『用心棒代1万元を要求された男子中学生が不審死 いじめによる致死が濃厚も警察は否定、「役人の子供」の暴挙か』(4/14日経ビジネスオンライン 北村豊)について

4/18日経中国6.9%成長、公共投資がかさ上げ 不動産バブルの懸念も

【北京=原田逸策】中国の2017年1~3月の実質経済成長率は前年同期比6.9%だった。地方を中心にインフラや不動産への投資が増え、成長をかさ上げした。習近平指導部は最高指導部が入れ替わる秋の党大会をにらんで安定成長の演出に躍起だ。ただ、資産バブルの拡大など先行きのリスクは膨らんでいる。

成長率は2四半期続けて上向いた。成長加速の原動力は前年同期から23.5%も伸びた道路や空港などインフラ投資だ。経済政策に通じた共産党関係者は「党大会前に経済成長で得点を稼ごうと地方政府の指導者や官僚が投資を増やした」と指摘する。

インフラ投資が成長をけん引する(北京の新空港建設現場)=ロイター

1~3月の財政支出は21%増の大盤振る舞いとなった。同期中のショベルカー販売は約4万台とほぼ倍増。需要の高まりは鉄鋼などにも広がる。

「多少高くてもいい。鉄を売ってもらえないか」。今春、日本の大手鉄鋼メーカーの中国オフィスに電話が入った。電話の主は中国の建設関連企業の調達担当者だ。

国を挙げて過剰生産能力の削減を進めるなか、地方政府のインフラ投資増などで鉄鋼需要は膨らみ、需給はにわかに引き締まっている。中国の鉄鋼価格は昨年夏以降、2~3割上昇。1~3月の粗鋼生産は前年同期比4.6%増と16年通年(1.2%増)から伸びを高めたが、それでも需要を満たしきれず日本企業に泣きつく例も出てきた。

日本の鉄鋼メーカー幹部も「こんなことは今までなかった」と驚く。目先の需要増で過剰生産能力の調整ペースが緩めば将来、供給過剰問題が再燃するリスクが残る。

インフラ投資とともに成長を引っ張ったのは不動産だ。1~3月の不動産開発投資は前年同期比9.1%増と16年(6.9%増)より加速。販売面積は19.5%増えた。中国政府は国外への資金流出を抑えるため昨年末から海外投資を厳しく制限しており「資金が海外に流れず、最後は国内不動産に戻ってきている」(エール大学の陳志武教授)。

中国国家統計局によると1~3月の成長率のうち不動産投資の寄与は1割弱だった。マンション購入後の家具や家電製品など耐久消費財の消費も考慮すると実体はさらに膨らむ。

インフラ投資と不動産が主導する成長は副作用も大きい。北京、上海、深圳のマンション価格はバブル経済時の東京を超えたとされる。名目の国内総生産(GDP)は1~3月に前年同期より1.9兆元(約30兆円)増えたが、家計や企業の債務は3.6倍の6.9兆元増えた。借金漬けの体質は強まっている。

3月の統計局の調査で、中小企業の5割超は「資金繰りが苦しい」と訴えた。債券の債務不履行も高水準が続く。中小銀行は短期の借り入れを膨らませて中長期の債券や理財商品への投資を増やしている。

李克強首相は3月の政府活動報告で「金融リスクを高度に警戒する」と表明した。中国人民銀行(中央銀行)も過度の金融緩和を修正、短期の市場金利を緩やかに引き上げる。足元の期間1年の短期金利は16年初より1.5%も高い。市場の流動性も引き締め気味だ。

安定した経済成長を保ちつつ、生産能力の調整、不動産など資産バブルの抑制といった構造問題にどこまで本腰を入れて取り組むか。当局の政策運営に中国景気は大きく左右されそうだ。>(以上)

今の国民の関心は米朝戦争の行方で、中国については北に圧力がかけられるかどうか見守っている所です。トランプは中国を為替操作国認定から外しましたので、中国はそれなりに動いているという事でしょう。「王毅外相は14日、「誰であろうと朝鮮半島で戦争を起こしたら、歴史的な責任と代償を払わなければならない」と述べ、北朝鮮とアメリカ双方に自制を求めた。」との報道です。4/15核実験は思い留めさせたのかも知れません。

4/14「報道特注」で山口敬之氏が北のミサイルとテロについて述べていますので、下記のyoutubeを是非ご覧になってください。北のミサイル失敗は米国が何らかの手段で阻止したのかも知れません。EMP(電磁パルス)でミサイルが飛んでくるのは防げるかも知れません。そうなると怖いのはテロです。市民が良く観察して、事が起きれば、すぐ警察に連絡できるようにしませんと。

https://youtu.be/g1DjAc_Pff4

また、米国の攻撃の前にNEO(noncombatant evacuation operations)が実施されるだろうと思われます。本年1月に在韓米軍の家族が沖縄へ避難演習していました。子供にガスマスクを付けさせていた様子が映っていました。政府は国民全員にガスマスクを配布するくらいを考えなければ、国民の生命は守れません。左翼政党が共謀罪に抵抗しているように、事が起きてからの対応しかできないようにしてきたためです。メデイアに騙され、そういう政治家を選んで来た国民の責任が問われる時が近づいています。

4/18日経記事は本年1~3月の成長率が6.9%あるというのは昨日の小生ブログの記事にありましたように「本当?」と感じます。インフラ・不動産投資で成長と言っても、借金を積み重ねて来ていますので、臨界点がどこかで来るのではと思います。

北村氏の記事は役人の腐敗ぶりが分かる記事です。父が権力者であれば、子供も何でもできるという世界です。台湾でも、国民党の子孫は、子供でも自分を偉く思うと聞いていますので、中国人に共通の思いなのでしょう。日本でも虐めで子供が亡くなっているケースがあります。日教組が幅を利かせているからです。本当に左翼と言うのは始末に負えません。権力の濫用を平気でしますので。反日共産党、反日民進党を応援している人はこの北朝鮮危機をどう感じるのでしょうか。拉致問題もずっと解決しないで来ました。もっと国民が国際情勢に関心を持たなければ。

記事

四川省南部の“瀘県”は“瀘州市”の管轄下にあり、県東部で重慶市と境を接している。瀘県は面積1532km2、人口110万人で、日本の市で2番目の面積を持つ浜松市(1558km2、80万人)の規模に近く、西部地区の“百強県(経済力のある100カ所の県)”に選出されており、現在は“瀘川区”として瀘州市へ編入させる計画が進行中である。

学校は火葬を急ぎ、警察は事故死と断定

その瀘県の県庁所在地から東南へ30kmに位置する“太伏鎮”にある“太伏鎮初級中学(略称:太伏中学)”で、中国社会が直面する問題点を如実にさらけ出す事件が発生した。この事件に関する海外メディアと中国のインターネット上に庶民によって書き込まれた情報を総合して取りまとめると、その概要は以下の通り。

【1】4月1日朝6時20分頃、“瀘県公安局”の“太伏鎮派出所”は、太伏中学の男子学生宿舎前のコンクリート舗装の道路上に人が倒れているとの通報を受けた。太伏鎮派出所は警官を現場へ急行させると同時に、救急車の派遣を要請した。現場に到着した警官は倒れていた男性が死亡していることを確認し、死者の身元を調査したところ太伏中学の男子学生であることが判明した。死亡していたのは太伏中学2年生の“趙鑫(ちょうきん)”(2002年12月21日生まれの14歳)で、同中学の男子学生宿舎5階の505号室に居住していた。以下、本件を「趙鑫事件」と呼ぶ。

【2】趙鑫の父親“趙廷学”と母親の“游小紅”は2001年に結婚し、2002年に趙鑫をもうけたが、2012年に離婚した。離婚した2人は間もなく再婚したが、2014年に再び離婚し、趙鑫の養育は趙廷学が行うことになった。しかし、趙廷学は年中出稼ぎに出ていることから、趙廷学の父母、すなわち趙鑫の祖父(67歳)と祖母(62歳)が趙鑫の世話をしていた。2015年9月に趙鑫が太伏中学へ入学して学生宿舎で生活するようになると、趙鑫は毎週金曜日の午後に自宅へ帰り、月曜日の早朝に太伏中学へ戻るのが慣例となった。祖父は趙鑫が学校へ戻る時に、毎週100元(約1600円)前後の生活費を渡していた。但し、毎週100元程の生活費をもらっていたのに、趙鑫はいつも腹を空かせた様子であったので、祖父は疑問に思っていたという。

【3】事件当日、学校側は趙鑫の家族が現場へ到着していないにもかかわらず、大急ぎで趙鑫の遺体を“殯儀館(葬儀場)”へ搬送して火葬に付そうとした。遺体が搬送される直前に現場へ到着した趙鑫の家族はこれを押し止め、遺体を仔細に見ると、趙鑫の背中には打撲による赤紫のうっ血が広範囲に存在しただけでなく傷口もあり、左腕は背中の方へ奇妙にねじ曲がっていた。現場にはどこにも血痕がなく、どうみても宿舎の5階から転落して死亡したとは考えられなかった。なお、事件発生から数時間後にはネット上に宿舎前の路上に横たわる趙鑫の遺体や遺体の背中を写した写真が投稿され、人々は当該写真を通じて趙鑫の死が不審なものであることを確信した。

【4】一方、現場検証を行った太伏鎮派出所の警官は趙鑫が誤って学生宿舎の5階から転落したと簡単に結論付け、事故死と断定した。これを受けた学校側は鎮政府に対して趙鑫が学生宿舎から誤って転落したと報告を入れ、事件を事故死として決着させようとした。ところが、趙鑫の凄惨な遺体を見ていた家族は転落死という判定に強く反発し、趙鑫は5階の部屋で暴行を受けて殺害された上で、転落しに見せかけて5階から投げ落とされたと推定し、瀘県公安局に対して趙鑫の遺体を司法解剖して死因を究明するよう強く要求したのだった。

5人の番長、うち2人は「役人の子供」

【5】趙鑫の祖父が語ったところによれば、趙鑫は以前から太伏中学の“校覇(番長)”たちからカネをゆすられていたという。最初の要求は1000元(約1万6000円)だったが、そんな大金を趙鑫が払えるはずがなく、彼は思い余って祖父母に事態を打ち明けた。話を聞いて怒り心頭に発した祖父母は即座に太伏鎮派出所へ通報し、通報を受けた派出所は太伏中学へ事態を連絡して善処を要請した。太伏鎮派出所にはこの時の通報記録が残っていると言われる。これでカネの支払いなしで、何事もなく終わったかと思われたが、警察に通報されたことを根に持った番長たちの趙鑫に対する要求は増大した。彼らは趙鑫に対して「よくも警察に通報したな、3月31日までに“保護費(用心棒代)”として1万元(約16万円)を支払え。さもないと、“弄死你(お前をぶっ殺す)”」と脅したという。1000元でさえ払えないのに、1万元などという大金が趙鑫に支払えるはずがなく、趙鑫は番長たちに彼らの言葉通り「消された」可能性が高い。

【6】太伏中学には5人の番長がいることは世間に知られたことで、趙鑫の死亡が太伏鎮内に知れ渡ると、インターネットの掲示板には、「その5人には、太伏鎮の鎮長である“雷鑫平”の息子、太伏鎮に隣接する“兆雅鎮”の“兆雅鎮派出所”の所長である“田安軍”の息子、さらには太伏中学の元校長である“彭傳彬”の息子が含まれている」との書き込みが行われた。彼ら3人は“官二代(役人の子供)”であり、父親の権威を嵩に着て太伏中学の学生たちを牛耳り、悪さの限りを尽くしていた可能性がある。彭傳彬は太伏中学の元校長であり、その息子が番長の1人だったとは「何をか言わんや」である。

【7】母親の游小紅が語ったところによれば、趙鑫事件の発生が太伏鎮内に知れ渡ると、事件の隠蔽を図るべく、太伏鎮政府と太伏中学は密かに游小紅と父親の趙廷学に接触し、5人の番長の家族が1人当たり20万元(約320万円)ずつ出し合った合計100万元(約1600万円)で示談にしようと持ち掛けたが、2人はこれを拒否したという。游小紅はSNSのチャット「QQ」を通じて次のような文章を発表して、太伏鎮の人々に自身の気持ちを訴えた。

私は死者の母親です。私の今の気持ちは誰にも分からないと思います。血肉を分けた息子がどれほど痛かったことかは、母親の私にはわかります。今、私の息子は訳も分かぬ形で死亡してしまいましたが、私は息子が自殺するような子でないことを知っています。あの日、貴方に一体何があったの。どうして貴方は満身創痍で全身にうっ血があったの。息子よ、夢の中で何があったか教えて。私は真相が知りたいの。代われるものなら、私があなたに代わりたい。この文章を読んだ母親の皆さん、この無力な母親と哀れな息子を助けてください。

群衆抑制、署名強要、祖母昏倒

【8】趙鑫が太伏中学で不審死を遂げたことは、口伝えで瞬く間に太伏鎮内に知れ渡った。その遺体には明らかな暴行の痕跡が見られたのに、警察がいとも簡単に趙鑫が宿舎から誤って転落したと結論付けたことに、人々はその背後にある権力の濫用を察知して怒りを募らせた。太伏中学学生の父母を中心とする人々は続々と太伏中学の門前に集まり、学校側に対して事件の真相を究明するよう要求した。これらの人々を前にして、小型の拡声器を手にした母親の游小紅は、息子を突然失った母親の悲しい心境を訴えると共に、遺体の状況から見て、息子は暴行を受けて死亡した後に、転落死を装うために宿舎5階から投げ捨てられた可能性が高いとして、死亡解剖による死因の究明を要求すると強い口調で述べた。さらに彼女は、「あなた方の子供もこの太伏中学では生命の安全はない。私の息子がどうなったか考えれば分かるでしょう」と強調したのだった。

【9】4月1日の午後には太伏中学の門前には数百人の群衆が集まり、事件の真相究明を求めた。このため、太伏鎮公安局は多数の警察官を太伏中学周辺に配備して群衆の動きを抑制し、速やかに解散するよう命令を出した。しかし、群衆は減らぬばかりか、ますます増大する傾向を示した。これに困惑した太伏鎮公安局は游小紅と趙廷学の2人を拘束して連行して、2人を群衆から隔離した。また、4月2日には、太伏鎮長(雷鑫平?)と瀘県副県長の2人が人知れずに趙鑫の家を訪ね、祖父母に趙鑫が学生宿舎の5階から飛び降り自殺したことを認める旨の署名を行うよう強要した。これに激高した祖父母は署名を拒否したが、祖母は怒りの余り昏倒し、医院へ緊急搬送された。祖母が緊急搬送されたことは、すぐに太伏鎮の人々の知る所となった。なお、一時的に祖母が医院で亡くなったというニュースが流れて人々の義憤を誘ったが、後に虚報であったことが確認された。

【10】太伏鎮政府は「趙鑫は宿舎5階から飛び降りて自殺したものと思う」と記した文書に署名したら50元(約800円)を支払うとして、太伏鎮の住民たちに署名を呼びかけたが、署名する者は誰もいなかった。それというのも、太伏中学で学生が突然に不審死を遂げたのは今回が初めてではなく、以前にも2回発生していた。前の2回も学校側は死亡した学生の家族にカネを支払って示談にしていたが、今回は趙鑫の家族が示談を強く拒絶して、死因の究明を望んだため、鎮政府までが住民たちを懐柔すべく50元を支払ってまでも趙鑫の死因を飛び降り自殺にするための世論誘導を行おうとしたのだった。しかし、50元程度のはした金で良心を売ろうとする鎮の住民はいなかった。

「部分停電」で通信の遮断?

【11】太伏中学では在学生たちに対し趙鑫事件についてかん口令を敷いたが、事件の真相を知る学生たちが親に話したり、SNSに投稿したことで、5人の番長が趙鑫に暴行して殺害した挙句に、自殺に見せかけるため、遺体を学生宿舎の5階から投げ捨てたという事件の輪郭が徐々に浮かび上がった。これを知った群衆は太伏中学の門前に集結して、事件の徹底解明を要求した。群衆の規模は4月2日には数千人であったが、翌3日には1万人を超え、地元の“瀘県公安局”の警官だけでは群衆の動きを抑制することは不可能になった。このため、瀘県公安局は“瀘州市公安局”に、瀘州市公安局は“四川省公安庁”に応援を依頼した。

【12】4月3日午後4時、瀘県公安局は「“厳打謡言通告(デマ取締り布告)”」を発布して、ネットを通じて趙鑫の死因に関するデマをまき散らし、群衆を扇動する者を厳しく取り締まり処罰すると発表した。4月4日には装甲車を含む多数の警察車両が太伏鎮に到着し、面付きヘルメットと防護衣で身を固め、手には防護盾を持つ“特警(特殊警察部隊)”が降り立ち、太伏中学門前から群衆を排除すると同時に、太伏鎮内の治安維持の任務に就いた。また、太伏鎮は“特警”によって完全に封鎖され、鎮への出入りは厳しく制限され、上空からは飛行機による群衆の監視ならびに写真撮影が行われた。

【13】4月5日には瀘県市公安局が、趙鑫事件の現状報告を行い、「公安部門が事件を調査中であり、趙鑫の検死を間も無く開始する」旨を発表し、群衆の沈静化を図った。なお、瀘州市は4月5日から16日まで12日間の予定で広範囲にわたる部分停電を実施すると発表したが、これはインターネットなどによる通信の遮断が目的と考えられている。

4月7日、瀘州市党委員会と瀘州市人民政府が共同で開催した記者会見の席上、瀘州市副市長兼公安局長の“何紹明”は、趙鑫事件の調査結果について報告を行い、結論として「趙鑫の損傷は高所から墜落してできたものであり、その他暴力が加わったことによる損傷がないことから、他殺の可能性は排除できる」と言明した。その理由を簡潔に列記すると以下の通り。

(1)趙鑫の学校における評判は、授業を聞かず、学習に努力せず、反抗心が強かった。

(2)趙鑫の学業成績は中一の時はクラスで20~30番だったが、中二になると40番に下がった。担任がこの原因を本人に問いただしたが、泣くばかりで話をしなかった。

(3)趙鑫は日頃から金遣いが荒く、祖父に毎週もらう100元の生活費も水曜日には使い果たし、同級生からカネを借りて、翌週返却する有様だった。

(4)3月28日、趙鑫は風邪で発熱したが、数日間薬を飲まなかったため、病状が悪化していた。3月31日は通常通り授業に出席していたが、午後に発熱による不調を訴え、居室に戻って休息を取った。その後は教室へ戻って夜の自習を行い、9時10分頃に居室へ帰った。

(5)夜10時に就寝すると、11時頃に趙鑫は突然飛び起き、大声で意味不明な言葉を叫び出したので、生活指導教員を呼び、趙鑫を見てもらったら、発熱していたが、趙鑫は医者に見てもらうのを拒否した。当該教員は夜中の2時から3時の間に2回居室に入って趙鑫の様子を見たが、趙鑫は「大丈夫だから先生は寝て下さい」と答えた。

(6)学校に5人の番長がいるという事実はない。官二代が3人いるという事実も存在しない。校長と道徳主任の子供が中一に在学しているが、いずれも娘であって、息子ではない。

(7)趙鑫が飛び降り自殺したという文書に署名すれば、派出所が50元を支払うという話はデマであり、すでにデマを流した犯人を拘束して取り調べている。

(8)死者の家族は何度も検死を拒否したが、敢えて検死を行った結果、損傷は高所から墜落した特徴と一致しており、生前の傷はどこにもなかった。

庶民の不信感、増幅止まらず

先述した「海外メディアと中国のインターネット上の書き込み情報」と上記の「何紹明による報告の内容」のいずれを信じればよいか。それは筆者にも判断はつきかねるが、後者は実に巧みに辻褄合わせを行っている感が強く、どちらかと言えば眉唾物なのではないか。上記の何紹明の報告に対して、あるインターネットユーザーは、「学生宿舎の生活指導教官が発熱している学生の容態を心配して、真夜中に2度も様子を見に行くなどということは有り得ない」と喝破している。さらに、検死を要望したのは家族であり、検死を避けようとしたのは太伏中学であった。遺体の写真から見て、高所からの墜落死とは到底考えられない。

中国では親の権力を嵩に着る“官二代”に対する反感が今まで以上に増大している。また、2016年5月7日の夜に北京市で冤罪の買春容疑で逮捕された“雷洋”が警官の暴行を受けて死亡した、通称「雷洋事件」<注>を境として公安警察に対する庶民の不信感はますます増幅されている。趙鑫事件は両者の要素を兼ね備えていたことで、太伏鎮の庶民の反発を買い、大きな騒動へと発展した。怒れる民衆を公権力で押さえつけ、黒を白と言いくるめても、それに反発する民衆が立ち上がる日が必ず来るのが歴史の定理である。中国共産党総書記の“習近平”は“依法治国(法に基づき国を治める)”を標榜するが、その最たる理由はそうしなければ、民衆が蜂起する可能性を否定できないからなのである。

<注>本リポートの2016年5月20日付「若き研究者は偽りの買春逮捕の末に殺されたのか」、2016年6月17日付「雷洋事件続報、売春逮捕は警官による偽装が濃厚」、2016年7月15日付「雷洋事件続々報、鑑定は窒息死、暴行に言及せず」参照。

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