」」と思って安倍政権は中国人の一時全面入国禁止をしないのか?湖北、浙江以外の中国人を受け入れていたら、減るはずがない。中国では操業開始して、職場で感染が広がり、集団隔離した報道がなされ、本ブログでも紹介しています。全面的に門戸を閉ざさないと、保菌者が入ってきて、感染は拡大し、医療従事者は倒れ、日本人は中国人のいる場所には行かず、消費は大幅ダウンと悪循環のプロセスに嵌ります。まさか専門家会議は中共の情報だけで、他の媒体からの情報を取っていないということはあるまいな?韓国大邱も入国禁止にするなら、韓国も一時全面入国禁止にした方が良い。リスク管理に於いて中途半端はダメ。だから中国人からも管理が甘いとバカにされるのです。安倍首相は知っているのか?

2/26ダイヤモンドオンライン 王青<中国のメディアやSNSで、日本の新型肺炎を心配する声が相次ぐ理由>

https://diamond.jp/articles/-/229840

日本の衛生状態・栄養状態は良いので、武漢肺炎が蔓延しても、中国のように死亡率は高くはならないとは思います(中共の公表数字は相変わらず出鱈目です。信じてはいけません)が、それでも死者が出、苦しむ国民が出れば、国難というしかない。心理的に国民に重圧を与え、消費にブレーキをかけるのは間違いない。今の習近平は政敵から経済面で論難されるのを恐れ、操業再開を焦っているので、感染者数は拡大、彼らが日本に来れば終息するはずがない。況してや専門家会議は過去のウイルスの行動パターンで判断しているのでしょうけど、今回は人造ウイルスの可能性が高く、未知の部分が多く、そんなに簡単に終息するとは思えない。

朝比奈氏の記事で、トランプ・習の二人とも「変革者」であることに賛成しますが、民主主義と共産主義の体制の違いもあり、トランプの方が変えることにおいては難しいのでは。でもトランプはそれを着々とこなしてきています。下品で野卑かもしれませんが、本当に米国人のためを思い、行動しているから、トランプ人気が上がってきていると思います。メデイア、民主党、デイープステイト等、腐った連中が自分たちの利益のために、わざとトランプを貶めようとしています。それも、米国民から見透かされてきたと思います。

習近平は変革者であっても、孤独な独裁者です。ヒットラーのような最期を迎えるかもしれません。

記事

2019年6月、G20大阪サミットの際に首脳会談を行ったトランプ大統領と習近平国家主席(写真:AP/アフロ)

(朝比奈 一郎:青山社中筆頭代表・CEO)

 アメリカの大統領選の候補者選びに向けたプロセスが始まりました。民主党の方は、まずアイオワ州での党員集会で38歳のブティジェッジ氏が僅差で勝利するも、続いて行われたニューハンプシャー州の予備選では逆に78歳のサンダース氏が僅差で勝利するという展開になっています。そして22日に行われたネバダ州の党員集会ではサンダーズ氏が他候補を大きく引き離して勝利しました。

 もしもブティジェッジ氏が大統領になれば「史上最年少」の大統領となります。サンダース氏や、最有力候補とされてきたバイデン氏(77)、そして3月から民主党大統領候補者になるべく本格参戦すると見られているブルームバーグ氏(78)が大統領になれば、こちらは「史上最高齢」の大統領ということになるそうです。そういう意味でも注目を集める民主党の候補者選びなのですが、対する共和党の方は現職のトランプ大統領が候補者に選ばれるのはほぼ確実となっています。

 政策面でもプライベート面でも何かと物議を醸すことが多いトランプ氏ですが、大統領選の本選でも、「やはり勝利は堅い」と予想する向きが多いようです。

 国際社会の「問題児」トランプ大統領は、なぜアメリカ国内でこうも支持を集めるのでしょうか。

米国民が評価するトランプの「変革力」

 皮肉で言っているのではなく、実は各国首脳の中でトランプ大統領は「リーダー」の原初的定義にもっとも近い資質を備えた人物なのです。

「何を言っているんだ。トランプはパリ協定やTPP、イラン核合意などから勝手に離脱してみせたり、中国に貿易戦争を仕掛けたりして国際社会を不安定化させているじゃないか。国内的にも、大減税の実施により財政赤字を膨らませたり、政権から独立しているはずのFRBに介入したり、さらには政権幹部を次々とクビにしたりと滅茶苦茶だ。最低のリーダーじゃないか」

 そんなふうに考えている人も多いかもしれません。日本では通例、社長にも首相にもなれないでしょう。

 しかし、リーダーという言葉の本来の意味は「変革者」です。周りから嫌われようが批判されようが、自分が信じた理念を押し通すために、現実を変えていこうとする人のことを指すのです。そういう視点で見れば、トランプ氏ほど立派な「リーダー」は他にいません。

つまりアメリカの国民は、トランプの人格や人柄を支持しているのではなく、彼の「リーダーシップ」に期待しているのです。このことが分からないと、アメリカで彼が一定程度支持される理由が理解できないと思います。

日本人はもともと強い変革力を備えていた

 日本人はリーダーに聖人君主のような人格を求めがちですが、それは本来、リーダーシップの能力とは一切関係ありません。はっきり言えばリーダーシップとは、目の前の現実社会を「変革していく」というスキルのことなのです。

「いやいや、リーダーとは、部下とコミュニケーションを密にして、目標を共有し、その部下たちに慕われながら目標に向かってチームを動かしていく人のことじゃないか」などと考えている人がいたとしたら、私見ではそれは大いなる勘違いです。それは「マネジャー」ではあっても、「リーダー」ではありません。われわれ日本人は両者を混同して捉えがちですが、実はマネジメントとリーダーシップは、一人の人格の中では通常は両立しないものです。むしろ対立する概念と言ってよいくらいのものなのです。

 そういう意味では、トランプ氏は「最悪のマネジャーだが、最高のリーダー」なのです。諸外国ではリーダーシップとマネジメント能力とをはっきり区別して認識しています。そこが日本と諸外国の大きな違いになっています。

 ずいぶん前から言われているジョークに「国際会議で最も難しいのはインド人を黙らせることと、日本人を喋らせることだ」というものがあります。それくらい、国際社会では「俺が俺が」のほうがスタンダードなのです。乱暴に言えば、リーダーシップを取りたい人が多いと言えます。

 それが世界のスタンダード。それゆえにドラッカーの「マネジメント」が持て囃されたのです。つまり、みんなでビジョンを共有するなどの協調のための工夫です。ハーバードのビジネススクールなども、ウリは「リーダーシップ教育」とは言いながら、実はマネジメント教育も充実しています。もともと「俺が俺が」でリーダーシップを取りたい人に対しては、マネジメント教育は必須です。

 一方、“現代の”日本人は、リーダーシップはありませんが、マネジメント力は卓抜しています。国際会議で日本人の発言が少ないのも、見方を変えれば、周りを見て、空気を読み、「自分のつたない意見を述べて流れを途切れさせるより、黙っていたほうが会議や授業が円滑に進む」という計算が働いているからなのです。

 では、日本人は昔からリーダーシップに乏しい国民性を持っていのでしょうか。実はそうではありません。

私は2000年代の初頭、ハーバードのケネディスクールに留学していました。その当時、ほんの10年ほど前は日本が世界のトップを走っていたという時代でした。ですからハーバードでも、日本のリーダーをよく取り上げていました。例えば安全保障に関しては、山本五十六や石原莞爾。ビジネスに関しては、ソニーの盛田昭夫、松下電器の松下幸之助、ホンダの本田宗一郎。こういう人たちについて、真剣に学んでいたのです。なぜなら彼らは偉大なゲームチェンジャーだったからです。

 1999年にソニーの盛田昭夫氏が亡くなった際には、彼を敬愛していたスティーブ・ジョブズがアップル社のカンファレンスで、わざわざ盛田氏の写真をスクリーンに映し出して、感謝と追悼の言葉を述べています。文化面でも、例えば、1977年に初作が出た『スター・ウォーズ』は、ジョージ・ルーカスが黒澤明監督の斬新な映画づくりに刺激を受けてつくったとも言われています。

 このように、日本のリーダーはアメリカ人にとって研究や尊敬の対象になるような人たちだったのです。

米国が警戒する中国の変革力

 いまそのアメリカが最も警戒している国家が中国であることは異論がないでしょう。

 ですが、日米貿易摩擦の時のアメリカの慌てぶりは相当なものでした。1989年、世界中の企業の時価総額ランキングトップ30の中に、日本企業は21社もランクインしていたのです。アメリカにしてみれば、ハイテク産業では日本に完全に後れを取り、金融でも完敗。当時、アメリカの社会学者エズラ・ヴォーゲル教授による『ジャパン・アズ・ナンバーワン』という本が大きな反響を呼びましたが、その副題は「レッスンズ・フォー・アメリカ」。アメリカは日本に学ぼうというものでした。

 あの時、完全にアメリカは「日本に負けた」と思っていました。しかし、アメリカは現在、「中国に負けた」とは思っていないはずです。GAFAはBATHより上です。せいぜい「今後やばそうだから、今のうちに叩いておこう」という感じでしょう。それほど、当時の日本は強かったのです。

では、当時のアメリカは日本の何を最も恐れていたのでしょうか。ハイテク産業の力でしょうか。それとも巨大化した銀行や証券会社の金融力でしょうか。実は、最も恐れていたのはその奥にある原動力です。アメリカが恐れていたのは日本のリーダーシップ、つまり「変革する力だった」というのが私の認識です。

 いま中国が世界中から警戒されているのもその変革力の強さです。「いや、中国は13億人のマーケットを持っている。その市場の大きさが警戒されているのだ」なとど考える人もいるかもしれませんが、マーケットであればまだ中国が今ほどの存在感を持っていなかった時代にだって存在していました。その考えは現実に即していません。

 中国は今、猛烈な改革を行い、絶えず変革に取り組んでいます。その推進役は、やはり卓抜したリーダーです。

 先ほど触れた『ジャパン・アズ・ナンバーワン』の著者で、東アジア研究で有名なエズラ・ヴォーゲル教授は、著書『現代中国の父 鄧小平』の中で、鄧小平のリーダーシップを高く評価しています。深圳はその象徴です。鄧小平は自らが敷いた改革開放路線の中で、1980年、ほとんど何もなかった深圳の地を経済特区に指定します。それが現在では、市内を走るバスやタクシーは全てEV(電気自動車)になり、ファーウェイ、テンセント、BYD、DJIなど、中国の巨大ハイテク企業が集積する都市へと発展しているのです。

 この間、わずか40年です。鄧小平の変革力のすごさが分かります。中国のこの変革力を、アメリカは恐れているのです。

新型コロナ対応でも発揮されている習近平のリーダーシップ

 実は現在の新型コロナウイルスへの対応でも、中国のリーダーシップ力は発揮されています。

 いま、中国が新型コロナウイルス対策の教訓にしているのが、2003年のSARS対応の失敗です。当時は江沢民氏から胡錦涛氏へ権力が移行している時期でした。権力の足場を固める前にSARSに見舞われたのは、胡錦涛氏にとって不運でしたが、それ以上に彼は、リーダーシップに優れた「始動者」というよりも、マネジメント型の「指導者」だったのです。皆の意見を聞いて調整するのは上手でしたが、自らビジョンを示して、反対を押し切ってそれを貫くという剛腕はありませんでした。SARS対応で「失敗」したのも、そこに原因があります。

現在の中国共産党総書記の習近平氏は、私見では以前から胡錦涛氏をあまり評価していませんでした。そのため共産党のトップに立つと、反面教師的に自らの権限を強化することに心を砕いてきたという経緯があります。そういう意味では、マネジャー型ではなく、リーダー型のトップになるという明確な意思を持ってきたと言うことができます。そうして掌握した権力を使って、習近平氏は思い切った変革に打って出ているのです。

 その剛腕は、今回の新型コロナウイルス対応にも表れており、感染拡大を防ぐために武漢市を閉鎖する、わずか10日ほどで更地にゼロから病院をつくってしまう、などはまさにその典型でしょう。

 それだけではありません。このマインドは多くの中国人にも浸透しているのでしょう。この新型コロナウイルス対策を、新たなイノベーションを起こすチャンスと見ている中国人が多いのです。

コロナによる混乱を逆手に新技術をフル活用

 いま中国で猛烈に進んでいるのが、遠隔診療、遠隔授業、テレワークなどの分野です。遠隔診療などはもともと日本が先んじていた分野なのですが、さまざまな利害調整でもたもたしている間に、中国が猛烈なスピードで追い抜きつつあります。新型コロナウイルスの混乱を逆手にとって、これらの分野で中国は世界の最先端の「実証実験」を行いつつあります。

 それに比べると、日本の状況はさみしい限りです。もともと日本人は変革力を持っていました。だからこそ明治維新を達成できましたし、先の大戦での敗戦後の焼け野原から世界に冠たる経済大国に成長することができたのです。

 しかしその後はどうでしょうか。世界にその名を轟かしたり、外国から研究対象にされたりするような、変革力を備えたリーダーを輩出できないでいます。その原因は教育システムにあると私は見ています。戦後の日本の教育システムは、マネジメント能力の高い人材の育成は得意なのですが、リーダー育成は極めて不得意です。良い意味で「俺が俺が」の人間をもっと育てる教育を取り入れないと、日本はますます茹でガエルのように、自分たちでも気づかぬうちに息絶えている、なんていうことになってしまいます。日本は、いま、リーダー育成に一刻も早く目を向けなければならないと言えるでしょう。

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