『北朝鮮は日米分断に全力をあげる 新たな安保理制裁も効果なし』(9/13日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について

本記事を読んでの感想ですが、確かに北はこの程度で済んで良かったと思っているでしょう。ただ一応国連安保理での全会一致の採択でしたから、世界を敵に回しているという自覚はあるでしょう。ただ、9回目の制裁がかかっても北の朝鮮は止むことはないと思われます。我々は国連と言うのは国際平和維持のためには機能しない機関と思った方が良いでしょう。最終的に安全を担保できるのは国家だけです。勿論、多国間同盟による安全の確保も可能ですが、力がなければ同盟も結んで貰えません。石破氏が「非核三原則の見直し」に言及していますが、「持ち込ませず」だけではなくて「ニュークリアシエアリング」まで踏み込んでほしかったです。これであればNPT違反ではなく、既に実例もありますから。ただ抑止力として実効性があるかどうかは分かりません。北の核保有が認められるのであれば日本の核保有も認めさせるべきです。

敵(北や中国)は日本のマスメデイアを使って日米離間、彼らに敵対する安倍内閣打倒を叫ばせるでしょう。悲しいかな、それを鵜呑みにする日本人がまだまだ多いという事です。敵の出方は予想されるので、政府としてはやられ放しになるのは無能という事です。時間を言い訳にするのは許されません。事態は切迫しています。多くの日本人同様政府も危機感が足りないのでは。5月に安倍氏は自民党総裁として憲法改正への発言後、メデイアが森友・加計で如何にバッシングして内閣支持率を落としてきたかを考えれば分かるでしょう。今度も朝日を筆頭に左翼メデイアは「米軍の存在が悪い」、「安倍が悪い」の大合唱になると思います。国際法違反の行動をしているのは北なのに。ここをどのように乗り切るかは政府として考えておかないと。電波オークションはやらないよりやった方が良いに決まっていますが、遅すぎです。

http://www.sankei.com/politics/news/170912/plt1709120003-n1.html

以前にもブログ『ぼやきくっくり』からの引用で、青山繁晴氏の発言を取り上げました。米軍が北を攻撃するとすれば、限定戦争でなく全面戦争となるという事を。ただ本記事にあります通り米軍は戦術核(B61-11、バンカーバスター小型水爆)を使って兵器廠を無力化すると思っています。今の日本人は根拠もなく「戦争は起きない」と思っている人が多いです。メデイアがそういう報道をしないからです。日本のメデイアは敵の道具ですから期待するだけ無駄でしょうけど。口コミやネットで広めていくしかありません。本記事の最後に鈴置氏がいみじくも書いています。「日本語のネット空間では「米国も含め世界が平和を望んでいる。戦争を欲しているのは日本の安倍だけだ」という文句も飛び交うようになりました。「やはり、こう来たな」という感じです。」と。ネットは圧倒的に保守派が強いと思っていますが、数は少なくとも敵の指示に従って投稿する五毛帮みたいな輩が居るという事です。騙されないように。

記事

国連安保理は北朝鮮制裁決議を全会一致で採択したが…(写真:AP/アフロ)

前回から読む)

9月11日、国連安保理が新たな制裁案を採択したが、北朝鮮に核・ミサイルを放棄させる効果は期待できない。味をしめた北朝鮮は核武装を世界に認めさせるため、日米分断など陽動作戦に動くだろう。

原油は現状維持

—安保理が採択した9回目の北朝鮮制裁案は?

鈴置:効果は期待できません。肝心の原油の全面禁輸が盛り込まれなかったからです。新たな制裁案では現状水準で凍結するに過ぎません。金正恩(キム・ジョンウン)委員長に対する資産凍結・渡航禁止も外されました。

—一体、何が新しいのですか?

鈴置:北朝鮮の繊維製品の輸出禁止と、国連加盟国における北朝鮮労働者への就労許可の禁止です。ただ後者に関しては、中国やロシアで現在働く労働者の送還は見送られました。

米・日は原油の完全禁輸と、北朝鮮の外貨獲得手段の封鎖など強力な制裁を目指しましたが、中ロの反対で完全に骨抜きになりました。

水爆を持ったことに留意せよ

—北朝鮮は喜んでいるでしょうね。

鈴置:「しめた!」と躍り上がったことでしょう。今後は「水爆とICBM(大陸間弾道弾)を持った北朝鮮」を世界に認めさせるために全力をあげると思います。

北朝鮮の路線は明確です。9月7日に朝鮮中央通信が配信した記事「朝鮮アジア太平洋平和委員会 敵対勢力の新たな制裁圧迫を非難」が北の意図をよく示しています。

この記事はまず、米国に対して北朝鮮を核保有国として認め、制裁や軍事的威嚇を止めるよう要求しました。以下がその部分の全訳です。

なお、記事の一部は聯合ニュースの「北朝鮮が韓米日を威嚇 『制裁に執着すれば断固たる対応に直面』」(9月8日、日本語版)で、日本語で読めます。

米国は朝鮮の水爆保有により変化した地位と重みを慎重に考慮し、もう打つ手もないというのに空元気を出して、めったやたら暴れまわるのは止めねばならない。

朝鮮の水爆実験の成功に込められた極めて大きな意味と、厳しい警告をいまだにきっちりと判別できず、昔ながらのやり方にとらわれ制裁と圧迫に執着するなら、米国としてとても甘受できない、類例のない断固たる対応に直面するであろう。

いつも、後悔は先に立たないものだ。

米国がほざく「北を全滅」などの暴言と、悪だくみの妄動が国益を利するか、そうではないか、深思熟考せねばならない。

—「上から目線」ですね。

鈴置:核を持ったからではありません。北のメディアはいつもこうなのです。「オレはお前より上の存在だ」と叫んでいるのです。韓国政府が日本政府に対し、説教調の声明を出すのと同じことです。

—韓国外交部が年中言って来る「歴史を直視せよ」ですね。

鈴置:その通りです。話を北朝鮮に戻します。よほど国連制裁の強化が怖かったと見えます。世界では「どうせ中国やロシアが制裁強化には応じないだろう」と見る向きが多く、実際そうなったのですが。

同時に「北の全滅」を極度に恐れているのも分かります。制裁の実効が上がらない場合、しびれを切らした米国が北の核・ミサイル施設を先制攻撃してくると恐れているのでしょう。

—「全滅」と言っていますね。

鈴置:9月3日、マティス(James Mattis)国防長官が「米国やその同盟国を攻撃すると脅すなら、大量の軍事的対応で悪漢国家を全滅(total annihilation)させることもある」と語りました。これに反応したのでしょう。

マティス長官の言い回しは、米政治誌POLITICOの「Mattis warns of ‘massive military response’ if North Korea threatens attack」(9月3日)で読めます。

平壌も核攻撃の対象

—核・ミサイル施設への攻撃だけで、北朝鮮は「全滅」するのですか?

鈴置:専門家はしばしば「ピンポイント攻撃」とか「外科手術的な攻撃」という言葉を使います。民間人の被害を極力抑えるため、軍事施設だけを攻撃する、との含意があります。

ただそうは言っても今、北朝鮮を攻撃するとなると全面戦争に近いものになりそうです。地上戦までやるつもりは米国にはありませんが。

先制攻撃する場合、米軍はまず第1撃で北朝鮮のレーダー基地とミサイル施設、司令部を叩きます。核兵器の製造工場や倉庫は後回しです。とりあえずは運搬手段であるミサイルを叩かないと、核で反撃されることになるからです。

でも北朝鮮はミサイルを地下に隠していて、場所の特定が困難です。先制攻撃されても反撃し得る――第2撃能力を持っているのです。

第2撃能力を消滅させるには過去にミサイルを発射した場所と、隠匿していそうな場所、すべてを同時に攻撃する必要があるのです。ある米軍関係者は「場所を完全に特定できない以上、広範囲に叩ける戦術核も使うだろう」と予測します。

北朝鮮は8月29日、ミサイル「火星12」を首都、平壌(ピョンヤン)の順安(スナン)国際空港から発射しました。米軍は当然、平壌も先制攻撃の対象とします。

—なぜ、北朝鮮は敢えて平壌の空港から発射したのですか?

鈴置:米国に対し「平壌からもミサイルを撃てるぞ。首都という人口密集地を米国は攻撃できるか」と挑発する狙いだったと思われます。もちろん米国は人口密集地だろうと攻撃します。そうしないと米国や同盟国が核攻撃されるからです。

9月3日のマティス国防長官の「全滅(total annihilation)」発言は「平壌からの発射」への返答だったのかもしれません。

米国の手足は止めよ

—北朝鮮はどうするつもりでしょうか。

鈴置:日本で、先制攻撃への反対論を盛り上げると思います。すでに日本に対し「米国に協力したら、核で攻撃するぞ」と脅し始めています。

先ほど引用した朝鮮中央通信の9月7日の記事は、米国に現状追認を求める一方、日本を威嚇しました。

日本は自らの立場をはっきりと悟り、これ以上米国の手足として醜悪に振る舞うことは止めねばならない。

日本反動層に対する骨髄に徹する恨みを抱いているわが軍隊と人民は、米国にへつらって反共和国制裁騒動に先頭で加担してきた現日本当局の罪科まで徹底的に清算する時だけを待っている。

我々の水素爆弾の実験成功以来、驚き慌てる日本の醜態にはやはり、むかつかざるを得ない。

人々はそれが軍事大国化実現に拍車をかけるための浅薄な計略と見抜いている。

日本は、恐ろしい打撃力と命中効果を持った多種多様な原爆と水爆、弾道ミサイルを保有した世界的な軍事強国である朝鮮民主主義人民共和国が、最も近くにあることを心に刻まなければならない。

最初の2つの文章と最後の1文で「核攻撃されたくないなら米国に追従するな」と脅しました。そして3番目と4番目の文章で「安倍政権の軍国主義化へのたくらみ」を指摘しました。

「北を刺激するな」

—隣に登場した核保有国が怖くないのか、ということですね。

鈴置:日本語のネット空間には、この記事が載ったころから「核を持った北を刺激してはならない」との言説が一気に目立つようになりました。北朝鮮の意向に沿って「経済制裁や米国の軍事行動を支持したら大変なことになる」と言い出した人たちがいるわけです。

それまで北朝鮮に近い人は「日本は対話すべきだ」「米朝の仲介の労を日本がとるべきだ」などと言っていたものですが。

—なぜ、彼らは「対話」を言わなくなったのでしょうか。

鈴置:「対話」を言われると北朝鮮が困るからです。強力な核兵器と米国の西海岸に届くであろうミサイル持った以上、北朝鮮はその新たな現状を変えたくはないのです(「北朝鮮にはもう、対話など必要ない」参照)。

対話は程度の差はあれ現状の変更を話し合うわけですから、北朝鮮にとって「百害あって一利なし」です。

もし、世界で「対話しよう!」との声が高まれば「対話に応じない北朝鮮」の姿が浮き上がってしまいます。だから「対話ムード」が盛り上がらないよう、北朝鮮は「核とミサイルは交渉の対象ではない」と繰り返すのです。

反安倍勢力をテコ入れ

—この記事は安倍晋三政権も批判しています。

鈴置: 「日本の軍事大国化」を批判する、日本の反安倍勢力を使って、米国との共闘を止めさせるつもりでしょう。

米国は韓国の協力がなくても「第2次朝鮮戦争」は何とか戦えます。しかし、在日米軍基地と日本の補給力がないと戦えません。北朝鮮もそれはよく分かっていますから、反安倍勢力へのテコ入れに必死なのです。

日本語のネット空間では「米国も含め世界が平和を望んでいる。戦争を欲しているのは日本の安倍だけだ」という文句も飛び交うようになりました。「やはり、こう来たな」という感じです。

(次回に続く)

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