『文在寅が大統領になったら移民する 「米国に捨てられていいのか」と叫ぶ韓国紙』(4/19日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について

韓国の大統領選も、日本では「米朝戦争の行方」の方に関心が移り、左程盛り上がっていません。それはそうで、誰が大統領になろうとも反日に邁進するのが分かっていますので。日本のメデイアも韓国大統領選を大きく取り上げたいのでしょうが、それどころではありません。4/20日経には、汝平和を欲さば

北朝鮮情勢が緊迫し、金融市場は地政学リスクに敏感になっている。今も予断は許さないが、今回戦闘状態にならずとも、リスクは消え去りはしない。どんな備えが必要か。

第1に、全国民への的確な情報伝達だ。2004年に国民保護法が制定され、内閣官房には国民保護ポータルサイト、総務省消防庁にもサイトが設けられている。内閣官房作成の「武力攻撃やテロなどから身を守るために」というパンフレットは簡潔に要点をまとめている。消防庁の資料も核兵器による攻撃を受けた後に身を守る方法を具体的に教えてくれる。

だが、こうした情報が浸透しているとは言えない。かつて高齢者がネットを利用しないといわれたのは昔の話になったが、それでも「情報通信白書」によれば、15年末時点で70代以上の高齢者でネットを利用する人は51%にとどまる。また低所得者層ほどネットを利用しないという格差がある。

それゆえ新聞やテレビといった既存のメディアの役割が重要になる。一部のワイドショーなどでは、門外漢があれこれ好き勝手な発言をすることが多いが、事は国民の命に関わる重要事項だ。NHKや民放、主要紙は先のパンフレット内容を周知徹底してはどうか。

第2に、有事への備えだ。具体的には訓練、設備、そして国防になる。内閣官房のサイトによると、政府は弾道ミサイルを想定した避難訓練を各都道府県で実施している。ただ、その記録を見る限り小規模で、大都市部中心地への攻撃を想定して行われた大規模避難訓練は見当たらない。9月1日の防災の日に訓練を行うように、「国民保護の日」の制定と全国規模での訓練実施を勧めたい。

設備面では核攻撃が起きた時に国民を収容する施設、救援体制が十分に確保されているかが課題だ。在外邦人保護体制の確立も急務だ。

第3に、安全保障・国防・軍事に関する研究と教育を推進すべきである。こうした研究は長年日本では半ばタブー視されてきた。だが、「汝(なんじ)平和を欲さば、戦への備えをせよ」という。安全保障への脅威はミサイル攻撃だけではない。既にサイバー空間、宇宙空間、深海で目に見えない戦争が起きている。今こそ備えるべきだ。>(以上)

何度も本ブログで紹介しています小坪慎也氏のHPを貼り付けます。非常に役に立つと思いますので拡散して戴ければ。

https://samurai20.jp/2017/04/j-alert/

政府はパニックを恐れているのかもしれませんが、正しい情報を国民に与え、万一の事態が発生しても、冷静に行動できるように避難訓練をした方が良いでしょう。安倍内閣は憲法改正を悲願としていますが、国民に安全保障を考えさせる良いチャンスなのに。小生の周りでも朝鮮の核・毒ガスミサイル攻撃やテロの脅威が高まっていることについて知っている人は多くいませんでした。知っていても、根拠なしに、「絶対ない」と思っている人が多い。これでは生き延びれないでしょう。

4/19TVモーニングショーで北朝鮮の元外交官韓進明は「北が願っていることは、アメリカとの2カ国対話。最終的には大使レベルでの外交関係を願っている。国民のために文化、経済のレベルを上げようとしていると思う。先制攻撃はありません。北は戦争を願ってはいない。トランプ氏との交渉の接点を模索している。政策決定機関の心理をよく知っている。北の国民性からいうと、絶対に発砲することはありません」と述べました。でも、第一次大戦の勃発、太平洋戦争、朝鮮戦争、湾岸戦争が起きたことを考えれば、絶対戦争は起きないとは言えないでしょう。煽る訳ではありませんが、最悪の事態を想定し、良く準備しておくことが危機管理の要諦です。

https://www.j-cast.com/tv/2017/04/19295951.html?p=all

4/19ZAKZAKには「米紙(WSJ、ディプロマット)が韓国左派一喝「外交政策を人質に慰安婦問題を悪用」 半島有事でも国民感情誘導する報道に批判の目」という記事が載りました。米国知識人も蝙蝠人間の韓国民を厳しく見るようになってきたという所でしょう。勿論WSJはNYTのようなリベラル紙ではなく保守派を代表する新聞ですから。真面な知識人であれば所謂従軍慰安婦は朝日新聞と挺対協、中共の合作だとすぐ気が付くでしょうから。気が付かないとしたら真面でないか、金かハニーに転んでいるかです。

http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20170419/frn1704191530008-n1.htm

鈴置氏の記事では、韓国保守派が「第二のアチソン声明」になるのを心配しているとのことです。「時、既に遅し」でしょう。もう米中で朝鮮半島の管理について取引した可能性があります。昨日の小生のブログで紹介しましたように、トランプは習近平から「韓国は歴史的に中国の一部だったことがある」とツイートしました。朝鮮民族の蝙蝠さとしつこさ、嘘つきにホトホト嫌気がさしてきたのかもしれません。それを考えますと、米朝戦争になっても米国は韓国を守る気があるのかと思ってしまいます。

記事

文在寅(左)と安哲秀、2人の大統領候補は韓国をどこへ導こうとしているのか(セウォル号事故3周年追悼式にて 写真:YONHAP NEWS/アフロ)

前回から読む)

大陸勢力側に行くのか、海洋勢力側に残るのか――。大統領選挙を目前に、韓国が揺れる。

中国圏に行く韓国

鈴置:「このまま行けば米国から見捨てられる」と韓国の保守系紙が相次いで国民に訴えました。

中央日報のコラムニスト、チョン・ヨンギ記者は「米中に捨てられる韓国」(4月10日、日本語版)を書きました。韓国語版(4月10日)にも同じ見出しで載せています。

5月9日の大統領選挙で左派か中道の大統領が選ばれそうだが、そうなれば米国は韓国から兵を引くであろう、と警告したのです。ポイントを訳します。

  • 近い未来、韓国の自主的平和主義者が描く反米的理想が実現するかもしれない。
  • 在韓米軍へのTHAAD(=サード、地上配備型ミサイル迎撃システム)配備を、次期政権が国会の議決を通じ拒否する可能性が十分にあるからだ。
  • (合わせれば国会の議席の過半数を占める)「共に民主党」と「国民の党」は党論でTHAAD配備に事実上反対している。
  • さらに次期大統領が(北朝鮮への外貨送金パイプとなっている)開城(ケソン)工業団地の再稼働と金剛山(クムガンサン)観光を宣言し、金正恩委員長に首脳会談を提案すれば、韓国は外交的に親中国圏に分類されることになる。
  • 中国はTHAAD配備容認への報復を中断するだろう。しかし韓国は対北朝鮮制裁を細密に規定した国連決議案の違反国になる。北朝鮮の核・ミサイル開発を現金で支援する国として非難される。

次の大統領は左派「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)前代表か、中道をうたう「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)前共同代表のどちらかと見なされています。

4月以降の世論調査で両者がいずれも30―40%の支持率を誇るのに対し、保守系候補の2人はとも数%に留まっているからです。弾劾され下野した朴槿恵(パク・クンヘ)前大統領への不信感が「保守離れ」を生んだのです。

「反米ごっこ」をやめろ

—「親中国圏に分類され」たらどうなるのですか?

鈴置:チョン・ヨンギ記者は次のように説きました。

  • トランプ(Donald Trump)大統領が韓米同盟の終結を通知しても韓国は返す言葉がない。米軍が撤収し、米国の東アジア防御ラインは韓国の休戦ラインから日本の西海岸に後退するだろう。

つまり「米国は韓国を見捨てる」と断じたのです。決して大げさな見方ではありません。米中二股外交を採用した朴槿恵前政権は米国を裏切り続けてきました(「米中星取表」参照)。

案件 米国 中国 状況
日本の集団的自衛権 の行使容認 2014年7月の会談で朴大統領は習近平主席と「各国が憂慮」で意見が一致
米国主導の MDへの参加 中国の威嚇に屈し参加せず。代わりに「韓国型MD(ミサイル防衛)」を採用へ
在韓米軍への THAAD配備 韓国は「要請もなく協議もしておらず決定もしていない(3NO)」と拒否していたが、朴槿恵大統領の弾劾訴追後の2017年2月28日にようやく米軍への用地提供を決定
日韓軍事情報保護協定 (GSOMIA) 2012年6月、中国の圧力もあり韓国が署名直前に拒否。締結を望む米国に対し、朴槿恵大統領は「慰安婦」を理由に拒否。しかし下野要求デモが激化した2016年11月突然に締結
米韓合同軍事演習 の中断 中国が公式の場で中断を要求したが、予定通り実施
CICAへの 正式参加(注1) 正式会員として上海会議に参加。朴大統領は習主席に「成功をお祝い」
CICAでの 反米宣言支持 2014年の上海会議では賛同せず。米国の圧力の結果か
AIIBへの 加盟 (注2) 米国の反対で2014年7月の中韓首脳会談では表明を見送ったものの、英国などの参加を見て2015年3月に正式に参加表明
FTAAP (注3) 2014年のAPECで朴大統領「積極的に支持」
中国の 南シナ海埋め立て 米国の「明確な対中批判要請」を韓国は無視
抗日戦勝 70周年記念式典 米国の反対にもかかわらず韓国は参加
米中星取表~「米中対立案件」で韓国はどちらの要求をのんだか (○は要求をのませた国、―はまだ勝負がつかない案件、△は現時点での優勢を示す。2017年4月18日現在)

(注1)中国はCICA(アジア信頼醸成措置会議)を、米国をアジアから締め出す組織として活用。 (注2)中国はAIIB(アジアインフラ投資銀行)設立をテコに、米国主導の戦後の国際金融体制に揺さぶりをかける。 (注3)米国が主導するTPP(環太平洋経済連携協定)を牽制するため、中国が掲げる。

そんな韓国にトランプ政権は厳しい視線を向けています。3月に初訪韓した米国のティラーソン(Rex Tillerson)国務長官は米メディアの前で、日本を「最も重要な同盟国」と呼んだ半面、韓国は「重要なパートナーの1つ」と形容するに留め、露骨に格下げしたのです(「米国から『同盟国』と呼ばれなくなった韓国」参照)。

韓国の保守層は大きなショックを受けました。朴槿恵政権以上にはっきりと反米姿勢を打ち出す文在寅候補が政権をとったら「パートナー」でさえなくなると考えたのです。

「反米左派の文在寅が大統領になったら移民する。米国が守ってくれない韓国には怖くて住めない」と語る韓国人が増えています。

そんな心情を聞かされる日本人もかなりいまして、朝鮮半島研究者の集まりでは、しばしば「韓国人の亡命願望」が話題になります。

チョン・ヨンギ記者は記事の最後で、名指しはしなかったものの文在寅候補らに対し「反米ごっこをやめろ」と要求しました。

  • 韓国の大統領候補は夢から目覚める必要がある。世界の安保状況が韓国の「井の中の蛙」式の「独りよがりの遊び」をあざ笑っている。韓米同盟を固めて国論をまとめ、中国にしっかりと対応していこうと有権者に訴えるのが正道だ。

「アチソンライン」が復活

—「独りよがりの遊び」とは激しい表現ですね。

鈴置:米国との同盟を失いかねないのです。それぐらいの言葉を使いたくなるでしょう。

保守言論界の大御所である金大中(キム・デジュン)朝鮮日報顧問も同じ趣旨の記事を翌4月11日に載せました。「5月9日の選択と韓米関係」(韓国語版)です。

韓国の左派政権の下で韓米同盟関係はどのようになり、韓国の安全保障はこれまでのように維持できるのか――。これが現在の韓国の絶体絶命の問題だ。

楽観的に見て韓米「関係」が維持されたとしても、少なくとも軍事的「同盟」は弱体化する。悲観的に見た際、同盟関係に異常が生じ、米国は日本列島を防御線とする「アチソンライン」にまで後退、韓国は大陸側に放置されるだろう。

「アチソンライン」とは1950年1月12 日に米国のアチソン(Dean Acheson)国務長官が演説で明かした米国の防衛領域を示す限界線です。

「防衛線はアリューシャン列島―日本―沖縄―フィリピンにある」と定め、韓国をその外に置きました。これを聞いた北朝鮮の金日成(キム・イルソン)首相(当時)が「南に攻め込んでも米国は介入しない」と判断、朝鮮戦争を始めたのです。

「アチソンライン」は韓国人のトラウマとなっています。中央日報のチョン・ヨンギ記者も、この言葉は使いませんでしたが「米国の東アジア防御ラインが韓国の休戦ラインから日本の西海岸に後退」との表現で「見捨てられ」の危険性を訴えたのです。

金大中顧問は折に触れ「アチソンライン復活」の可能性を指摘してきました(「日米の『同時格下げ宣言』に慌てる韓国」参照)。しかし、これほどに切羽詰まった感じで書いたのは初めてです。

「名誉革命」などと自らに酔って、保守派の大統領を追い出した韓国人(「『キューバ革命』に突き進む韓国」参照)。でもその結果、米国に見捨てられかけているとようやく気づき、大慌てなのです。

軟化して見せた文在寅

—「見捨てられ論」は大統領選挙に影響を与えましたか?

鈴置:THAADの在韓米軍配備に関し、左派と中道候補がスタンスを微妙に変えました。

4月10日の朝鮮日報とのインタビューで、文在寅候補は「北朝鮮が核挑発を続け、高度化するなら、THAAD配備が強行されることだろう」と語りました。

一貫して「配備は延期すべきだ」「国会の同意が要る」と主張してきたのに「状況によっては容認もあり得る」と軟化したのです。

同日の朝鮮日報のインタビューで、安哲秀候補は「国民の党」が「THAAD配備反対」を掲げていることに関し「大統領選挙の局面で、党は候補の意に沿って党論を定めるしかない」と述べました。これを受け「国民の党」も党論を「容認」に修正する方向です。

安哲秀候補自身はすでに「配備が米国との合意に基づいて実施に移されている以上、国家間の約束は守る必要がある」と容認にカジを切っていました。

両候補のインタビューは「文『北が核挑発継続ならTHAAD強行』 安『THAAD反対の党論撤回に向け説得』」(4月11日、韓国語版)で読めます。

「安哲秀の急追」を意識

—文在寅候補はなぜ、軌道修正したのでしょうか。

鈴置:保守層を取り込んだ安哲秀候補に支持率で追い上げられ、一部の調査では抜かれたからです。

文在寅氏が「共に民主党」の大統領候補に選ばれるまでは、同じ党の安煕正(アン・ヒジョン)忠清南道知事が「文在寅氏よりは現実的で穏健」との理由から保守層の一部の支持を集めていました。

4月3日に「共に民主党」の候補が文在寅氏に決まり、安煕正氏の出馬がなくなった瞬間、同氏への支持の多くが同じ党の文在寅氏ではなく、「文氏よりは穏健な」安哲秀候補に流れたのです。

韓国ギャラップの4月第1週(4-6日)の調査で文在寅候補の支持率は38%。安哲秀候補の35%に肉薄されました。

3月第5週(28―30日)の調査ではそれぞれ31%と19%でしたから、安哲秀候補の急追ぶりが分かります。「楽勝ムード」に酔っていた文在寅陣営には危機感が走りました。それがTHAAD問題での軟化につながったのです。

ちなみに4月第1週の調査で保守候補への支持率は、朴槿恵派の自由韓国党の洪準杓(ホン・ジュンピョ)候補が7%、反朴槿恵派の劉承旼(ユ・スンミン)候補が4%でした。

「次悪」に投票せよ

韓国では「見捨てられ」への警戒が強まるほどに「反米」の文在寅候補を当選させまいとする空気が濃くなるのです。

興味深いことに、左派から「極右」と決めつけられる保守の指導者、趙甲済(チョ・カプチェ)氏が、保守ではなく中道の安哲秀候補への投票を呼び掛けるに至りました。

当選可能性がほぼない保守系候補に投票しても「死に票」になる。それなら「最悪の文在寅ではなく、次悪の(より悪くない)安哲秀候補に投票しよう」との訴えです。

趙甲済氏の主張は動画「保守の悩み 洪準杓か安哲秀か」(4月7日、韓国語)で視聴できます(「次悪」部分は開始38分30秒後から)。

街頭でも呼び掛け始めました。「趙甲済の清渓広場での演説『候補一本化は有権者の責務』」(4月8日、韓国語による動画)です。

世論調査では「安哲秀」と答えても、投票場には行かない保守が多いと趙甲済氏は懸念したのでしょう。

そこで「とにかく投票しよう」と呼び掛けています。「朴大統領は悔しい。投票所へ皆で行こう。大韓民国を守ろう!」(4月9日、韓国語)でそう書きました。

保守の中には「中道を自称するものの本質は左翼」と安哲秀候補を嫌う人もいます。安哲秀氏は2012年12月の大統領選挙では文在寅氏を支持しました。それに2014年3月から2015年12月までは、文在寅氏ら左派と統合新党を結成していたからです。

趙甲済氏は「今は米韓同盟解体の危機を乗り越えることが急務」と考え、苦渋の「安哲秀支持」を打ち出したのです。

次の王を首実検

—朝鮮日報のインタビューで、文在寅と安哲秀の両候補は安保政策で軌道修正しています。それでも保守は安心できないというのですか?

鈴置:2人の「軌道修正」は選挙用の「偽装転向」ではないかと疑う向きも多いのです。朝鮮日報の社説「安と文の2人の安保政策は本当に信頼できるのか」(4月12日、韓国語版)は見出しからしてその疑いを露わにしています。

それに「軌道修正」に対しては、中国が黙ってはいません。4月10日に訪韓した中国の武大偉・朝鮮半島問題特別代表が、各党の代表に会って意見を交換したと報じられました。

米国側に戻らないよう、ネジを巻きに来たと言った方が正確と思います。朝鮮朝の次の王様は誰がいいか、清朝の皇帝のお使いがやってきて首実検した感じでもあります。

韓国が海洋側に残るかは、まだ流動的なのです。

(次回に続く)

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