『担任に20年後の復讐劇「俺を覚えているか」 史記に曰く「報復するのに急ぐ必要はない」』(12/28日経ビジネスオンライン 北村豊)について

12/30中国观察投稿 Robin NuさんはTerracotta Warriors Museum, Shaanxi China(西安・兵馬俑)にいます。

習近平が江沢民の死を待っていると思しき図

下午在微信群发了这张漫画。群里很多人很紧张。都很担心这个交流群的安危。只有群主表示担心我的安危。这就是中国大众的心理。惧怕威权的滥用给自己带来“灾难”。同时也惧怕身边的人为此给自己惹来“麻烦”。启蒙这些人,还不如先教会他们像个人一样站起来表达自己的真实想法。

午後にこの漫画をウイーチャットで発信した。仲間の多くが緊張している。仲間の安全について心配している。仲間のリーダーだけが私の安全を心配してくれている。これは中国の大衆心理である。 権威の濫用が自分に”災難”を齎すことを恐れ、同時に周りの人々は自分に”トラブル”が引き起こされることを恐れている。これらの人々を悟らせるには, 自分たちが本当に考えていることを表現し、独り立ちさせることを先ず教えた方が良い。

12/30阿波羅新聞網<川习热线谈贸易 川普:协议进展顺利=トランプ・習はホットラインで貿易問題を討議 トランプ:協議は順調に展開している>トランプは12/1アルゼンチンでのG20の晩餐会で貿易戦は90日の休戦とした。中国の商品の関税を10%から25%に上げるのを一時的に止め、中国は米国産大豆の購入と自動車と部品の関税引き上げを停止した。ブルームバーグの報道によれば、「米国政府の代表団は1/7の週に北京に行き、交渉する。通商副代表のJeffrey Gerrishが団長、David Malpass財務次官も含まれている」と。

代表団も小粒な印象です。単なるアリバイ作りでは。

https://www.aboluowang.com/2018/1230/1224969.html

12/15ぼやきくっくりブログ<米国は中国共産党消滅までやる。もう止まらない(ファーウェイ排除)…Tweetまとめ18.12.01~12.15>ルトワック氏と奥山真司氏の会話の内容がアップされています。トランプは貿易協議がうまく行っていると発信していますが、中共崩壊が米国エスタブリッシュメントの総意であるなら妥協はできないはず。況してや嘘つきの中国人や朝鮮半島人であるなら。

http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid2246.html#sequel

12/29希望之声<中共意识形态破产 北大马会遭强制改组:要学习思想=中共の思想形態は破産に 北京大学マルクス学会は強制改組に: 習近平思想を教えるようにと>中共の思想闘争が出て来るのは珍しい。中共の元リーダーだった毛沢東の誕生日に、当局は北京大学マルクス主義学会会長の邱占萱を逮捕し、翌日にはその会を強制改組した。新しい会には習近平思想を教え込むように要求した。外界は「中共の思想形態は既に完全に破綻した」と指摘した。

利に敏い中国人にとってマルクス主義は単なる道具でしかなかったという事です。暴力を肯定するので独裁者にとって都合よく政敵を葬れます。毛も習もその点で同じ。習はマルクスより偉大だと思っているのでしょうが、洗脳された中国人以外、誰もそんなことは思わないでしょう。革命思想だけあって今の中共を武力を持って倒されては困るので、弾圧に走ったようです。

北京大学マルクス学会会長が連れていかれる

https://www.soundofhope.org/gb/2018/12/29/n2520539.html

12/28希望之声<华为遭疑间谍机构 副总裁泄密内部讲话疯传l=華為はスパイ機構と疑われる 副総裁の講話が漏れ伝わる>外国では華為が中共のスパイ機構であると疑い続けている。華為の上級副総裁の陳黎芳は4/20内部講話で新入社員に向けて講話し、「米国と中国の技術の差は遙かに大きい。華為の真の身分を明かさないようにして、禁止されている技術を特殊手段によって取って来てほしい。それは君たちがリスクを冒すことにかかっている」と話した。

華為上級副総裁の陳黎芳は内部講話で「米国はボスとして崇め、隠して技術を取って来い」と話した。

https://www.soundofhope.org/gb/2018/12/28/n2519810.html

北村氏の記事に関連して、中国では今でも学校の先生の暴力事件は後を絶たないようです。かつ賄賂を取る常習犯ですから、子供の教育には一番良くないタイプです。そもそも学問の自由のない共産主義国の教育システムは大多数の精神的奴隷を作り出すシステムとも言えます。思想や内心の自由を認めない社会は狂っているとしか言えません。

https://ameblo.jp/zhoulaiyou/entry-12355475074.html

記事

中国では教員による学生に対する暴力行為は珍しくない(写真:PIXTA)

中国の歴史書『史記』の範雎蔡澤列伝に「“君子報仇, 十年不晩(君子が復讐を遂げるのに10年は遅くない)”」という言葉がある。この出所は次のような逸話による。すなわち、戦国時代の秦昭襄王(以下「秦王」)36年(BC271年)に魏国に滞在していた“範雎(はんしょ)”は人に陥れられたことにより、魏国の宰相であった“魏斉”に謀反を疑われ、鞭打たれて半死の状態にされた。冤罪で半死となるほど鞭打たれた範雎は復讐を誓い、故郷を離れて遊説の旅に出た。諸国を回る中に秦王に出会った範雎は、秦王に気に入られて重用され、遂には秦国の宰相に上り詰めた。こうして力を得た範雎は、秦王46年(BC261年)に恨み骨髄の魏斉を打つべく包囲網を縮め、追い詰められた魏斉は自刎(自分で首を切り落とす)して死に、範雎は魏斉に対する恨みを晴らした。

こうして範雎は魏斉に対する復讐を遂げることが出来たが、それには秦王36年から秦王46年までの10年という月日を要したのである。そこで、史記の作者である“司馬遷”は、この逸話に「君子が復讐を遂げるのに急ぐ必要はない」として「“君子報仇, 十年不晩”」とコメントしたのだった。

さて、話は現代の復讐劇に移る。2018年の7月下旬に河南省“洛陽市”に属する“欒川(らんせん)県”で、33歳の男性が20年前の復讐を果たしたのだったが、その相手は何と中学時代のクラス担任だった。当該男性が20年前のクラス担任に復讐を果たす場面を撮影した、長さ1分9秒の動画が、12月15日に「卒業後、当時の“老師(教員)”にビンタで報いる」という題名でSNSの“微信(WeChat)に投稿されたのであった。その動画には「河南省洛陽市欒川県内の路上で、欒川県実験中学校を卒業した“常某堯”という名の男性が路傍に車を止めて、電動バイクでやって来る当時の担任を待ち伏せし、通過時に捕まえた」との字幕が表示されていた。恐らく、常某堯の仲間が動画の撮影を行っていたものと思われる。

動画の内容は以下の通り。
【1】路傍で常某堯が待ち構えている所へ頭頂部が禿げ上がった中年男性が電動バイクに乗って通りかかると、これを“常某堯”が呼び止めた。バイクを止めて何事かといぶかしがる50代の男性に対して、常某堯が「あんたは“張某林”だよな」と聞くと、男性は「そうだが何だ」と答えた。すると、常某堯が張某林を睨みつけ、怒りに満ちた声で「俺を覚えているか、どうだ」と言いながら、突然に張某林の左頬を平手で叩き、念を押すように再度「俺を覚えているか、どうだ」と繰り返した。

【2】恐らく男性は「自分にはあんたが誰か分からない」と応じたのだろうが、常某堯はバイクの進行を止める位置に移動すると、すさまじい剣幕で「昔、俺をいたぶったことを覚えているだろう。もう十数年が経過したが」と言うやいなや張某林の左頬を平手で叩いた。これに対し張某林は何も反抗することなく、常某堯のなすがままにしていた。張某林は恐らく常某堯がどのような生徒だったか、彼に何をしたかを覚えていなかったものと思われる。しかし、張某林は常某堯が頑強そうで反抗してもかなわないし、若い頃の自分の言動に恥ずかしいところがあったのか、常某堯に対して小声で“対不起(すまなかった)”と詫びたのだった。

提出された告発状の概要

12月16日午後、張某林が勤務する欒川県実験中学校は、巷で評判になっている動画の中で殴られている50代の男が張某林であることを確認した。学校側が速やかに張某林に対して事実関係を問い質したところ、張某林は動画が事実であることを認めて、その経緯を説明したので、学校側は校長の“王全”の名義で告発状を作成して“欒川県派出所”へ提出した。

提出された告発状の概要は以下の通り。
(1)7月下旬の某日午後4時頃、張某林が電動バイクで“欒川石廟”から“県城(欒川県の県庁所在地)”へ戻ろうと、“雷湾村変電所”付近を通りかかると、路傍に緑色のジープが止まっていて、その横に2人の若者が立っていた。そのうちの1人である常某堯が張某林の行く手を塞ぎ、張某林かどうかを確認した後に顔面を平手で何回も叩いた。常某堯は張某林の顔を叩いたり、怒鳴ったりしながら、張某林を路傍へ引っ張り込んだので、彼の電動バイクも畑の中へ倒された。そして、常某堯は張某林に対して殴る蹴るの狼藉を行った上で、「今後はお前を見かける度に1回ずつ殴る」と捨て台詞を投げかけた。

(2)ネット上に掲載されている動画はわずか1分9秒だが、実際に常某堯が張某林を捕えてから暴行を終わるまでの時間は20分間にも及んでいた。現在、張某林は情緒不安定の状態にあるが、依然として出勤を続けている。事件は7月末の夏季休暇中に発生したので、学校側は事件の発生を知らなかった。それは、張某林が事件を名誉な話ではないと自覚し、妻にも隠していたからであった。今回の加害者は張某林が十数年前に教えた学生であるが、当時張某林が彼に行った批評を正しく受け止めることが出来ず、長年忘れることなく復讐心を保ち続けたものと思われる。

(3)本件に関して、学校側は「常某堯が昔の恩師に対して殴ったり、怒鳴ったり、したい放題して、無法の限りを尽くした。それだけでなく、事件の模様を動画で撮影してネット上に流布した。これは絶対容認することができないので、事実を徹底的に究明し、加害者を厳罰に処し、法的責任を追及し、人的・精神的損害賠償を負担させると同時に、当該動画の削除および加害者に公開で謝罪させること」を公安機関に強く要求するものである。

なお、王全校長は、張某林について「張某林(51歳)は性格が内向的な教員で、欒川県実験中学校で20年以上の教員経験を持ち、欒川県の全県優秀クラス担当の称号を獲得したことがあり、以前は英語を担当し、現在は歴史を担当している。毎年学校が行う学生による教員評価では、張某林に対する評価は“満足”であり、誰一人として張某林に殴られたという学生はいなかった」と述べたという。但し、それは現在の張某林であり、20年前の張某林がどのような教員だったかは分からない。

世間の注目を集めた書き込み

一方、12月19日早朝にハンドルネーム「駱駝鳥009」と名乗るネットユーザーが、ポータルサイト“百度”の掲示板に上述した動画に関して下記内容の書き込みを行い、多くのネットユーザーの注目を集めたのだった。

【1】私は常某堯です。動画に映しだされた事件が発生したのは2018年7月初旬です。動画は私本人が撮影しましたが、動画を投稿したのは私ではありません。

【2】動画が流布してから数日間、私は外地で仕事をしていたために、それを知りませんでしたが、昔の同級生が電話で知らせてくれたので、動画が投稿されたことを知りました。そこで、事件の詳細を説明すべきと考え、皆さんに正直にお話しする次第です。先ず、私は全ての“老師(教員)”に“対不起(ごめんなさい)”と言いたいが、この中には私に殴られた張某林は含まれていません。私が学生時代に教えを受けた教員の皆さんは概ね良い人たちで、私は今でもありがたく思っていますが、張某林だけはその例外なのです。

【3】20年前の1998年に自分は13歳で欒川県実験中学校に在校していましたが、家が貧しく、カネも無ければ、有力者とのコネもありませんでした。張某林は当時私のクラス担任で30代でした。彼は故意に私を見下し、いじめを行いました。私が授業中に眠ってしまった時には、すさまじい勢いで足蹴にした上で体罰を与えました。そうしたいじめが度重なり、我慢できなくなった私は王全校長にも相談しましたが、それを知った張某林はますますいじめをエスカレートさせたのでした。中学3年になるとクラス担任が代わり、いじめを受けることはなくなりましたが、私が張某林から受けたいじめと虐待はひどいもので、肉体だけでなく名誉も傷付けられ、私は一生心に残る傷を負わせられたのです。

【4】動画が流布したことにより、十数年も音信不通だった10人以上の同級生が私に連絡をくれて、私が教室で張某林に殴られていたことを進んで証言すると言ってくれています。

これより1日前の12月18日の午後、“欒川県人民代表大会(県議会)”の“法制工作委員会”主任は、欒川県実験中学校から提出された告発状を前提として本件を立件するよう“欒川県派出所”へ指令を発した。これによって、事件は立件されて調査が開始され、常某堯を逮捕するための手配書が各地の公安局へ通知された。

12月20日午前11時頃、上海鉄道公安局に属する“杭州公安処”の杭州東駅派出所は常某堯を逮捕した。常某堯は前日の19日夜に杭州のネットカフェからネット上に自己弁護の書き込みを行っていたが、翌20日に故郷の河南省欒川県で本件の始末をつけるために杭州東駅から列車に乗ろうとしている所を確保されたのだった。杭州東駅派出所は20日午前9時に“河南省公安庁”から常某堯の逮捕協力要請を受けて、11時に常某堯を逮捕したものだが、常某堯は午後2時に河南省公安庁へ引き渡された。

なお、欒川県公安局は本件の調査を本格化したが、中国メディアが同公安局から聴取したところによれば、ネット上には常某堯の同級生だというネットユーザーが次々と書き込みを行っているが、それは「常某堯は誠実で義理堅い人物であり、今回の事件は張某林による虐待が彼に心理的な影響を与えたものと思われる」といった内容だという。また、張某林の学生だったと自称する人物は、当時学校で張某林にこっぴどく殴られた記憶があると書き込んだという。

戦々恐々としたのは老師たち

この事件が全国的に知られたことにより、戦々恐々としたのは全国の“老師(教員)”たちだった。この事件を模倣してかつて教えを受けた教員に暴行を与える第二、第三の常某堯が出現する可能性を恐れたものだった。中国ではいまだに教員による学生に対する暴力行為は普遍的に存在し、決して珍しいものでないことは多数の動画で確認できるからである。

本事件のように、かつての教え子が恩師である教員に対して暴力を振るったことに対しては、毛沢東が主導した「文化大革命」(1966~1976年)において、学生や生徒たちが教員たちを反動分子と決めつけ、“造反有理(謀反には道理がある)”のスローガンの下で教員たちに対して暴力行為に及んだことを想起させる。しかし、常某堯が上述した12月19日の書き込みで述べているように、彼は張某林を除く恩師たちには感謝を表明しており、決して教員全てを目の敵にしている訳ではない。

常某堯が20年を経過してまでも復讐を遂げたいと考えるほどに、張某林が常某堯に行ったいじめや虐待が苛酷なものであったということではないだろうか。張某林は今では20年以上の経験を持つ老成した教員であるが、まだ教員として駆け出しだった20年前は思い通りにならない学生に対して安易に暴力を使ったことが想像できる。こうした忌まわしい過去の記憶があるからこそ、張某林は常某堯に暴行を受けても、その事実を隠して人には言わず、耐えていたものと思われるが、真相はどうなのだろうか。

艱難辛苦の末に成功を収めたが……

文頭に述べた「“君子報仇, 十年不晩”」という言葉は、中国メディアが20年後にいじめを受けた教員に復讐を行った常某堯の事件から連想して引用したものである。君子ではない常某堯を2280年前の“範雎(はんしょ)”と比べることはおこがましいが、己の心に忠実にいじめを受けてから20年後に張某林に対する恨みを晴らした常某堯を応援したくなるのは人情というものか。

中国メディアは逮捕された常某堯について次のように報じている。すなわち、常某堯は、欒川県の“欒川郷某村”の出身者であり、幼少時に両親が離婚し、常某堯は弟と一緒に父親によって育てられた。家は非常に貧しく、学校では同級生の誰もがきれいな服を着ている時でも、常某堯だけはそうでないというような辛い日々を過ごしたという。そうした環境にもめげずに大学を卒業した常某堯は、浙江省へ出て創業を果たし、経済状況が良くなった後は同郷の人々への支援を行っている。常某堯は通常は浙江省の杭州市で暮らし、インターネットショッピングサイトの“淘宝”などを通じてアパレル関係の商売を行っている。

艱難辛苦の末にビジネスで成功を収め、同郷の人々にも支援を惜しまないという常某堯が、20年前の復讐を果たそうと当時のクラス担任である張某林に暴行を加えたのはどうしてだろうか。それは、張某林が彼に加えたいじめと虐待がわだかまりとして心に残り、いつまでも消えずに彼を苦しめたからではなかったか。逆に言えば、そのわだかまりが常某堯の成長を支えたからこそ、彼を大学卒業、創業、ビジネスでの成功へ導いたと言えるのかも知れない。

逮捕された常某堯には何らかの罪が下される可能性はあるが、張某林に復讐を遂げたことによって心のわだかまりを除去できたので、常某堯がその復讐劇を悔いることはないと思う。それこそが「“君子報仇, 十年不晩”」の本当の意味ではないだろうか。

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『追いつめられた中国経済、2019年の動向を占う 習近平重要講話と中央経済工作会議から読み解く』(12/26日経ビジネスオンライン 福島香織)について

12/28阿波羅新聞網<中共承建大坝出现超7000道裂缝 厄瓜多为贷款惨背巨债=中共が請け負ったダムには7000以上のヒビが エクアドルは債務の罠に>エクアドルは貧困から抜け出せないだけでなく、巨額の債務を負い、中国に石油輸出の8割を押えられている。

NYTは「エクアドルは中共から190億米$を借り、橋や高速道路、灌漑施設、学校、病院、7つのダムを建設した。Coca Codo Sinclairは“水力発電のダムの一つは活火山にあり、地震が起きれば付近を破壊するとかつて地震学者が言った”と問題を指摘した。ダムは2016年から稼働し、2年経ったら多くの問題が出て来た。公式なデータは「鋼材の品質は不合格品で、ダムの溶接には向かない。また機械設備に7642ものヒビが見られた。累積汚泥は重要設備を損壊させる。また、このダムはフル稼働できない。大型ダムはエクアドルのエネルギー問題を解決し、貧困から脱する予定であったが、国は却って腐敗に陥り、殆どのダム建設に関与した役人は監獄か収賄罪で裁判を受けている。その中には副大統領や電力省長官も含まれる」と報道。

中共お得意の要人への贈賄です。でも、賄賂を受け取るリーダーしか持てない国の国民は不幸です。中共が関与すると必ず悪徳が栄えることになります。近づかないことです。

https://www.aboluowang.com/2018/1228/1224095.html

12/29阿波羅新聞網<特朗普拟封杀华为和中兴 前外交官曝华为背景惊人=トランプは華為とZTEを封じ込める 前外交官は華為の背景を明らかにして吃驚させる>外国メデイアは事情通の情報を引用し、「トランプは大統領令にサインし、米国企業に華為とZTEの設備使用を禁じる。スパイ活動をしているため」と。中共外交部は「米国は開放政策を閉じ、進歩や平和の門をも閉ざしている」と非難した。華為上層部は新年の挨拶で「休めば我々の足並みを乱すことになる」と述べた。

ロイター社は27日(木)に「トランプは年が明けたら、「国家安全緊急事態」の大統領令を出し、米国の企業に華為とZTEの通信設備使用を禁じるようにする」と報道。

中国のシドニー領事館の前政治領事だった陳用林は「華為とZTEは明らかに中国政府の指令を受けている。特に華為は解放軍総参謀部と国家安全部が管理している。華為は外国での国家安全と国民のプライバシー監視に関係している。米国のやっていることは重要である。今は米国人だけが中国と争っているが、あらゆる国が自国企業の中国の通信製品使用を禁止すべきである」と述べた。

大前研一氏は12/28メルマガでスパイ活動について「米国がやるのはいいが中国はダメ、というのもおかしな話で、米国も中国もどっちもどっちだと思います。」と書いていますが、価値判断がごっそり抜けています。人権弾圧する国と自由を認める国とどちらを支援すべきかは明らかでしょう。まあ、薄熙来のコンサルもしていたくらいですから容共主義者というか儲かれば良いというスタンスなのでしょうけど。

https://www.mag2.com/m/0000140789.html

https://www.aboluowang.com/2018/1228/1224087.html

12/28看中国<习近平这样做为什么 又是防政变?(图)=習近平は何故これをしたのか 政変を防ぐためか?>中共中央政治部は25、26日に「批判」と「自己批判」の性質を持った“民主生活会” を開いた。公式報道によれば、「「批判」と「自己批判」のチエックだけでなく、習が核心であることを強調した会議であった」と。台湾メデイアは「中共は内部闘争の集会には慣れている」と。フランスメデイアは「習の此の挙は政変を防ぐためだろう」と。

習も毛の文革時に戻ろうとしているのでしょう。愚かなことですが、中国国民が中共を打倒しなければ悲惨な状態は続くでしょう。

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/12/28/880314.html

12/28facebook 12/26Bei Ming 投稿

編輯後轉發《如果和結果》:

多年前的十二月二十六号此人降临人间。

如果四五年他死了,中华少战死六百万;
如果五七年他死了,中华少饿死三千万;
如果六五年他死了,中华少整死斗死二千万;
結果七六年他终于死了,中国人才开始吃饱饭了。

他一生做得正确的一件事就是:死了。
遺憾的是,他死得太晚了。

編集後転送 [“もし”と結果]
大分前の12月26日にこの男は人間として降臨した

もし彼が45年に死んでいれば、中国は600万の戦死者を出さずに済んだ
もし彼が57年に死んでいれば、中国は3千万の餓死者を出さずに済んだ.
もし彼が65年に死んでいれば、中国は2千万の闘争での死者を出さずに済んだ.

結果は76 年についに死去し, 中国人はやっとたらふくご飯が食べれるようになった
彼が自分の人生で正しいことをしたのは、 死んだことだ.
残念なことに、彼は死ぬのが遅すぎた.

12/29ZAKZAK<レーダー映像公開…日米、韓国に金融制裁の可能性も? 米政府関係者「われわれが離れるとき韓国は焦土化する」>朝鮮半島のみならず、中国大陸も金融制裁の対象にすれば良いのに。

https://www.zakzak.co.jp/soc/news/181229/soc1812290002-n1.html

福島氏の記事を読んだ感想です。早く3/1になり、米国が対中貿易戦を復活させるのを楽しみにしています。中国経済はガタガタになるでしょう。当然軍拡もできなくなりますし、少しずつ封じ込められて行くのでは。

記事

前回の中国・中央経済工作会議に出席した習近平国家主席。2017年12月18日撮影(写真:新華社/アフロ)

新華社が21日に報じたところによれば、19-21日に中央経済工作会議が開催された。中央委員会総会(四中全会、政治政策の決定を中央委員会によって可決する)を開かずに経済政策を決める中央経済工作会議を先に開くのはやはり異例だ。しかも、その直前に行われた改革開放40周年記念の習近平重要講話を仔細に読めば、経済の習近平路線は大きく変わりそうにない。中国の来年の経済動向を、習近平重要講話と中央経済工作会議の中身から占ってみたい。

倒産500万件、失業200万人か

簡単に2018年の中国経済を概観すると、今年の経済鈍化は、庶民が肌身で切実に感じるレベルである。党大会後から始まった債務圧縮政策は中国の雇用を支えてきた民営中小零細企業を直撃、報道ベースでざっくり500万件が倒産し200万人が路頭に迷い、740万人の出稼ぎ者が都市部から農村に戻った。その原因を習近平路線にあるとする声は党内でも大きい。習近平の政策の一番強烈なところは「習近平を核心とする党中央」が一切を指導する独裁路線であり、株式市場も為替市場も民営企業も債務も、党(習近平の意向)が完璧にコントロールしてやろう、という点だ。そんなものを完璧にコントロールできる天才的指導者などいるか、という話だ。

これは鄧小平の改革開放路線(資本主義を経済の手段として容認し、経済活動については政治的制約を極限まで減らし、結果的に豊かになった企業家および中間層を党に取り込むことで共産党の権力を強くする)とは真逆。だから、習近平路線の呼び名は「逆走路線」あるいは「改毛超鄧」(毛沢東のやり方を改良して鄧小平を超越する)と表現される。

胡錦濤政権末期を振り返ると、鄧小平路線を長年継続してきた結果、(資本家を受け入れた)共産党の腐敗と風紀の乱れが激化し、貧富の差の拡大によって大衆の不満が膨らみ、経済が資本主義(自由主義)、政治が社会主義(全体主義)という不均衡によって、共産党は経済の資本主義化にブレーキをかけるか、政治の社会主義体制の看板を下ろすかの選択の岐路に立たされていた。この選択をできずにいた胡錦濤政権から、矛盾が極限まで膨らんだ状態の中国を受けついだ習近平政権は、高度経済成長の持続を諦め、成長減速を「新常態」(ニューノーマル)と受け入れて、経済構造の大改革を行うとした。だが、文革時代に思春期を過ごし、大した経験や知識をもたない習近平には参考となる政治家手本は毛沢東しかおらず、毛沢東のやり方を模倣する以外なかった。

結果として起きた現象を上げれば、安邦保険や海南航空集団といったメガ民営企業の事実上の国有化などによる民営企業のパニック、2015年上海“株災”から始まった中国株式市場の信用失墜、意見の対立する政治家、官僚排除による党内組織機能の硬直化やサボタージュ、中国製造2025(製造業の高度化)や一帯一路(国内余剰生産などの矛盾を国外に移転、拡大することによる問題解消を狙った中華式経済圏の拡大)といった戦略を中国の覇権主義台頭と警戒した米国との貿易戦争などが重なって、中国経済は急減速した。外資引き上げが加速し、キャピタルフライトはとどまらず、人民元は急落を続け、不動産バブル、地方債務ははじける寸前であり、社会消費の鈍化が目立つようになった。

「鄧小平路線に戻すべき」との声も

2017年暮れごろから中国政府内の金融官僚たちは「ミンスキーモーメント」という言葉を口にし始めた。これを警戒し、習近平政権は金融バブル崩壊圧力を緩めるために2018年6月、P2P金融業者(ネットなどをプラットフォームに使った個人間融資)を選んで破綻させたのだが、大量の自殺者、失踪者が出て数百万単位の金融難民を出した苛酷なものだった。ネット上で怨嗟の声が渦巻き、習近平政権に対する大衆、特に中間層の敵意を形成することになった。しかも、P2Pを破綻させたところで、中国の巨大な金融破たんリスクが解消されるわけもなく、むしろ次はより大きなショックがくると国内外のアナリストたちは恐怖を感じるようになった。ここに、米国との貿易戦争が重なり、中国経済は改革開放以来、例をみないほどに追いつめられている。

党内では現状を改善するためには路線を旧鄧小平路線に戻すべきだと主張する声が強くなっていた。だが、習近平にとって旧鄧小平路線に戻ることは自身の敗北を認め、下手をすれば引退という形で責任を取らされる可能性があり、簡単には認められない。習近平は最終的にどうするのか、その答えが改革開放40周年記念日に行われた演説であった。

演説の内容を簡単にいえば、旧鄧小平路線には戻らない、という習近平の決意が打ち出されている。見出し的には「改革開放路線の継続宣言」と報じてるメディアもあるが、中身はあくまで習近平路線維持を押し通したものだった。鄧小平の言葉よりも毛沢東の言葉を多く引用しているし、なにより胡錦濤政権時代の2008年に行われた改革開放30周年記念行事には江沢民ら長老が勢ぞろいしたが、今回、長老連は軒並み欠席。現役指導部と習近平の取り巻きだけが参加した習近平独演ショーのようになっていた。

まず「党が一切を指導する」(経済、市場を含めた国家占有至上主義路線)の維持を繰り返した。

また中国を国際秩序の擁護者としながら、「中国人民にあごで偉そうに指図できる教師様はいない」と毛沢東風に語り、中国が目指すのは米国はじめ西洋社会が示す民主主義モデルではなく、中国が独自の道をいくのだと主張している。これは既存の国際秩序への挑戦姿勢と受け取れよう。米国を暗にさして「覇権主義と強権主義に旗幟鮮明に反対する」と牽制している。また国有経済優先姿勢も明確にし、「公有経済制はみじんもゆるがさない」としている。改革開放路線継続といいながら、実は逆走路線である。党内改革派からは鄧小平路線に回帰し、国際社会との融和・妥協点を探るべきだという意見が出ているが、それにも習近平はノーだということだ。

「改革すべきところ、改革できるところは必ず改革する、改革すべきでないところ、改革できないところは絶対改革しない」とのべているが、これは事実上の「これ以上改革開放しない」宣言といえるだろう。習近平の本音はもとのまま毛沢東時代逆走路線ということだ。とりあえず、鄧小平を少し持ち上げてみせるが、「できないものはできない」と、開き直ったようにもみえる。さらに一流の軍隊を作って中華民族の復興路線の後ろ盾とする社会主義現代強国化路線の堅持を訴えた。

また「党の集中統一指導により、我々は歴史の偉大なる転換を実現し、改革開放新時代と中華民族の偉大なる復興の新たな道のりを切り開くことができる。一連の重大なリスクの挑戦を受けて立つことができる。無限の艱難辛苦を克服し、変局、風波、洪水、パンデミック、地震、危機もろもろに対応でき防止できる能力がある。古臭くなった過去のやり方でもなく、旗印を安易に挿げ替えただけの邪道でもなく、ゆるぎない中国社会主義路線を堅持するのだ」と語っている。

「旗印を安易に挿げ替えた邪道」とは

「旗印を安易に挿げ替えた邪道」とは、経済の資本主義化を社会主義初級段階に言い換えて自由主義路線を推し進めた鄧小平を念頭に置いているとすれば、習近平の本音がどこにあるかは明らかだ。しかも、習近平が考えうるリスクの羅列の筆頭に「変局」「風波」が挙がっている。変局を直訳すれば非常事態だが、これには政治的意味が含まれており、革命や政変、戦争などを連想させる言葉である。風波は動乱、天安門事件のような社会や政治の動乱を差す言葉だ。習近平が自分の路線を押し通す先に、政変や動乱のリスクも想定しているともとれる。この重要講話を読む限り、習近平は妥協しないつもりであり、いざとなったら政変も動乱も受けてたつ、といわんばかりのやけっぱちで暴走気味であるとも受け取れるのではないか。

さて、この重要講話発表の翌日に中央経済工作会議が開催された。新華社によれば会議では「世界は百年に一度の大変局に直面している。変局中には危機と同時にチャンスが併存しており、これは中華民族の偉大なる復興に重大なチャンスをもたらす」と指摘されたという。ここでも、「変局」が意識されている。とにかく来年は、世界も中国も政治体制、経済や秩序のフレームワークが激変するような非常事態がおきうる危険な一年という意識がにじみでている。だから、経済工作会議の前に開かれた政治局会議で2019年、2020年経済成長目標は6.1%に設定すべしと提言された。今年の経済成長は6.6%前後の見込みで、それでも肌身に厳しい状況を感じるのだから、来年の厳しさは想像以上だろう。ちなみに国家統計局内の特別チームが内部報告用に取りまとめた統計によれば今年の本当の成長率は1.67%という(向松祚・人民大学貨幣研究所副所長、NYT)。

会議ではマクロ政策方針は積極財政、穏健通貨政策をとり、よりカウンターシクリカル(逆周期調節)な対応を強化する、とした。さらに積極財政を効果的にするために、大幅減税を実施し、地方政府の専項債権(インフラプロジェクトなどの資金調達のための特別債)規模を大幅に拡大させる、とした。同時に地方債務リスクを穏健に妥当にコントロールする。貨幣政策は適度に緩め、流動性を確保し貨幣政策メカニズムの改善を図りつつ、直接融資比重を上げて民営の中小零細企業の融資困難問題を解決するとした。穏当をキーワードにした慎重な政策で痛みを最小限にとどめるつもりなのか。

構造改革については、国有企業改革が首位におかれた。珍しく踏み込んできたと思える発言は「政企分開、政資分開と公平競争原則を堅持する。国有資本を強く優位に大きくし、企業を管理することから資本を管理することへの転換実現を加速する」とした点だ。国有企業の競争力を強化することを政策の基礎として、党と国有企業の関係を、あくまで国有資本の管理者として、企業自体の管理は政治と切り離す、という意味だとしたら、これは習近平路線の逆をいく話だ。しかも、「民営企業の発展を支持し、制度環境を法治化し、民営企業家人身の安全と財産の安全を保護する」としている。民営企業家の不審死、自殺が相次ぎ、不自然なやり方で民営企業の国有化を進めた、習近平のこれまでのやり方を改める、という意味にもとれる。

米中貿易戦争が再燃したら…

こうして見てみると、経済政策に関していえば、習近平路線と離れて独自に動きだしているように見える。だが改革開放記念演説に見た習近平の自分のやり方への執着をみれば、本当に経済工作会議のもとに打ち出された方針で運営されるのかも定かではない。そもそも、中央委員会総会によって次の5年の政策の大枠の方向性が可決されていないのだ。

ちなみに会議に国家副主席の王岐山が欠席したのは、党内で意見分裂があったからだ、という見方もあった。すでに中央委員でもない王岐山の欠席に意味があるかどうか別として、党内で習近平派とアンチ習近平派に分かれて、政策の方向性が紛糾しているという話は私も各方面から仄聞(そくぶん)している。習近平の権力への執念が経済政策の方向性の定まりがたさの原因とすると、今後の見通しは不確定きわまりない。しかも90日停戦を経て3月1日には、米国との貿易戦争が再燃するかもしれない。そうなれば、中国経済のハードランディング回避は難しくなろう。今年のP2P破綻のような選択的破綻でしのぐにしても、規模はリーマンショック級以上、という予想をいうアナリストたちは少なくない。

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『「現場の嫌がらせ」では済まないレーダー事件 くるりと言い訳を翻した韓国』(12/27日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について

12/28ZAKZAK<動かぬ証拠…防衛省、レーダー照射時映像公表へ 韓国主張を否定>

https://www.zakzak.co.jp/soc/news/181228/soc1812280012-n1.html

まあ、朝鮮半島人が日本海を東海と言って、自分達の海にしようとしてきたのが分かろうと言うものです。日本人は余りに人が良すぎるでしょう。中国人と朝鮮半島人は敵国人と思わなければ日本人の未来はありません。

12/28ZAKZAK<レーダー照射で…米が韓国へ怒りの“警告” 米軍関係者「世界の軍関係者が『韓国が悪い。日本は悪くない』と理解している」>

https://www.zakzak.co.jp/soc/news/181228/soc1812280011-n1.html

記事

単従陣で旗艦を務める韓国の駆逐艦「広開土大王」、2008年7月撮影(写真:SOUTH KOREA NAVY/AFP/アフロ)

前回から読む)

自衛隊機へのレーダー照射事件で、韓国が説明を変える。「遭難漁船を救助中だった」との説明にも疑問符が付く。

攻撃直前の行為

—韓国の駆逐艦が日本の哨戒機に対し「攻撃寸前の態勢」をとりました。

鈴置:防衛省の発表によると12月20日、海上自衛隊の哨戒機P1が日本海の日本のEEZ(経済的排他水域)を飛行中に、韓国海軍の駆逐艦、広開土大王(クァンゲト・デワン)から火器管制レーダーの照射を受けました。

弾の入った銃を他人に向けたのも同然で、平時にはあり得ない行動です。岩屋毅防衛相は12月21日「攻撃直前の行為だ。不測の事態を招きかねない。韓国は説明すべきだ」と語りました。

共同通信の「レーダー照射『攻撃直前の行為』と防衛相」(12月21日)などが報じました。

否認に転じた韓国

—韓国政府は事件を否認しています。

鈴置:初めは堂々と認めたうえ「大した話ではない」と言っていました。それが日本政府に追い詰められると説明を変え「レーダーを照射したことはない」と言い出したのです。

「日誌・レーダー事件で言い訳を翻した韓国」をご覧下さい。12月22日までは韓国メディアに対し火器管制レーダーを使ったが、日本の哨戒機を狙ったものではなかったと説明していました。

ところが12月22日に防衛省が「火器管制レーダーは捜索には使わない」と指摘。さらには日本のメディアが「レーダー照射は複数回で一定時間続いた」「火器管制レーダーは哨戒機を向いていた」などと意図的なレーダー使用の可能性が高いと報じた。

そこで12月24日、国防部は「照射」自体がなかったと言い出したのです。「追跡レーダーの光学カメラで日本機を追跡したが、電波は一切出さなかった」との説明に変えたのです。

  • 日誌・レーダー事件で言い訳を翻した韓国
12月21日 防衛省、12月20日に日本海の日本のEEZ内で、韓国駆逐艦が日本の哨戒機に火器管制レーダーを照射と発表。岩屋毅防衛相「攻撃直前の行為だ。不測の事態を招きかねない。韓国は説明すべきだ」(共同通信など報道)
12月22日 東亜日報、独自ダネとして「12月20日に漂流中の北朝鮮の漁船を海軍が救助」と報道
12月22日 統一部、救助した北朝鮮の漁民を板門店を通じ送り返したと発表
12月22日 国防部「遭難した北朝鮮の船舶を捜索するため火器管制レーダーを使ったが、日本機を狙ってはいない。正常な作戦任務だった」(韓国MBC報道)
12月22日 NHK「レーダー照射は複数回で一定時間続く」「偶然とは考えにくい」「哨戒機はレーダー受けて回避」
12月22日 防衛省「火器管制レーダーは捜索には使わない。その照射は危険な行為」と発表
12月23日 FNNなど「火器管制レーダーは哨戒機を向いていた」と報道
12月24日 国防部「人道主義的な救助のための正常な作戦活動であり、日本機の脅威となる措置は取らなかった」「追跡レーダーの光学カメラで日本機を追跡したが電波は一切出さなかった」「日本機からの通信はノイズが多く『韓国海洋警察』だけが聞きとれた」(聯合ニュース報道
12月24日 韓国外交部「事実を確認せず発表した」として日本に遺憾を表明(聯合ニュース報道
12月25日 防衛省「火器管制レーダー特有の電波を一定時間、複数回受けたことを確認した」「海自機は韓国の駆逐艦から一定の高度と距離をとって飛行」「緊急周波数で韓国海軍艦艇に向け英語で3回呼び掛けた」と発表
12月25日 菅義偉官房長官、会見で韓国に再発防止を強く求めたうえ「当局間の協議を進める」
12月25日 岩屋防衛相、会見で「照射があったことは事実。(把握しているデータに関し)我が方の能力に関することは公表できないが、先方となら専門的な話もできる」

日本に逆ねじを食らわす

—なぜ、言い訳を180度変えたのでしょうか。

鈴置:初めは「日本の哨戒機に照準を合わせたものではなかった」と言い張れば、見逃してもらえると考えたのでしょう。しかし日本は強硬で、土曜日の12月22日にも防衛省が「韓国の嘘」と発表して追い打ちをかけるなど、追及の手を緩めなかった。

出るところに出れば、韓国は国際的な非難を浴びます。なぜなら火器管制レーダーの照準を当てることは、軍事衝突を避けるための海洋衝突回避規範(CUES=Code for Unplanned Encounters at Sea)に明確に違反するからです。

そこで国防部は「照射せず」と言ったと思われます。12月24日に「日本の哨戒機こそが我が方の駆逐艦の上を低空で飛ぶなど、危険な行為に及んだ」と言ったのも「CUES違反は日本側だ」と逆襲するつもりだったのでしょう。

外交部も助太刀に出ました。日韓の外務省は12月24日にはソウルで局長級会議を開いたのですが、韓国側は「事実関係の明確な確認なしに自分たちの立場を主張した」と日本を非難しました。ここでも逆ねじを食わせたのです。

聯合ニュースは「外交部、『レーダー騒ぎ』で日本に遺憾を表明…事実確認なしに発表」(12月24日、韓国語版)の見出しで報じました。

そこで12月25日、日本の防衛省が「火器管制レーダー特有の電波を一定時間、複数受けたことを確認した」と発表したのです。要は「証拠はある。日本が公開したら恥をかくぞ」と警告したのです。 韓国が言い出した「日本の危険な飛行」に関しても防衛省は否定しました。

人命救助に文句を言うな

—韓国紙はどう報じているのですか?

鈴置:左派系紙も保守系紙も韓国政府の言い分が正しいとの前提で書いています。そのうえで「難癖をつけてきた」日本を非難したのです。

左派系紙、ハンギョレの社説「日本、“レーダー事件”外交争点化を意図…韓日外交会議時も抗議」(12月23日、日本語版)の結論は以下です。

韓国軍が故意に狙ったものではないと説明し、実際に北朝鮮船舶を救助したのに日本側がこれを争点化するのは、最近の韓日関係のためと見られる。

韓国最高裁(大法院)の強制徴用賠償判決に反発する日本が“レーダー事件”をカードとして活用しようとする意図が窺える。

保守系紙の朝鮮日報も同様でした。「最悪の韓日関係が見せた『レーダー騒ぎ』」(12月24日、韓国語版)のポイントを翻訳します。

当時漂流していた北朝鮮の漁船が我が軍に救助されたことなどを見るに、海軍が日本の哨戒機を意図的に狙った可能性はまずない。

友好国の間であれば問題になるようなことではない。というのに日本は「あり得ないこと」と抗議した。

保守系紙の東亜日報の社説も「騒ぎ過ぎ」と日本を批判しました。「韓日のレーダー騒ぎ、事を大きくせず外交的に解決するべきだ」(12月24日、日本語版)からその部分を引用します。

故意性なく船舶救助の作戦中に起こったという説明にもかかわらず、日本政府とメディアが韓国海軍にまるで「他意」があったように追及することは度を越した反応だ。

青瓦台より日本メディアを信頼

—「言い訳」を180度変えたことに関し、韓国メディアはどう書いたのですか?

鈴置:無視することにしたようです。そのおかしさに触れた大手メディアの記事は見当たりません。

もちろん韓国の記者もバカではありませんから「あれっ」と思ったでしょう。読者の書き込み欄を見ると、政府の説明を信じ「日本機を撃墜すべきだった」という反応がある半面、「政府は見苦しい言い訳はもうやめろ」といったものがあります。

例えば12月24日の国防部の「火器管制レーダーの照射は一切なかった」との発表を報じた朝鮮日報の記事「軍『日本の哨戒機を追跡すべくレーダーを運用したことはない』」(12月24日、韓国語版)の書き込みには以下があります。

言い訳丸出しの言い訳は国の威信を貶める。左派の乗組員が戦争ゲームをしたのだ。青瓦台(大統領府)のゴミどもより日本のメディアの方が信用できるなんて。

一日ごとに新しい説明を作り出す国防部の言葉通りなら結局、火器管制レーダーは北朝鮮の漁船救助作業とは関係なく、日本の哨戒機を照射したことを認めたのだ。カメラの電源を入れれば火器管制レーダーも一緒に回ることを知っていながら稼働したということは、日本の哨戒機がレーダーに照射されようと関係ないという未必の故意があったということだ。

いずれも、韓国政府が信じられなくなったが故の書き込みです。そりゃそうです。「照射した」が突然「照射しなかった」との説明に変わったのですから。

突っぱねれば日本は引っ込む

—だったらなぜ、韓国紙はその変節を指摘しないのでしょうか。

鈴置:初めの段階で「韓国政府の説明が正しい」との前提で社説を書いてしまったからでしょう。もちろん政府の言い訳が180度変わったことを基に、社説を軌道修正する手はあります。

ただ、「我が海軍は北の漁船を救け、それを日本機が邪魔しようとしたのだ。火器管制レーダーを使ったとしても、正当防衛だ」と信じている人も多い。

今になって記事を修正して政府批判すれば「国家反逆新聞」の烙印を押されかねない。メディアとすれば、この問題が収束するのを待つ方がいいのです。

根っこには「突っ張っておけば日本はあきらめて引っ込む」との判断があります。これまで日本は韓国の滅茶苦茶な行動に怒って見せても、さしたる報復はしなかった。だから今度も、適当なことを言ってうっちゃっておけばいい、というわけです。

—ところで北朝鮮の漁船を助けたというのは本当ですか?

鈴置:レーダー照射した韓国の駆逐艦が救助したのではありません。海洋警察の警備艦が助けたのです。海軍の駆逐艦も一緒になってレーダーで捜索し実際には、警備艦が救ったと発表されています。

もっとも、北朝鮮の漁船を助けるためにわざわざ駆逐艦が出動したというには不自然です。遭難海域に海洋警察の警備艦がいたのですから。

漁船救助に駆逐艦が出動したって?

趙甲済(チョ・カプチェ)ドットコムを舞台に、ファンド・ビルダーのペンネームで外交・安保を縦横に論じる識者もこの点に首を傾げました。

海軍『火器管制レーダー照射』に関する疑問点」(12月24日、韓国語)です。その部分を抄訳します。

韓国政府とメディアは「広開土大王」が北朝鮮の漁船救助活動に出動したことを既成事実化しているが、本当だろうか。北朝鮮の警備艇がエンジン故障で漂流していたのなら、重大性を考慮して駆逐艦が出動するのは理解できる。しかし小さな漁船が漂流して駆逐艦が動員されたとの説明は理解し難い。

海洋警察がそばにいなかったというならまだ分かるのだが。あえて海軍が出なければならない状況だとしても、機動力の良い高速艇が出るのが正常である。

ファンド・ビルダー氏はもう1つ「位置」に関しても疑問を呈しました。これも要約しつつ訳します。

各紙の報道によると、漂流した北朝鮮の漁船の位置は大和碓の北西だった。一方、日本の哨戒機はかなり離れた日本のEEZ上空を飛んでいた。「広開土大王」はその中間にいた。

漁船とは真反対の位置にいた日本の哨戒機に火器管制レーダーを照射したことになる。だとすると照射時間はどんなに長くても数秒のはずだが、なぜ数分間に至ったのか。この事件は「漁船の救助」を名分に言い逃れできる事案ではない。

文在寅なら怒らない

—結局、レーダー照射の意図は何だったのでしょうか?

鈴置:安全保障の専門家も韓国の専門家も、現場による嫌がらせと見る向きが多い。「広開土大王」の艦長かレーダー担当兵が、上部の指令なしに跳ね上がって犯行に及んだとの見方です。

韓国では「日本には何をやってもいい」という風潮があります。ことに21世紀に入り韓国が日本を見下すようになってからはそれが強まった(『米韓同盟消滅』第3章「中二病にかかった韓国人」参照)。

韓国海軍にしても「旭日旗を掲げるなら国際観艦式に来るな」と言ってみたら、日本はろくな抗議もせずに引き下がった。竹島で演習しても抗議するだけ。これなら「射撃管制レーダーで脅して追い払ってやれ」と考える艦長や兵が出てくるのは当然です。

—文在寅(ムン・ジェイン)大統領の指示はなかった?

鈴置:それは分かりません。ただ、上からの直接の支持はなかったとしても、犯行は大統領に大いに関係します。現場がレーダー照射により日本との関係を悪化させても、日本との対決姿勢を明確にする文在寅政権なら処罰しないと誰もが考えるからです。

日本を日本海から追い出す

—文在寅政権下ならではの事件というわけですね。

鈴置:そうです。しかし今後は大統領が誰であろうと、こういう事件が起きる可能性が高い。なぜなら韓国は日本海を自らの海としたくなったからです。

日本海にはメタンハイドレートが大量に眠っていて、日本が自らのEEZ内で採取し始めたのが悔しくて仕方ない。

また、韓国海軍は2020年からミサイル発射型の潜水艦を配備しますが、その「巣」としても日本海は重要です。黄海は浅くて潜水艦の運用は難しいし、そもそも中国が海上優勢――昔の言葉で言えば制海権を維持している。

韓国とすれば明治以来、日本海で羽振りをきかせてきた日本を追い出したい。11月20日にも、韓国の海洋警察の警備艦が日本のEEZ内で日本の漁船に操業中止を命令した事件が発生しています。

だからレーダー事件を「現場の跳ね上がり」と見過ごすわけにはいかないのです。火器管制レーダーを照射された日本の自衛隊機は退避せざるを得ない。それを繰り返していけば、日本のEEZもその空域も韓国が支配できるのです。

  • 韓国の「対日挑発」日誌(2018年10月以降)
10月1日 李洛淵首相、韓国主催の国際観艦式に参加する自衛艦に旭日旗掲揚の自粛を要求
10月5日 日本、観艦式への自衛艦の派遣見送りを決定
10月11日 観艦式で韓国艦は伝統的な「将旗」も掲揚。参加国には国旗のみの掲揚を求めていた
10月30日 韓国・最高裁、新日鉄住金に対し戦時中の朝鮮人労働者に賠償金を支払えと判決
11月20日 韓国海洋警察の警備艦、日本のEEZ内で日本漁船に操業中止を命令
11月21日 韓国・女性家族部、「和解・癒し財団」の解散手続きに入ると発表
11月29日 韓国・最高裁、三菱重工業に対し戦時中の朝鮮人労働者に賠償金を支払えと判決
11月29日 韓国・ソウル中央地裁、新日鉄住金に対し戦時中の朝鮮人労働者に賠償金を支払えと判決
12月5日 韓国・光州高裁、三菱重工業に対し戦時中の朝鮮人労働者に賠償金を支払えと判決
12月13-14日 韓国軍、竹島周辺で防衛演習
12月14日 韓国・光州地裁、三菱重工業に対し戦時中の朝鮮人労働者に賠償金を支払えと判決
12月20日 日本海で韓国駆逐艦が日本の哨戒機に火器管制レーダーを照射(12月21日に防衛省が発表)
12月24日 元・朝鮮人労働者、新日鉄住金の資産差し押さえに関し「執行日は外交状況を考慮する」

相次ぐ「愛国事業」

—そんなに簡単にいくでしょうか。

鈴置:放っておけば、これが「初めの一歩」になります。「韓国の『対日挑発日誌』」をご覧下さい。2018年10月以降だけでも、これだけ日本を挑発しています。ただ、それらは韓国から見れば、日本との関係を見直し、権利を拡大する「愛国事業」なのです。

日本企業に対し、戦時中の朝鮮人労働者に慰謝料を支払えと韓国の裁判所が相次ぎ判決を出したのもそうです。日韓国交正常化の際に結んだ基本条約を否認するものです(「『言うだけ番長』文在寅の仮面を剥がせ」参照)。

「和解・癒し財団」解散も、日本との慰安婦合意を反故にする狙いです。文在寅政権のこうした動きに対し、保守派からもさほど批判はあがらない。

日本との関係が悪化しさらには米国との同盟が揺れると懸念する向きは一部にある。しかし敢えて約束を破り、日本を従わせる「愛国事業」である以上、保守も文句はつけにくいのです。

核武装に必須の日本海

—韓国の保守系紙がレーダー事件で自らの政府を批判しないのも……。

鈴置:「愛国」の部分もあると思います。日本のEEZを韓国がコントロールできるようになれば、国益が大きく増進します。

そもそも2020年以降、毎年1隻ずつ配備するミサイル潜水艦だって「韓国の核」の一環として保守政権が始めた事業なのです(『米韓同盟消滅』第1章第4節「『民族の核』に心躍らせる韓国人」参照)。

文在寅政権の「南北共同の核」のための配備とは主体が異なりますが、核武装に必須の第2撃能力を持つという点では同じです。その「巣」作りには、保守だろうが左派だろうが、韓国人なら賛成しておかしくないのです。

(次回に続く)

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『射撃レーダー照射は韓国軍兵士による“反乱”』(12/27日経ビジネスオンライン 重村 智計)、『「『韓国のウソ』示す良い事例だ」レーダー照射の決定的“証拠” 韓国の“因縁”に官邸と防衛省は激怒』(12/27ZAKZAK)、『韓国・文政権の支持率低下、2019年は八方ふさがりの年になる』(12/26ダイヤモンドオンライン 武藤正敏)について

12/26阿波羅新聞網<毛泽东冥诞 独中共军委发声 中南海无回应 川普一撤军 中俄推迟签署重要协议=毛沢東の生誕 独り中共軍のみが声を上げる 中南海は反応なし トランプの軍の撤退を受け 中露間の重要協議のサインが遅れる>中共前主席の生誕125周年に当たり、中共軍の喉と舌のメデイア以外、中南海は記念した形跡が見当たらない。米国メデイア(WP)は「米中貿易戦に直面し、中共は再度毛の《持久戦を論ず》を持ち出し、米国との長期の競争に備えようとしている」と報道。この他、トランプのシリア撤兵でロシアとの関係が緩和された。これにより、中露の貿易決済協力が保留となった。元々は12月末までにサインするはずであったが。

ロシア財務長官のAnton Siluanovは12/25に「露中両国は貿易での$の使用を減らしていくが、両国通貨での決済協議にサインするのは遅らす」と発表した。この草案はメドベージェフと習近平の手には渡っているが。

https://www.aboluowang.com/2018/1226/1223575.html

プーチンも中国とくっついていた方がよいかどうか考え直したのでしょう。どう見ても中国の方が旗色は悪いし、シリアの米軍撤兵は米国と協調できるチャンスと思ったのでは。人民元なんて貰っても誰も欲しがらないでしょうから。

12/26阿波羅新聞網<华为大事不妙!发家老底被揭直通中南海 5G变局 新公司窜起 北京故计重施被戳穿=華為は形勢が不利に 華為設立は中南海と繋がっていた 5Gは情勢変化が 新しい会社が出て来た 北京は(報復の為に、カナダ人人質を取るという)また同じ手を使う。>

華為設立の本当の出資者は誰か分からない。ただ、会社が発展したのは、江沢民のビジネスとなったから。江沢民は鄧小平の改革開放に反対し、危うくクビになりかけた。

1997年、鄧小平が亡くなり、江沢民は弔辞を読むが、喜びの余り泣く。これ以降、江は思ったことは何でもできるようになった。

12/25日経新聞によれば「華為は米国市場から締め出しを喰い、その間隙を縫い、楽天はノキアや米国の創立間もないAltiostar Networksを使う。早稲田の研究員はAltiostar Networksの使用は華為やエリクソンを終わらせてしまうだろうと評価」と報道した。

https://www.aboluowang.com/2018/1226/1223566.html

12/27阿波羅新聞網<贸易战冲击金融陷困 地方债势拖垮中国经济=貿易戦の衝突は金融を困難に陥らせる 地方の債務は中国経済を追い詰める>今年の中国経済は、内外から挟撃を受けたと言える。風雲が変わった1年であった!対外的には米中貿易摩擦が激しくなり、貿易の先行きは見通せない。国内ではP2P等の金融問題が爆発した。経済低迷は続き、11月の国内消費者物価指数と輸出全体の急速な悪化の見通しから、来年の中国経済は厳しい減退局面に入ると分析されている。

地方政府の債券発行は、とっくに批判されている。財政部の発表では「今年11月まで、地方政府の債務は18.29兆人民元である」と。但し、地方政府のシャドーバンクや関連会社への担保等間接債務で隠されているものは未だ明らかにされていない。今年10月に国務院は初めて国有資産について発表、去年の全国の国有企業と金融機関の負債総額は118.5兆人民元で、それは氷山の一角にすぎず、背後には隠された大きな信用リスクが存在するとしている。

https://www.aboluowang.com/2018/1227/1223719.html

人権弾圧、少数民族浄化をしている中共の命を永らえさせているのは、下部構造の経済です。これがおかしくなってきていることは、良い傾向です。ソ連崩壊と同じく、GDPに占める軍事費の割合が大きくなり、中共も崩壊することを望んでいます。

本日は、朝鮮半島絡みの記事です。

12/26日経 秋田浩之氏『当り前でなくなった同盟』記事の中で、「6/12米朝首脳会談後の記者会見で、トランプ氏が将来、在韓米軍を撤収させる可能性に触れた時のことだ。日米外交筋によると、マテイス氏は直ちに日本側に電話し、こう確約したという。「よほど劇的な情勢の変化がない限り、在韓米軍は一兵たりとも撤収しない」」と。マテイスがいなくなることが「劇的な情勢の変化」になり、在韓米軍は撤収を始めるかもしれません。そうすれば、2020年大統領選の前には、在日米軍から北への攻撃があるかもしれません。韓国はどうするのか?在韓邦人は助けられるかどうかです。志願工異常判決で日本企業の資産差し押さえを目論む韓国のおかしさに対してもまだ未練を残している日本企業はアホとしか言いようがない。経営者の劣化が著しいとしか言えません。

日本人も流石に朝鮮人は嘘つきと言うのが分かって来たのでは。これで分からないというのは馬鹿か、信念を持った左翼(革命成就=流血という目的の為には何でも正当化・利用する)でしょう。先日TV朝日の番組で、韓国艦艇のP1哨戒機へのレーダー照射の件を取り上げていて、珍しく玉川が怒っていました。その横で青木理が憮然としていました。青木は元共同通信だけあって根っからの左翼なのでしょう。非人間的存在そのものです。

今までの日本の朝鮮半島への対応が甘いのが悪かったです。だから彼らは増長し、慰安婦のような嘘も世界に流布されて来たのです。本当に頭が良いのは学力ではなく、①本質を見極めできる(中国人・韓国人は嘘つき)②先を見通して行動する(彼らに何も反撃しないのでなく、即座に反撃。でないと増長して、嘘を撒き散らされる)人です。勇気も勿論必要ですが。

今度の事件はナアナアで済む話しではありません。世界に朝鮮人の嘘を、証拠を突き付けて示してやることです。ついでに「慰安婦」の嘘も。韓国内の処分よりこちらが大事。これは日本国内でできる話なので。安倍内閣は世界に韓国の非を正々堂々と訴えよ!

重村記事

海上自衛隊の哨戒機P-1。今回、火器管制レーダーを照射されたものの同型機(写真=Shutterstock/アフロ)

韓国海軍の艦艇が、自衛隊のP1哨戒機に火器管制レーダーを照射した事件は、韓国軍兵士による「指揮命令」違反、事実上の反乱である。正常な軍隊ならば絶対に起こり得ない事態だ。韓国政府内は大揺れで、軍最高司令官でもある文在寅(ムン・ジェイン)大統領の権威と正統性はズタズタとなった。日本政府は、日米韓3国による調査を求めるべきだ。

韓国の大統領は、韓国軍の指揮命令系統を厳重に監視してきた。筆者がソウル特派員時代に取材した軍首脳によると、理由の第1は北朝鮮との戦争を防止するため。軍が勝手に北朝鮮に攻め込んでは困る。

第2に、クーデターを警戒してきた。韓国軍の部隊は、クーデター防止のためソウル方面への後退移動は禁止されている。また、師団以上の部隊が移動する際には前後左右の隣接師団へ通告することが義務づけられている。

国防省や陸海空の軍参謀総長の要職に、有能で人望ある軍人を決して任命しない。大統領への忠誠心を持つことが、選抜における最大の条件だ。さらに、各部隊には「保安担当」の政治将校を配置し、司令官と部隊将校らの動向に目を光らせてきた。

ところが今回、韓国軍の統制力のなさが世界に知られるところとなった。平時に、海軍艦艇の兵士か、将校、艦長、あるいは海軍首脳が「照射命令」を出したのだから、「指揮命令」違反であり事実上の反乱だ。文在寅大統領の最高司令官としての責任が問われる。軍を統治する政権の能力が問われる極めて衝撃的な事件である。 韓国政府が、「レーダー照射でない」と嘘をつく理由が、ここにある。

北朝鮮の漁船を救難するため、という嘘

日本の世論は、レーダーを照射したことを韓国が正直に認めて謝れば済む話、と思うかもしれない。けれども、韓国を覆う政治文化の下では、認めるわけにはいかないのだ。軍最高司令官としての文大統領の権威とメンツは、丸潰れになる。だから、「遭難した北朝鮮漁船の捜索」 と、まったく辻褄の合わない説明をした。

韓国国防省は、レーダーを照射した事実について「気象条件が良くなく、遭難した北朝鮮漁船を探すため、すべてのレーダーを稼働させた」と説明した。この説明は、納得できない。火器管制レーダーは志向性が高く捜索には適さない。

そもそも、海軍の艦艇に北朝鮮の漁船を救助する任務が与えられているのか。それも、何十人乗りの大型船ならともかく、数人しか乗れない小型漁船だという。漁船の救助は、日本でも韓国でも海上保安庁の任務だ。海軍艦艇は、あくまでも防衛――北朝鮮の艦船の侵入を防ぎ、工作船を摘発する――が任務だ。

仮に、救助が任務であったとしても、遭難漁船の救助と探索を支援するよう北朝鮮から要請があったわけではない。 北朝鮮政府が要請してもいないのに、韓国海軍は、北朝鮮漁船の救助を自主的に任務にしたのだろうか。

百歩譲って、漁船を装った北朝鮮の工作船対策や、北朝鮮タンカーによる石油「瀬取り」の取り締まりなら、まだ納得できる。でも当時は「気象条件が良くなかった」(韓国国防省)というから、海上での瀬取りは難しかっただろう。

支持率の回復が狙いか

レーダー照射が、韓国艦艇の勤務する兵士の反乱でないとすれば、誰が命令したのか。考えられるのは、大統領側近が命じた可能性だ。文在寅政権は、支持率が50%を切り48%に落ちた。歴代政権で、支持率が40%台に落ちてから回復した例はない。ソウルの政界では、1年後の2019年の年末には30%台に落ち政権が崩壊するとの観測も出ている。

ということは、文在寅政権が進める南北首脳会談や徴用工判決は、支持率上昇にまったく効果がなかったわけだ。韓国の国民は文在寅大統領と革新・左翼勢力による「反日・親北朝鮮政策」に、ソッポを向き始めたのだ。

この危機的な状況を回避するために、権力周辺が日韓関係を悪化させる「作戦」に出たのではないか。日本との軍事的な衝突を演出し、「不当な言いがかり」と反論し「日本の悪意」を宣伝すれば、世論が一致団結し、文在寅政権への支持が回復すると考えたのだろうか。

「遺憾の表明」ですませれば、日本はまた甘く見られる

文在寅政権を巡る韓国の政治状況を理解した上で、日本はいかに対応すべきか。事実を確認し、原因と責任を厳しく問い、再発防止を徹底すべきだ。ただし、その一方で、韓国民を刺激しないよう「政権と国民の分離戦略」を取る。

この時、日米韓3国の共同調査を考えてもいい。日韓による調査は韓国が嫌がる可能性がある。米国も入れば、公平性を保つことができるだろう。

韓国政府は、国民の「反日感情」を煽ろうとしている。報道機関を動員し「P1哨戒機が韓国海軍艦艇に低空で異常接近した」と報道させ、「日本の対応は騒ぎすぎ」と説明した。

日本としては、韓国側の主張が事実でないことを証拠で示し、反論すべきだ。「あまり追いつめない」「うやむやにしよう」との考えを抱かないことだ。「遺憾の表明」は単に「残念だった」の意味にしかならない。日本はまた甘く見られる。

今回の事件が、韓国政府にとって政権の威信を揺るがす大事件である事実を、我々は十分に理解すべきだ。

主敵のいない軍隊の行き着く先は

韓国軍は、保守と左翼の間で政権が変わるたびに軍首脳や幹部を大幅に入れ替えてきた。報復人事が横行した。このため、軍の士気は低下していると言われる。今回の事件の背景に、韓国軍のこうした崩壊現象があるのかもしれない。

金大中・盧武鉉の親北朝鮮政権は「北朝鮮は韓国軍の主敵ではない」との理解を進め、文在寅政権はこの方針を明確にした。韓国軍はいま、「敵のいない軍隊」になっている。この現実が、米韓同盟を崩壊に向かわせている。共通の敵が存在しない米韓同盟は、維持できなくなる。韓国軍と政権が抱える闇は深い。

ZAKZAK記事

日本国内で、韓国への怒りが沸騰している。韓国海軍の駆逐艦が、海上自衛隊のP1哨戒機に火器管制用レーダーを照射する「敵対行為」「軍事的挑発」をしておきながら、稚拙なウソを繰り返す姿勢が許せないのだ。官邸と防衛省は25日、「決定的証拠」をもとに断固反論し、自民党も国防部会と安全保障調査会による緊急合同会議を開き、韓国に「謝罪要求」を突き付けた。展開次第では、経済的対抗措置も考えられる事態だ。

まさに、「怒りのクリスマス」となった。

韓国国防省が前日(24日)、「日本側に脅威を感じさせる行動は一切なかった」とシラを切り、「日本側が事実関係を確認せず、発表した」などと因縁を付けてきたことに、官邸と防衛省は激怒したようだ。

菅義偉官房長官は25日午前の記者会見で「このような事案が発生したことは極めて遺憾だ。引き続き、韓国側に再発防止を強く求める」と強い口調で語った。

防衛省も同日、韓国側の主張に再反論する声明を公表した。

声明では、韓国駆逐艦から出ていた電波の周波数や強度を解析した結果、火器管制用レーダー特有の電波が、数分間継続して複数回照射されたと確認したことや、3つの周波数を使い「韓国海軍艦艇、艦番号971」「レーダー照射の意図は何か?」などと英語で3回呼び掛けたことも明らかにした。

防衛省担当者によると、韓国側は「海自機が韓国の駆逐艦上空を低空で飛ぶ『特異な行動』をみせた」などと日本側を批判したが、フライトレコーダーなどを確認したところ、そうした飛行の事実はなかったという。

つまり、日本側は「決定的証拠」を握っているということだ。

自民党議員も黙ってはいない。25日の党国防部会と安全保障調査会の緊急合同会議では、激しい怒りの発言が相次いだ。

安保調査会長を務める小野寺五典前防衛相は「政府はもっと、厳しく韓国に対応すべきだ」と言い切った。レーダー照射とは、いわば拳銃を抜いて額に押し当てたことに匹敵する行為であり、大切な自衛隊員の命が危険にさらされたことに憤怒していた。

同調査会の中山泰秀副会長も「これは宣伝戦だ。世界に向けて『韓国がウソをついている』と示すのに良い事例だ。ウソつきは泥棒の始まりだ! お互いが『抗議する』『遺憾だ』と言うのでは意味がない。日本政府には厳しく、毅然(きぜん)と対応してほしい」と注文を付けた。

出席議員の一人は「韓国の李洙勲(イ・スフン)駐日大使を防衛省に呼び、抗議すべきだ」と、外務省の田村政美参事官に詰め寄った。

通常、過激な発言は控える政務三役(大臣と副大臣、政務官)も黙っていなかった。

元陸上自衛隊イラク先遣隊の「ヒゲの隊長」こと、自民党の佐藤正久外務副大臣は「韓国は国際法違反だ。再発防止には『事実関係の公表』と『日本への謝罪』『(韓国海軍の)関係者の処分』があるべきだ。自衛隊は証拠を持っているなら、防衛当局間でしっかり角を突き合わせるべきだ。これは、アジア全域の安全保障を担う米国にとっても、大きな事案だ。米国にとって日本も韓国も同盟国であり、その一方(=日本)がレーダー照射されるとは、極めて重大な外交問題だ!」と語った。

緊急合同会議では、「ここで日本が腰砕けになれば、今後の日韓関係はもっと悪化する」とし、「韓国側への謝罪要求」と「自衛隊の持つレーダー照射の証拠を公表すべきだ」という声が収まらなかった。

それにしても、隣国の対応はお粗末だ。

韓国側は当初、「レーダー使用は現場海域で遭難した北朝鮮漁船の捜索のためだった」という国防省関係者の話を伝えていたが、途中から「哨戒機への一切の電波放射はなかった」(韓国軍合同参謀本部幹部)と説明を変えた。

さらに、韓国国防省は25日、「誤解を解くため今後、日本との協議が行われる」との立場を明らかにするなど、一方的に事態の沈静化を図ろうとしている。

日本としては、韓国の「軍事的挑発」を放置できない。これに沈黙すれば、韓国軍の「反日」挑発がエスカレートする可能性がある。

自民党の山本朋広国防部会長は緊急合同会議後、「韓国の言い訳は稚拙だ。1つではなく、3つの周波数で韓国軍に事実関係の確認を試みた自衛隊の部隊は、しっかりと日ごろの練度の高さを示した。韓国海軍の駆逐艦は『(日本側の呼びかけは)ノイズが入り、聞き取れなかった』というが、それほど韓国軍の機材の程度が低いのかという話になる」と、あきれた様子で記者団に語った。

対抗措置を検討する意見もある。

長尾敬内閣府政務官は24日、《(韓国のレーダー照射を)明確な敵対行為として認識すべきだ。もはや友好国としてお相手出来る国家ではない、いや、国家としての体もなしていない。何を仕掛けて来るかわからない。渡航制限などの措置や、経済的措置も検討されるべきだ》と、ツイッターで発信した。

武藤記事

韓国の文在寅大統領。来年は八方ふさがりとなりそうだ Photo:AFP/AFLO

就任以来初めて「不支持率」が上回り 窮地に立たされる文在寅大統領

韓国ギャラップが12月21日発表した世論調査によると、就任以来高い支持率を保ってきた文在寅政権に対す不支持率は46%となり、就任以来初めて支持率45%を逆転した。ただ、保守陣営の最大野党、自由韓国党の支持率は先週比で1ポイント下落しており、文政権の支持低下を生かし切れていない。

そうした背景にあるのは、韓国の雰囲気の変化だ。

というのも、文政権の経済政策は完全な失敗であり、また、文政権が強く求めてきた金正恩・朝鮮労働党委員長の年内ソウル訪問が延期となりそうだからだ。外交面でも文大統領は各国から信頼されておらず、来年は一層厳しさが増すと予想される。文政権にとっては八方ふさがりの年となりそうだ。

では、2018年の年末に当たり、2019年の韓国を展望してみたい。

米国と北朝鮮のはざまで身動きが取れない文大統領

韓国大統領府は、金委員長の年内ソウル訪問が難しくなったとの認識を明らかにした。北朝鮮は南北首脳会談後、米朝首脳会談の再開催を始め、開城工業団地や金剛山の観光事業の再開、終戦宣言の合意などの進展を期待していた。しかし、いずれも進展は見られず、金委員長はソウルを訪問しても期待する成果が得られないと判断したもようだ。

これまで文大統領は、北朝鮮の“非核化意思の広告塔”的な役割を務めてきたといっていい。南北首脳会談で金委員長が、「可能な限り早い時期に完全非核化を終え、経済発展に集中したい」と言っただけなのに、具体的な非核化の意思を確認もしないまま、「米朝対話の条件が整った」としてトランプ大統領に再会談に応じるよう説得したりしているからだ。

また欧州歴訪では、フランスのマクロン大統領に、「制裁緩和に動くべき」と説得。これにはトランプ大統領も不信感を抱き、「われわれの承認なしに制裁は解除できない」と韓国を牽制した。

米国は、文大統領がいかに調子のいいことを言おうと、北朝鮮が相変わらず核ミサイルの開発を進めていることから、非核化には懐疑的だ。例えばCNNは、衛星画像を解析した結果、北朝鮮が内陸の山岳地帯にある長距離ミサイル基地を大幅に拡張していることが分かったと報じた。また、既に知られる嶺底洞(ヨンジョドン)ミサイル基地のほかに、別のミサイル基地と思われる近隣の施設も大幅に拡張しているもようだ。

北朝鮮は、東倉里(トンチャンリ)ミサイル発射施設の廃棄や、寧辺(ニョンビョン)核施設の破棄などに言及しているが、米国が求める核施設の申告には応じていない。これは、古い施設を破棄するかたわら、新たな施設の建設に邁進しているためであり、実態は「もぐらたたき」だ。つまり、核弾頭の大量製造や配備は、ほとんど阻止できていないのが実態なのだ。

このように、米朝それぞれが交渉の難しさに気づき始めたにもかかわらず、韓国だけが南北融和に向けひとり突っ走っている感がある。

これまで米国は、「北朝鮮に非核化の意思がある」との韓国の説得で、対話に応じてきた。ところが、ポンぺオ国務長官が訪朝して金委員長と面会しても、核施設の申告には応じる気配はなく、具体的な非核化の議論は進んでいない。「(米国が)崔善姫(チェソンヒ)外務次官や金英哲(キムヨンチョル)党副委員長に10回、20回以上電話をかけても、平壌から返答はない」(文正仁統一外交安保補佐官)という。

一方で金委員長は、トランプ大統領との直接交渉を望んでいる。それは、トランプ大統領が6月の米朝首脳会談において、中間選挙を意識して成果を急ぐあまり、非核化について曖昧にしたまま共同宣言に合意したからだ。しかし、そんなトランプ大統領も中間選挙後は「急ぐことはない」と姿勢を一変させており、北朝鮮のペースには巻き込まれないとの意思を示している。

非核化について具体的な進展を求める米国と、非核化を曖昧にしたまま「終戦宣言」と「制裁解除」を勝ち取ろうとする北朝鮮。その立場の違いは明らかになっている。これまで文大統領は、言葉巧みに米朝を動かしてきたが、双方の信頼を失えば身動きが取れなくなる。そうなれば文政権にとって唯一の“売り”はなくなり、政権に対する支持率は急降下しかねない。

果たしてどうなるのか、次の米朝首脳会談が最大の山場といえる。

「反日4点セット」を持ち出し 日韓関係は危機的状況

韓国政府は、今年の秋以降、(1)朝鮮半島出身労働者(以下、徴用工)に対する大法院の賠償判決、(2)慰安婦合意の破棄、(3)海上自衛隊艦船の旭日旗掲揚自粛要請、(4)国会議員の竹島上陸、という「反日4点セット」を持ち出しており、日韓関係は危機的状況を迎えている。

韓国政府の反日に拍車をかけたのが大法院の判決だ。10月30日、元徴用工の請求権は消滅していないとして新日鉄住金に合計4000万円の支払いを命じ、その後も裁判所は次々に賠償を命じる判決を出したからだ。この判決は、これまでの日韓関係の中で、最も悪影響を及ぼす問題だ。

安倍晋三首相は「判決は国際法に照らしてあり得ない判断である」と批判、河野太郎外相はより強く、「判決は両国関係の法的基盤を根本から覆すものである」と反発した。日本政府としては、韓国政府が国内措置によって解決すべき問題だとの立場だ。

この判決に、実は文大統領自身が深く関わっている。2000年に裁判所に提訴した際の原告弁護団に関わっていたし、昨年の就任100日目の記者会見でも、韓国の大統領としては初めて「個人請求権は消滅していない」と発言した。文大統領の認識は人権派弁護士ならば理解できるが、大統領のものではない。大統領ならば、安全保障や日米との関係などを総合的に勘案し、国益に基づく国家運営をすべきではないだろうか。

韓国政府は「現在、措置を検討中」と言うだけで、なんら解決案は提示していない。在野からは、「両国政府・企業が基金を創設し、その中から元徴用工に補償する」との案も出ている。だが、日本政府も企業もこの案に乗るべきではない。

当初、韓国政府は日本の反発を甘く見ていたのだろう。文大統領は、こうした「歴史問題と未来志向の日韓関係は切り離して考えるべきだ」と訴えるが、日本側がのめるはずもない。

今後、韓国側が「とりあえず基金を創設し独自に対応する」として、曖昧なまま韓国の国内措置で対応することも考えられる。しかし、韓国メディアの一部は、「元徴用工の苦しみ、悲しみに寄り添うべき」などと相変わらず“反日世論”を鼓舞する論調を繰り返している。これは、世論をバックに圧力をかける韓国従来の外交だが、こうしたやり方で日本の強い反発に応えられるわけがなく、対策が出てくるわけがない。

他方、「アジア太平洋戦争犠牲者韓国遺族会」に属する元徴用工と遺族は、韓国政府に補償金の支払いを求めて提訴し、「韓国政府が請求権協定に対し必要な対策を発表するときがきた」として、韓国政府に日韓合意への過程の提示を求めている。徴用工問題は、日本に圧力をかける域を超え、韓国の国内問題としても無視できなくなってきており、文大統領は苦しい立場に追い込まれている。
いずれにせよ、原告が想定している差し押さえに踏み切れば、日韓関係は決定的に悪化する。そうなれば、日本としては企業保護の立場から、国際司法裁判所や請求権協定で定める仲裁委員会に提訴する可能性が高い。そのほか、経済的な対抗措置も考えられるだろう。そうなった場合、韓国経済は壊滅的な打撃を受けるかもしれない。ただ、それは日本経済にとっても好ましくなく、できれば回避してほしい事態だ。

15年の日韓合意をほごにし慰安婦財団を解散

韓国政府は「慰安婦合意に基づく和解・癒し財団」を解散させ、2015年の日韓合意をほごにする動きを見せている。この合意は日韓双方が譲り合って合意に達したものであり、これは日本としても譲れない“最低線”だ。しかるに文政権は、元慰安婦の7割が受け入れている合意を、自身の支持者である過激派的な団体の意向をくんで合意に反する措置を講じているのだ。7割の元慰安婦の心情を考えれば、慰安婦問題は過去のものとして安らかな老後を送りたいのではないか。しかし、文政権は政治活動家たちに寄り添い、闘争を続けている。

このほか、旭日旗や竹島の問題は、いずれも日本が韓国を植民地にしたという過去を根拠に、日本の右傾化を断固阻止するとの発想から出たものであり、日本が戦後、民主主義国となったという現実をあえて無視するところから生じている。

韓国は、日本に「歴史問題から目をそらすな」と言う。しかし、日本が最貧国に近い状態であった韓国の戦後復興に真摯に協力してきた現実を直視すれば、日本が過去を反省していない、謝罪していないとの思いは少なくなるだろう。それが日韓関係を立て直す最も重要な要素であるはずだ。

そうした中、12月20日、能登半島沖海上で自衛隊の哨戒機に対し、韓国側が射撃に使う火器管制レーダーを照射する事件が発生した。韓国国防部は、「日本の海上哨戒機を追跡する目的で運用した事実はない」と弁明しているが、非を認める姿勢はないのか。これは友好国に対してはあり得ない行為である。今後、韓国との安保協力の面で障害となろう。

2019年3月1日は韓国の独立運動100周年記念だ。独立運動が“新生韓国”の始まりだとする韓国政府は、この日を大々的に祝うだろう。しかも、そうしたイベントを北朝鮮と一緒に盛り上げようとする可能性もある。そうなれば、日本の反発が高まり、日韓関係は一層冷え込む。

こうして見ていくと、日韓関係が改善するきっかけは全く見えないといえそうだ。

雇用主導政策で停滞 韓国経済に好転の材料なし

2018年の世界経済は、少なくても夏ごろまでは好調だったが、韓国経済は停滞した。その最大の要因は、文政権が進める「所得主導政策」といわれるもので、過去2年間で最低賃金を29%も引き上げた。さらに来年からは、最低賃金を算出する際の分母に有給休暇も加えるようで、さらに高くなる。このため小規模の飲食業者や商店は廃業に追い込まれており、大企業も韓国での投資を見送って雇用も減少している。

こうした事態の責任を取って、経済担当の副総理と大統領府の政策室長のツートップを交代させたが、後任も所得主導政策を継続すると表明し、財界からは失望の声が上がっている。

他方、経済の行き詰まり打開策検討のため「経済社会労働委員会」を発足させたが、それには文政権の強力な支持層だった、全国民主労働組合総連盟(民主労総)が不参加となった。停滞の打破のためには規制改革と労働改革が避けて通れないが、これに反発してのことといわれている。

来年は、韓国経済にとって最後の砦である半導体の世界需要が落ち込むといわれており、一層難しい経済運営が求められる。しかし、支持層である労組までが反対する規制改革を進めることができるのか、そして所得主導政策に見切りをつけることができるのか。さらには膨張する政府債務によって、これまでのばらまきができなくなったときに国民の不満を抑えることができるのか。

このように見ていくと、韓国経済の前途は多難と言わざるを得ない。

政権が不安定になると大規模な事故が発生

不思議な話だが、韓国では政権が不安定となると大規模な事故が発生する。

例えば、江原道で列車の脱線事故が発生。事故現場で呉泳食社長は、「今回の事故は気温が下がり、線路に問題が生じたのではないか」と述べたが、多くの専門家からは「鉄道についてあまりにも無知である」と批判されている。

この呉社長は、いわゆる386世代の政治活動家であり、就任後の活動としてはストなどで解雇された職員の復職、南北鉄道連結事業といった政治的な活動ばかり。そもそも韓国鉄道公社とその子会社5社の役員に任命された人物の65%が鉄道の専門家ではなく、天下りといわれる。このような人事を続ければ、朴槿恵政権のときと同様、これからも大規模事故対策の不手際が起きる可能性がある。

いずれの要素をとっても、来年は韓国にとって厳しい局面になろう。文政権の支持率が急激に下がったとき朝鮮半島はどうなるのか。目の離せない1年となりそうだ。

(元・在韓国特命全権大使 武藤正敏)

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『強姦容疑で米国で逮捕された中国有名企業CEO 京東集団創業者、保釈後に中国へ逃げ帰る』(12/21日経ビジネスオンライン 北村豊)について

12/26阿波羅新聞網<美联社与中共官媒结盟引忧虑 美国会要求说明=AP通信と中共の国営メデイア(新華社)が提携するのは憂慮される 米国議会は説明を求める>国際影響力を高めるため、中国国営メデイアは西側メデイアとの協力を拡大している。最近、中共の公式メデイアの新華社はAP通信と協力するというので政治の干渉を引き起こした。AP通信の報道の独立性を憂慮したためである。米国議会はAP通信にメモの内容を説明するよう要求している。

外国メデイアは「AP通信のCEOのGary Pruittは11月末に北京に行き、新華社社長の蔡明照と会見し、新メデイアとAI、経済ニュース等の領域で協力することに同意した。しかし、下院議員のMike GallagherとBrad Sherman、上院議員のTom CottonとMark R. Warner等14名の議員が連署して本件に強い関心を表明した」と報道。

また、「書簡はAP通信と新華社の提携メモと将来の計画、新華社のAP通信の報道の独立への保証、AP通信の総ての秘密情報へのアクセス禁止を求めている。この件について、AP通信の広報のLauren Eastonは「AP通信と新華社の協議は、AP通信社は中国国内での活動ができるが、AP通信の独立には影響を与えず、新華社も秘密情報を得ることはできないと言うもの」」とも。

WPのコラムニストのJosh Roginは「中共は厳しく情報や思想を統制・操縦している。習近平の下、中共は海外で、国営メデイアも含め、発言権を拡大し、中国政府への批判を封じ込め、中共の言い分を通しやすくしている。AP通信の独立したニュースと比べ、中共の公式メデイアである新華社は、核心的な使命として世論を通じて中共の行為に合法性を与えることである」と指摘した。

AP通信も経営センスが無いとしか思えません。11月末と言えば、12/1にトランプ・習会談の前日でもあり、孟晩舟逮捕の前日です。この日に北京へ行って新華社と提携とは、開いた口がふさがりません。まあ、AP通信も左に偏っているから、中共メデイアと提携するとしか思えませんが。

https://www.aboluowang.com/2018/1226/1223168.html

12/26阿波羅新聞網<中国多地教会平安夜遭冲击=中国の多くの地下教会はイブの夜に襲撃される>中国の多くの地方政府は民衆のクリスマスの祝いを阻止し、北京・上海を除いた主な都市は公共の場所で、クリスマスのデコレーションを禁止した。成都の秋雨教会では12/24に当局に襲われ、教会にあるものを奪われた。信徒は「今年のクリスマスは最も厳しいものになる。教会の700名に上る信徒は監視され、24人は収監されている」と述べた。

また、内蒙古のフフホト地下教会も、政府が許可していないという理由で、集会を禁止した。

フランシスコ法王よ、これをどう見るか?自由(信仰の自由も含む)を認めない共産主義と取引するなんて狂気の沙汰でしょう。

https://www.aboluowang.com/2018/1226/1223175.html

12/24阿波羅新聞網<怎么了? 京东多个部门不再向刘强东直接汇报=どうしたの?京東集団の多くの部門は劉強東CEOに直接報告しなくなった>京東集団の創業者の劉強東は米国でのレイプ事件で訴えられていたが、12/21ミネソタ州検察は証拠不足の為、不起訴とした。彼は監獄入りを免れたが、中国メデイアによれば「京東は既に組織改定をしており、多くの部門で劉強東へ報告するのではなく、徐雷CMOへ報告することにした。12/21発表、即日実施」と報道。

https://www.aboluowang.com/2018/1224/1222230.html

北村氏の記事の劉強東のレイプ事件ですが、真相は藪の中でしょうか?中国人女性ですから、金目当てで近づいた可能性もあります。12/22youtubeには<刘强东案女主主动勾搭反复要钱!不给修墙就关政府80万人没工作!加拿大联合欧美向中国施压!在华加国人恐慌遭报复!杨幂刘恺威终于离了3亿财产归谁? 焦点播报 12222018=劉強東事件でレイプされたという女性は積極的に彼に近づき、繰り返し金を要求した!このままでは80万人の雇用が失われる! カナダは欧米と連携して中国に圧力! 中国在住のカナダ人は報復を恐れる! 楊幂と劉恺威は結局離婚したが3億元の財産の帰属は誰のものに?>

https://www.youtube.com/watch?v=H2YSxrpSvjk

というのもあり、何が真実か分かりません。ただ、ハッキリしているのは、劉強東は下種野郎という事だけです。酒を飲まして事に及ぶのは卑怯だし、キチンと自分の魅力で口説いて見ろと言いたい。下の写真は劉強東と妻の章沢天が参加した母校の90周年行事出席の様子。

下は襲われたと思われる女性。12/25多維新聞より。

二人の女性を比べれば、襲うか?という気にもなりますが。

http://news.dwnews.com/china/news/2018-12-25/60107800.html

まあ、米中貿易戦の中での余興みたいなものでしょう。

記事

米国で強姦容疑で逮捕されたことが報じられた京東集団の劉強東CEO。2017年6月撮影(写真= ロイター/アフロ)

12月1日、カナダ司法省は中国通信機器大手「“華為技術有限公司”」(略称:華為(ファーウェイ))の副会長兼最高財務責任者(CFO)である“孟晩舟(もうばんしゅう)”(46歳)を米国司法省の要請により逮捕した。孟晩舟は香港発の飛行機でメキシコへ向う予定で、カナダのバンクーバーで飛行機を乗り継ごうとしたところを逮捕されたのだった。12月11日、カナダの裁判所は、保釈金1000万カナダドル(約8億5000万円)、来年2月に行われる孟晩舟を米国へ引き渡すか否かの審問までバンクーバーに滞在すること、パスポートの没収、GPS(全地球測位システム)付き追跡装置の装着による終日監視などの条件付きで、孟晩舟の保釈を認めた。

米経済誌「Fortune(フォーチュン)」が2018年7月に発表した『Fortune Global 500 in 2018(2018年世界企業番付)』によれば、第72位に“Huawei Investment & Holding”とあり、“revenues(収益)”:89,311百万米ドルとある。“Huawei Investment & Holding”こそが「華為技術有限公司」であり、同社は非上場の民営企業である。孟晩舟はこの2018年世界企業番付の第72位にランクされた大企業のNo.2である。しかも、ファーウェイは通信機器分野で中国を代表し、製品を世界各国へ販売・供給している企業であるから、No.2が「イラン制裁に違反する取り引きに関わった疑い」で逮捕された影響は、ファーウェイだけに止まらず、国家としての中国に及ぶことは間違いない。

ところで、日本ではほとんど報じられていないが、上述したフォーチュン誌の「2018年世界企業番付」で、収益53,965百万米ドルで第181位にランクされた“JD.com”という名の中国企業の創業者で、最高経営責任者(CEO)である“劉強東”(45歳)が米国において強姦容疑で逮捕されているのである。“JD.com”の中国名は“京東集団”であり、同社は2014年5月に米国ナスダック市場に株式上場を行った大型総合電子取引サイトであり、米国のアマゾン(Amazon)、アルファベット(Alphabet)に次ぐ世界第3位のインターネット企業と言われている。京東集団の概要紹介によれば、同社は17万人の正社員を擁するが、間接的に雇用する包装・輸送人員やその他関連人員などの合計は1000万人に上っているという。

世界第140位の資産家

なお、京東集団は2004年に劉強東が“京東多媒体網(ネット)”を設立し、PC機器のネット販売を開始したのを起源とするが、“京東”という名前は、当時の女友達であった“龔暁京”の“京”と自分の“東”を合わせて命名したものだという。

さて、劉強東は米経済誌「Forbes(フォーブス)」が2018年3月に発表した『The World’s Billionaires 2018(世界長者番付2018年版)』で、第140位にRichard Liuという英語名でランクされ、その資産は108億ドル(約1兆1880億円)となっていた。同長者番付で日本人の最高は、第39位の孫正義<ソフトバンク>で資産は227億ドルであり、それに続くのが第55位の柳井正<ファーストリテイリング(ユニクロ)>で資産は195億ドルであるから、第140位であっても劉強東が世界的な資産家であることが分かる。

現在、Forbesの『The World’s Billionaires 2018』のサイトで第140位のRichard Liuを調べると、そこには“Liu was arrested in Minneapolis, MN in August 2018 for alleged sexual misconduct and released the next day. JD.com said the accusations were false.”と記載されている。すなわち、「劉強東は2018年8月に米国ミネソタ州のミネアポリスで性的不品行により逮捕され、翌日釈放された。告発は誤認に基づいたものだと、京東集団は述べた」という記述だが、これはForbesが8月の事件発生後に敢えて書き加えたものと考えられる。

それでは、劉強東が米国において強姦容疑で逮捕された事件とはいかなるものだったのか。米国メディアおよび中国メディアが報じた内容を総合すると以下の通り。

【1】2018年8月下旬に訪米した劉強東は、ミネソタ州の州都、ミネアポリスにあるミネソタ大学(University of Minnesota)で実施された“Doctor of Business Administration(略称:DBA=経営学博士)”の夏季合宿研修に参加した。このDBA課程は“清華大学”との協力の下で行われているもので、授業の主体は北京で行われるが、夏季の合宿研修だけはミネソタ大学で実施されているものである。なお、今年の夏季合宿研修には、ポータルサイト“騰訊(QQ.com)”を運営する投資持株会社“騰訊(Tencent)”のCEOである“馬化騰”や不動産業の“深圳卓越置業集団有限公司”理事長の“李華”など、著名な中国企業の経営者が含まれていた。

【2】事件が起きたのは8月30日(木)の夜であった。この夜、ミネアポリスのLagoon avenue にあり、スポーツバーのような洒落た内装で人気の日本食レストラン「Origami Restaurant」で劉強東が主催する私的な会食が行われた。その会食の客の中に事件の主役となるミネソタ大学に在籍する21歳の中国人女子留学生がいた。彼女はこの夜の会食がDBAの夏季合宿研修に協力したボランティアに対する返礼目的で行われると聞かされて参加したのだったが、Origami Restaurantに到着してみると、そこにいたのはDBA研修に参加した中国人の企業経営者十数名だった。

【3】会食に参加していた企業経営者の中に“姚其湧”という数日前に会ったことのある人がいたが、彼こそが彼女に当夜の会食に参加するよう招待した人物だった。会食は16人が座れる大テーブルを囲んで行われたが、16人中に女性は彼女1人だった。会食が始まると、姚其湧は彼女を中国の富豪だという人物の横に座らせたが、その人物こそが会食の主催者で、京東集団のCEOである劉強東であった。彼女と一緒に会食に参加したボランティアの男子学生は別のテーブルに座らされて、これら企業経営者のアシスタント達と食事を摂っていた。

【4】女子留学生は男たちから酒を勧められて飲み続けていたが、突然に泣き出すとレストランの外へ出て、友人に警察へ通報するよう依頼した。この通報はすぐに取り消されたが、劉強東が無理やり彼女の隠し所へ手を差し入れようとして、彼女の下着を引き千切ったのが原因だったという。元の席へ戻った彼女はその後も進められるままに飲み続け、会食が終わる頃には酔っ払い、彼女自身が「飲み過ぎて酔っぱらったみたいだから、家に帰るのを助けて」と言う始末だった。自称劉強東の個人的アシスタントだという張姓の女性(Alice Zhang、以下「張さん」)が、後に警察へ語ったところによれば、彼女が女子留学生を劉強東が雇った黒塗りの乗用車に乗せ、後から彼女も劉強東と一緒に車へ乗り込んだ。

女子留学生の証言とは

【5】最初は張さんが女子留学生と劉強東の間に座ろうとしたが、劉強東から「俺の邪魔をするな」と怒鳴られたので、助手席へ移動した。自動車が動き始めると、劉強東は彼女に自分が宿泊するホテルへ行こうと誘ったが、彼女に拒否されて彼女が賃借している家へ送ることになった。劉強東は後部座席で女子留学生に対して盛んにちょっかいを出し、彼女の服を脱がそうとしていたので、張さんはカーラジオの音量を上げ、ルームミラーを折りたたんで無関心を装ったのだという。

【6】被害者となった女子留学生は警察に次のように語ったという。すなわち、最初に気付いた時は恐くて、自分がどこにいるのか分からなかった。そして、自分が劉強東の車に乗っていることを知らされて、劉強東から彼の宿泊するホテルへ行こうと誘われて断った。それから、劉強東に「家まで送って欲しい」と伝え、「貴方は良い人よ。冷静になってね」と繰り返していたという。そうこうする内に、車は彼女が居住する家へ到着したが、劉強東は運転手と張さんに車で待つよう命じ、「すぐに戻るから」と言い残して女子留学生の家まで彼女を送って行った。そして、劉強東はそれから4時間を女子留学生の家で過ごしたのだった。

【7】女子留学生が陳述した内容によれば、その後の4時間は以下の通りだったという。
彼女の部屋に入った劉強東は情欲に駆られた様子だったので、彼女は劉強東に向かって「やめて下さい。貴方には奥さんも子供もいるでしょう」と叫んだが、劉強東は聞く耳を持たなかった。劉強東は彼女をバスルームへ引っ張り込もうとしたが、彼女が必死に抵抗したので、劉強東は2⼈で⼀緒に⼊浴をする“鴛鴦浴(おしどり浴)”を楽しむことは諦めた。それでも女子留学生を征服する欲望を満たしたかった劉強東は、自分1人でシャワーを浴びた後に、全裸のままで酔った彼女が横たわっているベッドに上り、彼女に襲い掛かり、彼女の着ている服をむしり取り、力で圧倒して彼女を強姦したのだった。但し、強姦された時には、女子留学生は全裸にされた訳でなく、一部の衣類を身に着けたままだった。

【8】酔いから醒めた女子留学生は、翌8月31日(金)に友人男性の支援を受けて警察へ劉強東に強姦されたと通報した。彼女の手元には、強姦の証拠となる劉強東の精液が残されたベッドシーツがあり、劉強東を強姦容疑で逮捕するのに何の問題もないと判断された。一方、劉強東のもう一人のアシスタントである楊姓の女性(Vivian Yang、以下「楊さん」)は女子留学生に連絡を入れ、上述した深圳卓越置業集団の“李華”理事長と面談して欲しいと要請したが、女子留学生はこれを拒否し、劉強東と直接会いたいと要求した。

【9】楊さんは最終的にこれを受諾し、劉強東は8月31日の夜10時30分頃にミネソタ大学でDBA課程を担当するカールソンスクールの2階で女子留学生と会うことに同意したのだった。しかし、夜10時30分に劉強東が約束のカールソンスクールの2階へ到着した頃、女子留学生は地元のミネアポリス警察に対して事件の詳細を陳述したので、女子留学生の到着を待ち続けていた劉強東は夜11時頃に警察に逮捕されたのだった。逮捕された劉強東は警察で厳しい取調べを受けたが、それから17時間後の翌9月1日の午後4時頃に劉強東は釈放され、その数時間後には自家用ジェットに乗って中国へ逃げ帰ったのだった。

相次いだミネソタ州警察への問い合わせ

劉強東が中国へ逃げ帰ったことが判明すると、メディアはミネソタ州警察に問題の可否を問い合わせたが、州警察のスポークスマンであるジョン・エルダー(John Elder)は、「当該事件は現在強姦容疑で調査が行われているが、劉強東はまだ起訴されていないので、出国制限を受けずに中国へ戻れる」と表明した。

9月初旬に中国のネット上にSNSの“微信(WeChat)”の交信記録が流出したが、そこには中国のインターネット技術企業である“網易”の創業者である“丁磊(ちょうらい)”が「劉強東は女性に酒を飲ませて強姦する常習犯だ」と述べていた。丁磊は「ある酒の席で出会ったホステスに、劉強東は強引に呼び寄せて酒を飲ませ、その会場に付属するトイレ内で性行為に及んだ」と暴露した。

この種の人物が巨額の財を持っていれば、中国国内では罪を犯しても権力者にすがることで犯罪をもみ消してもらえるというのが憂うべき中国の実態である。しかし、本事件は中国国内ではなく、米国のミネソタ州で発生したのであり、そこには中国国内とは違った対応がある。

11月下旬の米国メディアは本事件に関し次のように報じた。すなわち、事件発生から2カ月以上経過したが、劉強東が起訴されるかどうかについては何らの情報もない。ミネアポリスが属するミネソタ州へネピン郡の検察官事務所は、メディアの問い合わせに対して、「どの事件も同じものはないので、事件の審査には時間を要するが、長時間が必要なものもあれば、短時間で済むものもあり、一定ではない。劉強東は富豪であるが、それと事件の審議時間とは何の関係もない」と述べ、起訴の可否が何時決まるかは分からないと答えた。

一方、12月1日に中国で36万人のフォロワーを持つネットユーザーが、ネット上に「劉強東は事件の被害者となった女子留学生に5000万ドル(約55億円)を支払うことで和解したいと考えている」との書き込みを行ったというが、これが真実かどうかも分からない。

ミネソタ州の法律によれば、一級強姦罪が確定すれば、後は量刑を言い渡すだけだが、刑期は最低でも懲役144カ月(12年)であり、最高は360カ月(30年)である。劉強東の場合は初犯であるから、刑期は恐らく懲役144カ月から172カ月(14.3年)になるだろうという。但し、米国と中国との間には、犯罪者引渡し条約が締結されていないので、たとえ劉強東が起訴されたとしても、絵に描いた餅になる可能性は高いが、果たしてどうなるのか。

CEOとしての地位は安泰だが……

なお、ナスダック市場における京東集団の株価は、劉強東による強姦事件が発生した8月30日には1株31ドルだったが、この原稿を書いている12月17日には22.17ドルまで下落している。この間の底値は11月23日の19.27ドルだったから、その後の株価は多少戻したようだが、CEOの強姦事件は株価を10ドル近く下げることに大きく「貢献」したのである。劉強東は京東集団の株式の79.5%を握っているとのことなので、CEOとしての地位は安泰だが、米国で正式に起訴されて「強姦犯」というレッテルが貼られた後は、一体どうなるのだろうか。

ファーウェイNo.2の孟晩舟は「イラン制裁に違反する取り引きに関わった疑い」でカナダ司法省によって逮捕され、保釈されたもののカナダで移動制限を受けている。これに対し、京東集団CEOの劉強東は米国で中国人の女子留学生を強姦したという破廉恥な容疑で逮捕され、保釈されたのを良い事に中国へ逃げ帰って身を隠しているのである。両者の間には何と大きな違いがあることか。

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『米国で非難殺到:虎の尾を踏んだ中国人留学生 UCサンタバーバラ校で不正・悪行の数々、「もう耐えられない」の声』(12/21JBプレス 高濱賛)について

12/24希望之声<圣诞节前 西方多国呼吁北京释放加拿大公民=クリスマス前に欧米諸国の多くは北京にカナダ国民の釈放を呼びかけ>クリスマス前に、カナダ、米国、英国、多くのEU諸国は北京に拘留されているカナダ前外交官のマイケル・コブリグ氏とビジネスマンのマイケル・スペイバー氏の釈放を呼びかけた。ベルリンの6つのシンクタンクは「中国問題研究家の中国での仕事の環境について、40年間の内、今が一番困難な時期に当たる」と指摘した。

EU上級代表フェデリカ・モゲリーニ:北京は中国で合法的に研究やビジネスしている人を心配させている。

日本はどうして中国を非難しないのか?それでは日本人がでっち上げのスパイ容疑で捕まった時に、欧米諸国が声を上げてくれないのも当然。ここは人権問題なので、IWC問題と違い、国際協調すべきところです。何も声を上げなければ、所詮、薄汚い通商国家と思われるだけです。

https://www.soundofhope.org/gb/2018/12/24/n2506648.html

11/25看中国<美增进对台军事交流 中共“占领”政大批评川普(组图)=米国は台湾と軍事交流を増やしている 中共は台湾の政治大学からトランプを批判させている>台湾の自由時報は「時殷弘(中国人民大学教授)が台湾の政治大学東アジア研究所主催のフォーラムで、”今年初めから米中はあらゆる面で矛盾が生じて来て、1972年の米中冷戦終結以来、米中関係は最も緊張が高くなった。トランプは中国を短・中・長期のライバルと宣言し、中国は米国に挑戦し、米国の利益に影響を与え、米国の安全と繁栄を蝕んでいるとも述べた。トランプは台湾旅行法にサインし、台湾とオープン又は秘密の軍事交流を増やしている。台湾が国際的な外交面での支持を受けるよう力を尽くしてもいる。また南シナ海問題ではオバマ時代と違い、争いは激烈となった。トランプは威嚇するしか能がない“と述べた」と報道。

淡江大学中国大陸研究所の黄兆年助教授は3月初めに「中国は韓国のTHAAD問題で採ったのと同じく、台湾に対し懲罰措置を採ってくるだろう。但し、それは米台で想定の範囲内である」と予測した。

1979年米台断交して中華人民共和国と外交関係を樹立し、台湾の官員はワシントンに入ることはできなくなった。米国の官員も国防や外交を除いた場面でのみ、訪台できた。トランプ大統領が《台湾旅行法》にサインして米国と台湾の官員は制限なく訪問できるようになった。台湾の官員は米国から尊重されて訪問が可能となり、ワシントンの各層の官員と会うことができる。国務省、国防総省も含めて。

2018/1/30台東市空軍基地から飛び立つF-16

日本も早く台湾交流基本法を作って、共同して自由社会を守るようにして行かねば。

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/12/25/880100.html

12/25阿波羅新聞網<中共大动作救孟晚舟 美专家:因为华为是间谍机构=中共が孟晩舟を何としても救出しようとしているのは 米国の専門家:それは華為がスパイ機関だから>米国の中国専門家のSteven W. Mosherは22日NYポストのコラムに「華為は単なるスマホメーカーではなく、中共のスパイ機関である。ナチドイツの時期に、ドイツの鉄鋼メーカーのAlfried Kruppとナチ党との関係に似ている。北京当局の規定によれば、あらゆる会社は、国営、民営に関係なく、当局の情報収集に協力し、華為は政府と軍の低利融資を受けて国内市場を守り、当局との関係は浅からぬものがある」と述べた。

https://www.aboluowang.com/2018/1225/1222658.html

12/25阿波羅新聞網<美国取消中国公民入境十年签证 拒签率飙升=米国は中国国民の10年ビザを取消 ビザ拒絶率も上がる>中国国民が何度でも米国に入れる10年ビザは取り消され、中国人に対するビザの拒絶率も上がって来た。トランプ政権は中国人へのビザ、特に留学生と科学研究員のビザを絞るようになった。

《サウスチャイナモーニングポスト》ネットは2点の変化について触れている。①人物検査が厳しくなった。米国大使館から何の説明もないが、ビザが必要な人は総領事の面接が必要になった②審査プロセスも変わって長くなった。時には補充資料も求められ、ある研究員は旅行行程を取消されたこともあったと。

データによれば、2018年1月~6月まで2000名以上の中国人学生は厳しい審査を受け、去年同期と比べても少なく1500人を下回った。中国人留学生の内、科学技術分野はより厳しい審査を受けた。米国商務省は、「米国の鍵となる分野での研究員での中国人のビザ申請は多くの機関での許可が必要になる」と表明した。

https://www.aboluowang.com/2018/1225/1222663.html

高濱氏はこのところ、中国・韓国バッシングの記事を立て続けに書いています。米国メデイアの論調が変わって来て、彼も安心して叩けるようになったという事でしょうか。でも、中国人は世界中どこへ行っても同じ行動をします。中国人同士で屯し、場合によってはチャイナタウンまで作って、その地に同化しようとはしません。その地の慣習やルールも無視、今の日本にいる中国人の大部分だってそうでしょう。我孫子の手賀沼の白鳥や鴨も捕って食べてしまう人達ですから。大目に見て来た日本人が良くないのです。

米国同様日本も中国に対するビザ、海自哨戒機に敵対行動をした韓国に対するビザを厳しくしませんと。そもそも反日教育してきた時点でアウトでしょう。それを緩和して来たのですから、馬鹿としか言いようがありません。商売以前の問題なのに、親中派政治家や親韓派政治家を跋扈させて来た国民の責任です。

それと、孔子学院は華為と同じくスパイ機関です。大学に寄付することにより、中国を批判できにくくし、かつ中国に有利な論文やTVでの発言を誘導します。学問の自由が侵されているというのに、政府を批判はするが中国を批判しない教授たちの脳みそはどうなっているのでしょう。少なくともウイグル人の強制収用やチベット人の抗議の焼身自殺について、孔子学院にも抗議の声を上げたらどうかと思います。特に早稲田と立命館、そうしなければ腐った大学と思われますよ。

また東大を始め、国立大学にも沢山の中国人留学生が来ていると思います。何故日本人の税金を使い、中国人を優遇し、技術までくれてやるのか分かりません。

高濱氏記事のビル・ハニー氏の様に「日本は共産主義者のガキに教育を施してやる必要はない」と感じます。

記事

UCサンタバーバラ校の駐車場に並ぶ高級車

学生用駐車場にずらりと並ぶ欧州高級車

まず冒頭と次の写真をご覧いただきたい。

1枚目は、駐車場にずらっと並んだベンツやランボルギーニといった欧州高級車。その大半は中国からの留学生の車だ。

そしてもう1枚は、マージャンに興じる中国人留学生たち。大学構内の一室である。

「中国紹介イベント」でのデモンストレーションということだが、手慣れたしぐさは日頃から楽しんでいるからだろうか。

いずれも米人ジャーナリストが米カリフォルニア州サンタバーバラにある州立のカリフォルニア大学サンタバーバラ校のキャンパスで撮った写真だ。

「ロサンゼルス・タイムズ」は12月13日付電子版で同大学に籍を置く中国人留学生の「不届きな実態」をこう報じた。

“Faculty fret about cheating and low English skills as UC Santa Barbara enrolls more students from China”

(受け入れ増加で中国人留学生たちのカンニングと英語力の低さに頭を悩ますカリフォルニア大学サンタバーバラ校の教授陣)

https://www.latimes.com/local/education/la-me-edu-uc-santa-barbara-chinese-students-20181213-story.html

同15日付けの同紙に掲載されたときには見出しはこう変わっていた。

“A two-tiered student body? UC’s foreign influx stirs worries of college readiness”
(2つの異なるレベルの学生?外国人留学生殺到でカリフォルニア大学頭抱える)

見出しからは「中国からの学生」の文字が消えていた。

そう言えば、「ロサンゼルス・タイムズ」は2018年夏、オーナーが南アフリカ出身の中国系億万長者のパトリック・スーン・シオン氏になった。

見出し変更に何か圧力がかかったのか。あるいは編集者が忖度したのか。

TOEFL試験不正行為で逮捕された中国人学生も

中国から米国に留学する学生についてよからぬ噂はこれまでにもあった。

米大学で入学を許可されるには外国人志願者は「TOEFL」(英語能力検定試験)を受け、合格点を取らねばならない。

そのTOEFLで不正行為を働いて学生ビザを取得した容疑で逮捕された中国人が後を絶たない。

2017年にはアリゾナ州立大学、ペンシルベニア州立大学、ノースイースタン大学に入学を許可された中国人留学生がTOEFL試験で不正行為を働き、学生ビザを取得した容疑で逮捕されている。

中国や、さらに韓国では業者が組織的にTOEFL受験や採点で不正行為を働いているといった話もしばしば聞く。

https://learningenglish.voanews.com/a/chinese-students-arrested-toefl/3839870.html

それだけではない。

当局の目を逃れて,不正にTOEFLで合格点を取り、渡米し、晴れてカリフォルニア大学サンタバーバラ校に入学している中国人留学生の学習態度が問題になっている。

現職の教授が実名でそれを暴露したのだ。

授業中、私語はもちろんのこと、スマートホンを使ったり、途中で用足しに行ったり、注意されてもせせら笑っている一部の中国人留学生。

その教授はネット上に「授業中のエチケット」を英語と中国語で書いて注意を喚起したが、糠に釘だったという。

さらにひどいのは、一部中国人留学生の英語力だった。あまりにもお粗末で授業についていけないのだ。論文を書かせると、何と数人の論文が全く同じ。

「普段、アメリカ人学生でも使わないような古典的なイギリス英語の表現を数人の学生が使っている」

「中には他の学生の代わりに試験を受けている中国人学生もいるようだ。私たちには中国人の顔は見分けがつかないし・・・」

その教授は頭を抱えている。

「むろん、まじめに勉強する中国人学生もいます」

「もちろん、中国人の学生がみんなそうじゃない。一生懸命勉強し、早く卒業して本国に帰り、多額の学費を出してくれた両親に恩返しをしたいという学生もいます」

「中国での激しい受験地獄から逃れて、自由なキャンパス生活に憧れてきた学生も大勢います」

現在カリフォルニア大学サンタバーバラ校に在籍する中国からの留学生数は2173人(2018年)。学生総数が2万5057人だから全体の8.7%、外国人留学生(2534人)の86%を占めている。

同大学は10キャンパスあるカリフォルニア大学のうち3番目に古い。

バークレイやUCLAなど他の6キャンパスには後れを取るが、「世界大学ランキング・センター」の評価では第70位。中国の名門北京大学(92位)や清華大学(98位)よりも上位にいる。

https://cwur.org/2018-19.php

北京大や清華大よりもランクが上

同大学になぜこんなに多くの中国人学生が在籍しているのか。理由は2つある。

1つは、同大学が2008年のリーマンショック以降、海外、特に中国本土からの学生獲得に積極的に乗り出したからだ。

大学関係者が中国本土に頻繁に足を運び、ネット上でも盛んに宣伝した。

なぜ中国人を狙ったのか。中国人の富裕層にある「米国留学熱」に目をつけたのだ。

同大学の場合、赤字財政に苦しんでいた。州立だが連邦政府や州政府からの助成金はしぼむばかり。カリフォルニア大学の中でも状況は一番ひどかった。

頼れるのは学生からの学費だった。

州内の学生の学費は年間1万4451ドル(約173万円)、これに比べ州外、海外からの学生の学費は年間4万2465ドル(約475万円)と約3倍。大学経営資金という面では外国人留学生は「金の卵」だった。

中国人学生のサンタバーバラ行きが激増した理由は、学生側にもあった。1つには「カリフォルニア大学」は中国でも「世界有数の名門校」として認められていた。

しかも「カリフォルニア大学サンタバーバラ校」に入学許可されるためのTOEFLの合格点数が80。バークレイ(90)やUCLA(87)に比べ低くかった。

中国人学生にとってはサンタバーバラ校は「穴場」だった。

「遊学貴族」は中国共産党幹部と 「クレイジー・リッチ」の子女たち

その結果、中国人学生が同大学に殺到したのだが、「ロサンゼルス・タイムズ」の見出しの通り、「2つの異なるレベル」の学生が入ってきたのだ。

中国共産党幹部や共産党独裁下で巨万の富を得た富裕層の子女。方や「一人っ子」政策の下で生まれた中産階級層の才能のある子女。

冒頭の写真に出てくる高級車を乗り回し、授業ではカンニングと「論文盗作」を繰り返し、暇さえあれば麻雀を楽しむ「遊学貴族」の大半は、前者だという。

まさに今年ヒットしたハリウッド映画「クレイジー・リッチ」*1に出てくる中国人の超富裕層のボンボンやお嬢様たちなのだ。

*1=2018年公開のジョン・M・チュウ監督のロマンティック・コメディ映画「Crazy Rich Asians」(原題)。原作はケビン・クワン。シンガポールに住む華僑の億万長者の華麗な生活をコミカルに描いている。

「中国ではさすがに外国の高級車で大学に通うわけにはいかないけど、米国なら誰の目を気にすることもないしね」(同大学に通う普通の中国人留学生)

「不届きな共産主義者のガキはキャンパスから追い出せ」

「ロサンゼルス・タイムズ」の報道に米一般読者からの投書やブログが殺到している。

そのうち最も過激なブログを紹介しておこう。同州ウォルナット・クリーク在住の「ビル・ハニー」氏は怒りをぶつけている。

「わが州民が誇りとするカリフォルニア大学の存在意義はなんなのだ」

「共産主義者の中国人のガキを教育することじゃないだろう。不届きものはキャンパスから追い出せ」

「世界第2位の経済大国だと豪語するなら中国は自分のガキぐらい自分で教育したらいいじゃないか。それが道理というもんだ」

「わが州民は奴らのカネなどいらないし、『Diversity』(民族的多様性)も必要とはしない。米国民を雇用し、癒し、教育を授けよ」

「カリフォルニア大学の総長はジャネット・ナポリタノとかいう同性愛主義者のクリントンの子分。アメリカを憎んでいる女だ」

「リベラル派が手をつけるとろくなことはない。すべてが壊れる。神と家族とわが祖国に栄光あれ」

米国内の一部に依然根強く残っている中国人に対する偏見が今回の報道で一気に爆発したようである。

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『「いずも」空母化がもたらす3つのメリット 新たな防衛大綱を評価する』(12/21日経ビジネスオンライン 森永輔)について

12/24阿波羅新聞網<中美贸易战重击中国!传500万家公司倒闭、千万人失业=米中貿易戦で中国に強打! 伝えられるところによると5000万の企業が倒産 1000万人が失業>日本の《NEWS ポストセブン 》は「中国の農業農村部の発表によれば、12月初めまでに中国の740万の農民工が故郷に帰り、農業農村部は故郷で創業すると言っているが、事実上の失業である。農民工の人数は昨年比1.7%増、286.52万人増えた。この数字は中国景気が厳しく下がっているのを表す。この他農民工以外に200万人の失業者がいる。合計で1000万人になる」と報道した。《网易新聞》は10/22に「今年上半期国内では504万件の企業が倒産し、失業者は200万人を超えた」と題して記事を発表、上半期には453社の上場企業の会長は辞職か馘首されたとも。中国就業研究所と人材ネット「智聯募集」の報告では、「10月にはe-コマースの最大手のアリババとスマホ大手の華為は大量リストラ計画があり、両社とも否定しているが、中国の労働市場は厳しい局面に立たされている。中国での労働は厳しい冬の時代に」とあった。

https://www.aboluowang.com/2018/1224/1222235.html

12/24阿波羅新聞網<孟晚舟若被引渡到美国 她和华为将面临什么=孟晩舟がもし米国に引き渡されたら 彼女と華為は何に直面するか>CNBC財経ネットは12/19に「米国のDechert法律事務所のAmanda DeBuskは、“もし孟晩舟が米国に引き渡されたら、米国の監督機構か委員会が関与、今年前半のZTE案件がこの事件のモデルになるのでは。一般的には、カナダから容疑者引渡は普通の事で、米国に戻って来たら、刑事訴追を受ける。但しこの案件は普通と違う”と述べた」と報道。

ブルームバーグは「この案件は、元々は単純な国際司法協力の案件であったが、法治の概念を欠く中共が米中貿易戦と孟の逮捕をリンクして考えた。それで3名の在中カナダ人を拘留した。2014年の中共のスパイ蘇斌逮捕事件と同じ展開」と分析した。

カナダ司法省広報官は、「米国は孟の逮捕から数えて60日以内に正式に引渡請求をしなければならない。それには証拠を揃えて。その後カナダは30日以内に引渡するかどうか決定する」と表明した。

Amanda DeBuskは、かつて米国商務省の輸出執行次官をしていて、「カナダの引渡案件で通常詐欺罪のような重大犯罪は、適正手続きを経ればスンナリ行く」と発言。

カナダ連邦司法大臣のJody Wilson-Raybouldは、手続きが済めば孟を引渡するかどうか決定しなければならない。彼女は「引渡責任と義務を非常に重視している。もし、カナダの裁判所が孟の引渡を認めれば、司法大臣として引渡すべく最終決定する。適正手続と司法権の独立の為に、あらゆる法廷手続きも一緒であるが、この案件は検察官が裁判所に如何に納得させる材料を提出できるかがカギになる」と述べた。

もし、司法大臣が、最終的に引渡請求を認め、且つ上訴が無ければ、数カ月内に請求国に引渡される。上訴すれば、引延しとなる。

カナダTV(CBC)は「過去10年間で、カナダは引渡請求を受けた容疑者は90%引渡されている」と報道。

WSJは「もし、米国が華為は米国の制裁に違反したことを確定したなら、更なる行動を起こすだろう。当局は10月に福建晋華チップメーカーを国家安全と経済的な脅威のため米国からの輸出禁止としたのと同様なものになるだろう」と報道。

ルビオ上院議員は12/9に「華為案件は、孟がイラン制裁に違反したことで告発されている。中国の会社が制裁法に違反したなら米国はZTEと同じようにすべきである。米国からの部品の輸出禁止と。我々は政府ができるだけ早くそうすることを支援する」と述べた。

シンクタンクのGavekal Dragonomicsの中国政策アナリストの謝艶梅は「もし、米国が華為にZTEと同じ手を打ったら、中共は華為が破産するのを防ぐ手立てはない」と言った。

https://www.aboluowang.com/2018/1224/1222242.html

カナダ・米国は是非華為を潰すように動いてほしい。失業者が街に溢れ、共産党に怨嗟の声が上がり、最終的に打倒されるようになればと願っています。

12/23ブログ「正しい歴史認識、国益重視の外交、核武装の実現」<【韓国人=嘘吐き】の証拠を世界に周知するチャンス・レーダーが自衛隊機を狙ったのは100%確実>戦わない(=文官として主張できない)岩屋毅防衛相は更迭されるべきです。滞貨一掃人事のツケでしょう。やはり自民党を出たり入ったりする人物は石破元防衛庁長官同様ダメなのが多い。河野洋平なんかその最たるもの。国益を損ねても恬として恥じないのですから。息子の太郎は頑張っていますが。

http://deliciousicecoffee.jp/blog-entry-7332.html

12/23小坪慎也ブログ<自衛隊を世界の恥さらしする気か!韓国の敵対行動に対する、我が国の対応に不満【政府に、より強い姿勢を求める方はシェア】>小坪氏は韓国軍が北との瀬取り監視を妨害する意図があった可能性について触れています。どこまで行っても国際協調できない、中国と朝鮮半島。こんな国には関わらないことです。助ける何て言うのは愚の骨頂です。

https://samurai20.jp/2018/12/kolie-64/

12/22二階堂ドットコム<日本、円とウォンの交換停止へ>「順次大使も召還する模様。南朝鮮は北朝鮮の傀儡政権であるため、北朝鮮関係者の動きも厳しくマークする。」

口先だけの抗議が効く訳がありません。目に見える形で教え込まないと。米国も裏切り者・文在寅を苦々しく思っているでしょうから、制裁に反対する訳がありません。制裁違反を韓国海軍が幇助していたとなれば猶更です。安倍内閣の真価が問われます。世界に先ず証拠の映像をアップすれば韓国が嘘を言っているのがハッキリするでしょう。

http://www.nikaidou.com/archives/108556

12/22海外ニュース翻訳情報局<【元米軍海兵隊士官提言・必読】日本の新型空母は波風を立てるに至らず>

https://www.newshonyaku.com/japan/20181222?fbclid=IwAR3K4NXdSa2hYdu1cr8n3Pg2qmRP1gDIhdkHpxbpB5l2hQ8OVQPmZEjPpdE

森氏の記事で、道下氏は今度の防衛大綱を高く評価しています。確かに今までと比べれば長足の進歩なのでしょうが。上述の海兵隊士官のグラント・ニューシャム氏は「日本はよちよち歩きし始めたばかり」と思っているようです。でも動かないよりは良いと言えます。日本は左翼に洗脳されている国民が多くいます。自分で情報を取りに行かず、既存メデイアの言うことを頭から信じ込み、自分で考えようとしない人が余りに多い。軋轢を減らすために政府も「攻撃型兵器でない」とか説明するのでしょうけど、もう危機は“clear and present danger“のレベルに達しています。憲法改正で国民投票をやっても、それでは改正に賛成しなくなるのでは。「中国と北朝鮮の脅威に対して、国民を守るために、装備と人材の育成を充実して行く。予算も増やしていく」とキチンと説明しなければ。安倍首相もノンビリ構えている時ではないでしょう。

記事

政府が12月18日、新たな防衛大綱を閣議決定し、今後10年をめどとする防衛力の在り方を定めた。サイバー、宇宙、電子戦など新たな戦域までを視野に入れる「多次元統合防衛力」 と呼ぶ新たな概念を定めた。専門家は新防衛大綱をどう評価するのか。政策研究大学院大学の道下徳成教授に話を聞いた。

(聞き手 森 永輔)

米空母に垂直着陸するF-35B(写真:ロイター/アフロ)


道下徳成(みちした・なるしげ)氏
政策研究大学院大学教授(安全保障・国際問題プログラム ディレクター)。 専門は日本の防衛・外交政策、朝鮮半島の安全保障。 著書に『北朝鮮 瀬戸際外交の歴史、1966~2012年』(ミネルヴァ書房、2013年)がある。米国ジョンズ・ホプキンス大学博士(写真:菊池くらげ)

道下:この取り組みは非常に目立ちますね。私は「いずも」の空母化には3つの利点があると思います。第1は本格的な紛争において艦隊防空や航空優勢の確保に役立つこと。第2はグレーゾーン対処に向いていること。第3は、平時の戦略的コミュニケーションにおいて有益なことです。

第1の本格的な紛争において想定できるのは、例えば太平洋上で海上自衛隊が対潜水艦戦を実施する際に艦隊の防空をするケースです。イージス艦だけでは防空できる範囲が限られていますが、空母があれば防空できる範囲が広がります。

冷戦期には北海道周辺の海空域における攻防が焦点でしたので、空母がなくても必要な航空戦力を確保できました。しかし、今後想定される南西諸島周辺での攻防になると、航空基地が限られているので空母の有用性が高まります。

また、限定的とはいえ潜在的な攻撃能力をもつことになります。「専守防衛から逸脱する」との批判があるし、実際に実行するかどうかは別問題ですが、北朝鮮や中国に対する抑止力向上に多少は寄与するでしょう。

—尖閣諸島などにおける航空優勢を保つためには、沖縄・那覇基地を拠点とするF-35Aと空中給油機を増やすほうが妥当であるとの見方もありますね。

道下:おっしゃるとおりです。具体的にどのような手段を講じるかは、その時々の状況や費用対効果を検討して最適なものを選べばよいと思います。ただ、STOVL空母があれば運用の柔軟性は高まり、選択肢は増えます。

第2のグレーゾーン対応には、どこでも着陸できたり、ヘリコプターのように空中で停止 できたりするF-35Bの能力が役に立ちます。尖閣諸島の周辺空域で長期にわたってプレゼンスを維持することもできます。飛来する無人機(UAV)などへの対処にも有用でしょう。

第3は平時の戦略的コミュニケーション。F-35Bを積んだいずも型護衛艦が、例えば東南アジア諸国を訪れることで、地域の安全保障に日本がコミットしていることを象徴的に示すことができます。中国になびく東南アジア諸国や南アジア諸国の袖を引く効果が期待できるのです。いずも型護衛艦はすでにフィリピンやシンガポール、インドネシア、インド、スリランカなどを訪れています。フィリピンではドゥテルテ大統領が「いずも」に乗船し、それが同国で広く報道されたことがありました。

これは中国が、空母「遼寧」を利用して地域諸国を威圧しているのに対抗するという意味もあります。能力的には米国の空母に劣る遼寧は、戦時に投入すればすぐに沈められてしまうかもしれません。しかし、外観だけは米国の空母に見劣りしない。平時であれば、東南アジア諸国などを政治的・心理的に圧迫することができるのです。

日本は保有する潜水艦の数を22隻に増やすことを決め、すでに実戦能力を高める措置は講じてきました。しかし、いかんせん潜水艦は人々の目に触れません。日本の戦略的メッセージ発信手段としてはあまり有効ではありません。

国民にウソをつくことになる

—いずも型護衛艦の空母化に問題はないのでしょうか。

道下:まず、空母化された「いずも」を空母と呼ばないことにしたのは文民統制(シビリアン・コントロール)上、重大な問題です。「国民に正しく事実を伝え、文民統制を機能させる」という原則に逆行する動きです。空母の能力をもたせるのだから「空母」と呼ぶべきです。それを、自公の与党は「多用途運用護衛艦」 と呼ぶことにしました。自民党は「防御型空母」「多用途運用母艦」という呼称を提案していましたが、いずれも公明党が拒否しました 。

実態と異なる名称を付けるのは、国民にウソをつくことになるし、文民統制が利きづらくなります。民主主義と政治の透明性を重視する公明党がこれに逆行し、“知らしむべからず”を助長する動きを取ったのは皮肉な事態です。

加えて、海上自衛隊による空母の運用は、航空自衛隊の組織を不安定化させる懸念があります。いずも型護衛艦に搭載するF-35Bは航空自衛隊が運用することになりますが、これが、空自幹部のキャリアパスを変化させる可能性があります。いずも型護衛艦から離着陸するF-35Bを操縦するには高い技能が必要ですし、長期にわたる海上勤務は空自の隊員には未体験の世界で、家族にも負担になります。したがって、空自のパイロットのなかでも能力が高く、熱意のある人々がむしろ海自艦艇で勤務することになるかもしれないのです。

これまで、空自では優秀なパイロットが高級幹部になってきました。しかし、長期間、海自艦艇で勤務した幹部が組織のトップに君臨することを空自の隊員達はどう感じるでしょうか。また、空自と海自が人材の取り合いでもめることは想像に難くありません。

ただし、組織のアイデンティティを脅かされた空自が奮起する機会になる可能性はあると思います。

日本の防衛力の全体像を初めて描いた

—いずも型護衛艦にF-35Bを搭載すること以外に、道下さんが最も注目したのはどんな点ですか。

道下:日本の防衛力の全体像、より具体的には中国に対する防衛戦略の青写真をついに描きだしたことだと思います。「すごい」と思いました。言いかえると、今回の防衛大綱は、インド太平洋地域における軍事的なバランス・オブ・パワーを維持するために、日本が何をするのかを示すものになっています。

これまでは「戦車」や「護衛艦」「戦闘機」など映画に出てくるような“派手な正面装備”に目が行きがちでした。これらの装備の数や部隊の数をまとめた「別表」はその象徴です。従来は、ここに記載される数が減らされないよう、陸・海・空自衛隊が競い合う傾向がみられました。

それが今回、大きく変わりました。別表に「サイバー防衛部隊」や「海上輸送部隊」を載せたことが、この変化を表しています。また本文に、宇宙や電磁波の領域における能力の獲得・強化も盛り込みました。これらがきちんとしていなければ、戦車や護衛艦を生かすことはできません。サイバー防衛などはこれまで先進国の水準から大きく立ちおくれていましたから。

調達面で「割り切り」を見せた点も評価しています。安倍政権は防衛大綱を決定した閣議で、F-35の取得数の変更を了承し、同機の取得数を増やすとともに「完成機を輸入する」としました。

F-35の国内組み立てを断念し、代わりにより多くの機数を確保することにしたのです。つまり、厳しい財政状況のなかで、国内の防衛産業の維持・育成を多少犠牲にし、実際の防衛能力の強化を重視したということです。

—F-35Aの組み立てを三菱重工業が担当しており、これがコスト高を招いているとの指摘がありました。

道下:そうですね。財政的に余裕があったときには「防衛産業も防衛能力も」という選択肢があったわけですが、すでにその余裕はありません。「F-35については防衛能力の整備を優先させる」というのは適切な判断だと思います。

背景には、日本周辺における脅威の高まりがあります。イスラエル、韓国など、高い脅威認識を持っている国々では、国防費に占める武器輸入額も高い傾向があります。自国を守るため背に腹は替えられないということでしょう。

「トランプ大統領に圧力をかけられ、武器をたくさん買わされている」との批判がありますが、必ずしも、そうとばかりはいえません。中国の軍拡のスピードを考えれば、日本が懸命に武器を輸入したところで、どのみち数は足りないのです。ならば、いずれにせよ必要である米国製の武器を輸入し、同時にトランプ大統領を喜ばせることができるのなら、一石二鳥と考えることもできます。米軍との相互運用性も確保できますし。

同じ文脈で、「航空機等の種類の削減、重要度の低下した装備品の運用停止、費用対効果の低下したプロジェクトの見直しや中止等を行う」とした点も高く評価できます 。装備は国家財産なので、一度導入すると、重要性が低下してもなかなか捨てられず、維持コストがかさんでいました。防衛大綱で明文化されていれば、現場はストレスを感じることなく不要な装備を廃棄することができます。

3つのメリットを持つ敵基地攻撃能力に向け実質的な一歩

道下:もう一つ、敵基地攻撃能力についても注目しました。今回、これについて明文化することは見送られましたが、敵基地攻撃能力に実質的につながる装備を導入することになりました。

—先ほど触れたいずも型護衛艦へのF-35Bの搭載や、スタンドオフ・ミサイル*、高速滑空弾の導入などですね。

*:相手の攻撃が届かないところから相手を攻撃できるミサイル(防衛白書 平成30年版)

道下:はい。私は一定の攻撃能力を保有することに賛成なので、実質的にこれが進むことを評価しています。

—賛成する理由は何ですか。

道下:大きく三つあります。

一つは、ミサイル防衛を補う効果です。北朝鮮は3~4発のミサイルを同時に発射する、いわゆる「飽和攻撃」訓練を行うようになっています。多数のミサイルが同時に飛来するとミサイル防衛は困難になります。しかし、日本が多少なりとも北朝鮮のミサイル基地を攻撃する能力を持てば、北朝鮮は回避行動をとりつつ攻撃作戦を行わざるを得なくなるため、同時に複数のミサイルを発射するのが困難になります。

「一切攻撃しない」という今の政策では、飛来するすべてを迎撃すべくミサイル防衛システムを強化しなければならず高コストです。「高価なイージス・アショアを導入するのはけしからん」と批判する論者の多くが、ミサイル防衛のコスト引き下げにつながる攻撃能力の導入に批判的なのは矛盾です。今の日本に税金を浪費する余裕はありません。

二つ目は、日米同盟において米国が担う「矛」の機能を補完することです。現在、北朝鮮はグアムやハワイ、そして米国本土を攻撃する能力を開発しつつあります。北朝鮮がそのような能力を保有すれば、米国は自国の防衛を優先し、対日ミサイルであるノドンやスカッドERへの対処を後回しにせざるをえなくなるでしょう。日本は自国の被害を最小化するため、自ら北朝鮮のミサイルに対する攻撃作戦を行う必要が出てきます。

最後に、米国や韓国からの「ただ乗り」批判を回避することです。日本が自らリスクをとらず、対日ミサイルへの攻撃作戦を米国と韓国に丸投げした場合、日本は「ただ乗り」と批判されるうえ、戦後復興のプロセスなどで過大な資金提供を要求される可能性があります。

攻撃作戦はパイロットなどの犠牲を伴う大変危険な作業で、日本だけが攻撃作戦に参加しなかった場合、「米国や韓国のパイロットが日本のために犠牲になった」という議論が噴出し、日本は厳しい立場に置かれるでしょう。「ただ乗り」を許さないトランプ大統領の態度や、必ずしも日本に友好的ではない韓国の政治環境を考えると、この点には十分注意を払う必要があります。

—日本が敵基地攻撃能力を保有することに米国は賛成するでしょうか。

道下:私は問題ないと思います。1960~70年代ならば、日本の意図に米国が疑念を持つこともあったでしょう。しかし、80年代になり、当時のソ連が極東で軍拡を進めるようになってからは、米国は日本の協力を求めるようになりました。そして今、米国が単独で中国に対峙するのは不可能な時代に突入しました。

—中国が不満を持ちませんか。

道下:当然、不満を表明すると思います。しかし、中国は日本が侵略的な行動をとると本気で考えているとは思えません。日本が地域におけるバランス・オブ・パワーの維持に貢献し、地域の平和と安定が保たれれば、長期的には中国にとってもメリットは大きいでしょう。また、中国への抑止力が強化されて、力による勢力圏の拡大が困難であるということになれば、中国国内で強硬派の立場が弱まり、協調派の立場が強まることも期待できます。

軍事的にも、例えばいずも型護衛艦に搭載したF-35Bで中国の軍事施設を攻撃するのは容易ではありません。

まず中国が敷くA2AD*網を突破しなければなりません。

*:中国の軍事的方策で、Anti-Access, Area Denial(接近阻止・領域拒否)の略。空母を中心とする米軍が中国の東シナ海沿岸に近づけないよう、第1・第2列島線の中に入れさせないことが狙い。第1列島線は東シナ海から台湾を経て南シナ海にかかるライン。第2列島線は、伊豆諸島からグアムを経てパプアニューギニアに至るライン

—対艦弾道ミサイル、潜水艦、爆撃機「H-6K」などですね。

道下:はい。脅威度の高い海域に巨大ないずも型護衛艦を入れること自体、非常に困難です。さらに、A2AD網を突破したとしても、中国国内に配備された防空網、対空ミサイルが待っています。これを抜けてようやく攻撃ができる。ここに至るまでに相当の損害を受けるでしょう。中国に対する攻撃作戦は米国の空母でさえ難しいのが現実です。さらに、日本のF-35Bが搭載するミサイルは核ではなく通常兵器です。中国の軍事施設に与えられるダメージはたかが知れています。

一方、いずも型護衛艦に搭載したF-35Bによる攻撃は、北朝鮮に対してはそれなりに有効でしょう。中国に対するのと比べて、容易にターゲットに至ることができるからです。北朝鮮の海・空軍は非力。潜水艦がもたらす脅威も大きくありません。いずも型護衛艦に搭載できる最大20機程度のF-35Bの多くが攻撃作戦に参加できると思います。

—デメリットはありませんか。

道下:日本の攻撃力が大きくなりすぎると、グレーゾーン事態などで米国が「日本が自分でやればよい」という姿勢をとりかねません。一方、全く何も持たないというのは、“ただ乗り論”が強まるなど政治的なコストが高くつきます。この間で、バランスを取る必要がありますね。

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『西洋の物差しで中国を測るから見誤る 京都府立大学文学部歴史学科・岡本隆司教授を迎えて(1)』(12/19日経ビジネスオンライン 山田泰司)、『「自分が上に行きたい」中国人との付き合い方 京都府立大学文学部歴史学科・岡本隆司教授を迎えて(2)』(12/20日経ビジネスオンライン 山田泰司)、『中国に「属国」と言われたら日本はどうすべきか 京都府立大学文学部歴史学科・岡本隆司教授を迎えて(3)』(12/21日経ビジネスオンライン 山田泰司)について

12/23 facebook ‎城管视频‎ ― 記錄中國 投稿

维稳队伍辅警也在维权 估计只是贪得无厌 ?

民間警察隊はおとなしく権利を主張 狙いは貪り尽すことだけ?

https://www.facebook.com/Jtarptihecas.4.0/videos/1197872233704870/

12/22中国禁聞網<扶老人遭巨额索赔 男子走投无路自杀证清白=老人を助けたら巨額賠償の目に遭う 男性は川に身投げして潔白を証明>老人が転んだのを見たバイクの主が病院まで運んだところ、病院から3000元を請求されて払った。「善意でしたことが仇になった。今回のことは教訓としよう。以後老人は助けない」と述べた。数日後、老人の息子二人から20万元払えとの要求が。交通警察からも電話があり、彼を調べると。彼は農民工で年収は1万元程。自分の身の証をするため、川に投身自殺した。

https://www.bannedbook.org/bnews/cbnews/20181222/1051308.html

12/23阿波羅新聞網<加外长:加拿大遵守与美国签订的引渡条约=Chrystia Freelandカナダ外相:カナダは米国と結んだ引渡条約を守る>12/21(金)外相は「法治国家は自由社会の基礎であり、カナダは国際法を尊重する。その中には米国との引渡条約も含まれる。孟晩舟事案は公平、公正で透明な法手続きによって進められ、政治化はしない。中国は拘束している元カナダ人外交官に弁護士との接見もさせず、夜は消灯させずにいる。早く解放すべき」と要求した。

https://www.aboluowang.com/2018/1223/1221799.html

12/22希望之声<中共抓捕200多名加拿大人 加拿大将驱逐2000多名中国人=中共は200人以上のカナダ人を逮捕 カナダは2000人以上の在カナダ中国人を追放するだろう>華為副会長兼CFOの孟晩舟がカナダで逮捕されてから、10日内に中共は3名のカナダ人、元外交官マイケル・コヴリグ氏、実業家のマイケル・スペイヴァー氏とサラ・マクルバー氏とを拉致した。中共の報復活動は加中関係を依然として緊張させている。カナダ外務省広報官のリチャード・ウオーカーは「およそ200名のカナダ人が中共に拘留されている。カナダは今後2000名以上の中国人不法移民を追放するだろう」と表明した。

https://www.soundofhope.org/gb/2018/12/22/n2502778.html

日本もカナダ同様、中国人・朝鮮半島人の不法移民を追放すべきです。入管法改悪・孔子学院放置等、今の政権は国防上の危機感が全然感じられません。この国民あってこの政権なのでしょうけど。

12/23日経<ナバロ米大統領補佐官 米中協議「合意は険しい」 中国産業政策の全面転換迫る

【ワシントン=菅野幹雄】トランプ米政権のピーター・ナバロ大統領補佐官(通商担当)は日本経済新聞の取材に対し、中国との貿易や構造改革を巡る協議で設けた90日の期限内の合意は「険しい」と述べ、安易な妥協をしない決意を強調した。国家主導でハイテクを育成する中国の産業政策には「構造的な変化が不可欠だ」と、全面的な転換を迫る姿勢を示した。(関連記事総合2面に)

ナバロ氏

20日、ホワイトハウス内でインタビューに応じた。ナバロ氏は大統領に助言する立場から通商分野を中心に政策決定への影響力があり、政権きっての対中強硬派。米中協議の設置で合意した1日のアルゼンチンでの米中首脳会談にも同席した。

米国は中国製品に対する制裁関税の引き上げを2019年3月1日まで猶予した。米中が中国の改革策で合意できなければ米国は2千億ドル(約22兆円)分の関税を10%から25%に上げる。

ナバロ氏は協議の状況について「ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表と(中国副首相の)劉鶴氏による水面下の交渉を忍耐強く見てほしい」と指摘。その上で米中合意が「いかに険しいかを政権の大勢が認識している」と明言した。

理由として「中国は約束を破ってきた長い歴史がある」と語った。01年に加盟した世界貿易機関(WTO)のルールや、15年に中国が表明した南シナ海の軍事化や知的財産の侵害を否定する約束が破られた点を挙げた。

ナバロ氏は技術移転の強要や知財侵害、サイバー攻撃やスパイ活動、補助金による産業保護など中国の53項目の不公正慣行を挙げ「ほぼ全てがWTO違反だ」と明言した。

米中協議の成功には「これら全てについて、中途半端でない明確で検証可能な対応が必要だ」と述べた。「中国経済の構造的な転換と(知財侵害を許容する)文化の転換が不可欠だ」とも表明、全面的な改革を求めた。

習近平(シー・ジンピン)国家主席のもとで中国が策定した「中国製造2025」は「将来に産業を独占するための戦略だ」と酷評した。中国は最近、この呼称を使わなくなったが「中国が目標をあきらめたと考える人は皆無だ」と、強い不信感をにじませた。中国が抜本的転換を確約しない限り協議で妥協すべきでないという、政権の強硬派の姿勢を映している。>(以上)

孟晩舟のカナダから米国への引き渡し、ナバロの発言から見て来年の3月1日には予定通り、中国から米国に入って来る製品・サービス全部に高関税が賦課されると予想しています。ナバロ以外の対中強硬派も今まで中国は如何に約束を破り、恬として恥じない厚顔無恥な民族か思い知っています。今更中国が約束しても守らないと心底思っています。朱鎔基がWTO加盟時に約束したことはハナから守る気がなかったのですから。何時も言っていますように中国人の基本的価値観は「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」というものです。

山田氏の記事では、日本人は自分と同じと思わずに外国人を見るべきだと言うのに賛成しますが、別に日本は孤立している訳でもないし、日本と中国の捉え方が小生と両氏では違うのかと感じました。感想を列挙します。

①空海が『三教指帰』を著し、仏教・儒教・道教を比較した上で、仏教が一番優れていると述べています。小生もそうだと思います。現実的な中国人に、哲学を求めてもという事です。ゼロを発見したインド人でなければ思惟できなかったのでは。

②明治維新後、日本は高い金を払って、外国人を雇い技術を教わり、またパテント料も相手企業にキチンと払ってやってきました。盗み取る中国とはやり方が違うという視点が欠落しています。

③共産党の非人間性には触れていません。歴史家であれば、大躍進や文革の悲惨さにも触れるべきでは。今のウイグル人の強制収用も漢人と同じと思っているようでは捉え方が間違っています。中国的価値観だからと言って許されるべき話しではないでしょう。

④中国・韓国人が日本を舐めるようになったのは、日本が何をされても主張して来なかったからです。鷹揚に構えていたわけでなく、日本のエリート層が保身に走った為です。それでも、80年代の中国・韓国とは友好的にやって来たと思われるので、日本は変わらず、相手が変わった(舐めるようになった)のでは。日本が援助して両国経済を大きくしたせいもあります。岡本・山田氏の認識は違うのでは。

⑤沖縄について「属国」という表現が西洋と中国では意味するところが違うとありましたが、それを分かったうえでも、西洋流の定義で行くべき。中国は都合が悪くなれば発言を引っ繰り返すし、利用できるものは何でも利用しようとしますから。岡本氏は石井望先生の言説も調べた方が良いのでは。

12/19記事

日本は嫌でも中国と付き合っていかなくてはならない。その割には、あまりに中国のことを日本人は知らないのでは、と常日頃思っている。中国のことを知らないから中国の一挙一動に踊らされる。世界各国の方がそんな日本を見れば、滑稽と感じられるかもしれない。

中国は巨大といっても、その本質が昔と変わっているわけではない。今回から3回にわたって中国の歴史学者として著名な岡本隆司・京都府立大学文学部歴史学科教授をお招きして、歴史的な背景を学んだうえでの、地に足が着いた中国との付き合い方について考察してみたい。

岡本 隆司(おかもと・たかし)氏
京都府立大学文学部教授。1965年京都市生まれ。神戸大学大学院文学研究科修士課程修了、京都大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学、博士(文学)。専門は近代アジア史。多言語の史料を駆使した精緻な考証で、現代の問題にもつながる新たな歴史像を解き明かす。
著書に『近代日本の中国観』(講談社選書メチエ)や『歴史で読む中国の不可解』(日経プレミアシリーズ)など。

山田:私は、30年近く中華圏で生活をしています。この間、「世界の工場」と呼ばれるようになった中国に日本の企業や人が大挙して出かけていってものづくりをしたり、近年は中国から観光客が日本に押し寄せて買い物をしまくり、その様子が「爆買い」という流行語になるほどの現象になったりと、日本人が中国の人やもの、情報に触れる機会は飛躍的に増えました。ところが、日本人の中国に対する理解や認識というのは旧態依然というか、あまり変わらないんだなというのを最近感じています。つまり、ちょっと中国が騒ぐと政府を含めて右往左往する、一喜一憂するのはそろそろやめようよ、ということなのですが。

そういった観点から、岡本先生のご著書を読むと、気付かされることがあります。つまり、中国の歴史を学ぶと、中国の行動様式は実はそれほど変わっていないのだな、ということ。そういった観点から、いつも勉強させられています。

岡本:ありがとうございます。中国は、好きでも嫌いでも関わらざるを得ない部分があります。若い人たちでも、あるいはビジネスであっても、関わらないといけない。私は文学部というところで中国の歴史に関わっているわけですが、なかなか興味を持ってもらえないというところがあります。

今、中国政府の少しの挙動に対して、日本は一喜一憂したり、すごい過剰反応をしたりして、本当に目先の現象にとらわれてしまっている。中国の根底を知る、あるいは広く知ることができてないからではないでしょうか。

私自身は、本当に歴史しかやってこなかったのですが、最近はいろいろお声掛けいただいて、時事的なことにも意見を言わせていただいています。そうすると、根本的には昔と変わってないな、と考えることが多くなりました。日本人にも長い目で見てもらって、どう変わっているのか、あるいはどう変わっていないのかと考えるような視座を持ってもらうと、もう少し腰が据わるんじゃないかなと思います。

日本の物差しでは中国は測れない

山田:岡本先生は、今年の7月に発行された『近代日本の中国観』(講談社選書メチエ)で、石橋湛山(※1)や内藤湖南(※2)などかつての日本のジャーナリストや学者たちの中国研究や中国に対する見方について紹介されています。その一人に、当時「支那通(中国通を意味する戦前・戦中の表現)」として知られた橘樸(※3)を取り上げておられます。私、東洋大学の中国哲学文学科で学んでいたのですが、実はその時の恩師である中下正治氏(故人)が1966年代に刊行された『橘樸著作集』(勁草書房)に編集委員として携わっていたのです。この著作集が1990年代に再版された際、私は香港にいたのですが、恩師が「弟子が香港にいるから、印税の一部で送ってやってくれ」と出版社にかけあってくれ、献本してもらった、ということがありました。岡本先生が参考文献でこの著作集を取り上げておられたこともあり、先生の著作をより興味深く読ませていただくようになりました。

(※1)石橋 湛山(いしばし・たんざん、1884〜1973)──戦前期に東洋経済新報社の記者、編集長、社長を務めたジャーナリスト。政治家に転身し首相に就任したものの2カ月で辞任。その後は、日本国際貿易促進協会総裁を務めるなど、中国との関係打開に尽力した。
(※2)内藤 湖南(ないとう・こなん、1866〜1934)──戦前を代表する東洋史学者。本名は虎次郎。師範学校卒業後、新聞記者となり中国問題を中心に取材。その後に京都帝国大学の教授となり京都学派を育てた。
(※3)橘 樸(たちばな・しらき、1881〜1945)──中国研究家でジャーナリスト。早稲田大学中退後に新聞、雑誌などの編集に携わる。おおよそ40年を中国で過ごし、中国の合作社運動にも関与した。

岡本先生は、『近代日本の中国観』の「むすび──日本人のまなざし」の章で、中国の政治社会を西洋や日本と同一視し、西洋を物差し(基準)として対比するのが問題であると指摘されています。少し長くなりますが、重要なところなので引用すると、

それが日本人の中国観にもたらしたのは、中国の政治・社会を西洋・日本と同一視したうえで、西洋を基準として対比する認識法である。それは、中国人「よりも中国のことをよく知っている」橘樸も、中国「のことは全く分からなかった」吉野作造(※4)も、「我国民の認識不足」を歎いた石橋湛山も、程度の差こそあれ、選ぶところはなかった。

(※4)吉野 作造(よしの・さくぞう、1878〜1933)──明治から昭和にかけての政治学者。大正デモクラシーの中心人物で、日本を民主主義・自由主義へとリードした。

なるほどと思いました。そして、翻って、いまだってまったくもって同じじゃないかと。

岡本:その通りです。

山田 泰司氏

山田:要は西洋、日本の物差しで中国のことを測るから、例えば日中首脳会談で習近平国家主席が尊大な態度を取ると、何だあれは、と感じるようになる。

岡本:そうなんです。でも、ある程度は仕方がないかなとも思うんです。

我々は普通、何かを書くときに、左から右に書きますよね。だけど昔の日本人はそうじゃなかったはずで、右から縦に書いていたはずです。要するにものの書き方だけでも西洋化されてしまっている。何か物を知るにしても、本当に西洋に囲まれて暮らしていて、西洋が西洋であることすら認識できてないという環境がそこにはある。

教育課程とかいうのも、西洋から入ってきた物です。中国をたまたま題材として学ぼうとしても、全部西洋の学問体系でやっているわけです。日本語でしゃべっていて、日本語で聞いて、分かってよかったね、とやっている。結局、西洋というベースでしか知識がゲットできなかったりとか、物が見られなかったりというのは、我々はしょうがない部分があるんです。

ただ、西洋じゃない国を見るときに、それは日本でも中国でもどこでもいいのですが、そのときにどれだけ我々が、そこが西洋じゃないんだとか、自分たちは西洋の目でしか見られないんだと自覚しているのか。それを自覚するだけでも、だいぶ違うはずなんです。

橘樸をはじめ、この書籍で紹介している人たちは、私なんかよりもよっぽど中国のことを知っている人です。そういう人たちでさえ、やっぱりいろいろなことを間違ったり、見誤ったりする。あるいは行動としておかしなことをする。人ごとではない話です。

中国の中身はそんなに変わっていない

山田:知識だけがあっても駄目だということですね。

そこでちょっとお伺いしたかったのが、最近先生はメディアに引っ張りだこで、ビジネス誌などでも執筆されている。一番の近著である『歴史で読む中国の不可解』(日経プレミアシリーズ)では前書きで、そのような先生の近況に関して、こうお書きになっている。「そのため本業の学会・研究から、余技・雑文とみなされ、あからさまに白眼視を受けることもあった」と(笑)。

まあそうだろうなとは思う一方で、いまだにそうなのかとも思います。だから、中国を見誤る問題というのは、学術界の方にもその原因があるのではないかと思うのです。歴史を研究する際にも、必ず現代にリンクして考えるとか、そんなようなことを意識する必要があるように思います。

岡本:日本の中国研究は、現代を研究する人と、それから昔のことを研究する人とが、もう全然乖離している。どんな地域研究でも、多かれ少なかれそういうことはあると思うんですが、中国研究はものすごくそれが顕著だと思います。

例えば、中国の古典は中国語ができなくても読めちゃう。漢文が分かれば。ですから、日本語だけでやれる。一方で、現代を研究している人は中国語はできるけれども、漢文が読めない。これが典型的な事例です。さすがに最近はもうそういうことがないですけれども、それこそ我々が大学に入ったころだと、「歴史を学びに来たのだから、別に現代のことはどうでもいいわ」みたいな雰囲気はありましたし、私自身そう思っていました。

ただ、これだけ中国との間で行き来があって、我々のような歴史屋も資料を探しに向こうの方に行ったりとかになると、現在の状況が無縁だとはいかなくなってはきている。かといって、現状分析とかに歴史の視点から口を出すとか、あるいは現状の人たちが歴史に対して近寄ってくれるかというと、そこの行き来は非常に少ないなと。

現状の中国研究に関しては、人がどんどん増えて来ています。一方で、歴史の方はすそ野がどんどん狭まってきて、誰もいなくなってきつつある状態です。大学の中国史研究室というと、ほとんど中国人の留学生で占められます。

山田:そうなんですか。

岡本:これは山田さんとも意気投合する部分だと思うのですが、ある程度以上の時間軸を取って見ると、中国は目まぐるしく変わっているようで、実は中身はゆっくりとしか動いてない。そうすると我々からすれば、現状の研究はどんどんやっていただいていいですが、もう少し歴史的な、昔のことを知っていただくと、いろいろ幅が広がるのではと思います。

逆に自分たちの業界で言えば、もう少し現状の人たちと積極的に交流をして、説得したりとか、あるいは間違いを正してもらったりとか、そんなことがあってもいいと思います。シンポジウムや研究会にはいくつも出ているんですけれど、やはり意識とかの点でなかなか共有できていない部分の方が多いんじゃないかなと思います。

私は、幸か不幸かいろいろなご縁があって、ビジネス誌にも書かせてもらったりしています。ただ、歴史の業界の中だけにいらっしゃる方々からすると、「お前何してんねん」みたいな感じはやっぱりありますね。

日本人は中国に興味を無くしている

山田:そうですか。でも歴史に興味を持つ日本人の学生が減っているというのは、ちょっと深刻な問題ですね。

岡本:そうですね。非常に卑近な例で言いますと、私は歴史学科に所属していますが、ここには歴史を勉強をしたい人が来て、1年に40人ぐらい採るんですね。そこで日本史と外国史の比率がだいたい3対1です。外国史を学びたい10人ぐらいの7割が西洋史です。

そうなるのも仕方がないとは思うんです。世界史の教科書を見ても、東洋と西洋の比率がその通りなので。毎年ゼロにはならないので、その辺はいいのかなとか思うんですが。

山田:私は、とにかく日本人は『水滸伝』と『三国志』が大好きな人というのが一定数必ずいるので、いまでもそういう人がたくさん集まってくるんだろうと思っていました。中国史については鉄板というか、心配ないだろうと思っていたんですけれども。

岡本:そうではなくなってきていますね。昔はおっしゃるように『三国志』に興味を持ったら歴史に来て、『水滸伝』に興味を持ったら文学に行くみたいな感じだったと思うんですけど、我々の世代までは。

山田:今の話を伺うと、日本人が中国人に親近感を持たないというのは、歴史についても興味を持つ人が減っているということも関係しているんでしょうかね。

岡本:ニワトリと卵じゃないですけど、そっちの方も大きいかなとも思います。中国の印象が悪くなる、嫌いになるから興味が持てない、興味が持てないので、歴史にも興味を持たない。どんどん知らなくなってくる。負のスパイラル的なところがあって、それこそ日中の関係が悪くなったときが、決定的なタイミングだったのかなという気がします。

一方で、2000年前後に日中関係が悪くなる前までは、中国に対して好意を持っているというような部分も結構あったように思います。日本人って、「あまりよく知らないからこそ憧れる」みたいなところがありますから。ただ、よく見えてくると幻滅する。ちょうど尖閣諸島の件などですごくぶつかり合いがあって。

山田:そうですね。

岡本:何はともあれ、昔だったら「嫌いだ」とか、とにもかくにも意思表示はした。ところが最近は、本当に「興味がない」という感じです。

山田:ただ、隣にいるんだから「興味がない」ではすまないですよね。

岡本:そうなんですよね。非常に厄介な人たちですけれども、だからといって引っ越せないですから。

中国は上下関係で物を見る

山田:でもちょっと極端な言い方をすると、コケにされっぱなしですよね。日本の場合はね。中国にも韓国にも翻弄されているというか。向こうが1枚も2枚も上手です。

岡本:わりと日本がこういうことしかできないというのを、向こうは見切ってやっているという部分もあるのだと思います。確かに日本のほうは、選択肢が少ないんですけれども。ただ山田さんがおっしゃっていたみたいに、日本は本当に一喜一憂というか右往左往という感じですね。

韓国とかを見ていると、朴槿恵政権と文在寅政権って何が違うの、みたいに感じます。国内的に右派と左派が違うだけで、基本的には日本に対してや、あるいは外に対する姿勢なんていうのは、まったく変わってない。それは中国でも、同じだという気がしています。

山田:本当にそうですね。我々は延々と見誤り続けているわけですけれども、そこで今日は、中国を見る上で、ここだけは押さえておいた方がいいんじゃないか、ということを伺いたいなと思うんです。やっぱり孔子の儒教でしょうか。

岡本:そうですね。儒教はすごく常識的な教えで、それを基盤にして中国は独自の思想、物の考え方、フレームワークをつくってきたのでは、といった感じでとらえています。ほかに表現のしようがないので、儒教的な枠組みという言い方をしているのですが、何か教義というよりは、思考法・発想法というべきでしょうか。人でも集団でも国でも、上下関係で物を見ている。

人間世界の現実としては当然で、人が違えば腕力も違うし、知能も違います。立場が違えば、上司部下の関係になりますし、歳が違えば、先輩後輩の関係になります。とにかく対等、平等はあり得ないというところから出発をして、じゃあ、その関係はどう円滑にするのかとか、破綻を来さないようにするのかということを、もともと考えたのが儒教の出発点なんだろうと思っています。

そういう物の考え方というのが、ずっと続いている。例えば、社会全体の枠の付け方とか、集団の秩序のつくり方とかいうようなものまで。そこまで規制しているというのがおそらく中国だということが、ここのところずっと勉強してきて考えているところです。

リアルな人間世界では、そういう上下関係しかないのですが、一方で平等を理想とすべきだというのが西洋的な考え方だと思うんです。平等を前面に出すか、あるいはリアルなところから出発するのかという違いが、多分東西の違いなのかなというふうに理解している感じです。

一つにはまとまれない中国

岡本:そういう上下関係で見るというのが一つ。もう一つは中国はすごく多様であるということ。我々すぐ中国は、とか言いますけど。

山田:本当は黒龍江省はとか、広東省はと言いたいですよね。

岡本:それも我々の西洋的な認識基準では、やっぱりネーションということを基盤に物を考えちゃう。中国という国があったら、ひとくくりで考えがちなんですが、そもそも当の中国人がそういう考え方をしている人たちというのが、どれだけいるのか。あいつは上海人だからとかって、よく言いますから。

ただ、知識人はやっぱり、一つにまとまりたいというのを刷り込まれている部分があると思います。「一つの中国」ですね。過度な干渉はしてくれるなということは、コンセンサスとしてあると思います。

山田:なるほど。香港がまだ返還される前のことですけれども、広東省が香港ドルを採用しようというようなことを考えていたという話がありました。すると広東省に北京から人がどんどん乗り込んできて、トップがどんどん替わったりして。要は香港と一体化しちゃって、力を持ちたいな、みたいな人がいたのです。現代でも、虎視眈々と狙っている人がいるんだなというのが、とても面白かった。

岡本:逆に言うと、それが中央の政府、要人にとっては、ものすごく怖い。だから統制を強めたり、言論を封殺したりする。ですから香港で起こっている独立派の弾圧といったことは、中国は昔から多元的なところがあったので、ああならざるを得ない。それこそ「一つの中国」というのは、すごくインパクトのある言葉ですけど、一つじゃないから、「一つの中国」というんだと。

山田:そこの部分は善し悪しじゃないんですよね。一つでまとまっていこうとするんだったら。昨日もちょっとある人とウイグルの問題について話しました。最近、どんどんウイグルの人たちと連絡が取れなくなっている。収容所があって、そこに入れられているというんですね。人権的にはもちろん許せることではないんですが、じゃあ、中国は漢民族に対して優しいのかといったら、そうではない。

岡本:そうではないですね。そんなの漢民族に言わせたら少数民族を、すごく優遇しているわけですよ。

山田:最近はテクノロジーが発達して、顔認証でコンサート会場で指名手配の犯人が何人も見つかっちゃったりする。上海とか北京だとか、漢民族の町中でもそう。チベットやウイグルとかは弾圧が目立つんだけれども、じゃあ、中央政府が漢民族に優しいかというと、決してそうじゃない。やっていることは同じ。

(明日公開予定の第2回に続く)

12/20記事

中国の歴史学者として著名な岡本隆司・京都府立大学文学部歴史学科教授をお招きして、中国との付き合い方について考察する第2回。前回に引き続き、中国を見誤らないためには、どんなことを理解しなくてはならないのかなど議論した。

(前回の記事「西洋の物差しで中国を測るから見誤る」から読む)

岡本:中国ですごく難しいのは、なかなか本音のところを話してくれないこと。何を考えているのかとか、どうしたいのかとか、捕捉するのがとても難しい。めったなことを言えないというのがあるのでしょうけど。

山田:だから昔から、中国は隠語が発達したのでしょうか。

岡本:我々が読んでいる古典でも、ほとんどの人が読んでいる古典中の古典というのがあって、そこで使われている言葉を張り付けて文章をつくるんですよ。つまりすべて比喩だとか、隠喩だとか。要するに自分のストレートな文章、自分のいいたいことを自分の言葉でいうのは下の下だと。

山田:下の下ですか。一方で、中国人の知人に、例えば、「食べても食べても太らないんだ」なんて言うと、「腹に虫でもいるんじゃないか?調べてもらえ」なんて思った通りのことを真顔で言ったりしますけどね(笑)。

岡本:私的な会話・口語はそれでいいんですが、公的な文章・書面はガラッとかわります。多面的で複雑ですから、ばか正直で、ストレートで、しかもみんな平等な日本人からすると、本当に対極の人たちなんですよね。

とにかく平等は嫌い

山田:本当に忘れちゃいけないのが、平等が嫌いというところですよね。

岡本:韓国人はもっとですけど、とにかく人をランク付けしたい。逆に言うと自分は上にいきたい。

山田:私は農民工の人たちと20年ぐらい付き合ってきたのですが、「出生時点でこんなに格差があって、とんでもない社会だ」ということに対して私は怒るわけですよ。そして、農民工である彼ら自身に、その不平等に憤りを感じないのか? と尋ねるのですが、「それは仕方ないよね」というんですよね。彼らの考え方を理解できない、不思議に思うということこそが、日本的価値観で物を見ているということなんだなと。彼らは本当に平等が嫌いなんだと。

岡本:多分農民工の人たちの中にもすごい格差があって、それでとにかく下がいればそれでいいとか。あの中でも搾取、非搾取関係がある。

山田:ああ、なるほど。

岡本:我々の研究の中でも、乞食ギルドみたいなのがとりあげられることもあるんですよ。とにかく物乞いをしている連中でも親玉みたいなのがいて、下っ端から搾取しているとか。

山田:研究とおっしゃいましたけど、それはいつごろのことでしょう。

岡本:清代とかで、そういう記録が出てくるのですが、もっと前からあってもいいとは思うんです。そういう貧しい人たちでも、その中ですごく争っていて、階層ができている。その間でも、何とか上に上ろうという人たちもいる。ですから、上下関係でもすごく多様で重層的ですし、もちろん平面的にも、いろいろなところがある。

山田:なるほど。私が最初に中国に行ったのは語学留学をした1988年なんですけれど、すぐ思ったのが、やたらに友達、友達と言うよなと。それは建前なんですかね。

岡本:逆にいうと信頼できる人をつくりたいという願望がある。本当に信用できる人たちにはすごいですよね。本当に親密になったら。

山田:僕も本当にどうしてここまで親身にしてくれるんだろうというのがありました。

多様すぎる中国で信用できたもの

岡本:それはおそらく、利益と一体化するのでしょう。地縁、血縁で中国人というのは凝集しますけれど、逆に言うと、それぐらいしか信頼できる人がいない。社会の信頼・信用を醸成する装置がそれしかない。

山田:そこをちょっと詳しく教えていただきたいです。

岡本:中国の貨幣制度はよく分からない最たるものですが、昔の中国は時と所によって、全然使われている貨幣が違っていた。もうちょっとさかのぼると、銀の地金を使っていた地域もあった。結局、中国で統一的に流通する通貨というのができなかった。

それは大きなエリアで、このお金だったら、この紙幣だったら、と信用できる信用度ですか、それを保証するような装置がない。例えば銀行だったりとかが通貨制度をつくって、兌換をしてとかするんですけれど、中国の政府はそういうことを一切しない、というか、できない。社会が多様すぎて。あるいは相対的な権力というパワーがなさすぎて。

そうすると経済活動って、見知った人たちの間で、これはこういう価値で通じるようにやりましょうかとなる。今でしたら、商品券とか。

そうしたら、みんな顔見知りですし、そこで協力しますし、協力したらみんなで利益が分かち合える。そういった商店街がいろいろあったら、商店街ごとで商品券って違うじゃないですか。例えば日本の円と、アメリカのドルという感じで、コミュニティーそれぞれで違う。そうすると、そのコミュニティー同士が取引したい、交流したいとなるとどうなるか。共通で価値が分かるものが必要。

となると貴金属。金とか銀とかでしか、取引ができないという形で、中国の昔の経済社会って成り立っていた。昔はお金がいろいろあったというのが民国時期にはいくつも記録が残っています。「雑種幣制」なんていいます。それが嫌なので、中国で1つにまとめたいといって、蒋介石が頑張ったのが幣制改革だったりとか、毛沢東の人民元だったりとかするんです。

要するにそのコミュニティーの中では通じるので、しかもそれを破ったら制裁を加える規約とかいうのも、自分たちでつくっているんですよ。それは国家の法律とかでは全然なくて、ギルドの内部で残っている。

山田:今の中国には、ギルドはどういう形で残っていますかね。

岡本:いや、どうなんでしょうね。でも、ないはずはないだろうと。

山田:中国研究には一時ギルドが盛んに出てきて、ギルドしか出てこないといっても過言ではなかった。ところが、その後ぱたっと出てこなくなるんです。ギルドというのはどうなったのかなというのは常々思っているんです。1949年以降の中国ってそれまであったものが、本当にぱたっとなくなったものがやっぱりあって。それが80年代、90年代になって、またちょっと出てきたので、そのうちギルドも、ひょっとすると復活するかも。

岡本:おそらく実態的なものはすでにあるんじゃないかなという気はしますけどね。逆に言うと、手前みそで恐れ入るんですが、そういうことを明らかにするとなると、歴史研究がしっかりしてないといけない。連続性でもってとか、あるいはどう連続、非連続なのかというのが歴史研究なしでは分からないと思うので、我々の責任も大きい。

日本は今や孤立気味

山田:あともう1つお書きになっていて素晴らしい視点だと感じたのが、「中国人が沖縄のことを語るときに『属国』だったという言葉を使うと、史実に誤りがないのに、日本人には中国人の暴論に聞こえてしまう、どうやらそこに問題の本質がある」という指摘です。

岡本:そうですね。要するに認識基準が違うんです。

山田:一般の日本人から見ると、感情的になっているのは相手側、つまり中国の方のように見えるんだけれど、実は逆で、中国と付き合っているときに感情的になってしまうのは日本の方じゃないかと、とても思うんです。確かに上から目線でやられたりとか、私も日々、中国で暮らしていて腹の立つことばかりなんです。じゃあ、そこのところで冷静に、本当に感情に走らずに見なきゃいけないというときに、やっぱり中国の歴史とか、物の考え方を知るのはとても重要になっている。

岡本:そうなんですよ。やっぱり引き出しを多く持っていた方がいいですよね。中国に関する知識とか、あるいはこの人たちだったらこういうふうに考えるだろうとか。共感と言うと、少し語弊があるかもしれませんけれど、彼らが普通に持っている知識だとか、常識とかを、こちらがわきまえる必要がありますので。

山田:僕が思うのは、中国人というのは、いけしゃあしゃあと臆面もなく取りあえず言ってみる。言ってみてだめだったら、じゃあまあ、いいか、みたいな。日本人には、物を言われた通りに受け取らないでくださいと、とても言いたい。

岡本:おそらく中国はすごい競争社会ですから、日本人みたいにあうんの呼吸で分かってくれるとか、何か相手は自分のことを思いやってくれるだろうというような、甘い世界じゃない。それこそ多様で、本当に隣の人でも全然、他人のようなところで彼らは日々暮らしていますから、とにかくやってみてだめだったらもう一遍というふうなこと。そこもやっぱり我々とは認識基準が違うので、それが分かるかどうかですよね。

我々はどうあがいても日本人なので、まねはできないです。ただあの人たちが何でそうするのかとか、はいろいろ考える必要がありますし、知っておく必要があります。私、京都にいますので、どこに行っても中国人ばかりなんですよ。観光地とか。それで私の周りにも、「何であの人たちあんなうるさいの?」などと言う人たちがいるんですけれど、あれがあの人たちにとっての普通なんだから。

山田:最近は日本基準がどうも怪しいですね。日本基準は決してグローバルスタンダードじゃない。どちらかというと中国の方がアメリカ人と分かり合えるところがある。日本人は、ぜひそこは認識した方がいいと思います。

岡本:日本は言葉にしても、物の考え方にしても昔からそうですけれど、世界の孤児なんですよ。そこを誤解している方が多い気がします。俺たちは西洋化していて、西洋のことをよく知っていて、だから西洋人と仲がいい。日本はアジアにあるから中国人と顔も似ているし、同じ漢字を使っているし、中国とも分かり合える。みたいなことを言っていますけれど、よくよく考えてみたらどっちでもないので、そういう意味では日本の置かれている位置というのはそもそも危ない。

山田:ちょっと孤立気味だというのは分かっていますかね。

岡本:どうだろう。せめて政府の要人とかはちゃんと認識した上で誤らないように動いてほしいと思うんです。そこがすごく難しいですし、あとマスコミもなかなか大変かなという気はしますので。

やってみたら面白かった中国研究

山田:ところで、先生はそもそもなぜ中国の歴史を学ぼうとされたのでしょう。

岡本:昔から歴史が好きだったのです。そもそも歴史が好きだというだけで、普通からすると若干おかしい人なんですけれど、歴史が勉強できたらどこでもよかったみたいなところがあったんです。中国なんて初めから思ってなかった。

山田:そうなんですか。

岡本:日本の戦国時代とか、あるいはドイツの騎士道とかああいう勢いのあるところに憧れるところはありました。先ほどお話ししていたように、『三国志』は好きでしたから、中国も考えなくはなかったんですけれど、どちらかというと二の次、三の次でした。

ただ、語学が全然できなかったことが1つあって、漢字だし楽かな、って勘違いしまして、中国語を学んだ。歴史をやって、中国語もやって、しょうがないから中国史かな、みたいな。それだけのことだったんですね、初めは。

ただ、中国の歴史はやってみるといろいろ面白い。最初はアヘン戦争を勉強していました。するとイギリスと中国とで、言っていることが違うんです。資料とかを見ていると、当たり前ですけどイギリスは英語で書いてあって、中国は中国語で書いてあって、訳すんです。どう考えても合わないんですよね。同じ事実を述べているとか、あるいは同じ事柄を言っているのに合わない。

自分が理解できていないんじゃないかなと初めはすごい思い悩みました。ある時に悟ったんです。「そうか、この人たち、もともとの考え方が違うんだ」と。だから、「こっちの人はこう言うけどあっちの人はああ言って、そこでもめているんだな」とか。または「ここをこう違うように解釈することで、トラブルを避けているんだな」とか。いろいろなことがそれで解けるようになってきて、少し楽になって、面白くなってきました。

山田:厄介だけれどやってみると面白いということですよね。

岡本:それと我々のころから、中国への留学もそれなりに行けるようになってきた。私は落ちこぼれだったので留学生試験に落ちたのですが、それでも向こうには何回も訪れた。そうすると学者の待遇が全然違う。向こうの方が圧倒的に社会的に地位が上ですよね。知識人がすごく偉いんです。

知識人に対する待遇もそうですが、知識とか学術に対する社会的な位置付けも、中国では違うということは理解しておくべきかもしれません。日本で文部科学省が一番下っ端じゃないですか。

山田:局長級官僚が逮捕されるなど注目されましたけど、今年は。

岡本:扱いが低いからあんなやつらが出てくるんですよ、逆に言えば。

山田:ご苦労されるんじゃないですか、今、文科省があんなだと。

自前の中国、輸入の日本

岡本:いや、もうそれはずっとですよ。大学全体がすごい大変です。ノーベル賞をもらわれた方が、必ず基礎研究費をもっと増やしてほしいと言うように。それでも国が動かない。それが理系の話です。理系は我々とは一けたも二けたも違う金を動かしてやっているわけですけれど、それでもです。

山田:そこに1つ答えがあります。要は文化系も基礎研究をおろそかにしてきたということですよね。

岡本:そうなんですよ。教育とか養成とかいうの、すごく時間とお金が掛かるものなので、その辺の認識をやっぱり改めてもらわないと。結局企業任せというか。

山田:企業に任せると、やっぱり利益に結び付くことしか、やらなくなる。

岡本:そうなんですよ。

山田:そう考えると、中国は今でもむだなことたくさんやりますよね。共産党の理論を考えるのだって、むだなことといえばむだなこと。要はスローガンを先に考えて、理屈は後付けみたいなことを中国は本当にやる。例えば、江沢民の時代に「3つの代表」というスローガンを作った。考えたのはいいけれど、それについて、誰も分からない。

だけどそこから理屈を付けていこうとしたときに、それを考えるインテリジェンスがごまんといるというところが、中国の底力の1つじゃないかと僕は思うんですよ。むだなことも含めて、きちんと研究もしているし、勉強もしている。それが中国の底力だと僕は思っていて、面白いところだとも思っている。それに対して、日本はそこのところがなかったうえに、さらに研究費を削ろうとしている。今後の中国との関係を見る上でも、少し不安なところですね。

岡本:日本人は、そういう意味ではすごく安上がりにいろいろなことをやってきたと思うんです。明治維新にしても、全部輸入ですし、思想というのは外から来るものだと日本人は思っている節があります。中国の場合は自前で考えますよね。自分たちの足場を見直して、ほかの国はどうしているのかということも含めて、いろいろ考えるべき時期に日本は来ていると思うんですよね。

(明日公開予定の第3回に続く)

12/21記事

中国の歴史学者として著名な岡本隆司・京都府立大学文学部歴史学科教授をお招きして、中国との付き合い方について考察する第3回。今回は、中国を理解するための歴史の重大性などについてご教示いただいた。

(前々回の記事「西洋の物差しで中国を測るから見誤る」から読む、
前回の記事「『自分が上に行きたい』中国人との付き合い方」から読む)

山田:こと中国を見るために、こういうことを勉強したらいいよとか、基本的にこういうものを押さえておいた方がいいよ、みたいなことはありますか。先生の著書を読むのはもちろんなんですけど。

岡本:中国といっても、世界のうちの1つですので、やはりほかの世界のものと比べられるような構えを付けておくことはとても重要だろうなと思います。それは歴史で言えば、日本史でも西洋史でもいいんですけど、やっぱり両方を見ることをぜひやってほしいです。

西洋の近代史でもいいですし、中世史でもいいです。勉強をすると中国史の展開とどう違うかというのがよく分かります。歴史の研究は、やはり1つのことに没入することで非常に精密な研究ができるので、決して否定はしません。ただ細かいトリビアが分かったから、じゃあどうなの、という話にどうしてもなります。

大きな文脈で、どのように位置づけられるのかを常に考えるためには、大きな範囲で見ないといけない。じゃないと、中国がどういう位置付けにあるかとか、日本がどういう位置付けにあるかというのが分からない。日本だけで日本を語るというのは、日本を知ったことにはならないと思います。

山田:そうですね。日本に来た外国人に、何で日本に来たの、日本の何を見に来たの、といったことを聞くテレビ番組が人気だったりしますけれども。

岡本:外国の教育体系だとか、社会状況があって、そういうことを分かった上で、日本に来た外国人に聞いているんだったらそれでいいと思うんですよ。単に日本に来た外国人に、何で日本に来たんですかと聞いただけでは意味ないですよね。

山田:それだと、自信をなくしているから単に褒めてほしいだけになりますね。

岡本:昔は自信があったんでしょうね。ですから、韓国とか中国に対して日本人はすごく鷹揚でしたから。ただ、間違った自信の持ち方をしていたのが最近分かってきて、今度は嫌韓、嫌中となる。日本人はちょっと短絡的だなというのは分かりますね。

山田:短絡的。本当ですね。

岡本:向こうの人たちはたぶん変わってないんですよ。日本に対する見方も、自分たちのスタンスの取り方も。

世界に自分の立場を置けるような思考を

山田:確かにこの数年の爆買いブームなどで、日本に来る人が増えていて、実際に中国人を自分の目で見て、印象が変わったとかは確実にある。それは間違いないんですけれども、根本的な見方が変わったかというと、それはない。

岡本:ただ印象が変わっただけでというぐらいなレベルですよ。そういうところを我々がどうわきまえるかというのが実はとても重要で、やっぱり日本人自身の、たぶん考え方の持ち方とか、そういうのがむしろポイントなんだろうなと。

山田:そうですね。好きとか嫌いとか、そういうところから離れて一歩引いたところで、まず相手を見ようよ、相手を知ろうよ。そこからはじめようと。

岡本:私がこうやって本を書いているのも、ちょっとでも関心を持ってくださる方にはきちんと情報を供給しないといけないかなと思っているからです。

山田:日本人は歴史好きな人が多いですよね。

岡本:そうですね。ただ、歴史好きでも単に普通の小説好きでも構わないのですが、例えば自分たちと違う世界に自分の立場を置けるような思考を養ってほしいですね。そういうことが考えられて初めてグローバル化に対応できる人間だろうという気がします。どんどん日本人は内向きになっているような気がするので、そこは大丈夫かな? と思うんです。

山田:中国のことでいうと、若い人の中ではネット中心なんですけど、今年、「深圳すごい」というのがありましたよね。かいつまんで説明すると、それまで中国に縁のなかった20代の日本人の書き手が、イベント取材か何かで初めて深圳を訪れて圧倒され、「林立する超高層ビルの間を電子マネーが飛び交う近未来的な街で、若者が夢を抱きながら生き生きと働いている。それに比べて俺たち日本の若者は死んだような街で死んだように働いている。こんな国にしたオヤジどもよ、一体どうしてくれるんだ」と書いた。そうしたら、あまりにも単純で中国の一面しか見ていないと、どちらかといえば叩く意見が多かった。

ただ、とっかかりはそれで十分だと思う。日本の報道だけ見ていて「中国怖い」で止まってしまうだけよりは、そうやって関心を持って、感情を動かしてくれる方がはるかにいい。さっきも言いましたが、好むと好まざるとにかかわらず、隣人で、ものすごい影響を受けるのですから。

今、日本に留学に来る中国の若者も増えていると思うのですが、どのぐらいのレベルの家庭の人が多いですか。

岡本:大きい大学ですと、留学生の交換制度とかもあったりしますが、我々の規模の大学ですと単発的な感じです。ただ、人数はそれでも増えていますね。やはり裕福な学生しか来られないですよね。

山田:中国に戻ると、日本の専門家になるというよりは、ビジネスの世界で日中の架け橋になる感じでしょうか。

岡本:どうなんですかね。例えば、私のところに来て、日本に住み着いて、日本人と結婚。それで中国にかかわる仕事をしているという人はいます。馬力がありますよね、そういう人は。

山田:逆に日本人で中国に留学する学生はいますか。

岡本:専門でやろうという人の留学は、最近やはり増えてきました。制度がやっと整ってきたというのがあると思います。

「中華人民共和国」は全部日本語

山田:先ほど(対談の第2回参照)沖縄の話を伺いました。中国人が史実として間違えてないのに、日本人には暴論に聞こえてしまう。ここの部分をもう少し掘り下げて教えていただきたいのですが。

岡本:私は、翻訳概念という形で自分の研究をやっているんです。例えば西洋と東アジアが交錯してきたときに、日本は非常に鋭敏に反応して、すぐ近代化を進めようとした。ただ、西洋のいろいろな言葉をどう表現したらいいかに苦労した。その時に基本的には漢字でそれを言い表すようなことをやったわけです。

それが例えば、中国とか東アジアで流布しているような言葉を、西洋の翻訳語だとしたときに、意味の重なり合いというか、にじみ合いというのが出てくるというプロセスが、明治時代にはあった。一番分かりやすい例では、「国家」という言葉がありますが、日本人は「ネーション」とか「ステート」の意味で使うわけですが、同じ時代に中国では国家といったら、それはただの王朝の意味でしかない。

内閣もそうですよね。我々は普通に安倍内閣など、「キャビネット」の意味で使うんですけど、もともとは「内」は宮内庁の「内」、宮中の意味で、「閣」というのは学問所の意味なんです。いわば天皇の家庭教師と、そういう意味なんですよね。要するに天皇のご相談役みたいな家庭教師。そういう歴史を日本人は知っているから、内閣というのをキャビネットの翻訳語にしたんだろうと思います。それが今度、中国に逆輸入されて、袁世凱が内閣総理大臣になった。

沖縄の文脈にもどりますと、中国は伝統的に沖縄は中国の属国だという。もともと属国と言ったら上下関係の下を意味していて、「小さい国だから大きな中国に対して頭を下げて儀礼します」というだけの関係。だから、属国といっても間違えてないんですけど、ただ西洋のカテゴリーの翻訳概念で属国と言ったら、それは「琉球の主権が奪われるんじゃないか」という発想になってしまう。そんな滲み合いが近代史・日中対立のプロセスですね。歴史的事実で「属国」だと言っても、それだけにはとどまらない概念になってくる。

中国の人も、日本人がそうやって作った翻訳概念というのを大量に中国語に受け入れた。先ほどの「国家」、中国語で発音すれば「グゥオジア」という言葉もそうです。それこそ「社会主義」という言葉も日本人が作った言葉。「社会」という言葉は中国にはなかったんですから。

山田:そうですか。

岡本:「中華人民共和国」というのは全部日本語です。中華と言ったら、昔は文明の中心という意味でチャイナではなかった。チャイナでなくても中華はあったんですね。それがチャイナの意味になったのは、日本人が中国のことを支那と言っていたら、中国人が支那は嫌だから中国と言うんだと言い張って、初めてチャイナが中国になったんです。それが「中華」です。「共和」という言葉が「republic」の意味になったのは日本人がそうしたんです。これはいつも笑い話で言うネタです。

山田:中国文学者の高島俊男さんは、支那は本当に悪い言葉だろうか? とおっしゃっていましたね。

岡本:中国がまだ中国という国名ではなかったころ、自分たちの国は王朝名で呼ぶしかない。でも王朝に仕えるのは嫌だという人がいて、自分たちのことをどのように呼ぼうかと考えた。自分たちは国民になりたい。そういう人たちが支那と呼びはじめた。俺たちは支那人と名乗ろうと決めたのです。例えば、中国の革命家が日本で出した雑誌には『二十世紀之支那』というのがあったぐらいです。

だけどよく考えてみると、それは日本人が「俺たちジャパン人」と言っているのと同じ。すごくおかしいので、自分たちの国名を考えないといけないと言いだした。じゃあ、昔から言っている中国にするかと。威張っている国名みたいだけど、まあ、威張るのはみんな一緒だから許してくれ、みたいな形で。

山田:アラン・ブースという作家がいて、太宰治の『津軽』を読んで、作品をたどる旅をしたのですが、そのときに、太宰の実家で、当時は記念館と旅館になっていた「斜陽館」に行ったんですよね。そこでブースが言っているのは、いくらその作家の代表作だとは言え、斜陽なんて縁起の悪い言葉を、もうけなきゃいけない旅館に付ける中国人は誰一人としていないだろう。いかにも日本人らしいと。

中国では町のちっぽけなアパートでさえ「何々国際」「世界ビル」というような威勢の良い名前を付ける。

岡本:我々は中国から文字をもらって、それで自分たちの思考を表してきた。我々が作った言葉が、今度は中国に影響を与える。でもお互いに社会組織とか物の見方・考え方とかが全然違うから、同じ字を使っていても、当然のことながら表現するものとか、表現するベクトルとかが違うはず。そういうことを踏まえて、コミュニケーションを取らないといけないはずです。

山田:まさに魯迅の世代では、西洋のものに関して日本語に訳されたものを中国人が勉強したというのがたくさんありますよね。医学にしても科学にしても。

岡本:それでしか中国人は西洋にアクセスできなかったという歴史があるんですね。もちろん直訳みたいなことを彼らもしてみたんだけど、できない。古典の規制が強すぎて。例えば「進化論」という言葉がありますが、進化という言葉は日本語からきている。最初に中国語で自然淘汰みたいな言葉で訳してみたけど、何か古典語みたいで全然、その意味がイメージできない。

いろいろな言葉がそんな状態。それが古典を踏まえない日本の漢字の並びで中国に入っていったら西洋のものを考えられるようになった。そんな歴史がある。こういったことは、中国人も知らないけど、そういうこともあったんだと、中国人に教えてあげれば、話題になると思うし、お互いに近くなれる。

漢字はすごく面倒くさいですけれども、漢語圏はそれだけに共通の歴史があります。我々は研究レベルの部分が多いんですけど、そうも言っていられないような時期にもきているような気もします。

「正統」について中国はどう考えているか

山田:昨今の言論や世情を見ていると、「学者なんだから、世事のことなんか知らないよ」とばかりは言っていられないという危機感を持ち、何か発言しなければと思われたということですね。ただ、学問を専門にやられている方は、本当に正しいかどうかをはっきりさせるまでは、外に出せないというところが難しいですよね。

岡本:それはやはり学問の厳しさで、学問的な約束としてはそうでないといけない。ただ、もう間違いないだろうとなれば、どんどんアウトプットしていかないと。世の中のスピードも速いですし。

翻訳概念に関してはずっと研究してきました。一昨年ぐらいにやっとまとめて発表したのですが、沖縄の問題や尖閣の問題とか、竹島の問題などが目前に出てくると、ちょっと待っていられないですよね。そういった問題は歴史から考えてくださいと、我々が言わないと誰も言いませんから。

山田:でもそれは、すごく勇気が必要だったと思います。

それと『歴史で読む中国の不可解』(日経プレミアシリーズ)では、「正統」について中国がどのような考え方をするのかについてのくだりも、非常に納得がいきました。「今の共産党政権が『正統』なら、ほかの政治勢力はすべて従順たるべし、さもなくばそれは、『偽』の政権であり、否定すべきものだというわけである。このあたり『三国志』の昔から、ほとんど変わっていない」と。

岡本:特に中国語圏である香港、台湾がまずそうですね。

山田:これだけでも頭に入れておいて、新聞を読んだり、ニュースを見たりすると、だいぶ違うと思いますね。

岡本:我々は歴史を扱っているので、その辺は当たり前なんです。正統派の「正統」ですが、まったく違う意味合いで、普通の日本人にはなじみが薄くて、とても難しい概念ですね。それは中国の資料や歴史書を読んでいたら普通に出てくる話なので、我々の業界では、ことさら強調しないんです。

ただ、ほかの政治学の人たち、例えばアメリカ研究をやっている人たちと話すと、彼らにとってはちっとも常識じゃない。同じアカデミズムの中でもそうです。しかし、ビジネス界など中国を相手にしないといけない人たちがいっぱいいる中で、これら東洋史のことを、学者の中だけでとどめておいていいわけがないんですよね。

そこの垣根はちょっと低くした方がいいはず。でも何か歴史の「正統」論とか言うと、すごく難しくなっちゃって、そのへんの塩梅をうまくするのはやっぱり難しい。

今のことを考えるのに歴史にも目を向けて

山田:いや、先生の著書は勉強になります。本当に知識が付く。どんどん還元してください。

岡本:人間の知識欲とか、関心とかいうのは、それほど衰えてないと思うんです。特に年配の方々は。ですので、もちろん学術をきっちりと養成していく側面はとても大事です。ですが同時に、そういう学術を支えるためにも、やっぱり間口・すそ野は広くしていきたい。

山田:本当に今は、経済の理論とか企業の理論で何でも動き過ぎだと思います。

岡本:私とかがしゃべりに行って、どこまで関心を持っていただけるかは分からないのですが、ただ少し歴史にも目を向けながら、今のことを考えていただきたいというのが、声を大にして言いたいところです。

良ければ下にあります

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『半島がまた、きな臭くなってきた 崩壊した米朝シンガポール合意』(12/21日経ビジネスオンライン 鈴置高史)、『IMF危機を思い出す韓国人 21年前とだんだん似てきた……』(12/15日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について

12/21希望之声<中共国企老总在台北酒店自杀 留下9页遗书=中共の国営企業の社長は台北のホテルで自殺 9頁の遺書を残す>香港に上市している中共の国営企業・中遠海能の取締役社長の賈利賓(39歳)は21日早朝に台北のホテルから飛び降り自殺した。9頁の遺書を残したが、それから推測すると、彼は生前鬱病にかかっていたと思われる。

本当に鬱病で自殺したかどうかは分かりませんが。

賈利賓が自殺した台北のホテル

https://www.soundofhope.org/gb/2018/12/21/n2499487.html

12/21希望之声<圣诞节将至 中共再升级对中国基督教徒的迫害=クリスマスはもうすぐ 中共は中国のキリスト教徒の迫害のレベルを上げる>クリスマスが来るが、中国大陸以外の多くの国のキリスト教徒はクリスマスを喜びの中で迎えるが、中共は中国のキリスト教徒に一層の弾圧を加えている。

クリスマス前に成都警察は百名を超すキリスト教徒(秋雨キリスト教会所属)を逮捕

フランシスコ法王はこれを見てどう考えるのだろうか?

https://www.soundofhope.org/gb/2018/12/21/n2497669.html

上記URLで“Not Found”と表示されましたら、「希望之声」で検索してみて下さい。中共のハッカー部隊が邪魔しているのかもしれません。

12/22阿波羅新聞網<帮川普筑墙!川粉GoFundMe募款 4天筹到1100万美元=トランプの米墨国境の壁建設に役立つように! トランプフアンは募金を集める 4日で1100万$を集める>米国の空軍の退役軍人が16日から壁建設費用を集める募金を始めた。目標は10億$、こんなにも短い期間の内に1100万$も集まるとは思わなかった。総合メデイアは「2016年大統領選でトランプは壁建設を約束し、50億$の予算を掲げ、今議会の批准を待っているがデッドロックに陥っている」と。戦争に3度出征し、米国軍の名誉負傷章であるパープルハート章を貰った退役老兵のBrian Kolfageが16日募金活動を始めた。彼は「多くの米国人は不法移民によって殺害され、且つ不法移民は米国にとって何ら社会貢献もしていない。それで壁を完成させるのは必須である」と述べた。また彼はトランプに投票した6300万人がもし80$ずつ出し合えば合計50億$になるとも呼びかけた。集まった募金は全額トランプ政府に渡すとも。もしこれが実現すれば、GoFundMe募金の歴史の中で最高額となる。21日午前8時時点で18万人が募金し、1100万$以上が集まった。これに抵抗する人もいて、19日にGoFundMe募金で「梯子をかけてトランプの壁を乗り越える」募金を募り、難民救済と移民の教育・法律サービスに充てる考えである。

https://www.aboluowang.com/2018/1222/1221369.html

12/22阿波羅新聞網<孟晚舟案延烧 美国国务院发最新声明=孟晩舟の事件は延焼している>米国国務省広報官(Robert Palladino)は12/21(金)に「華為経営陣の孟晩舟の逮捕は法治国家のカナダで合法的に逮捕された。中共は2名のカナダ国民をすぐに釈放すべきである」と発言した。

https://www.aboluowang.com/2018/1222/1221492.html

12/20韓国海軍の駆逐艦からのP-1哨戒機へのレーダー照射で韓国側は「遭難した漁船を捜索していた」と説明していますが、それなら普通上空にレーダーを当てずに水平にレーダーを当てるのでは。本当に「息を吐くように嘘を言う」民族です。まあ、日本が憲法上の制約があることを知ってやったのでしょうけど。米中露にはやるはずもないのに。すぐ撃沈でしょう。でも反日教育で洗脳(嘘の歴史と嘘の憲法で凝り固まった)された連中ですから不測の事態が起きる可能性もあります。如何に日本の憲法が腐っているか。左翼の「平和主義」と言うのが如何に欺瞞であるかです。憲法前文の「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」というのが破綻しているのが分かるでしょう。憲法改正も前文を直さなければダメです。基本法としておかしい。

明年2/28マテイスの辞任が北朝鮮との関係にどう影響するかです。シリアやアフガンから撤兵し、中国と朝鮮半島に向き合って貰った方が日本にとって良いと思います。日高義樹氏によれば「米北間で戦争しない密約」があるとのこと。まあ、中北への経済制裁で両国の体力が低下して行くのを待つ方が戦争するより遙かにマシですが。ただ、覚悟は持っていませんと、舐められます。

12/21記事

2017年12月に実施された米韓の合同空軍演習「Vigilant Ace」訓練中、京畿道平沢市在韓米空軍烏山基地の上空を飛行する米国の電子戦機EA-18G(写真:YONHAP NEWS/アフロ)

前回から読む)

米朝合意が崩れた。朝鮮半島に再び緊張感が走る。

核を捨てない北朝鮮

鈴置:2018年6月12日にシンガポールで米朝首脳会談が開かれ、両国の関係改善が謳われました。北朝鮮が核を放棄する代わりに、米国は北朝鮮の体制存続を認めることでも合意しました。

しかしこの取引は、雲散霧消しました。北朝鮮は核を放棄するつもりなどなく、それを米国も認識したからです。

米朝首脳会談後、北朝鮮から漏れてくる情報は共通していました。北の当局が「米国を騙すことができた。核を放棄するフリをしてカネを得ることができる」と国民に説明しているというのです。

北朝鮮は過去何度も世界を騙すのに成功してきましたから、国民はそれを信じ「経済制裁が解除され、生活が楽になる」と期待を高めました。ところが米国は制裁を緩めない。

そこで金正恩(キム・ジョンウン)政権は経済制裁は簡単に解けないと国民に説明し「自力更生」を訴える作戦に転じました。国民の失望が自らへの怒りに転化するのを恐れたのです。

9月から「自力更生」運動

自由北韓放送(本部・ソウル)の金聖玟(キム・ソンミン)代表は「2018年9月10日から北当局は国民の学習会を通じ『自力更生』『自給自足』を強調し始めた」と言います。

金聖玟代表は北朝鮮を脱出した後、韓国で北朝鮮の民主化を目指す、北向け放送の自由北韓放送を主宰しています。内部に多くの情報源を持ち、早くて正確な北朝鮮情報に定評があります。

2018年12月14日、日本の「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」などが参議院議員会館で開いた国際セミナーで語りました。韓国語ですが、日本語に逐次通訳されました。動画はここで視聴できます。

朝鮮労働党出版社が学習会配布用に作成した「学習提綱・自力更生、自給自足のスローガンを高く掲げ前進することについて」という題目の資料も、9月に日本の専門家に伝えられています。

状況証拠からも、転換点が2018年9月だったことは明らかです。米朝首脳会談以降、北朝鮮とその代弁者である韓国は米国に対し、終戦宣言を出すよう要求していました。それが9月の国連総会の頃から要求を制裁緩和に切り替えました。

終戦宣言は在韓米軍撤収、さらには米韓同盟廃棄を要求するための伏線です。米国の軍事的な圧迫を取り除くために北朝鮮が仕掛けた大技です。

ただ制裁が続いたままだと、この大技が決まる前に人民の反乱が起きかねない。「シンガポールの首脳会談で米国を騙すのに成功した」と国民に誇り、期待感を持たせたのが裏目に出たのです。

北の核武装に協力する南

—そこで「使い走り」の韓国も制裁緩和を唱えた。

鈴置:その通りです。10月中旬に欧州を訪れた文在寅(ムン・ジェイン)大統領は仏、英、独などの首脳と会談しては強引な理屈をこねて対北制裁をやめさせようとしました。青瓦台(大統領府)は「ローマ法王訪朝」というフェークニュースまで流しました(「北朝鮮と心中する韓国」参照)。

もちろん欧州各国は制裁緩和要求を拒否しました。文在寅大統領は「北朝鮮の核武装に協力する奇妙な指導者」として認識されるようになりました。

文在寅大統領は9月の訪米でも北朝鮮の代弁を繰り返したため、米メディアから「金正恩の首席報道官」と揶揄されていました(「『北朝鮮の使い走り』と米国で見切られた文在寅」参照)。それを上塗りしたのです。

12月4日にオークランドで開かれたNZ・韓国首脳会談後の会見で冒頭、アーダーン(Jacinda Ardern)首相は以下のように語りました。

・北朝鮮がCVID(Complete, Verifiable, Irreversible Denuclearization=完全で検証可能、不可逆的な非核化)を実行するよう希望する。
・太平洋の安全と朝鮮半島に最善を尽くすために、国連制裁を順守する。

制裁緩和を求める文在寅大統領を封じ込めた格好でした。朝鮮日報も「NZ総理、文大統領の前で『北はCVIDに応じよ…制裁を続けてこそ』」(12月5日、韓国語版)の見出しで報じました。

本来、韓国が説いて回らねばならぬCVIDを、外国の首脳から説教されるに至ったのです。韓国は北朝鮮の核武装を幇助し、南北共同の核を目指していると世界の専門家から見なされるに至りました。

最後は物理的手段

—南北朝鮮はなぜ、「米国を騙せた」と勘違いしたのですか。

鈴置:これまで5度も世界を騙すのに成功したからです。それにトランプ大統領が「金正恩委員長とはいい関係にある」などとツイッターなどで持ち上げたのを見誤ったのです。

誰が聞いても褒め殺しです。「いい関係にある」とは「俺の言うことを聞かなければ悪い関係になる――殴り殺すぞ」ということなのですから。

ただ、朝鮮人――コリアンは「親しくなればどれだけ甘えてもいい」と考えます。米国の大統領が「いい関係」と言ってくれたのだから非核化しなくても制裁を緩めてくれる、と思い込んだのでしょう。

米国もその誤解を解こうとしたフシがあります。12月14日の東京でのセミナーで、金聖玟代表が明かしました。

米国の国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長を務めるポッテンジャー(Matthew Pottinger)氏が7月、金聖玟代表に以下のように語ったそうです。

トランプ(Donald Trump)大統領は北朝鮮の意図を知らずに軍事演習中止措置をとったのではない。北朝鮮の終戦宣言と平和協定要求がワナであることも分かっている。北は平和協定締結を通じ核保有国の地位を合法化し、米韓同盟を分裂させ、ひいては北朝鮮主導の統一を夢見ている。

同時に北朝鮮による挑発が起きた時、米軍の韓国支援が法的に制限できること、在韓米軍撤収まで念頭に置いていることも(トランプ大統領は)理解している。

金正恩が優れた交渉者であるなら、非核化で意味のある何かを見せなければならない。金正恩も国際関係の最後の手段には物理的手段があると言うことを分かっているはずだ。

  • 非核化の約束を5度も破った北朝鮮
▼1度目=韓国との約束▼
・1991年12月31日 南北非核化共同宣言に合意。南北朝鮮は核兵器の製造・保有・使用の禁止、核燃料再処理施設・ウラン濃縮施設の非保有、非核化を検証するための相互査察を約束
→・1993年3月12日 北朝鮮、核不拡散条約(NPT)からの脱退を宣言
▼2度目=米国との約束▼
・1994年10月21日 米朝枠組み合意。北朝鮮は原子炉の稼働と新設を中断し、NPTに残留すると約束。見返りは年間50万トンの重油供給と、軽水炉型原子炉2基の供与
→・2002年10月4日 ウラニウム濃縮疑惑を追及した米国に対し、北朝鮮は「我々には核開発の資格がある」と発言
→・2003年1月10日 NPTからの脱退を再度宣言
▼3度目=6カ国協議での約束▼
・2005年9月19日 6カ国協議が初の共同声明。北朝鮮は非核化、NPTと国際原子力機関(IAEA)の保証措置への早期復帰を約束。見返りは米国が朝鮮半島に核を持たず、北朝鮮を攻撃しないとの確認
→・2006年10月9日 北朝鮮、1回目の核実験実施
▼4度目=6カ国協議での約束▼
・2007年2月13日 6カ国協議、共同声明採択。北朝鮮は60日以内に核施設の停止・封印を実施しIAEAの査察を受け入れたうえ、施設を無力化すると約束。見返りは重油の供給や、米国や日本の国交正常化協議開始
・2008年6月26日 米国、北朝鮮のテロ支援国家の指定解除を決定
・2008年6月27日 北朝鮮、寧辺の原子炉の冷却塔を爆破
→・2009年4月14日 北朝鮮、核兵器開発の再開と6カ国協議からの離脱を宣言
→・2009年5月25日 北朝鮮、2回目の核実験
▼5度目=米国との約束▼
・2012年2月29日 米朝が核凍結で合意。北朝鮮は核とICBMの実験、ウラン濃縮の一時停止、IAEAの査察受け入れを約束。見返りは米国による食糧援助
→・2012年4月13日 北朝鮮、人工衛星打ち上げと称し長距離弾道弾を試射
→・2013年2月12日 北朝鮮、3回目の核実験

減っていく外貨

—「勘違いするなよ」と南北朝鮮にクギを刺した……。

鈴置:それも、「最後には物理的手段がある」とドスを利かせています。この話は直ちに平壌に伝わったと思われます。なにせ対北放送の責任者に語ったのですから。

北朝鮮の10月の学習会でも「自力更生」「自給自足」が強調されたそうです。もっとも金聖玟代表によると、当局に対し国民からは「これ以上の自給自足は無理だ」「(1990年代半ばの飢餓の時のように)もう一度、山に入って松の皮を食えと言うのか」などと反発があがっているそうです。

10月に米国が中国共産党との戦いを宣言しました(「中国との冷戦を宣言したペンス副大統領」参照)。

一時期は対北制裁を緩めたと報じられた中国ですがこれ以降、比較的まじめに制裁を順守しているようです。制裁を破ったと因縁をつけられ、米国の怒りに油を注ぎたくはないのでしょう。

韓国は北朝鮮産石炭の輸入など露骨な制裁破りを繰り返してきました(「『言うことを聞け』と文在寅を叱ったトランプ」参照)。

が、北との取引に動く韓国の銀行や財閥に対し、米国が制裁――2次制裁ということになりますが、これをチラつかせて牽制しています。

韓国から資金逃避が起き始めている。そんなガソリンの蒸気が部屋に満ちている今、韓国の銀行や財閥に対する2次制裁は部屋のなかでマッチを擦ると同然です(「IMF危機を思い出す韓国人」参照)。

昨年秋に強化された制裁により、北朝鮮は外貨建て輸出が激減しました。一方、中国からの禁輸品以外の輸入は続いている。手持ちの外貨を使って食糧輸入を維持しているわけですが、「外貨の貯金」がいつまで持つか不明です。

「人権」を言いだした米国

北朝鮮経済は相当に苦しい……。

鈴置:それも先細りです。だからこそ「使い走り」の文在寅大統領が、世界の顰蹙も無視して制裁緩和を訴え続けているわけです。

北朝鮮がショックを受けたのは、経済制裁が緩まないどころか、人権問題を米国がこと挙げし始めたことでしょう。

12月10日、トランプ政権は人権侵害を理由に朝鮮労働党幹部と北朝鮮政府の3人を制裁対象にすると発表しました。

AFPの「米、北朝鮮高官3人に人権侵害で制裁 金委員長の右腕も対象」(12月11日、日本語版)などが報じました。

制裁の内容は在米資産の凍結などで実効性は低いのですが、北朝鮮当局は頭を抱えたと思います。6月の米朝首脳会談後、初めて米国が再び「人権状況の改善」を北に突きつけたのです。「人権問題のデパート」である北朝鮮にとって、これを指摘されたら手も足も出ない。

制裁を所管する米財務省は「ワームビア(Otto Warmbier)氏の事件がこの制裁の背景にある」とはっきり表明しました。発表文はここで読めます。

ワームビア氏は北朝鮮を旅行中に逮捕され、1年半後の2017年6月に米国に送り返されましたが、帰国直後に亡くなった米国の青年です。家族は拷問の末に殺されたと主張しています。

そのワームビア氏の家族は北朝鮮に対し11億ドルの損害賠償を要求しました。米政府系のVOAが「12月17日に確認した」として報じました。

「ワームビア家族、北朝鮮に賠償額11億ドルを請求…『懲罰的な賠償判決で北朝鮮を処罰せねばならない』」(12月18日、韓国語版)です。

夜間給油訓練の標的は北

—米国はなぜ今、北朝鮮を「人権」で攻撃し始めたのですか。

鈴置:北朝鮮が非核化に応じないと見切ったのです。話し合いで解決できると考えていた時は「人権」まで持ちだすと交渉が複雑になるので控えていた。

しかしどうせ対話で解決できないのなら、北朝鮮を「許すことのできない敵」に認定したと自国民にも世界にも表明し、圧力を最大限まで強めるつもりでしょう。

12月14日、トランプ大統領がツイッターで「米朝協議は急がない」と表明したのも、この一環と思います。

2017年11月の韓国国会演説で、トランプ大統領は北朝鮮の人権状況がいかにひどいかを強調しました。金正恩政権を「共に天をいだけぬ敵」に認定したのです。

当時はいつ米国が先制攻撃するか、世界がかたずを飲んで見守っていました。その段階に逆戻りしてきたわけです。

安保専門家が注目した航空事故があります。12月6日午前2時ごろ、米海兵隊のFA18戦闘攻撃機が夜間の給油訓練中にKC130空中給油機と衝突し、両機とも室戸岬の100キロ沖に墜落した事故です。

AFPの「高知沖で米軍2機墜落 1人死亡 5人不明 訓練中に接触」(12月7日、日本語版)は米海兵隊の発表を受け「定期訓練中だった」と報じました。

しかしある専門家は「夜間の給油訓練は最も危険な訓練。相当な必要性があって実施していたに違いない」と首を傾げました。「定期訓練」ではなく「特定の目的があっての訓練」と言うのです。

墜落した海兵隊のFA18は山口県・岩国基地の所属です。第2次朝鮮戦争が勃発すれば深夜、北朝鮮を真っ先に空爆する部隊と見なされています。そしてこの専門家は「空中給油が必要な攻撃目標は北朝鮮以外にない」と断言します。

■トランプ大統領の韓国国会演説(2017年11月8日)のポイント(1)

北朝鮮の人権侵害を具体的に訴え

10万人の北朝鮮人が強制収容所で強制労働させられており、そこでは拷問、飢餓、強姦、殺人が日常だ

反逆罪とされた人の孫は9歳の時から10年間、刑務所に入れられている

金正恩の過去の事績のたった1つを思い出せなかった学生は学校で殴られた

外国人を誘拐し、北朝鮮のスパイに外国語を教えさせた

神に祈ったり、宗教書を持つクリスチャンら宗教者は拘束、拷問され、しばしば処刑されている

外国人との間の子供を妊娠した北朝鮮女性は堕胎を強要されるか、あるいは生んだ赤ん坊は殺されている。中国人男性が父親の赤ん坊を取り上げられたある女性は「民族的に不純だから生かす価値がない」と言われた

北朝鮮の国際的な無法ぶりを例示

米艦「プエブロ」の乗員を拿捕し、拷問(1968年1月)

米軍のヘリコプターを繰り返し撃墜(場所は軍事境界線付近)

米偵察機(EC121)を撃墜、31人の軍人を殺害(1969年4月)

韓国を何度も襲撃し指導者の暗殺を図った(朴正煕大統領の暗殺を狙った青瓦台襲撃未遂事件は1968年1月)

韓国の艦船を攻撃した(哨戒艦「天安」撃沈事件は2010年3月)

米国人青年、ワームビア氏を拷問(同氏は2016年1月2日、北朝鮮出国の際に逮捕。2017年6月に昏睡状態で解放されたが、オハイオに帰郷して6日後に死亡)

「金正恩カルト体制」への批判

北朝鮮は狂信的なカルト集団に支配された国である。この軍事的なカルト集団の中核には、朝鮮半島を支配し韓国人を奴隷として扱う家父長的な保護者として指導者が統治することが宿命、との狂った信念がある

裏切り者との演習は不要

—北朝鮮を攻撃する訓練をしているということですね。

鈴置:専門家の多くがそう見ています。6月の米朝首脳会談以降、メディアは「融和ムード」を醸し出してきました。でも、あの会談では肝心なことは何も決まっていないのです(「から騒ぎに終わった米朝首脳会談」参照)。

北朝鮮はそもそも、核を放棄するつもりなどない(『米韓同盟消滅』第1章第1節)。米国も、ポッテンジャー上級部長が語ったようにそれは初めから分かっている。いつでも戦争モードに戻るでしょうし、戻り始めたと見る専門家が増えている。

—しかし、米国は韓国との合同空軍演習を中止しました。

鈴置:年末に実施する「Vigilant Ace」ですね。ただ、今や「韓国と合同演習をしない」方がきな臭いのです。

「Vigilant Aceは対北先制攻撃の訓練です。文在寅大統領は「米国が先制攻撃する際は北に通報する」と公言しています(『米韓同盟消滅』第1章第1節)。

米国にすれば「Vigilant Ace」を実施して裏切り者の韓国に手の内を見せるわけにはいかない。そもそも敵と内通する韓国と肩を並べて実戦を戦うことがなくなった以上、合同訓練も不要なのです。

猿に鶏を殺させる

—では、米国の先制攻撃の可能性が再び高まった?

鈴置:米国は人権を持ち出し「北朝鮮敵視」の姿勢を再び明確にしました。中国に対する圧力にも使うつもりでしょう。「トランプの米国は何をするか分からないぞ」と、猿の目の前で鶏を殺し脅す作戦です。

覇権を目指す中国を叩きつぶすべく、米国は全力をあげています。長期戦になるでしょうがとりあえずは、2019年2月末に尻を切って中国から様々の譲歩を引き出そうとしています。

その譲歩の中に、対北制裁の徹底的な強化――例えば、食糧輸出の実質的な制限を入れさせる手があります。中国が本気になって食糧輸出を断てば、北朝鮮は直ちに崩壊します。

米国は中国を圧迫することにより、中国をして北朝鮮を崩壊させることができるのです。ここまで来ると「猿に鶏を殺させる」と言った方が正確ですが。

もちろん韓国も北朝鮮もこの手には気付いている。だから南北の鉄道連結工事などを開始して、韓国から北朝鮮に援助物資を運び込むパイプをこじ開けようとしているのです。

(次回に続く)

12/15記事

通貨危機に見舞われた韓国ソウルで1997年11月、金融改革方針を巡る反政府集会に参加した韓国銀行の行員たち(写真:ロイター/アフロ)

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韓国人は今、1997年の通貨危機を思い出す。資本逃避が始まるなか日米との関係が悪化し、金融の命綱を失う。というのに政権は手をこまねき、政界は抗争に明け暮れる――。21年前とだんだん似てきたからだ。

面子も職も失った

鈴置: 11月28日封切りの映画「国家不渡りの日」が韓国でヒットしています。初めの1週間で157万人が見たと報じられています。

韓国は1997年秋から通貨危機に見舞われ結局、IMF(国際通貨基金)に救われました。タイトルが示すように、当時の経済危機を描いた映画です。

実録風の映画ではありますが、この危機を利用して大儲けしたという架空の人物も登場します。韓国語の予告編はここで見られます。

—「IMF危機」ですね。

鈴置:そうです。韓国に乗りこんできたIMFは構造改革と称し、金融、貿易の保護政策をすべて撤廃させました。韓国人は経済の国家主権を失ったと嘆き、日本による植民地化に続く「第2の国恥」と呼んだのです。

韓国人が失ったのは面子だけではありませんでした。IMFが実施した厳しい緊縮政策で、多くの人が職を失いました。

経済が回復した後も、企業は非正規職の比率を高めたうえ、正規職に対しても「名誉退職」の名の下、40歳代定年制を導入するなど、厳しい姿勢を維持しました。

IMF危機を境に韓国経済の国際競争力は格段に高まり、サムスン電子や現代自動車など世界に冠たる企業が登場しました。しかし同時に雇用の不安定、貧富格差など現在、韓国が抱える問題も生んだのです。

お灸をすえた米国

—なぜ今、「国家不渡りの日」がヒットしているのでしょうか。

鈴置:状況が当時と似てきたからです。朝鮮日報の「〈ファクトチェック〉映画『国家不渡りの日』 韓銀がIMFを食い止めようとしたって?」(12月4日、韓国語版)によると、この映画は最後のシーンで「危機の再来」を訴えているそうです。

実際、外国人が株を売り、資本逃避が起き始めています(「新日鉄住金が敗訴、韓国で戦時中の徴用工裁判」参照)。

しかし、いざという時にドルを貸してくれていた日本や米国との関係が極度に悪化しました。韓国は北朝鮮の核武装を幇助する裏切り者と見切られたのです(「『米韓同盟消滅』にようやく気づいた韓国人」)。

政府がこの危さに気付き、経済や外交政策を根本から変えれば何とかなるかもしれない。しかし文在寅(ムン・ジェイン)政権は唯我独尊。経済政策の失敗で失業率が上がろうが、異様な対北接近で米国や日本との関係が悪化しようが、全く気にとめません。

IMF危機を招いた金泳三(キム・ヨンサム)政権も強気の外交を展開し、米国や日本との関係を悪化させました。

半面、中国にすり寄ったので、怒った米国は韓国が最も必要とする時にドルを貸さず、日本の対韓緊急融資も止めました。IMFに行かせるため――韓国にお灸をすえるためです。

米韓同盟消滅』の第2章第4節「『韓国の裏切り』に警告し続けた米国」は、当時の状況――例えば米軍の機密を中国に渡すようになった韓国に米国が激怒した――を解説しています。

金泳三のデジャヴ

—金泳三政権は危い状況に気が付かなかったのですか?

鈴置:大統領選挙を控え野党との政争に没頭するあまり、経済にまで気が回らなかったのです。政権末期で士気が落ちており、重要な情報が大統領に上がらなかった、とも言われています。

次の大統領選挙は2022年なので、現在は政権末期ではありません。が、文在寅政権も経済音痴ぶりを発揮しています。

「所得を増やせば景気はよくなる」との単細胞的な発想で、最低賃金を一気に1割以上も引き上げました。

多くの零細・中小企業の採算が取れなくなり、従業員を解雇したり廃業に追い込まれました。その結果、若者の雇用は減少し、景気も悪化しました。

政策ミスが明らかになったにもかかわらず、文在寅政権は軌道修正しません。「現実から目をそらすな」と韓国各紙は激しく批判しています。この辺りも「金泳三のデジャヴ」なのです。

そんな状況下で、日本との関係悪化が新たな懸念材料に浮上しました。韓国経済新聞は韓国政府が慰安婦合意を事実上破棄した11月21日、社説「外交がせねばならぬこと、してはならぬこと、見分けているか」(韓国語版)で以下のように書きました。

国際金融市場の揺れが次第に激しくなる中、通貨スワップの締結が不振だ。カナダ、スイスなどとは結んだが、米国や日本といった重要国とはなしの礫(つぶて)だ。

日本とのスワップ協定は少女像(慰安婦像)などの問題で交渉チャネルまで途絶えた。

「韓国が再び通貨危機に陥った際、以前のように助けてくれる国があるのか」との憂慮が国内外から聞こえてくる。

韓国の通貨スワップ(2018年12月14日現在)

相手国 規模 締結・延長日 満期日
中国 3600億元/64兆ウォン(約523億ドル)終了→再開? 2014年
10月11日
2017年
10月10日
豪州 100億豪ドル/9兆ウォン(約72億ドル) 2017年
2月8日
2020年
2月7日
インドネシア 115兆ルピア/10.7兆ウォン(約79億ドル) 2017年
3月6日
2020年
3月5日
マレーシア 150億リンギット/5兆ウォン(約36億ドル) 2017年
1月25日
2020年
1月24日
スイス 100億スイスフラン/11.2兆億ウォン(約101億ドル) 2018年
2月20日
2021年
2月19日
CMI<注1> 384億ドル 2014年
7月17日
カナダ<注2><注3> 定めず。通貨はカナダドルとウォン 2017年
11月15日
定めず

<注1>CMI(チェンマイ・イニシアティブ)は多国間スワップ。IMF融資とリンクしない場合は30%まで。

<注2>カナダと結んだのは「為替スワップ(bilateral liquidity swap)」で市中銀行に外貨を貸すのが目的。中央銀行に対し市場介入用の外貨を貸す「通貨スワップ(bilateral swap)」ではない。

<注3>カナダとは「規模も満期日も定めない常設協定」と韓銀は発表。英文の発表文では、発動は「市場の状況が許せば」「必要に応じて」としているところから、規模などはその都度協議して決めるものと見られる。

<注4>カッコ内は最近の為替レートによる米ドル換算額
資料:韓国各紙

警告を始めた保守系紙

—日韓関係の悪化が通貨危機につながるとの懸念ですね。

鈴置:初めは経済紙がそれを訴えていました。12月に入ると一般紙にも「日本との関係を悪化させると経済危機に陥るぞ」と警告する記事が載り始めました。

東京特派員を経験した朝鮮日報の鄭権鉉(チョン・グォンヒョン)論説委員が12月5日「『反日の代価』は高い」(韓国語版)を書きました。

韓国が日本に対し外交戦争を仕掛けるたびに、日本から反撃された事実を思い出せ、という趣旨の記事です。次の1文があります。

日本は通貨スワップ中止など金融制裁という切り札を随時、使ってきた。

同じ保守系メディアでも、ネットはさらにはっきりと日本との関係悪化が通貨危機を呼ぶと警告しました。

失敗を繰り返す愚かな国民

趙甲済(チョ・カプチェ)ドットコムで、日本語に訳せばファンド・ビルダーあるいはバンダービルドのペンネームで活躍する識者が「またもや同じ失敗を無限に繰り返す傾向」(12月4日、韓国語)を書きました。

ファンド・ビルダー氏はまず、朝鮮日報の「〈ファクトチェック〉映画『国家不渡りの日』 韓銀がIMFを食い止めようとしたって?」から、以下の部分を引用しました。要約しつつ引用します。

1997年当時、通貨危機が深刻になると、日本からドルを借りる案が浮上した。だが、その前に香港証券市場が大暴落したため、日本の政府と民間銀行は資金事情が厳しくなり、韓国に貸す余裕がなくなっていた。

そのうえ金泳三大統領が「日本の悪い癖をしつけ直す」と会見で語っていたため日韓関係は最悪の状況に陥っていた。日本からの支援は得られず、IMFを頼るしかなかった。

当時を振り返ったうえ、ファンド・ビルダー氏は「失敗を繰り返す韓国人」を嘆きました。

日本に対し「悪い癖をしつけ直す」と一喝した後、IMFの世話になった前轍を踏んではならない。

というのに今、韓国人は対策もなしに「慰安婦」「徴用工」の件で日本に対し「差し押さえ」まで云々するなど大声を出している。そんな姿を見ていると、第2のIMF事態が起きるのではないかと本当に心配になる。

愚かな国民は過去から何の教訓も得られず、ひたすら同じ失敗を無限に繰り返す傾向が強い。朝鮮時代に我らの先祖がそうであったし、現在の韓国人もまた、同じであるようだ

実録・IMF事態の内幕

—金泳三大統領の発言のせいで日本はスワップを拒否したのですか?

鈴置:それは誤りです。「香港市場の暴落」も関係ありません。日本銀行は韓国銀行の要請に応じ、ドルを貸そうとしました。しかし、米FRB(連邦準備理事会)がそれを止めたのです(『米韓同盟消滅』第2章第4節「『韓国の裏切り』に警告し続けた米国」参照)。

しかし韓国では「日本を怒らせたからスワップ獲得に失敗した」ことになっています。ただ、今度は本当にそうなります。韓国にやりたい放題されている日本が、スワップを与えることはまずないでしょう。

ファンド・ビルダー氏の記事に追い打ちをかけるように、趙甲済ドットコム(韓国語)は「〈実録〉IMF事態の内幕(上)―大統領はいなかった(1)」(12月11日)、「〈実録〉IMF事態の内幕(上)―大統領はいなかった(2)」(12月12日)、「〈実録〉IMF事態の内幕(上)―大統領はいなかった(3)」(12月13日)を連載しました。

通貨危機当時、月刊朝鮮の編集長だった趙甲済氏が自身の雑誌の1998年3月号に書いた記事を分割して再録したのです。

大統領はいなかった

この記事は韓国経済研究者の必読文献です。1997年11月7日以降、青瓦台(大統領府)、財政経済院、韓銀の関係者がどう危機に対応したかを日報の形で克明に記録した、文字通り「実録」なのです。

20年前の記事を再び公にしたのは「文在寅という無能な政権に任せていると再び通貨危機に陥るぞ」とのメッセージを国民に送るためと思われます。

なお、韓国が通貨危機に襲われた2008年10月27日にも趙甲済氏は、この記事を「1997年通貨危機と2008年経済危機」の見出しで自身のサイトに一挙掲載しています。

今回の再掲記事の見出しに「大統領はいなかった」とあるように、趙甲済氏はこの記事で金泳三大統領の経済危機に対する無関心さや、IMFによる救済がどういう結果をもたらすかまったく理解できなかった無能さを、たんたんと事実を記すことで浮き彫りにしています。

普通の韓国人がこの記事を読んだら、文在寅大統領の無関心さと無能さにたちどころに思い当たるのです。

怒りを米国に向けさせる

—深い意味のある再掲載なのですね。

鈴置:もう1つ目的があると思われます。映画「国家不渡りの日」は実録風ではありますが、かなり脚色されていて米国陰謀論の色彩が濃い。

この映画によって「米国のために通貨危機に陥った」との認識が深まり、反米ムードが盛り上がりかねない。韓国政府の無能ぶりを明らかにすることで、それを防ぐ狙いと思います。

—韓国人は「日本のせいでIMF危機が起きた」と信じているようですが。

鈴置:その通りです。「米国ではなく日本が悪い」というのが長い間、韓国の常識となっていました。興味深いのはこの映画が、韓国人の怒りの矛先を日本から米国に向けさせようとしている点です。

朝鮮日報の「〈ファクトチェック〉映画『国家不渡りの日』 韓銀がIMFを食い止めようとしたって?」も、「IMFの後ろには米国がいて韓国との交渉を操っていたと描いているが、IMFの最大の出資者は米国であり、その声が大きいのは当然だ」と、この映画を批判しています。

1990年前後に毎日新聞のソウル特派員を務め、韓国映画に詳しい下川正晴氏は「時代性」「同時性」がその特徴と解説します。今起きていること、あるいはこれから起きそうなことを好んで題材に取り上げるのが韓国映画というわけです。

韓国映画は日本のそれと比べ、世論を誘導する役割がはるかに大きい。「米国こそが自分たちを南北に分断する元凶なのだ」とのメッセージも娯楽大作「JSA」などの映画によって韓国人に刷り込まれてきました(『米韓同盟消滅』第1章第4節「『民族の核』に心躍らせる韓国人」参照)。

同盟破棄の起爆剤に

そして、韓国の「反日」は「反米」の伏線であることが多い。左派は国民の合意を容易に得られる「反日」を盛り上げ、次第にそれを「反米」へと転化していく――と保守派は言います。

例えば、「南北共同で民族の核を持つ」という夢を語る映画が時々制作されます。1995年の「ムクゲノ花ガ咲キマシタ」では民族の核は日本に落とされました。

しかし、2017年の「鋼鉄の雨」では米国を念頭にした「民族の核」に変質しました(『米韓同盟消滅』第1章第2節「『根腐れ』は20世紀末から始まっていた」参照)。

「国家不渡りの日」がIMF危機という民族の苦痛も、日本ではなく米国の陰謀によってもたらされたとの刷りこみを狙う映画とすれば、韓国の左派とその背後にいる北朝鮮は、近く再燃するかもしれない通貨危機を米韓同盟廃棄の起爆剤に利用するつもりかもしれません。

(次回に続く)

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『ファーウェイめぐり勃発した米中IT覇権争いは「対岸の火事」ではない』(12/18ダイヤモンドオンライン 真壁昭夫)、『中国が米国との関係修復で歩み寄る決断をした3つの理由』(12/18ダイヤモンドオンライン 加藤嘉一)について

12/20facebook 中国观察 厉害了他妈的国凄いぞ fuck youの国) 投稿

加拿大小伙子在中国买火车票,售票员说: “买票实名制,所以需要看护照”。结果加拿大小伙子在压迫下,在不得已情况下,就辱华了

这位加拿大小伙子的行为,证明了加拿大人民一身正气,大义凌然。连骂街都显得那么高尚和幽默典雅,真是个非常有素质的洋大爷 ?

カナダの若者が中国で列車の切符を買うとき、売り子が”実名を確認するので、パスポートを見せるように”と言った。結果、カナダの若者は圧迫を感じ、やむを得ない状況の下、中国を罵った。このカナダの若者の行動は, カナダ人が誠実かつ大義を持っていることを証明している。 街を罵る時ですら、とても優雅でユーモアがあり、本当に優れた西洋人であること?

https://www.facebook.com/Lihailetamadeguo/videos/1886537954791889/

12/21阿波羅新聞網<川普破天荒 重磅惩罚中共不对等 北京示好美国打压加拿大=トランプは破天荒 中共の不平等扱いに厳罰 北京は米国に優しくカナダに圧力>中共はカナダに孟晩舟の逮捕の報復として、既に3名のカナダ人を逮捕した。伝えられるところによると、中共は米国産大豆を大量購入し、米中貿易協議を和らげる雰囲気作りに役立てた。しかし米中間には多くの領域で対抗関係にある。ロイター社は、「中共は11月に原潜から発射したミサイルの標的は米国で、狙いは成功した」と報道。トランプは19日(水)にチベット旅行対等法に署名し、正式法案として成立させた。これは、中共の米外交官や報道機関のチベット・ウイグル入境制限に対して、米国もチベットの中共官員の入国を制限するもの。これは米中が国交を結んで以来、米国が中国に初めて対等を要求したもの。米中は全面的な冷戦に入り、貿易戦はその一部に過ぎない。

https://www.aboluowang.com/2018/1221/1221216.html

12/21阿波羅新聞網<大限逼近 习近平难出手 北京被迫减持美债 欧盟助川普一臂之力

——贸易战压力大;北京被迫减持美债;撑人民币汇率=大きな限界が迫って来る 習近平は手出しができず 北京は米国債を減らすことを迫られる EUはトランプに救いの手を差し伸べる 貿易戦の圧力は大きい:北京は米国債を減らすことを迫られる 人民元レートを支えるために>12月初めに中共は米国と貿易戦で90日間現状維持することで合意、中共は経済構造を調整することを約束したが、中国問題の専門家は「中共内部は分裂していて、習近平が方向を打ち出すのは困難であろう」と見ている。EUは20日再度、中共の強制技術移転問題をWTOに訴え、解決を図ろうとしている。技術移転しないで良いというのは18年前に中共がWTO加盟時に朱鎔基総理が承諾したことである。日本経済新聞は、「中国は最近、人民元レートを維持するため、米国債を売りに出している。トランプ政府から為替操作国と批判されないために」と報道。

https://www.aboluowang.com/2018/1221/1221242.html

12/21阿波羅新聞網<习近平不得不对川普让步?中共钱包遭腰斩 实际情况更惨 ——11月税收遭腰斩 上海等三直辖市工业增速跌至负值=習近平はトランプに譲歩せざるを得ない? 中共の財布は斬られた 実際の状況は悲惨に 11月の税収は大幅下落 上海等の3直轄市の工業指標は急速に落ち込みマイナスに>米中貿易戦は90日の猶予を貰って停戦となったが中国の経済指標は好転していない。中共財政部の先週発表した数字は、ピークだった4月と比べ大幅に落ち、11月の消費税、企業所得税とも年初の数字位である。18日の国家統計局の数字では、北京・天津・上海のある規模以上の工業指標は急激に落ちてマイナスとなった。ある銀行の幹部は「今年の10月までの返済違約件数は歴史的な記録を誇り、債務危機のレベルが上がっている」と。

https://www.aboluowang.com/2018/1221/1221247.html

真壁氏と加藤氏では見解が相当離れている印象を受けます。真壁氏が米国からの情報、加藤氏は中国からの情報によるせいではないかと考えます。90日に纏まるくらいなら、とっくに纏め上げていたでしょう。米国としても覇権を奪われないためには中共に手綱を緩めることはできないと思われます。もし、合意に達するとすれば、中共の詐欺に米国が引っかかったことを意味します。そこまでトランプは馬鹿ではないでしょう。朱鎔基のようにWTO加入時に、ハナから騙す気でいたのですから。中国人と共産主義者は平気で嘘がつける人達です。恥を知らない連中です。

真壁記事

米国の共和党内部には、ファーウェイの米国ビジネスそのものを禁止すべきとの主張まである… Photo:REUERTS/AFLO

米国と中国のIT覇権をめぐる争いが激化

“攻める中国”vs“守る米国”――。

12月に入って、米国と中国のIT覇権をめぐる争いが一段と熱を帯びてきた。この問題は、一朝一夕に片づくものではない。米国では一部の政治家だけでなく世論も、安全保障を理由に中国に対する強硬姿勢を強めている。先行きは楽観できない。

両国にとって、IT先端技術の競争力を高めることは、世界の政治・経済・安全保障にかかわる重要な問題だ。米国は自国の優位性を守りたい。一方、中国は米国をはじめ世界各国で、自国のIT関連製品やサービスのシェアを高め攻勢をかけたい。そもそも両者の利害が鋭く対立する中で、米国と中国が簡単に歩み寄れるはずがない。

中国最大のスマートフォンメーカーであるファーウェイの副会長兼CFOが、カナダ当局に逮捕された。この件を受けて、先進国を中心にファーウェイの製品を排除する動きも目立ち始めた。米国の対中強硬姿勢が強まるに従い、中国もハードラインを取らざるを得なくなる恐れは高まっている。

今後の両者の貿易交渉は難航するだろう。

覇権にこだわり“守り”を固める米国

安全保障とは、国を守ることである。米国は安全保障を理由にして、中国への強硬姿勢を一段と強めている。当面、米国の対中強硬姿勢は、高まることはあっても、軟化することは考え難い。

その背景には、中国の脅威から米国を守る危機感の高まりがある。

12月1日から、対中強硬論者であるライトハイザーUSTR(米通商代表部)代表が対中交渉の責任者に就いた。

「中国がIT先端技術と海洋進出などによって脅威を強めている」と主張するナバロ大統領補佐官も、今後の交渉で重要な役割を果たすだろう。両氏とも安全保障を理由に、中国への制裁強化の必要性を説いている。

米国議会全体でも対中強硬論は勢いを増している。中間選挙を経てトランプ大統領は民主党との関係改善を狙っている。民主党のシューマー上院院内総務や、ペロシ下院院内総務の対中姿勢はトランプ政権幹部よりもむしろ強硬だ。

共和党内部には、ファーウェイの米国ビジネスそのものを禁止すべきとの主張まである。

米国の企業経営者やロビイスト、市民も、中国が米国にとっての脅威であるとの考えを強めている。中国が産業スパイ活動(いわゆる知的財産権の侵害)、ハッキングなどのIT攻撃やSNSなどからのデータ詐取を行っているとの見方が増えているためだ。

この考えに基づくと、中国が米国のIT先端技術や知的財産などへのアクセスを阻止することは、米国を中国の脅威から守ることにつながる。対中通商交渉の中で安全保障の重要性が高まっているのである。

特に、IT先端分野における競争は、今後の国際社会に大きな影響を与える。

米国が世界の政治・経済・安全保障の基軸国家としての役割を維持するには、IT分野での覇権を強化しなければならない。その他の分野で米中が妥協点を探ることはあっても、先端のIT分野で米国が中国に譲歩をすることは考えづらい。米国が戦乱分野で中国に妥協することは、自国への脅威を高めることに直結する恐れがある。

その意味で、今後の米中通商交渉において、IT先端分野をめぐる摩擦は一段と高まることが想定される。

“攻め”の姿勢を崩さない中国

対照的に中国は、世界のIT市場に攻め込みたい。自国のIT機器などを世界に向けて販売し、米国企業以上のシェアを手に入れたい。この目的を果たすために、世界市場へのアクセスが維持されるか否かは中国にとって死活問題だ。

中国は米国を含む世界市場を攻略したい。そのために、1日の米中の首脳会談にて中国はトランプ大統領に“手土産=1.2兆ドル程度の輸入拡大”を持参した。

それに対して、トランプ氏は90日間の休戦=交渉期間を認めた。それはトランプ大統領の譲歩だ。トランプの譲歩に関して、米国内では「米中首脳会談は失敗だった」とかなり厳しい見方もある。

それに加えて、世界各国で中国のITデバイス、通信機器などが使われることは、中国の先端分野での覇権強化にとって欠かせない。中国の規格に基づいて情報通信サービスが提供されるようになれば、中国は自国を中心とした勢力圏を整備しやすくなる。

現在、中国政府はIT先端技術振興策である“中国製造2025”に取り組んでいる。同時に、一帯一路(21世紀のシルクロード経済圏構想)を進めて、人民元の流通範囲の拡大にも傾注している。中国がIT分野の競争力を高め市場シェアを獲得するために、世界有数のIT機器企業であるファーウェイは抜きにして語れない。

今回、カナダは米国の要請に応じて、ファーウェイの幹部を逮捕した。

米国とカナダの間には犯罪者を引き渡す条約が結ばれている。ファーウェイの孟副会長が米国に移送されることも考えられる。イランとの取引を理由に、米国がファーウェイに直接、制裁をかける可能性もある。

そうなると、同社が米国製のIT部品を用いることができなくなるかもしれない。これはIT分野における中国の覇権強化を左右することにもなりかねない。

12月11日の米中電話会談の背景には、この展開を恐れた中国の思惑があったはずだ。

中国は米国製自動車への関税引き下げに同意したが、すでにそれは米中首脳会談で決められていた。それ以上は明らかにされていない。ということは、ファーウェイ問題をはじめとするIT分野で中国が米国の理解を得ることがかなり難しいということだろう。

かみ合うはずもない米中の貿易協議

今後の展開を考えると、米国と中国の主張がかみ合うことは考えづらい。基本的に、攻める立場の人間には、守る立場の発想はない。IT分野での覇権強化を目指す中国にとって、米国の安全保障に配慮する考えはないはずだ。

そう考えると、米中の交渉も、かみ合うはずがないと言っても過言ではない。ライトハイザー氏は「交渉の延長はない」と明言している。

米国の安全保障への危機感はかなり強い。11日、中国市場で検索サービスの提供開始を目指しているといわれてきたグーグルは、中国市場への参入は計画していないと姿勢を急転換した。中国から距離を取る米国企業は増えるだろう。

一方、中国は守りを固める米国、および中国製IT製品の利用をやめようとする同盟国に対して、硬軟使い分けつつ事態の打開を目指すはずだ。

すでに、中国ではアップル社製品の不買運動が起きている。中国企業との取引を求めて、中国がわが国などに圧力をかける可能性もある。そうなると、IT分野を中心に米中の通商交渉は一段とこじれるだろう。

日本にとって、米中の貿易戦争は「対岸の火事」ではない。

通商面で米中の衝突懸念が高まると、日本経済には無視できない影響が及ぶ。すでに、スマートフォンの販売不振から中国の景況感は悪化している。

日本の産業用機械業界などでは、中国企業の設備投資先送りなどを受けて業績予想を下方修正する企業が増えてきた。ファーウェイをはじめ中国のIT企業が米国製品にアクセスしづらくなったり、中国で米国製品などの不買運動が激化すれば、日本の景況感は一段と悪化する恐れがある。

わが国は自力で国力を高めることを真剣に考えなければならない。

そのためには、アジア新興国への支援を強化し、わが国の主張を支持する親日国を増やす必要がある。その上で、TPP(環太平洋パートナーシップ)参加国の拡大など多国間の経済連携をわが国が主導することが重要だ。

それが、わが国の発言力を高め、世界経済の安定と成長を支えてきた自由貿易体制の維持・強化と中国の覇権強化を食い止めることにもつながるはずだ。

(法政大学大学院教授 真壁昭夫)

加藤記事

12月1日の米中首脳会談では両首脳とも笑顔だった… 写真:新華社/アフロ

中国と米国の関係は1月1日に向けて修復へ向かう?

「それでも我々は1月1日に向けて中米関係をなんとか修復しようとするだろう」

米国と中国が繰り広げる最近の攻防を眺めながら、両国間で貿易戦争が勃発して(7月6日)約50日がたった盛夏の北京で、中国外交部の局長級幹部が筆者にこう語っていたのを思い出した。

来年の1月1日、米中は国交正常化40周年を迎える。その政治体制や民族性から、儀式を重んじるのが中国共産党や中国人民だと感じさせられてきたが、米中貿易戦争が現実的に勃発してしまい、互いに応酬を繰り広げるなかで事態は構造的に長期化・泥沼化するのだろう。

筆者のそんな考えを伝えると、同幹部は「貿易戦争は米中間の戦略的競争関係の一部にすぎない」という観点から同調しつつも、冒頭のコメントを残してきた。

儀式を重んじるという形式上の動機以外に、政策的な意味合いも込められているように思われる。中国にとって、今年40周年を迎えた改革開放の歴史とは、まさに米国との関係を構築し、発展させる過程にほかならなかった。

その意味で、対米関係の悪化はすなわち改革開放の失策に等しいといえる。

中国外交部のプレスリリースに見る米中首脳会談の「良好な雰囲気」観

中国共産党が改革開放40周年を祝うプロセスには、2019年1月1日に米中国交正常化40周年を良好な雰囲気の下で迎えて初めてピリオドが打たれる──。

習近平国家主席は、記念日からちょうど1ヵ月前にアルゼンチンで実施された米中首脳会談にそういう心境で臨んだのかもしれない。

「米中双方が経済貿易の分野で、いくぶんの意見や立場の相違が存在するのは完全に正常なことである。大切なのは相互に尊重し、平等で互恵的な精神にのっとって適切に摩擦を管理すること、その上で、双方が共に受け入れられる解決の方法を探し当てることである」

習近平は会談でトランプ大統領に対してこう切り出し、「新たなラウンドの改革開放プロセス、および国内市場と人民の需要に基づいて市場を開放し、輸入を拡大し、中米経済貿易関連の問題の緩和に尽力していきたい」と寄り添った。

中国外交部のプレスリリースには、習近平がトランプや同政権を批判、牽制する内容は見られず、かつ両首脳が満面の笑みで楽しそうに握手をしている写真が使われていた。

筆者から見て、この事実こそが、中国側が対中関係を改善させたい立場を米国側、中国国内、そして国際社会に対して訴えたいと現段階で考えている状況証拠である。「良好な中米関係は両国人民の根本的な利益に符合するし、国際社会の普遍的期待でもある」(習近平)。

同リリースが、トランプが習近平に対して「米国は中国の学生が米国に留学に来るのを歓迎する」と語ったことを記載していた事実も、中国当局として貿易戦争が勃発して以来、米国への留学を不安視する自国の若者やその家族をなだめるべく奔走している現状が見受けられるのである。

中国側の前向きなコメントは焦燥感がにじみ出ている

今回の会談を経て、米中両首脳はいったん課税の応酬を棚上げすることで合意し、米国側は90日間の“猶予”を中国側に与えることを通達した。

中国側はこの間に農産物やエネルギーといった分野で米国からの輸入を拡大するなどして、3月1日に第3弾(2000億ドル)の課税率が10%から25%に上げられないように、そして最大規模とされる第4弾(2670億ドル)が実施されないように米国側に歩み寄ろうとするであろう。

王毅国務委員兼外相は会談後記者団に対して「両国首脳は友好的で率直な雰囲気の中で2時間半にわたって深い交流を行った。予定していた時間を大幅に上回った。貿易問題に関する議論は前向きで、建設的だった。今回の会談で得た合意は、今後一定期間における中米関係に方向性を示した」と語った。

国内向けのアピールであろうが、仮に3月1日の段階でトランプ政権が中国側の歩み寄りに満足せず、再び中国製品に対して大々的な課税措置を取ってくるリスクが存在するにもかかわらず、ここまで前向きなコメントを残したあたりに、中国側の焦燥感がにじみ出ているように筆者には見受けられた。

中国側が米国側に歩み寄ろうとしている立場と心境がより鮮明に露呈されていたのが、商務部記者会見における高峰報道官(12月6日、北京)の声明文である。少し長くなるが、重要な根拠だと考えられるため3段落分引用する。

「中米両国の経済貿易問題における利益は高度に重なり合っており、天然的に補完し合う構造的需要を擁している。双方のチームは現在順調に意思疎通を行っており、協力関係も良好である。我々は90日以内に合意に至ることに充分な自信を持っている」

「中国側としてはまずは農産品、エネルギー、自動車などから着手し、双方が合意に至った具体的事項を着実に実施していきたいと考えている。その後、今後90日間において、明確なタイムテーブルとロードマップに基づいて、双方の利益、共同の需要に符合する知的財産権の保護、技術協力、市場開放、および貿易均衡などの課題を巡って協議をし、合意の形成に尽力していきたい」

「中国側としてはこれらの課題を巡って米国側と相互に尊重し、平等で互恵的な協議を行い、両国企業のためにより良いビジネス環境を創造していきたい。これからの90日間で、中米双方はすべての追加課税を取り消すことを最終目標に協議をしていくつもりである」

今年に入って以来、貿易戦争を巡って米国を悪者にし、被害者意識を至るところでむき出しにし、「正義は我にあり」というスタンスで国内外に訴えてきた中国当局から出てきた言葉とはにわかに信じがたかった。

中国はなぜここにきて米国側に歩み寄ろうとしたのか

なぜここにきて、習近平自らがトランプと友好的な会談に臨むことを通じて、中国側は米国側に歩み寄ろうとしたのだろうか。

筆者は習近平の脳裏には3つの懸念が交錯してきたと考えている。本連載でも随時扱ってきたが、ここで端的に総括してみたい。

(1)景気の下振れと市場心理の悪化が懸念される経済への懸念(経済的懸念)

(2)米国との関係悪化が習近平の権力基盤を侵食することへの懸念(政治的懸念)

(3)米中国交正常化40周年を円満に迎えられず、祝えないことへの懸念(外交的懸念)

この3つの懸念から、ここに来て中国共産党指導部として一定の妥協もやむを得ないという立場で、米国側に歩み寄る意思決定をしたというのが筆者の現段階における分析である。

前向きな雰囲気の中で米中首脳の接触が進んでいるまさにそのとき、またしても不安要素が米中関係を襲うことになる。華為技術(ファーウェイ)の創設者・任正非氏の実娘・孟晩舟副会長兼CFOがカナダのバンクーバーの空港で拘束された事件である。

12月8日、楽玉成・外交部副部長(次官級)がカナダ駐中大使を外交部に呼び出し厳重抗議。「米国の要求に応じるという理由で中国国民を拘留し、中国国民の合法的、正当な権益を侵犯した」カナダ当局のやり方を「極めて悪劣」なものとし、「直ちに釈放することを強烈に促す。さもなければそれが必然的に招く深刻な代償、すべての責任をカナダ側が払うことになるだろう」と半ば脅迫に近い表現で圧力をかけた。

2人のカナダ人の拘束は中国側の報復措置か

12月10日、元カナダ外交官を含む2人のカナダ人が中国の国家安全に危害を与えたとしてそれぞれ北京市と遼寧省丹東市の国家安全局によって「法に基づいて強制措置が取られた」(陸慷・中国外交部報道局長、12月13日)。

孟氏拘束に対する報復措置とも取れるタイミングであった。

その後、バンクーバーの裁判所は孟氏の保釈を条件付きで認める決定を下したが、中国で国家安全局によって拘束されている2人のカナダ人の動向を含め、まだまだ予断を許さない状況が続くであろう。

12月14日には中国の盧沙野・駐カナダ大使が現地紙に寄稿し、「今回の事件は単純な司法案件ではなく、たくらみのある政治的行動である。米国が国家権力を動員し、一中国ハイテク企業を政治的に抹殺しようとした」と指摘。

カナダ側が米国の根拠なき要求に屈し、司法の独立を守らなかったと批判した。中国当局は孟氏拘束の背後には米国の影が作用し、「“国家安全”という装いをもって中国企業を抑え込み、中国の発展を阻害するもの」(盧大使)という揺るがない解釈と立場を抱いているようだ。

筆者が眺める限り、官民問わず、中国はますます米国を信用しなくなっている(過去記事参照:『米中貿易戦争が泥沼化、中国はもはや米国を信用していない』)。

カナダが陥っている苦境は日本にとってもひとごとではない

一方で、前述したように、中国として米国との関係を修復しなければならない現状は変わっておらず、中国当局もその方向性で1日1日、そして3月1日に向けて米国側と「落としどころ」を探っていくものと筆者は捉えている。

12月11日午前、米国との経済貿易関係を統括する劉鶴・国務院副総理が米国側のムニューシン財務長官、ライトハイザー通商代表と電話会談し、協商の進め方について意見交換をした。これを受けて、高峰商務部報道官は「中米双方は細かい部分の協商に関して密接な意思疎通を保持し、進展は順調である。我々は米国側が訪中し話し合うことを歓迎するし、訪米して話し合うことにも開放的な態度を保持している」とコメントしている(12月13日、商務部記者会見)。

昨今における中国側の歩み寄る姿勢は、往々にして米国や西側国家に対して強硬的な論調を展開することで知られる「環球時報」が12月10日の社説で「中国は米国側に圧力をかけるけれども、孟晩舟がいるのはカナダの勾留所である。米国が裏でどれだけの作用を働かせているとしても、孟に対して直接的に手を動かしたのはカナダである。問題解決のための主戦場はカナダにほかならない」と主張している点にも如実に反映されている。

昨今の背景、一連の事件を通じて、カナダは米中の間に挟まれる形で実質スケープゴート化していると言っても過言ではない。

同じ米国の同盟国として、米中2大国の狭間で生存・発展空間を見いだしていく状況にあるアジア太平洋国家として、日本にとってもひとごとでは決してないだろう。

カナダが陥っている苦境に目を凝らし、そこから「教訓」をくみ取るべきであることは言うまでもない。

(国際コラムニスト 加藤嘉一)

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