『「現場の嫌がらせ」では済まないレーダー事件 くるりと言い訳を翻した韓国』(12/27日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について

12/28ZAKZAK<動かぬ証拠…防衛省、レーダー照射時映像公表へ 韓国主張を否定>

https://www.zakzak.co.jp/soc/news/181228/soc1812280012-n1.html

まあ、朝鮮半島人が日本海を東海と言って、自分達の海にしようとしてきたのが分かろうと言うものです。日本人は余りに人が良すぎるでしょう。中国人と朝鮮半島人は敵国人と思わなければ日本人の未来はありません。

12/28ZAKZAK<レーダー照射で…米が韓国へ怒りの“警告” 米軍関係者「世界の軍関係者が『韓国が悪い。日本は悪くない』と理解している」>

https://www.zakzak.co.jp/soc/news/181228/soc1812280011-n1.html

記事

単従陣で旗艦を務める韓国の駆逐艦「広開土大王」、2008年7月撮影(写真:SOUTH KOREA NAVY/AFP/アフロ)

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自衛隊機へのレーダー照射事件で、韓国が説明を変える。「遭難漁船を救助中だった」との説明にも疑問符が付く。

攻撃直前の行為

—韓国の駆逐艦が日本の哨戒機に対し「攻撃寸前の態勢」をとりました。

鈴置:防衛省の発表によると12月20日、海上自衛隊の哨戒機P1が日本海の日本のEEZ(経済的排他水域)を飛行中に、韓国海軍の駆逐艦、広開土大王(クァンゲト・デワン)から火器管制レーダーの照射を受けました。

弾の入った銃を他人に向けたのも同然で、平時にはあり得ない行動です。岩屋毅防衛相は12月21日「攻撃直前の行為だ。不測の事態を招きかねない。韓国は説明すべきだ」と語りました。

共同通信の「レーダー照射『攻撃直前の行為』と防衛相」(12月21日)などが報じました。

否認に転じた韓国

—韓国政府は事件を否認しています。

鈴置:初めは堂々と認めたうえ「大した話ではない」と言っていました。それが日本政府に追い詰められると説明を変え「レーダーを照射したことはない」と言い出したのです。

「日誌・レーダー事件で言い訳を翻した韓国」をご覧下さい。12月22日までは韓国メディアに対し火器管制レーダーを使ったが、日本の哨戒機を狙ったものではなかったと説明していました。

ところが12月22日に防衛省が「火器管制レーダーは捜索には使わない」と指摘。さらには日本のメディアが「レーダー照射は複数回で一定時間続いた」「火器管制レーダーは哨戒機を向いていた」などと意図的なレーダー使用の可能性が高いと報じた。

そこで12月24日、国防部は「照射」自体がなかったと言い出したのです。「追跡レーダーの光学カメラで日本機を追跡したが、電波は一切出さなかった」との説明に変えたのです。

  • 日誌・レーダー事件で言い訳を翻した韓国
12月21日 防衛省、12月20日に日本海の日本のEEZ内で、韓国駆逐艦が日本の哨戒機に火器管制レーダーを照射と発表。岩屋毅防衛相「攻撃直前の行為だ。不測の事態を招きかねない。韓国は説明すべきだ」(共同通信など報道)
12月22日 東亜日報、独自ダネとして「12月20日に漂流中の北朝鮮の漁船を海軍が救助」と報道
12月22日 統一部、救助した北朝鮮の漁民を板門店を通じ送り返したと発表
12月22日 国防部「遭難した北朝鮮の船舶を捜索するため火器管制レーダーを使ったが、日本機を狙ってはいない。正常な作戦任務だった」(韓国MBC報道)
12月22日 NHK「レーダー照射は複数回で一定時間続く」「偶然とは考えにくい」「哨戒機はレーダー受けて回避」
12月22日 防衛省「火器管制レーダーは捜索には使わない。その照射は危険な行為」と発表
12月23日 FNNなど「火器管制レーダーは哨戒機を向いていた」と報道
12月24日 国防部「人道主義的な救助のための正常な作戦活動であり、日本機の脅威となる措置は取らなかった」「追跡レーダーの光学カメラで日本機を追跡したが電波は一切出さなかった」「日本機からの通信はノイズが多く『韓国海洋警察』だけが聞きとれた」(聯合ニュース報道
12月24日 韓国外交部「事実を確認せず発表した」として日本に遺憾を表明(聯合ニュース報道
12月25日 防衛省「火器管制レーダー特有の電波を一定時間、複数回受けたことを確認した」「海自機は韓国の駆逐艦から一定の高度と距離をとって飛行」「緊急周波数で韓国海軍艦艇に向け英語で3回呼び掛けた」と発表
12月25日 菅義偉官房長官、会見で韓国に再発防止を強く求めたうえ「当局間の協議を進める」
12月25日 岩屋防衛相、会見で「照射があったことは事実。(把握しているデータに関し)我が方の能力に関することは公表できないが、先方となら専門的な話もできる」

日本に逆ねじを食らわす

—なぜ、言い訳を180度変えたのでしょうか。

鈴置:初めは「日本の哨戒機に照準を合わせたものではなかった」と言い張れば、見逃してもらえると考えたのでしょう。しかし日本は強硬で、土曜日の12月22日にも防衛省が「韓国の嘘」と発表して追い打ちをかけるなど、追及の手を緩めなかった。

出るところに出れば、韓国は国際的な非難を浴びます。なぜなら火器管制レーダーの照準を当てることは、軍事衝突を避けるための海洋衝突回避規範(CUES=Code for Unplanned Encounters at Sea)に明確に違反するからです。

そこで国防部は「照射せず」と言ったと思われます。12月24日に「日本の哨戒機こそが我が方の駆逐艦の上を低空で飛ぶなど、危険な行為に及んだ」と言ったのも「CUES違反は日本側だ」と逆襲するつもりだったのでしょう。

外交部も助太刀に出ました。日韓の外務省は12月24日にはソウルで局長級会議を開いたのですが、韓国側は「事実関係の明確な確認なしに自分たちの立場を主張した」と日本を非難しました。ここでも逆ねじを食わせたのです。

聯合ニュースは「外交部、『レーダー騒ぎ』で日本に遺憾を表明…事実確認なしに発表」(12月24日、韓国語版)の見出しで報じました。

そこで12月25日、日本の防衛省が「火器管制レーダー特有の電波を一定時間、複数受けたことを確認した」と発表したのです。要は「証拠はある。日本が公開したら恥をかくぞ」と警告したのです。 韓国が言い出した「日本の危険な飛行」に関しても防衛省は否定しました。

人命救助に文句を言うな

—韓国紙はどう報じているのですか?

鈴置:左派系紙も保守系紙も韓国政府の言い分が正しいとの前提で書いています。そのうえで「難癖をつけてきた」日本を非難したのです。

左派系紙、ハンギョレの社説「日本、“レーダー事件”外交争点化を意図…韓日外交会議時も抗議」(12月23日、日本語版)の結論は以下です。

韓国軍が故意に狙ったものではないと説明し、実際に北朝鮮船舶を救助したのに日本側がこれを争点化するのは、最近の韓日関係のためと見られる。

韓国最高裁(大法院)の強制徴用賠償判決に反発する日本が“レーダー事件”をカードとして活用しようとする意図が窺える。

保守系紙の朝鮮日報も同様でした。「最悪の韓日関係が見せた『レーダー騒ぎ』」(12月24日、韓国語版)のポイントを翻訳します。

当時漂流していた北朝鮮の漁船が我が軍に救助されたことなどを見るに、海軍が日本の哨戒機を意図的に狙った可能性はまずない。

友好国の間であれば問題になるようなことではない。というのに日本は「あり得ないこと」と抗議した。

保守系紙の東亜日報の社説も「騒ぎ過ぎ」と日本を批判しました。「韓日のレーダー騒ぎ、事を大きくせず外交的に解決するべきだ」(12月24日、日本語版)からその部分を引用します。

故意性なく船舶救助の作戦中に起こったという説明にもかかわらず、日本政府とメディアが韓国海軍にまるで「他意」があったように追及することは度を越した反応だ。

青瓦台より日本メディアを信頼

—「言い訳」を180度変えたことに関し、韓国メディアはどう書いたのですか?

鈴置:無視することにしたようです。そのおかしさに触れた大手メディアの記事は見当たりません。

もちろん韓国の記者もバカではありませんから「あれっ」と思ったでしょう。読者の書き込み欄を見ると、政府の説明を信じ「日本機を撃墜すべきだった」という反応がある半面、「政府は見苦しい言い訳はもうやめろ」といったものがあります。

例えば12月24日の国防部の「火器管制レーダーの照射は一切なかった」との発表を報じた朝鮮日報の記事「軍『日本の哨戒機を追跡すべくレーダーを運用したことはない』」(12月24日、韓国語版)の書き込みには以下があります。

言い訳丸出しの言い訳は国の威信を貶める。左派の乗組員が戦争ゲームをしたのだ。青瓦台(大統領府)のゴミどもより日本のメディアの方が信用できるなんて。

一日ごとに新しい説明を作り出す国防部の言葉通りなら結局、火器管制レーダーは北朝鮮の漁船救助作業とは関係なく、日本の哨戒機を照射したことを認めたのだ。カメラの電源を入れれば火器管制レーダーも一緒に回ることを知っていながら稼働したということは、日本の哨戒機がレーダーに照射されようと関係ないという未必の故意があったということだ。

いずれも、韓国政府が信じられなくなったが故の書き込みです。そりゃそうです。「照射した」が突然「照射しなかった」との説明に変わったのですから。

突っぱねれば日本は引っ込む

—だったらなぜ、韓国紙はその変節を指摘しないのでしょうか。

鈴置:初めの段階で「韓国政府の説明が正しい」との前提で社説を書いてしまったからでしょう。もちろん政府の言い訳が180度変わったことを基に、社説を軌道修正する手はあります。

ただ、「我が海軍は北の漁船を救け、それを日本機が邪魔しようとしたのだ。火器管制レーダーを使ったとしても、正当防衛だ」と信じている人も多い。

今になって記事を修正して政府批判すれば「国家反逆新聞」の烙印を押されかねない。メディアとすれば、この問題が収束するのを待つ方がいいのです。

根っこには「突っ張っておけば日本はあきらめて引っ込む」との判断があります。これまで日本は韓国の滅茶苦茶な行動に怒って見せても、さしたる報復はしなかった。だから今度も、適当なことを言ってうっちゃっておけばいい、というわけです。

—ところで北朝鮮の漁船を助けたというのは本当ですか?

鈴置:レーダー照射した韓国の駆逐艦が救助したのではありません。海洋警察の警備艦が助けたのです。海軍の駆逐艦も一緒になってレーダーで捜索し実際には、警備艦が救ったと発表されています。

もっとも、北朝鮮の漁船を助けるためにわざわざ駆逐艦が出動したというには不自然です。遭難海域に海洋警察の警備艦がいたのですから。

漁船救助に駆逐艦が出動したって?

趙甲済(チョ・カプチェ)ドットコムを舞台に、ファンド・ビルダーのペンネームで外交・安保を縦横に論じる識者もこの点に首を傾げました。

海軍『火器管制レーダー照射』に関する疑問点」(12月24日、韓国語)です。その部分を抄訳します。

韓国政府とメディアは「広開土大王」が北朝鮮の漁船救助活動に出動したことを既成事実化しているが、本当だろうか。北朝鮮の警備艇がエンジン故障で漂流していたのなら、重大性を考慮して駆逐艦が出動するのは理解できる。しかし小さな漁船が漂流して駆逐艦が動員されたとの説明は理解し難い。

海洋警察がそばにいなかったというならまだ分かるのだが。あえて海軍が出なければならない状況だとしても、機動力の良い高速艇が出るのが正常である。

ファンド・ビルダー氏はもう1つ「位置」に関しても疑問を呈しました。これも要約しつつ訳します。

各紙の報道によると、漂流した北朝鮮の漁船の位置は大和碓の北西だった。一方、日本の哨戒機はかなり離れた日本のEEZ上空を飛んでいた。「広開土大王」はその中間にいた。

漁船とは真反対の位置にいた日本の哨戒機に火器管制レーダーを照射したことになる。だとすると照射時間はどんなに長くても数秒のはずだが、なぜ数分間に至ったのか。この事件は「漁船の救助」を名分に言い逃れできる事案ではない。

文在寅なら怒らない

—結局、レーダー照射の意図は何だったのでしょうか?

鈴置:安全保障の専門家も韓国の専門家も、現場による嫌がらせと見る向きが多い。「広開土大王」の艦長かレーダー担当兵が、上部の指令なしに跳ね上がって犯行に及んだとの見方です。

韓国では「日本には何をやってもいい」という風潮があります。ことに21世紀に入り韓国が日本を見下すようになってからはそれが強まった(『米韓同盟消滅』第3章「中二病にかかった韓国人」参照)。

韓国海軍にしても「旭日旗を掲げるなら国際観艦式に来るな」と言ってみたら、日本はろくな抗議もせずに引き下がった。竹島で演習しても抗議するだけ。これなら「射撃管制レーダーで脅して追い払ってやれ」と考える艦長や兵が出てくるのは当然です。

—文在寅(ムン・ジェイン)大統領の指示はなかった?

鈴置:それは分かりません。ただ、上からの直接の支持はなかったとしても、犯行は大統領に大いに関係します。現場がレーダー照射により日本との関係を悪化させても、日本との対決姿勢を明確にする文在寅政権なら処罰しないと誰もが考えるからです。

日本を日本海から追い出す

—文在寅政権下ならではの事件というわけですね。

鈴置:そうです。しかし今後は大統領が誰であろうと、こういう事件が起きる可能性が高い。なぜなら韓国は日本海を自らの海としたくなったからです。

日本海にはメタンハイドレートが大量に眠っていて、日本が自らのEEZ内で採取し始めたのが悔しくて仕方ない。

また、韓国海軍は2020年からミサイル発射型の潜水艦を配備しますが、その「巣」としても日本海は重要です。黄海は浅くて潜水艦の運用は難しいし、そもそも中国が海上優勢――昔の言葉で言えば制海権を維持している。

韓国とすれば明治以来、日本海で羽振りをきかせてきた日本を追い出したい。11月20日にも、韓国の海洋警察の警備艦が日本のEEZ内で日本の漁船に操業中止を命令した事件が発生しています。

だからレーダー事件を「現場の跳ね上がり」と見過ごすわけにはいかないのです。火器管制レーダーを照射された日本の自衛隊機は退避せざるを得ない。それを繰り返していけば、日本のEEZもその空域も韓国が支配できるのです。

  • 韓国の「対日挑発」日誌(2018年10月以降)
10月1日 李洛淵首相、韓国主催の国際観艦式に参加する自衛艦に旭日旗掲揚の自粛を要求
10月5日 日本、観艦式への自衛艦の派遣見送りを決定
10月11日 観艦式で韓国艦は伝統的な「将旗」も掲揚。参加国には国旗のみの掲揚を求めていた
10月30日 韓国・最高裁、新日鉄住金に対し戦時中の朝鮮人労働者に賠償金を支払えと判決
11月20日 韓国海洋警察の警備艦、日本のEEZ内で日本漁船に操業中止を命令
11月21日 韓国・女性家族部、「和解・癒し財団」の解散手続きに入ると発表
11月29日 韓国・最高裁、三菱重工業に対し戦時中の朝鮮人労働者に賠償金を支払えと判決
11月29日 韓国・ソウル中央地裁、新日鉄住金に対し戦時中の朝鮮人労働者に賠償金を支払えと判決
12月5日 韓国・光州高裁、三菱重工業に対し戦時中の朝鮮人労働者に賠償金を支払えと判決
12月13-14日 韓国軍、竹島周辺で防衛演習
12月14日 韓国・光州地裁、三菱重工業に対し戦時中の朝鮮人労働者に賠償金を支払えと判決
12月20日 日本海で韓国駆逐艦が日本の哨戒機に火器管制レーダーを照射(12月21日に防衛省が発表)
12月24日 元・朝鮮人労働者、新日鉄住金の資産差し押さえに関し「執行日は外交状況を考慮する」

相次ぐ「愛国事業」

—そんなに簡単にいくでしょうか。

鈴置:放っておけば、これが「初めの一歩」になります。「韓国の『対日挑発日誌』」をご覧下さい。2018年10月以降だけでも、これだけ日本を挑発しています。ただ、それらは韓国から見れば、日本との関係を見直し、権利を拡大する「愛国事業」なのです。

日本企業に対し、戦時中の朝鮮人労働者に慰謝料を支払えと韓国の裁判所が相次ぎ判決を出したのもそうです。日韓国交正常化の際に結んだ基本条約を否認するものです(「『言うだけ番長』文在寅の仮面を剥がせ」参照)。

「和解・癒し財団」解散も、日本との慰安婦合意を反故にする狙いです。文在寅政権のこうした動きに対し、保守派からもさほど批判はあがらない。

日本との関係が悪化しさらには米国との同盟が揺れると懸念する向きは一部にある。しかし敢えて約束を破り、日本を従わせる「愛国事業」である以上、保守も文句はつけにくいのです。

核武装に必須の日本海

—韓国の保守系紙がレーダー事件で自らの政府を批判しないのも……。

鈴置:「愛国」の部分もあると思います。日本のEEZを韓国がコントロールできるようになれば、国益が大きく増進します。

そもそも2020年以降、毎年1隻ずつ配備するミサイル潜水艦だって「韓国の核」の一環として保守政権が始めた事業なのです(『米韓同盟消滅』第1章第4節「『民族の核』に心躍らせる韓国人」参照)。

文在寅政権の「南北共同の核」のための配備とは主体が異なりますが、核武装に必須の第2撃能力を持つという点では同じです。その「巣」作りには、保守だろうが左派だろうが、韓国人なら賛成しておかしくないのです。

(次回に続く)

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