『習近平が任期内に実現狙う台湾との「祖国統一」』(1/15ダイヤモンドオンライン 加藤嘉一)、『習近平政権が主導する科学振興、懸念高まる一方で民主化促す期待』(1/17日経ビジネスオンライン The Economist)について

1/17阿波羅新聞網<美贸易代表:若美中谈判破裂加征25%关税 美企可申请豁免=米国・通商代表部:もし、米中貿易戦の交渉が破談となれば、25%の関税賦課となる 米企業は申請・免除も可と>米国・共和党のJohn Hoevenは16日、「ライトハイザーは、もし中国からの輸入品に25%関税がかかっても、以前措置した申請を延長し、米国の輸入商のある種の輸入品については申請すれば、損にならないよう、関税を免除するのはOKと言った」と。

米国通商代表部の審査基準は、①輸入品が中国からだけなのか②高関税は米国企業と米国の利益に構造的な重大な経済損失を与えないか③輸入品が戦略的な重要性があるかどうかです。

米国輸入商に特例を認めると、中国は米国企業と提携して脱法行為に走るのでは。来年の大統領選もあることですし、完全に厳しい政策は採れないにしても、中国の迂回輸出は防ぎませんと。日本企業が使われないように、政府はキチンとチエックして、会社名を公表すべきです。

https://www.aboluowang.com/2019/0117/1233115.html

1/16希望之声<中共向国企发商务旅行警告 泄露其秘密?=中共は国営企業に向けて出張を警告 秘密が漏れるから?>英国メデイアは1/15(火)に「中共は国営企業に米国とその同盟国に出張を控えるよう要求した。もし、どうしてもという場合には、必ず厳しい措置を採る必要がある。PCは覗かれないよう良く管理しておくこと」と報道した。「資料は安全なUSBに保管せよ」とも。

中国が自由社会を利用してきた時代は終わりを迎えたという事でしょう。自分達もスパイ行為をしているので対策は採り易いのでしょうけど。日本ですね、ボーッとしているのは。政治家と官僚が特に酷い。メデイアの酷さは今に始まったものでなく、戦前から低レベルです。でもそれに騙される人が沢山いるのですから何をか況やです。

https://www.soundofhope.org/gb/2019/01/16/n2569357.html

1/13ブログ毘沙門天の隠れ家♪<【台湾先住民各代表】習近平に共同宣言「台湾は中国の領土ではない」>を読めば如何に中国人が嘘を言っているか分かろうと言うもの。尖閣然り、南シナ海然りです。また「南京」や「慰安婦」もそうです。日本の左翼と左翼メデイアが協力してデッチ上げたものです。

https://ameblo.jp/2013kanyon17/entry-12432604746.html

加藤氏は中国が台湾の影響で民主化すると夢を見ているようですが、そう言う展開にはならないでしょう。共産主義は暴力肯定、テロ公認のテロリスト集団です。まず、革命で中共を倒さないと、民主化には行かないでしょう。

エコノミストの記事は、「孤立すれば技術の進歩はない」と述べていますが、それは当てはまらないのでは。彼らは技術は単純に盗めばよいと思っています。債務を大きく膨らまし、金にあかせて(賄賂)やハニトラで何とでもなると思っています。国際協調何て誰も思っていません。自分達が覇権を握れば、富は全部自分達の物としか思っていません。ですから軍事拡張するのです。やはり経済制裁をして、中国経済をシュリンクさせるのが一番良いのでは。

ダイヤモンド記事

中国の習近平国家主席の談話に対し、台湾の蔡英文総統が記者会見で反論した Photo:AFP/AFLO

習近平が最も訴えたかったメッセージ 「祖国は統一しなければならない」

1月2日、習近平国家主席が1979年元旦に発表された《台湾同胞に告げる書》40周年を記念する式典で談話を発表した。習近平政権成立以来最も鮮明かつ強烈に中国共産党の台湾問題をめぐる立場や思惑が露呈されていた内容であったといえる。

本稿では、同談話の内容、それに対する台湾の蔡英文総統が行った“反論”などを検証しつつ、年明け早々中台首脳間で繰り広げられた攻防について本連載の核心的テーマである中国民主化に関連づけて考えを巡らせてみたい。

習近平が最も訴えたかったメッセージは「祖国は統一しなければならないし、必然的に統一するのだ」であろう。

習近平は中華文明・中華民族の歴史に名を残すべく、“核心的利益”である台湾問題の“解決”、すなわち中華人民共和国として最大の目標の1つである“祖国統一”を自らの任期内に実現することをもくろんでいると筆者は考える。

習近平を昔からよく知る“紅二代”(革命世代の子孫)の1人は筆者に次のように語った。

「歴史を愛し、歴史を読み、歴史にどういう名を残すかに執着する習近平は“祖国統一”という偉業を自らの後継者や将来の指導者に渡そうとはしないだろう」

習近平は憲法改正を通じて国家主席の任期を撤廃し、制度的には終身最高指導者の地位に君臨し続けることが可能となった。これによって、習近平が“祖国統一”という政治目標を自らの“任期”内で実現する可能性が高まったことは疑いない。

国家主席任期撤廃の背景は“祖国統一”への執着心?

筆者自身は、一昨年秋に開催された第19回党大会で物議を醸した国家主席任期撤廃という政策の背後には、習近平の“祖国統一”という偉業への執着心が1つの動力としてひそかに横たわっていたと推察している。

そして、いかに統一するかという方法論に関しては、「“両制”台湾方案を探索し、平和的統一のための実践を豊富にしていく。“平和的統一、一国二制度”は国家統一にとって最良の方式である」、「我々は最大限の誠意を持って平和的統一という将来を勝ち取りたいと考えている」としながらも「我々は武力行使の放棄を承諾しない。すべての必要措置を選択肢として保留する」と主張した。

習近平自身も談話の中で言及したように、返還以降香港とマカオで実践されてきた“一国二制度”は本来対台湾政策のために考案されたものであった。

実際に、これまでも中国共産党は“一国二制度”という枠組みの中で“祖国統一”を実現するという目標を放棄していない。歴代の最高指導者たちもそれを公言してきた。

2017年秋に開催された党の19回大会と2012年秋に開催された18回党大会における報告において、習近平と胡錦濤前国家主席はいずれも「“平和的統一、一国二制度”という方針を堅持しなければならない」と、2002年秋に開催された16回党大会において江沢民前国家主席は「“一国二制度”は両岸が統一する最良の方式である」と今回の習近平談話と同様の主張をしている。

これらの経緯を回顧する限り、中国共産党が対台湾政策として“一国二制度”の応用を公言することは目新しいことではないが、台湾の蔡英文総統や世論はこの文言に敏感にかみ付いた。《台湾同胞に告げる書》40周年という節目の時期に、台湾問題に特化した政策や立場を習近平自らが発表したからであろう。

台湾は絶対に“一国二制度”を受け入れない

1月2日、習近平談話が発表されたのと同日、蔡英文はそれに対する《わが政府の立場説明》を発表し、「私はここで改めて主張したい。台湾は絶対に“一国二制度”を受け入れないし、絶対多数の台湾民意も“一国二制度”には断固として反対している。これも“台湾コンセンサス”である」と主張した。

世論を見渡しても、中国と距離を起き、陳水扁総統時代には公然と“台湾独立”を主張していた民進党に近い「自由時報」が習近平談話を断じて受け入れられないという蔡英文の“反論”を大々的に支持したのはもちろん、国民党に近い「連合報」ですら「“一国二制度”は台湾人民が現段階で見たい枠組みではない」、「“一国二制度”という提起にマーケットは小さく、台湾民衆は今回の習近平談話に対して大いに保留的な態度を取っている」(1月7日社説)と指摘している。

上記のように、今回の談話で習近平が“一国二制度”の台湾方案を探索することを赤裸々に提起したことも台湾サイドを刺激したのであろう。

香港やマカオとは異なる対台湾バージョンの制度的枠組みをこれから本格的に検討し、協議していくという意思表示であるが、そもそも“一国二制度”という枠組みそのものを受け入れない台湾がそれに応じるとは決して思えない。

国民党ですらこのアプローチには慎重になるであろう。中国側の“一国二制度”に乗っかる政党が台湾における民主選挙で支持を得られるとは全く思えないからだ。

少し考えてみたいが、“一国二制度”の台湾バージョンとはどのようなものになるのだろうか。

香港、マカオを見れば台湾人が受け入れるはずがない

周知の通り、返還以来この制度が実践されてきた香港、マカオ両特別行政区ではその首長である行政長官が民主選挙によって選ばれていない。必然的に“中国寄り”の、中国共産党の言うことを聞く人物が行政長官を務める制度になっている。

すでに民主化を実現し、民主選挙を通じて総統を選び、政府の形態を決める政治生活に慣れきっている台湾人は中国大陸はおろか、香港やマカオで実践されている政治制度すら受け入れるはずがない。

それでは、現行の民主選挙に基づいた政治制度の続行を尊重するのか。そうした場合、台湾政府と中国中央政府の関係はどうなるのか。外交と国防だけは政策を統一し、人民解放軍を台湾に駐留させて、その他の分野に関しては台湾当局にこれまでと変わらない政治を続けさせるのか。

習近平は談話において次のように指摘する。

「“一国二制度”の台湾における具体的実現形式は台湾の現実的状況を十分に考慮し、両岸各界の意見や提言を十分に吸収し、台湾同胞の利益や感情を十分に重んじるだろう。国家主権、安全、発展利益を確保する前提で、平和的統一後、台湾同胞の社会制度や生活方式は十分な尊重を得るし、台湾同胞の私的財産、宗教信仰、合法的権益も十分な保障を得るだろう」

しかし、台湾の当局や人々がこの言葉を真正面から信じるとは到底思えない。とりわけ、近年香港社会に“浸透”する中国共産党の政治的圧力を台湾人は“明日はわが身”の姿勢で眺め、警戒心を強めている。“浸透”の一例として、筆者自身、これまで香港で書籍を出版してきたが、以前と比べて政治的に敏感な書籍の出版があからさまに難しくなっていると感じている。

結果的に民主化するのがベスト・プラクティス

習近平政権が成立して間もない、台湾でまだ馬英九総統率いる国民党が与党だったころ、中央統一戦線部で対台湾政策に長年関わってきた党の幹部と「いつどのように台湾を統一するのか」に関して話を聞いたことがあった。この幹部は次のように答えてきた。

「決して今ではない。近い将来もないだろう。仮に統一したとして、どのように統治するのか。台湾が中国大陸の政治制度を受け入れることも民主選挙を放棄することもあり得ない。仮定の話だが、仮に統一後、中国全土で中国国民党と中国共産党が選挙で与党の座を争ったとしよう。おそらく共産党は負けるだろう。国民党の中国大陸における人気と影響力はいまだ健在だ」

筆者は2015年に出版した『中国民主化研究ーー紅い皇帝・習近平が2021年に描く夢』(ダイヤモンド社)にて次のように記述している。

「中国との付き合い方という文脈において、台湾が法治・自由・民主主義といったルールや価値観を守るべく、市民社会の機能を駆使しつつ、みずからの政府を徹底監視し、自覚と誇りを持って奮闘する過程は、対岸の中国が民主化を追求するうえでポジティブな意味合いを持つ。

なぜなら、台湾が中国と付き合うなかで、政治体制やルール・価値観といった点で中国に取り込まれる、すなわち台湾が“中国化”していくことは、中国共産党の非民主主義的な政治体制が肥大化しながら自己正当化する事態をもたらし得るからだ。その意味で、同じ中華系に属する社会として、民主化を実現した歴史を持つ台湾、そしてそこに生きる人々が果たす役割は大きい」(394〜395頁)

この考えは今でも変わっていない。中国と台湾が多角的な相互交流を続ける過程で、中国社会が民主化した台湾の影響を受けて今までよりも自由で、開放的な政治社会を構築していき、結果的に民主化するのがベスト・プラクティスだと考えてきた。

民主主義は台湾人民が大切にしてきた価値観

中国が民主化した上で、台湾がそんな中国との“祖国統一”を自ら望み、双方の意思によって歩み寄った上で“一国一制度”を実現するのが“祖国統一”というアジェンダにおける最良のシナリオであるとも考えてきた。これからもそう思い続けるであろう。

しかしながら、前述した国家主席任期撤廃、「党がすべてを領導する」という憲法規約、あらゆる分野における上からの締め付け強化、議論どころか提起すらされず、市民社会でもそれが許されない政治体制改革…習近平政権が成立して以来の現実、および今回の習近平談話を眺めながら、筆者がこれまで抱いてきた考えや思いは“空想的”といえるほどに現実味を帯びないと痛感させられた。

習近平談話、そして習近平政権には、台湾が同じ“中国人”として史上初めて実現した自由民主主義制度を敬う気持ちや姿勢が全くない。そして、今回の習近平談話に台湾当局や人民が猛烈に反発し、台湾が《台湾同胞に告げる書》発表から40年がたった今でも中国との統一を望まない最も根幹的な理由が中国自身の政治体制にあるという基本的背景に対する自覚や反省も全くない。自らが政治体制改革を主体的に推し進める謙虚な姿を台湾側に見せずに(それどころかあからさまに後退している)、「民族大業」(習近平)の観点から“平和的統一、一国二制度”を呼びかけても2300万人の台湾人の心に響くわけがない。

「民主主義は台湾人民が大切にしてきた価値観であり生活方式である。我々は中国が勇敢に民主主義への歩みを踏み出すことを促したい。そうすることによって、初めて台湾人の考え方や堅持を真に理解できることであろう」

蔡英文は習近平談話への“反論”の最終部分をこう締めくくった。

(国際コラムニスト 加藤嘉一)

日経ビジネス記事

中国が一党独裁の下、国策として科学技術の振興に努めている。その成果が表れ始める一方で、倫理を無視する研究が増大。諸外国は懸念を抱く。だが倫理無視や孤立は科学の発展に得策ではない。この点への理解が中国の民主化につながる可能性がある。

中国は世界で初めて、月の裏側に探査機を着陸させた(写真=Imaginechina/アフロ)

100年前、中国の主要都市で学生によるデモが相次いだ。反帝国主義を掲げる五・四運動だ。運動の指導者たちは1世紀にわたる国家の凋落を食い止めるため、儒教を捨て、西洋のダイナミズムを取り入れようとした。「科学」を振興し「民主化」を進めることで中国は生まれ変わる、と彼らは主張した。

彼らが建国に貢献した中国は今、かつてないほどの勢いを持って偉大な国家の実現を目指している。1月3日には、無人探査機「嫦娥4号」を月の裏側に着陸させることに成功した。この世界初の快挙は、同国の高まる野望を象徴するものだ。

だが現在の中国の指導者たちは、科学は民主主義とともにあるとの考えにくみしない。それどころか習近平(シー・ジンピン)国家主席は、たとえ中国共産党が政治的な締め付けを強化しても、先端技術の研究を前進させることができると自信を見せる。米中の対立が激しくなる中、欧米に住む多くの人々が習氏のもくろみは成功するだろうと不安を抱いている。

習氏の決意に疑いを挟む余地はない。現代科学の発展は、以下の点にかかっている──巨額の資金を投入し、制度を整えて、大勢の頭脳集団を集める。当社(英エコノミスト誌)の調査によれば、中国は科学技術の達成度ランキングの階段を駆け上っている。その一因は、政府が主導しこの3条件をすべて満たしていることにある。

中国は装置や研究所の整備に何百億ドルもの資金をつぎ込んできた。ダークマターやニュートリノを探知する装置や、ゲノミクスから量子通信、再生可能エネルギー、先端素材まで、あらゆる分野を対象にする研究機関にだ。

配慮を欠いた遺伝子編集

日本経済新聞と科学書籍発行大手エルゼビアが2013~18年に発表された1720万本の論文を分析したところ、ナトリウムイオン電池やニューロン活性化分析など、研究が活発な30分野のうち23分野で、中国発の論文の数が他の国を凌駕していることが判明した。

研究の質では米国が依然としてリードしているものの、中国も急速に追い上げている。14~16年に発表された最も影響力のある論文の中で、中国のものは11%を占めた。

中国の科学者には画期的な研究成果を上げよとの強い圧力がかかっている。このため、手段をないがしろにして結果を求める事態が時に起きる。18年には深圳の研究者、賀建奎氏が、産後の安全性に適切な配慮をすることなく、受精卵のゲノムに編集を加えた。この研究がそのまま続いたら、今回誕生した子供たちがつくる次世代の子供たちの安全性もなおざりにされていたろう。

中国のAI(人工知能)研究者は、ほとんど監督されることなく、中国国民から取得したデータに基づいて、アルゴリズムを強化していると考えられている。中国は07年、自国の気象衛星を宇宙兵器で破壊し、スペースデブリ(宇宙ゴミ)を軌道上に散乱させた。知的財産権の盗用は枚挙にいとまがない。

ルールを守らない中国がハイテク分野でめきめきと力をつけていることに、欧米の政治家は警戒を強めている。警戒の対象は兵器だけではない。独裁政権は自国民を抑圧するために科学を使用してきた歴史がある。中国はすでに顔認証などのAI技術を駆使して、国民をリアルタイムでモニターしている。中国以外の国々は、中国が遺伝子改良や自律AI、地球工学などの分野に参入していることを、極めて危険と見なしているだろう。

このような恐怖を抱くのは当然のことだ。一党独裁の下にある科学の超大国は、実際のところ恐ろしい存在だ。だが中国が科学分野において力を増すことは、全て一つの方向に向いた影響を及ぼすわけではない。

孤立すれば技術は進歩しない

第1に指摘すべきは、中国の科学は武器開発や人民を抑圧するためだけのものではないことだ。より優れた電池の開発や、疾病の新たな治療法の探求、ダークマターなどの基礎的な発見に至るまで、中国の努力は世界に大きく貢献する。

加えて、習氏の考えが正しいかどうかも定かではない。仮に中国の研究が本当に当該分野をリードすることになるなら、習氏が予想もしないかたちで、科学が中国を変化させるかもしれない。

習氏は科学や技術の振興を国家プロジェクトだと語る。しかし、ほとんどの科学研究において、愛国主義は障害になる。専門知識や鋭いアイデア、創造性にとって国境は意味をなさない。

研究はチーム(参加する科学者の数は時に何十人にもなる)で取り組むものだ。発表された論文を読むだけでは十分でない。会議に参加し、研究者同士が顔を突き合わせることが、研究の機微を把握するのに欠かせないのだ。

確かに競争の問題はある。軍事やビジネス分野の研究では秘密を保持する必要がある。だが純粋科学は協力や意見交換を通じて発展する。

このことは中国の科学者に国際的なルールを順守する動機を与える。えりすぐりの会議や研究所、論文へのアクセスが可能となるからだ。

加えて、非道徳的な科学研究は中国が持つソフトパワーを弱体化させる。賀氏が遺伝子を編集した事件は、倫理違反はもちろん、中国の同僚から激しい非難を浴びたこと、そして当局から処罰されるリスクまで冒したことでも記憶されることとなろう。07年の人工衛星破壊には中国国内で怒りの声が上がった。それ以降、この実験は繰り返されていない。

興味をそそられるのは、このことが中国の民主化にどのような影響を及ぼすかだ。優秀な科学者は政治的自由を信奉する、と必ずしも言えるわけではない。だが、何事にも疑いを持ち、批判的に、経験に基づいて物を考える科学者の手法や、外国人の同僚との頻繁な接触は当局を脅かす。当局は、人々の言動や思考を管理することで生き延びているからだ。

旧ソ連時代のロシアはこの矛盾を、科学者に特権を与える一方、彼らの多くを閉鎖された都市に隔離することで解決しようとした。中国の科学者の数は急増しており、この手法は通用しない。学問の自由が得られればそれで満足する研究者は多いだろうが、少数の科学者がより広範な表現の自由を求めるだけで、共産党にとって問題となる。

ロシアのアンドレイ・サハロフ氏や中国の方励之氏のことを思い出してみよう。サハロフ氏はロシアで水爆を開発し、後に反体制活動家となった。方氏は天体物理学者で、1989年の天安門事件を指導した学生らを鼓舞した。政府が押し付けた現実が色褪せ、大言壮語にすぎなかったことが明らかになるにつれ、両氏は真実を追求する人として突出した存在となった。

欧米の人々の一部は、中国における科学の進展に脅威を感じ、中国の研究者たちと一定の距離を取ろうと考えている。兵器やビジネスベースの研究に関してはそれが賢明かもしれない。これらの分野では機密保持のための入念な仕組みがすでに確立されているし、今後も一段と強化されるだろう。

しかしながら、一般的な研究にまで囲い込みを適用すれば、自滅的な結果を招きかねない。中国の科学技術を責任ある透明度の高いものとする最善の方法は、協力を惜しまないことだ。そうすることで、第2の方励之氏が生まれるかもしれない。

想像するのは難しいが、習氏が一層困難な選択を迫られる可能性もある。科学技術分野で後れを取る事態を甘受するか、科学者に必要な自由を与えるリスクを冒すか、の選択だ。この意味において、習氏は何にも増して最大の実験に取り組んでいる。

©2019 The Economist Newspaper Limited
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