『中国とバチカン接近であおりを食う台湾 中台双方と正式な“国交”樹立に期待の声も』(10/3日経ビジネスオンライン 福島香織)について

10/4NHKニュース5:32<バチカンの会議に中国司教が初参加 関係改善を反映 台湾は警戒

ローマ・カトリック教会の中心地、バチカンと中国が関係を改善させているのを反映して、世界各国の司教が集まるバチカンの会議に、初めて中国の司教が参加しました。

バチカンでは3日、世界各国からカトリック教会の司教や教会関係者およそ300人が集まる、恒例の「司教会議」が始まりました。
会議の開幕にあたってミサを行ったフランシスコ法王は、この会議に中国から2人の司教が初めて参加したことを明らかにし、「2人を温かく歓迎したい」と述べました。
バチカンと中国は、中国政府が内政干渉を理由にローマ法王による司教の任命を拒否してきたことで対立が続いてきましたが、先月、司教の任命方法で双方が暫定合意したことで、関係改善に向かっています。
今回の会議に中国から参加した2人の司教のうち1人は、中国政府に任命されていた司教で、暫定合意とともにフランシスコ法王から新たに正式な司教として承認されていました。
中国側としては、カトリック教会をなるべく中国共産党の管理下に置くとともに、将来、バチカンが台湾との間で維持する外交関係を解消させたい狙いがあるとみられます。
バチカン内では中国との暫定合意に批判的な声もあり、今後、どこまで関係が改善するのか注目されます。

警戒強める台湾

バチカンと中国が関係の改善に向かっていることについて台湾は、70年以上にわたって維持してきたバチカンとの外交関係が将来、解消される事態になるのではないかと警戒感を強めています。
このため台湾は、今月14日、バチカンで開かれる大規模な式典に蔡英文総統の特使としてカトリック教徒でもある陳建仁副総統を派遣し、関係のつなぎとめを図ることにしています。
中国は、蔡政権が「1つの中国」という考え方を受け入れていないと批判し、台湾と外交関係のある国々の切り崩しを図っています。
とくにことしに入って3か国が台湾との外交関係を断っていて、関係を維持している国は過去最も少ない17か国にまで減り、ヨーロッパではバチカンのみとなっています。>(以上)

10/3阿波羅新聞網<对圣座的侮辱 中共的胜利=教皇に対する侮辱 中共の勝利>バチカンが中国とサインしたことについて独メデイア(南ドイツ新聞)は「最大の侮辱」と評した。川の名前を変えるのと同じように考えた歴史的なこの合意は、独メデイアにとって宗教の自由に関心を寄せ続けさせる。「中国は国内ではイスラム教の影響を制限する仕組みを作り、国外ではバチカンに恥辱を与える合意を為した。寧夏ムスリム自治区の「艾依河=アイイ川」の名前を「典農川」と変えたのと同じ。北京は宗教の影響を減じることを益々システム的に行い、中共の幹部は川の名前までムスリム色が匂うという事で変えてしまった。アイイはマホメットの第三夫人のアーイシャを連想させるのとアイの発音が「愛」に繋がるのを嫌ったため。漢化宗教をうち出したのは習近平本人である」と報道。

オーストリアの「ニュース新聞」は「バチカンの為した中国との合意は教皇に対する侮辱である。何年にも亘り、力比べをしてきたが、これで中共の勝利となった。この合意は北京の指名したキリスト教愛国党の主教をバチカンが認めることになり、何らの報いもない。この理由は中国の教会の分裂を克服するため。でも世界のカソリック教会では聖職者の児童猥褻行為が問題になり、分裂の危機にある。信徒は心を痛めるばかりである。徹底して目を閉じ、中国の信徒や他の宗教が弾圧されているというのに、合意するとは。中国には第二のシンガポールになってほしい。今でも民主国家でないが、宗教の自由や少数民族を保護する国である。だが、この希望は打ち破られた。この合意は北京が原因でなく、バチカンの態度変更によるもので、迷妄なのはムソリーニ時代と同じである」と報道。

http://www.aboluowang.com/2018/1003/1183192.html

10/4阿波羅新聞網<特朗普发布讨伐中共檄文 彭斯全方位警告北京 还指明台湾民主为所有中国人展示更好道路 =トランプは中共討伐の檄文(国連での中共の中間選挙介入の件の発表)を発す ペンスはあらゆる方面で北京に警告 そして台湾の民主主義こそが中国人が進むべき道を示していると >ペンスは10/4ハドソン研究所で演説し、中共を非難した。航行の自由と、南米3ケ国の台湾断交は中共の差し金、また債務の罠を仕掛けていると。航行の自由作戦ではUSS Decatur駆逐艦が南沙諸島(Gaven Reef、Johnson Reef)の12海里内に入った時に、中国軍艦が接近、非常に危険な行為と非難。だが米国は国際法を守り、中国が何をしようが退くことはないと発言。

http://www.aboluowang.com/2018/1004/1184023.html

10/5阿波羅新聞網<教宗落泪迎「红色主教」引起强烈反弹 被批与魔鬼同流合污与狼共舞=教皇は涙を流して迎えた 2名の「桃色(アカに近い)主教」は強烈な反発を受ける 悪魔と同じく汚れ、狼と一緒に踊ると批判を受ける>

2018年10月3日、世界カソリック大会が開かれ、バチカン報道官のスパダロはツイッターに2名の中国の「桃色主教」を載せ、「中国の主教が参加するのは今回が初めて、場は共にできたことに喜んでいる」と。写真で二列目左が郭金才、二列目右から二人目が楊暁亭。

ある牧師が言うには、「中共のどこが教会にとって良いのか?キリスト教やカソリックを弾圧、教会解体だけでなく、十字架まで壊し、そこに国旗掲揚する。教皇は今の中国の状況を知るべきで、何故関係を作るためといってこんなことをするのか」と。

http://www.aboluowang.com/2018/1005/1184232.html

福島氏の言うバチカンが台湾と中国との国交を認める可能性は薄いと思います。「台湾は独立国家」という形となり、中共は絶対認めないでしょう。またフランシスコ法王は桃色ではなく赤色法王なのでは。中共派遣の主教を涙を流して迎えるくらいですから。金に転んだとしか言いようがない。ゴッドファーザーパートⅢと同じです。世界が中共に警戒心を持ち出し始めたこの時にです。

まあ、米中が覇権争いをし、米国が台湾を国家と認めれば西側諸国は右倣えするでしょう。日米は尖閣だけでなく、台湾を共同防衛すべきです。台湾軍上層部が国民党系(=中国人)でしめられているのが気になりますが。少なくとも韓国は防衛する価値はありません。

記事

「カトリック教」を意味する「天主教」の十字架。台北で2018年9月23日撮影(写真:AP/アフロ)

バチカンと中国が、カトリックの司教任命問題について9月22日に北京で行われた会談で暫定合意書に署名したというニュースが世界を駆け巡っている。司教任命権に関する合意の可能性は3月下旬にも報道され、その背景については拙コラム「中国、バチカンと交渉決裂?」で解説したとおり。結局、この時点から半年経って暫定合意にこぎつけた。

あくまで“暫定”であり、任命権のプロセスの問題や、また反共産党的な中国の地下教会に対しての対応も不明だ。私が気になるのは、バチカンと台湾の関係がどうなるか。以前の拙コラムでは、中国とバチカンの関係を主に取り上げたことがあるが、今回は台湾サイドからの見方を中心に考えたい。おりしも9月末、東京で「世界台湾同郷会連合会第45期年会」が開催されていた。台湾出身の評論家・文筆家の黄文雄さんから世界中の台湾人が集まるから、いろんな人の話を聞いてみるといい、と誘われたので私も行ってきて、バチカン問題に関する見方、そして台湾の未来に関する予測についていろいろ聞いてきた。「チャイナ・ゴシップス」のタイトルのコラムで台湾のことを取り上げると、中国の欄で台湾を取り上げるな、と怒る方もいるのだが、今回は大目に見ていただいて、台湾から見た、バチカン問題について紹介したい。

この世界台湾同郷連合会の特徴は、タイトルに台湾とあることからもわかるように、思想的にはアンチ国民党の台湾派の人が主流だ。そういう政治的カテゴリーとしてまとまっている台湾人の間だけでも、多様な見方が混在する。たとえば、米中貿易戦争が台湾に与える影響にしても、中国に進出した台湾企業が受けるマイナス影響を大きく見る人もいれば、逆に中国向けの投資が台湾に向かうプラス効果を期待する声もある。米中対立が世界の不安定化を招き、台湾がカードに扱われるということへの不安を言う人もいれば、米国が台湾との関係を強化しようとしていることが台湾にとって好機だととらえる人もいる。では、バチカン問題についてはどうだろうか。

まずバチカン問題について現在の状況を整理しておこう。

9月22日、北京でバチカン外務局次長および北京外交部次長レベルの会合で、司教の任命をめぐる暫定合意書に署名。この合意書の全文は今のところ公開されていない。だがその後のバチカン側の報道を総合すると、署名がすぐさま、バチカンと中国の国交樹立で台湾の国交断交につながるというわけではなく、あくまで司教任命権についての暫定合意という。司教任命プロセスについても、公式に解説されてはいないが、最終任命権はバチカンの法王にある、と言う点で合意に至りそうだ。はっきりしていることは中国が任命し、バチカンが認めてこなかった7人の司教を、バチカンが今回改めて認めるということ。この先例をもって、中国側が選んだ司教をバチカンが任命するというプロセスが合意の落としどころであるということを示したのではないか。この7人の司教は、バチカンに対して破門取り消しの陳情を行っていた。

だが、文革後最悪といわれる宗教弾圧が今現在起きている中国習近平政権が選んだ司教たちを、バチカンサイドが受け入れるということは、バチカンが中国の宗教弾圧について容認したことになるのではないか、という一部西側人権国家の懸念がある。中国の宗教政策において、「宗教の中国化」が打ち出されているのは以前に拙コラムで取り上げたとおり。中国側は宗教の教義に変化はない、というが、信仰の前提に愛国的であることを強くもとめている。「宗教の中国化」の解釈についてはいろいろ言われているが、多くの宗教学者は中国による宗教のコントロール強化を意味すると理解している。

中国、バチカンそれぞれの思惑

一方で、バチカンサイドにはそれなりの思惑もある。この暫定合意を梃に年末までに地下教会として迫害を受けている少なくとも十数人の司教たちを中国当局に認定させる交渉を水面下で続けているらしい。報道ベースでは、中国でカトリック信者は1200万人で、愛国派500万人とその他・地下教会に大きく分かれている。地下教会は、ローマ教皇には忠誠を尽くすが、共産党には反抗的とされ、RFI(フランス国際放送中国版)によれば、この地下教会の神職として迫害されている人物は40人前後はいる。

このうち2割は90歳以上の高齢で、健康上の問題からも、このまま迫害に耐え続けることが困難ではないかとも危ぶまれている。バチカンが中国との妥協に急ぐのは、彼らを一刻も早く救いたいからだという。最も、当の迫害を受けている地下教会の司教の一人、魏静怡(洗礼名ヨセフ)は「私は中国当局の認可など必要としていない。だが認可を得られれば、バチカンが中国との調和と安寧を得られる助けになるだろう」(RFI)と、比較的冷静な受け止め方だ。

ちなみにプロテスタント、その他新興宗派を含めれば中国でキリスト教系信者は6000万人から1億人に上ると推計されている。中国としては、バチカン側に譲歩しすぎると、共産党員よりも多いかもしれないキリスト教信者に対するコントロール力を失い、これが中国の歴史で何度も繰り返されてきた“農民起義”の動力になる可能性を心配している。この交渉は中国側も慎重だ。

中国、バチカンのそれぞれの思惑はあれど、これに翻弄されることになるのが、台湾である。

中国のバチカン接近の目的はバチカンに中国の存在感を認めさせ、国内カトリックへの共産党の指導とコントロール強化をバチカンに容認させることもあろうが、それ以上に、台湾を国際的に孤立させるという意味がかなり大きい。台湾が国交を結ぶ国は現在17カ国にまで減っている。習近平政権になってから台湾は5カ国の友好国を失ったのだ。とりわけ今年はドミニカ、ブルキナファソ、エルサルバドルと3カ国がドミノ式にチャイナマネーになびく形で台湾との国交を断った。残りの台湾友好国の中で唯一ヨーロッパ国家であり、国際的にも影響力の大きいバチカンがこの上、中国と国交を結び台湾と断交すれば、台湾の国際的立場は極めて脆弱になってしまう。

「第三の選択」の可能性

16世紀からローマ・カトリックの版図に組み入れられてきた台湾には17世紀から本格的に宣教が開始された。仏教や道教、土俗信仰が根強い台湾で、キリスト教は決して多数派の宗教にはならず、現在もプロテスタントを含めてもキリスト教信者は58万人ほどだが、1951年にバチカン公使が中国から追い出されて以降は、台北がバチカンの公館所在地であり、1966年に台北のバチカン(ローマ教皇庁)公使館は大使館に昇格した。1971年に中華民国が国連から脱退したのち、教皇庁大使は召還されるも撤収、いわゆるchargé dʼaffaires(代理⼤使、代理公使)によって事実上の国交を維持している。台湾の在バチカン公館は土地の狭さの関係でバチカン市国外に置かれているが、運営は正常におこなわれている。なぜ、台北においての大使名称が避けられたかは、やはり国際政治的理由があるが、すくなくとも中華圏のカトリック信者とバチカンをつなぐ窓口は台湾にあった。

さて、バチカンは果たして台湾と断交するのかしないのか。信者の数という点においては、中国との国交を結ぶ方がバチカンにとっては意味のあることだろう。

世界台湾同郷連合会年会に参加していた台湾人たちに、この質問をぶつけてみた。トロント、シアトル、ベルリン、東京そういった先進国の都市に暮らす台湾知識人たち10人前後から話を聞いたが、意外に答えは大きく三つほどにばらけた。「バチカンが台湾を放棄する流れには歯止めはかけられない。年内にはバチカン中国の国交が樹立し、台湾は断交されるだろう」「バチカンと中国との国交樹立はそう簡単ではない。台湾側もバチカンに働きかけているところだし、数年内に決着の出る問題ではない」。そして三つ目が「バチカンは中国と台湾の両方とも国交を維持する最初の国になるのではないか」というものだ。

答えとして興味深いのは三つ目だ。そう考える根拠を聞くと、バチカンは普通の国ではなく、国交といっても、経済・安全保障の問題にはほとんど関係ない、あくまで宗教分野の交流に限定される特殊な関係であり、普通の国交とは別格に考えていいだろう、ということだ。

バチカンの在外公館として現在台北に置かれているのがchargé d’affairesであれば、もし北京に大使館が置かれても、一国に二人の大使を派遣しているという矛盾はうまく言い訳できるのではないか。台湾としては何としても、バチカンとの絆を断たれるわけにはいかないから、そういう論法で、なんとかバチカンを説得したいのかもしれない。

バチカンでは10月、「世界宗教会議」が開催され、初めて中国から郭金才、楊暁亭両司教が参加することが発表されている。二人とも共産党統戦部が公認する愛国司教である。ちなみにバチカンは1998年と2005年も中国の司教をこの会議に招待していたが、中国は外国から宗教的干渉を受けないという理由で断っていた。この会議には台湾からも司教団が派遣されるので、おそらくこの場でも、バチカン、台湾、中国の関係について議論がなされるのではないか。

個人的な期待をいえば、私もバチカンに第三の選択、つまり中国と台湾のどちらかを選ぶ、ではなく両方とも“国交”を維持するという先例を作ってほしい。中国に経済的あるいは軍事的圧力を受けることのないバチカン市国という特殊な国であれば、そういう条件で中国と話しあえる可能性は残っているのではないか。ちなみに香港教区は、1952年の中国による宗教弾圧下で、教皇庁直轄統治となっており、1997年の香港の“中国返還”後も、特例としてその体制が続いている。台湾も特例扱いで従来どおりの体制を維持できるはず、という主張はあながち無茶でもない。

バチカンは突破口を開けるか

中国経済、チャイナマネーに大きく依存している国や、その軍事的脅威にさらされている国にとっては、中国からの圧力を無視して台湾を“国”扱いできない。だが、バチカンは、中国からの経済的、軍事的圧力の影響をほとんど受けることがない。バチカンの外交とは宗教外交であり、いわゆる経済や安全保障の利害を交渉する通常の外交ではないのだから、中国と台湾ともに在外公館があっても、その利害が相反することもなかろう。

今回のバチカンの中国への歩み寄りは、西側社会の一部ではバチカンの敗北と批判的に報道されていたりもする。バチカンの中国接近の目的は、第一に中国の司教任命権を少なくとも建前上でも取り戻すという政治権威上のもの。第二に迫害に苦しむ地下教会神職・信者の救済という人道的目的。第三に新たな宗教フロンティアとしての中国への取り組み。第一の目的では、今回は妥協点が見いだせたとしても第二の点は果たして習近平政権としてどこまで妥協できるか。かりにカトリック地下教会に対してだけ迫害を緩和しても、ウイグル・ムスリムやチベット仏教に対する迫害、あるいはその他の民族や宗教に対する迫害、差別が継続することを黙認してよいのか。

そもそも、博愛、平等を説く神の愛が、不平等で非人道的な中国の宗教政策に対して寛容であることは大いなる矛盾を生むのではないか。その上で、バチカンが台湾と断交すれば、バチカンの国際的評価は、バチカン自身が思う以上に下がるのではないか。たとえ14億人人口の中国という新たな布教フロンティアを獲得したとしても、中国共産党の指導を優先させた愛国カトリック信者を増やしても、決してバチカンの権威にプラスにはならないのではないか。

だがバチカンが、もし中台双方と正式な“国交”をもつ最初の国として存在できれば、それこそバチカンにしかできない突破口を開いたといえるはずだ。「一つの中国」というフィクションにこだわって、有権者によって選ばれた独自の政権と軍隊と通貨と憲法をもつ人口2300万人の台湾を国家と呼べない不自然さを是正するきっかけになるやもしれない。もしそういうことをバチカンがやれるならば、近年のセックススキャンダルで傷ついた権威と国際的影響力を回復できると思うのだが、どうだろう。

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