『中国が「建国100年」に目指す「強国」と「共産党支配」の矛盾』(7/6日経ビジネス 森 永輔)について

7/8阿波羅新聞網<回击!川普宣布将对推特Google脸书提告 指控遭社群网站封杀=反撃!トランプはTwitter、Google、Facebookを訴えると発表 SNSサイトがブロックされたという告発で>トランプ前大統領は7日の記者会見で、Twitter、Google、FacebookのSNSの巨人により、不当なブロックに遭い、言論の自由の侵害で告発すると発表した。トランプは、SNS会社によって封鎖されたアカウントは、憲法修正第1条の保証する言論の自由の侵害に等しいと述べた。彼は、この訴訟は言論の自由のための「重要な戦い」になるだろうと述べた。アメリカファースト政策研究所はフロリダ連邦裁判所に訴訟を起こし、Twitter、Google、Facebookとツイッターの最高経営責任者ドーシー、グーグルの最高経営責任者ピチャイ、フェイスブックの最高経営責任者ザッカーバーグがトランプのアカウントを禁止し、米国憲法修正第1条に違反したとして告発した。

下にあるように集団訴訟で、原告は増えるかも。憲法修正第1条と通信品位法230条をどう扱うかです。南部の州で訴訟を起こしていけばよい。

https://www.aboluowang.com/2021/0708/1616207.html

https://www.newsmax.com/newsfront/donald-trump-social-media-announcement/2021/07/07/id/1027768/

https://www.newsmax.com/newsmax-tv/alandershowitz-newsmaxtv-donaldtrump/2021/07/07/id/1027830/

7/8阿波羅新聞網<路透再踢爆 中国华大基因疑与军方共享基因资料=ロイターが再び暴露 中国BGI華大は軍と遺伝子データを共有している疑いがある>今年初め、ロイターは、中国のBGI華大が疫病流行の初めに米国市民からDNAデータを収集し、米国にウイルス検査研究所を設立することを提案した疑いがあると報道した。現在、ロイターは、同社が出生前検査を利用して、遺伝子データを不当に共有している可能性があることを見つけた。

ロイターは、BGIと中共解放軍が妊娠初期の検査に関する研究開発協力を行ったことを公開文書で見つけ、最初に開示した。これにより、BGIのデータの保存と分析の範囲も明らかになった。米国は、BGIによる人間の遺伝子データの収集と分析が、米国に国家安全保障上の脅威をもたらすと考えている。

世界最大の遺伝子シーケンシングセンターであるBGIは、2013年から「胎児染色体異常の非侵襲的出生前遺伝子検査」(NIFTY=Non-Invasive Fetal TrisomY test)と呼ばれるこの出生前検査を推進している。この検査は、世界で最も人気のある非侵襲的な出生前検査の1つである。妊婦の血液を検査すれば、胚にダウン症やその他の病気があるかどうかを知ることができる。

BGIによると、これまでに世界中で800万人以上の妊婦がNIFTY検査を受けている。この産前検査は、英国、ヨーロッパ、カナダ、オーストラリア、タイ、インドなど、世界の少なくとも52か国で販売されているが、米国では販売されていない。

GIはロイターに対し、香港の研究所に送られた残りの血液サンプルと出生前検査から得られた遺伝子データを使用して人口調査を実施したことを確認した。 ロイターはまた、出生前検査を受けたヨーロッパやアジアの女性を含む500人以上の女性の遺伝子データが、中国政府によって資金提供され、BGIが管理している深圳国立遺伝子バンクに保存されていることを見つけた。

ロイターは、BGIがプライバシー協定または規制に違反していることをまだ見つけていない。 同社は、受検者の書面による同意を得ており、5年以内に海外の検体とデータを破棄すると述べた。 ただし、プライバシー協議では、会社が収集した情報が「中国の国家安全保障または国防安全に直接関連している」場合、それを外部と共有することができると述べている。

この点に関して、BGIは、国家安全保障または国防の目的で、NIFTYテストから得られた情報を北京当局に要求されて提供したことは一度もないと主張している。

嘘つき中国人のことを信用してはダメ。これらのデータは各人種への殺人兵器用として利用されるのでは。

https://www.aboluowang.com/2021/0708/1616204.html

7/8阿波羅新聞網<21岁德女孩遭起底当“中共秘密宣传员”气得喊告 但没律师要帮她忙=21歳のドイツ人女性は「中共秘密宣伝員」とすっぱ抜かれ、非常に怒ったが、彼女を助ける弁護士はいない>ドイツのメディア「世界報」(DIE WELT)は先月、「中共秘密宣伝員」(Chinas heimliche Propagandisten)というレポートを発表し、中共がどのように西側メディアに浸透し、TwitterやYoutubeを利用してネットアカの中国の宣伝員にし、そのうちの1人は、Twitterで非常に活躍している21歳のドイツ人女性のNavina Heydenであることを明らかにした。レポートが公開された後、Heydenは非常に怒って、「世界報」を訴えたいと思ったが、最新のニュースによると、彼女を弁護したいと思った弁護士はいなかった。

彼女のフォロアーは戦狼の趙立堅や外国にある中国領事館員等。パートナーが中国系のEllias Yuming Fengでは、本人が金を貰っていなくても、パートナーに渡っている可能性大。

https://www.aboluowang.com/2021/0708/1616222.html

7/8希望之声<瑞丽疫苗接种率近97%却疫情大爆 启用战争铁丝网=瑞麗のワクチン接種率はほぼ97%だが疫病が爆発 戦闘用有刺鉄線を使い始める>7/7、雲南省瑞麗市は、大規模な疫病の発生により封鎖され、すべての住民は自宅隔離になった。前日、当局は瑞麗市のある雲南省徳宏県のワクチン接種率が96.92%に達したと発表した。この突然の疫病発生により、外界と地元住民は中共の国内ワクチンの効果に疑問を投げかけている。防疫のため、中共は瑞麗の国境に戦争でのみ使われる有刺鉄線のフェンスを置いた。

公式メディアの報道によると、7/7、瑞麗市当局は、7/7の0:時から、主要都市部の封鎖管理が実施され、すべての市民は家に留まり、すべての学校とさまざまな訓練機関が閉鎖される。 7/7の8時から、瑞麗市の主要都市部と畹町片区で新たな核酸検査が行われる。当局はまた、7/7の10時から、瑞麗市の姐告国門コミュニティが高リスク地域に調整されることを発表した。

当局はまた、瑞麗ウイルス遺伝子配列決定の状況を宣言した:ゲノム配列はデルタ変異株と高度に相同である、すなわち、それは隣接する海外の疫病株と高度に相同である。

7/6の公式メディアの報道によると、瑞麗市のある雲南省徳宏県では、7/4の24時の時点で1,702,856回新型コロナワクチンが接種され、934,071人が受けた。全人口でのワクチン接種率は96.92%に達した。

ある中国ネチズンは次のように述べた:変異ウイルスに対する中国のワクチンの効果を見てください。

ある人は尋ねた:新型コロナウイルスが変異した後、新型コロナウイルスに対するワクチン接種はまだ効果があるのか?当局はこの質問に正面から答えず、次のように述べただけである。ウイルスの変異が既存の新型コロナウイルスワクチンを無効にするという証拠は現在ない。

6/29、瑞麗当局は、その日から、瑞麗が5日以内に全員に新型コロナワクチンを実施することを計画していると発表した。実際には、瑞麗の全民接種キャンペーンは4/5に始まっていた。

5日後の7/4、瑞麗で大規模な疫病流行が発生した。 その3日後の7/7の0時に瑞麗は都市封鎖した。

疫病を防ぐために、雲南省とミャンマーの国境に高い有刺鉄線のフェンスが置かれた。この種の有刺鉄線は一般的に戦争でのみ使われる。

ネチズンのコメント:

「中共は、国を開けるためにワクチン接種率を上げようと可能な限りのことをしていると言っている。瑞麗を通じて全体を見れば、75%のワクチン接種率は言うまでもなく、中国製ワクチンを打つのであれば、ワクチン接種率が100%であっても、門は破られて効果がない」

「重要なのは、前回、瑞麗で爆発してから、全員がワクチン接種を受けたということである。あなたの国の中央と瑞麗の指導者を交換しても、今回もまた起きて、あなたが叱る声が大きいほど、党の顔色を窺うのは難しい」

「中国雲南省瑞麗市の現状を見れば分かる。中国製ワクチン接種後、疫病の大発生が見られる。中国製ワクチンの本質は、ワクチン接種を受けた人に感染して抗体を産出する不活化ウイルスである。したがって、免疫の効率は高くなく、意外にも感染率はかなり高い!」

「瑞麗の97%がワクチン接種を受けているとは言われていなかったか?なぜまだ感染するのか?」

「瑞麗市は大きくなく、人口も少ない。それは政府に集団免疫を形成するワクチンのテストをする機会を与えただけだ。残念ながら、彼らは勇気がなく、以前と同じく都市封鎖するのであれば、ワクチン接種する意味がない」

「政府はワクチンが役に立たないことを知っているので、100%の人がワクチン接種を受けたとしても、一度流行が起きたら、都市はまた封鎖される」

まあ死なないだけマシとしなければ。

https://www.soundofhope.org/post/523229

https://www.theepochtimes.com/mkt_breakingnews/pennsylvania-senate-chairman-initiates-forensic-probe-of-2020-2021-elections_3890927.html

https://nationalfile.com/trump-there-were-no-guns-on-1-6-except-for-the-gun-that-shot-ashli-babbitt-says-he-knows-identity-of-shooter/

https://dailycaller.com/2021/07/07/tucker-carlson-nsa-leaking-emails/

民主党のNSAやFBIが如何に人権侵害しているか。民主党支持者はどう思うのか?

何清漣さんがリツイート

北明 @ RealBeiMing 20時間

ポンペオ:「批判的人種理論は、我々が245年間に共有してきた核心的なコンセンサスを攻撃する。最大の教師組合が国民を分断する教義を擁護、推進しているのを見れば、国民は激怒する」

ポンペオは、私がこれまでに見た中で最も正当、行動能力が最も高く、理想主義を具え、知行合一の特徴を持った現代米国の政治家である。彼のもう一つの特徴は、彼が最大公約数を使って、米国各界の人々と共同で米国の価値観を実践していることである。

引用ツイート

マイクポンペオ @ mikepompeo 22時間

CRT(Critical Race Theory)は、我々が245年間共有してきた中心的な了解事項を攻撃する。最大の教師組合がこれらの分断を進める教えを擁護し、促進するのを見るのは腹立たしい。

https://foxnews.com/us/largest-teachers-union-critical-race-theory-reasonable-and-appropriate

何清漣さんがリツイート

萧生客 SSK  @ SSK2024 22時間

「彼は黒人コミュニティの大きな柱であるが、主流の社会から無視され、嘲笑され、直接攻撃されたりしている。彼は暗闇の中の一筋の光である。

彼の本を読んだり、講演を聞いたりすることで、より多くの人々、特に若い人が目を覚まし、保守主義を理解することを願っている。

「ソウェル生誕91周年の回顧-彼は闇の中の一筋の光である」

トーマス・ソウェル(Thomas Sowell)の91歳の誕生日おめでとう!

ト-マス・ソウェルは、スタンフォード大学のフーバー研究所の上級研究員兼作家であり、米国のチーフエコノミストであり、現代米国史上最も偉大な保守派のエコノミストの1人である。このビデオでは、ソウェルの人生を形作った重要な瞬間のいくつかを簡潔に探る。彼は黒人コミュニティの大きな柱であるが、主流の社会から無視され、嘲笑され、直接攻撃されたりしている。彼は暗闇の中の一筋の光である。彼の本を読んだり、講演を聞いたりすることで、より多くの人々、特に若い人が目を覚まし、保守主義を理解することを願っている。 2021年6月30日はソウェルの91歳の誕生日である。ハッピーソウェル!神はあなたを祝福する。

rumble.com

何清漣 @ HeQinglian 9時間

振り返ってみると、疫病流行が起きたとき、ウイルス学界が何のためにトランプを標的にしたのかが更に明らかになる。

国立衛生研究所(NIH National Health Institute)による外国との関係の調査により、54人の科学者が職を失った。

https://sciencemag.org/news/2020/06/fifty-four-scientists-have-lost-their-jobs-result-nih-probe-foreign-ties

NIHが調査した189人の科学者のうち93%は、中国が秘密裡の支援の源であると考えている。

これらの人々は選挙後にホッとしたと見込まれる。

問題は、国民はこれらのウイルス学者や公衆衛生の専門家を信頼できるかということ。

NIH調査の結果、54人の科学者が職を失った。

新しいデータは進行中の調査の広がりを明らかにする。

sciencemag.org

興梠氏の話を聞いて、台湾や日本との約束や前例を破って、侵略の動きを見せているのは中共です。核大国だからと言って放置すれば香港と同じようになる。ロシアにウクライナ侵略の制裁を課したのだから、西側は一致して中共に制裁とデカップリングしなければ不公平。時間の利益を与えないように。

記事

天安門広場で演説する習近平国家主席(写真:新華社/アフロ)

(「中国共産党100年、習近平演説に表れる苦悩」も併せてお読みください)

習近平国家主席は中国共産党創立100年を祝う演説で、2049年に向けて“米国に追いつき追い越す意向”を改めて示した。しかし、その政策は矛盾をはらむ。さらなる経済発展を実現するには市場経済の深化が必要だが、共産党によるコントロールを強化するばかりだ。海軍力の増強や台湾への態度硬化は、西側諸国の懸念を高めている。

(聞き手:森 永輔)

—習近平(シー・ジンピン)国家主席は演説において、次の目標に進むことを改めて宣言しました。中華人民共和国建国100年に当たる2049年に向けて、「社会主義現代化強国」となる。同氏が描く社会主義現代化強国とは、どのようなものなのでしょうか。

興梠一郎・神田外語大学教授(以下、興梠):習近平国家主席はこれまでに「総合国力で世界の先頭に立つ」と発言しています。軍事力、経済力、外交力のトータルで米国に追いつき、追い越すという意味と解釈できる。「米国」と言及しているわけではありませんが、現在の「先頭」は米国ですから。

建国100年に向けて、米国に追いつき追い越す

中国は明らかに米国を意識しています。なので、米国が手を付けたものは何であれ取り組んでいます。例えば宇宙。独自の宇宙ステーション「天空」の中核をなす「天和」を4月に打ち上げたのは記憶に新しいところです。

興梠一郎(こうろぎ・いちろう)
神田外語大学教授。専門は現代中国論。1959年生まれ。九州大学経済学部卒業後、三菱商事中国チームにて勤務。カリフォルニア大学バークレー校修士課程修了、東京外国語大学大学院修士課程修了。外務省専門調査員(香港総領事館)、外務省国際情報局分析第二課専門分析員、参議院第一特別調査室客員調査員を歴任。2006年から現職。 著書に『中国 目覚めた民衆-習近平体制と日中関係のゆくえ』など。(写真:加藤 康、以下同)

—もう十分、強国になっていると思いますが。

興梠:彼らにとっては十分ではないのでしょう。例えば中国の1人当たりGDPは約1万ドルで世界ランキング60位程度です。決して米国並みとは言えません。貧富の格差も非常に激しい状態にあります。

経済の構造も国有企業が中心をなしており、市場経済化していません。低賃金の労働力を使った加工貿易が競争力を持っていた時代は国有企業中心でも問題ありませんでしたが、もうそうはいきません。

国有企業が市場を寡占する状態は、競争が生まれず、無駄が生じています。過剰生産力の問題を抱える企業をみれば、いずれも国有企業です。

民間企業を中心とする成長にシフトすることが望まれるものの、これまでの国有企業重視の影響で、民間企業に資金が流れる仕組みが十分ではありません。金融機関は依然として国有企業を主たる融資先と考えています。外国企業との合弁話もみな国有企業にいってしまう。このため、民間企業の投資力が伸びない状態にあります。

—しかし、習近平国家主席は依然として国有企業の強化に注力しているようにみえます。

興梠:そうなのです。そこが、矛盾をはらんでいる。習近平政権は独自の経済モデルで先頭に立とうとしているからです。

共産党が支配する市場経済を強化

彼らが目指すのは「社会主義市場経済」、すなわち「中国の特色ある」市場経済です。「中国の特色ある」は「共産党が支配する」と同義です。市場経済にも党が関与する。

民間企業が主導する通常の市場経済では、共産党の出番がありません。つまり、権力がそがれる、財力がそがれる、利益を民間企業に奪われる。こうした事態は絶対に受け入れられません。さらに、民間企業が巨大化し、財閥となれば、その力を駆使して政党をつくるかもしれない。共産党政権はこうした事態を恐れているのです。

—アリババ集団を厳しく規制するのは、その恐れの表れですね。

興梠:その通りです。習近平国家主席の鶴の一声で、アリババ集団傘下の金融企業アント・グループの上場を阻止しました。

アリババ集団はスマートフォンを使った決済サービスを立ち上げ、個人や中小企業向け融資を拡大し、銀行を脅かす存在に成長しました。銀行の主体は国有企業です。

アリババ集団は傘下に、「サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)」というメディアも抱えています。同紙は以前、習近平国家主席の側近で、全人代の常務委員長を務める栗戦書(リー・ジャンシュー)氏の娘のスキャンダルを暴いて報道しました。この記事は撤回されたものの、習近平政権は警戒を解いてはいません。

さらに、アリババ集団を創設した馬雲(ジャック・マー)氏は、中国の金融体制を批判する発言をしました。江沢民元国家主席の孫らがバックにいるといわれており、習近平国家主席の系列ではありません。

このような民間企業が力を持ち、国有企業が脇に追いやられる“民進国退”を習近平政権が許すはずありません。金融に限らず、通信、自動車、鉄道など、国有企業が核となっている産業で民間企業が巨大化することは絶対に許さないでしょう。

そこで目指すのが「中国の特色ある」モデルです。習近平政権は国有企業を強化するとともに、民間企業にも党委員会を設置するよう求めています。外資企業も例外ではありません。一切を党が指導する考えです。

毛沢東が使った言い回しに「かまどを別に設ける」があります。既存の仕組みがあっても、同様のものを中国が独自につくる。AIIB(中国インフラ投資銀行)はその具体例です。既に世界銀行が存在し、アジア開発銀行があっても、中国が主導権を握ることができる独自のものをつくる。

こうして、中国が主導権を握るべく策定した独自のスタンダードや基準が途上国の間で普及する動きが強まっています。インフラ開発しかり、高速鉄道しかり、5G通信網しかり、新型コロナワクチンしかり、です。米国はこれに危機感を覚えて、中国の力をそぐべくデカップリング政策を推し進め始めたわけです。

これは、経済の秩序と経済発展のモデルをめぐる、G7(主要7カ国)と中国との争いです。我々が寄って立つ自由主義経済モデルが勝ち残るのか、それとも「中国の特色ある」市場経済モデル、すなわち権威主義モデルを選ぶのか。

—そうお伺いすると、中国が進める一帯一路構想は、中国版のマーシャルプランにみえます。

興梠:意識していると思います。

太平洋にも万里の長城を築く

—軍事力の面ではどうでしょう。米国のように、世界のどこにでも軍隊を派遣できる体制を築く意図があるのでしょうか。

興梠:あります。ただし、その発想は「万里の長城」です。 外敵に攻め入られないよう防衛ラインを引く。北京と万里の長城との距離は遠ければ遠いほど好ましい。

習近平国家主席とバラク・オバマ大統領(当時)が2013年6月に初の首脳会談に臨んだ際、習近平国家主席は「太平洋は広く、中国と米国という2つの大国を受け入れる十分な空間がある」との従来の主張を繰り返しました。この発言は、東側の防衛ラインを、第2列島線*にとどまることなくハワイの辺りまで推し進めたいという意味です。この考えは現在も変わっていないでしょう。

*:伊豆諸島からグアムを経てパプアニューギニアに至るラインを指す。中国は、Anti-Access, Area Denial(接近阻止・領域拒否)と呼ぶ防衛戦略を採る。防衛ラインと考える第2列島線内の海域に空母をはじめとする米軍をアクセスさせないようにする。これを実現すべく、弾道ミサイルや巡航ミサイル、潜水艦、爆撃機の能力を向上させている。第1列島線は日本列島および日本の南西諸島から台湾、フィリピンを経て南シナ海にかかるライン

そのために空母の建造を進めているわけです。

—インド洋への進出を拡大しているのはどう理解すればよいですか。「真珠の首飾り」と呼ばれるように、主要な港湾を抑える動きをみせています。中国の潜水艦もインド洋での行動を活発化しています。

興梠:インド洋については、経済的な理由が強く働いています。まず、原油を運ぶためのシーレーンの確保しなければならない。アフリカ諸国との貿易が徐々に拡大しているので、これに携わる商船の護衛も必要です。なので、意識にあるのは「活動圏」の拡大でしょう。自らが自由に振る舞い、影響力を行使できる「活動圏」を拡大したい。それを支える礎として海軍力を増強している。

—米国の戦略か、アルフレッド・マハンの考えに近いですね。19世紀から20世紀初頭にかけて米国の海外膨張主義を擁護し、制海権の確保と大海軍主義を唱えました。

興梠:そう位置づけることはできると思います。

台湾有事をめぐり「能力」に言及

—興梠さんは、習近平国家主席は今回の演説で「台湾を統一するために軍事力の行使もあり得る」という意志を示した、と評価しています。これはなぜですか。台湾有事の可能性は高まったのでしょうか。

興梠:西側諸国は、3月16日の日米外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)を皮切りに、4月16日の日米首脳会談、6月11~13日のG7サミットと続けて、「台湾海峡の平和及び安定の重要性を強調し、両岸問題の平和的な解決を促す」との文言を共同文書に盛り込みました。

これは、中国にとって非常にショックな出来事でした。彼らにとっては、正当な領土回復の行動ですから。習近平国家主席は一連の西側の行動に反撃すべく、「いかなる『台湾独立』のたくらみも断固として粉砕し、民族復興の美しい未来を創造しなければならない」「いかなる人も中国人民が国家主権と領土を完全に守るという強い決心、意志、強大な能力を見くびってはならない」と発言しました。

一言で言えば、「なめるなよ」という意味です。そして重要なのは「能力」に触れたこと。台湾を統一する「意志」はこれまでにも示してきました。それを一歩進めて、「能力」があると訴えた。「やろうと思えばできる」のだと。

米国で最近、「中国には台湾上陸作戦を敢行する力はまだない」という見方が現れています。米政府は、魚雷や、巡航ミサイル「トマホーク」、対艦ミサイル「ハープーン」、中国大陸内部まで射程に収める長射程のスタンド・オフ・ミサイルの台湾への供与を決定しています。これらを踏まえて、「そんなことをしても、中国は武力統一を実現する力を有している」と強調したわけです。

—日本と米国、G7の国々は、中国が戦闘機や爆撃機を台湾周辺に派遣する規模と頻度が高まっているのを懸念し、これ以上の行動を抑止すべく共同文書に「台湾海峡…」の文言を入れました。今度は、それに中国が反発して「能力」に言及する。エスカレーションのラダー(はしご)を一歩、また一歩と進んでいる好ましくない状況にみえます。

興梠:中国が台湾に対する行動を強め始めたのは、台湾で蔡英文(ツァイ・インウェン)政権が誕生したのが契機でした。同政権は、1つの中国を口頭で確認した「92年合意」に同意していません。「拒否している」といって差し支えないでしょう。

その蔡英文政権をトランプ政権が支援し始めました。ここから悪循環が始まったのです。トランプ政権は、その終わりには政府高官を台湾に派遣するようになりました。2020年8月にはアザー厚生長官が、米台断交後、最高位の高官として訪台。9月にはクラック国務次官(経済成長・エネルギー・環境担当)が訪台し、独立派だった李登輝・元総統の告別式に出席しました。

中国が台湾周辺に戦闘機を飛ばし始めたのは、この頃からです。

最近は、米国の中で「事が起きれば米国は台湾を防衛する、と明言すべきだ」という意見が浮上してきました。これまでは、この点を戦略的にあいまいにしてきましたが、習近平政権の行動がエスカレートしているので方針を変えるべきだ、という意見です。習近平国家主席が今回、演説で「能力」に言及したのは、こうした米国の動向への反発を示すものであるとも考えられます。

「台湾独立」は、米中台のいずれも望まない

習近平政権が、軍事力を伴う台湾統一の行動を起こすとすれば、どのような条件が整ったときでしょう。

興梠:台湾が独立に向けて動き出したときと考えられます。米国の政府高官による訪台に中国が反応するのは、これが高じれば、国家としての承認に進みかねないからです。

ただし、常識的に考えれば、台湾の独立が現実化に進む事態は当面は起こらないでしょう。もちろん、何が起こるか先のことは分かりませんが。

蔡英文政権は現在の状況を理解しており、独立という最後の一線は越えないとみられます。台湾の人々も自分が暮らす地域が戦場になることは避けたい。台湾で暮らす大半の人が望んでいるのは現状維持です。

仮に蔡英文政権がその方向に進もうとしても米国が止めるでしょう。米国は中台の争いに巻き込まれたくないですから。陳水扁・民進党政権が独立の動きを見せたときに、米国のブッシュ政権はこれを止めました。

バイデン政権は、米国の「1つの中国」政策に変わりはないと繰り返し発言しています。2月5日に行われた米中外交トップによる会談でも、アントニー・ブリンケン国務長官が「一つの中国」政策を実行する立場に変化はないと確認しました。5月には、バイデン政権でインド太平洋調整官に就任したカート・キャンベル氏が「戦略的あいまいさを維持すべきだ」と発言しています。

—仮に台湾が独立に動いても、少なくともバイデン政権の間は止めそうですね。

興梠:核兵器を持つ大国である中国と軍事的に対峙することになれば、それがもたらす負の影響は甚大です。

台湾が独立に動けば、中国は必死になって応じると思います。台湾を捨てるようなことがあれば、それに反発する国内のナショナリズムが制御できないレベルに高まります。共産党政権を維持すべくなりふり構わず行動するでしょう。そうした行動は、中国も取りたくないし、米国も望んでいません。

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