『中国人が台湾の民主主義にもはや影響されない理由』(7/18ダイヤモンドオンライン 加藤嘉一)、『中国政府に必ず跳ね返ってくる劉暁波氏への仕打ち 国際社会が一斉に非難、対外戦略に大ブレーキは必至』(7/16JBプレス 古森義久)について

台湾の蔡焜燦さんが逝去されました。『台湾人と日本精神』を読み、昔の日本人が台湾に残っているという印象を持ちました。司馬遼太郎の著書「街道をゆく 台湾紀行」で案内役を務め「老台北(ラオタイペイ)」と紹介されたのでご存じの方が多いと思います。ご冥福をお祈りいたします。

Facebookから取った「中国観察」の生きたままで臓器摘出した医師の告発が載っています。ナチと同じような非道をして、ウイグル人とか法輪功信者から摘出したと。「中国観察」は法輪功関係ですから100%の信頼はなくても、金儲けの為だったら何でもする中国人ですので充分ありうると思っています。米国人が同じことを言っています。(音声は英語、ただ、字幕が中国語なので理解できます)。

https://www.facebook.com/ST.WONG81/videos/1692670757440000/

蔡焜燦さんと「中国観察」と古森氏の記事と比較すれば、加藤氏の記事が如何に薄っぺらいか分かるでしょう。学歴詐称するくらいの人間ですから。東大なんて前文科省事務次官の前川を見ていればレベルが分かります。それでも「東大を蹴った」と言いたいと思っているのですから。心根は中国人と一緒です。富坂聰と同じく工作員でしょう。ハーバードに行ったのも裏で中共が金を出したと睨んでいます。下記のURL記事ではスパイではないと言っていますが、スパイが自らスパイと公言することはありません。また、情報を取るため紅二代辺りと付き合っているようですが、結局中共の論理に合わせた記事しか書かないと思っています。

http://kinbricksnow.com/archives/51938303.html

蔡英文総統を腐す記事で、さもそれが台湾人全体の思いのような書き方をしていますが、今の安倍首相と蔡英文総統の支持率はたいして違いません。これが政府を批判できる=言論の自由を有する民主主義の良い所です。でも偏向メデイアに騙されやすいのが民主主義国家の欠陥でもあります。彼の議論は為にする議論と思います。中国の紅二代が言った「中国人は物質主義者だ。自由や民主主義に敬意を払う伝統もない」と言うのは合っています。特に為政者側であれば富と人民には無い自由を独占できるのですから。まあ、紅二代の意見が中国人の代表と日本人に刷り込ませて、誤断させる狙いでしょう。日本のメデイアのやりそうなことです。まあ、加藤氏を使う段階から眉唾物としか言いようがありませんが。

古森氏の記事では、劉暁波氏の死が中国を国際的な批判に晒し、外交上も失点となり、影響を与えるのではと見ていますが、中国人の発想は先程の紅二代と同じく「金が総て」です。金を出せば皆黙ると思っています。ですから効果的なのは中国に金を稼がせない、国際市場から締め出すことです。金融制裁が一番効くでしょう。人民解放軍に金も回らなくなります。トランプはアメリカの覇権に挑戦してきている人権無視・非法治の中共を打倒しなければならないと思います。それこそManifest Destinyではないですか。「1年計画」何て中・北に時間の利益を与えるだけです。止めて早く金融制裁を発動するのを願っています。

また、ネットでは劉暁波氏は刑務所にいたのに肝臓癌になるかと言う意見もありました。確かに酒が飲めるわけでもなく、やはり発癌物質を摂取させられた可能性もあります。中国ですから何でもありです。

加藤記事

戒厳令解除30周年に 考える中国の民主化

現在、台北の一角で本稿を執筆している。

前回台湾を訪れたのは昨年1月に行われた台湾総統選挙・立法委員選挙のときであった(「蔡英文陣営が大勝した台湾選挙は“中国民主化”に何をもたらすか?」)。くしくも、7月15日は戒厳令解除30周年という節目の時間で、現地では一定の議論が展開されているところであった。本稿では、この時間に久しぶりに訪れた台湾の地で、本連載の核心的テーマである中国民主化研究を念頭に置きながら、私が考えることを書き下したい。

まず、「中国民主化と台湾」という関係性について、私の基本的な考えの一端を記しておきたい。

《若者世代を中心とした台湾人は、「中国とこういう付き合い方をするべきではないか」「中国と付き合う過程で法治や民主の枠組みを着実に重んじるべきではないか」といった市民としての欲求を訴えている。中国との付き合い方という文脈において、法治・自由・民主主義といったルールや価値観を守るべく、市民社会の機能を駆使しつつ、自らの政府を徹底監視し、自覚と誇りを持って奮闘する過程は、対岸の中国が民主化を追求する上でポジティブな意味合いを持つ。

  なぜなら、台湾が中国と付き合うなかで、政治体制やルール・価値観といった点で中国に取り込まれる、すなわち台湾が“中国化”していくことは、中国共産党の非民主主義的な政治体制が肥大化しながら自己正当化する事態をもたらし得るからだ。その意味で、同じ中華系に属する社会として、民主化を実現した歴史を持つ台湾、そしてそこに生きる人々が果たす役割は大きい。》

(『中国民主化研究:紅い皇帝・習近平が2021年に描く夢』(ダイヤモンド社、2015年7月刊、第12章“台湾と中国人”、394~395頁)

蔡英文総統がフェイスブックに投稿した「思い」

7月15日、蔡英文総統が自らのフェイスブックに“台湾人民に敬意を払う:戒厳令解除三十周年に思うこと”を投稿し、中国語約800字でその思いを綴っている。

「30年前の今日、台湾はついに38年に及ぶ国民党戒厳統治から脱出し、自由と民主に向けて重要な一歩を踏み出した。この一歩は台湾人民が力を合わせて踏み出したものだ。長い間、一部の人は台湾の民主化を蒋経国前総統による功績だとしてきた。しかし、戒厳令が解除されて30年が経った今日、我々は視線を台湾人民たちに注ぐべきだと私は考える」

冒頭でこう述べた投稿は、1980年代、無名の人民たちがいかにして台湾民主化のために力を注いできたのかを強調する。その上で、台湾民主主義の未来について3つの思いを語る。

「より多くの、本土発の新しい力が民主政治の運営に加わることを期待したい。そうすることで、台湾の民主政治は若い活力を保ち続けることが可能になるからだ」

「台湾の市民社会が引き続き強靭になっていくと同時に、政党と市民社会の間でより理性的・健康的なインタラクションのモデルが見つかることを期待したい」

「いつか、台湾のすべての政党が台湾の主体性という立場に立って国家の未来を思考できることを期待したい」

その上で、「民主と自由は台湾のアドバンテージである。民主主義を強固なものにすること、台湾人は永遠に民主人、自由人であること、そしてこれらの信念を世界に伝えていくこと」の重要性を謳って投稿を結んでいる。

蔡総統が言わんとすることは理解できるし、一人の日本人として、台湾が自由と民主主義に立脚した、成熟した市民社会および政治と世論の間に健全な理性を育む社会であり続けることを望んでいる。

と同時に、台湾がこれらの目標を追求・実現する過程において、我々日本人もただ傍観するのではなく、台湾人と相互に学び、このアジアという私たちが暮らす地域に自由と民主主義に立脚した市民社会が根付くよう、ともに汗をかくべきだと考える。

信頼を得られていない蔡総統

さて、投稿全体がポピュリスティックに傾いているのは、蔡政権として世論の政治への支持を取り付けるプロセスに苦心している現状を体現しているものと思われる。

実際、現在行政院長オフィス(Office of the Premier)で働く旧知の友人に会って蔡政権の状況を聞いてみると、「蔡総統は世論、企業、知識人などを含めた外界からも、党内・政府内部でも信頼を得られていない。側近ですら彼女が何を考えているのか、どこへ向かおうとしているのかをつかめない。まったくヒトを使えていないという状況だ」と返してきた。「いま台湾で最大の問題は何だと考えているか?」と問うた際には「蔡総統本人」とのことだった。

外界の蔡政権への不満は、戒厳令解除30周年における世論にもにじみ出ていた。翌日の現地新聞を読んでいてもその空気感は伝わってくる。《聯合報》は各界の関係者が戒厳令解除30周年に際して民主主義の現状をどう評価するかを伝えた。以下の政界関係者らのコメントは興味深い(《聯合報》A3版による)。

「台湾政治文化は1990年代よりも後退しており残念だ」(林濁水・民進党元立法委員)、「台湾の民主主義が有名無実化する問題は近年悪化の傾向を辿っている。民主法治の素養を強化する必要がある。民主政治は多数決にとどまらない。より重要なのは憲政、法治への尊重である」(葉匡時・元交通大臣)、「戒厳令解除30周年を迎え、ポピュリズムが益々深刻になっている。現在の執政は以前よりも困難であるが、民進党は完全執政しているのだから、完全に責任を持たなければならない」(柯建銘・民進党党団総招集人)、「民進党が完全執政して以来、少なくない反民主主義の傾向が生じている。国民党は民衆に呼び掛け、真の民主主義の価値を死守しなければならない」(費鴻泰・国民党立法委員)

政治関係者にとどまらず、社会の各界にも台湾の民主主義への懸念は広範に存在すると感じさせられる。「教育システムにおける戒厳はいまだに解除されていない。制度は開放されたが思想や観念はいまだに党國時代に留まっている」(《自由時報》A15版、陳啟濃・水里高校校長、“戒厳令解除30周年、戒厳が未だに存在する場所もある”、7月16日)、といった主張である。

台湾に残された唯一の価値は民主主義

前述の「中国民主化と台湾」の関係性に対する基本的考えから出発すれば、台湾社会が戒厳令解除30周年という節目の年に、現状に満足することなく、与党から野党、官から民までクリティカルに議論を展開し、台湾の民主主義を死守し、前進させようと奔走する情景はポジティブだといえる。

前出の行政院長オフィスで働く友人は言う。「中国の台頭を前に、台湾の安全保障分野における戦略的価値は下がらざるを得ない。台湾に残された最後の、唯一の価値は民主主義だ」。民主主義を不断に深化させることこそが、台頭する中国に向き合う上での最大のレバレッジになるという意味であろう。

その意味で、《聯合報》が掲載した社説“民主主義の夢は口だけのものであってはならない”(7月16日、A2版)の以下の記述は示唆に富んでいる。

「蔡英文は次のように言う。“対岸(筆者注:中国を指す)が政治改革を推進し、大陸の人民に民主主義と自由によって保障される本来の権利を享受させ、両岸関係に新しい契機をもたらしてくれることを期待する。仮に“中国の夢”が民主主義なのであれば、台湾は中国がその夢を実現する過程で必要な協力を提供するだろう”。このような言い方は自大で矛盾している。考えてみよう。現在、両岸の交流は停滞し、以前であれば大陸からやってくる観光客や留学生を民主主義で説得することができたが、いまではそんな機会も失われている。一部観光客は台湾で非友好的な目に遭っている。こんな現状で対岸が民主主義の夢を実現する過程にどう協力するのだというのか?」(筆者注:台湾交通省の統計によれば、2016年、中国からの観光客は前年に比べ延べ67万人減り、昨年5月から今年2月にかけては、前年同期比で延べ112万人減っている)。

国民党寄りとされる《聯合報》による社説であるが故に蔡政権への批判がより顕著であろうことを断っておきたいが、同社説が指摘する、政権が中国寄りの国民党から中国と距離を置く民進党に代わるなか、中国からの観光客や留学生が減っている(確かに街を歩いていても、以前と比べて中国からの観光客に遭遇する場面が減っていると私自身感じる)という状況は中国民主化研究という視角からすれば考察に値する。

中国人民は物資的発展に満足 自由や民主主義に敬意を払う伝統もない

少なくとも私の周りにおいて、学生や社会人を問わず、これまで台湾へ赴いた中国人は、ほぼ一様に台湾の市民社会や民主主義に好感や敬意を抱いていた。その意味で、台湾社会に直接触れる中国人が増えれば増えるほど、中国社会を民主化していく上でのボトムアップ型のチカラが醸成されやすくなると、理論上はいえる。そう考えると、《聯合報》が指摘する両岸関係の停滞は、中国民主化プロセスにとっても一つのネガティブな要素になるといえる。

この感想を1990年代から2000年代にかけて中国共産党中央で対台湾工作を担当していた“紅二代”にシェアしてみると、こう返ってきた。

「30年前なら考えられたかもしれない。ただ今となっては中国社会も変わり、人民は物質的発展に満足している。外の世界に赴き、帰ってきても、自分たちが暮らす社会が外よりも劣っているとは必ずしも考えない。中国のほうが発展している、外の世界は思っていたほど良くないと考えるに至る人民だって少なくない。中国人は物質主義者だ。自由や民主主義に敬意を払う伝統もない」

なるほど、私なりに納得させられた。そう考えると、両岸間の交流が増えたり減ったりしても、中国民主化プロセスへの質的影響は限定されたものになるのかもしれない。やはり鍵を握るのは“内部”ということか。共産党大会を数ヵ月後に控えた時期だけに、色々と想像を掻き立てられる今日この頃である。

(国際コラムニスト 加藤嘉一)

古森記事

劉暁波氏の死去を受け、中国・香港の中央政府駐香港連絡弁公室に設けられた記帳台と劉氏の写真(2017年7月13日撮影)。(c)AFP/Isaac Lawrence 〔AFPBB News

ノーベル平和賞受賞者の中国人の民主活動家、劉暁波(りゅう・ぎょうは)氏が7月13日、肝臓がんの全身への転移のため中国遼寧省の病院で亡くなった。その悲惨な死は、中国共産党政権の苛酷な本質を全世界にみせつけた。

国際社会では中国政府の非人道性への非難が一気に広がっている。中国が進めようとしているグローバルな影響力の拡大にも暗い影が広がることは確実だといえよう。

不当に拘束し、海外での治療を許さず

劉氏の死に関連して米欧などが中国政府を非難しているのは、主に以下の点についてである。

(1)劉氏の民主主義活動をそもそも犯罪と断じて懲役11年の刑に課したことの不当性

(2)劉氏は明らかに服役中に病気となったのにがんが末期症状になるまで適切な医療措置をとらなかったことの非人道性

(3)末期がんによる死が確実となり、劉氏本人がドイツでの治療を希望したのに応じなかった過酷さ

(4)劉氏の妻、劉霞氏をさまざまな形で弾圧した残虐性

(5)劉氏の獄中での病状や対処に関する情報を一切、開示しなかった閉鎖性

とくに米国では政府、議会、メディア、民間の人権団体などが中国政府の残酷さを糾弾する声明などをいっせいに公表した。その一例として米国大手紙「ウォール・ストリード・ジャーナル」は7月13日の評論で次のように述べていた。

「中国政府が、劉暁波氏の治療のための出国を拒否したことには、恥ずべき理由がある。彼が外国に出て、獄中での医療に関する状況、とくに当局に肝炎の治療を拒否されたと語ることを恐れたのだ。劉氏の肝炎は明らかに肝臓がんの原因だった。早い時期に適切な医療措置がとられれば、彼は必ず生きながらえたはずである」

「劉氏の政治的信条を理由に彼を投獄し、しかも獄中で適切な治療をあえて行わなかった中国政府は、もはや世界に向かって自国の主張を信用せよと求めることはできない。いまや世界は、中国の最も重要な民主主義活動家だった劉氏が、人生の最後に中国での戦いについて自由に語るのを聞くという機会を失ったのだ」

また、米国を拠点とする国際的な人権擁護組織の「中国人権」は7月13日、シャロン・ホム会長名での声明を出し、世界各国に中国政府の責任を追及することを訴えた。その声明の骨子は以下のとおりである。

・平和的な方法による中国の民主化を説く劉暁波氏を、中国政府はその主張だけを理由に拘束し、適切な医療を与えないことで命までを奪った。その行為は共産党政権の卑劣さと道義欠落を証明した。

・中国政府には、劉氏に対する獄中での医療措置の実態を詳しく公表し、彼の肝臓がんの病状をなぜ末期となるまで明らかにしなかったのか、さらにはなぜ劉氏の最後の願いだった国外での治療を認めなかったのか、を公表する責務がある。

・各国政府、そして国際社会は、劉氏の未亡人となった劉霞氏の軟禁を解き、行動の自由を認めることを中国政府に強く求めるべきである。同時に各国政府は中国に劉氏の死の詳細な経緯の公表を迫るべきだ。

中国の対外戦略に大きなブレーキ

今回の劉氏の死によって、中国政府の独裁性や非人道性、そして「人権尊重」や「法の支配」という国際的な普遍価値である基本原則を無視している実態が改めて明らかになった。

このことは、超大国の立場を目指し、国際社会で多角的に拡張を図るという中国政府の試みには間違いなく大きなブレーキとなる。

中国は最近、習近平主席の野心的な政策の下、「一帯一路」や「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」といった国際的構想を推進している。これらは、中国の主導の下に他の諸国との多様な連帯や協力を深めることで、中国自体の国際的な影響力を強化していこうという戦略に基づいている。

そうした国際的な連携の拡大では、関係各国がどこまで共通の価値観を共有できるかが大きなカギとなる。現在の世界での共通的な価値観といえば、やはり民主主義、法の支配、人権尊重、人道主義などである。だが、今回の劉暁波氏死亡事件によって、中国政府がそうした共通要因を持ち合わせていないこと、それどころか反発あるいは敵視していることが実証されてしまった。その結果、中国政府の対外戦略全体が暗い影に覆われることになるだろう。

一方、米国の人権団体は、中国政府が自国の政府や共産党への批判を理由に逮捕して拘束した政治犯のなかには、劉暁波氏以外にも獄中で重病となったり、病死した実例が多数あることを指摘している。これらの実例に新たな光があてられ、国際問題となる可能性も浮かんできた。

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