『中国の監視社会「検閲強化の行く先は?」』(10/10日経ビジネスオンライン 西野志海)について

10/12希望之声<无视川普警告进攻叙利亚 土耳其随时面临美经济制裁=シリアを攻撃することへのトランプの警告を無視 トルコは米国の経済制裁をいつ受けてもおかしくない場面に直面>今週初め、シリアから米軍が撤退した直後、トルコはトランプ大統領の同国への警告を無視し、シリア北部に対する軍事攻撃を開始した。 ムニューチン財務長官は金曜日、財務省はトランプ大統領からトルコに経済制裁をいつでも課すことを許可されていると述べた。

エルドアンはNATOから出るつもり?または難民を意図的に欧州に送り出すつもり?クルド人はロシアを頼るようになるので、露土関係も良くはならない。トルコが孤立するとなると中共が手を差し伸べるのでは。

https://www.soundofhope.org/gb/2019/10/12/n3251382.html

10/12希望之声<夏闻:习近平放弃对川普“斗争” 真正对象是谁?=夏聞(人名):習近平はトランプに対する「戦い」をあきらめた 本当の相手は誰?>9月3日、習近平は中央党学校での演説で「闘争」について話し、外部に疑惑を抱かせた。 習近平の闘争の相手は一体誰なのか?最近、ワシントンでの劉鶴の交渉での表現は、より多くの糸口を与えた。

残念ながら誰が敵か具体的な名前はなかったです。まあ、習以外は皆敵なのかもしれませんが。習が6/21北京に西側企業20数社を集めて話をしたとき、「西側には“左の頬を打たれたら右の頬を出す”という諺があるが中国の文化では“目には目、歯には歯”がある」と強気だった。習は米国農産物に報復関税をかけ、トランプの再選を阻止しようとした。しかし、これでトランプは傷つかず、却って豚肉等の高騰を招く結果となった。今回、トランプが譲歩したのは2500憶$分の中国からの輸入品の関税5%アップを停止すること=125億$だけ。中共は毎年400憶$~500憶$の農産物(昨年は90憶$)の輸入を約束したのだからトランプは万々歳でしょう。でも中国人は約束を守る概念がありませんから安心はまだ早い。

https://www.soundofhope.org/gb/2019/10/12/n3252270.html

10/13阿波羅新聞網<中国老牌英语学校现关闭潮 数万人陷入“培训贷”= 中国の名門英語学校は閉鎖ブームに 数万人が「教育ローン」地獄に陥る>最近、上海、北京、成都、重慶などに分校を持つ名門英語訓練機関の偉博英語は閉鎖ブームを引き起こしている。数万人の学生が学校の「教育ローン」に誘導されたが、学校は金を返さず、学生は金融機関にローンを返済しなければならない。 偉博英語は本土で20年前に設立された。

中国本土の報道によると、9/28から、偉博英語は北京、上海、成都の分校で前後して閉鎖のニュースを公開した。 その中で、北京の6つの学校では従業員の給与が滞っており、改修またはシステムのアップグレードという名目で業務を停止して、3,000人以上の学生に影響を与えている。 1人当たりの訓練費を3万元で計算すると、その金額は1億元近くになる。

10/7、偉博英語は成都で3つの学校を閉鎖し、学校の従業員の給料も数ヶ月遅延している。 これらの3つの学校には800人以上の学生がおり、学費はトータルで2,000万元以上になる。

まあ、英語を勉強しても留学できないから閉鎖ということでしょうが、計画倒産の臭いがします。金を先に徴収したのだからせめて今いる学生にはキチンと教えるべきと思いますが、教員の給料も払われないのでは。経営者は金を持ち逃げしてドロンしているのでは。

https://www.aboluowang.com/2019/1013/1354782.html

10/13阿波羅新聞網<贸易战休兵为一时需要 中美随时可再开战=貿易戦の休戦は一時の必要で 米中はいつでも再戦できる>“ドイツの声”中国ネットは、「ドイツメディアは、貿易紛争に関して、米中での予備的合意についての楽観主義を戒めた」と報道した。 「南ドイツ新聞」のニューヨーク駐在記者のクラウス・フルヴァーシャイトは、米中貿易交渉後のフォローアップ工程に焦点を当てた。 《トランプが中国とまだ議論している問題は何であるか?》と題する記事は、「貿易交渉の一部決着の良いニュースが出てすぐ、多くの人々が疑念を表明した。この種の心配は不合理ではない。貿易戦争の前半では、いわゆるブレークスルーが発表されるたびに、より深刻な後退があった。 今回は、先日の意向の表明以外に、実際の成果が出ていないため、この可能性を排除することはできない」と指摘した。

南ドイツ新聞の見方が正しいでしょう。中国人ですからいくら契約書にサインしても「ない袖は振れない」で終わりです。中国で何度も経験したし、逆にこちらも支払い延期したことがあります(工商登記が敵会社のせいでできず、資本金が入れられなかったため)。それが当り前の国です。

https://www.aboluowang.com/2019/1013/1354800.html

西野氏の記事では、中共の検閲と監視カメラの凄さが書かれています。平然と語れているところが凄い。まあ、現実は現実で受け入れなければなりませんが、中共のやっていることが世界の主流になることだけは絶対に止めたい。

中国経済が大きくなったのは何度も言っていますように、2001年のWTO加盟以降です。後にクリントン財団を作って国家機密を売り渡そうとしたクリントン、チャイナハンズの父ブッシュの影響を受けた子ブッシュ、親戚が中国でビジネスしているオバマ等、中共に甘い大統領が3代も続いたせいもあります。これら中共に甘い政策を採らなければ、中共は経済的な富を手にすることはできません。自給自足の経済では大きく富むことはできません。それをすればよいだけです。米国の決断と自由主義諸国が一致して国際取引の場で共産主義国を排除できるかにかかってきます。

記事

テレビ東京アナウンサー・西野志海と日経ビジネス編集委員・山川龍雄が、世間を騒がせている時事問題をゲストに直撃する動画シリーズ。第14回のテーマは、中国の監視社会「検閲強化の行く先は?」。中国問題に詳しいジャーナリストの高口康太氏は、「共産主義青年団」「国家世論観測師」「五毛党」など、中国にはネットを検閲する様々な人や組織が存在し、多層的な監視体制が築かれていると指摘。激しさを増す香港デモでは、徹底した情報統制で世論を誘導していると実態を明かす。ただ、中国ではこうした監視・検閲強化の動きを、受け入れる空気も広がっているという。

西野志海(日経プラス10サタデー・キャスター、以下、西野):このコーナーは、BSテレ東で毎週土曜日朝9時から放送している報道番組「日経プラス10サタデー ニュースの疑問」でお伝えしきれなかった内容をさらにゲストに質問して深掘りしていこうというものです。

 第14回のテーマは中国の監視社会「検閲強化の行く先は?」。最近、ますます厳しくなってきたという報道もあります。

山川龍雄(日経プラス10サタデー・メインキャスター、以下、山川):中国国内では監視カメラの数が急増していますし、香港のデモの裏側では激しい情報戦が繰り広げられていると聞きます。今回は中国政府によるネット検閲や情報操作などをずっと取材されている方にお越しいただきました。

西野:ゲストはジャーナリストの高口康太さんです。よろしくお願いします。

高口康太氏(フリージャーナリスト、以下高口氏):よろしくお願いします。

高口康太(たかぐち・こうた)
1976年生まれ。千葉大学社会科学部卒、千葉大学人文社会科学研究科(博士課程)単位取得退学。2度の中国留学経験を持ち、雑誌・ウェブメディアで中国関連の記事を精力的に発信している。ニュースサイト「KINBRICKS NOW」を運営。著書に『幸福な監視国家・中国』(梶谷懐氏との共著、NHK出版)、『なぜ、習近平は激怒したのか――人気漫画家が亡命した理由』(祥伝社)、『現代中国経営者列伝』(星海社)など。

西野:最初の疑問はこちらです。

監視され 楽しく生活 できますか

 表現の自由が制限されているようですが、中国の一般の人たちは息苦しくないんでしょうか。

高口氏:そうですね、そこは非常に難しい問題なんです。まず楽しく生活できますかという根本のところですが、基本的には、監視されていると思ったら楽しく生活するのは難しい。

山川:そうですよね。窮屈に感じるはずです。

高口氏:監視の仕方は地域によってずいぶん異なります。例えば、人権問題を抱える新疆ウイグル自治区などでは、200メートル置きくらいに交番や検問所があります。

 私が企業取材で聞いた話では、首府ウルムチの中心にある広場では、監視カメラに動体検知の機能も入っているそうです。旗を振るような動作をすると、すぐに察知し、警官が現れる。つまり独立をアピールするような旗を振る行為を警戒してのことなんですね。

西野:最近になってより厳しくなったんですか?

高口氏:そうですね。ここ3、4年ぐらいの話です。

山川:中国の監視カメラの数を見てみましょう。

西野:中国は約1億7600万台、人口比で8人に1台の割合でカメラが設置されています。日本は約500万台で25人に1台。数の上でも、人口比で見ても、中国は圧倒的な規模ですね。しかも、中国の台数は2016年のデータなので、今はもっと増えている可能性がある?

高口氏:英BBCは2020年に約6億台になると報じています。

山川:6億台! 急増していますね。

高口氏:それは中国に行くと納得します。交差点に立つと、ハリネズミのように、どこも逃さないような形で監視カメラが取り付けられています。

 最近では雪亮プロジェクトが中国で進んでいます。都市部のカメラの設置にほぼめどがついたので、次は地方都市や農村までカバーしようというものです。

 面白いのは、住民協力を取り入れた監視網をつくろうとしている点です(注:「雪亮」には「大衆の目はごまかせない」という意味がある)。家庭のテレビと街頭の監視カメラをつなぎ、家にいながらにしてカメラの映像を見られる環境を整えようとしています。

 私が目にした記事では、あるおばあちゃんが孫をあやしながらテレビを見ており、そこには村の監視カメラの映像が映し出されている。おばあちゃんは空き巣に入ろうとしている人物を見かけて、リモコンに設置されているボタンを押して通報。警察がその家に行って空き巣を捕まえた、という話が載っていました。

西野:中国の人たちは気持ち悪さよりも、メリットの方が大きいと感じているんですか?

高口氏:そうですね。ウイグルでは当然、監視カメラが常に意識されていますが、中国の内地、要するに漢民族が住んでいる地域では、一般の人々は、監視されていることをそれほど気にしていません。

 交通違反をしたり、罪を犯したりすれば、すぐに捕まるわけですが、普通に生きていれば、意識する必要はないわけです。

山川:品行方正に生きていれば、別に問題はない。むしろ利便性が高まり、治安が向上すると。

ストレスを感じさせない監視

高口氏:そうですね。最初の疑問にあった「楽しく」がポイントで、楽しく生きられないと反発が出ますから、中国政府はそこに力を入れているわけです。

 ストレスがかからない形で監視社会をつくるというのは、実は中国だけでなく、世界中で模索されているテーマです。その中でおそらく中国は最も進んでいます。

西野:2つ目の疑問は、インターネット上の検閲に関してです。

悪口を どこまで書くと 怒られる?

 中国には、明確なボーダーラインというのはあるんですか?

高口氏:中国のネット・スラング、つまり隠語に「エッジボール」というのがあります。怒られる一線のギリギリのところを攻めて書き込みをするということです(注:もともとは卓球台の隅の部分に当たり得点することに由来している)。

山川:例えば、どんな?

高口氏:中国共産党を直接、激しく批判するのはまずいんだけれども、昔話に例えるとか、古代の王朝でこういう事件があったとか、いろんな表現方法があります。

西野:天安門事件のことを「64」と表現していたと聞いたことがあります。

高口氏:1989年6月4日だから「64」となるわけですが、このように隠語を使って検閲を回避します。64がダメなら、5月35日と言ってみるなど。

 こうした隠語がはやっていたのは、2010~11年ぐらいがピークで、その頃はまだインターネットの普及率が低く、使っているのは知的エリートが主体で、政治への関心が話題の中心でした。今はネット普及率が向上し、芸能やグルメなどの話題が大半を占めるようになりましたね。

西野:体制を批判した場合、どんな罪に問われるんですか?

高口氏:もめ事を起こすように先導した罪というのがあって、それで捕まるのが一番多いパターンです。量刑の基準があって、ネットの書き込みのアクセス数が一定数を超えたり、SNSのツイート数が一定数を超えたりすると、刑罰がこれぐらいになるというのが決まっています。

山川:書き込んだ内容だけでなく、その人物の周囲に与える影響力も加味されるということですか。

高口氏:無名の人がつぶやいても、大したことはないですからね。

 ただ、習近平政権になってからは、ネットの雰囲気そのものを政権寄りにしたいということで、単なる悪口に対しても規制は厳しくなりました。それでも習氏に対する直接の悪口でなければ、地方政府への批判はある程度、許容されている面もあります。

 ただ、集まって中国を変えるための勉強会をしましょう、みたいな直接のアクションをすると非常に厳しい。

山川:集会を呼びかける行為は、徹底して取り締まるわけですね。

西野:こういった監視をかいくぐる人たちはいないんですか?

高口氏:たくさんいます。かいくぐる方法もいろんな種類がありますし、進化しています。それ用の対策も進化していて、いたちごっこです。

 先ごろ開催された、建国70周年の軍事パレードや、中国の国会に当たる全人代など、重要なイベントがある前後はネット規制が強化されます。中国在住の多くの日本人はネット検閲を回避する方法を使っていますが、その回避法が使えなくなってグーグルにつながらない、ツイッターが使えないという”阿鼻叫喚(あびきょうかん)”の声がしばしば聞こえてきます。

西野:ここからは、中国でネットをどう検閲しているか。さらに具体的にお話を伺っていきましょう。

 そもそも中国では、図に示した通り、フェイスブックやツイッターなどは、遮断されて使えなくなります。代わって中国発のウィーチャットやウェイボなどのSNSを使うわけですが、その検閲体制がどうなっているかを高口さんに伺って、表のようにまとめました。

 まずIT企業が自主的に検閲をしている?

高口氏:そうですね。まず政府にとって問題のある書き込みを載せているのは、ネット運営会社に責任があるというのが前提です。だから、自分で責任を持って削除するのが義務、ということになっています。

西野:膨大なネット人口がいる中国では、IT企業も大変ですね。どうやって削除しているのでしょう?

高口氏:最近だとAIなどを使った検索ソフトが充実しています。画像検索で写真なども排除できるようになっています。あとは人力ですね。何千人というネット検閲員を雇ってコンテンツをチェックしています。

西野:コストがかかっていますね。

高口氏:そうです。中国では巨大産業ですよ、検閲は。

山川:2つ目の共産主義青年団によるボランティアというのが気になるんですが。

高口氏:共産主義青年団というのは30歳までの人が入れる共産党員の下部組織です。そこに所属する大学生や国有企業の社員が無償でネット検閲に協力します。

 割り当てられた分野のSNSを見たり、ネット掲示板を見たりして問題がある書き込みを発見したら通報する、あるいは中国共産党にとって好ましい書き込みをする、といった活動を日々続けています。

西野:そして3つ目が地方政府による検閲。そこには国家世論観測師という、資格を持った人がいるんですね。

高口氏:そうなんです。一番下のランクだと2泊3日で取得できます。中国では、そうした資格を持った人が地方政府などにいなければいけない決まりになっています。これも義務なんですね。

 中国には、世論観測システムというソフトウエアがあり、常にネット掲示板やSNSを監視して、問題がある投稿に目を光らせています。気になる世論の動きがあれば、先手を打って対処します。

 例えば、日本の例に照らし合わせると、東京都に関係する書き込みを集めて分析し、ネット上でオリンピックの予算の使い過ぎに不満が高まっている結果が出たとしましょう。中国であれば、先手を打って予算の必要性を説くような書き込みを流し、民衆の不満をそらそうとするわけです。

西野:資格を持っている人はどれぐらいいるんですか?

高口氏:数ははっきりしませんが、地方政府と国有企業は雇う義務がありますから、相当の数に上るはずです。

旧ソ連崩壊が反面教師

西野:膨大なコストとエネルギーがかかっていると思うのですが、どうしてそこまでするのでしょう。何を恐れているのですか?

高口氏:中国政府にとって一番の課題は、統一を維持することと、共産党による一党支配を守ることなんです。

西野:監視・検閲が厳しくなっているのは、それだけ脅威に感じているものがある?

高口氏:そもそも旧ソ連が崩壊したことを教訓に、中国共産党にとって一番の脅威は、和平的な転換だと考えられているのです。

 今は軍事力で中国を潰すことは、おそらくアメリカですら現実的にはできません。何が恐ろしいかというと、イデオロギーが変化して、人々が民主主義を求めて内部崩壊することです。現実にロシアや東欧でそれが起きたわけですから。それゆえ、監視や検閲を強化して、世論の動きに目を光らせているのです。

 実は中国の中には、経済も成長し、軍事力も高まり、国家自体が強力になってきたので、統制や締め付けをそんなにやらなくてもいいのではないかという意見もあります。しかし、中国は官僚国家なので一度やると決めたことは粛々と続けていく側面もあります。

 いい例が一人っ子政策です。人口学者たちは、少子高齢化は危険なので、一人っ子政策は早くやめるべきだと以前から警鐘を鳴らしていました。しかし、都市部から農村に至るまで、一人っ子政策を監視するための巨大な組織を築き上げていたので、急には方向転換ができませんでした。

西野:一人っ子政策も監視されていたんですね。

山川:一度、決めたものはなかなか止まらない?

高口氏:組織を守らなければいけないし、一度、決まった政策を変えるのは大変なエネルギーがいるのですよ、官僚国家というものは。ネット検閲にもそういう側面があると私は思います。

西野:続いては、報道の自由にも絡む疑問です。

中国は どこまでフェイク 流してる?

山川:今も続く香港のデモについては、意図的な情報操作も行われていると聞きます。

 まず海外向けですが、8月に米ツイッターが中国政府の関与が疑われる約900件の不正アカウントやツイートを示して、凍結しました。米フェイスブックも中国由来とされるアカウントを削除しました。中国政府は意図的にこういうことをやっているんですか?

高口氏:そうですね。中国政府に雇われてネット上に書き込みをする人たちを「五毛党」といいます。5毛というのは1元の半分ですが、要するに「安い料金で書き込みの仕事をしている人たち」という意味が込められています。

山川:組織化されて、安いとはいえ、お金も発生して、実行しているわけですか。

高口氏:これとは別に「自干五(ズガンウ)」という人たちがいます。五毛党はお金をもらって書くのに対して、手弁当で五毛党の仕事をやる人という意味です。こちらは愛国心からボランティアで書き込んでいるわけです。

 例えば私の友人のジャーナリストが香港問題について自分の意見をツイートすると、「あなたの考えは間違っている。香港でデモをやっているのは暴徒だ。この写真を見なさい」などと絡んできます。それが中国政府に雇われた人か、自発的な人かの区別は難しいんです。

山川:これは香港のデモに関するSNSの書き込み例です。左にあるのは、上の写真が香港のデモ、下の写真は中東の過激派組織「イスラム国(IS)」。要するに、香港でデモをしている人たちをIS呼ばわりしている。

 それから次は、中国メディアの報道の例です。

山川:この記事は先日、高校2年生が実弾で重傷を負った事件を中国国営の新華社が報じているものです。「警察の実弾使用は合理的かつ合法だ」としています。自分たちを正当化するような報道だけが、国内向けには伝えられているように感じます。

高口氏:中国のメディアは「党のノドと舌」といわれています。つまり、党の代弁者ということです。

 確かに今はメディアも国営だけでなく、民営のものが多数存在し、国民が知りたいものを報道するようになっています。しかし、こういうセンシティブな事件に関しては、共産党から指示が出て、新華社とかCCTVのニュースの転載しか許さないことがあります。

山川:民営メディアにも一斉に統制がかかってしまう?

高口氏:中国には膨大な数の新聞があるわけですが、テーマによっては、同じことしか書いていません。やはり国民に一方的な見方が広がることは否定できません。

西野:私が気になるのは、それでも中国は経済的に成功しているということです。

 一党独裁でここまで発展した中国のモデルを、アジアやアフリカの国々はどう見ているのでしょう。むしろ、中国を追いかけるような国が増えませんか?

高口氏:国の成り立ちが違うので、中国の制度をそのまま輸入することは難しいと思います。ただ、西側社会が持っている、民主主義、法治国家、私的財産の擁護などの価値観は、これまで経済発展の大前提だと思われてきましたが、中国の台頭によって「そうとも限らないのでは」と思う人が増えてきたのは事実です。

 実際に経済だけを見ていると中国がうらやましいと思う人はたくさんいます。アジアでは、日本が民主主義的なやり方できちんと経済発展できることを示していかないと、今後ますます西側社会の価値観を追いかける国が減っていくのではないでしょうか。

西野:中国の持続性をどう見ていらっしゃいますか?

高口氏:改革・開放政策が始まって40年あまりたちますが、この間、綱渡りしながらも、綱から落ちることなくやってきました。

 現在も危機にはさらされています。特に経済は、労働集約型から技術集約型、資本集約型に転換しなくてはなりません。面白いイノベーションはたくさん生まれていますが、どちらかと言えば、まだ応用レベルで、要素技術はあまり強くありません。この分野でノーベル賞をたくさん取れるかが次の課題でしょう。

一党独裁が必要!?

山川:私が気になるのは、中国の人たちがこれだけみんな海外に行って、現地の統制されていない情報に触れる。欧米や日本に留学した人が帰ってくる。にもかかわらず、大きな不満のうねりにならないことです。

 国内では情報が統制されていても、海外では多様な価値観に触れているはずです。それなのに、内部から崩壊するような気配が見えません。特に海外を知っている中国人たちはどう思っているのでしょうか。

高口氏:中国でネット検閲を回避する手段を「壁越え」というのですが、そこから発展して「肉体壁越え」という言葉があります。これは海外に留学したり、移住したりすることで、中国のネット検閲から逃れることです。

 10年ぐらい前までは「肉体壁越えが夢」という話がよくあったのですが、今はあまり聞きません。むしろ「肉体壁越え」をした人たちが、民主主義の国に実際に住んでみたらそうでもないな、と。

 むしろ民主主義を実感した上で、中国というまだ途上国で格差も大きい国を強力に発展させていくためには、開発独裁的な進め方が必要だと考える人が増えています。海外に移住した人が必ずしも中国共産党を批判しないのは、この5~10年での大きな変化ですね。

西野:確かにキャッシュレス社会など、最近はむしろ中国に住んでいる方が、最先端の技術に触れる環境も整いつつあります。そのあたりもきっと、意識の変化につながっているのでしょうね。

山川:外国を知ったうえで、このままで悪くないと思っている人がどんどん増えているというのは、正直なところショックです。それは自由で民主主義であることを当然の価値観と思ってきた日本人にとっては、釈然としないところもあります。

 こうやって一党独裁の国家が情報統制や監視・検閲を強めながら、経済力でも軍事力でもアメリカと並んでトップに立とうとしている。その現実をもっと危機感を持って受け止めなければならないのかもしれませんね。

西野:高口さんありがとうございました。

(注:この記事の一部は、BSテレ東「日経プラス10サタデー ニュースの疑問」の番組放送中のコメントなどを入れて、加筆修正しています)

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